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MCR含有量の少ない原油生成物の製造方法及び触媒
説明

MCR含有量の少ない原油生成物の製造方法及び触媒

【課題】不利な原油を、輸送及び処理設備での処理に適するよう一層望ましい特性を有する原油生成物に転化するか、或いは不利な原油の他の特性への変化を最小限にしながら、不利な原油の選択された特性を変化できる経済的かつ技術的なシステム、方法、及び/又は触媒を提供する。
【解決手段】原油原料を1種以上の触媒と接触させて原油生成物を含む全生成物を製造する方法。原油生成物は25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である。原油生成物のMCR含有量は原油原料のMCR含有量の90%以下である。原油生成物の他の1つ以上の特性を原油原料のそれぞれの特性に比べて10%以上変化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般には原油原料(crude feed)を処理するためのシステム、方法及び触媒に関する。更に詳しくは、ここで説明する特定の実施態様は、原油原料を、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物であって、原油原料のそれぞれの特性と比べて変化した1種以上の特性を有する原油生成物を含む全生成物に転化するためのシステム、方法、及び触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
原油を経済的に輸送できないか、或いは従来の設備を用いて処理できないような不適当な特性を1つ以上有する原油(crude)は、普通、“不利な原油”と言われている。
【0003】
不利な原油は、原油原料の全酸価(“TAN”)の一因となる酸性成分を含有する可能性がある。比較的高いTANを持った不利な原油は、輸送中及び/又は処理中、金属成分の腐食の一因となる可能性がある。不利な原油から酸性成分を除去するには、各種塩基により酸性成分を化学的に中和して行なってよい。或いは、輸送設備及び/又は処理設備に耐腐食性金属を使用してもよい。耐腐食性金属を使用すると、非常に高価になることが多く、したがって、現存の設備に耐腐食性金属を使用するのは望ましくないかも知れない。他の腐食防止方法は、不利な原油の輸送及び/又は処理前にこれに腐食防止剤を添加することも可能である。しかし、腐食防止剤を使用すると、原油の処理に使用する設備及び/又は原油から製造する生成物に悪影響を与える恐れがある。
【0004】
不利な原油は、比較的高水準の残留物を含有することが多い。このような高水準の残留物は、従来設備を用いて輸送及び/又は処理するのを困難かつ高価にする傾向がある。
【0005】
不利な原油は、有機的に結合したヘテロ原子(例えば硫黄、酸素及び窒素)を含有することが多い。有機的に結合したヘテロ原子は、幾つかの場合、触媒に対し悪影響を及ぼす恐れがある。
【0006】
不利な原油は、比較的多量の金属汚染物、例えばニッケル、バナジウム、及び/又は鉄を含有する可能性がある。このような不利な原油の処理中、金属の汚染物及び/又は化合物は、触媒の表面又は空隙内に沈着するかも知れない。このような沈着は、触媒の活性を減退させる恐れがある。
【0007】
不利な原油は、コークス及び/又は該原油の熱崩壊の一因となる成分を含む可能性がある。コークル及び/又は熱崩壊成分は、不利な原油の処理中、触媒表面に高速度で生成及び/又は沈着するかも知れない。コークス及び/又は熱崩壊成分で汚染された触媒の触媒活性を再生するには高価になる可能性がある。更に、触媒の再生中に使用する高温は、触媒の活性を低下させ、及び/又は触媒を劣化させる恐れもある。
【0008】
不利な原油は、有機酸の金属塩中に金属(例えばカルシウム、カリウム及び/又はナトリウム)を含有する可能性がある。有機酸金属塩中の金属は、従来の製造処理、例えば脱塩及び/又は洗浄では不利な原油から除去されない。
【0009】
有機酸の金属塩中に金属が存在する場合、従来の原油接触処理では問題が生じることが多い。ニッケルやバナジウムは、通常、触媒の外表面付近に沈着するのに対し、有機酸金属塩中の金属は、触媒粒子間の空隙容積中、特に触媒床の頂部に優先的に沈着する可能性がある。汚染物、例えば有機酸金属塩中の金属が、触媒床の頂部に沈着すると、一般に触媒床内の圧力降下が大きくなり、触媒床を効率的に詰らせる可能性がある。更に、有機酸金属塩中の金属は、触媒を急速に失活させるかも知れない。
【0010】
不利な原油は有機酸素化合物を含有する可能性がある。不利な原油1g当たり酸素を0.002g以上含む不利な原油を処理する処理設備では処理中、問題が生じる。有機酸素化合物は、処理中、加熱されると、高酸化化合物(例えばアルコールの酸化で生成したケトン及び/又は酸、及び/又はエーテルの酸化により生成した酸)が生成するかも知れない。高酸化化合物は、処理原油から除去するのは困難であり、及び/又は処理中、設備を腐食/汚染したり、郵送ラインを詰らせる可能性がある。
【0011】
不利な原油は、水素不足の炭化水素を含有する可能性がある。水素不足の炭化水素を処理する際は、特に分解処理により不飽和片が生成する場合、一般に定常量の水素を添加する必要がある。処理中、不飽和片のコークス化を防止するため、通常、活性水素化触媒を含む水素化を必要とするかも知れない。水素を作るには費用がかかり、及び/又はこれを処理設備に輸送するには費用がかかる。
【0012】
不利な原油は、従来の設備で処理中、不安定な傾向もある。原油の不安定性は、処理中、成分の相分離を起こし、及び/又は望ましくない副生物(例えば硫化水素、水及び二酸化炭素)を生成し易い。
【0013】
従来の不利な原油の処理方法は、高粘度、不利な原油の熱崩壊、及び/又はコークス生成の一因となる成分を減量できる。しかし、これら成分を除去すると、原油が不安定となり、輸送中,原油が分離する可能性がある。従来の処理中、高粘度及び/又はコークス形成の一因となる成分は、通常、細孔サイズ及び表面積が大きく、かつ水素化処理活性の低い触媒で原油を処理する際、除去される。次に、得られた原油は、原油中の他の不要な成分を除去するため更に処理できる。
【0014】
原油の品質を改良する幾つかの方法として、不利な原油に希釈剤を添加して、不利な特性を与える成分の重量割合を低下させる方法がある。しかし、希釈剤の添加は、希釈剤費及び/又は不利な原油を取扱うために増加した費用により、一般に不利な原油の処理費は増大する。幾つかの場合、不利な原油に希釈剤を添加すると、このような原油の安定性が低下する。
【0015】
Sudhakar等のUSP 6,547,957、Meyers等の同6,277,269、Harle等の同6,203,695、Grande等の同6,063,266、Bearden等の同5,928,502、Bearden等の同5,914,030、Trachte等の同5,897,769、Boon等の同5,744,025、Hensley,Jrの同4,212,729、及びRileyの同4,048,060、Schulz等の米国特許出願公告No.US2004/0106516には、各種、原油の処理方法、システム、及び触媒が記載されている。しかし、これら文献に記載の方法、システム、及び触媒は、前述のように技術的課題が多いため、利用可能性を制限している。
【0016】
要するに、不利な原油は、一般に望ましくない特性(例えば例えば比較的高い又は多量のTAN、処理中、不安定となる傾向、及び/又は処理中、比較的多量の水素を消費する傾向)を有する。また不利な原油は、望ましくない成分(例えば熱崩壊、残留物、の一因となる成分、有機的に結合したヘテロ原子、金属汚染物、有機酸金属塩中の金属、及び/又は有機酸素化合物)を比較的多量に含む。これらの特性及び成分は、従来の輸送及び/又は処理設備において、腐食の増大、触媒寿命の低下、プロセスの閉塞、及び/又は処理中の水素の使用量増大等の問題を起こしやすい。
【特許文献1】USP 6,547,957
【特許文献2】USP 6,277,269
【特許文献3】USP 6,203,695
【特許文献4】USP 6,063,266
【特許文献5】USP 5,928,502
【特許文献6】USP 5,914,030
【特許文献7】USP 5,897,769
【特許文献8】USP 5,744,025
【特許文献9】USP 4,212,729
【特許文献10】USP 4,048,060
【特許文献11】米国特許出願公告No.US2004/0106516
【特許文献12】USP 6,218,333
【特許文献13】USP 6,290,841
【特許文献14】USP 5,744,025
【特許文献15】米国特許出願公告No.20030111391
【特許文献16】USP 4,937,218
【特許文献17】USP 6,162,350
【特許文献18】USP 6,783,663
【特許文献19】米国特許出願公告No.US2004/0182749
【特許文献20】US2004/0235653
【特許文献21】USP 5,468,372
【特許文献22】USP 5,688,736
【非特許文献1】Landau等,“メチル置換ジベンゾチオフェンのヒドロ硫酸化:Fundamental Study of Routes to Deep Desulfurization”,Journal of Catalysts,1996,第159巻236〜235頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、不利な原油を一層望ましい特性を有する原油生成物に転化するために改良したシステム、方法及び/又は触媒が極めて経済的かつ技術的に必要である。不利な原油の他の特性への変化を最小限にしながら、不利な原油の選択された特性を変化できるシステム、方法、及び/又は触媒も極めて経済的かつ技術的に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明の概要
幾つかの実施態様では、本発明は、ミクロ炭素残留物(MCR)含有量(ASTM法D4530で測定)が原油原料1g当たり0.0001g以上である原油原料を1種以上の触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、触媒の少なくとも1種は周期表第6欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物であり、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有し、かつ細孔径(ASTM法D4282で測定)が350Å以上の細孔が細孔容積(ASTM法D4282で測定)の10%以下を与える細孔容積を有する該工程、及び原油生成物のMCR含有量が原油原料のMCR含有量に対し90%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法を提供する。
【0019】
幾つかの実施態様では、本発明は、支持体と、周期表第6欄の1種以上の金属、及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物とを含むと共に、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有し、かつ細孔径(ASTM法D4282で測定)が350Å以上の細孔が細孔容積(ASTM法D4282で測定)の10%以下を与える細孔容積を有する触媒も提供する。
【0020】
幾つかの実施態様では、本発明は、90Å以上の平均細孔径を有し、かつ細孔径(ASTM法D4282で測定)が350Å以上の細孔が細孔容積(ASTM法D4282で測定)の15%以下を与える細孔容積を有する支持体に、周期表第6欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含む溶液を配合することを特徴とする触媒の製造方法も提供する。
【0021】
幾つかの実施態様では、本発明は、ミクロ炭素残留物(MCR)含有量(ASTM法D4530で測定)が原油原料1g当たり0.0001g以上である原油原料を1種以上の触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、触媒の少なくとも1種は周期表第6〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物0.3g以上と、バインダーとを含有する第6〜10欄触媒である該工程、及び原油生成物のMCR含有量が原油原料のMCR含有量に対し90%以下となるように接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。
【0022】
幾つかの実施態様では、本発明は、1種以上の有機酸の1種以上のアルカリ金属塩、1種以上の有機酸の1種以上のアルカリ土類金属塩又はそれらの混合物を、有機酸金属塩中のアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩との合計含有量が原油原料1g当たり、0.00001g以上(ASTM法D1318で測定)である原油原料を1種以上の触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該触媒の少なくとも1種は、θ−アルミナ含有支持体と、周期表第5〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第5〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物とを含有する第5〜10欄触媒である該工程、及び原油生成物の有機酸金属塩中のアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩との合計含有量が、原油原料の有機酸金属塩中のアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩との合計含有量に対し90%以下となるように接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。
【0023】
幾つかの実施態様では、本発明は、窒素含有量(ASTM法D5762)が原油原料1g当たり0.0001g以上である原油原料を1種以上の触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該触媒の少なくとも1種は、周期表第6欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含有すると共に、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有し、かつ350Å以上の細孔径(ASTM法D4282で測定)を有する細孔が細孔容積(ASTM法D4282で測定)の10%以下を与える細孔容積を有する第6欄触媒である該工程、及び原油生成物の窒素含有量が原油原料の窒素含有量に対し90%以下となるように接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。
【0024】
幾つかの実施態様では本発明は、窒素含有量(ASTM法D5762で測定)が原油原料1g当たり0.0001g以上である原油原料を1種以上の触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該触媒の少なくとも1種は、周期表第6欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を1種以上の硫黄含有化合物の存在下、第6欄金属触媒前駆体を約500℃未満の温度で加熱して得られる該第6欄金属触媒と、支持体とを含有する第6欄金属触媒である該工程、及び原油生成物の窒素含有量が原油原料の窒素含有量に対し90%以下となるように接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。
【0025】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第6欄金属触媒も提供する。この触媒は、(a)350Å以上の細孔が細孔容積の5%以下、3%以下、1%以下又は0.5%以下を与える、(b)中央値細孔径が120Å以上、130Å以上、150Å以上、180Å以上、200Å以上、250Å以上、又は300Å以下である細孔サイズ分布(ASTM法D4282で測定)を有し、及び/又は(c)細孔サイズ分布における細孔の合計数の60%以上が細孔サイズ分布の中央値細孔径の約45Å以内、約35Å以内、又は約25Å以内となるような細孔サイズ分布を有する。
【0026】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第6欄金属触媒も提供する。この触媒は、(a)第6欄金属の1種以上及び/又は第6欄金属化合物の1種以上を、第6欄金属の合計重量として計算して、該触媒1g当たり、約0.0001〜約0.3g、約0.005〜約0.2g、又は約0.01〜約0.1g含有する、(b)周期表第7〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第7〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含有すると共に、第7〜10欄金属の合計重量として計算して、該触媒1g当たり、第7〜10欄金属の1種以上及び/又は第7〜10欄金属化合物の1種以上を約0.001〜約0.1g、又は約0.01〜約0.05g含有する、(c)周期表第10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含有する、(d)モリブデン及び/又はタングステンを含有する、(e)ニッケル及び/又はコバルトを含有する、(f)ニッケル及び/又は鉄を含有する、(g)周期表第15欄の1種以上の元素及び/又は周期表第15欄の1種以上の元素の1種以上の化合物を含有すると共に、第15欄元素の合計重量として計算して、該触媒1g当たり、第15欄元素の1種以上及び/又は第15欄元素化合物の1種以上を約0.000001〜約0.1g、約0.00001〜約0.06g、約0.00005〜約0.03g、又は約0.0001〜約0.001g含有する、(h)燐を含有する、及び/又は(i)第5欄金属の1種以上及び/又は第5欄金属の1種以上の化合物の1種以上を、第5欄金属の合計重量として計算して、該触媒1g当たり、0.001g以下含有する。
