LED点灯装置および車両用前照灯
【課題】複数のLED素子の輝度を個々に調整可能であって、かつ色のばらつきが小さいLED点灯装置を小型、低コストで実現する。
【解決手段】直列に接続された複数のLED素子D1〜Dnの各々に並列にスイッチ素子Q1〜Qnを接続し、LED素子とスイッチ素子の直並列回路に定電流源2から定電流を供給するとともに、スイッチ素子のオンオフを制御回路1により行う。制御回路は、スイッチ素子のオンオフデューティーを制御するためのタイミング信号を生成する点灯パターン生成回路と、スイッチ素子のゲートを駆動するゲート駆動回路とで構成され、制御回路は、複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けるようにした。
【解決手段】直列に接続された複数のLED素子D1〜Dnの各々に並列にスイッチ素子Q1〜Qnを接続し、LED素子とスイッチ素子の直並列回路に定電流源2から定電流を供給するとともに、スイッチ素子のオンオフを制御回路1により行う。制御回路は、スイッチ素子のオンオフデューティーを制御するためのタイミング信号を生成する点灯パターン生成回路と、スイッチ素子のゲートを駆動するゲート駆動回路とで構成され、制御回路は、複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)素子で構成された半導体光源を点灯させるためのLED点灯装置およびこのLED点灯装置を使用した車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体光源としてのLED(Light Emitting diode)素子は、車両用灯具、信号機および照明用灯具として広く用いられるようになっている。このようなLED素子の輝度を調整する従来の方法として、LED素子に流れる電流値を制御したり、LED素子に流れる電流をPWM(Pulse Width Modulation)制御したりする方法があった。
PWM制御によりLED素子に対する通電と遮断を繰り返すことでLED素子を減光点灯することができるが、例えば、全点灯時に定格電流が供給されることによって白色に発光していたものが、減光点灯時にLED素子に供給する電流を少なくして平均電流を単に低下させると、LED素子の発光色のうち青色成分が徐々に低下し、LED素子が緑がかった色で発光することがある。このような半導体光源に色度変化が生じるのを防止するため、半導体光源に対する電流の供給をオンオフ制御信号に基づいて行なう場合、オンオフ制御信号のうち一方の論理レベルの時に半導体光源に規定の電流を供給し、オンオフ制御信号のうち他方の論理レベルの時には半導体光源に対する電流の供給を停止するようにした点灯制御回路がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−86063号公報(段落番号[0026]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLED点灯装置は、以上のようにして輝度を調整していたが、複数のLED素子の輝度を個別に調整する場合は、電流値またはパルス幅を調整可能な電源を、それぞれのLED素子に個別に設ける必要があり、点灯回路が複雑でコストが高くなってしまうという問題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、小型、低コストで、かつ複数のLED素子の輝度を個別に調整可能なLED点灯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るLED点灯装置は、直列に接続された複数のLED素子、このLED素子の各々に並列に接続された複数のスイッチ素子、LED素子とスイッチ素子の直並列回路に電流を供給する電源、およびスイッチ素子のオンオフデューティーを制御してLED素子の輝度を発光デューティーにより制御する制御回路を備え、制御回路は、スイッチ素子のオンオフデューティーを制御するためのタイミング信号を生成する点灯パターン生成回路と、スイッチ素子のゲートを駆動するゲート駆動回路によって構成され、ゲート駆動回路は、レベルシフト回路と、バッファ回路と、チャージポンプ回路によって構成され、制御回路は、複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けるようにしたものである。
【0007】
またこの発明の車両用前照灯は、LED点灯装置の複数のLED素子をマトリクス状に並べたLEDモジュールと、複数のLED素子から放射される光を各々のLED素子に対応して定められた方向に投射する光学ユニットとを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、直列に接続された複数のLED素子の各々に並列に接続されたスイッチ素子のオンオフ制御によりLED素子の輝度を調整するとともに、LED素子とスイッチ素子の直並列回路に一括して定電流を供給する電源を設けたので、電源が一つで済み、点灯装置を小型でかつ低コストで実現できる。
また、制御回路のゲート駆動回路を、レベルシフト回路と、バッファ回路と、チャージポンプ回路によって構成し、複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けることにより、チャージポンプ回路のコンデンサに、ゲート駆動用の電荷を蓄積することが可能となる。チャージポンプ回路が使用可能となることにより、基準電位(FETの場合はソース電位)の異なる複数のスイッチ素子を駆動する場合においても、個別の絶縁電源を用いる必要がなくなり、LED駆動回路を小型化、低コスト化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1によるLED点灯装置の回路構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における制御回路の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における定電流源の回路構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1における輝度調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2における定電流源の回路構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるLED点灯装置の回路構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3におけるLED素子の点灯状態と出力電圧との関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4によるLED点灯装置の回路構成図である。
【図9】この発明の実施の形態5における輝度調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】この発明の実施の形態6における車両用前照灯を示す概略構成図である。
【図11】この発明の実施の形態6に使用されるLED素子モジュールの正面図と側面図である。
【図12】この発明の実施の形態7によるLED点灯装置の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるLED点灯装置の回路構成図、図2はこの発明の実施の形態1における制御回路の構成を示す図、図3はこの発明の実施の形態1における定電流源の回路構成を示す図、図4はこの発明の実施の形態1における輝度調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
