説明

MEMSセンサ及びその製造方法

【課題】 金属結合部の接合界面に作用する応力の均一性を向上させるMEMSセンサを提供することを目的としている。
【解決手段】 機能層10には、動作領域15と外部領域16とを区画する枠体14とが形成される。前記枠体14と支持基板1間は第1の絶縁層3aを介して接合される。枠体14と配線基板2間は、金属結合部30aを介して接合されている。金属結合部30aでは、配線基板2の表面に第1の金属層31aが形成され、枠体14の表面に第2の金属層32aが形成され、第1の金属層31aと第2の金属層32aとが加熱され加圧されて互いに接合されている。第1の絶縁層3aの外周側面3cは、枠体14の外周側面14aよりも前記動作領域の方向に後退している。第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面Aの外周端部Bは、前記第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも前記動作領域から離れる方向である外側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン(Silicon)層を微細加工して形成されたMEMSセンサに係り、特に、動作領域が金属結合部で囲まれて封止されているMEMSセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1に記載されているMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)センサは、例えば、2つのシリコンウェハが、SiO2層の酸化絶縁層(Insulator)を挟んで一体に接合されたSOI基板を加工して形成されている。
【0003】
SOI基板の一方のシリコンウェハが第1の部材(支持基板)となり、他方のシリコンウェハが機能層となる。機能層が微細加工されて、可動部とこの可動部を支持する支持部とが形成され、さらに機能層の一部によって可動部と支持部とを有する動作領域を囲む枠体が形成されている。また、シリコンウェハで形成された第2の部材(配線基板)が、機能層に重ねられ、前記枠体と第2の部材とが接合されて、前記動作領域が外部領域から区画されて密閉されている。
【0004】
以下の特許文献1に記載された発明は、第2の部材の表側に現れている絶縁層の表面にアルミニウム層が形成され、枠体の表面にゲルマニウム層が形成され、アルミニウム層とゲルマニウム層とが加熱され加圧されて共晶接合または拡散接合により結合されて金属結合部が形成されている。この金属結合部を用いると、加熱および加圧という簡単な作業で、第2の部材と枠体とを接合して動作領域を密閉できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2010/032821号
【特許文献2】特開平6−289049号公報
【特許文献3】特開2006−84327号公報
【特許文献4】特開2004−311951号公報
【特許文献5】特開2010−243420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来では、金属結合部の接合界面に作用する応力の均一性が悪く、接合強度が低下しあるいは接合強度のばらつきが問題となった。
【0007】
また、特許文献2に記載されているように、機能層と第2の部材の接合部の周囲にパッシベーション層すなわち保護絶縁層を形成する構成としたとき、特許文献3や特許文献4のように、金属結合部における接合界面の外周端部が酸化絶縁層の外周側面よりも動作領域である内側に後退していると(後述する比較例の形態)、金属結合部を構成する金属層が外側に流失しやすく、保護絶縁層を形成するための隙間が極端に狭くなるといった問題があった。また特許文献5の構成でも金属結合部を構成する金属層が加圧、加熱により外側に流失し、はみ出した金属層が大きく盛り上がってしまう。そのため、金属結合部の外周表面に保護絶縁層を適切に被覆できず、保護絶縁層が途切れてしまう等、金属結合部の腐食を適切に防止できないといった問題が生じた。
【0008】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するものであり、特に金属結合部の接合界面に作用する応力の均一性を向上させ、封止性を向上させたMEMSセンサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の部材と、第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に位置する機能層とを有するMEMSセンサにおいて、
前記機能層には、可動部と、前記可動部を支持する支持部と、前記可動部および前記支持部が位置する動作領域と外部領域とを区画する枠体とが形成され、前記枠体と前記第1の部材とが、前記動作領域の全周を囲む第1の絶縁層を介して接合され、前記枠体と前記第2の部材とが、前記動作領域の全周を囲む金属結合部を介して接合されており、
前記金属結合部では、前記第2の部材の前記枠体との対向面に第1の金属層が形成され、前記枠体の前記第2の部材との対向面に第2の金属層が形成され、前記第1の金属層と前記第2の金属層とが加熱され加圧されて互いに接合されており、
前記第1の絶縁層の外周側面は、前記枠体の外周側面よりも前記動作領域の方向である内側に後退しており、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の外周端部は、前記第1の絶縁層の外周側面よりも前記動作領域から離れる方向である外側に位置していることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明におけるMEMSセンサの製造方法は、
第1の部材と第1の絶縁層を介して接合してなる機能層の、動作領域と外部領域とを区画する枠体の表面に第2の金属層を形成する工程、
前記機能層の不要な部分を除去して、前記機能層を、可動部、前記可動部を支持する支持部、及び前記枠体に区画し、このとき、前記枠体の外周側面から前記第2の金属層の外周側面までの後退量T1を、前記第1の絶縁層を前記支持部及び前記枠体との間に残し前記可動部との間にて除去する次工程にて形成される、前記枠体の外周側面から前記第1の絶縁層の外周側面までの後退量T2よりも小さくする工程、
前記第1の絶縁層を、前記支持部及び前記枠体との間に残し、前記可動部との間にて除去する工程、
第2の部材の前記枠体と対向する表面に、外周側面が、前記第2の金属層の外周側面よりも外側にまで延出する第1の金属層を形成し、前記第1の金属層と、前記第2の金属層とを対向配置して、加熱及び加圧により互いに接合して、前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の外周端部を、前記第1の絶縁層の外周側面よりも外側に位置させる工程、
を有することを特徴とするものである。
【0011】
これにより、第1の金属層と第2の金属層間を加熱・加圧したとき、接合界面の外周端部が、第1の絶縁層の外周側面よりも内側に後退した形態(比較例)に比べて、第1の金属層と第2の金属層との間の接合界面に加わる応力を均一にできる。よって金属結合部での封止性を向上させることが可能になる。
【0012】
また本発明では、比較例に比べて、前記接合界面の外周端部に加わる応力を弱めることができ、よって第1の金属層が潰れて外部領域にはみ出したことによる盛り上がりの高さを低く抑えることが出来る。したがって前記金属結合部の外周表面を保護絶縁層により覆う形態では、前記保護絶縁層を金属結合部の外周表面に途切れることなく形成しやすくなる。保護絶縁層を途切れることなく形成できることで、金属結合部の腐食を防止しやすくなる。
