説明

MCP−1媒介炎症性疾患の治療用薬剤組成物

本発明は、1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体と、ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBsから選択される降圧薬、および/又は、スタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬との組み合わせを含む薬剤組成物に関する。該組み合わせは、MCP−1レベルの下げる付加的かつ相乗的な活性を示し、それ故に炎症反応抑制を大いに向上させ、結果的に炎症性疾患を患っている患者に生じる合併症を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MCP−1媒介炎症性疾患の治療用薬剤組成物に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾールと、ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBsから選択される降圧薬、および/又は、スタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬との組み合わせを含む薬剤組成物に関する。該組み合わせは、MCP−1レベルを低下させる点において付加的かつ相乗的な活性を示し、それ故に炎症反応抑制を大いに向上させ、結果的に炎症性疾患を患っている患者に生じる合併症を減少させる。
【背景技術】
【0003】
既に知られているように、MCP−1(単球走化性蛋白質−1)は、ケモカインのβサブファミリーに属する蛋白質である。MCP−1は、単球に対して強い走化性活性を有し、Tリンパ球、肥満細胞および好塩基球にも作用する。
(例えば、非特許文献1[Rollins B.J., Chemokines, Blood 1997; 90: 909-928; M. Baggiolini, Chemokines and leukocyte traffic, Nature 1998; 392: 565-568]参照。)
【0004】
βサブファミリーに属する他のケモカインとしては、例えば、MCP−2(単球走化性蛋白質−2)、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、そしてMIP−1β、ランテスがある。
【0005】
βサブファミリーは、αサブファミリーとは構造が異なる、すなわち、βサブファミリーでは最初の2つのシステインが隣接するのに対し、αサブファミリーでは介在するアミノ酸によって分離されている点で、異なる。
【0006】
MCP−1は、様々なタイプの細胞(白血球、血小板、線維芽細胞、内皮細胞、そして平滑筋細胞)によって産出される。
【0007】
全ての既知であるケモカインの中で、MCP−1は、単球およびマクロファージに関して最も高い特異性を示し、そのためMCP−1は、走化性因子だけでなく活性化刺激因子も構成し、その結果、数多くの炎症誘発因子(スーパーオキシド、アラキドン酸および誘導体、サイトカイン/ケモカイン)を産出し、また食細胞活性を増幅する過程を誘発する。
【0008】
一般にケモカイン、特にMCP−1の分泌は、例えば、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、TNFα(腫瘍壊死因子アルファ)、インターフェロン−γ(インターフェロンガンマ)および細菌性リポ多糖(LPS)のような様々な炎症誘発因子によって、典型的に誘発される。
【0009】
ケモカイン/ケモカイン受容体系をブロックすることによる炎症反応の予防は、薬理学的介入の主な狙いの一つである。
(例えば、非特許文献2[Gerard C. and Rollins B.J., Chemokines and disease. Nature Immunol. 2001;2:108-115]参照。)
【0010】
MCP−1が、炎症発症プロセス中に重要な役割を果たし、様々な病理における新しい有効なターゲットとして示されたことを示唆する多くの証拠がある。
【0011】
MCP−1の顕著な生理病学的貢献の証拠は、関節および腎臓の炎症性疾患(慢性関節リウマチ、ループス腎炎、糖尿病性腎障害および移植後の拒絶反応)がある患者の場合に得られた。
【0012】
しかしながら、より最近、MCP−1は、神経系病理(多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、HIVに関連した認知症)並びに他の病理および疾患に関与した要因のうち、明らかな炎症性成分の有無に係わらず、アトピー性皮膚炎、大腸炎、間質性肺病理、再狭窄、アテローム硬化症、外科的関与(例えば血管形成、動脈切除、移植、器官および/又は組織置換、プロステーシス移植)後の合併症、癌(アデノーマ、癌腫および転移)ならびにインスリン耐性、糖尿病および肥満のような代謝病にさえ関与することが分かってきた。
【0013】
さらに、ケモカイン系がウイルス感染を制御および克服することに関係する事実にも関らず、最近の研究によると、特定のケモカイン、特にMCP−1の反応が宿主病原体相互作用の場合に有害な役割を有する場合があることが証明された。特に、ケモカインのうちMCP−1は、関節および筋肉における単球/マクロファージ浸入によって特徴づけられたαウイルスが媒介となる病理の器官および組織損傷に関与することが分かってきた。
(例えば、非特許文献3[Mahalingam S. et al. Chemokines and viruses: friend or foes? Trends in Microbiology 2003; 11: 383-391; RuIIi N. et al. Ross River Virus: molecular and cellular aspects of disease pathogenesis. 2005; 107: 329-342]参照。)
【0014】
特許文献1(欧州特許第0382276号)には、鎮痛作用を賦与した多くの1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体が記載されている。他方、欧州特許第0510748号には、自己免疫性疾患の治療に活性である医薬品組成物を製造するためのこれら誘導体の使用について記載されている。最後に、欧州特許第1005332号には、MCP−1の産出に由来した疾患を治療する際に活性である医薬品組成物を製造するためのこれら誘導体の使用について記載されている。
【0015】
2−メチル−2−{[1−(フェニルメチル)−1H−インダゾール−3−イル]メトキシ}プロパン酸は、用量依存的手法により、LPSおよびカンジダアルビカンスから単球の試験管内(インビトロ)で誘導されるMCP−1およびTNF−αの産出を阻害することができると考えられ、一方、同じ化合物がサイトカインIL−1およびIL−6、並びにケモカインIL−8、MIP−1aおよびランテスの産出に効果がないことを示した。
(例えば、非特許文献4[Sironi M. et al.,“A small synthetic molecule capable of preferentially inhibiting the production of the CC chemokine monocyte chemotactic protein- 1”, European Cytokine Network. Vol. 10, No. 3, 437-41, September 1999]参照。)
【0016】
アンジオテンシンII(A−II)は、血管を囲む筋肉の収縮を引き起こす強力な血管収縮物質であり、それにより、血管を大いに狭窄させる。この狭窄が、動脈血管内の圧力を上昇させ、高い血圧(高血圧)を引き起こす。
【0017】
レニン−アンジオテンシンカスケード中のその発生は、血漿2グロブリン、アンジオテンシノーゲンに対する腎臓、レニンにより分泌される酵素の活動に由来し、アンジオテンシンI(A−I)を産出する。その後、A−Iはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によって、オクタペプチドホルモン、A−IIに変換される。
【0018】
レニン−アンジオテンシン系に加えて、カルシウムチャネルは圧力調整において重要な役割を果たす。血管及び心臓双方の組織において、筋肉細胞収縮は、細胞中のカルシウムチャネルを経るカルシウム流入から脱分極するときに起きる。増加した細胞質カルシウムは、カルモジュリンと結合し、ミオシンをリン酸化するミオシン軽鎖キナーゼを活性化する。つぎに、リン酸化されたミオシンはアクチンと相互作用し、筋肉収縮をもたらす。カルシウムチャネル遮断薬は、筋肉収縮を阻害し、弛緩を促進する。血管平滑筋において、この結果は血管拡張と、血圧の低下(抗高血圧効果)と、心臓が血液をポンプ送給するのに必要とする力の減少とをもたらす。
【0019】
それゆえ、レニンの活動を阻害するレニン阻害薬、A−IIの産出を阻害するACE阻害薬、A−IIの機能を阻害するA−II受容体遮断薬又は遮断薬
【0020】
ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、又はCCBsの投与は、血管の拡張と血圧の低下をもたらし、それにより、心臓が血液をポンプ送給することを容易にする。ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、およびCCBsはそれ故、心不全並びに高血圧症を改善するためにも使用することができる。さらに、それらは高血圧症又は糖尿病による腎疾患の進行を遅くする。
【0021】
広範な研究の結果、いくつかの特許や文献には、心不全や高血圧症の治療のための、ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、又はCCBsの有用な例が記載されている。
【0022】
例えば、特許文献2(国際公開第2008/084504号)には、カンデサルタン(Atacand, Astra-Zeneca)、エプロサルタン(Teveten, Solvay & Biovali)、イルベサルタン(Avapro, BMS)、ロサルタン(Cozaar, Merck)、オルメサルタン(Benicar, Medoxomil; Sankyo & Forest)、テルミサルタン(Micardis, Boehringer lngelheim)、バルサルタン(Diovan, Novartis)、そしてプラトサルタン(Kotobuki)を含むARBs類におけるいくつかの薬剤が記載されている。
【0023】
特許文献3(国際公開第02/092081号)には、カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、そしてバルサルタンを含むARBs類におけるいくつかの薬剤が記載されている。
【0024】
アリスキレン、ジテキレン、エナルキレン、レミキレン、テルラキレン、シプロキレン、そしてザンキレンのようなレニン阻害薬が、いくつかの特許及び特許出願、例えば特許文献4(米国特許第5,559,111号)、特許文献5(欧州特許出願公開第173,481号)、特許文献6(欧州特許出願公開第311,012号)、特許文献7(欧州特許出願公開第416,373号)、特許文献8(欧州特許出願公開第266,950号)、特許文献9(欧州特許出願公開第456,185号)、そして特許文献10(欧州特許出願公開第509,354号)に記載されている。
【0025】
特許文献11(米国特許出願公開第2008/0139511号)には、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、そしてトランドラプリルを含むACE阻害薬の類におけるいくつかの薬剤が記載されている。
【0026】
