説明

LED駆動装置及びそれを用いた照明装置

【課題】回路を複雑化することなくLEDの色の変化を抑えて調光することのできるLED駆動装置及びそれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】直流電源DC1に接続されて中間電圧VC1を出力する昇圧回路1と、複数のLED30から成る光源部3に接続されて中間電圧VC1を降圧して負荷電圧V2を光源部3に出力する降圧回路2と、昇圧回路1及び降圧回路2を制御する主制御回路4と、外部から設定される光源部3の調光率に基づいて主制御回路4に光源部3を調光させる調光制御回路5とを備え、降圧回路2は、スイッチング素子Q2を有し、主制御回路4は、降圧回路3のスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御し、且つ入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合と、入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合とで昇圧回路1又は降圧回路2の動作を切り替えることで光源部3を調光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを光源としたLED駆動装置及びそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(以下、「LED」と呼ぶ)が盛んに照明分野で使用され、その用途も多様化している。例えば、車両の分野では、白色LEDが車室内の照明に使用され、また、高輝度のヘッドライトやデイタイムランニングランプにも白色LEDが使用されている。
【0003】
LEDは、白熱電球と比べて長寿命で応答性が速く構造上コンパクトに実装でき、また、用途に応じてフィルタなしで各種の色が簡単に実現でき、調光による点灯制御も容易である。そして、灯具などの照明器具が薄く、立体的に実装できることにより、車のデザインなど形状に制限を与えない自由な設計が可能などの利点がある。
【0004】
このようなLEDを光源とした負荷に印加する出力電圧を一定に保つ電源装置が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の電源装置は、同一のチョークコイルにそれぞれ接続される降圧用チョッパトランジスタ及び昇圧用チョッパトランジスタと、入力電圧と所望の出力電圧との大小を比較判別する入力電圧判別回路とを備える。また、この電源装置は、入力電圧判別回路からの出力に応じて降圧用及び昇圧用チョッパトランジスタを択一的に動作させる切替回路を備えており、自動的に入力電圧に応じて降圧型電源、昇圧型電源として切替え動作するものである。
【0005】
また、入力電圧の変動に対して出力電圧を一定に保持するように制御するDC−DCコンバータが例えば特許文献2に開示されている。特許文献2に記載のDC−DCコンバータは、入力電圧より低い出力電圧を出力する降圧部と、入力電圧より高い出力電圧を出力する昇圧部と、降圧部と昇圧部とを制御する制御部とを備える。そして、このDC−DCコンバータでは、降圧部の降圧スイッチと昇圧部の昇圧スイッチとを同時にスイッチングすることにより降圧と昇圧が同時に行われるので、降圧と昇圧の切替という動作を行わずに出力電圧を連続的に出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−018970号公報
【特許文献2】特開2010−268590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えばLEDを用いた車載用の光源に使用される電源電圧は通常12V程度であり、電源電圧の変動を考慮すると9〜16Vとなる。更に、電源電圧の過渡的な変動を含めれば、6〜20Vの範囲の電源電圧を想定して光源を点灯させる場合もある。近年では、LEDの発光効率の向上などにより、光源として使用するLEDの数が少ない場合でも必要な光束が得られるように改善が図られてきている。光束は、LEDを流れる順電流に比例して変化するため、複数のLEDを使用する場合には、LEDを直列に接続し、同一の電流を流して各LEDを均一に発光させる方法が一般的である。
【0008】
LEDを用いた車載用の光源(例えば、ロービーム)では、使用するLEDの数は4〜12個程度である。1つのLEDの順電圧は、素子の構成や材料、使用温度、動作電流などで変動はあるが、順電流が数百mAの場合には3〜3.5V程度である。したがって、LEDの数が4個の場合には、LEDの両端に印加される負荷電圧が12〜14V、5個の場合には、負荷電圧が15〜17.5Vとなる。
【0009】
ここで、電源電圧V1の範囲と負荷電圧V2の変動幅との相関を図12(a)に示す。同図において、V1=V2の線を境界線として、上側の領域がV1<V2の領域、下側の領域がV1>V2の領域となっている。また、同図において、実線で囲まれている2つの領域は、何れも実際に使用される電源電圧V1と負荷電圧V2とのばらつきの範囲を示しており、当該範囲を想定してLEDを駆動するLED駆動装置を動作させる。
【0010】
上記の範囲で使用するLED駆動装置の回路方式としては、従来例でも挙げたように、降圧回路と昇圧回路とを組み合わせた昇降圧チョッパ回路方式がある。この昇降圧チョッパ回路を採用したLED駆動装置の従来の基本的な構成を図12(b)に示す。このLED駆動装置は、直流電源DC1と、降圧回路100と、昇圧回路101と、複数のLEDから成る光源部102とで構成される。この直流電源DC1の電源電圧(入力電圧)V1を降圧及び昇圧することにより、光源部102に負荷電圧(出力電圧)V2を出力する。
