説明

LEDランプアセンブリ

【課題】LEDアセンブリに実際に取り付け得る簡素なヒートシンク構造を提供することである。
【解決手段】ヒートシンク24が、高伝熱性金属で形成され、印刷回路基盤12の第2側面16と近接熱接触するように位置決めした平坦なフロントフェース26を有する。ヒートシンク24の背面には、印刷回路基盤12上の相当する機能構造部と連結して相互に整列し得る1つ以上のリブ又はトラフを形成し得る。好ましいヒートシンク24では、平坦なフロントフェース26から、当該平坦なフロントフェース26から離れる直交方向に複数の放熱要素28が伸延される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電灯に関し、詳しくはヒートシンク付きのLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDランプはその経済性を急速に高めつつあるが、発光効率向上及び寿命保全上、しばしば大型ヒートシンクを必要とする。ヒートシンクは設計及び製造費用が大きい上に、放熱用のフィン、ピンその他伝熱要素が壊れ易く、またはランプ外装に位置決めしにくい。かくして、製造費用が安価で、LEDアセンブリ取り付けに実用し得る簡易構造のヒートシンクに対する需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
LEDアセンブリ取り付けに実用し得る簡易構造のヒートシンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、押し出し成型したヒートシンクを備える、経済的に製造し得るLEDランプアセンブリが提供される。本アセンブリには、第1及び第2の各側面を有する平坦な回路基盤が含まれる。印刷回路基盤上には、第1側面から離間する方向の通路に沿って光を放射する1つ以上のLEDが支持される。フロントフェースを持つヒートシンクが印刷回路基盤の第2側面に隣り合って位置決めされる。ヒートシンクはフロントフェースから離れる方向に伸延する少なくとも1つの放熱要素を有する。バックプレートが、後壁と、少なくとも1つのラッチとを有し、後壁は、少なくとも1つの放熱要素を受ける開口を画定する内壁を含む。印刷回路基盤を貫いて光学部品が伸延され、当該光学部品が、1つ以上のLEDからの放射光と実質的に交差するように位置決めした受光フェースを有する。光学部品は、印刷回路基盤の第2側面とヒートシンクとの中間に位置決めされる一部分を有する。フロントプレートが、通路を画定し且つラッチを有する内壁を有する。バックプレートは、フロントプレートにラッチ掛けされると、印刷回路基盤と光学部品の前記一部分とを捕捉し、ヒートシンクのフロントフェースに近接熱接触させる。他方、放熱要素はバックプレートを貫いて伸延し、ランプアセンブリの外部に実質的に露呈される。
【発明の効果】
【0005】
LEDアセンブリ取り付けに実用し得る簡易構造のヒートシンクが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、LEDランプアセンブリの好ましい実施例の正面側からの斜視図である。
【図2】図2は、LEDランプアセンブリの好ましい実施例の背面側からの斜視図である。
【図3】図3は、LEDランプアセンブリの好ましい実施例の正面側からの分解斜視図である。
【図4】図4は、LEDランプアセンブリの好ましい実施例の背面側からの分解斜視図である。
【図5】図5は、タブを曲げた状態で示す反射性のレンズの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1にはLEDランプアセンブリ10の好ましい実施例の正面側からの斜視図が示される。LEDランプアセンブリ10は、印刷回路基盤12、1つ以上のLED18、電気コネクタ20、ヒートシンク24、バックプレート32、光学部品48、フロントプレート64、から構成される。
