LED照明装置
【課題】 LED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できるようにする。
【解決手段】 LED照明装置1において、外部視認用のLED発光素子11および照明用のLED発光素子12を含む複数のLED発光素子と、これら複数のLED発光素子を内蔵する照明管2とを設けるとともに、照明管2には、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を外部に透過させることにより、当該出射光がLED出射光であることを外部に視認させるための視認部としての孔2hを形成する。
【解決手段】 LED照明装置1において、外部視認用のLED発光素子11および照明用のLED発光素子12を含む複数のLED発光素子と、これら複数のLED発光素子を内蔵する照明管2とを設けるとともに、照明管2には、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を外部に透過させることにより、当該出射光がLED出射光であることを外部に視認させるための視認部としての孔2hを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置に関し、詳細には、LED発光素子を内蔵する照明装置であることを外部から容易に視認できるLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源として、発光ダイオード(LED)を用いた蛍光灯型のLED照明装置が提案されている(特開2007−257928号公報参照)。一般に、発光ダイオードは、蛍光灯に比べて、消費電力が低く、長寿命であるため、照明装置の光源として最近注目されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、前記従来のLED照明装置では、LEDを内蔵する照明管として、例えば乳白色等の半透明なものを採用した場合、照明管の内部に収容された発光体がLEDであることを明確に識別するのが困難になる。このため、従来の蛍光管と混在した場合には、その選別は容易ではない。
【0004】
また、LED照明装置として、特開2007−122933号公報には、LEDが搭載された基板を回転自在に設けたものが示されている。当該装置では、基板を所望角度だけ適宜回転させることにより、指向性を有するLEDからの出射光を使用者の所望方向に照射させることができる。
【0005】
しかしながら、この場合において、当該照明装置に例えば乳白色等の半透明なカバーが設けられる場合には、カバー内部のLEDが外部から見えにくくなるため、基板を回転させたときに、LEDの光軸方向が正確に特定できなくなる。その一方、製造や組立て等の現場や、細かな作業を行う作業場等において、作業内容に応じて照明灯の明るさを最大限明るくしたい場合もある。指向性を有するLED照明灯においては、一般に、LEDの光軸方向がもっとも明るくなるため、LED搭載基板を回転させた場合に、光軸方向を特定できれば、非常に好都合である。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、LED発光素子を内蔵する照明装置であることを外部から容易に視認できるLED照明装置を提供することにある。また、本発明は、LEDを内蔵する照明管がその両端の口金部に対して相対回転可能なLED照明装置において、LED発光素子の光軸方向を容易に特定できるようにしようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るLED照明装置は、外部視認用のLED発光素子および照明用のLED発光素子を含む複数のLED発光素子と、これら複数のLED発光素子を内蔵する照明管とを備えている。照明管には、外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部が設けられている。
【0008】
請求項1の発明によれば、外部視認用のLED発光素子が設けられるとともに、当該外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部が照明管に設けられているので、この視認部を通して、外部視認用のLED発光素子からの出射光を使用者が外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できるようになる。この場合には、視認部が照明管に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、照明管の内部には、外部視認用のLED発光素子からの出射光を視認部に導くための導光手段が設けられている。
【0010】
この場合には、導光手段により、外部視認用のLED発光素子からの出射光を視認部に確実に導くことができるので、視認部によるLED出射光の視認がさらに容易になる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1または2において、照明管の端部には、外部のソケット部に着脱自在に接続される電極を一端に有する口金部が設けられるとともに、照明管および口金部が相対回転可能に設けられている。
【0012】
この場合には、照明管および(または)口金部を所望量回転させることにより、照明用のLED発光素子の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管に視認部が設けられていることにより、照明管を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0013】
また、この場合において、照明管の内部に導光手段が設けられている場合には、導光手段により、外部視認用のLED発光素子からの出射光を視認部に確実に導くことができるので、照明管を回転させた場合でも、視認部によるLED出射光の視認を容易に行える。
【0014】
請求項4の発明では、請求項2または3において、導光手段が、外部視認用のLED発光素子からの出射光を、当該外部視認用のLED発光素子の光軸方向に配向する指向性を有している。
【0015】
この場合には、導光手段が狭指向性(高指向性)を有しているので、外部視認用のLED発光素子の光軸方向を視認部に一致させておくことにより、視認部を通して光軸方向が明確になり、これにより、照明用のLED発光素子からの出射光の方向(つまり照射方向)を明確に確認できるようになる。
【0016】
使用の際、使用者は、視認部を通して照明管内部を見て外部視認用のLED発光素子の光軸方向を使用者の所望する方向に合わせることにより、照明用のLED発光素子の光軸方向(照射方向)を使用者の所望する方向に向けることができる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項1において、外部視認用のLED発光素子が、照明用のLED発光素子と同色のLED発光素子から構成されている。
【0018】
この場合、照明管に収容されるすべてのLED発光素子が同色のものから構成されるので、異なった色のLED発光素子を用意する必要がなく、誤組みの恐れがなくなって、組立・検査コストを低減できる。また、この場合、例えば、照明用のLED発光素子の上にのみ蛍光体を配置するようにすれば、同じ色のLED発光素子を用いて外部視認用LED発光素子および照明用LED発光素子間で異なる色を発光できるようになる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係るLED照明装置によれば、外部視認用のLED発光素子を設け、当該外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部を照明管に設けるようにしたので、この視認部を通して、外部視認用のLED発光素子からの出射光を使用者が外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できるようになる。この場合、視認部が照明管に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例によるLED照明装置の正面概略図である。
