説明

LEDランプ

【課題】複数のLEDが配置される光源領域とは異なる電源領域に複数の電源部品が配置されるLEDランプにおいて、照明品質の低下を防止すること。
【解決手段】光源領域11に配置された複数のLEDモジュール2と、電源領域12に配置された複数の電源部品5と、複数のLEDモジュール2および複数の電源部品5を収容するための管状のケース6と、を備えたLEDランプA1であって、ケース6における電源領域12に対応する範囲から外部に光を照射するための補助光源手段7を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源とし、蛍光ランプの代替として利用するのに適したLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来のLEDランプの一例を断面図で示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたLEDランプXは、長矩形状の基板91と、基板91上に実装された複数のLED92と、基板91を収容する管93と、端子94と、LED92を点灯させるための回路95とを備えている。基板91上には複数のLED92および端子94に接続される図示しない配線が形成されている。このLEDランプXは、端子94を一般用蛍光灯照明器具のソケットの差込口に嵌合させることにより、複数のLED92を発光させることができるように構成されている。LED92は、低消費電力であるとともに長寿命であることから、LEDランプXを蛍光ランプの代替として利用すれば、コスト面および環境面において改善が期待できる。なお、一般用蛍光灯照明器具とは、主に屋内の一般照明に広く用いられる照明器具であり、たとえば日本国内においては、商用100V電源を用い、JIS C7617に定められた直管形蛍光ランプまたはJIS C7618に定められた環形蛍光ランプが取り付けられる照明器具をいう。
【0003】
上記従来のLEDランプXにおいては、基板91に実装される回路95は、商用電源から供給される交流を直流に変換し、定電流としてLEDに供給するためのものであり、複数の電源部品を含んで構成されている。したがって、かかる構成の回路95は、好ましくは、電力供給部である端子94の近傍、すなわち、LEDランプXの両端近傍に設けられる。
【0004】
その一方、回路95は、基板91の裏側の面(複数のLED92が実装された面とは反対側の面)に実装されている。LED92で発せられた熱の影響を考慮すると、回路95を構成する複数の電源部品は、図7のようにLED92と重なる位置に配置するのではなく、LED92と重ならないように基板91の長手方向にずらして当該長手方向の両端部に配置するのが好ましい。すなわち、複数の電源部品は、複数のLED92が配置される領域(光源領域)とは異なる領域(電源領域)に区別して配置するのが好ましい。
【0005】
しかしながら、上記複数の電源部品を、LED92が配置される光源領域と区別して電源領域(基板91の両端部)に配置すると、基板91の両端部近傍にはLED92を配置することができない。その結果、基板91の両端部近傍が非発光領域となってしまい、このことに起因して蛍光ランプXの照明品質の低下を招く虞があるので、好ましくない。
【0006】
【特許文献1】実開平6−54103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、複数のLEDが配置される光源領域とは異なる電源領域に複数の電源部品が配置されるLEDランプにおいて、照明品質の低下を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって提供されるLEDランプは、光源領域に配置された複数のLEDと、電源領域に配置された複数の電源部品と、上記複数のLEDおよび上記複数の電源部品を収容するための管状のケースと、を備えたLEDランプであって、上記ケースにおける上記電源領域に対応する範囲から外部に光を照射するための補助光源手段を備えることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、補助光源手段を具備することによって、ケースにおける電源領域に対応する範囲からも外部に光が照射される。これにより、電源領域の存在に起因する照明品質の低下を防止することができる。
【0010】
本発明の1つの実施の形態においては、上記補助光源手段は、上記電源領域に配置された追加のLEDを備える。この場合において、好ましくは、上記補助光源手段は、上記追加のLEDからの光を内部に導入する光導入部と、上記ケースの内面に沿う部分筒状に形成され、上記光導入部からの光を進行させつつ外側部分の光出射面から出射させる光出射部と、を有する導光部材を備える。
【0011】
このように電源領域に追加のLEDが配置されていると、ケースにおける電源領域に対応する範囲まで効率よく光を届かせることができる。また、上記構成の導光部材を備える場合には、追加のLEDからの光を、この導光部材を介して、ケースにおける電源領域に対応する範囲から外部に向けて満遍なく照射させることができる。このことは、照明品質の低下を防止するうえで好適である。
