MEMS、及びその製造方法
【課題】低コスト、且つ、高い機能を有するMEMS、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】微細構造体からなるデバイス層61と、基材91とにより構成されるMEMS101の製造方法であって、成形可能な材料を型51により成形することにより、デバイス層61、及び基材91を成形する成形工程S42と、成形工程により成形されたデバイス層61と、基材91とを接合する接合工程S44と、成形工程で生じた残膜61aを、デバイス層61より除去する除去工程S45と、を有することを特徴とする。
【解決手段】微細構造体からなるデバイス層61と、基材91とにより構成されるMEMS101の製造方法であって、成形可能な材料を型51により成形することにより、デバイス層61、及び基材91を成形する成形工程S42と、成形工程により成形されたデバイス層61と、基材91とを接合する接合工程S44と、成形工程で生じた残膜61aを、デバイス層61より除去する除去工程S45と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、及びその製造方法に関し、特に、低コスト化等とともに、高機能化を図ることができるMEMS、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSとは、機械要素部品、電子回路等を含み構成されるデバイス層を、基材の上に集積化したデバイスを指す。現在、MEMSは、インクジェットプリンターヘッド、圧力センサ、加速度センサ、光スイッチ等に応用されており、今後もその応用範囲が、益々拡大することが期待されている。
【0003】
従来、MEMSのデバイス層は、特許文献1に開示されるように、SOI(Silicon On Insulator)基板により構成することが一般的であった。SOI基板は、一般的な半導体加工プロセスを使用して加工することができることから、MEMSのデバイス層に広く使用されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−154215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるような、SOI基板によりデバイス層を構成したMEMSには問題も有った。その問題とは、MEMSを製造する際に多くのコストを要すること、及びMEMSの有する機能の幾つかが十分なレベルでは無いこと等である。まず、コストの問題は、SOI基板の加工に用いる半導体加工プロセスが、高価な装置を必要とすることにより発生する。また、機能の問題は、SOI基板の有する性質により発生する。例えば、SOI基板は柔軟性に乏しく、それを使用してデバイス層を構成したMEMSは、センサに応用した場合、感度が十分でないという問題を有している。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、低コスト、且つ、高い機能を有するMEMS、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1のMEMSの製造方法は、微細構造体からなるデバイス層と、基材とにより構成されるMEMSの製造方法であって、成形可能な材料を型により成形することにより、前記デバイス層を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記デバイス層と、前記基材とを接合する接合工程と、前記成形工程で生じた残膜を、前記デバイス層より除去する除去工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のMEMSの製造方法は、前記除去工程が、機械加工により行われることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載のMEMSの製造方法は、前記除去工程において、前記残膜の除去に先立ち、前記デバイス層と前記基材との間に補強材を充填することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4のMEMSの製造方法は、前記型が、開口部を有するとともに、前記デバイス層の成形に使用される溝を複数備え、前記溝の深さは、任意に設定可能であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5のMEMSの製造方法は、前記型に具備される溝の側面が、該溝の底面から開口部にかけて、溝幅が拡大するように傾倒されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6のMEMSの製造方法は、前記接合工程に先立ち、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングするコーティング工程、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7のMEMSの製造方法は、前記成形工程において、前記デバイス層に孔、または突起のうち少なくとも一つが、設けられることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8のMEMSの製造方法は、前記除去工程後に、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングする仕上コーティング工程、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9のMEMSは、請求項1乃至8の何れか1項記載のMEMSの製造方法により製造されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10のMEMSは、前記デバイス層と前記基材とのうち一方に、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用孔が、前記デバイス層、及び前記基材のうち他方に、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用突起が、夫々設けられており、前記アライメント用孔には、前記アライメント用突起が挿入されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11のMEMSは、前記デバイス層と前記基材との少なくとも一方に、電気的接続に供される貫通孔が設けられることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12のMEMSは、前記デバイス層が、複数の層を積層することにより構成されることを特徴とする。
【0019】
また、請求項13のMEMSは、前記デバイス層、又は前記基材に、前記デバイス層を封止するキャップが取付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載のMEMSの製造方法は、成形可能な材料を型により成形することにより、デバイス層を成形する成形工程と、成形工程により成形されたデバイス層と、基材とを接合する接合工程と、成形工程で生じた残膜を、デバイス層より除去する除去工程とを有している。本MEMSの製造方法における上記工程は、SOI基板により、デバイス層を製造する場合と異なり、半導体加工プロセスを用いず行うことができる。そのため、本MEMSの製造方法は、安価にMEMSを製造できるという効果を有する。
【0021】
請求項2に記載のMEMSの製造方法は、除去工程が、機械加工により行われる。機械加工により、除去工程を行うことは、デバイス層の表面を鏡面化できることにつながり、延いては、容易にミラーデバイスであるMEMSを得ることができることにつながる。
【0022】
請求項3に記載のMEMSの製造方法は、除去工程において、残膜の除去に先立ち、デバイス層と基材との間に補強材を充填する。このことは、残膜を除去する際に、デバイス層が破損することを防止できるという効果を有する。
【0023】
請求項4に記載のMEMSの製造方法は、型が、開口部を有するとともに、デバイス層の成形に使用される溝を複数備えており、溝の深さは、任意に設定することができる。SOI基板によりデバイス層を得る場合においては、MEMSのデバイス層に可動構造、カンチレバー等中空部を有する構造を設けるためにフッ酸等の有害な薬剤を使用する場合があった。しかしながら、本方法においては、上記構成により、有害な薬剤を使用することなく、MEMS層に前記中空部を有する構造を設けることができる。即ち、本方法は、MEMSの製造を安全に行うことができるという効果を有する。
【0024】
請求項5に記載のMEMSの製造方法は、型に具備される溝の側面が、溝の底面から開口部にかけて、溝幅が拡大するように傾倒されている。このことは、成形工程において、型をデバイス層から取り外すことを容易にするという効果を有し、延いては、MEMSの生産効率を高める効果を有する。
【0025】
請求項6に記載のMEMSの製造方法は、接合工程に先立ち、導電性材料によりデバイス層の一部、または全部をコーティングするコーティング工程を有している。上記のように、型に具備される溝の側面は、溝の底面から開口部にかけて、溝の幅が拡大するように傾倒されている。そのため、デバイス層の前記型に具備される溝の側面により成形される面も傾倒しており、接合工程によりデバイス層を基材に接合した後においては、前記各面を導電性材料によりコーティングすることが難しくなる。一方で、前記各面のコーティングは、接合工程前であれば容易である。従って、本工程は、前記各面を適切に導電性材料によりコーティングすることができるという効果を有する。
【0026】
請求項7に記載のMEMSの製造方法は、成形工程において、デバイス層に孔、または突起のうち少なくとも一つが、設けられる。孔、突起は、デバイス層と基材とのアライメント等に利用することができるため、孔、突起をデバイス層に設けることは、MEMSの生産性等を向上させる効果を有する。
【0027】
請求項8に記載のMEMSの製造方法は、除去工程後に、導電性材料によりデバイス層の一部、または全部をコーティングする仕上コーティング工程を有している。本工程は、除去工程後に行われるため、除去工程により残膜を除去することにより形成されるデバイス層の面を適切に導電性材料によりコーティングすることができるという効果を有する。
【0028】
