説明

LED駆動回路

【課題】LEDを完全に消灯させることが可能なLED駆動回路を低コストに提供する。
【解決手段】バッファ回路14の不平衡差動増幅回路14aにおける差動入力トランジスタとして機能するトランジスタ14c,14dはPNPトランジスタであるため、バッファ回路14は入力信号の吐き出し型であり、LED直列回路11のカソード側であるノードαからトランジスタ14cのベースに電流が流れ込むことは無い。そして、バッファ回路14はディスクリート構成であるため、LED直列回路11を構成する直列接続されたLED12の個数が多く、LED直列回路11に印加される直流電圧Vccが高い場合でも、簡単な構成で安価にバッファ回路14を具体化することが可能であるため、LED駆動回路10を低コストに提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、直列接続された複数個のLEDと、それらLEDに直列接続された駆動トランジスタとを備え、駆動トランジスタに流れる電流を一定に制御し、LEDを定電流駆動することにより、LEDの明るさを一定に維持するLED駆動回路が提案されている(特許文献1,3参照)。
【0003】
また、直列接続された複数個のLEDと、それらLEDに直列接続された駆動トランジスタ(スイッチング素子)とを備え、駆動トランジスタによってLEDに流れる電流をオン・オフ制御することにより、LEDの点灯・消灯を切り替えるLED駆動回路が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−116859号公報
【特許文献2】特開2008−103470号公報
【特許文献3】特開2007−142139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記LED駆動回路において、複数個のLEDが直列接続された回路(LED直列回路)のカソード側の電圧を検出し、その電圧に応じて駆動トランジスタを制御するため、前記カソード側に各種外部回路(例えば、AD(Analog Digital)変換回路、比較回路など)を接続することが考えられる。
【0006】
その外部回路の入力側が信号電流の吸い込み型である場合には、駆動トランジスタをオフさせてLEDを消灯させたとき、外部回路の入力側に流れ込む信号電流(吸い込み電流)がLED直列回路にも流れることになるが、LEDは微少電流(例えば、1μA)が流れても人間の目で認識できる光を放射するため、LEDが完全に消灯せずに微灯状態になるという問題がある。
【0007】
そこで、LED直列回路のカソード側と前記外部回路との間に、入力側が信号電流の吐き出し型であるIC式オペアンプを挿入することが考えられる。
しかし、LED直列回路を構成するLEDの個数が多く、LED直列回路に印加される電圧が高い場合(例えば、30V以上)には、高圧対応の特殊なIC式オペアンプが必要となり、吐き出し型で且つ高圧対応のIC式オペアンプは高価であるため、LED駆動回路が高コストになるという問題がある。
【0008】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、LEDを完全に消灯させることが可能なLED駆動回路を低コストに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
【0010】
<第1の局面>
第1の局面は、
1個または直列接続された複数個のLEDと、
前記LEDの点灯を制御する制御回路と、
前記LEDのカソード側の電圧が入力信号として入力されるバッファ回路と、
前記バッファ回路の出力信号が入力される外部回路と
を備えたLED駆動回路であって、
前記バッファ回路は、入力信号の吐き出し型でディスクリート構成である。
【0011】
バッファ回路を設けない場合に、外部回路の入力側が信号電流の吸い込み型であると、制御回路がLEDを消灯させたとき、外部回路の入力側に流れ込む信号電流(吸い込み電流)がLEDにも流れることになるが、LEDは微少電流が流れても人間の目で認識できる光を放射するため、LEDが完全に消灯せずに微灯状態になってしまう。
第1の局面では、LEDのカソード側と外部回路との間に、入力信号の吐き出し型のバッファ回路が挿入されているため、制御回路がLEDを消灯させたとき、LEDに電流が流れることが無く、LEDを完全に消灯させることができる。
そして、バッファ回路はディスクリート構成であるため、直列接続されたLEDの個数が多く、その直列接続されたLEDから成るLED直列回路に印加される電圧が高い場合でも、簡単な構成で安価にバッファ回路を具体化することが可能であるため、LED駆動回路を低コストに提供できる。
