説明

LLLTまたは他の光源治療のためのスキャニング機構および治療方法

低レベルレーザなどの光源をスキャンし、治療区域上に望ましいエネルギー分布を作成するスキャニング機構。光源は、それぞれが異なる波長を有し、かつそれぞれが異なるエネルギー分布を有する、多数の光線発生器を含むことができる。スキャニング機構はプログラム可能であり、所望の治療にしたがって様々なパターンでスキャンすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2010年1月14日に出願された、「Scanning Mechanism and Treatment Method for LLLT or Another Light Source Therapy Device」と題する米国仮出願第61/295,051号に対する米国特許法の下の優先権の利益を主張しており、その開示の全体が、本明細書によって、本明細書内に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に低レベルレーザ治療に関し、より詳細には、低レベルレーザ治療用途で使用する機械的スキャニングデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
人々および動物を治療するために光を使用することが良く知られている。人類の歴史の初期から、人々は病気を治す助けにするため、太陽からの光を使用してきた。20世紀半ばに、第2次世界大戦で傷ついた兵士を治療するために、集中させた光を使用する試みがなされた。
【0004】
より最近では、痛みを減少し、抗炎症活動を誘起し、回復プロセスを誘起し、かつ皮膚の再生を誘起するため、治療においてレーザ光を使用することが示されてきた。レーザは、誘導放出の量子現象に基づいているが、患者を治療するため集中させた光の、優れた源を提供する。レーザによって、選択された強度、単色、かつ本質的にコヒーレントな光(coherent light)を使用することが可能となる。このことによって人々を様々な病気に関して治療することに効果があることが見出されてきた。
【0005】
低レベルレーザ治療(「LLLT」)は、治療目的で低出力レーザから放出される、可視赤色光または近赤外光の応用例である。現在では、体の小さい面積をカバーする1つの光源を有するデバイス、2つ以上の光源を含み、したがって体のより広い面積をカバーするシャワーデバイス、異なる波長およびエネルギー分布を有する様々な光源を組み合わせるクラスタデバイスなど、LLLTデバイスのいくつかの変形がある。多くの場合、より広い面積をカバーするために、光源により発生されるビームは、分散角度を有し、コヒーレントを維持しない。
【0006】
LLLTデバイスまたは他の光源を用いる多くの治療は、小面積または特定の点ではなく、人体の幅広い面積または大面積の治療を必要とする。典型的には、治療専門家がLLLTデバイスまたは他の光源デバイスまたはプローブを手で動かすことによって、治療区域をスキャンする。治療は、各治療区域単位への必要とされる光および/またはエネルギー線量で所望の区域を必ずしも適切にカバーするわけではないので、そのようなやり方でスキャニングする結果は制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第12/534,878号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、治療区域上への光または他のエネルギーの分布が特定の治療手順用に特別設計され、すべての同様の治療で同一のやり方で繰り返すことができるように、低レベルレーザまたは他の光源または例えば超音波エネルギー源などのエネルギー源デバイスで区域を治療するための装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示による一実施形態において、装置は、光源と、光源に取り付けられたスキャニング機構であって、光源に所望の動きを与えるようになされるスキャニング機構と、を含む。スキャニング機構は、光源により発生した光線または複数の光線を回転させて、治療区域上に所望のエネルギー分布パターンを提供しまたは広い治療区域をカバーし、それぞれが異なるエネルギー分布を備える異なる光源および異なる波長を、複数の選択された治療区域のそれぞれに適用する、電気モータであって良い。光源は、例えばレーザダイオードなどのレーザを含むことができる。別の実施形態において、光源が2つ以上の光源を含み、各光源が異なる波長を有する光線を発生させ、したがって複合コヒーレント光線を提供することができる。
【0010】
