説明

LOXおよびLOXL2阻害剤ならびにこれらの使用

本出願は、抗LOX抗体および抗LOXL2抗体ならびに精製法、診断法、および治療法におけるこれらの使用に関する。抗体は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、およびこれらの機能的フラグメントを含む。抗LOX抗体および抗LOXL2抗体を用いて、線維化状態、血管新生などの状態を同定および治療するか、または上皮細胞状態から間葉細胞状態への移行を防止することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号6として示されるアミノ酸配列を有するエピトープに特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
配列番号1として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖と、配列番号2として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖とを含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
配列番号1として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖と、配列番号2として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖とを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
配列番号1として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
配列番号2として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖を含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
LOXL2に対する結合について、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと競合するか、またはこれに特異的に結合する、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
LOX、LOXL1、LOXL3、またはLOXL4の少なくとも1種に対する場合よりも少なくとも2、5、10、50、100、500、または1000倍大きな結合親和性でLOXL2に特異的に結合する、前記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項8】
配列番号6として示されるアミノ酸配列を有するエピトープに特異的に結合する、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項9】
配列番号25、26、27、または28として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖と、配列番号30、31、または32として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖とを含む、請求項8に記載のヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項10】
配列番号25、26、27、または28として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖と、配列番号30、31、または32として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖とを含む、ヒト化単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項11】
配列番号25、26、27、または28として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖を含む、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項12】
配列番号30、31、または32として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖を含む、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項13】
LOXL2に対する結合について、請求項8から12のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと競合するか、またはこれに特異的に結合する、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項14】
配列番号3として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖と、配列番号4または5として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖とを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項15】
配列番号3として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変重鎖を含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項16】
配列番号4または5として示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖を含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項17】
LOXに対する結合について、請求項14から16のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと競合するか、またはこれに特異的に結合する、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項18】
LOX1、LOXL2、LOXL3、またはLOXL4の少なくとも1種に対する場合よりも少なくとも2、5、10、50、100、500、または1000倍大きな結合親和性で、LOXに特異的に結合する、請求項14から17のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項19】
検出可能標識、治療用標識、またはこれらの両方により標識される、請求項1から18のいずれか一項に記載の単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項20】
可変重鎖、可変軽鎖、Fv、scFv、Fab、F(ab’)、遺伝子操作抗体、モノクローナル抗体、またはヒト化抗体である、前記請求項のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項21】
前記請求項のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント、および薬学的に許容される担体または賦形剤の組成物を含む、LOXまたはLOXL2と関連する状態を治療するためのキット。
【請求項22】
前記LOXまたはLOXL2と関連する状態が、腫瘍、転移、血管新生、または線維症である、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
検出可能標識、治療用標識、またはこれらの両方をさらに含む、請求項21に記載のキット。
【請求項24】
抗体またはその抗原結合フラグメントの、検出可能標識、治療用標識、またはこれらの両方とのコンジュゲートの仕方を説明する指示書をさらに含む、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
抗体またはその抗原結合フラグメントの投与の仕方を説明する指示書をさらに含む、請求項21に記載のキット。
【請求項26】
前記組成物が発熱物質を含有しない、請求項21に記載のキット。
【請求項27】
前記組成物が凍結乾燥される、請求項21に記載のキット。
【請求項28】
LOXまたはLOXL2と関連する状態を診断する方法であって、対象の試料を前記請求項のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることにより、前記試料中におけるLOXおよび/またはLOXL2レベルを評価するステップを含み、基準試料と比較した、該試料中におけるLOXおよび/またはLOXL2レベルの変化により、腫瘍または転移の存在または増大が示される方法。
【請求項29】
前記LOXまたはLOXL2と関連する状態が、腫瘍、転移、血管新生、または線維症である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
基準試料と比較した、試料中におけるLOXおよび/またはLOXL2レベルの上昇により、腫瘍もしくは転移の存在、または腫瘍もしくは転移性増殖の増大が示される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
基準試料が、早期の時点における対象から採取された試料であるか、または別の個体由来の試料である、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
試料中におけるLOXおよび/またはLOXL2レベルが、試料を請求項1から14のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることにより検出される、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが検出可能な形で標識される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