図1において、n個(nは2以上の自然数)のLED素子D1〜Dnが直列に接続されており、それぞれのLED素子D1〜Dnには並列にFET(Field Effect Transistor)などのスイッチ素子Q1〜Qnが並列に接続されている。すなわち、スイッチ素子Q1のドレインがLED素子D1のアノードと、スイッチ素子Q1のソースがLED素子D1のカソードと、いうように接続されている。
【0011】
スイッチ素子Q1〜Qnの各ゲートには、スイッチ素子Q1〜Qnのオン/オフを制御する制御回路1が接続されている。この制御回路1の詳細については図2で説明する。複数のLED素子D1〜Dnとスイッチ素子Q1〜Qnの直並列回路にはLED素子D1〜Dnに定電流を供給するための定電流源2が接続されている。この定電流源2はLED素子D1〜Dnの直列回路に一定の電流I1を供給するLED素子駆動用の電源である。この定電流源2の詳細については図3で説明する。
【0012】
次にこの発明の実施の形態1に使用される制御回路1について図2により説明する。図2において、制御回路1は、LED素子D1〜Dnの点灯パターンを生成する点灯パターン生成回路11と、スイッチ素子Q1〜Qnのゲートを駆動するゲート駆動回路12とによって構成される。点灯パターン生成回路11は、LED素子D1〜Dnのオンオフや、発光デューティーを制御するためのタイミング信号を生成する回路であり、ASICやFPGAなどを用いたディジタル回路や、マイコンなどにより実現することができる。ゲート駆動回路12は、ソース電位の互いに異なるFETなどのスイッチ素子Q1〜Qnのゲート駆動信号を与える必要があるが、レベルシフト回路12aと、バッファ回路12bと、チャージポンプ回路12cによって実現することができる。最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子Q2〜Qnを同時にオンする期間を定期的に設けることにより、チャージポンプ回路12cのコンデンサC1〜Cnに、ゲート駆動用の電荷を蓄積することが可能である。ゲート駆動回路12は図2に示す構成のほか、それぞれのFET毎に絶縁されたゲート電源とフォトカプラを用いることもできる。
【0013】
次にこの発明の実施の形態1に使用される定電流源2について図3により説明する。図3において、定電流源2は、電圧源21と定電流回路22の組み合わせにより実現することができる。定電流回路22の構成としては、降圧チョッパ型などのスイッチングコンバータを用いて構成される。定電流回路22は、LED素子D1〜Dnに流れる電流をLED素子に直列に接続された検出抵抗Rsnsによって検出し、この検出電流に基づく検出電圧Vsenceを定電流制御回路22aに入力し、定電流制御回路22aからの制御信号によって電圧源21とLED素子D1との間に接続された電源用スイッチ素子Qpのゲートを制御して、LED素子D1〜Dnに流れる電流が一定になるようにする。
定電流回路22は、LED素子D1〜Dnのアノード側に接続することも、カソード側に接続することも可能である。
【0014】
次に図4を用いて、この発明の実施の形態1におけるLED素子の輝度調整動作について、LED素子D1〜Dnの数がn=4の場合を例として説明する。
図4において、Q1〜Q4は、それぞれの同名のスイッチ素子Q1〜スイッチ素子Q4のON(導通)/OFF(非導通)の状態を、また、D1〜D4は、それぞれの同名のLED素子D1〜D4のON(発光)/OFF(非発光)の状態を示すタイミングチャートである。なお以下ではON、OFFをオン、オフとして説明する。
【0015】
まず、t0の時点にてスイッチ素子Q1からスイッチ素子Q4は全てオフとすると、LED素子D1〜D4には定電流源2から供給される所定の電流I1によって定電流駆動され,全てのLED素子D1〜D4が同時に発光する。次に、t1のタイミングにてスイッチ素子Q1がオンすると、LED素子D1の両端はスイッチ素子Q1によってショートされ、LED素子D1はオフとなる。このとき、それまでLED素子D1を流れていた電流はスイッチ素子Q1をバイパスして流れるため、LED素子D2〜D4はオンのままである。次に、t2にてスイッチ素子Q2がオンすると、LED素子D2がオフになる。以下、同様に他のLED素子が順次オフする。このように、LED素子D1〜D4に並列に接続されたスイッチ素子Q1〜Q4をオン/オフ制御することにより、任意のLED素子を、任意のタイミングでオン/オフすることができる。このとき、電流はLED素子D1〜D4またはスイッチ素子Q1〜Q4の何れかを流れ続けるので、直列に接続された他のLED素子とスイッチ素子の並列回路の動作に影響を与えることは無い。
【0016】
以上の動作を周期TT(周波数1/TT)にて繰り返すと、それぞれのLED素子が所定のデューティーで発光する。例えば、LED素子D1の発光デューティーはT1/TTとなる。ただし、T1はt0からt1までの時間である。同様に、LED素子D2の発光デューティーはT2/TT、LED素子D3の発光デューティーはT4/TT、LED素子D4の発光デューティーはT3/TTとなる。ただし、T2はt0からt2までの時間、T3はt0からt3までの時間、T4はt0からt4までの時間である。
ここで、周波数1/TTを人間の視覚における臨界融合周波数以上とすれば、LED素子の点滅は知覚されなくなり、それぞれの発光デューティーに比例した輝度で発光しているように見える。臨界融合周波数は、輝度や発光面積などの諸条件や、個人差等により異なるが、概ね30Hzから60Hz程度である。ちらつきを感じさせないようにするには、周波数を60Hz以上にするのが望ましい。
【0017】
さて、LED素子D1〜D4は、電流値によって色度が変化(色シフト)する特性を有しており、色度の変化を抑制するためには、電流を一定としてパルス幅で輝度を調整することが望ましい。この発明においては、全てのLED素子D1〜D4を同一の一定電流で駆動しつつ、それぞれのLED素子D1〜D4に流れる電流パルスの幅を制御することにより輝度調整を行うので、色シフトが少なくなり、LED素子D1〜D4間の色度の差を小さくすることができる。また、同一の輝度設定値に対するLED素子D1〜D4間の輝度ばらつきを小さくすることができる。
また、LED素子D1〜D4に並列に設けたスイッチ素子Q1〜Q4は、高速にターンオン/ターンオフすることが出来るので、LED素子D1〜D4に流れる電流は立ち上がり/立下りの速い理想的な矩形波に近い電流を流すことができ、色シフトをさらに小さくすることができる。
【0018】
また、複数のLED素子D1〜D4に対して共通の定電流回路22を用いるので、定電流回路22の回路数を減らすことができ、駆動回路を小型かつ低コストにすることができる。
また、LED素子D1〜D4は比較的低電圧、大電流であるため、駆動回路の内部抵抗による電力損失の割合が大きくなり、効率が低下することがあるが、この発明によれば、輝度を個別に調整可能としつつも、LED素子D1〜D4は直列に接続されているので、複数のLED素子D1〜D4に対して定電流源2からはLED素子1個分相当の電流を流せば良く、電源回路の内部抵抗による電力損失を低減することができる。
なお、ここではスイッチ素子としてFETを用いたが、他にIGBTやバイポーラトランジスタを用いても良い。
【0019】
また、図4に示した例においては、1周期間の最初に全てのLED素子(ただし、完全オフ=輝度ゼロのLED素子を除く)を点灯させ、順次消灯させていくことにより、輝度の制御を行ったが、オンおよびオフのタイミングは、LED素子毎に任意のタイミングに設定することができる。例えば、最初に全てをオフとし、順次点灯させて最終的に最大の点灯数となるように制御しても良い。