【0013】
本発明では、前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の外周端部は、前記枠体の外周側面と高さ方向に一致していることが好適である。上記の製造方法においては、前記枠体の外周側面に沿って切断したとき、その切断面上に前記第2の金属層の外周側面を一致させて、前記後退量T1を0にすることが好適である。これにより、接合界面の外周端部を枠体の外周側面よりも内側に後退させた形態に比べて、保護絶縁層を金属結合部の外周表面に成膜するときの間口を広くできるため、保護絶縁層を均一な膜厚で簡単且つ適切に成膜することができる。
【0014】
また本発明では、前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の内周端部は、前記第1の絶縁層の内周側面よりも、前記動作領域から離れる方向に位置していることが好ましい。これにより、より効果的に、第1の金属層と第2の金属層との間の接合界面の外周端部に加わる応力を弱めることができ、よって第1の金属層が潰れて外部領域にはみ出したことによる盛り上がりの高さをより低く抑えることが出来る。
【0015】
また本発明では、下から前記第2の部材、前記機能層及び前記第1の部材の順に積層され、前記金属結合部では、前記第1の金属層が前記第2の金属層の下側に位置しており、
加熱され加圧されたときに、前記金属結合部の接合界面よりも前記外部領域へはみ出した前記第1の金属層の高さが、前記枠体の前記第2の部材との対向面以下に位置している構成にできる。
【0016】
また本発明では、下から前記第2の部材、前記機能層及び前記第1の部材の順に積層され、前記金属結合部では、前記第1の金属層が前記第2の金属層の下側に位置しており、
前記第1の金属層は、前記金属結合部の接合界面よりも前記外部領域へはみ出しており、
前記第1の部材の外周側面は、前記枠体の外周側面と高さ方向にて一致するか、あるいは前記枠体の外周側面よりも外側に位置するとともに、前記第1の金属層の外周端部よりも内側に位置していることが好ましい。
【0017】
これにより、枠体の外周側面から外側に突出する第1の部材の突出長さを短くでき、より効果的に、保護絶縁層を均一な膜厚で簡単且つ適切に成膜することができる。また本発明では、前記第1の部材、前記第2の部材及び前記機能層を有するMEMSセンサ本体が収納体に支持され、前記MEMSセンサ本体と前記収納体との間に樹脂層が充填されてパッケージ化されている構成において、枠体の外周側面から外側に突出する第1の部材の突出長さを短くできることで、第1の金属層と第2の金属層間の接合強度を良好に保つことができる。
【0018】
また本発明では、前記第2の部材は、前記機能層の外周側面及び前記第1の部材の外周側面よりも外側に延出した延出部を有し、
前記第2の部材は、基材と、前記基材の前記機能層との対向面側に設けられた第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層内に埋設された内部配線層と、前記内部配線層と電気的に接続され、前記可動部と対向した位置にて前記第2の絶縁層の表面に設けられる対向電極層と、前記内部配線層と電気的に接続され、前記延出部にて前記第2の絶縁層の表面に設けられるパッド部と、を有して構成され、前記パッド部が高さ方向にて開放されているMEMSセンサに好ましく適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の本実施形態のMEMSセンサの全体構造を示す縦断面図である。
【図2】(a)は、本実施形態におけるMEMSセンサの部分拡大縦断面図であり、(b)は、比較例におけるMEMSセンサの部分拡大縦断面図である。
【図3】(a)は、応力分布のシミュレーション実験に使用したMEMSセンサの模式図(正面図)であり、(b)は本実施例のMEMSセンサの部分拡大模式図、(c)は比較例のMEMSセンサの部分拡大模式図である。
【図4】(a)は実施例におけるミーゼス応力の分布を示す模式図であり、図4(b)は比較例のミーゼス応力の分布を示す模式図で示したものであり、(c)は実施例における最小主応力の分布を示す模式図であり、(d)は比較例の最小主応力の分布を示す模式図で示したものである。
【図5】(a)は、実施例におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真であり、(b)は、比較例におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】(a)は図5(a)の実施例を図示したものであり、(b)は図5(b)の比較例を図示したものである。
【図7】本実施形態におけるMEMSセンサの部分拡大縦断面図である。
【図8】第2の実施形態におけるMEMSセンサの部分縦断面図である。
【図9】第3の実施形態におけるMEMSセンサの部分縦断面図である。
【図10】(a)は、実施例−1におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真であり、(b)は、実施例−2におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真である。
【図11】パッケージ化された本実施形態のMEMSセンサを示す縦断面図である。
【図12】支持基板(第1の部材)のダイシングカット位置と、接合界面の外周端部と内周端部とに生じる引張方向応力との関係を示すグラフである。
【図13】本実施形態のMEMSセンサの製造工程を示す工程図(部分縦断面図)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に示すMEMSセンサは、支持基板(第1の部材)1と配線基板(第2の部材)2の間に、機能層10が挟まれている。支持基板1と機能層10の各部は、第1の絶縁層3a,3bを介して接合されている。支持基板1と機能層10および第1の絶縁層3a,3bは、SOI(Silicon on Insulator)基板を加工して形成されている。ここで使用するSOI基板は、2つのシリコンウェハが、SiO2層である酸化絶縁層(Insulator)を挟んで一体に接合されたものである。SOI基板の一方のシリコンウェハが、支持基板1として使用され、他方のシリコンウェハが機能層10として使用される。
【0021】
機能層10を構成するシリコンウェハが微細加工され、可動部11とこの可動部11を支持する支持部12と、可動部11と支持部12との間に位置して可動部11を図1の図示上下に移動自在に支持する弾性変形部13とが形成されている。さらに、機能層10を構成するシリコンウェハの一部で、前記可動部11および支持部12の周囲全周を囲む枠体14が形成されている。
【0022】
機能層10を構成するシリコンウェハの微細加工の後に、前記SOI基板のSiO2層である酸化絶縁層が部分的に除去され、残った酸化絶縁層によって、前記第1の絶縁層3a,3bが形成される。
【0023】
第1の絶縁層3bによって機能層10の支持部12が支持基板1に固定されている。可動部11ならびに弾性変形部13と支持基板1との間には酸化絶縁層が存在しておらず、支持基板1と配線基板2との間の動作領域15において、可動部11が図示上下方向へ移動自在である。
【0024】
可動部11と支持部12と弾性変形部13および枠体14の加工は、高密度プラズマを使用した深堀RIEなどのイオンエッチング手段で、機能層10のシリコンウェハの一部を除去することで行われる。酸化絶縁層の一部を除去して第1の絶縁層3a,3bを形成する工程は、シリコンを溶解せずにSiO2層を溶解できる選択性の等方性エッチング処理により行われる。
