説明

LED表示消火栓

【課題】 火災発生時に消火活動を行えることは勿論のこと、聴覚障害者が火災の発生を迅速に知ることができると共に、聴覚障害者等が安全な方向へ自主避難できるようにする。
【解決手段】 屋内消火栓の消火栓ボックス1の扉に、少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を表示する多数のLEDランプを用いた表示部15bと、火災発生の信号を受けて表示部15bのLEDランプを選択的に発光させて表示部15bに少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を選択的に表示させる制御部15cとを備えたLED表示板15を、その表示部15bが消火栓ボックス1の正面側から視認できるように取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテルや旅館、病院、学校、駅、オフィスビル、マンション等の建物内の壁面に設置され、火災発生時に消火活動及び避難誘導に使用されるものであり、特に、火災発生時に聴覚障害者が火災の発生を迅速に知ることができると共に、聴覚障害者及び健常者が安全な方向へ自主避難できるようにしたLED表示消火栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホテルや旅館、病院等のように不特定多数の人が使用する公共施設の建物内には、火災の発生を知らせる火災警報設備や非常口等の方向を示す誘導灯、火災発生時に消火活動に使用する屋内消火栓等が夫々数個所に設置されている。
【0003】
又、消火活動に使用する屋内消火栓には、消火作業時に二人以上で操作を行う屋内消火栓(1号消火栓)や一人で操作を行う屋内消火栓(易操作性1号消火栓及び2号消火栓)が使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3等参照)。
【0004】
即ち、前者の屋内消火栓(1号消火栓)は、図示していないが、消火栓ボックス内に消火栓弁、ノズル及び折り畳んだ状態の消防用ホースを収納したものであり、一人がノズル及び消防用ホースの取り出しと消防用ホースの引き伸ばしを行い、又、他の一人が加圧送水装置(消火栓ポンプ)の起動及び消火栓弁の開放を行うようにしたものである。
【0005】
又、後者の屋内消火栓(易操作性1号消火栓及び2号消火栓)は、図示していないが、消火栓ボックス内に消火弁、開閉機構付のノズル及び渦巻き状に巻き取った状態の保形ホースを収納したものであり、ノズルの取り出し、消火弁の開放、加圧送水装置(消火栓ポンプ)の起動、保形ホースの引き伸ばし、ノズルの開放を全て一人で行うようにしたものである。
【0006】
ところで、前記各屋内消火栓には、屋内消火栓等の位置を人に明示するために常時赤色に点灯する表示灯や火災の発生を手動で知らせる押しボタン等を備えた発信機、音響により火災の発生を知らせる警報ベルが設けられている。これらは、何れも消火栓ボックスの火報扉に設けられている。
【0007】
而して、前記各屋内消火栓に於いては、火災発生時に人が発信機の押しボタンを押すか、或いは消火栓弁を開放すると、加圧送水装置(消火栓ポンプ)が起動して消火活動が可能になり、又、表示灯が点灯から点滅に変わると共に、警報ベルが鳴り響いて不特定多数の人に火災の発生を知らせるようになっている。
【0008】
しかし、上述した屋内消火栓は、何れも火災の発生を警報ベルの音響によって知らせるようにしているため、聴覚障害者や耳の悪い高齢者が火災の発生に全く気付かなかったり、或いは火災の発生を遅れて知ることがあり、火災発生時に逃げ遅れると云う問題があった。
又、屋内消火栓の他に建物内に設置した火災警報設備も、音響や音声によって火災を知らせるのが主流となっているため、聴覚障害者や耳の悪い高齢者が火災発生時に逃げ遅れると云う問題があった。
更に、建物内に誘導灯が設置されていても、この誘導灯はただ単に非常口や避難器具の位置を知らせるためのものであるため、火災発生時に誘導灯に従って逃げても、火災現場であったりすることがあり、安全性に於いて問題があった。
【0009】
尚、聴覚障害者向けに屋内消火栓の表示灯の近くにフラッシュライトを設け、火災発生時にフラッシュライトを点滅させて火災の発生を知らせるようにした屋内消火栓が開発され、実用に供されている。
しかし、この屋内消火栓に於いても、説明や教育を受けていないと、フラッシュライトの点滅が何を意味するのか、判らない場合があり、音響や音声を用いた屋内消火栓や火災警報設備と同様の問題が発生することになる。
【0010】
【特許文献1】特開2006−223447号公報
【特許文献2】実開昭6−39028号公報