【0027】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第6欄金属触媒又は第6欄金属溶液も提供する。この触媒又は溶液は、第6欄金属触媒又は第6欄金属溶液1g当たり、(a)モリブデン又はモリブデンの1種以上の化合物を、モリブデンの合計重量として計算して、約0.01〜約0.15g、及びニッケル又はニッケルの1種以上の化合物を、ニッケルの合計重量として計算して、約0.001〜約0.05g;及び(b)任意に鉄又は鉄の1種以上の化合物を、鉄の合計重量として計算して、約0.001〜約0.05g;及び(c)任意に燐又は燐の1種以上の化合物を、燐の合計重量として計算して、約0.0001〜約0.05g;を含有する。
【0028】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第5〜10欄金属触媒も提供する。この触媒は、(a)モリブデンを含有する、(b)タングステンを含有する、(c)バナジウムを含有する、(d)周期表第7〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第7〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を触媒1g当たり、約0.001〜約0.1g、又は約0.01〜約0.05g含有する、(e)周期表第15欄の1種以上の元素及び/又は周期表第15欄の1種以上の元素の1種以上の化合物を含有する、(f)燐を含有する、及び/又は(g)中央値細孔径が180Å以上、200Å以上、230Å以上、250Å以上、又は300Å以上の細孔サイズ分布を有する。
【0029】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第6欄金属触媒も提供する。この触媒は支持体担持触媒で、該支持体は、支持体1g当たり、(a)γ−アルミナを0.8g以上、0.9g以上、又は0.95g以上;(b)シリカを0.1g以下、0.08g以下、0.06g以下、0.04g以下、又は0.02g以下;又は(c)θ−アルミナを0.3g以上又は0.5g以上;含有する。
【0030】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、原油原料を1種以上の触媒と接触させる工程であって、触媒の少なくとも1種は、周期表第7〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第7〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物と支持体とを含む混合物を、第6欄金属の1種以上及び/又は第6欄金属化合物の1種以上と配合して得られる第6欄金属触媒である該工程も提供する。幾つかの実施態様では、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第7〜10欄金属の少なくとも1種は、ニッケル、コバルト、鉄又はそれらの混合物を含む。
【0031】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、原油原料を提供する。この原油原料は、(a)MCRを原油原料1g当たり約0.0001〜約0.5g、約0.005〜約0.1g、又は約0.01〜約0.05g;(b)窒素を原油原料1g当たり約0.0001〜約0.1g、約0.001〜約0.05g、又は約0.005〜約0.01g;及び/又は(c)有機酸の金属塩中にアルカリ金属及びアルカリ土類金属を原油原料1g当たり約0.00001〜約0.005g、約0.00005〜約0.05g、又は約0.0001〜約0.01g;含有する。
【0032】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、原油生成物を提供する。この原油生成物は、(a)MCR含有量が原油原料のMCR含有量に対し80%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である;(b)窒素含有量が原油原料の窒素含有量に対し80%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である;(c)原油生成物における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量が、原油原料における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量に対し80%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である;(d)MCR含有量が、原油原料のMCR含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である;(e)窒素含有量が、原油原料の窒素含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である;(f)原油生成物における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計含有量が、原油原料における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である;(g)MCRを原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.1g、約0.0001〜約0.05g、又は約0.001〜約0.005g含有する;(h)窒素を原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.05g、約0.0001〜約0.01g、又は約0.0005〜約0.001g含有する;(i)有機酸の金属塩中にアルカリ金属及びアルカリ土類金属を原油生成物1g当たり約1×10−7g〜約5×10−5g、約5×10−7g〜約1×10−5g、又は約1×10−6g〜約5×10−6g含有する;(j)37.8℃(100°F)での粘度(ASTM法D445で測定)が原油原料の37.8℃(100°F)での粘度に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である;(k)Cアスファルテン含有量(ASTM法D2007で測定)が原油原料のCアスファルテン含有量に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である;(l)残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料の残留物含有量に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である;及び/又は(m)硫黄含有量(ASTM法D4294で測定)が原油原料の硫黄含有量に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である。
【0033】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、原油原料を1種以上の触媒及び1種以上の追加の触媒と接触させる工程であって、触媒の少なくとも1種は、第6欄金属触媒であり、追加触媒の1種以上は、中央値細孔径が60Å以上、90Å以上、110Å以上、180Å以上、200Å以上、又は250Å以上であり、かつ第6欄金属触媒は、原油原料と追加触媒の少なくとも1種との接触前及び/又は接触後に、原油原料と接触させる該工程も提供する。
【0034】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、触媒の少なくとも1種が第5〜10欄金属触媒であること;及び原油原料を、中央値細孔径が60Å以上の1種以上の追加触媒と接触させる工程であって、追加触媒は、原油原料と第5〜10欄金属触媒との接触に続いて原油原料と接触させる該工程も提供する。
【0035】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、原油原料を1種以上の触媒と接触させて、全生成物を製造する工程であって、接触中、原油原料及び/又は全生成物混合物のP値は1.5以上である該工程も提供する。
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、水素の存在下で接触させる工程も提供する。
【0036】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、以下の接触条件も提供する。この接触条件は、(a)約50〜約500℃の範囲内の温度、(b)430℃以下、420℃以下、又は410℃以下の温度、(c)約0.1〜約20MPaの全圧、(d)18MPa以下、16MPa以下、又は14MPa以下の全圧、(e)0.05h−1以上である液体の時間当たり空間速度、及び/又は(f)約0.1〜約100,000Nm/mの範囲のガス状水素源対原油原料比を含む。
【0037】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、原油原料を1種以上の触媒と接触させて原油生成物を含む全生成物を製造する方法も提供する。この方法は、原油生成物を原油原料と同じか、又は異なる原油と配合して輸送に好適なブレンドを生成する工程を更に含む。
【0038】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、支持体を第6欄金属溶液と配合する工程を含む触媒の製造方法も提供する。この溶液は、(a)pHが約3以下である、(b)pHが約1〜約3の範囲である、(c)該溶液中の第6欄金属の量は、触媒が第6欄金属の1種以上及び/又は第6欄金属化合物の1種以上を、第6欄金属の合計重量として計算して、触媒1g当たり約0.0001〜約0.3g、約0.005〜約0.2g、又は約0.01〜約0.1gとなるように選択される、(d)周期表第7〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第7〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含むと共に、第7〜10欄金属の量が、第7〜10欄金属の1種以上及び/又は第7〜10欄金属化合物の1種以上中の第7〜10欄金属の合計重量として計算して、触媒1g当たり約0.001〜約0.1g又は約0.01〜約0.05gとなるように選択される、(e)周期表第10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含む、(f)モリブデン及び/又はタングステンを含有する、(g)ニッケル及び/又はコバルトを含有する、(h)ニッケル及び鉄を含有する、(i)周期表第15欄の1種以上の元素及び/又は周期表第15欄の1種以上の元素の1種以上の化合物を含有すると共に、第15欄元素の合計重量として計算して、該触媒1g当たり、第15欄元素の1種以上及び/又は第15欄元素化合物の1種以上を約0.000001〜約0.1g、約0.00001〜約0.06g、約0.00005〜約0.03g、又は約0.0001〜約0.001g含有する、(j)燐を含有する、(k)1種以上の鉱酸を含有する、(l)1種以上の有機酸を含有する、(m)過酸化水素を含有する、(n)アミンを含有する。
【0039】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、担持金属を約40〜400℃、約60〜300℃、又は約100〜200℃で熱処理し、更に任意に担持金属を約400℃以上の温度で熱処理する工程を含む触媒の製造方法も提供する。
【0040】
幾つかの実施態様では本発明は、前記実施態様の1つ以上を組合わせて、第6〜10欄金属触媒を提供する。この触媒は、(a)周期表第6欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含有する、(b)周期表第7〜10欄の1種以上の金属及び/又は周期表第7〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を含有する、(c)モリブデン及び/又はタングステンを含有する、(d)ニッケル及び/又はコバルトを含有する、(e)支持体がシリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はそれらの混合物を含有する、及び/又は(f)非晶質である。
【0041】
更なる実施態様では、特定の実施態様の特徴を他の実施態様の特徴と組合わせてよい。例えば一実施態様の特徴を他の実施態様のいずれかの特徴と組合わせてよい。
更なる実施態様では原油生成物は、ここで説明した方法及びシステムのいずれかにより得られる。
【0042】
更なる実施態様では追加の特徴は、ここで説明した実施態様に追加してよい。
更なる実施態様では、ここで説明した方法及びシステムのいずれかにより輸送用燃料、加熱用燃料、潤滑剤又は化学薬品が得られる。
【0043】
図面の簡単な説明
本発明の利点は、以下の詳細な説明により、更に添付図面を参照して当業者に明らかになろう。
図1は、接触システムの一実施態様の概略図である。
図2A及び2Bは、2つの接触帯を有する接触システムの一実施態様の概略図である。
図3A及び3Bは、3つの接触帯を有する接触システムの一実施態様の概略図である。
図4は、分離帯と接触システムとを組合わせた一実施態様の概略図である。
図5は、配合帯と接触システムとを組合わせた一実施態様の概略図である。
図6は、分離帯と接触システムと配合帯とを組合わせた一実施態様の概略図である。
【0044】
本発明は種々の変形及び代替形態に対し感受性があるが、その特定の実施態様を図面で例示する。これらの図面は一定の縮小比になり得ない。図面及びその詳細な説明は、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に本発明は付属の特許請求の範囲で定義した本発明の精神及び範囲内に含まれる、あらゆる変形、均等物及び代替物を含むことを理解すべきである。
【0045】
発明の詳細な説明
前記課題は、ここで説明したシステム、方法及び触媒を用いて対応できる。例えば原油原料のMCR含有量及び/又は窒素含有量に比べてMCR含有量及び/又は窒素含有量の少ない原油生成物は、原油原料を、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有し、かつ細孔径が350Å以上の細孔が細孔容積の10%以下を与える細孔容積を有する触媒と接触させて製造される。原油原料の窒素含有量に比べて窒素含有量の少ない原油生成物は、原油原料を未焼成触媒と接触させて製造される。原油原料の有機酸金属塩中の金属含有量に比べて有機酸金属塩中の金属含有量の少ない原油生成物は、原油原料を、第5〜10欄金属及びθ−アルミナを含む触媒と接触させて製造される。原油原料のMCR含有量に比べてMCR含有量の少ない原油生成物は、原油原料を正味(bulk)金属触媒と接触させて製造される。
【0046】
米国特許出願No.11/014,335;11/013,553;11/014,386;11/013,554;11/013,629;11/014,318;11/013,576;11/013,835;11/014,362;11/014,011;11/013,747;11/013,918;11/014,275;11/014,060;11/014,272;11/014,380;11/014,005;11/013,998;11/014,406;11/014,365;11/013,545;11/014,132;11/014,363;11/014,251;11/013,632;11/014,009;11/014,297;11/014,004;11/013,999;11/014,281;11/013,995;11/013,904;11/013,952;11/014,299;11/014,381;11/014,346;11/014,028;11/013,826;及び11/013,622も、ここで説明した本発明で処理される原油原料とは幾つかの点で異なる可能性がある原油原料についても前記課題に対応するシステム、方法及び触媒を検討している。
【0047】
ここで、本発明の特定の実施態様を詳細に説明する。ここで使用する用語は以下のように定義する。
“ASTM”とは、American Standard Testing and Materialsを言う。
“API比重”とは、15.5℃(60°F)でのAPI比重を言う。API比重はASTM法D6822で測定する。
原油原料及び原油生成物の水素原子%及び炭素%は、ASTM法D5291で測定する。
【0048】
原油原料、全生成物及び/又は原油生成物の沸点範囲分布は、特記しない限り、ASTM法D5307で測定する。
“バインダー”とは、小粒子と組合わせて、これより大きい物質(例えばブロック又はペレット)を形成する基質を言う。
“正味金属触媒”とは、少なくとも1種の金属を含む触媒を言い、担体又は支持体を必要としない。
【0049】
“Cアスファルテン”とは、ペンタンに不溶のアスファルテンを言う。Cアスファルテン含有量はASTM法D2007で測定する。
