説明

LED駆動回路

【課題】LEDを定電流駆動させる定電流回路およびLEDの故障を防止可能なLED駆動回路を低コストに提供する。
【解決手段】LED駆動回路10は、直列接続された4個のLED16と、LED16に直列接続された駆動トランジスタQ1に流れる電流を一定に制御することによりLED16を定電流駆動する定電流回路17と、一定電圧の電源電圧Vinを生成する定電圧電源ユニット12と、定電圧電源ユニット12が生成した電源電圧VinをLED16および定電流回路17へ出力する出力回路14と、制御回路13とを備える。制御回路13は、LED16の駆動に要する駆動電圧値と電源電圧Vinとを比較し、駆動電圧値よりも電源電圧Vinが過大な場合には出力回路14が電源電圧VinをLED16および定電流回路17へ出力するのを停止させる停止動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED駆動回路において、LEDの明るさを一定に維持しながら安定して点灯させるにはLEDを定電流駆動する必要がある。
そこで、スイッチング電源による定電流電源をLEDの電源として用いる技術が提案されている(特許文献1,2参照)。
また、LEDのカソード側とアースとの間にアナログ式の定電流回路を接続してLEDを定電流駆動する技術が提案されているが(特許文献3参照)、この技術では市販既製品の定電圧電源ユニットをLEDの電源として用いることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−68185号公報
【特許文献2】特開2008−283206号公報
【特許文献3】特開2007−142139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
定電流電源をLEDの電源として用いる場合、所望の電流値を出力する定電流電源ユニットが市販既製品に無いときには、所望の電流値を出力するようにカスタム設計された専用の定電流電源を用意しなければならない。
さらに、市販既製品の定電流電源ユニットは出力電流値のバリエーションに乏しいため、多くの場合にはカスタム設計された専用の定電流電源を用意することになり、LED駆動回路のコストが増大するという問題がある。
【0005】
また、市販既製品の定電流電源ユニットに所望の電流値を出力可能なものがあっても、LEDの駆動に要する電圧値(駆動電圧値)を出力できなければ、その定電流電源ユニットは使用できない。
そして、市販既製品の定電流電源ユニットに所望の電流値を出力可能なものがあっても、定電流電源ユニットの出力電圧がLEDの駆動に要する電圧値を大きく超えるときには、使用はできるものの、オーバースペックとなるため、LED駆動回路のコストが増大するという問題がある。
【0006】
市販既製品の定電圧電源ユニットをLEDの電源として用いる場合、LEDの駆動に要する電圧値よりも定電圧電源ユニットの出力電圧(電源電圧)が過大なときには、LEDのカソード側とアースとの間に接続された定電流回路の電力損失が増大し、定電流回路が過剰発熱を起こして故障するという問題がある。
そこで、定電流回路の過剰発熱を防止するには、定電流回路に放熱対策を施さなければならず、LED駆動回路のコストが増大するという問題がある。
また、LEDの駆動に要する電圧値よりも定電圧電源ユニットの出力電圧が過大なときには、LEDに過電圧が印加されて故障するという問題もある。
【0007】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、LEDを定電流駆動させる定電流回路およびLEDの故障を防止可能なLED駆動回路を低コストに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
【0009】
<第1の局面>
第1の局面は、
1個または直列接続された複数個のLEDと、
前記LEDに直列接続された駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタに流れる電流を一定に制御することにより、前記LEDを定電流駆動する定電流回路と、
一定電圧の電源電圧を生成する定電圧電源と、
前記定電圧電源が生成した電源電圧を前記LEDおよび前記定電流回路へ出力する出力回路と、
前記LEDの駆動に要する駆動電圧値と、前記定電圧電源の電源電圧とを比較し、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過大な場合には、前記出力回路が前記電源電圧を前記LEDおよび前記定電流回路へ出力するのを停止させる停止動作を行う制御回路とを備えたLED駆動回路である。
【0010】
制御回路により出力回路が電源電圧をLEDおよび定電流回路へ出力するのを停止させると、定電流回路の駆動トランジスタにはLEDの駆動電流が流れない。
従って、第1の局面によれば、定電流回路の電力損失が増大するのを防止可能であり、定電流回路が過剰発熱を起こして故障するという問題を解決できる。
そして、第1の局面では、定電流回路の過剰発熱を防止するために放熱対策を施す必要がないため、低コスト化を図ることができる。
さらに、第1の局面では、LEDに過電圧が印加されるのを防止可能であり、LEDに過電圧が印加されて故障するという問題を解決できる。