請求項9に記載のMEMSは、請求項1乃至8の何れか1項に記載のMEMSの製造方法により製造されたものである。上記の通り、請求項1乃至8の何れか1項記載のMEMSの製造方法は、成形工程等を用いてデバイス層を製造するという特徴を有している。従って、本MEMSは、成形工程、除去工程等を適用できる材料により、デバイス層が構成され、具体的には、デバイス層が、樹脂、ガラス、ゴム、金属等を使用して構成されている。前記各材料は、従来のMEMSにおいてのデバイス層に使用されてきたSOIと異なる性質を有している。これにより、前記各材料によりデバイス層を構成した本MEMSには、従来のMEMSと比較して高機能とすることができる。例えば、樹脂を使用してデバイス層を構成した場合の本MEMSは、樹脂がSOI基板と比較して柔軟性に富んでいるという特徴から、従来のMEMSと比較して、高感度のセンサを実現できる。
【0029】
請求項10のMEMSは、デバイス層と基材とのうち一方に、デバイス層と基材とのアライメントに供されるアライメント用孔が、デバイス層と基材とのうち他方に、デバイス層と基材とのアライメントに供されるアライメント用突起が夫々設けられ、アライメント用孔には、アライメント用突起が挿入されている。この構成は、製造時のアライメントを容易にするという効果を有する。なお、上記アライメント用孔は、貫通孔、止まり孔何れであってもよい。
【0030】
請求項11のMEMSは、デバイス層に、電気的接続に供される貫通孔が設けられている。本MEMSは、前記貫通孔を利用することにより、デバイス層と電子基板との電気的接続、集積回路、電子回路との集積等を容易に行うことができるという効果を有する。
【0031】
請求項12のMEMSは、デバイス層と基材との少なくとも一方が、複数の層を積層することにより構成されている。積層する各層は、夫々異なる機能を有するものであってよい。そのため、本MEMSは、多様な機能を集積したものとすることができる。このことは、本MEMSの応用範囲を拡大することに寄与する。
【0032】
請求項13のMEMSは、デバイス層、又は基材に、該デバイス層、又は該基材を封止するキャップが取り付けられる。キャップを取り付けることには、本MEMSを真空封止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のMEMSの一例を示す説明図。
【図2】図1におけるA1−A2面の断面構造を示す断面図。
【図3】図1におけるB1−B2面の断面構造を示す断面図。
【図4】本発明のMEMSの製造方法を示すフローチャート。
【図5】型の断面構造を示す断面図。
【図6】成形工程の説明図。
【図7】除去工程の説明図。
【図8】コーティング工程の説明図。
【図9】接合工程の説明図。
【図10】除去工程の説明図。
【図11】仕上コーティング工程後のMEMSを示す説明図。
【図12】MEMSを電子基板に実装した場合を示す説明図。
【図13】MEMSのデバイス層を多層に構成した場合を示す説明図。
【図14】MEMSに流路を形成した場合を示す説明図。
【図15】MEMSに真空封止キャップを取付けた場合を示す説明図。
【図16】図15におけるC方向から見た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態の説明を行う。図1乃至3に示す本発明のMEMS1は、デバイス層2、基体3を備える。なお、MEMS1は、ミラーデバイスを実現するものであるが、これは一例であって、その他多様な機能を有するものとして本発明のMEMSは実現できる。
【0035】
図1に示されるように、デバイス層2は、Y方向に相対向する第1支持部4と、X方向に相対向する第2支持部5とを備える。第1支持部4、第2支持部5は、図2、3に示されるように、夫々基体3の上面に固定されている。また、第1支持部4及び第2支持部5は、Z方向に沿った厚みが互いに同じである。弾性連結部6は、第1支持部4と、回動板7とを接続している。回動板7の表面(+Z方向の上面)は、照射された光が反射されるよう鏡面として構成される。なお、回動板7は、弾性連結部6とともに基体3の上面から距離を隔てて浮いて構成される。
【0036】
バネ部8は、折り返しバネ形状を有しており、一端が第2支持部に、他端が固定部9に夫々接続されている。固定部9は、基体3の上面に固定されている。なお、回動板7、バネ部8、及び固定部9は、Z方向に沿った厚みが、全て同じであるよう構成され、これらの厚みは、第1支持部4、第2支持部5と比較して薄い。また、バネ部8の上面は、第2支持部5の上面と段差無く設けられるため、図3に示すように、バネ部8は、基体3の上面に対し浮いた状態となる。
【0037】
固定電極群10は、固定部9におけるMEMS1の中心部に近い側の端面に設けられる。固定電極群10は、櫛歯状に構成され、図2、3に示すように、基体3の上面に固定されている。可動電極群11は、回動板7のX方向に沿った両端部に設けられている。固定電極群10と、可動電極群11とは、Y方向に微小な距離を隔てて噛み合わされるように配置される。また、固定電極群10を含む固定部9と、可動電極群11を含む回動板7とは、上記の通り、Z方向に同じ厚さを有しており、また第1支持部4、第2支持部5のZ方向の厚みと比較して薄い。これらによって、図2、3に示すように、基体3の上方に固定された固定電極群10に対して、可動電極群11は、所定距離だけ+Z方向に位置することになる。この所定距離とは、回動板7等のZ方向の厚みと、第1支持部4等のZ方向の厚みとの差と等しい距離である。
【0038】
なお、固定電極群10及び可動電極群11の個別の電極のY方向に沿った幅は、例えば、3乃至5μm程度である。固定電極群10の個別の電極とこれに隣接する可動電極群11の個別の電極とのY方向に沿った距離は、1.5乃至5μm程度である。
【0039】
位置決め部14は、固定部9に設けられる位置決め孔13と、基体3に設けられる位置決め突起15により構成され、図2に示すように、位置決め孔13に、位置決め突起15が挿入されることにより、デバイス層2と基体3との位置決めが行われる。なお、位置決め孔13は、貫通孔として図示しているが、止まり孔であってもよい。また、固定部9には、開口12も設けられており、これを位置決め孔として使用しても良い。
【0040】
上記説明した図1乃至3に示すMEMS1は、固定電極群10と可動電極群11とに異なる極性の電力を印加することにより、動作を行う。例えば、図2、3の−X方向側の固定電極群10には正の電圧を、可動電極群11には負の電圧を、夫々印加する。このことにより、静電気力によって固定電極群10と可動電極群11との間には、互いに引き合う力が発生する。ここで、固定電極群10に対して可動電極群11は、所定の距離だけ+X方向に位置して構成されている。従って、前記引き合う力が発生することにより、−X方向側の可動電極群11は、固定電極群10に向かって、−Z方向にひきつけられる。このことにより、弾性連結部6を回動軸として回動板7が+θ方向に回動する。また、同様に、+X方向側の固定電極群10には正の電圧を、可動電極群11には負の電圧を、夫々印加した場合には、回動板7は、−θ方向に回動する。
【0041】
以上説明した動作により、MEMS1は、回動板7の表面(+Z方向の上面)に照射された光を反射させることができ、且つ、所定の範囲の角度内に置いて光の角度を制御することができる。即ち、MEMS1は、ミラーデバイスとして機能する。
【0042】
ここで、上記にも述べたように、本発明のMEMSはミラーデバイスだけでなく多様な機能を有するものとして実現できる。この製造方法について、図4乃至11を用いて説明する。なお、ここでは、説明を容易とするために、図1乃至3と比較して簡略化した図11に示すMEMS101を製造するものとして説明を行う。また、やはり説明を容易とすることを目的として、図5乃至11においては、X軸、及びZ軸に係る断面を示すこととする。
【0043】
図4に示すように、本発明のMEMS1は、種々の工程を経て製造することができる。まず、S41の型作成工程においては、図5に示すような型を用意する。図6に示す、デバイス層61は、樹脂、ガラス、ゴム、金属等成形可能な材料を用いて構成されるため、それらを成形する型を予め用意しておく必要がある。型51には、MEMS101のデバイス層61を実現するために、溝52乃至57が設けられている。
【0044】
溝52の側面である面52a、52c、52eは、その底面である面52b、52dから、その開口部52fにかけて溝幅が広がるように傾倒している。溝53乃至57においても、同様に構成されている。このように、溝52乃至57の側面である面52a、52c、52e等を構成する理由であるが、後の成形工程におけるデバイス層61の型51からの離型を良くするためである。なお、溝52乃至57の面52a、52c、52e等の側面の傾倒角度であるが、成形工程におけるデバイス層61の型51からの離型をスムーズにできる角度であれば良い。また、図5は、型51に設けられる溝52乃至57の面52a、52c、52e等の側面が傾倒していることを明確とするため誇張して示している。
【0045】
また、溝52乃至57のその開口部から底面までの深さは、任意に設定することができる。図5においては、溝52乃至57の開口部(例えば、溝52における開口部52f)に対する底面(例えば、溝52における面52b、52d)の深さは、2種類存在するように設定している。なお、これに限定されず、溝の開口部から底面までの深さは、3種類以上存在するように設定しても良い。また、溝52は、その開口部52fからの深さが異なる2つの底面(面52b、52d)を有するように構成されている。即ち、単一の溝の中に2種以上の開口部からの深さが異なる底面を設けても良い。上記のように、溝52乃至57を構成することにより、MEMS101には、図11に示すような、鍔61g、中空部68、孔69等を設けることが可能となる。
【0046】
また、型51は、シリコンにより構成してよいが、破損し易いという性質を有することから、ニッケル、ニッケル−タングステン、ニッケル−鉄等の材質にて構成してもよい。ニッケル等の材料により構成することは、型51の強度を高め、破損しにくいものとすることにつながる。また、ニッケル等の材料により構成した型51は、シリコン等を使用した電鋳により得ることができる他、レーザ加工、機械加工により製造することができる。また、ニッケル等の材料により構成した型51は、製作後において、レーザ加工、機械加工を用いて、追加工することも可能である。このように、レーザ加工、機械加工を使用して型51を製造、追加工することは、それにより成形されるデバイス層61に自由曲面を形成することが可能になること、及びそのコストを低減できること等の効果がある。
【0047】
なお、基材91は、平らな、又は未加工の基材や機械加工やフォトリソグラフィ等で加工した基材により構成してもよいが、デバイス層61と同様に、成形可能な材料を用いて構成してもよい。基材91を成形可能な材料を用いて構成する場合は、基材91を成形する図外の型も、上記同様に用意する。
【0048】