“第X欄金属”とは、周期表第X欄の1種以上の金属及び/又は周期表第X欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を言う。ここで第X欄は周期表の欄番号(例えば1〜12)に相当する。例えば“第6欄金属”とは、周期表第6欄の1種以上の金属及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物を言う。
【0050】
“第X欄元素”とは、周期表第X欄の1種以上の元素及び/又は周期表第X欄の1種以上の元素の1種以上の化合物を言う。ここで第X欄は周期表の欄番号(例えば13〜18)に相当する。例えば“第15欄元素”とは、周期表第16欄の1種以上の元素及び/又は周期表第15欄の1種以上の元素の1種以上の化合物を言う。
【0051】
本出願の範囲では、周期表金属の重量、周期表金属の化合物の重量、周期表元素の重量、又は周期表元素の化合物の重量は、該金属の重量、又は該元素の重量として計算する。例えば触媒1g当たりMoOを0.1g使用するとすれば、触媒中のモリブデン金属の計算重量は、触媒1g当たり0.067gである。
【0052】
“含有量”とは、基質(例えば原油原料、全生成物、又は原油生成物)中の成分の重量を、基質の全重量に対する重量分率又は重量%で表したものを言う。“重量ppm”とは、百万重量部当たりの重量部を言う。
“原油原料/全生成物混合物”とは、処理中、触媒を接触させる混合物を言う。
“蒸留物”とは、0.101MPaにおいて204℃(400°F)〜343℃(65
0°F)の沸点範囲分布を有する炭化水素を言う。蒸留物含有量はASTM法D5307
で測定する。
【0053】
“ヘテロ原子”とは、炭化水素の分子構造中に含まれる酸素、窒素及び/又は硫黄を言う。ヘテロ原子の含有量は、酸素についてはASTM法E385、全窒素については同D5762、硫黄については同D4294で測定する。“全塩基性窒素”とは、pKaが40未満の窒素化合物を言う。塩基性窒素“bn”はASTM法D2896で測定する。
【0054】
“水素源”とは、水素、及び/又は、原油原料及び触媒の存在下で反応して原油原料中の1種以上の化合物に水素を与える際の化合物を言う。水素源としては、限定されるものではないが、炭化水素(例えばメタン、エタン、プロパン、ブタンのようなC〜C炭化水素)、水又はそれらの混合物が挙げられる。原油原料中の1種以上の化合物に付与した総水素量を評価するには、物質収支を行えばよい。
【0055】
“平板圧潰強度”とは、触媒を圧潰するのに必要な圧縮力を言う。平板圧潰強度はASTM法D4179で測定する。
“LHSV”とは、触媒の全容積当たり液体供給原料の容積割合(速度)を言い、時間(h−1)で表す。触媒の全容積は、ここで説明した接触帯中の全ての触媒の容積を合計して算出する。
【0056】
“液体混合物”とは、標準温度及び圧力(25℃、0.101MPa;以下、“STP”と言う)において液体である1種以上の化合物を含む組成物、又はSTPにおいて液体である1種以上の化合物とSTPにおいて固体である1種以上の化合物との組合わせを含む組成物を言う。
“周期表”とは、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)で2003年11月に規定された周期表を言う。
【0057】
“有機酸の金属塩(又は有機酸金属塩)中の金属”とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、砒素、クロム又はそれらの組合わせを言う。有機酸金属塩中の金属含有量は、ASTM法D1318で測定する。
【0058】
“MCR”含有量とは、基質の蒸発及び熱分解後に残存する炭素残留物の量を言う。MCR含有量はASTM法D4530で測定する。
“ナフサ”とは、0.101MPaにおいて38℃(100°F)〜200℃(392°F)の沸点範囲分布を有する炭化水素を言う。ナフサ含有量は、ASTM法D5307で測定する。
【0059】
“Ni/V/Fe”とは、ニッケル、バナジウム、鉄、又はそれらの組合わせを言う。 “Ni/V/Fe含有量”とは、ニッケル、バナジウム、鉄、又はそれらの組合わせの含有量を言う。Ni/V/Fe含有量はASTM法D5708で測定する。
“Nm/m”とは、原油原料1m当たりガスの標準mを言う。
【0060】
“カルボキシル非含有有機酸素化合物”とは、カルボキシル(−CO−)基を含有しない有機酸素化合物を言う。カルボキシル非含有有機酸素化合物としては、限定されるものではないが、いずれもカルボキシル基を含有しない、エーテル、環式エーテル、アルコール、芳香族アルコール、ケトン、アルデヒド、又はそれらの組合わせが挙げられる。
“非凝縮性ガス”とは、STPにおいてガスである成分及び/又は成分の混合物を言う。
【0061】
“P(解凝固)値”とは、原油原料中のアスファルテンの凝固傾向を表す数値を言う。P値の測定法は、J.J.Heithaus“Measurement and Significance of Asphaltene Peptitization”,Jounal of Petroleum,第48巻,第458号,1962年2月,pp.45〜53に記載されている。
【0062】
“細孔径”、“平均細孔径”、“中央値細孔径”及び“細孔容積”とは、ASTM法D4284(接触角140°での水銀多孔度測定)で測定した細孔径、平均細孔径、中央値細孔径及び細孔容積を言う。これら値の測定には、micromeritics(登録商標)A9220(Micromeritics Inc.,Norcross,Georgia,U.S.A.)が使用できる。細孔容積は触媒中の全細孔の容積を意味する。中央値細孔径とは、細孔の合計数の50%が中央値細孔径を超える細孔径を有すると共に、細孔の合計数の50%が中央値細孔径未満の細孔径を有する場合の細孔径を言う。オングストローム単位(Å)で表される平均細孔径は、以下の式を用いて測定する。
平均細孔径=(40,000×合計細孔容積cm/g)/(表面積m/g)
【0063】
“残留物”とは、ASTM法D5307で測定して、沸点範囲分布が538℃(1000°F)を超える成分を言う。
“SCFB”とは、原油原料1バレル当たりガスの標準立方フィートを言う。
触媒の“表面積”は、ASTM法D3663で測定する。
【0064】
“TAN”とは、サンプル1g当たりKOHのmgとして表した全酸価を言う。TANは、ASTM法D664で測定する。
“VGO”とは、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて343℃(650°F)〜538℃(1000°F)の炭化水素を言う。VGO含有量はASTM法D5307で測定する。
“粘度”とは、37.8℃(100°F)での動粘度を言う。粘度はASTM法D445で測定する。
【0065】
本出願に関連して、基質の特性について試験して得られた値が試験法の限界値外であれば、試験法を改変及び/又は再較正して、このような特性を試験してよいものと理解すべ
きである。
原油は、炭化水素含有配合物から製造及び/又は乾留(retort)し、次いで安定化してよい。原油は、一般に固体、半固体、及び/又は液体である。原油は生原油(crude oil)を含有してよい。安定化法としては、限定されるものではないが、原油から非凝縮性ガス、水、塩、固体又はそれらの組合わせを除去して、安定化原油を形成する方法が挙げられる。このような安定化は、多くの場合、製造及び/又は乾留場所又はその近辺で行ってよい。
【0066】
安定化原油としては、通常、特定の沸点範囲分布を有する複数の成分(例えばナフサ、蒸留物、VGO、及び/又は潤滑油)を製造するために、処理設備で蒸留又は精留(分別
蒸留)を行っていない原油が挙げられる。蒸留法としては、限定されるものではないが、常圧蒸留法及び/又は真空蒸留法が挙げられる。未蒸留及び/又は非精留安定化原油は、炭素数が5以上のような成分を、原油1g当たり0.5g以上の量で含有してよい。安定化原油は、表面乾留法の原油も含有する。安定化原油の例としては、原油全体、トッピング済み(topped)原油、脱塩原油、トッピング済み脱塩原油、還流原油、又はそれらの組合わせが挙げられる。“トッピング済み”とは、0.101MPaにおいて35℃未満(1気圧で95°F未満)の沸点を有する複数成分の少なくとも幾つかの成分が除去されるように、処理した原油を言う。通常、トッピング済み原油は、これらの成分を、トッピング済み原油1g当たり0.1g以下、0.05g以下又は0.02g以下含有する。
【0067】
幾つかの安定化原油は、輸送キャリヤー(例えばパイプライン、トラック又は船舶)により従来の処理設備に輸送可能な特性を有する。その他の原油は、不利になる不適当な特性を1つ以上有する。不利な原油は、輸送キャリヤー及び/又は処理設備に受入れ不能かも知れず、したがって、不利な原油に与える経済的価値は低い。この経済的価値は、不利な原油を含むリザーバーが製造、輸送及び/又は処理にコストがかかり過ぎるとみなされ
るような価値であるかも知れない。
【0068】
不利な原油の特性としては、限定されるものではないが、a)TANが0.1以上、又は0.3以上、b)粘度が10cSt以上、c)API比重が19以下、d)合計Ni/V/Fe含有量が不利な原油1g当たり0.00002g以上又は0.0001g以上、e)合計ヘテロ原子含有量が不利な原油1g当たり0.005g以上、f)残留物含有量が不利な原油1g当たり0.01g以上、g)Cアスファルテン含有量が不利な原油1g当たり0.04g以上、h)MCR含有量が不利な原油1g当たり0.0001g以上、i)有機酸金属塩中の金属の含有量が不利な原油1g当たり0.00001g以上、又はj)それらの組合わせが挙げられる。幾つかの実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、残留物を0.2g以上、0.3g以上、0.5g以上又は0.9g以上含有するかも知れない。幾つかの実施態様では不利な原油は、TANが約0.1〜約20、約0.3〜約10、又は約0.4〜約5である。特定の実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、硫黄を0.005g以上、0.01g以上又は0.02g以上含有する。
【0069】
特定の実施態様では不利な原油は、MCR含有量が該原油1g当たり0.0001g以上、0.001g以上、0.003g以上、0.005g以上、0.01g以上、0.1g以上、又は0.5g以上である。不利な原油は、MCR含有量が該原油1g当たり約0.0001〜約0.5g、約0.005〜約0.1g、又は約0.01〜約0.05gの範囲であってよい。
【0070】
幾つかの実施態様では不利な原油は、窒素含有量が該原油1g当たり0.0001g以上、0.001g以上、0.01g以上、0.05g以上、又は0.1g以上である。不利な原油は、窒素含有量が不利な原油1g当たり約0.0001〜約0.1g、約0.001〜約0.05g、又は約0.005〜約0.01gの範囲であってよい。
【0071】
特定の実施態様では不利な原油は、有機酸の金属塩中にアルカリ金属及びアルカリ土類金属を0.00001g以上、0.0001g以上、0.001g以上、又は0.01g以上含有する。不利な原油は、有機酸金属塩中の金属含有量が、有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属として約0.00001〜約0.003g、約0.00005〜約0.005g、又は約0.0001〜約0.01gの範囲であってよい。
【0072】
幾つかの実施態様では不利な原油は、限定されるものではないが、以下の特性:a)TANが0.5以上、b)酸素含有量が原油原料1g当たり0.005g以上、c)Cアスファルテン含有量が原油原料1g当たり0.04g以上、d)所望粘度よりも高い粘度(例えば10以上のAPI比重を有する原油原料について、>10cSt)、e)有機酸金属塩中の金属の含有量がアルカリ金属及びアルカリ土類金属として原油1g当たり0.00001g以上、又はf)それらの組合わせを有する。
【0073】
不利な原油は、該原油1g当たり、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約95〜約200℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約200〜約300℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約300〜約400℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;及び沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約400〜約650℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上含有してよい。
【0074】
不利な原油は、該原油1g当たり、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて100℃以下の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約100〜約200℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約200〜約300℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約300〜約400℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上;及び沸点範囲分布が0.101MPaにおいて約400〜約650℃の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上含有してよい。
【0075】
幾つかの不利な原油は、沸点が100℃を超える成分の他に、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて100℃以下の炭化水素を、該原油1g当たり0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上含有してよい。通常、不利な原油は、このような炭化水素を、該原油1g当たり0.2g以下又は0.1g以下含有する。
【0076】
幾つかの不利な原油は、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて200℃未満の炭化水素を、該原油1g当たり0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上含有してよい。
【0077】
特定の実施態様では不利な原油は、沸点範囲分布が300℃を超える炭化水素を、該原油1g当たり0.9g以下、又は0.99g以下含有する。特定の実施態様では不利な原油は、沸点範囲分布が650℃を超える炭化水素を、該原油1g当たり0.001g以上含有する。特定の実施態様では不利な原油は、沸点範囲分布が約300〜約1000℃の炭化水素を、該原油1g当たり0.9g以下、又は0.99g以下含有する。
【0078】
ここで説明した方法で処理してよい不利な原油の例としては、限定されるものではないが、世界中の以下の地域:米国の湾岸(Gulf Coast)、南カリフォルニア、アラスカのノーススロープ、カナダのタールサンド、カナダのAlberta地区、Campecheのメキシコ湾、アルゼンチンのSan Jorge水域、ブラジルのSantos及びCampos流域、エジプトのスエズ運河、チャド、英国の北海、アンゴラの沖合、中国のBohai湾、中国のKaramay、イラクのZagros、カザフスタンのCaspian、ナイジェリア沖合、マダガスカル北西、オマーン、オランダのSchoonebek、ベネゼラのZulia、マレーシア、及びインドネシアのスマトラの原油が挙げられる。不利な原油の処理は、輸送及び/又は処理を受入れできるように、該原油の特性を増進できる。処理すべき原油及び/又は不利な原油は、ここでは“原油原料”と言う。原油原料は、ここで説明したようにトッピングしてよい。原油原料は、ここで説明したような方法で得られるが、これに限定されるものではない。原油原料の処理で得られる原油生成物は、一般に輸送及び/又は処理用に好適である。ここで説明したように製造した原油生成物の特性は、原油原料よりもWest Texas Intermediate原油の対応する特性に近いか、或いはBrent原油の対応する特性に近いので、原油原料の経済的価値が高まる。このような原油生成物は、不利な原油から得られる他の原油生成物よりも少ない予備処理で、又は予備処理しないで、精製できるので、精製効率が高まる。予備処理には、不純物を除去するための、脱硫、脱金属及び/又は常圧蒸留を含んでよい。
【0079】
ここで説明した本発明による原油原料の処理には、1つの接触帯及び/又は2つ以上の接触帯での触媒による処理を含んでよい。接触帯では、原油原料の少なくとも1種の特性は、原油原料と1種以上の触媒との接触により、原油原料の前記特性に比べて変化できる。幾つかの実施態様では接触は、水素源の存在下で行われる。幾つかの実施態様では、水素源は、特定の接触条件下で反応して原油原料中の化合物に比較的少量の水素を供給する1種以上の炭化水素である。
【0080】
図1は、上流接触帯102を有する接触システム100の該略図である。原油原料は、原油供給導管104経由で上流接触帯102に入る。接触帯は反応器、反応器の一部、反応器の複数部分、又はそれらの組合わせであってよい。接触帯の例としては、積重ね床反応器、固定床反応器、沸騰床反応器、連続撹拌槽反応器(“CSTR”)、流動床反応器、噴霧反応器、及び液/液接触器が挙げられる。特定の実施態様では、接触システムは、沖合設備上又は該設備に連結している。接触システム100での原油原料と触媒との接触は、連続式又はバッチ式であってよい。
