説明

LED照明装置

【課題】発光部からの光を効率よく出射しつつ、レンズ部材を適切に固定する。
【解決手段】LED照明装置1は有底略筒状の本体部2を有し、本体部2内の底面211にはLEDチップを有する発光部3が取り付けられる。底面211上には発光部3の周囲を囲む第1反射面411を有する第1反射部4が設けられ、第1反射面411は底面211から離れるに従って外側へと広がる。LED照明装置1は、底面211とは反対側における第1反射部4の端部と当接するレンズ部材5、および、第1反射部4との間にてレンズ部材5を挟む第2反射部7をさらに有し、第2反射部7はレンズ部材5から離れるに従って外側へと広がる第2反射面711を有する。LED照明装置1では、反射面上にレンズ部材5を固定するための固定部を設けることなく、レンズ部材5を適切に固定して、発光部3からの光を効率よく出射することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDチップが実装された発光部を有するLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(発光ダイオード)チップを発光源として用いる様々なLED照明装置が実用されている。例えば、特許文献1では、天井に埋め込んで設置されるダウンライトであるLED照明装置が開示されている。特許文献1のダウンライトは、装置本体、光源、光源の下側に配置される反射体、装置本体にねじ止めされるバッフル、および、バッフルの上端部と反射体の周部下面との間に挟持される透光板を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−64781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ダウンライトであるLED照明装置において、発光部の周囲を囲む反射面上に固定部を設け、当該固定部にレンズ部材を固定することが考えられる。しかしながら、この場合、発光部からの光の一部が固定部にて遮蔽され、発光部からの光が効率よく出射されなくなる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、発光部からの光を効率よく出射しつつ、レンズ部材を適切に固定することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、LED照明装置であって、中心軸を中心とする有底略筒状の本体部と、LEDチップを有し、前記本体部内の底面に取り付けられる発光部と、前記発光部の周囲を囲むとともに、前記中心軸に沿って前記底面から離れるに従って外側へと広がる第1反射面を有する第1反射部と、前記中心軸の方向において前記底面とは反対側における前記第1反射部の端部と当接するレンズ部材と、前記第1反射部との間にて前記レンズ部材を挟む部材であり、前記中心軸に沿って前記レンズ部材から離れるに従って外側へと広がる第2反射面を有する第2反射部とを備え、前記第1反射面の前記レンズ部材側の開口と対向する前記レンズ部材上の第1領域が、前記第2反射面の前記レンズ部材側の開口と対向する前記レンズ部材上の第2領域に含まれる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のLED照明装置であって、前記レンズ部材が、一の主面にフレネルレンズが形成されたレンズ領域を有する板状部材であり、前記レンズ領域が前記第1領域を含む。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のLED照明装置であって、前記第1反射部が、前記第1反射面の前記レンズ部材側のエッジから前記中心軸に垂直かつ外側に広がる第1環状面を有し、前記第2反射部が、前記第2反射面の前記レンズ部材側のエッジから前記中心軸に垂直かつ外側に広がる第2環状面を有し、前記レンズ部材が、前記第1環状面と前記第2環状面との間に挟まれる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のLED照明装置であって、前記第1反射部が、前記中心軸の方向における長さが異なる他の第1反射部に交換可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発光部からの光を効率よく出射しつつ、レンズ部材を適切に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】LED照明装置の平面図である。
【図2】LED照明装置の断面図である。
【図3】LED照明装置の分解図である。