【0025】
SOI基板の一方のシリコンウェハで形成される支持基板1は、厚さ寸法が0.2〜0.7mm程度であり、他方のシリコンウェハで形成される可動部11と支持部12と弾性変形部13ならびに枠体14は、厚さ寸法が10〜30μm程度である。第1の絶縁層3a,3bの厚さは1〜3μm程度である。
【0026】
配線基板(第2の部材)2は、厚さ寸法が0.2〜0.7mm程度の単層のシリコンウェハ(基材)21と、シリコンウェハ21の表面に形成された第2の絶縁層(第2の絶縁層)22とで構成されている。第2の絶縁層22は、SiO2、Si34またはAl23などの無機絶縁層であり、スパッタ工程またはCVD工程で形成される。図示しないが第2の絶縁層22は複数の絶縁層の積層構造とされており、このとき各絶縁層の材質を変えることができる。
【0027】
機能層10のシリコンウェハで形成された枠体14と配線基板2は、封止用の金属結合部30aを介して固定されている。機能層10のシリコンウェハで形成された支持部12と配線基板2は、導通用の金属結合部30bを介して固定されている。
【0028】
封止用の金属結合部30aでは、配線基板2を構成している第2の絶縁層22の表面(枠体14との対向面)に第1の金属層31aが形成され、枠体14の表面(第2の絶縁層22の表面)に第2の金属層32aが形成されている。導通用の金属結合部30bにおいても、第2の絶縁層22の表面に第1の金属層31bが形成され、機能層10の支持部12に第2の金属層32bが形成されている。
【0029】
第1の金属層31a,31bと第2の金属層32a,32bは、加熱および加圧工程で、共晶接合または拡散接合される金属材料の組み合わせである。また、加熱処理されたときに、第1の金属層31a,31bが第2の金属層32a,32bよりも粘度が低くなる。例えば、第1の金属層31a,31bがアルミニウムあるいはアルミニウムを含む合金であり、例えばアルミニウム−銅合金で形成され、第2の金属層32a,32bがゲルマニウムで形成されている。
【0030】
共晶接合または拡散接合が可能な他の金属材料の組み合わせは、第1の金属層31a,31bがアルミニウムまたはアルミニウムを含む合金であり、第2の金属層32a,32bが亜鉛である。その他、第1の金属層−第2の金属層の組み合わせは、金−シリコン、金−インジウム、金−ゲルマニウム、金−錫などである。上記金属の組み合わせでは、それぞれの金属の融点以下の温度である450℃以下の比較的低い温度で金属間の接合を行うことが可能になる。
【0031】
封止用の金属結合部30aは、動作領域15の全周を囲んで設けられる。接合後は、可動部11と支持部12を有する動作領域15と外部領域16とが、金属結合部30aで遮断されて動作領域15が密封される。前記接合工程を不活性ガスの雰囲気下で行えば、動作領域15に不活性ガスを充填することもできる。
【0032】
導通用の金属結合部30bでは、第2の絶縁層22の内部に内部配線層35が形成され、内部配線層35が第1の金属層31bに導通している。したがって、シリコンで形成されている支持部12と可動部11は、金属結合部30bを介して内部配線層35と導通している。
【0033】
図1に示すように、第2の絶縁層22の表面には、可動部11に対向する対向電極層36が設けられ、この対向電極層36は、第2の絶縁層22の内部に引回された図示しない内部配線層と導通している。
【0034】
また配線基板2は、枠体14の外周側面14a及び支持基板1の外周側面1aよりも外側に延出する延出部2aを有する。そして延出部2aの第2の絶縁層22の表面に、内部配線層35と電気的に接続されるパッド部20が形成されている。図1に示すようにパッド部20は高さ方向に向けて開放されている。
【0035】
このMEMSセンサは、加速度センサとして使用することができる。MEMSセンサに対して図示上下のいずれかの向きの加速度が作用すると、その反作用により、動作領域15内で可動部11が加速度と逆の向きに移動する。その結果、可動部11と対向電極層36との距離が変化する。この距離の変化を静電容量の変化として検出すると、加速度の向きと大きさを検出することができる。その他、MEMSセンサは、圧力センサ、振動型ジャイロなどとして使用することができる。
【0036】
図1に示す第1の金属層31aと第2の金属層32aは、加熱および加圧工程に移行する前の状態を示している。すなわち図1は、共晶接合または拡散接合される前の第1の金属層31aと第2の金属層32aを示している。一方、図2(a)は、加熱および加圧工程を経て、第1の金属層31aと第2の金属層32aとが共晶接合または拡散接合されて金属結合部30aが形成された後の状態を示している。図2(a)は本実施形態におけるMEMSセンサの部分拡大縦断面図である。
【0037】
図2(a)に示すように、第2の絶縁層22の表面(対向面)に接合平面22aが形成されている。接合平面22aの両側に段差部22b,22bが形成され、段差部22b,22bよりも動作領域15側と外部領域16側とで、第2の絶縁層22の表面(対向面)が、接合平面22aよりも低く窪んでいる。加熱および加圧工程の前の段階では、接合平面22aに第1の金属層31aが一定の膜厚で成膜されている。第1の金属層31aは接合平面22aから段差部22bを介した第2の絶縁層22の動作領域15の表面及び外部領域16の表面にかけて形成されている。
【0038】
図2(a)に示すように、枠体14の表面(対向面)に接合平面14cが形成され、接合平面14cの内側(動作領域15の方向)には、段差部14bを介して接合平面14cよりも一段上側(第2の絶縁層22から離れる側)に後退した後退平面14dが形成されている。加熱および加圧工程の前の段階では、第2の金属層32aが、接合平面14cから接合平面14cより内側の後退平面14dにわたってほぼ一定の膜厚で成膜されている。
【0039】
図2(a)に示すように、第1の金属層31aのX1−X2方向における長さ寸法は、第2の金属層32aのX1−X2方向における長さ寸法よりも長くなっている。その結果、機能層10と配線基板2とを重ねるときに、機能層10と配線基板2とが平面方向に位置ずれしても、第2の金属層32aの全域を、第1の金属層31a内で対向させやすい。
【0040】
図2(a)に示すように、第2の金属層32aの外周側面32cは、枠体14の外周側面14aと高さ方向にて一致している。すなわち第2の金属層32aの外周側面32cは、枠体14の外周側面14aに沿った位置に形成されている。一方、第1の金属層31aは、第2の金属層32aとの対向位置よりも外側の外部領域16にまで延出している。
【0041】
よって図2(a)に示すように第1の金属層31aと第2の金属層32aとを重ね合わせて加熱し加圧したときの接合界面Aの外周端部Bは、枠体14の外周側面14aと高さ方向にてほぼ一致する。すなわち、接合界面Aの外周端部Bは、枠体14の外周側面14aに沿った延長線上にほぼ位置している。ここで、枠体14の外周側面14aから接合界面Aの外周端部Bまでの後退量をT1とすると、図2(a)の実施形態での後退量T1は、ほぼゼロである。
【0042】
図2(a)に示すように、枠体14と支持基板1間を接合する第1の絶縁層3aの外周側面3cは、枠体14の外周側面14aよりも内側(動作領域15の方向に;X1側に)に後退している。枠体14の外周側面14aから第1の絶縁層3の外周側面3cまでの後退量はT2であり、後退量T2はゼロよりも大きい。
【0043】
したがって、本実施形態では、後退量T1<後退量T2の関係が成り立っており、枠体14の外周側面14a及び第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外部端部Bは、第1の絶縁層3aの外周側面3cより外側(動作領域15から離れる方向;外部領域16に近づく方向;X2側)に位置している。