【図2】図1のII-II線断面(縦断面)概略図である。
【図3】前記LED照明装置(図1)の斜視部分図である。
【図4】図1のIV-IV線断面(横断面)概略図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるLED照明装置の横断面概略図であって、前記第1の実施例の図4に相当する図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるLED照明装置の横断面概略図であって、前記第1の実施例の図4に相当する図である。
【図7】本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置において、回転機構の第1の例を示す正面概略部分図である。
【図8】図7のVIII-VIII線矢視図である。
【図9】本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置において、回転機構の第2の例を示す分解組立図である。
【図10】図9のX-X線矢視図である。
【図11】本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置において、回転機構の第3の例を示す正面概略部分図である。
【図12】前記回転機構(図11)の縦断面概略部分図である。
【図13】前記回転機構(図11)を構成する口金部の全体斜視図である。
【図14】回転機構付きLED照明装置の使用方法を説明するための図である。
【図15】回転機構付きLED照明装置の使用方法を説明するための図である
【図16】本発明の第5の実施例によるLED照明装置の斜視部分図である。
【図17】前記LED照明装置(図16)の横断面概略図である。
【図18】本発明の第6の実施例によるLED照明装置の横断面概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施例〕
図1ないし図4は、本発明の第1の実施例によるLED照明装置を示している。
このLED照明装置1は、図1および図2に示すように、長手方向に延びる筒状の照明管2と、その両端に設けられた口金部3とを有している。LED照明装置1の外観構造は、従来の蛍光管とほぼ同様であり、従来の蛍光管と代替可能である。
【0022】
照明管2は、例えば樹脂製またはガラス製の透光性部材であって、ここでは、例えば乳白色等の半透明なものが用いられる。照明管2の一端側には、小径の孔2hが貫通形成されている(図3参照)。照明管2は、従来の蛍光管のように、内部にガスを封入する必要がないため、気密構造は要求されない。
【0023】
口金部3は、外部のソケット部(図示せず)に対して着脱自在に接続される一対のピン端子(電極)30を有している。なお、ソケット部は、例えば、屋内の天井や壁面等、または装置や制御盤のパネル等に設置されている。
【0024】
照明管2の内部には、長手方向に延びる基板10が配設されており、基板10は、照明管2に固定されている。基板10は、図4に示すように、例えば、照明管2の内部に設けられかつ長手方向に延びる支持部2sによって、その幅方向両端部が支持されている。
【0025】
基板10の上には、複数のLED発光素子11、12が搭載されている。LED発光素子11は外部視認用であり、LED発光素子12は照明用である。
【0026】
外部視認用のLED発光素子11は、基板10の一端側に配置されており、照明管2の孔2hに対向配置されている。これにより、図4に示すように、外部視認用のLED発光素子11から出射された光Lは、照明管2の孔2hを通って、外部に直接照射されるようになっている。この意味で、孔2hは、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部に視認させるための視認部として機能している。一方、照明用のLED発光素子12は、外部視認用のLED発光素子11の側方に所定間隔で複数個配置されている。各LED発光素子11、12は、各ピン端子30に例えばリード線やコネクタ等(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0027】
ここでは、各LED発光素子11、12がいずれも同色のLED発光素子から構成されている場合を例にとる。例えば、各LED発光素子11、12はいずれも青色発光ダイオードから構成されている。この場合、例えば、照明用のLED発光素子12の上にのみ、青色光により励起されて黄色の蛍光を発する蛍光体を設けるようにすれば、照明用のLED発光素子12からの青色光と蛍光体からの黄色光とが混合されて、白色の出射光が得られる。一方、外部視認用のLED発光素子11からの出射光は、青色である。
【0028】
上述のように構成されるLED照明装置1においては、照明用のLED発光素子12および蛍光体からの光(白色光)は、照明管2で拡散されて外部に照射される。また、外部視認用のLED発光素子11からの光(青色光)Lは、照明管2の孔2hを通って、外部に出射される(図4参照)。
【0029】
このとき、使用者は、照明管2の孔2hを通して、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できる。この場合には、視認部としての孔2hが照明管2に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0030】
また、この場合、照明管2に収容されるすべてのLED発光素子11、12が同色のものから構成されるので、異なった色のLED発光素子を用意する必要がなく、誤組みの恐れがなくなって、組立・検査コストを低減できる。なお、この場合、蛍光体を用いることで、同じ色のLED発光素子を用いて外部視認用LED発光素子11および照明用LED発光素子12間で異なる色を発光できる。
【0031】
〔第2の実施例〕
図5は、本発明の第2の実施例によるLED照明装置を示している。同図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0032】
この第2の実施例では、照明管2の内部において孔2hの開口部に導光ガイド(導光手段)2gが設けられている点が、前記第1の実施例と異なっている。導光ガイド2gは、例えば樹脂製の板状または筒状の部材である。この場合、外部視認用のLED発光素子11からの出射光Lは、導光ガイド2gの内部を進んで孔2hの開口部まで導かれ、孔2hの開口部から外部に出射される。
【0033】
第2の実施例によれば、導光ガイド2gにより、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を視認部としての孔2hに確実に導くことができ、視認部によるLED出射光の視認がさらに容易になる。
【0034】
〔第3の実施例〕
図6は、本発明の第3の実施例によるLED照明装置を示している。同図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0035】