【0011】
しかしながら、上記の基本構成及び従来例のように、電源側に降圧回路100、負荷側に昇圧回路101を接続する構成では、以下のような問題があった。すなわち、入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合に、負荷側が昇圧回路101で構成されていることから、光源部102を調光する際の制御は昇圧回路101の出力電圧の振幅を制御することとなる。このため、昇圧回路101の出力電圧の振幅の制御により順電流を大幅に低下させると、LEDの色の変化が大きくなる虞がある。特に、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDでは、その傾向が強い。
【0012】
なお、電源側の降圧回路100の有するスイッチング素子を低周波でオンオフすることでも光源部102を調光することは可能である。しかしながら、この場合には、昇圧回路101が低周波数で動作することとなって負荷電圧V2の変動が大きくなり、LEDに過電流が流れてストレスが増大する虞がある。
【0013】
上記のような振幅制御による光源部102の調光を避けるために、図13に示すように、昇圧回路101と光源部102との間にスイッチング素子103を追加し、スイッチング素子103のオンオフによるPWM調光を行うことも考えられる。しかしながら、この場合には、スイッチング素子103を新たに追加する必要があり、また、当該スイッチング素子103を制御する必要があることから回路が複雑化するという問題があった。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、回路を複雑化することなくLEDの色の変化を抑えて調光することのできるLED駆動装置及びそれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のLED駆動装置は、直流電源に接続されて前記直流電源の電源電圧を昇圧して中間電圧を出力する昇圧回路と、複数の発光ダイオードから成る光源部に接続されて前記昇圧回路の前記中間電圧を降圧して負荷電圧を前記光源部に出力する降圧回路と、前記昇圧回路及び前記降圧回路を制御する主制御回路と、外部から設定される前記光源部の調光率に基づいて前記主制御回路に前記光源部を調光させる調光制御回路とを備え、前記降圧回路は、少なくともスイッチング素子を有し、前記主制御回路は、前記降圧回路の前記スイッチング素子を所定の周波数でPWM制御し、且つ前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合と、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合とで前記昇圧回路又は前記降圧回路の動作を切り替えることで前記光源部を調光することを特徴とする。
【0016】
このLED駆動装置において、前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧が一定値となるように制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をオン/オフし、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をオン/オフすることが好ましい。
【0017】
このLED駆動装置において、前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧が一定値となるように制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をオン/オフすることが好ましい。
【0018】
このLED駆動装置において、前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧を振幅制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でオン/オフし且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御し、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でオン/オフし且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御することが好ましい。
【0019】
このLED駆動装置において、前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧が一定値となるように制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御し、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御することが好ましい。
【0020】
本発明の照明装置は、上記何れかのLED駆動装置と、前記光源部と、前記光源部及び前記LED駆動装置を保持する器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、回路を複雑化することなくLEDの色の変化を抑えて調光することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るLED駆動装置の基本形態を示す図で、(a)は回路概略図で、(b),(c)は入力電圧、中間電圧、出力電流の波形図である。
