説明

MIMO送信のためのデータストリームの個々のインターリーブ

【課題】競合する設計上の目的に効率的に対処しながら上位互換性に対する必要性を満たすインターリーブ器およびインターリーブ方法を提供する。
【解決手段】データは、期待される受信アンテナ数よりも多いある数の送信アンテナを使って送信される。少なくとも一対の送信アンテナが形成され、第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームが形成される。前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられる。前記第二のデータストリームの複数の個別ストリームのブロック・インターリーブが個々に実行される。相続く送信区間の間に、送信アンテナの対を使って前記第二のデータストリームの異なるものから取られたデータシンボルの対が送信され、同等な変換されたデータシンボル対が続く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線デジタル通信に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な802.11a/g送信機のブロック図が図1に示されている。そのような送信機は単一入力単一出力(SISO: Single-Input-Single-Output)システムである。送信されるべきビットは前方誤り訂正(FEC: forward error correction)エンコーダ101に、続いてインターリーブ器103に加えられる。インターリーブ器103の出力ビットはグループ化され、シンボル・マッピング器105(たとえばQAMマッピング器)によって単一平面内でマッピングされてシンボルを形成する。続くIFFT処理107では、シンボルは一連の副搬送波周波数(すなわち、周波数ビン)にマッピングされ、変換されて時間標本値の系列が得られる。巡回延長(cyclic extension)処理107(保護シンボルの追加と同等)が実行されて、結果的なOFDMシンボルが得られる。次いでパルス成形109およびIQ変調111が実行されてRF出力信号113が得られる。
【0003】
典型的な802.11a/gシステムが有するブロックインターリーブ器(たとえばブロックインターリーブ器103)は、第一の置換に第二の置換が続いたものとして、以下のパラメータを使って記述できる:
N_CBPSはインターリーブ器のサイズ、すなわちシンボル当たりに符号化されるビット数
kは入力ビットの添え字
iは第一の置換後の添え字
jは第二の置換後の添え字。
【0004】
第一および第二の置換は次のとおり:
第一の置換
i=(N_CBPS/16)(k mod 16)+floor(k/16), k=0,1,...,N_CBPS−1
16列、N_CBPS/16行あり、
ビットは行ごとに書き込まれ、列ごとに読み出される。
【0005】
第二の置換
j=s*floor(i/s)+(i+N_CBPS−floor(16*i/N_CBPS)) mod s,
i=0,1,...,N_CBPS−1
ここで、s=max(N_BPSC/2,1)、N_CBPSはOFDM副搬送波におけるシンボル当たりのビット数である。異なる列について、隣接するビットどうしがどのシンボルにおいても必ずは同じ添え字にマッピングされないよう、ビット有意性の添え字(bit significance index)が変えられる。
【0006】
以上の置換は図2のブロック201および203に表されている。
【0007】
802.11a/b/g無線ネットワーキングの市場での強い成功に続いて、802.11nワーキンググループが2003年に形成された。その憲章は高スループットの無線LANのための規格を作成するとしている。この提案された規格では、802.11a/b/gに比べて2倍を超えるレンジをもち、最大データレートは720Mbpsまで上がることができる。根本的な技術は、複数入力複数出力(MIMO:Multiple-Input-Multiple-Output)と呼ばれ、本質的には複数アンテナを使って無線媒体中の経路のダイバーシチを利用するものである。MIMOシステムを論じる際、M×NはM個の送信アンテナおよびN個の受信アンテナを意味する。
【0008】
複数アンテナによって時空間ブロック符号化(STBC: Space Time Block Coding)と称される種類の符号化が可能になる。その例がアラムーチ(Alamouti)符号化である。STBCでは、情報ブロックはエンコードされ、複数アンテナを通じて(空間)、複数のシンボル期間にわたって(時間)送信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
