説明

LTEのシステム情報更新

【課題】システム情報更新を信号送信する方法及び装置を改善すること。
【解決手段】システム情報更新を受信する装置は、SFN(system frame number)を受信するよう構成されたWTRU(wireless transmit receive unit)を含む。さらにWTRUは、修正された周期においてシステム情報メッセージを受信するよう構成される。修正された周期は、SFNにより決まる境界を含む。WTRUは、第1の修正された変更境界後にシステム情報変更通知を受信して、第2の修正された変更境界までシステム情報が有効であることを決定するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、LTEのシステム情報更新に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(the Third Generation Partnership Project)によりLTE(Long Term Evolution)プログラムが開始されて、新しいテクノロジー、新しいネットワークアーキテクチャ、新しいコンフィギュレーション、及びスペクトル効率の改善とユーザー体験の高速化とを与えるための新しいアプリケーションとワイヤレスネットワークのサービスとがもたらされる。LTE準拠のネットワークにおいて、WTRU(wireless transmit receive unit)は、システム情報更新を受信出来る。システム情報更新は、PHICH(Physical HARQ Indicator Channel)のサイズ及びロケーションを含むことが出来る。
【0003】
WTRUは、P−BCH(Primary Broadcast Channel)又はD−BCH(Dynamic−BCH)に関する更新されたシステム情報を受信出来る。システム情報更新用のリソース割当は、固定又は可変であるとすることが出来るが、可変なリソース割当は、信号送信効率に対して優先される。
【0004】
しかしながら、可変なリソース割当は、不利を招く。WTRUは、DRX(Discontinuous Reception)サイクルからずれて行くと過度の待ち時間を体験することがあり、過度のオーバーヘッドが、システム更新情報の信号送信のために必要とされることがある。WTRUは、D−BCHメッセージ全体を受信する前に80msも待ち合わせなければならないことがある。待ち時間は、eNB(eNodeB)がD−BCHサイクルごとにシステム情報の変更を許可する場合に問題となる。
【0005】
WTRUがD−BCH境界においてDRXによりまさにウエイクアップする場合、WTRUは、システム情報更新をデコードして検索出来る前にD−BCHを完全に受信するために少なくとも80ms待ち合わせなければならない。上記時間間隔の間、WTRUは、システム情報が最後のアップリンク(UL)送信以後に変更されたかどうかを理解していない。WTRUがD−BCHサイクル中にウエイクアップしたならば、WTRUは、現在のサイクルにおけるD−BCHをデコードすることが出来ない。結果は、150msの遅延と同程度であることがあり、例えばVoIP(voice over Internet protocol)等の時間にデリケートなアプリケーションを受容出来ない。同様な待ち時間は、システム情報更新が潜在的に70msの待ち時間を有するP−BCH上に送信される場合に体験される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、システム情報更新を信号送信する方法及び装置の改善が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
システム情報更新を受信する方法及び装置は、SFN(system frame number)を受信するWTRUを含むことが出来る。さらにWTRUは、修正された周期においてシステム情報メッセージを受信することが出来る。修正された周期は、SFNにより決定される境界を含む。WTRUは、第1の修正による境界変更後にシステム情報変更通知を受信することが出来て、システム情報が第2の修正による境界変更まで有効であることを決定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る複数のWTRUと1つのeNBとを含む例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るWTRU及びeNBの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において以下に引用する場合、用語の「WTRU」は、制限されないが、UE(user equipment)、移動局、固定若しくは移動の加入者ユニット、ページャー、携帯電話機、PDA(personal digital assistant)、コンピューター、又はワイヤレス環境において動作する性能がある他のあらゆる型のユーザーデバイスを含む。本明細書において以下に引用する場合、用語の「基地局」は、制限されないが、Node−B、サイトコントローラー、アクセスポイント(AP)、又はワイヤレス環境において動作する性能がある他のあらゆる型のインターフェースデバイスを含む。