この第3の実施例では、照明管2の内部において、外部視認用のLED発光素子11および孔2hの間に導光体(導光手段)2iが設けられている点が、前記第1の実施例と異なっている。導光体2iは、光透過性を有する、例えば樹脂製の柱状部材であって、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を、当該外部視認用のLED発光素子11の光軸方向に収束させて配向する指向性を有している。すなわち、第3の実施例では、外部視認用のLED発光素子11から導光体2iの内部を通って出射される光は、狭指向性(高指向性)を有している。
【0036】
この場合、外部視認用のLED発光素子11からの出射光Lは、導光体2iの内部を進みつつ、収束されて孔2hの開口部まで導かれ、孔2hの開口部から外部に出射される。
【0037】
第3の実施例によれば、導光体2iにより、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を視認部としての孔2hに確実に導くことができ、また導光体2i自体が発光することと相俟って、視認部によるLED出射光の視認がさらに容易になる。
【0038】
しかも、この場合には、導光体2iが指向性を有しているので、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向を視認部に一致させておくことにより、視認部を通して光軸方向が明確になり、これにより、照明用のLED発光素子12からの出射光の方向(つまり照射方向)を明確に確認できるようになる。
【0039】
〔第4の実施例〕
前記第1ないし第3の実施例では、口金部3が照明管2の端部に固定された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、照明管2および口金部3は相対回転可能に設けられていてもよい。図7ないし図15は、本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置を示している。これらの図において、図7および図8は回転機構の第1の例を、図9および図10は回転機構の第2の例を、図11ないし図13は回転機構の第3の例をそれぞれ示しており、図14および図15は回転機構付きLED照明装置の使用方法を説明するための図である。なお、これらの図において、同一符号は同一または相当部分を示している。また、この第4の実施例で示す各回転機構は回転機構の一例であって、これら以外に種々のものが考えられる。
【0040】
〈回転機構の第1の例〉
図7に示すように、照明管2の端部は基部20を有しており、その外側には、基部20に隣接して口金部3が設けられている。
【0041】
図8に示すように、基部20の端面には、その外周に沿って円環状に延びる領域に複数の歯20aが形成されている。また、基部20の端面中央には、穴21が形成されている。
【0042】
口金部3の端面において、基部20の歯20aと対向する円環状の領域には、歯20aと噛み合う複数の歯3aが形成されている。また、口金部3の端面中央には、軸部31の一端が植設されており、軸部31の他端は、基部20に形成された穴21内に延びている。これら軸部31および穴21により、口金部3の基部20に対するセンタリング(芯出し)が行われている。
【0043】
この場合には、口金部3および基部20を互いに離反する側に向かって軸方向に移動させると、口金部3および基部20の各歯3a、20aの噛合状態が外れ、これにより、照明管2が口金部3に対して軸芯回りに回転可能な状態におかれる。
【0044】
この状態から、照明管2を所望量回転させた後、再び口金部3および基部20を互いに接近する側に向かって軸方向に移動させることにより、口金部3および基部20の各歯3a、20aが再び噛合状態におかれる。
【0045】
このようにして、照明用のLED発光素子12の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管2に視認部としての孔2hが設けられていることで、照明管2を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0046】
この場合において、照明管2の内部に、前記第2の実施例による導光ガイド2gが設けられている場合には、図14に示すように、導光ガイド2gにより、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を視認部としての孔2hに確実に導くことができるので、照明管2を回転させた場合でも、視認部によるLED出射光の視認を容易に行える(この点は、後述する回転機構の第2および第3の例においても同様)。
【0047】
また、この場合において、照明管2の内部に、前記第3の実施例による導光体2iが設けられている場合には、図15に示すように、導光体2iが指向性を有することと相俟って、外部視認用のLED発光素子11からの出射光をより確実に視認部に導くことができる。すなわち、この場合には、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向を視認部に一致させることができる。これにより、照明管2を回転させた場合でも、視認部によるLED出射光の視認を一層容易に行えるとともに、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向を通して、照明用のLED発光素子からの出射光の方向(つまり照射方向)を明確に確認できるようになる(この点は、後述する回転機構の第2および第3に例においても同様)。
【0048】
使用の際、使用者は、図15に示すように、視認部を通して照明管内部を見て、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向(図中、一点鎖線Lの方向)を使用者の所望する方向に合わせることにより、照明用のLED発光素子12の光軸方向(照射方向)を使用者の所望する方向に向けることができる。
【0049】
なお、口金部3および基部20の係合は、上述したギヤ噛合いには限定されない。例えば、基部20(または口金部3)にラチェットホイール(爪車)を設け、これに係合するポール(爪)を口金部3(または基部20)に設けるようにしてもよい。
【0050】
〈回転機構の第2の例〉
図9に示すように、照明管2の端部は基部20を有しており、その外周に口金部3が装着されるようになっている。
【0051】
基部20の端面20bには、円周上に所定間隔で配置された複数の穴22が形成されており、各穴22には、出没自在なボール23と、これを突出方向に付勢する圧縮コイルバネ24とが収容されている。ボール23は、圧縮コイルバネ24の弾性反発力により、その一部が穴22の開口端から突出する方向に常時付勢されている。また、基部20の外周には、円周溝20cが形成されている。
【0052】
基部20の端面20bと対向する口金部3の端面3cには、円周上に所定間隔で球面状(または円錐状等)の浅い穴32が複数個形成されている。各穴32の間隔は、基部20の側の各穴22の間隔に対応しており、各穴32には、各ボール23が係脱自在に係合するようになっている。また、口金部3の外周縁部の一部は、基部20の側に向かって薄肉状に延設されており、その延設部33の先端には、半径方向内方に向かって屈曲するフック部33aが形成されている。このフック部33aが基部20の円周溝20cに係合することで、口金部3が基部20に着脱自在に装着されるようになっている。
【0053】
この場合には、口金部3を基部20に装着した状態で、照明管2を所望量回転させる。すると、照明管2とともに基部20も回転し、このとき、口金部3の各穴32に係合していた基部20の側の各ボール23が各穴32から離脱して基部20とともに回転し、照明管2が所望量回転した後、各ボール23が対応する各穴32に係合する。
【0054】