802.11n(MIMO)システムは少なくとも802.11a/g(SISO)システムに対して上位互換であることが望ましい。特にインターリーブに関しては、競合する設計上の目的(たとえば、コンパクトさ、低電力消費および通信の堅牢さ)に対処しながら上位互換性を達成するインターリーブ機構が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般的に言って、本発明は、競合する設計上の目的に効率的に対処しながら上位互換性に対する必要性を満たすインターリーブ器およびインターリーブ方法を提供する。本発明のある側面によれば、データは、期待される受信アンテナ数よりも多いある数の送信アンテナを使って送信される。少なくとも一対の送信アンテナが形成され、第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームが形成される。前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられる。前記第二のデータストリームの複数の個別ストリームのブロック・インターリーブが個々に実行される。相続く送信区間の間、送信アンテナの対を使って前記第二のデータストリームの異なるものから取られたデータシンボルの対が送信され、同等な変換されたデータシンボル対が続く。本発明のもう一つの側面によれば、データは単一のアンテナまたは複数アンテナのどちらかを使って送信される。単一アンテナを使ってデータを送信するときは、データのブロック・インターリーブは、送信に先立って第一のインターリーブ方法を使って実行される。複数アンテナを使ってデータを送信するときは、第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームが形成され、前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられる。前記第二のデータストリームの複数のストリームのブロック・インターリーブは、実質的に前記第一のインターリーブ方法と同じインターリーブ方法を使って実行される。[処理C]。本発明のもう一つの側面によれば、データは、期待される受信アンテナ数よりも多いある数の送信アンテナを使って送信される。送信アンテナのグループが形成され、第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームが形成される。前記アンテナのそれぞれについて一つの第二のデータストリームを含む。前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられる。前記第二のデータストリームの複数の個別ストリームのブロック・インターリーブが個々に実行される。相続く送信区間の間、前記アンテナの異なるものから個々の0でないシンボルが送信のために順に出力される。それにより、所与の送信区間の間、0でないシンボルは前記アンテナのグループのうち一つのアンテナにしか割り当てられない。前記アンテナのグループのうち他のアンテナには0のシンボルが割り当てられる。
【0011】
本発明は、付属の図面とともに以下の記述からさらに理解されうる。
以下の記述では、二つの送信アンテナの場合が、より一般的なN個の送信アンテナの場合の例として示される。本発明の原理は二つのアンテナから三つ以上のアンテナに容易に拡張されうる。そのことは当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】既知のSISO通信送信機のブロック図である。
【図2】図1のインターリーブ器のより詳細なブロック図である。
【図3】MIMO通信送信機の一部分のブロック図である。
【図4】二つのアンテナについてトーン・インターリーブされた信号を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【図5】本発明のある側面に基づく、二つのアンテナについての、トーン・インターリーブされた信号を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【図6】本発明の別の側面に基づく、二つのアンテナについての、トーン・インターリーブされた信号を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【図7】アラムーチ符号化を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【図8】OFDMおよびアラムーチ符号化を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【図9】本発明のある側面に基づく、アラムーチ符号化を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【図10】本発明のある側面に基づく、OFDMおよびアラムーチ符号化を使った通信送信機の一部分のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