【特許文献3】実開昭3−78566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、火災発生時に消火活動を行えることは勿論のこと、聴覚障害者や耳の悪い老人が火災の発生を迅速に知ることができると共に、聴覚障害者及び健常者が安全な方向へ自主避難できるようにしたLED表示消火栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1のLED表示消火栓は、消火栓ボックスの扉に、少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字例えば「5Fが東で火災発生」、「避難してください」や図形を表示する多数のLEDランプを用いた表示部と、火災発生の信号を受けて表示部のLEDランプを選択的に発光させて表示部に少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を選択的に表示させる制御部とを備えたLED表示板を、その表示部が消火栓ボックスの正面側から視認できるように取り付けたことに特徴がある。
【0013】
本発明の請求項2のLED表示消火栓は、請求項1の発明に於いて、LED表示板が非常用の蓄電池を備えており、停電時に制御部が蓄電池から電力をLEDランプへ供給して少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を表示できる構成としたことに特徴がある。
【0014】
本発明の請求項3のLED表示消火栓は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、LED表示板の制御部が、火災発生の信号を受けて少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形をスクロール表示又は一定時間ごとに切り替え表示する機能を備えていることに特徴がある。
【0015】
本発明の請求項4のLED表示消火栓は、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に於いて、消火栓ボックスの扉が、少なくとも一部の領域を透明に形成した強度性に優れた板ガラスから構成されており、LED表示板をその表示部が扉の透明な領域に臨む状態で扉の裏面側に取り付け固定したことに特徴がある。
【0016】
本発明の請求項5のLED表示消火栓は、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に於いて、消火栓ボックスの扉が、LED表示板の表示部と同じ大きさの開口窓部を形成した金属板から構成されており、LED表示板をその表示部が扉の開口窓部に臨む状態で扉の裏面側に取り付け固定したことに特徴がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1のLED表示消火栓は、消火栓ボックスの扉に少なくとも複数の文字や記号により火災の発生及び避難方向を表示するLED表示板を取り付け、当該LED表示板が火災発生の信号を受けて火災の発生及び避難方向を複数の文字や記号により表示するようにしているため、聴覚障害者や耳の悪い高齢者であっても、消火栓ボックスの扉を見ることによって、火災の発生を迅速に知ることができ、速やかに自主避難することができる。
又、このLED表示消火栓は、LED表示板により火災の発生等を知らせるようにしているため、夜間等の暗闇でも、明確に見ることができ、人に対して確実に注意を喚起できる。
【0018】
本発明の請求項2乃至請求項5のLED消火栓は、上記効果に加えて更に次のような優れた効果を奏することができる。
【0019】
即ち、本発明の請求項2のLED表示消火栓は、LED表示板が非常用の蓄電池を備え、停電時に制御部が蓄電池から電力をLEDランプへ供給して火災の発生及び避難方向を知らせる文字や図形を表示できる構成としているため、火災等による停電時であっても、表示が可能となり、火災の発生を聴覚障害者等に確実に知らせることができる。
又、このLED表示消火栓は、LEDランプを使用しているため、消費電力が少なくて済み、小型の蓄電池により長時間使用可能となる。
【0020】
本発明の請求項3のLED表示消火栓は、LED表示板の制御部が、火災発生の信号を受けて少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形をスクロール表示又は一定時間ごとに切り替え表示する機能を備えているため、視認性に優れたものとなり、聴覚障害者は勿論のこと、健常者も火災の発生や避難方向を迅速に認識することができ、素早い避難を行える。
【0021】
本発明の請求項4のLED表示消火栓は、消火栓ボックスの扉が、少なくとも一部の領域を透明に形成した強度性に優れた板ガラスから構成されており、LED表示板をその表示部が扉の透明な領域に臨む状態で扉の裏面側に取り付け固定する構成としているため、LED表示板が消火栓ボックスの前面から前方へ突出すると云うことがなく、狭い廊下等に設置しても、通行の邪魔になったり、各種荷物の搬入作業の邪魔になるのを防止することができる。
又、このLED表示消火栓は、LED表示板をその表示部が扉の透明な領域に臨む状態で扉の裏面側に取り付けているため、LED表示板の表示部を強度性に優れた板ガラスで保護することができ、LED表示板の保護用の板ガラスを省略することができる。
【0022】