このようにして、照明用のLED発光素子12の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管2に視認部としての孔2hが設けられていることで、照明管2を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0055】
なお、図9および図10に示す例とは逆に、口金部3の側にボールを出没自在に設け、ボールが係合する穴を基部20の側に形成するようにしてもよい。
【0056】
また、LED発光素子11、12とピン端子30との電気的接続は、リード線等に限らず、導電性の軸部およびこれに接続するブラシを用いてもよく、あるいは電磁式のラッチ式接点を用いるようにしてもよい。
【0057】
〈回転機構の第3の例〉
図11および図12に示すように、照明管2の基部20は、円周上に所定間隔で配置された複数の貫通孔2gを有する筒状の外周部と、外周部の中央から軸方向に突出するとともに先端に係合突起25aを有する軸部25とを備えている。
【0058】
図12および図13に示すように、口金部3は、有底の筒状部材であって、基部20と対向する側の端面において軸芯から離れた位置には、軸方向に延びる切込み3sが形成されている。切込み3sにより仕切られた薄肉部分3Sの外周面上には、一対の突起3gおよび操作ボタン3hが設けられている。各突起3gは、基部20の各貫通孔2g内に係脱自在に係合し得るようになっている。また、口金部3は穴35を中央に有しており、穴35の一部には、係合凹部35aが形成されている。照明管2の基部20に口金部3を装着したとき、基部20の軸部25が口金部3の穴35に挿入されるとともに、軸部25の先端の係合突起25aが口金部3の穴35内の係合凹部35aに係脱自在に係合するようになっている。
【0059】
この場合には、口金部3の各突起3gが基部20の各貫通孔2g内に係合した状態において、操作ボタン3hを図12中の矢印F方向に押し込むと、口金部3の薄肉部分3Sが弾性変形して下方にたわみ、その結果、各突起3gが貫通孔2gから外れて係合状態が解除される。
【0060】
この状態から、基部20とともに照明管2を口金部3の回りに所望量回転させる。そして、照明管2が所望量回転した後、操作ボタン3hから指を離すと、弾性変形していた薄肉部分3Sが元の状態に戻って、口金部3の各突起3gが基部20の貫通孔2gに係合する。
【0061】
このようにして、照明用のLED発光素子12の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管2に視認部としての孔2hが設けられていることで、照明管2を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0062】
〔第5の実施例〕
前記第1ないし第4の実施例では、照明管2に設けられる視認部として、小径の孔2hを例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。図16および図17は、本発明の第5の実施例によるLED照明装置を示している。なお、これらの図において、前記第1ないし第4の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0063】
図16および図17に示すように、照明管2は、円周方向に延びるスリット2h’を一端側に有している。スリット2h’は、外部視認用のLED発光素子11に対向配置されている。また、外部視認用のLED発光素子11の上方には、レンズ15が配置されている。レンズ15は、円筒状の曲面(円筒面)を有するレンズであって、外部視認用のLED発光素子11からの光をスリット2h’に沿って線状に出射させるために用いられている。
【0064】
この場合には、外部視認用のLED発光素子11から出射された光Lは、レンズ15で収束され、照明管2のスリット2h’を通って、外部に放出される(図17参照)。放出された光を外部から見ると、図16に示すように、線状に発光して見える。
【0065】
このとき、使用者は、照明管2のスリット2h’を通して、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できる。この場合には、視認部としてのスリット2h’が照明管2に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0066】
〔第6の実施例〕
図18は、本発明の第6の実施例によるLED照明装置を示している。同図において、前記第1ないし第5の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。図18に示すように、照明管2は、天井Wに形成された凹部Wa内に取り付けられており、照明管2の下方には、カバー5が設けられている。カバー5は、例えば乳白色等の不透明な部材である。また、照明管2は、ここでは、前記第3の実施例による照明管2が用いられており、照明管2の内部に導光体2iが設けられている。
【0067】
外部視認用のLED発光素子11からの出射光Lは、導光体2iの内部を進みつつ収束され、孔2hの開口部を透過して、カバー5の上に照射される。
【0068】
この場合には、導光体2iの収束作用により、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がカバー5の上に集光されるので、カバー5を装着した状態でも、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できる。
【0069】
〔他の実施例〕
前記各実施例では、照明管として長手方向に直線状に延びる直管型のものを例にとって説明したが、本発明の適用はこれには限定されず、照明管としては、湾曲形状の他、V字状やW字状等の屈曲形状でもよく、あるいはバルブ状のものでもよい。また、口金部を照明管の一端にのみ配置した片口金型の照明管でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、一般の照明に用いられるLED照明装置に好適であり、とくに、照射方向を変えられる回転機構を備えた回転機構付きLED照明装置に適している。
【符号の説明】
【0071】
1: LED照明装置
2: 照明管
2g: 導光ガイド(導光手段)
2h: 孔(視認部)
2i: 導光体(導光手段)
3: 口金部
30: ピン端子(電極)
11: 外部視認用のLED発光素子
12: 照明用のLED発光素子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2007−257928号公報(図1、図2参照)
【特許文献2】特開2007−122933号公報(図1〜図3参照)
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置に関し、詳細には、LED発光素子を内蔵する照明装置であることを外部から容易に視認できるLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源として、発光ダイオード(LED)を用いた蛍光灯型のLED照明装置が提案されている(特開2007−257928号公報参照)。一般に、発光ダイオードは、蛍光灯に比べて、消費電力が低く、長寿命であるため、照明装置の光源として最近注目されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、前記従来のLED照明装置では、LEDを内蔵する照明管として、例えば乳白色等の半透明なものを採用した場合、照明管の内部に収容された発光体がLEDであることを明確に識別するのが困難になる。このため、従来の蛍光管と混在した場合には、その選別は容易ではない。
【0004】
