説明

MK2インヒビター

本発明は、一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。該化合物は、免疫、自己免疫、炎症性の疾患、心血管疾患、感染性疾患、骨吸収障害、神経変性疾患または増殖性疾患の処置に使用され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体、これを含む医薬組成物、ならびに免疫学的障害の処置のための医薬の製造および腫瘍学のための前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症促進性サイトカインの生成および放出の調節は、炎症プロセスの誘因および伝播において重要な役割を果たす。このような炎症サイトカインの過剰な放出は、多くの自己免疫疾患の顕著な特徴である。関節リウマチ(RA)では、TNFαおよびIL−6などの炎症促進性サイトカインの作用のモジュレーションの重要性が、抗TNFα療法および抗IL−6R療法の有効性によって示されている。また、抗TNFα処置は、炎症性腸疾患(IBD)および乾癬にも有効である。
【0003】
抗TNFα療法および抗IL−6R療法の報告された有効性のため、炎症促進性サイトカイン(TNFαおよびIL−6など)の生成を妨げる低分子量薬物が開発されている。p38/MK2経路のモジュレーションは、このような炎症促進性サイトカインの生成を制御するための魅力的なアプローチとみなされている。
【0004】
薬物標的としてのMK2(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ−2,MAPKAPK2)の可能性を強調する数多くの観察結果がある。MK2ノックアウトマウスは、LPS誘発性内毒素性ショックに対して、ほぼ完全に抵抗性である[Kotlyarovら,Nat.Cell Biol.(1999)1,94−97]。さらに、MK2ノックアウトマウスと野生型マウス(対比)の脾臓細胞は、LPS刺激後、TNFαおよびIL−6の分泌がわずか10〜20%になる[Kotlyarovら,Nat.Cell Biol.(1999)1,94−97]。また、CIAモデルのMK2ノックアウトマウスは、疾患発生数および疾患重症度スコアの大きな低減(75%)を示す。また、疾患重症度スコアの明白な低減は、MK2ヘテロ接合型マウスでも観察された(50%)[Hegenら,J.Immunol.(2006)177,1913−1917]。後者の所見は、MK2に対する調節効果を調べるのに、MK2活性の完全な枯渇は必須でないかもしれないことを示唆する。
【0005】
観察された効果に対して実際にMK2のキナーゼ活性が必要とされることは、MK2ノックアウトマウス由来の骨髄由来マクロファージ(BMDM)におけるLPS誘発性TNFαの生成が、完全長MK2またはMK2の触媒性ドメインの発現によって回復することがあり得るが、MK2のキナーゼ不活性変異型では回復しないという所見によって裏付けられる[Kotlyarovら,Moll.Cell.Biol.(2002)22,4825−4835]。MK2は、病変乾癬皮膚におけるTNFαの発現を、翻訳後レベルで調節することが示唆されており[Johansenら,J.Immunol.(2006)176,1431−1438]、オキサゾロン誘発性の皮膚炎症の低減が、MK2ノックアウトマウスにおいて観察された[Fundingら,J.Invest.Dermatol.(2009)129,891−898]。
【0006】
MK2の全身性欠損により、高コレステロール血症のマウスにおいてアテローム性動脈硬化が低減され、重要なマクロファージ漸増メディエータであるVCAM−1およびMCP−1の大動脈発現が減少した[Jagaveluら,Circ.Res.(2007)101,1104−1112]。また、MK2は、変形性関節症(OA)疾患の病態と関連している重要な生物学的経路をモジュレートすることも示されている[Jonesら,Osteoarthritis & Cartilage(2009),17,124−131]。MK2は、OAのヒト関節軟骨および単離されたヒト一次軟骨細胞において活性であり、MK2は、PGE2、MMP3およびMMP13の放出を媒介する。
【0007】
さらに、MK2は、ヒト肺微小血管内皮細胞におけるTNFα誘導性ICAM−1およびIL−8のp38による転写後調節を媒介し[Suら,Biochim.Biophycica Acta(2008)1783,1623−1631]、これは、肺の炎症応答および急性肺損傷における役割を示す。MK2の消失により、神経炎症が低減されることによってニューロン細胞死が抑制される。パーキンソン病の1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)マウスモデルでは、MK2欠損マウスは、黒質におけるドパミン作動性ニューロンの変性の低減を示す[Thomasら,J Neurochem.(2008)105,2039−2052]。
【0008】
また、MK2遺伝子の欠失を有するマウスの膵炎は、野生型マウスと比べて重症度が低く、TNFαおよびIL−6の血清レベルの低減を伴うことも示されている[Tietzら,Am.J.Physiol.Gastrointest.Liver Physiol.(2006)290,G1298−1306]。最後に、MK2欠損により、マウスにおいて、脳が神経学的欠陥および虚血性損傷から保護される[Wangら,J.Biol.Chem.(2002)277,43968−43972]。
