説明

LED封止用樹脂組成物

【課題】本発明は、光透過率、耐光性及び耐熱性、光屈折率、機械的強度などの特性において優れており、成形する場合、殆ど収縮のないLED封止用シロキサン樹脂を製造することのできるLED封止用シロキサン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、有機アルコキシシランと有機シランジオールとの非加水縮合反応、または、有機アルコキシシラン及び金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールとの非加水縮合反応によって製造される有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有するLED封止用樹脂組成物を提供する。前記の有機オリゴシランハイブリッドは、縮合度の高い無機網目構造を有し、少なくとも1つ以上の有機基または有機官能基を包含する。また、本発明は、前記のLED封止用樹脂組成物を使用してLEDのカプセル化物質とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED封止用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは、寿命が長く低電圧で駆動されるとともに、発光効率が高い。また、LEDは、熱の発生が殆どなく、重金属がフリーの代替光源として他の発光素子に比べて優れた特性を有している。このような特性を有するLEDの用途は、一般照明、ディスプレイ装置及び液晶ディスプレイのバックライトなどその用途が益々拡大されつつある。
【0003】
さらに、LEDは将来の照明技術の核心素子であって、一般照明及び特殊照明用に使用するためには、80lm/W以上の高い発光効率が要求される。
【0004】
このような高い発光効率を有するLEDを開発するためには、円滑な熱放出設計と最適な光学設計が必要であり、光取り出し効率を増大しなければならない。すなわち、高効率/高信頼性の蛍光体が要求される。同時に、LEDをカプセル化することのできる封止剤の開発が必要となる。LEDをカプセル化することのできる封止剤は、さらにLEDの化合物半導体チップ及び電極を保護する役割を果すことになるので、LEDの光取り出し効率を高めることにおいて非常に重要な核心材料でもある。
【0005】
従来、LED装置が紫外線または青色光を含まない場合、接着性、耐熱性、耐光性の面で、封止剤として、ビスフェノールAエポキシ樹脂のような芳香族エポキシ樹脂を使用することが一般的であった。特許文献1には、LEDなどの光半導体を芳香族エポキシ樹脂を利用してカプセル化する方法が開示されている。
【0006】
しかし、高効率を目標とする紫外線または青色光を含むLEDの場合、このような芳香族エポキシ樹脂は、紫外線と熱によって黄変することがある。
【0007】
特許文献2は、LED封止に適合するエポキシ樹脂に関し、前記のエポキシ樹脂は、芳香族エポキシ樹脂の黄変現象を改善するべく、酸無水物を硬化剤として使用し、変色を抑制して透明なエポキシ樹脂を得るために指環式エポキシ樹脂を使用することが開示されている。
【0008】
一方、シリコン系高分子化合物は、耐光性のみならず透光製にも優れているため、LEDのカプセル化に適合な樹脂として提案されてきた。
【0009】
例えば、特許文献3では、LEDのカプセル化組成物を開示している。前記LEDカプセル化組成物は、硬化されたときに1つ以上のポリ有機シロキサンを包み、有機官能基、ヒドロキシル基及び水素原子からなる群から選択された官能基を含み、1つ以上の多重結合を有する炭化水素基及び水素原子を有している。
【0010】
また、特許文献4にはLED用シリコン樹脂組成物を開示している。前記LED用シリコン樹脂組成物は、1分子中少なくとも2つのケイ素原子に結合するアルケニル基を有するシリコン樹脂、1分子中少なくとも2つのケイ素原子に結合する水素原子を有する有機水素シラン、または有機水素ポリシロキサン、及び付加反応触媒を必須の成分としている。
【0011】
しかし、従来のLED用シリコン系高分子化合物は、接着性が低く、1.4程度と屈折率が低いために、LEDの発光効率を低減させるという問題がある。したがって、LEDの発光効率を高めるためには、1.5以上の高屈折率を有するとともに、優れた接着力、耐光性及び耐熱性を有する樹脂材料が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記従来技術に有する問題を解決するために案出された発明である。すなわち、光透過率、耐光性及び耐熱性、屈折率、機械的強度などの特性において優れており、成形の場合、殆ど収縮のないLED封止用シロキサン樹脂を製造することのできるLED封止用シロキサン樹脂組成物を提供する。
【0013】
前記のLED封止用シロキサン樹脂組成物を製造するために、本発明は有機基または有機官能基が付与された緻密な無機網目構造の有機オリゴシロキサンハイブリッドを利用する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明は、有機アルコキシシランと、有機シランジオールの非加水縮合反応、または、有機アルコキシシラン及び金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールとの非加水縮合反応によって製造される有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有することを特徴とするLED封止用樹脂組成物を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有するLED封止用樹脂組成物は、無機成分と有機成分とが、分子のレベルで均一に混合されている。その結果、前記LED封止用樹脂組成物は、高い安定性と、機械的及び耐熱、耐光性において優れており、かつ光透過率と屈折率とが高くなる。