また、LED照明装置として、特開2007−122933号公報には、LEDが搭載された基板を回転自在に設けたものが示されている。当該装置では、基板を所望角度だけ適宜回転させることにより、指向性を有するLEDからの出射光を使用者の所望方向に照射させることができる。
【0005】
しかしながら、この場合において、当該照明装置に例えば乳白色等の半透明なカバーが設けられる場合には、カバー内部のLEDが外部から見えにくくなるため、基板を回転させたときに、LEDの光軸方向が正確に特定できなくなる。その一方、製造や組立て等の現場や、細かな作業を行う作業場等において、作業内容に応じて照明灯の明るさを最大限明るくしたい場合もある。指向性を有するLED照明灯においては、一般に、LEDの光軸方向がもっとも明るくなるため、LED搭載基板を回転させた場合に、光軸方向を特定できれば、非常に好都合である。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、LED発光素子を内蔵する照明装置であることを外部から容易に視認できるLED照明装置を提供することにある。また、本発明は、LEDを内蔵する照明管がその両端の口金部に対して相対回転可能なLED照明装置において、LED発光素子の光軸方向を容易に特定できるようにしようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るLED照明装置は、外部視認用のLED発光素子および照明用のLED発光素子を含む複数のLED発光素子と、これら複数のLED発光素子を内蔵する照明管とを備えている。照明管には、外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部が設けられている。
【0008】
請求項1の発明によれば、外部視認用のLED発光素子が設けられるとともに、当該外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部が照明管に設けられているので、この視認部を通して、外部視認用のLED発光素子からの出射光を使用者が外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できるようになる。この場合には、視認部が照明管に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、照明管の内部には、外部視認用のLED発光素子からの出射光を視認部に導くための導光手段が設けられている。
【0010】
この場合には、導光手段により、外部視認用のLED発光素子からの出射光を視認部に確実に導くことができるので、視認部によるLED出射光の視認がさらに容易になる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1または2において、照明管の端部には、外部のソケット部に着脱自在に接続される電極を一端に有する口金部が設けられるとともに、照明管および口金部が相対回転可能に設けられている。
【0012】
この場合には、照明管および(または)口金部を所望量回転させることにより、照明用のLED発光素子の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管に視認部が設けられていることにより、照明管を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0013】
また、この場合において、照明管の内部に導光手段が設けられている場合には、導光手段により、外部視認用のLED発光素子からの出射光を視認部に確実に導くことができるので、照明管を回転させた場合でも、視認部によるLED出射光の視認を容易に行える。
【0014】
請求項4の発明では、請求項2または3において、導光手段が、外部視認用のLED発光素子からの出射光を、当該外部視認用のLED発光素子の光軸方向に配向する指向性を有している。
【0015】
この場合には、導光手段が狭指向性(高指向性)を有しているので、外部視認用のLED発光素子の光軸方向を視認部に一致させておくことにより、視認部を通して光軸方向が明確になり、これにより、照明用のLED発光素子からの出射光の方向(つまり照射方向)を明確に確認できるようになる。
【0016】
使用の際、使用者は、視認部を通して照明管内部を見て外部視認用のLED発光素子の光軸方向を使用者の所望する方向に合わせることにより、照明用のLED発光素子の光軸方向(照射方向)を使用者の所望する方向に向けることができる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項1において、外部視認用のLED発光素子が、照明用のLED発光素子と同色のLED発光素子から構成されている。
【0018】
この場合、照明管に収容されるすべてのLED発光素子が同色のものから構成されるので、異なった色のLED発光素子を用意する必要がなく、誤組みの恐れがなくなって、組立・検査コストを低減できる。また、この場合、例えば、照明用のLED発光素子の上にのみ蛍光体を配置するようにすれば、同じ色のLED発光素子を用いて外部視認用LED発光素子および照明用LED発光素子間で異なる色を発光できるようになる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係るLED照明装置によれば、外部視認用のLED発光素子を設け、当該外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部を照明管に設けるようにしたので、この視認部を通して、外部視認用のLED発光素子からの出射光を使用者が外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できるようになる。この場合、視認部が照明管に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例によるLED照明装置の正面概略図である。
【図2】図1のII-II線断面(縦断面)概略図である。
【図3】前記LED照明装置(図1)の斜視部分図である。
【図4】図1のIV-IV線断面(横断面)概略図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるLED照明装置の横断面概略図であって、前記第1の実施例の図4に相当する図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるLED照明装置の横断面概略図であって、前記第1の実施例の図4に相当する図である。
【図7】本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置において、回転機構の第1の例を示す正面概略部分図である。
【図8】図7のVIII-VIII線矢視図である。
【図9】本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置において、回転機構の第2の例を示す分解組立図である。
【図10】図9のX-X線矢視図である。
【図11】本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置において、回転機構の第3の例を示す正面概略部分図である。
【図12】前記回転機構(図11)の縦断面概略部分図である。
【図13】前記回転機構(図11)を構成する口金部の全体斜視図である。
【図14】回転機構付きLED照明装置の使用方法を説明するための図である。
【図15】回転機構付きLED照明装置の使用方法を説明するための図である
【図16】本発明の第5の実施例によるLED照明装置の斜視部分図である。
【図17】前記LED照明装置(図16)の横断面概略図である。