【0044】
そして、金属結合部30aの外周表面がパッシベーション層すなわち保護絶縁層41により覆われている。保護絶縁層41は枠体14の外周側面14aや第2の絶縁層22の表面等も金属結合部30aの外周表面と連続して覆っている。保護絶縁層41は、例えばCVD法により成膜可能なものであり、Si34、SiO2、PSG等である。
【0045】
図2(b)は、比較例のMEMSセンサの構造を示す。
図2(b)では、第1の金属層51aと第2の金属層52aとの接合界面Aの外周端部Bが、枠体14の外周側面14aよりも内側に(動作領域15の方向;X1側)に後退するとともに、第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも内側に後退している。すなわち、後退量T1>後退量T2の関係が成り立っている。
【0046】
図3(a)は、シミュレーション実験に使用したMEMSセンサの全体模式図(正面図)である。図3(b)が本実施例におけるMEMSセンサの部分拡大模式図であり、図3(c)が比較例におけるMEMSセンサの部分拡大模式図である。
【0047】
図3(a)(b)(c)に示すように、シリコンからなる第1の部材(支持基板)1と、シリコンからなる枠体14との間にSiO2からなる第1の絶縁層3aが介在する。第2の部材2は、シリコンの基材21と、その表面に形成された第2の絶縁層22とを備える。第2の部材2には、図1に示した配線基板2のような内部配線層35や対向電極層36は設けず、簡素化した。第2の絶縁層22は、Si34により形成されている。また、第2の絶縁層22の表面にアルミニウムからなる第1の金属層31a(図3(c)の比較例では第1の金属層51aとした)、枠体14の表面にゲルマニウムからなる第2の金属層32a(図3(c)の比較例では第2の金属層52aとした)を備え、実験では第1の金属層31aと第2の金属層32aとの間に1MPaの圧力を加えた。
ここで実験で使用した各材質のヤング率及びポアソン比は以下の通りである。
【0048】
【表1】

【0049】
実験に使用した図3(b)の実施例では、図2(a)と同様に、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外周端部Bを枠体14の外周側面14aと高さ方向にて一致させ、第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側(X2側)に位置させた。
【0050】
また実験に使用した図3(c)の比較例では、図2(b)と同様に、第1の金属層51aと第2の金属層52aとの接合界面Aの外周端部Bを、第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも更に、内側(X1側)に後退させた。
【0051】
そして実験では、実施例と比較例において、ミーゼス応力(絶対値)と最小主応力(圧縮方向)の分布を測定した。
【0052】
図4(a)が実施例におけるミーゼス応力の分布を示す模式図であり、図4(b)が比較例のミーゼス応力の分布を示す模式図で示したものである。図4(a)(b)は、色分けして示される実測のミーゼス応力の分布図を写し取ったものである。
【0053】
図4(a)(b)に示す(1)は(2)よりも高い応力を示す。図4(a)に示す実施例では、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外部端部B付近にて生じる高応力領域(1)を、図4(b)の比較例よりも小さい範囲内に収めることができるとわかった。
【0054】
また図4(c)が実施例における最小主応力の分布を示す模式図であり、図4(d)が比較例の最小主応力の分布を示す模式図で示したものである。図4(c)(d)は、色分けして示される実測の最小主応力の分布図を写し取ったものである。
【0055】
図4(c)(d)に示す(3)は(4)よりも高い応力を示し、(4)は(5)よりも高い応力を示す。図4(c)に示す実施例では、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外部端部B付近にて生じる高応力領域(3)を、図4(d)の比較例よりも小さい範囲内に収めることができ、あるいはほとんど無くすことができるとわかった。
【0056】
また図4(a)(c)に示す実施例のほうが、図4(b)(d)に示す比較例よりもX1−X2方向に向う応力の分布を均一化しやすいことがわかった。
【0057】
図5(a)は、実施例におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真であり、図5(b)は、比較例におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真である。なお図5(b)の比較例は、保護絶縁層を形成した後の写真であるが、図5(a)の実施例は保護絶縁層を形成する前の写真である。
【0058】
図5(a)に示すように実施例では、第1の金属層と第2の金属層との接合界面よりも外部領域にはみ出した第1の金属層の高さDを、枠体の表面(配線基板(第2の部材)との対向面)C以下に位置させることができるとわかった。図6(a)は図5(a)の実施例を図示したものである。このように実施例では、第1の金属層31aが加熱、加圧されて潰されることで外部領域16にて若干、盛り上がるものの、その盛り上がり部31cの高さDを枠体14の接合平面14c(配線基板2との対向面)の高さC以下に抑えることができるように、盛り上がり部31cの隆起を低く抑えることができる。これは、図4のシミュレーション結果に示したように、金属結合部30aの接合界面Aの外周端部Bに加わる応力を小さくできるためである。
【0059】
一方、図5(b)に示すように比較例では、第1の金属層と第2の金属層との接合界面よりも外側にはみ出した第1の金属層の高さが、枠体の表面(配線基板(第2の部材))との対向面の高さEよりも高くなった。図6(b)は図5(b)の比較例を図示したものである。このように比較例では、第1の金属層51aが加熱、加圧されて潰されたことで外側に大きく盛り上がり、その盛り上がり部51cの高さFが枠体14の接合平面14c(配線基板2との対向面)の高さEよりも高くなってしまった。これは、図4のシミュレーション結果に示したように、金属結合部50aの接合界面Aの外周端部Bに加わる応力が大きいためである。
【0060】
本実施形態では比較例と異なって、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外周端部Bを、第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側(動作領域15から離れる方向)に位置させたことで、接合界面Aに作用する応力を比較例よりも均一にできる。よって金属結合部30aによる封止性を向上させることができる。
【0061】
また本実施形態では、比較例に比べて、接合界面Aの外周端部Bに加わる応力を弱めることができる。よって、第1の金属層31aが潰れて外部領域16にはみ出したことによる盛り上がり部31cの高さを低く抑えることが出来る。比較例では第1の金属層51aの盛り上がり部51cの高さが高くなってしまい、接合界面Aの外側であって、第1の金属層51aと第2の金属層52a間に狭小空間Gが出来てしまう。よって保護絶縁層41により金属結合部の外周表面を覆う構成では、この狭小空間Gを前記保護絶縁層41により適切に埋めることが難しい。これに対して本実施形態では、第1の金属層31aの盛り上がり部31cの高さを比較例よりも低く抑えることが出来、比較例に示すような狭小空間Gの形成を抑制することができるから、保護絶縁層41を金属結合部30aの外周表面に途切れることなく形成できる。これにより、比較例に比べて金属結合部30aの腐食を適切且つ簡単に防止することができる。
