説明

KIR結合剤およびその使用方法

【課題】阻害性ヒトキラーIgG様受容体(KIR)のシグナリングを減少させることにより、ナチュラルキラー細胞を媒介した標的細胞の死滅を増大することができる薬剤および方法の提供。
【解決手段】モノクローナル抗-KIR抗体や交差反応性抗KIR抗体またはこれらの断片から選択される薬剤で癌、感染症、ウイルス感染または免疫不全の治療のための医薬。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
阻害性ヒトキラーIgG様受容体(KIR)の細胞外部分と結合するか、または相互作用する薬剤であって、前記薬剤は、前記KIRと前記KIRのHLAクラスIリガンドとの間の結合を検出可能に減少することなくNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を減少させる薬剤。
【請求項2】
請求項1の薬剤であって、前記薬剤は、前記KIRのクラスター形成を減少させるか、または遮断することによってNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を減少させる薬剤。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、前記KIRの二量体化を減少させるか、または遮断することによってNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を減少させる薬剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、ドメイン1と会合する相互作用部位間の相互作用を減少させるか、または遮断する薬剤。
【請求項5】
請求項4に記載の薬剤であって、前記ドメイン1と会合する相互作用部位は、配列番号:14の残基1〜92の1つに対応する少なくとも1つのアミノ酸残基を含む薬剤。
【請求項6】
請求項5に記載の薬剤であって、前記ドメイン1と会合する相互作用部位は、H1、E2、H5、R6、D31、V32、M33、F34、E35、H36、H50、D57、G58、V59、V83、T84、H85、S86、Q89、L90、S91またはA92に対応する少なくとも1つのアミノ酸残基を含む薬剤。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、ドメイン2と会合する相互作用部位間の相互作用を減少させるか、または遮断する薬剤。
【請求項8】
請求項7に記載の薬剤であって、前記ドメイン2と会合する相互作用部位は、配列番号:14の残基108〜200の1つに対応する少なくとも1つのアミノ酸残基を含む薬剤。
【請求項9】
請求項8に記載の薬剤であって、前記ドメイン2と会合する相互作用部位は、P108、S109、L110、S111、A112、Q113、P114、L114、G115、T125、S127、S129、R131、K155、V156、N157、G158、T159、Q161、A162、D163、S192、D193、P194、L195、L196、V197、S198、V199またはT200に対応する少なくとも1つのアミノ酸残基を含む薬剤。
【請求項10】
請求項9に記載の薬剤であって、前記KIR2DL1のドメイン2と会合する相互作用部位は、アミノ酸残基L110、S111、A112、Q113、P/L114およびL195を含む薬剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、前記KIRファミリーのメンバーのホモ二量体化、ヘテロ二量体化または両方の少なくとも一つを減少させるか、または遮断する薬剤。
【請求項12】
請求項11に記載の薬剤であって、前記薬剤は、KIR2DL1のホモ二量体化を減少させるか、または遮断する薬剤。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、抗体またはこれらの断片である薬剤。
【請求項14】
請求項13に記載の薬剤であって、前記断片は、Fab断片、Fab’断片、Fab’-SH断片、F(ab’)2断片、Fv断片、ダイアボディー、単鎖抗体断片および多特異的抗体から選択される薬剤。
【請求項15】
請求項13および14のいずれか1項に記載のであって、前記抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体である薬剤。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、交差反応性KIR結合剤である薬剤。
【請求項17】
請求項16に記載の薬剤であって、前記薬剤は、交差反応性抗KIR抗体またはこれらの断片である薬剤。
【請求項18】
請求項16および17のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3のそれぞれに結合する薬剤。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する抗体または抗体断片である薬剤。
【請求項20】
請求項19に記載の薬剤であって、前記薬剤は、配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体または抗体断片である薬剤。
【請求項21】
請求項16〜18のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:21のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する抗体または抗体断片である薬剤。
【請求項22】
請求項21に記載の薬剤であって、前記薬剤は、配列番号:21のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体または抗体断片である薬剤。
【請求項23】
医薬として使用するための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項24】
患者におけるNK細胞細胞障害性を検出可能に増強するために有効な量の請求項1〜23に記載の薬剤と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項25】
免疫調節薬、ホルモン薬、化学療法薬、血管新生阻害薬、アポトーシス薬および阻害性KIR受容体に対するHLA結合を遮断する抗体から選択される治療薬をさらに含む、請求項24に記載の医薬品製剤。
【請求項26】
NK細胞を請求項1〜23に記載の薬剤の有効量と接触させることによってNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を減少する方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記薬剤は、KIRの二量体化を減少させるか、または遮断する方法。
【請求項28】
請求項26および27のいずれか1項に記載の方法であって、前記薬剤は、モノクローナル抗KIR抗体またはこれらの断片である方法。
【請求項29】
請求項26〜28のいずれか1項に記載の方法であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する方法。
【請求項30】
請求項26〜28のいずれか1項に記載の方法であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:21のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する方法。
【請求項31】
癌、感染症、ウイルス感染または免疫不全の治療のための医薬の製造のための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の薬剤の使用。