本発明の請求項5のLED消火栓は、消火栓ボックスの扉が、LED表示板の表示部と同じ大きさの開口窓部を形成した金属板から構成されており、LED表示板をその表示部が扉の開口窓部に臨む状態で扉の裏面側に取り付け固定する構成としているため、LED表示板が消火栓ボックスの前面から前方へ突出すると云うことがなく、狭い廊下等に設置しても、通行の邪魔になったり、各種荷物の搬入作業の邪魔になるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図4は本発明の実施の形態に係るLED表示消火栓を示し、当該LED表示消火栓は、ホテルや旅館、学校、病院、駅、オフィスビル、マンション等の建物内に設置され、火災発生時に消火活動及び避難誘導に使用されるものであり、特に、火災発生時に聴覚障害者が火災の発生を迅速に知ることができると共に、聴覚障害者及び健常者が安全な方向へ自主避難できるようにしたものである。
【0024】
即ち、前記LED表示消火栓は、図1及び図2に示す如く、建物の廊下等の壁面に埋め込まれる開閉可能な消火栓ボックス1と、消火栓ボックス1内に配設された消火栓ポンプ起動スイッチ(図示省略)付きの消火栓弁10と、基端部が消火栓弁10に接続された長尺状の保形ホース11と、保形ホース11の先端部に接続された開閉機構付きのノズル12と、保形ホース11を渦巻き状に巻き取った状態で且つ引き出し可能に消火栓ボックス1内に保持する一対の回転自在なローラ13と、消火栓ボックス1内に配設された放水口を形成する放水弁14と、消火栓ボックス1の扉(主扉6)に取り付けられ、火災の発生や避難方向等を文字や図形により表示するLED表示板15と、消火栓ボックス1内に収納されたAED16(自動体外式除細動器)等から成る易操作性1号消火栓に構成されており、火災発生時に消火活動に用いられると共に、LED表示板15により火災の発生及び避難方向を聴覚障害者や健常者に知らせるようにしたものである。
【0025】
具体的には、前記消火栓ボックス1は、図1乃至図3に示す如く、壁面に埋め込まれる前面が開放されたボックス本体2と、ボックス本体2の開口周縁部に取り付けた枠体3と、ボックス本体2内の空間をホース収納部S1、警報機器収納部S2、放水弁収納部S3及びAED収納部S4に夫々区画する複数の仕切壁4と、枠体3に蝶番5を介して回動自在に取り付けられ、ボックス本体2のホース収納部S1を開閉する主扉6と、ボックス本体2の警報機器収納部S2を開閉可能に覆う火報扉7と、枠体3に蝶番5を介して回動自在に取り付けられ、ボックス本体2の放水弁収納部S3を開閉する放水口用扉8と、枠体3に蝶番5を介して回動自在に取り付けられ、ボックス本体2のAED収納部S4を開閉するAED用扉9とから構成されている。
又、消火栓ボックス1の主扉6、放水口用扉8及びAED用扉9は、何れも強度性に優れた模様入りの板ガラス(この例では、エッチングによりストライプの模様を入れた板状の強化ガラス)により形成されており、プッシュ式マグネットキャッチ17により閉じた状態に保持されている。
更に、主扉6の略中央部には、LED表示板15の表示部15bが臨む矩形状の透明な領域6aが形成され、又、AED用扉9には、AED16の設置場所を示す文字及びマークを表示した矩形状の透明な領域9aが形成されている。
【0026】
そして、前記消火栓ボックス1の火報扉7には、火災の発生を通報すると共に、消火栓ポンプ26を起動するスイッチを兼用する押しボタンを備えた発信機18と、発信機18やLED表示消火栓の位置を人に明示するために常時赤色に点灯している表示灯19と、火災の発生を音響孔20を通して音により知らせる警報ベル(図示省略)と、AED16の使用方法を表示する液晶ディスプレイ21とが夫々設けられている。
【0027】
前記LED表示板15は、図5に示す如く、正面側中央部に開口15a′を有する長尺板状のケース15aと、ケース15a内に開口15a′に望む状態で配設され、プリント配線基板の表面に多数のLEDランプをドットマトリックス状に配置して文字や図形、記号をカラー表示(又は白黒表示)する表示部15bと、ケース15a内に配設され、火災発生の信号を受けて表示部15bのLEDを選択的に発光させて表示部15bに少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字(例えば、「火災」、「5F東で火災発生」、「避難してください」等)や図形を選択的に表示させる制御部15cと、ケース15a内に配設され、停電時に制御部15cからの制御信号によりLEDランプへ電力を供給する非常用の蓄電池15dとを備えている。
【0028】
又、LED表示板15は、通常時の作動電源に商用電源を使用し、制御部15cが商用電源からの電力を表示部15bへ供給して表示部15bのLEDランプを発光させるようになっており、火災等による停電時に商用電源が電力の供給を停止すると、制御部15cが作動電源を商用電源から蓄電池15dに自動的に切り換え、蓄電池15dからの電力を表示部15bへ供給して表示部15bのLEDランプを発光させるようになっている。
