説明

LED自動調光照明装置

【課題】本発明は、被写体の撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、不要な発光を無くし省エネルギー化を図れるLED自動調光照明装置を提供する。
【解決手段】本発明のLED自動調光照明装置11は、被写体照明用の可視光を発光する複数のLED1〜6を用いたLED発光部12と、該LED発光部12を発光駆動する発光個数可変のLED発光駆動部13と、被写体Mの照度レベルを設定する照度レベル設定部14と、被写体Mの照度を検出する光センサ15と、照度レベルと、光センサ15が検出する照度とを比較し、比較結果に応じてLED発光駆動部13の発光駆動制御を行い、LED発光部12のLED発光個数を増減させて発光光量を設定した被写体Mの照度レベルに適合させる制御部17と、を有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED自動調光照明装置に関し、詳しくは、被写体の撮影時における被写体照度の一定化を実現し、かつ、省エネルギー化を図った照明装置として有益なLED自動調光照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、カメラにより被写体の撮影を行う場合、良質な被写体画像を得るために被写体照明用の照明装置が多用されている。
【0003】
このような照明装置は、サイリスタ制御の白熱灯や、LED等の半導体発光素子を発光源とするもの等が採用されているが、これらの場合、被写体に向けて発光する発光光量を適正に制御しないと、近距離撮影の場合、被写体の照度が明るすぎて周囲光とのバランスが崩れ、被写体画像の画質が低下するとともに不要なエネルギーを浪費してしまう。
【0004】
また、遠距離撮影の場合には、被写体の照度が暗くてやはり被写体画像の画質が低下する等の不都合が生じる。
【0005】
先行技術文献である特許文献1には、本発明に関連する技術として、可視光を発光するLEDと、該LEDの発光する明るさを設定する明るさ設定回路と、該LEDを発光させる信号を発生する発光駆動回路と、前記LEDを発光モードと受光モードとに切り替える信号を発生する切り替え信号発生回路と、前記切り替え信号により、前記LEDを受光モードとしたときの受光信号と、前記明るさ設定回路からの設定信号との差信号を発生する差信号発生回路と、を有し、該差信号発生回路からの差信号により、前記発光駆動回路を制御するように構成したLED自動調光装置が提案されている。
【0006】
この特許文献1の場合、LEDを発光源及び受光源として使用するため、構成の簡略化を図れるものの、LEDを連続発光状態とした場合にはこのLEDを受光源として機能させることができず、被写体の撮影時に使用する照明装置として不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−300152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする問題点は、被写体の撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、不要な発光を無くし省エネルギー化を図れるようなLED自動調光照明装置が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、被写体の撮影時における被写体照度の一定化を実現し、不要な発光を無くし省エネルギー化を図るために、被写体照明用の可視光を発光する複数のLEDを用いたLED発光部と、該LED発光部の発光調整機能を有するLED発光駆動部と、被写体の照度レベルを設定する照度レベル設定部と、被写体の照度を検出する光センサと、前記照度レベルと、前記光センサが検出する照度とを比較し、比較結果に応じて前記LED発光部の発光光量が設定した被写体の照度レベルに適合するように前記LED発光駆動部の発光調整制御を行う制御部と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、照度レベル設定部により被写体の照度レベルを設定するだけの簡略さで、被写体の撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、不要な発光を無くし省エネルギー化を図れるLED自動調光照明装置を提供できる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、照度レベル設定部により被写体の照度レベルを設定するだけの簡略さで、LED発光個数を自動的に増減させて発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させることができ、被写体照度の一定化を実現し得るとともに、LED発光部の不要な発光を無くすこともでき省エネルギー化を図ることができるLED自動調光照明装置を提供できる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、照度レベル設定部により被写体の照度レベルを設定するだけの簡略さで、各LEDの発光電流を自動的に増減させて発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させることができ、被写体照度の一定化を実現し得るとともに、LED発光部の不要な発光を無くすこともでき省エネルギー化を図ることができるLED自動調光照明装置を提供できる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、照度レベル設定部により被写体の照度レベルを設定するだけの簡略さで、各LEDのオン/オフのデューティ比を変更して発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させることができ、被写体照度の一定化を実現し得るとともに、LED発光部の不要な発光を無くすこともでき省エネルギー化を図ることができるLED自動調光照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1のLED自動調光照明装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施例1のLED自動調光照明装置における制御部のブロック図である。