特許文献12(米国特許第5,977,159号)には、消化不良症状阻害薬は、アラセプリル、アラトリオプリル、アルチオプリルカルシウム、アンコベニン、ベナゼプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ベナゼプリラート、ベナゼプリル、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル−システイン、カプトプリル−グルタチオン、セラナプリル、セラノプリル、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラート、コンベルスタチン、デラプリル、デラプリル二酸、エナラプリル、エナラプリラート、エナルキレン、エナプリル、エピカプトプリル、フォロキシミチン、フォスフェノプリル、フォセノプリル、フォセノプリルナトリウム、フォシノプリル、フォシノプリルナトリウム、フォシノプリラート、フォシノプリル酸、グリコプリル、ヘモルフィン−4、イダプリル、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラード、リベンザプリル、リシノプリル、リシウミンA、リシウミンB、ミクサンプリル、モエキシプリル、モエキシプリラート、モヴェルチプリル、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラート、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、キナプリル塩酸塩、キナプリラート、ラミプリル、ラミプリラート、スピラプリル、スピラプリル塩酸塩、スピラプリラート、スピロプリル、スピロプリル塩酸塩、テモカプリル、テモカプリル塩酸塩、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラート、ウチバプリル、ザビシプリル、ザビシプリラート、ゾフェノプリルおよびゾフェノプリラートから選択される。
【0027】
カルシウムチャネル遮断薬又は拮抗薬(CCBs)は、単独で、又は他の抗高血圧薬剤と組み合わせて、心不全と高血圧症の治療に幅広く使用されている。CCBsとしては、ジヒドロピリジン、フェニルアルキルアミン、そしてベンゾチアゼピンの誘導体があり、それらは例えば、特許文献13(米国特許第6,268,377号)、特許文献14(米国特許第5,209,933号)等の特許及び文献に広く記載されており、参照として本明細書に組み込まれる。
【0028】
スタチン(又はHMG−CoA還元酵素阻害剤)は、心臓血管疾患のある又は心臓血管疾患の危険性がある人のコレステロールレベルを低下させる薬剤の類である。スタチンは、コレステロール合成のメバロン酸経路の律速酵素であるHMG−CoA還元酵素を阻害することによって、コレステロールを減少させる。肝臓中のこの酵素を抑制することにより、コレステロールの合成を減らし、同様にLDL受容体の合成を増加させ、血流からの低比重リポ蛋白(LDL)の除去の増大をもたらす。
【0029】
スタチンは、その由来によって二つの群に分けられる。発酵生成スタチンとしては、ロバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンが挙げられる。合成スタチンとしては、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、そしてロスバスタチンが挙げられる。
【0030】
スタチンは、例えば特許文献15(米国特許第6,911,472号)、特許文献16(米国特許第7,459,447号)、特許文献17(米国特許第7,498,359号)、特許文献18(米国特許第7,183,285号)や、非特許文献5(Akira Endo, "The discovery and development of HMG-CoA reductase inhibitors" J. Lipid Res. Vol. 33 (1992), pp 1569-82.)等の多くの特許や文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】欧州特許第0382276号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/084504号
【特許文献3】国際公開第02/092081号
【特許文献4】米国特許第5,559,111号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第173,481号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第311,012号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第416,373号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第266,950号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第456,185号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第509,354号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2008/0139511号明細書
【特許文献12】米国特許第5,977,159号明細書
【特許文献13】米国特許第6,268,377号明細書
【特許文献14】米国特許第5,209,933号明細書
【特許文献15】米国特許第6,911,472号明細書
【特許文献16】米国特許第7,459,447号明細書
【特許文献17】米国特許第7,498,359号明細書
【特許文献18】米国特許第7,183,285号明細書
【非特許文献】
【0032】
【非特許文献1】Rollins B.J., Chemokines, Blood 1997; 90: 909-928; M. Baggiolini, Chemokines and leukocyte traffic, Nature 1998; 392: 565-568
【非特許文献2】Gerard C. and Rollins B.J., Chemokines and disease. Nature Immunol. 2001;2:108-115
【非特許文献3】Mahalingam S. et al. Chemokines and viruses: friend or foes? Trends in Microbiology 2003; 11: 383-391; RuIIi N. et al. Ross River Virus: molecular and cellular aspects of disease pathogenesis. 2005; 107: 329-342
【非特許文献4】Sironi M. et al.,“A small synthetic molecule capable of preferentially inhibiting the production of the CC chemokine monocyte chemotactic protein- 1”, European Cytokine Network. Vol. 10, No. 3, 437-41, September 1999
【非特許文献5】Akira Endo, "The discovery and development of HMG-CoA reductase inhibitors" J. Lipid Res. Vol. 33 (1992), pp 1569-82.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
これまでの開発された活性にもかかわらず、MCP−1の過発現に基づく、又は同時にMCP−1の過発現により影響を受ける、疾患の治療に効果的な新規な薬剤組成物に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本願人は、驚くべきことに、ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、およびCCBsから選択される降圧薬、および/又は、スタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬と組み合わせて投与された1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体、特に、2−((1−ベンジル−3−インダゾリル)メトキシ)−2−メチルプロピオン酸(ビンダリットとしても知られる)が、MCP−1レベルの低減に付加的かつ相乗的な活性を発揮し、それにより炎症反応抑制を大いに向上させ、結果的に炎症性疾患を患っている患者に生じる合併症を減少させることを発見した。
【0035】
加えて、いくつかの炎症性疾患の治療は本質的に長期にわたるものであり、望ましくない作用及び/又は副作用を被る可能性があり得るため、1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体、特に、2−((1−ベンジル−3−インダゾリル)メトキシ)−2−メチルプロピオン酸(ビンダリットとしても知られる)と、ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、およびCCBsから選択される降圧薬、および/又は、スタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬との併用投与の用量は、効用を弱めず耐性を改良するために、例えば、治療する病状のタイプ、疾患の重症度、患者の体重、投薬形態、選択した投与経路、毎日の投与回数、および選択した化合物と薬の効用を考慮して、調整することができる。
【0036】
従って、本発明の第1の態様は、1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体と、(i)ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBsから選択される降圧薬、および/又は、(ii)スタチン誘導体又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択されるコレステロール低下薬、のうち少なくとも1種と、そして、薬学的に許容可能な賦形剤の少なくとも1種、とを含む薬剤組成物に関する。
【0037】
第2の態様において、本発明は、1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体と、(i)ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBsから選択される降圧薬、および/又は、(ii)スタチン誘導体又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択されるコレステロール低下薬、の少なくとも1種とを含む組成物を使用してMCP−1の発現に基づく炎症性疾患を治療又は予防するための薬剤組成物を調製する使用方法に関する。
【0038】
当該分野で知られているように、MCP−1の発現に基づく炎症性疾患としては、具体的には、関節疾患、腎臓疾患、心臓血管疾患、肺疾患、神経系疾患、代謝病、合併症、そして癌が挙げられる。有利にも、本発明は、腎臓疾患及び心臓血管疾患を治療又は予防する上記組成物の使用に関する。
【0039】
加えて、さらなる態様において、本発明は、MCP−1の発現に基づく疾患、特には、炎症性疾患、そして有利には、腎臓疾患及び心臓血管疾患の治療方法に関し、1−ベンジル−3−ヒドロキシメチル−インダゾール誘導体と、(i)ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBsから選択される降圧薬、および/又は、(ii)スタチン誘導体又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択されるコレステロール低下薬、の少なくとも1種、とを含む組成物の有効量を、それらを必要とする人に投与することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】後述する実施例1の結果を説明する直交座標グラフである。
【図2】後述する実施例2の結果を説明する直交座標グラフである。
【図3】後述する実施例3の結果を説明する直交座標グラフである。
【0041】
発明の詳細な説明
本発明の組成物に使用する1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体は、以下の式(I)で表される。
【0042】
【化1】