次に、S42の成形工程では、デバイス層61を構成する材料の成形が行われる。成形工程は、例えば、ホットエンボス法を用いて行うことができる。ホットエンボス法を適用することには、デバイス層61に採用できる材料の種類が多くなるというメリットがある。また、本工程は、トランスファー成形法、UV(紫外線)インプリント法、キャスティング法、射出成形法等を適用して行ってもよい。
【0049】
なお、デバイス層61を構成する材料は、成形工程にて成形を行うことができる材料であればよく、機械加工により加工可能な材料であればなお良い。具体的には、上記でも述べたように、樹脂、ガラス、ゴム等を採用することができる。デバイス層61を構成する材料に、樹脂を採用することは、それの有するSOIに無い高い柔軟性を活かした高感度なセンサを実現すること等につながる。また、透明性の高い樹脂、ガラス等を採用することには、ディスプレイ等へMEMS101を応用することが可能となるというメリットがある。
【0050】
また、デバイス層61を構成する材料は、成形前の様態が、板状のものを使用できるが、液状のものであっても使用可能である。例えば、デバイス層61を構成する材料として、樹脂を採用する場合には、熱硬化性、熱可塑性等のものを使用することができる。また、デバイス層61を構成する材料には、添加物を加えてもよい。前記添加物としては、導電性材料、構造補強材料等が考えられる。導電性材料を添加した場合は、デバイス層61そのものに導電性を持たせることができる。また構造補強材料を添加した場合には、デバイス層61の強度を高め、その耐久性等を高めることができる。なお、デバイス層61を構成する材料としては、金属、導電性樹脂を採用することもでき、この場合には、添加物を加えることなく、デバイス層61に導電性を持たせることができる。
【0051】
成形工程は、例えば、図6に示すように、デバイス層61を構成する材料と、型51とを配置することにより行うことができる。このようにすることにより、デバイス層61を構成する材料は、型51に対応した形状に成形される。デバイス層61は、その後、型51から離型される。
【0052】
デバイス層61には、図7に示すように、成形工程により成形された部位62乃至67が形成されていると共に、成形工程により生ずる残膜61aを有している。部位62の面62aは、型51の面52aにより成形される面である。同様に、面62b乃至62eは、型51の面52b乃至52eにより成形される面である。同様に、部位63乃至67の各面は、型51の溝52乃至57を構成する各面により成形される面である。なお、型51の傾倒した面である面52a、52c、52e等により、成形される面である面62a、62c、62e等は、傾倒した面として構成される。ただし、図5においては、面52a、52c、52e等の傾倒を誇張して示しており、図7等における62a、62c、62e等も、それに対応して誇張して傾倒していることを示している。
【0053】
なお、上記のように、基材91も成形工程により製造することもできる。成形工程により、基材91を製造した場合には、該成形工程の際に、部位92乃至94の部位等を設けることが可能である。また、基材91は、成形工程において、その厚み(図11に示す、厚みt)を自在に設定することもできる。
【0054】
次に、S43のコーティング工程では、図8に示すように、部位62の面62a、62e等を、導電性材料によりコーティングし、コーティング層81を形成する。なお、本工程は、デバイス層61を形成する材料が導電性材料であった場合、或いはデバイス層61が、コーティングをする必要がないものである場合等においては不要である。
【0055】
デバイス層61のコーティングは、図11に示す面62fなどをコーティングするために、S46の仕上コーティング工程にても行う必要がある。しかしながら、この仕上コーティング工程では、十分にコーティングができない部分が存在する。それは、上記に説明した型51に設けられる傾倒した面である面52a、52e等により成形されることにより、傾倒している面62a、62e等である。−Zから、+Z方向を見た場合に、これらの面は見えるが、+Z方向から、−Z方向に見た場合は、これらの面は見えなくなる。S46の仕上コーティング工程においては、+Z方向から−Z方向に向けてコーティングを行うものであるため、これらの面をコーティングすることは難しくなる。
【0056】
そこで、面62a、62e等の面を予めこの段階で、コーティングする。この段階では、−Z方向から+Z方向にコーティングを行うことができるからである。なお、コーティングの材料は、金、アルミニウム、白金等を使用する。また、必要な部分のみをコーティングするため、マスクを使用した上で、スパッタ法等を使用してコーティングを行うことが好ましい。また、マスクを使用して本工程を行う際には、図外の電気的配線層も同時に形成できるというメリットもある。
【0057】
次に、S44の接合工程では、デバイス層61を基材91に接合する。この際、デバイス層61の面62b、62d等が、基材91に対向するように接合する。接合を行った状態を図9に示すが、デバイス層61の基材91への接合にあたっては、紫外線、プラズマ等による表面活性化接合法を適用することができる。また、デバイス層61の材料や構造により、適用できる場面は限られるが、接着剤や非導通性のテープなどを使用しても良い。ここで言う非導電性テープとしては、半導体素子において利用されるダイボンディング用の熱硬化性テープを使用してよい。
【0058】
なお、デバイス層61に設けられる孔69等の孔、基材91に設けられる部位92乃至94は、デバイス層61を基材91に接合する際のアライメントにおいて使用することができる。即ち、アライメントに使用する孔69等の孔は、MEMS1における位置決め孔13に相当する。また、同様にアライメントに使用する部位92乃至94は、MEMS1における位置決め突起15に相当する。なお、デバイス層61と基材91とを接合する際のアライメントにおいて使用する孔69等の孔は、貫通孔、止まり孔いずれであってもよい。また、デバイス層61にアライメントに使用する部位(突起)を設け、基材91にアライメントに使用する孔を設けても、上記同様に、デバイス層61を基材91に接合する際のアライメントにおいて使用することができる。
【0059】
なお、孔69等の孔と、前記部位92乃至94とを嵌合させることは、デバイス層61が、基材91から脱離しにくくすることに対し有効である。さらに、デバイス層61と基材91とが接する面の面積を大きくなるように、基材91等を構成することも、デバイス層61が、基材91から脱離しにくくすることに対し有効である。
【0060】
次に、S45の除去工程では、機械加工により、デバイス層61の残膜61aを除去する。除去工程を行った後のものは、図10に示すようなものとなり、残膜61aを除去することにより面62f等が形成されるが、面62f等はミラーデバイスに適用できるレベルの面精度に当該機械加工によりすることが可能である。なお、本工程は、具体的に、楕円振動切削法、フライカット法等を適用して、実施することができる。また、本工程の生産性向上のために、研磨加工法を適用して、本工程の作業効率を高めても良い。また、残膜61aの除去は、機械加工に換えて、レーザ加工法、プラズマ加工法、電子ビーム加工法等を適用して、非接触に行うことも可能である。
【0061】
なお、本工程においては、デバイス層61等の破損を防止するため補強材を使用してもよい。具体的には、デバイス層61と基材91との間に補強材を充填してから、残膜61aの除去を行う。これにより、残膜61aの除去を行う際に、デバイス層61等が破損することを防止することができる。ただし、補強材は、後に完全に除去する必要があり、またデバイス層61等を構成する材料に悪影響を及ぼしてはならないため、それらの要件を満たすものを使用する必要がある。
【0062】
残膜61aの除去を終えた後の補強材の除去は、補強材の性質に適合する方法により行う必要があるが、例えば、該補強材を溶解、エッチングすること等より行う。また、残膜61aを除去した後、その切屑や、バリが生じる場合には、アッシング法、レーザ加工法、プラズマ加工法、電子ビーム加工法等により後処理を行い、それらを除去してもよい。ただし、前記後処理を行う際に、デバイス層61の表面(例えば、部位62の面62f)が荒れる可能性がある。特にこれらの面がミラー面などである場合には、特に問題となる。この問題は、該後処理の際に、デバイス層61の表面にマスクを行うこと等により、解消することができる。
【0063】
次に、S46の仕上コーティング工程を行う。仕上コーティング工程では、コーティング工程と同様に、導電性材料によるコーティングを行う。本工程で、主にコーティングを行う面は、除去工程により、残膜61aを除去することにより形成された面62f等である。コーティング工程により面62a等は、既にコーティングされているためである。なお、コーティング工程を省略し、本工程のみで、デバイス層61のコーティングを行うことも不可能ではない。この場合には、面62a等にもコーティング材料が回り込み、適切なコーティングができるよう、デバイス層61等を傾け、更に回転させながら本工程を行うことが好ましい。
【0064】
以上のような工程により、製造されるMEMS101は、図11に示すとおりである。MEMS101には、鍔61g、中空部68、孔69等が備えられている。これらは、型51の溝52乃至57の深さが、任意に(図5においては2段階)に設定されることにより形成される。鍔61g等の鍔は、仕上コーティング工程において、不要な部分までコーティングされることにより発生する不必要な電気的導通をさけるために設けられる。また、中空部68は、流路、可動部構造、カンチレバー等の構造に使用されるものである。孔69等の孔は、電気的配線、デバイス層61と基材91との接合の際のアライメント等に使用することができる。なお、孔69等の孔は、原則として図示するように貫通孔として構成する。ただし、デバイス層61と基材91との接合の際のアライメントに使用する場合において、孔69等の孔は、止まり孔として構成してもよい。
【0065】
次に、上記説明したMEMSの製造工程を適用して得られる、各種機能を有するMEMSについて、図12乃至16を用いて説明する。なお、ここでは、説明を容易とすることを目的として、図12乃至15において、X軸、及びZ軸に係る断面を示すこととする。図12に示すMEMS201は、電子基板231への実装を考慮したものであり、同図は、電子基板231にMEMS201を実装した状態を示している。MEMS201のデバイス層202に貫通孔204aが、基材203に貫通孔206が夫々設けられている。このことにより、MEMS201には、Z軸に沿ってデバイス層202、及び基材203を貫通し、貫通孔204a、貫通孔206とにより構成されるスルーホール204が設けられている。
