説明

LED点灯装置及びそれを用いた照明装置

【課題】平滑コンデンサがフライバックコンバータ等のスイッチング電源回路の後段に接続されるLED点灯装置において、LED消灯後の再点灯時にスイッチング電源回路からLEDに過電流が流れるのを防止し、AC電源オン・オフに伴うLEDのダメージを抑制する。
【解決手段】本発明のLED点灯装置は、トランス及びトランスの二次側に接続された平滑コンデンサを有しLEDに直流電圧を印加するスイッチング電源回路、平滑コンデンサから電圧供給を受けて動作しLEDに流れる電流を検出して検出電流値が目標電流値となるようにスイッチング電源回路を制御するフィードバック回路、及びトランスの一次電圧又は二次電圧の有無を検出し、一次電圧又は二次電圧が発生していない場合にフィードバック回路の動作を無効化するフィードバック無効化回路を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED点灯装置及びそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図5に従来のLED点灯装置の回路構成図を示す。同図のLED点灯装置は、AC電源1を整流する整流回路2、整流回路2の出力を直流化してLED7に直流電圧を印加するスイッチング電源回路3、及びLED7に流れる電流が目標値で一定となるようにスイッチング電源回路3を制御するフィードバック回路4を備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
フィードバック回路4は、抵抗40及びツェナーダイオード41からなる定電圧回路によって平滑コンデンサ34から制御電源の供給を受ける。フィードバック回路4は誤差増幅器であるオペアンプ42を含む。オペアンプ42の反転入力には、電流検出抵抗50で検出されるLED電流の検出値が入力され、非反転入力には、定電圧回路出力の抵抗43及び44による分圧値が目標電流値として入力される。オペアンプ42は検出電流値を目標電流値に一致させるように動作し、その誤差(反転入力と非反転入力の電位差)に応じた電流がフォトカプラ45のフォトダイオード45aに流れる。フォトカプラ45において、フォトダイオード45aに流れる電流に応じてその出力光量が増減し、その光量に応じてフォトカプラ45のフォトトランジスタ45bのコレクタ電流も増減する。
【0004】
制御回路30は、フォトトランジスタ45bのコレクタ電流の増減に応じてトランジスタ31をPWM制御する。即ち、オペアンプ42の反転入力と非反転入力の誤差が増加するとフォトダイオード45aの光量が増加するとともにフォトトランジスタ45bのコレクタ電流が増加し、これに応じて制御回路30がトランジスタ31のオンデューティ比を増大させてフライバックコンバータ3の出力を増加させる。
【0005】
平滑コンデンサ34は、整流回路2の脈流出力がLED電流に乗るのを防止する。この平滑コンデンサを設けない場合、LED電流の脈流の谷間毎に(例えば、AC電源が50Hzの場合は100Hz周期で)LEDが消灯し、これが人の目にチラツキ感を与えてしまう。また、LED電流の脈流の谷間毎にLEDが消灯しない場合でもLEDの光出力の増減が、チラツキ感を与えてしまう場合もある。そのため、平滑コンデンサ34には、AC電源電圧に起因するリップルを充分に平滑化できるように、数μF〜数百μFの比較的大きな容量のコンデンサが用いられる。ここで、整流回路2の直後(即ち、トランス32の一次側)に平滑コンデンサを接続する構成によってもLED出力のリップルを解消できるが、この構成はいわゆるコンデンサインプットとなる。コンデンサインプットにおいては、コンデンサが充電される期間しか入力電流が流れないため、入力力率が低く、電源高調波電流も大きくなるため好ましくない。そのため、トランス32の二次側に平滑コンデンサを接続する構成が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−34728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、LEDは、LEDの順方向電圧以上の電圧を印加しなければ電流が流れず、発光しない。照明に多く用いられる白色LEDの場合、順方向電圧は3.5V程度あり、直列にLEDを接続した場合、LEDの個数×順方向電圧以上の電圧がフライバックコンバータ3の出力電圧として必要になる。図5のLED点灯装置において、点灯状態からAC電源1をオフすると、フライバックコンバータ3が停止してLED7へ電圧が供給されなくなり、LED7は消灯する。そのときLED7は徐々に消灯するのではなく、フライバックコンバータ3の出力が遮断された後に、フライバックコンバータ3の出力電圧がLED7の総順方向電圧以下になった時点で消灯する。そのため、平滑コンデンサ34はLED7が消灯した時の電圧(総順方向電圧−数V程度)が充電されたままとなり、LED7の接続個数が多いほどその電圧は高くなる。そして、前述したように、平滑コンデンサ34の容量は数μF〜数百μFと比較的大きい容量であるため(抵抗40、43及び44を介して遅い時定数で放電されるものの)、平滑コンデンサ34に充電された電圧が下がるのには時間がかかる。