【0011】
<第2の局面>
第2の局面は、第1の局面において、前記制御回路は、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過小な場合には、前記出力回路が前記電源電圧を前記LEDおよび前記定電流回路へ出力するのを停止させる制御回路とを備えたLED駆動回路である。
従って、第2の局面によれば、LED駆動回路の消費電力を低減することができる。
【0012】
<第3の局面>
第3の局面は、第1または第2の局面において、前記制御回路は、前記LEDの順方向電圧の最大値と、前記定電流回路の最大駆動電圧との加算値を上限しきい値電圧とし、前記電源電圧が前記上限しきい値電圧より大きい場合に、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過大であるとして前記停止動作を行うLED駆動回路である。
従って、第3の局面によれば、第1の局面の前記作用・効果を確実に得られる。
【0013】
<第4の局面>
第4の局面は、第1〜3の局面において、前記制御回路は、前記LEDの順方向電圧の最小値と、前記定電流回路の最小駆動電圧との加算値を下限しきい値電圧とし、前記電源電圧が前記下限しきい値電圧より小さい場合に、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過小であるとして前記停止動作を行うLED駆動回路である。
従って、第4の局面によれば、第2の局面の前記作用・効果を確実に得られる。
【0014】
<第5の局面>
第5の局面は、第3または第4の局面において、前記しきい値電圧にヒステリシスが付与されているLED駆動回路である。
従って、第5の局面によれば、電源電圧がしきい値電圧のヒステリシスの幅内で変化しても、制御回路の停止動作は影響を受けないため、電源電圧にノイズが含まれている場合でも、そのノイズの影響を受けることなく、制御回路を安定して動作させることが可能になり、第1または第2の局面の前記作用・効果を確実に得られる。
【0015】
<第6の局面>
第6の局面は、第1〜5の局面において、前記定電圧電源は、前記電源電圧を調整するための電圧調整回路を備えるLED駆動回路である。
従って、第6の局面によれば、LEDが点灯しなかった場合にはLEDが点灯するように電圧調整回路で電圧調整をすればよく、電源電圧の定格値がLEDの点灯に必要な電圧値から僅かにズレていても使用可能であり、市販既製品の定電圧電源を選択する際の自由度が高められる。
また、電圧調整回路で電源電圧を調整してもLEDが点灯しない場合には、定電圧電源を別の物に交換してみればよく、定電圧電源の選択に特別な測定器は必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態のLED駆動回路10の回路図。
【図2】本発明を具体化した第2実施形態のLED駆動回路20の回路図。
【図3】本発明を具体化した第3実施形態のLED駆動回路30の回路図。
【図4】本発明を具体化した第4実施形態のLED駆動回路40の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略する。
【0018】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態のLED駆動回路10は、直流電源11、定電圧電源ユニット12(電圧調整回路12a:電源電圧Vin)、制御回路13(コンパレータCP1,CP2、抵抗R6〜R11、ツェナーダイオードZ2)、出力回路14(PMOSトランジスタQ2、PNPトランジスタQ3、抵抗R4,R5)、LED直列回路15、LED16、定電流回路17(NPNトランジスタQ1、オペアンプOP、ツェナーダイオードZ1、抵抗R1〜R3)から構成されている。
尚、説明を分かり易くするため、各抵抗R1〜R11とその抵抗値R1〜R11は同一符号とする。
【0019】
市販既製品の定電圧電源ユニット12は、直流電源11から電源が供給され、定電圧電源ユニット12に内蔵された定電圧回路(図示略)は直流の一定電圧である電源電圧(出力電圧)Vinを生成して出力する。
定電圧電源ユニット12には電圧調整回路12aが内蔵されており、電圧調整回路12aの半固定抵抗を調整することにより、電源電圧Vinを±10%程度の範囲で電圧調整することができる。
【0020】
制御回路13は、コンパレータCP1,CP2、抵抗R6〜R11、ツェナーダイオードZ2から構成されたウィンドウコンパレータであり、定電圧電源ユニット12から電源電圧Vinが供給されている。
ツェナーダイオードZ2のカソード側はバイアス用の抵抗R6を介して電源電圧Vinが印加され、ツェナーダイオードZ2のアノード側はアースに接続されている。
【0021】
コンパレータCP1の反転入力端子は、コンパレータCP2の非反転入力端子に接続されている。コンパレータCP1の反転入力端子およびコンパレータCP2の非反転入力端子は、抵抗R9を介して電源電圧Vinが印加されると共に、抵抗R10を介してアースに接続され、電源電圧Vinを各抵抗R9,R10により抵抗分圧した電圧Vb(=R9/(R9+R10)×Vin)が印加されている。