【0066】
貫通孔206には、導電性を有する接着剤205が充填され、デバイス層202の貫通孔204aの壁面にコーティングされているコーティング層81と、バンプ233とは、電気的に接続される。バンプ233は、電子基板231の配線232にも接続されている。従って、コーティング層81層と、配線232とは、スルーホール204を利用して電気的に容易に接続できる。
【0067】
なお、この電気的接続は、貫通孔204aと、部位211と等による、デバイス層202と、基材203とのアライメントと合わせて行うことができる。また、貫通孔206は、基材203を、上記説明した成形工程を使用して形成する場合において、当該工程時に設けることが好ましい。その理由は、MEMS201の生産効率を向上することができるからである。貫通孔206は、例えば、打ち抜き成形を行うことにより設けることができる。また、貫通孔206は、ドリルやレーザを利用して、設けることもできる。
【0068】
また、コーティング層81と、配線232は、バンプ233を使用せず、接着剤205により基材203と電子基板231とを直接接着することによっても電気的に接続できる。
【0069】
図13に示すMEMS301は、デバイス層302を、第1の層302a、及び第2の層302bにより構成し、当該デバイス層302を、基材303に接合している。なお、第1の層302a、及び第2の層302bは、互いに異なる機能を有するものとすることができる。また、第1の層302a、及び第2の層302bとの接続、及び第2の層302bと基材303との接続は、第2の層302bに設けられる貫通孔304等の貫通孔を利用して行われている。
【0070】
なお、同図におけるMEMS301は、デバイス層302を、2つの層(第1の層302a、及び第2の層302b)により構成しているが、より多くの層により構成してもよい。このように、デバイス層302を多層化することは、デバイス機能、及び制御用素子(例えばIC)等の集積化を図ることを可能とし、MEMS301の高機能化、多機能化に寄与する。
【0071】
図14に示すMEMS401は、デバイス層402及び基材403から構成される流路404を備えるものである。上記MEMSの製造方法により製造されるMEMSは、MEMS1のような可動部構造のものだけでなく、流路等、非可動部構造のものも構成することができ、更に可動部構造、非可動部構造共に備えるものも容易に製造することができる。このことに基づき、MEMS401は、開口部405を有する流路を流れる流体を移動させる図外のポンプや、図外のバルブなども備えた多機能なMEMSとして実現することができる。
【0072】
図15、及び図16に示すMEMS501は図外のデバイス層の真空封止を想定したものである。MEMS501においては、基材503に溝504を設けている。キャップ521には、溝504に挿入可能な凸部522が設けられている。従って、キャップ521の凸部522を基材503の溝504に挿入することにより、デバイス層の真空封止を実現できる。なお、デバイス層の真空封止は、デバイス層にキャップを取り付けることによっても、行うことができる。図12においては、MEMS201のデバイス層202に、キャップ221を取り付けているが、このようにすることによっても、デバイス層の真空封止を実現することができる。
【0073】
以上説明したように、本発明に係るMEMSの製造方法は、MEMS1、101等の製造に係るコストを削減することができる。具体的には、本MEMSの製造方法は、安価且つ生産性が高い成形工程、除去工程を有している。また、除去工程は、機械加工等により行うことができる。半導体加工プロセスは、原則的に使用されないため、MEMSの低コスト化、生産性の向上を図ることができる。また、複数個のMEMSを同時に製造ことも、本MEMSの製造方法を適用することにより可能である。これは、複数個のデバイス層を同時に成形できる型を使用して成形工程を行うこと等により実現できる。
【0074】
また、成形工程にて使用する型に設けられる溝は、深さを任意に設定することができる。このことは、MEMS内に、流路、可動構造、カンチレバー等の中空部を有する構造、或いは鍔等を作成できることにつながる。SOI基板を使用してデバイス層を作成する場合には、上記のような構造、鍔を設けるために、フッ酸等の有害な薬剤を使用する場合があった。本MEMSの製造方法においては、前記有害な薬剤が不要であるため、MEMSの製造を安全に行うことができる。さらに、前記有害な薬剤を使用した工程が不要になることは、MEMSの生産性の向上にも寄与する。
【0075】
また、孔は、デバイス層と基材とのアライメント、電気的配線、デバイス層を多層に構成する際等に利用できる。即ち、孔を設けることは、MEMSの生産性等を高めるとともに、その機能を向上させることにも寄与する。なお、孔は、貫通孔として構成する。ただし、デバイス層と基材との接合の際のアライメントに使用する場合において、孔は、止まり孔として構成してもよい。
【0076】
また、除去工程を機械加工により行うことは、容易に、デバイス層の表面を鏡面化できることにつながる。即ち、本製造方法は、容易にミラーデバイスであるMEMS(例えば、MEMS1)を製造することができるものである。
【0077】
さらに、成形可能な材料を使用するため、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSには、従来のSOIを使用して製造されるMEMSと比較して高い機能が付加されている。例えば、デバイス層を構成する材料に、樹脂を採用することは、それの有するSOIに無い高い柔軟性を活かした高感度なセンサを実現することにつながる。また、透明性の高い樹脂、ガラス等でデバイス層を製造した場合は、該MEMSをディスプレイ等へ応用することが可能となる。
【0078】
また、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSは、静電駆動、電磁駆動、熱駆動、圧電駆動等に対応できるものとすることができる。たとえば、圧電駆動可能なMEMSは、上記MEMSの製造方法を適用する際に、デバイス層を構成する材料として圧電プラスティックを採用することで得ることができる。また、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSは、アクチュエータなど駆動可能構造だけでなく、マイクロ流路等の非可動構造も有するものとすることができ、さらに、それらを複合したものとして構成することもできる。また、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSは、デバイス機能、及び制御用素子(例えばIC)等の集積化にも対応可能であるため、応用範囲の広いものとすることができる。
【0079】
なお、本実施の形態で示したMEMSの製造方法、及びMEMS1、101等は、本発明に係るMEMSの製造方法、及びMEMS一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係るMEMSの製造方法及びMEMSは、成形及び機械加工可能なデバイス層を有するMEMSの製造方法、及び前記デバイス層を有するMEMSに適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1、101 MEMS
51 型
61 デバイス層
61a 残膜
81 コーティング層
91 基材
S41 型作成工程
S42 成形工程
S43 コーティング工程
S44 接合工程
S45 除去工程
S46 仕上コーティング工程
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、及びその製造方法に関し、特に、低コスト化等とともに、高機能化を図ることができるMEMS、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSとは、機械要素部品、電子回路等を含み構成されるデバイス層を、基材の上に集積化したデバイスを指す。現在、MEMSは、インクジェットプリンターヘッド、圧力センサ、加速度センサ、光スイッチ等に応用されており、今後もその応用範囲が、益々拡大することが期待されている。
【0003】
従来、MEMSのデバイス層は、特許文献1に開示されるように、SOI(Silicon On Insulator)基板により構成することが一般的であった。SOI基板は、一般的な半導体加工プロセスを使用して加工することができることから、MEMSのデバイス層に広く使用されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−154215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるような、SOI基板によりデバイス層を構成したMEMSには問題も有った。その問題とは、MEMSを製造する際に多くのコストを要すること、及びMEMSの有する機能の幾つかが十分なレベルでは無いこと等である。まず、コストの問題は、SOI基板の加工に用いる半導体加工プロセスが、高価な装置を必要とすることにより発生する。また、機能の問題は、SOI基板の有する性質により発生する。例えば、SOI基板は柔軟性に乏しく、それを使用してデバイス層を構成したMEMSは、センサに応用した場合、感度が十分でないという問題を有している。