【請求項32】
請求項31に記載の使用であって、前記医薬が癌を治療するためのものである使用。
【請求項33】
請求項32に記載の使用であって、前記癌は、急性および慢性脊髄性白血病(AMLおよびCML)、急性リンパ性白血病(ALL)、骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫、腎細胞癌、悪性黒色腫および結直腸癌から選択される使用。
【請求項34】
請求項31に記載の使用であって、前記ウイルス感染は、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、C型肝炎ウイルス(HCV)およびエボラウイルスから選択されるウイルスによって生じる使用。
【請求項35】
癌の治療のための方法であって、癌に罹患している被験体に対して請求項1〜22のいずれか1項に記載の薬剤の有効量を投与することを含む方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、前記薬剤は、ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ交差反応性モノクローナル抗KIR抗体またはこれらの断片である方法。
【請求項37】
請求項35および36のいずれか1項に記載の方法であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する方法。
【請求項38】
請求項35および36のいずれか1項に記載の方法であって、前記薬剤は、KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号21:のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する方法。
【請求項39】
免疫調節薬、ホルモン薬、化学療法薬、血管新生阻害薬、アポトーシス薬および阻害性KIR受容体に対するHLA結合を遮断する抗体から選択される治療薬を投与することをさらに含む、請求項35〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
a)候補薬剤のプールを製造することと;
b)前記阻害性KIRの細胞外部分と結合するか、または相互作用するいずれかの候補薬剤を選択することと;および、
c)前記阻害性KIRと前記KIRのHLAクラスIリガンドとの間の結合を減少させることなくNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を中和することができる工程b)からのいずれかの候補薬剤を選択することと、
によってNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を中和することができる薬剤を製造する方法であって、
工程b)およびc)の順序は、任意に逆転される方法。
【請求項41】
交差反応性KIR結合剤を選択する工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
請求項40および41のいずれか1項に記載の方法であって、前記薬剤は、モノクローナル抗体またはこれらの断片である方法。
【請求項43】
以下の工程を含む、NK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を減少させることができる抗体または抗体断片を製造するための方法:
a)ヒト以外の動物を少なくともKIRの細胞外部分を含む免疫原性組成物で免疫することと;
b)前記免疫された動物からKIRに結合する抗体を製造することと;
c)前記阻害性KIRと前記KIRのHLAクラスIリガンドとの間の結合を減少させることなくNK細胞細胞障害性のKIRを媒介した阻害を中和することができる(b)からのいずれかの抗体を選択することと;および、
d)任意に前記抗体の断片を製造すること。
【請求項44】
KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する単離された抗体または抗体断片。
【請求項45】
KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と同じKIR2DL1エピトープと結合する、請求項44に記載の抗体または抗体断片。
【請求項46】
配列番号:17の残基31〜35に対応するCDR H1領域、配列番号:17の残基50〜66に対応するCDR H2、配列番号:17の残基99〜108に対応するCDR H3;配列番号:18の残基24〜34に対応するCDR L1;配列番号:18の残基50〜56に対応するCDR L2および配列番号:18の残基89〜97に対応するCDR L3を含む、請求項44および45のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片。
【請求項47】
配列番号:17のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む、請求項44〜46のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片。
【請求項48】
KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:21のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と競合する単離された抗体または抗体断片。
【請求項49】
KIR2DL1およびKIR2DL3の少なくとも一つに結合する際に配列番号:21のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む抗体と同じKIR2DL1エピトープに結合する、請求項48に記載の抗体または抗体断片。
【請求項50】
配列番号:21の残基31〜35に対応するCDR H1領域、配列番号:21の残基50〜66に対応するCDR H2、配列番号:21の残基98〜103に対応するCDR H3;配列番号:18の残基24〜34に対応するCDR L1;配列番号:18の残基50〜56に対応するCDR L2および配列番号:18の残基89〜97に対応するCDR L3を含む、請求項48および49のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片。
【請求項51】
配列番号:21のVH配列と配列番号:18のVL配列とを含む、請求項48〜50のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片。
【請求項52】
請求項44〜51のいずれか1項に記載の抗体または抗体断片をコードするヌクレオチド配列。
【請求項53】
請求項52に記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
【請求項54】
請求項53に記載のベクターをトランスフェクトした宿主細胞。
【請求項55】
抗体の発現のために適した条件下で請求項54に記載の宿主細胞を培養することを含む抗体を製造する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−100320(P2013−100320A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−3780(P2013−3780)
【出願日】平成25年1月11日(2013.1.11)
【分割の表示】特願2007−549896(P2007−549896)の分割
【原出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(509091848)ノヴォ ノルディスク アー/エス (42)
【出願人】(505473891)
【Fターム(参考)】