説明

LED電球

【課題】演色性の向上とグレアの低減とを実現したLED電球を提供する。
【解決手段】LED電球1は、LEDモジュール2と、LEDモジュール2が設置された基体部3と、基体部3に取り付けられたグローブ4とを具備する。LEDモジュール2は、基板7上に実装された紫外乃至紫色発光のLEDチップ8を備える。基体部3には点灯回路と口金6とが設けられる。グローブ4の内面には、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子を含む紫外乃至紫色光吸収層9と、LEDチップ8から出射された紫外乃至紫色光を吸収して白色光を発光する蛍光膜10とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はLED電球に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)を用いた発光装置は、液晶表示装置のバックライト、信号装置、各種スイッチ類、車載用ランプ、一般照明等の照明装置に幅広く利用されている。特に、LEDと蛍光体とを組合せた白色発光型のLEDランプは、白熱電球の代替品として注目されており、その開発が急速に進められている。LEDランプを適用した電球(以下、LED電球と記す)としては、例えば電球口金が設けられた基体部にグローブを取り付けると共に、グローブ内にLEDチップを配置し、さらに基体部内にLEDチップの点灯回路を設けた一体型のランプ構造を有するものが知られている。
【0003】
従来のLED電球においては、青色発光のLEDチップ(青色LED)と、青色LEDから出射された青色光を吸収して黄色光を発光する黄色蛍光体(YAG蛍光体等)との組合せが適用されており、青色LEDから出射された青色光とそれを吸収して黄色蛍光体が発光する黄色光との混色により白色光を得ている。青色LEDと黄色蛍光体とを組合せたLED電球は、明るさを確保しやすいというような特徴を有する。しかしながら、青色LEDからの青色光と黄色蛍光体からの黄色光との混色に基づく白色光は、平均演色評価数(Ra)等で評価される演色性に劣るという難点を有する。
【0004】
従来の青色LEDと黄色蛍光体とを組合せたLED電球は、光の分布が青色成分と黄色成分とに偏っており、赤色成分の光が不足しているため、LED電球からの光で物体を見たときの反射光が太陽光の下で見る自然色とは異なるという難点を有している。また、従来のLED電球では、青色LEDから出射された光が白色光の生成に使用されるため、電球全体の輝度を均一化することが難しく、これにより電球のぎらつきや局所的なまぶしさ、いわゆるグレアを低減することが困難であるという難点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−005546号公報
【特許文献2】特開2009−170114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、演色性の向上とグレアの低減とを実現したLED電球を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のLED電球は、LEDモジュールと、LEDモジュールが設置された基体部と、LEDモジュールを覆うように基体部に取り付けられたグローブとを具備する。LEDモジュールは、基板上に実装された紫外乃至紫色発光のLEDチップを備える。基体部には、LEDチップを点灯させる点灯回路と、点灯回路と電気的に接続された口金とが設けられている。グローブの内壁面上には、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子を含む紫外乃至紫色光吸収層が設けられている。グローブの内面側には、紫外乃至紫色光吸収層を介して蛍光膜が設けられている。蛍光膜はLEDチップから離間させて設けられており、LEDチップから出射された紫外乃至紫色光を吸収して白色光を発光するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態によるLED電球を一部断面で示す図である。
【図2】第2の実施形態によるLED電球を示す図である。
【図3】実施例におけるLED電球の紫外乃至紫色光吸収層の構成粒子の平均粒子径と光束との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態のLED電球について、図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態によるLED電球を一部断面で示す図である。図2は第2の実施形態によるLED電球を示す図である。これらの図に示すLED電球1は、LEDモジュール2と、LEDモジュール2が設置された基体部3と、LEDモジュール2を覆うように基体部3上に取り付けられたグローブ4と、基体部3の下端部に絶縁部材5を介して取り付けられた口金6と、基体部3内に設けられた点灯回路(図示せず)とを具備する。