【0008】
ここで、フィードバック回路4の動作電源は平滑コンデンサ34と並列に接続された抵抗40とツェナーダイオード41の直列回路によって生成されているため、AC電源1がオフされても、平滑コンデンサ34の電圧がツェナーダイオード41の電圧以下に下がらなければ、フィードバック回路4は動作し続けることになる。具体的には、LED7は消灯しているため、電流検出抵抗50には電流が流れず(即ち、オペアンプ42の非反転入力への入力は0Vとなり)、オペアンプ42の帰還動作により、非反転入力と反転入力の電圧差に応じた電流がフォトダイオード45a及びフォトトランジスタ45bに流れる。即ち、フィードバック回路4は、停止している制御回路30に対して、LED電流を増やすための信号を出力し続けることになる。
【0009】
この状態でAC電源1がオンされた場合、フィードバック回路4はLED電流を増やすための信号出力を制御回路30に対して出力しているため、フライバックコンバータ3は起動と同時に一気に電流を流し始めることになる。このため、図6に示すようにLED7の点灯直後(tON)に、フライバックコンバータ3からLED7に必要以上の電流が流れることになり、これがLED7のダメージとなる場合がある。特に、AC電源1のオン・オフにリレーやスイッチ等の機械接点が用いられる場合、チャタリング(機械的振動によって断続を繰り返すこと)が発生する場合があり、LED7へのダメージが一層懸念される。
【0010】
そこで本発明は、平滑コンデンサがフライバックコンバータ等のスイッチング電源回路の出力段に接続されるLED点灯装置において、LED消灯後の再点灯時にスイッチング電源回路からLEDに過電流が流れるのを防止し、これによりAC電源オン・オフに伴うLEDのダメージを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のLED点灯装置は、トランス及びトランスの二次側に接続された平滑コンデンサを有しLEDに直流電圧を印加するスイッチング電源回路、平滑コンデンサから電圧供給を受けて動作しLEDに流れる電流を検出して検出電流値が目標電流値となるようにスイッチング電源回路を制御するフィードバック回路、及びトランスの一次電圧又は二次電圧の有無を検出し、一次電圧又は二次電圧が発生していない場合にフィードバック回路の動作を無効化するフィードバック無効化回路を備える。
【0012】
ここで、フィードバック無効化回路が、一次電圧又は二次電圧を検出する検知部、及び一次電圧又は二次電圧が発生していることが検知部によって検出された場合に閉状態となり、一次電圧又は二次電圧が発生していないことが検知部によって検出された場合に開状態となるスイッチを備え、開状態において、スイッチが平滑コンデンサからフィードバック回路への給電を遮断するように構成される。
【0013】
また、フィードバック無効化回路が、一次電圧又は二次電圧を検出する検知部、及び一次電圧又は二次電圧が発生していることが検知部によって検出された場合に閉状態となり、一次電圧又は二次電圧が発生していないことが検知部によって検出された場合に開状態となるスイッチを備え、開状態においてスイッチが目標電流値をゼロにする構成としてもよい。
【0014】
また、フィードバック無効化回路がフォトカプラを備え、検知部がフォトカプラのフォトダイオードを含み、スイッチがフォトカプラのフォトトランジスタからなる構成としてもよい。
【0015】
また、フィードバック無効化回路が、一次電圧又は二次電圧の発生後の所定期間経過後にフィードバック回路の動作を有効化する遅延回路を備えるようにしてもよい。
【0016】
本発明の照明装置は、上記のLED点灯装置、及びLED点灯装置の出力端に接続されたLEDを備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例によるLED点灯装置を示す回路構成図である。
【図2】本発明の実施例によるLED点灯装置を示す詳細な回路構成図である。
【図3】本発明の変形例によるLED点灯装置を説明する回路構成図である。
【図4】本発明の変形例によるLED点灯装置を説明する回路構成図である。
【図5】従来のLED点灯装置を示す回路構成図である。
【図6】従来のLED点灯装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施例.