【0010】
例えば、ダウンリンクのPHICHのロケーション及びサイズ等のシステム情報を、eNBとWTRUとの間において送信することが出来る。WTRUがDRXサイクルからウエイクしていてD−BCH又はP−BCHを待ち受けている場合、好ましくない待ち時間を招くことがある。
【0011】
システム情報更新を、特定の無線フレームにおいて行うことが出来る。システム情報メッセージを、単一の修正された周期の間に2回以上送信することが出来る。システム情報メッセージにおける情報を、繰り返すことが出来る。
【0012】
WTRUは、最初のアクセスの間にSFNを取得することが出来る。修正された周期境界を認識するために、WTRUは、mod(SFN,n)を計算することによって修正された周期境界を決定することが出来る。ただし、nは、システム情報により構成されるか、WTRUへ信号送信されるか、又はあらかじめ定義された公式を使用してWTRUにより計算される整数値である。あるいはまた、WTRUは、mode(SFN,nXA)を計算することによって修正された周期境界を決定することが出来る。ただし、「A」は、10msの無線フレームに表されるP−BCH又はD−BCHの長さに一致することが出来る。例えば、P−BCH又はD−BCHの長さが40msである場合、Aの値は、4である。
【0013】
ネットワークがシステム情報を変更する場合、最初に変更についてWTRUに通知する。通知を、第1の修正された周期の初めから終わりまで行うことが出来る。第2の修正された周期は、第1の修正された周期のすぐ後に続くことが出来る。変更通知の受信によって、WTRUは、現在のシステム情報が次の修正された周期境界まで有効であることを決定出来る。
【0014】
ページングメッセージを使用して、WTRUに、アイドルモード又は接続モードにおいてシステム情報の変更について通知出来る。WTRUが、システム情報修正メッセージを含む、ページングメッセージを受信する場合、WTRUは、システム情報を、次の修正された境界において変更してもよいことを決定出来る。ページングメッセージは、RRC(radio resource control)メッセージであり、既にWTRUによって使用中のページングサイクルと同様のページングサイクルを有することが出来る。あるいはまた、ページングサイクルは、WTRUによって使用中のページングサイクルと異なるとすることが出来る。
【0015】
より詳細には、システム情報を、例えばPHICHコンフィギュレーションを、D−BCH上に信号送信出来る。D−BCHを(D−BCHサイクルとして定義される)80msにより送信する場合、WTRUは、例えばPHICHコンフィギュレーションを含むシステム情報の見込まれる更新に対して、nx80ms間隔においてD−BCHをリッスンすることが出来る。WTRUがnx80msサイクル中にウエイクアップする場合、例えばPHICH等のシステム情報は、例えばnx80ms間隔の間じゅう、静的であるので、システム情報に対してD−BCHを検査する必要がない。上記は、WTRUがD−BCHサイクルを完了するのを待ち受ける必要なしにアップリンク(UL)通信を開始出来るので、待ち時間の削減に帰着出来る。
【0016】
同様に、システム情報変更をP−BCH上に送信する場合、コンフィギュレーション更新を、nx40msごとに信号送信出来る。ただし、40msは、P−BCH送信時間である。WTRUは、mod(SFN,nx4)ごとにP−BCHを読み取ることが出来る。ただし、4は、10ms無線フレーム数におけるD−BCHの長さに一致する。WTRUは、システム情報更新サイクルの間のいつでも、換言すればnx40ms間隔のいつでも、ネットワークに加わることが出来る。
【0017】
図1は、複数のWTRU110と1つのノードB(eNB)120とを含むワイヤレス通信システム100を示す。図1において示すように、WTRU110は、eNB120と通信状態にある。3つのWTRU110と1つのeNB120を図1において示すが、無線及び有線の装置のあらゆる組合せを、ワイヤレス通信システム100に含むことが出来ることを補足すべきである。
【0018】
図2は、図1のワイヤレス通信システム100についてのWTRU110と基地局120との機能的なブロック図である。図1において示すように、WTRU110は、eNB120と通信状態にある。WTRU110を、システム情報及びシステム情報更新をeNB120から受信するよう構成する。eNB120を、P−BCH及びD−BCH上の信号を送信するよう構成出来て、WTRU110を、P−BCH及びD−BCH上の信号を受信するよう構成出来る。さらに、WTRU110を、DRXモード及び/又はDTXモードにおいて作動するよう構成出来る。WTRU110を、ページングメッセージ及び他のRRCメッセージを受信するよう構成出来る。WTRU110は、SFNに基づいてシステム情報修正の境界を決定出来る。
【0019】