【図2】同上のLED駆動装置における昇圧回路及び降圧回路の動作例を示す図である。
【図3】本発明に係るLED駆動装置の実施形態1を示す回路概略図である。
【図4】同上のLED駆動装置における各制御回路を示す回路概略図で、(a)は昇圧制御回路の図で、(b)は降圧制御回路の図で、(c)は調光制御回路の図である。
【図5】本発明に係るLED駆動装置の実施形態2を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は降圧制御回路及び調光制御回路の図である。
【図6】本発明に係るLED駆動装置の実施形態3における昇圧制御回路の一部省略した回路概略図である。
【図7】本発明に係るLED駆動装置の実施形態4における降圧制御回路及び調光制御回路の回路概略図である。
【図8】本発明に係るLED駆動装置の実施形態5を示す回路概略図で、(a)は降圧制御回路の図で、(b)は降圧制御回路の他の構成の図である。
【図9】本発明に係るLED駆動装置の実施形態6における降圧制御回路及び調光制御回路の回路概略図である。
【図10】本発明に係るLED駆動装置の実施形態7を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は検出抵抗の配置例を示す図で、(c)は検出抵抗を流れる電流波形図である。
【図11】本発明に係る照明装置の実施形態を示す全体概略図である。
【図12】(a)は車載用のLEDに使用される電源電圧の範囲と負荷電圧の変動幅との相関図で、(b)は従来のLED駆動装置の基本的な構成を示す回路概略図である。
【図13】同上の従来のLED駆動装置の他の構成を示す回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(基本形態)
以下、本発明に係るLED駆動装置の基本形態について図面を用いて説明する。本基本形態は、図1(a)に示すように、直流電源DC1に接続される昇圧回路1と、複数のLED30を直列に接続して成る光源部3に接続される降圧回路2と、主制御回路4と、調光制御回路5とで構成される。
【0024】
昇圧回路1は、チョークコイルL1、ダイオードD1、スイッチング素子Q1、コンデンサC1から成る。昇圧回路1は、後述する主制御回路4によってスイッチング素子Q1のオン/オフを高周波数(数十kHz〜数百kHz)で切り替えられることにより、直流電源DC1の電源電圧(入力電圧)V1を昇圧して中間電圧VC1をコンデンサC1の両端電圧として出力する。
【0025】
降圧回路2は、チョークコイルL2、ダイオードD2、スイッチング素子Q2から成る。降圧回路2は、後述する主制御回路4によってスイッチング素子Q2のオン/オフを低周波数(100〜500Hz)で切り替えられることにより、中間電圧VC1を降圧して負荷電圧(出力電圧)V2を出力し、光源部3に印加する。
【0026】
主制御回路4は、昇圧回路1及び降圧回路2の各スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフを制御することで、中間電圧VC1及び出力電圧V2を制御する。調光制御回路5は、外部からの調光信号に基づいて主制御回路4を制御することで、光源部3に印加される出力電圧V2及び光源部3を流れる負荷電流(出力電流)I1を変化させて光源部3を調光する。なお、主制御回路4及び調光制御回路5の具体的な構成については以下の各実施形態で後述する。
【0027】
ここで、本基本形態では、図1(b)に示すように、降圧回路2のスイッチング素子Q2を周期T1の低周波でオン/オフさせ、そのオンデューティ比を変化させる、すなわち低周波のPWM(パルス幅変調)制御を行うことで光源部3を調光する。または、本基本形態では、図1(c)に示すように、スイッチング素子Q2のオン期間T10において、スイッチング素子Q2を高周波数(数十kHz〜数百kHz)でオン/オフさせ、そのオンデューティ比を変化させている。すなわち、降圧回路2は、周期T1の低周波でPWM制御を行い、且つスイッチング素子Q2のオン期間T10においては、高周波のPWM制御を行うことで光源部3を調光する。
【0028】
以下、本基本形態における昇圧回路1及び降圧回路2の動作例について説明する。なお、各動作を実現する具体的な回路については後述の各実施形態で説明する。先ず、昇圧回路1の動作例について説明する。昇圧回路1は、入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合には、中間電圧VC1を所定の電圧値で一定となるように制御する(図2の(1)参照)。他に、入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合には、昇圧回路1は、調光制御回路5からの調光信号を受けて中間電圧VC1を変化させることで、出力電流I1を変化させて光源部3を調光する(図2の(2)参照)。また、昇圧回路1は、入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合には、その動作を停止させることで入力電圧V1の昇圧を行わないようにする(図2の(3)参照)。
【0029】
次に、降圧回路2の動作例について説明する。降圧回路2は、既に述べたように、スイッチング素子Q2を周期T1の低周波でPWM制御することにより、光源部3を調光する(図2のB参照)。ここで、降圧回路2の制御としては、スイッチング素子2のオンデューティ比を一定値(例えば、50%)に固定することも考えられる(図2のA参照)。この場合には、昇圧回路1の中間電圧VC1を変化させる制御と組み合わせることで、光源部3を調光する。