【0009】
MK2を阻害するピロロピリジン化合物は、国際公開第2005014572号および同第2004058762号に開示されている。
【0010】
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ−2(MK2,MAPKAPK2)を阻害する化合物の必要性が明らかに存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2005014572号
【特許文献2】国際公開第2004058762号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Kotlyarovら,Nat.Cell Biol.(1999)1,94−97
【非特許文献2】Hegenら,J.Immunol.(2006)177,1913−1917
【非特許文献3】Kotlyarovら,Moll.Cell.Biol.(2002)22,4825−4835
【非特許文献4】Johansenら,J.Immunol.(2006)176,1431−1438
【非特許文献5】Fundingら,J.Invest.Dermatol.(2009)129,891−898
【非特許文献6】Jagaveluら,Circ.Res.(2007)101,1104−1112
【非特許文献7】Jonesら,Osteoarthritis & Cartilage(2009),17,124−131
【非特許文献8】Suら,Biochim.Biophycica Acta(2008)1783,1623−1631
【非特許文献9】Thomasら,J Neurochem.(2008)105,2039−2052
【非特許文献10】Tietzら,Am.J.Physiol.Gastrointest.Liver Physiol.(2006)290,G1298−1306
【非特許文献11】Wangら,J.Biol.Chem.(2002)277,43968−43972
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この目的のため、本発明は、ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
より詳しくは、本発明は、式I
【0015】
【化1】

によるピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0016】
この式において、R1〜R9、A、V、W XおよびYは、以下の定義を有する:
Aは、CHまたはNであり;
Xは、結合、−CH−または−CHCH−であり;
Yは、結合、またはカルボニルにR2が結合している−C(O)NH−であり;
Vは、−CH−、O、C(O)、−CHF−、または−CF−である、ただし、VがOのとき、Xは−CHCH−であり、VがC(O)のとき、Xは−CH−であるものとし;
Wは、結合または−CH2−であり;
R1は、水素またはFであり;
R2は、(1〜12C)ヘテロアリールまたは(6〜10C)アリールであり、ともに、独立してR4から選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;
R3は、水素;(3〜6C)シクロアルキル;(1〜6C)アルキル、−(CH2)mOR5で;−(CH2)mNR5R6;または−C(O)CHNR5R6であり;
R2およびR3において定義したR4〜R6は以下の意味を有する:
R4は、ハロゲン;OH;SH;ニトリル、ニトロ、NH2;(3〜6C)シクロアルキル、(3〜6C)シクロアルコキシ,(1〜6C)アルコキシまたは(1〜6C)アルキルから採用され、すべて、1種類以上のハロゲン;フェノキシ;−O(CHOR5、−O(CHNR7R8、−OC(O)R7(ただし、R7は水素でないものとする)、−O(1〜12C)ヘテロアリール)、−S(1〜6C)アルキル);−S(3〜6C)シクロアルキル)−;NR7R8;−NR9(CHOR7、−NR9(CHNR7R8;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−C(O)NR9(CHNR7R8、−C(O)NR9(CHOR7、−C(O)OR7、−SO(1〜6C)アルキル)、−SO(3〜6C)シクロアルキル);−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(1〜12C)ヘテロアリールもしくは(6〜10C)アリール環に結合されている);フェニルまたは(1〜12C)ヘテロアリールで置換されていてもよく;
R5は、水素(3〜6C)シクロアルキル;または(1〜6C)アルキルであり;
R6は、水素;(3〜6C)シクロアルキル;(1〜6C)アルキル;または(1〜6C)アルキルカルボニルである。
【0017】
最後に、R4のR7〜R9は、以下の意味を有する:
R7は、水素、(1〜6C)アルキルまたは(3〜6C)シクロアルキルであり;
R8は、水素;(3〜6C)シクロアルキル;(1〜6C)アルキル;または(1〜6C)アルキルカルボニルであるか;あるいは
R7とR8は、これらが結合しているNR7R8の窒素と一緒に5〜7員の含窒素(4〜6C)ヘテロシクリル環を形成していてもよく、該構成員は、1個の窒素と4〜6個の炭素原子からなり、該窒素原子に加えてN、OまたはSから選択される1個のヘテロ原子を含んでいてもよく;