【0010】
LEDモジュール2は、基板7上に実装された紫外乃至紫色発光のLEDチップ8を備えている。基板7上には複数のLEDチップ8が面実装されている。紫外乃至紫色発光のLEDチップ8には、InGaN系、GaN系、AlGaN系等の発光ダイオードが用いられる。基板7の表面(さらに必要に応じて内部)には、配線網(図示せず)が設けられており、LEDチップ8の電極は基板7の配線網と電気的に接続されている。LEDモジュール2の側面もしくは底面には、図示を省略した配線が引き出されており、この配線が基体部3内に設けられた点灯回路(図示せず)と電気的に接続されている。LEDチップ8は、点灯回路を介して印加される直流電圧により点灯する。
【0011】
グローブ4の内面側には、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子を含む紫外乃至紫色光吸収層9を介して蛍光膜10が設けられている。紫外乃至紫色光吸収層9については後述する。蛍光膜10はLEDチップ8から出射された紫外乃至紫色光を吸収して白色光を発光するものであり、従来の蛍光体粒子をLEDチップの封止樹脂中に分散させたLEDモジュールとは異なり、LEDチップ8から離間するように設けられている。LED電球1に印加された電気エネルギーはLEDチップ8で紫外乃至紫色光に変換され、さらに蛍光膜10でより長波長の光に変換されて白色光として放出される。LED電球1から放出される白色光は、従来の青色LEDと黄色蛍光体とを組合せたLED電球とは異なり、実質的に蛍光膜10の発光のみにより構成される。
【0012】
LED電球1はグローブ4の内面全体に設けられた蛍光膜10を発光させているため、従来の蛍光体粒子を封止樹脂中に分散させたLEDモジュールとは異なり、蛍光膜10全体が面発光し、蛍光膜10から全方位に白色光が広がる。また、従来の青色LEDと黄色蛍光体とを組合せたLED電球とは異なり、蛍光膜10からの発光のみで白色光を得ているため、局所的な輝度ムラ等を抑制することができる。これらによって、ぎらつきが無く、均一で柔らかい白色光が得られる。すなわち、LED電球1のグレアを従来の青色LEDと黄色蛍光体とを組合せたLED電球に比べて大幅に低減することが可能となる。
【0013】
グローブ4の形状は特に限定されるものではなく、図1に示すようなドーム型形状や図2に示すようなナス型形状を適用することができる。なお、図2ではグローブ4内の構成の図示を省略したが、グローブ4の形状が異なることを除いて、図2に示すLED電球1は図1に示すLED電球1と同様な構成を備えている。グローブ4の形成材料は透光性を有するものであればよく、例えばガラス製や樹脂製等のグローブ4が使用される。グローブ4は、例えば白熱電球と同等の大きさを有している。
【0014】
LED電球1の発光色は、LEDチップ8の発光波長と蛍光膜10を構成する蛍光体との組合せにより決定される。紫外乃至紫色光のLEDチップ8と組合せて白色光を得るにあたって、蛍光膜10は青色蛍光体、緑色乃至黄色蛍光体、及び赤色蛍光体を含む混合蛍光体(BGR又はBYR蛍光体)で構成することが好ましい。混合蛍光体は、さらに青緑色蛍光体及び深赤色蛍光体から選ばれる少なくとも1種の蛍光体を含んでいてもよい。混合蛍光体を構成する各蛍光体は特に限定されるものではないが、LEDチップ8からの紫外乃至紫色光との組合せ、また得られる白色光の色温度や演色性(平均演色評価数Ra等)の観点から以下に示す蛍光体を使用することが好ましい。
【0015】
青色蛍光体としては、発光のピーク波長が430〜460nmの範囲の蛍光体が用いられ、例えば式(1)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)付活アルカリ土類クロロ燐酸塩蛍光体を使用することが好ましい。
一般式:(Sr1-x-y-zBaxCayEuz5(PO43・Cl …(1)
(式中、x、y、及びzは0≦x<0.5、0≦y<0.1、0.005≦z<0.1を満足する数である)
【0016】
緑色乃至黄色蛍光体としては、発光のピーク波長が490〜580nmの範囲の蛍光体が用いられ、例えば式(2)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)及びマンガン(Mn)付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、式(3)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)及びマンガン(Mn)付活アルカリ土類珪酸塩蛍光体、式(4)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)付活サイアロン蛍光体、及び式(5)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)付活サイアロン蛍光体から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