ここで、
及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C6のアルキル基であり、
、R、及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C5のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、又はハロゲン原子であり、
は、水素原子又はC1〜C5のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、又はRは、RとRのうち一方と共に、5又は6個の炭素原子を有する環を形成し、
及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C5のアルキル基、又はR及びRのうち一方は、Rと共に、5又は6個の炭素原子を有する環を形成し、
10及びR11は、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C5のアルキル基であり、そして、
12は、水素原子又はC1〜C4のアルキル基である。
【0043】
及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C3のアルキル基であることが好ましい。
【0044】
好適には、R、R、及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、及びフッ素原子である。
【0045】
有利には、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、フッ素原子、又はRは、R及びRのうち一方と共に、6個の炭素原子を有する環を形成するものとする。
【0046】
好適には、R及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子、メチル基、エチル基である、又はR及びRのうち一方は、Rと共に、6個の炭素原子を有する環を形成するものとする。
【0047】
有利には、R10及びR11は、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C3のアルキル基であり、また、R12は、水素原子又はC1〜C3のアルキル基である。
【0048】
特に、本発明の組成物に使用すべき1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール誘導体は、以下の構造式を有する2−((1−ベンジル−3−インダゾリル)メトキシ)−2−メチルプロピオン酸(又はビンダリット)である。
【0049】
【化2】