また、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドに各種有機基または有機官能基を付与することができるので、屈折率など多様な物性を調節することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の有機オリゴシロキサンハイブリッドは、有機アルコキシシランと、有機シランジオールとの非加水縮合反応、または、有機アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールの非加水縮合反応によって製造される。言い替えると、本発明の有機オリゴシロキサンハイブリッドは、有機アルコキシシランと、有機シランジオールとの非加水縮合反応によって製造することができる。この非加水縮合反応の際に、金属アルコキシドが混合されていてもよい。
その結果、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドは、縮合度が高く、耐光性及び耐熱性に優れるとともに、透光度及び屈折率が高く、機械的特性に優れており、成形時に収縮が殆ど生じない特性がある。特に、青色及び紫外線スペクトルで発光する高効率のLED及び白色発光素子を封止することのできる優れた性能を有する。
【0017】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドは、無機成分と有機成分、または無機成分と有機官能基とが分子単位の結合をなしている化合物であって、有機アルコキシシランの非加水縮合反応によって製造される。
【0018】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明によるLED封止用樹脂に含有される有機オリゴシロキサンハイブリッドは、ゾル・ゲル反応によって製造される。特に、本発明による有機オリゴシロキサンハイブリッドは、有機アルコキシシランと有機シランジオールの非加水縮合反応によって製造されるか、または、有機アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールの非加水縮合反応によって製造される。
前記非加水縮合反応は、下記反応式で図示するように、水を添加しない非加水ゾル・ゲル反応の一種である。
前記非加水ゾル・ゲル反応は、水を使用しないことから伝統的な方式の加水ゾル・ゲル反応と異なる。
【0019】
前記加水ゾル・ゲル反応は、2種物質間の反応速度の差異によって、複合酸化物の形成が難しく、前駆体の選択にも制約がある。また、加水ゾル・ゲル反応では、水を使用することによって必然的に派生する問題がある。すなわち、高温の熱処理工程が必要であり、また、材料内に存在することになる未反応水酸化基などによって材料の安定性が低下することなどである。
【0020】
一方、本発明の非加水ゾル・ゲル反応を利用する場合、前記の加水ゾル・ゲル反応における問題を克服することができるだけでなく、複合酸化物や多様な前駆体を利用して有機オリゴシロキサンナノハイブリッドを形成することができる。

【0021】
前記有機オリゴシロキサンナノハイブリッドは、前記の反応式のような縮合反応によって形成される。すなわち、出発物質である有機シランジオールの水酸化基と異なる単量体である有機アルコキシシランのアルコキシ基が縮合反応して、無機網目構造を形成する。また、出発物質である有機シランジオールの水酸化基と異なる単量体である有機アルコキシシランと、金属アルコキシド混合物のアルコキシ基とが縮合反応して無機網目構造を形成する。前記無機網目構造の化合物の周辺には、R’、R’’の有機基が修飾された有機オリゴシロキサンハイブリッドが形成される。
【0022】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドを製造するとき、反応温度を低くすることによって非加水ゾル・ゲル反応を利用するので、低い温度における反応を促進させるために触媒を投入することができる。このときの使用可能な触媒は、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウムなどの水酸化金属を使用することができる。触媒の投入量は特に制限されないが、モノマーの0.0001〜10mol%で添加することが好ましい。前記反応は、常温で約6〜72時間攪拌することが好ましい。また、反応速度を促進させるとともに完全な縮合反応を進行させるために、0〜100℃、好ましくは40〜80℃で約1〜10時間反応を実行することが好ましい。
【0023】
縮合反応によって製造された有機オリゴシロキサンハイブリッドの内部には、副産物であるアルコールが存在することになるが、前記アルコールを除去するためには、大気圧または減圧下0〜120℃の温度に加熱してもよい。より好ましくは、−0.1MPaの気圧下40〜80℃の温度で10分〜1時間加熱する。
【0024】
前記有機アルコキシシランは、下記化学式(1)で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物の混合物を使用することができる。前記有機アルコキシシランは、少なくとも1つのアルコキシ基と官能基が置換された有機鎖、または官能基が置換されていない有機鎖を包含する。
【0025】
化学式(1)

(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル及びC〜C20アリールからなる群から選択されるいずれか1種であって、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、C〜C20アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有していてもよく、Rは、それぞれ独立して、直鎖状または分岐鎖状のC〜Cアルキルである。)
【0026】
より具体的には、前記有機アルコキシシランは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルエチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルビス(トリメトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、N−(アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランからなる群から選択される1種または2種以上の混合物を使用することができる。しかし、必ずしもこれに限定されない。
