説明

L−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物

【課題】 本発明は、L−カルニチンが関連する肥満改善や運動時の持久力向上などの生体機能を回復または増強することを目的とした、L−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写を促進する組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、食習慣があり安全であるウコン抽出物を有効成分とするL−カルニチン合成系酵素遺伝子転写促進用組成物、すなわち、生体内でのL−カルニチン合成を亢進する効果が期待できる組成物を提供する。本発明の上記の組成物は、安全であり、生体内でのL−カルニチンが関連する生体機能を回復、増強に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウコン抽出物を有効成分とする肝臓でのL−カルニチン合成に有用である組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
L−カルニチンは分子内に含まれるアルコール残基によって容易に脂肪酸とエステルを形成する水溶性の化合物であり、ビタミンBTとも呼ばれている。カルニチンには、D体とL体の2種の光学異性体が存在し、天然に存在するカルニチンは全てL-カルニチンである。D-カルニチンはカルニチンの化学合成時に生成される副産物であり、L−カルニチンの働きを阻害する作用がある。
L−カルニチンは、生体内の脂肪酸分解系において、脂肪酸をミトコンドリア内に運ぶキャリアーとしての働きが知られている。従って、L−カルニチンは生体内の脂肪の分解、並びに脂肪分解を介して生じる高エネルギー化合物として重要なATPの産生に関わる。
上記の働きを有するL−カルニチンは、種々の研究がなされており、肥満を防止する効果や、運動時の持久力を高める効果が知られている(非特許文献1、2)。
【0003】
生体内では、肝臓や腎臓においてL−カルニチンをリジンから合成することができる。しかし、L−カルニチンの産生は加齢により減少し、肥満や疲労の原因になる可能性が指摘されている。
【0004】
以上より、L−カルニチンの生体への補給が有益な効果をもたらすと考えられ、様々なL−カルニチンを含有する剤が提案されている。これらの剤に含まれるL−カルニチンは、化学合成法、発酵法および、乳などのL−カルニチンを豊富に含む食品からの分離などにより得ることができる。また、一方で、L−カルニチンの生体への補給だけでなく、生体内でのL−カルニチン合成を亢進することも、L−カルニチンの加齢による減少を抑制する効果があると考えられるが、実用化されていない。
ウコンは古くより染料、着色料、香辛料として利用されており、止血、抗菌、健胃、抗炎症などの作用があることが知られている。その他にも、ウコン成分は種々な研究がなされ、美白、発癌抑制、内臓(肝臓、膵臓)機能増強、マルチプルリスクファクター症候群の改善作用(特許文献1)、TNF産生抑制作用(非特許文献3,4)、ペルオキシソーム増殖性因子受容体リガンド作用(特許文献2)などが見出されている。
ウコンは以上のように、食習慣が豊富であり、かつ様々な作用を有することから、その成分を有効成分として、安全であることを特徴とした有用な食品や医薬品が提案されている。
【非特許文献1】Lancet,14号,805〜7頁,1978年
【非特許文献2】American Journal of Clinical Nutrition,72(suppl)号,618S〜623S頁,2000年
【非特許文献3】Biochemical Pharmacology,49号,1551〜1556頁,1995年
【非特許文献4】Pharmacological Research,39号,41〜47頁,1999年
【特許文献1】WO2002-047699
【特許文献2】特開2003-128539
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、L−カルニチンが関連する肥満改善や運動時の持久力向上などの生体機能を回復または増強することを目的とした、L−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写を促進する組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ウコン成分は、上述したように様々な作用を有することは知られているが、L−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進に有用であることは全く知られていなかった。本発明者らは、食習慣があり安全であるウコン抽出物にL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進作用があることを初めて見出し、それを基に本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明が提供するのは以下の通りである。