【0081】
接触帯は、1種以上(例えば2種)の触媒を含有してよい。幾つかの実施態様では、原油原料と2種の触媒のうちの最初の触媒との接触で、原油原料中の有機酸金属塩の金属を減少できる。金属塩を減少した原油原料と第二触媒との次の接触は、MCR含有量及び/又はヘテロ原子含有量を低下できる。他の実施態様では、原油原料と1種以上の触媒との接触後、原油生成物のTAN、粘度、Ni/V/Fe含有量、ヘテロ原子含有量、残留物含有量、API比重、又はこれら特性の組合わせは、原油原料の同じ特性に比べて、10%以上変化する。
【0082】
特定の実施態様では、接触帯における触媒の容積は、接触帯中の原油原料の全容積に対し、約10〜約60容量%、約20〜約50容量%又は約30〜約40容量%の範囲である。幾つかの実施態様では、触媒と原油原料とのスラリーは、触媒を、接触帯中の原油原料100g当たり約0.001〜約10g、約0.005〜約5g、又は約0.01〜約3g含有する。
【0083】
接触帯での接触条件としては、限定されるものではないが、温度、圧力、水素源の流れ、原油原料流、又はそれらの組合わせが挙げられる。幾つかの実施態様では接触条件は、特定の特性を有する原油生成物を製造するため、制御される。接触帯の温度は、約50〜約500℃、約60〜約440℃、約70〜約430℃、又は約80〜約420℃の範囲であってよい。接触帯の圧力は、約0.1〜約20MPa、約1〜約12MPa、約4〜約10MPa、又は6〜8MPaの範囲であってよい。原油原料のLHSVは、一般に約0.05〜約30h−1、約0.5〜約25h−1、約1〜約20h−1、約1.5〜約15h−1、又は約2〜約10h−1の範囲である。幾つかの実施態様ではLHSVは、5h−1以上、11h−1以上、15h−1以上、又は20h−1以上である。幾つかの実施態様では全圧は、18MPa以下、16MPa以下、14MPa以下、12MPa以下、10MPa以下、又は8MPa以下である。特定の実施態様では温度は、430℃以下、420℃以下、410℃以下、又は400℃以下である。
【0084】
水素源をガス(例えば水素ガス)として供給する場合、ガス状水素源対原油原料の比が、通常、約0.1〜約100,000Nm/m、約0.5〜約10,000Nm/m、約1〜約8,000Nm/m、約2〜約5,000Nm/m、約5〜約3,000Nm/m、又は約10〜約800Nm/mの範囲で触媒と接触させる。幾つかの実施態様では水素源は、担体ガスと組合わせて、接触帯に再循環させる。担体ガスは、例えば窒素、ヘリウム及び/又はアルゴンであってよい。担体ガスは、接触帯での原油原料の流れ及び/又は水素源の流れを容易にする。担体ガスは、接触帯での混合も増進する可能性がある。幾つかの実施態様では水素源(例えば水素、メタン又はエタン)を担体ガスとして使用し、接触帯に再循環させてよい。
【0085】
水素源は、原油原料導管104内の原油原料と並流で、又はガス導管106経由で別途に上流接触帯102に入れてよい。上流接触帯102では、原油原料と触媒との接触により、原油生成物を含む全生成物、及び幾つかの実施態様では、ガスを生成する。幾つかの実施態様では、担体ガスは原油原料及び/又は導管106中の水素源と組み合わせる。全生成物は、上流接触帯102を出て、全生成物導管110経由で下流分離帯108に入ってよい。
【0086】
下流分離帯108では、公知の分離技術、例えば気液分離を用いて、全生成物から原油生成物及びガスを分離できる。原油生成物は、原油生成物導管112経由で下流分離帯108を出た後、輸送キャリヤー、パイプライン、貯蔵容器、製油所、その他の処理帯、又はそれらの組合わせに輸送できる。ガスとしては、処理中に生成したガス(例えば硫化水素、二酸化炭素、及び/又は一酸化炭素)、過剰のガス状水素源、及び/又は担体ガスが挙げられる。過剰ガスは、接触システム100に再循環し、精製し、他の処理帯、貯蔵容器、又はそれらの組合わせに輸送してよい。
【0087】
幾つかの実施態様では、全生成物を製造するための原油原料と触媒との接触は、2つ以上の接触帯で行われる。全生成物を分離して、原油生成物及びガスを生成できる。
図2及び図3は、2つ又は3つの接触帯を有する接触システム100の実施態様の概略図である。図2A、2Bにおいて、接触システム100は上流接触帯102及び下流接触帯114を有する。図3A、3Bでは、接触帯102、114、116を有する。図2A、3Aでは、接触帯102、114、116は一反応器中で別々の接触帯として示す。原油原料は原油原料導管104経由で上流接触帯102に入る。
【0088】
幾つかの実施態様では、担体ガスはガス導管106中の水素源と組合わせ、混合物として接触帯中に導入される。特定の実施態様では、図1、3A、3Bに示すように、水素源及び/又は担体ガスはガス導管106経由で別途に、及び/又は例えばガス導管106’経由の原油原料流とは反対方向で、原油原料と一緒に1つ以上の接触帯に入れてよい。原油原料流とは反対に水素源及び/又は担体ガスを加えると、原油原料と触媒との混合及び/又は接触を増進できる。
【0089】
上流接触帯102での原油原料と触媒との接触により原料流が生成する。原料流は、上流接触帯102から下流接触帯114に流れる。図3A、3Bでは、原料流は下流接触帯114から追加の下流接触帯116に流れる。
【0090】
接触帯102、114、116は、1種以上の触媒を含有してよい。図2Bに示すように、原料流は原料流導管118経由で上流接触帯102を出て、下流接触帯114に入る。図3Bに示すように、原料流は導管118経由で下流接触帯114を出て、追加の下流接触帯116に入る。
【0091】
原料流は、下流接触帯114及び/又は追加の下流接触帯116中で追加の触媒と接触して、全生成物を生成できる。全生成物は下流接触帯114及び/又は追加の下流接触帯116を出て、全生成物導管110経由で下流分離帯108に入る。全生成物からは原油生成物及び/又はガスが分離される。原油生成物は、原油生成物導管112経由で下流分離帯108を出る。
【0092】
図4は、接触システム100上流の分離帯の一実施態様の概略図である。不利な原油(トッピングしたものでも、しないものでもよい)は、原油導管122経由で上流分離帯120に入る。上流分離帯120では、当該技術分野で公知の分離技術(例えばスパージング(sparging)、膜分離、減圧、濾過又はそれらの組合わせ)を用いて、不利な原油の少なくとも一部を分離して、原油原料が生成する。例えば上流分離帯120では不利な原油から水を少なくとも一部分離できる。他の例は、上流分離帯120では不利な原油から、沸点範囲分布が95℃未満又は100℃未満の成分が少なくとも一部分離して、原油原料を生成できる。幾つかの実施態様では、不利な原油からナフサ及びナフサよりも揮発しやすい化合物の少なくとも一部が分離される。幾つかの実施態様では、これら分離した成分の少なくとも一部は、導管124経由で上流分離帯120を出る。
【0093】
上流分離帯120で得られた原油原料は、幾つかの実施態様では、沸点範囲分布が100℃以上の複数成分の混合物、或いは幾つかの実施態様では、沸点範囲分布が120℃以上の複数成分の混合物を含有する。通常、分離した原油原料は、沸点範囲分布が約100〜約1000℃、約120〜約900℃、又は約200〜約800℃の複数成分の混合物を含有する。原油原料の少なくとも一部は、上流分離帯120を出て、追加の原油原料導管126経由で接触システ100(例えば図1〜3の接触帯参照)に入り、更に処理されて、原油生成物を生成する。幾つかの実施態様では、上流分離帯120は脱塩ユニットの上流又は下流に配置できる。特定の実施態様では、上流分離帯120は、ビチュメン、オイルシェール及び/又はタールサンド用乾留プロセスの下流に配置できる。処理後、原油生成物は原油生成物導管112経由で接触システム100を出る。
【0094】
幾つかの実施態様では原油生成物は、原油原料と同じか又は異なる原油とブレンドされる。例えば原油生成物は、異なる粘度を有する原油と組合わされて、原油生成物の粘度と原油の粘度との間の粘度を有するブレンド生成物を得ることができる。他の例では、原油生成物は、TAN含有量及び/又はMCR含有量の異なる原油とブレンドして、原油生成物と原油との間のTAN含有量及び/又はMCR含有量を有する生成物を得ることができる。このようなブレンド生成物は、輸送及び/又は処理用に好適かも知れない。
【0095】
図5に示すように、特定の実施態様では、原油原料は、原油原料導管104経由で接触システム100には入り、得られる原油生成物の少なくとも一部は、導管128経由で接触システム100を出た後、配合帯130に導入される。配合帯130では原油生成物の少なくとも一部は、1種以上のプロセス流(例えば1種以上の原油原料の分離で生じたナフサのような炭化水素流)、原油、原油原料又はそれらの混合物と配合されて、ブレンド生成物が生成する。プロセス流、原油原料、原油、又はそれらの混合物は、配合帯130に直接、又は流れ導管132経由でこのような配合帯の上流に導入される。配合帯130の中又は近くに混合システムを設けてもよい。ブレンド生成物は、製油所及び/又は輸送キャリヤーにより指定された製品規格に適合するかも知れない。製品規格としては、限定されるものではないが、API比重、TAN、粘度又はそれらの組合わせの範囲又は限界値が挙げられる。ブレンド生成物は、輸送又は処理のため、ブレンド導管134経由で配合帯130を出る。
【0096】
図6では、不利な原油は、原油導管122から上流分離帯120に入り、前述のように分離されて、原油原料を形成する。次いで原油原料は、追加の原油原料導管126から接触システム100に入る。不利な原油から分離された少なくとも幾つかの成分は、導管124経由で分離帯120を出る。原油生成物の少なくとも一部は、接触システム100を出て、原油生成物導管128から配合帯130に入る。その他のプロセス流及び/又は原油は配合帯130に直接、又は流れ導管132経由で入り、原油生成物と配合されて、ブレンド生成物を形成する。ブレンド生成物は、ブレンド導管134経由で配合帯130を出る。
【0097】
幾つかの実施態様では、原油生成物及び/又はブレンド生成物は、製油所に輸送され、蒸留及び/又は精留されて、1種以上の蒸留物フラクションを形成する。蒸留物フラクションは、輸送用燃料、潤滑剤又は化学薬品のような工業製品を製造するため、処理してよい。
【0098】
幾つかの実施態様では原油原料と触媒との接触後、得られる原油生成物のTANは、原油原料のTANに対し90%以下、50%以下、30%以下又は10%以下である。特定の実施態様では原油生成物のTANは、1以下、0.5以下、0.3以下、0.2以下、0.1以下、又は0.05以下である。原油生成物のTANは、多くの場合、0.0001以上であり、更に多くの場合、0.001以上である。幾つかの実施態様では、原油生成物のTANは、約0.001〜約0.5、約0.01〜約0.2、又は約0.05〜約0.1の範囲であってよい。
【0099】
幾つかの実施態様では原油生成物の合計Ni/V/Fe含有量は、原油原料の合計Ni/V/Fe含有量に対し90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、5%以下、又は3%以下である。特定の実施態様では原油生成物中の合計Ni/V/Fe含有量は、原油生成物1g当たり約1×10−7〜約5×10−5g、約3×10−7〜約2×10−5g、又は約1×10−6〜約1×10−5gの範囲である。特定の実施態様では原油生成物のNi/V/Fe含有量は、原油生成物1g当たり2×10−5g以下である。幾つかの実施態様では原油生成物の合計Ni/V/Fe含有量は、原油原料の合計Ni/V/Fe含有量に対し約70〜約130%、約80〜約120%、又は約90〜約110%の範囲である。
【0100】
幾つかの実施態様では原油生成物における有機酸金属塩中の金属の合計含有量は、原油原料における有機酸金属塩中の金属の合計含有量に対し90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。幾つかの実施態様では有機酸金属塩中の金属の合計含有量は、原油原料における有機酸金属塩中の金属の合計含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である。一般に金属塩を形成する有機酸としては、限定されるものではないが、カルボン酸、チオール、イミド、スルホン酸及びスルホネートが挙げられる。カルボン酸の例としては、限定されるものではないが、ナフテン酸、フェナントレン酸及び安息香酸が挙げられる。金属塩の金属部分としては、アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム)、第12欄金属(例えば亜鉛、カドミウム)、第15欄金属(例えば砒素)、第6欄金属(例えばクロム)又はそれらの混合物が挙げられる。
【0101】
幾つかの実施態様では原油生成物における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計含有量は、原油原料における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計含有量に対し90%以下、80%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。幾つかの実施態様では有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計含有量は、原油原料における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である。
【0102】
特定の実施態様では原油生成物における1種以上の有機酸の亜鉛塩の合計含有量は、原油原料における1種以上の有機酸の亜鉛塩の合計含有量に対し90%以下、80%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。幾つかの実施態様では原油生成物における有機酸の亜鉛塩の合計含有量は、原油原料における有機酸の亜鉛塩の合計含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である。
【0103】
幾つかの実施態様では原油生成物における有機酸金属塩中のクロム及び/又は砒素の合計含有量は、原油原料における有機酸金属塩中のクロム及び/又は砒素の合計含有量に対し90%以下である。
特定の実施態様では原油生成物における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量は、原油原料における有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量は、原油生成物1g当たり約1×10−7〜約5×10−5g、約5×10−7〜約1×10−5g、又は約1×10−6〜約5×10−6gの範囲である。
【0104】
特定の実施態様では、接触条件下で原油原料と触媒との接触により製造された原油生成物のAPI比重は、原油原料のAPI比重に対し約70〜約130%、約80〜約120%、約90〜約110%、又は約100〜約130%の範囲である。特定の実施態様では原油生成物のAPI比重は、約14〜約40、約15〜約30、又は約16〜約25である。
【0105】
特定の実施態様では原油生成物の粘度は、原油原料の粘度に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。幾つかの実施態様では原油生成物の粘度は原油原料の粘度に対し90%以下であるが、原油生成物のAPI比重は原油原料のAPI比重に対し約70〜約130%、約80〜約120%、又は約90〜約110%の範囲である。
【0106】
幾つかの実施態様では原油生成物の合計ヘテロ原子含有量は、原油原料の合計ヘテロ原子含有量に対し90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。特定の実施態様では原油生成物の合計ヘテロ原子含有量は、原油原料の合計ヘテロ原子含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。
【0107】
幾つかの実施態様では原油生成物の硫黄含有量は、原油原料の硫黄含有量に対し90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。特定の実施態様では原油生成物の硫黄含有量は、原油原料の硫黄含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。
【0108】
幾つかの実施態様では原油生成物の合計窒素含有量は、原油原料の合計窒素含有量に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下であってよい。特定の実施態様では原油生成物の合計窒素含有量は、原油原料の合計窒素含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。特定の実施態様では原油生成物の合計窒素含有量は、原油原料の合計窒素含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である。幾つかの実施態様では原油生成物の合計窒素含有量は、原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.05g、約0.0001〜約0.01g、又は約0.0005〜約0.001gの範囲である。
【0109】
幾つかの実施態様では原油生成物の塩基性窒素含有量は、原油原料の塩基性窒素含有量に対し95%以下、90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下である。特定の実施態様では、原油生成物の塩基性窒素含有量は、原油原料の塩基性窒素含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。