【0050】
本発明の組成物に使用すべきACE阻害薬から選択される降圧薬は、好適には、アラセプリル、アラトリオプリル、アルチオプリル、カルシウム、アンコベニン、ベナゼプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ベナゼプリラート、ベンザゼプリル、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル−システイン、カプトプリル−グルタチオン、セラナプリル、セラノプリル、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラート、コンバースタチン、デラプリル、デラプリル二価酸、エナラプリル、エナラプリラート、エナルキレン、エナプリル、エピカプトプリル、フォロキシミチン、フォスフェノプリル、フォセノプリル、フォセノプリルナトリウム、フォシノプリル、フォシノプリルナトリウム、フォシノプリラート、フォシノプリリン酸、グリコプリル、ヘモルフィン−4、イダプリル、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラート、リベンザプリル、リシノプリル、リシウミンA、リシウミンB、ミクサンプリル、モエキシプリル、モエキシプリラート、モヴェルチプリル、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラート、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、キナプリル塩酸塩、キナプリラート、ラミプリル、ラミプリラート、スピラプリル、スピラプリル塩酸塩、スピラプリラート、スピロプリル、スピロプリル塩酸塩、テモカプリル、テモカプリル塩酸塩、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラート、ウチバプリル、ザビシプリル、ザビシプリラート、ゾフェノプリル、ゾフェノプリラート、薬学的に許容可能なそれらの塩、およびそれらの混合物からなる群から選択する。
【0051】
有利には、本発明の組成物に使用すべきACE阻害薬から選択される降圧薬は、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、およびペリンドプリルからなる群から選択する。
【0052】
好適には、本発明の組成物に使用すべきACE阻害薬から選択される降圧薬は、以下の式(II)で表されるものとする。
【0053】
【化3】

ここで、
R1は、水素原子である、又はR1は薬学的に許容可能な塩基付加塩を形成するものととし、
R2及びR3は、同一又は互いに異なり、独立した水素原子である、又はR2及びR3は、共に5又は6個の炭素原子を有する芳香族又は脂肪族環を形成するものとし、
R4は、C1〜C4のアルキル基又はC1−C4のアルキルアミノ基であり、
R5は、メチル又はフェニル基であり、
R6は、水素原子、又はメチル若しくはエチル基である。
【0054】
特に、本発明の組成物に使用すべきACE阻害薬から選択される降圧薬は、ラミプリルである。
【0055】
本発明の組成物に使用すべきARBsから選択される降圧薬は、好適には、カンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、およびプラトサルタンからなる群から選択する。
【0056】
有利には、本発明の組成物に使用すべきARBsから選択される降圧薬は、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、およびバルサルタンからなる群から選択する。
【0057】
好適には、本発明の組成物に使用すべきARBsから選択される前記降圧薬は、以下の式(III)で表されるものとする。
【0058】
【化4】

ここで、R1及びR2は、同一又は互いに異なり、独立したC1〜C5のアルキル基であって、随意にオキソ基又はカルボキシル基で置換したアルキル基である、又はR1及びR2が共に1又は2個のN原子を含み、また随意に置換された芳香族又は脂肪族複素環を形成するものとする。
【0059】
有利には、この芳香族複素環は、以下の式を有するものとする。
【0060】
【化5】

【0061】
特に、本発明の組成物に使用すべきARBsから選択される前記降圧薬は、ロサルタン又はイルベサルタンである。
【0062】
本発明の組成物に使用すべきレニン阻害薬から選択される前記降圧薬は、好適には、アリスキレン、ジテキレン、エナルキレン、レミキレン、テルラキレン、シプロキレン、およびザンキレンからなる群から選択する。
【0063】
有利には、本発明の組成物に使用すべきレニン阻害薬から選択される前記降圧薬は、アリスキレン及びレミキレンからなる群から選択する。
【0064】
特に、アリスキレンは以下の式を有する。
【0065】
【化6】

【0066】
また、レミキレンは以下の式を有する。
【0067】
【化7】

【0068】
特に、本発明の組成物に使用すべきレニン阻害薬から選択される前記降圧薬は、アリスキレンである。
【0069】
本発明の組成物に使用すべきCCBsから選択される前記降圧薬は、好適には、アムロジピン、アラニジピン、バルニジピン、ベニジピン、シルニジピン、エホニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジビン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ジルチアゼム、クレンチアゼム、ベプリジル、ベンシクラン、エタフェノン、フルナリジン、リドフラジン、ロメリジン、ミベフラジル、フェンジリン、プレニルアミン、セモチアジル、テロジリン、ガロパミル、およびベラパミルからなる群から選択する。
【0070】
より好適には、本発明の組成物に使用すべきCCBsは、アムロジピン、バルニジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ジルチアゼム、ガロパミル、およびベラパミルからなる群から選択する。
【0071】
有利には、本発明の組成物に使用すべきCCBsは、アムロジピン、ラシジピン、ニフェジピン、ベラパミル、およびジルチアゼムからなる群から選択する。
【0072】
特に、本発明の組成物に使用すべきCCBsは、アムロジピン、ベラパミル、およびジルチアゼムからなる群から選択する。
【0073】
さらに具体的には、アムロジピンは以下の式を有する。
【0074】
【化8】

【0075】
ベラパミルは以下の式を有する。
【0076】
【化9】

【0077】
また、ジルチアゼムは以下の式を有する。
【0078】
【化10】

【0079】
本発明の組成物に使用すべきスタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬は、好適には、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチンからなる群から選択する。
【0080】
有利には、本発明の組成物に使用すべきスタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬は、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチンからなる群から選択する。
【0081】
好適には、本発明の組成物に使用すべきスタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬は、以下の式(IV)で表されるものとする。
【0082】
【化11】

ここで、
Aは−CHCH−基又は−CH=CH−基であり、
W、X、Y、及びKは、同一又は互いに異なり、独立したC又はN原子であり、
nは0又は1であり、
YがC原子のとき、R1は、水素原子又はN−フェニルホルムアミド基であり、
R2は水素原子、フェニル基、N−アルキル−アルキルスルホンアミド基であって、該アルキル基は、独立して1から3個のC原子を含み、
又は、
YがC原子のとき、R1及びR2は共に5又は6個の炭素原子を有する芳香族又は脂肪族環を形成するものとする。
【0083】
好適には、本発明の組成物に使用すべきスタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬は、以下の式(V)で表されるものとする。
【0084】
【化12】