[1] ウコン抽出物を有効成分とするL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物。
[2] ウコン抽出物がターメリックオレオレジンである[1]の組成物。
[3] L−カルニチン合成系酵素遺伝子が、ガンマ-ブチロベタイン-2オキソグルタレート-ジオキシゲナーゼ1(butyrobetaine (gamma), 2-oxoglutarate dioxygenase 1)、セリン-ヒドロキシメチル-トランスフェラーゼ1(serine hydroxymethyl transferase 1)、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ-ファミリー3-サブファミリーA2(aldehyde dehydrogenase family 3, subfamily A2)からなる群より選ばれるいずれか1種以上の酵素である[1]又は[2]の組成物。
[4] 飲食用である[1]〜[3]のいずれかの組成物。
[5] 医薬用である[1]〜[3]のいずれかの組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれかの組成物を含むカプセル剤又は錠剤。
[7] [1]〜[5]のいずれかの組成物とリジンを含む飲食用又は医薬用組成物。
[8] [1]〜[5]のいずれかの組成物を、哺乳動物対象に投与することを含む、哺乳動物体内でのL−カルニチン合成促進法
[9] [1]〜[5]のいずれかの組成物を、哺乳動物対象に投与することを含む、哺乳動物体内でのL−カルニチンが関連する生体機能の回復または増強法。
[10] ウコン抽出物を許容される担体と混合することを含むL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明品は、肝臓においてL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写を促進することから、生体内でL−カルニチンが有する効果、即ち脂肪分解に関するβ酸化の活性化を介したエネルギー産生や脂肪利用の亢進に有用である。また、食経験の豊富な材料を原料とするため、長期間飲食しても安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の組成物は、ウコン抽出物を有効成分とする組成物である。本発明の組成物には、ウコン抽出物がL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進作用を発揮できる範囲で含まれていれば良い。
【0010】
本発明に用いるウコン抽出物の原料となるウコンは、秋ウコン(Curcuma longa L.)、春ウコン(Curcuma aromatica)、紫ウコン(Curcuma zedoaria)などのウコン科の植物であり、主としてその根又は根茎がその原料をして使用される。好ましくは、カレー粉や色素として食経験が豊富である秋ウコンを用いるほうが良い。ウコン抽出物は上記の原料を水、又は有機溶媒で抽出して得ることができる。ここで用いる有機溶媒としては、医薬品や食品、食品添加物などの製造、加工に使用が許可されたものが好ましく、例えばアセトン、エタノール、グリセリン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、ブタノール、プロパノール、プロピレングリコール、ヘキサン、メタノールなどが挙げられ、食用油などの油脂を用いてもよい。またこれらの溶媒のうち少なくとも2種類以上を混合して用いても良いし、これらの含水溶媒を用いても良い。抽出により得た抽出液または、抽出液から抽出溶媒を除去したものを、ウコン抽出物とする。また、医薬品や食品として不適当な不純物を含有しない限り、粗抽出物または半精製抽出物として本発明に使用できる。
【0011】
さらに好ましくは、ウコン抽出物として、ターメリックオレオレジンを用いるのが良い。ターメリックオレオレジンは、秋ウコンから得られる成分であり、食品添加物として広く利用されていることから、入手の容易さや、安全性の点から本発明の目的に適している。ターメリックオレオレジンを得る方法は、特に限定されないが、食品添加物としての製法により得るのが好ましい。例えば、FDA(アメリカ食品医薬品局)21CFR(Code of Federal Regulations)によると、ターメリックオレオレジンは、秋ウコンからアセトン、イソプロパノール、メチルアルコール、二塩化メチレン、塩化メチレン、ヘキサン、およびトリクロロエチレンのいずれかを単独、もしくは組み合わせて用いる抽出により得られる。また、既存添加物名簿収集品目リスト注解書(1999年日本食品添加物協会)によると、ターメリックオレオレジンは秋ウコンの根茎の乾燥品より、温時エタノールで、熱時油脂若しくはプロピレングリコールで、又は室温時〜熱時ヘキサン若しくはアセトンで抽出して得られるとされている。
