説明

LED駆動装置、照明装置、および照明器具

【課題】 昇圧回路と降圧回路とで構成され、昇圧電圧を発生するコンデンサの小容量化による応答性の向上および低コスト化を図りながら、リプル電圧の低減を可能にすることができるLED駆動装置、照明装置、および照明器具を提供する。
【解決手段】 LED駆動装置A1は、直流電源E1の直流電圧V1を昇圧した昇圧電圧V2をコンデンサC1に発生させる昇圧チョッパ回路A11と、直流電圧V2を降圧した直流電圧V3をLEDユニット3に出力する降圧チョッパ回路A12と、昇圧チョッパ回路A11の昇圧動作および降圧チョッパ回路A12の降圧動作を制御する制御回路A13とを備え、制御回路A13は、降圧チョッパ回路A12がコンデンサC1を放電させる期間の少なくとも一部に、昇圧チョッパ回路A11がコンデンサC1を充電する期間が重複するように、昇圧チョッパ回路A11の昇圧動作および降圧チョッパ回路A12の降圧動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED駆動装置、照明装置、および照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明分野においては、LED(Light Emitting Diode)素子が盛んに使用され、その用途も多様化している。車両の照明では、白色LED素子が車室内において活用され、さらには高輝度化によってヘッドライト、デイタイムランニングランプ等にも使用されている。
【0003】
LED素子は、白熱電球と比べ長寿命で応答性が速く、構造上コンパクトに実装できる。また、各種の色が簡単に実現でき、調光による点灯制御も容易である。そして、灯具などの照明器具は、薄型化が可能になり、立体的に実装できることにより、車のデザインなど形状に制限を与えない自由な設計が可能になる等の利点がある。
【0004】
上述した照明器具は、LED素子と、LED素子を点灯させるLED駆動装置とが、器具本体に保持されて構成されている。LED駆動装置は、複数のLED素子を直列接続してなる光源に一定の電流を供給することによって、複数のLED素子を均一な明るさで点灯させる。
【0005】
そして、LED駆動装置には、入力電圧が変動しても出力電圧が一定範囲に収まるように制御するために、様々な構成のDC/DCコンバータが用いられる。
【0006】
例えば、入力電圧の値に応じて、出力のチョッパ方式を降圧チョッパまたは昇圧チョッパに切り替える構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、入力電圧に応じて降圧チョッパと昇圧チョッパとを切り替えて選択的に動作させる場合に、昇圧/降圧の切り替え時においても出力電圧を一定に保持する構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、昇圧チョッパ回路と降圧チョッパ回路とのそれぞれを独立に備えて、昇圧チョッパ回路の後段に降圧チョッパ回路を配した構成も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
図14は、従来のLED駆動装置B1の一例を示し、昇圧チョッパ回路B11の後段に降圧チョッパ回路B12を設けて構成されている。
【0008】
昇圧チョッパ回路B11は、スイッチング素子S101、コンデンサC101を備えている。そして、このスイッチング素子S101がオン・オフ駆動されることによって、コンデンサC101を充電し、入力電圧V101を昇圧した昇圧電圧V102をコンデンサC101の両端間に生成する。降圧チョッパ回路B12は、スイッチング素子S102を備えており、このスイッチング素子S102がオン・オフ駆動されることによって、コンデンサC101を放電させ、昇圧電圧V102を降圧した出力電圧V103を出力する。出力電圧V103は、複数のLED素子Z101を直列接続したLEDユニット103(LED光源)の両端間に印加され、LEDユニット103にLED電流I103が流れて点灯する。
【0009】
このLED駆動装置B1を車両に搭載して、車載用のLED駆動装置として用いた場合、直流電源E101は、車載バッテリで構成される。そして、車載バッテリの直流電圧(通常、12V)の変動を考慮すると、入力電圧V101の範囲として9〜16Vが想定される。過渡的な電圧変動を考えると、入力電圧V101の範囲として6〜20Vを想定する場合もある。
【0010】
LEDユニット103に用いられるLED素子Z101は、LED素子の使用数を低減させながらも必要な光束が得られるように、発光効率の向上などによって順方向電圧の改善が図られている。LED素子Z101の光束は、LED電流I103に比例して変化するので、複数のLED素子Z101を使用する場合は、LED素子を直列に接続して同一のLED電流を流し、それぞれのLED素子を同様に発光させる方法が一般的である。
【0011】
車載用のすれ違い前照灯にLED素子を用いた場合、発光効率の向上によって、使用するLED素子Z101の数は4個から12個程度で構成される場合が多い。1つのLED素子Z101の順方向電圧は、電流容量、素子の構成や材料、使用温度、動作電流などで変動するが、順方向電流が数百mAであれば、順方向電圧は3〜3.5V程度である。4個のLED素子Z101を直列接続したLEDユニット103の場合、その両端電圧は12〜14V、5個のLED素子Z101を直列接続したLEDユニット103の場合、その両端電圧は15〜17.5Vになる。
【0012】