【図3】本実施例1のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが近距離の場合の動作説明図である。
【図4】本実施例1のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが中距離の場合の動作説明図である。
【図5】本実施例1のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが遠距離の場合の動作説明図である。
【図6】本発明の実施例2のLED自動調光照明装置を示す概略構成図である。
【図7】本実施例2のLED自動調光照明装置における電流制御の説明図である。
【図8】本実施例2のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが近距離の場合の動作説明図である。
【図9】本実施例2のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが中距離の場合の動作説明図である。
【図10】本実施例2のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが遠距離の場合の動作説明図である。
【図11】本発明の実施例3のLED自動調光照明装置を示す概略構成図である。
【図12】本実施例3のLED自動調光照明装置におけるデューテイ比制御の説明図である。
【図13】本実施例1のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが近距離の場合の動作説明図である。
【図14】本実施例1のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが中距離の場合の動作説明図である。
【図15】本実施例1のLED自動調光照明装置におけるLED発光部と被写体とが遠距離の場合の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、照度レベル設定部により被写体の照度レベルを設定するだけの簡略さで、LED発光部のLED発光個数を増減させて発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させることで、被写体の撮影時における被写体照度の一定化を実現し、かつ、不要な発光を無くし省エネルギー化を図れるLED自動調光照明装置を実現した。
【実施例1】
【0016】
図1乃至図5を参照して本発明の実施例に係るLED自動調光照明装置11について説明する。
【0017】
本実施例1に係るLED自動調光照明装置11は、図1、図3に示すように、被写体Mの照明用の可視光を発光する例えば6個のLED(発光ダイオード)1乃至6を基板19上に列設したLED発光部12と、前記LED発光部12を発光駆動する例えば前記LED1乃至6に対応するトランジスタ回路からなる6個の電子スイッチを内蔵するとともに、6個のLED1乃至6の各カソードが接続され、前記LED1乃至6の発光個数を可変としたLED発光駆動部13と、被写体Mの照度レベル(例えば、明、中、暗等)を設定する例えばキー入力式の照度レベル設定部14と、被写体Mに向けて配置され、その照度を検出する例えばフォトトランジスタを用いた光センサ15と、この光センサ15の検出信号を増幅する増幅回路16と、前記照度レベル設定部14により設定する照度レベルの信号と、前記光センサ15が検出する照度の信号とを比較し、比較結果に応じて前記LED発光駆動部13の発光駆動制御を行い、前記LED発光部12のLED発光個数を増減させて発光光量を設定した被写体Mの照度レベルに適合させる制御部17と、前記6個のLED1乃至6の各アノードに陽極を接続し、陰極を接地した直流電源18と、を有している。
【0018】
前記直流電源18は、図示していないが、前記LED発光駆動部13、増幅回路16、制御部17の各動作に必要な電力供給を行うように構成している。
【0019】
前記制御部17は、図2に示すように、前記照度レベル設定部14からの照度レベルの信号を記憶する記憶部21と、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15が検出する照度の信号とを比較し、例えばその差に応じた1個、3個、6個等のようなパルス信号を出力する比較信号出力部22と、比較信号出力部22からのパルス信号に応じてLED発光駆動部13の6個の電子スイッチを個別にオン、オフさせる制御信号を出力する制御信号出力部23と、を具備している。
【0020】
前記比較信号出力部22は、例えば、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15が検出する照度の信号との差が小の場合、1個のパルス信号を出力し、前記差が中の場合、3個のパルス信号を出力し、前記差が大の場合、6個のパルス信号を出力するように構成している。
【0021】
前記制御信号出力部23は、前記比較信号出力部22からの各パルス信号に応じてLED発光駆動部13に制御信号を出力する。
【0022】
すなわち、前記制御信号出力部23は、比較信号出力部22から1個のパルス信号に応じてLED発光駆動部13の前記LED1に接続した電子スイッチをオン制御し、3個のパルス信号に応じてLED発光駆動部13の前記LED1乃至3に接続した各電子スイッチをオン制御し、6個のパルス信号に応じてLED発光駆動部13の前記LED1乃至3に接続した各電子スイッチをオン制御する。
【0023】
次に、本実施例1に係るLED自動調光照明装置11の作用、効果について、図3乃至図5をも参照して説明する。
【0024】