【図4】レンズ部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一の実施の形態に係るLED照明装置1の平面図である。また、図2は、図1中の矢印II−IIの位置におけるLED照明装置1の断面図であり、図3は、LED照明装置1の分解図である。図1ないし図3では、互いに垂直なX方向、Y方向およびZ方向を矢印にて示している。LED照明装置1は、室内等に設置されるダウンライトであり、図2中の下側((−Z)側)の部位を鉛直方向の上方に向けて天井に取り付けられる。すなわち、図2の上下を反転した状態で、LED照明装置1が天井に取り付けられる。
【0013】
図2および図3に示すように、LED照明装置1は、Z方向に平行な中心軸J1を中心とする有底略筒状(本実施の形態では円筒状)の本体部2を有し、本体部2は略板状の底部21および薄肉の筒状側部22を有する。底部21および筒状側部22は、アルミニウム等により個別の部材として形成される。筒状側部22は、(−Z)側の端部から内側(中心軸J1側)へと突出する環状部221を有し、底部21はねじにより環状部221に固定される。
【0014】
底部21の筒状側部22側の主面211(すなわち、図2中の(+Z)側の面であり、本体部2内の底面に相当するため、以下、「底面211」という。)上には、複数の発光部3が設けられる。図3に示すLED照明装置1では、底面211上において中心軸J1と重なる位置に1つの発光部3が配置され、中心軸J1を中心とする円周上において等角度間隔にて他の5個の発光部3が配置される。
【0015】
各発光部3では、薄い矩形の基板上に複数のLEDチップ(1つのLEDチップのみであってもよい。)が実装され、複数のLEDチップは樹脂にて封入(モールド)される。矩形の基板における1組の対角近傍には2つの貫通孔がそれぞれ形成され、各貫通孔に挿入されるねじが底部21上に設けられたねじ穴に螺合されることにより、複数の発光部3が底面211上に取り付けられる。複数の発光部3は、図示省略の電源部に対して電気的に直列に接続される。
【0016】
底部21の他方の主面(図2中の(−Z)側の主面)上には、ヒートシンク212が設けられる。ヒートシンク212では、複数の板状突起部が互いに平行に配列される。底部21はアルミニウム等によりヒートシンク212と一体的に形成されており、発光部3のLEDチップにて発生する熱がヒートシンク212にて効率よく除去される。
【0017】
図2に示すように、本体部2の底面211上には、複数の発光部3の周囲を囲む環状の第1反射部4が設けられる。第1反射部4は、中心軸J1を中心とする薄肉の周壁部41、および、周壁部41の(+Z)側の端部から中心軸J1に垂直かつ外側に広がる薄肉の環状部42を有する。周壁部41では、中心軸J1に沿って底面211から離れるに従って中心軸J1との距離が漸次増大する。周壁部41および環状部42は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金にて形成される円筒部材をプレス加工することにより一体的に形成される。周壁部41の内側面411は中心軸J1を中心とする回転面であり、鏡面仕上げが施されることにより反射面となっている。以下の説明では、内側面411を「第1反射面411」という。第1反射面411は、中心軸J1に沿って底面211から離れるに従って外側へと広がる。
【0018】
第1反射部4の(+Z)側には板状部材であるレンズ部材5が設けられ、レンズ部材5は、Z方向において底面211とは反対側における第1反射部4の端部、すなわち、環状部42の(+Z)側の環状面421と当接する。レンズ部材5は、第1反射部4の環状部42の外径よりも大きい円板状であり、レンズ部材5の外縁部には、複数の(本実施の形態では、3個の)切欠き部59(図3参照)が形成される。図2に示すレンズ部材5はプラスチックにて形成され、(−Z)側の主面50には、サンドブラスト法等による粗面加工が施されている。すなわち、主面50は、光を拡散する拡散面となる。また、レンズ部材5の(+Z)側の主面には、熱プレス加工等によりフレネルレンズが形成される。レンズ部材5の詳細については後述する。図2では、レンズ部材5の断面を示す平行斜線の図示を省略している。
【0019】
図2および図3に示すように、レンズ部材5の(+Z)側の主面上には、透明な薄い円板状の保護パネル6が設けられる。保護パネル6の直径は、レンズ部材5とほぼ同じであり、保護パネル6により、レンズ部材5上のフレネルレンズの溝にゴミが詰まったり、フレネルレンズに傷がつくことが防止される。保護パネル6の外縁部にも複数の切欠き部69が形成され、レンズ部材5の切欠き部59と同位置に配置される。なお、LED照明装置1の設計によっては、拡散板が保護パネル6として用いられてもよい。
【0020】