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、低コスト、且つ、高い機能を有するMEMS、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1のMEMSの製造方法は、微細構造体からなるデバイス層と、基材とにより構成されるMEMSの製造方法であって、成形可能な材料を型により成形することにより、前記デバイス層を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記デバイス層と、前記基材とを接合する接合工程と、前記成形工程で生じた残膜を、前記デバイス層より除去する除去工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のMEMSの製造方法は、前記除去工程が、機械加工により行われることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載のMEMSの製造方法は、前記除去工程において、前記残膜の除去に先立ち、前記デバイス層と前記基材との間に補強材を充填することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4のMEMSの製造方法は、前記型が、開口部を有するとともに、前記デバイス層の成形に使用される溝を複数備え、前記溝の深さは、任意に設定可能であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5のMEMSの製造方法は、前記型に具備される溝の側面が、該溝の底面から開口部にかけて、溝幅が拡大するように傾倒されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6のMEMSの製造方法は、前記接合工程に先立ち、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングするコーティング工程、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7のMEMSの製造方法は、前記成形工程において、前記デバイス層に孔、または突起のうち少なくとも一つが、設けられることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8のMEMSの製造方法は、前記除去工程後に、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングする仕上コーティング工程、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9のMEMSは、請求項1乃至8の何れか1項記載のMEMSの製造方法により製造されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10のMEMSは、前記デバイス層と前記基材とのうち一方に、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用孔が、前記デバイス層、及び前記基材のうち他方に、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用突起が、夫々設けられており、前記アライメント用孔には、前記アライメント用突起が挿入されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11のMEMSは、前記デバイス層と前記基材との少なくとも一方に、電気的接続に供される貫通孔が設けられることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12のMEMSは、前記デバイス層が、複数の層を積層することにより構成されることを特徴とする。
【0019】
また、請求項13のMEMSは、前記デバイス層、又は前記基材に、前記デバイス層を封止するキャップが取付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載のMEMSの製造方法は、成形可能な材料を型により成形することにより、デバイス層を成形する成形工程と、成形工程により成形されたデバイス層と、基材とを接合する接合工程と、成形工程で生じた残膜を、デバイス層より除去する除去工程とを有している。本MEMSの製造方法における上記工程は、SOI基板により、デバイス層を製造する場合と異なり、半導体加工プロセスを用いず行うことができる。そのため、本MEMSの製造方法は、安価にMEMSを製造できるという効果を有する。
【0021】
請求項2に記載のMEMSの製造方法は、除去工程が、機械加工により行われる。機械加工により、除去工程を行うことは、デバイス層の表面を鏡面化できることにつながり、延いては、容易にミラーデバイスであるMEMSを得ることができることにつながる。
【0022】
請求項3に記載のMEMSの製造方法は、除去工程において、残膜の除去に先立ち、デバイス層と基材との間に補強材を充填する。このことは、残膜を除去する際に、デバイス層が破損することを防止できるという効果を有する。
【0023】
請求項4に記載のMEMSの製造方法は、型が、開口部を有するとともに、デバイス層の成形に使用される溝を複数備えており、溝の深さは、任意に設定することができる。SOI基板によりデバイス層を得る場合においては、MEMSのデバイス層に可動構造、カンチレバー等中空部を有する構造を設けるためにフッ酸等の有害な薬剤を使用する場合があった。しかしながら、本方法においては、上記構成により、有害な薬剤を使用することなく、MEMS層に前記中空部を有する構造を設けることができる。即ち、本方法は、MEMSの製造を安全に行うことができるという効果を有する。
【0024】
請求項5に記載のMEMSの製造方法は、型に具備される溝の側面が、溝の底面から開口部にかけて、溝幅が拡大するように傾倒されている。このことは、成形工程において、型をデバイス層から取り外すことを容易にするという効果を有し、延いては、MEMSの生産効率を高める効果を有する。
【0025】
請求項6に記載のMEMSの製造方法は、接合工程に先立ち、導電性材料によりデバイス層の一部、または全部をコーティングするコーティング工程を有している。上記のように、型に具備される溝の側面は、溝の底面から開口部にかけて、溝の幅が拡大するように傾倒されている。そのため、デバイス層の前記型に具備される溝の側面により成形される面も傾倒しており、接合工程によりデバイス層を基材に接合した後においては、前記各面を導電性材料によりコーティングすることが難しくなる。一方で、前記各面のコーティングは、接合工程前であれば容易である。従って、本工程は、前記各面を適切に導電性材料によりコーティングすることができるという効果を有する。
【0026】
請求項7に記載のMEMSの製造方法は、成形工程において、デバイス層に孔、または突起のうち少なくとも一つが、設けられる。孔、突起は、デバイス層と基材とのアライメント等に利用することができるため、孔、突起をデバイス層に設けることは、MEMSの生産性等を向上させる効果を有する。
【0027】
請求項8に記載のMEMSの製造方法は、除去工程後に、導電性材料によりデバイス層の一部、または全部をコーティングする仕上コーティング工程を有している。本工程は、除去工程後に行われるため、除去工程により残膜を除去することにより形成されるデバイス層の面を適切に導電性材料によりコーティングすることができるという効果を有する。
【0028】
請求項9に記載のMEMSは、請求項1乃至8の何れか1項に記載のMEMSの製造方法により製造されたものである。上記の通り、請求項1乃至8の何れか1項記載のMEMSの製造方法は、成形工程等を用いてデバイス層を製造するという特徴を有している。従って、本MEMSは、成形工程、除去工程等を適用できる材料により、デバイス層が構成され、具体的には、デバイス層が、樹脂、ガラス、ゴム、金属等を使用して構成されている。前記各材料は、従来のMEMSにおいてのデバイス層に使用されてきたSOIと異なる性質を有している。これにより、前記各材料によりデバイス層を構成した本MEMSには、従来のMEMSと比較して高機能とすることができる。例えば、樹脂を使用してデバイス層を構成した場合の本MEMSは、樹脂がSOI基板と比較して柔軟性に富んでいるという特徴から、従来のMEMSと比較して、高感度のセンサを実現できる。
【0029】
請求項10のMEMSは、デバイス層と基材とのうち一方に、デバイス層と基材とのアライメントに供されるアライメント用孔が、デバイス層と基材とのうち他方に、デバイス層と基材とのアライメントに供されるアライメント用突起が夫々設けられ、アライメント用孔には、アライメント用突起が挿入されている。この構成は、製造時のアライメントを容易にするという効果を有する。なお、上記アライメント用孔は、貫通孔、止まり孔何れであってもよい。
【0030】
請求項11のMEMSは、デバイス層に、電気的接続に供される貫通孔が設けられている。本MEMSは、前記貫通孔を利用することにより、デバイス層と電子基板との電気的接続、集積回路、電子回路との集積等を容易に行うことができるという効果を有する。
【0031】
請求項12のMEMSは、デバイス層と基材との少なくとも一方が、複数の層を積層することにより構成されている。積層する各層は、夫々異なる機能を有するものであってよい。そのため、本MEMSは、多様な機能を集積したものとすることができる。このことは、本MEMSの応用範囲を拡大することに寄与する。
【0032】
請求項13のMEMSは、デバイス層、又は基材に、該デバイス層、又は該基材を封止するキャップが取り付けられる。キャップを取り付けることには、本MEMSを真空封止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のMEMSの一例を示す説明図。
【図2】図1におけるA1−A2面の断面構造を示す断面図。
【図3】図1におけるB1−B2面の断面構造を示す断面図。
【図4】本発明のMEMSの製造方法を示すフローチャート。
【図5】型の断面構造を示す断面図。
【図6】成形工程の説明図。
【図7】除去工程の説明図。
【図8】コーティング工程の説明図。
【図9】接合工程の説明図。
【図10】除去工程の説明図。
【図11】仕上コーティング工程後のMEMSを示す説明図。
【図12】MEMSを電子基板に実装した場合を示す説明図。
【図13】MEMSのデバイス層を多層に構成した場合を示す説明図。
【図14】MEMSに流路を形成した場合を示す説明図。
【図15】MEMSに真空封止キャップを取付けた場合を示す説明図。
【図16】図15におけるC方向から見た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態の説明を行う。図1乃至3に示す本発明のMEMS1は、デバイス層2、基体3を備える。なお、MEMS1は、ミラーデバイスを実現するものであるが、これは一例であって、その他多様な機能を有するものとして本発明のMEMSは実現できる。
【0035】
図1に示されるように、デバイス層2は、Y方向に相対向する第1支持部4と、X方向に相対向する第2支持部5とを備える。第1支持部4、第2支持部5は、図2、3に示されるように、夫々基体3の上面に固定されている。また、第1支持部4及び第2支持部5は、Z方向に沿った厚みが互いに同じである。弾性連結部6は、第1支持部4と、回動板7とを接続している。回動板7の表面(+Z方向の上面)は、照射された光が反射されるよう鏡面として構成される。なお、回動板7は、弾性連結部6とともに基体3の上面から距離を隔てて浮いて構成される。
【0036】
バネ部8は、折り返しバネ形状を有しており、一端が第2支持部に、他端が固定部9に夫々接続されている。固定部9は、基体3の上面に固定されている。なお、回動板7、バネ部8、及び固定部9は、Z方向に沿った厚みが、全て同じであるよう構成され、これらの厚みは、第1支持部4、第2支持部5と比較して薄い。また、バネ部8の上面は、第2支持部5の上面と段差無く設けられるため、図3に示すように、バネ部8は、基体3の上面に対し浮いた状態となる。