【0020】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。実施の形態2におけるLED点灯装置の回路構成図および制御回路の構成を示す図は実施の形態1と同じである。この発明の実施の形態2においては定電流源を実施の形態1と異なる回路構成としたものである。
図5はこの発明の実施の形態2における定電流源の回路構成を示す図で、定電流源2は電圧源21と定電流回路23で構成され、定電流回路23として、トランジスタの活性領域を用いたリニアレギュレータ型の定電流回路を用いたものである。図5に示すように、定電流回路23は、LED素子D1〜Dnに直列にトランジスタTr1と検出抵抗Rsnsを接続し、検出抵抗Rsnsによって検出した電流に基づく検出電圧VsenceをトランジスタTr2のベースに入力して制御することにより、LED素子D1〜Dnに流れる電流が一定になるようにしたものである。このリニアレギュレータ型の定電流回路はよく知られているので、その動作説明は省略する。
なお定電流回路23は、LED素子D1〜Dnのアノード側に接続することも、カソード側に接続することも可能である。
【0021】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。
この発明においては、LED素子を点灯させるための電源として定電流源2を用いている。上述のように、定電流源2は電圧源と定電流回路を組み合わせて実現することが可能である。
ここで、定電流回路として、図5に示したようなリニアレギュレータ型の定電流回路23を用いた場合、定電流回路における電力損失は、定電流回路23に印加される電圧に比例して増大する。定電流回路に印加される電圧は、電圧源21の出力電圧と、LED素子D1〜Dnにおける電圧降下の合計との差である。電圧源21の出力電圧を、LED素子D1〜Dnにおける電圧降下に近づければ、定電流回路23における電力損失を低減することができる。
【0022】
そこで、実施の形態3の発明においては、制御回路1により電圧源の出力電圧を制御することとし、LED素子の同時点灯数に応じて出力電圧を可変することにより、定電流回路23における電力損失を低減するようにしたものである。
図6はこの発明の実施の形態3におけるLED点灯装置の回路構成図、図7はこの発明の実施の形態3におけるLED素子D1〜D4の点灯状態と可変電圧源の出力電圧との関係を示すタイミングチャートである。
図6において、定電流源はLED素子D1〜Dnに接続された可変電圧源24と定電流回路23とで構成されている。定電流回路23は図5に示すような定電流回路である。可変電圧源24は制御回路1からの電圧制御信号Vcntによって出力電圧Vdcが可変するようになっている。制御回路1はLED素子D1〜Dnに並列に接続されたスイッチ素子Q1〜Qnのオン/オフを制御すると共に、LED素子D1〜Dnの点灯数に応じた電圧制御信号Vcntを出力するようになっている。そして制御回路1から出力される電圧制御信号Vcntによって、可変電圧源24の出力電圧Vdcを制御している。
【0023】
次に図7を用いて、この発明の実施の形態3におけるLED素子の点灯パターンの一例と、そのときの可変電圧源24の出力電圧Vdcとの関係について、LED素子D1〜Dnの数がn=4の場合を例として説明する。
図7において、D1〜D4は、それぞれ同名のLED素子D1〜D4のオン(発光)/オフ(非発光)の状態を示し、VdcはLED素子D1〜D4の点灯数に応じた可変電圧源24の出力電圧を示すタイミングチャートである。
図7のt0からt1までの期間のLED素子D1〜D4の同時点灯数は4であり、t1からt2までの期間のLED素子D1〜D4の同時点灯数は3、その後、同時点灯数は2、1、0と、同時点灯数は減少し、t5で再び同時点灯数が4に戻る。
【0024】
そこで、LED素子の同時点灯数が多いほど、可変電圧源24の出力電圧Vdcが高くなるように制御する。好ましくは、定電流回路23が正常に動作するために最小限印加する必要のある電圧をV0、LED素子の順方向電圧をVf、LED素子の同時点灯数をkとしたとき、電圧源の出力電圧Vdcが、
Vdc = k×Vf +V0
となるように制御する。
【0025】
このように制御することにより、定電流回路23に印加される電圧は、常に最小限の値となり、リニアレギュレータ型定電流回路を用いた場合は、定電流回路23における電力損失が低減される。また、定電流回路23として図3に示すような降圧チョッパ型定電流回路を用いた場合は、降圧チョッパの入力電圧と出力電圧の差が小さくなり、リップルを減少させることができる。
可変電圧源24には、昇圧チョッパやフォワードコンバータなど、各種のスイッチングコンバータを用いることができる。スイッチングコンバータの応答速度は有限であり、電圧制御信号Vcntが入力されてから出力電圧Vdcが所定の値となるまでに遅れが生じるので、同時点灯数が変化するよりも遅れ時間分早く電圧制御信号Vcntを変化させても良い。
【0026】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。
実施の形態4おいては、電圧源としてAC電源を入力としたものである。AC電源を入力とするLED点灯装置は蛍光灯や電球を置き換えて、家庭や店舗などの照明に用いることができる。
AC電源を入力とする場合は、AC入力電流の高調波を低減し力率を改善するために、通常、電源入力段に力率改善回路を用いる必要がある。実施の形態4の発明においては、力率改善回路を実施の形態3で説明した図6の可変電圧源24と兼用したもので説明する。 図8はこの発明の実施の形態4における回路構成図を示すもので、可変電圧源は、AC(交流)電源241と、このAC電源241からの入力電圧を脈流の直流(DC)に変換するダイオードブリッジ回路242と、このダイオードブリッジ回路242の出力をDC電圧に変換すると共に、力率を改善する力率改善回路243で構成されている。LED素子D1〜Dnとスイッチ素子Q1〜Qnの直並列回路と力率改善回路243との間には定電流回路23が接続される。その他の回路構成は図6と同様につき説明を省略する。
【0027】
図8において、AC電源241から入力された交流電流はダイオードブリッジ回路242で正弦波状の脈流に変換された後、力率改善回路243によりDC電圧に変換される。力率改善回路243は昇圧または降圧または昇降圧のコンバータにより構成されるが、ここでは昇圧チョッパ方式のコンバータを用いている。すなわち、力率改善回路243内のスイッチ素子Qrをオンオフ制御することにより、AC電源の電圧ピークよりも高い直流電圧Vdcを得ている。ここで、ダイオードブリッジ回路242から昇圧チョッパ回路に流れ込む電流波形は、スイッチ素子Qrのオンオフのタイミング(デューティなど)によって可変するので、スイッチ素子Qrのオンオフを制御回路1からの制御電圧Vcntを用いて適切に制御することにより、入力電流波形を正弦波状かつ入力電圧波形と同相となるように制御することが可能となる。例えば、ダイオードブリッジ回路242の出力電圧(脈流波形)と力率改善回路243の入力電流とを検出し、両者が相似の波形となるようにフィードバック制御すれば良い。このようにして、入力電流波形を正弦波状かつ入力電圧波形と同相となるように制御すれば、AC電源241からの入力の力率が改善される。力率改善回路243の出力として得られるDC電圧の出力は、定電流回路23を介してLED素子D1〜DnとスイッチQ1〜Qnの直並列回路に印加される。ここで、力率改善回路243の出力電圧Vdcを、実施の形態3と同様にLED素子D1〜Dnの同時点灯数に応じて可変する。この構成によれば、可変電圧源24を力率改善回路と兼用することにより、駆動回路を小型、低コストで実現することが可能となる。
【0028】
実施の形態5.
