説明

LNG処理設備およびLNG処理設備の運用方法

【課題】貯蔵タンク内でのBOG発生を抑えるとともに、低コスト化を図ること。
【解決手段】LNGが貯蔵される貯蔵タンク2と、該貯蔵タンク2に接続された送出管部3に、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを送出する送出ポンプ9と、LNGを出荷する出荷手段に接続可能なLNG払出部7と、送出管部3を流通したLNGが貯蔵されるとともに、内部に貯蔵されたLNGがLNG払出部7に圧送される出荷用タンク8と、を備えているLNG処理設備1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG処理設備およびLNG処理設備の運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タンク内のLNGを移送して処理するLNG処理設備として、例えば下記特許文献1に示されるような構成が知られているが、このようなLNG処理設備の1つに、(1)LNGから都市ガスを製造して所定地域に随時、供給するととともに、(2)間欠的に到着するLNG出荷用のローリーにLNGを払い出して出荷するLNG基地がある。
【0003】
図5に示すように、この種のLNG基地101は、基地101に受け入れられたLNGが貯蔵される貯蔵タンク102と、貯蔵タンク102からLNGが送出される送出管部103と、送出管部103の下流端から分岐された複数の分岐管部104a、104bと、複数の分岐管部104a、104bのうちの第1分岐管部104aを流通したLNGから都市ガスを製造する都市ガス製造部105と、都市ガス製造部105により製造された都市ガスが貯蔵されるガスホルダ106と、複数の分岐管部104a、104bのうちの第2分岐管部104bを流通したLNGが供給されるとともに、LNGを出荷するローリー107に接続可能なLNG払出部108と、貯蔵タンク102の液相部内に配設され、貯蔵タンク102内のLNGを昇圧して送出管部103に送出する送出ポンプ109と、第1分岐管部104aおよび第2分岐管部104bそれぞれを流通するLNGを貯蔵タンク102に送り返す返送管部110と、を備えている。
【0004】
このLNG基地101では、(1)所定地域への都市ガスの供給は、ガスホルダ106内の都市ガスを所定地域に圧送することで行う。その後、使用された分の都市ガスをガスホルダ106に補充するために、貯蔵タンク102から都市ガス製造部105にLNGを供給し、都市ガスを製造する。
一方、(2)LNG基地101からのローリー107によるLNGの出荷は、貯蔵タンク102からLNG払出部108にLNGを供給し、LNG払出部108に接続されたローリー107にLNGを払い出すことで行う。
【0005】
ところで前述のように、貯蔵タンク102からLNGを都市ガス製造部105やLNG払出部108に供給するためには、貯蔵タンク102内のLNGを送出ポンプ109により送出管部103に送出する必要があるが、貯蔵タンク102から送出管部103へのLNGの送出量のピークは、LNG出荷時になり易い。したがって、送出ポンプ109の送出能力は、LNG出荷時に、貯蔵タンク102から送出管部103に送出すべきLNGの送出量に基づいて設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−211747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のLNG基地101では、ローリー107によるLNG出荷時以外の時間帯では、送出ポンプ109の送出能力が過剰となり、送出ポンプ109が余剰能力を有することとなる。そのため、例えば送出ポンプ109の初期コストやランニングコスト等のコストがかかるという問題がある。
【0008】
また、前記従来のLNG基地101では、以下に示す理由により貯蔵タンク102内でBOGが発生し易いという問題もある。
すなわち、LNG基地101では一般に、貯蔵タンク102内のLNGを送出管部103に流通させ、送出管部103を冷却している。これにより、送出管部103を流通するLNGが、送出管部103を介して伝わる外部からの熱により送出管部103内で気化するのが抑制されることとなる。
ここで、前記従来のLNG基地101では、ガスホルダ106への都市ガスの補充およびローリー107へのLNGの払出しのうち、少なくとも一方がなされているときには、前述のように送出管部103に貯蔵タンク102内のLNGが流通することとなる。
これに対して、前述の補充および払出しの両方がなされていない場合には、送出管部103に貯蔵タンク102内のLNGを流通させた後、返送管部110を通して貯蔵タンク102内にLNGを送り返している。ここで、貯蔵タンク102内に送り返されたLNGは、送出管部103を冷却することで昇温させられているため、貯蔵タンク102内でBOG発生の熱源となる。