更に、LED表示板15は、停電が回復すると、制御部15cが作動電源を蓄電池15dから商用電源へ自動的に切り換え、商用電源からの電力を表示部15bへ供給して表示部15bのLEDランプを発光させるようになっている。尚、蓄電池15dは、商用電源によって充電されている。
【0029】
そして、前記LED表示板15は、その表示部15bが主扉6の透明な領域6aに臨む状態で主扉6の裏面側に複数のビス21により取り付け固定されており、平常時には、制御部15cからの信号により表示部15bが「消火栓」の文字や消火栓を製造・販売している会社の「社名」や「ロゴマーク」等を表示する。
又、LED表示板15は、火災発生時には、発信機18からの信号や建物内に設置した火災報知器からの信号、消火栓ポンプ26の起動信号を受けて火災受信機24が作動し、この火災受信機24から火災発生信号が制御部15cへ入力されることにより、避難方向が決定されると共に、制御部15cからの制御信号により、表示部15bが「消火栓」の文字、「火災」の文字、避難方向を示す「矢印」等の図形をスクロール表示又は一定時間ごとに切り替え表示するようになっている。
【0030】
このように構成されたLED表示消火栓は、平常時にはLED表示板15の表示部15bが「消火栓」の文字を赤色で表示しており、常時赤色に点灯している表示灯19とLED表示板15の表示部15bとによりLED表示消火栓及び発信機18の位置を人に明示している。
尚、平常時にLED表示板15の表示部15bが消火栓を製造・販売している会社の「社名」や「ロゴマーク」等を表示させた場合には、会社のイメージアップや宣伝になる。
【0031】
前記LED表示消火栓は、火災発生時に人が発信機18の押しボタンを押すか、又は消火栓弁10を開放するか、或いは建物の廊下や室内の天井に設置した火災感知器23(熱感知器、煙感知器又は炎感知器)が火災を感知すると、図5に示すように火災発生の信号が建物の防災センターや管理室等に設置されている火災受信機24に送られ、火災受信機24からの信号がポンプ制御盤25に送られてポンプ制御盤25が消火栓ポンプ26を起動し、又、火災受信機24からの信号をLED表示板15の制御部15cが受け、LED表示板15の表示部15bが図4(A)〜(C)に示すように「消火栓」の文字、「火災」の文字、避難方向を示す「矢印」等の図形をスクロール表示又は一定時間ごとに切り替え表示する。
その結果、聴覚障害者や耳の悪い高齢者であっても、消火栓ボックス1の扉(主扉6)を見ることによって、火災の発生を迅速に知ることができ、速やかに自主避難することができる。又、このLED表示消火栓は、LED表示の他に、警報ベルによっても不特定多数の人に火災の発生を知らせることは勿論である。
【0032】
前記LED表示消火栓は、LED表示板15の表示部15bに火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形をスクロール表示又は一定時間ごとに切り替え表示しているため、視認性に優れたものとなり、聴覚障害者は勿論のこと、健常者も火災の発生や避難方向を迅速に認識することができる。
又、LED表示消火栓は、LED表示板15を使用しているため、夜間等の暗闇でも、明確に見ることができ、人に対して確実に注意を喚起できる。
更に、LED表示消火栓は、LED表示板15が非常用の蓄電池15dを備えているため、火災等による停電時であっても、表示が可能となり、火災の発生を聴覚障害者等に確実に知らせることができる。
加えて、LED表示消火栓は、火災感知器23にR型の火災感知器23(火災感知器23が個々にアドレスを有し、火災感知時に火災送信に加えてアドレスデータの送信を行う火災感知器23)を使用すると、火災の場所を特定することができるので、火災受信機24からの信号によりLED表示板15の表示部15bに表示される「避難方向」を火災の場所から遠ざかる方向とすることができ、火災発生時に避難者を火災現場から遠ざかる位置へ確実且つ良好に誘導することができる。
そのうえ、LED表示消火栓は、AED16を収納しているため、消火活動や避難誘導の他に、AED16を使用することによって、突然心臓が止まって倒れてしまった人を蘇生させることができるうえ、新たにAED16設置用のボックスを新たに設置したりする必要もない。
【0033】
図6は本発明の実施の形態に係るLED表示消火栓を示し、当該LED表示消火栓は、主扉6、放水口用扉8、AED用扉9を夫々金属板により形成すると共に、主扉6及びAED用扉9に透明な強化ガラスを嵌め込んだ開口窓部6b,9bを形成し、LED表示板15をその表示部15bが主扉6の開口窓部6bに臨む状態で主扉6の裏面側に取り付け固定したものである。
このLED表示消火栓は、主扉6、放水口用扉8、AED用扉9を金属板としたこと以外は、図1に示すLED表示消火栓と同一形状及び同一構造に構成されており、図1に示すLED表示消火栓と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
このLED表示消火栓も、図1に示すLED表示消火栓と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