【0012】
<第2〜第6の局面>
第2の局面は、第1の局面において、前記バッファ回路は、前記LEDのカソード側の電圧が入力信号として入力される、入力信号の吐き出し型の差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力信号を増幅する出力回路とを備える。
第3の局面は、第2の局面において、前記バッファ回路は、前記出力回路の出力端子が、前記差動増幅回路の反転入力端子に直接接続されたボルテージフォロア回路である。
第4の局面は、第1または第2の局面において、前記差動増幅回路の差動入力トランジスタはPNPトランジスタである。
第5の局面は、第1または第2の局面において、前記差動増幅回路の差動入力トランジスタはPMOSトランジスタである。
第6の局面は、第2〜5の局面において、前記出力回路は、1個のトランジスタのエミッタ接地回路またはソース接地回路から成る。
【0013】
従って、第2〜第6の局面によれば、簡単な構成で安価にバッファ回路を具体化できる。
また、第4の局面によれば、バイポーラトランジスタは、他のトランジスタ(例えば、MOSトランジスタなど)に比べて安価であるため、LED駆動回路の低コスト化を図ることができる。
また、第5の局面によれば、MOSトランジスタは、他のトランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタなど)に比べて駆動電力が少なくて済むため、LED駆動回路の低消費電力化を図ることができる。
【0014】
<第7の局面>
第7の局面は、第1〜6の局面において、前記制御回路は、前記LEDに直列接続された駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタに流れる電流を一定に制御することにより、前記LEDを定電流駆動する。
従って、第7の局面によれば、第1〜6の局面の作用・効果に加えて、LEDの明るさを一定に維持できる。
【0015】
<第8の局面>
第8の局面は、第1〜6の局面において、前記制御回路は、前記LEDに直列接続された駆動トランジスタを備え、駆動トランジスタによってLEDに流れる電流をオン・オフ制御することにより、LEDの点灯・消灯を切り替える。
従って、第8の局面によれば、第1〜6の局面の作用・効果に加えて、LEDの点灯・消灯を簡単に切り替えることができる。
【0016】
<第9の局面>
第9の局面は、第1〜8の局面において、前記外部回路は、前記LEDのカソード側の電圧を検出し、その電圧に従って前記制御回路を制御する。
従って、第9の局面によれば、制御回路の制御を最適化することができる。
【0017】
例えば、第7の局面を引用する第9の局面では、LEDのカソード側の電圧が最適値になるように制御回路の駆動トランジスタを制御させることにより、駆動トランジスタの電力損失を低減することが可能になり、LED駆動回路の高効率化を図ることができる。
また、第8の局面を引用する第9の局面では、LEDのカソード側の電圧が異常値を示す場合には、制御回路の駆動トランジスタによってLEDに流れる電流を強制的にオフ制御させることにより、LEDを強制的に消灯させてLEDの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態のLED駆動回路10の回路図。
【図2】本発明を具体化した第2実施形態のLED駆動回路20の回路図。
【図3】本発明を具体化した第3実施形態のLED駆動回路20の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略する。
【0020】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態のLED駆動回路10は、LED直列回路11、LED12、定電流制御回路13(NPNトランジスタ13a、抵抗13b、オペアンプ13c)、バッファ回路14(不平衡型差動増幅回路14a、出力回路14b、PNPトランジスタ14c,14d、NPNトランジスタ14e、抵抗14f〜14h)、AD変換回路15、参照電圧生成回路16から構成されており、直流電源Vccから電源が供給されている。
【0021】
LED直列回路11は直列接続された複数個のLED12から構成されており、LED直列回路11のアノード側は直流電源Vcc接続されて直流電圧Vccが印加されている。尚、説明を分かり易くするため、直流電圧は直流電源と同一符号にしてある。