【0009】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、貯蔵タンク内でのBOG発生を抑えるとともに、低コスト化を図ることができるLNG処理設備およびLNG処理設備の運用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本願の請求項1に係るLNG処理設備は、LNGが貯蔵される貯蔵タンクと、該貯蔵タンクに接続された送出管部に、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを送出する送出ポンプと、LNGを出荷する出荷手段に接続可能なLNG払出部と、を備え、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記LNG払出部に供給して前記出荷手段に払い出すLNG処理設備であって、前記送出管部を流通したLNGが貯蔵されるとともに、内部に貯蔵されたLNGが前記LNG払出部に圧送される出荷用タンクを備えていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前記出荷用タンクが備えられているので、LNG出荷時以外の時間帯に、送出ポンプを作動させ、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、送出管部を通して出荷用タンクに供給して貯蔵しておくことができる。
したがって、LNG出荷時に、出荷用タンクに貯蔵されたLNGを圧送し、LNG払出部を通して出荷手段に払い出すことで、貯蔵タンクから出荷手段に払い出す必要があるLNGの量を低減させることができる。これにより、LNG出荷時に送出ポンプにより送出管部に送出する必要があるLNGの量を低減させることが可能になり、送出能力が低く抑えられた送出ポンプを採用することができる。
【0012】
またこのように、送出能力が低く抑えられた送出ポンプを採用することができるので、この送出ポンプが作動することにより生じる熱を抑えることが可能になり、例えば送出ポンプが、貯蔵タンクの液相部内に配設された場合であっても、送出ポンプから貯蔵タンク内のLNGに伝わる熱を低減することができる。
【0013】
また、前記出荷用タンクが備えられているので、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、送出管部を通して出荷用タンクに供給して貯蔵する際に、送出管部に送出されたLNGにより該送出管部を冷却することで、出荷手段へのLNGの払出しがなされていないときにも、LNGを貯蔵タンクに戻さずに送出管部を冷却することができる。
【0014】
また、本願の請求項2に係るLNG処理設備は、前記送出ポンプは、前記出荷用タンクに貯蔵されたLNGが圧送され、前記LNG払出部を通して前記出荷手段に払い出されるときに、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記出荷用タンクに供給することを特徴とする。
【0015】
この場合、出荷用タンクに貯蔵されたLNGが圧送され、LNG払出部を通して出荷手段に払い出されるときに、送出ポンプが、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、送出管部を通して出荷用タンクに供給するので、LNG出荷時までに出荷用タンクに貯蔵されたLNGだけでなく、LNG出荷開始時に貯蔵タンクに貯蔵されたLNGも出荷手段に払い出すことができる。したがって、LNG出荷時までに出荷用タンクに貯蔵しておくべきLNGの量を減らすことが可能になり、出荷用タンクの容量を小さくすることができる。
【0016】
また、本願の請求項3に係るLNG処理設備は、LNGから都市ガスを製造する都市ガス製造部を備え、前記送出管部には、前記都市ガス製造部に接続された第1分岐管部と、前記出荷用タンクに接続された第2分岐管部と、が各別に接続されていることを特徴とする。
【0017】
この場合、都市ガス製造部およびLNG払出部のいずれにLNGを供給する場合であっても、共通で兼用された送出ポンプおよび送出管部を用いることができるので、都市ガス製造部およびLNG払出部に各別に専用のポンプを設ける場合に比べて、ポンプ台数および配管系統の増加を抑えることが可能になり、例えば設備製造コストやメンテナンスコスト等を低減させ更なる低コスト化を図ることができる。
【0018】
また、出荷用タンクにLNGを貯蔵する際に、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを送出管部および第1分岐管部を通して都市ガス製造部に供給する分の能力を、送出ポンプの送出能力から差し引いた送出ポンプの余剰能力を利用して、出荷用タンクにLNGを供給することで、出荷用タンクにLNGを貯蔵するためだけに、送出ポンプの送出能力を大きく高める必要がなく、送出能力が低く抑えられた送出ポンプにより前述の作用を確実に奏功させることができる。
【0019】
また、本願の請求項4に係るLNG処理設備は、前記都市ガス製造部は、前記第1分岐管部を流通したLNGを気化させる気化装置と、前記気化装置により気化されたガスが流通するガス流通管部と、を備え、前記出荷用タンクの気相部は、前記ガス流通管部に気相接続管部を介して接続され、前記出荷用タンクの液相部は、開閉弁が設けられた液相接続管部を介して前記LNG払出部に接続されていることを特徴とする。
【0020】
この場合、出荷用タンクの気相部が、ガス流通管部に気相接続管部を介して接続されているので、貯蔵タンク内に貯蔵されたLNGが出荷用タンクに供給されたときには、出荷用タンクの気相部のガスが気相接続管部を通してガス流通管部に送出されることとなり、出荷用タンク内の圧力の上昇を抑えることができる。
また、出荷用タンクに貯蔵されたLNGをLNG払出部に圧送する際には、液相接続管部の開閉弁を開放することで、ガス流通管部内のガスが、出荷用タンクの気相部に流入することにより、出荷用タンク内のLNGが加圧され、液相接続管部を通してLNG払出部に圧送されることとなる。