次にこの発明の実施の形態5におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。
実施の形態1においては、図4に示したように、1周期間の最初に全てのLED素子D1〜Dnを点灯させ、順次消灯させていくことにより、輝度の制御を行う方法を例として挙げた。
この場合、LED素子D1〜Dnの直列回路に印加する電圧は、1周期間の最初に最大値、n×Vfとなる。nが大きい場合には、LED素子D1〜Dnの直列回路に印加する最大電圧が非常に高くなるので、電圧源21の最大出力電圧を高くする必要が生じる。
そこで、実施の形態5においては、LED素子D1〜Dnの最大同時点灯数をnよりも小さい所定の値に制限することとした。図9に、実施の形態5におけるLED素子の点灯パターンの一例を示す。
【0029】
図9に示すように、この例においては、LED素子D1〜Dnの直列数n=4に対して、最大同時点灯数を3に制限している。すなわち、t0からt1の期間においては、LED素子D1〜D3はON(オン)であり、すでに最大同時点灯数に達したため、LED素子D4は強制的にOFF(オフ)とする。t1にてLED素子D1がOFF(オフ)となった時点で、LED素子D4をON(オン)する。
以上のように制御することにより、電圧源21の最大出力電圧を低減することができるので、電圧源21の耐電圧を下げることができ、また、ピーク電力を低減することができるので、点灯回路をより低コストで実現することが可能となる。
【0030】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6における車両用前照灯を図に基づいて説明する。この実施の形態6の発明は、実施の形態1〜5で説明したLED点灯装置のいずれか1つを用いて車両用前照灯を構成したものである。図10はこの発明の実施の形態6における車両用前照灯(ヘッドライト)の概略構成図、図11(a)(b)は図10に示す車両用前照灯に用いられるLED素子モジュールの正面図と側面図である。
図10および図11において、複数のLED素子Dnが基板31上にマトリクス状に並べられてLED素子モジュール32が構成されている。このLED素子モジュール32は前照灯ケース33の背面側に設置され、前照灯ケース33の前面側には複数のLED素子Dnから放射される光を、それぞれのLED素子Dnに対応して定められた方向に投射する光学ユニット34が設けられている。LED素子モジュール32にはLED素子Dnの各々を任意の輝度にて発光させる駆動回路35が接続される。この駆動回路35は実施の形態1〜5にて説明したLED点灯装置のいずれかが用いられる。
【0031】
この実施の形態6の車両用前照灯は、マトリクス状に並べられた複数のLED素子Dnを備えるLED素子モジュール32を用いており、それぞれのLED素子Dnから放射された光は光学ユニット34によって、それぞれ定められた方向に投射される。また、複数のLED素子Dnを駆動回路35によって駆動すれば、それぞれのLED素子Dnを任意の輝度で発光させることが可能となり、前照灯の配光分布を可変することができる。
【0032】
さて、車両用前照灯において、ステアリングの操舵方向に光軸を向け、進行方向に集中的に光を照射することにより視認性を向上させるAFS(Adaptive Front-Lighting System)や、レベリング制御といった機能を有するものがある。従来はランプやLED素子などの光源と、レンズなどによる光学系を組み込んだ前照灯ユニットの向きを、アクチュエータなどを用いて変化させて配光を変化させることによりこれらの機能を実現していた。
この実施の形態6の発明を用いれば、前照灯ユニットを機械的に動かすことなく、自由に配光分布を変更することができるので、AFSやレベリング制御などの機能を有する前照灯を、小型化、軽量化することができる。さらに、この発明によればLED素子間の色度の差を小さくすることができるので、色ムラの少ない投射光を得ることができる。
【0033】
実施の形態7.
次にこの発明の実施の形態7におけるLED点灯装置を車両用前照灯に適用した場合について図に基づいて説明する。図12はこの発明の実施の形態7におけるLED点灯装置の回路構成を示す図である。
図12において、複数のLED素子が互いに直列に接続されてLED素子群を構成し、それぞれのLED素子群は、ハイビーム用LED素子群DH、ロービーム用LED素子群DL、およびDRL(Daylight Running Lights: 昼間点灯走行)用LED素子群DR、の3つのLED素子群にブロック分けされている。複数のLED素子が互いに直列に接続されて構成された各LED素子群DH、DL、DRには並列にスイッチ素子Q1〜Q3が接続されている。3つのLED素子群DH、DL、DRとスイッチ素子Q1〜Q3の並列回路は、さらに直列に接続されてLED素子回路網を構成し、このLED素子回路網に一括して定電流源2から一定電流を供給している。スイッチ素子Q1〜Q3は制御回路1によりオン/オフ制御されるようになっている。
【0034】
ここで、スイッチ素子Q1〜Q3を制御回路1によりオン/オフ制御すれば、それぞれの群のLED素子を任意の輝度で発光させることができる。例えば、昼間走行時には、ロービーム用LED素子群DLとハイビーム用LED素子群DHは、並列に接続されたスイッチ素子Q1、Q2をオンとすることにより、消灯状態とし、DRL用LED素子群DRに並列に接続されたスイッチ素子Q3をPWM制御することにより、DRL用LED素子群DRを任意の輝度で発光させることができる。同様に、ロービーム用LED素子群DLのみ、あるいはハイビーム用LED素子群DHのみを任意の輝度で発光させることもできる。また、2つあるいは3つのLED素子群を、それぞれ任意の輝度で同時に点灯させることも可能である。
この実施の形態7によれば、ハイビーム用LED素子群DHとロービーム用LED素子群DLとDRL用LED素子群DRを、1つの電源回路のみで駆動することができるので、電源回路の小型化および低コスト化が可能となる。さらに、全てのLED素子には一定かつ同一の電流を流すので、色シフトが小さくなり、色むらを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
D1〜Dn:LED素子、 Q1〜Qn:スイッチ素子、
1:制御回路、 2:定電流源、
11:点灯パターン生成回路、 12:ゲート駆動回路、
12a:レベルシフト回路、 12b:バッファ回路、
12c:チャージポンプ回路、 21:電圧源、
22:定電流回路、 22a:定電流制御回路、
Rsns:検出抵抗 Qp:電源用スイッチ素子
23:定電流回路、 24:可変電圧源、
31:基板、 32:LED素子モジュール、
33:前照灯ケース、 34:光学ユニット、
35:駆動回路、 241:AC電源、
242:ダイオードブリッジ回路、 243:力率改善回路、
DH:ハイビーム用LED素子群 DL:ロービーム用LED素子群、
DR:DRL用LED素子群。
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)素子で構成された半導体光源を点灯させるためのLED点灯装置およびこのLED点灯装置を使用した車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体光源としてのLED(Light Emitting diode)素子は、車両用灯具、信号機および照明用灯具として広く用いられるようになっている。このようなLED素子の輝度を調整する従来の方法として、LED素子に流れる電流値を制御したり、LED素子に流れる電流をPWM(Pulse Width Modulation)制御したりする方法があった。