一般式:(Ba1-x-y-zSrxCayEuz)(Mg1-uMnu)Al1017 …(2)
(式中、x、y、z、及びuは0≦x<0.2、0≦y<0.1、0.005<z<0.5、0.1<u<0.5を満足する数である)
一般式:(Sr1-x-y-z-uBaxMgyEuzMnu2SiO4 …(3)
(式中、x、y、z、及びuは0.1≦x≦0.35、0.025≦y≦0.105、0.025≦z≦0.25、0.0005≦u≦0.02を満足する数である)
一般式:(Si,Al)6(O,N)8:Eux …(4)
(式中、xは0<x<0.3を満足する数である)
一般式:(Sr1-xEuxαSiβAlγδω …(5)
(式中、x、α、β、γ、δ、及びωは0<x<1、0<α≦3、12≦β≦14、2≦γ≦3.5、1≦δ≦3、20≦ω≦22を満足する数である)
【0017】
赤色蛍光体としては、発光のピーク波長が580〜630nmの範囲の蛍光体が用いられ、例えば式(6)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)付活酸硫化ランタン蛍光体、式(7)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)付活カズン蛍光体、及び式(8)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)付活サイアロン蛍光体から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
一般式:(La1-x-yEuxy22S …(6)
(式中、MはSm、Ga、Sb、及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x及びyは0.08≦x<0.16、0.000001≦y<0.003を満足する数である)
一般式:(Ca1-x-ySrxEuy)SiAlN3 …(7)
(式中、x及びyは0≦x<0.4、0<x<0.5を満足する数である)
一般式:(Sr1-xEuxαSiβAlγδω …(8)
(式中、x、α、β、γ、δ、及びωは0<x<1、0<α≦3、5≦β≦9、1≦γ≦5、0.5≦δ≦2、5≦ω≦15を満足する数である)
【0018】
青緑色蛍光体としては、発光のピーク波長が460〜490nmの範囲の蛍光体が用いられ、例えば式(9)で表される組成を有するユーロピウム(Eu)及びマンガン(Mn)付活アルカリ土類珪酸塩蛍光体を使用することが好ましい。
一般式:(Ba1-x-y-z-uSrxMgyEuzMnu2SiO4 …(9)
(式中、x、y、z、及びuは0.1≦x≦0.35、0.025≦y≦0.105、0.025≦z≦0.25、0.0005≦u≦0.02を満足する数である)
【0019】
深赤色蛍光体としては、発光のピーク波長が630〜780nmの範囲の蛍光体が用いられ、例えば式(10)で表される組成を有するマンガン(Mn)付活マグネシウムフロロジャーマネート蛍光体を使用することが好ましい。
一般式:αMgO・βMgF2・(Ge1-xMnx)O2 …(10)
(式中、α、β、及びxは3.0≦α≦4.0、0.4≦β≦0.6、0.001≦x≦0.5を満足する数である)
【0020】
混合蛍光体を構成する各蛍光体の比率は、LED電球1の発光色等に応じて適宜に設定されるものであるが、例えば混合蛍光体は質量割合で、10〜60%の範囲の青色蛍光体、0〜10%の範囲の青緑色蛍光体、1〜30%の範囲の緑色乃至黄色蛍光体、30〜90%の範囲の赤色蛍光体、及び0〜35%の範囲の深赤色蛍光体を含むことが好ましい。このような混合蛍光体によれば、相関色温度が6500K〜2500Kというような広範囲の白色光を同一蛍光種で得ることができる。従来の青色LEDと黄色蛍光体との組合せの場合、2色の組合せのみでは2800Kの電球色を、偏差を含めて調整することは困難であり、青色励起で発光する赤色蛍光体を追加することが必要となる。
【0021】
蛍光膜10は、例えば混合蛍光体の粉末をバインダ樹脂等と混合し、この混合物(例えばスラリー)をグローブ4の内面に塗布した後に加熱・硬化させることによって形成される。混合蛍光体粉末は平均粒子径(粒度分布の中位値(D50))が3〜50μmの範囲であることが好ましい。このような平均粒子径を有する混合蛍光体(蛍光体粒子)を使用することによって、LEDチップ8から出射される紫外乃至紫色光の蛍光膜10による吸収効率を高めることができ、LED電球1の輝度を向上させることが可能となる。また、蛍光膜10の膜厚は200〜800μmの範囲とすることが好ましい。蛍光膜10の膜厚が200μm未満であると白色光の輝度が不十分になるおそれがあり、また800μmを超えるとLED電球1の明るさが低下するおそれがある。