【0030】
また、降圧回路2は、既に述べたように、スイッチング素子Q2を低周波でPWM制御し、且つオン期間T10において高周波でPWM制御することにより、光源部3を調光する(図2のE参照)。ここで、降圧回路2の制御としては、スイッチング素子Q2のオンデューティ比を一定値に固定して低周波でオン/オフし、且つオン期間T10において高周波でPWM制御することも考えられる(図2のC参照)。また、降圧回路2の制御としては、スイッチング素子Q2を低周波でPWM制御し、オン期間T10においては、スイッチング素子Q2のオンデューティ比を一定値に固定して高周波でオンオフすることも考えられる(図2のD参照)。
【0031】
上記の昇圧回路1及び降圧回路2の動作の組み合わせを図2に示す。そして、以下の各実施形態では、各組み合わせにおける昇圧回路1及び降圧回路2の具体的な構成及び動作について説明する。
【0032】
上述のように、本基本形態では、昇圧回路1を直流電源DC1に接続するとともに降圧回路2を光源部3に接続し、降圧回路2のスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御することで光源部3を調光している。これにより、本基本形態では、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。なお、降圧回路2のスイッチング素子Q2のオン期間T10において、出力電流I1が光源部3の定格電流値の70〜80%以上を維持していれば、LED30の色の変化を抑えることができる。また、本基本形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。更に、本基本形態では、入力電圧(電源電圧)V1と出力電圧(負荷電圧)V2との大小に応じて主制御回路4が昇圧回路1又は降圧回路2の動作を切り替えるので、安定した調光制御を行うことができる。
【0033】
(実施形態1)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態1について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は基本形態と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図3に示すように、直流電源DC1に接続される昇圧回路1と、光源部3に接続される降圧回路2と、主制御回路4と、調光制御回路5とで構成される。
【0034】
昇圧回路1には、その出力端のコンデンサC1の両端と並列に抵抗R1,R2の直列回路が接続されている。この直列回路における抵抗R2の両端電圧は、昇圧回路1の中間電圧VC1を検出するための検出電圧VD1として後述する昇圧制御回路40に入力されている。
【0035】
主制御回路4は、昇圧回路1のスイッチング素子Q1を制御する昇圧制御回路40と、降圧回路2のスイッチング素子Q2を制御する降圧制御回路41とを備える。昇圧制御回路40は、図4(a)に示すように、誤差増幅器400と、鋸波発生回路402及びコンパレータ403から成るPWM制御回路401と、スイッチング素子Q1を駆動する駆動回路404とで構成される。
【0036】
誤差増幅器400の各入力端子には、検出電圧VD1と、昇圧回路1の中間電圧VC1の目標値に基づく基準電圧VR1とが入力され、その誤差を増幅した出力電圧をコンパレータ403に入力している。鋸波発生回路402は、高周波数の鋸波を発生してコンパレータ403に入力している。コンパレータ403は、誤差増幅器400の出力電圧と高周波数の鋸波とを比較することで、高周波のパルス電圧を出力する。
【0037】
このパルス電圧のパルス幅は、検出電圧VD1が大きくなると狭くなり、検出電圧VD1が小さくなると広くなる。すなわち、検出電圧VD1の大小に基づいてパルス電圧のパルス幅が変化し、このパルス電圧に基づいて駆動回路404はスイッチング素子Q1のオン/オフを制御する。
【0038】
したがって、昇圧制御回路40は、検出電圧VD1が基準電圧VR1と等しくなるようにスイッチング素子Q1を高周波でPWM制御することにより、昇圧回路1の中間電圧VC1を目標値で一定となるように制御する。
【0039】
降圧制御回路41は、図4(b)に示すように、鋸波発生回路412及びコンパレータ413から成る高周波制御回路411と、AND素子414と、スイッチング素子Q2を駆動する駆動回路415とで構成される。鋸波発生回路412は、高周波数の鋸波を発生してコンパレータ413に入力している。コンパレータ413は、降圧回路2の出力電流I1の目標値に基づく基準電圧VR2と高周波数の鋸波とを比較することで、高周波のパルス電圧を出力してAND素子414に入力している。
【0040】
AND素子414には、コンパレータ413の出力電圧と、後述する調光制御回路5からの周期T1の低周波のパルス電圧とが入力され、その積を駆動回路415に入力している。駆動回路415は、AND素子414の出力電圧に基づいてスイッチング素子Q2のオン/オフを制御する。したがって、スイッチング素子Q2は、調光制御回路5からの低周波のパルス電圧により低周波でPWM制御され、且つ高周波制御回路411からの高周波のパルス電圧により、オン期間T10においては高周波でオン/オフされる。なお、鋸波と比較する基準電圧VR2は固定値であるため、オン期間T10におけるスイッチング素子Q2のオンデューティ比は一定値に固定される。
【0041】