【0037】
固定電極群10は、固定部9におけるMEMS1の中心部に近い側の端面に設けられる。固定電極群10は、櫛歯状に構成され、図2、3に示すように、基体3の上面に固定されている。可動電極群11は、回動板7のX方向に沿った両端部に設けられている。固定電極群10と、可動電極群11とは、Y方向に微小な距離を隔てて噛み合わされるように配置される。また、固定電極群10を含む固定部9と、可動電極群11を含む回動板7とは、上記の通り、Z方向に同じ厚さを有しており、また第1支持部4、第2支持部5のZ方向の厚みと比較して薄い。これらによって、図2、3に示すように、基体3の上方に固定された固定電極群10に対して、可動電極群11は、所定距離だけ+Z方向に位置することになる。この所定距離とは、回動板7等のZ方向の厚みと、第1支持部4等のZ方向の厚みとの差と等しい距離である。
【0038】
なお、固定電極群10及び可動電極群11の個別の電極のY方向に沿った幅は、例えば、3乃至5μm程度である。固定電極群10の個別の電極とこれに隣接する可動電極群11の個別の電極とのY方向に沿った距離は、1.5乃至5μm程度である。
【0039】
位置決め部14は、固定部9に設けられる位置決め孔13と、基体3に設けられる位置決め突起15により構成され、図2に示すように、位置決め孔13に、位置決め突起15が挿入されることにより、デバイス層2と基体3との位置決めが行われる。なお、位置決め孔13は、貫通孔として図示しているが、止まり孔であってもよい。また、固定部9には、開口12も設けられており、これを位置決め孔として使用しても良い。
【0040】
上記説明した図1乃至3に示すMEMS1は、固定電極群10と可動電極群11とに異なる極性の電力を印加することにより、動作を行う。例えば、図2、3の−X方向側の固定電極群10には正の電圧を、可動電極群11には負の電圧を、夫々印加する。このことにより、静電気力によって固定電極群10と可動電極群11との間には、互いに引き合う力が発生する。ここで、固定電極群10に対して可動電極群11は、所定の距離だけ+X方向に位置して構成されている。従って、前記引き合う力が発生することにより、−X方向側の可動電極群11は、固定電極群10に向かって、−Z方向にひきつけられる。このことにより、弾性連結部6を回動軸として回動板7が+θ方向に回動する。また、同様に、+X方向側の固定電極群10には正の電圧を、可動電極群11には負の電圧を、夫々印加した場合には、回動板7は、−θ方向に回動する。
【0041】
以上説明した動作により、MEMS1は、回動板7の表面(+Z方向の上面)に照射された光を反射させることができ、且つ、所定の範囲の角度内に置いて光の角度を制御することができる。即ち、MEMS1は、ミラーデバイスとして機能する。
【0042】
ここで、上記にも述べたように、本発明のMEMSはミラーデバイスだけでなく多様な機能を有するものとして実現できる。この製造方法について、図4乃至11を用いて説明する。なお、ここでは、説明を容易とするために、図1乃至3と比較して簡略化した図11に示すMEMS101を製造するものとして説明を行う。また、やはり説明を容易とすることを目的として、図5乃至11においては、X軸、及びZ軸に係る断面を示すこととする。
【0043】
図4に示すように、本発明のMEMS1は、種々の工程を経て製造することができる。まず、S41の型作成工程においては、図5に示すような型を用意する。図6に示す、デバイス層61は、樹脂、ガラス、ゴム、金属等成形可能な材料を用いて構成されるため、それらを成形する型を予め用意しておく必要がある。型51には、MEMS101のデバイス層61を実現するために、溝52乃至57が設けられている。
【0044】
溝52の側面である面52a、52c、52eは、その底面である面52b、52dから、その開口部52fにかけて溝幅が広がるように傾倒している。溝53乃至57においても、同様に構成されている。このように、溝52乃至57の側面である面52a、52c、52e等を構成する理由であるが、後の成形工程におけるデバイス層61の型51からの離型を良くするためである。なお、溝52乃至57の面52a、52c、52e等の側面の傾倒角度であるが、成形工程におけるデバイス層61の型51からの離型をスムーズにできる角度であれば良い。また、図5は、型51に設けられる溝52乃至57の面52a、52c、52e等の側面が傾倒していることを明確とするため誇張して示している。
【0045】
また、溝52乃至57のその開口部から底面までの深さは、任意に設定することができる。図5においては、溝52乃至57の開口部(例えば、溝52における開口部52f)に対する底面(例えば、溝52における面52b、52d)の深さは、2種類存在するように設定している。なお、これに限定されず、溝の開口部から底面までの深さは、3種類以上存在するように設定しても良い。また、溝52は、その開口部52fからの深さが異なる2つの底面(面52b、52d)を有するように構成されている。即ち、単一の溝の中に2種以上の開口部からの深さが異なる底面を設けても良い。上記のように、溝52乃至57を構成することにより、MEMS101には、図11に示すような、鍔61g、中空部68、孔69等を設けることが可能となる。
【0046】
また、型51は、シリコンにより構成してよいが、破損し易いという性質を有することから、ニッケル、ニッケル−タングステン、ニッケル−鉄等の材質にて構成してもよい。ニッケル等の材料により構成することは、型51の強度を高め、破損しにくいものとすることにつながる。また、ニッケル等の材料により構成した型51は、シリコン等を使用した電鋳により得ることができる他、レーザ加工、機械加工により製造することができる。また、ニッケル等の材料により構成した型51は、製作後において、レーザ加工、機械加工を用いて、追加工することも可能である。このように、レーザ加工、機械加工を使用して型51を製造、追加工することは、それにより成形されるデバイス層61に自由曲面を形成することが可能になること、及びそのコストを低減できること等の効果がある。
【0047】
なお、基材91は、平らな、又は未加工の基材や機械加工やフォトリソグラフィ等で加工した基材により構成してもよいが、デバイス層61と同様に、成形可能な材料を用いて構成してもよい。基材91を成形可能な材料を用いて構成する場合は、基材91を成形する図外の型も、上記同様に用意する。
【0048】
次に、S42の成形工程では、デバイス層61を構成する材料の成形が行われる。成形工程は、例えば、ホットエンボス法を用いて行うことができる。ホットエンボス法を適用することには、デバイス層61に採用できる材料の種類が多くなるというメリットがある。また、本工程は、トランスファー成形法、UV(紫外線)インプリント法、キャスティング法、射出成形法等を適用して行ってもよい。
【0049】
なお、デバイス層61を構成する材料は、成形工程にて成形を行うことができる材料であればよく、機械加工により加工可能な材料であればなお良い。具体的には、上記でも述べたように、樹脂、ガラス、ゴム等を採用することができる。デバイス層61を構成する材料に、樹脂を採用することは、それの有するSOIに無い高い柔軟性を活かした高感度なセンサを実現すること等につながる。また、透明性の高い樹脂、ガラス等を採用することには、ディスプレイ等へMEMS101を応用することが可能となるというメリットがある。
【0050】
また、デバイス層61を構成する材料は、成形前の様態が、板状のものを使用できるが、液状のものであっても使用可能である。例えば、デバイス層61を構成する材料として、樹脂を採用する場合には、熱硬化性、熱可塑性等のものを使用することができる。また、デバイス層61を構成する材料には、添加物を加えてもよい。前記添加物としては、導電性材料、構造補強材料等が考えられる。導電性材料を添加した場合は、デバイス層61そのものに導電性を持たせることができる。また構造補強材料を添加した場合には、デバイス層61の強度を高め、その耐久性等を高めることができる。なお、デバイス層61を構成する材料としては、金属、導電性樹脂を採用することもでき、この場合には、添加物を加えることなく、デバイス層61に導電性を持たせることができる。
【0051】
成形工程は、例えば、図6に示すように、デバイス層61を構成する材料と、型51とを配置することにより行うことができる。このようにすることにより、デバイス層61を構成する材料は、型51に対応した形状に成形される。デバイス層61は、その後、型51から離型される。
【0052】
デバイス層61には、図7に示すように、成形工程により成形された部位62乃至67が形成されていると共に、成形工程により生ずる残膜61aを有している。部位62の面62aは、型51の面52aにより成形される面である。同様に、面62b乃至62eは、型51の面52b乃至52eにより成形される面である。同様に、部位63乃至67の各面は、型51の溝52乃至57を構成する各面により成形される面である。なお、型51の傾倒した面である面52a、52c、52e等により、成形される面である面62a、62c、62e等は、傾倒した面として構成される。ただし、図5においては、面52a、52c、52e等の傾倒を誇張して示しており、図7等における62a、62c、62e等も、それに対応して誇張して傾倒していることを示している。
【0053】
なお、上記のように、基材91も成形工程により製造することもできる。成形工程により、基材91を製造した場合には、該成形工程の際に、部位92乃至94の部位等を設けることが可能である。また、基材91は、成形工程において、その厚み(図11に示す、厚みt)を自在に設定することもできる。
【0054】
次に、S43のコーティング工程では、図8に示すように、部位62の面62a、62e等を、導電性材料によりコーティングし、コーティング層81を形成する。なお、本工程は、デバイス層61を形成する材料が導電性材料であった場合、或いはデバイス層61が、コーティングをする必要がないものである場合等においては不要である。
【0055】
デバイス層61のコーティングは、図11に示す面62fなどをコーティングするために、S46の仕上コーティング工程にても行う必要がある。しかしながら、この仕上コーティング工程では、十分にコーティングができない部分が存在する。それは、上記に説明した型51に設けられる傾倒した面である面52a、52e等により成形されることにより、傾倒している面62a、62e等である。−Zから、+Z方向を見た場合に、これらの面は見えるが、+Z方向から、−Z方向に見た場合は、これらの面は見えなくなる。S46の仕上コーティング工程においては、+Z方向から−Z方向に向けてコーティングを行うものであるため、これらの面をコーティングすることは難しくなる。