【0012】
本発明の他の実施の形態においては、上記補助光源手段は、上記複数のLEDのうち少なくとも1つからの光を内部に導入する光導入部と、上記ケースの内面に沿う部分筒状に形成され、上記光導入部からの光を進行させつつ外側部分の光出射面から出射させる光出射部と、を有する導光部材を備える。このような構成によれば、既存のLEDからの光を、導光部材を介して、ケースにおける電源領域に対応する範囲から外部に向けて満遍なく照射させることができる。このことは、照明品質の低下を防止するうえで好適である。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記光出射部の内側部分は、上記光導入部から導入した光を上記光出射面に向けて反射させる光反射面とされている。このような構成によれば、導光部材の内部において進行する光を、光反射面によって反射させて、より効率よく光出射面に向かわせることができる。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数のLEDは、第1の基板の一方の面に実装され、上記複数の電源部品は、第2の基板の両面に実装されている。このような構成によれば、複数の電源部品が第2の基板の両面に実装されることから、第2の基板の一方の面にだけ電源部品が実装される場合に比べて電源部品の実装効率が高まり、第2の基板の占有面積を小さくすることができる。これにより、電源領域の狭小化を図ることができ、光源領域の面積を実質的に大きく確保することができる。したがって、上記構成のLEDランプによれば、照明品質の向上を図ることができる。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースは円形断面を有する直管状とされており、上記第1の基板と上記第2の基板とは、基板の厚さ方向に間隔を隔てて配置されており、上記第1の基板は、上記ケースの中心軸から半径方向に偏倚した位置にあり、上記第2の基板は、上記第1の基板よりも上記中心軸寄りに位置している。このように第2の基板が第1の基板よりもケースの中心軸寄りに位置していれば、第2の基板について、ケースの中心軸に直角である幅方向の寸法を、第1の基板よりも大きく確保することができる。したがって、第2の基板について一定の占有面積を確保する場合において、ケースの中心軸に沿う長手方向の寸法を小さくすることができ、電源領域のさらなる狭小化を図ることができる。このことは、LEDランプの照明品質の向上を図るうえでより好適である。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースには、上記ケースの中心軸に平行な面内において対をなすようにして内側に突出する突出片が一体形成されており、上記第1の基板は、上記突出片によって上記ケースに対する半径方向の移動が規制される。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースには、上記ケースの中心軸に平行な面内において対をなすようにして内側に突出する突出片が一体形成されており、上記導光部材は、上記突出片によって上記ケースに対する移動が規制される。この場合において、好ましくは、上記複数のLEDが実装される基板、および上記導光部材は、それぞれ、上記突出片によって上記ケースに対する移動が規制される。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。なお、説明の便宜上、図1を基準として上下の方向を特定することにする。
【0020】
図1〜図3は、本発明に係るLEDランプの一例を示している。本実施形態のLEDランプA1は、光源基板1と、複数のLEDモジュール2と、放熱部材3と、電源基板4と、複数の電源部品5と、ケース6と、補助光源手段7と、一対の口金8とを備えており、たとえば直管形蛍光ランプの代替として一般用蛍光灯照明器具に取り付けて用いられる。
【0021】
光源基板1は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、長矩形状に形成されている。光源基板1の表面の適所には、図示しない配線が形成されている。光源基板1は、後述する放熱部材3上に積層配置されており、たとえばネジなどを用いて放熱部材3に取り付けられている。
【0022】
複数のLEDモジュール2は、LEDランプA1の光源であり、光源基板1の上面1aに実装されている。これらLEDモジュール2は、光源基板1の長手方向に沿って所定間隔を隔てて並ぶように配置されており、たとえば図示しない配線によって直列につながれている。また、図1および図2に表れているように、複数のLEDモジュール2は、光源基板1の長手方向における両端部を除いた位置である光源領域11に配置されている。LEDモジュール2としては、たとえば表面実装用のパッケージ型に構成された白色LEDが好適に用いられる。
【0023】
放熱部材3は、たとえばAlからなり、光源基板1の長手方向に沿って延びる細長ブロック状とされている。図3によく表れているように、放熱部材3の表面には複数の凹部31が形成されており、凹凸を有する形状となっている。凹部31は、光源基板1の長手方向に沿って放熱部材3のほぼ全長にわたって形成されている。これらの凹部31は、放熱部材3を形成する際に用いる金型に凸部を設けることによって形成することができる。