定電流制御回路13は、LED直列回路11のカソード側であるノードαにコレクタが接続されたNPNトランジスタ(駆動トランジスタ)13aと、トランジスタ13aのエミッタとアースとの間に接続された抵抗13bと、反転入力端子がトランジスタ13aのエミッタに接続されると共に出力端子がトランジスタ13aのベースに接続されたオペアンプ13cとから構成されている。
【0022】
バッファ回路14は、不平衡型差動増幅回路14aおよび出力回路14bを備えたボルテージフォロア回路であり、PNPトランジスタ14c,14d、NPNトランジスタ14e、抵抗14f〜14hから構成され、直流電源Vccおよびアースに接続されている。
【0023】
不平衡型差動増幅回路14aは、差動入力トランジスタとして機能するトランジスタ14c,14dと、各トランジスタ14c,14dのコレクタ電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能する抵抗14fと、トランジスタ14cの負荷となる抵抗14gとから構成されている。
すなわち、トランジスタ14c,14dのエミッタは抵抗14fを介して直流電源Vccに接続され、トランジスタ14cのコレクタは抵抗14gを介してアースに接続され、トランジスタ14cのコレクタはアースに接続されている。
【0024】
出力回路14bは、NPNトランジスタ14eおよび抵抗14hから構成されるエミッタ接地回路である。
すなわち、トランジスタ14eのエミッタはアースに接続され、トランジスタ14eのコレクタはバイアス抵抗および負荷として機能する抵抗14hを介して直流電源Vccに接続されている。
【0025】
そして、不平衡型差動増幅回路14aの非反転入力端子であるトランジスタ14cのベースは、LED直列回路11のノードαに接続されている。
また、出力回路14bの入力端子であるトランジスタ14eのベースは、不平衡型差動増幅回路14aの出力端子であるトランジスタ14cのコレクタに接続されている。
また、不平衡型差動増幅回路14aの反転入力端子であるトランジスタ14dのベースは、出力回路14bの出力端子であるトランジスタ14eのコレクタに直接接続され、ボルテージフォロア回路が構成されている。
【0026】
バッファ回路14は、LED直列回路11のカソード側であるノードαの電圧が入力信号として入力され、そのノードαの電圧を出力信号として出力する。ここで、バッファ回路14はボルテージフォロア回路であるため、その電圧増幅率は1である。
AD変換回路15は、バッファ回路14(出力回路14b)の出力信号が入力され、アナログ信号であるバッファ回路14の出力信号(出力電圧)を、デジタル信号に変換して出力する。
参照電圧生成回路16は、AD変換回路15から出力されたデジタル信号に基づいて参照電圧Vrefを生成し、その参照電圧Vrefを定電流制御回路13のオペアンプ13cの非反転入力端子へ出力する。
【0027】
次に、LED駆動回路10の動作について説明する。
定電流制御回路13は、オペアンプ13cの反転入力端子に入力された駆動トランジスタ13aのコレクタ電圧(負帰還電圧)が、オペアンプ13cの非反転入力端子に入力される参照電圧Vrefと同一になるように、オペアンプ13cの出力電圧(駆動トランジスタ13aのベース電圧)を制御することにより、駆動トランジスタ13aに流れる電流(LED直列回路11に流れる各LED12の駆動電流)が、参照電圧Vrefを抵抗13bの抵抗値Rで除算して得られる設定電流値(Vref /R)と同一になるようにフィードバック制御する。
その結果、LED直列回路11の各LED12は定電流制御回路13によって定電流駆動され、各LED12の明るさは一定に維持される。
【0028】
LED直列回路11のカソード側であるノードαの電圧は、バッファ回路14を介して、AD変換回路15へ出力され、アナログ信号であるノードαの電圧はAD変換回路15でデジタル信号に変換される。
参照電圧生成回路16は、デジタル信号に変換されたノードαの電圧を最適値にするための参照電圧Vrefを生成する。
すなわち、LED駆動回路10では、LED直列回路11のカソード側の電圧(ノードαの電圧)を検出し、その電圧に応じて定電流制御回路13の駆動トランジスタ13aを制御するために、外部回路としてAD変換回路15および参照電圧生成回路16が設けられている。
【0029】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態のLED駆動回路10によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0030】