PWM制御によりLED素子に対する通電と遮断を繰り返すことでLED素子を減光点灯することができるが、例えば、全点灯時に定格電流が供給されることによって白色に発光していたものが、減光点灯時にLED素子に供給する電流を少なくして平均電流を単に低下させると、LED素子の発光色のうち青色成分が徐々に低下し、LED素子が緑がかった色で発光することがある。このような半導体光源に色度変化が生じるのを防止するため、半導体光源に対する電流の供給をオンオフ制御信号に基づいて行なう場合、オンオフ制御信号のうち一方の論理レベルの時に半導体光源に規定の電流を供給し、オンオフ制御信号のうち他方の論理レベルの時には半導体光源に対する電流の供給を停止するようにした点灯制御回路がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−86063号公報(段落番号[0026]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLED点灯装置は、以上のようにして輝度を調整していたが、複数のLED素子の輝度を個別に調整する場合は、電流値またはパルス幅を調整可能な電源を、それぞれのLED素子に個別に設ける必要があり、点灯回路が複雑でコストが高くなってしまうという問題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、小型、低コストで、かつ複数のLED素子の輝度を個別に調整可能なLED点灯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るLED点灯装置は、直列に接続された複数のLED素子、このLED素子の各々に並列に接続された複数のスイッチ素子、LED素子とスイッチ素子の直並列回路に電流を供給する電源、およびスイッチ素子のオンオフデューティーを制御してLED素子の輝度を発光デューティーにより制御する制御回路を備え、制御回路は、スイッチ素子のオンオフデューティーを制御するためのタイミング信号を生成する点灯パターン生成回路と、スイッチ素子のゲートを駆動するゲート駆動回路によって構成され、ゲート駆動回路は、レベルシフト回路と、バッファ回路と、チャージポンプ回路によって構成され、制御回路は、複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けるようにしたものである。
【0007】
またこの発明の車両用前照灯は、LED点灯装置の複数のLED素子をマトリクス状に並べたLEDモジュールと、複数のLED素子から放射される光を各々のLED素子に対応して定められた方向に投射する光学ユニットとを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、直列に接続された複数のLED素子の各々に並列に接続されたスイッチ素子のオンオフ制御によりLED素子の輝度を調整するとともに、LED素子とスイッチ素子の直並列回路に一括して定電流を供給する電源を設けたので、電源が一つで済み、点灯装置を小型でかつ低コストで実現できる。
また、制御回路のゲート駆動回路を、レベルシフト回路と、バッファ回路と、チャージポンプ回路によって構成し、複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けることにより、チャージポンプ回路のコンデンサに、ゲート駆動用の電荷を蓄積することが可能となる。チャージポンプ回路が使用可能となることにより、基準電位(FETの場合はソース電位)の異なる複数のスイッチ素子を駆動する場合においても、個別の絶縁電源を用いる必要がなくなり、LED駆動回路を小型化、低コスト化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1によるLED点灯装置の回路構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における制御回路の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における定電流源の回路構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1における輝度調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2における定電流源の回路構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるLED点灯装置の回路構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3におけるLED素子の点灯状態と出力電圧との関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4によるLED点灯装置の回路構成図である。
【図9】この発明の実施の形態5における輝度調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】この発明の実施の形態6における車両用前照灯を示す概略構成図である。
【図11】この発明の実施の形態6に使用されるLED素子モジュールの正面図と側面図である。
【図12】この発明の実施の形態7によるLED点灯装置の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるLED点灯装置の回路構成図、図2はこの発明の実施の形態1における制御回路の構成を示す図、図3はこの発明の実施の形態1における定電流源の回路構成を示す図、図4はこの発明の実施の形態1における輝度調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
図1において、n個(nは2以上の自然数)のLED素子D1〜Dnが直列に接続されており、それぞれのLED素子D1〜Dnには並列にFET(Field Effect Transistor)などのスイッチ素子Q1〜Qnが並列に接続されている。すなわち、スイッチ素子Q1のドレインがLED素子D1のアノードと、スイッチ素子Q1のソースがLED素子D1のカソードと、いうように接続されている。
【0011】
スイッチ素子Q1〜Qnの各ゲートには、スイッチ素子Q1〜Qnのオン/オフを制御する制御回路1が接続されている。この制御回路1の詳細については図2で説明する。複数のLED素子D1〜Dnとスイッチ素子Q1〜Qnの直並列回路にはLED素子D1〜Dnに定電流を供給するための定電流源2が接続されている。この定電流源2はLED素子D1〜Dnの直列回路に一定の電流I1を供給するLED素子駆動用の電源である。この定電流源2の詳細については図3で説明する。
【0012】
次にこの発明の実施の形態1に使用される制御回路1について図2により説明する。図2において、制御回路1は、LED素子D1〜Dnの点灯パターンを生成する点灯パターン生成回路11と、スイッチ素子Q1〜Qnのゲートを駆動するゲート駆動回路12とによって構成される。点灯パターン生成回路11は、LED素子D1〜Dnのオンオフや、発光デューティーを制御するためのタイミング信号を生成する回路であり、ASICやFPGAなどを用いたディジタル回路や、マイコンなどにより実現することができる。ゲート駆動回路12は、ソース電位の互いに異なるFETなどのスイッチ素子Q1〜Qnのゲート駆動信号を与える必要があるが、レベルシフト回路12aと、バッファ回路12bと、チャージポンプ回路12cによって実現することができる。最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子Q2〜Qnを同時にオンする期間を定期的に設けることにより、チャージポンプ回路12cのコンデンサC1〜Cnに、ゲート駆動用の電荷を蓄積することが可能である。ゲート駆動回路12は図2に示す構成のほか、それぞれのFET毎に絶縁されたゲート電源とフォトカプラを用いることもできる。
【0013】
次にこの発明の実施の形態1に使用される定電流源2について図3により説明する。図3において、定電流源2は、電圧源21と定電流回路22の組み合わせにより実現することができる。定電流回路22の構成としては、降圧チョッパ型などのスイッチングコンバータを用いて構成される。定電流回路22は、LED素子D1〜Dnに流れる電流をLED素子に直列に接続された検出抵抗Rsnsによって検出し、この検出電流に基づく検出電圧Vsenceを定電流制御回路22aに入力し、定電流制御回路22aからの制御信号によって電圧源21とLED素子D1との間に接続された電源用スイッチ素子Qpのゲートを制御して、LED素子D1〜Dnに流れる電流が一定になるようにする。