【0024】
電源基板4は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、長矩形状に形成されている。電源基板4の表面の適所には、図示しない配線が形成されている。電源基板4は、複数の金属製のリード41よって光源基板1に取り付けられている。複数のリード41は、たとえば、一方の端部が電源基板4の長手方向両端部に対してハンダ付けによって固定されており、他方の端部が光源基板1の上面1aに設けられた図示しないパッドにハンダ付けされている。これにより、電源基板4は、光源基板1ないし放熱部材3に対して離間して配置されている。なお、光源基板1の配線と電源基板4の配線とは、リード41を介して電気的導通が図られている。
【0025】
複数の電源部品5は、LEDモジュール2および後述する補助LEDモジュール71を点灯させるための電源回路として機能するものであり、電源基板4の両面(上面4aおよび下面4b)に実装されている。複数の電源部品5は、AC/DCコンバータ51と、コンデンサや抵抗器などの他の機能部品52とを含み、商用電源から供給される交流を直流定電流に変換してLEDモジュール2および後述の補助LEDモジュール71に供給するように構成されたものである。AC/DCコンバータ51は、電源基板4に実装される他の部品に比べて、空間に占めるサイズが大きい。
【0026】
複数の電源部品5、およびこれら電源部品5が実装された電源基板4は、光源基板1の長手方向における両端部に位置する電源領域12に配置されている。
【0027】
ケース6は、光源基板1、放熱部材3、および電源基板4を収容するためのものであり、図3によく表れているように、円形断面を有する直管状の円筒形とされている。ケース6の内面には、内側に突出させられた一対の突出片61が一体形成されている。これら突出片61は、それぞれ、ケース6の中心軸O1から下方(半径方向)に偏倚し、かつ当該中心軸O1に平行な面内において突出しているとともに、上記中心軸O1に沿う方向に延びている。このような構成のケース6は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂からなり、押出成形によって一体形成される。
【0028】
上記構成の光源基板1および放熱部材3については、図3における突出片61の下方に収容することができるように、光源基板1ないし放熱部材3の幅寸法、および放熱部材3の上下方向の寸法が規定されている。図3に表された収容状態において、光源基板1は、上面1aが突出片61と当接することによってケース6に対する上記中心軸O1に垂直な方向(図中上方向)の移動が規制されており、また、放熱部材3の下部は、ケース6の下部内面に当接している。
【0029】
ここで、光源基板1は、ケース6の中心軸O1から上面1aとは反対側に偏倚した位置にあり、電源基板4は、ケース6の中心軸O1近傍に位置している。このように、電源基板4が光源基板1よりも中心軸O1寄りに位置していることから、電源基板4の幅寸法を、光源基板1の幅寸法よりも大とすることができる。光源基板1、放熱部材3、および電源基板4のケース6内への収容は、突出片61の下方において、光源基板1および放熱部材3をスライドさせながらケース6内に挿入することにより行う。
【0030】
補助光源手段7は、ケース6における電源領域12に対応する範囲から外部に光を照射するためのものであり、複数の補助LEDモジュール71と、導光部材72とを備えて構成されている。ここで、「ケース6における電源領域12に対応する範囲」とは、ケース6のうち、光源基板1より上方に位置する部分であって、電源領域12に対してケース6の長手方向においてほぼ重なる範囲を意味する。
【0031】
複数の補助LEDモジュール71は、光源基板1の上面1aに実装されている。具体的には、これら補助LEDモジュール71は、光源基板1の電源領域12に配置されており、光源基板1の幅方向の両端寄りにおいて当該光源基板1の長手方向に沿って所定間隔を隔てて並んでいる。補助LEDモジュール71は、LEDモジュール2に比べてサイズおよび消費電力が小さく、LEDランプA1の光源として補助的な役割を担う。補助LEDモジュール71としては、LEDモジュール2と同様に、たとえば表面実装用のパッケージ型に構成された白色LEDが好適に用いられる。
【0032】
導光部材72は、補助LEDモジュール71からの光をケース6に効率よく導くためのものであり、たとえば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などのアクリル樹脂からなる透明度が高い部材によって構成されている。導光部材72は、大略部分円筒状とされており、ケース6の内側において、電源領域12に対応する位置に配置されている。導光部材72は、たとえば金型を用いた射出成形によって形成されたものであり、図2および図3に表れているように、光導入部721および光出射部722を有している。光導入部721および光出射部722の周面は、なめらかな鏡面状とされている。