【0012】
一般的にターメリックオレオレジンに含まれる成分としては、クルクミン類やセスキテルペン系の精油成分などが挙げられる。クルクミン類としては、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、ジヒドロクルクミン、テトラヒドロクルクミン、ヘキサヒドロクルクミンおよび、ジヒドロキシテトラヒドロクルクミンなどが挙げられる。セスキテルペン系の精油成分には、α−ターメロン、β−ターメロン、およびar−ターメロンなどが挙げられる。これらの化合物に、L−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進作用があると考えられる。
【0013】
本発明でいうL−カルニチン合成系酵素とは、肝臓においてリジンからL−カルニチンを生合成する一連の酵素群のことをいう。該酵素の遺伝子は例えば下記の表1に示したものが挙げられる。なお、表1中の「Accession No.」とは、各遺伝子のGenBank[NCBI(National Center for Biotechnology Information)の核酸配列データベース]における識別番号である。
【0014】
【表1】

【0015】
本発明の組成物は、これらの遺伝子うち、少なくとも1つ以上の遺伝子に対して転写促進作用が認められるものである。その中でも、ガンマ-ブチロベタイン-2オキソグルタレート-ジオキシゲナーゼ1(butyrobetaine (gamma), 2-oxoglutarate dioxygenase 1)、セリン-ヒドロキシメチル-トランスフェラーゼ1(serine hydroxymethyl transferase 1)、またはアルデヒドデヒドロゲナーゼ-ファミリー3-サブファミリーA2(aldehyde dehydrogenase family 3, subfamily A2)のいずれか或いはすべてに転写促進作用を示すものが好ましい。
【0016】
本発明におけるL−カルニチン合成系酵素遺伝子転写促進活性は、本発明品を投与した動物(ヒトを含む)の肝臓や、肝臓由来の細胞におけるL−カルニチン合成系酵素遺伝子のメッセンジャーRNA量を測定することにより評価できる。メッセンジャーRNA量の測定法は限定しないが、例えば、DNAマイクロアレイ法、ノーザンハイブリダイゼーション法、リアルタイム−PCR法などが挙げられる。これらのうち少なくとも1種の測定において、サンプルのメッセンジャーRNA量が一般に対照と比較し、統計学的に有意に高い値を示す場合、そのサンプルを「L−カルニチン合成系酵素遺伝子転写促進活性あり」と評価する。
【0017】
本発明の飲食用のL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物とは、有効量のウコン抽出物を、一般的な食品に混合したものである。その用途は限定されず、例えば、一般食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、健康食品、栄養補助食品などとして使用することができる。飲食用に許容される担体として具体的には、飲料、乳製品、発酵乳、乳酸菌飲料、加工乳、コーヒー飲料、ジュース、アイスクリーム、飴、ビスケット、ウェハース、ゼリー、スープ、麺類、を含むがそれに限定されるものではない。好ましくは飲料、乳製品、加工乳、発酵乳、乳酸菌飲料、ウェハース、ゼリーを含む。
【0018】
本発明の医薬用のL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物とは、有効量のウコン抽出物と医薬的に許容される担体を含有する組成物である。その用途は限定されず、例えば一般用医薬品(OTC)など容易に入手可能な医薬品又は医薬部外品などが挙げられる。医薬用である組成物の形態は限定されず、例えば、丸薬剤、液剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル錠剤、トローチ剤、シロップ剤、ドライシロップ剤などである。好ましくはカプセル剤、液剤、エリクシル、錠剤、カシェ、座薬などとするほうが良い。また医薬的に許容される担体とは、経口、経腸、経皮、および皮下投与のために好適である任意の材料であり、例えば水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、微結晶性セルロース、スターチ、ナトリウムスターチグリコレート、燐酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド性二酸化ケイ素、などが挙げられる。
【0019】