以上のように、単に、出荷用タンクの気相部を、気相接続管部を介してガス流通管部に接続するだけの簡素な構成で、出荷用タンク内とガス流通管部内との圧力をバランスさせ、出荷用タンク内の圧力が上昇するのを抑えるとともに、出荷用タンクに貯蔵されたLNGをLNG払出部に圧送することができる。
【0021】
また、本願の請求項5に係るLNG処理設備の運用方法は、LNGが貯蔵される貯蔵タンクと、該貯蔵タンクに接続された送出管部に、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを送出する送出ポンプと、LNGを出荷する出荷手段に接続可能なLNG払出部と、前記送出管部を流通したLNGが貯蔵されるとともに、内部に貯蔵されたLNGが前記LNG払出部に圧送される出荷用タンクと、を備えるLNG処理設備において、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記LNG払出部に供給して前記出荷手段に払い出すLNG処理設備の運用方法であって、前記送出ポンプを作動させ、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記出荷用タンクに供給して貯蔵する貯蔵工程と、前記出荷用タンクに貯蔵されたLNGを圧送し、前記LNG払出部を通して前記出荷手段に払い出す払出工程と、を有していることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、前記貯蔵工程を有しているので、前記払出工程の前に、送出ポンプを作動させ、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、送出管部を通して出荷用タンクに供給して貯蔵しておくことができる。
したがって、前記払出工程の際に、出荷用タンクに貯蔵されたLNGを圧送し、LNG払出部を通して出荷手段に払い出すことで、貯蔵タンクから出荷手段に払い出す必要があるLNGの量を低減させることができる。これにより、払出工程の際に、送出ポンプにより送出管部に送出する必要があるLNGの量を低減させることが可能になり、送出能力が低く抑えられた送出ポンプを採用することができる。
【0023】
またこのように、送出能力が低く抑えられた送出ポンプを採用することができるので、この送出ポンプが作動することにより生じる熱を抑えることが可能になり、例えば送出ポンプが、貯蔵タンクの液相部内に配設された場合であっても、送出ポンプから貯蔵タンク内のLNGに伝わる熱を低減することができる。
【0024】
また、本願の請求項6に係るLNG処理設備の運用方法は、前記払出工程は、前記出荷用タンクに貯蔵されたLNGを圧送し、前記LNG払出部を通して前記出荷手段に払い出しながら、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記出荷用タンクに供給することを特徴とする。
【0025】
この場合、前記払出工程の際に、出荷用タンクに貯蔵されたLNGを、LNG払出部を通して出荷手段に払い出しながら、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、送出管部を通して出荷用タンクに供給するので、払出工程までに出荷用タンクに貯蔵されたLNGだけでなく、払出工程開始時に貯蔵タンクに貯蔵されていたLNGも、出荷用タンクを介して出荷手段に払い出すことができる。したがって、払出工程までに出荷用タンクに貯蔵しておくべきLNGの量を減らすことが可能になり、出荷用タンクの容量を小さくすることができる。
【0026】
また、本願の請求項7に係るLNG処理設備の運用方法は、前記貯蔵工程は、前記送出管部に送出されたLNGにより該送出管部を冷却することを特徴とする。
【0027】
この場合、貯蔵工程の際に、送出管部に送出されたLNGにより該送出管部を冷却するので、出荷手段へのLNGの払出しがなされていないときにも、LNGを貯蔵タンクに戻さずに送出管部を冷却することができる。
【0028】
また、本願の請求項8に係るLNG処理設備の運用方法は、前記LNG処理設備は、LNGから都市ガスを製造する都市ガス製造部を備え、前記送出管部には、前記都市ガス製造部に接続された第1分岐管部と、前記出荷用タンクに接続された第2分岐管部と、が各別に接続され、前記貯蔵工程は、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを前記送出管部および前記第1分岐管部を通して前記都市ガス製造部に供給する分の能力を、前記送出ポンプの送出能力から差し引いた前記送出ポンプの余剰能力を利用して、前記出荷用タンクにLNGを供給することを特徴とする。
【0029】
この場合、都市ガス製造部およびLNG払出部のいずれにLNGを供給する場合であっても、共通で兼用された送出ポンプおよび送出管部を用いることができるので、都市ガス製造部およびLNG払出部に各別に専用のポンプを設ける場合に比べて、ポンプ台数および配管系統の増加を抑えることが可能になり、例えば設備製造コストやメンテナンスコスト等を低減させ更なる低コスト化を図ることができる。