【0022】
LED電球1の励起源として紫外乃至紫色発光のLEDチップ8を使用した場合には、従来の青色LEDと黄色蛍光体とを組合せたLED電球とは異なり、上述したように蛍光膜10を種々の蛍光体で構成することができる。すなわち、蛍光膜10を構成する蛍光体種の選択幅が広がるため、LED電球1から放出される白色光の演色性等を高めることができる。具体的には、相関色温度が6500K以下で、平均演色評価数(Ra)が85以上の白色光を得ることができる。このような白色光を得ることによって、白熱電球の代替品としてのLED電球1の実用性等を向上させることが可能となる。
【0023】
LEDチップ8は紫外乃至紫色発光タイプ(発光ピーク波長が350〜430nm)のLEDであればよいが、特に発光ピーク波長が370〜410nmの範囲であると共に、発光スペクトルの半値幅が10〜15nmのLEDチップ8を使用することが好ましい。このようなLEDチップ8と上述した混合蛍光体(BGR又はBYR蛍光体、さらに必要に応じて青緑蛍光体や深赤色蛍光体を加えた混合蛍光体)で構成した蛍光膜10とを組合せて使用した場合、相関色温度(発光色)についてはLEDチップ8の出力バラツキにかかわらず安定した白色光を得ることができ、LED電球1の歩留りを高めることが可能となる。従来の青色LEDと黄色蛍光体との組合せは、LEDチップの出力バラツキが直接相関色温度(発光色)に影響するため、LED電球の歩留りが低下しやすい。
【0024】
また、基板7上に面実装された複数のLEDチップ8は、透明樹脂層11で覆われていることが好ましい。すなわち、LEDモジュール2は、基板7上に面実装された複数のLEDチップ8と、複数のLEDチップ8を覆うように基板7上に設けられた透明樹脂層11とを備えることが好ましい。透明樹脂層11には、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等が用いられ、特に耐紫外線性に優れるシリコーン樹脂を使用することが好ましい。このように、複数のLEDチップ8を透明樹脂層11で覆うことによって、各LEDチップ8から出射された光が互いに伝播し、グレアの一因となる局所的な光の強弱が緩和されると共に、光の取出し効率を高めることができる。
【0025】
ところで、蛍光膜10の励起源として紫外乃至紫色発光のLEDチップ8を用いた場合、グローブ4からの紫外線の漏出を抑制することが重要となる。グローブ4から漏出した紫外線は、LED電球1の近傍やLED電球1が配置された室内空間等に存在する印刷物、食品、薬品、人体等に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、この実施形態のLED電球1においては、グローブ4の内壁面上に紫外乃至紫色光吸収層9を設けている。紫外乃至紫色光吸収層9はグローブ4の内面と蛍光膜10との間に形成されている。紫外乃至紫色光吸収層9は、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子を含む粒子層であり、これにより蛍光膜10を通過した紫外乃至紫色光がグローブ4から外部空間に漏出することを抑制することが可能となる。
【0026】
酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子は、いずれも可視光は透過し、かつ紫外乃至紫色領域に吸収のピークを有することから、蛍光膜10を通過した紫外乃至紫色光を吸収し、グローブ4からの紫外乃至紫色光の漏出を抑制することができる。いずれの粒子もバルクで紫外線を吸収するが、特に酸化亜鉛は紫外線の吸収力が強いため、グローブ4からの紫外乃至紫色光の漏出をより有効に抑制することができる。紫外乃至紫色光吸収層9は10〜600μmの範囲の厚さを有することが好ましい。紫外乃至紫色光吸収層9の厚さが10μm未満であると、紫外乃至紫色光の吸収効果が十分に得られないおそれがあり、また600μmを超えると蛍光膜10から発光される白色光の輝度が低下するおそれがある。
【0027】
紫外乃至紫色光吸収層9を構成する粒子(酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子)は、0.1μm以下の平均粒子径を有することが好ましい。このような平均粒子径を有する粒子で紫外乃至紫色光吸収層9を構成することによって、蛍光膜10が発光する白色光の散乱が抑制される。従って、LED電球1の発光効率の低下を抑制することが可能となる。紫外乃至紫色光吸収層9を構成する粒子の平均粒子径が0.1μmを超えると、蛍光膜10が発光する白色光の散乱が大きくなり、これによりLED電球1の発光効率が低下しやすくなる。すなわち、紫外乃至紫色光吸収層9を平均粒子径が0.1μm以下の粒子で構成することによって、グローブ4からの紫外線の漏出を抑制しつつ、発光効率に優れるLED電球1を提供することが可能となる。