通常のWTRUにおいて見つけることが出来るコンポーネントに加えて、WTRU110は、プロセッサ215、レシーバー216、トランスミッター217及びアンテナ218を含む。さらに、WTRU110は、制限されないが、LCD若しくはLEDのスクリーン、タッチスクリーン、キーボード、スタイラス、又は他のあらゆる通常の入力/出力デバイスを含むことが出来る、ユーザーインターフェース221を含むことが出来る。さらに、WTRU110は、メモリ219を、揮発性及び不揮発性の両方、他のWTRUとのインターフェース220も同様に、例えば、USBポート、シリアルポート等を含むことが出来る。レシーバー216及びトランスミッター217は、プロセッサ215と通信状態にある。アンテナ218は、ワイヤレスデータの送信及び受信を容易にするために、レシーバー216及びトランスミッター217と通信状態にある。
【0020】
通常のeNBにおいて見つけることが出来るコンポーネントに加えて、eNB120は、プロセッサ225、レシーバー226、トランスミッター227及びアンテナ228を含む。レシーバー226及びトランスミッター227は、プロセッサ225と通信状態にある。アンテナ228は、ワイヤレスデータの送信及び受信を容易にするために、レシーバー226及びトランスミッター227と通信状態にある。
【0021】
システム情報用に可能なリソース割当サイズ数を、可能性の最大数のサブセットに削減出来る。システム情報のリソース割当サイズは、例えばPHICHに対して等、m個の異なる値のうちのただ1つであるとすることが出来る。ただし、mは正の整数であり、mのサイズを送信するためにlog(m)ビットを必要とする。mの値を、ネットワークにより固定することが出来るか、eNBが、異なるロード条件の下に異なるmの値を使用することにより制御チャネルの有用性を最適化することが出来る。例えば、ロードが高い場合、eNBは、リソース割当のよりよいグラニュラリティによって得をすることが出来て、従って、mについてのより大きな値を選ぶことが出来る。ロードが低くてシステム情報リソースのいくらかのむだを許すことが出来る場合、eNBは、mについてのより小さい値を使用出来る。
【0022】
さらに、eNBを、システム情報リソース割当を変更することに対して、個別のデルタにより制限出来る。例として、2ビットを使用して、eNBは、表1に示すメッセージを送信出来る。
【0023】
【表1】

【0024】
表1において、kは、増加させることが出来るリソース数のデルタであり、kは、減少させることが出来るリソース数のデルタである。kとkとは、等しいとしてもよいし、異なるとしてもよい。m、k及びkの値を、最初のアクセス時にWTRUへ信号送信してもよいし、ネットワーク全体を通じて固定して静的にすることが出来る。表1に示すように、WTRUが「00」を受信する場合、WTRUは、新しいリソース割当が前のリソース割当と同一であると決定出来る。WTRUが受信する「01」は、リソース割当をk増加させることを示す。WTRUが受信する「10」は、リソース割当をk減少させることを示す。代替の実施形態において、eNBは2よりも大きいビット数を使用出来て、WTRUへ信号送信するためにより高いレベルのグラニュラリティを有することが出来ることを理解するべきである。
【0025】
パラメーターΔnを、WTRUが次のシステム情報更新により調節する前のD−BCHサイクル数として定義することが出来る。Δnx80ms後に、WTRUは、システム情報更新サイクルにより調節することが出来る。調節の次に、WTRUは、nx80ms間隔ごとに更新するためにD−BCHを読み取る。Δnを、WTRU固有であるとすることが出来て、RACH(random access channel)上に信号送信出来る。
【0026】
システム情報リソース割当が半静的な方法においてのみ変わる場合、D−BCHオーバーヘッドを、スケジューリングされた報告サイクルまでシステム情報パラメーターを送信しないで削減出来る。2つのD−BCHフォーマットを使用出来る。第1のフォーマットは、nx80msごとに生じるシステム情報リソースの信号送信を含む。第2のフォーマットは、第1のフォーマットより短くすることが出来て、システム情報を含まないとすることが出来る。例えば遅いウエイクアップ等のためにシステム情報更新の間のD−BCH又はP−BCHを読み取りそこなうWTRUは、D−BCH又はP−BCHのフォーマットを使用してD−BCH搬送システム情報を認識出来る。
【0027】
eNBは、nの値を変更する自由度を有する。eNBがnを変更することを決める場合、eNBは、WTRUへページを発行出来る。ページに応答して、WTRUは、次のP−BCHサイクルの開始にP−BCHを読み取ることが出来る。次のP−BCHサイクルにおいて、P−BCHは、nの値を搬送するSIB(System Information Block)を搬送する。nは、あらゆるビット数であるとすることが出来るので、更新サイクルは2x80ミリ秒である。
【0028】
(実施形態)
1.ユーザーインターフェースと、メモリと、修正された周期におけるSFN及びシステム情報メッセージを受信するよう構成されたレシーバーと、SFNに基づいて修正された周期境界を決定するよう構成されたプロセッサとを備えたWTRU。
2.レシーバーが、第1の修正された周期における1つの更新通知及び第2の修正された周期における複数のシステム情報更新を受信するようさらに構成された実施形態1のWTRU。
3.レシーバーが、更新通知を受信するようさらに構成され、プロセッサが、次の修正された周期までシステム情報が有効であることを決定するようさらに構成された実施形態1、2のWTRU。