802.11nのためには、複数の空間的ストリームが必要とされる。802.11nシステムが802.11a/gシステムに対して上位互換であるためには、802.11a/gインターリーブ器が存在していることが必要である。本アプローチは、802.11a/gインターリーブ器に基づいて新たなインターリーブ器を作成することである。すなわち、入力ビットがパージングされて二つのストリームにされ、各ストリーム上で802.11a/gインターリーブ器が使用される。
【0014】
ここで図3を参照すると、MIMO通信送信機のブロック図が示されている。単一の情報ストリームがビット・パーサー301に加えられる。送信モードに依存して、ビット・パーサーは単一の情報ストリームまたは二つの別個の情報ストリームを生成する。SISOモードでは、ビット・パーサーは、はいってくる情報ストリームを、インターリーブ器310の上側分枝311に差し向ける。インターリーブ器の上側分枝は図2のインターリーブ器と同じ構成を有しうる。すなわち、ブロック・インターリーブ器処理313に続いて、有意性添え字シャッフル器315が続く。MIMOモードでは、ビット・パーサーは、はいってくる情報ストリームのビットを交互にインターリーブ器の上側分枝311とインターリーブ器の下側分枝312に出力し、二つの別個の情報ストリームを生成する。
【0015】
インターリーブ器の下側分枝は好ましくは、インターリーブ器の上側分枝と対応するブロック314および316を含む。さらに、インターリーブ器の下側分枝はブロック316c(処理C)を含んでおり、任意的にブロック316b(処理B)またはブロック316a(処理A)を含みうる。
【0016】
今や異なる空間的ストリームにある隣接するビットどうしを、周波数領域においてできるだけ離すことが好ましい。それを行う一つの簡単な方法は、ブロック316の出力を、N_CBPSの倍数で巡回的にローテーションさせることである(処理C)。処理Cは、インターリーブされたブロックを線形バッファにバッファリングし、N_CBPSの倍数によって巡回ローテーションを実行することとしてイメージされうる。現実的なシステム・モデルを使うと、2×2、40MHzシステムについて、57×N_CBPSの巡回ローテーション、すなわちOFDMにおける57の周波数トーンを巡回的にローテーションさせることが、所与のSNRについて最低のPER(パケット誤り率[Packet Error Rate])を生成する。2×2、20MHzシステムについては、好適なローテーションは25×N_CBPSである。処理Cでは、ビット有意性の添え字は変えられていないことを注意しておく。
【0017】
ビット有意性の添え字も、二つのストリーム間のように変えることが望ましい。それを行うには多くの方法がある。一つの方法は、処理2(ブロック316)を変更して、たとえば、前記第二の置換のsの定義を変えることである。あるいはまた、現在の置換は列の添え字に従って変わるので、ビット有意性の添え字の変化は、その置換を異なる列の添え字、たとえば列の添え字+1に従って実行することによって達成されうる。
【0018】
処理2を修正することを避けるために(たとえばハードウェア再利用の配慮の観点から)、同等な効果は、回路内のさまざまな位置で達成できる。たとえばビット・パーサー301または処理Aまたは処理Bにおいてである。たとえば処理Bを実装する一つの簡単な方法は、第二のビットストリームのシンボルに属するビットを、たとえば1だけ、巡回的にローテーションさせることである。第三のビットストリームがある場合はその第三のビットストリームについては、シンボルに属するビットは2だけ巡回的にローテーションされる、などとなる。
【0019】
処理Aは、たとえば相異なる有意性添え字のシャッフルを達成するために設計された、もう一つのインターリーブ器の形を取ってもよい。処理Aをビット・パージング・ブロック301と組み合わせることも潜在的には可能である。
【0020】
相異なる有意性添え字のシャッフルは、処理Cの一部として(周波数分離を達成するためにすでになされているものに加えて)行われることもできる。それを行う簡単な方法は、第二のビットストリーム中では一つ多いビットだけシフトさせ、第三のビットストリーム中では二つ多いビットだけシフトさせる、などとすることである。
【0021】
MIMO-OFDMシステムにおいて送信アンテナが受信アンテナより数が多いとき、データストリームの数は、送信アンテナの数より少なくなければならない。しかしながら、追加的な送信アンテナは追加される空間的ダイバーシチを提供することができ、よってシステム性能をさらに改善することが知られている。それを行う一つの方法は、他のアンテナの信号から巡回的に遅延させられた信号を使う、空間的拡散(spatial spreading)を使うことである。
【0022】
それを行うもう一つの方法は、二つのアンテナについてトーン・インターリーブされた信号を使うことで、図4に示されている。図4では、ブロック401、403、405は一般的にブロック101、103、105に対応する。ブロック407は、トーン・インターリーブを次のようにして行う:
周波数領域で、
ant1=[a1, 0, a3, 0, ...]