[1]バッファ回路14は、PNPトランジスタ14c,14d、NPNトランジスタ14e、抵抗14f〜14hから成るディスクリート構成である。
そして、バッファ回路14の不平衡差動増幅回路14aにおける差動入力トランジスタとして機能するトランジスタ14c,14dはPNPトランジスタであるため、バッファ回路14は入力信号の吐き出し型である。
すなわち、LED直列回路11のカソード側であるノードαからトランジスタ14cのベースへ電流が流れ込むことは無い。
【0031】
バッファ回路14を設けない場合に、外部回路であるAD変換回路15の入力側が信号電流の吸い込み型であると、定電流制御回路13が駆動トランジスタ13aをオフ制御させて各LED12を消灯させたとき、AD変換回路15の入力側に流れ込む信号電流(吸い込み電流)が各LED12にも流れることになるが、各LED12は微少電流(例えば、1μA)が流れても人間の目で認識できる光を放射するため、各LED12が完全に消灯せずに微灯状態になってしまう。
【0032】
LED駆動回路10では、ノードαとAD変換回路15との間に、入力信号の吐き出し型のバッファ回路14が挿入されているため、定電流制御回路13が各LED12を消灯させたとき、各LED12に電流が流れることが無く、各LED12を完全に消灯させることができる。
そして、バッファ回路14はディスクリート構成であるため、LED直列回路11を構成する直列接続されたLED12の個数が多く、LED直列回路11に印加される直流電圧Vccが高い場合でも、簡単な構成で安価にバッファ回路14を具体化することが可能であるため、LED駆動回路10を低コストに提供できる。
【0033】
また、各トランジスタ14c〜14eはバイポーラトランジスタであるが、他のトランジスタ(例えば、MOSトランジスタなど)に比べて安価であるため、LED駆動回路10の低コスト化を図ることができる。
【0034】
[2]バッファ14は、入力信号の吐き出し型の不平衡差動増幅回路14aと、不平衡差動増幅回路14aの出力信号を増幅する出力回路14bとを備える。
そして、バッファ回路14は、出力回路14bの出力端子が不平衡差動増幅回路14aの反転入力端子に直接接続されたボルテージフォロア回路である。
また、出力回路14bは、1個のNPNトランジスタ14eのエミッタ接地回路から成る。
従って、バッファ回路14は簡単な構成で安価に具体化できる。
【0035】
[3]定電流制御回路13は、各LED12に直列接続された駆動トランジスタ13aを備え、駆動トランジスタ13aに流れる電流を一定に制御することにより、各LED12を定電流駆動するため、各LED12の明るさを一定に維持できる。
【0036】
[4]外部回路であるAD変換回路15および参照電圧生成回路16は、LED直列回路11のカソード側であるノードαの電圧を最適値にするための参照電圧Vrefを生成し、その参照電圧Vrefに従って定電流制御回路13に駆動トランジスタ13aを制御させるため、駆動トランジスタ13aの電力損失を低減することが可能になり、LED駆動回路10の高効率化を図ることができる。
【0037】
<第2実施形態>
図2に示すように、第2実施形態のLED駆動回路20は、LED直列回路11、LED12、定電流制御回路13(NPNトランジスタ13a、抵抗13b、オペアンプ13c)、バッファ回路14(不平衡型差動増幅回路14a、出力回路14b、PMOSトランジスタ14c,14d、NMOSトランジスタ14e、抵抗14f〜14h)、AD変換回路15、参照電圧生成回路16から構成されており、直流電源Vccから電源が供給されている。
【0038】
第2実施形態のLED駆動回路20において、第1実施形態のLED駆動回路10と異なるのは、バッファ回路14を構成するトランジスタ14c〜14eがMOSトランジスタに置き換えられている点だけである。
【0039】
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態のLED駆動回路20によれば、第1実施形態の前記[3][4]と同様の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0040】
[5]バッファ回路14は、PMOSトランジスタ14c,14d、NMOSトランジスタ14e、抵抗14f〜14hから成るディスクリート構成である。
そして、バッファ回路14の不平衡差動増幅回路14aにおける差動入力トランジスタとして機能するトランジスタ14c,14dはPMOSトランジスタであるため、バッファ回路14は入力信号の吐き出し型である。