【0027】
前記有機シランジオールは、下記化学式(2)で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物の混合物を使用することができる。前記有機シランジオールは、2つの水酸化基と官能基が置換されている有機鎖、または官能基が置換されていない有機鎖を包含する。
【0028】
化学式(2)

(式中、R及びRは、それぞれ独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルに置換されたC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル及びC〜C20アリールからなる群から選択されるいずれか1種であって、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、C〜C20アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有していてもよい。)
【0029】
より具体的には、前記有機シランジオールは、ジフェニルシランジオール及びジイソブチルシランジオールからなる群から選択される1種または2種以上の混合物を使用することができる。しかし、必ずしもこれに限定されない。
【0030】
また、前記金属アルコキシドは、下記化学式(3)で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物の混合物を使用することができる。前記金属アルコキシドは、アルコキシ基が結合した金属化合物である。
【0031】
化学式(3)

(式中、Mは、アルミニウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、及びタンタルで構成された群から選択されるいずれか1種であり、前記nは、Mの原子価であり、前記Rは、直鎖状または分岐鎖状のC〜Cアルキルである。)
【0032】
前記化学式(3)において、nは1〜5であり、好ましくは3〜5である。
Mは、原子価3〜5の金属であって、アルミニウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、タンタルを例として挙げることができる。
【0033】
より具体的には、前記金属アルコキシドは、アルミニウムエトキシド、タンタルエトキシド、ゲルマニウムエトキシド、チタニウムエトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、タンタルブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムt−ブトキシド、ジルコニウムブトキシド及びジルコニウムt−ブトキシドからなる群から選択される1種または2種以上の混合物を使用することができる。しかし、必ずしもこれに限定されない。
【0034】
本発明において、有機オリゴシロキサンハイブリッドを、有機アルコキシシラン及び金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールとの非加水縮合反応によって製造する場合、前記金属アルコキシドは、前記混合物100mol%に対して1〜80mol%であることが好ましく、さらに好ましくは、前記金属アルコキシドは、前記混合物100mol%に対して20〜70mol%である。この場合、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドは、高い屈折率と縮合度とを有することができる。前記金属アルコキシドの量が多過ぎると、屈折率は増加するが、透過率が低下する傾向がある。また、前記金属アルコキシドの量が過少の場合は、高い屈折率を期待することが難しい。
【0035】
前記金属アルコキシドは、有機アルコキシシランに比べて有機シランジオールとの反応速度が速い。したがって、有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有するLED封止用樹脂組成物を「均質」に製造するためには、金属アルコキシドの反応速度を有機アルコキシシランと同程度に調節する必要がある。前記の金属アルコキシドの反応速度を調節するためには、金属キレート剤を添加することが好ましい。
【0036】
前記金属キレート剤は、アセチルアセトンなどのβ−ジケトナート化合物であるか、アクリル酸、メタクリル酸など不飽和炭化水素基を有する有機酸であることが好ましい。前記金属キレート剤を添加すると、前記金属キレートは、金属アルコキシドのアルコキシ基を置換して、金属キレート剤−金属アルコキシド錯化合物を形成する。このとき、前記金属アルコキシドのアルコキシ基の中、一部だけを金属キレートに置換させるためには、前記金属キレート剤の添加量を調節することが好ましい。
具体的には、前記金属アルコキシドのアルコキシドに対して1/5〜1/2当量の金属キレート剤を添加することが好ましい。前記のような当量の金属キレート剤が添加されると、前記金属アルコキシドの反応速度は、有機アルコキシシランの反応速度と同程度になるので、無機網目構造の内部に金属成分を均一に分散させることができる。
【0037】
本発明による有機オリゴシロキサンハイブリッドに溶媒を添加すると、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有するLED封止用樹脂の粘度を制御して、樹脂の安定性を付加することができる。この溶媒は、本発明の効果に影響を与えない範囲内で添加しなければならない。また、この溶媒は、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドを製造する過程で添加するか、または前記有機オリゴシロキサンハイブリッドを製造した後に添加することもできる。
【0038】