ant2=[0, a2, 0, a4, ...]。
【0023】
すなわち、アンテナの対が形成され、ある特定のシンボル期間の間に、該アンテナ対の一方のアンテナを介して送信される、OFDMシンボル内のトーンの半数は使用され、該トーンの半数は使用されない。もう一方のアンテナの場合は、特定のトーンの使用または不使用は逆にされる。この簡単なトーン・インターリーブは、単純な交互方式の結果として、OFDM信号における周波数ダイバーシチを完全に利用してはいない。
【0024】
図5を参照すると、N個のアンテナがあるが、一つのストリームしか許容されていないことが想定されている。単一の情報ストリームがFECエンコーダ501に、続いてビット・パーサー503に加えられる。ビット・パーサーは、はいってくる情報ストリームのビットを、分枝501a、…、510nの異なるものに順に出力する。各分枝はインターリーブ器511およびそれに続くビット‐シンボル・マッピング器513ならびにトーン・インターリーブ・ブロック515を含む。周波数ダイバーシチは次のように利用される:
ant_1=[a1, 0, ... 0, a_N+1, 0, ...]
ant_2=[0, a2, 0, ... 0, a_N+2, 0, ...]
……
ant_N=[0, ..., 0, a_N−1, 0, a_N+N, 0, ...]
インターリーブ器の深さは、遅延要件を満たすために調整できる。
【0025】
図6を参照すると、同じ構造がSTBCに適用できる。ここで、STBC(ブロック617)はトーン・インターリーブ後に適用される。
【0026】
2×1システムについては、STBCのある具体的な変形はアラムーチ符号化である。アラムーチ符号化は二つの隣接するシンボルを二つの送信アンテナに同時送信のためにマッピングする。アラムーチ符号化(AC)を存分に活用するために、インターリーブ器は通例、ACより前に利用される。図7を参照すると、送信されるべきデータはFECエンコーダ701に、続いて順にインターリーブ器703、QAMマッピング器705およびシンボル・パーサー707に加えられる。シンボル・パーサーは複数のシンボルストリームを生成し、それらのストリームはACブロック709に加えられる。
【0027】
OFDMシステムでは、図8に示されるように、各分枝について、ACブロック809に続いてIFFT806が加えられる。
【0028】
4×1システムについては、アラムーチ符号化は4×1の時空間ブロック符号(STBC)に一般化される。現在の共通方式は次のように機能する:
s1(k) −s2*(k) 反復
s2(k) s1*(k) 反復
s3(k) −s4*(k) 反復
s4(k) s3*(k) 反復
各行は、二つの相続くシンボル期間の間にある特定のアンテナ上で送信されるシンボルを表している。より具体的には、二つの相続くシンボル期間のうち第一の期間の間に、相異なるシンボルがアンテナ1ないし4上で送信される。前記相続くシンボル期間の次の期間の間には、同等だが変換されているシンボルが送信される。よって、アンテナ2上で送信されたシンボルの共役に負号を付けたものがアンテナ1上で送信され、アンテナ1上で送信されたシンボルの共役がアンテナ2上で送信される、などとなる。上記のパターンは反復される(すなわち、アンテナ1については、s1(k+1), −s2*(k+1)が続く)。
【0029】
OFDMが適用されるとき、近接している符号化されたビットは、時間領域および周波数領域においてできるだけ遠く離れているべきである。この目標を達成するインターリーブ器を設計することは可能であるが、既存のインターリーブ器を用いてシステムをアップグレードすることは不可能である。また、M>2のM×1システムについては、既存の反復方式は、空間的ダイバーシチの異なる変種を十分に利用していない。
【0030】
空間的ダイバーシチの異なる変種をよりよく利用するために、複数の情報ストリームが形成され、それらのストリームが次いで個々にインターリーブされる。図9を参照すると、ブロック901、903、911a、911b、913aおよび913bは、一般にブロック501、503、511a、511b、513aおよび513bに対応する。ACブロック915は結果的なストリーム(個々にインターリーブされた)を受け取り、それに対してアラムーチ符号化を既知の仕方で実行する。この構成は、個々にインターリーブされるアラムーチ符号化(I2AC: Individually Interleaved Alamouti Coding)と称されうる。
【0031】
OFDMシステムでは、図10に示すように、各分枝について、ACブロックに続いてIFFT1006が加えられる。
【0032】
M>2について、I2ACに加えて空間的なローテーションが適用されうる。たとえば4×2の場合、四つのストリームがビット・パージングされる。各ストリームは個々にインターリーブされ、QAMシンボルにマッピングされる。次いで、AC符号化は次のように実行される:
s1(k) −s2*(k) s1(k+1) −s3*(k+1) s1(k+2) −s4*(k+2)