ここで、
R1はメチル基又は水酸基であり、
R2はC1〜C5の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、
R3は水酸基であり、
R4はカルボキシル基であり、
又は、
R3及びR4は共にδ−ラクトン基を形成するものとする。
【0085】
特に、本発明の組成物に使用すべきスタチン誘導体から選択されるコレステロール低下薬は、シンバスタチン又はアトルバスタチンである。
【0086】
特に、MCP−1の発現に関連する炎症性の病変は、
関節リウマチ、ウイルス感染により誘発される関節炎、乾癬性関節炎、関節症のような、特別な関節疾患(Haring- man_JJ and Tak PP, Chemokine blockade: a new era in the treatment of rheumatoid arthritis?, Arthritis Res Ther 2004; 6:93-97; Tak PP, Chemokine inhibition in inflammatory arthritis. Best Practice & Research Clinical Rheumatology, 2006; 20:929-939; Iwamoto T et al., Molecular aspects of rheumatoid arthritis: chemokines in the joints of patients, FEBS Journal 2008; 275:4448-4455; Mahalingam S. et al., Chemokines and viruses: friend or foes? Trends in Microbiology, 2003; 1 1 : 383- 391 ; Rulli N. et al., Ross River Virus: molecular and cellular aspects of disease pathogenesis, 2005; 107: 329-342参照。)、
ループス腎炎、糖尿病性腎障害、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎疾患のような、腎臓疾患(Segerer S et al., Chemokines, Chemokine Receptors, and Renal Disease: From Basic Science To Pathophysiologic and Therapeutic Studies, J Am Soc Nephrol 2000; 1 1 :152-176; Galkina E and Ley K., Leukocyte Recruitment and Vascular Injury in Diabetic Nephropathy, J Am Soc Nephrol 2006; 17:368-377; Wada T et al., Chemokines in renal diseases. International Immunopharmacology, 2001 ; 1 :637-645参照。)、
間質性肺疾患、線維症等の肺疾患(Baier RJ et al., CC Chemokine Concentrations Increase in Respiratory Distress Syndrome and Correlate With Development of Bronchopulmonary Dysplasia, Pediatric Pulmonology 2004; 37:137-148; Shinoda H et al., Elevated CC Chemokine Level in Bronchoalveolar Lavage Fluid Is Predictive of a Poor Outcome of Idiopathic Pulmonary Fibrosis, Respiration 2008; de Boer Wl., Perspectives for cytokine antagonist therapy in COPD, Drug Discovery Today 2005; 10(2):93-106参照。)、
多発性硬化症、アルツハイマー病、HIVに関連した認知症のような、神経系疾患(Sokolova A et al., Monocyte Chemoattractant Protein-1 Plays a Dominant Role in the Chronic Inflammation Observed in Alzheimer's Disease, Brain Pathology 2009;19(3):392-8; Cinque P et al., Elevated cerebrospinal fluid levels of monocyte chemotactic protein- 1 correlate with HIV-1 encephalitis and local viral replication, AIDS 1998; 12:1327-1332; Mahad DJ and Ransohoff RM, The role of MCP- 1 (CCL2) and CCR2 in multiple sclerosis and experimental autoimmune encephalomyelitis (EAE), Seminars in Immunology. 2003; 15:23-32 参照。)、
アトピー性皮膚炎、乾癬(Vestergaard C et al., Expression of CCR2 on Monocytes and Macrophages in Chronically Inflamed Skin in Atopic Dermatitis and Psoriasis, Acta Derm Venereol 2004; 84:353-358; Homey B and_Meller S., Chemokines and other mediators as therapeutic targets in psoriasis vulgaris, Clinics in Dermatology 2008; 26:539- 545参照。)、
血管炎、再狭窄、アテローム硬化症、心筋梗塞、狭心症、急性冠動脈疾患のような、心臓血管疾患(Egashira K., Molecular Mechanisms Mediating Inflammation in Vascular Disease: Special Reference to Monocyte Chemoattractant Protein-1, Hypertension. 2003; 41 [part 2]:834-841 ; Schmidt AM and Stern DM, Chemokines on the Rise : MCP- 1 and Restenosis, Arterioscler Thromb Vase Biol. 2001 ;21 :297-299; Kitamoto S et al., Stress and Vascular Responses:Anti-inflammatory Therapeutic Strategy Against Atherosclerosis and Restenosis After Coronary Intervention, J Pharmacol Sci 2003; 91 :192-196; de Lemos JA et al., Serial Measurement of Monocyte Chemoattractant Protein- 1 After Acute Coronary Syndromes, J Am Coll Cardiol. 2007; Vol. 50, No. 22: 2117-2124参照。)、
アデノーマ、癌腫症、転移癌のような、癌(Conti C and Rollins BJ, CCL2 (monocyte chemoattractant protein-1) and cancer, Seminars in Cancer Biology 2004;14:149-154; Craig_MJ and Loberg RD, CCL2 (Monocyte Chemoattractant Protein-1) in cancer bone metastases, Cancer Metastasis Rev 2006; 25:611-619; Hu H et al., Tumor Cell-Microenvironment Interaction Models Coupled with Clinical Validation Reveal CCL2 and SNCG as Two Predictors of Colorectal Cancer Hepatic Metastasis, Clin Cancer Res 2009;15(17):5485-93参照。)、
インスリン耐性、2型糖尿病、および肥満のような、代謝病(Xia M and Sui Z, Recent development in CCR2 antagonists, Expert Opin Ther Patents 2009; 19(3):295-303; Kanda H et al., MCP-1 contributes to macrophage infiltration into adipose tissue, insulin resistance, and hepatic steatosis in obesity, J. Clin. Invest. 116:1494-1505; Weisberg SP et al., Obesity is associated with macrophage accumulation in adipose tissue, J. Clin. Invest. 2003; 112:1796-1808; Sartipy P and Loskutoff DJ, Monocyte chemoattractant protein 1 in obesity and insulin resistance, PNAS 2003; 100(12): 7265-7270参照。)、そして、
例えば血管形成、動脈切除、循環の回復技術、移植、臓器交換、組織交換、およびプロステーシス移植等の外科的処置の後に起こる同種移植の拒絶反応(Stasikowska O, Chemokines and chemokine receptors in glomerulonephritis and renal allograft rejection, Med Sci Monit, 2007; 13(2): RA31-36; Sekine Y et al., Monocyte Chemoattractant Protein-1 and RANTES Are Chemotactic for Graft Infiltrating Lymphocytes during Acute Lung Allograft Rejection, Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 2000; Vol. 23, pp. 719-726; Piemonti L et al., Human Pancreatic Islets Produce and Secrete MCP- 1/CCL2: Relevance in Human Islet Transplantation, Diabetes 2002; 51 :55-65参照。)、
