説明

KOIシステム

【課題】 本来、PCB使用商品は、特定有害産業廃棄物とされ適正に処理するまで保管する事を義務付けられているが、PCB使用商品の漏洩、漏出の有無を判別するには、目視による判断のため不確定要素が多く、確実な判別が出来ていない状態で他商品と一緒に保管されているのが実情である。これにより汚染物が増えているのは明確である。また、この状態では保管事業者の健康被害や周辺地域の環境汚染の危険が生じている。
【解決手段】 特別有害産業廃棄物なので、漏洩、漏出の有無を判別するため、肯定法に準じたガスクロマトグラフの分析機器や分析に伴う作業時の安全を図った作業機器を搭載した車両を用いるため保管事業者の敷地での作業ができる。又、作業従事者は保護具を着用させ健康被害防止し車両内作業の為、環境汚染防止、保管事業者と周辺地域住民への健康被害防止も図れる安全な判別方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PCB使用商品の漏洩、漏出検査を行なう際の安全化を図った作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPCB使用商品の漏洩、漏出の有無を判別するには、目視による判断のため不確定要素が多く、肯定法での検査に出すまでにも危険が生じている。
【0003】
本来、PCB使用商品は、特定有害産業廃棄物とされ適正に処理するまで保管する事を義務付けられているが、その際にも目視による判断と難しいため漏洩、漏出した状態で他商品と一緒に保管されている例が多く、汚染が拡大しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の保管方法では、汚染物が拡大していく可能性が高く、保管の状態によっては環境汚染や保管事業者の健康被害も懸念される。
【0005】
本発明は、このような問題が増えるばかりの状況を、より安全に確実な保管方法を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記の目的を達成するために肯定法に準じた検査機器を用いて検査するにあたり、事前にPCBを可視化させる事の出来る蛍光灯を用いPCBを蛍光反応させることで作業時の安全性を高める。
【0007】
使用する蛍光灯は車両に設置し車内で蛍光反応させる、車両内は3室に区分けし、検体の入口A室、作業場B室、検査室と検体の検査後の出口C室に分ける、尚、出口側C室が作業従事者の出入口とする。
【0008】
作業車内は常に活性炭フィルターを使用した空気清浄機稼動させ、車両の給排気口にも同様に活性炭フィルターを使用する。
【0009】
作業にあたり検体から分析資料を採取する際は、安全性を高める為、車両に設置してある蛍光灯と異なる種類の蛍光灯を設置した箱型の装置に入れ再度蛍光反応の有無を確認する。
【0010】
反応がなければプッシュブル型の作業台で空気による壁を用いた状態で安全性を高めながら検体採取を行なう。
【0011】
採取した検体は車両に設置してある肯定法に準じた検査機器(ガスクロマトグラフ)にて検査を実施し、その場で漏洩、漏出の有無を確認する。
【0012】
PCBが検出された商品と検出されなかった商品とに分け、両方共密封し最後に鉄箱に収納する。尚、鉄箱に収納する前に密封されているため鉄箱への汚染も防げる。
【発明の効果】
【0013】
上述したように本発明は検査時の安全性を高める方法は、PCB使用商品を蛍光反応させることで作業従事者への危険を軽減するとともに、検体を採取する際にはプッシュプル型の作業台を使用する事で環境汚染を軽減し、さらに空気清浄機、給排気口には活性炭のフィルターでも環境汚染を回避している。
【0014】
また、車両に設置されている肯定法に準じた検査機器(ガスクロマトグラフ)で漏洩、漏出の有無を確認している為、汚染されているものを今までより厳重に保管する事が出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 車両内を上部から見た平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1の▲1▼〜▲6▼に基づいて説明する。
【0017】
図においてA室は、PCB使用商品(以下、検体と証す)を保管ケースのまま入れるスペースとし、車両の入口を完全に閉じ保護具を着用した作業従事者が保管ケースを開封する。
【0018】
蛍光灯が設置してあるB室へ運び検体の蛍光反応の有無を確認しながら一つ一つに番号を付け蛍光反応が出たものはPCBが付着している恐れがあるので反応箇所に触れないよう▲1▼の台に一時仕分けする。▲1▼の台はステンレスやFRPなどの油の染込まない素材を使用したものを車両に固定する。
【0019】
蛍光反応が出ない検体を▲2▼のB室と異なる種類の蛍光灯を使用した箱型の装置に入れ再度、蛍光反応の有無を確認し、反応した場合はPCBが付着している恐れがあるので反応箇所に触れないよう▲1▼の台に一時仕分けする。
【0020】
▲2▼の装置で反応がない検体は、▲3▼のプッシュブル型の作業台で保護具を着用した作業従事者が検査資料を採取する。
【0021】
▲3▼で採取した資料にも検体の番号と同じ番号を付け個々を明確にする。採取した資料はC室の肯定法に準じたガスクロマトグラフの検査機器▲4▼で分析する。これにより漏洩、漏出の有無を確認する。
【0022】
また、▲1▼の台に置いた蛍光反応した検体も反応箇所が他に接触しないよう細心の注意をし▲3▼にて分析資料を採取し▲4▼にて分析し漏洩、漏出の有無を確認する。
【0023】
▲4▼の分析結果に伴い、▲5▼の作業台で一つ一つ密封し鉄箱に収納し保管事業者へ報告する。以上のように、本実施形態によれば、車両内作業で環境汚染防止また、防護服等の保護具による健康被害を防止、車載機器により安全確実な漏洩、漏出の有無の確認ができる。
【符号の説明】
【0024】
A室 廃PCB使用商品入口
B室 特殊蛍光灯を照明に使った作業場
C室 検査室及び作業場、商品出口、従業員出入り口
▲1▼ ステンレス等のPCB油の染込まない作業台
▲2▼ B室と異なる種類の蛍光灯を使用した箱型装置
▲3▼ プッシュブル型の作業台
▲4▼ 肯定法に準じた分析機器ガスクロマトグラフ
▲5▼ 検査後の検体を収納BOXへ入れる際の作業台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に検査機器、作業に伴う作業台、作業機器を搭載させ、作業従事者への保護具着用をセットとしたPCB使用商品の漏洩、漏出の有無を確認し、より安全に保管してもらう方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−3128(P2013−3128A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143513(P2011−143513)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(511157974)株式会社NTサービス (1)
【Fターム(参考)】