R9は、水素;(1〜6C)アルキルまたは(3〜6)シクロアルキルであり;
mは、2または3である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の化合物は、良好な溶解度および良好な阻害効果(EC50)を有する。
【0019】
したがって、一実施形態において、本発明は、改善された溶解度およびより良好な阻害効果(pEC50)を有する式Iによる化合物を提供する。
【0020】
定義において用いる用語(1〜6C)アルキルは、1〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを意味する。(1〜5C)アルキル基が好ましく、(1〜3C)アルキルが最も好ましい。
【0021】
用語(1〜12C)ヘテロアリールは、1〜12個の炭素原子と、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、ピリジニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラゾリル、イミダゾリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリルまたはフリルなどの芳香族基を意味する。好ましいヘテロ原子数は1個または2個である。好ましいヘテロアリール基は、ベンゾフラニル、キノリニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、チエニル、ピリミジニル、およびフリルである。最も好ましいのは、ベンゾフラニル、キノリニル、ピリジニル、またはピリミジニルである。(1〜12C)ヘテロアリール基は、炭素原子を介して結合されていてもよく、実現可能であれば窒素を介して結合されていてもよい。
【0022】
用語(1〜5C)ヘテロアリールは、1〜5個の炭素原子と、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラゾリル、イミダゾリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリルまたはフリルなどの芳香族基を意味する。好ましいヘテロ原子数は1個または2個である。好ましいヘテロアリール基は、ピリジニル、チアゾリル、ピリミジニル、チエニル、ピリミジニル、およびフリルである。最も好ましいのは、ピリジニルまたはピリミジニルである。(1〜5C)ヘテロアリール基は、炭素原子を介して結合されていてもよく、実現可能であれば窒素を介して結合されていてもよい。
【0023】
用語(4〜6C)ヘテロシクリルは、4〜6個の炭素原子を含み、さらに、N、OまたはSから選択される1個のヘテロ原子を含んでいてもよい、ピロリジルおよびモルホリニル(morphonylyl)などのN含有シクロアルキル基を意味する。好ましいのは、1個のNヘテロ原子を有するシクロアルキル基である。
【0024】
用語(6〜10C)アリールは、6〜10個の炭素原子を有する、フェニルおよびナフチルなどのアリール基を意味する。好ましいのはフェニルである。
【0025】
用語(3〜6C)シクロアルキルカルボニルは、シクロアルキル基が3〜6個の炭素原子を含む(先に定義したものと同じ意味を有する)シクロアルキルカルボニル基を意味する。
【0026】
用語(3〜6C)シクロアルキルは、3〜6個の炭素原子を有する、シクロプロピル、エチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどのシクロアルキル基を意味する。
【0027】
用語(1〜6C)アルコキシは、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、アルキル部分は先に定義したものと同じ意味を有する。(1〜3C)アルコキシ基が好ましい。
【0028】
用語(1〜6C)アルキルカルボニルは、アルキル基が上記に特定した意味を有するアルキルカルボニル基を意味する。
【0029】
ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0030】
用語「置換された(されている)」は、指定された原子上の1つ以上の水素が、表示した群のからの選択肢で置き換えられていることを意味するが、該指定された原子は、存在している状況下において通常の原子価を越えないものとし、該置換によって安定な化合物がもたらされるものとする。置換基および/または可変部の組合せは、かかる組合せによって安定な化合物がもたらされる場合のみ可能である。「安定な化合物」または「安定な構造」により、化合物が、有用な度合の純度までの反応混合物からの単離、および有効な治療用薬剤への製剤化をしのぐのに充分に頑強であることを意図する。
【0031】
用語「置換されていてもよい」は、明記した基、原子団または部分での置換が任意選択的であることを意味する。
【0032】
上記の定義において、多官能性基を伴う場合、結合点をダッシュ記号で示していない限り、結合点は最後の基である。
【0033】