定電流回路22は、LED素子D1〜Dnのアノード側に接続することも、カソード側に接続することも可能である。
【0014】
次に図4を用いて、この発明の実施の形態1におけるLED素子の輝度調整動作について、LED素子D1〜Dnの数がn=4の場合を例として説明する。
図4において、Q1〜Q4は、それぞれの同名のスイッチ素子Q1〜スイッチ素子Q4のON(導通)/OFF(非導通)の状態を、また、D1〜D4は、それぞれの同名のLED素子D1〜D4のON(発光)/OFF(非発光)の状態を示すタイミングチャートである。なお以下ではON、OFFをオン、オフとして説明する。
【0015】
まず、t0の時点にてスイッチ素子Q1からスイッチ素子Q4は全てオフとすると、LED素子D1〜D4には定電流源2から供給される所定の電流I1によって定電流駆動され,全てのLED素子D1〜D4が同時に発光する。次に、t1のタイミングにてスイッチ素子Q1がオンすると、LED素子D1の両端はスイッチ素子Q1によってショートされ、LED素子D1はオフとなる。このとき、それまでLED素子D1を流れていた電流はスイッチ素子Q1をバイパスして流れるため、LED素子D2〜D4はオンのままである。次に、t2にてスイッチ素子Q2がオンすると、LED素子D2がオフになる。以下、同様に他のLED素子が順次オフする。このように、LED素子D1〜D4に並列に接続されたスイッチ素子Q1〜Q4をオン/オフ制御することにより、任意のLED素子を、任意のタイミングでオン/オフすることができる。このとき、電流はLED素子D1〜D4またはスイッチ素子Q1〜Q4の何れかを流れ続けるので、直列に接続された他のLED素子とスイッチ素子の並列回路の動作に影響を与えることは無い。
【0016】
以上の動作を周期TT(周波数1/TT)にて繰り返すと、それぞれのLED素子が所定のデューティーで発光する。例えば、LED素子D1の発光デューティーはT1/TTとなる。ただし、T1はt0からt1までの時間である。同様に、LED素子D2の発光デューティーはT2/TT、LED素子D3の発光デューティーはT4/TT、LED素子D4の発光デューティーはT3/TTとなる。ただし、T2はt0からt2までの時間、T3はt0からt3までの時間、T4はt0からt4までの時間である。
ここで、周波数1/TTを人間の視覚における臨界融合周波数以上とすれば、LED素子の点滅は知覚されなくなり、それぞれの発光デューティーに比例した輝度で発光しているように見える。臨界融合周波数は、輝度や発光面積などの諸条件や、個人差等により異なるが、概ね30Hzから60Hz程度である。ちらつきを感じさせないようにするには、周波数を60Hz以上にするのが望ましい。
【0017】
さて、LED素子D1〜D4は、電流値によって色度が変化(色シフト)する特性を有しており、色度の変化を抑制するためには、電流を一定としてパルス幅で輝度を調整することが望ましい。この発明においては、全てのLED素子D1〜D4を同一の一定電流で駆動しつつ、それぞれのLED素子D1〜D4に流れる電流パルスの幅を制御することにより輝度調整を行うので、色シフトが少なくなり、LED素子D1〜D4間の色度の差を小さくすることができる。また、同一の輝度設定値に対するLED素子D1〜D4間の輝度ばらつきを小さくすることができる。
また、LED素子D1〜D4に並列に設けたスイッチ素子Q1〜Q4は、高速にターンオン/ターンオフすることが出来るので、LED素子D1〜D4に流れる電流は立ち上がり/立下りの速い理想的な矩形波に近い電流を流すことができ、色シフトをさらに小さくすることができる。
【0018】
また、複数のLED素子D1〜D4に対して共通の定電流回路22を用いるので、定電流回路22の回路数を減らすことができ、駆動回路を小型かつ低コストにすることができる。
また、LED素子D1〜D4は比較的低電圧、大電流であるため、駆動回路の内部抵抗による電力損失の割合が大きくなり、効率が低下することがあるが、この発明によれば、輝度を個別に調整可能としつつも、LED素子D1〜D4は直列に接続されているので、複数のLED素子D1〜D4に対して定電流源2からはLED素子1個分相当の電流を流せば良く、電源回路の内部抵抗による電力損失を低減することができる。
なお、ここではスイッチ素子としてFETを用いたが、他にIGBTやバイポーラトランジスタを用いても良い。
【0019】
また、図4に示した例においては、1周期間の最初に全てのLED素子(ただし、完全オフ=輝度ゼロのLED素子を除く)を点灯させ、順次消灯させていくことにより、輝度の制御を行ったが、オンおよびオフのタイミングは、LED素子毎に任意のタイミングに設定することができる。例えば、最初に全てをオフとし、順次点灯させて最終的に最大の点灯数となるように制御しても良い。
【0020】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。実施の形態2におけるLED点灯装置の回路構成図および制御回路の構成を示す図は実施の形態1と同じである。この発明の実施の形態2においては定電流源を実施の形態1と異なる回路構成としたものである。
図5はこの発明の実施の形態2における定電流源の回路構成を示す図で、定電流源2は電圧源21と定電流回路23で構成され、定電流回路23として、トランジスタの活性領域を用いたリニアレギュレータ型の定電流回路を用いたものである。図5に示すように、定電流回路23は、LED素子D1〜Dnに直列にトランジスタTr1と検出抵抗Rsnsを接続し、検出抵抗Rsnsによって検出した電流に基づく検出電圧VsenceをトランジスタTr2のベースに入力して制御することにより、LED素子D1〜Dnに流れる電流が一定になるようにしたものである。このリニアレギュレータ型の定電流回路はよく知られているので、その動作説明は省略する。
なお定電流回路23は、LED素子D1〜Dnのアノード側に接続することも、カソード側に接続することも可能である。
【0021】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。
この発明においては、LED素子を点灯させるための電源として定電流源2を用いている。上述のように、定電流源2は電圧源と定電流回路を組み合わせて実現することが可能である。
ここで、定電流回路として、図5に示したようなリニアレギュレータ型の定電流回路23を用いた場合、定電流回路における電力損失は、定電流回路23に印加される電圧に比例して増大する。定電流回路に印加される電圧は、電圧源21の出力電圧と、LED素子D1〜Dnにおける電圧降下の合計との差である。電圧源21の出力電圧を、LED素子D1〜Dnにおける電圧降下に近づければ、定電流回路23における電力損失を低減することができる。
【0022】
そこで、実施の形態3の発明においては、制御回路1により電圧源の出力電圧を制御することとし、LED素子の同時点灯数に応じて出力電圧を可変することにより、定電流回路23における電力損失を低減するようにしたものである。
図6はこの発明の実施の形態3におけるLED点灯装置の回路構成図、図7はこの発明の実施の形態3におけるLED素子D1〜D4の点灯状態と可変電圧源の出力電圧との関係を示すタイミングチャートである。
図6において、定電流源はLED素子D1〜Dnに接続された可変電圧源24と定電流回路23とで構成されている。定電流回路23は図5に示すような定電流回路である。可変電圧源24は制御回路1からの電圧制御信号Vcntによって出力電圧Vdcが可変するようになっている。制御回路1はLED素子D1〜Dnに並列に接続されたスイッチ素子Q1〜Qnのオン/オフを制御すると共に、LED素子D1〜Dnの点灯数に応じた電圧制御信号Vcntを出力するようになっている。そして制御回路1から出力される電圧制御信号Vcntによって、可変電圧源24の出力電圧Vdcを制御している。
【0023】
次に図7を用いて、この発明の実施の形態3におけるLED素子の点灯パターンの一例と、そのときの可変電圧源24の出力電圧Vdcとの関係について、LED素子D1〜Dnの数がn=4の場合を例として説明する。
図7において、D1〜D4は、それぞれ同名のLED素子D1〜D4のオン(発光)/オフ(非発光)の状態を示し、VdcはLED素子D1〜D4の点灯数に応じた可変電圧源24の出力電圧を示すタイミングチャートである。