また、調光制御回路5からの低周波のパルス電圧のパルス幅は、外部からの調光信号に基づいて変化する。例えば、調光率が大きくなればパルス幅が広くなり、調光率が小さくなればパルス幅が狭くなる。したがって、降圧制御回路41は、調光制御回路5からの低周波のパルス電圧によりスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御することで、目標とする調光率で光源部3を調光する。
【0042】
調光制御回路5は、図4(b),(c)に示すように、調光率に基づく調光電圧VD3を発生する調光電圧発生回路50と、調光電圧VD3に基づくパルス電圧を発生するパルス電圧発生回路51とで構成される。調光電圧発生回路50は、直流電源DC1の電源電圧を分圧する可変抵抗R4及び抵抗R5の直列回路から成り、抵抗R5の両端電圧を調光電圧VD3としてパルス電圧発生回路51に入力している。
【0043】
可変抵抗R4は、例えば利用者が調光つまみ(図示せず)を回すことでその抵抗値が変化する。これにより調光率に基づいた調光電圧VD3がパルス電圧発生回路51に入力されるようになっている。勿論、可変抵抗R4の抵抗値を変化させる手段は調光つまみに限定されるものではなく、例えば外部のリモコン(図示せず)から調光率を含む赤外線信号を受信し、この調光率に基づいて可変抵抗R4の抵抗値を変化させるようにしてもよい。
【0044】
パルス電圧発生回路51は、調光電圧の電圧レベルに基づいてパルス電圧のパルス幅を変化させる。例えば、調光率が大きくなる、すなわち調光電圧が大きくなればパルス電圧のパルス幅を広くし、調光率が小さくなる、すなわち調光電圧が小さくなればパルス電圧のパルス幅を狭くする。
【0045】
以下、本実施形態の動作について説明する。先ず、入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合について説明する。この場合、降圧制御回路41は、調光率に基づいてスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御し、且つオン期間T10においては、スイッチング素子Q2のオンデューティ比を固定して高周波でオン/オフする。すなわち、本実施形態は、入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合には、図2の(D−1)に示す動作を行う。
【0046】
次に、入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合について説明する。この場合、昇圧制御回路40において検出電圧VD1が基準電圧VR1を上回るため、PWM制御回路401が高周波のパルス電圧を出力せず、昇圧制御回路40は昇圧回路1の動作を停止させる。降圧制御回路41では、上記の入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合と同様にスイッチング素子Q2をPWM制御する。すなわち、本実施形態は、入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合には、図2の(D−3)に示す動作を行う。
【0047】
上述のように、本実施形態では、昇圧回路1を直流電源DC1に接続するとともに降圧回路2を光源部3に接続している。そして、本実施形態では、降圧回路2のスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御し、且つスイッチング素子Q2のオン期間T10においては、スイッチング素子Q2のオンデューティ比を固定して高周波でオン/オフすることで光源部3を調光している。これにより、本実施形態では、出力電流I1を光源部3の定格電流値付近に維持しつつ光源部3を調光できるので、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。また、本実施形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。
【0048】
(実施形態2)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。実施形態1では、入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合、入力電圧V1が低下すると出力電流I1も低下する虞がある。そこで、本実施形態では、図5(a)に示すように、スイッチング素子Q2とグラウンドとの間に抵抗R3を直列に接続し、この抵抗R3の両端電圧を、降圧回路2の出力電圧V2を検出するための検出電圧VD2として降圧制御回路41に入力している。これにより、出力電流I1が一定値となるように降圧制御回路41がフィードバック制御を行えるようにしている。
【0049】
以下、本実施形態において実施形態1と相違する降圧制御回路41について図面を用いて説明する。降圧制御回路41は、図5(b)に示すように、誤差増幅器410を新たに備える。誤差増幅器410の各入力端子には、検出電圧VD2と基準電圧VR2とが入力され、その誤差を増幅した出力電圧をコンパレータ413に入力している。コンパレータ413は、誤差増幅器410の出力電圧と高周波数の鋸波とを比較することで、高周波のパルス電圧を出力してAND素子414に入力している。
【0050】
ここで、PWM制御回路411からの高周波のパルス電圧のパルス幅は、検出電圧VD2が大きくなると狭くなり、検出電圧VD2が小さくなると広くなる。したがって、降圧制御回路41は、スイッチング素子Q2のオン期間T10において、検出電圧VD2が基準電圧VR2と等しくなるようにスイッチング素子Q2を高周波でPWM制御することにより、出力電流I1が目標値で一定となるように制御する。なお、本実施形態では、出力電流I1の目標値は、光源部3の定格電流値に設定される。すなわち、本実施形態の降圧制御回路41は、入力電圧V1が出力電圧V2よりも小さい場合には図2の(E−1)に示す動作を行い、入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合には図2の(E−3)に示す動作を行う。