本実施例1に係るLED自動調光照明装置11を、例えばカメラによる被写体Mの撮影時の照明装置として使用する場合に、撮影者が例えば照度レベル設定部14により被写体Mの照度レベルを「中」に設定したものとする。この照度レベルの信号は前記記憶部21に記憶される。
【0025】
一方、前記光センサ15により検出された被写体Mの当初の照度の信号は、増幅回路16により増幅され、前記比較信号出力部22に伝送される。
【0026】
前記比較信号出力部22は、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が小の場合、1個のパルス信号を出力し、制御信号出力部23は1個のパルス信号が入力されるとLED発光駆動部13の前記LED1に接続した電子スイッチをオン制御する。これにより、前記LED発光部12のLED1のみが発光し、被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0027】
このようなLED自動調光照明装置11の動作は、例えば図3に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が近距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、LED発光部12の他のLED2乃至6の不要な点灯を無くすことができ省エネルギー化を図ることができる。
【0028】
次に、上述した本実施例1に係るLED自動調光照明装置11の動作において、前記比較信号出力部22が、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が中と判定した場合、3個のパルス信号を出力し、制御信号出力部23は3個のパルス信号が入力されるとLED発光駆動部13の前記LED1乃至3に接続した各電子スイッチをオン制御する。これにより、前記LED発光部12のLED1乃至3のみが発光し、被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0029】
このようなLED自動調光照明装置11の動作は、例えば図4に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が中距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、LED発光部12の他のLED4乃至6の不要な点灯を無くすことができ省エネルギー化を図ることができる。
【0030】
次に、上述した本実施例1に係るLED自動調光照明装置11の動作において、前記比較信号出力部22が、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が大と判定した場合、6個のパルス信号を出力し、制御信号出力部23は6個のパルス信号が入力されるとLED発光駆動部13の前記LED1乃至6に接続した各電子スイッチをオン制御する。これにより、前記LED発光部12のLED1乃至6が発光し、被写体Mを最大光量で照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0031】
このようなLED自動調光照明装置11の動作は、例えば図5に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が遠距離の場合において有効である。
【実施例2】
【0032】
次に、図6乃至図10を参照して本発明の実施例2に係るLED自動調光照明装置11Aについて説明する。
【0033】
本実施例2に係るLED自動調光照明装置11Aは、基本的構成は図6に示すように実施例1のLED自動調光照明装置11の場合と同様であるため同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0034】
本実施例2のLED自動調光照明装置11Aが既述した実施例1のLED自動調光照明装置11と異なる点は、図6に示すLED発光駆動部13Aに、例えば各LED1乃至6に対応する6個の可変抵抗回路を組み込み、常時通電状態で各LED1乃至6に流れる発光電流を増減可能な構成としたこと、また、制御部17Aにより、前記照度レベル設定部14により設定する被写体Mの照度レベル(例えば、明、中、暗)と、前記光センサ15が検出する照度とを比較し、比較結果に応じて発光電流が流れるLED発光駆動部13Aにおける6個の可変抵抗回路の抵抗値を大、中、小に変更する電流制御のための制御信号を出力し、各LED1乃至6の発光電流を小、中、大に変更し、これにより各LED1乃至6の総発光光量を設定した被写体Mの照度レベル(暗、中、明のいずれか)に適合させるようにしたことである。
【0035】
この場合、前記制御部17Aとしては、図2に示すような前記制御部17と近似した構成とし、比較信号出力部22から、例えば前記照度レベル設定部14により設定する被写体Mの照度レベル(例えば、明、中、暗)と、前記光センサ15が検出する照度との差に応じてローレベル、中レベル、ハイレベルのパルス信号を出力する構成、前記制御信号出力部23により前記ローレベルのパルス信号に応じて6個の可変抵抗回路の抵抗値を大にする制御信号を、前記中レベルのパルス信号に応じて6個の可変抵抗回路の抵抗値を中にする制御信号を、前記ハイレベルのパルス信号に応じて6個の可変抵抗回路の抵抗値を小にする制御信号を出力する構成例を挙げることができる。
【0036】
次に、本実施例2に係るLED自動調光照明装置11Aの作用、効果について、図7乃至図10をも参照して説明する。
【0037】
本実施例2に係るLED自動調光照明装置11Aを、例えばカメラによる被写体Mの撮影時の照明装置として使用する場合に、撮影者が例えば照度レベル設定部14により被写体Mの照度レベルを「中」に設定したものとする。
【0038】
このとき、前記制御部17Aは、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が小の場合、上述したことから明らかなように6個の可変抵抗回路の抵抗値を大にする制御信号をLED発光駆動部13Bに送る。
【0039】