コンパレータCP1の非反転入力端子は、ツェナーダイオードZ2のカソード側に接続されて、ツェナーダイオードZ2のツェナー電圧(降伏電圧)Vaが印加されている。
【0022】
コンパレータCP2の反転入力端子は、抵抗R7を介してツェナーダイオードZ2のカソード側に接続されると共に、抵抗R8を介してアースに接続されており、ツェナーダイオードZ2のツェナー電圧Vaを各抵抗R7,R8により抵抗分圧した電圧Vc(=R8/(R7+R8)×Va)が印加されている。
各コンパレータCP1,CP2の出力はオープンコレクタ形式であり、ワイヤードOR接続された各コンパレータCP1,CP2の出力端子(制御回路13の出力端子)はバイアス用の抵抗R11を介して電源電圧Vinが印加されている。
【0023】
出力回路14は、PMOSトランジスタQ2、PNPトランジスタQ3、抵抗R4,R5から構成されている。
PMOSトランジスタQ2のソースは電源電圧Vinが印加され、トランジスタQ2のゲートはバイアス用の抵抗R4を介してソースに接続されると共に、バイアス用の抵抗R5を介してPNPトランジスタQ3のコレクタに接続されている。
PNPトランジスタQ3のエミッタはアースに接続され、トランジスタQ3のベース(出力回路14の入力端子)は、各コンパレータCP1,CP2の出力端子(制御回路13の出力端子)に接続されている。
【0024】
LED直列回路15は直列接続された4個のLED16から構成されており、LED直列回路15のアノード側はPMOSトランジスタQ2のドレイン(出力回路14の出力端子)に接続されて電源電圧Vinが印加されている。
アナログ式の定電流回路17は、NPNトランジスタ(駆動トランジスタ)Q1、オペアンプOP、ツェナーダイオードZ1、抵抗R1〜R3から構成されている。
ツェナーダイオードZ1のカソード側はバイアス用の抵抗R3を介してPMOSトランジスタQ2のドレインに接続されて電源電圧Vinが印加され、ツェナーダイオードZ1のアノード側はアースに接続されている。
【0025】
NPNトランジスタQ1のコレクタはLED直列回路15のカソード側に接続され、トランジスタQ1のエミッタは抵抗R1を介してアースに接続されると共にオペアンプOPの反転入力端子に接続され、トランジスタQ1のベースはベース電流調整用の抵抗R2を介してオペアンプOPの出力端子に接続されている。
オペアンプOPの非反転入力端子は、ツェナーダイオードZ1のカソード側に接続されて、ツェナーダイオードZ1のツェナー電圧Vdが印加されている。
【0026】
[第1実施形態の動作]
次に、LED駆動回路10の動作について説明する。
制御回路13において、電圧Vb(=R9/(R9+R10)×Vin)がツェナーダイオードZ2のツェナー電圧Va以下の場合(Vb≦Va)には、コンパレータCP1の出力電圧はHレベルになり、電圧Vbが電圧Vaを超える場合(Vb>Va)にはコンパレータCP1の出力電圧はLレベルになる。
【0027】
また、電圧Vb(=R9/(R9+R10)×Vin)が電圧Vc(=R8/(R7+R8)×Va)未満の場合(Vb<Vc)には、コンパレータCP2の出力電圧はLレベルになり、電圧Vbが電圧Vc以上の場合(Vb≧Vc)にはコンパレータCP2の出力電圧はHレベルになる。
そして、ワイヤードOR接続された各コンパレータCP1,CP2の出力電圧(制御回路13の出力電圧)は、両コンパレータCP1,CP2の出力電圧がHレベルの場合にはHレベルとなり、いずれか一方のコンパレータCP1,CP2の出力電圧がLレベルの場合にはLレベルとなる。
【0028】
従って、制御回路13の出力電圧は、電圧Vbが電圧Vc以上で電圧Va以下の場合(Vc≦Vb≦Va)にHレベルとなり、電圧Vbが電圧Vc未満の場合や電圧Vaを超える場合にはLレベルになる。
【0029】
出力回路14において、トランジスタQ3のベース(出力回路14の入力端子)には制御回路13の出力電圧が入力され、トランジスタQ3のベースがLレベルの場合にはトランジスタQ2がオフし、トランジスタQ3のベースがHレベルの場合にはトランジスタQ2がオンする。
トランジスタQ2がオフするとLED直列回路15に電源電圧Vinが印加されず、トランジスタQ2がオンするとLED直列回路15に電源電圧Vinが印加される。
【0030】
従って、電圧Vbが電圧Vc以上で電圧Va以下の場合(Vc≦Vb≦Va)には、トランジスタQ2がオンし、出力回路14を介してLED直列回路15に電源電圧Vinが印加されて直流電源が供給される。
また、電圧Vbが電圧Vc未満の場合や電圧Vaを超える場合には、トランジスタQ2がオフし、出力回路14からLED直列回路15への直流電源の供給が遮断される。
【0031】
定電流回路17は、LED直列回路15へ直流電源の供給されているとき、オペアンプOPの反転入力端子に入力された駆動トランジスタQ1のコレクタ電圧(負帰還電圧)が、オペアンプOPの非反転入力端子に入力される参照電圧Vrefと同一になるように、オペアンプOPの出力電圧(駆動トランジスタQ1のベース電圧)を制御することにより、駆動トランジスタQ1に流れる電流(LED直列回路15に流れる各LED16の駆動電流)が、ツェナーダイオードZ1のツェナー電圧Vdを電流検出用抵抗R1の抵抗値R1で除算して得られる設定電流値(Vd /R1)と同一になるようにフィードバック制御する。