図3には、LEDランプアセンブリ10の好ましい実施例の正面側からの斜視図が示される。図4には、LEDランプアセンブリ10の好ましい実施例の背面側からの分解斜視図が示される。印刷回路基盤12の本体は全体に平坦であり、第1側面14及び第2側面16を有する。印刷回路基盤には内壁15で包囲された貫通通路17を形成する。貫通通路17は光学部品48の端部をぴったり受けるように寸法形状付けすることが好ましい。印刷回路基盤12上の第1側面14上には1つ以上のLED18が支持され、各LEDが、第1側面14から離間する通路に沿って光学部品48の方向に光を放射する。印刷回路基盤12上には電気回路が支持される。電気回路は、LED18を動作させる供給電力に条件付けされた適宜の電力及び信号を提供し得る。好ましい実施例では印刷回路基盤12はLED18を、当該LED18の駆動電力を受けるように電気コネクタ20に電気的に接続する。電気コネクタ20は、印刷回路基盤12及び回路アセンブリに機械的及び電気的に連結することが好ましい。あるいは印刷回路基盤12の第2側面に、光学部品48のタブを受ける又はタブと合致する凹所又は突起部を形成し得る。
【0008】
ヒートシンク24は、高伝熱性の、例えば、銅、アルミニューム、亜鉛その他の如き金属で形成する。ヒートシンク24は、印刷回路基盤12の第2側面16に近接熱接触するように位置決めした平坦なフロントフェース26を有する。ヒートシンク24の背面には、印刷回路基盤12上の相当する機能構造部と連結して相互に整列し得る1つ以上のリブ又はトラフを形成し得る。好ましいヒートシンク24では、平坦なフロントフェース26から、当該平坦なフロントフェース26から離れる直交方向に複数の放熱要素28が伸延される。好ましい実施例では複数の放熱要素またはフィン28がフロントフェース26と90度の角度で伸延され、かくして外側のバックプレートを、放熱用の各フィンを覆って軸方向に摺動させ得る。押し出し成型品は製造費用が安価であり、異なる印刷回路基盤、レンズ、バックカバー、または外装上の制限事項に対してフィン長さ、フィン幅、フィン間隔またはフロントサイド寸法を変更する再設計に迅速に対処できる。押し出し成型したヒートシンクは堅牢であり、その押し出し成型胴部の伝熱性は注型または成型材のそれよりずっと高いことも判明している。例えば、押し出し成型アルミニュームの伝熱性は約200W/mkであるが、注型アルミニューム合金のそれは100W/mk未満である。ヒートシンク24を押し出し成型することでヒートシンク24の製造コストも大幅に低減される。押し出し成型した、平坦なフロントフェース26を持つヒートシンク24は当該フロントフェース26と直交する周囲ラインに沿って切断され得る。最も簡単には、押し出し成型体を横断する2カ所で直線的に切断し、全体が矩形ブロックまたは割パイプ構造のヒートシンクとする。こうして切断した押し出し成型したヒートシンク24は押し出し方向と直交方向の断面が一定であり、直角な第1及び第2の各端部を有する。あるいは外側のラインは円形、またはそうでなければ、円筒、楕円あるいはその他の有益な形状を形成し得るその他形状を有し得る。他の実施例では、ヒートシンク24のフロントフェース26と、印刷回路基盤12または光学部品48とを押圧して接触させる場合にこれら部品群を受け且つ整列させるような整列機能構造部分を備えるようにフロントフェースを改変し得る。
【0009】
バックプレート32は、ヒートシンク24を印刷回路基盤12方向に押圧するような設計とされる。バックプレート32は後壁34を有し、当該後壁は、1つ以上の開口38を画定する1つ以上の第1内壁36を含む。各開口38は1つ以上の放熱要素28を受ける寸法形状とされる。各放熱要素または各要素28はバックプレート32に形成した各開口38の各々と相互嵌合し、バックプレート32を貫いてランプアセンブリ10の外部に伸延し露呈される。バックプレート32には、少なくとも1つのラッチ42を有する側壁と、電気コネクタ20を受ける開口を少なくとも部分的に画定し、かくしてソケット部分46を形成する第2の壁44とを形成する。図2にはLEDランプアセンブリの好ましい実施例の背面側からの斜視図を示す。
【0010】