これにより、LED発光駆動部13Bの6個の可変抵抗回路の抵抗値は大となり、各LED1乃至6の発光電流は図7上欄に示すように小となって、小発光量で被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0040】
このようなLED自動調光照明装置11Aの動作は、例えば図8に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が近距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、各LED1乃至6の消費電力は低減され省エネルギー化を図ることができる。
【0041】
次に、上述した本実施例2に係るLED自動調光照明装置11Aの動作において、前記制御部17Aが、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が中と判定した場合、6個の可変抵抗回路の抵抗値を中にする制御信号をLED発光駆動部13Bに送る。
【0042】
これにより、LED発光駆動部13Bの6個の可変抵抗回路の抵抗値は中となり、各LED1乃至6の発光電流は図7中欄に示すように中となって、中発光量で被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0043】
このようなLED自動調光照明装置11Aの動作は、例えば図9に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が中距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、各LED1乃至6の消費電力もフル発光の場合よりも低減され省エネルギー化を図ることができる。
【0044】
次に、上述した本実施例2に係るLED自動調光照明装置11Aの動作において、前記制御部17Aが、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が大と判定した場合、前記制御部17Aは、6個の可変抵抗回路の抵抗値を小にする制御信号をLED発光駆動部13Bに送る。
【0045】
これにより、LED発光駆動部13Bの6個の可変抵抗回路の抵抗値は小となり、各LED1乃至6の発光電流は図7下欄に示すように大(フル発光)となって、大発光量で被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0046】
このようなLED自動調光照明装置11Aの動作は、例えば図10に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が遠距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得る。
【実施例3】
【0047】
次に、図11乃至図15を参照して本発明の実施例3に係るLED自動調光照明装置11Bについて説明する。
【0048】
本実施例3に係るLED自動調光照明装置11Bは、図11に示すように基本的構成は実施例1のLED自動調光照明装置11の場合と同様であるため同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0049】
本実施例3のLED自動調光照明装置11Bが既述した実施例1のLED自動調光照明装置11と異なる点は、LED発光駆動部13Bに各LED1乃至6に対応する例えば6個の常時通電のPWM(パルス幅変調)回路を内蔵し、各LED1乃至6のオン/オフのデューティ比可変の構成としたこと、また、制御部17Bにより、前記照度レベル設定部14により設定する被写体Mの照度レベル(例えば、明、中、暗)と、前記光センサ15が検出する照度とを比較し、比較結果に応じてLED発光駆動部13Bの6個のPWM回路のデューテイ比制御(例えば、デューテイ比:小、中、大(=1)等)を行う制御信号を出力し、各LED1乃至6のオン/オフのデューティ比を変更して総発光光量を設定した被写体Mの照度レベルに適合させる構成としたことである。
【0050】
この場合、前記制御部17Bとしては、図2に示すような前記制御部17と近似した構成とし、比較信号出力部22から、例えば前記照度レベル設定部14により設定する被写体Mの照度レベル(例えば、明、中、暗)と、前記光センサ15が検出する照度との差に応じてローレベル、中レベル、ハイレベルのパルス信号を出力する構成、前記制御信号出力部23により、前記ローレベルのパルス信号に応じて6個のPWM回路のデューテイ比を、図12上欄に示すように小とし、前記中レベルのパルス信号に応じて6個のPWM回路のデューテイ比を図12中欄に示す中とし、前記ハイレベルのパルス信号に応じて6個のPWM回路のデューテイ比を図12下欄に示すようにフル(=1)とする制御信号を出力する構成例を挙げることができる。
【0051】
次に、本実施例3に係るLED自動調光照明装置11Bの作用、効果について、図13乃至図15をも参照して説明する。
【0052】
本実施例3に係るLED自動調光照明装置11Bを、例えばカメラによる被写体Mの撮影時の照明装置として使用する場合に、撮影者が例えば照度レベル設定部14により被写体Mの照度レベルを「中」に設定したものとする。
【0053】
このとき、前記制御部17Bは、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が小の場合、上述したことから明らかなようにLED発光駆動部13Bの6個のPWM回路にデューテイ比小となる制御信号を送る。
【0054】
これにより、LED発光駆動部13Bの6個のPWM回路はデューテイ比小の状態で動作し、各LED1乃至6は小発光量で被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0055】
このようなLED自動調光照明装置11Bの動作は、例えば図13に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が近距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、各LED1乃至6の消費電力は低減され省エネルギー化を図ることができる。