【図18】本発明の第6の実施例によるLED照明装置の横断面概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施例〕
図1ないし図4は、本発明の第1の実施例によるLED照明装置を示している。
このLED照明装置1は、図1および図2に示すように、長手方向に延びる筒状の照明管2と、その両端に設けられた口金部3とを有している。LED照明装置1の外観構造は、従来の蛍光管とほぼ同様であり、従来の蛍光管と代替可能である。
【0022】
照明管2は、例えば樹脂製またはガラス製の透光性部材であって、ここでは、例えば乳白色等の半透明なものが用いられる。照明管2の一端側には、小径の孔2hが貫通形成されている(図3参照)。照明管2は、従来の蛍光管のように、内部にガスを封入する必要がないため、気密構造は要求されない。
【0023】
口金部3は、外部のソケット部(図示せず)に対して着脱自在に接続される一対のピン端子(電極)30を有している。なお、ソケット部は、例えば、屋内の天井や壁面等、または装置や制御盤のパネル等に設置されている。
【0024】
照明管2の内部には、長手方向に延びる基板10が配設されており、基板10は、照明管2に固定されている。基板10は、図4に示すように、例えば、照明管2の内部に設けられかつ長手方向に延びる支持部2sによって、その幅方向両端部が支持されている。
【0025】
基板10の上には、複数のLED発光素子11、12が搭載されている。LED発光素子11は外部視認用であり、LED発光素子12は照明用である。
【0026】
外部視認用のLED発光素子11は、基板10の一端側に配置されており、照明管2の孔2hに対向配置されている。これにより、図4に示すように、外部視認用のLED発光素子11から出射された光Lは、照明管2の孔2hを通って、外部に直接照射されるようになっている。この意味で、孔2hは、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部に視認させるための視認部として機能している。一方、照明用のLED発光素子12は、外部視認用のLED発光素子11の側方に所定間隔で複数個配置されている。各LED発光素子11、12は、各ピン端子30に例えばリード線やコネクタ等(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0027】
ここでは、各LED発光素子11、12がいずれも同色のLED発光素子から構成されている場合を例にとる。例えば、各LED発光素子11、12はいずれも青色発光ダイオードから構成されている。この場合、例えば、照明用のLED発光素子12の上にのみ、青色光により励起されて黄色の蛍光を発する蛍光体を設けるようにすれば、照明用のLED発光素子12からの青色光と蛍光体からの黄色光とが混合されて、白色の出射光が得られる。一方、外部視認用のLED発光素子11からの出射光は、青色である。
【0028】
上述のように構成されるLED照明装置1においては、照明用のLED発光素子12および蛍光体からの光(白色光)は、照明管2で拡散されて外部に照射される。また、外部視認用のLED発光素子11からの光(青色光)Lは、照明管2の孔2hを通って、外部に出射される(図4参照)。
【0029】
このとき、使用者は、照明管2の孔2hを通して、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できる。この場合には、視認部としての孔2hが照明管2に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0030】
また、この場合、照明管2に収容されるすべてのLED発光素子11、12が同色のものから構成されるので、異なった色のLED発光素子を用意する必要がなく、誤組みの恐れがなくなって、組立・検査コストを低減できる。なお、この場合、蛍光体を用いることで、同じ色のLED発光素子を用いて外部視認用LED発光素子11および照明用LED発光素子12間で異なる色を発光できる。
【0031】
〔第2の実施例〕
図5は、本発明の第2の実施例によるLED照明装置を示している。同図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0032】
この第2の実施例では、照明管2の内部において孔2hの開口部に導光ガイド(導光手段)2gが設けられている点が、前記第1の実施例と異なっている。導光ガイド2gは、例えば樹脂製の板状または筒状の部材である。この場合、外部視認用のLED発光素子11からの出射光Lは、導光ガイド2gの内部を進んで孔2hの開口部まで導かれ、孔2hの開口部から外部に出射される。
【0033】
第2の実施例によれば、導光ガイド2gにより、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を視認部としての孔2hに確実に導くことができ、視認部によるLED出射光の視認がさらに容易になる。
【0034】
〔第3の実施例〕
図6は、本発明の第3の実施例によるLED照明装置を示している。同図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0035】
この第3の実施例では、照明管2の内部において、外部視認用のLED発光素子11および孔2hの間に導光体(導光手段)2iが設けられている点が、前記第1の実施例と異なっている。導光体2iは、光透過性を有する、例えば樹脂製の柱状部材であって、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を、当該外部視認用のLED発光素子11の光軸方向に収束させて配向する指向性を有している。すなわち、第3の実施例では、外部視認用のLED発光素子11から導光体2iの内部を通って出射される光は、狭指向性(高指向性)を有している。
【0036】
この場合、外部視認用のLED発光素子11からの出射光Lは、導光体2iの内部を進みつつ、収束されて孔2hの開口部まで導かれ、孔2hの開口部から外部に出射される。
【0037】
第3の実施例によれば、導光体2iにより、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を視認部としての孔2hに確実に導くことができ、また導光体2i自体が発光することと相俟って、視認部によるLED出射光の視認がさらに容易になる。
【0038】
しかも、この場合には、導光体2iが指向性を有しているので、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向を視認部に一致させておくことにより、視認部を通して光軸方向が明確になり、これにより、照明用のLED発光素子12からの出射光の方向(つまり照射方向)を明確に確認できるようになる。
【0039】
〔第4の実施例〕
前記第1ないし第3の実施例では、口金部3が照明管2の端部に固定された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、照明管2および口金部3は相対回転可能に設けられていてもよい。図7ないし図15は、本発明の第4の実施例による回転機構付きLED照明装置を示している。これらの図において、図7および図8は回転機構の第1の例を、図9および図10は回転機構の第2の例を、図11ないし図13は回転機構の第3の例をそれぞれ示しており、図14および図15は回転機構付きLED照明装置の使用方法を説明するための図である。なお、これらの図において、同一符号は同一または相当部分を示している。また、この第4の実施例で示す各回転機構は回転機構の一例であって、これら以外に種々のものが考えられる。
【0040】
〈回転機構の第1の例〉