図1に本発明の実施例によるLED点灯装置の回路構成図を示す。LED点灯装置は、AC電源1を整流する整流回路2、整流回路2の出力を受けてLED7に直流電圧を印加するスイッチング電源回路3、LED7に流れる電流を検出して検出電流値が目標電流値となるようにスイッチング電源回路3を制御するフィードバック回路4、及びスイッチング電源回路3への一次電圧の有無を検出して一次電圧が無い場合にはフィードバック回路4の動作を無効化するフィードバック無効化回路6を備える。上記のLED点灯装置の出力端にLED7を接続することにより照明装置が構成される。なお、AC電源1の代わりにDC電源が接続される場合には整流回路2はなくてもよい。
【0019】
スイッチング電源回路3は絶縁型のフライバックコンバータからなり(以下、「フライバックコンバータ3」という)、制御回路30、トランジスタ31、トランス32、ダイオード33及び平滑コンデンサ34を備える。トランス32の一次側入力が制御回路30及びトランジスタ31によってPWM制御され、二次側出力がダイオード33及び平滑コンデンサ34で整流及び平滑される。このように、二次側(出力側)に平滑コンデンサ34が接続されるので、高い力率と抑制された電源高調波電流が実現される。また、LED7はトランス32によってAC電源1と絶縁されており、二次側(LED側)の安全性が確保されている。なお、スイッチング電源回路3は絶縁型のスイッチングコンバータであれば、フォワードコンバータ等、他の構成の回路であってもよい。
【0020】
フィードバック回路4は、抵抗40及びツェナーダイオード41からなる定電圧回路によって平滑コンデンサ34から制御電源の供給を受けて動作する。オペアンプ42の反転入力には、電流検出抵抗50で検出されるLED電流の検出値が入力され、非反転入力には、定電圧回路出力の抵抗43及び44による分圧値が目標電流値として入力される。オペアンプ42の出力にはフォトカプラ45のフォトダイオード45aが接続される。オペアンプ42は検出電流値を目標電流値に一致させるように動作し、その誤差(反転入力と非反転入力の電位差)に応じた電流がフォトダイオード45aに流れる。フォトカプラ45において、フォトダイオード45aに流れる電流に応じてその出力光量が増減し、その光量に応じてフォトトランジスタ45bのコレクタ電流が増減する。なお、図の明瞭化のため、フォトダイオード45aとフォトトランジスタ45bを分離して記載しているが、実際には両者は1つのICパッケージに含まれてフォトカプラ45が構成される。
【0021】
制御回路30は、フォトトランジスタ45bのコレクタ電流の増減に応じてトランジスタ31をPWM制御する。即ち、オペアンプ42の反転入力と非反転入力の誤差が増加するとフォトダイオード45aの光量が増加し、これに従ってフォトトランジスタ45bのコレクタ電流が増加し、制御回路30がトランジスタ31のオンデューティ比を増大させてフライバックコンバータ3の出力を増加させる。一方、オペアンプ42の反転入力と非反転入力の誤差が小さい(又は両者がほぼ等しい)場合にはフォトトランジスタ45bのコレクタ電流は減少し(又はゼロに近づき)、フライバックコンバータ3は安定にフィードバック制御されている状態となる。
【0022】
フィードバック無効化回路6は検知部6a及びスイッチ6bを備える。検知部6aは、フライバックコンバータ3のトランス32への一次電圧(又は、AC電源1からの入力電圧)の有無を検出する。スイッチ6bは、検知部6aによって一次電圧が発生していることが検出された場合には閉状態となり、一次電圧が発生していないことが検出された場合には開状態となる。スイッチ6bが開状態となることにより、平滑コンデンサ34からフィードバック回路4への給電が遮断される。本例において、検知部6aはAC電源1のオン・オフを検出できればよいので、整流回路2の前段に設けられてもよい。
【0023】
LED7の点灯中にAC電源1がオフされると、制御回路30への給電が停止し、フライバックコンバータ3が動作を停止する。そして、平滑コンデンサ34の電圧がLED7の総順方向電圧値以下になるとLED7が消灯する。フィードバック無効化回路6では、AC電源1がオフになったことを検知部6aが検知し、スイッチ6bを開状態とする。これにより、フォトダイオード45aへの給電が遮断され(併せてオペアンプ42も動作を停止するので)、フォトトランジスタ45bのコレクタ電流は流れなくなる。従って、AC電源1のオフ時には、フィードバック回路4の動作電源となる平滑コンデンサ34に電圧が残っていても、フィードバック回路4の動作は無効化される。
【0024】