本体部2において筒状側部22の環状部221には、複数の(本実施の形態では、3個の)スペーサ23が中心軸J1を中心として等角度間隔にて固定される。レンズ部材5および保護パネル6では、切欠き部59,69内にねじ24が挿入されてスペーサ23に螺合されることにより、レンズ部材5および保護パネル6が、第1反射部4を間に挟んで本体部2に対して固定される。実際には、複数のスペーサ23に螺合される複数のねじ24、および、複数の切欠き部59により、後述するように、レンズ部材5の向き(すなわち、中心軸J1を中心とする回転角)および位置が本体部2に対して合わせられる。また、既述の第1反射部4は複数のスペーサ23の内側に配置されることにより、第1反射部4の中心軸が中心軸J1とおよそ一致する。
【0021】
図2に示すように、本体部2内において、保護パネル6上には略円筒状の薄肉部材である第2反射部7が設けられる。第2反射部7は、中心軸J1を中心とする薄肉の周壁部71、並びに、周壁部71の(−Z)側の端部および(+Z)側の端部から中心軸J1におよそ垂直かつ外側に広がる薄肉の環状部72,73を有する。周壁部71では、中心軸J1に沿って保護パネル6から離れるに従って中心軸J1との距離が漸次増大する。周壁部71および環状部72,73は一体的に形成され、表面は例えば白色の高反射塗装が施される。周壁部71の内側面711は中心軸J1を中心とする回転面であり、中心軸J1に沿ってレンズ部材5および保護パネル6から離れるに従って外側へと広がる。周壁部71の内側面711も発光部3からの光を(+Z)側へと導く反射面となっており、以下の説明では、内側面711を「第2反射面711」という。なお、周壁部71のZ方向の長さは第1反射部4の周壁部41よりも長く、周壁部71のZ方向に対する傾斜角は、周壁部41のZ方向に対する傾斜角よりも小さい。
【0022】
周壁部71の(+Z)側の端部は、本体部2の(+Z)側の端部近傍まで広がっており、(+Z)側の環状部73は本体部2の外側へと広がっている。また、(−Z)側の環状部72には、ねじ24との干渉(接触)を避ける貫通孔722が形成される。環状部72は保護パネル6とおよそ当接しており、レンズ部材5および保護パネル6は、環状部72の(−Z)側の環状面721と、第1反射部4の環状面421との間に挟まれて、確実に固定される。環状部72の外径はレンズ部材5および保護パネル6よりも大きく、環状部72の外縁はレンズ部材5および保護パネル6の周囲を囲むように(−Z)側へと屈曲する。
【0023】
LED照明装置1は、V字状の複数の板バネ8(以下、「Vバネ8」という。)をさらに備える。図2に示すように、Vバネ8はZ方向に伸びる第1固定部位81、および、第1固定部位81の(−Z)側の先端から、中心軸J1に垂直に内側へと(中心軸J1に向かって)突出する第2固定部位82を有する。本体部2の筒状側部22にはスリット状の開口222が形成され、第2固定部位82が開口222内に挿入される。また、第1固定部位81が筒状側部22の外側面に当接しつつリベット25により筒状側部22に固定される。本体部2内において第2固定部位82は、第2反射部7における(−Z)側の環状部72の(+Z)側の面に当接する。これにより、中心軸J1の方向(Z方向)において、第1反射部4と第2反射部7との間にてレンズ部材5および保護パネル6を挟みつつ、第2反射部7が本体部2に対して実質的に固定される。
【0024】
図4は、レンズ部材5を示す平面図である。レンズ部材5の(+Z)側の主面では、中心軸J1を中心とする円形領域がレンズ領域51として設定されており、レンズ領域51は、図2に示す第1反射部4の第1反射面411(周壁部41)におけるレンズ部材5側((+Z)側)の開口よりも大きい。第1反射面411の当該開口と対向するレンズ部材5上の領域(すなわち、Z方向において当該開口と重なる領域であり、図4中にて符号A1を付す二点鎖線にて示す。)を第1領域と呼ぶと、レンズ領域51は第1領域A1の全体を含んでいる。したがって、第1反射部4側からレンズ部材5へと入射する光のおよそ全てがレンズ領域51を通過する。
【0025】
また、図2に示す第2反射部7における第2反射面711のレンズ部材5側((−Z)側)の開口に着目し、当該開口と対向するレンズ部材5上の領域(図4中にて符号A2を付す二点鎖線にて示す。)を第2領域と呼ぶと、第2領域A2は第1領域A1の全体を含んでいる。したがって、第1反射部4側からレンズ部材5へと入射する光のおよそ全てが第2反射部7側へと出射される。
【0026】
レンズ部材5では、レンズ領域51内において各発光部3とZ方向に対向する位置511,511a(以下、「対向位置511,511a」という。)を中心として正のパワーを有するフレネルレンズが形成される。本実施の形態では、中央の対向位置511aを中心として、対向位置511aと周囲の対向位置511との間の距離のおよそ半分の半径の円形領域が、中央の対向位置511aに対応するフレネルレンズの溝が形成される分割領域512aとなる。また、レンズ領域51のうち中央の分割領域512aを除く環状の領域を、互いに隣接する2つの対向位置511(周囲の対向位置511)の各組合せを結ぶ線分の垂直二等分線にて分割することにより複数の分割領域512が取得され、各分割領域512に含まれる対向位置511に対応するフレネルレンズの溝が、当該分割領域512のおよそ全体に形成される。