また貯蔵工程の際に、貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを送出管部および第1分岐管部を通して都市ガス製造部にLNGを供給する分の能力を、送出ポンプの送出能力から差し引いた送出ポンプの余剰能力を利用して、出荷用タンクにLNGを供給することで、出荷用タンクにLNGを貯蔵するためだけに、送出ポンプの送出能力を大きく高める必要がなく、送出能力が低く抑えられた送出ポンプにより前述の作用を確実に奏功させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本願の請求項1に係るLNG処理設備によれば、送出能力が低く抑えられた送出ポンプを採用することができるので、例えば送出ポンプのランニングコストや送出ポンプに要する初期コストを抑える等することで、低コスト化を図ることができる。
また送出ポンプが、貯蔵タンクの液相部内に配設された場合であっても、送出ポンプから貯蔵タンク内のLNGに伝わる熱を低減することができるので、貯蔵タンク内でのBOGの発生を抑制することができる。
さらに、出荷手段へのLNGの払出しがなされていないときにも、LNGを貯蔵タンクに戻さずに送出管部を冷却することができるので、貯蔵タンク内でのBOGの発生を確実に抑制することができる。
【0031】
また、本願の請求項2に係るLNG処理設備によれば、出荷用タンクの容量を小さくすることができるので、一層の低コスト化を図ることができる。
また、本願の請求項3に係るLNG処理設備によれば、都市ガス製造部を備える構成であっても前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
また、本願の請求項4に係るLNG処理設備によれば、例えば、出荷用タンク内の圧力の上昇を抑えるBOG処理装置や、出荷用タンク内の圧力を上昇させる加圧蒸発器などを不要とし、更なる低コスト化を図ることができる。
【0032】
また、本願の請求項5に係るLNG処理設備の運用方法によれば、送出能力が低く抑えられた送出ポンプを採用することができるので、例えば送出ポンプのランニングコストや送出ポンプに要する初期コストを抑える等することで、低コスト化を図ることができる。
また送出ポンプが、貯蔵タンクの液相部内に配設された場合であっても、送出ポンプから貯蔵タンク内のLNGに伝わる熱を低減することができるので、貯蔵タンク内でのBOGの発生を抑制することができる。
【0033】
また、本願の請求項6に係るLNG処理設備の運用方法によれば、出荷用タンクの容量を小さくすることができるので、一層の低コスト化を図ることができる。
また、本願の請求項7に係るLNG処理設備の運用方法によれば、出荷手段へのLNGの払出しがなされていないときにも、LNGを貯蔵タンクに戻さずに送出管部を冷却することができるので、貯蔵タンク内でのBOGの発生を抑制することができる。
また、本願の請求項8に係るLNG処理設備の運用方法によれば、LNG処理設備が都市ガス製造部を備える構成であっても前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係るLNG基地の概略図である。
【図2】図1に示すLNG基地の運用方法の実施例の結果を示すグラフである。
【図3】図1に示すLNG基地の運用方法の実施例の結果を示すグラフである。
【図4】図1に示すLNG基地の運用方法の実施例の結果を示すグラフである。
【図5】従来のLNG基地の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るLNG基地を説明する。
図1に示すように、LNG基地(LNG処理設備)1は、LNGが貯蔵される貯蔵タンク2と、貯蔵タンク2に接続され貯蔵タンク2からLNGが送出される送出管部3と、送出管部3の下流端から分岐された複数の分岐管部4a、4bと、複数の分岐管部4a、4bのうちの第1分岐管部4aを流通したLNGから都市ガスを製造する都市ガス製造部5と、都市ガス製造部5により製造された都市ガスが貯蔵されるガスホルダ6と、複数の分岐管部4a、4bのうちの第2分岐管部4bを流通したLNGが供給されるLNG払出部7と、上流側に第2分岐管部4bが接続されるとともに下流側にLNG払出部7が接続され、送出管部3を流通したLNGが貯蔵される出荷用タンク8と、貯蔵タンク2内のLNGを昇圧して送出管部3に送出する送出ポンプ9と、複数の分岐管部4a、4bを流通するLNGの各流量を調整する流量調整部10と、を備えている。
このLNG基地1は、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3を通してLNG払出部7に供給してローリー18に払い出すとともに、LNGから都市ガスを製造して所定地域に供給する。
【0036】
貯蔵タンク2には、この貯蔵タンク2内で発生したBOGを処理する図示しないBOG処理装置が設けられている。このBOG処理装置では、例えば、BOGを昇圧した後、前記都市ガス製造部5で製造された都市ガスに合流させて処理したり、BOGを昇圧した後、再液化させ貯蔵タンク2内に戻したりすることで、BOGを処理する。
【0037】
送出ポンプ9は、貯蔵タンク2の液相部内に配設されている。
分岐管部4a、4bは2つ設けられており、一方が第1分岐管部4aとされ、他方が第2分岐管部4bとなっている。なお第2分岐管部4bは、出荷用タンク8の気相部8aに接続されていても、液相部8bに接続されていても良い。
流量調整部10は、第1分岐管部4aに設けられた第1流量調整弁11と、第2分岐管部4bに設けられた第2流量調整弁12と、を備えている。
【0038】