図15は、入力電圧V101−出力電圧V102の関係を示すグラフである。そして、V101=V102となる直線X101を境にして、直線X101の下方はV101>V102の領域(降圧領域)であり、直線X101の上方はV101<V102の領域(昇圧領域)である。
【0013】
また、入力電圧V101の範囲W101[9〜16V]は、車載バッテリの直流電圧(通常、12V)の変動を考慮したものである。入力電圧V101の範囲W102[6〜20V]は、車載バッテリの直流電圧の過渡的な電圧変動をも考慮したものである。
【0014】
そして、図15中の領域G101は、入力電圧V101の範囲W102と、5個のLED素子Z101を直列接続したLEDユニット103がとり得る両端電圧の範囲W103[15〜17.5V]とで囲まれた領域である。図15中の領域G102は、入力電圧V101の範囲W102と、4個のLED素子Z101を直列接続したLEDユニット103がとり得る両端電圧の範囲W104[12〜14V]とで囲まれた領域である。LED駆動装置B1は、領域G101または領域G102を想定して動作することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開昭62−18970号公報
【特許文献2】特開2010−268590号公報
【特許文献3】特開2010−40400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のLED駆動装置B1のコンデンサC101は、スイッチング素子S101,S102のスイッチングによって充電・放電され、コンデンサC101の両端電圧である昇圧電圧V102は、目標電圧に維持される。そして、LEDユニット3の光出力の変動を小さくするためには、昇圧電圧V102の変動が小さい程よい。したがって、昇圧電圧V102のリプル電圧(昇圧電圧V102の交流分の変動幅)を低減させる必要がある。
【0017】
そこで、昇圧電圧V102のリプル電圧を低減させるために、コンデンサC101の容量を大きくすることが考えられるが、コンデンサC101の大型化によって、装置自体が大型化、高コスト化してしまう。また、コンデンサC101の容量を大きくすると、入力電圧V101やLEDユニット103等の瞬時的な変化に対して応答性が鈍くなる。例えば、入力電圧V101と出力電圧V103との大小関係が反転する状況下では、応答性が鈍くなったことによって、LEDユニット103へ過電流が流れる虞がある。
【0018】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、昇圧回路と降圧回路とで構成され、昇圧電圧を発生するコンデンサの小容量化による応答性の向上および低コスト化を図りながら、リプル電圧の低減を可能にすることができるLED駆動装置、照明装置、および照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のLED駆動装置は、1乃至複数のLED素子で構成されるLED光源に直流電力を供給するLED駆動装置であって、コンデンサを有し、このコンデンサを充電することによって、直流電源の第1の直流電圧を昇圧した第2の直流電圧を前記コンデンサに発生させる昇圧回路と、前記コンデンサを放電させることによって、前記第2の直流電圧を降圧した第3の直流電圧を前記LED光源に出力する降圧回路と、前記昇圧回路の昇圧動作および前記降圧回路の降圧動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記降圧回路が前記コンデンサを放電させる期間の少なくとも一部に、前記昇圧回路が前記コンデンサを充電する期間が重複するように、前記昇圧回路の昇圧動作および前記降圧回路の降圧動作を制御することを特徴とする。
【0020】
この発明において、前記昇圧回路は、第1のスイッチング素子を有し、この第1のスイッチング素子のオフ期間に前記コンデンサを充電し、前記降圧回路は、第2のスイッチング素子を有し、この第2のスイッチング素子のオン期間に前記コンデンサを放電し、前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御し、前記第2のスイッチング素子のオン期間に同期させて前記第1のスイッチング素子のオフ期間を設けることが好ましい。
【0021】
この発明において、前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを同時にオフさせる期間を周期的に設けることによって、前記LED光源を調光制御することが好ましい。
【0022】
この発明において、前記昇圧回路は、第1のスイッチング素子を有し、この第1のスイッチング素子のオフ期間に前記コンデンサを充電し、前記降圧回路は、第2のスイッチング素子を有し、この第2のスイッチング素子のオン期間に前記コンデンサを放電し、前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御し、前記第2のスイッチング素子のスイッチング周期を、前記第1のスイッチング素子のスイッチング周期より長くして、前記第2のスイッチング素子がオフしている期間は、前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させることが好ましい。
【0023】
この発明において、前記昇圧回路は、第1のスイッチング素子を有し、この第1のスイッチング素子のオフ期間に前記コンデンサを充電し、前記降圧回路は、第2のスイッチング素子を有し、この第2のスイッチング素子のオン期間に前記コンデンサを放電し、前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御し、前記第1のスイッチング素子のスイッチング周波数を、前記第2のスイッチング素子のスイッチング周波数より高くしたことが好ましい。