【0051】
上述のように、本実施形態では、特に入力電圧V1が出力電圧V2よりも大きい場合にも、出力電流I1を光源部3の定格電流値付近に維持しつつ光源部3を調光できる。これにより、本実施形態では、実施形態1と同様に、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。また、本実施形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。
【0052】
(実施形態3)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1,2の何れかと共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、光源部3の調光率が所定値(例えば70%)を下回るまでは、昇圧回路1の中間電圧VC1を振幅制御することにより光源部3を調光している。なお、降圧制御回路41は、実施形態1,2と同様に、降圧回路2のスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御することにより光源部3を調光する。
【0053】
以下、本実施形態において実施形態1,2と相違する昇圧制御回路40及び調光制御回路5の調光電圧発生回路50について図面を用いて説明する。昇圧制御回路40は、図6に示すように、誤差増幅器400の一方の入力端子には、抵抗R6,ダイオードD3を介して基準電圧VR1が入力され、且つダイオードD4,抵抗R7を介して調光電圧VD3が入力されている。基準電圧VR1は、所定値の調光率における昇圧回路1の中間電圧VC1に基づく値に設定される。
【0054】
したがって、調光電圧VD3が基準電圧VR1を下回るまで、すなわち、調光率が所定値に達するまでは、誤差増幅器400では、検出電圧VD1と調光電圧VD3とを比較し、その誤差を増幅した出力電圧をコンパレータ403に入力する。つまり、昇圧制御回路40は、調光率が所定値に達するまでは、検出電圧VD1が調光電圧VD3と等しくなるようにスイッチング素子Q1を高周波でPWM制御することにより、昇圧回路1の中間電圧VC1を調光率に連動して変化させる。これにより、調光率に連動して昇圧回路1の中間電圧VC1が振幅制御される。すなわち、本実施形態の昇圧制御回路40は、調光率が所定値に達するまでは図2の(2)に示す動作を行う。
【0055】
そして、調光率が所定値を下回ると、基準電圧VR1が調光電圧VD3を上回るため、誤差増幅器400には基準電圧VR1が入力されるようになる。したがって、昇圧制御回路40は、調光率が所定値を下回ると、検出電圧VD1が基準電圧VR1と等しくなるようにスイッチング素子Q1を高周波でPWM制御することにより、昇圧回路1の中間電圧VC1を目標値で一定となるように制御する。これにより、昇圧回路1の中間電圧VC1は、調光率に依らず一定に保たれる。
【0056】
上述のように、本実施形態では、調光率が所定値に達するまでは、昇圧回路1の中間電圧VC1を振幅制御することにより光源部3を調光している。また、降圧回路2のスイッチング素子Q2を低周波でPWM制御することでも光源部3を調光している。これにより、本実施形態では、出力電流I1を光源部3の定格電流値の70〜80%以上に維持しつつ光源部3を調光できるので、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。また、本実施形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。
【0057】
(実施形態4)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態4について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態2,3の何れかと共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図7に示すように、新たにパルス電圧発生回路52を設け、当該パルス電圧発生回路52から与えられるパルス電圧に基づいて、すなわち調光率に基づいて鋸波発生回路412から発生する鋸波の周波数を変化させている。これにより、例えば調光率の低下に伴って鋸波の周波数を高くすることで出力電流I1を低下させることができるので、調光率に基づいて光源部3を調光することができる。すなわち、本実施形態の降圧制御回路41は、図2のEに示す動作を行う。
【0058】
上述のように、本実施形態では、実施形態2と同様に、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。また、本実施形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。
【0059】
(実施形態5)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態5について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1,3の何れかと共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図8(a)に示すように、降圧制御回路41においてPWM制御回路411及びAND素子414を除き、調光制御回路5からの低周波のパルス電圧により、スイッチング素子Q2を低周波のみでPWM制御している。すなわち、この場合の降圧制御回路41は、図2のBに示す動作を行う。