図7に示すように、照明管2の端部は基部20を有しており、その外側には、基部20に隣接して口金部3が設けられている。
【0041】
図8に示すように、基部20の端面には、その外周に沿って円環状に延びる領域に複数の歯20aが形成されている。また、基部20の端面中央には、穴21が形成されている。
【0042】
口金部3の端面において、基部20の歯20aと対向する円環状の領域には、歯20aと噛み合う複数の歯3aが形成されている。また、口金部3の端面中央には、軸部31の一端が植設されており、軸部31の他端は、基部20に形成された穴21内に延びている。これら軸部31および穴21により、口金部3の基部20に対するセンタリング(芯出し)が行われている。
【0043】
この場合には、口金部3および基部20を互いに離反する側に向かって軸方向に移動させると、口金部3および基部20の各歯3a、20aの噛合状態が外れ、これにより、照明管2が口金部3に対して軸芯回りに回転可能な状態におかれる。
【0044】
この状態から、照明管2を所望量回転させた後、再び口金部3および基部20を互いに接近する側に向かって軸方向に移動させることにより、口金部3および基部20の各歯3a、20aが再び噛合状態におかれる。
【0045】
このようにして、照明用のLED発光素子12の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管2に視認部としての孔2hが設けられていることで、照明管2を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0046】
この場合において、照明管2の内部に、前記第2の実施例による導光ガイド2gが設けられている場合には、図14に示すように、導光ガイド2gにより、外部視認用のLED発光素子11からの出射光を視認部としての孔2hに確実に導くことができるので、照明管2を回転させた場合でも、視認部によるLED出射光の視認を容易に行える(この点は、後述する回転機構の第2および第3の例においても同様)。
【0047】
また、この場合において、照明管2の内部に、前記第3の実施例による導光体2iが設けられている場合には、図15に示すように、導光体2iが指向性を有することと相俟って、外部視認用のLED発光素子11からの出射光をより確実に視認部に導くことができる。すなわち、この場合には、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向を視認部に一致させることができる。これにより、照明管2を回転させた場合でも、視認部によるLED出射光の視認を一層容易に行えるとともに、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向を通して、照明用のLED発光素子からの出射光の方向(つまり照射方向)を明確に確認できるようになる(この点は、後述する回転機構の第2および第3に例においても同様)。
【0048】
使用の際、使用者は、図15に示すように、視認部を通して照明管内部を見て、外部視認用のLED発光素子11の光軸方向(図中、一点鎖線Lの方向)を使用者の所望する方向に合わせることにより、照明用のLED発光素子12の光軸方向(照射方向)を使用者の所望する方向に向けることができる。
【0049】
なお、口金部3および基部20の係合は、上述したギヤ噛合いには限定されない。例えば、基部20(または口金部3)にラチェットホイール(爪車)を設け、これに係合するポール(爪)を口金部3(または基部20)に設けるようにしてもよい。
【0050】
〈回転機構の第2の例〉
図9に示すように、照明管2の端部は基部20を有しており、その外周に口金部3が装着されるようになっている。
【0051】
基部20の端面20bには、円周上に所定間隔で配置された複数の穴22が形成されており、各穴22には、出没自在なボール23と、これを突出方向に付勢する圧縮コイルバネ24とが収容されている。ボール23は、圧縮コイルバネ24の弾性反発力により、その一部が穴22の開口端から突出する方向に常時付勢されている。また、基部20の外周には、円周溝20cが形成されている。
【0052】
基部20の端面20bと対向する口金部3の端面3cには、円周上に所定間隔で球面状(または円錐状等)の浅い穴32が複数個形成されている。各穴32の間隔は、基部20の側の各穴22の間隔に対応しており、各穴32には、各ボール23が係脱自在に係合するようになっている。また、口金部3の外周縁部の一部は、基部20の側に向かって薄肉状に延設されており、その延設部33の先端には、半径方向内方に向かって屈曲するフック部33aが形成されている。このフック部33aが基部20の円周溝20cに係合することで、口金部3が基部20に着脱自在に装着されるようになっている。
【0053】
この場合には、口金部3を基部20に装着した状態で、照明管2を所望量回転させる。すると、照明管2とともに基部20も回転し、このとき、口金部3の各穴32に係合していた基部20の側の各ボール23が各穴32から離脱して基部20とともに回転し、照明管2が所望量回転した後、各ボール23が対応する各穴32に係合する。
【0054】
このようにして、照明用のLED発光素子12の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管2に視認部としての孔2hが設けられていることで、照明管2を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0055】
なお、図9および図10に示す例とは逆に、口金部3の側にボールを出没自在に設け、ボールが係合する穴を基部20の側に形成するようにしてもよい。
【0056】
また、LED発光素子11、12とピン端子30との電気的接続は、リード線等に限らず、導電性の軸部およびこれに接続するブラシを用いてもよく、あるいは電磁式のラッチ式接点を用いるようにしてもよい。
【0057】
〈回転機構の第3の例〉
図11および図12に示すように、照明管2の基部20は、円周上に所定間隔で配置された複数の貫通孔2gを有する筒状の外周部と、外周部の中央から軸方向に突出するとともに先端に係合突起25aを有する軸部25とを備えている。
【0058】
図12および図13に示すように、口金部3は、有底の筒状部材であって、基部20と対向する側の端面において軸芯から離れた位置には、軸方向に延びる切込み3sが形成されている。切込み3sにより仕切られた薄肉部分3Sの外周面上には、一対の突起3gおよび操作ボタン3hが設けられている。各突起3gは、基部20の各貫通孔2g内に係脱自在に係合し得るようになっている。また、口金部3は穴35を中央に有しており、穴35の一部には、係合凹部35aが形成されている。照明管2の基部20に口金部3を装着したとき、基部20の軸部25が口金部3の穴35に挿入されるとともに、軸部25の先端の係合突起25aが口金部3の穴35内の係合凹部35aに係脱自在に係合するようになっている。
【0059】
この場合には、口金部3の各突起3gが基部20の各貫通孔2g内に係合した状態において、操作ボタン3hを図12中の矢印F方向に押し込むと、口金部3の薄肉部分3Sが弾性変形して下方にたわみ、その結果、各突起3gが貫通孔2gから外れて係合状態が解除される。
【0060】
この状態から、基部20とともに照明管2を口金部3の回りに所望量回転させる。そして、照明管2が所望量回転した後、操作ボタン3hから指を離すと、弾性変形していた薄肉部分3Sが元の状態に戻って、口金部3の各突起3gが基部20の貫通孔2gに係合する。
【0061】
このようにして、照明用のLED発光素子12の照射方向を所望の方向に変更でき、配光特性を変更できる。このとき、照明管2に視認部としての孔2hが設けられていることで、照明管2を回転させた場合でも、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0062】