【0024】
この発明において、前記第2の直流電圧を検出する電圧検出部と、前記LED光源に流れる電流を検出する電流検出部とを備え、前記制御回路は、前記第2の直流電圧の検出値に基づいて前記昇圧回路の昇圧動作を制御し、前記LED光源に流れる電流の検出値に基づいて前記降圧回路の降圧動作を制御することが好ましい。
【0025】
本発明の照明装置は、本発明のLED駆動装置と、前記LED駆動装置によって駆動される1乃至複数のLED素子で構成されたLED光源とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の照明器具は、本発明の照明装置と、前記照明装置を保持する器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明では、昇圧回路と降圧回路とで構成され、昇圧電圧を発生するコンデンサ容量の低減による応答性の向上と、リプル電圧の低減とを両立させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態1のLED駆動装置の概略構成を示すブロック図である
【図2】同上の構成を示す回路図である。
【図3】(a)〜(d)同上の動作を示す説明図である。
【図4】同上の詳細な構成を示す回路図である。
【図5】同上の制御回路の構成の一部を示すブロック図である。
【図6】実施形態2の制御回路の構成の一部を示すブロック図である。
【図7】(a)〜(d)同上の動作を示す説明図である。
【図8】実施形態3の制御回路の構成の一部を示すブロック図である。
【図9】(a)〜(d)同上の動作を示す説明図である。
【図10】実施形態4の制御回路の構成の一部を示すブロック図である。
【図11】実施形態5の降圧チョッパ回路の構成を示す回路図である。
【図12】同上のLED電流の検出手段の構成を示す回路図である。
【図13】(a)〜(c)同上のLED電流の検出波形を示す波形図である。
【図14】従来のLED駆動装置の概略構成を示すブロック図である
【図15】LED駆動装置の入力電圧−出力電圧の関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のLED駆動装置A1を示す。LED駆動装置A1は、直流電源E1の直流電圧を入力電圧V1として入力し、複数のLED素子Z1を直列接続したLEDユニット3(LED光源)を出力に接続している。LED駆動装置A1の出力電圧V3は、LEDユニット3の両端に印加され、LEDユニット3はLED電流I3が流れて点灯する。なお、LED駆動装置A1と、LEDユニット3とで、本発明の照明装置を構成する。
【0031】
そして、LED駆動装置A1は、昇圧チョッパ回路A11(昇圧回路)と、降圧チョッパ回路A12(降圧回路)と、制御回路A13とで構成され、昇圧チョッパ回路A11の後段に降圧チョッパ回路A12が接続されている。
【0032】
昇圧チョッパ回路A11は、スイッチング素子S1(第1のスイッチング素子)、コンデンサC1を備えている。そして、このスイッチング素子S1がオン・オフ駆動されることによって、コンデンサC1を充電し、入力電圧V1(第1の直流電圧)を昇圧した昇圧電圧V2(第2の直流電圧)をコンデンサC1の両端間に生成する。降圧チョッパ回路A12は、スイッチング素子S2を備えており、このスイッチング素子S2がオン・オフ駆動されることによって、コンデンサC1を放電させ、昇圧電圧V2を降圧した出力電圧V3(第3の直流電圧)を出力する。
【0033】
制御回路A13は、入力電圧V1から制御電源を内部で生成し、この制御電源によって動作する。そして、制御回路A13は、スイッチング素子S1をオン・オフ駆動することによって昇圧チョッパ回路A11の昇圧動作を制御し、スイッチング素子S2をオン・オフ駆動することによって降圧チョッパ回路A12の降圧動作を制御する。
【0034】
そして、LED駆動装置A1は、コンデンサC1の放電電流Ibが発生している期間の少なくとも一部に、コンデンサC1の充電電流Iaが発生する期間を重複させたことに特徴を有する。
【0035】
図2は、LED駆動装置A1の一例を示す。本実施形態の制御回路A13は、スイッチング素子S1,S2の各スイッチング動作を連動させて、スイッチング素子S2のオン期間に同期させてスイッチング素子S1のオフ期間を設けており、LED駆動装置A1の各部の状態を図3(a)〜(d)に示す。
【0036】
まず、昇圧チョッパ回路A11は、直流電源E1の両端間に接続したインダクタL1とスイッチング素子S1(第1のスイッチング素子)との直列回路と、スイッチング素子S1に並列接続したダイオードD1とコンデンサC1との直列回路とを備える。そして、制御回路A13は、スイッチング素子S1を高周波でオン・オフ駆動することによって、入力電圧V1を昇圧した昇圧電圧V2をコンデンサC1の両端間に発生させる。
【0037】
また、降圧チョッパ回路A12は、コンデンサC1の正極に一端を接続したインダクタL2と、コンデンサC1の負極に一端を接続したスイッチング素子S2(第2のスイッチング素子)とを備え、インダクタL2およびスイッチング素子S2の各他端間には、LEDユニット3が接続される。さらに、インダクタL2とLEDユニット3との直列回路には、回生用のダイオードD2が並列接続される。そして、制御回路A13は、スイッチング素子S2を高周波でオン・オフ駆動することによって、昇圧電圧V2を降圧した出力電圧V3をLEDユニット3の両端間に印加し、LED電流I3を目標電流に制御する。