都市ガス製造部5は、第1分岐管部4aを流通したLNGを気化させる気化装置13と、気化装置13とガスホルダ6とを接続するとともに、気化装置13により気化されたガスが流通するガス流通管部14と、を備えている。なおこの都市ガス製造部5は、LNGから都市ガスを製造する構成であれば良く、例えば、図示しないLPG熱量調整ミキサーや付臭装置などを更に備えていても良い。
【0039】
ガスホルダ6内の都市ガスは、所定地域に圧送される。このとき、ガスホルダ6内の圧力を利用して都市ガスを圧送するため、ガスホルダ6内の圧力は、所定圧力(例えば、0.4MPa)以上に維持されている。
【0040】
出荷用タンク8は、内部にLNGが貯蔵可能とされるとともに、内部に貯蔵されたLNGがLNG払出部7に圧送される。本実施形態では、出荷用タンク8の気相部8aは、ガス流通管部14に気相接続管部15を介して接続されている。また出荷用タンク8の液相部8bは、第3流量調整弁(開閉弁)16が設けられた液相接続管部17を介してLNG払出部7に接続されている。
LNG払出部7には、LNGを出荷するローリー(出荷手段)18が接続可能となっている。
【0041】
次に、以上のように構成されたLNG基地1の運用方法について説明する。
はじめに、LNG出荷時以外の時間帯における運用方法について説明する。なおこのとき、液相接続管部17は、第3流量調整弁16により閉じられている。
【0042】
まず、ガスホルダ6に都市ガスを補充する必要がある場合には、送出ポンプ9を作動させ、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3および第1分岐管部4aを通して都市ガス製造部5に供給し、都市ガスを製造した後ガスホルダ6に補充する補充工程を行う。このとき、ガス流通管部14を流通するガスは、気相接続管部15に殆ど流入することなくガスホルダ6に供給される。
【0043】
また、この補充工程と並行して、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3および第2分岐管部4bを通して出荷用タンク8に供給して貯蔵する貯蔵工程を行う。
このとき本実施形態では、送出ポンプ9および流量調整部10を制御して、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを送出管部3および第1分岐管部4aを通して都市ガス製造部5に供給する分の能力を、送出ポンプ9の送出能力から差し引いた送出ポンプ9の余剰能力を利用して、出荷用タンク8にLNGを供給する。なおこのとき、出荷用タンク8の気相部8aのガス(例えば、BOG等)が気相接続管部15を通してガス流通管部14に送出されることとなり、出荷用タンク8内の圧力の上昇が抑えられる。
【0044】
一方、ガスホルダ6に都市ガスを補充する必要がなく、前記補充工程を行わない場合には、貯蔵タンク2から都市ガス製造部5にLNGを供給する必要がないので、送出ポンプ9の送出能力をそのまま送出ポンプ9の余剰能力として利用し、出荷用タンク8にLNGを供給することができる。
LNG出荷時以外の時間帯では、以上のような運用を行う。なお前記貯蔵工程の際、送出管部3は、送出管部3に送出されたLNGにより冷却されることとなる。
【0045】
次に、LNG出荷時における運用方法について説明する。
この場合、出荷用タンク8に貯蔵されたLNGを圧送し、LNG払出部7を通してローリー18に払い出す払出工程を行う。このとき本実施形態では、液相接続管部17の第3流量調整弁16を開放することで、ガス流通管部14内の製造ガスが、出荷用タンク8の気相部8aに流入することにより、出荷用タンク8内のLNGが加圧され、液相接続管部17を通してLNG払出部7に圧送されることとなる。
【0046】
さらにこのとき、本実施形態では、前述のように出荷用タンク8に貯蔵されたLNGを圧送し、LNG払出部7を通してローリー18に払い出しながら、送出ポンプ9および流量調整部10を制御して、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3および第2分岐管部4bを通して出荷用タンク8に供給し、出荷用タンク8を介してローリー18に払い出す。なおこのとき、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、ローリー18に払い出しながら都市ガス製造部5に供給しても良い。
LNG出荷時には、以上のような運用を行う。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係るLNG基地1およびLNG基地1の運用方法によれば、前記出荷用タンク8が備えられているので、LNG出荷時以外の時間帯に、送出ポンプ9を作動させ、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3および第2分岐管部4bを通して出荷用タンク8に供給して貯蔵しておくことができる。
したがって、LNG出荷時に、出荷用タンク8に貯蔵されたLNGを圧送し、LNG払出部7を通してローリー18に払い出すことで、貯蔵タンク2からローリー18に払い出す必要があるLNGの量を低減させることができる。これにより、LNG出荷時に送出ポンプ9により送出管部3に送出する必要があるLNGの量を低減させることが可能になり、送出能力が低く抑えられた送出ポンプ9を採用することができる。
【0048】