【0027】
LED照明装置1では、レンズ部材5の複数の対向位置511,511a(複数の分割領域512,512a)がZ方向において本体部2の底面211上の複数の発光部3(図3参照)にそれぞれ重なるように、複数のスペーサ23に螺合される複数のねじ24、および、複数の切欠き部59により、レンズ部材5の向き(すなわち、中心軸J1を中心とする回転角)および位置が本体部2に対して合わせられる。
【0028】
図2のLED照明装置1では、第2反射部7の(+Z)側の環状部73を鉛直方向下側に向けつつ本体部2のおよそ全体が天井に形成される孔部内に挿入されて、LED照明装置1が天井に固定される。各発光部3のLEDチップからの光はレンズ部材5のフレネルレンズにより集光され、LED照明装置1の下方の空間が照明される。本実施の形態では、LEDチップからの光の照射角(すなわち、発光部3の光軸を含む面上における光の強度の角度分布において、光軸上の強度の半値となる角度範囲(広がり角)であり、指向角に相当する。)がおよそ120度であるのに対し、レンズ部材5を通過した光の照射角はおよそ60度となる。
【0029】
また、LED照明装置1では、図2の第1反射部4を、中心軸J1方向の長さが異なる他の第1反射部に変更して、Z方向における発光部3とレンズ部材5との間の距離を変更することにより、レンズ部材5を通過した光の照射角を60度以外(例えば、30度)とすることも可能である。このとき、図2のLED照明装置1では、中心軸J1方向における長さを当該他の第1反射部に合わせた他のスペーサおよび筒状側部が、スペーサ23および筒状側部22に替えて用いられる。
【0030】
以上のように、LED照明装置1では、レンズ部材5が第1反射部4と第2反射部7との間にて挟まれる。これにより、LED照明装置1における反射面(第1反射面411および第2反射面711)上に、レンズ部材5を固定するための固定部を設けることなく、レンズ部材5を適切に固定して、発光部3からの光を効率よく出射することができる。また、第1反射部4の外側において、レンズ部材5の向き、および、位置を本体部2に対して合わせるための部材(スペーサ23およびねじ24)を容易に配置することができる。さらに、本体部2の底面211およびレンズ部材5の双方に当接する第1反射部4により、レンズ部材5と発光部3との間の距離を容易に設定することができる。
【0031】
また、レンズ部材5におけるレンズ領域51が、第1反射面411のレンズ部材5側の開口に対応する第1領域A1の全体を含むことにより、第1反射部4側からレンズ部材5へと入射する全ての光がレンズ領域51を通過して集光される。これにより、LED照明装置1では、発光部3からの光をより効率よく出射することができる。また、本体部2の筒状側部22、第1反射部4および第2反射部7が薄肉部材であることにより、LED照明装置1の軽量化を図ることができる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0033】
上記実施の形態では、レンズ部材5上において複数の発光部3にそれぞれ対応する複数の分割領域512が設定されるため、レンズ部材5をスペーサ23およびねじ24により固定してレンズ部材5の向き、および、位置が本体部2に対して(正確には、本体部2上の発光部3に対して)合わせられるが、例えば、本体部2上においてレンズ部材5の切欠き部59と係合するピン等が設けられる場合には、レンズ部材5をねじ止めすることなく、第1反射部4と第2反射部7との間で挟むことのみにより、レンズ部材5が固定されてもよい。また、この場合に、好ましくは図2のLED照明装置1のように、第1反射面411のレンズ部材5側のエッジから中心軸J1に垂直かつ外側に広がる第1環状面421、および、第2反射面711のレンズ部材5側のエッジから中心軸J1に垂直かつ外側に広がる第2環状面721が設けられ、第1環状面421と第2環状面721との間にて、レンズ部材5が挟まれる。これにより、レンズ部材5をしっかりと保持することができる。
【0034】
また、LED照明装置1において、1つの発光部(例えば、比較的大きい発光面積を有する発光部)のみが設けられてもよい。この場合、レンズ部材5の向きを調整する必要がないため、レンズ部材5の切欠き部59が省略されるとともに、レンズ部材5の外縁に当接する部材(本体部2自体であってもよい。)が本体部2内に設けられ、当該部材によりレンズ部材5の位置を本体部2に対して合わせつつ、第1反射部4と第2反射部7との間で挟むことのみによりレンズ部材5が固定される。さらに、LED照明装置において求められる照明の質によっては、レンズ部材5の位置を本体部2に対して合わせるための部材が省略されてもよい。