【0110】
幾つかの実施態様では、原油生成物の酸素含有量は、原油原料の酸素含有量に対し90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下であってよい。特定の実施態様では原油生成物の酸素含有量は、原油原料の酸素含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。幾つかの実施態様では原油生成物中のカルボン酸化合物の合計含有量は、原油原料中のカルボン酸化合物の合計含有量に対し90%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は5%以下であってよい。特定の実施態様では、原油生成物中のカルボン酸化合物の合計含有量は、原油原料中のカルボン酸化合物の合計含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。
【0111】
幾つかの実施態様では、選択した有機酸素化合物を原油原料中で減少させてよい。幾つかの実施態様では、カルボキシル非含有有機酸素化合物の前に、カルボン酸及び/又はカルボン酸金属塩を化学的に減少させてよい。原油生成物中のカルボン酸含有−及びカルボキシル非含有−有機酸素化合物は、一般に公知の分光分析法(例えば赤外線分析、質量分析、及び/又はガスクロマトグラフィ)を用いた原油生成物の分析により区別できる。
【0112】
特定の実施態様では原油生成物の酸素含有量は、原油原料の酸素含有量に対し90%以下、80%以下、70%以下、又は50%以下であり、また原油生成物のTANは、原油原料のTANに対し90%以下、70%以下、50%以下、40%以下、又は30%以下である。特定の実施態様では、原油生成物の酸素含有量は、原油原料の酸素含有量に対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上であり、また原油生成物のTANは、原油原料のTANに対し1%以上、30%以上、80%以上、又は99%以上である。
【0113】
更に原油生成物中のカルボン酸及び/又はカルボン酸金属塩の含有量は、原油原料中のカルボン酸及び/又はカルボン酸金属塩の含有量に対し90%以下、70%以下、50%以下、又は40%以下であり、また原油生成物中のカルボン酸非含有有機酸素化合物の含有量は、原油原料中のカルボン酸非含有有機酸素化合物の含有量に対し約70〜約130%、約80〜約120%、又は約90〜約110%の範囲内であってよい。
【0114】
幾つかの実施態様では原油生成物は、分子構造中に水素を原油生成物1g当たり約0.05〜約0.15g又は約0.09〜約0.13g含有する。原油生成物は、分子構造中に炭素を原油生成物1g当たり約0.8〜約0.9g又は約0.82〜約0.88g含有してよい。原油生成物の水素原子対炭素原子(H/C)の比は、原油原料のH/C原子比に対し約70〜約130%、約80〜約120%、又は約90〜約110%の範囲内であってよい。原油原料のH/C原子比に対し原油生成物のH/C原子比が約10〜約30%以内であれば、このプロセスでの水素の吸収及び/又は消費が比較的少なく、及び/又は水素が現場で生成することを示す。
【0115】
原油生成物は、或る沸点範囲の成分を含有する。幾つかの実施態様では原油生成物は、原油生成物1g当たり、沸点範囲分布が0.101MPaで100℃以下の炭化水素を0.001g以上、又は約0.001〜約0.5g;沸点範囲分布が0.101Mpaで約100〜約200℃の炭化水素を0.001g以上、又は約0.001〜約0.5g;沸点範囲分布が0.101Mpaで約200〜約300℃の炭化水素を0.001g以上、又は約0.001〜約0.5g;沸点範囲分布が0.101MPaで約300〜約400℃の炭化水素を0.001g以上、又は約0.001〜約0.5g ;及び沸点範囲分布が0.101MPaで約400〜約538℃の炭化水素を0.001g以上、又は約0.001〜約0.5g含有する。
【0116】
幾つかの実施態様では原油生成物は、原油生成物1g当たり、沸点範囲分布が0.101MPaで100℃以下の炭化水素を0.001g以上、及び/又は沸点範囲分布が0.101Mpaで約100〜約200℃の炭化水素を0.001g以上含有する。
幾つかの実施態様では原油生成物は、ナフサを原油生成物1g当たり0.001g以上又は0.01g以上含有してよい。他の実施態様では原油生成物は、ナフサを原油生成物
1g当たり0.6g以下又は0.8g以下の含有量で含有してよい。
【0117】
幾つかの実施態様では原油生成物の蒸留物含有量は、原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.5g、約0.001〜約0.3g、又は約0.002〜約0.2gの範囲である。
特定の実施態様では原油生成物のVGO含有量は、原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.8g、約0.001〜約0.5g、約0.005〜約0.4g、又は約0.01〜約0.3gの範囲である。
【0118】
幾つかの実施態様では原油生成物の残留物含有量は、原油原料の残留物含有量に対し90%以下、70%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である。特定の実施態様では、原油生成物の残留物含有量は、原油原料の残留物含有量に対し約70〜約130%、約80〜約120%、又は約90〜約110%の範囲である。原油生成物の残留物含有量は、原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.8g、約0.0001〜約0.5g、約0.0005〜約0.4g、約0.001〜約0.3g、約0.005〜約0.2g、又は約0.01〜約0.1gの範囲である。
【0119】
幾つかの実施態様では原油生成物のCアスファルテン含有量は、原油原料のCアスファルテン含有量に対し90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である。特定の実施態様では原油生成物のCアスファルテン含有量は、原油原料のCアスファルテン含有量に対し10%以上、60%以上、又は70%以上である。原油生成物のCアスファルテン含有量は、原油原料のCアスファルテン含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である。原油生成物は、幾つかの実施態様では、Cアスファルテンを原油生成物1g当たり約0.0001〜約0.1g、約0.005〜約0.08g、又は約0.01〜約0.05g含有する。
【0120】
特定の実施態様では原油生成物のMCR含有量は、原油原料のMCR含有量に対し90%以下、80%以下、50%以下、30%以下、又は10%以下である。幾つかの実施態様では、原油生成物のMCR含有量は、原油原料のMCR含有量に対し約0.1〜約75%、約0.5〜約45%、約1〜約25%、又は約2〜約9%の範囲である。原油生成物は、幾つかの実施態様では、Cアスファルテンを原油生成物1g当たり約0.00001〜約0.1g、約0.0001〜約0.05g、又は約0.001〜約0.005g含有する。
【0121】
幾つかの実施態様では、原油原料中の高粘度成分に対する原油生成物中の高粘度成分間の数学的関係を得るため、Cアスファルテン含有量とMCR含有量とを組合わせてもよい。例えば原油原料のMCR含有量と原油原料のCアスファルテン含有量との合計をSとし、原油生成物のMC含有量と原油生成物のCアスファルテン含有量との合計をS’とすれば、これらの合計を原油原料中の高粘度成分の総減量を評価するのに比較(S’対S)できる。原油生成物のS’は、Sに対し約1〜約99%、約10〜約90%、又は約20〜約80%の範囲であってよい。幾つかの実施態様では原油生成物のMCR含有量対Cアスファルテン含有量の比は、約1.0〜約3.0、約1.2〜約2.0、又は約1.3〜約1.9の範囲である。
【0122】
幾つかの実施態様では原油生成物は、触媒を原油生成物1g当たり、合計で、0gを超え0.01g未満、約0.000001〜約0.001g、又は約0.00001〜約0.0001g含有する。この触媒は、輸送及び/又は処理中、原油生成物の安定化を助ける。また触媒は、腐食及び摩擦を防止し、及び/又は原油生成物の水分離能力を向上できる。ここで説明した方法は、処理中、原油生成物に、ここで説明した1種以上の触媒を加えるように構成してもよい。
【0123】
接触システム100(図1〜6に示す)で製造された原油生成物は原油原料とは異なる特性を有する。このような特性としては、限定されるものではないが、a)TANの低下、b)粘度の低下、c)合計Ni/V/fe含有量の減少、d)硫黄、酸素、窒素又はそれらの組合わせ含有量の減少、e)残留物含有量の減少、f)Cアスファルテン含有量の減少,g)MCR含有量の減少、h)API比重の増大、i)有機酸金属塩中の金属含有量の減少、j)原油原料と比較した安定性の増大、k)又はそれらの組合わせが挙げられる。
【0124】
本発明の1つ以上の実施態様で使用される触媒は、1種以上の正味金属及び/又は支持体上に担持した金属を含有してよい。これらの金属は、元素状であっても金属化合物の形態であってもよい。ここで説明する触媒は、前駆体として接触帯中に導入し(例えば硫黄及び/又は硫黄含有原油原料を前駆体と接触させる場合)、次いで接触帯中で触媒として活性となってもよい。使用される触媒又は触媒の組合わせは、市販品であってもなくてもよい。使用される市販触媒の例としては、HDS22; HDN60; C234; C311; C344; C411; C424; C344; C444; C447; C454; C448; C524; C534; DN120; DN140; DN190; DN200; DN800; DC2118; DC2318; DC3100; DC3110; DN3300; DN3310; RC400; RC410; RN412; RN400; RN410; RN420; RN440; RN450; RN650; RN5210; RN5610; RN5650; RM430; RM5030; Z603; Z623; Z673; Z703; Z713; Z723; Z753;及びZ763(以上はCRI International,Inc.,米国テキサス州ヒューストンから得られる)が挙げられる。
【0125】
幾つかの実施態様では原油原料の特性変化に使用される触媒は、支持体上に第5〜10欄金属を含む。第5〜10欄金属としては、限定されるものではないが、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金、又はそれらの混合物が挙げられる。第5〜10欄金属の化合物としては、限定されるものではないが、第5〜10欄金属の酸化物、硝酸塩、アンモニウム塩、及び炭酸塩が挙げられる。第5〜10欄金属化合物の例としては、三酸化モリブデン、モリブデンアンモニウムオキシド、炭酸モリブデン、三酸化タングステン、酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸コバルト及び酸化コバルトが挙げられる。
【0126】
触媒の第5〜10欄金属の合計含有量は、触媒1g当たり0.0001g以上、0.001g以上、0.01g以上、0.3g以上、0.5g以上、0.6g以上、0.8g以上、又は0.9g以上の範囲であってよい。第5〜10欄金属の合計含有量は、触媒1g当たり約0.0001〜約0.99g、約0.0005〜約0.5g、約0.001〜約
0.3g、約0.005〜約0.2g、又は約0.01〜約0.1gの範囲であってよい。幾つかの実施態様では触媒は、第5〜10欄金属の他に第15欄元素を含有する。第15欄元素の例は燐である。触媒の第15欄元素の合計含有量は、触媒1g当たり約0.000001〜約0.1g、約0.00001〜約0.06g、約0.00005〜約0.03g、又は約0.0001〜約0.001gの範囲であってよい。他の実施態様では触媒は第15欄元素を含まない。
【0127】
幾つかの実施態様では触媒は、第6欄金属と第5欄金属及び/又は第7〜10欄金属との組合わせを含有する。第6欄金属対第5欄金属のモル比は約0.1〜約20、約1〜約10、又は約2〜約5の範囲であってよい。第6欄金属対第7〜10欄金属のモル比は約0.1〜約20、約1〜約10、又は約2〜約5の範囲であってよい。幾つかの実施態様では触媒は、第6欄金属と第5欄金属及び/又は第7〜10欄金属の1種以上との組合わせの他に、第15欄元素を含有する。他の実施態様では触媒は、第6欄金属と第10欄金属とを含有する。触媒中の合計第10欄金属対合計第6欄金属のモル比は、約1〜約10又は約2〜約5の範囲であってよい。特定の実施態様では触媒は、第5欄金属と第10欄金属とを含有する。触媒中の合計第10欄金属対合計第5欄金属のモル比は、約1〜約10又は約2〜約5の範囲であってよい。
【0128】
特定の実施態様では触媒は第6欄金属を含有する。触媒は、第6欄金属を合計で触媒1g当たり0.00001g以上、0.01g以上、0.02g以上、及び/又は約0.0001〜約0.6g、約0.001〜約0.3g、約0.005〜約0.2g、又は約0.01〜約0.1gの範囲であってよい。幾つかの実施態様では触媒は、触媒1g当たり、第6欄金属を約0.0001〜約0.2g約0.001〜約0.08g、又は約0.01〜約0.06g含有する。幾つかの実施態様では触媒は、第6欄金属の他に第15欄元素を含有する。
【0129】
幾つかの実施態様では触媒は、第6欄金属と第7〜10欄の1種以上の金属との組合わせを含有する。触媒は、第7〜10欄金属を合計で触媒1g当たり約0.0001〜約0.1g、約0.001〜約0.05g、又は約0.01〜約0.03gの範囲で含有してよい。特定の実施態様では触媒は、触媒1g当たりモリブデンを約0.01〜約0.15g及びニッケルを約0.001〜約0.05g含有する。触媒は、幾つかの実施態様では、鉄を触媒1g当たり約0.001〜約0.05g含有する。
【0130】
幾つかの実施態様では触媒は、触媒1g当たり、モリブデンを約0.01〜約0.15g、ニッケルを約0.001〜約0.05g、鉄を約0.001〜約0.05g、及び燐を約0.0001〜約0.05g含有する。
【0131】
幾つかの実施態様では第5〜10欄金属は、触媒を形成するため、支持体中に導入されるか、又は支持体上に沈着される。特定の実施態様では第5〜10欄金属は、第15欄元素と組合わせて支持体中に導入されるか、又は支持体上に沈着される。これらの金属及び/又は元素を担持する実施態様では、触媒の重量は、全支持体、全金属及び全元素を含む。支持体は多孔質であってよく、耐火性酸化物、多孔質炭素系材料、ゼオライト、又はそれらの組合わせが挙げられる。耐火性酸化物としては、限定されるものではないが、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム又はそれらの混合物が挙げられる。支持体は、市場のメーカー、例えばCriterion Catalysts and Technologies LP(米国テキサス州ヒューストン)から入手できる。多孔質炭素系材料としては、限定されるものではないが、活性炭及び/又は多孔質グラファイトが挙げられる。ゼオライトの例としては、Y−ゼオライト、βゼオライト、モルデナイトゼオライト、ZSM−5ゼオライト、及びフェリエライトゼオライトが挙げられる。ゼオライトは、市場のメーカー、例えばZeolyst(米国ペンシルバニア州Vallay Forge)から入手できる。支持体は、各種所望の特性に基づいて製造及び/又は選択してよい。特性の例としては、限定されるものではないが、細孔容積、平均細孔径、細孔容積分布、及び前記又は特定の細孔径範囲での細孔の割合(%)が挙げられる。
【0132】
幾つかの実施態様では支持体は、支持体の平均細孔径が90Å以上、110Å以上、130Å以上、150Å以上、170Å以上又は180Å以上となるように作られる。特定の実施態様では支持体は、支持体に水を配合し、ペーストを形成して作られる。幾つかの実施態様では、ペーストの押出しを助けるため、ペーストに酸が添加される。押出し可能なペーストに所望の稠度を付与するのに必要とするような量及び/又は方法で水及び希酸を加える。酸の例としては、限定されるものではないが、硝酸、酢酸、硫酸及び塩酸が挙げられる。
【0133】
ペーストは、一般に公知の触媒押出法及び触媒切断法を用いて押出し、切断し、押出物を形成してよい。押出物は、約65〜約260℃又は約85〜約235℃の温度範囲で所定時間(例えば約0.5〜約8時間)、熱処理し、及び/又は押出物の水分が所望水準に達するまで乾燥してよい。熱処理した押出物は、平均細孔径が150Å以上の支持体を形成するため、約800〜約1200℃又は約900〜約1100℃の範囲の温度で熱処理してよい。支持体は、細孔径を超える細孔容積分布を有する。幾つかの実施態様では支持体は、細孔径が350Å以上、400Å以上、500Å以上、又は1000Å以上か、或いは約350〜約5000Å、約400〜約1000Å、又は約500〜約900Åの範囲の細孔であって、支持体の合計細孔容積の15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、又は0.5%以下を与える細孔を有する。
【0134】