その結果、LED直列回路15の各LED16は定電流回路17によって定電流駆動され、各LED16の明るさは一定に維持される。
【0032】
すなわち、電圧Vbが電圧Vc以上で電圧Va以下の場合(Vc≦Vb≦Va)には、LED直列回路15に電源電圧Vinが印加されて直流電源が供給され、定電流回路17の駆動トランジスタQ1に各LED16の駆動電流が流れるため、各LED16は定電流回路17により定電流駆動されて点灯される。
また、電圧Vbが電圧Vc未満の場合や電圧Vaを超える場合には、出力回路14が電源電圧VinをLED直列回路15および定電流回路17へ出力するのを停止させる停止動作を制御回路13が行うため、LED直列回路15には直流電源が供給されず、定電流回路17の駆動トランジスタQ1には各LED16の駆動電流が流れないため、各LED16は消灯される。
【0033】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態のLED駆動回路10によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0034】
[1]定電流回路17の駆動電圧Vcconstは、電流検出用抵抗R1の両端間電圧Vsenseと、駆動トランジスタQ1のエミッタ・コレクタ間電圧VCEとの加算値である(Vcconst=Vsense+VCE)。
【0035】
定電圧電源ユニットから出力される電源電圧Vinは、LED直列回路15の両端間(カソード側とアノード側との間)に印加される電圧(各LED16の順方向電圧の合計値)Vf-totalと、定電流回路17の駆動電圧Vcconstとの加算値である(Vin=Vf-total+Vcconst)。
【0036】
ウィンドウコンパレータである制御回路13の下限しきい値電圧Vsh-minは、LED直列回路15の両端間電圧Vf-totalの最小値Vf-total(min)と、定電流回路17の駆動電圧Vcconstの最小値(最小駆動電圧)Vcconst(min)との加算値である(Vsh-min=Vf-total(min)+Vcconst(min))。
【0037】
制御回路13の上限しきい値電圧Vsh-maxは、LED直列回路15の両端間電圧Vf-totalの最大値Vf-total(max)と、定電流回路17の駆動電圧Vcconstの最大値(最大駆動電圧)Vcconst(max)との加算値である(Vsh-max=Vf-total(max)+Vcconst(max))。
【0038】
尚、LED直列回路15の両端間電圧Vf-totalは、個々のLED16のしきい値電圧の個体差や温度特性により、最小値Vf-total(min)から最大値Vf-total(max)までバラツキを有する。
【0039】
駆動トランジスタQ1のエミッタ・コレクタ間電圧VCEの最大値(許容最大電圧)VCE(max)は、駆動トランジスタQ1の許容最大電力損失Pc(max)を、駆動トランジスタQ1に流れる各LED16の駆動電流Ifで除算した除算値である(VCE(max)=Pc(max)/If)。
【0040】
電流検出用抵抗R1の両端間電圧Vsenseは固定値であるため、定電流回路17の最大駆動電圧Vcconst(max)は、駆動トランジスタQ1の許容最大電圧VCE(max)と、両端間電圧Vsenseとの加算値になる(Vcconst(max)=VCE(max)+Vsense)。
【0041】
電流検出用抵抗R1の両端間電圧Vsenseは固定値であるため、定電流回路17の最小駆動電圧Vcconst(min)は、駆動トランジスタQ1のエミッタ・コレクタ間電圧VCEの最小値VCE(min)と、両端間電圧Vsenseとの加算値になる(Vcconst(min)=VCE(min)+Vsense)。
【0042】
従って、電源電圧Vinが下限しきい値電圧Vsh-min以上で上限しきい値電圧Vsh-max以下の範囲内に収まるように(Vsh-min≦Vin≦Vsh-max)、各電圧Va〜Vcを設定すればよい。
そして、電圧Vbは各抵抗R9,R10の抵抗値R9,R10および電源電圧Vinによって設定され(Vb=R9/(R9+R10)×Vin)、電圧Vcは各抵抗R7,R8の抵抗値R7,R8およびツェナーダイオードZ2のツェナー電圧Vaによって設定されるため(Vc=R8/(R7+R8)×Va)、電源電圧Vinに応じて各抵抗値R7〜R10およびツェナー電圧Vaを適宜な値に設定すればよい。
【0043】
[2]例えば、Vf-total(min)=11.2V、Vf-total(max)=13.2V、Vcconst(min)=1.45V、Vsense=1.25V、VCE(min)=0.2V、Pc(max)=1W、If=100mAとした場合には、VCE(max)=1W÷100mA=10V、Vcconst(max)=10V+1.25V=11.25Vとなるため、Vc=11.2+1.45=12.65V、Va=13.2V+11.25V=24.45Vとなる。
【0044】
従って、電源電圧Vinが12.65V以上24.45V以下の電圧範囲内で(12.65V≦Vin≦24.45V)、LED直列回路15および定電流回路17に電源電圧Vinが印加されて直流電源が供給され、定電流回路17の駆動トランジスタQ1に各LED16の駆動電流が流れるため、各LED16は定電流回路17により定電流駆動されて点灯される。