【0060】
若しくは、本実施形態は、図8(b)に示すように、調光制御回路5からの低周波のパルス電圧ではなく、低周波発振回路53からのオンデューティ比を固定した低周波のパルス電圧により、スイッチング素子Q2のオン/オフを制御している。すなわち、この場合の降圧制御回路41は、図2のAに示す動作を行う。
【0061】
上述のように、本実施形態では、実施形態1,3と同様に、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。また、本実施形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。
【0062】
(実施形態6)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態6について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態4と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図9に示すように、降圧制御回路41において調光制御回路5からの低周波のパルス電圧ではなく、低周波発振回路53からのオンデューティ比を固定した低周波のパルス電圧をAND素子414に入力している。すなわち、本実施形態の降圧制御回路41は、図2のCに示す動作を行う。
【0063】
上述のように、本実施形態では、実施形態4と同様に、LED30、特に青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて構成される白色LEDの色の変化を抑えて調光することができる。また、本実施形態では、従来例のように昇圧回路101に新たなスイッチング素子103を設ける必要がないので、回路が複雑化することがない。
【0064】
(実施形態7)
以下、本発明に係るLED駆動装置の実施形態7について図面を用いて説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は実施形態1〜6の何れかと共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図10(a)に示すように、降圧回路2のスイッチング素子Q2をグラウンドに接続するのではなく、高圧側に接続している。なお、図10(a)においては、主制御回路4及び調光制御回路5の図示を省略している。
【0065】
これにより、光源部3の一端がグラウンドに接続されるため、図10(b)に示すように、出力電流I1を検出するための抵抗R3を目的に応じて配置することができる。例えば、抵抗R3を図10(b)の(1)に示す位置に配置した場合、抵抗R3を流れる電流波形は、図10(c)の(1)に示す波形となる。また、抵抗R3を図10(b)の(2)に示す位置に配置した場合、抵抗R3を流れる電流波形は、図10(c)の(2)に示す波形となる。また、抵抗R3を図10(b)の(3)に示す位置に配置した場合、抵抗R3を流れる電流波形は、図10(c)の(3)に示す波形となる。
【0066】
なお、上記各実施形態では、入力電圧(電源電圧)V1と出力電圧(負荷電圧)V2との大小に応じて主制御回路4が昇圧回路1又は降圧回路2の動作を切り替えるので、電源電圧の変動に依らず安定した調光制御を行うことができる。
【0067】
なお、上記各実施形態では、鋸波を用いて昇圧回路1及び降圧回路2におけるPWM制御を実現しているが、周波数を変化させることによるデューティ制御であってもよい。また、主制御部4をマイコンで構成し、マイコンにより上記各実施形態と同様の制御を行うようにしてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態では、光束を100%〜数%まで変化させることで光源部3を調光しているが、例えば光束を110〜120%まで上昇させるように光源部3を調光してもよい。
【0069】
更に、上記各実施形態では、光源部3を構成するLED30の数には特に制限はない。例えば、5個のLED30から成る光源部3に対して上記各実施形態を用いているとして、LED30の数を5個から2個に変更した場合でも同一の回路構成を使用することができる。すなわち、上記各実施形態は、光源部3のLED30の素子数の変動に依らず共用することができるので、LED30の素子数に応じて複数種類のLED駆動装置を用意する必要がないという利点がある。
【0070】
以下、本発明に係る照明装置の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態はヘッドランプ(前照灯)であって、図11に示すように、器具本体A1と、光源部3を有する光源ユニットA2と、光源部3から照射される光を配光する光学ユニットA3とを備える。また、本実施形態は、光源部3が取付固定されて光源部3が発する熱を放熱する放熱板A4と、光源ユニットA2及び放熱板A4を器具本体A1に固定するための固定用治具A5とを備える。そして、光源部3には、上記何れかの実施形態のLED駆動装置B1が出力線B2を介して接続されている。また、LED駆動装置B1は、入力線B3を介して直流電源DC1と接続されている。本実施形態では、直流電源DC1として車載用のバッテリを用いている。
【0071】
