説明

LEDアレイ光源

【目的】 イメージセンサ等に用いられるLEDアレイ光源において、各LEDチップ群の光量のばらつきがなく、安価かつ小型のLEDアレイ光源を提供する。
【構成】 基板上にLEDチップ12を形成する。LEDチップ12を所定個直列接続し、各LEDチップ群に共通に光量調整用抵抗18を直列に接続する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLEDアレイ光源、特にイメージセンサやFAX等の光源に用いられるLEDアレイ光源のコスト低下に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、イメージセンサやFAX等の光源として、LED(発光ダイオード)を配列したLEDアレイが用いられている。
【0003】図4には基板10上に形成されたLEDアレイ光源の一例が示されている。各LEDチップ12はシリコンウエーハから形成され、複数個(図4では3個)が互いに直列接続される。そして、この3個のLEDチップあたり1個の抵抗14が割り当てられ、直列接続されたLEDチップ群に直列接続される。そして、リード線16により各LEDチップ群に所定電圧を印加して発光させる構成である。
【0004】図5には図4のLEDアレイ光源の回路図が示されている。LEDチップ12が3個直列接続され、この直列接続されたLEDチップ群のそれぞれ抵抗14が直列接続される。各LEDチップ群は異なるウエーハから切り出されているため、順方向電圧がそれぞれ異なり、従って同一電圧を印加した場合でも発光量が異なる可能性がある。そこで、各LEDアレイチップ毎に抵抗14を接続し、この抵抗14によって各LEDチップ群に印加される電圧を調整して発光量を同一に設定するのである。
【0005】なお、図6には従来のLEDアレイ光源の他の例が示されている。この例においては、予めLEDチップ数個を一括してモールドし、かつ各LEDチップを基板に対して斜めに設けて基板の有効利用を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術のようにLEDチップ群毎に光量調整用の抵抗を接続する構成では、LEDチップ群数に比例して抵抗数が増大してしまうため、基板面積が増大するとともにコスト増加を招く問題があった。LEDアレイ光源においては、横方向(LEDチップ群が並設される方向)のサイズは読み取るべき、あるいは印刷すべき紙サイズにより規定されてしまうため縮小化は困難であり、従って基板面積の縮小化を図るためには縦方向の縮小化を図るべきであり、従来技術のように縦方向に抵抗を配置する構成では縮小化の要求を満足することはできないのである。
【0007】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価かつ小型のLEDアレイ光源を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、基板上に直列接続されたLEDチップ群を複数個並設してなるLEDアレイ光源において、前記複数のLEDチップ群に共通に直列接続される光量調整用抵抗を有することを特徴とする。
【0009】
【作用】このように、本発明のLEDアレイ光源においては、従来のように各LEDチップ毎に光量調整用抵抗を接続するのではなく、LEDチップ群に共通に光量調整用抵抗を直列接続するものである。
【0010】これにより、LEDチップ数が増えても共通の抵抗を一つ用いればよく、またこの共通抵抗は一つだけでよいので基板の横方向に設置することができ、基板面積の縮小化を図るとともにコスト低下を図ることができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明に係るLEDアレイ光源の好適な実施例を説明する。
【0012】図1には本実施例のLEDアレイ光源の平面図が示されている。各LEDチップ12はシリコンウエーハから形成され、基板10上に並設される。そして、全体の光量調整用抵抗18がリード線16近傍に形成される。
【0013】ここで、本実施例において特徴的なことは、図2の回路図に示されるように、和数個(本実施例では3個)のLEDチップを直列接続し、さらにこれら直列接続されたLEDチップ群に共通に光量調整用抵抗18を直列に接続した点である。このように光量調整用抵抗18を共通に直列接続することにより、LEDチップ群に印加される電圧を調整して各LEDチップ群の光量を所定量に合わせることができる。なお、このように共通の抵抗を用いる場合、各LEDチップの順方向電圧Vf をほぼ一定にする必要があるが、最近の半導体技術の進歩に鑑みれば均一な特性を有するLEDチップを選別し、基板10に組み込むことは容易になし得ることである。
【0014】このように光量調整用抵抗を共通としたことにより、基板10上のわずかのスペース(リード線近傍)に抵抗を配置することが可能となり、基板面積(基板幅)を縮小化してコスト低下を図ることができる。
【0015】なお、本実施例において所定個数のLEDチップを一括してモールドしてもよいことは言うまでもない。図3にはこのようなモールドされたLEDチップ20を用いたLEDアレイ光源の一例が示されている。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るLEDアレイ光源によれば、各LEDチップ群の光量のばらつきがなく、安価かつ小型のLEDアレイ光源を提供する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の平面図である。
【図2】同実施例の回路図である。
【図3】本発明の他の実施例の平面図である。
【図4】従来のLEDアレイ光源の平面図である。
【図5】従来のLEDアレイ光源の回路図である。
【図6】従来の他のLEDアレイ光源の平面図である。
【符号の説明】
10 基板
12 LEDチップ
16 リード線
18 光量調整用抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に直列接続されたLEDチップ群を複数個並設してなるLEDアレイ光源において、前記複数のLEDチップ群に共通に直列接続される光量調整用抵抗を有することを特徴とするLEDアレイ光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開平5−299694
【公開日】平成5年(1993)11月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−99657
【出願日】平成4年(1992)4月20日
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)