である。
【0087】
好適には、本発明の薬剤組成物は、
・式(I)の化合物又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルの少なくとも1種、
・(i)ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBs又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択される降圧薬、又は、(ii)スタチン誘導体又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択されるコレステロール低下薬、のうち少なくとも1種、そして
・薬学的に許容可能な賦形剤を少なくとも1種、
の有効量を含む適切な調剤形態で調製する。
【0088】
置換基の性質に応じて、式(I)の化合物、降圧薬、およびコレステロール低下薬は、生理学的に許容可能な有機又は無機の酸、塩基類と付加塩を形成してもよい。
【0089】
適切な生理学的に許容可能な無機酸の典型的な例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸が挙げられる。
【0090】
適切な生理学的に許容可能な有機酸の典型的な例としては、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、タンニン酸、および酒石酸が挙げられる。
【0091】
適切な生理学的に許容可能な無機塩基の典型的な例としては、水酸化物、そしてアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、およびカリウムの炭酸塩と炭酸水素塩、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムが挙げられる。
【0092】
適切な生理学的に許容可能な有機塩基の典型的な例としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、N−メチルグルカミン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトロメタミンが挙げられる。
【0093】
置換基の性質に応じて、式(I)の化合物、降圧薬、およびコレステロール低下薬は、生理学的に許容可能な有機酸とエステルを形成してもよい。
【0094】
適切な生理学的に許容可能な有機酸の典型的な例としては、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、タンニン酸、および酒石酸が挙げられる。
【0095】
本発明の組成物は、さらに、上述の式(I)の化合物、降圧薬、およびコレステロール低下薬の立体異性体及び光学異性体を含んでもよい。
【0096】
用語「薬学的に許容可能な」及び「生理学的に許容可能な」は、特に限定されないが、生体に投与すべき薬剤組成物の調製に適した任意の物質を定義することを意図している。
【0097】
従来技術において既知の薬学的に許容可能な賦形剤の例としては、例えば、、結合剤、崩壊剤、充填剤、希釈剤、香料、着色剤、流動化剤、潤滑剤、防腐剤、湿潤剤、吸収剤、および甘味料が挙げられる。
【0098】
薬学的に許容可能な賦形剤の有用な例としては、ラクトース、グルコース又はスクロースのような糖類、コーンスターチやじゃがいも澱粉のような澱粉類、セルロース、およびセルロースの誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースの、タラカントガム、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター、ワックス類、落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油のような油類、プロピレンクリコールのようなグリコール類、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール等のポリオール類、オレイン酸エチルやラウリン酸エチル等のエステル、寒天等が挙げられる。
【0099】
適切な調剤形態の例としては、経口投与用の錠剤、カプセル剤、被覆錠剤、顆粒剤、液剤およびシロップや、経皮投与用の薬用絆創膏、液剤、ペースト、クリーム、および軟膏や、直腸投与用の坐薬、そして注射またはエアロゾール投与用の無菌溶液が挙げられる。
【0100】
他の適切な調剤形態は、経口又は注射経路用の、徐放性形態、リボソームベース形態が挙げられる。
【0101】
該調剤形態としては、防腐剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、乳化剤、甘味料、着色料、香料等の他の従来成分を含有してもよい。
【0102】
特定の治療のために必要とされる場合、本発明の薬剤組成物は、同時投与が有用である薬理学的に活性な他の成分を含有してもよい。
【0103】
本発明の薬剤組成物中の、式(I)の化合物の量、ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、およびCCBsから選択される降圧薬の量および/又は(ii)スタチン又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択されるコレステロール低下薬の量は、既知の因子、例えば、治療する病理のタイプ、疾患の重症度、患者の体重、調剤形態、選択した投与経路、毎日の投与回数、および選択した化合物と薬の効用の関数として広い範囲で異なってもよい。
【0104】
しかしながら、最適な量は当業者により簡易かつ日常的に決定してもよい。
【0105】
典型的には、本発明の薬剤組成物中の式(I)の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩とエステルの量は、0.1〜100mg/kg/日の範囲内における投与レベルを確保するものとする。該投与レベルは、1〜50mg/kg/日の範囲内であることが好ましく、2〜35mg/kg/日の範囲内であることがより好ましい。
【0106】
さらに特には、本発明の薬剤組成物は、10〜20mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるビンダリットの量を含む。
【0107】
典型的には、本発明の薬剤組成物中のACE阻害薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩とエステルから選択される降圧薬の量は、0.005〜2.5mg/kg/日の範囲における、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保するものとする。
【0108】
さらに特には、本発明の薬剤組成物は、0.04〜0.08mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるラミプリルの量を含む。
【0109】
典型的には、本発明の薬剤組成物中のARBs、又はそれらの薬学的に許容可能な塩とエステルから選択される降圧薬の量は、0.05〜15mg/kg/日の範囲、好ましくは0.2〜10mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保するものとする。
【0110】
さらに特には、本発明の薬剤組成物は、0.2〜2mg/kg/日の間の投与レベルを確保することができるロサルタンの量、又は、1.0〜10mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるイルベサルタンの量を含む。
【0111】
典型的には、本発明の薬剤組成物中のレニン阻害薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩とエステルから選択される降圧薬の量は、1.0〜20mg/kg/日の範囲、好ましくは2.5〜10mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保するものとする。
【0112】
さらに特には、本発明の薬剤組成物は、2.5〜5mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるアリスキレンの量を含む。
【0113】
典型的には、本発明の薬剤組成物中のCCBs、又はそれらの薬学的に許容可能な塩とエステルから選択される降圧薬の量は、0.05〜15mg/kg/日の範囲、好ましくは0.08〜10mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保するものとする。
【0114】
さらに特には、本発明の薬剤組成物は、0.08〜0.17mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるアムロジピンの量、3.00〜6.00mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるベラパミルの量、又は2.00〜8.00mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるジルチアゼムの量を含む。
【0115】
典型的には、本発明の薬剤組成物中のスタチン誘導体、又はそれらの薬学的に許容可能な塩とエステルから選択される降圧薬の量は、0.03〜2.0mg/kg/日の範囲、好ましくは0.1〜1.0mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保するものとする。
【0116】
さらに特には、本発明の薬剤組成物は、0.1〜1mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるシンバスタチンの量、又は0.1〜1mg/kg/日の範囲における投与レベルを確保できるアトルバスタチンの量を含む。
【0117】
本発明の薬剤組成物の調剤形態は、混合、造粒、圧縮、溶解、殺菌等の、薬剤師に周知の技術に従って製造することができる。
【0118】
特に、好ましい調剤形態は経口投与用錠剤である。さらに特には、該経口投与用錠剤は、式(I)の化合物、好ましくはビンダリットと、ラミプリル、ロサルタン、イルベサルタン、アリスキレン、アムロジピン、ベラパニル、ジルチアゼム、シンバスタチン、およびアトルバスタチンからなる群から選択される降圧又はコレステロール低下薬の少なくとも一種との組み合わせを含む。
【0119】
さらに、より特には、本発明に係る薬剤組成物、好適には、経口投与用錠剤は、ビンダリットを300〜1200mg、そしてラミプリル、ロサルタン、イルベサルタン、アリスキレン、アムロジピン、ベラパニル、ジルチアゼム、シンバスタチン、およびアトルバスタチンからなる群から選択される降圧又はコレステロール低下薬の少なくとも1種を以下のテーブルAに示す量で含む。テーブルAは、本発明に係る薬剤組成物中の、ビンダリットの量と、考慮する降圧又はコレステロール低下薬の量との重量比に関する、有用な範囲、及び好ましい範囲も示す。
【0120】
【表1】