図7のt0からt1までの期間のLED素子D1〜D4の同時点灯数は4であり、t1からt2までの期間のLED素子D1〜D4の同時点灯数は3、その後、同時点灯数は2、1、0と、同時点灯数は減少し、t5で再び同時点灯数が4に戻る。
【0024】
そこで、LED素子の同時点灯数が多いほど、可変電圧源24の出力電圧Vdcが高くなるように制御する。好ましくは、定電流回路23が正常に動作するために最小限印加する必要のある電圧をV0、LED素子の順方向電圧をVf、LED素子の同時点灯数をkとしたとき、電圧源の出力電圧Vdcが、
Vdc = k×Vf +V0
となるように制御する。
【0025】
このように制御することにより、定電流回路23に印加される電圧は、常に最小限の値となり、リニアレギュレータ型定電流回路を用いた場合は、定電流回路23における電力損失が低減される。また、定電流回路23として図3に示すような降圧チョッパ型定電流回路を用いた場合は、降圧チョッパの入力電圧と出力電圧の差が小さくなり、リップルを減少させることができる。
可変電圧源24には、昇圧チョッパやフォワードコンバータなど、各種のスイッチングコンバータを用いることができる。スイッチングコンバータの応答速度は有限であり、電圧制御信号Vcntが入力されてから出力電圧Vdcが所定の値となるまでに遅れが生じるので、同時点灯数が変化するよりも遅れ時間分早く電圧制御信号Vcntを変化させても良い。
【0026】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。
実施の形態4おいては、電圧源としてAC電源を入力としたものである。AC電源を入力とするLED点灯装置は蛍光灯や電球を置き換えて、家庭や店舗などの照明に用いることができる。
AC電源を入力とする場合は、AC入力電流の高調波を低減し力率を改善するために、通常、電源入力段に力率改善回路を用いる必要がある。実施の形態4の発明においては、力率改善回路を実施の形態3で説明した図6の可変電圧源24と兼用したもので説明する。 図8はこの発明の実施の形態4における回路構成図を示すもので、可変電圧源は、AC(交流)電源241と、このAC電源241からの入力電圧を脈流の直流(DC)に変換するダイオードブリッジ回路242と、このダイオードブリッジ回路242の出力をDC電圧に変換すると共に、力率を改善する力率改善回路243で構成されている。LED素子D1〜Dnとスイッチ素子Q1〜Qnの直並列回路と力率改善回路243との間には定電流回路23が接続される。その他の回路構成は図6と同様につき説明を省略する。
【0027】
図8において、AC電源241から入力された交流電流はダイオードブリッジ回路242で正弦波状の脈流に変換された後、力率改善回路243によりDC電圧に変換される。力率改善回路243は昇圧または降圧または昇降圧のコンバータにより構成されるが、ここでは昇圧チョッパ方式のコンバータを用いている。すなわち、力率改善回路243内のスイッチ素子Qrをオンオフ制御することにより、AC電源の電圧ピークよりも高い直流電圧Vdcを得ている。ここで、ダイオードブリッジ回路242から昇圧チョッパ回路に流れ込む電流波形は、スイッチ素子Qrのオンオフのタイミング(デューティなど)によって可変するので、スイッチ素子Qrのオンオフを制御回路1からの制御電圧Vcntを用いて適切に制御することにより、入力電流波形を正弦波状かつ入力電圧波形と同相となるように制御することが可能となる。例えば、ダイオードブリッジ回路242の出力電圧(脈流波形)と力率改善回路243の入力電流とを検出し、両者が相似の波形となるようにフィードバック制御すれば良い。このようにして、入力電流波形を正弦波状かつ入力電圧波形と同相となるように制御すれば、AC電源241からの入力の力率が改善される。力率改善回路243の出力として得られるDC電圧の出力は、定電流回路23を介してLED素子D1〜DnとスイッチQ1〜Qnの直並列回路に印加される。ここで、力率改善回路243の出力電圧Vdcを、実施の形態3と同様にLED素子D1〜Dnの同時点灯数に応じて可変する。この構成によれば、可変電圧源24を力率改善回路と兼用することにより、駆動回路を小型、低コストで実現することが可能となる。
【0028】
実施の形態5.
次にこの発明の実施の形態5におけるLED点灯装置を図に基づいて説明する。
実施の形態1においては、図4に示したように、1周期間の最初に全てのLED素子D1〜Dnを点灯させ、順次消灯させていくことにより、輝度の制御を行う方法を例として挙げた。
この場合、LED素子D1〜Dnの直列回路に印加する電圧は、1周期間の最初に最大値、n×Vfとなる。nが大きい場合には、LED素子D1〜Dnの直列回路に印加する最大電圧が非常に高くなるので、電圧源21の最大出力電圧を高くする必要が生じる。
そこで、実施の形態5においては、LED素子D1〜Dnの最大同時点灯数をnよりも小さい所定の値に制限することとした。図9に、実施の形態5におけるLED素子の点灯パターンの一例を示す。
【0029】
図9に示すように、この例においては、LED素子D1〜Dnの直列数n=4に対して、最大同時点灯数を3に制限している。すなわち、t0からt1の期間においては、LED素子D1〜D3はON(オン)であり、すでに最大同時点灯数に達したため、LED素子D4は強制的にOFF(オフ)とする。t1にてLED素子D1がOFF(オフ)となった時点で、LED素子D4をON(オン)する。
以上のように制御することにより、電圧源21の最大出力電圧を低減することができるので、電圧源21の耐電圧を下げることができ、また、ピーク電力を低減することができるので、点灯回路をより低コストで実現することが可能となる。
【0030】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6における車両用前照灯を図に基づいて説明する。この実施の形態6の発明は、実施の形態1〜5で説明したLED点灯装置のいずれか1つを用いて車両用前照灯を構成したものである。図10はこの発明の実施の形態6における車両用前照灯(ヘッドライト)の概略構成図、図11(a)(b)は図10に示す車両用前照灯に用いられるLED素子モジュールの正面図と側面図である。
図10および図11において、複数のLED素子Dnが基板31上にマトリクス状に並べられてLED素子モジュール32が構成されている。このLED素子モジュール32は前照灯ケース33の背面側に設置され、前照灯ケース33の前面側には複数のLED素子Dnから放射される光を、それぞれのLED素子Dnに対応して定められた方向に投射する光学ユニット34が設けられている。LED素子モジュール32にはLED素子Dnの各々を任意の輝度にて発光させる駆動回路35が接続される。この駆動回路35は実施の形態1〜5にて説明したLED点灯装置のいずれかが用いられる。
【0031】
この実施の形態6の車両用前照灯は、マトリクス状に並べられた複数のLED素子Dnを備えるLED素子モジュール32を用いており、それぞれのLED素子Dnから放射された光は光学ユニット34によって、それぞれ定められた方向に投射される。また、複数のLED素子Dnを駆動回路35によって駆動すれば、それぞれのLED素子Dnを任意の輝度で発光させることが可能となり、前照灯の配光分布を可変することができる。
【0032】
さて、車両用前照灯において、ステアリングの操舵方向に光軸を向け、進行方向に集中的に光を照射することにより視認性を向上させるAFS(Adaptive Front-Lighting System)や、レベリング制御といった機能を有するものがある。従来はランプやLED素子などの光源と、レンズなどによる光学系を組み込んだ前照灯ユニットの向きを、アクチュエータなどを用いて変化させて配光を変化させることによりこれらの機能を実現していた。
この実施の形態6の発明を用いれば、前照灯ユニットを機械的に動かすことなく、自由に配光分布を変更することができるので、AFSやレベリング制御などの機能を有する前照灯を、小型化、軽量化することができる。さらに、この発明によればLED素子間の色度の差を小さくすることができるので、色ムラの少ない投射光を得ることができる。
【0033】
実施の形態7.