特定の実施態様では支持体は、γ−アルミナ、θ−アルミナ、δ−アルミナ、α−アルミナ、又はそれらの組合わせを含む。γ−アルミナ、δ−アルミナ、α−アルミナ、又はそれらの組合わせの量は、X線回折で測定して、触媒支持体1g当たり約0.0001〜約0.99g、約0.001〜約0.5g、約0.01〜約0.1gの範囲、又は0.1g以下であってよい。幾つかの実施態様では、支持体は、γ−アルミナを支持体1g当たり0.5g以上、0.8g以上、0.9g以上、又は0.95g以上含有する。特定の実施態様では、支持体はγ−アルミナを支持体1g当たり約0.5〜約0.99g、約0.6〜約0.9g、又は約0.7〜約0.8g含有する。特定の実施態様ではX線回折で測定した支持体のθ−アルミナ含有量は、単独で又は他の形態のアルミナとの組合わせで、支持体1g当たり約0.1〜約0.99g、約0.5〜約0.9g、又は約0.6〜約0.8gの範囲である。幾つかの実施態様では支持体は、θ−アルミナを、X線回折で測定して、支持体1g当たり0.1g以上、0.3g以上、0.5g以上、又は0.8g以上含有する。
【0135】
特定の実施態様では支持体は、シリカを支持体1g当たり0.2g以下、0.1g以下、0.08g以下、0.06g以下、0.05g以下、0.04g以下、0.03g以下、又は0.02g以下、又は0.01g以下含有する。特定の実施態様では支持体は、シリカを支持体1g当たり約0.001〜約0.2g、又は約0.01〜約0.1g含有する。
担持触媒は、一般に公知の触媒製造法を用いて製造される。触媒製造法の例は、Gabrielov等のUSP 6,218,333、Gabrielov等のUSP 6,290,841、Boon等のUSP 5,744,025、及びBhan等の米国特許出願公告No.2003/0111391に記載されている。
【0136】
幾つかの実施態様では支持体は、触媒を形成するため、金属を配合してよい。特定の実施態様では支持体は、金属を配合する前に、約400〜約1200℃、約450〜約1000℃、又は約600〜約900℃の範囲の温度で熱処理してよい。幾つかの実施態様では触媒の製造中、含浸助剤を使用してよい。含浸助剤の例としては、過酸化水素、有機酸、アミン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、アンモニア、又はそれらの混合物が挙げられる。有機酸としては、限定されるものではないが、クエン酸、酒石酸、蓚酸、マロン酸、リンゴ酸又はそれらの混合物が挙げられる。
【0137】
特定の実施態様では支持体は、pHが約以下の金属溶液を配合してよい。金属溶液のpHは約1〜約3、又は約1.5〜約2.5の範囲であってよい。金属溶液のpHを制御すると、支持体への金属の分散が容易になり得る。このようなpH制御条件を用いて分散又はほぼ分散した金属触媒は、原油原料を同一接触条件で処理するのに使用した場合、従来の触媒の寿命に比べて増大できる。
【0138】
金属溶液は第6欄金属を含有してよい。幾つかの実施態様では金属溶液は、第6欄金属を第7〜10欄金属と組合わせて含有してよい。特定の実施態様では金属溶液は、第15欄元素を第6欄金属と組合わせて、又は第6欄金属及び第7〜10欄金属と組合わせて含有してよい。
幾つかの実施態様では金属溶液は、鉱酸及び/又は有機酸を用いてpH3以下の所望のpHに調節してよい。鉱酸としては、限定されるものではないが、燐酸、硝酸、硫酸又はそれらの混合物が挙げられる。
【0139】
特定の実施態様では金属溶液は、異なるpHを有する1種以上の第6〜10欄金属溶液を配合して製造される。pHが約4〜約7、又は約5〜約6の範囲の第6〜10欄金属溶液を、pHが約0.1〜約4、又は約1〜約3の範囲の異なる第6〜10欄金属溶液と組合わせてもよい。幾つかの実施態様では第6〜10欄金属溶液は含浸助剤、鉱酸、有機酸、第15欄元素又はそれらの混合物を含有してよい。
【0140】
特定の実施態様では触媒は、支持体に複数の第5〜10欄金属を連続的に添加又は導入して形成してもよい(“上張り(overlaying)”)。ほぼ均一な金属濃度を有する支持体の上に金属を上張りすると、有利な触媒特性が得られることが多い。金属を各々上張り後、支持体を熱処理すると、触媒の触媒活性を向上しやすい。上張り法を用いた触媒の製造法は、Bhan等の米国特許出願公告No.2003/0111391に記載されている。
【0141】
幾つかの実施態様では支持体/第7〜10欄金属混合物は、支持体を1種以上の第7〜10欄金属と配合して製造される。一実施態様では得られた混合物は、第5〜10欄金属を支持体/第7〜10欄金属混合物1g当たり約0.01g〜約0.1g含有する。支持体/第7〜10欄金属混合物は、約50〜約100℃又は約60〜約90℃の範囲の温度で数時間熱処理し、次いで約400〜約700℃、約450〜約650℃、又は約500〜約600℃の範囲の温度で2時間熱処理してよい。得られた金属含有支持体は、完成触媒中の第6欄金属が触媒1g当たり0.3g以上、0.1g以上、又は0.08g以上で、また合計の第7〜10欄金属が触媒1g当たり約0.01〜約0.2g又は約0.05〜約0.1gとなるように、第6欄金属と、任意に追加量の第7〜10欄金属とを配合してよい。得られた触媒は、約50〜約100℃又は約60〜約90℃の範囲の温度で数時間熱処理し、次いで約350〜約500℃、又は約400〜約450℃の範囲の温度で2時間熱処理してよい。幾つかの実施態様では第15欄元素は、支持体/第7〜10欄金属混合物及び/又は第6欄金属と組合わせてよい。
【0142】
通常、第5〜10欄金属及び支持体は、好適な混合装置で混合し、第5〜10欄金属/支持体混合物を形成してよい。好適な混合装置の例としては、タンブラー、固定シェル又はトラフ、マラーミキサー(例えばバッチタイプ又は連続タイプ)、衝撃ミキサー、その他、支持体/第5〜10欄金属混合物が好適に得られる、一般に公知のミキサー又は装置が挙げられる。特定の実施態様では、第5〜10欄金属が支持体中にほぼ均一に分散するまでこれらの材料を混合する。
【0143】
幾つかの実施態様では、支持体と金属とを配合後、触媒は約150〜約750℃、約200〜約740℃、又は約400〜約730℃の温度出熱処理される。
【0144】
幾つかの実施態様では、第5〜10族金属の少なくとも一部が、対応する金属酸化物に転化するよう、揮発分を除去するため、触媒は、熱空気及び/又は酸素に富む空気の存在下、約400〜約1000℃の温度で熱処理してよい。
【0145】
しかし、他の実施態様では第5〜10欄金属を金属酸化物に転化することなく、大部分の揮発成分を除去するため、約35〜約500℃の範囲の温度で、1〜約3時間の範囲の時間、触媒は、空気の存在下、熱処理してもよい。このような方法で作った触媒は、一般に“未焼成”触媒と言われる。硫化法と組み合せて、この方法で触媒を作ると、活性金属は支持体上にほぼ分散できる。このような触媒の製造法は、Gabrielov等のUSP 6,218,333及びUSP 6,290,841に記載されている。
【0146】
特定の実施態様では、θ−アルミナ支持体/第5〜10欄金属混合物を形成するため、θ−アルミナ支持体は第5〜10族金属と配合してよい。θ−アルミナ支持体/第5〜10欄金属混合物は、中央値細孔径が230Å以上の細孔サイズ分布を有する触媒を形成するため、400℃以上の温度で熱処理してよい。通常、このような熱処理は1200℃以下の温度で行われる。
【0147】
幾つかの実施態様では原油原料の特性を変えるために使用される正味金属触媒は、1種以上の第6〜10欄金属を含有する。正味金属触媒の合計第6〜10欄金属含有量は、触媒1g当たり0.3g以上、0.5g以上、0.6g以上、0.8g以上、又は0.9g以上であってよい。合計第6〜10欄金属含有量は、触媒1g当たり約0.3〜約0.99g、約0.5〜約0.9g、又は約0.6〜約0.8gの範囲であってよい。
【0148】
幾つかの実施態様では触媒は、第6〜10欄金属の他に第15欄元素を含有する。正味金属触媒の合計第5欄元素含有量は、触媒1g当たり約0.000001〜約0.1g、約0.00001〜約0.06g、約0.00005〜約0.03g、又は約0.0001〜約0.001gの範囲であってよい。
【0149】
正味金属触媒は、幾つかの実施態様ではバインダーを含有してよい。バインダーは、シリカ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、第6〜10欄金属の酸化物、カーボン、ゼオライト又はそれらの混合物であってよい。特定の実施態様では触媒は、バインダーを触媒1g当たり0.2g以下、0.1g以下、0.05g以下、0.01g以下、又は0.005g以下含有する。
【0150】
正味金属触媒は、Aquedelo等のUSP 4,937,218;Soled等の
USP 6,162,350;Riley等のUSP 6,783,663;Demokos等の米国特許出願公告No.US2004/0182749及び同US2004/0235653;及びLandau等による“メチル置換ジベンゾチオフェンのヒドロ硫酸化:Fundamental Study of Routes to Deep Desulfurization”,Journal of Catalysts,1996,第159巻236〜235頁に記載されるようにして製造できる。
【0151】
幾つかの実施態様では1種以上の第6〜10欄金属の水スラリー又は他のプロトン性液体スラリーを約25〜約95℃の範囲の温度でアルカリ性化合物及びバインダーの水スラリーと接触させて、第6〜10欄金属/バインダースラリーを形成する。この第6〜10欄金属スラリーは、第6〜10欄金属をスラリー1g当たり0.01〜0.8g、0.02〜0.5g、又は0.05〜0.3g含有してよい。アルカリ化合物の量は、第6〜10欄金属の酸化物形態を基準として、第6〜10欄金属1モル当たり0.5モル以上、0.7モル以上、0.8モル以上、0.9モル以上又は2モル以上であってよい。幾つかの実施態様では、バインダーはシリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム又はそれらの混合物であってよい。
【0152】
第6〜10欄金属/バインダースラリーは、周囲温度及び/又はスラリー温度で或る時間(例えば10分以上、30分以上、又は240分以上)保持し、次いで、必要ならば冷却してよい。正味金属触媒は、約25〜約95℃、約55〜約90℃又は約70〜約80℃の範囲の温度で熱処理してよい。幾つかの実施態様では正味金属触媒は、約100〜約600℃、約120〜約400℃、又は300℃以下の範囲の温度で更に熱処理してよい。特定の実施態様では正味金属触媒は、粉末化し、造形し、及び/又は他の材料と組合わせてよい。
【0153】
正味金属触媒は粉末X線回折法を用いて特徴化できる。幾つかの実施態様では正味金属触媒は、第6〜10欄金属成分に割当てられる顕著な反射を示さない可能性がある。X線回折法で検出されるような顕著な反射は、正味金属触媒が非晶質又はほぼ非晶質であること示さないかも知れない。
【0154】
幾つかの実施態様では支持体(市販の支持体でも、或いはここで説明したようにして作った支持体でも)は、担持触媒及び/又は正味金属触媒と組合わせてよい。幾つかの実施態様では担持触媒は第15欄元素を含有してよい。例えば担持触媒及び/又は正味金属触媒は、平均粒度が約1〜約50μ、約2〜約45μ、又は約5〜約40μの粉末に転化してよい。この粉末は、埋込み金属触媒を形成するため、支持体と組合わせてよい。幾つかの実施態様では、中央値細孔径が約80〜約200Å、約90〜約180Å、又は約120〜約130Åの範囲の細孔サイズ分布を有する触媒を形成するため、前記粉末は支持体と組合わせた後、標準的な方法で押出してよい。触媒を支持体と組み合わせると、幾つかの実施態様では金属の少なくとも一部は、埋込み金属触媒(例えば支持体中に埋込む)の表面下に存在し、これにより埋込まない金属触媒の場合よりも表面上の金属を少なくできる。幾つかの実施態様では触媒表面上の金属が少ないと、接触中、金属の少なくとも一部が触媒表面に移動することにより、触媒の寿命及び/又は触媒活性が増大する。これらの金属は、触媒と原油原料との接触中、触媒表面の侵食により、触媒表面に移動する可能性がある。
【0155】
幾つかの実施態様では触媒は、細孔構造で特徴化できる。各種細孔構造のパラメーターとしては、限定されるものではないが、細孔径、細孔容積、表面積又はそれらの組合わせが挙げられる。触媒は、合計量の細孔サイズ対細孔径の分布を持ってよい。この細孔サイズ分布の中央値細孔径は、約30〜約1000Å、約50〜約500Å、又は約60〜約300Åの範囲であってよい。幾つかの実施態様では、触媒1g当たりγ−アルミナを0.5g以上含有する触媒は、中央値細孔径が約50〜約500Å、約60〜約200Å、約90〜約180Å、約100〜約140Å、又は約120〜約130Åの範囲の細孔サイズ分布を有する。他の実施態様では、触媒1g当たりθ−アルミナを0.1g以上含有する触媒は、中央値細孔径が約180〜約500Å、約200〜300Å、又は約230〜250Åの範囲の細孔サイズ分布を有する。このような中央値細孔径は、通常、1000Å以下である。
【0156】
幾つかの実施態様では細孔サイズ分布の中央値細孔径は、110Åを超え、120Å以上、130Å以上、140Å以上、150Å以上、200Å以上、又は250Å以上である。このような中央値細孔径は、通常、300Å以下である。細孔サイズ分布の中央値細孔径は、約115〜約290Å、約120〜190Å、約130〜180Å、又は約140〜160Åの範囲であってよい。
【0157】
幾つかの実施態様では、細孔サイズ分布を有する触媒は、細孔サイズ分布の中央値細孔径の約45Å以内、約35Å以内、約30Å以内、約25Å以内、又は約20Å以内の細孔径を有する細孔サイズ分布での全細孔数の60%以上有する。細孔サイズ分布の中央値細孔径が180Å以上、200Å以上、又は230Å以上である実施態様では、細孔サイズ分布での全細孔数の60%を超える細孔が中央値細孔径の約50Å以内、約70Å以内、又は約90Å以内の細孔径を有する。幾つかの実施態様では触媒は、中央値細孔径が約180〜約500Å、約200〜400Å、又は約230〜300Åの範囲の細孔サイズ分布を有すると共に、細孔サイズ分布中の全細孔数の60%以上が中央値細孔径の約50Å以内、約70Å以内、又は約90Å以内の細孔径を有する。
【0158】
幾つかの実施態様では細孔の細孔容積は、0.3cm/g以上、0.7cm/g以上又は0.9cm/g以上であってよい。特定の実施態様では、細孔の細孔容積は、約0.3〜約0.99cm/g、約0.4〜約0.8cm/g又は約0.5〜約0.7cm/gの範囲であってよい。幾つかの実施態様では、細孔径が350Å以上、400Å以上、500Å以上、1000Å以上、3000Å以上、又は5000Å以上の細孔は、触媒の合計細孔容積の10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、又は0.5%以下を与える。このような細孔径は、約350〜約5000Å、約400〜約1000Å、又は約500〜約900Åであってよい。このような細孔径を有する細孔により付与される合計細孔容積は、約0〜約9%、約0.1〜約5%、又は約0.5〜約1%の範囲であってよい。
【0159】
中央値細孔径が約60〜約500Åの範囲の細孔サイズ分布を有する触媒は、幾つかの実施態様では100m/g以上、120m/g以上、170m/g以上、220m/g以上、又は270m/g以上の表面積を有する。このような表面積は約100〜約300m/g、約120〜約270m/g、約130〜約250m/g、又は約170〜約220m/gの範囲であってよい。特定の実施態様では造形正味金属触媒の表面積は、30m/g以上、60m/g以上、又は約10〜約350m/gの範囲である。
【0160】
幾つかの実施態様では正味金属触媒、担持触媒及び/又は触媒前駆体は、当該技術分野で公知の技術(例えばACTICAT(商標)法、CRI International,Inc.)を用いて金属硫化物(使用前)を形成するため、硫化される。幾つかの実施態様では触媒及び/又は触媒前駆体は、乾燥後、硫化してよい。或いは触媒又は触媒前駆体は、硫黄含有化合物を含む原油原料と現場で接触させて硫化してもよい。現場硫化は、水素の存在下にガス状硫化水素、又は有機硫黄化合物(アルキルスルフィド、ポリスルフィド、チオール、及びスルホキシド等)のような液相硫化剤を利用してもよい。現場外(ex-situ)硫化方法が等のSeamans等のUSP 5,468,372及びSeam
ans等のUSP 5,688,736に記載されている。
【0161】
特定の実施態様では第一タイプの触媒(“第一触媒”)は、θ−アルミナ支持体と組合わせた第5〜10欄金属を含む。第一触媒は、中央値細孔径が180Å以上、220Å以上、230Å以上、250Å以上、300Å以上、又は500Å以下の細孔サイズ分布を有する。支持体は、θ−アルミナを支持体1g当たり0.1g以上、0.5g以上、0.9g以上、又は0.999g以下含有してよい。幾つかの実施態様では支持体のα−アルミナ含有量は、触媒1g当たり0.1g未満である。触媒は、幾つかの実施態様では第6欄金属を触媒1g当たり0.1g以下及び0.0001g以上含有する。幾つかの実施態様では第6欄金属はモリブデン及び/又はタングステンである。幾つかの実施態様では第一触媒は第5欄金属を含有してよい。第一触媒は、有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の除去を考慮できる。第一触媒は、一般に有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一部を除去して、原油原料の粘度及び/又は表面張力を低下できる。これにより、得られる原油原料は、第一触媒の後に配置された触媒と一層容易に接触可能となる。
【0162】