【0033】
光導入部721は、補助LEDモジュール71からの光を導光部材72内部に導入する部分であり、補助LEDモジュール71に対向する位置にある端面が光入射面721aとなっている。本実施形態においては、光導入部721は、適宜屈曲した形状とされており、光出射部722の円周方向における両端部につながるように設けられている。なお、光導入部721の光入射面721a以外の周面には、たとえば白色塗装が施されており、光導入部721内部に進入した光が外部に不当に漏れるといった不都合は防止されている。
【0034】
光出射部722は、ケース6の中心軸O1に沿う長手方向において一様な部分円筒状とされており、内側部分に形成された光反射面722aと、外側部分に形成された光出射面722bとを有している。光反射面722aは、光導入部721を介して進行してきた光を、この光反射面722aに対向する光出射面722bに向けて反射させるための面であり、たとえば白色塗装が施されることによって光散乱反射機能を有する。光出射面722bは、光反射面722aによって反射された光をケース6に向けて出射させるための面であり、ケース6の内面にほぼ密着するように位置している。なお、光反射面722aとしては、白色塗装を施すことによって形成されたものに代えて、微細粗面とすることによって形成されたものとしてもよい。この場合、微細粗面は、導光部材72を成形するための金型の一部をシボ加工によってあらしたり、成形後に所定部分に対してブラスト処理を施したりすることなどにより形成される。
【0035】
上記構成の導光部材72については、図3におけるケース6の突出片61の上方に収容することができるように、各所の寸法が規定されている。図3に表された収容状態において、導光部材72は、光導入部721が突出片61と当接することによって、ケース6に対する上記中心軸O1に垂直な方向(図中下方向)ないしケース6の円周方向の移動が規制されている。導光部材72のケース6内への収容は、突出片61の上方において、導光部材72をスライドさせながらケース6内に挿入することにより行う。
【0036】
一対の口金8は、蛍光灯照明器具のソケットに装着することにより、商用交流電源から電力供給するためのものである。図2に表れているように、口金8は、有底円筒状のカバー体81と、カバー体81の中空部に収容保持された樹脂ブロック82と、2本の端子83とを備えている。樹脂ブロック82には凹部82aが形成されており、この凹部82aに放熱部材3の長手方向端部を嵌挿することにより、口金8は放熱部材3に取り付けられている。これにより、LEDランプA1において、放熱部材3は、一対の口金8によって支持された状態となっている。
【0037】
カバー体81と樹脂ブロック82との間には部分円筒状の隙間が設けられており、口金8が放熱部材3に取り付けられた状態において、ケース6の長手方向両端部が上記隙間に挿入されている。端子83は、カバー体81および樹脂ブロック82に貫通する状態で設けられている。端子83の一端部(外側の端部)は、蛍光灯照明器具の上記ソケットの差込口に嵌合される部分であり、端子83の他端部は、光源基板1の配線との間で電気的導通が図られている。
【0038】
次に、上記構成のLEDランプA1の作用について説明する。
【0039】
LEDランプA1を使用する際には、口金8の端子83を蛍光灯照明器具のソケットの差込口に嵌合させたうえで電力を供給することにより、LEDモジュール2および補助LEDモジュール71を発光させることができる。
【0040】
本実施形態のLEDランプA1は、上述したように、ケース6における電源領域12に対応する範囲から外部に光を照射するための補助光源手段7を具備している。このため、LEDランプA1の使用時には、ケース6における光源領域11に対応する範囲のみならず、ケース6における電源領域12に対応する範囲からも外部に光が照射される。したがって、LEDランプA1においては、電源領域12の存在に起因する照明品質の低下を防止することができる。
【0041】
本実施形態においては、補助光源手段7は、複数の補助LEDモジュール71、および導光部材72を備えている。そして、複数の補助LEDモジュール71は光源基板1の電源領域12に配置されているため、ケース6における電源領域12に対応する範囲まで効率よく光を届かせることができる。また、導光部材72を具備することにより、補助LEDモジュール71からの光を、導光部材72を介して、ケース6における電源領域12に対応する範囲から外部に向けて満遍なく照射させることができる。このことは、LEDランプA1の照明品質の低下を防止するうえで好適である。
【0042】
導光部材72の光出射部722には、光導入部721を介して導入した補助LEDモジュール71からの光を光出射面722bに向けて反射させる光反射面722aが設けられている。このため、導光部材72の内部において進行する光は、光反射面722aによって反射し、より効率よく光出射面722bに向かう。また、光反射面722aが光散乱反射機能を有することから、光出射面722bから出射する光の各所の光量の均一化を図ることができる。このことは、LEDランプA1の照明品質の低下を防止するうえで、より好適である。