次にこの発明の実施の形態7におけるLED点灯装置を車両用前照灯に適用した場合について図に基づいて説明する。図12はこの発明の実施の形態7におけるLED点灯装置の回路構成を示す図である。
図12において、複数のLED素子が互いに直列に接続されてLED素子群を構成し、それぞれのLED素子群は、ハイビーム用LED素子群DH、ロービーム用LED素子群DL、およびDRL(Daylight Running Lights: 昼間点灯走行)用LED素子群DR、の3つのLED素子群にブロック分けされている。複数のLED素子が互いに直列に接続されて構成された各LED素子群DH、DL、DRには並列にスイッチ素子Q1〜Q3が接続されている。3つのLED素子群DH、DL、DRとスイッチ素子Q1〜Q3の並列回路は、さらに直列に接続されてLED素子回路網を構成し、このLED素子回路網に一括して定電流源2から一定電流を供給している。スイッチ素子Q1〜Q3は制御回路1によりオン/オフ制御されるようになっている。
【0034】
ここで、スイッチ素子Q1〜Q3を制御回路1によりオン/オフ制御すれば、それぞれの群のLED素子を任意の輝度で発光させることができる。例えば、昼間走行時には、ロービーム用LED素子群DLとハイビーム用LED素子群DHは、並列に接続されたスイッチ素子Q1、Q2をオンとすることにより、消灯状態とし、DRL用LED素子群DRに並列に接続されたスイッチ素子Q3をPWM制御することにより、DRL用LED素子群DRを任意の輝度で発光させることができる。同様に、ロービーム用LED素子群DLのみ、あるいはハイビーム用LED素子群DHのみを任意の輝度で発光させることもできる。また、2つあるいは3つのLED素子群を、それぞれ任意の輝度で同時に点灯させることも可能である。
この実施の形態7によれば、ハイビーム用LED素子群DHとロービーム用LED素子群DLとDRL用LED素子群DRを、1つの電源回路のみで駆動することができるので、電源回路の小型化および低コスト化が可能となる。さらに、全てのLED素子には一定かつ同一の電流を流すので、色シフトが小さくなり、色むらを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
D1〜Dn:LED素子、 Q1〜Qn:スイッチ素子、
1:制御回路、 2:定電流源、
11:点灯パターン生成回路、 12:ゲート駆動回路、
12a:レベルシフト回路、 12b:バッファ回路、
12c:チャージポンプ回路、 21:電圧源、
22:定電流回路、 22a:定電流制御回路、
Rsns:検出抵抗 Qp:電源用スイッチ素子
23:定電流回路、 24:可変電圧源、
31:基板、 32:LED素子モジュール、
33:前照灯ケース、 34:光学ユニット、
35:駆動回路、 241:AC電源、
242:ダイオードブリッジ回路、 243:力率改善回路、
DH:ハイビーム用LED素子群 DL:ロービーム用LED素子群、
DR:DRL用LED素子群。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数のLED素子、このLED素子の各々に並列に接続された複数のスイッチ素子、前記LED素子と前記スイッチ素子の直並列回路に電流を供給する電源、および前記スイッチ素子のオンオフデューティーを制御して前記LED素子の輝度を発光デューティーにより制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記スイッチ素子のオンオフデューティーを制御するためのタイミング信号を生成する点灯パターン生成回路と、前記スイッチ素子のゲートを駆動するゲート駆動回路によって構成され、
前記ゲート駆動回路は、レベルシフト回路と、バッファ回路と、チャージポンプ回路によって構成され、
前記制御回路は、前記複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED点灯装置を用いた車両用前照灯において、前記LED点灯装置の複数のLED素子をマトリクス状に並べたLEDモジュールと、前記複数のLED素子から放射される光を各々のLED素子に対応して定められた方向に投射する光学ユニットとを備えた車両用前照灯。
【請求項1】
直列に接続された複数のLED素子、このLED素子の各々に並列に接続された複数のスイッチ素子、前記LED素子と前記スイッチ素子の直並列回路に電流を供給する電源、および前記スイッチ素子のオンオフデューティーを制御して前記LED素子の輝度を発光デューティーにより制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記スイッチ素子のオンオフデューティーを制御するためのタイミング信号を生成する点灯パターン生成回路と、前記スイッチ素子のゲートを駆動するゲート駆動回路によって構成され、
前記ゲート駆動回路は、レベルシフト回路と、バッファ回路と、チャージポンプ回路によって構成され、
前記制御回路は、前記複数のスイッチ素子のうち、最も高い電位に接続されるスイッチ素子以外の全てのスイッチ素子を同時にオンする期間を定期的に設けることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED点灯装置を用いた車両用前照灯において、前記LED点灯装置の複数のLED素子をマトリクス状に並べたLEDモジュールと、前記複数のLED素子から放射される光を各々のLED素子に対応して定められた方向に投射する光学ユニットとを備えた車両用前照灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−84635(P2013−84635A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−27341(P2013−27341)
【出願日】平成25年2月15日(2013.2.15)
【分割の表示】特願2007−308940(P2007−308940)の分割
【原出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月15日(2013.2.15)
【分割の表示】特願2007−308940(P2007−308940)の分割
【原出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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