その後AC電源1がオンされると、フライバックコンバータ3が動作を開始する一方で、検知部6aがスイッチ6bを閉状態とする。従って、フォトトランジスタ45bにコレクタ電流が流れていない状態でフライバックコンバータ3が動作を開始することになる。即ち、フライバックコンバータ3の出力はフォトトランジスタ45bにコレクタ電流が流れている時よりも小さいので、図6に示したような過大な電流がLED7に投入されることはない。
【0025】
図2に本実施例によるLED点灯装置の具体的な回路構成図を示す。同図のLED点灯装置では、フィードバック無効化回路6は、フォトダイオード60a及びフォトトランジスタ60bからなるフォトカプラ60、分圧回路を構成する抵抗61−63、並びにフォトダイオード60aにかかる電圧を平滑化するコンデンサ64を備える。図1との関係において、フォトダイオード60a、抵抗61−63及びコンデンサ64が検知部6aに対応し、フォトトランジスタ60bがスイッチ6bに対応する。なお、記載の明瞭化のため、フォトダイオード60aとフォトトランジスタ60bを分離して記載してあるが、実際には両者は1つのICパッケージに含まれてフォトカプラ60が構成される。
【0026】
LED7の点灯中にAC電源1がオフされると、上述したように、平滑コンデンサ34が帯電した状態でフライバックコンバータ3が動作を停止する。一方、フォトダイオード60aには電圧が印加されなくなるので、フォトトランジスタ60bは開状態となる。これにより、フィードバック回路4の動作が無効化される。
【0027】
AC電源1が再びオンされると、フライバックコンバータ3が動作を開始する一方で、フォトダイオード60aにAC電源の分圧値が印加されてフォトトランジスタ60bが閉状態となる。これにより、フライバックコンバータ3の起動時以降にフィードバック回路4の動作が有効化される。
【0028】
ここで、フライバックコンバータ3の起動後の所定期間経過後にフィードバック回路4の動作が有効化されるようにしてもよい。例えば、フライバックコンバータ3が起動してから所定の字定数だけ遅延してフォトトランジスタ60bにコレクタ電流が流れるようにコンデンサ64の容量を選定するようにしてもよい。この場合、コンデンサ64は遅延回路としても機能する。これにより、フライバックコンバータ3が起動する時点で、確実にフィードバック回路4の動作の無効化を維持することができる。なお、LEDが消灯される時にフィードバック回路4の動作を無効化するタイミングはフライバックコンバータ3が動作を停止した後であっても問題ないので、コンデンサ64の容量を充分大きく設定することができる。
【0029】
また、遅延回路の他の例として、コンデンサ64とは別のコンデンサ(不図示)をツェナーダイオード41に並列接続し、フライバックコンバータ3の起動から所定期間経過後にオペアンプ42が起動されるようにしてもよい。また、コンデンサ64とは別のコンデンサ(不図示)を抵抗44に並列接続し、オペアンプ42の起動後に徐々に目標電流値が増加するようにしてもよい。
【0030】
なお、本実施例では検知部6a及びスイッチ6bをフォトカプラ60で構成したが、検知部6a及びスイッチ6bをリレースイッチで構成してもよい。
【0031】
以上より、平滑コンデンサがフライバックコンバータ3の出力段に接続されるLED点灯装置において、LED消灯後の再点灯時にフライバックコンバータ3からLED7に過電流が流れるのが防止され、これにより入力電源のオン・オフに伴うLEDのダメージが抑制される。
【0032】
変形例1.
図3に本発明の変形例によるLED点灯装置の回路構成図を示す。図1のLED点灯装置との相違は、フィードバック無効化回路6の検知部6aの接続位置にある。本例では、検知部6aがトランス32の二次巻線側に接続される。本例の構成は、AC電源1がオンされた状態で制御回路30がリモコン制御されてフライバックコンバータの動作がオン・オフされる場合に有効である。
【0033】
AC電源1又は制御回路30がオフされ、フライバックコンバータ3が停止したことを検知部6aが検知すると、スイッチ6bが開状態となる。その後AC電源1又は制御回路30が再びオンされると、フライバックコンバータ3が動作を開始し、スイッチ6bが閉状態となる。即ち、本例の構成によると、時定数の大きい遅延回路を設けることなく、フライバックコンバータ3の起動後にフィードバック回路4を有効化することができる。但し、図1の実施例と異なり、検知部6a及びスイッチ6bがフィードバック系内にあるので、これらの動作がフィードバック動作と干渉しないように設計する必要がある。
【0034】
なお、本例においても、フィードバック無効化回路6の具体的構成として図2の構成を採用することができる。即ち、図2のフォトダイオード60a、抵抗61−63及びコンデンサ64を図3の検知部6aの位置に接続し、フォトトランジスタ60bを図3のスイッチ6bの位置に接続すればよい。
【0035】
変形例2.