【0056】
そこで、面62a、62e等の面を予めこの段階で、コーティングする。この段階では、−Z方向から+Z方向にコーティングを行うことができるからである。なお、コーティングの材料は、金、アルミニウム、白金等を使用する。また、必要な部分のみをコーティングするため、マスクを使用した上で、スパッタ法等を使用してコーティングを行うことが好ましい。また、マスクを使用して本工程を行う際には、図外の電気的配線層も同時に形成できるというメリットもある。
【0057】
次に、S44の接合工程では、デバイス層61を基材91に接合する。この際、デバイス層61の面62b、62d等が、基材91に対向するように接合する。接合を行った状態を図9に示すが、デバイス層61の基材91への接合にあたっては、紫外線、プラズマ等による表面活性化接合法を適用することができる。また、デバイス層61の材料や構造により、適用できる場面は限られるが、接着剤や非導通性のテープなどを使用しても良い。ここで言う非導電性テープとしては、半導体素子において利用されるダイボンディング用の熱硬化性テープを使用してよい。
【0058】
なお、デバイス層61に設けられる孔69等の孔、基材91に設けられる部位92乃至94は、デバイス層61を基材91に接合する際のアライメントにおいて使用することができる。即ち、アライメントに使用する孔69等の孔は、MEMS1における位置決め孔13に相当する。また、同様にアライメントに使用する部位92乃至94は、MEMS1における位置決め突起15に相当する。なお、デバイス層61と基材91とを接合する際のアライメントにおいて使用する孔69等の孔は、貫通孔、止まり孔いずれであってもよい。また、デバイス層61にアライメントに使用する部位(突起)を設け、基材91にアライメントに使用する孔を設けても、上記同様に、デバイス層61を基材91に接合する際のアライメントにおいて使用することができる。
【0059】
なお、孔69等の孔と、前記部位92乃至94とを嵌合させることは、デバイス層61が、基材91から脱離しにくくすることに対し有効である。さらに、デバイス層61と基材91とが接する面の面積を大きくなるように、基材91等を構成することも、デバイス層61が、基材91から脱離しにくくすることに対し有効である。
【0060】
次に、S45の除去工程では、機械加工により、デバイス層61の残膜61aを除去する。除去工程を行った後のものは、図10に示すようなものとなり、残膜61aを除去することにより面62f等が形成されるが、面62f等はミラーデバイスに適用できるレベルの面精度に当該機械加工によりすることが可能である。なお、本工程は、具体的に、楕円振動切削法、フライカット法等を適用して、実施することができる。また、本工程の生産性向上のために、研磨加工法を適用して、本工程の作業効率を高めても良い。また、残膜61aの除去は、機械加工に換えて、レーザ加工法、プラズマ加工法、電子ビーム加工法等を適用して、非接触に行うことも可能である。
【0061】
なお、本工程においては、デバイス層61等の破損を防止するため補強材を使用してもよい。具体的には、デバイス層61と基材91との間に補強材を充填してから、残膜61aの除去を行う。これにより、残膜61aの除去を行う際に、デバイス層61等が破損することを防止することができる。ただし、補強材は、後に完全に除去する必要があり、またデバイス層61等を構成する材料に悪影響を及ぼしてはならないため、それらの要件を満たすものを使用する必要がある。
【0062】
残膜61aの除去を終えた後の補強材の除去は、補強材の性質に適合する方法により行う必要があるが、例えば、該補強材を溶解、エッチングすること等より行う。また、残膜61aを除去した後、その切屑や、バリが生じる場合には、アッシング法、レーザ加工法、プラズマ加工法、電子ビーム加工法等により後処理を行い、それらを除去してもよい。ただし、前記後処理を行う際に、デバイス層61の表面(例えば、部位62の面62f)が荒れる可能性がある。特にこれらの面がミラー面などである場合には、特に問題となる。この問題は、該後処理の際に、デバイス層61の表面にマスクを行うこと等により、解消することができる。
【0063】
次に、S46の仕上コーティング工程を行う。仕上コーティング工程では、コーティング工程と同様に、導電性材料によるコーティングを行う。本工程で、主にコーティングを行う面は、除去工程により、残膜61aを除去することにより形成された面62f等である。コーティング工程により面62a等は、既にコーティングされているためである。なお、コーティング工程を省略し、本工程のみで、デバイス層61のコーティングを行うことも不可能ではない。この場合には、面62a等にもコーティング材料が回り込み、適切なコーティングができるよう、デバイス層61等を傾け、更に回転させながら本工程を行うことが好ましい。
【0064】
以上のような工程により、製造されるMEMS101は、図11に示すとおりである。MEMS101には、鍔61g、中空部68、孔69等が備えられている。これらは、型51の溝52乃至57の深さが、任意に(図5においては2段階)に設定されることにより形成される。鍔61g等の鍔は、仕上コーティング工程において、不要な部分までコーティングされることにより発生する不必要な電気的導通をさけるために設けられる。また、中空部68は、流路、可動部構造、カンチレバー等の構造に使用されるものである。孔69等の孔は、電気的配線、デバイス層61と基材91との接合の際のアライメント等に使用することができる。なお、孔69等の孔は、原則として図示するように貫通孔として構成する。ただし、デバイス層61と基材91との接合の際のアライメントに使用する場合において、孔69等の孔は、止まり孔として構成してもよい。
【0065】
次に、上記説明したMEMSの製造工程を適用して得られる、各種機能を有するMEMSについて、図12乃至16を用いて説明する。なお、ここでは、説明を容易とすることを目的として、図12乃至15において、X軸、及びZ軸に係る断面を示すこととする。図12に示すMEMS201は、電子基板231への実装を考慮したものであり、同図は、電子基板231にMEMS201を実装した状態を示している。MEMS201のデバイス層202に貫通孔204aが、基材203に貫通孔206が夫々設けられている。このことにより、MEMS201には、Z軸に沿ってデバイス層202、及び基材203を貫通し、貫通孔204a、貫通孔206とにより構成されるスルーホール204が設けられている。
【0066】
貫通孔206には、導電性を有する接着剤205が充填され、デバイス層202の貫通孔204aの壁面にコーティングされているコーティング層81と、バンプ233とは、電気的に接続される。バンプ233は、電子基板231の配線232にも接続されている。従って、コーティング層81層と、配線232とは、スルーホール204を利用して電気的に容易に接続できる。
【0067】
なお、この電気的接続は、貫通孔204aと、部位211と等による、デバイス層202と、基材203とのアライメントと合わせて行うことができる。また、貫通孔206は、基材203を、上記説明した成形工程を使用して形成する場合において、当該工程時に設けることが好ましい。その理由は、MEMS201の生産効率を向上することができるからである。貫通孔206は、例えば、打ち抜き成形を行うことにより設けることができる。また、貫通孔206は、ドリルやレーザを利用して、設けることもできる。
【0068】
また、コーティング層81と、配線232は、バンプ233を使用せず、接着剤205により基材203と電子基板231とを直接接着することによっても電気的に接続できる。
【0069】
図13に示すMEMS301は、デバイス層302を、第1の層302a、及び第2の層302bにより構成し、当該デバイス層302を、基材303に接合している。なお、第1の層302a、及び第2の層302bは、互いに異なる機能を有するものとすることができる。また、第1の層302a、及び第2の層302bとの接続、及び第2の層302bと基材303との接続は、第2の層302bに設けられる貫通孔304等の貫通孔を利用して行われている。
【0070】
なお、同図におけるMEMS301は、デバイス層302を、2つの層(第1の層302a、及び第2の層302b)により構成しているが、より多くの層により構成してもよい。このように、デバイス層302を多層化することは、デバイス機能、及び制御用素子(例えばIC)等の集積化を図ることを可能とし、MEMS301の高機能化、多機能化に寄与する。
【0071】
図14に示すMEMS401は、デバイス層402及び基材403から構成される流路404を備えるものである。上記MEMSの製造方法により製造されるMEMSは、MEMS1のような可動部構造のものだけでなく、流路等、非可動部構造のものも構成することができ、更に可動部構造、非可動部構造共に備えるものも容易に製造することができる。このことに基づき、MEMS401は、開口部405を有する流路を流れる流体を移動させる図外のポンプや、図外のバルブなども備えた多機能なMEMSとして実現することができる。
【0072】
図15、及び図16に示すMEMS501は図外のデバイス層の真空封止を想定したものである。MEMS501においては、基材503に溝504を設けている。キャップ521には、溝504に挿入可能な凸部522が設けられている。従って、キャップ521の凸部522を基材503の溝504に挿入することにより、デバイス層の真空封止を実現できる。なお、デバイス層の真空封止は、デバイス層にキャップを取り付けることによっても、行うことができる。図12においては、MEMS201のデバイス層202に、キャップ221を取り付けているが、このようにすることによっても、デバイス層の真空封止を実現することができる。
【0073】
以上説明したように、本発明に係るMEMSの製造方法は、MEMS1、101等の製造に係るコストを削減することができる。具体的には、本MEMSの製造方法は、安価且つ生産性が高い成形工程、除去工程を有している。また、除去工程は、機械加工等により行うことができる。半導体加工プロセスは、原則的に使用されないため、MEMSの低コスト化、生産性の向上を図ることができる。また、複数個のMEMSを同時に製造ことも、本MEMSの製造方法を適用することにより可能である。これは、複数個のデバイス層を同時に成形できる型を使用して成形工程を行うこと等により実現できる。
【0074】