【0045】
[3]LED16の駆動に要する電圧値(駆動電圧値)は、下限しきい値電圧Vsh-min以上で上限しきい値電圧Vsh-max以下の範囲内である。
LED16の駆動に要する電圧値よりも定電圧電源ユニット12の電源電圧Vinが過大で、電源電圧Vinが上限しきい値電圧Vsh-maxを超える場合には、電圧Vbが電圧Vaを超えるため、出力回路14が電源電圧VinをLED直列回路15および定電流回路17へ出力するのを停止させる停止動作を制御回路13が行うことから、LED直列回路15には直流電源が供給されず、定電流回路17の駆動トランジスタQ1には各LED16の駆動電流が流れない。
【0046】
従って、LED駆動回路10によれば、定電流回路17の電力損失が増大するのを防止可能であり、定電流回路17が過剰発熱を起こして故障するという問題を解決できる。
そして、LED駆動回路10では、定電流回路17の過剰発熱を防止するために放熱対策を施す必要がないため、低コスト化を図ることができる。
さらに、LED駆動回路10では、LED16に過電圧が印加されるのを防止可能であり、LED16に過電圧が印加されて故障するという問題を解決できる。
【0047】
[4]LED16の駆動に要する電圧値よりも定電圧電源ユニット12の電源電圧Vinが過小で、電源電圧Vinが下限しきい値電圧Vsh-minを下回る場合には、電圧Vbが電圧Vc未満になるため、出力回路14が電源電圧VinをLED直列回路15および定電流回路17へ出力するのを停止させる停止動作を制御回路13が行うことから、LED直列回路15には直流電源が供給されず、定電流回路17の駆動トランジスタQ1には各LED16の駆動電流が流れない。
従って、LED駆動回路10によれば、定電圧電源ユニット12の電源電圧Vinが過小な場合には、LED直列回路15および定電流回路17の動作を停止させるため、消費電力を低減することができる。
【0048】
[5]定電流回路17は、各LED16に直列接続された駆動トランジスタQ1を備え、駆動トランジスタQ1に流れる電流を一定に制御することにより、各LED16を定電流駆動するため、各LED16の明るさを一定に維持できる。
【0049】
[6]市販既製品の定電圧電源ユニット12には、電源電圧Vinが異なる多くの製品種類がある(例えば、Vin=3.3V、5V、9V、12V、18V、24Vなど)。
LED駆動回路10では、前記[2]のように、電源電圧inが12.65〜24.45Vの電圧範囲内になるような定電圧電源ユニット12を、市販既製品の中から適宜選択すればよく、市販既製品の定電流電源ユニットを用いる場合に比べて低コスト化を図ることができる。
【0050】
[7]定電圧電源ユニット12に内蔵された電圧調整回路12aの半固定抵抗を調整すれば、電源電圧Vinを±10%程度の範囲で電圧調整することができるため、LED16が点灯しなかった場合には、LED16が点灯するように電圧調整回路12aで電圧調整をすればよい。
【0051】
従って、定電圧電源ユニット12の電源電圧Vinの定格値がLED16の点灯に必要な電圧値から僅かにズレていても使用可能であり、市販既製品の定電圧電源ユニット12を選択する際の自由度が高められるため、前記[4]の効果を高めることができる。
また、定電圧電源ユニット12の電圧調整回路12aで電源電圧Vinを調整してもLED16が点灯しない場合には、定電圧電源ユニット12を別の物に交換してみればよく、定電圧電源ユニット12の選択に特別な測定器は必要としない。
【0052】
<第2実施形態>
図2に示すように、第2実施形態のLED駆動回路20は、直流電源11、定電圧電源ユニット12(電圧調整回路12a:電源電圧Vin)、制御回路21(コンパレータCP1、抵抗R6,R9〜R11、ツェナーダイオードZ2)、出力回路14(PMOSトランジスタQ2、PNPトランジスタQ3、抵抗R4,R5)、LED直列回路15、LED16、定電流回路17(NPNトランジスタQ1、オペアンプOP、ツェナーダイオードZ1、抵抗R1〜R3)から構成されている。
【0053】
第2実施形態のLED駆動回路20において、第1実施形態のLED駆動回路10と異なるのは、制御回路21からコンパレータCP2および抵抗R7,R8が省かれている点だけである。
【0054】
そのため、LED駆動回路20では、電圧Vbが電圧Va以下の場合(Vb≦Va)に、LED直列回路15に電源電圧Vinが印加されて直流電源が供給され、定電流回路17の駆動トランジスタQ1に各LED16の駆動電流が流れるため、各LED16は定電流回路17により定電流駆動されて点灯される。
また、電圧Vbが電圧Vaを超える場合には、出力回路14が電源電圧VinをLED直列回路15および定電流回路17へ出力するのを停止させる停止動作を制御回路21が行うため、LED直列回路15には直流電源が供給されず、定電流回路17の駆動トランジスタQ1には各LED16の駆動電流が流れないため、各LED16は消灯される。
【0055】
従って、第2実施形態のLED駆動回路20によれば、第1実施形態の前記[3][5][7]の作用・効果が得られ、前記[2]の条件では、電源電圧Vinが24.45V以下になるような定電圧電源ユニット12を市販既製品の中から適宜選択すればよい。