4.プロセッサが、SFN及び整数値に基づいて修正された境界を決定するようさらに構成された実施形態1−3のWTRU。
【0029】
特徴及び要素を個別の組み合わせにおいて説明するが、各々の特徴又は要素を、他の特徴又は要素なしに単独か、他の特徴若しくは要素あり又はなしの種々の組み合わせかにおいて使用することが出来る。提供される方法又はフローチャートを、汎用コンピューター若しくはプロセッサにより実行するためのコンピューター読み取り可能な記録媒体において明白に包含されるコンピュータープログラム、ソフトウェア又はファームウェアに実装出来る。コンピューター読み取り可能な記録媒体の例は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、例えば、内臓ハードディスク、取外し可能なディスク等の磁気媒体、光磁気媒体、例えば、CD−ROMディスク、DVD(digital versatile disk)等の光学ディスクを含む。
【0030】
適したプロセッサは、一例として、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、従来のプロセッサ、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと共同の1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他のあらゆる型の集積回路(IC)、及び/又は状態マシンを含む。
【0031】
ソフトウェアと共同のプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC(radio network controller)又はあらゆるホストコンピューターにおいて使用するための無線周波数トランシーバーを実装出来る。WTRUを、例えば、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、ビデオホーン、スピーカーホーン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホーン、テレビ放送トランシーバー、ハンド・フリー・ヘッドセット、キーボード、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、液晶表示(LCD)ディスプレイユニット、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディアプレーヤー、ビデオ・ゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネットブラウザー、及び/又はワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)モジュール等、ハードウェア及び/又はソフトウェアに実装されるモジュールと共同して使用出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信受信装置(WTRU)がシステム情報更新を受信する方法であって、
第1のシステム情報修正周期においてシステム情報更新の通知を受信するステップと、
第2のシステム情報修正周期においてシステム情報更新を受信するステップと、
システムフレーム数(SFN)及び整数値nを取得するステップと、
前記システムフレーム数(SFN)及び整数値(n)に基づいて、前記第1のシステム情報修正周期と前記第2のシステム情報修正周期との間のシステム情報修正周期境界を決定するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
現在のシステム情報が前記第2のシステム情報修正周期まで有効であるとして保持するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
式mod(SFN,n)に基づいて前記システム情報修正周期境界を決定するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記整数値がシステム情報によって構成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
システム情報修正メッセージを含むページングメッセージを受信するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
システム情報修正メッセージを含む無線リソース制御(RRC)メッセージを受信するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−102455(P2013−102455A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274947(P2012−274947)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2010−532177(P2010−532177)の分割
【原出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】