本開示による別の実施形態において、治療方法は、光線を発生させるステップ、および治療区域において所望のエネルギー分布パターンを提供するために所定のパターンで治療区域にわたって光線をスキャニングするステップを含む。光線をスキャニングするステップは、光線を発生させる光源を回転するステップ、または別法として、光源を2次元に移動し、広い治療区域にわたって光線または複数の光線をスキャンするステップを含んで良い。別の実施形態において、光源が光源の集団(cluster)であって、光源をスキャニングするステップによって、複数の単位区域のそれぞれに、2つ以上の光線のそれぞれに対応したエネルギー分布を提供する2つ以上の光線のそれぞれを用いて、治療区域の複数の単位区域に順次照射を提供する。
【0011】
本開示の別の実施形態において、支持板を含む装置が提供され、装置内に形成される複数の取付点を有する。支持板は、取付点のうちの選択された点に取り付けられた複数の光源モジュールを有する半硬質のベルトまたはウェブであり、治療区域の表面に所定のエネルギー分布パターンを形成することができる。装置は、光源モジュールの配列に制御信号および電力を提供するため支持板に結合されるコントローラおよび電力供給を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示による、治療される区域上に円形のエネルギー分布を作成するための回転機構の斜視図である。
【図2】LLLTまたは他の光源デバイスの線形なエネルギー分布、およびデバイスを本開示による回転機構とともに使用したときの線形なエネルギー分布を例示するグラフである。
【図3】本開示による、異なる波長を有する2つの光源を組み込むスキャニング機構の斜視図である。
【図4】本開示による、LLLTデバイスまたは他光源デバイスとともに使用するX−Yプログラマブルスキャニング機構を例示する斜視図である。
【図5A】本開示による、考えられるエネルギー分布パターンを例示する線図である。
【図5B】本開示による、考えられるエネルギー分布パターンを例示する線図である。
【図5C】本開示による、考えられるエネルギー分布パターンを例示する線図である。
【図6】本開示による、治療区域上に所望のエネルギー分布パターンを手動で生成するための装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のこれらの実施形態および他の実施形態は、詳細な説明の中でより完全に議論されることになる。特徴、機能、および利点は、特許請求の範囲に記載される発明の様々な実施形態において独立に達成することができ、またはさらに他の実施形態において組み合わせることができる。様々な図中の同様の参照番号および記号は、同様の要素を示す。
【0014】
以下の記載において、その一部を形成する添付図面への参照がなされ、例として本開示を実現することができる具体的で例示的な実施形態が示される。これらの実施形態は、当業者が本開示を実現することを可能にするよう十分詳細に記載されており、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な開示された実施形態への修正形態がなされ得、かつ他の実施形態が使用され得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な記載は、限定的な意味と受け取るべきではない。
【0015】
図1を参照すると、本開示にしたがって治療される区域上に円形のエネルギー分布を作成するための、スキャニング機構100が示される。可撓性のアーム101が、その一端で基部109に取り付けられている。例えば電気モータなどのスキャニング機構103が、可撓性のアーム101の他端に取り付けられ、アーム101によって支持される。いくつかの実施形態において、可撓性のアーム101は可撓性の管を備え、電気配線および電力ケーブル(図示せず)を可撓性の管の中に配線することができる。源105がスキャニング機構103に取り付けられる。スキャニング機構103は、所望のやり方で光源105に動きを与えるようになされる。例えば、一実施形態において、スキャニング機構103が光線107の軸の周りに光源105を回転させ、これによりその軸の周りに光線107を回転させる。光源105は、低レベルレーザまたは他の好適な光源であって良く、該低レベルレーザまたは他の好適な光源は、治療される所望の区域111を照射する光線107を発生させる。スキャニング機構103は、光源105を回転させるかさもなければ動かし、その結果、治療区域111が光線107によりスキャンされ、治療区域にわたって所望のエネルギー分布を提供する。本明細書で使用するとき、用語「光源」は、エネルギービームまたは複数のエネルギービームの源を表すために使用されており、LLLT手順の期間、治療区域にエネルギーを提供する。本開示において光エネルギーが例として使用されるが、用語「光源」は、例えば超音波エネルギー源など、任意の好適なエネルギー源のことを言う場合がある。さらには、本明細書で使用するとき用語「スキャニング」または「スキャンした」は、スピンすること、回転すること、振動すること、スライドすること、発振することなどすべての動きを含む。
【0016】