【0056】
<第3実施形態>
図3に示すように、第3実施形態のLED駆動回路30は、直流電源11、定電圧電源ユニット12(電圧調整回路12a:電源電圧Vin)、制御回路31(NPNトランジスタQ4、抵抗R6,R11、ツェナーダイオードZ2)、出力回路14(PMOSトランジスタQ2、PNPトランジスタQ3、抵抗R4,R5)、LED直列回路15、LED16、定電流回路17(NPNトランジスタQ1、オペアンプOP、ツェナーダイオードZ1、抵抗R1〜R3)から構成されている。
【0057】
第3実施形態のLED駆動回路30において、第1実施形態のLED駆動回路10と異なるのは、制御回路31の構成だけである。
制御回路31は、NPNトランジスタQ4、抵抗R6,R11、ツェナーダイオードZ2から構成されている。
トランジスタQ4のベースはツェナーダイオードZ2のアノードに接続され、トランジスタQ4のコレクタ(制御回路31の出力端子)は抵抗R11を介して電源電圧Vinが印加されると共にトランジスタQ3のベース(出力回路14の入力端子)に接続されている。
【0058】
電源電圧VinがツェナーダイオードZ2のツェナー電圧Va以下の場合(Vin≦Va)には、トランジスタQ4がオフしており、トランジスタQ3がオンするため、トランジスタQ2もオンすることなる。
電源電圧Vinがツェナー電圧Vaを超える場合(Vin>Va)には、トランジスタQ4がオンしており、トランジスタQ3がオフするため、トランジスタQ2もオフすることなる。
【0059】
すなわち、電源電圧Vinが電圧Va以下の場合(Vin≦Va)には、LED直列回路15に電源電圧Vinが印加されて直流電源が供給され、定電流回路17の駆動トランジスタQ1に各LED16の駆動電流が流れるため、各LED16は定電流回路17により定電流駆動されて点灯される。
また、電源電圧Vinが電圧Vaを超える場合には、出力回路14が電源電圧VinをLED直列回路15および定電流回路17へ出力するのを停止させる停止動作を制御回路31が行うため、LED直列回路15には直流電源が供給されず、定電流回路17の駆動トランジスタQ1には各LED16の駆動電流が流れないため、各LED16は消灯される。
【0060】
従って、第3実施形態のLED駆動回路30によれば、第1実施形態の前記[3][5][7]と同様の作用・効果が得られ、前記[2]の条件では、電源電圧Vinが24.45V以下になるような定電圧電源ユニット12を市販既製品の中から適宜選択すればよい。
【0061】
<第4実施形態>
図4に示すように、第4実施形態のLED駆動回路40は、直流電源11、定電圧電源ユニット12(電圧調整回路12a:電源電圧Vin)、制御回路41(コンパレータCP1,CP2、抵抗R6〜R10,R12〜R20、ツェナーダイオードZ2、PNPトランジスタQ5、ダイオードD1,D2)、出力回路14(PMOSトランジスタQ2、PNPトランジスタQ3、抵抗R4,R5)、LED直列回路15、LED16、定電流回路17(NPNトランジスタQ1、オペアンプOP、ツェナーダイオードZ1、抵抗R1〜R3)から構成されている。
尚、説明を分かり易くするため、各抵抗R12〜R20とその抵抗値R12〜R20は同一符号とする。
【0062】
第4実施形態のLED駆動回路40において、第1実施形態のLED駆動回路10と異なるのは、制御回路41の構成だけである。
制御回路41は、コンパレータCP1,CP2、抵抗R6〜R10,R12〜R20、ツェナーダイオードZ2、PNPトランジスタQ5、ダイオードD1,D2から構成されたウィンドウコンパレータであり、定電圧電源ユニット12から電源電圧Vinが供給されている。
【0063】
第4実施形態の制御回路41において、第1実施形態の制御回路13と異なるのは、抵抗R12〜R20、PNPトランジスタQ5、ダイオードD1,D2が追加されている点だけである。
コンパレータCP1の非反転入力端子は、抵抗R12を介してツェナーダイオードZ1のツェナー電圧Vaが印加されると共に、コンパレータCP1の出力端子に接続されて正帰還がかけられている。
コンパレータCP1の出力端子は、抵抗R14を介してツェナー電圧Vaが印加されている。
【0064】
コンパレータCP2の反転入力端子は、抵抗R16を介して各抵抗R7,R8間のノードに接続されると共に、抵抗R17を介してPNPトランジスタQ5のエミッタに接続されている。
トランジスタQ5のコレクタはツェナー電圧Vaが印加されている。
コンパレータCP2の出力端子は、抵抗R19を介してツェナー電圧Vaが印加されると共に、抵抗R18を介してトランジスタQ5のベースに接続されている。
その結果、コンパレータCP2には、トランジスタQ5および抵抗R17〜R19を介して正帰還がかけられている。
【0065】
コンパレータCP1,CP2の出力端子(制御回路41の出力端子)はそれぞれ、逆方向接続されたダイオードD1,D2から抵抗R20を介してトランジスタQ3のベース(出力回路14の入力端子)に接続されている。
ダイオードD1,D2のアノードは抵抗R15を介してツェナー電圧Vaが印加されている。