【0028】
この実施形態のLED電球1は上述した紫外乃至紫色光吸収層9によって、例えばグローブ4からの紫外乃至紫色光の漏出量(漏出する紫外線のエネルギー量)を0.03mW/nm/lm(ルーメンス)未満とすることができる。このような紫外線の漏れ量であれば、蛍光灯等の従来の照明器具と同等レベルもしくはそれ以下であり、LED電球1の近傍やLED電球1が配置された室内空間等に存在する印刷物の色劣化、食品や薬品の変質、人体等への悪影響を極力抑えることができ、LED電球1の実用性を高めることが可能となる。また、LED電球1の発光効率に関しては、例えば40lm/W以上を実現することができる。ここで、紫外乃至紫色光の漏出量は、LED電球1の発光スペクトルにおける370〜415nmの範囲の紫外乃至紫色発光のピーク値(単位:mW/nm)を、LED電球1の光束(単位:lm)で除した値を示すものとする。
【0029】
この実施形態のLED電球1は、例えば以下のようにして作製される。まず、紫外乃至紫色光吸収層9の構成粒子を含むスラリーを調製する。粒子スラリーは、例えば酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粉末をシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等のバインダ樹脂と混合して調製される。また、蛍光体粉末を含む蛍光体スラリーを調製する。蛍光体スラリーは、例えば蛍光体粉末をシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等のバインダ樹脂やアルミナ、シリカ等の充填材と混合して調製される。蛍光体とバインダ樹脂との混合比は、蛍光体の種類や粒子径により適宜に選択されるが、例えば蛍光体とバインダ樹脂との合計量に対してバインタ樹脂量を1〜30質量%の範囲とすることが好ましい。蛍光体の種類、平均粒子径、混合比等は目的とする白色光に応じて、前述した条件範囲から適宜に設定することが好ましい。
【0030】
次に、グローブ4の内面に粒子スラリーと蛍光体スラリーを順に塗布する。これらスラリーの塗布は、例えばスプレー法やディップ法、あるいはグローブ4を回転させる方法等により実施され、グローブ4の内面に均一に塗布する。次いで、粒子スラリーの塗布膜と蛍光体スラリーの塗布膜との積層膜を、ドライヤやオーブン等の加熱装置を用いて加熱乾燥させることによって、グローブ4の内面側に紫外乃至紫色光吸収層9と蛍光膜10とを形成する。紫外乃至紫色光吸収層9や蛍光膜10の膜厚は、各スラリー中の固形分量、バインダ粘度、硬化温度や時間等により調整することができる。この後、LEDモジュール2や口金6等を設置した基体部3に、紫外乃至紫色光吸収層9と蛍光膜10とを有するグローブ4を取り付けることによって、目的とするLED電球1を作製する。
【実施例】
【0031】
次に、具体的な実施例及びその評価結果について述べる。
【0032】
(実施例1)
青色蛍光体として平均粒子径が40μmのEu付活アルカリ土類クロロ燐酸塩((Sr0.604Ba0.394Eu0.0025(PO43Cl)蛍光体と、緑色乃至黄色蛍光体として平均粒子径が17μmのEu及びMn付活アルカリ土類珪酸塩((Sr0.675Ba0.25Mg0.0235Eu0.05Mn0.00152SiO4)蛍光体と、赤色蛍光体として平均粒子径が45μmのEu付活酸硫化ランタン((La0.9Eu0.122S)蛍光体とを用意した。
【0033】
上述した青色蛍光体と緑色乃至黄色蛍光体と赤色蛍光体とを、白色光の色温度が3000Kとなるように、18.8%、4.4%、76.8%の質量割合で混合して混合蛍光体を調製した。また、紫外乃至紫色光吸収層を構成する粒子として、平均粒子径が38nmの酸化セリウム(CeO2)粉末を用意した。これら混合蛍光体と酸化セリウム粉末とを用いて、以下のようにしてLED電球を作製した。まず、酸化セリウム粉末をバインダ樹脂としてのシリコーン樹脂に分散させて粒子スラリーを調製した。同様に、混合蛍光体をバインダ樹脂としてのシリコーン樹脂に分散させて蛍光体スラリーを調製した。
【0034】
次に、グローブ内に所望の膜厚となる量の粒子スラリーを投入し、グローブの内面に均一に広がるように角度を変化させながらグローブを回転させた。赤外線ヒータやドライヤ等を用いて、粒子スラリーが硬化し始めて塗布膜が流れなくなるまで加熱した。次いで、グローブ内に所望の膜厚となる量の蛍光体スラリーを投入し、同様に角度を変化させながらグローブを回転させた。また同様に、蛍光体スラリーが硬化し始めて塗布膜が流れなくなるまで加熱した。この後、オーブン等を用いて100℃×5時間程度の条件で熱処理し、粒子スラリーの塗布膜と蛍光体スラリーの塗布膜を完全に硬化させた。