【0038】
そして、図3(a)は、スイッチング素子S1のオン・オフ状態を示し、図3(c)は、スイッチング素子S2のオン・オフ状態を示しており、スイッチング素子S1,S2は同一のスイッチング周期T1でスイッチングする。スイッチング周期T1は、期間T1aと期間T1bとで構成されており、T1=T1a+T1bの関係にある。そして、期間T1aにおいて、スイッチング素子S1はオンし、スイッチング素子S2はオフする。さらに、期間T1bにおいて、スイッチング素子S1はオフし、スイッチング素子S2はオンする。
【0039】
このようなスイッチング素子S1,S2のオン・オフ動作に対して、昇圧チョッパ回路A11の入力電流I1は図3(b)に示され、LED電流I3は図3(d)に示される。
【0040】
具体的に、昇圧チョッパ回路A11は、スイッチング素子S1がオンすると、直流電源E1−インダクタL1−スイッチング素子S1−直流電源E1の経路で電流Isが流れ、インダクタL1に磁気エネルギーが蓄積される(図3(b)の白抜き部分)。そして、スイッチング素子S1がオフすると、インダクタL1に蓄積された磁気エネルギーが放出され、インダクタL1−ダイオードD1−コンデンサC1−直流電源E1−インダクタL1の経路で充電電流Iaが流れる(図3(b)の斜線部分)。このスイッチング素子S1のオン・オフが繰り返されることによって、コンデンサC1の両端には、入力電圧V1より高い昇圧電圧V2が発生する。制御回路A13は、昇圧電圧V2の検出値が予め決められている目標電圧に一致するように、スイッチング素子S1のオンデューティをPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
【0041】
次に、降圧チョッパ回路A12は、スイッチング素子S2がオンすると、コンデンサC1−インダクタL2−LEDユニット3−スイッチング素子S2−コンデンサC1の経路で放電電流Ibが流れる(図3(d)の斜線部分)。そして、スイッチング素子S2がオフすると、インダクタL2に蓄積された磁気エネルギーが放出され、インダクタL2−LEDユニット3−ダイオードD2−インダクタL2の経路で電流Idが流れる(図3(d)の白抜き部分)。このスイッチング素子S2のオン・オフが繰り返されることによって、LEDユニット3にはLED電流I3が連続して流れ、LED素子Z1は、LED電流I3に応じて発光する。制御回路A13は、LED電流I3の検出値が予め決められている目標電流に一致するように、スイッチング素子S2のオンデューティをPWM制御する。
【0042】
そして、期間T1bでは、スイッチング素子S1:オフ、スイッチング素子S2:オンとすることによって、期間T1bにおいてコンデンサC1を流入出する電流は、充電電流Iaと放電電流Ibとの和になる。そして、充電電流Iaと放電電流Ibとは流れる方向が互いに逆方向であるので、充電電流Iaと放電電流Ibとが互いに相殺され、コンデンサC1を流入出する電流が低減される。したがって、容量を小さくしたコンデンサC1を用いても、昇圧電圧V2のリプル電圧(昇圧電圧V2の交流分の変動幅)を低減させることができ、さらにはコンデンサC1の小型化を図ることもできる。
【0043】
また、コンデンサC1の小容量化によって、回路全体の応答性が向上するので、入力電圧V1やLEDユニット3等の瞬時的な変化時において、LEDユニット3に過電流が流れることを抑制できる。したがって、LEDユニット3にかかる電流ストレスが低減されるため、LEDユニット3の耐量を小さくでき、コストの点で有利になる。
【0044】
而して、昇圧電圧を発生するコンデンサC1の小容量化による応答性の向上および低コスト化を図りながら、リプル電圧の低減を可能にすることができる。
【0045】
次に、LED駆動装置A1の具体回路を図4に示し、スイッチング素子S1,S2の駆動制御について説明する。
【0046】
まず、昇圧チョッパ回路A11では、コンデンサC1の両端間に抵抗R1,R2の直列回路を接続して電圧検出部を構成し、抵抗R1,R2の接続点P1の電圧を、昇圧電圧V2の検出値として出力する。
【0047】
降圧チョッパ回路A12では、スイッチング素子S2と直流電源E1の負極との間に抵抗R3を接続して電流検出部を構成する。そして、スイッチング素子S2と抵抗R3との接続点P2の電圧を、スイッチング素子S2のオン時におけるLED電流I3の検出値として出力する。
【0048】
制御回路A13は、主制御回路10、昇圧制御回路11、降圧制御回路12を備える。
【0049】
そして、昇圧制御回路11および降圧制御回路12の回路ブロックは、図5に示すように、エラーアンプ13,14、PWM制御回路15、スイッチ駆動回路16,17で構成できる。PWM制御回路15は、エラーアンプ15a,15b、基準電圧発生回路15cで構成される。
【0050】
エラーアンプ13は、接続点P1の電圧(昇圧電圧V2の検出値)と予め設定された基準電圧Vref1との誤差を増幅して出力する。基準電圧発生回路15cは、周期T1のノコギリ波の電圧を発生する。そして、エラーアンプ15aは、エラーアンプ13の出力と、基準電圧発生回路15cが発生したノコギリ波の電圧とを比較し、その比較結果に応じてHレベルとLレベルとを交互に繰り返す周期T1のPWM信号を出力する。PWM信号は、スイッチング素子S1のオンデューティを決定する信号であり、スイッチ駆動回路16は、PWM信号に基づいてスイッチング素子S1を周期T1でオン・オフ駆動する。
【0051】