図4に本発明の他の変形例によるLED点灯装置の回路構成図を示す。図1のLED点灯装置との相違は、フィードバック無効化回路6のスイッチ6bの挿入位置にある。本例では、スイッチ6bは、抵抗43をオペアンプ42の非反転入力から切り離す位置に挿入される。AC電源1がオフになったことを検知部6aが検知し、スイッチ6bを開状態とすると、オペアンプ42の非反転入力である目標電流値がゼロとなる。即ち、LED消灯時には検出電流値と目標電流値がともにゼロになるので、フォトダイオード45aには電流は流れず、発光しない。従って、フォトトランジスタ45bのコレクタ電流は流れず、フィードバック回路4の動作は実質的に無効化される。
【0036】
なお、本例においても、フィードバック無効化回路6の具体的構成は図2の構成を採用することができる。即ち、図2のフォトダイオード60a、抵抗61−63及びコンデンサ64を図4の検知部6aの位置に接続し、フォトトランジスタ60bを図4のスイッチ6bの位置に接続すればよい。また、遅延回路として、コンデンサ64の容量を適宜設定してもよいし、別途のコンデンサ(不図示)を抵抗44に並列接続してもよい。
【0037】
なお、変形例1と変形例2を組み合わせて、検知部6aを図3に示すようにトランス32の二次巻線側に、スイッチ6bを図4に示すように抵抗43をオペアンプ42の非反転入力から切り離す位置に、それぞれ接続するようにしてもよい。
【0038】
上記実施例及び各変形例の構成によると、平滑コンデンサがスイッチング電源回路の後段に接続されるLED点灯装置において、AC電源オン・オフに起因するLEDへのダメージを抑制し、LED点灯装置の信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0039】
2.整流回路
3.スイッチング電源回路(フライバックコンバータ)
4.フィードバック回路
6.フィードバック無効化回路
6a.検知部
6b.スイッチ
7.LED
30.制御回路
31.トランジスタ
32.トランス
33.ダイオード
34.平滑コンデンサ
40、43、44、46、47、49、50、51.抵抗
41.ツェナーダイオード
42.オペアンプ
45.フォトカプラ
45a.フォトダイオード
45b.フォトトランジスタ
48.コンデンサ
60.フォトカプラ
60a.フォトダイオード
60b.フォトトランジスタ
61、62、63.抵抗
64.コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED点灯装置であって、
トランス及び該トランスの二次側に接続された平滑コンデンサを有し、LEDに直流電圧を印加するスイッチング電源回路、
前記平滑コンデンサから電圧供給を受けて動作し、前記LEDに流れる電流を検出して検出電流値が目標電流値となるように前記スイッチング電源回路を制御するフィードバック回路、及び
前記トランスの一次電圧又は二次電圧の有無を検出し、該一次電圧又は二次電圧が発生していない場合に前記フィードバック回路の動作を無効化するフィードバック無効化回路
を備えたLED点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED点灯装置において、
前記フィードバック無効化回路が、
前記一次電圧又は二次電圧を検出する検知部、及び
前記一次電圧又は二次電圧が発生していることが該検知部によって検出された場合に閉状態となり、前記一次電圧又は二次電圧が発生していないことが該検知部によって検出された場合に開状態となるスイッチ
を備え、前記開状態において、前記スイッチが前記平滑コンデンサから前記フィードバック回路への給電を遮断するように構成されたLED点灯装置。
【請求項3】
請求項1に記載のLED点灯装置において、
前記フィードバック無効化回路が、
前記一次電圧又は二次電圧を検出する検知部、及び
前記一次電圧又は二次電圧が発生していることが該検知部によって検出された場合に閉状態となり、前記一次電圧又は二次電圧が発生していないことが該検知部によって検出された場合に開状態となるスイッチ
を備え、前記開状態において前記スイッチが前記目標電流値をゼロにするように構成されたLED点灯装置。
【請求項4】
請求項1に記載のLED点灯装置において、前記フィードバック無効化回路がフォトカプラを備え、前記検知部が該フォトカプラのフォトダイオードを含み、前記スイッチが該フォトカプラのフォトトランジスタからなるLED点灯装置。
【請求項5】
請求項1に記載のLED点灯装置において、前記フィードバック無効化回路が、前記一次電圧又は二次電圧の発生後の所定期間経過後に前記フィードバック回路の動作を有効化する遅延回路を備えたLED点灯装置。
【請求項6】
請求項1から5いずれか一項に記載のLED点灯装置、及び該LED点灯装置の出力端に接続されたLEDを備えたLED照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−105811(P2013−105811A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247268(P2011−247268)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】