図5にはタブ55を曲げた状態で示す反射性の光学部品48の斜視図を示す。光学部品48は印刷回路基盤12に機械的に連結されることが好ましい。光学部品48は光反射面と、光路を実質的に跨ぎ且つ交差する受光面50とを有することが好ましい。光学部品48は印刷回路基盤に形成した孔に機械的に挿入され、印刷回路基盤12に結合される。光学部品48は金属製の回転体を構成し、当該金属性の回転体は側壁52を有し、側壁52はその少なくとも一部が反射性を有する。光学部品48は金属シートからトランペット形状にプレス加工され、外側表面が反射性を有し、ランプ軸線と直交する方向に光を反射し、反射光が前方の配光リフレクタにより更に妨害され得る形状を有することが好ましい。光学部品48は、印刷回路基盤12またはヒートシンク24の何れかに押圧される熱接点54を有することが好ましい。光学部品48は金属から作製し、印刷回路基盤12とヒートシンク24との間で機械的圧力により押圧される熱接点を有することが好ましい。ある実施例では光学部品48の背面側端部に1つ以上のタブ55を形成する。タブ55は、トランペット形状の光学部品の背面側端部の周囲に等間隔に配分することが好ましい。光学部品48を印刷回路基盤に形成した孔に挿通し、タブ55を外側に90度曲げて光学部品48を印刷回路基盤の孔内に捕捉させる。好ましい実施例では、光学部品の円錐部分の直径はフロントプレート64に形成した通路を通り抜けるに十分小さいが、1つ以上のLEDの軸方向突出部を跨いで1つ以上のLEDからの放射光を妨害するに十分大きい。
【0011】
フロントプレート64は、平坦なフェース66と、光学部品48を覆って嵌装されるに十分な大きさあるいは形状の通路70を画定し、LED18から光学部品48の反射面方向への放射光を妨害しないよう、LED18から十分離間される。フロントプレート64には更に、バックプレート32に形成した相当するラッチ部分に連結するための少なくとも1つのラッチ部分72を形成する。例えば、フロントプレート64を1つ以上のラッチ部分72をその周囲に備える環形状に形成し得る。フロントプレート64の内側には、印刷回路基盤12の各部分と合致してフロントプレート64を印刷回路基盤12に合致させ且つ印刷回路基盤に押圧させ得るように寸法付けし且つ位置決めした小隆起またはスペーサー74を形成し得る。
【0012】
LEDランプアセンブリの組み立てに際し、バックプレート32内にヒートシンク24を位置決めする。光学部品48を印刷回路基盤12内の孔を貫いて挿入させ、タブ55を軸方向に対して半径方向外側に曲げ、かくして光学部品48を印刷回路基盤12に捕捉させる。印刷回路基盤12の第2側面はヒートシンク24の平坦面に対向する状態で配置し得る。印刷回路基盤12の電気的完全性が維持されるべきであり、そのための、伝熱性を有するがしかし電気的絶縁性を有する界面層、例えば、ラッカー、シリコーン、または類似の材料薄層を介挿させ得る。電気コネクタ20はソケット部分46において整列状態に位置決めされる。曲げたタブ55はヒートシンク24のフロントフェース26と、印刷回路基盤12の第2側面16との間に捕捉される。フロントプレート64は光学部品48の前方端部を超えて伸延し、バックプレートの各ラッチ42と整列する。フロントプレート64またはフロントプレート64のスペーサー(小隆起)74は、場合に応じて印刷回路基盤12に押圧され、印刷回路基盤12を押圧し、タブ55をヒートシンク24と近接熱接触させる状態下に捕捉する。フロントプレート64の各ラッチ72は、バックプレート32の各ラッチ42と連結し、アセンブリを密着状態に維持する。
【符号の説明】
【0013】
10 ランプアセンブリ
12 印刷回路基盤
14 第1側面
15 内壁
16 第2側面
17 貫通通路
20 電気コネクタ
24 ヒートシンク
26 フロントフェース
28 放熱要素
32 バックプレート
34 後壁
36 第1内壁
38 開口
42 ラッチ
44 壁
46 ソケット部分
48 光学部品
50 受光面
52 側壁
54 熱接点
55 タブ
64 フロントプレート
66 フェース
70 通路
72 ラッチ部分
74 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDランプアセンブリであって、
第1側面及び第2側面を有する平坦な印刷回路基盤と、
印刷回路基盤上に支持され、第1側面から離間する方向の通路に沿って光を放射する1つ以上のLEDと、
印刷回路基盤の第2側面に隣り合うフロントフェースにして、当該フロントフェースから離間する方向に伸延する少なくとも1つの放熱要素を有するフロントフェースを有するヒートシンクと、