試料または細胞組織を請求項1から13のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることによりLOXL2を阻害する方法。
【請求項35】
LOXL2に対する前記抗体またはその抗原結合フラグメントの結合によりLOXL2の酵素活性が阻害される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
試料または細胞組織を請求項14から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることによりLOXを阻害する方法。
【請求項37】
LOXに対する前記抗体またはその抗原結合フラグメントの結合によりLOXの酵素活性が阻害される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
接触をin vitro、in vivo、またはex vivoで行う、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
LOXまたはLOXL2の阻害により対象における腫瘍増殖が減少する、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
LOXまたはLOXL2の阻害により対象における血管新生が軽減される、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
LOXまたはLOXL2の阻害により対象における線維症が軽減される、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを投与するステップを含む、対象における腫瘍増殖を減少させる方法。
【請求項43】
前記腫瘍が原発腫瘍または転移性腫瘍である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記腫瘍が、肺癌(肺腺癌、扁平上皮細胞癌、大細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、非小細胞癌、小細胞癌、中皮腫を含む);乳癌(乳管癌、小葉癌、炎症性乳癌、明細胞癌、粘液癌を含む);結腸直腸癌(結腸癌、直腸癌);肛門癌;膵臓癌(膵臓腺癌、膵島細胞癌、神経内分泌腫瘍を含む);前立腺癌;卵巣癌(漿液性腫瘍、類内膜腫瘍、および粘液性嚢胞腺腫瘍を含む卵巣上皮癌または表層上皮性−間質性腫瘍、性索−間質性腫瘍);肝癌および胆管癌(肝細胞癌、胆管癌、肝血管腫を含む);食道癌(食道腺癌および扁平上皮細胞癌を含む);膀胱癌;子宮癌(子宮内膜腺癌、子宮乳頭状漿液性癌、子宮明細胞癌、子宮肉腫および子宮平滑筋肉腫、ミュラー管混合腫瘍を含む);神経膠腫、神経膠芽腫、髄芽腫、および他の脳腫瘍;腎癌(腎細胞癌、明細胞癌、ウィルムス腫瘍を含む);頭頚部癌(扁平上皮細胞癌を含む);胃癌(胃腺癌、消化管間質腫瘍);多発性骨髄腫;精巣癌;胚細胞腫瘍;神経内分泌腫瘍;子宮頚癌;消化管、乳房、および他の臓器のカルチノイド;印環細胞癌;肉腫、線維肉腫、血管腫、血管腫症、血管外皮腫、偽血管腫様間質過形成、筋線維芽腫、線維腫症、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、脂肪腫、血管脂肪腫、顆粒細胞腫、神経線維腫、神経鞘腫、血管肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、および非ホジキンリンパ腫を含む間葉系腫瘍の中から選択される、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
対象における腫瘍が、治療前の対象における腫瘍と比較して、少なくとも10%、25%、50%、70%、90%、95%、またはそれ以上退縮する、請求項42から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
腫瘍を有する対象の生存が、抗体またはその抗原結合フラグメントを投与されない対象と比較して、少なくとも10日間、1カ月間、3カ月間、6カ月間、1年間、2年間、5年間、10年間、またはそれ以上延長される、請求項42から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
対象の全身転移性腫瘍組織量を安定化させる、請求項42から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
全身転移性腫瘍組織量を、少なくとも10日間、1カ月間、3カ月間、6カ月間、1年間、2年間、5年間、10年間、またはそれ以上にわたり安定化させる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
抗体またはその抗原結合フラグメントが、hLOXの分泌形態または成熟形態には特異的に結合するが、配列番号7のアミノ酸配列を有するhLOXのプレプロタンパク質には特異的に結合しない、請求項42に記載の方法。
【請求項50】
hLOXの分泌形態が配列番号8、62、または63のアミノ酸配列を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
hLOXの成熟形態が配列番号9のアミノ酸配列を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにより対象における血管新生を阻害する方法。
【請求項53】
請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することにより対象における線維性疾患を阻害する方法。
【請求項54】
前記線維性疾患が、肝線維症、肺線維症、腎線維症、心筋線維症、または強皮症である、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記腎線維症が、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、糖尿病性腎症、膀胱尿管逆流、尿細管間質性腎線維症、または糸球体腎炎である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
試料または細胞組織を、請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることにより、細胞外マトリックス形成を低下させる方法。
【請求項57】
投与または接触が非経口投与により行われる、請求項34から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
LOXおよび/またはLOXLのレベルおよび/または活性を検出することにより、請求項42から56のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの投与に対する対象の応答をモニタリングする方法。
【請求項59】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが治療用標識で標識される、請求項42から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
第2の治療作用物質を同時投与するステップをさらに含む、請求項42から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記第2の治療作用物質が抗体または化学療法剤である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
対象におけるLOXL2もしくはLOXを阻害するか、腫瘍増殖を減少させるか、血管新生を阻害するか、線維性疾患を阻害するか、または細胞外マトリックス形成を低下させるための製剤の調製における、請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項63】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、治療用標識、および場合によっては診断用標識で標識される、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
患者の試料中におけるLOXおよび/またはLOXL2レベルを評価するステップを含む腫瘍または転移の診断のための製剤の調製における、請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの使用であって、基準試料と比較した、該試料中におけるLOXおよび/またはLOXL2レベルの変化により、腫瘍もしくは転移の存在または腫瘍もしくは転移性増殖の増大が示される使用。
【請求項65】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが診断用標識で標識される、請求項64に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−535205(P2010−535205A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519263(P2010−519263)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/072039
【国際公開番号】WO2009/035791
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510028419)アレスト バイオサイエンシズ,インク. (3)
【Fターム(参考)】