【0062】
図7に示すように、本実施形態では、第1の絶縁層3aの内周側面3d及び金属結合部30aの接合界面Aの内周端部Hは、いずれも枠体14の内周側面14eよりも外側の方向(動作領域15から離れる方向;X2側)に後退している。このとき、金属結合部30aの接合界面Aの内周端部Hは、第1の絶縁層3aの内周側面3dよりも、さらに動作領域15から離れる方向(X2側)に後退していることが好適である。これにより、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる第1の金属層31aが、接合界面Aの外周端部Bよりも外部領域16にはみ出す量を抑えることができる(図2(a)参照)。すなわち、図7とは逆に、金属結合部30aの接合界面Aの内側端部Hを、第1の絶縁層3aの内周側面3dよりも動作領域15側(X1側)に位置させると、接合界面Aの内側端部Hに加わる応力が弱まるため、接合界面Aの外周端部Bに加わる応力が図7の状態としたときよりも強まってしまう。よって、図7のように、金属結合部30aの接合界面Aの内側端部Hを、第1の絶縁層3aの内周側面3dよりも、動作領域15から離れる方向(X2側)に後退させることで、接合界面Aの内側端部Hに加わる応力を強めて、接合界面Aの外周端部Bに加わる応力を弱めることができ、接合界面Aの外周端部Bよりも外部領域16にはみ出す第1の金属層31aの盛り上がりを低く抑えることができるのである。
【0063】
図8は第2の実施形態におけるMEMSセンサの部分拡大縦断面図である。図8では、図2(a)と異なって、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外周端部Bが枠体14の外周側面14aよりも内側(動作領域15の方向;X1側)に後退している。ただし、図8においても図2(a)と同様に接合界面Aの外周端部Bは、第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側(動作領域15から離れる方向;X2側)に位置している。すなわち、枠体14の外周側面14aから接合界面Aの外周端部Bまでの後退量T1<枠体14の外周側面14aから第1の絶縁層3の外周側面3cまでの後退量T2となっている。
【0064】
図8の構成によっても図2(a)と同様に、第1の金属層31aと第2の金属層32a間の加熱・加圧による接合時、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aに加わる応力を均一にできる。そして比較例の構成に比べて、接合界面Aの外周端部Bに加わる応力を弱めることができ、よって第1の金属層31aが潰れて外部領域16へはみ出したことによる盛り上がりの高さを低く抑えることが可能である。
【0065】
ただし、図8の構成では、接合界面Aの外周端部Bが、枠体14の外周側面14aよりも内側(動作領域15の方向;X1方向)に後退しているため、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの間に挟まれた間口44が狭くなる。
【0066】
これに対して図2(a)の構成のように、接合界面Aの外周端部Bを、枠体14の外周側面14aと高さ方向で一致させることで、保護絶縁層41を金属結合部30aの外周表面に成膜する際の間口45を広くでき、保護絶縁層41の被覆不良を生じにくくできる。なお本実施形態において、「接合界面Aの外周端部Bが、枠体14の外周側面14aと高さ方向で一致する」とは、製造誤差内のずれを許容するものである。
【0067】
図2(a)の形態のほうが、図8の形態よりも保護絶縁層41の膜厚を均一化し、また、ガスの循環効率も上がるため、成膜レートを高めることができる。これにより、温度印加依存の不良(対向電極層36のヒロック生成による電気的ショートモード)の低減を期待できる。
【0068】
図9は、第3の実施形態におけるMEMSセンサの部分拡大縦断面図である。図9では、図2(a)と同様に、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外周端部Bが枠体14の外周側面14aと高さ方向でほぼ一致しているが、図8のように、外周端部Bが、枠体14の外周側面14aよりも内側に後退した構成であってもよい。
【0069】
図9の実施形態でも、図2、図8と同様に、枠体14の外周側面14aから接合界面Aの外周端部Bまでの後退量T1<枠体14の外周側面14aから第1の絶縁層3の外周側面3cまでの後退量T2との関係を満たしている。
【0070】
図9に示すように、支持基板(第1の部材)1の外周側面1aは、枠体14の外周側面14aよりも外側(動作領域15から離れる方向;X2側)に突出しているが、外周側面14aは、第1の金属層31aの外周端部31a1よりも内側(動作領域15に近づく方向;X1側)に位置しており、枠体14の外周側面14aからの支持基板1の突出長さL1は、図2(a)や図8に示す実施形態よりも短くされている。図9の実施形態では、突出長さL1は、0μm〜40μm程度とされている。また突出長さL1は0よりも大きく40μm以下とすることが好ましい。突出長さL1を0μmとすると、支持基板1の外周側面1aが、枠体14の外周側面14aと一致するが、支持基板1の外周側面1aはダイシングカット位置に相当するため、製造誤差を考慮して突出長さL1を0μmよりも大きくなるように調整することで、枠体14がダイシングの影響を受けることがなくなり好適である。
【0071】
図9の実施形態においても当然のことながら、図1に示すパッド部20は開放された状態にされている。
【0072】
図9に示す実施形態では、図2(a)や図8の実施形態と同様に、第1の金属層31aが、金属結合部30aの接合界面Aよりも外部領域16にはみ出している。これにより、第1の金属層31aと第2の金属層32a間の接合を確実なものにできる。第1の金属層31aの外部領域16へのはみ出し長さL2を任意に決定できるが、接合界面Aの長さ寸法(X1−X2方向への寸法)が、50μm程度であるため、接合性を考慮して、はみ出し長さL2は、10〜40μm程度とすることが好適である。なお、はみ出し長さL2とは、枠体14の外周側面14aから外部部領域16へのはみ出し長さを指す。
【0073】
図2(a)、図8の各実施形態において、支持基板1の外周側面1aは、第1の金属層31aの外周端部31a1より外側(動作領域15から離れる方向)に位置しているが、少なくとも支持基板1の外周側面1aは図1に示すパッド部20よりも内側に位置して、前記パッド部20は開放された状態とされている。すなわち図2(a)、図8の実施形態では、支持基板1の外周側面1aに該当するダイシングカット位置を少なくともパッド部20が開放される位置と定めており、ダイシングカット位置を第1の金属層31aの外周端部31a1を基準としていない。
【0074】
これに対して、図9の実施形態では、ダイシングカット位置を、第1の金属層31aの外周端部31a1を基準として定め、前記ダイシングカット位置、すなわち支持基板1の外周側面1aを前記外周端部31a1よりも内側に位置させることで、支持基板1aの突出長さL1を効果的に短くすることができる。
【0075】
このように支持基板1の突出長さL1を短くできることで、以下の効果を期待することができる。
【0076】