また、出荷用タンク8にLNGを貯蔵する際に、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを送出管部3および第1分岐管部4aを通して都市ガス製造部5に供給する分の能力を、送出ポンプ9の送出能力から差し引いた送出ポンプ9の余剰能力を利用して、出荷用タンク8にLNGを供給することで、出荷用タンク8にLNGを貯蔵するためだけに、送出ポンプ9の送出能力を大きく高める必要がなく、送出能力が低く抑えられた送出ポンプ9により前述の作用を確実に奏功させることができる。
このように、送出能力が低く抑えられた送出ポンプ9を採用することができるので、例えば送出ポンプ9のランニングコストや送出ポンプ9に要する初期コストを抑える等することで、低コスト化を図ることができる。
【0049】
またこのように、送出能力が低く抑えられた送出ポンプ9を採用することができるので、この送出ポンプ9が作動することにより生じる熱を低減することが可能になり、例えば本実施形態のように、送出ポンプ9が、貯蔵タンク2の液相部8b内に配設された場合であっても、送出ポンプ9から貯蔵タンク2内のLNGに伝わる熱を低減することができる。これにより、貯蔵タンク2内でのBOGの発生を抑制することができる。
【0050】
また、前記出荷用タンク8が備えられているので、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3を通して出荷用タンク8に供給して貯蔵する際に、送出管部3に送出されたLNGにより該送出管部3を冷却することで、ローリー18へのLNGの払出しがなされていないときにも、LNGを貯蔵タンク2に戻さずに送出管部3を冷却することができる。これにより、貯蔵タンク2内でのBOGの発生を確実に抑制することができる。
【0051】
また、単に、出荷用タンク8の気相部8aを、気相接続管部15を介してガス流通管部14と接続するだけの簡素な構成で、出荷用タンク8内とガス流通管部14内との圧力をバランスさせ、出荷用タンク8内の圧力が上昇するのを抑えるとともに、出荷用タンク8に貯蔵されたLNGをLNG払出部7に圧送することができる。したがって、例えば、出荷用タンク8内の圧力の上昇を抑えるBOG処理装置や、出荷用タンク8内の圧力を上昇させる加圧蒸発器などを不要とし、更なる低コスト化を図ることができる。
【0052】
また、出荷用タンク8に貯蔵されたLNGが圧送され、LNG払出部7を通してローリー18に払い出されるときに、送出ポンプ9が、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを、送出管部3を通して出荷用タンク8に供給するので、LNG出荷時までに出荷用タンク8に貯蔵されたLNGだけでなく、LNG出荷開始時に貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGもローリー18に払い出すことができる。したがって、LNG出荷時までに出荷用タンク8に貯蔵しておくべきLNGの量を減らすことが可能になり、出荷用タンク8の容量を小さくすることができる。これにより、一層の低コスト化を図ることができる。
【0053】
また、都市ガス製造部5およびLNG払出部7のいずれにLNGを供給する場合であっても、共通で兼用された送出ポンプ9および送出管部3を用いることができるので、都市ガス製造部5およびLNG払出部7に各別に専用のポンプを設ける場合に比べて、ポンプ台数および配管系統の増加を抑えることが可能になり、例えば基地製造コストやメンテナンスコスト等を低減させ更なる低コスト化を図ることができる。
【0054】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、LNG払出部7は1つ設けられているものとしたが、複数あっても良い。
【0055】
また前記実施形態では、分岐管部4a、4bは2つ設けられているものとしたが、3つ以上設けられていても良い。つまり、分岐管部4a、4bとして、第1分岐管部4aおよび第2分岐管部4bが少なくとも1つずつ設けられていれば良く、この場合、例えば、第2分岐管部4bが複数設けられていても良い。
なおこのように、第2分岐管部4bが複数設けられている場合、複数の第2分岐管部4bのうち、少なくとも1つに出荷用タンク8が接続されていれば良く、例えば、出荷用タンク8が、第2分岐管部4bと対応して複数設けられ、各第2分岐管部4bに接続されていても良い。
さらにこのように、第2分岐管部4bが複数設けられている場合、LNG払出部7が、第2分岐管部4bと対応して複数設けられ、各第2分岐管部4bを流通したLNGが、互いに異なるLNG払出部7に供給されても良い。
【0056】
また前記実施形態では、気相接続管部15は、出荷用タンク8の気相部8aとガス流通管部14とを接続するものとしたが、これに限られるものではなく、出荷用タンク8の気相部8aと、ガス流通管部14およびガスホルダ6のうち、少なくとも一方と、を接続していても良い。
さらに気相接続管部15はなくても良く、例えば、出荷用タンク8に前記BOG処理装置や前記加圧蒸発器等を設けることも可能である。
【0057】
また前記実施形態では、払出工程の際、出荷用タンク8に貯蔵されたLNGをローリー18に払い出しながら、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを出荷用タンク8に供給するものとしたが、このとき、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを出荷用タンク8に供給しなくても良い。