s2(k) s1*(k) s2(k+1) −s4*(k+1) s2(k+2) −s3*(k+2)
s3(k) −s4*(k) s3(k+1) −s1*(k+1) s3(k+2) s2*(k+2)
s4(k) s3*(k) s4(k+1) −s2*(k+1) s4(k+2) s1*(k+2)
よって、ストリームは四つのアンテナを通じてペアごとにSTBCされる(3つのペアが可能である:((1,2),(3,4))、((1,3),(2,4))、((1,4),(2,3)))。これは以下のように、二つの方法で行うことができる。
【0033】
オプション1
アラムーチ・エンコードは6つの連続するOFDMシンボルに対して以下のように行われる:最初の2つのOFDMシンボルは全周波数に対して組み合わせ(1,2),(3,4)を使い、次の2つのOFDMシンボルは全周波数に対して組み合わせ(1,3),(2,4)を使い、最後の2つのOFDMシンボルは全周波数に対して組み合わせ(1,4),(2,3)を使い、そしてこのパターンが次の6つのOFDMシンボルについて反復される。このようにして行うことの不都合な点は、各周波数についてのチャネル・マトリクスが時間とともに変化することである。
【0034】
aij,bij,cij,dijをi番目のOFDMブロックにおけるj番目のデータシンボルであるとする。4つのストリームはa、b、c、dによって表されている。各OFDMブロックがN個のデータシンボルを有するとする。角括弧[ ]内のシンボルの集合が一つのOFDMシンボルである。すると、ACブロックによって実行される処理は次のように表すことができる。
【0035】
STBC(AC)ブロックへの入力:
[a11 a12…a1N] [a21 a22…a2N] [a31 a32…a3N] ……
[b11 b12…b1N] [b21 b22…b2N] [b31 b32…b3N] ……
[c11 c12…c1N] [c21 c22…c2N] [c31 c32…c3N] ……
[d11 d12…d1N] [d21 d22…d2N] [d31 d32…d3N] ……
STBCブロックの出力:
[a11 a12…a1N] [−b11* −b12…−b1N*] [a21 a22…a2N] [−c21* −c22…−c2N*] [a31 a32…a3N] [−d31* −d32…−d3N*]……
[b11 b12…b1N] [a11* a12*…a1N*] [b21 b22…b2N] [−d21* −d22…− d2N*] [b31 b32…b3N] [−c31* −c32…−c3N*]……
[c11 c12…c1N] [−d11* −dl2*…-d1N*] [c21 c22…c2N] [a21* a22*…a2N*] [c31 c32…c3N] [b31* b32*…b3N*]……
[d11 d12…d1N] [c11* c12*…c1N*] [d21 d22…d2N] [b21* b22*…b2N*] [d31 d32…d3N] [a31* a32*…a3N*]……。
【0036】
オプション2:
アラムーチ・エンコードは2つのOFDMシンボルに対して以下のように行われる:第一の周波数ビンは組み合わせ(1,2),(3,4)を使い、第二の周波数ビンは組み合わせ(1,3),(2,4)を使い、第三の周波数ビンは(1,4),(2,3)を使い、このパターンが反復される。よって、アラムーチ・エンコードは周波数ビンごとに異なるアンテナからのシンボルを使う。しかしながら、各周波数ビンについてのチャネル・マトリクスは時間的に変化しない。
【0037】
STBCブロックへの入力:
[a11 a12 a13 a14…a1N]
[b11 b12 b13 b14…b1N]
[c11 c12 c13 c14…c1N]
[d11 d12 d13 d14…d1N]
STBCブロックの出力:
[a11 a12 a13 a14 a15 a16…a1N] [−b11* −c12* −d13* −b14* −c15* −d16*……]
[b11 b12 b13 b14 b15 b16…b1N] [a11* −d12* −c13* a14* −d15* −c16*……]
[c11 c12 c13 c14 c15 c16…c1N] [−d11* a12* b13* −d14* a15* b16*……]
[d11 d12 d13 d14 d15 d16…d1N] [c11* b12* a13* c14* b15* a16*……]
同じ原理は、いかなる2p×pのSTBCシステムにも適用可能である。
【0038】
本発明がその精神または本質的な性格から外れることなく他の個別的な形で具現されることもできることは当業者には理解されるであろう。したがって、示された実施形態はあらゆる点において例示的であることを意図されたものであり、制限することは意図されていない。本発明の範囲は、以上の記載ではなく、付属の請求項によって示されるものであり、その等価物の精神および範囲にはいるあらゆる変更はそこに包含されることが意図されている。