【0035】
LED照明装置1では、第1反射部4、スペーサ23および筒状側部22を、Z方向の長さが異なる他の第1反射部、スペーサおよび筒状側部に交換することによりレンズ部材5を通過した光の照射角が変更されるが、LED照明装置1の設計によっては、第1反射部4のみを交換することにより光の照射角が変更されてもよい。このように、少なくとも第1反射部4が、中心軸J1の方向における長さが異なる他の第1反射部に交換可能なLED照明装置1では、発光部3とレンズ部材5との間の距離を変更して、光の照射角を容易に変更することが実現される。
【0036】
図2のLED照明装置1では、本体部2の底部21上において複数の発光部3が1つの第1反射面411にて囲まれることにより、第1反射部4が簡素な構造とされ、第1反射部4の製造コストを低減することが可能であるが、LED照明装置の設計によっては、複数の発光部3の周囲をそれぞれ囲む複数の第1反射面が形成されてもよい。この場合、当該複数の第1反射面を有する第1反射部と、第2反射部7との間にてレンズ部材5を挟むことにより、発光部3からの光をより効率よく出射しつつレンズ部材5を適切に固定することが可能である。
【0037】
上記実施の形態のように、LED照明装置1がダウンライトとして使用される場合には、レンズ部材5を通過した光の照射角が30度以上60度以下に設定されることが好ましいが、LED照明装置1はダウンライト以外の用途(さらには、天井照明以外の用途)に用いられてよく、照明光の照射角も適宜変更されてよい。また、LED照明装置において、負のパワーを有するレンズ部材が用いられてもよく、レンズ部材はフレネルレンズ以外であってもよい。
【0038】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0039】
1 LED照明装置
2 本体部
3 発光部
4 第1反射部
5 レンズ部材
7 第2反射部
51 レンズ領域
211 底面
411 第1反射面
421 第1環状面
711 第2反射面
721 第2環状面
A1 第1領域
A2 第2領域
J1 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED照明装置であって、
中心軸を中心とする有底略筒状の本体部と、
LEDチップを有し、前記本体部内の底面に取り付けられる発光部と、
前記発光部の周囲を囲むとともに、前記中心軸に沿って前記底面から離れるに従って外側へと広がる第1反射面を有する第1反射部と、
前記中心軸の方向において前記底面とは反対側における前記第1反射部の端部と当接するレンズ部材と、
前記第1反射部との間にて前記レンズ部材を挟む部材であり、前記中心軸に沿って前記レンズ部材から離れるに従って外側へと広がる第2反射面を有する第2反射部と、
を備え、
前記第1反射面の前記レンズ部材側の開口と対向する前記レンズ部材上の第1領域が、前記第2反射面の前記レンズ部材側の開口と対向する前記レンズ部材上の第2領域に含まれることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED照明装置であって、
前記レンズ部材が、一の主面にフレネルレンズが形成されたレンズ領域を有する板状部材であり、前記レンズ領域が前記第1領域を含むことを特徴とするLED照明装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のLED照明装置であって、
前記第1反射部が、前記第1反射面の前記レンズ部材側のエッジから前記中心軸に垂直かつ外側に広がる第1環状面を有し、
前記第2反射部が、前記第2反射面の前記レンズ部材側のエッジから前記中心軸に垂直かつ外側に広がる第2環状面を有し、
前記レンズ部材が、前記第1環状面と前記第2環状面との間に挟まれることを特徴とするLED照明装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のLED照明装置であって、
前記第1反射部が、前記中心軸の方向における長さが異なる他の第1反射部に交換可能であることを特徴とするLED照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−8566(P2013−8566A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140687(P2011−140687)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】