本実施形態は、上記何れかの実施形態のLED駆動装置B1を備えているので、上記何れかの実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0072】
なお、照明装置としては上記実施形態のヘッドランプには限定されず、例えばルームランプのような車室内用照明装置や、テールランプ、車幅灯、ブレーキランプのような車外灯照明装置に広く用いることができる。勿論、車両用以外の一般的な照明用途の照明器具に用いても構わない。
【0073】
例えば、上記何れかの実施形態のLED駆動装置B1をルームランプのような車室内用照明装置に用いる場合には、光源部3の前面に配置される光学ユニットA3の配光特性は、遠方への照明に適する特性から車室内の照明に適する特性に変更すべきである。また、この場合には、器具本体A1の形状も車室内での配置に適する形状に変更すべきであるのは言うまでもない。また、車両用以外の一般的な照明用途の照明器具に用いる場合には、直流電源DC1として、車載用のバッテリに代えて商用交流電源を整流平滑する直流電源回路などを用いるのが望ましい。
【符号の説明】
【0074】
1 昇圧回路
2 降圧回路
3 光源部
30 LED(発光ダイオード)
4 主制御回路
5 調光制御回路
DC1 直流電源
Q1,Q2 スイッチング素子
V1 電源電圧(入力電圧)
V2 負荷電圧(出力電圧)
VC1 中間電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源に接続されて前記直流電源の電源電圧を昇圧して中間電圧を出力する昇圧回路と、複数の発光ダイオードから成る光源部に接続されて前記昇圧回路の前記中間電圧を降圧して負荷電圧を前記光源部に出力する降圧回路と、前記昇圧回路及び前記降圧回路を制御する主制御回路と、外部から設定される前記光源部の調光率に基づいて前記主制御回路に前記光源部を調光させる調光制御回路とを備え、前記降圧回路は、少なくともスイッチング素子を有し、前記主制御回路は、前記降圧回路の前記スイッチング素子を所定の周波数でPWM制御し、且つ前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合と、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合とで前記昇圧回路又は前記降圧回路の動作を切り替えることで前記光源部を調光することを特徴とするLED駆動装置。
【請求項2】
前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧が一定値となるように制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をオン/オフし、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をオン/オフすることを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項3】
前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧が一定値となるように制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をオン/オフすることを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項4】
前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧を振幅制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でオン/オフし且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御し、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でオン/オフし且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御することを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項5】
前記主制御回路は、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも小さい場合には、前記昇圧回路の前記中間電圧が一定値となるように制御するとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御し、前記電源電圧が前記負荷電圧よりも大きい場合には、前記昇圧回路の動作を停止させるとともに、前記降圧回路の前記スイッチング素子を前記所定の周波数でPWM制御し且つそのオン期間において前記所定の周波数よりも高い周波数で前記スイッチング素子をPWM制御することを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のLED駆動装置と、前記光源部と、前記光源部及び前記LED駆動装置を保持する器具本体とを備えることを特徴とする照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−110061(P2013−110061A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255956(P2011−255956)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】