前記溶媒は、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、メチルイソブチルケトン、1−メチル−2−ピロリジノン、シクロヘキサンオン、アセトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒、エチルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶媒、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒及びシリコン系溶媒からなる群から選択されるいずれか1種以上を使用することができる。しかし、必ずしもこれに限定されない。
【0039】
本発明の有機オリゴシロキサンハイブリッドは、熱硬化の可能な官能基または光硬化の可能な官能基を包含することができる。この場合、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドは、熱硬化または光硬化させる段階を経て製造されることによって緻密なLEDのカプセルを形成することができる。この結果、有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有するLED封止用樹脂は、機械的物性や熱的特性が良好となるので、LEDを効率的に封止することのできるメリットを有することになる。
前記熱硬化の可能な官能基または光硬化の可能な官能基を包含する有機オリゴシロキサンハイブリッドを製造するためには、有機アルコキシシランまたは有機シランジオールの有機基が熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基を有しなければならない。前記熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基は、例えば、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アミノ基、ヒドロキシ基などである。
【0040】
また、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドが熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基を有する場合、熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基を有するモノマーを使用することができる。
また、前記モノマーは1種であるか、互に異なる2種以上を混合して使用することができる。
前記モノマーを添加することによって、有機オリゴシロキサンハイブリッドの密度、自由体積、基板との接着力、屈折率などを調節することができる。
【0041】
また、前記有機オリゴシロキサンハイブリッドが熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基を有する場合に、熱硬化用触媒、または光硬化用触媒をさらに添加することができる。
前記熱硬化用触媒は、例えば、ベンジルジメチルアミンなどのアミン系列、1−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール系列、トリフェニルホスフィン、トリフェニルフォスフェイト、トリオクチルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィンなどのリン系列、アルミニウムアセチルアセトネート(Alacac)などを使用することができる。
また、前記光硬化用触媒は、例えば、アリールスルホニウムヘキサフロロアンティモニウムソルト、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル(di−cumyl peroxide)、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビス−(2−メチルプロピオニトリル)などを使用することができる。
【0042】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドが熱硬化可能な官能基を有する場合には、酸無水物硬化剤をさらに添加することができる。前記酸無水物硬化剤は、例えば、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナド酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物などを使用することができる。
【0043】
熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基を包含する有機オリゴシロキサンハイブリッドが、熱硬化または光硬化する段階を経る場合、前記段階を経た後に、熱処理段階を経ることができる。前記熱処理段階においては、180℃以下、具体的には、50〜180℃で実行することができる。前記熱処理段階は、150℃以下、具体的には50〜150℃で実行することが好ましい。前記熱処理段階の温度が高すぎると有機官能基間の結合鎖を破壊することがあり、低すぎると、付随的に添加された溶媒が容易に除去されない場合もある。
【0044】
本発明のLED封止用樹脂組成物は、染料、顔料、界面活性剤、酸化防止剤、酸化物ナノ粒子、窒化物ナノ粒子、防染剤、金属充填剤及び耐熱剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含有することができる。
【0045】
本発明によって製造されたLED封止用シロキサン樹脂を使用することのできるLEDは、例えば、発光効率が高く、波長の短い最近のLEDのみならず、化合物半導体GaP、化合物半導体GaAs及び化合物半導体GaNで作製された赤色LED、緑色LED及び黄色LEDを挙げることができる。
このように本発明によって製造されたLED封止用シロキサン樹脂は、既存のLED封止用にも使用することができるとともに、最近開発されている青色、または紫外線領域の波長で発光効率80lm/W以上の高効率LEDをカプセル化することに最適な樹脂である。
【0046】
一般的に、LED封止用シロキサン樹脂は、LEDから発する輝度及びエネルギーの高い光に曝されるため、優れた耐光性を有するとともに、発光部位において熱が発生するため、耐熱性も良好でなければならない。前記の耐光性及び耐熱性に優れたLED封止用樹脂は機械的強度を維持するとともに、光透過率の低下を防止する。
【0047】