【0043】
本実施形態においては、複数の電源部品5が電源基板4の両面(上面4aおよび下面4b)に実装されることから、たとえば電源基板4の上面4aにだけ電源部品5が実装される場合に比べて電源部品5の実装効率が高まり、電源基板4の占有面積を小さくすることができる。したがって、電源基板4について、ケース6の中心軸O1に沿う長手方向の寸法を小さくすることができる。これにより、光源基板1における電源領域12の狭小化を図ることができ、光源領域11の面積を実質的に大きく確保することができる。かかる構成のLEDランプA1によれば、照明品質の向上を図ることができる。
【0044】
電源基板4は、光源基板1よりもケース6の中心軸O1寄りに位置している。このため、電源基板4について、ケース6の中心軸O1に直角である幅方向の寸法を、光源基板1の幅寸法よりも大きく確保することができる。したがって、電源基板4について一定の占有面積を確保する場合において、ケース6の中心軸O1に沿う長手方向の寸法を小さくすることができ、電源領域12のさらなる狭小化を図ることができる。このことは、LEDランプA1の照明品質の向上を図るうえでより好適である。
【0045】
本実施形態では、光源基板1が放熱部材3上に積層配置されている。このため、LEDモジュール2および補助LEDモジュール71の点灯時に発生する熱を、放熱部材3を介して外部に効果的に逃がすことができ、LEDモジュール2および補助LEDモジュール71の劣化を防止することができる。また、放熱部材3は、ケース6の長手方向のほぼ全体に沿って延びていることから、LEDランプA1の構造材として機能し得る。したがって、このような放熱部材3を備える構成によれば、LEDランプA1において適度な剛性を確保することができる。
【0046】
上述のように、ケース6の内側には対をなす突出片61が設けられており、これら突出片61が光源基板1の幅方向の両端において上面1aと当接することによって、光源基板1は、ケース6の中心軸O1に垂直な方向(ケース6の半径方向)の移動が規制される。また、上記一対の突出片61が導光部材72の光導入部721と当接することによって、導光部材72は、ケース6の中心軸O1に垂直な方向(ケース6の半径方向)ないしケース6の円周方向の移動が規制される。これにより、LEDランプA1の組み立て時には、ケース6内に光源基板1および導光部材72を挿入するだけで、ケース6に対する光源基板1および導光部材72の相対的な位置決めを図ることができる。したがって、LEDランプA1の組み立て作業を容易に行うことができる。
【0047】
図4〜図6は、本発明に係るLEDランプの他の例を示している。なお、これらの図面においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0048】
図4および図5に示されたLEDランプA2においては、補助光源手段7の構成が上記実施形態のLEDランプA1と異なっている。LEDランプA2は、補助LEDモジュール71を備えておらず、LEDモジュール2からの光を、導光部材72を介して、ケース6における電源領域12に対応する範囲に導くように構成されている。本実施形態の導光部材72は、上記実施形態に比べて種々の変更が施されている。
【0049】
導光部材72の光導入部721は、光源基板1の長手方向における両端側に位置するLEDモジュール2からの光を導光部材72内部に導入するためのものであり、当該LEDモジュール2に対向する端面が光入射面721aとなっている。光導入部721は、適宜湾曲した形状とされており、光出射部722の長手方向における一端部につながるように設けられている。図5よく表れているように、導光部材72は、光出射部722の円周方向における端面が突出片61と当接することによって、ケース6に対する中心軸O1に垂直な方向(図中下方向)ないしケース6の円周方向の移動が規制されている。
【0050】
本実施形態のLEDランプA2においては、既存のLEDモジュール2からの光を、導光部材72を介して、ケース6における電源領域12に対応する範囲から外部に向けて満遍なく照射させることができる。このことは、LEDランプA2の照明品質の低下を防止するうえで好適である。また、LEDランプA2においては、追加のLEDを設ける必要がないので、複数の電源部品5を用いて構成される電源回路の簡素化が期待できる。
【0051】
図6に示されたLEDランプA3においては、補助光源手段7の構成が上記実施形態のLEDランプA1と異なっている。LEDランプA3においては、複数の補助LEDモジュール71の配置が上記実施形態と異なっており、また、導光部材72を備えていない。本実施形態では、複数の補助LEDモジュール71は、電源基板4の上面に実装されており、電源基板4の幅方向の両端寄りにおいて当該電源基板4の長手方向に沿って所定間隔を隔てて並んでいる。
【0052】
本実施形態のLEDランプA3においては、電源基板4に実装された補助LEDモジュール71からの光を、ケース6における電源領域12に対応する範囲から外部に向けて照射させることができる。また、電源基板4は、光源基板1に比べて、補助LEDモジュールからの光がケース6の外部に主として照射される方向(図中上方)に偏倚して位置している。このため、補助LEDモジュール71から発せられた光は、ケース6における電源領域12に対応する範囲まで効率よく届く。