一実施形態において、光源105は、細長い単色でコヒーレントなレーザビーム107を出力として提供する低レベルレーザを備え、細長い単色でコヒーレントなレーザビーム107は、光源105内に組み込まれるレーザダイオードから直接レンズ(図示せず)によってコリメートされる(collimated)。LLLTの効果は、レーザ放出の特定の組の波長に限定されるように見える。典型的な波長は、600〜1000nmの範囲(赤色から近赤外)であるが、この範囲外の一部の波長も有用であることを、調査が示している。LLLT治療で使用される典型的なレーザの平均出力は、1〜500mWの範囲である。1〜100Wの範囲内の一部の高ピーク出力レーザが使用されるとき、短いパルス幅によって、治療区域での出力を制限する。典型的な平均ビーム放射照度は、この場合、10mW/cm〜5W/cmである。標準のレーザダイオードビームは、典型的には、レーザダイオードビームの幅方向に約5〜7度、レーザダイオードビームの長手方向に約30から40度の発散を有する。典型的には、レンズを使用して、ビームを狭いビームに補正する。本開示の例示的な実施形態において、結果として得られる細長いビーム107は、本質的にコヒーレントであり、LLLTで使用するレーザダイオード放出のために受け取られるとき、本質的に共通位相を備える光線を有する。いくつかの実施形態において、光源105は、不可視赤外線であって良い、単色レーザビーム107を提供する。いくつかの実施形態において、レーザビーム107の波長は、800から900ナノメートル(nm)であって良い。あるいは、参照により本明細書にその全体が組み込まれる、2009年8月4日に出願され、「Handheld Low−Level Laser Therapy Apparatus」と題する米国特許出願第12/534,878号では、コリメートされた細長いビームを形成するためレンズ(図示せず)を使用し、例えば3〜6cm×0.5〜1cmの面積といったより大きな面積をカバーする。
【0017】
単色レーザビーム107が不可視赤外線であるいくつかの実施形態において、例えばLED(図示せず)といった可視光源が光源105とともに組み込まれ、不可視レーザビーム107にともなう補助可視光線を提供することができる。いくつかの実施形態において、可視光線が不可視レーザビームと一致して良く、または可視光線がレーザビーム107を囲む区域を照射して良い。
【0018】
いくつかの実施形態において、光源105は、例えばレーザなどの2つ以上の光源のグループまたは集団であって良い。そのような各光源は別個であり、集団内の他の光源から独立している。各光源は、異なる波長で別個の光線を発生させ、集団内の他の光源の各々より大きい出力または小さい出力のビームを提供することができる。スキャニング機構103は、毎分2回転など、ゆっくりと光源集団を回転させる電気モータであり、こうして、治療区域の各特定の単位区域に異なる波長および出力を有するエネルギービームを照射して、所望のエネルギー分布を任意の所与の時間に提供することができる。治療区域の各特定の単位区域は、次いで、集団回転速度に応じて、所与の時間期間にわたって順に、発生されたエネルギービームのそれぞれで照射される。
【0019】
図2を参照すると、LLLTまたは他の光源デバイスの線形なエネルギー分布、およびデバイスを本開示による回転機構とともに使用したときの線形なエネルギー分布を例示するグラフが示される。曲線201は、光線107が回転しないとき、光線107の長さの次元に沿った光線の治療される区域の全体にわたるエネルギー分布を例示する。モータ103を使用して光線107が回転するとき、曲線203が、回転する光線107により治療される区域111上に作成されるエネルギー分布を例示する。光線107の回転によって、治療区域111にわたる、より均一なエネルギー分布を生成する。
【0020】
ここで図3を参照すると、本開示による、異なる波長を有する光線を発生する2つの光源を組み込むスキャニング機構が示される。光源モジュール303はモータ301に取り付けられる。モータ301は、規則正しい所望のやり方で光源モジュール303に動きを与えるようになされ、所望の治療区域315をスキャンする。例えば、モータ301は、光源モジュール303を光線311の軸の周りに回転し、曲線203により例示されるエネルギー分布と同様のエネルギー分布で治療区域315に照射することができる。異なる波長の2つ以上の光源305、307が、光源モジュール303の本体に取り付けられる。光源305、307は、例えばそれぞれが、それぞれ異なる波長を有するレーザビーム306、308を発生するレーザダイオードなどのレーザであって良い。例えば、光源モジュール303は、635nmの波長を有するビームを放出する1つのレーザ305、および808nmの波長を有するビームを放出する第2のレーザ307を組み込むことができる。両方のそのようなレーザ305、307は、鮮赤色の光線を放出するが、光線が近赤外領域であるので、光線の光は、ほとんど見えない。2つのレーザビーム306、308は、例えば、ダイクロイックビームスプリッタ(dichroic beamsplitter)、ダイクロイックプリズム(dichroic prism)または半透鏡などの出力カプラ309に向けられる。出力カプラ309は、2つのレーザビーム306、308を組み合わせ、両方の波長の光を含むビーム311を提供する。一実施形態において、レーザ305、307は、交互にパルス出力され、その結果ビーム311は、任意の所与の時間には、1つの波長のみとなることになる。別法として、レーザ305、307は同時にパルス出力され、任意の所与の時間に両方の波長のビーム311を提供することができる。
