説明

LED蛍光灯

【課題】多数の高輝度LEDを使用しても照度が低減しないLED蛍光灯を提供すること。
【解決手段】透明又は半透明の合成樹脂製管体と、その管体内部にLED点灯回路を備える基板と、その基板上の一方の側に列設された多数の広角高輝度LEDとからなる蛍光灯互換タイプのLED蛍光灯である。このLED蛍光灯の基板上に、保護回路15と電圧・電流を増幅する増幅回路18を付加した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は既設の蛍光灯器具にそのまま取り付けることができる発光ダイオード(LED)を使用した蛍光灯互換タイプのLED蛍光灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から一般に使用されている蛍光灯は、内面に蛍光体を塗布した円筒状のガラス管の内部に水銀蒸気及び不活性ガスを封入し、内側両端には電極を設け、これらの電極に接続する端子をガラス管の両端に突設した構成を有している。
このような従来の蛍光灯は、蛍光灯の始動に必要な交流電圧を与えると共に、点灯に適した電流を流す安定器と、スタート時の電圧を上げるグロー球を設けた蛍光灯器具のソケットに取り付けるように構成されている。
【0003】
また最近では、消費電力が少なく、耐久性に優れ、しかも白色光を発光させることができる高輝度LEDが開発され、多くの分野で利用されている。
そして、この高輝度白色LEDをLED点灯回路が設けられた基板に多数配置した蛍光灯互換タイプの照明装置(LED蛍光灯)も開発されている。
図2は、従来のLED蛍光灯の回路図を示している。
この図に示したLED蛍光灯は、基板上に3列、多数の高輝度LED10、10、…を列設し、基板には整流回路を設けてLED点灯回路を形成したものてあって、これを透明又は半透明の合成樹脂製の管体に収納して形成し、既存の蛍光灯器具に直接取り付けて点灯できるものである。
【0004】
蛍光灯は白熱電灯に比べて寿命は長いが、LEDに比べれば寿命が短く消費電力も大きいという欠点がある。また蛍光灯はガラス管で構成されているので衝撃に弱い。
またLEDを用いた照明装置は、耐久性に優れているが、LEDを取り付ける基板や、LEDを点灯するためのAC/DC変換器、更にはトランスおよび制御装置などの付帯機器を接続しなければならず、設備費が高くつくという問題もあった。
特に、照度を上げるためには光輝度LEDを多数基板上に配設する必要があるが、その多数のLEDを配設すると、それぞれの照度が低下するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記LEDの照度低下という問題点を解決すべく、従来のLED点灯回路を改良して多数の高輝度LEDを使用したとしても、照度の低下しないLED蛍光灯を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、透明又は半透明の管体と、その管体内部にLED点灯回路を備える基板と、その基板上に配設された複数のLEDとからなる蛍光灯互換タイプのLED蛍光灯において、電圧・電流増幅回路を付加したことを特徴とするLED蛍光灯である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るLED蛍光灯では、その電圧・電流増幅回路を付加したことにより、多数のLEDを使用してもその明るさが低減しないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明に係るLED蛍光灯の実施形態について添付図面と共に説明する。
図1は、本発明に係るLED蛍光灯の回路図である。
基板(図示省略)上には、3列に多数の高輝度LED10、10、…を列設している。
この実施形態では、全部で264個の広角高輝度LEDを3列に列設している。
この広角高輝度LEDの照射角度は120度である。
この実施形態に係る回路においては、基本的に整流回路を含むLED点灯回路が基板上に設備され、この回路に加えて、保護回路15と、電圧・電流の増幅回路18が付加されている。
【0009】
保護回路15は、ソケット、安定器、或は電源等で異常が発生した際に、出力を制御して、事故を未然に防止して、安全性を確保するためのものである。
増幅回路18は、電圧又は電流を増幅して、高輝度LED10の照度の低下を防止するための機能及び作用を果たすものである。
18Lがコイルを示し、18Cがハロゲンコンデンサーを示している。
【0010】
上記回路を有する基板とこれに列設された多数の高輝度LEDは、透明又は半透明の合成樹脂製の管体内に収納され、両端部には2本の端子が突設されており、既存の蛍光灯器具のソケットにそのまま取り付けることができる。
LED蛍光灯の全体の長さは、既存の蛍光灯管のワット数に応じた規定の長さに設定されている。
【0011】
上記構成からなるLED蛍光灯は、通常使用されている蛍光灯器具から蛍光灯管を取り外して取り付けることができる。蛍光灯器具には電圧を調整する安定器とグロー灯およびソケットが設けられているが、このソケットにLED蛍光灯の両端の端子を従来の蛍光灯管と同様に取り付けることができる。
【0012】
電源スイッチを入れると、安定器からソケットを介し、端子から交流電流が保護回路15を介して増幅回路18に通電される。その後、整流回路を介して直流電流に変換され、変換された直流電流は各高輝度LED10、10、…に供給される。これにより複数の高輝度LED10,10、…に通電され、白色に発光し、蛍光灯と同様に室内を明るく照射することができる。
【0013】
ここで、蛍光灯器具11には電圧を調整する安定器とグロー球が設けられているが、蛍光灯管のように高電圧を発生させて放電させる電極が設けられていないので、グロー球は何ら作用しない。またスタート時の高電圧を必要としないので安定器からは一定の交流電流が基板に供給され、更に増幅回路18で調整増幅されるのでLEDの点灯に何ら支障はない。
【0014】
本発明に係るLED蛍光灯の長さは、蛍光等管のワット数(10W〜110W)に応じた規定の長さに設定されるので、蛍光灯管を取外してそのまま既設の蛍光灯器具に取付けることができる。
しかもLEDの点灯に必要な回路は全て合成樹脂製の管体内部に収納されているので、、従来の蛍光灯管と同様に家庭でも簡単に取付け及び取外しを行なうことができる。
【0015】
更にLEDは基板の一方の側に配置され、光線が直接照射されるため、ガラス管全体が発光する従来の蛍光灯管に比べて効率よく照射することができる。またLEDは、蛍光灯管に比べて点灯までの時間が速く、瞬時に点灯し、また消費電力は蛍光灯管に比べて約3割程度も低減でき、発熱量も約3割程度に低減することができる。
更にLEDはランプ寿命が蛍光等管に比べて約30倍以上長く、しかも衝撃に強い上、ガラス管でなく合成樹脂製の管体を用いることができるので、衝撃に対しても強いものとなる。
そして、本発明に係るLED蛍光灯においては、上記の本実施形態では264個の高輝度LEDを使用しているが、その増幅回路により、多数の高輝度LEDを使用しても、その照度が低減することがないという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るLED蛍光灯の回路図である。
【図2】従来のLED蛍光灯の回路図である。
【符号の説明】
【0017】
10 高輝度LED
15 保護回路
18 増幅回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明又は半透明の管体と、その管体内部にLED点灯回路を備える基板と、その基板上に配設された複数のLEDとからなる蛍光灯互換タイプのLED蛍光灯において、
電圧・電流増幅回路を付加したことを特徴とするLED蛍光灯。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−130535(P2008−130535A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341916(P2006−341916)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(501286509)日本アドバンテージ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】