第1に、保護絶縁層41の付きまわり性を向上させることができる。図10(a)は、図2(a)に示す実施例−1におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真であり、図10(b)は、図9に示す実施例−2におけるMEMSセンサの断面を示す電子顕微鏡写真である。
【0077】
図10(a)の実施例−1では、図2(a)に示す支持基板1の突出長さL3を80μmとした。一方、図10(b)の実施例−2では、図9に示す支持基板1の突出長さL1を20μmとした。実施例−1及び実施例2ともに、第1の金属層31aのはみ出し長さL2は、40μmであり、したがって、実施例−1に示す支持基板1の外周側面1aは、第1の金属層31の外周端部31a1よりも外側に位置しており、実施例−2に示す支持基板1の外周側面1aは、第1の金属層31の外周端部31a1よりも内側に位置している。
【0078】
図10(b)の実施例−2に示す保護絶縁層41は、図10(a)の実施例−1に示す保護絶縁層41も厚くなっており、且つほぼ均一の膜厚で形成されることがわかった。このように図10(b)の実施例−2のほうが、図10(a)の実施例−1に比べて保護絶縁層41の付きまわり性を向上させることができるとわかった。なお図10(b)の実施例−2での保護絶縁層41の平均膜厚は、約0.275μmであり、図10(a)の実施例−1での保護絶縁層41の平均膜厚は、約0.050μmであった。
【0079】
次に、図9の実施形態における第2の効果として、図11のようにパッケージ化された状態において、金属接合部30aの接合界面Aでの接合強度を良好に保つことができる。
【0080】
図11に示すように、図1に示す支持基板(第1の部材)1、配線基板(第2の部材)2、及び機能層10を備えたMEMSセンサ本体Sは、セラミックス等の収納体(パッケージ)40内にダイボンド材41を介して固定支持されている。収納体40の長さ寸法L4は、1000〜3000μm程度であり、高さ寸法H1は、500〜1000μm程度である。また図11に示すようにMEMSセンサ本体Sと収納体40の間にはポッティング材(樹脂)42が充填されており、MEMSセンサ本体Sの上面もポッティング材(樹脂)42で覆われている。これにより、ポッティング材42による樹脂層が、金属接合部30aの外周表面から枠体14の外周側面14a及び支持基板1の外周側面1aにかけて接して形成されている。すなわち図2(a)、図8や図9に示す枠体14の外周側面14aと支持基板1の外周側面1a間の窪んだ空間内にも樹脂層が入り込み、前記空間内は樹脂層で充填された状態とされている。
このようにMEMSセンサ本体Sの周囲はポッティング材42により覆われている。
【0081】
なおダイボンド材41には、例えばエポキシ樹脂を使用できる。またポッティング材42には、例えば、シリコーン樹脂を使用できる。
【0082】
表2に、ポッティング材42(シリコーン樹脂)、ダイボンド材41(エポキシ樹脂)及びパッケージ40(セラミックス;アルミナ)のヤング率、ポアゾン比及び熱膨張率を示す。
【0083】
【表2】

【0084】
一方、MEMSセンサ本体Sは表1に示す材質で形成されており、表1に示す熱膨張率と表2に示す熱膨張率とを対比してわかるように、MEMSセンサSと、MEMSセンサSの周囲に位置するポッティング材42との熱膨張率に大きな差がある。
【0085】
このため図2(a)のように支持基板1の突出長さL3が長くなると、ポッティング材42との熱膨張率差により、支持基板1の長く突き出した外周部1bに大きさ応力が作用し、ひいては、金属接合部30aを構成する第1の金属層31aと第2の金属層32a間に大きな引張応力(剥がす方向の応力)が作用する。
【0086】
これに対し、図9のように、支持基板1の外周側面1aを第1の金属層31aの外周端部31a1よりも内側に位置させ、支持基板1の突出長さL1を図2(a)よりも短くすることで、金属接合部30aの接合界面Aに作用する引張応力を効果的に小さくできる。
【0087】
図12は、支持基板1に対するダイシングカット位置と、接合界面Aの外周端部B及び内周端部Hに作用する引張応力との関係を示すグラフである。ここで[ダイシングカット位置]とは、支持基板1の外周側面1aを指し、「ダイシングカット位置」=0μmは、枠体14の外周側面14aと同高さ位置である。図12に示す「ダイシングカット位置」の数値は、図9に示す支持基板1の突出長さL1を意味する。また図12のシミュレーション実験では、表1及び表2に示す各材質を用いて、パッケージ化されたMEMSセンサを用いた。
【0088】
図12に示すように、ダイシングカット位置の数値が小さくなるほど、すなわち支持基板1の突出長さL1が短くなるほど、接合界面Aの外周端部B及び内周端部Hに作用する引張応力を小さくできることがわかった。ここで、接合界面Aの外周端部Bと内周端部Hとを対比すると、内周端部Hに作用する引張応力のほうが、外周端部Bに作用する引張応力に比べて大きくなっている。これは図7で説明したとおり、接合界面Aの内側端部Hに加わる応力が、接合界面Aの外周端部Bに加わる応力よりも強くなるように、金属結合部30aの接合界面Aの内側端部Hを、第1の絶縁層3aの内周側面3dよりも、動作領域15から離れる方向(X2側)に後退させたためである。
【0089】
図13は本実施形態におけるMEMSセンサの製造方法を示す工程図である。各図は各製造工程におけるMEMSセンサの部分縦断面図を示す。
【0090】
図13(a)に示す工程では、シリコンからなる支持基板1、SiO2からなる第1の絶縁層3及びシリコンからなる機能層10が順に積層されたSOI基板46を用意する。SOI基板46はウェハ状であり、このSOI基板46から多数のMEMSセンサを製造することが可能である。なお図13では一つのMEMSセンサの製造部分のみを図示している。
【0091】
図13(a)に示すように機能層10の表面10aの接合平面12c,14cとなる箇所に図示しないレジスト層を形成し、レジスト層に覆われていない機能層10の表面10aをエッチングして凹部10bを形成する。接合平面12cの箇所は支持部12の表面であり、接合平面14cの箇所は枠体14の表面である。
【0092】
続いて、各接合平面12c,14cに第2の金属層32a,32bを成膜する。第2の金属層32a,32bには配線基板2側の第1の金属層31a,31bよりも加熱時の粘度が高い材料を使用する。例えば第2の金属層32a,32bにはゲルマニウムを用いることができる。
【0093】
次に図13(a)に示す工程では、枠体14、支持部12、弾性変形部13及び可動部11として残される機能層10の表面10aにレジスト層47を形成する。
【0094】
そして図13(b)に示すように、前記レジスト層47に覆われていない機能層10をエッチングにより除去する。例えば、高密度プラズマを使用した深堀RIEなどのイオンエッチング手段によりレジスト層47に覆われていない機能層10を除去し、枠体14と、支持部12、弾性変形部13及び可動部11とを互いに分離させる。枠体14により動作領域15と外部領域16とに区画でき、動作領域15内に、支持部12、弾性変形部13及び可動部11を形成する。
【0095】
図13(a)の工程では、枠体14の領域を区画するレジスト層47aの外周側面47b下で、第2の金属層32aがレジスト層47で保護される部分と、レジスト層47からはみ出して削られる部分とに跨っているため、レジスト層47aに覆われていない第2の金属層32a及び機能層10をエッチングすると、枠体14の外周側面14aに沿う切断面上に、第2の金属層32aの外周側面32cを位置させることができる(図13(b)参照)。
【0096】
この実施形態では、枠体14の外周側面14aから第2の金属層32aの外周側面32cまでの後退量をT1としたとき、枠体14の外周側面14aと第2の金属層32aの外周側面32cとが高さ方向に一致しているので、後退量T1はゼロである。