【0021】
ここで図4を参照すると、本開示による、LLLTデバイスまたは他の光源デバイスとともに使用するプログラムで制御できるX−Yスキャニング機構が示される。X−Yスキャニング機構400は、基部バーまたはレール401と、基部レール401に対し横方向に配置されるアーム405と、を含む。アーム405は、可動マウント403により基部レール401に移動可能に取り付けられる。アーム405は、可動マウント403内に組み込まれる、例えばモータまたは他の手段(図示せず)によりスライドすることによってなど、基部レール401に沿って前後に動かされる。光源モジュール413は、可動マウント407によってアーム405に移動可能に取り付けられる。同様に、光源モジュール413は、可動マウント407内に組み込まれる例えばモータまたは他の手段(図示せず)によりスライドすることによってなど、アーム405に沿って前後に動かされる。X−Yスキャナ400は、連続するベクトルグラフィックスを画定するまたは描くために、2軸の動き(「X」および「Y」)で動作するX−Yプロッタに類似している。基部レール401は、「Y」軸として取り扱うことができ、一方アーム405は「X」軸である。当技術分野で知られるように、X−Yスキャナ400は、可動マウント403および407内に組み込まれるモータまたは他の手段に、位置決めコマンドを連続して送り、治療区域411にわたって所望のパターンで光源モジュール413を動かし、治療区域を所定の距離で照射するようにプログラムされるコンピュータによって、自動的に操作することができる。基部レール401に取り付けられるフレーム409によって、治療区域411を画定する。
【0022】
上で議論したように、光源モジュール413は、1つまたは複数のレーザ(図示せず)などの1つまたは複数の光源を組み込み、光線415を提供することができる。一実施形態において、光源モジュール415は、635nmの波長を有するビームを放出する第1のレーザ、および808nmの波長を有するビームを放出する第2のレーザを組み込むことができる。光源モジュール413は、そこで、両方の波長を有する光エネルギーを含む光線415を発生する。別の実施形態において、当技術分野で知られるように、光源モジュール413は、集団内に取り付けられる異なる波長を有する3つ以上のレーザを組み込むことができる。他の実施形態において、光源モジュール413は、より多い数の光線またはより少ない数の光線を発生することができる。
【0023】
ここで図5を参照すると、本開示による、考えられるエネルギー分布パターンを例示する1組のグラフが示される。スキャニング機構400に取り付けられる光源モジュール413を使用し、波長のうちのそれぞれ1つをビーム内に組み込んだ状態で、光線415は、治療区域411の表面に種々多様な所望のエネルギー分布パターンを作成することができる。曲線510は、治療区域411内の各区域単位にほぼ均等なエネルギーを提供する、分布を例示する。曲線520は、長い傷跡または傷など細長い区域の治療のためのエネルギー分布を例示する。曲線530は、治療区域411における円形のエネルギー分布を例示する。
【0024】
ここで図6を参照すると、本開示にしたがう、治療区域上に所望のエネルギー分布パターンを手動で作成するための装置の図が示される。別の実施形態において、装置600は、ユーザが、例えば低レベルレーザなど、所望のまたは特注の光源の配列を設計および作成し、治療区域(図示せず)上に所望のエネルギー分布パターンを提供することを可能にする。そのような光源の配列は、標準的なLLLT治療手順の一部としてあらかじめ決定することができ、または配列は、患者の診断期間に特定の病気を治療するため設計される、特注の配列であって良い。例えば、可撓性の半硬質のベルトまたはウェブなどの支持板601は、取付点603の配列を含み、1つまたは複数の取付点603に1つまたは複数の光源モジュール(図示せず)の取付けを容易にして、所望の光源の配列を形成する。配列内の光源のそれぞれが光学素子を含み、平行でコヒーレントな光線の配列を提供し、治療区域の表面に所望のエネルギー分布パターンを形成する。取付点603は、支持板601、または、例えば、取付点603で支持板601に取り付けられる取付金具、または他の好適な取付装置に形成される、スロットまたは円形の孔であって良い。取付板601のフレーム605は、電気配線、接続および他のサポート回路を含み、光源モジュールの配列に電力を提供し、光源モジュールの配列を制御する。支持板601は平坦な矩形の板として示されているが、支持板601は、例えば円形または正方形などの他の形状および構成もとることができ、治療区域上に所望のエネルギー分布パターンを達成するため曲げることもできる。コントローラおよび電力供給モジュール607は、光源モジュールの配列に、ケーブル付線609を介して電力および制御信号を提供する。