特定の実施態様では第二タイプの触媒(“第二触媒”)は、支持体と組合わせた第6〜10欄金属を含有する。第二触媒の中央値細孔径は110Åを超える。第二触媒は細孔径が350Å以上の細孔を有し、このような細孔は第二触媒の細孔容積の10%以下を与える。第二触媒は、幾つかの実施態様では第6欄金属を第二触媒1g当たり、合計含有量として約0.0001〜約0.3gの範囲、第7〜10欄金属を合計含有量として約0.0001〜約0.1gの範囲、及び第15欄元素を合計含有量として約0.00001〜約0.1gの範囲で含有する。特定の実施態様では第二触媒は、γ−アルミナを支持体1g当たり0.9g以上含有する。第二触媒は、一般に原油原料から熱崩壊の一因となる原油原料の成分(MCRで測定)の少なくとも一部、有機窒素含有化合物の少なくとも一部、及び原油原料からCアスファルテンの少なくとも一部を除去できる。第二触媒は、幾つかの実施態様では残留物の少なくとも一部、Ni/Fe/Vの少なくとも一部、高粘度の一因となる成分の少なくとも一部、及び/又は低API比重の一因となる成分の少なくとも一部も除去する。
【0163】
幾つかの実施態様では第三タイプの触媒(“第三触媒”)は、約250Åの中央値細孔径を有する。第三触媒は細孔径が350Å以上の細孔を有し、このような細孔は第三触媒の細孔容積の10%以下を与える。第三触媒は、一般に原油原料から熱崩壊の一因となる原油原料の成分(MCRで測定)の少なくとも一部、ヘテロ原子含有化合物の少なくとも一部、及び/又はCアスファルテンの少なくとも一部を除去できる。第三触媒は、幾つかの実施態様では高粘度及び/又は低低API比重の一因となる成分も除去する。
【0164】
幾つかの実施態様では第二触媒は、選択された中央値細孔径を有すると共に、細孔容積の10%以下、5%以下、3%以下、又は1%以下を与える選択された細孔径の細孔を有する。これらの触媒は、原油原料のCアスファルテン含有量の低下、及び/又は原油原料中の熱崩壊の一因となる成分(MCRで測定)の少なくとも一部の低下を増進する。選択された中央値細孔径及び選択された細孔容積を有する触媒を使用してこれら化合物を低下することにより、触媒の数は最小限となる。通常、原油原料は、Cアスファルテン及び/又は熱崩壊の一因となる成分を除去するため、まず触媒活性が比較的低い従来の触媒で処理される。これらの従来触媒は、一般に比較的大部分のCアスファルテン及び/又は他の成分を触媒の細孔に入れ、充満させることにより、Cアスファルテン及び/又は及び/又は他の成分を除去する。細孔が充満すると、Cアスファルテン及び/又は他の成分は原油原料から物理的に除去できる。いったん細孔が充満し、及び/又は詰ると、従来触媒の寿命は低下する。選択された中央値細孔径及び選択された細孔容積を有する触媒は、もしあれば、Cアスファルテン及び/又は熱崩壊の一因となる成分の部分を制限することにより、Cアスファルテン及び/又は熱崩壊の一因となる成分を除去する。したがって、触媒の寿命は、Cアスファルテン及び/又は他の部分との接触により低下し得ない。
【0165】
幾つかの実施態様では第二触媒及び/又は第三触媒は、有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一部を除去できる。特定の実施態様では第二触媒及び/又は第三触媒は、原油原料の粘度及び/又は表面張力を増大させる化合物形成の一因となる有機酸金属塩中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一部を除去できる。幾つかの実施態様では第二触媒及び/又は第三触媒は、原油原料の比較的高い粘度の一因となる化合物の少なくとも一部を除去できる。
【0166】
幾つかの実施態様では第四タイプの触媒(“第四触媒”)は、支持体と第6欄金属とを組合わせて触媒前駆体を形成することにより得られる。通常、触媒前駆体は、100℃以上で約2時間加熱される。特定の実施態様では第四触媒は、第15欄元素を、第四触媒1g当たり約0.001〜約0.03g、約0.005〜約0.02g、又は約0.008〜約0.01の範囲の含有量で含有する。第四触媒は、ここで説明したように原油原料の処理に使用すると、充分な活性及び安定性を示すことができる。幾つかの実施態様ではこの触媒前駆体は、1種以上の硫黄化合物の存在下、500℃未満の温度で加熱される。第四触媒は、一般に原油原料から窒素含有化合物の一部を除去できる。窒素含有化合物の除去により、原油原料の腐食性に比べて、原油原料の腐食性は低下する。第四触媒は、原油原料のTANの一因となる成分の少なくとも一部、有機酸金属塩の金属の少なくとも一部、Ni/Fe/Vの少なくとも一部、及び/又は高粘度の一因となる成分の少なくとも一部を除去できる。
【0167】
第四触媒は、幾つかの実施態様では原油原料及び/又は全生成物の安定性を維持しながら、原油原料のMCR含有量の少なくとも1種を低下できる。特定の実施態様では第四触媒は、第6欄金属を、第四触媒1g当たり約0.0001〜約0.1g、約0.005〜約0.05g、又は約0.001〜約0.01gの範囲の含有量、及び第10欄金属を、第四触媒1g当たり約0.0001〜約0.05g、約0.005〜約0.03g、又は約0.001〜約0.01gの範囲の含有量で含有する。第四触媒は、約300〜500℃、又は約350〜450℃の範囲の温度及び約0.1〜約20MPa、約1〜約10MPa、又は約2〜約8MPaの範囲の圧力で原油原料のMCRの一因となる成分の少なくとも一部の低下を容易にする。
【0168】
特定の実施態様では第五タイプの触媒(“第五触媒”)は正味金属触媒であってよい。第五触媒は、第6〜10欄金属を第五触媒1g当たり0.3g以上含有する。特定の実施態様では第五触媒はバインダーも含有する。第五触媒は、幾つかの実施態様では第6欄金属を第9欄金属及び/又は第10欄金属と組合わせて含有する。第五触媒は、一般に熱崩壊の一因となる成分(MCRで測定)の少なくとも一部を除去できる。第五触媒は、幾つかの実施態様ではCアスファルテンの少なくとも一部、ヘテロ原子含有有機化合物の少なくとも一部、合計Ni/V/Feの少なくとも一部、高粘度の一因となる成分の少なくとも一部、及び/又は低APIの一因となる成分の少なくとも一部も除去できる。
【0169】
第一触媒、第二触媒、第三触媒、第四触媒及び第五触媒は、原油原料との接触中、370℃以上、380℃以上、390℃以上、400℃以上、又は420℃以上の温度、及び8Nm/m以上、10Nm/m以上、又は14Nm/m以上の圧力で3ヶ月以上、6ヶ月以上、又は1年以上安定かも知れない。
【0170】
幾つかの実施態様では原油原料は、第一触媒との接触に続いて追加の触媒と接触させてよい。追加の触媒は、以下の触媒:第二触媒、第三触媒、第四触媒、第五触媒、ここで説明した市販の触媒、又はそれらの組合わせであってよい。
第一触媒、第二触媒、第三触媒、第四触媒及び第五触媒の他の実施態様は、特にここで説明したように、作る、及び/又は使用してよい。
【0171】
本出願の触媒を選択すると共に、操作条件を制御すると、原油原料に比べてMCR含有量、窒素含有量、有機酸金属塩の金属含有量、及び/又は選択された特性が変化した原油
生成物を製造できる。得られた原油生成物は、原油原料に比べて特性が向上し、こうして輸送及び/又は精製に一層適格となる可能性がある。
【0172】
2種以上の触媒を選択された順序で配列すれば、原油原料の特性改良順序を制御できる。例えば原油原料で有機金属塩中の金属は、原油原料中のMCR及び/又はヘテロ原子の一因となる成分の少なくとも一部を低下する前に、除去できる。
【0173】
触媒の配列及び/又は選択により、幾つかの実施態様では触媒の寿命及び/又は原油原料/全生成物混合物の安定性を向上できる。触媒の寿命及び/又は原油原料/全生成物混合物の安定性の向上により、接触帯中で触媒を交換することなく、接触システムは3ヶ月以上、6ヶ月以上、又は1年以上操作可能となる。触媒の寿命は、特定生成物の規格が維持されるように他の接触条件は比較的一定にしたまま、接触帯の温度変化を測定して決定できる。処理に必要な初期温度よりも約15℃、約13℃、又は約10℃高い温度の上昇が必要ならば、触媒の有効性が低下したことを示す可能性がある。
【0174】
選択した触媒の組合わせにより、原油原料/全生成物混合物の安定性を維持しながら(例えば原油のP値を1.5より高く維持しながら)、原油原料の他の特性を変化させる前の原油原料から、MCR含有量の少なくとも一部、Ni/V/Feの少なくとも一部、Cアスファルテンの少なくとも一部、有機酸金属塩の金属の少なくとも一部、TANの一因となる成分の少なくとも一部、残留物の少なくとも一部、又はそれらの組合わせを低下することが可能である。或いは原油原料と選択した触媒との接触により、Cアスファルテン、TAN及び/又はAPI比重を漸増的に低下できる。原油原料の特性を漸増的及び/又は選択的に変化させる能力により、処理中、原油原料/全生成物混合物の安定性が維持できる。
【0175】
幾つかの実施態様では第一触媒には、有機酸金属塩の金属の少なくとも一部を除去させる。例えば原油原料に比べて原油原料/全生成物混合物中の有機酸金属塩の金属の少なくとも一部を低下すると、下流に配置された他の触媒の詰まりを防止し、こうして触媒を交換することなく、接触システムの操作可能な時間を延長する。有機酸金属塩の金属の少なくとも一部を除去すると、幾つかの実施態様では第一触媒の後に配置した1種以上の触媒の寿命が増大する。
【0176】
第二触媒、第三触媒及び/又は第四触媒は、第一触媒の下流に配置してよい。原油原料/全生成物混合物と第二触媒、第三触及び/又は第四触媒とを更に接触させることにより、更にMCR含有量が低下し、Ni/V/Fe含有量が減少し、硫黄含有量が減少し、酸素含有量が減少し、粘度が低下し、及び/又は更に有機酸金属塩の金属含有量が減少できる。
【0177】
幾つかの実施態様では第五触媒は市販触媒の下流に配置してよい。市販の触媒は、原油原料中のNi/V/Feの少なくとも一部を除去するのに使用される。原油原料/全生成物混合物と第五触媒とを更に接触させることにより、更にMCR含有量が低下し、硫黄含有量が減少し、窒素含有量が低下し、及び/又は酸素含有量が減少する。
【0178】
幾つかの実施態様では、接触条件の制御(例えば温度及び/又は原油原料の流量)と組合わせた、触媒の選択及び/又は複数触媒の順序は、原油原料による水素吸収量を減少させ、処理中、原油原料/全生成物混合物の安定性を維持すると共に、原油生成物の1つ以上の特性を原油原料のそれぞれの特性と比べて変化させるのに助けとなるかも知れない。原油原料/全生成物混合物の安定性は、原油原料/全生成物混合物から分離する種々の相により影響を受ける可能性がある。相分離は、例えば原油原料/全生成物混合物に原油原料及び/又は全生成物混合物が溶解しないこと、原油原料/全生成物混合物からアスファルテンが凝集すること、原油原料/全生成物混合物中で成分が沈澱すること、又はそれらの組合わせによるのかも知れない。
【0179】
接触中、特定の時間で原油原料及び/又は全生成物混合物の濃度が変化するかも知れない。原油原料/全生成物混合物中の全生成物の濃度が全生成物の生成により変化すると、原油原料/全生成物混合物中の原油原料の成分及び/又は全生成物の成分の溶解性が変化する傾向がある。例えば原油原料は、処理の初期には、原油原料に可溶の成分を含有する可能性がある。原油原料の特性(例えばTAN、MCR、Cアスファルテン、P値、又はそれらの組合わせ)が変化すると、これらの成分は、原油原料/全生成物混合物への溶解性が低下しやすくなるかも知れない。幾つかの例では、原油原料及び全生成物は、2つの相を形成し、及び/又は互いに不溶となるかも知れない。溶解性の変化によって原油原料/全生成物混合物は2つ以上の相を形成するかも知れない。アスファルテンの凝集による2相の形成、原油原料及び全生成物の濃度変化、及び/又は成分の沈澱により、触媒の1種以上の寿命は低下する傾向がある。更に、処理の効率が低下するかも知れない。例えば所望の特性を有する原油生成物を製造するのに、原油原料/全生成物混合物の繰り返し処理が必要かも知れない。
【0180】
処理中、原油原料/全生成物混合物のP値をモニターすると共に、処理、原油原料、及び/又は原油原料/全生成物混合物の安定性を評価してよい。通常、1.5以下のP値は、一般に原油生成物からアスファルテンが凝集を起こしたことを示す。P値が初期では1.5以上であり、接触中、このP値が増大するか、比較的安定でれば、原油原料が接触中、比較的安定であることを示す。P値で評価する原油原料/全生成物混合物の安定性は、接触条件の制御、触媒の選択、複数触媒の選択順序、又はそれらの組合わせにより制御してよい。このような接触条件の制御には、LHSV、温度、圧力、水素吸収量、原油原料流、又はそれらの組合わせが含まれる。
ここで説明した触媒は、原油原料/全生成物混合物の安定性を維持しながら、及び/又は触媒の寿命を維持しながら、MCR含有量低下、及び/又は高温高圧での粘度低下を容易にする可能性が或る。
【0181】
幾つかの実施態様では接触条件は、1つ以上の接触帯の温度が異なるように制御する。異なる温度で操作すると、原油原料/全生成物混合物の安定性を維持しながら、原油原料の特性を選択的に変化させることが可能である。処理の開始時、原油原料は第一接触帯に入る。第一接触温度は、第一接触帯の温度である。その他の接触温度(例えば第二温度、第三温度、第四温度等)は、第一接触帯の後に配置した接触帯の温度である。第一接触温度は、約100〜約420℃の範囲であってよく、また第二接触温度は、第一接触温度とは異なる約20〜約100℃、約30〜約90℃、又は約40〜約60℃の範囲であってよい。幾つかの実施態様では第二接触温度は、第一接触温度よりも高い。異なる接触温度にすると、原油原料のTAN及び/又はCアスファルテン含有量に比べて、原油生成物のTAN及び/又はCアスファルテン含有量は、第一及び第二接触温度が同じか、互いに10℃以内である場合の(あれば)TAN及び/又はCアスファルテン含有量の低下又は減少よりも大きな程度まで低下するかも知れない。
【実施例】
【0182】
支持体の製造、触媒の製造、及び触媒を選択的に配列したシステム、並びに制御した接触条件の非限定的例を以下に述べる。
【0183】
例1:触媒支持体の製造
アルミナ/シリカ混合物550g、焼成アルミナ微粉26g、水585g及び16M硝酸8gを35分間、磨砕してアルミナ/シリカ支持体を製造した。このアルミナ/シリカ混合物は、支持体1g当たり、アルミナ/シリカ混合物(Criterion Catalysts and Technologies LP)0.98g以上を、アルミナ/シリカ混合物1g当たりシリカ(Criterion Catalysts and Technologies LP)0.02g以下と配合して、製造した。得られた磨砕混合物を、直径1.94mm及び3.28mmのダイプレートで押し出し、次いで強熱減量が初期押出物に対し27〜30重量%になるまで93℃(200°F)〜121℃(250°F)の範囲の温度で熱処理した。強熱減量は、押出物を540℃で15〜50分加熱した後、押出物の相対重量損失量を測定して行なった。押出物を更に918℃(1685°F)で1時間熱処理した。支持体の平均細孔径は125Å、表面積は281m/g、細孔容積は0.875cm/g、また細孔は支持体の合計細孔容積の0.9%を与える直径350Å以上の細孔であった。例1は、90Å以上の平均細孔径を有すると共に、細孔径350Å以上の細孔が支持体の細孔容積の15%以下を与える細孔容積を有する支持体の製造例を示す。
【0184】
例2:115Åの中央値細孔径を有すると共に、選択された細孔容積分布を有する触媒の製造
次のようにして触媒を製造した。例1に記載の方法で製造したアルミナ/シリカ支持体を、以下のようにして製造したモリブデン/ニッケル/燐含浸溶液に含浸した。(NHMo 62.34g、MoO 17.49g、30%H 12.22g、及び脱イオン水50.47gを配合してスラリーを形成し、第一溶液を作った。このスラリーにMEA(3.0g)を、溶解熱を制御するのに充分な速度で加えた。固体が溶解するまでスラリーを64℃(147°F)に加熱した後、室温に冷却した。第一溶液のpHは5.34であった。
【0185】
Ni(NO・6HO 8.2g及びNiCO 5.47gを脱イオン水30.46gと配合し、次いで85重量%HPO 29.69gを加えて第二溶液を製造した。第二溶液のpHは0.29であった。第一溶液と第二溶液とを配合し、この配合溶液に充分な量の脱イオン水を、配合溶液の容積が218.75mlとなるまで加えて、モリブデン/ニッケル/燐含浸溶液を得た。この含浸溶液のpHは2.02であった。
【0186】
この含浸溶液に支持体(200.0g)を配合し、時々撹拌しながら数時間熟成させた。得られた支持体/金属混合物を125℃で数時間熱処理し、更に482℃(900°F)で2時間熱処理した。得られた触媒は、触媒1g当たりモリブデンを0.13g、ニッケルを0.03g、及び燐を0.03g、残部支持体を含有していた。この触媒は、中央値細孔径が115Åの細孔サイズ分布を有し、細孔全数の66.7%は中央値細孔径が28Å以内の細孔径を有する細孔であった。触媒の表面積は179m/gであった。触媒の細孔容積は0.5cm/gであった。細孔容積分布を第1表にまとめた。
【0187】
【表1】

【0188】
第1表に示すように、350Å以上の細孔径を有する触媒の細孔は、触媒の合計細孔容積の1.71%を与えた。
例2は、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有すると共に、細孔径が350Å以上の細孔が合計細孔容積の10%以下を与える細孔容積を有する第6欄金属触媒の製造法を示す。また本例は、90Å以上の平均細孔径を有すると共に、細孔径が350Å以上の細孔が合計細孔容積の15%以下を与える細孔容積を有する支持体から第6欄金属触媒を製造する方法も示す。
【0189】
例3:原油原料と2種の触媒との接触
中央にサーモウエルを配置した管状反応器にサーモカップルを備えて触媒床中の温度を測定した。触媒床は、反応器のサーモウエルと内壁間の空間に触媒及び炭化珪素(20−グリッド、Stanford Materials、カナダのAliso Viejo)を充填して形成した。このような炭化珪素は、ここで説明した処理条件下では触媒特性があっても、低いと考えられる。全ての触媒を等容量の炭化珪素とブレンドしてから、この混合物を反応器の接触帯部に入れた。
【0190】