【0121】
以下の実施例は、本発明を説明することを意図するが、本発明はこれに限定するものではない。
【0122】
実施例1
マウス中のMCP−1血漿中濃度への効果
マウス中のLPS(リポ多糖)により誘発されるMCP−1循環レベルを抑制する該化合物の能力を、抗高血圧薬の試作品としてビンダリット単独又はラミプリル若しくはロサルタンとの組み合わせで、又は、コレステロール低下薬の試作品としてシンバスタチンとの組み合わせで検査した。ラミプリルはACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬であり、ロサルタンはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARBs)である。
【0123】
MCP−1血漿中濃度は商業的に入手可能であるELISAキットを用いて測定した。
【0124】
8匹のマウスのグループに対してLPSを注射(50μg/マウス、ip)する30分前に、薬剤を腹膣内(ip)に投与した。LPS注射の3時間後に、マウスに麻酔をかけ、MCP−1レベルの測定に使用する血漿(ヘパリン化されたサンプル)を得るため心臓内穿刺により血液を採取した。
【0125】
その結果を8回の測定の平均として以下のテーブル1及び図1に集約する。パーセント低下は、賦形剤群と対比して計算した。
【0126】
【表2】

p<0.01 対賦形剤群
p<0.01 対各被投与薬剤単独

【0127】
テーブル1及び図1のデータは、ビンダリットとラミプリル又はシンバスタチン又はロサルタンの組み合わせが、各薬剤を単独で用いた場合の活性と比較して付加的かつ相乗的な効果を示し、60%を超えるMCP−1血漿中濃度の低下をもたらすことを明確に示した。
【0128】
実施例2
人間の蛋白尿への効果
30歳〜70歳の2型糖尿病を患っている男女の患者合計80人を治療した。40人の患者には1日に2回ビンダリット(600mg)を、1日1回イルベサルタン(300mg)を投与し、40人の患者には1日に2回偽薬(プラシーボ)を、1日1回イルベサルタン(300mg)を投与した。イルベサルタンは周知のアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)である。該治療を8週間続けた。
【0129】
治療開始前と治療終了後に、UAE(尿中アルブミン排泄量)を比濁分析法により測定した。
【0130】
その結果を以下のテーブル2及び図2に表記する。
【0131】
活性は基底値(治療開始前のUAEレベル)に対して25%以上UAEが低下した患者の割合として表記している。
【0132】
【表3】

【0133】
テーブル2及び図2のデータは、実験の終了時に、ビンダリットとイルベサルタンの組み合わせを投与したグループにおいて、基底値に対して25%以上UAEが低下した患者の割合が、偽薬とイルベサルタンの組み合わせを投与したグループに比較して有意に高いことをはっきりと示した。
【0134】
実施例3
マウス中のMCP−1血漿中濃度への効果
マウス中のLPS(リポ多糖)により誘発されるMCP−1循環レベルを抑制する該化合物の能力を、カルシウム拮抗降圧薬の試作品としてビンダリット単独又はベラパミル又はニフェジピンとの組み合わせで検査した。
【0135】
MCP−1血漿中濃度は商業的に入手可能であるELISAキットを用いて測定した。
【0136】
6匹のマウスのグループに対してLPSを注射(50μg/マウス、ip)する30分前に、薬剤を腹膣内(ip)に投与した。LPS注射の3時間後に、マウスに麻酔をかけ、MCP−1レベルの測定に使用する血漿(ヘパリン化されたサンプル)を得るため心臓内穿刺により血液を採取した。
【0137】
その結果を6回の測定の平均として以下のテーブル3及び図3に集約する。パーセント低下は、賦形剤群と対比して計算した。
【0138】
【表4】

**p<0.01 対賦形剤群
♯p<0.05 対ビンダリットとベラパミル単独
§p<0.01 対ビンダリットとニフェジピン単独
【0139】
テーブル3及び図3のデータは、ビンダリットとベラパミル又はニフェジピンの組み合わせが、各薬剤が単独で用いられた場合の活性と比較して付加的かつ相乗的な効果を示し、それぞれ74%及び84%を超えるMCP−1血漿中濃度の低下をもたらすことをはっきりと示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)以下の式(I)で表される1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾール
【化1】