【0025】
光源配列を組み立てるために使用される光源モジュールは、例えばダイオードレーザなどのレーザを使用して、光線を発生することができる。いくつかの実施形態において、光源モジュールは、単色レーザビームを提供することになる。他の実施形態において、光源モジュールは、それぞれが異なる波長を有する光線を発生させる2つ以上のレーザを組み込むことができる。一実施形態において、各光源モジュールは、635nmの波長を有するビームを放出する第1のレーザ、および808nmの波長を有するビームを放出する第2のレーザといった、1組のレーザを組み込む。別の実施形態において、光源モジュールはレーザを含み、レーザにより発生したレーザビームが、コリメートされた細長いビームを形成するためレンズを使用することにより整形され、例えば治療区域の表面で、3〜6cm×0.5〜1cmの面積といった、より大きい面積をカバーする。
【0026】
支持板601を支持構造(図示せず)に取り付け、このことで治療区域に対して配置される光源モジュールの配列を維持し、治療区域上に所望のエネルギー分布パターンを提供することができる。別法として、支持板601を、上に記載したスキャニング機構100などのスキャニング機構内に取り付けることができる。同様に、支持板601を、上に記載したX−Yスキャナ機構400内の可動マウント407に取り付けることができる。
【0027】
別の実施形態において、支持板601は、光源モジュールの配列を形成する取付点603のそれぞれに取り付けられる光源モジュールを含む。コントローラおよび電力供給モジュール607は、光源モジュールの配列に、ケーブル布線609を介して電力および制御信号を提供する。コントローラ607は、光源のうちの選択された光源をオンおよびオフに切り替えるようにプログラムされ、治療区域上に所定のエネルギー分布パターンを提供する。
【0028】
本出願の方法および装置を様々な実施形態に関して記載してきたが、本出願の概念および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法、装置および/またはプロセス、および方法のステップ内または方法のステップのシーケンス内に変形形態を適用可能であることが、当業者には明らかであろう。より具体的には、機械的にも機能的にも関連する特定の特徴が、本明細書に記載の特徴と置き換えられ、同じまたは同様の結果を達成できることは明らかであろう。当業者に明らかな、すべてのそのような同様の置換および変形形態は、本明細書の範囲および概念の中であるとみなされる。
【符号の説明】
【0029】
100 スキャニング機構
101 可撓性のアーム
103 スキャニング機構、モータ
105 光源
107 光線、レーザビーム
109 基部
111 治療区域
201 曲線
203 曲線
301 モータ
303 光源モジュール
305 光源、レーザ
306 レーザビーム
307 光源、レーザ
308 レーザビーム
309 出力カプラ
311 ビーム
400 X−Yスキャニング機構、X−Yスキャナ、X−Yスキャナ機構
401 基部バー、基部レール
403 可動マウント
405 アーム
407 可動マウント
409 フレーム
411 治療区域
413 光源モジュール
415 光線、光源モジュール
510 曲線
520 曲線
530 曲線
600 装置
601 支持板
603 取付点
605 フレーム
607 コントローラおよび電力供給モジュール
609 ケーブル布線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源に取り付けられたスキャニング機構であって、前記光源に所望の動きを与えるようになされるスキャニング機構と、
を備える装置。
【請求項2】
前記所望の動きが前記光源の回転を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光源がレーザを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光源が2つ以上の光源を備え、各光源が異なる波長を有する光線を発生させる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光源がコヒーレントな光線を発生する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記スキャニング機構がX−Yスキャナを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記スキャニング機構が様々なパターンで前記光源を移動させるようにプログラム可能であり、所望の治療手順にしたがって治療区域の表面で所望のエネルギー分布パターンを提供する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記スキャニング機構が前記光源を回転するようにプログラム可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記スキャニング機構が電気モータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