また、成形工程にて使用する型に設けられる溝は、深さを任意に設定することができる。このことは、MEMS内に、流路、可動構造、カンチレバー等の中空部を有する構造、或いは鍔等を作成できることにつながる。SOI基板を使用してデバイス層を作成する場合には、上記のような構造、鍔を設けるために、フッ酸等の有害な薬剤を使用する場合があった。本MEMSの製造方法においては、前記有害な薬剤が不要であるため、MEMSの製造を安全に行うことができる。さらに、前記有害な薬剤を使用した工程が不要になることは、MEMSの生産性の向上にも寄与する。
【0075】
また、孔は、デバイス層と基材とのアライメント、電気的配線、デバイス層を多層に構成する際等に利用できる。即ち、孔を設けることは、MEMSの生産性等を高めるとともに、その機能を向上させることにも寄与する。なお、孔は、貫通孔として構成する。ただし、デバイス層と基材との接合の際のアライメントに使用する場合において、孔は、止まり孔として構成してもよい。
【0076】
また、除去工程を機械加工により行うことは、容易に、デバイス層の表面を鏡面化できることにつながる。即ち、本製造方法は、容易にミラーデバイスであるMEMS(例えば、MEMS1)を製造することができるものである。
【0077】
さらに、成形可能な材料を使用するため、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSには、従来のSOIを使用して製造されるMEMSと比較して高い機能が付加されている。例えば、デバイス層を構成する材料に、樹脂を採用することは、それの有するSOIに無い高い柔軟性を活かした高感度なセンサを実現することにつながる。また、透明性の高い樹脂、ガラス等でデバイス層を製造した場合は、該MEMSをディスプレイ等へ応用することが可能となる。
【0078】
また、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSは、静電駆動、電磁駆動、熱駆動、圧電駆動等に対応できるものとすることができる。たとえば、圧電駆動可能なMEMSは、上記MEMSの製造方法を適用する際に、デバイス層を構成する材料として圧電プラスティックを採用することで得ることができる。また、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSは、アクチュエータなど駆動可能構造だけでなく、マイクロ流路等の非可動構造も有するものとすることができ、さらに、それらを複合したものとして構成することもできる。また、本MEMSの製造方法により製造されたMEMSは、デバイス機能、及び制御用素子(例えばIC)等の集積化にも対応可能であるため、応用範囲の広いものとすることができる。
【0079】
なお、本実施の形態で示したMEMSの製造方法、及びMEMS1、101等は、本発明に係るMEMSの製造方法、及びMEMS一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係るMEMSの製造方法及びMEMSは、成形及び機械加工可能なデバイス層を有するMEMSの製造方法、及び前記デバイス層を有するMEMSに適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1、101 MEMS
51 型
61 デバイス層
61a 残膜
81 コーティング層
91 基材
S41 型作成工程
S42 成形工程
S43 コーティング工程
S44 接合工程
S45 除去工程
S46 仕上コーティング工程
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細構造体からなるデバイス層と、基材とにより構成されるMEMSの製造方法であって、
成形可能な材料を型により成形することにより、前記デバイス層を成形する成形工程と、
前記成形工程により成形された前記デバイス層と、前記基材とを接合する接合工程と、
前記成形工程で生じた残膜を、前記デバイス層より除去する除去工程と、を有することを特徴とするMEMSの製造方法。
【請求項2】
前記除去工程は、機械加工により行われることを特徴とする請求項1記載のMEMSの製造方法。
【請求項3】
前記除去工程においては、前記残膜の除去に先立ち、前記デバイス層と前記基材との間に補強材を充填することを特徴とする請求項1又は2に記載のMEMS。
【請求項4】
前記型が、開口部を有するとともに、前記デバイス層の成形に使用される溝を複数備え、
前記溝の深さは、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載のMEMSの製造方法
【請求項5】
前記型に具備される溝の側面が、該溝の底面から開口部にかけて、溝幅が拡大するように傾倒されていることを特徴とする請求項4記載のMEMSの製造方法。
【請求項6】
前記接合工程に先立ち、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングするコーティング工程、を有することを特徴とする請求項5記載のMEMSの製造方法。
【請求項7】
前記成形工程において、前記デバイス層に孔、または突起のうち少なくとも一つが、設けられることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のMEMSの製造方法。
【請求項8】
前記除去工程後に、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングする仕上コーティング工程、を有することを特徴とする請求項1乃至7何れか記載のMEMSの製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項記載のMEMSの製造方法により製造されることを特徴とするMEMS。
【請求項10】
前記デバイス層と前記基材とのうち一方には、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用孔が、前記デバイス層、及び前記基材のうち他方には、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用突起が、夫々設けられており、前記アライメント用孔には、前記アライメント用突起が挿入されていることを特徴とする請求項9記載のMEMS。
【請求項11】
前記デバイス層と前記基材との少なくとも一方には、電気的接続に供される貫通孔が設けられることを特徴とする請求項9又は10記載のMEMS。
【請求項12】
前記デバイス層が、複数の層を積層することにより構成されることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項記載のMEMS。
【請求項13】
前記デバイス層、又は前記基材には、前記デバイス層を封止するキャップが取付けられることを特徴とする請求項9乃至12何れか1項記載のMEMS。
【請求項1】
微細構造体からなるデバイス層と、基材とにより構成されるMEMSの製造方法であって、
成形可能な材料を型により成形することにより、前記デバイス層を成形する成形工程と、
前記成形工程により成形された前記デバイス層と、前記基材とを接合する接合工程と、
前記成形工程で生じた残膜を、前記デバイス層より除去する除去工程と、を有することを特徴とするMEMSの製造方法。
【請求項2】
前記除去工程は、機械加工により行われることを特徴とする請求項1記載のMEMSの製造方法。
【請求項3】
前記除去工程においては、前記残膜の除去に先立ち、前記デバイス層と前記基材との間に補強材を充填することを特徴とする請求項1又は2に記載のMEMS。
【請求項4】
前記型が、開口部を有するとともに、前記デバイス層の成形に使用される溝を複数備え、
前記溝の深さは、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載のMEMSの製造方法
【請求項5】
前記型に具備される溝の側面が、該溝の底面から開口部にかけて、溝幅が拡大するように傾倒されていることを特徴とする請求項4記載のMEMSの製造方法。
【請求項6】
前記接合工程に先立ち、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングするコーティング工程、を有することを特徴とする請求項5記載のMEMSの製造方法。
【請求項7】
前記成形工程において、前記デバイス層に孔、または突起のうち少なくとも一つが、設けられることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のMEMSの製造方法。
【請求項8】
前記除去工程後に、導電性材料により前記デバイス層の一部、または全部をコーティングする仕上コーティング工程、を有することを特徴とする請求項1乃至7何れか記載のMEMSの製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項記載のMEMSの製造方法により製造されることを特徴とするMEMS。
【請求項10】
前記デバイス層と前記基材とのうち一方には、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用孔が、前記デバイス層、及び前記基材のうち他方には、該デバイス層と該基材とのアライメントに供されるアライメント用突起が、夫々設けられており、前記アライメント用孔には、前記アライメント用突起が挿入されていることを特徴とする請求項9記載のMEMS。
【請求項11】
前記デバイス層と前記基材との少なくとも一方には、電気的接続に供される貫通孔が設けられることを特徴とする請求項9又は10記載のMEMS。
【請求項12】
前記デバイス層が、複数の層を積層することにより構成されることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項記載のMEMS。
【請求項13】
前記デバイス層、又は前記基材には、前記デバイス層を封止するキャップが取付けられることを特徴とする請求項9乃至12何れか1項記載のMEMS。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−45981(P2011−45981A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197924(P2009−197924)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、文部科学省、地域科学技術振興事業委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、文部科学省、地域科学技術振興事業委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】
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