反応器への原油原料流は、反応器の塔頂から塔底までである。炭化珪素は、塔底支持体として役立たせるため、塔底に配置した。塔底触媒/炭化珪素混合物(81cm)を、前記炭化珪素の頂部に配置して塔底接触帯を形成した。塔底触媒は、例2に記載のようにして製造した。
【0191】
塔底接触帯の頂部には塔頂接触帯を形成するため、塔頂触媒/炭化珪素混合物(9cm)を配置した。塔頂触媒は、θ−アルミナ含有支持体とモリブデン及びバナジウムを配合して製造した担持モリブデン/バナジウム触媒である。支持体はアルミナ(Criterion Catalysts and Technologies LP、米国ミシガン州ミシガン市)576gと水585g及び氷酢酸8gとを35分間磨砕して製造した。得られた磨砕混合物を1.3mmのダイプレートで押出し、90〜約120℃で熱処理し、更に918℃で熱処理した。この熱処理支持体をLindberg炉にいれた。炉の温度は約1000〜約1100℃に1.5時間かけて上昇させた後、この温度範囲で2時間保持し、支持体を製造した。支持体は、X線回折で測定して、支持体1g当たりγ−アルミナを0.0003g、α−アルミナを0.0008g、δ−アルミナを0.0208g、及びθ−アルミナを0.9781g含有していた。この支持体を次のようにして作ったモリブデン/バナジウム含浸溶液に含浸した。(NHMo 2.14g、MoO 3.21g、30%過酸化水素(H)0.56g、MEA 0.14g及び脱イオン水3.28gを配合してスラリーを形成し、第一溶液を作った。このスラリーを、固体が溶解するまで65℃に加熱した後、室温まで冷却した。VOSO・xHO(x=3〜5)3.57gを脱イオン水40gと配合して第二溶液を作った。第一溶液と第二溶液とを配合し、この配合溶液の容積が82mlとなるまで充分な量の脱イオン水を加え、モリブデン/バナジウム含浸溶液を得た。前記アルミナをモリブデン/バナジウム含浸溶液に含浸し、時々撹拌しながら2時間熟成した。得られた支持体/金属混合物を125℃で数時間熱処理し、次いで480℃で2時間熱処理した。得られた触媒は、バナジウムを0.02g、モリブデンを0.02g含み、残部は支持体であった。このモリブデン/バナジウム触媒は、中央値細孔径が300Åの細孔サイズ分布を有していた。
【0192】
デッドスペースを充填すると共に、予備加熱帯として役立たせるため、炭化珪素を塔頂接触帯の頂部に配置した。この触媒床をLindberg炉に装填した。この炉は、予備加熱帯、塔頂及び塔底接触帯、及び塔底支持体に相当する4つの加熱帯を有する。
【0193】
これらの接触帯に、硫化水素5容量%と水素ガス95容量%とのガス状混合物を、全触媒1ml容積(炭化珪素は、触媒の容量の一部として計算しない)当たりガス状混合物 約1.5リットルの速度で下記時間導入して、触媒を硫化した。反応器の圧力は約1.9MPa(279.7psi)である。接触帯の温度を1時間に亘って周囲温度から204℃(400°F)に上げ、この温度で2時間保持した。204℃に保持した後、接触帯の温度を1時間当たり約10℃(約50°F)の割合で1時間に亘って316℃(600°F)に漸増的に上げた。接触帯を316℃で1時間維持し、次いで1時間に亘って370℃(700°F)に漸増的に上げ、この温度で2時間保持した。次いで接触帯を周囲温度まで冷却した。
【0194】
硫化後、接触帯を2時間に亘って204℃に加熱し、第2表に示す特性を有する原油原料(BC−10、ブラジル)を反応器の塔頂に供給した。原油原料は、反応器の予備加熱帯、塔頂接触帯、塔底接触帯及び塔底支持体に流れた。原油原料は、水素ガスの存在下で各触媒と接触した。接触条件は次のとおりである。反応器に供給した水素ガス対原油原料の比は656Nm/m(4000SCFB)、LHSVは0.5h−1、圧力は13.8MPa(2014.7psi)である。これら2つの接触帯を、1時間当たり0.1〜10℃の範囲の速度で204℃から390℃に漸増的に加熱し、次いで390℃で311時間維持した。触媒床の温度は漸増的に400℃に上げ、この温度で352時間維持した。
【0195】
全生成物(即ち、原油生成物及びガス)は触媒床を出た後、気−液相分離器に導入した。気−液分離器中で全生成物は、原油生成物及びガスに分離された。このシステムのガス投入量は質量流量制御計で測定した。このシステムを出るガスは、炭素数5以上の何らかの液体成分をガスから除去するのに充分な温度に冷却した。分離したガスは湿潤テストメーターで測定した。原油生成物は、その成分の重量割合(%)を測定するため、周期的に分析した。原油生成物の特性を第2表にまとめた。
【0196】
【表2】

【0197】
第2表に示すように、原油生成物は、原油生成物1g当たり窒素含有量0.0024g、MCR含有量0.046、Cアスファルテン含有量0.043gであった。また原油生成物のカルシウム含有量は0.6重量ppm、カリウム含有量は1.3重量ppm、ナトリウム含有量は0.6重量ppmであった。
【0198】
例3は、原油原料と1種以上の触媒との制御された接触条件での接触により、原油生成物を含む全生成物が製造されることを示す。触媒の少なくとも1種は、第6欄金属触媒であって、この金属触媒は(a)第6欄金属を含む、(b)中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有する、及び(c)細孔径が350Å以上の細孔が細孔容積の10%以下を与える細孔容積を有するものであった。P値で測定したように、原油原料/全生成物混合物の安定性は維持された。原油生成物は、原油原料に比べてMCRが低く、有機酸中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属が少なく、Ni/V/Fe含有量が少なく、硫黄含有量が少なく、窒素含有量が少なく、Cアスファルテンが少なく、また酸素含有量も少なかった。
【0199】
例4:触媒支持体の製造
アルミナ粉末(Criterion Catalysts and Technologies LP)550g、焼成アルミナ微粉26g、水585g及び16M硝酸8gを35分間、磨砕してアルミナ支持体を製造した。この磨砕混合物を、直径1.94mm及び3.28mmのダイプレートで押し出し、次いで強熱減量が初期押出物に対し27〜30重量%になるまで93℃(200°F),107℃(225°F)〜121℃(250°F)の範囲の温度で熱処理した。強熱減量は、例1に記載したように行なった。押出物を更に918℃(1685°F)で1時間熱処理した。支持体は、平均細孔径が186.4Å、細孔容積が0.868m/ml、また支持体の合計細孔容積の13.3%を与える細孔径350Å以上の細孔を有していた。例4は、90Å以上の平均細孔径を有すると共に、細孔径350Å以上の細孔が支持体の細孔容積の15%以下を与える細孔容積を有する支持体の製造例を示す。
【0200】
例5:250Åの中央値細孔径を有すると共に、選択された細孔容積分布を有する触媒の製造
例4に記載の方法で製造したアルミナ支持体を、以下のようにして製造したモリブデン/コバルト/燐含浸溶液に含浸した。MoO(22.95g)を85重量%HPO(12.67g)と配合し、82℃(180°F)に加熱してモリブデン/燐溶液を形成した。このモリブデン/燐溶液にCo(OH)(29.83g)を加え、得られたモリブデン/コバルト/燐溶液を100℃に加熱した。このモリブデン/コバルト/燐溶液にクエン酸モノハイドレート(21.5g)を加え、100℃に加熱し、この温度で1時間維持した。得られた溶液の容積を252mlに減らして、モリブデン/コバルト/燐含浸溶液を製造した。含浸溶液のpHは3.22であった。
【0201】
このアルミナ支持体(300.0g)を含浸溶液と配合し、時々撹拌しながら数時間熟成させた。得られた支持体/金属混合物を120℃で数時間熱処理し、更に426℃(800°F)で2時間熱処理した。得られた触媒を更に593℃(1100°F)で2時間熱処理した。得られた触媒はモリブデンを触媒1g当たり0.153g、コバルトを0.043g及び燐を0.008g含有し、残部は支持体であった。この触媒は中央値細孔径が250Åの細孔サイズ分布を有し、細孔全数の67%は中央値細孔径が58Å以内の細孔径を有していた。触媒の表面積は98m/gであった。触媒の細孔容積は0.5m/gであった。細孔容積分布を第3表にまとめた。
【0202】
【表3】

【0203】
第3表に示すように、350Å以上の細孔径を有する細孔は、触媒の合計細孔容積の2.8%を与えた。
例5は、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有すると共に、細孔径が350Å以上の細孔が合計細孔容積の10%以下を与える細孔容積を有する第6欄金属触媒の製造法を示す。また本例は、90Å以上の平均細孔径を有すると共に、細孔径が350Å以上の細孔が合計細孔容積の15%以上を与える細孔容積を有する支持体から第6欄金属触媒を製造する方法も示す。
【0204】
例6:原油原料と2種の触媒との接触
反応装置(接触帯の内容物は除く)、原油原料、触媒の硫化方法、全生成物の分離方法
、接触条件、接触時間、及び原油生成物は、例3に記載のものと同じである。
【0205】
原油原料は反応器の塔頂から塔底に流した。モリブデン/コバルト/燐触媒/炭化珪素
混合物(81cm)を塔底接触帯の塔底触媒として配置した。塔底触媒は、例5の記載のようにして製造した。
【0206】
例3に記載のようにして製造した担持モリブデン/バナジウム触媒を炭化珪素と混合した。この担持モリブデン/バナジウム触媒/炭化珪素混合物(9cm)を塔頂接触帯に配置した。
第4表に原油生成物の特性をまとめた。
【0207】
【表4】

【0208】
第4表に示すように、原油生成物は、原油生成物1g当たり窒素含有量0.0047g、MCR含有量0.072、Cアスファルテン含有量0.05gであった。また原油生成物のカルシウム含有量は0.5重量ppm、カリウム含有量は1.5重量ppm、ナトリウム含有量は0.6重量ppmであった。
【0209】
例6は、原油原料と1種以上の触媒との制御された接触条件での接触により、原油生成物を含む全生成物が製造されることを示す。触媒の1種以上は第6欄金属触媒であって、この金属触媒は(a)第6欄金属を含む、(b)中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有する、及び(c)350Å以上の細孔径を有する細孔が細孔容積の10%以下を与える細孔容積を有するものであった。原油生成物は、原油原料に比べてMCRが低く、有機酸中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属が少なく、Ni/V/Fe含有量が少なく、硫黄含有量が少なく、窒素含有量が少なく、Cアスファルテンが少なく、また酸素含有量も少なかった。
【0210】
本発明の各種局面の更なる変形及び代替実施態様は、当業者ならば、以上の説明から明らかであろう。したがって、以上の説明は単に例示として解釈すべきであり、当業者に本発明を実施する一般的方法を教示することを目的とする。ここで明示し、説明した本発明の形態は実施態様の例とみなすものと解釈すべきである。要素及び材料は、ここで例証し、説明したものと取替えでき、部品及び方法は入れ替えでき、また本発明の特定の特徴は、独立に利用できることは、いずれも本発明の説明の利益を得た後、当業者ならば明かでなろう。ここで説明した要素は、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を逸脱しない限り、変化させてよい。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】接触システムの一実施態様の概略図である。
【図2】図2A及び2Bは、2つの接触帯を有する接触システムの一実施態様の概略図である。
【図3】図3A及び3Bは、3つの接触帯を有する接触システムの一実施態様の概略図である。
【図4】分離帯と接触システムとを組合わせた一実施態様の概略図である。
【図5】配合帯と接触システムとを組合わせた一実施態様の概略図である。
【図6】分離帯と接触システムと配合帯とを組合わせた一実施態様の概略図である。
【符号の説明】
【0212】
100 接触システム
101 原油原料供給部
102 上流接触帯
104 原油供給導管
106 ガス導管
108 下流分離帯
112 原油生成物導管
114 下流接触帯
116 追加の下流接触帯
120 上流分離帯
122 原油導管
124 分離帯
126 追加の原油原料導管
130 配合帯
132 流れ導管
134 ブレンド導管
140 配合帯
148 接触システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロ炭素残留物(MCR)含有量(ASTM法D4530で測定)が原油原料1g当たり0.0001g以上である原油原料を1種以上の触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、
触媒の少なくとも1種は周期表第6の1種以上の金属及び/又は周期表第6の1種以上の金属の1種以上の化合物と、平均細孔径が90Å以上であり、かつ350Å以上の細孔径を有する細孔が支持体の細孔容積の15%以下を与える細孔容積を有する該支持体とを組合わせて得られる第6金属触媒であって、該第6金属触媒は、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有し、かつ350Å以上の細孔径(ASTM法D4282で測定)を有する細孔が細孔容積(ASTM法D4282で測定)の5%以下を与える細孔容積を有する該工程;及び
原油生成物のMCR含有量が原油原料のMCR含有量に対し90%以下となるように、温度、圧力、水素源の流れ、又はそれらの組合わせからなる接触条件を制御する工程;
を含む原油生成物の製造方法。
【請求項2】
原油原料のMCR含有量が、原油原料1g当たり0.0001〜0.5g、0.005〜0.1g、又は0.01〜0.05gである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第6欄金属触媒が、周期表第10の1種以上の金属及び/又は周期表第10の1種以上の金属の1種以上の化合物を更に含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第6欄金属触媒が、周期表第15の1種以上の元素及び/又は周期表第15の1種以上の元素の1種以上の化合物を更に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
接触が水素源の存在下で行なわれ、水素源の流れの接触条件が、原油生成物を製造するため、制御される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
原油生成物を原油原料と同じか又は異なる原油と配合してブレンドを形成する工程を更に含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記原油生成物又はブレンドを処理して、輸送用燃料、加熱用燃料、潤滑剤又は化学薬品を製造する工程を更に含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
平均細孔径が90Å以上であり、かつ350Å以上の細孔径を有する細孔が支持体の細孔容積の15%以下を与える細孔容積を有する該支持体と、周期表第6欄の1種以上の金属、及び/又は周期表第6欄の1種以上の金属の1種以上の化合物とを組合わせて得られる触媒であって、中央値細孔径が110Åを超える細孔サイズ分布を有し、かつ350Å以上の細孔径(ASTM法D4282で測定)を有する細孔が細孔容積(ASTM法D4282で測定)の5%以下を与える細孔容積を有する触媒。
【請求項9】
周期表第15の1種以上の元素及び/又は周期表第15の1種以上の元素の1種以上の化合物を更に含む請求項8に記載の触媒。
【請求項10】
平均細孔径が90Å以上であり、かつ350Å以上の細孔径(ASTM法D4282で測定)を有する細孔が支持体の細孔容積(ASTM法D4282で測定)の15%以下を与える細孔容積を有する支持体に、周期表第6の1種以上の金属及び/又は周期表第6の1種以上の金属の1種以上の化合物を含む溶液を配合することを特徴とする触媒の製造方法。
【請求項11】
前記金属溶液のpHが3以下である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(旧請求項20)
前記金属溶液が、周期表第15の1種以上の元素及び/又は1種以上の周期表第15元素の1種以上の化合物を更に含む請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記金属溶液が1種以上の鉱酸を更に含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記金属溶液が1種以上の有機酸成分を更に含む請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記金属溶液が過酸化水素を更に含む請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記金属溶液がアミンを更に含む請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−67808(P2013−67808A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253510(P2012−253510)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2008−506576(P2008−506576)の分割
【原出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】