【0053】
本発明に係るLEDランプは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDランプの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るLEDランプの一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う要部断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う拡大断面図である。
【図4】本発明に係るLEDランプの他の例を示す図2と同様の断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う拡大断面図である。
【図6】本発明に係るLEDランプの他の例を示す斜視図である。
【図7】従来のLEDランプの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
A1,A2,A3 LEDランプ
O1 (ケースの)中心軸
1 光源基板(第1の基板)
2 LEDモジュール(LED)
3 放熱部材
4 電源基板(第2の基板)
5 電源部品
6 ケース
7 補助光源手段
8 口金
1a 上面(LEDの実装面)
4a (第2の基板の)上面
4b (第2の基板の)下面
11 光源領域
12 電源領域
41 リード
51 AC/DCコンバータ
61 突出片
71 補助LEDモジュール
72 導光部材
81 カバー体
82 樹脂ブロック
83 端子
721 光導入部
721a 光入射面
722 光出射部
722a 光反射面
722b 光出射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源領域に配置された複数のLEDと、電源領域に配置された複数の電源部品と、上記複数のLEDおよび上記複数の電源部品を収容するための管状のケースと、を備えたLEDランプであって、
上記ケースにおける上記電源領域に対応する範囲から外部に光を照射するための補助光源手段を備えることを特徴とする、LEDランプ。
【請求項2】
上記補助光源手段は、上記電源領域に配置された追加のLEDを備える、請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
上記補助光源手段は、上記追加のLEDからの光を内部に導入する光導入部と、上記ケースの内面に沿う部分筒状に形成され、上記光導入部からの光を進行させつつ外側部分の光出射面から出射させる光出射部と、を有する導光部材を備える、請求項2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
上記補助光源手段は、上記複数のLEDのうち少なくとも1つからの光を内部に導入する光導入部と、上記ケースの内面に沿う部分筒状に形成され、上記光導入部からの光を進行させつつ外側部分の光出射面から出射させる光出射部と、を有する導光部材を備える、請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項5】
上記光出射部の内側部分は、上記光導入部から導入した光を上記光出射面に向けて反射させる光反射面とされている、請求項3または4に記載のLEDランプ。
【請求項6】
上記複数のLEDは、第1の基板の一方の面に実装され、上記複数の電源部品は、第2の基板の両面に実装されている、請求項1ないし5に記載のLEDランプ。
【請求項7】
上記ケースは円形断面を有する直管状とされており、
上記第1の基板と上記第2の基板とは、基板の厚さ方向に間隔を隔てて配置されており、
上記第1の基板は、上記ケースの中心軸から半径方向に偏倚した位置にあり、
上記第2の基板は、上記第1の基板よりも上記中心軸寄りに位置している、請求項6に記載のLEDランプ。
【請求項8】
上記ケースには、上記ケースの中心軸に平行な面内において対をなすようにして内側に突出する突出片が一体形成されており、
上記第1の基板は、上記突出片によって上記ケースに対する半径方向の移動が規制される、請求項7に記載のLEDランプ。
【請求項9】
上記ケースには、上記ケースの中心軸に平行な面内において対をなすようにして内側に突出する突出片が一体形成されており、
上記導光部材は、上記突出片によって上記ケースに対する移動が規制される、請求項3または4に記載のLEDランプ。
【請求項10】
上記複数のLEDは、基板に実装されており、
上記基板は、上記突出片によって上記ケースに対する移動が規制される、請求項9に記載のLEDランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−140843(P2010−140843A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318079(P2008−318079)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】