また、光がLED封止用樹脂を透過するため、このLED封止用樹脂は光透過率が高くなければならないとともに、光の取り出し効率も高い必要があるため、高い屈折率を有しなければならない。さらに、高い精密度を要する結合配線を有する発光素子を保護するために、高い硬度を有しなければならない。
【0048】
以上のような本願発明のLED封止用樹脂は、前記の条件を全て満足させることができるため、LED封止用樹脂として最適である。
【0049】
以下は、本発明を好適な実施形態によって説明する。ただ、本実施形態が本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0050】
(実施例1)
先ず、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Aldrich社製)とジフェニルシランジオール(DPSD)とを2:3のモル比で混合し、200mlフラスコに入れた。その後、前記混合物にシランに対して0.1mol%の水酸化バリウムを触媒として添加し、80℃で72時間の間攪拌した。続いて、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA、Aldrich社製)を添加して減圧蒸発器を用いて、−0.1MPaの圧力と、60℃の条件下にて、30分間反応させて樹脂を得た。
次いで、前記樹脂内に残存するメタノールを除去して、エポキシ基とフェニル基とが修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を得た。
この有機オリゴシロキサン樹脂に対して4wt%のアリールスルホニウムヘキサフロロアンチモニウム塩の光硬化触媒を添加した後、プラスチック製1mm厚さの型枠に入れた。その後、前記型枠を365nm波長の紫外線ランプに1分間露出させて光硬化させた。光硬化の後、型枠を除去して150℃の温度で2時間熱硬化した。
【0051】
(実施例2)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS、Aldrich社製)とジフェニルシランジオール(DPSD)とを2:3モル比で混合して200mlフラスコに入れた。その後、前記混合物にシラン対比0.1mol%の水酸化バリウムを触媒として添加し、80℃で72時間の間攪拌した。続いて、減圧蒸発器を用いて、−0.1MPaの気圧、60℃の条件下にて、30分間反応させて樹脂を得た。
次いで、前記樹脂内に残存するメタノールを除去して、エポキシ基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を得た。この有機オリゴシロキサン樹脂の1当量当り1モルのメチルヘキサヒドロフタル酸無水化物(MHHPA、Aldrich社製)の熱硬化剤を添加した。また、前記有機オリゴシロキサン樹脂に対して1wt%のベンシルジメチルアミン(BDMA、KUKDO社製)の熱硬化触媒を添加した。前記有機オリゴシロキサン樹脂をポリマーがコーティングされたガラス製1mm厚さの型枠に入れた。次いで、120℃下12時間熱硬化を実施した後、型枠を除去した。
【0052】
(実施例3)
3−メタアクリロプロピルトリメトキシシラン(MPTMS、Aldrich社製)とジフェニルシランジオール(DPSD)とを2:3モル比で混合して200mlフラスコに入れた。前記混合物に、シランに対して0.1mol%の水酸化バリウム触媒を添加し、80℃で72時間の間攪拌した。その後、減圧蒸発器を用いて、−0.1MPa気圧、60℃の条件下にて、30分間反応させて樹脂を得た。
次いで、前記樹脂内に残存するメタノールを除去して、メタクリル基とフェニル基とが修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を得た。この有機オリゴシロキサン樹脂に光硬化可能な官能基を有するモノマーとして1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを添加した。
【0053】
続いて、有機オリゴシロキサン樹脂に対して、2wt%の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BDK、Aldrich社製)の光硬化触媒を添加し、前記樹脂をプラスチック製1mm厚さの型枠に入れて、365nm波長の紫外線ランプに4分間露出させて光硬化させた。光硬化の後、型枠を除去してさらに120℃の温度で、2時間熱硬化を実施した。
【0054】
(実施例4)
ビニルトリメトキシシラン(VTMS、Aldrich社製)とジフェニルシランジオール(DPSD)とを2:3モル比にして200mlフラスコに入れて混合した。その後、前記混合物にシラン対比0.1mol%の水酸化バリウム触媒を添加し、80℃で72時間の間攪拌した。減圧蒸発器を用いて、−0.1MPaの圧力、60℃の条件下にて、30分間反応させて樹脂を得た。次いで前記樹脂内に残存するメタノールを除去して、ビニル基とフェニル基とが修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を得た。
【0055】
前記有機オリゴシロキサン樹脂に光硬化可能な官能基を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを添加した。次いで、前記有機オリゴシロキサン樹脂に対して4wt%の過酸化ベンゾイル(BPO、Fluka社製)の光硬化触媒を添加し、前記樹脂をプラスチック製1mm厚さの型枠に入れて、365nm波長の紫外線ランプに4分間露出させて光硬化させた。光硬化の後、型枠を除去してさらに120℃の温度で2時間の間熱硬化を実施した。
【0056】
(実施例5)
3−メタアクリロプロピルトリメトキシシラン(MPTMS、Aldrich社製)、チタニウムイソプロポキシド(Ti(OiPr)4、Aldrich社製)、アセチルアセトン(Aldrich社製)及びジフェニルシランジオール(DPSD)を1.2:0.8:0.8:3モル比で混合し、200mlのフラスコに入れた。前記シランに対して0.1mol%の水酸化バリウム触媒を添加した後、80℃下72時間の間攪拌した。次いで、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA、Aldrich社製)を添加し、減圧蒸発器を用いて、−0.1MPaの圧力、60℃の温度で30分間反応させて樹脂を得た。この樹脂内に残存するメタノールを除去してメタクリル基とフェニル基とが修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を得た。
