説明

MASP−2結晶構造およびその使用

本発明は、MASP-2ポリペプチドの結晶およびその使用に関する。開示されるMASP-2結晶は、触媒活性のあるMASP-2ポリペプチドおよびチモーゲン MASP-2ポリペプチドを含む、MASP-2ポリペプチドの3次元構造を決定するのに有用である。本発明に開示されるように、該3次元構造は、MASP-2と相互作用する、および/またはMASP-2の活性を阻害する化合物の同定に使用することができる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150の連続するアミノ酸を含むポリペプチドの結晶。
【請求項2】
ポリペプチドが該セリンプロテアーゼドメインを含む、請求項1記載の結晶。
【請求項3】
該ポリペプチドがさらにMASP-2のCCP-2ドメインを含む、請求項2記載の結晶。
【請求項4】
MASP-2が配列番号1のヒトMASP-2またはその機能的ホモログであり、該機能的ホモログが配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、請求項1または2に記載の結晶。
【請求項5】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸483〜633を含む、請求項1記載の結晶。
【請求項6】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸363〜686を含む、請求項1記載の結晶。
【請求項7】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸363〜686、および少なくとも1アミノ酸、好ましくは約4アミノ酸の追加ペプチドより成る、請求項1記載の結晶。
【請求項8】
MASP-2がアミノ酸443〜445の少なくとも1つが変異している配列番号1のヒトMASP-2である、請求項1記載の結晶。
【請求項9】
該結晶が、原子座標を決定するためX線を少なくとも5 Å、好ましくは少なくとも4 Å、より好ましくは少なくとも3 Å、さらに好ましくは少なくとも2.5 Å、最も好ましくは少なくとも2.25 Åの分解能まで回折する、請求項1記載の結晶。
【請求項10】
該結晶が、表3の構造座標またはそこから2.5 Å以下の二乗平均平方根偏差を有する座標により表される空間的関係にて配置された原子を含む、請求項1記載の結晶。
【請求項11】
該結晶がa=40.950、b=41.521、c=102.994、α=96.44、β=91.77、γ=119.52の単位格子寸法を有する、請求項1記載の結晶。
【請求項12】
該結晶が、表4の構造座標またはそこから2.5 Å以下の二乗平均平方根偏差を有する座標により表される空間的関係にて配置された原子を含む、請求項1記載の結晶。
【請求項13】
MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150の連続するアミノ酸を含むポリペプチドを含む結晶を調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
i) 該ポリペプチドを提供する;
ii) 所望により該ポリペプチドと相互作用することができる化合物を提供する;
iii) 該ポリペプチドおよび所望により該化合物を、5〜25%の範囲のポリエチレングリコール、0.01 M〜0.5Mの範囲の塩、1〜10%の範囲のグリセロールおよび2-メチル-2,4-ペンタンジオールからなる群より選択されるアルコールを含むバッファーにおいてインキュベートする条件のもと結晶を成長させる、ここで該バッファーのpHは6〜9の範囲である;
iv) それにより該結晶を調製する。
【請求項14】
工程iii)が5〜25℃の範囲の温度でのインキュベーションを含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
該ポリペプチドがMASP-2のCCP-2およびセリンプロテアーゼドメインを含む、請求項12記載の方法。
【請求項16】
MASP-2が配列番号1のヒトMASP-2またはその機能的ホモログであり、該機能的ホモログが配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、請求項12記載の方法。
【請求項17】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸299-686を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸299-686および最大20アミノ酸、好ましくは約4アミノ酸の追加ペプチドからなる請求項16記載の方法。
【請求項19】
MASP-2がアミノ酸443〜445の少なくとも1つが変異している配列番号1のヒトMASP-2である、請求項12記載の方法。
【請求項20】
該結晶が、原子座標を決定するためX線を少なくとも5 Å、好ましくは少なくとも4 Å、より好ましくは少なくとも3 Å、さらに好ましくは少なくとも2.5 Å、最も好ましくは少なくとも2.25 Åの分解能まで回折する、請求項12記載の方法。
【請求項21】
MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150の連続するアミノ酸を含むポリペプチドと相互作用することができる化合物を同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
i) 分子または分子複合体の三次元表示を作成するコンピューターシステムを提供する、ここで該コンピューターシステムは、
機械読み取り可能データがコードされたデータ保存マテリアルを含む機械読み取り可能データ保存媒体、ここで該データはMASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150のアミノ酸を含むポリペプチドの構造座標を含む;
該機械読み取り可能データを処理するための指示を保存するためのワーキングメモリ;
該機械読み取り可能データを該三次元表示へと処理するため該ワーキングメモリおよび該機械読み取り可能データ保存媒体につながるセントラルプロセシングユニット;および