薬学的に許容され得る塩という用語は、医学的判断の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、妥当な便益/リスク比に相応する塩を表す。薬学的に許容され得る塩は、当該技術分野でよく知られている。該塩は、本発明の化合物の最終の単離および精製の際に得られるものであってもよく、遊離塩基の官能基を適当な無機酸(塩酸、リン酸もしくは硫酸など)または有機酸(例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸など)と反応させることにより別途に得られるものであってもよい。酸の官能基を、有機塩基または無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムもしくは水酸化リチウムなど)と反応させてもよい。
【0034】
別の実施形態において、本発明は、本明細書において上記に定義する式Iによる化合物であって、
Vが−(CH)−またはOである、ただし、VがOのとき、Xは−CHCH−であるものとし、;
R4が、ハロゲン;OH;NH;(3〜6C)シクロアルキルまたは(1〜6C)アルキルから採用され、ともに、1種類以上のハロゲン;(3〜6C)シクロアルコキシ;(1〜6C)アルコキシ;フェノキシ;−NR7R8;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(1〜12C)ヘテロアリールもしくは(6〜10C)アリール環に結合されている);フェニルまたは(1〜12C)ヘテロアリールで置換されていてもよい、
化合物を提供する。
【0035】
別の態様において、本発明は、R7とR8が、これらが結合しているNR7R8の窒素と一緒に、さらなるヘテロ原子を有しない5〜7員の(4〜6C)ヘテロシクリル環を形成していてもよい式Iによる化合物に関する。
【0036】
別の態様において、本発明は、
R4が、ハロゲン;OH;SH;ニトリル、ニトロ、NH2;(3〜6C)シクロアルキルまたは(1〜6C)アルキルから採用され、ともに、1種類以上のハロゲン;(3〜6C)シクロアルコキシ;(1〜6C)アルコキシ;フェノキシ;−O(CHOR5、−O(CHNR7R8、−OC(O)R7(ただし、R7は水素でないものとする)、−O(1〜12C)ヘテロアリール)、−S(1〜6C)アルキル);−S(3〜6C)シクロアルキル)−;NR7R8;−NR9(CHOR7、−NR9(CHNR7R8;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−C(O)NR9(CHNR7R8、−C(O)NR9(CHOR7、−C(O)OR7、−SO(1〜6C)アルキル)、−SO(3〜6C)シクロアルキル);−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(1〜12C)ヘテロアリールもしくは(6〜10C)アリール環に結合されている);フェニルまたは(1〜12C)ヘテロアリールで置換されていてもよい式Iによる化合物に関する。
【0037】
別の態様において、本発明は、R7が水素または(3〜6C)シクロアルキルである式Iによる化合物に関する。
【0038】
また別の実施形態において、本発明は、Vが−CH−である式Iによる化合物を提供する。
【0039】
別の態様において、本発明は、Wが−CH−である式Iの化合物に関する。
【0040】
別の態様において、本発明は、Xが−CH−である式Iの化合物に関する。
【0041】
別の態様において、本発明は、R2が、独立してR4から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい(1〜5C)ヘテロアリールであり、R4が、−NR7R8;NHまたは(1〜6C)アルコキシから選択される式Iの化合物に関する。
【0042】
別の態様において、本発明は、R2が、独立してR4から選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニルであり、R4が、ハロゲン;OH;(3〜6C)シクロアルキルまたは(1〜6C)アルキルから採用され、ともに、1種類以上のハロゲン;(1〜6C)アルコキシ;フェノキシ;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(ヘテロ)アリール環に結合されている)またはフェニルで置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0043】
また別の態様において、本発明は、R3が水素;−(CHNR5R6、または−C(O)CHNR5R6である式Iの化合物に関する。
【0044】
別の態様において、本発明は、R3が水素である式Iの化合物に関する。
【0045】
別の態様において、本発明は、R3がメチルであり、Y=−C(O)NH−である式Iの化合物に関する。
【0046】
また別の態様において、本発明は、Yが結合である式Iの化合物に関する。
【0047】
また、本発明は、本明細書において上記に定義した本発明の種々の態様におけるR1〜R9、ならびにV、W、XおよびYに対する具体的なあらゆる定義が、式Iのピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(l’H)−オン化合物の定義において任意の組み合わせで存在する化合物に関する。
【0048】
別の態様において、本発明は、ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン骨格に結合しているスピロ基が5、6または7員の環を形成している式Iによる化合物に関する。好ましくは、この環は5員または6員の環である。
【0049】