【0058】
また前記実施形態では、送出ポンプ9は、貯蔵タンク2の液相部内に配設されているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば貯蔵タンク2の外部に配設されていても良い。
さらに前記実施形態では、ガスホルダ6が備えられているものとしたが、ガスホルダ6はなくても良い。
【0059】
また前記実施形態では、都市ガス製造部5およびLNG払出部7のいずれにLNGを供給する場合であっても、共通で兼用された送出ポンプ9および送出管部3を用いることができるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、貯蔵タンク2から都市ガス製造部5にLNGを送出するポンプと、貯蔵タンク2からLNG払出部7にLNGを送出するポンプ(送出ポンプ)と、が異なっていて、それぞれ専用のポンプとして設けられていても良い。
【0060】
さらに前記実施形態では、都市ガス製造部5が備えられているものとしたが、例えば、LNGから都市ガスを製造する必要がない場合などには、都市ガス製造部5はなくても良い。この場合、分岐管部4a、4bはなくても良く、送出管部3が出荷用タンク8に直接、接続されていても良い。
【0061】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【実施例】
【0062】
次に、前記実施形態で示したLNG基地1の運用方法の一実施例について説明する。
はじめに、本実施例における運用条件を、表1および図2に基づいて説明する。なお図2に示すグラフでは、横軸が時間を示し、縦軸が各需要量(t)を示している。
【表1】

【0063】
本実施例では、LNG基地1に0時から23時までの毎時間、表1および図2に示すような需要量(都市ガス需要、ローリー出荷量)が必要とされるものとする。なお、表1および図2に示す需要量は、各時間内における合計需要量を表している。
【0064】
ここで図2に示すように、ローリー出荷量は、6時、11時および18時に33tで最大値をとっており、出荷用タンク8が備えられていない従来のLNG基地では、例えば出荷前後に要するローリー18とLNG払出部7との配管接続作業に要する時間などを考慮すると、少なくとも送出ポンプ9の送出能力が45t/h必要とされる。
これに対して、本実施例では、送出ポンプ9の送出能力を15t/hとした。この送出能力は、都市ガス需要のピーク時(6時から8時、18時から20時)の需要量に基づいて設定し、この需要量と同等のものとした。
【0065】
また表1に示すように、本実施例では、0時において、ガスホルダ6内の都市ガスの有効残量を26tとし、出荷用タンク8の有効残量を17tとした。
なお本実施例では、このようにガスホルダ6内の都市ガスの有効残量が26tの場合には、ガスホルダ6内の圧力は0.79MPaになっている。この圧力が0.40MPa(所定圧力)以下になると、ガスホルダ6内の圧力を利用して都市ガスを前記所定地域に圧送できなくなる。
【0066】
次に、本実施例における運用方法を、表1に基づいて説明する。
【0067】
表1に示すように、本実施例では、LNG出荷時以外の時間帯、すなわち0時から5時、7時から10時、12時から17時、19時から23時には、必要に応じて、前記補充工程を行ってガスホルダ6に都市ガスを補充する(「都市ガス製造部への送出(t)」の行)とともに、前記貯蔵工程を行って出荷用タンク8にLNGを貯蔵する(「出荷用タンクへの送出(t)」の行)。このとき、送出ポンプ9の前記余剰能力を利用して、出荷用タンク8にLNGを貯蔵する。
【0068】
一方、LNG出荷時、すなわち6時、11時、18時には、前記払出工程を行う。このとき、出荷用タンク8に貯蔵されたLNGをローリー18に払い出しながら、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGを出荷用タンク8に供給する。なお本実施例では、貯蔵タンク2から都市ガス製造部5へのLNGの送出を停止した上で、送出ポンプ9の送出能力の全体(15t/h)を利用して、貯蔵タンク2に貯蔵されたLNGをローリー18に払い出している。
【0069】
次に、本実施例における運用結果を、表1、並びに図3および図4に示すグラフに基づいて説明する。
なお図3に示すグラフでは、横軸が時間を示し、縦軸がガスホルダ6内の圧力(MPa)を示している。また図4に示すグラフでは、横軸が時間を示し、縦軸が出荷用タンク8内の有効残量(t)を示している。なお、ガスホルダ6内の圧力、および出荷用タンク8内の有効残量は、各時間の開始時における値を表している。
【0070】
図3に示すように、本実施例では、ガスホルダ6内の圧力が0.40MPa(所定圧力)より大きい圧力で維持されている。これにより、ガスホルダ6内の圧力を利用して都市ガスを前記所定地域に圧送し続けられることが確認された。
また図4に示すように、本実施例では、出荷用タンク8内の有効残量が0tより大きい残量で維持されている。これにより、ローリー18に出荷量を満たすLNGが払い出し続けられることが確認された。
【0071】
以上より、前記実施形態に係るLNG基地1では、送出能力が低く抑えられた送出ポンプ9により、ガスホルダ6への都市ガスの補充およびローリー18へのLNGの払出しを不足なく実施できることが確認された。
【0072】