該三次元表示を表示するための該セントラルプロセシングユニットにつながるディスプレイ、を含む;および
ii) コンピュータがそのメモリに該ポリペプチドの分子モデルの構造座標を含むコンピュータ読み取り可能データをロードするように、該ポリペプチドの結晶の構造座標から該ポリペプチドの三次元表示を生成させるためのコンピュータに対する指示を実行する;
iii) 1以上の被検化合物の分子モデルを生成させる;
iv) 該分子モデルから、該ポリペプチドと該1以上の被検化合物の結合により形成されうる1以上の可能性ある分子複合体を計算する、
v) 相互作用の程度および/またはそのような相互作用の位置および/または配向を示すアウトプットデータを生成させる、
vi) 該ポリペプチドに相互作用することができる化合物を選択する。
【請求項22】
以下の工程をさらに含む、請求項21記載の方法:
vii) 少なくとも1つの選択された化合物を提供する;
viii) MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150のアミノ酸を含むポリペプチドを提供する;
ix) 該ポリペプチドを該選択された化合物と相互作用のための条件下で接触させる;
x) 該ポリペプチドと該選択された化合物の間の相互作用を検出し、それにより該ポリペプチドと相互作用することができる化合物を同定する。
【請求項23】
該ポリペプチドがMASP-2のCCP-2ドメインおよびセリンプロテアーゼドメインを含む、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
MASP-2が配列番号1のヒトMASP-2またはその機能的ホモログであり、該機能的ホモログが配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を有する、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸299-686を含む、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
ポリペプチドが配列番号1のアミノ酸299-686および最大20アミノ酸、好ましくは約4アミノ酸の追加ペプチドより成る、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
構造座標が、表3に示す座標、または保存されたタンパク質骨格原子に関してそこから1.5 Å以下の二乗平均平方根偏差を有する座標である、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
構造座標が、表4に示す座標、または保存されたタンパク質骨格原子に関してそこから1.5 Å以下の二乗平均平方根偏差を有する座標である、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
該ポリペプチド上の基質結合部位の3D表示を生成させることおよび該部位に相互作用することができる化合物を選択することを含む、請求項21記載の方法。
【請求項30】
基質結合部位がC4結合部位である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
基質結合部位がC2結合部位である、請求項29記載の方法。
【請求項32】
基質結合部位がMASP-2結合部位である、請求項29記載の方法。
【請求項33】
基質結合部位がC1阻害物質結合部位である、請求項29記載の方法。
【請求項34】
選択された化合物がMASP-2活性の調節物質である、請求項21記載の方法。
【請求項35】
選択された化合物がMASP-2活性の阻害物質である、請求項21記載の方法。
【請求項36】
選択された化合物がMASP-2活性の活性化物質または増強物質である、請求項21記載の方法。
【請求項37】
さらに以下の工程を含む、請求項21から36のいずれかに記載の方法:
i) コンピュータがそのメモリにC1rのセリンプロテアーゼドメインを含む第2のポリペプチドの分子モデルの構造座標を含むコンピュータ読み取り可能データをロードするように、該第2のポリペプチドの三次元表示を該第2のポリペプチドの結晶の構造座標から生成させるためのコンピュータに対する指示を実行する;
i) 該分子モデルから、該第2のポリペプチドと選択した1以上の被検化合物との結合により形成されうる1以上の可能性ある分子複合体を計算する;
ii) 相互作用の程度を示すアウトプットデータを生成させる;
iii) 該第2のポリペプチドと相互作用することができない化合物を選択する。
【請求項38】
さらに以下の工程を含む、請求項21から36のいずれかに記載の方法:
v) コンピュータがそのメモリにC1rのセリンプロテアーゼドメインを含む第2のポリペプチドの分子モデルの構造座標を含むコンピュータ読み取り可能データをロードするように、該第2のポリペプチドの三次元表示を該第2のポリペプチドの結晶の構造座標から作成するためのコンピュータに対する指示を実行する;
i) 該分子モデルから、該第2のポリペプチドと選択した1以上の被検化合物との結合により形成されうる1以上の可能性ある分子複合体を計算する;
ii) 相互作用の程度を示すアウトプットデータを生成させる;
iii) 該第2のポリペプチドと相互作用することができない化合物を選択する。
【請求項39】
MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150の連続するアミノ酸を含むポリペプチドを含む結晶および該ポリペプチドと相互作用することができる少なくとも1つの選択された化合物を調製することをさらに含む、請求項21から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
結晶が請求項13から20のいずれかに記載の方法により調製される、請求項39記載の方法。
【請求項41】
該結晶の構造が決定される、請求項39記載の方法。
【請求項42】