ダイオードD1,D2および抵抗R15,R20は、ワイヤードOR接続された各コンパレータCP1,CP2の出力電圧が互いに影響を受けないために設けられている。
【0066】
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態のLED駆動回路40によれば、第1実施形態の前記[1]〜[7]の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0067】
[8]ウィンドウコンパレータである制御回路13において、上限しきい値電圧の高電圧値VTH(High)は数式1によって求められ、上限しきい値電圧の低電圧値VTH(Low)は数式2によって求められる。
【0068】
VTH(High)=Va+[R12/(R12+R13+R14)]×(Va−Va)=Va ………(数式1)
【0069】
VTH(Low)=Va−[R12/(R12+R13)]×Va ………(数式2)
【0070】
電圧Vbが上限しきい値電圧よりも十分に低い電圧から上昇する場合(第1状態)、コンパレータCP1の出力電圧はHレベルになるため、抵抗R12におけるコンパレータCP1の非反転入力端子に接続される側が高くなるような電圧降下(正の電圧降下)が抵抗R12に生じ、コンパレータCP1の非反転入力端子の電圧は高電圧値VTH(High)となり、電圧Vbが高電圧値VTH(High)以下のときにはこの状態が保たれる。
【0071】
電圧Vbが高電圧値VTH(High)を超えた瞬間に(第2状態)、コンパレータCP1の出力電圧はLレベルになり、抵抗R12におけるコンパレータCP1の非反転入力端子に接続される側が低くなるような電圧降下(負の電圧降下)が抵抗R12に生じ、コンパレータCP1の非反転入力端子の電圧は低電圧値VTH(Low)となり、その後は、電圧Vbが上昇してもコンパレータCP1の出力電圧はLレベルのままである(第3状態)。
【0072】
そして、第3状態から電圧Vbが徐々に下降する場合、電圧Vbが低電圧値VTH(Low)と等しくなるまで、コンパレータCP1の出力電圧はLレベルを保つが(第4状態)、電圧Vbが低電圧値VTH(Low)未満になると、コンパレータCP1の出力電圧は再びHレベルに反転して最初の状態(第1状態)に戻る。
【0073】
このように、コンパレータCP1の出力電圧と電圧Vaとの電圧差を各抵抗R12,R13で分圧してコンパレータCP1の非反転入力端子に正帰還させることにより、制御回路13の上限しきい値電圧に、高電圧値VTH(High)と低電圧値VTH(Low)との範囲内(ヒステリシス幅)でヒステリシスを付与することができる。
従って、電圧Vbが前記ヒステリシス幅内で変化しても、コンパレータCP1の出力電圧のレベルが変化しないため、電源電圧Vinにノイズが含まれている場合でも、そのノイズの影響を受けることなく、制御回路41を安定して動作させることが可能になり、前記[3]の作用・効果を確実に得られる。
【0074】
[9]ウィンドウコンパレータである制御回路13において、下限しきい値電圧の高電圧値VTL(High)は数式3によって求められ、下限しきい値電圧の低電圧値VTL(Low)は数式4によって求められる。
【0075】
VTL(High)=R8/{[R7/(R16+R17)]+R8}×Va ………(数式3)
【0076】
VTL(Low)=R8/(R7+R8)×Va ………(数式4)
【0077】
電圧Vbが下限しきい値電圧よりも十分に低い電圧から上昇する場合(第1状態)、コンパレータCP2の出力電圧はLレベルになるため、トランジスタQ5がオンし、抵抗R16におけるコンパレータCP2の反転入力端子に接続される側が高くなるような電圧降下(正の電圧降下)が抵抗R16に生じ、コンパレータCP2の反転入力端子の電圧は高電圧値VTL(High)となり、電圧Vbが高電圧値VTL(High)以下のときにはこの状態が保たれる。
【0078】
電圧Vbが高電圧値VTL(High)を超えた瞬間に(第2状態)、コンパレータCP2の出力電圧はHレベルになり、トランジスタQ5がオフし、抵抗R16におけるコンパレータCP2の反転入力端子に接続される側が低くなるような電圧降下(負の電圧降下)が抵抗R16に生じ、コンパレータCP2の反転入力端子の電圧は低電圧値VTL(Low)となり、その後は、電圧Vbが上昇してもコンパレータCP2の出力電圧はHレベルのままである(第3状態)。
【0079】
そして、第3状態から電圧Vbが徐々に下降する場合、電圧Vbが低電圧値VTL(Low)と等しくなるまで、コンパレータCP2の出力電圧はHレベルを保つが(第4状態)、電圧Vbが低電圧値VTL(Low)未満になると、コンパレータCP2の出力電圧は再びLレベルに反転して最初の状態(第1状態)に戻る。
【0080】
このように、コンパレータCP2の出力電圧と電圧Vcとの電圧差をトランジスタQ5および各抵抗R17〜R19から成る回路を介してコンパレータCP2の反転入力端子に正帰還させることにより、制御回路13の下限しきい値電圧に、高電圧値VTL(High)と低電圧値VTL(Low)との範囲内(ヒステリシス幅)でヒステリシスを付与することができる。