エラーアンプ14は、接続点P2の電圧(LED電流I1の検出値)と予め設定された基準電圧Vref2との誤差を増幅して出力する。そして、エラーアンプ15bは、エラーアンプ14の出力と、基準電圧発生回路15cが発生したノコギリ波の電圧とを比較し、その比較結果に応じてHレベルとLレベルとを交互に繰り返す周期T1のPWM信号を出力する。PWM信号は、スイッチング素子S2のオンデューティを決定する信号であり、スイッチ駆動回路17は、PWM信号に基づいてスイッチング素子S2を周期T1でオン・オフ駆動する。
【0052】
本実施形態の制御回路A13は、1つの基準電圧発生回路15cを用いて、スイッチング素子S1,S2のPWM信号を生成するので、スイッチング素子S1,S2は同一周波数(=1/T1)でオン・オフ駆動される。したがって、スイッチ駆動回路16,17は、スイッチング素子S1,S2のオン・オフ動作を同一周波数で連動させることができ、スイッチング素子S2のオン期間に同期させてスイッチング素子S1のオフ期間を設けることが容易になる。さらに、制御回路A13の回路構成を簡略化することができる。
【0053】
(実施形態2)
本実施形態のLED駆動装置は、実施形態1の制御回路A13の代わりに、図6に示す制御回路A13aを用いるものであり、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0054】
制御回路A13aは、エラーアンプ15aとスイッチ駆動回路16との間にAND素子18を設け、エラーアンプ15bとスイッチ駆動回路17との間にNAND素子19を設けている。さらに、HレベルとLレベルとを低周波(数十Hz〜数百Hz)で交互に繰り返す調光信号を発生する低周波発振器20を備える。
【0055】
そして、AND素子18は、エラーアンプ15aの出力と低周波発振器20の出力とを入力され、その出力はスイッチ駆動回路16に接続される。また、NAND素子19は、エラーアンプ15bの出力と低周波発振器20の出力とを入力され、その出力はスイッチ駆動回路17に接続される。
【0056】
図7(a)〜(d)は、LED駆動装置A1の各部の状態を示す。
【0057】
まず、エラーアンプ15a,15bは、実施形態1と同様にHレベルとLレベルとを交互に繰り返す周期T1のPWM信号を出力する。
【0058】
低周波発振器20は、HレベルとLレベルとを周期T2(>T1)で交互に繰り返す調光信号を出力している。周期T2は、期間T2aと期間T2bとで構成されており、T2=T2a+T2bの関係にある。そして、期間T2aにおいて、調光信号はHレベルに設定され、期間T2bにおいて、調光信号はLレベルに設定される。
【0059】
そして、調光信号がHレベルである期間T2aにおいて、AND素子18は、エラーアンプ15aのPWM信号を出力し、NAND素子19は、エラーアンプ15bのPWM信号を反転して出力する。スイッチ駆動回路16,17は、AND素子18およびNAND素子19からのPWM信号に基づいて、スイッチング素子S1,S2をオン・オフ駆動し、スイッチング素子S2のオン期間に同期させてスイッチング素子S1のオフ期間を設ける(図7(a)(b))。而して、LED電流I3が、LEDユニット3に流れる。(図7(d))。
【0060】
一方、調光信号がLレベルである期間T2bにおいて、AND素子18は、エラーアンプ15aのPWM信号に関わらずLレベル信号を出力し、NAND素子19は、エラーアンプ15bのPWM信号に関わらずHレベル信号を出力する。スイッチ駆動回路16,17は、AND素子18およびNAND素子19からの各信号に基づいて、スイッチング素子S1,S2の両方をオフさせて(図7(a)(b))、LEDユニット3へのLED電流I3を遮断する(図7(d))。この調光信号がLレベルである期間T2bでは、充電電流Iaもゼロになる(図7(c))。
【0061】
すなわち、スイッチング素子S1,S2は、調光信号がLレベルである期間T2bに同期して低周波で周期的にオフしており、期間T2bのデューティを変化させることによって、LEDユニット3を調光制御できる。
【0062】
(実施形態3)
本実施形態のLED駆動装置は、図8に示す昇圧制御回路11および降圧制御回路12の回路ブロックを有する制御回路A13bを用いるものであり、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0063】
制御回路A13bは、昇圧制御回路11および降圧制御回路12の回路ブロックとして、エラーアンプ31、PWM制御回路32、AND素子33、調光制御部34、調光信号生成部35、スイッチ駆動回路36,37を備える。PWM制御回路32は、エラーアンプ32a、基準電圧発生回路32bで構成される。
【0064】
エラーアンプ31は、接続点P1の電圧(昇圧電圧V2の検出値)と予め設定された基準電圧Vref3との誤差を増幅して出力する。基準電圧発生回路32bは、周期T3のノコギリ波の電圧を発生する。そして、エラーアンプ32aは、エラーアンプ31の出力と、基準電圧発生回路32bが発生したノコギリ波の電圧とを比較し、その比較結果に応じてHレベルとLレベルとを交互に繰り返す周期T3のPWM信号を出力する。PWM信号は、スイッチング素子S1のオンデューティを決定する信号であり、AND素子33を介してスイッチ駆動回路36に入力される。
【0065】