光線を発生させるステップと、
治療区域に所望のエネルギー分布パターンを提供するため、所定のパターンで治療区域にわたって前記光線をスキャニングするステップと、
を含む治療方法。
【請求項11】
前記光線をスキャニングする前記ステップが、前記光線を回転するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光線をスキャニングする前記ステップが、前記光線を2次元で移動させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記光線が光源により発生する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記光源がレーザを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記光源が2つ以上の光源を備え、各光源が異なる波長を有する光線を発生させる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記光源をスキャニングし、前記2つ以上の光線のそれぞれで治療区域の複数の単位区域のそれぞれを順次照射して、前記2つ以上の光線のそれぞれに対応するエネルギー分布を前記複数の単位区域のそれぞれに提供するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記光源が光源の集団を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記光源がコヒーレントな光線を発生させる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
支持板と、
前記支持板内に形成される複数の取付点と、
前記取付点のうちの1つまたは複数で前記支持板上に取り付けられる、少なくとも1つの光源モジュールと、
を備える装置。
【請求項20】
前記取付点が、前記支持板内に形成されるスロットを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記取付点のうちの1つまたは複数において、所定のパターンで前記支持板上に取り付けられる、複数の光源モジュールをさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記光源モジュールの配列に制御信号および電力を提供するための前記支持板に結合されるコントローラおよび電力供給モジュールをさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記支持板に結合されるコントローラおよび電力供給モジュールをさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記支持板が半硬質の板を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
前記取付点のうちのそれぞれに取り付けられる光源をさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記光源モジュールの配列に制御信号および電力を提供するために、前記支持板に結合されるコントローラおよび電力供給モジュールをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記コントローラが前記光源のうちの選択された光源をオンおよびオフに切り替えるようにプログラムされ、治療区域上に所定のエネルギー分布パターンを提供する、請求項26に記載の装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図2】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−517037(P2013−517037A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548499(P2012−548499)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/IB2011/000206
【国際公開番号】WO2011/086468
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512029021)
【Fターム(参考)】