本発明でいう組成物を含むカプセル剤又は錠剤とは、上記の組成物を含有する経口摂取に適したカプセル剤又は錠剤である。カプセル剤又は錠剤中には飲食品および医薬品として許容される担体を含んでもよい。これらの剤は、哺乳動物対象にとって服用しやすいため、本発明の目的のために好ましい。
【0020】
本発明におけるL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物とリジンを含む飲食用又は医薬用組成物とは、本発明のL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物とリジンを含む組成物である。所望により、上記に記載の飲食用又は医薬用に許容される担体を含有してもよい。生体内でL−カルニチン合成の材料となるリジンと本発明のL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物を同時に摂取できる形態にすることにより生体内でのカルニチン合成を増強する効果が期待できる。
【0021】
上記本発明における組成物および剤は、有効量を哺乳動物対象に投与することによりL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進することができる。L−カルニチン合成系遺伝子の転写促進により、L−カルニチン合成が促進され、生体内のL−カルニチン量を増加させることができる。L−カルニチン量の増加は、β酸化を促進し、結果的にエネルギー産生、脂質利用を促進するものである。さらに、上記の効果から一般に知られている肥満防止効果や運動時の持久力を高める効果が期待できる。
【0022】
本発明における有効量とは、本発明の剤を対象に投与した場合に、L−カルニチン合成系酵素遺伝子転写促進活性が期待できる量である。該量は、対象の性別、健康状態、体重、年齢、栄養状態などにより異なるが、例えば、成人1日あたり10〜10000mg/day、好ましくは100〜6000mg/dayを摂取すると効果が期待できる。
【0023】
本発明でいう、ウコン抽出物を許容される担体と混合することを含むL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物の製造方法とは、ウコン抽出物を許容される担体と混合することを含む製造法である。ここにいう許容される担体としては、先述した飲食用に許容される担体および/又は医薬用に許容される担体が挙げられる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)ウコン抽出物の効果確認
[ウコン抽出物の投与実験]
表2に示す飼料を基本飼料として、無添加の基本飼料である対照飼料および、基本飼料に1%のウコン抽出物を添加した飼料(ウコン抽出物添加飼料)を調製した。なお、本実験に用いたウコン抽出物はウコン濃縮エキス粉末(ターメリックオレオレジン製剤)とした。該ウコン抽出物中にはクルクミン類が約15%(w/w)、精油成分が約24%(w/w)含有していた。
【0026】
KK-Ayマウス(雌、5週齢)を用い、対照飼料を摂取する群(対照群)、ウコン抽出物添加食を摂取する群(ウコン抽出物投与群)の2群(各群6匹)に分け、各飼料を自由摂取にて4週間与えた。飼料摂取期間中、各動物の体重および摂餌量を測定した。
【0027】
飼料摂取終了後、非絶食下でマウスをジエチルエーテル麻酔して開腹し、後副大動脈から全採血して放血致死させた。さらに、解剖を行い各群任意の3匹の肝臓についてメッセンジャーRNA量を測定した。
【0028】
【表2】

【0029】
[L−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進の確認]
メッセンジャーRNA量は下記のとおりDNAマイクロアレイ法により測定した。
【0030】
即ち、肝臓からトータルRNAをキアゲン社のRNeasy miniキットを用いて抽出した。抽出したトータルRNAをAffymetrix社のOne−cycle Target Labeling and Control Reagentsを用いてAffymetrix社推奨のプロトコールに則った処理を行った後、Affymetrix社のMouse Genome 430 2.0 Arrayを用いて、42000個の遺伝子のメッセンジャーRNA量を測定した。
【0031】
各遺伝子のDNAマイクロアレイ法を用いたメッセンジャーRNA発現量の結果は、Affymetrix社の発現判定(Detection Call)によって転写量が多い順にP(Present)、M(Marginal)、A(Absent)と評価される。発現量の低い「A」と評価された遺伝子は、一般的に有効な測定ができなかったものと考えられている。本実験においては、対照群およびウコン抽出物投与群に関し、全試料で発現量が「P」と判定された遺伝子を選び出し、有効な測定が行われた遺伝子とした。
上記により得られた各群の遺伝子の分析値をさらにStudentのt検定により転写変化の有意性を評価した。対照群とウコン抽出物投与群との間で有意(p<0.05)に遺伝子転写量が変化したL−カルニチン合成系酵素遺伝子を表3に示す。