AND素子33は、エラーアンプ32aが出力するPWM信号と、調光信号生成部35が出力する調光信号とが入力される。調光信号生成部35は、例えば電圧/周波数変換器で構成されており、調光信号生成部35が出力する調光信号は、周期T4でHレベルとLレベルとを交互に繰り返す。周期T4は、期間T4aと期間T4bとで構成されており、T4=T4a+T4b>T3の関係にある。そして、期間T4aにおいて、調光信号はHレベルに設定され、期間T4bにおいて、調光信号はLレベルに設定される。さらに、調光制御部34は、可変抵抗等を有して、出力電圧を可変に構成されており、調光信号生成部35は、調光制御部34の出力電圧に応じて期間T4bのデューティを変化させる。
【0066】
そして、スイッチ駆動回路36は、AND素子33の出力に基づいて、スイッチング素子S1をスイッチング制御する。スイッチ駆動回路37は、調光信号生成部35が出力する調光信号に基づいて、スイッチング素子S2をスイッチング制御する。
【0067】
図9(a)〜(d)は、LED駆動装置A1の各部の状態を示す。
【0068】
まず、調光信号がHレベルである期間T4aにおいて、AND素子33は、エラーアンプ32aのPWM信号を出力する。スイッチ駆動回路36は、AND素子33からのPWM信号に基づいて、スイッチング素子S1を周期T3でオン・オフ駆動する(図9(b))。さらに、期間T4aに亘ってHレベルの調光信号を入力されたスイッチ駆動回路37は、スイッチング素子S2をオン状態に維持する(図9(a))。而して、LED電流I3が、LEDユニット3に流れる。(図9(d))。
【0069】
一方、調光信号がLレベルである期間T4bにおいて、AND素子33は、エラーアンプ32aのPWM信号に関わらずLレベル信号を出力する。スイッチ駆動回路36は、AND素子33からの信号に基づいて、スイッチング素子S1をオフさせて(図9(b))、昇圧チョッパ回路A11の昇圧動作を停止させる。この調光信号がLレベルである期間T4bでは、充電電流Iaもゼロになる(図9(c))。さらに、期間T4bに亘ってLレベルの調光信号を入力されたスイッチ駆動回路37は、スイッチング素子S2をオフ状態に維持し(図9(a))、LEDユニット3へのLED電流I3を遮断する(図9(d))。
【0070】
すなわち、スイッチング素子S1,S2は、調光信号がLレベルである期間T4bに同期して低周波で周期的にオフしており、期間T4bのデューティを変化させることによって、LEDユニット3を調光制御できる。
【0071】
また、期間T4aでは、スイッチング素子S2がオンし、スイッチング素子S1が周期T3でオン・オフを繰り返しており、コンデンサC1の放電電流Ibが発生している期間の一部に、コンデンサC1の充電電流Iaが発生する期間を重複させている。すなわち、充電電流Iaと放電電流Ibとが互いに相殺され、コンデンサC1を流入出する電流が低減される。したがって、容量を小さくしたコンデンサC1を用いても、昇圧電圧V2のリプル電圧(昇圧電圧V2の交流分の変動幅)を低減させることができ、さらにはコンデンサC1の小型化を図ることもできる。
【0072】
また、コンデンサC1の小容量化によって、回路全体の応答性が向上するので、入力電圧V1やLEDユニット3等の瞬時的な変化時において、LEDユニット3に過電流が流れることを抑制できる。したがって、LEDユニット3にかかる電流ストレスが低減されるため、LEDユニット3の耐量を小さくでき、コストの点で有利になる。
【0073】
而して、昇圧電圧を発生するコンデンサC1の小容量化による応答性の向上および低コスト化を図りながら、リプル電圧の低減を可能にすることができる。
【0074】
(実施形態4)
本実施形態のLED駆動装置は、図10に示す昇圧制御回路11および降圧制御回路12の回路ブロックを有する制御回路A13cを用いるものであり、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0075】
制御回路A13cは、昇圧制御回路11および降圧制御回路12の回路ブロックとして、エラーアンプ41,42、PWM制御回路43,44、AND素子45,46、調光制御部47、調光信号生成部48、スイッチ駆動回路49,50を備える。PWM制御回路43は、エラーアンプ43a、基準電圧発生回路43bで構成され、PWM制御回路44は、エラーアンプ44a、基準電圧発生回路44bで構成される。
【0076】
エラーアンプ41は、接続点P1の電圧(昇圧電圧V2の検出値)と予め設定された基準電圧Vref4との誤差を増幅して出力する。基準電圧発生回路43bは、周期T5のノコギリ波の電圧を発生する。そして、エラーアンプ43aは、エラーアンプ41の出力と、基準電圧発生回路43bが発生したノコギリ波の電圧とを比較し、その比較結果に応じてHレベルとLレベルとを交互に繰り返す周期T5のPWM信号を出力する。PWM信号は、スイッチング素子S1のオンデューティを決定する信号であり、AND素子45を介してスイッチ駆動回路49に入力される。
【0077】
エラーアンプ42は、接続点P2の電圧(LED電流I3の検出値)と予め設定された基準電圧Vref5との誤差を増幅して出力する。基準電圧発生回路44bは、周期T6(>T5)のノコギリ波の電圧を発生する。そして、エラーアンプ44aは、エラーアンプ42の出力と、基準電圧発生回路44bが発生したノコギリ波の電圧とを比較し、その比較結果に応じてHレベルとLレベルとを交互に繰り返す周期T6のPWM信号を出力する。PWM信号は、スイッチング素子S2のオンデューティを決定する信号であり、AND素子46を介してスイッチ駆動回路50に入力される。
【0078】