別の態様において、本発明は、少なくとも20mg/Lの溶解度を有する式Iによる化合物に関する。
【0050】
また別の態様において、本発明は、少なくとも6.5のpEC50を有する式Iによる化合物に関する。
【0051】
別の態様において、本発明は、溶解度(mg/L)+20pEC50が少なくとも180であるという溶解度とpEC50との関連性を有する式Iによる化合物に関する。
【0052】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも20mg/Lの溶解度、少なくとも6.5のpEC50、および溶解度+20pEC50が少なくとも180であるという溶解度とpEC50との関連性を有する式Iによる化合物に関する。
【0053】
溶解度という用語により、本発明者らは、以下:固形物の溶解度は、明記した温度および1気圧において固相と平衡状態である溶液中の該化合物の濃度と定義されることを意味する(Handbook of Chemistry and Physics.第95版,2004−2005)。溶解度は、一般的に、質量(溶媒1kgあたりの溶質のg、溶媒1dL(100mL)あたりのg)、容量モル濃度、重量モル濃度、モル分率または他の同様の濃度記載のいずれかによる濃度で表示される。単位量の溶媒に溶解し得る溶質の最大平衡量が、明記した条件下での該溶媒中への該溶質の溶解度である。
【0054】
pEC50という用語は、log(EC50)の絶対値を意味し、ここで、EC50は、該化合物が最大に達成可能な効果と比べて最大の半分(50%)の効果を誘起する試験化合物の濃度である。この値は、例えば、実施例14に記載のようにして求めることができる。値は、Graphpad Prism 4.03(GraphPad,San Diego,CA)などのソフトウェアプログラムを用いて求めることができる。
【0055】
式(I)で表される本発明の化合物は、一般的に、酢酸アンモニウムを用い、(II)とピペリジン−2,4−ジオン誘導体(III)(式中、Q=Br、CI、または別の適切な脱離基)との当該技術分野で知られたハンチュ縮合反応によって調製され得る。この工程は、ワンポット反応(ハンチュ)で行ってもよく、適切な塩基と溶媒(炭酸カリウムおよびアセトニトリルなど)を用いた(III)に対するC−アルキル化の後、続いて酢酸アンモニウムとの縮合(パール・クノール)を行うことによる2工程で行ってもよい。
【0056】
【化2】

一定の修飾を伴って、R2は、Pd触媒型化学反応および(IV)の場合のように脱離基としての塩素を使用し、当該技術分野で知られた鈴木、スチル(Yが結合である場合)またはブッフバルト(Yが−C(O)NH−である場合)カップリングによるハンチュまたはパール・クノール縮合反応後に導入されなければならない。
【0057】
【化3】

中間体(II)の調製はR1基とA基に依存する。A=CHの場合、(II)は、Andersonら[J.Med.Chem.(2007),50,2647−2654]に記載のようにして調製され得る。A=N、およびR1=水素またはFでは、以下の一般的な合成が使用され得る。第1工程では、(1−エトキシエテニル)トリブチルスズとのスチルカップリングが、ジ−クロロ−ピリミジン誘導体(Va)に対して行われる[Langliら,Tetrahedron(1996),52,5625−38]。得られたエノールエーテル誘導体(VIa)は、Vanottiら[J.Med.Chem.(2008),51,487−501]に記載のようにしてα−ブロモケトン誘導体(IIa)に臭素化され得る。(II)型の中間体は、ハンチュまたはパール・クノール縮合反応に容易に使用することができる。
【0058】
【化4】

(III)型の中間体は、一般的に、(クロロホルミル)酢酸エステルを用いた(VIIa)のアシル化およびディークマン縮合による(VIII)への環化によって調製され得る。続いて、エステルのカルボン酸への加水分解および脱カルボキシル化が、高温でアセトニトリル/水混合物において行われ得る[国際公開第2005013986号]。適切なN保護基(P)の導入が有益であり得る[Greene & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版]。R3=Boc、およびP=PMB、DMBまたはTMBが使用される場合、保護基は、合成の任意の段階で、酸性条件下(TFA含有DCMまたは純粋なTFA)で高温にて除去され得る[Vasseら,Tetrahedron(2003),59,4911−4921]。
【0059】
【化5】

PMB、DMBまたはTMBなどの保護基は、(IX)および必要な置換ベンズアルデヒドおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(MeOH中)を用いた還元的アミノ化によって導入され得る。あるいはまた、還流下で(X)および必要なベンジルアミン(アセトニトリル中)を用いて求核置換を行うと、(VII)型の中間体が得られ得る。この場合、Qはヨウ素、臭素、Oトシルまたは別の適切な脱離基であり得る。
【0060】
【化6】

(VIII)型の中間体は、市販のものであるか、またはメチルアミノ基が(XI)にジヨードメタンおよび適切な塩基(LDAなど)によって導入されたものであり得るかのいずれかである[Lombartら,Bioorg.Med.Chem.Letters(2007),17,4333−4337]。続いて、アンモニアを用いた求核置換により(VIII)が得られる。あるいはまた、アジ化ナトリウムを第2工程で求核試薬として使用し、続いて第1級アミンへの還元を行うこともできる。