ここで、
及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C6のアルキル基であり、
、R、及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C5のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、又はハロゲン原子であり、
は、水素原子又はC1〜C5のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、又はRは、R及びRのうち一方と共に、5又は6個の炭素原子を有する環を形成し、
及びRは、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C5のアルキル基、又はR及びRのうち一方は、Rと共に、5又は6個の炭素原子を有する環を形成し、
10及びR11は、同一又は互いに異なり、水素原子又はC1〜C5のアルキル基であり、また、
12は、水素原子又はC1〜C4のアルキル基であり、
(b)(i)ACE阻害薬、レニン阻害薬、ARBs、そしてCCBsから選択される降圧薬、および/又は、(ii)スタチン誘導体又は薬学的に許容可能なそれらの塩とエステルから選択されるコレステロール低下薬、のうち少なくとも一種、及び、
(c)少なくとも一種の薬学的に許容可能な賦形剤、
を含む薬剤組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤組成物にて、前記1−ベンジル−3−ヒドロキシメチルインダゾールは、以下の構造式を有する2−((1−ベンジル−3−インダゾリル)メトキシ)−2−メチルプロピオン酸である、薬剤組成物。
【化2】

【請求項3】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記ACE阻害薬は、アラセプリル、アラトリオプリル、アルチオプリル、カルシウム、アンコベニン、ベナゼプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ベナゼプリラート、ベンザゼプリル、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル−システイン、カプトプリル−グルタチオン、セラナプリル、セラノプリル、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラート、コンバースタチン、デラプリル、デラプリル二価酸、エナラプリル、エナラプリラート、エナルキレン、エナプリル、エピカプトプリル、フォロキシミチン、フォスフェノプリル、フォセノプリル、フォセノプリルナトリウム、フォシノプリル、フォシノプリルナトリウム、フォシノプリラート、フォシノプリリン酸、グリコプリル、ヘモルフィン−4、イダプリル、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラート、リベンザプリル、リシノプリル、リシウミンA、リシウミンB、ミクサンプリル、モエキシプリル、モエキシプリラート、モヴェルチプリル、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラート、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、キナプリル塩酸塩、キナプリラート、ラミプリル、ラミプリラート、スピラプリル、スピラプリル塩酸塩、スピラプリラート、スピロプリル、スピロプリル塩酸塩、テモカプリル、テモカプリル塩酸塩、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラート、ウチバプリル、ザビシプリル、ザビシプリラート、ゾフェノプリル、ゾフェノプリラート、薬学的に許容可能なそれらの塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、薬剤組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記ACE阻害薬は、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、およびペリンドプリルからなる群から選択される、薬剤組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記ACE阻害薬は、以下の式(II)で表され、
【化3】

ここで、
R1は、水素原子である、又はR1は薬学的に許容可能な塩基付加塩を形成するものとし、
R2及びR3は、同一又は互いに異なって、独立した水素原子である、又はR2及びR3は、共に5又は6個の炭素原子を有する芳香族又は脂肪族環を形成するものとし、
R4は、C1〜C4のアルキル基又はC1〜C4のアルキルアミノ基であり、
R5は、メチル又はフェニル基であり、
R6は、水素原子、又はメチル若しくはエチル基である、
薬剤組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記ARBは、カンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、およびプラトサルタンからなる群から選択する、薬剤組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記ARBは、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、およびバルサルタンからなる群から選択する、薬剤組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記ARBは、以下の式(III)で表され、
【化4】

ここで、R1及びR2は、同一又は互いに異なって、独立して随意にオキソ基又はカルボキシル基で置換されたC1〜C5のアルキル基であり、又はR1及びR2は共に1又は2個のN原子を含み随意に置換された芳香族又は脂肪族複素環を形成するものとした、
薬剤組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記レニン阻害薬は、アリスキレン、ジテキレン、エナルキレン、レミキレン、テルラキレン、シプロキレン、およびザンキレンからなる群から選択される、薬剤組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記レニン阻害薬は、アリスキレンとレミキレンからなる群から選択される、薬剤組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記CCBsは、アムロジピン、アラニジピン、バルニジピン、ベニジピン、シルニジピン、エホニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ジルチアゼム、クレンチアゼム、ベプリジル、ベンシクラン、エタフェノン、フルナリジン、リドフラジン、ロメリジン、ミベフラジル、フェンジリン、プレニルアミン、セモチアジル、テロジリン、ガロパミル、およびベラパミルからなる群から選択される、薬剤組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記CCBsは、アムロジピン、バルニジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ジルチアゼム、ガロパミル、およびベラパミルからなる群から選択される、薬剤組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記CCBsは、アムロジピン、ベラパミル、およびジルチアゼムからなる群から選択する、薬剤組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記スタチン誘導体は、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチンからなる群から選択する、薬剤組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記スタチン誘導体は、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチンからなる群から選択する、薬剤組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記スタチン誘導体は、以下の式(IV)で表され、
【化5】

ここで、
Aは−CHCH−基又は−CH=CH−基であり、
W、X、Y及びKは、同一又は互いに異なって、独立したC又はN原子であり、
nは0又は1であり、
YがC原子のとき、R1は水素原子又はN−フェニル−ホルムアミド基であり、
R2は水素原子、フェニル基、N−アルキル−アルキルスルホンアミド基であって、該アルキル基は、独立して1から3個のC原子を含み、
又は、
YがC原子のとき、R1及びR2は共に5又は6個の炭素原子を有する芳香族又は脂肪族環を形成するものとした、
薬剤組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の薬剤組成物において、前記スタチン誘導体は、以下の式(V)で表され、
【化6】

ここで、
R1は、メチル基又は水酸基であり、
R2は、C1〜C5の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、
R3は、水酸基であり、
R4は、カルボキシル基であり、
又は、
R3及びR4は、共にδ−ラクトン基を形成するものとした、
薬剤組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の薬剤組成物において、前記薬剤組成物は、ビンダリットを300〜1200mg、そして以下のテーブルA1に示す量でラミプリル、ロサルタン、イルベサルタン、アリスキレン、アムロジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、シンバスタチン、およびアトルバスタチンからなる群から選択する少なくとも1つの化合物を含む、薬剤組成物。
【表1】

【請求項19】
請求項18に記載の薬剤組成物において、前記薬剤組成物は、ビンダリットの量と前記少なくとも1つの化合物の量との間に、以下のテーブルA2に係る重量比を有する請求項18に記載の薬剤組成物。
【表2】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−505278(P2013−505278A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530204(P2012−530204)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062979
【国際公開番号】WO2011/036047
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(592160973)アジェンデ・キミケ・リウニテ・アンジェリニ・フランチェスコ・ア・チ・エレ・ア・エフェ・ソシエタ・ペル・アチオニ (36)
【氏名又は名称原語表記】AZIENDE CHIMICHE RIUNITE ANGELINI FRANCESCO A.C.R.A.F.SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】