なお、LNG基地1が、ガスホルダ6を備えていないLNG基地に本願発明を適用した場合において、前記実施例と同様の運用条件を前提として運用すると、従来の出荷用タンク8を備えていないLNG基地では、送出ポンプ9の送出能力が60t/h必要とされるところ、本願発明のように出荷用タンク8を備えているLNG基地では、前記送出能力が30t/hで済むことが確認された。
【符号の説明】
【0073】
1 LNG基地(LNG処理設備)
2 貯蔵タンク
3 送出管部
4a 第1分岐管部
4b 第2分岐管部
5 都市ガス製造部
7 LNG払出部
8 出荷用タンク
8a 気相部
8b 液相部
9 送出ポンプ
13 気化装置
14 ガス流通管部
15 気相接続管部
16 第3流量調整弁(開閉弁)
17 液相接続管部
18 ローリー(出荷手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNGが貯蔵される貯蔵タンクと、
該貯蔵タンクに接続された送出管部に、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを送出する送出ポンプと、
LNGを出荷する出荷手段に接続可能なLNG払出部と、を備え、
前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記LNG払出部に供給して前記出荷手段に払い出すLNG処理設備であって、
前記送出管部を流通したLNGが貯蔵されるとともに、内部に貯蔵されたLNGが前記LNG払出部に圧送される出荷用タンクを備えていることを特徴とするLNG処理設備。
【請求項2】
請求項1記載のLNG処理設備であって、
前記送出ポンプは、前記出荷用タンクに貯蔵されたLNGが圧送され、前記LNG払出部を通して前記出荷手段に払い出されるときに、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記出荷用タンクに供給することを特徴とするLNG処理設備。
【請求項3】
請求項1または2に記載のLNG処理設備であって、
LNGから都市ガスを製造する都市ガス製造部を備え、
前記送出管部には、前記都市ガス製造部に接続された第1分岐管部と、前記出荷用タンクに接続された第2分岐管部と、が各別に接続されていることを特徴とするLNG処理設備。
【請求項4】
請求項3記載のLNG処理設備であって、
前記都市ガス製造部は、前記第1分岐管部を流通したLNGを気化させる気化装置と、前記気化装置により気化されたガスが流通するガス流通管部と、を備え、
前記出荷用タンクの気相部は、前記ガス流通管部に気相接続管部を介して接続され、
前記出荷用タンクの液相部は、開閉弁が設けられた液相接続管部を介して前記LNG払出部に接続されていることを特徴とするLNG処理設備。
【請求項5】
LNGが貯蔵される貯蔵タンクと、
該貯蔵タンクに接続された送出管部に、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを送出する送出ポンプと、
LNGを出荷する出荷手段に接続可能なLNG払出部と、
前記送出管部を流通したLNGが貯蔵されるとともに、内部に貯蔵されたLNGが前記LNG払出部に圧送される出荷用タンクと、を備えるLNG処理設備において、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記LNG払出部に供給して前記出荷手段に払い出すLNG処理設備の運用方法であって、
前記送出ポンプを作動させ、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記出荷用タンクに供給して貯蔵する貯蔵工程と、
前記出荷用タンクに貯蔵されたLNGを圧送し、前記LNG払出部を通して前記出荷手段に払い出す払出工程と、を有していることを特徴とするLNG処理設備の運用方法。
【請求項6】
請求項5記載のLNG処理設備の運用方法であって、
前記払出工程は、前記出荷用タンクに貯蔵されたLNGを圧送し、前記LNG払出部を通して前記出荷手段に払い出しながら、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを、前記送出管部を通して前記出荷用タンクに供給することを特徴とするLNG処理設備の運用方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載のLNG処理設備の運用方法であって、
前記貯蔵工程は、前記送出管部に送出されたLNGにより該送出管部を冷却することを特徴とするLNG処理設備の運用方法。
【請求項8】
請求項5から6のいずれか1項に記載のLNG処理設備の運用方法であって、
前記LNG処理設備は、LNGから都市ガスを製造する都市ガス製造部を備え、
前記送出管部には、前記都市ガス製造部に接続された第1分岐管部と、前記出荷用タンクに接続された第2分岐管部と、が各別に接続され、
前記貯蔵工程は、前記貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを前記送出管部および前記第1分岐管部を通して前記都市ガス製造部に供給する分の能力を、前記送出ポンプの送出能力から差し引いた前記送出ポンプの余剰能力を利用して、前記出荷用タンクにLNGを供給することを特徴とするLNG処理設備の運用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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