前記有機オリゴシロキサン樹脂に対して2wt%の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BDK、Aldrich社製)の光硬化触媒を添加した後、プラスチック製1mm厚さの型枠に入れた。次いで、365nm波長の紫外線ランプに4分間露出させて光硬化させた。光硬化の後、型枠を除去してさらに150℃の温度で2時間の間追加的な熱硬化を実施した。
【0057】
(実施例6)
3−メタアクリロプロピルトリメトキシシラン(MPTMS、Aldrich社製)、ジルコニウムイソプロポキシド(Zr(OiPr)4、Aldrich社製)、メタクリル酸(Aldrich社製)及びジフェニルシランジオール(DPSD)を1.2:0.8:0.8:3モル比で混合し、200mlのフラスコに入れた。前記シランに対して0.1mol%の水酸化バリウム触媒を添加し、80℃下72時間の間攪拌した。次いで、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA、Aldrich社製)を添加し、減圧蒸発器を用いて、−0.1MPaの圧力、60℃の温度で30分間反応させて樹脂を得た。その後、この樹脂内に残存するメタノールを除去してメタクリル基とフェニル基とが修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を得た。
前記有機オリゴシロキサン樹脂に対して2wt%の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BDK、Aldrich社製)の光硬化触媒を添加した後、プラスチック製1mm厚さの型枠に入れた。次いで、365nm波長の紫外線ランプに4分間露出させて光硬化させた。光硬化の後、型枠を除去してさらに150℃の温度で2時間の間追加的な熱硬化を実施した。
【0058】
(試験例)
前記の各実施例から得られたそれぞれのサンプルの物性を下記の方法によって評価し、その結果を表1〜表3に示した。
【0059】
(縮合度)
Bruker社の核磁気共鳴分光器を使用して測定したデータを、下記式に代入して縮合度を計算した。
【数1】

ここで、R’は有機官能基であり、Rはフェニル基である。
【0060】
(光透過率)
Shimadzu社のUV/VIS/NIRスペクトル分析器UV−3101PCを使用して450nm波長で光透過率を測定した。
(光屈折率)
633nm波長でプリズム結合器(Prism coupler)を利用して光屈折率を測定した。
(耐光性)
サンプルを365nm波長のランプに600時間露出させた後、光透過率を測定した。
(耐熱性)
サンプルを120℃のオーブンに600時間入れた後、光透過率を測定した。
(硬度)
Schmidt社のショア硬度測定機HPSDを使用して測定した硬度をショアD値で示した。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
前記表1は、実施例1〜実施例6から得たLED封止用シロキサン樹脂の光屈折率と硬度を示し、前記表2は、実施例1〜実施例6から得たLED封止用シロキサン樹脂の紫外線照射前・後の光透過率を示し、表3は、実施例1〜実施例6から得たLED封止用シロキサン樹脂に対する熱処理前の初期光透過率と、120℃下600時間の間熱処理を実施した後の光透過率を示している。
【0065】
また、表1の前記実施例5及び実施例6のシロキサン樹脂は、同実施例3のシロキサン樹脂に金属アルコキシドを付加して製造しているが、前記実施例5及び実施例6のシロキサン樹脂は、実施例3のシロキサン樹脂より縮合度及び光屈折率において顕著に向上していることを示している。
【0066】
前記表1〜表3の結果から、本発明によるLED封止用シロキサン樹脂は、優れた耐光性と耐熱性とともに高い透光度及び光屈折率を有することを確認することができる。また、本発明によるLED封止用シロキサン樹脂は、適当な硬度を有するので、波長が短く、発光効率の高いLEDのカプセル化物質として使用することに理想的であると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】日本特許公開2003−002951A
【特許文献2】韓国特許公開2008−0043381
【特許文献3】日本特許公開2004−359756A
【特許文献4】日本特許公開2004−186168A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機アルコキシシランと有機シランジオールとの非加水縮合反応、または
有機アルコキシシラン及び金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールとの非加水縮合反応によって製造される有機オリゴシロキサンハイブリッドを含有することを特徴とするLED封止用樹脂組成物。
【請求項2】
前記金属アルコキシドは、前記混合物100mol%に対して1〜80mol%である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記有機アルコキシシランは、下記化学式(1)で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物の混合物である請求項1又は2に記載の組成物。
化学式(1)

(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル及びC〜C20アリールからなる群から選択されるいずれか1種であって、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、C〜C20アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有していてもよく、Rは、それぞれ独立して、直鎖状または分岐鎖状のC〜Cアルキルである。)