尚、上記の実施の形態に於いては、LED表示板15を一人操作が可能な保形ホース11を用いた易操作性1号消火栓の消火栓ボックス1の扉(主扉6)に取り付けるようにしたが、他の実施の形態に於いては、LED表示板15を1号消火栓や2号消火栓の消火栓ボックス1の扉に取り付けるようにしても良い。
【0035】
上記の実施の形態に於いては、LED表示板15を消火栓ボックス1の主扉6に取り付け固定するようにしたが、他の実施の形態に於いては、LED表示板15を火報扉7や放水口用扉8、AED用扉9に取り付け固定するようにしても良い。
【0036】
上記の実施の形態に於いては、LED表示板15を消火栓ボックス1の主扉6の裏面側に取り付け固定するようにしたが、他の実施の形態に於いては、LED表示板15を主扉6の表面側に取り付け固定するようにしても良い。
【0037】
上記の実施の形態に於いては、消火栓ボックス1の主扉6、放水口用扉8及びAED用扉9を模様入りの強化ガラスにより形成し、主扉6及びAED用扉9の一部に透明な領域6a,9aを形成するようにしたが、他の実施の形態に於いては、主扉6、放水口用扉8及びAED用扉9を全て透明な強化ガラスにより形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係るLED表示消火栓の正面図である。
【図2】LED表示消火栓の消火栓ボックスの扉及び枠体を省略した状態の正面図である。
【図3】LED表示消火栓の一部を省略した概略横断面図である。
【図4】LED表示消火栓の要部を示し、(A)はLED表示板の表示部に「消火栓」の文字を、(B)はLED表示板の表示部に「火災」の文字を、(C)はLED表示板の表示部に避難方向を示す矢印と図形を夫々表示した状態の主扉の要部の正面図である。
【図5】LED表示消火栓を用いた消火設備の一例を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係るLED表示消火栓の正面図である。
【符号の説明】
【0039】
1は消火栓ボックス、6は主扉、6aは透明な領域、6bは開口窓部、15はLED表示板、15bは表示部、15cは制御部、15dは蓄電池。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内消火栓の消火栓ボックス(1)の扉(6)に、少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を表示する多数のLEDランプを用いた表示部(15b)と、火災発生の信号を受けて表示部(15b)のLEDランプを選択的に発光させて表示部(15b)に少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を選択的に表示させる制御部(15c)とを備えたLED表示板(15)を、その表示部(15b)が消火栓ボックス(1)の正面側から視認できるように取り付けたことを特徴とするLED表示消火栓。
【請求項2】
LED表示板(15)は、非常用の蓄電池(15d)を備えており、停電時に制御部(15c)が蓄電池(15d)から電力をLEDランプへ供給して少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形を表示できる構成としたことを特徴とする請求項1に記載のLED表示消火栓。
【請求項3】
LED表示板(15)の制御部(15c)は、火災発生の信号を受けて少なくとも火災の発生及び避難方向を知らせる複数の文字や図形をスクロール表示又は一定時間ごとに切り替え表示する機能を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のLED表示消火栓。
【請求項4】
消火栓ボックス(1)の扉(6)は、少なくとも一部の領域を透明に形成した強度性に優れた板ガラスから構成されており、LED表示板(15)をその表示部(15b)が扉(6)の透明な領域(6a)に臨む状態で扉(6)の裏面側に取り付け固定したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のLED表示消火栓。
【請求項5】
消火栓ボックス(1)の扉(6)は、LED表示板(15)の表示部(15b)と同じ大きさの開口窓部(6b)を形成した金属板から構成されており、LED表示板(15)をその表示部(15b)が扉(6)の開口窓部(6b)に臨む状態で扉(6)の裏面側に取り付け固定したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のLED表示消火栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−12032(P2010−12032A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174752(P2008−174752)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(390031554)株式会社横井製作所 (9)
【Fターム(参考)】