【0061】
【化7】

また、(VIII)型の中間体は、メチルアルコール誘導体(XII)経由でも調製され得る。これは、LHMDS(THF中)およびSEMクロリドを用いて行われ得る[Eichelbergerら,Tetrahedron(2002)58,545−559]。SEM基は、酸性条件下(TFA含有DCM)で除去され得る。上記のような適切な脱離基の導入および求核置換により(VIII)が得られる。
【0062】
【化8】

V=CFの場合、(XIb)は、市販の(XIa)を出発物質とし、当該技術分野で知られた薬剤(ジアルキルアミノサルファートリフルオリド(DAST,Deoxofluor(R))など)を用いたケトンに対する直接的なフッ素化によって調製され得る[Zhangら,Bioorg.Med.Chem.Letters(2009)19,1101−1104]。V=CHFである誘導体は、ケトンのアルコール(XIc)への還元後、上記のフッ素化剤を用いたフッ素化によって調製され得る[Bioら,Synthesis(2008)6,891−896]。
【0063】
【化9】

(VIII)型の中間体の調製のまた別の択一例は、電子が不充分なオレフィンに対する1,3−双極子付加の使用である。ピロリジン環の構築は、シアノアクリレート(XIII)をN保護1−メトキシ−N−((トリメチルシリル)メチル)メタンアミンで、TFAおよびDCM中にて処理することにより行われ得る[Hosomiら,Chem.Letters(1984)7,1117−1120]。得られた(XIV)の還元は、Ra−Niを触媒として使用し、水素(気体)(MeOH中)を用いて行われ得る。
【0064】
【化10】

本発明の化合物は、水和物を形成していても、溶媒和物を形成していてもよい。当業者には、荷電化合物は、凍結乾燥させた場合は水と水和物型の種を形成するか、または溶液状態に濃縮した場合は適切な有機溶媒と溶媒和物型の種を形成することがわかるであろう。本発明の化合物は、記載の化合物のプロドラッグ、水和物または溶媒和物を包含する。
【0065】
プロドラッグの論考は、T.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14,A.C.S.Symposium Series,ならびにBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche編,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに示されている。用語「プロドラッグ」は、インビボで変換されて式(I)の化合物または該化合物の薬学的に許容され得る塩、水和物もしくは溶媒和物をもたらす化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。この変換は、種々の機構によって(例えば、代謝的または化学的プロセスによって)、例えば、血中での加水分解などによって起こり得る。プロドラッグの使用の論考は、T.HiguchiおよびW.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」,第14巻,A.C.S.Symposium Series,ならびにBioreversible Carriers in Drug Design,Edward B.Roche編,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に示されている。
【0066】
本発明の1種類以上の化合物は、溶媒和されていない形態、ならびに薬学的に許容され得る溶媒(例えば、水、エタノールなど)で溶媒和された形態で存在していてもよく、本発明は溶媒和された形態と溶媒和されていない形態の両方を包含することを意図する。「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子が物理的に会合していることを意味する。この物理的会合は、種々の度合のイオン結合および共有結合の形成(例えば、水素結合の形成)を伴う。一部の特定の場合では、溶媒和物は単離が可能なものである(例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固形物の結晶格子内に組み込まれている場合)。「溶媒和物」は、液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適当な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノーラート、メタノーラートなどが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0067】