【0056】
次に、上述した本実施例3に係るLED自動調光照明装置11Bの動作において、前記制御部17Bが、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が中と判定した場合、上述したことから明らかなようにLED発光駆動部13Bの6個のPWM回路にデューテイ比中となる制御信号を送る。
【0057】
これにより、LED発光駆動部13Bの6個のPWM回路はデューテイ比中の状態で動作し、各LED1乃至6は中発光量で被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0058】
このようなLED自動調光照明装置11Bの動作は、例えば図14に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が近距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得るとともに、この場合も各LED1乃至6の消費電力はフル発光の場合よりも低減され省エネルギー化を図ることができる。
【0059】
次に、上述した本実施例3に係るLED自動調光照明装置11Bの動作において、前記制御部17Bが、前記照度レベルの信号と、前記光センサ15からの照度の信号とを比較しその差が大と判定した場合、上述したことから明らかなようにLED発光駆動部13Bの6個のPWM回路にデューテイ比フル(=1)となる制御信号を送る。
【0060】
これにより、LED発光駆動部13Bの6個のPWM回路はデューテイ比フルの状態で動作し、各LED1乃至6は大発光量で被写体Mを照明する。以上の動作が連続的に繰り返される。
【0061】
このようなLED自動調光照明装置11Bの動作は、例えば図15に示すように前記LED発光部12及び前記光センサ15と、被写体Mとの距離が遠距離の場合において有効であり、被写体Mの撮影時における被写体照度の一定化を実現し得る。
【0062】
尚、本実施例1乃至3のLED自動調光照明装置11、11A、11Bの各構成は、例えば、図示しないカメラからの信号により、照度レベルの設定及びシャッタ操作による点灯を連動させる構成とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、スチルカメラ等の各種の撮影機器用の照明装置として広範に適用できる。
【符号の説明】
【0064】
1〜6 LED
11 自動調光照明装置
11A 自動調光照明装置
11A 自動調光照明装置
12 LED発光部
13 LED発光駆動部
13A LED発光駆動部
13B LED発光駆動部
14 照度レベル設定部
15 光センサ
16 増幅回路
17 制御部
17A 制御部
17B 制御部
18 直流電源
19 基板
21 記憶部
22 比較信号出力部
23 制御信号出力部
M 被写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体照明用の可視光を発光する複数のLEDを用いたLED発光部と、
該LED発光部の発光調整機能を有するLED発光駆動部と、
被写体の照度レベルを設定する照度レベル設定部と、
被写体の照度を検出する光センサと、
前記照度レベルと、前記光センサが検出する照度とを比較し、比較結果に応じて前記LED発光部の発光光量が設定した被写体の照度レベルに適合するように前記LED発光駆動部の発光調整制御を行う制御部と、
を有することを特徴とするLED自動調光照明装置。
【請求項2】
被写体照明用の可視光を発光する複数のLEDを用いたLED発光部と、
該LED発光部を発光駆動する発光個数可変のLED発光駆動部と、
被写体の照度レベルを設定する照度レベル設定部と、
被写体の照度を検出する光センサと、
前記照度レベルと、前記光センサが検出する照度とを比較し、比較結果に応じて前記LED発光駆動部の発光駆動制御を行い、前記LED発光部のLED発光個数を増減させて発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させる制御部と、
を有することを特徴とするLED自動調光照明装置。
【請求項3】
被写体照明用の可視光を発光する複数のLEDを用いたLED発光部と、
該LED発光部を発光駆動する発光電流可変のLED発光駆動部と、
被写体の照度レベルを設定する照度レベル設定部と、
被写体の照度を検出する光センサと、
前記照度レベルと、前記光センサが検出する照度とを比較し、比較結果に応じて前記LED発光駆動部の発光駆動制御を行い、前記LED発光部の各LEDの発光電流を増減させて発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させる制御部と、
を有することを特徴とするLED自動調光照明装置。
【請求項4】
被写体照明用の可視光を発光する複数のLEDを用いたLED発光部と、
該LED発光部を発光駆動するLEDオン/オフのデューティ比可変のLED発光駆動部と、
被写体の照度レベルを設定する照度レベル設定部と、
被写体の照度を検出する光センサと、
前記照度レベルと、前記光センサが検出する照度とを比較し、比較結果に応じて前記LED発光駆動部の発光駆動制御を行い、該LED発光部における各LEDのオン/オフのデューティ比を変更して発光光量を設定した被写体の照度レベルに適合させる制御部と、
を有することを特徴とするLED自動調光照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−218794(P2010−218794A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62383(P2009−62383)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(300093467)トーカドエナジー株式会社 (21)
【Fターム(参考)】