すなわち、LED直列回路11のカソード側であるノードαからトランジスタ14cのゲートに電流が流れ込むことは無い。
【0041】
従って、第2実施形態のLED駆動回路20によれば、第1実施形態のLED駆動回路10の前記[1]と同様の効果が得られる。
また、各トランジスタ14c〜14eはMOSトランジスタであるが、他のトランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタなど)に比べて駆動電力が少なくて済むため、LED駆動回路の低消費電力化を図ることができる。
【0042】
[6]出力回路14bは、1個のNMOSトランジスタ14eのソース接地回路から成る。
従って、バッファ回路14は簡単な構成で安価に具体化できる。
【0043】
<第3実施形態>
図3に示すように、第3実施形態のLED駆動回路30は、LED直列回路11、LED12、バッファ回路14(不平衡型差動増幅回路14a、出力回路14b、PNPトランジスタ14c,14d、NPNトランジスタ14e、抵抗14f〜14h)、点灯制御回路31(NPNトランジスタ13a、抵抗13b、オン・オフ制御回路31a)、比較回路32、強制停止回路33から構成されており、直流電源Vccから電源が供給されている。
【0044】
第3実施形態のLED駆動回路30において、第1実施形態のLED駆動回路10と異なるのは、定電流制御回路13、AD変換回路15、参照電圧生成回路16がそれぞれ、点灯制御回路31、比較回路32、強制停止回路33に置き換えられている点だけである。
【0045】
点灯制御回路31は、NPNトランジスタ(駆動トランジスタ)13a、抵抗13b、オン・オフ制御回路31aから構成され、LED直列回路11の各LED12の点灯・消灯を切替制御する。
オン・オフ制御回路31aは、駆動トランジスタ13aのベースに接続され、駆動トランジスタ13aをオン制御することにより各LED12を一括して点灯させると共に、駆動トランジスタ13aをオフ制御することにより各LED12を一括して消灯させる。
そのため、LED駆動回路30によれば、各LED12の点灯・消灯を簡単に切り替えることができる。
すなわち、直流電源VccとLED直列回路11と点灯制御回路31から成る回路は、特許文献2の従来技術(図6参照)の回路に相当する。
【0046】
比較回路32は、バッファ回路14の出力信号(LED直列回路11のカソード側であるノードαの電圧)が入力され、ノードαの電圧と設定電圧とを比較する。
強制停止回路33は、比較回路32の比較結果に基づき、ノードαの電圧が設定電圧を超える場合には異常値であるとして、点灯制御回路31の駆動トランジスタ13aによって各LED12に流れる電流を強制的にオフ制御させることにより、各LED12を強制的に消灯させて各LED12の破損を防止させる。
【0047】
すなわち、LED駆動回路30では、LED直列回路11のカソード側の電圧(ノードαの電圧)を検出し、その電圧に応じて点灯制御回路31の駆動トランジスタ13aを制御するために、外部回路として比較回路32および強制停止回路33が設けられている。
【0048】
バッファ回路14を設けない場合に、外部回路である比較回路32の入力側が信号電流の吸い込み型であると、点灯制御回路31が駆動トランジスタ13aをオフ制御させて各LED12を消灯させたとき、比較回路32の入力側に流れ込む信号電流が各LED12にも流れることになるが、各LED12は微少電流が流れても人間の目で認識できる光を放射するため、各LED12が完全に消灯せずに微灯状態になってしまう。
【0049】
LED駆動回路30では、ノードαと比較回路32との間に、入力信号の吐き出し型のバッファ回路14が挿入されているため、点灯制御回路31が各LED12を消灯させたとき、各LED12に電流が流れることが無く、各LED12を完全に消灯させることができる。
従って、第3実施形態のLED駆動回路30によれば、第1実施形態のLED駆動回路10の前記[1][2]と同様の作用・効果が得られる。
【0050】
<別の実施形態>
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0051】
[A]第1実施形態および第2実施形態では、直列接続された複数個のLED12を備えているが、本発明は、LED12を1個だけ備えるLED駆動回路に適用してもよい。
【0052】
[B]第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせて実施してもよい。
【0053】