【0035】
このようにして形成した粒子層(紫外乃至紫色光吸収層)の膜厚は10μmであり、粒子層中の固形分量(粒子量)は約30質量%であった。また、蛍光膜の膜厚は540μmであった。また、LEDモジュールは発光ピーク波長が400nm、発光スペクトルの半値幅が15nmのLEDチップを126個使用し、これらLEDチップを基板上に面実装し、さらにシリコーン樹脂で被覆して構成したものを使用した。グローブはポリカーボネート製のドーム型形状を有するものを使用した。グローブの厚さは約1mmである。これらの構成部品を使用して組み立てたLED電球を後述する特性評価に供した。
【0036】
(実施例2〜8)
粒子層(紫外乃至紫色光吸収層)の膜厚を表1に示す厚さに変更する以外は、実施例1と同様にしてLED電球を組み立てた。これらLED電球を後述する特性評価に供した。
【0037】
(比較例1)
粒子層(紫外乃至紫色光吸収層)を形成せずに、グローブの内面に直接蛍光体膜を形成する以外は、実施例1と同様にしてLED電球を組み立てた。このLED電球を後述する特性評価に供した。
【0038】
(比較例2)
青色発光のLEDチップと黄色蛍光体(YAG蛍光体)との組合せを適用したLED電球を用意し、これを後述する特性評価に供した。黄色蛍光体からなる蛍光膜は青色LEDチップの直上に塗布されており、これらによりLED電球が構成されている。
【0039】
次に、実施例1〜8及び比較例1〜2の各LED電球を25℃の環境下で点灯(消費電力:8.7W)させ、各LED電球から放出される白色光の光束、発光効率、相関色温度、平均演色評価数Raを測定した。これらの特性はラブズフェア社製SLMS全光束測定システムにより測定した。また、各LED電球を点灯した際の紫外乃至紫色光の漏れ量を測定した。紫外乃至紫色光の漏れ量は、上記測定システムにより測定されたスペクトルにおいて、370nm以上415nm以下の範囲の紫外乃至紫色発光のピーク値(単位:mW/nm)をLED電球の光束(単位:lm)で除した値(単位:mW/nm/lm)で示している。これらの測定・評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1から明らかなように、実施例1〜8によるLED電球は紫外線の漏れ量が少なく、また実用的な明るさが得られていることが分かる。紫外乃至紫色光吸収層の厚さが600μmを超えると発光効率が40lm/W未満となるため、LED電球の実用性が若干低下する。このため、紫外乃至紫色光吸収層の厚さは600μm以下とすることが好ましい。また、実施例1〜8によるLED電球は比較例2のLED電球と比べて平均演色評価数Raに優れている。さらに、各LED電球の点灯時のぎらつきや局所的なまぶしさ(グレア)を目視で評価したところ、実施例1〜8によるLED電球は比較例2によるLED電球に比べてグレアが低減されていることが確認された。これらのことから、実施例1〜8によるLED電球は、白熱電球の代替品として実用性に優れていることが分かる。
【0042】
(実施例9〜12)
紫外乃至紫色光吸収層の構成粒子として表2に平均粒子径を示す酸化亜鉛(ZnO)粉末を用いると共に、紫外乃至紫色光吸収層の膜厚を500μmとする以外は、実施例1と同様にしてLED電球を組み立てた。これらLED電球の特性を実施例1と同様にして測定・評価した。これらの測定・評価結果を表2に示す。また、紫外乃至紫色光吸収層の構成粒子の平均粒子径とLED電球の光束との関係を図3に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
表2及び図3から明らかなように、紫外乃至紫色光吸収層の構成粒子の平均粒子径が100nmを超えるとLED電球の光束の低下が著しくなる。このため、実用的なLED電球を得るために、紫外乃至紫色光吸収層の構成粒子の平均粒子径は100nm以下とすることが好ましい。なお、実施例9〜12によるLED電球の紫外線の漏れ量はいずれも零であった。また、実施例9〜12によるLED電球からの発光はいずれも演色性に優れ、さらにグレアも低減されていることが確認された。
【0045】
(実施例13)
実施例1と同様な青色蛍光体と緑色乃至黄色蛍光体と赤色蛍光体とに加えて、青緑色(BG)蛍光体として平均粒子径が20μmのEu及びMn付活アルカリ土類珪酸塩((Sr0.225Ba0.65Mg0.0235Eu0.1Mn0.00152SiO4)蛍光体と、深赤色(DR)蛍光体として平均粒子径が12μmのMn付活マグネシウムフロロジャーマネート(3.5MgO・0.5MgF2・(Ge0.75Mn0.25)O2)蛍光体とを用意した。
【0046】