【0032】
【表3】

【0033】
表3の変動倍率とは、対照群に対するウコン抽出物投与群のメッセンジャーRNA量(平均値)の比を表し、その値が1より大きい場合、ウコン抽出物投与により該遺伝子のメッセンジャーRNA量が増加したことを示す。
【0034】
表3の結果よりウコン抽出物のL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進作用を確認した。
【0035】
[L−カルニチンが関連する生体機能(肥満防止効果)の確認]
ウコン抽出物の投与実験における各群の摂餌量(体重10gあたりの摂餌量)と体重変化量を表4に示した。
【0036】
【表4】

【0037】
表4の結果より、ウコン抽出物投与群は対照群と比較して統計学的に有意に体重増加が抑制されていることを確認した。また、摂餌量の結果より、体重増加抑制は飼料摂取量の違いによるものではないことを確認した。
【0038】
以上よりウコン抽出物のL−カルニチンが関連する生体機能(肥満防止)を確認した。
【0039】
(実施例2)ウコン抽出物含有ソフトカプセル剤の調製
ウコン抽出物 40重量部
ゴマ油 55重量部
グリセリン脂肪酸エステル 5重量部
上記組成で常法によりウコン抽出物を含有するソフトカプセル剤を調製した。
【0040】
(実施例3)ウコン抽出物含有錠剤の調製
ウコン抽出物 45重量部
乳糖 35重量部
結晶セルロース 15重量部
ショ糖脂肪酸エステル 5重量部
上記組成で常法によりウコン抽出物を含有する錠剤を調製した。
【0041】
(実施例4)リジン、ウコン抽出物含有ソフトカプセル剤の調製
ウコン抽出物 40重量部
ゴマ油 50重量部
グリセリン脂肪酸エステル 5重量部
L−リジン 5重量部
上記組成で常法によりウコン抽出物を含有するソフトカプセル剤を調製した。
【0042】
(実施例5)リジン、ウコン抽出物含有錠剤の調製
ウコン抽出物 45重量部
乳糖 30重量部
結晶セルロース 15重量部
ショ糖脂肪酸エステル 5重量部
L−リジン 5重量部
上記組成で常法によりウコン抽出物を含有する錠剤を調製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウコン抽出物を有効成分とするL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物。
【請求項2】
ウコン抽出物がターメリックオレオレジンである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
L−カルニチン合成系酵素遺伝子が、ガンマ-ブチロベタイン-2オキソグルタレート-ジオキシゲナーゼ1(butyrobetaine (gamma), 2-oxoglutarate dioxygenase 1)、セリン-ヒドロキシメチル-トランスフェラーゼ1(serine hydroxymethyl transferase 1)、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ-ファミリー3-サブファミリーA2(aldehyde dehydrogenase family 3, subfamily A2)からなる群より選ばれるいずれか1種以上の酵素である請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
飲食用である請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
医薬用である請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物を含むカプセル剤又は錠剤。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物とリジンを含む飲食用又は医薬用組成物。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物を、哺乳動物対象に投与することを含む、哺乳動物体内でのL−カルニチン合成促進法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物を、哺乳動物対象に投与することを含む、哺乳動物体内でのL−カルニチンが関連する生体機能の回復または増強法。
【請求項10】
ウコン抽出物を許容される担体と混合することを含むL−カルニチン合成系酵素遺伝子の転写促進用組成物の製造方法

【公開番号】特開2007−131603(P2007−131603A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328858(P2005−328858)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】