【0039】
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
単一のアンテナまたは複数のアンテナを使ってデータを送信する方法であって:
単一アンテナを使ってデータを送信するときは、送信に先立って第一のインターリーブ方法を使って前記データのブロック・インターリーブを実行し;複数アンテナを使ってデータを送信するときは:第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームを形成し、前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられ;前記第二のデータストリームの複数のストリームのブロック・インターリーブを、実質的に前記第一のインターリーブ方法と同じインターリーブ方法を使って実行し、そのブロック・インターリーブの間にビットはシンボルにグループ化され;前記第二のデータストリームの一つからのシンボルが前記第二のデータストリームの別の一つからのシンボルに比べて並べ替えられるようにするシンボルの並べ替えを実行する、ことを含む方法。
〔態様2〕
前記複数の第二のデータストリームのうち少なくとも一つについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行することを含む、態様1記載の方法。
〔態様3〕
前記複数の第二のデータストリームのうち複数のストリームについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行することを含む、態様2記載の方法。
〔態様4〕
前記複数の第二のデータストリームのうち異なるストリームについては異なる仕方で巡回的なローテーションを実行することを含む、態様3記載の方法。
〔態様5〕
単一のアンテナまたは複数のアンテナを使ってデータを送信するデータ送信機であって:単一アンテナを使ってデータを送信するときに、送信に先立って第一のインターリーブ方法を使って前記データのブロック・インターリーブを実行する手段と;複数アンテナを使ってデータを送信するときに:第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームを形成し、前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられるようにする手段と;前記第二のデータストリームの複数のストリームのブロック・インターリーブを、実質的に前記第一のインターリーブ方法と同じインターリーブ方法を使って実行し、そのブロック・インターリーブの間にビットはシンボルにグループ化される手段と;前記第二のデータストリームの一つからのシンボルが前記第二のデータストリームの別の一つからのシンボルに比べて並べ替えられるようにするシンボルの並べ替えを実行する手段、とを有する装置。
〔態様6〕
前記複数の第二のデータストリームのうち少なくとも一つについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行する手段を有する、態様5記載の装置。
〔態様7〕
前記複数の第二のデータストリームのうち複数のストリームについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行する手段を有する、態様5記載の装置。
〔態様8〕
前記巡回的なローテーションを実行する手段が、前記複数の第二のデータストリームの異なる諸ストリームについて実質的に同じ方法でビットの巡回的なローテーションを実行する態様7記載の装置であって、前記複数の第二のデータストリームの前記異なる諸ストリームのうち少なくとも一つのストリームのビットの巡回的なローテーションを変更する手段をさらに有する、装置。
〔態様9〕
前記変更する手段が前記巡回的なローテーションを実行する手段のあとにくる、態様8記載の装置。
〔態様10〕
前記変更する手段が前記巡回的なローテーションを実行する手段より先にくる、態様8記載の装置。
〔態様11〕
前記変更する手段が前記ブロック・インターリーブを実行する手段より先にくる、態様8記載の装置。
〔態様12〕
前記変更する手段がブロック・インターリーブ器である、態様11記載の装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のアンテナまたは複数のアンテナを使ってデータを送信する方法であって:
単一アンテナを使ってデータを送信するときは、
送信に先立って第一のインターリーブ方法を使って前記データのブロック・インターリーブを実行し;
複数アンテナを使ってデータを送信するときは:
第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームを形成し、前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられ;