上述した青色蛍光体と青緑色蛍光体と緑色乃至黄色蛍光体と赤色蛍光体と深赤色蛍光体とを、白色光の色温度が2800Kとなるように、26.0%、0.5%、3.7%、64.5%、5.3%の質量割合で混合して混合蛍光体を調製した。また、紫外乃至紫色光吸収層を構成する粒子として、平均粒子径が40nmの酸化チタン(TiO2)粉末を用意した。これら混合蛍光体と酸化チタン粉末とを用いて、実施例1と同様にしてLED電球を作製した。紫外乃至紫色光吸収層の膜厚は600μmであり、粒子層中の固形分量(粒子量)は1質量%であった。このLED電球の特性を実施例1と同様にして測定・評価した。これらの測定・評価結果を表3に示す。
【0047】
(実施例14〜15)
紫外乃至紫色光吸収層中の固形分量(粒子量)と膜厚を表3に示す値に変更する以外は、実施例13と同様にしてLED電球を組み立てた。これらLED電球の特性を実施例1と同様にして測定・評価した。これらの測定・評価結果を表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
表3から明らかなように、各種の条件下でLED電球の紫外線漏れ量を低下させつつ、実用的な明るさを得ることが可能であることが分かる。実施例13〜15によるLED電球からの発光はいずれも演色性に優れ、グレアも低減されていることが確認された。
【0050】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1…LED電球、2…LEDモジュール、3…基体部、4…グローブ、6…口金、7…基板、8…LEDチップ、9…紫外乃至紫色光吸収層(粒子層)、10…蛍光膜、11…透明樹脂層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に実装された紫外乃至紫色発光のLEDチップとを備えるLEDモジュールと、
前記LEDモジュールが設置された基体部と、
前記LEDモジュールを覆うように前記基体部に取り付けられたグローブと、
前記グローブの内壁面上に形成され、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の粒子を含む紫外乃至紫色光吸収層と、
前記LEDチップから離間させていると共に、前記グローブの内面側に前記紫外乃至紫色光吸収層を介して設けられ、前記LEDチップから出射された紫外乃至紫色光を吸収して白色光を発光する蛍光膜と、
前記基体部内に設けられ、前記LEDチップを点灯させる点灯回路と、
前記点灯回路と電気的に接続された口金と
を具備することを特徴とするLED電球。
【請求項2】
請求項1記載のLED電球において、
前記紫外乃至紫色光吸収層に含まれる前記粒子は0.1μm以下の平均粒子径を有することを特徴とするLED電球。
【請求項3】
請求項1又は2記載のLED電球において、
前記紫外乃至紫色光吸収層は10μm以上600μm以下の範囲の厚さを有することを特徴とするLED電球。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のLED電球において、
前記グローブからの前記紫外乃至紫色光の漏出量が0.03mW/nm/lm未満であることを特徴とするLED電球。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のLED電球において、
前記蛍光膜は、青色蛍光体、緑色乃至黄色蛍光体、前記赤色蛍光体を含むことを特徴とするLED電球。
【請求項6】
請求項5記載のLED電球において、
前記青色蛍光体は
一般式:(Sr1-x-y-zBaxCayEuz5(PO43Cl
(式中、x、y、及びzは0≦x<0.5、0≦y<0.1、0.005≦z<0.1を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム付活アルカリ土類クロロ燐酸塩蛍光体であり、
前記緑色乃至黄色蛍光体は
一般式:(Ba1-x-y-zSrxCayEuz)(Mg1-uMnu)Al1017
(式中、x、y、z、及びuは0≦x<0.2、0≦y<0.1、0.005<z<0.5、0.1<u<0.5を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、
一般式:(Sr1-x-y-z-uBaxMgyEuzMnu2SiO4
(式中、x、y、z、及びuは0.1≦x≦0.35、0.025≦y≦0.105、0.025≦z≦0.25、0.0005≦u≦0.02を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類珪酸塩蛍光体、
一般式:(Si,Al)6(O,N)8:Eux
(式中、xは0<x<0.3を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム付活サイアロン蛍光体、及び
一般式:(Sr1-xEuxαSiβAlγδω