【請求項4】
前記有機シランジオールは、下記化学式(2)で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物の混合物である請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
化学式(2)

(式中、R及びRは、それぞれ独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルに置換されたC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル及びC〜C20アリールからなる群から選択されるいずれか1種であって、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、C〜C20アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有していてもよい。)
【請求項5】
前記金属アルコキシドは、下記化学式(3)で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物の混合物である請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
化学式(3)

(式中、Mは、アルミニウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、及びタンタルからなる群から選択されるいずれか1種であり、前記nは、Mの原子価であり、前記Rは、直鎖状または分岐鎖状のC〜Cアルキルである。)
【請求項6】
前記有機アルコキシシランは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルエチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルビス(トリメトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、N−(アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、及びヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランからなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項7】
前記有機シランジオールは、ジフェニルシランジオール及びジイソブチルシランジオールからなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項8】
前記金属アルコキシドは、アルミニウムエトキシド、タンタルエトキシド、ゲルマニウムエトキシド、チタニウムエトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、タンタルブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムt−ブトキシド、ジルコニウムブトキシド及びジルコニウムt−ブトキシドからなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項9】
前記混合物は、金属キレート剤をさらに含有する請求項1〜8のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項10】
前記金属キレート剤は、金属アルコキシドのアルコキシドに対して1/5〜1/2当量である請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記金属キレート剤は、β−ジケトナート化合物または不飽和炭化水素基を有する有機酸である請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記非加水縮合反応は、水酸化金属触媒の存在下で実行される請求項1〜11のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項13】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドは、熱硬化可能な官能基または光硬化可能な官能基を有する請求項1〜12のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項14】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドに熱硬化用触媒、または光硬化用触媒をさらに添加する請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドに酸無水物硬化剤をさらに添加する請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記有機オリゴシロキサンハイブリッドに熱硬化可能な官能基、または光硬化可能な官能基を有するモノマーをさらに含有する請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記LED封止用樹脂組成物は、溶媒、染料、顔料、界面活性剤、酸化防止剤、酸化物ナノ粒子、窒化物ナノ粒子、防染剤、金属充填剤及び耐熱剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含有する請求項1〜16のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項18】
請求項1〜請求項17のいずれか1つに記載のLED封止用樹脂組成物を使用してカプセル化されたLED。

【公開番号】特開2010−37538(P2010−37538A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88947(P2009−88947)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】373−1,Gusung−dong,Yuseong−ku,Daejeon 305−701 KR
【Fターム(参考)】