該構造に起因する情報から該ポリペプチドと相互作用することができる別の化合物を調製することをさらに含む、請求項21から41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
請求項21から42のいずれかに記載の方法により同定された、MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150のアミノ酸を含むポリペプチドと相互作用することができる化合物。
【請求項44】
MASP-2活性を阻害することができる化合物を同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
i) 分子または分子複合体の三次元表示を作成するコンピューターシステムを提供する、ここで該コンピューターシステムは、
機械読み取り可能データがコードされたデータ保存マテリアルを含む機械読み取り可能データ保存媒体、ここで該データはMASP-2のCCP-2およびセリンプロテアーゼドメインを含むポリペプチドの構造座標を含む;
該機械読み取り可能データを処理するための指示を保存するためのワーキングメモリ;
該機械読み取り可能データを該三次元表示へと処理するための該ワーキングメモリおよび該機械読み取り可能データ保存媒体につながるセントラルプロセシングユニット;および
三次元表示を表示するための該セントラルプロセシングユニットにつながるディスプレイ、を含む;および
ii) コンピュータがそのメモリに該ポリペプチド上の基質結合部位の分子モデルの構造座標を含むコンピュータ読み取り可能データをロードするように、該基質結合部位の三次元表示を該ポリペプチドの結晶の構造座標から生成させるためのコンピュータに対する指示を実行する;
iii) 1以上の被検化合物の分子モデルを生成させる;
iv) 該分子モデルから、該結合部位と該1以上の被検化合物の結合により形成されうる1以上の可能性ある分子複合体を計算する、
v) 相互作用の程度および/またはそのような相互作用の位置および/または配向を示すアウトプットデータを生成させる、
vi) 該結合部位に相互作用することができる化合物を選択し、それによりMASP-2活性の阻害物質を同定する。
【請求項41】
以下の工程をさらに含む、請求項44記載の方法:
i) 少なくとも1つの選択された化合物を提供する;
ii) MASP-2を提供する;
ix) 該化合物の存在下および非存在下においてMASP-2活性を測定する;
x) 該化合物の存在下におけるMASP-2活性が非存在下よりも低い化合物を同定する。
【請求項42】
基質結合部位がC4結合部位である、請求項44または41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
基質結合部位がC2結合部位である、請求項44または41のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
基質結合部位がMASP-2結合部位である、請求項44または41のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
基質結合部位がC1阻害物質結合部位である、請求項44または41のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
MASP-2活性がC4切断である、請求項44記載の方法。
【請求項47】
MASP-2が配列番号1のヒトMASP-2またはその機能的ホモログであり、該機能的ホモログが配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、請求項44から46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
構造座標が、表3に示す座標、または保存されたタンパク質骨格原子に関してそこから1.5 Å以下の二乗平均平方根偏差を有する座標である、請求項44または41のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
構造座標が、表4に示す座標、または保存されたタンパク質骨格原子に関してそこから1.5 Å以下の二乗平均平方根偏差を有する座標である、請求項44または41のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
該MASP-2のセリンプロテアーゼドメインに由来する少なくとも150の連続するアミノ酸を含むポリペプチドを含む結晶および該結合部位に相互作用することができる少なくとも1つの選択された化合物を調製することをさらに含む、請求項40から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
結晶が請求項13から20のいずれかに記載の方法により調製される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
該結晶の構造が決定される、請求項51記載の方法。
【請求項53】
該構造に起因する情報から該結合部位と相互作用することができる別の化合物を調製することをさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
請求項44から53のいずれかに記載の方法により同定された、MASP-2活性を阻害することができる化合物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2007−504805(P2007−504805A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525050(P2006−525050)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000589
【国際公開番号】WO2005/024013
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.Linux
【出願人】(504154469)ナットイムネ・アクティーゼルスカブ (3)
【氏名又は名称原語表記】NatImmune A/S
【Fターム(参考)】