前記第二のデータストリームの複数のストリームのブロック・インターリーブを、前記第一のインターリーブ方法と同じインターリーブ方法を使って実行し、そのブロック・インターリーブの間にビットはシンボルにグループ化され;
前記第二のデータストリームの一つからのシンボルが前記第二のデータストリームの別の一つからのシンボルに比べて並べ替えられるようにするシンボルの並べ替えを実行する、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記複数の第二のデータストリームのうち少なくとも一つについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記複数の第二のデータストリームのうち複数のストリームについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行することをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記複数の第二のデータストリームのうち異なるストリームについては異なる仕方で巡回的なローテーションを実行することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
単一のアンテナまたは複数のアンテナを使ってデータを送信するデータ送信機であって:
単一アンテナを使ってデータを送信するときに、送信に先立って第一のインターリーブ方法を使って前記データのブロック・インターリーブを実行する第一手段と;
第一のデータストリームから複数の第二のデータストリームを形成し、前記第一のデータストリームの相続くビットは前記第二のデータストリームの異なるストリームに割り当てられるようにする第二手段と;
前記第二のデータストリームの複数のストリームのブロック・インターリーブを、前記第一のインターリーブ方法と同じインターリーブ方法を使って実行し、そのブロック・インターリーブの間にビットはシンボルにグループ化される第三手段と;
前記第二のデータストリームの一つからのシンボルが前記第二のデータストリームの別の一つからのシンボルに比べて並べ替えられるようにするシンボルの並べ替えを実行する第四手段、とを有しており、前記第二、第三および第四手段は複数アンテナを使ってデータを送信するときに使用される、装置。
【請求項6】
前記複数の第二のデータストリームのうち少なくとも一つについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行する手段をさらに有する、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記複数の第二のデータストリームのうち複数のストリームについて、各データシンボルについて、該データシンボル内のビットの巡回的なローテーションを実行する手段をさらに有する、請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記巡回的なローテーションを実行する手段が、前記複数の第二のデータストリームの異なる諸ストリームについて同じ方法でビットの巡回的なローテーションを実行する請求項7記載の装置であって、前記複数の第二のデータストリームの前記異なる諸ストリームのうち少なくとも一つのストリームのビットの巡回的なローテーションを変更する手段をさらに有する、装置。
【請求項9】
前記変更する手段が前記巡回的なローテーションを実行する手段のあとにくる、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記変更する手段が前記巡回的なローテーションを実行する手段より先にくる、請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記変更する手段が前記ブロック・インターリーブを実行する手段より先にくる、請求項8記載の装置。
【請求項12】
前記変更する手段がブロック・インターリーブ器である、請求項11記載の装置。
【請求項13】
請求項5ないし11のうちいずれか一項記載の装置であって、複数アンテナを使ってデータを送信するときに、相続く送信区間の間、前記複数アンテナの異なるものから個々の0でないシンボルが送信のために順に出力され、それにより、所与の送信区間の間、0でないシンボルは前記複数アンテナのうち一つのアンテナにしか割り当てられず、前記複数アンテナのうち他のアンテナには0のシンボルが割り当てられる、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−59042(P2013−59042A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224647(P2012−224647)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2007−545079(P2007−545079)の分割
【原出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】