従って、電圧Vbが前記ヒステリシス幅内で変化しても、コンパレータCP2の出力電圧のレベルが変化しないため、電源電圧Vinにノイズが含まれている場合でも、そのノイズの影響を受けることなく、制御回路41を安定して動作させることが可能になり、前記[4]の作用・効果を確実に得られる。
【0081】
<別の実施形態>
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0082】
[A]各実施形態では、直列接続された4個のLED12を備えているが、本発明は、LED12を1〜3個または5個以上備えるLED駆動回路に適用してもよい。
【0083】
[B]NPNトランジスタQ1,Q3,Q4をNMOSトランジスタに置き換えてもよく、PMOSトランジスタQ2をPNPトランジスタに置き換えてもよく、PNPトランジスタQ5をPMOSトランジスタに置き換えてもよい。
【0084】
[C]前記各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施形態の作用・効果を合わせもたせたり、相乗効果を得ることができる。
【0085】
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【符号の説明】
【0086】
10,20,30,40…LED駆動回路
11…直流電源
12…定電圧電源ユニット
12a…電圧調整回路
13,21,31,41…制御回路
14…出力回路
15…LED直列回路
16…LED
17…定電流回路
Q1…NPNトランジスタ(駆動トランジスタ)
Q2…PMOSトランジスタ
Q3…PNPトランジスタ
Q4…PNPトランジスタ
OP…オペアンプ
R1〜R20…抵抗
Z1,Z2…ツェナーダイオード
CP1,CP2…コンパレータ
Vin…電源電圧
Vf-total(max)…各LED16の順方向電圧の最大値
Vcconst(max)…定電流回路17の最大駆動電圧
Vsh-max…上限しきい値電圧
Vf-total(min)…各LED16の順方向電圧の最小値
Vcconst(min)…定電流回路17の最小駆動電圧
Vsh-min…下限しきい値電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個または直列接続された複数個のLEDと、
前記LEDに直列接続された駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタに流れる電流を一定に制御することにより、前記LEDを定電流駆動する定電流回路と、
一定電圧の電源電圧を生成する定電圧電源と、
前記定電圧電源が生成した電源電圧を前記LEDおよび前記定電流回路へ出力する出力回路と、
前記LEDの駆動に要する駆動電圧値と、前記定電圧電源の電源電圧とを比較し、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過大な場合には、前記出力回路が前記電源電圧を前記LEDおよび前記定電流回路へ出力するのを停止させる停止動作を行う制御回路と
を備えたLED駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載のLED駆動回路において、
前記制御回路は、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過小な場合には、前記出力回路が前記電源電圧を前記LEDおよび前記定電流回路へ出力するのを停止させる制御回路と
を備えたLED駆動回路。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のLED駆動回路において、
前記制御回路は、前記LEDの順方向電圧の最大値と、前記定電流回路の最大駆動電圧との加算値を上限しきい値電圧とし、前記電源電圧が前記上限しきい値電圧より大きい場合に、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過大であるとして前記停止動作を行うLED駆動回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のLED駆動回路において、
前記制御回路は、前記LEDの順方向電圧の最小値と、前記定電流回路の最小駆動電圧との加算値を下限しきい値電圧とし、前記電源電圧が前記下限しきい値電圧より小さい場合に、前記駆動電圧値よりも前記電源電圧が過小であるとして前記停止動作を行うLED駆動回路。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のLED駆動回路において、
前記しきい値電圧にヒステリシスが付与されているLED駆動回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のLED駆動回路において、
前記定電圧電源は、前記電源電圧を調整するための電圧調整回路を備えるLED駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−62288(P2013−62288A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198147(P2011−198147)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】