【0097】
次に図13(c)の工程では、シリコンを溶解せずに酸化絶縁層(SiO2層)を溶解できる選択性の等方性エッチング処理を行う。このときエッチング液は、機能層10の前記各部を分離した溝内に浸透する。更に可動部11には厚さ方向に貫通する多数の微細孔を形成し、エッチング液は各微細孔内にも浸透する。これにより、支持部12と支持基板1との間、及び枠体14と支持基板1との間にのみ第1の絶縁層3a,3bを残すことができる。
【0098】
図13(c)に示すように、第1の絶縁層3aの外周側面3c及び内周側面3dは、いずれも枠体14の外周側面14a及び内周側面14eから枠体14の内方向に向けて後退している。このように第1の絶縁層3aの外周側面3c及び内周側面3dが枠体14の内方向に向けて後退するのは、等方性エッチングにより第1の絶縁層3aの外周側面3c及び内周側面3dも面方向に向けて削られるためである。
【0099】
このとき、第1の絶縁層3aにおける枠体14の内周側面3dからの後退量を予め見込んで、次工程で、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの内周端部Hとなる位置が、第1の絶縁層3aの内周側面3dよりも動作領域15から離れた方向に後退するように、図13(b)でのレジスト層47aの内周側面47cの位置や、エッチング条件を規制する。
【0100】
また本実施形態では、次工程で、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外周端部Bとなる位置を、第1の絶縁層3の外周側面3cよりも外側(動作領域15から離れた側)に位置させなければならないが、図13(b)で説明したように、枠体14の外周側面14aと第2の金属層32aの外周側面32cとを高さ方向に一致させたことで、外周端部Bとなる位置を、枠体14の外周側面14aから後退する第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側に簡単且つ適切に位置させることが可能になる。
【0101】
ここで、枠体14の外周側面14aから第1の絶縁層3の外周側面3cまでの後退量をT2としたとき、図13(b)に示した後退量T1との関係は、後退量T1<後退量T2となる。
【0102】
そして図13(d)の工程では、配線基板(第2の部材)2を構成する第2の絶縁層22の表面に形成された第1の金属層31a,31bと、支持部12及び枠体14の表面に形成された第2の金属層32a,32bとを対向配置して、加熱及び加圧により互いに接合する。
【0103】
図13(d)に示すように、第2の絶縁層22の表面に形成された接合平面22aは、第2の金属層32aの外周側面32cよりも外側に延出しており、接合平面22a上に形成された第1の金属層31aは第2の金属層32aの外周側面32cよりも外側に延出している。よって図13(d)の工程にて、第1の金属層31aと第2の金属層32aとの接合界面Aの外周端部Bを、第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側(動作領域15から離れる側)に適切且つ簡単に位置させることができる。
【0104】
また図13(d)に示すように、接合界面Aの内周端部Hを第1の絶縁層3aの内周側面3dよりも動作領域15から離れる側に位置させることができる。
【0105】
続いて図13(d)に示すように支持基板1の外周部1bを点線Iに沿って切断し、配線基板2に形成されたパッド部20を外部に露出する。そして保護絶縁層41を金属結合部30aの外周表面及びその周辺部(枠体14の外周側面14a等)に連続して成膜する。保護絶縁層41を金属結合部30aの周辺部(枠体14の外周側面14a等)に形成することは必須ではないが、保護絶縁層41を広い範囲に成膜したほうが、金属結合部30aに対する保護効果を高めることができる。保護絶縁層41をスパッタ法やCVD法等で成膜できる。なお図8の実施形態に示すように、第1の金属層31aと第2の金属層32aに挟まれた狭い間口44から内部空間内に、適切に保護絶縁層41を成膜するにはCVD法を採用することが望ましい。
【0106】
また、図9で説明したように、支持基板(第1の部材)1の外周側面1aが、枠体14の外周側面14aと同じ高さ位置か、あるいは、前記外周側面14aよりも外側に位置するとともに、第1の金属層31aの外周端部31a1よりも内側に位置するように、図13(d)の支持基板1に対する切断位置(ダイシングカット位置)を調整することが好ましい。
【0107】
図13に示した本実施形態のMEMSセンサの製造方法によれば、第1の金属層31aと第2の金属層32aの接合界面Aの外周側面Bを第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側(動作領域15から離れる方向)に簡単且つ適切に位置させることができ、これにより、金属結合部30aを加熱し加圧したときに、接合界面Aに加わる応力の均一性を向上させることができる。よって金属結合部30aによる封止性を向上させることができる。また本実施形態では、接合界面Aの外周側面Bに加わる応力を比較例(図6(b))よりも弱めることが出来る。よって、第1の金属層31aが潰れて外部領域16にはみ出したことによる盛り上がりの高さを低く抑えることが出来る。本実施形態によれば、図5(a)、図6(a)で示したように、第1の金属層31aの盛り上がり部31cの高さDを枠体14の表面(接合平面14c)よりも低く出来る。
【0108】
以上により保護絶縁層41を金属結合部30aの外周表面に途切れることなく形成できる。保護絶縁層41を途切れることなく形成できることで、金属結合部30aの腐食を適切に防止できる。また図9に示ように、支持基板1の突出長さL1を短くすることで、保護絶縁層41の付きまわりを良好にでき、より効果的である。
【0109】
本実施形態では図13(a)(b)に示したように、レジスト層47aの外周側面47b下で、第2の金属層32aがレジスト層47で保護される部分と、レジスト層47からはみ出して削られる部分とに跨っているため、レジスト層47aに覆われていない第2の金属層32a及び機能層10をエッチングすることで、枠体14の外周側面14cの切断面上に第2の金属層32aの外周側面32cを位置させることができる。また、配線基板2側の第1の金属層31aの形成面となる第2の絶縁層22の接合平面22aを第2の金属層32aの外周側面32cよりも外側に延出させて、前記接合平面22a上に第2の金属層32aを成膜する。このようにして形成した第1の金属層31aと第2の金属層32aとを、図5(d)のように、対向配置して、加熱及び加圧したとき、確実に、接合界面Aの外周端部Bを第1の絶縁層3aの外周側面3cよりも外側に位置させることができる。
【0110】
本実施形態において保護絶縁層41を形成しなくてもよい。例えば金属結合部30aに使用される金属が耐食性に優れたものであったり、あるいは金属結合部30aの劣化を促進させない使用環境であれば、保護絶縁層41を形成しなくても金属結合部30aによる封止のみで足りる。
【符号の説明】
【0111】
A 接合界面
B 外周端部
S MEMSセンサ本体
1 支持基板(第1の部材)
2 配線基板(第2の部材)
3a,3b 第1の絶縁層
3c (第1の絶縁層の)外周側面
3d (第1の絶縁層の)内周側面
10 機能層
11 可動部
12 支持部
13 弾性変形部
14 枠体
14a (枠体の)外周側面
14c、22a 接合平面
15 動作領域
20 パッド部
22 第2の絶縁層
30a,30b 金属結合部