(式中、x、α、β、γ、δ、及びωは0<x<1、0<α≦3、12≦β≦14、2≦γ≦3.5、1≦δ≦3、20≦ω≦22を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム付活サイアロン蛍光体から選ばれる少なくとも1種であり、
前記赤色蛍光体は
一般式:(La1-x-yEuxy22
(式中、MはSm、Ga、Sb、及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x及びyは0.08≦x<0.16、0.000001≦y<0.003を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム付活酸硫化ランタン蛍光体、
一般式:(Ca1-x-ySrxEuy)SiAlN3
(式中、x及びyは0≦x<0.4、0<x<0.5を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム付活カズン蛍光体、及び
一般式:(Sr1-xEuxαSiβAlγδω
(式中、x、α、β、γ、δ、及びωは0<x<1、0<α≦3、5≦β≦9、1≦γ≦5、0.5≦δ≦2、5≦ω≦15を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム付活サイアロン蛍光体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするLED電球。
【請求項7】
請求項5又は6項記載のLED電球において、
前記蛍光膜は、さらに青緑色蛍光体及び深赤色蛍光体から選ばれる少なくとも1種の蛍光体を含むことを特徴とするLED電球。
【請求項8】
請求項7記載のLED電球において、
前記青緑色蛍光体は
一般式:(Ba1-x-y-z-uSrxMgyEuzMnu2SiO4
(式中、x、y、z、及びuは0.1≦x≦0.35、0.025≦y≦0.105、0.025≦z≦0.25、0.0005≦u≦0.02を満足する数である)
で表される組成を有するユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類珪酸塩蛍光体であり、
前記深赤色蛍光体は
一般式:αMgO・βMgF2・(Ge1-xMnx)O2
(式中、α、β、及びxは3.0≦α≦4.0、0.4≦β≦0.6、0.001≦x≦0.5を満足する数である)
で表される組成を有するマンガン付活マグネシウムフロロジャーマネート蛍光体であることを特徴とするLED電球。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項記載のLED電球において、
前記蛍光膜は質量割合で、10%以上60%以下の前記青色蛍光体、0%以上10%以下の前記青緑色蛍光体、1%以上30%以下の前記緑色乃至黄色蛍光体、30%以上90%以下の前記赤色蛍光体、及び0%以上35%以下の前記深赤色蛍光体を含むことを特徴とするLED電球。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項記載のLED電球において、
前記LEDチップから出射される紫外乃至紫色発光は、発光ピーク波長が370nm以上410nm以下の範囲であると共に、発光スペクトルの半値幅が10nm以上15nm以下の範囲であることを特徴とするLED電球。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項記載のLED電球において、
前記蛍光膜から発光される前記白色光は、相関色温度が6500K以下で、平均演色評価数(Ra)が85以上であることを特徴とするLED電球。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項記載のLED電球において、
前記LEDモジュールは、前記基板上に面実装された複数の前記LEDチップと、前記複数のLEDチップを被覆するように前記基板上に設けられた透明樹脂層とを備えることを特徴とするLED電球。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項記載のLED電球において、
前記グローブは、ドーム型形状又はナス型形状を有することを特徴とするLED電球。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−64327(P2012−64327A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205205(P2010−205205)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(303058328)東芝マテリアル株式会社 (252)
【Fターム(参考)】