〔第5の実施例〕
前記第1ないし第4の実施例では、照明管2に設けられる視認部として、小径の孔2hを例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。図16および図17は、本発明の第5の実施例によるLED照明装置を示している。なお、これらの図において、前記第1ないし第4の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0063】
図16および図17に示すように、照明管2は、円周方向に延びるスリット2h’を一端側に有している。スリット2h’は、外部視認用のLED発光素子11に対向配置されている。また、外部視認用のLED発光素子11の上方には、レンズ15が配置されている。レンズ15は、円筒状の曲面(円筒面)を有するレンズであって、外部視認用のLED発光素子11からの光をスリット2h’に沿って線状に出射させるために用いられている。
【0064】
この場合には、外部視認用のLED発光素子11から出射された光Lは、レンズ15で収束され、照明管2のスリット2h’を通って、外部に放出される(図17参照)。放出された光を外部から見ると、図16に示すように、線状に発光して見える。
【0065】
このとき、使用者は、照明管2のスリット2h’を通して、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できる。この場合には、視認部としてのスリット2h’が照明管2に設けられるので、LED照明装置であることの視認が外部から容易に行える。
【0066】
〔第6の実施例〕
図18は、本発明の第6の実施例によるLED照明装置を示している。同図において、前記第1ないし第5の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。図18に示すように、照明管2は、天井Wに形成された凹部Wa内に取り付けられており、照明管2の下方には、カバー5が設けられている。カバー5は、例えば乳白色等の不透明な部材である。また、照明管2は、ここでは、前記第3の実施例による照明管2が用いられており、照明管2の内部に導光体2iが設けられている。
【0067】
外部視認用のLED発光素子11からの出射光Lは、導光体2iの内部を進みつつ収束され、孔2hの開口部を透過して、カバー5の上に照射される。
【0068】
この場合には、導光体2iの収束作用により、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がカバー5の上に集光されるので、カバー5を装着した状態でも、外部視認用のLED発光素子11からの出射光がLED出射光であることを外部から視認でき、これにより、当該照明装置がLED発光素子を内蔵するLED照明装置であることを外部から容易に視認できる。
【0069】
〔他の実施例〕
前記各実施例では、照明管として長手方向に直線状に延びる直管型のものを例にとって説明したが、本発明の適用はこれには限定されず、照明管としては、湾曲形状の他、V字状やW字状等の屈曲形状でもよく、あるいはバルブ状のものでもよい。また、口金部を照明管の一端にのみ配置した片口金型の照明管でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、一般の照明に用いられるLED照明装置に好適であり、とくに、照射方向を変えられる回転機構を備えた回転機構付きLED照明装置に適している。
【符号の説明】
【0071】
1: LED照明装置
2: 照明管
2g: 導光ガイド(導光手段)
2h: 孔(視認部)
2i: 導光体(導光手段)
3: 口金部
30: ピン端子(電極)
11: 外部視認用のLED発光素子
12: 照明用のLED発光素子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2007−257928号公報(図1、図2参照)
【特許文献2】特開2007−122933号公報(図1〜図3参照)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED照明装置であって、
外部視認用のLED発光素子および照明用のLED発光素子を含む複数のLED発光素子と、
前記複数のLED発光素子を内蔵する照明管とを備え、
前記照明管には、前記外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部が設けられている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記照明管の内部には、前記外部視認用のLED発光素子からの出射光を前記視認部に導くための導光手段が設けられている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記照明管の端部には、外部のソケット部に着脱自在に接続される電極を一端に有する口金部が設けられるとともに、前記照明管および前記口金部が相対回転可能に設けられている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記導光手段が、前記外部視認用のLED発光素子からの出射光を、当該外部視認用のLED発光素子の光軸方向に配向する指向性を有している、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記外部視認用のLED発光素子が、前記照明用のLED発光素子と同色のLED発光素子から構成されている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項1】
LED照明装置であって、
外部視認用のLED発光素子および照明用のLED発光素子を含む複数のLED発光素子と、
前記複数のLED発光素子を内蔵する照明管とを備え、
前記照明管には、前記外部視認用のLED発光素子からの出射光を外部に透過させる視認部が設けられている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記照明管の内部には、前記外部視認用のLED発光素子からの出射光を前記視認部に導くための導光手段が設けられている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記照明管の端部には、外部のソケット部に着脱自在に接続される電極を一端に有する口金部が設けられるとともに、前記照明管および前記口金部が相対回転可能に設けられている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記導光手段が、前記外部視認用のLED発光素子からの出射光を、当該外部視認用のLED発光素子の光軸方向に配向する指向性を有している、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記外部視認用のLED発光素子が、前記照明用のLED発光素子と同色のLED発光素子から構成されている、
ことを特徴とするLED照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−233400(P2011−233400A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103605(P2010−103605)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
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