次に、調光信号生成部48は、例えば電圧/周波数変換器で構成されており、調光信号生成部48が出力する調光信号は、周期T7でHレベルとLレベルとを交互に繰り返す。周期T7は、期間T7aと期間T7bとで構成されており、T7=T7a+T7b>T6>T5の関係にある。そして、期間T7aにおいて、調光信号はHレベルに設定され、期間T7bにおいて、調光信号はLレベルに設定される。さらに、調光制御部47は、可変抵抗等を有して、出力電圧を可変に構成されており、調光信号生成部48は、調光制御部47の出力電圧に応じて期間T7bのデューティを変化させる。
【0079】
そして、AND素子45は、エラーアンプ43aが出力するPWM信号と、調光信号生成部48が出力する調光信号とが入力される。また、AND素子46は、エラーアンプ44aが出力するPWM信号と、調光信号生成部48が出力する調光信号とが入力される。
【0080】
スイッチ駆動回路49は、AND素子45の出力に基づいて、スイッチング素子S1をスイッチング制御する。スイッチ駆動回路50は、AND素子46の出力に基づいて、スイッチング素子S2をスイッチング制御する。
【0081】
具体的に、調光信号生成部48が出力する調光信号がHレベルである期間において、以下のように動作する。まず、AND素子45は、エラーアンプ43aのPWM信号を出力し、スイッチ駆動回路49は、スイッチング素子S1を周期T5でオン・オフ駆動する。さらに、AND素子46は、エラーアンプ44aのPWM信号を出力し、スイッチ駆動回路50は、スイッチング素子S2を周期T6でオン・オフ駆動する。
【0082】
ここで、スイッチング素子S1のスイッチング周波数(=1/T5)は、スイッチング素子S2のスイッチング周波数(=1/T6)より高い。したがって、スイッチング素子S2のオン期間に、スイッチング素子S1はオン・オフを繰り返しており、コンデンサC1の放電電流Ibが発生している期間の一部に、コンデンサC1の充電電流Iaが発生する期間を重複させている。すなわち、充電電流Iaと放電電流Ibとが互いに相殺され、コンデンサC1を流入出する電流が低減される。したがって、容量を小さくしたコンデンサC1を用いても、昇圧電圧V2のリプル電圧(昇圧電圧V2の交流分の変動幅)を低減させることができ、さらにはコンデンサC1の小型化を図ることもできる。
【0083】
また、コンデンサC1の小容量化によって、回路全体の応答性が向上するので、入力電圧V1やLEDユニット3等の瞬時的な変化時において、LEDユニット3に過電流が流れることを抑制できる。したがって、LEDユニット3にかかる電流ストレスが低減されるため、LEDユニット3の耐量を小さくでき、コストの点で有利になる。
【0084】
而して、昇圧電圧を発生するコンデンサC1の小容量化による応答性の向上および低コスト化を図りながら、リプル電圧の低減を可能にすることができる。
【0085】
一方、調光信号生成部48が出力する調光信号がLレベルである期間において、AND素子45は、エラーアンプ43aのPWM信号に関わらずLレベル信号を出力し、AND素子46は、エラーアンプ44aのPWM信号に関わらずLレベル信号を出力する。スイッチ駆動回路49,50は、AND素子45,46からの各信号に基づいて、スイッチング素子S1,S2の両方をオフさせて、LEDユニット3へのLED電流I3を遮断する。
【0086】
すなわち、スイッチング素子S1,S2は、調光信号がLレベルである期間に同期して低周波で周期的にオフしており、調光信号のLレベル期間のデューティを変化させることによって、LEDユニット3を調光制御できる。
【0087】
(実施形態5)
本実施形態のLED駆動装置は、実施形態1〜4いずれかの降圧チョッパ回路A12の代わりに、図11に示す降圧チョッパ回路A12aを用いるものであり、実施形態1乃至4と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0088】
降圧チョッパ回路A12aは、昇圧チョッパ回路A11のコンデンサC1の正極に接続したスイッチング素子S2a(第2のスイッチング素子)とインダクタL2aとの直列回路を備え、インダクタL2a−直流電源E1の負極間には、LEDユニット3が接続される。さらに、インダクタL2aとLEDユニット3との直列回路には、回生用のダイオードD2aが並列接続される。そして、制御回路A13は、スイッチング素子S2aをオン・オフ駆動することによって、昇圧電圧V2を降圧した出力電圧V3をLEDユニット3の両端間に印加し、LED電流I3を目標電流に制御する。
【0089】
具体的に、降圧チョッパ回路A12aは、スイッチング素子S2aがオンすると、コンデンサC1−スイッチング素子S2a−インダクタL2a−LEDユニット3−コンデンサC1の経路で電流が流れる。そして、スイッチング素子S2aがオフすると、インダクタL2aに蓄積された磁気エネルギーが放出され、インダクタL2a−LEDユニット3−ダイオードD2a−インダクタL2aの経路で電流が流れる。このスイッチング素子S2aのオン・オフが繰り返されることによって、LEDユニット3にはLED電流I3が連続して流れ、LED素子Z1は、LED電流I3に応じて発光する。制御回路A13は、LED電流I3の検出値が予め決められている目標電流に一致するように、スイッチング素子S2aのオンデューティをPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
【0090】