31a,31b 第1の金属層
31c 盛り上がり部
32a,32b 第2の金属層
35 内部配線層
31c,33 はみ出し部
40 収納体(パッケージ)
41 保護絶縁層
41 ダイボンド材
42 ポッティング材
47 レジスト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と、第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に位置する機能層とを有するMEMSセンサにおいて、
前記機能層には、可動部と、前記可動部を支持する支持部と、前記可動部および前記支持部が位置する動作領域と外部領域とを区画する枠体とが形成され、前記枠体と前記第1の部材とが、前記動作領域の全周を囲む第1の絶縁層を介して接合され、前記枠体と前記第2の部材とが、前記動作領域の全周を囲む金属結合部を介して接合されており、
前記金属結合部では、前記第2の部材の前記枠体との対向面に第1の金属層が形成され、前記枠体の前記第2の部材との対向面に第2の金属層が形成され、前記第1の金属層と前記第2の金属層とが加熱され加圧されて互いに接合されており、
前記第1の絶縁層の外周側面は、前記枠体の外周側面よりも前記動作領域の方向である内側に後退しており、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の外周端部は、前記第1の絶縁層の外周側面よりも前記動作領域から離れる方向である外側に位置していることを特徴とするMEMSセンサ。
【請求項2】
前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の外周端部は、前記枠体の外周側面と高さ方向にて一致している請求項1記載のMEMSセンサ。
【請求項3】
前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の内周端部は、前記第1の絶縁層の内周側面よりも、前記動作領域から離れる方向に位置している請求項1又は2に記載のMEMSセンサ。
【請求項4】
下から前記第2の部材、前記機能層及び前記第1の部材の順に積層され、前記金属結合部では、前記第1の金属層が前記第2の金属層の下側に位置しており、
加熱され加圧されたときに、前記金属結合部の接合界面よりも前記外部領域へはみ出した前記第1の金属層の高さが、前記枠体の前記第2の部材との対向面以下に位置している請求項1ないし3のいずれか1項に記載のMEMSセンサ。
【請求項5】
下から前記第2の部材、前記機能層及び前記第1の部材の順に積層され、前記金属結合部では、前記第1の金属層が前記第2の金属層の下側に位置しており、
前記第1の金属層は、前記金属結合部の接合界面よりも前記外部領域へはみ出しており、
前記第1の部材の外周側面は、前記枠体の外周側面と高さ方向にて一致するか、あるいは前記枠体の外周側面よりも外側に位置するとともに、前記第1の金属層の外周端部よりも内側に位置している請求項1ないし4のいずれか1項に記載のMEMSセンサ。
【請求項6】
前記金属結合部の外周表面が保護絶縁層により覆われている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のMEMSセンサ。
【請求項7】
前記第2の部材は、前記機能層の外周側面及び前記第1の部材の外周側面よりも前記外部領域に延出した延出部を有し、
前記第2の部材は、基材と、前記基材の前記機能層との対向面側に設けられた第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層内に埋設された内部配線層と、前記内部配線層と電気的に接続され、前記可動部と対向した位置にて前記第2の絶縁層の表面に設けられた対向電極層と、前記内部配線層と電気的に接続され、前記延出部にて前記第2の絶縁層の表面に設けられたパッド部と、を有して構成され、前記パッド部が高さ方向にて開放されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載のMEMSセンサ。
【請求項8】
前記第1の部材、前記第2の部材及び前記機能層を有するMEMSセンサ本体が収納体に支持され、前記MEMSセンサ本体と前記収納体との間に樹脂層が充填されてパッケージ化されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載のMEMSセンサ。
【請求項9】
第1の部材と第1の絶縁層を介して接合してなる機能層の、動作領域と外部領域とを区画する枠体の表面に第2の金属層を形成する工程、
前記機能層の不要な部分を除去して、前記機能層を、可動部、前記可動部を支持する支持部、及び前記枠体に区画し、このとき、前記枠体の外周側面から前記第2の金属層の外周側面までの後退量T1を、前記第1の絶縁層を前記支持部及び前記枠体との間に残し前記可動部との間にて除去する次工程にて形成される、前記枠体の外周側面から前記第1の絶縁層の外周側面までの後退量T2よりも小さくする工程、
前記第1の絶縁層を、前記支持部及び前記枠体との間に残し、前記可動部との間にて除去する工程、
第2の部材の前記枠体と対向する表面に、外周側面が、前記第2の金属層の外周側面よりも外側にまで延出する第1の金属層を形成し、前記第1の金属層と、前記第2の金属層とを対向配置して、加熱及び加圧により互いに接合して、前記第1の金属層と前記第2の金属層との接合界面の外周端部を、前記第1の絶縁層の外周側面よりも外側に位置させる工程、
を有することを特徴とするMEMSセンサの製造方法。
【請求項10】
前記枠体の外周側面に沿って切断したとき、その切断面上に前記第2の金属層の外周側面を一致させて、前記後退量T1を0にする請求項9記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項11】
前記第1の金属層と前記第2の金属層からなる金属結合部の外周表面を保護絶縁層により覆う工程を有する請求項9又は10に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項12】
前記第2の部材は配線基板であり、前記第1の部材の外周部を切断する工程を含み、前記第1の部材の外周部を切断して前記配線基板に設けられたパッド部を開放させる請求項9ないし11のいずれか1項に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項13】
前記第1の金属層は、前記金属結合部の接合界面よりも前記外部領域へはみ出しており、
前記第1の部材の外周側面が、前記枠体の外周側面と高さ方向にて一致するか、あるいは前記枠体の外周側面よりも外側に位置するとともに、前記第1の金属層の外周端部よりも内側に位置するように、前記第1の部材の外周部を切断する請求項9ないし12のいずれか1項に記載のMEMSセンサの製造方法。
【請求項14】
前記第1の部材、前記第2の部材及び前記機能層を有するMEMSセンサ本体を収納体内に固定支持し、前記MEMSセンサ本体と前記収納体との間に樹脂を充填する工程を有する請求項9ないし13のいずれか1項に記載のMEMSセンサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図5】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−232405(P2012−232405A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92907(P2012−92907)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】