少なくとも1つの放熱要素を受ける開口を画定する内壁を含む後壁を有し、少なくとも1つのラッチを有するバックプレートと、
印刷回路基盤を貫いて伸延し、1つ以上のLEDからの放射光と実質的に交差するように位置決めした受光面を有し、印刷回路基盤の第2側面とヒートシンクとの中間にその一部分を位置決めした光学部品と、
通路を画定する内壁を有し、ラッチを有するフロントプレートと、
を含み、
フロントプレートにラッチ掛けされたバックプレートが、印刷回路基盤及び光学部品の前記一部分を、ヒートシンクのフロントフェースに近接熱接触させる状態下に捕捉し、当該状況下において放熱要素が、バックプレートを貫いて伸延されてランプアセンブリの外側に実質的に露呈されるLEDランプアセンブリ。
【請求項2】
ヒートシンクが複数の放熱要素を有し、バックプレートが、相当する複数の開口を画定し、各放熱要素が、ランプアセンブリの外側に露呈されるための各開口と相互嵌合されつつ、ヒートシンクを印刷回路基盤の方向に押圧する請求項1のLEDランプアセンブリ。
【請求項3】
光学部品が回転体を構成し、当該回転体が、その少なくとも一部が反射性を有する側壁を有する請求項1のLEDランプアセンブリ。
【請求項4】
光学部品が金属製であり、印刷回路基盤またはヒートシンクのいずれかに押圧される熱接点を有する請求項1のLEDランプアセンブリ。
【請求項5】
光学部品が金属製であり、印刷回路基盤とヒートシンクとの間で押圧される熱接点を有する請求項4のLEDランプアセンブリ。
【請求項6】
ヒートシンクが、その第1の側面上に平坦な表面を有し、当該第1の側面と直交する方向には複数のリブが伸延する直線状に伸延する胴部であり、または該胴部は、第1の直交端部及び第2の直交端部を有する一定断面を有する請求項1のLEDランプアセンブリ。
【請求項7】
ヒートシンクが矩形の割パイプ構造を画定する請求項6のLEDランプアセンブリ。
【請求項8】
ヒートシンクが円筒状の胴部を画定する請求項6のLEDランプアセンブリ。
【請求項9】
LEDランプアセンブリであって、
第1側面及び第2側面を有する平坦な印刷回路基盤と、
印刷回路基盤上に支持され、第1側面から離間する方向の通路に沿って光を放射する1つ以上のLEDと、
印刷回路基盤に連結した電気コネクタと、
印刷回路基盤の第2側面に近接熱接触するフロントフェースにして、当該フロントフェースから離間する方向に伸延する少なくとも1つの放熱要素を有するフロントフェースを有するヒートシンクと、
1つ以上の放熱要素を受ける1つ以上の開口を画定する1つ以上の第1内壁を含む後壁と、少なくとも1つのラッチを有する側壁と、電気コネクタを受ける開口を少なくとも部分的に画定し、かくしてソケット部分を形成する第2の壁と、を有するバックプレートと、
印刷回路基盤に連結した光学部品にして、1つ以上のLEDからの放射光と実質的に交差するように位置決めした受光面を有し、印刷回路基盤とヒートシンクとの中間にその一部分が位置決めされ、少なくともその一部が反射性を有する側壁を有する回転体を構成し、金属製であり、印刷回路基盤またはヒートシンクの何れかに押圧される熱接点を有し、
ヒートシンクが、直線状に伸延する胴部を構成し、該胴部が、その第1側面上に平坦面を有し且つ複数のリブが該第1側面とは逆の直交方向に伸延され、あるいはそうでなければ前記胴部は第1の直交端部及び第2の直交端部を有する一定断面を有する光学部品と、
フロントフェースと、通路及びラッチを画定する内壁とを有するフロントプレートと、
を含み、
フロントプレートにラッチ掛けされたバックプレートが、印刷回路基盤をヒートシンクのフロントフェースに近接熱接触させる状態に捕捉し、当該状況下に、少なくとも1つの放熱要素がバックプレートを貫いて伸延されてランプアセンブリの外側に実質的に露呈されるLEDランプアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−212687(P2010−212687A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49135(P2010−49135)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】