図12は、LED電流I3を検出する電流検出部の構成を示しており、抵抗R11〜R13のいずれかを用いる。抵抗R11は、LEDユニット3とダイオードD2aとの接続点−コンデンサC1の負極間に介挿されており、スイッチング素子S2aのオン時におけるLED電流I3を検出する(図13(a))。抵抗R12は、ダイオードD2aに直列接続されており、スイッチング素子S2aのオフ時におけるLED電流I3を検出する(図13(b))。抵抗R13は、LEDユニット3に直列接続されており、スイッチング素子S2aのオン時およびオフ時におけるLED電流I3を検出する(図13(c))。なお、抵抗R11〜R13のいずれを用いるかは、負荷や制御の方式によって選択すればよい。
【0091】
本実施形態の降圧チョッパ回路12aは、スイッチング素子S2aを高電圧側に設けて、LEDユニット3の一端(カソード側)を直流電源E1の負極に接続している。したがって、直流電源E1の負極を、LED素子Z1の放熱のために設ける図示しない放熱フィンに接地した場合、LED素子Z1の絶縁を考慮する必要がないため、構造面でのメリットがある。
【0092】
また、実施形態1〜5のLED駆動装置A1およびLEDユニット3を備える照明装置を器具本体に保持させて、本発明の照明器具を構成することができる。
【符号の説明】
【0093】
A1 LED駆動装置
A11 昇圧チョッパ回路(昇圧回路)
A12 降圧チョッパ回路(降圧回路)
A13 制御回路
C1 コンデンサ
E1 直流電源
3 LEDユニット(LED光源)
Z1 LED素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1乃至複数のLED素子で構成されるLED光源に直流電力を供給するLED駆動装置であって、
コンデンサを有し、このコンデンサを充電することによって、直流電源の第1の直流電圧を昇圧した第2の直流電圧を前記コンデンサに発生させる昇圧回路と、
前記コンデンサを放電させることによって、前記第2の直流電圧を降圧した第3の直流電圧を前記LED光源に出力する降圧回路と、
前記昇圧回路の昇圧動作および前記降圧回路の降圧動作を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記降圧回路が前記コンデンサを放電させる期間の少なくとも一部に、前記昇圧回路が前記コンデンサを充電する期間が重複するように、前記昇圧回路の昇圧動作および前記降圧回路の降圧動作を制御する
ことを特徴とするLED駆動装置。
【請求項2】
前記昇圧回路は、第1のスイッチング素子を有し、この第1のスイッチング素子のオフ期間に前記コンデンサを充電し、
前記降圧回路は、第2のスイッチング素子を有し、この第2のスイッチング素子のオン期間に前記コンデンサを放電し、
前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御し、前記第2のスイッチング素子のオン期間に同期させて前記第1のスイッチング素子のオフ期間を設ける
ことを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを同時にオフさせる期間を周期的に設けることによって、前記LED光源を調光制御することを特徴とする請求項2記載のLED駆動装置。
【請求項4】
前記昇圧回路は、第1のスイッチング素子を有し、この第1のスイッチング素子のオフ期間に前記コンデンサを充電し、
前記降圧回路は、第2のスイッチング素子を有し、この第2のスイッチング素子のオン期間に前記コンデンサを放電し、
前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御し、前記第2のスイッチング素子のスイッチング周期を、前記第1のスイッチング素子のスイッチング周期より長くして、前記第2のスイッチング素子がオフしている期間は、前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項5】
前記昇圧回路は、第1のスイッチング素子を有し、この第1のスイッチング素子のオフ期間に前記コンデンサを充電し、
前記降圧回路は、第2のスイッチング素子を有し、この第2のスイッチング素子のオン期間に前記コンデンサを放電し、
前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子をスイッチング制御し、前記第1のスイッチング素子のスイッチング周波数を、前記第2のスイッチング素子のスイッチング周波数より高くした
ことを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項6】
前記第2の直流電圧を検出する電圧検出部と、前記LED光源に流れる電流を検出する電流検出部とを備え、
前記制御回路は、前記第2の直流電圧の検出値に基づいて前記昇圧回路の昇圧動作を制御し、前記LED光源に流れる電流の検出値に基づいて前記降圧回路の降圧動作を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のLED駆動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のLED駆動装置と、
前記LED駆動装置によって駆動される1乃至複数のLED素子で構成されたLED光源と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7記載の照明装置と、前記照明装置を保持する器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−110062(P2013−110062A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255958(P2011−255958)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】