[C]第1実施形態において、出力回路14bのNPNトランジスタ14eをNMOSトランジスタに置き換えてもよい。
また、第2実施形態において、出力回路14bのNMOSトランジスタ14eをNPNトランジスタに置き換えてもよい。
【0054】
[D]前記各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施形態の作用・効果を合わせもたせたり、相乗効果を得ることができる。
【0055】
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【符号の説明】
【0056】
10,20,30…LED駆動回路
11…LED直列回路
12…LED
13…定電流制御回路(制御回路)
13a…NPNトランジスタ(駆動トランジスタ)
13b…抵抗
13c…オペアンプ
14…バッファ回路
14a…不平衡型差動増幅回路
14b…出力回路
14c,14d…PNPトランジスタ(PMOSトランジスタ:差動入力トランジスタ)
14e…NPNトランジスタ(NMOSトランジスタ)
15…AD変換回路(外部回路)
16…参照電圧生成回路(外部回路)
31…点灯制御回路(制御回路)
32…比較回路(外部回路)
33…強制停止回路(外部回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個または直列接続された複数個のLEDと、
前記LEDの点灯を制御する制御回路と、
前記LEDのカソード側の電圧が入力信号として入力されるバッファ回路と、
前記バッファ回路の出力信号が入力される外部回路と
を備えたLED駆動回路であって、
前記バッファ回路は、入力信号の吐き出し型でディスクリート構成であるLED駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載のLED駆動回路において、
前記バッファ回路は、
前記LEDのカソード側の電圧が入力信号として入力される、入力信号の吐き出し型の差動増幅回路と、
前記差動増幅回路の出力信号を増幅する出力回路と
を備えたLED駆動回路。
【請求項3】
請求項2に記載のLED駆動回路において、
前記バッファ回路は、前記出力回路の出力端子が、前記差動増幅回路の反転入力端子に直接接続されたボルテージフォロア回路であるLED駆動回路。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のLED駆動回路において、
前記差動増幅回路の差動入力トランジスタはPNPトランジスタであるLED駆動回路。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のLED駆動回路において、
前記差動増幅回路の差動入力トランジスタはPMOSトランジスタであるLED駆動回路。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載のLED駆動回路において、
前記出力回路は、1個のトランジスタのエミッタ接地回路またはソース接地回路から成るLED駆動回路。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED駆動回路において、
前記制御回路は、前記LEDに直列接続された駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタに流れる電流を一定に制御することにより、前記LEDを定電流駆動するLED駆動回路。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED駆動回路において、
前記制御回路は、前記LEDに直列接続された駆動トランジスタを備え、駆動トランジスタによってLEDに流れる電流をオン・オフ制御することにより、LEDの点灯・消灯を切り替えるLED駆動回路。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のLED駆動回路において、
前記外部回路は、前記LEDのカソード側の電圧を検出し、その電圧に従って前記制御回路を制御するLED駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−51259(P2013−51259A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187348(P2011−187348)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】