式Iの化合物は塩を形成するものであってもよく、該塩も本発明の範囲に含まれる。本明細書における式Iの化合物に対する言及は、特に記載のない限り、その塩に対する言及も含むと理解されたい。用語「塩(1種類または複数種)」は、本明細書で用いる場合、無機酸および/または有機酸とともに形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基とともに形成される塩基性塩を表す。また、式Iの化合物が塩基性部分(限定されないが、ピリジンまたはイミダゾールなど)と、酸性部分(限定されないが、カルボン酸など)の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成されることがあり得、本明細書で用いる用語「塩(1種類または複数種)」に包含される。薬学的に許容され得る(すなわち、無毒性の、生理学的に許容され得る)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式(I)の化合物の塩は、例えば、式Iの化合物を、ある量(例えば、同等量)の酸または塩基と、媒体(例えば、塩を析出させるもの)中または水性媒体中で反応させた後、凍結乾燥させることによって形成され得る。
【0068】
式(I)の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含むものであってもよく、したがって、異なる立体異性形態で存在する。式(I)の化合物のあらゆる立体異性形態ならびにその混合物(例えば、ラセミ混合物)は、本発明の一部を構成することを意図する。また、本発明は、あらゆる幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式(I)の化合物に二重結合または縮合環が組み込まれている場合、シス形態およびトランス形態の両方、ならびに混合物が本発明の範囲に包含される。
【0069】
ジアステレオマー混合物は、物理的化学的な差に基づいて、当業者によく知られた方法によって、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶などによって、その個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラルなアルコールまたはモッシャーの酸塩化物などのキラル助剤)との反応によってエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換させ、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することにより分離することができる。また、一部の式(I)の化合物は、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)である場合があり得、本発明の一部とみなす。また、エナンチオマーは、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0070】
また、式(I)の化合物は、異なる互変異性形態で存在し得ることが考えられ得、かかる形態はすべて、本発明の範囲内に包含される。また、例えば、該化合物のケト−エノール形態およびイミン−エナミン形態もすべて、本発明に含まれる。
【0071】
本発明の化合物のあらゆる立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(該化合物の塩、溶媒和物、水和物、エステルおよびプロドラッグならびに該プロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルのものを含む)、例えば、種々の置換基上の不斉炭素のために存在し得るもの、例えば、エナンチオマー形態(これは、不斉炭素がない場合であっても存在し得る)、回転異性体形態、アトロプ異性体、およびジアステレオマー形態などが本発明の範囲に含まれることが想定される(位置異性体)。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含まないものであってもよく、例えば、ラセミ化合物として、またはすべての他の立体異性体もしくは選択された他の立体異性体と混合されたものであってもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsに定義されたS配置またはR配置を有するものであり得る。用語「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに等しく適用されることを意図する。
【0072】
本発明のピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン化合物はMK2を阻害することがわかった。MK2キナーゼ阻害の測定方法ならびに生物学的活性を測定するためのインビトロおよびインビボでのアッセイはよく知られている。考えられ得るアッセイの一例では、MK2キナーゼを試験対象の化合物とともにインキュベートし、キナーゼ経路のタンパク質のうちの1つのリン酸化の阻害を測定する。
【0073】
別のアッセイでは、MK2キナーゼ活性は、IMAPアッセイ(リン化合物の固定化金属親和性(Immobilized Metal Assay for Phosphochemicals)型カップリングアッセイ)を使用することにより測定され得る。IMAPは、リン酸化ペプチド基質の親和性捕捉に基づいた均一系の蛍光偏光(FP)アッセイである。IMAPでは、プロテインキナーゼによってリン酸化されるといわゆるIMAPナノ粒子(これは、三価金属錯体により誘導体化されたもの)に結合するフルオレセイン標識ペプチド基質を使用する。かかる結合により、ペプチドの分子運動の速度の変化が引き起こされ、基質ペプチドに結合されたフルオレセイン標識で観察されるFP値の増大がもたらされる。かかるアッセイでは、MK2により、フルオレセイン標識ペプチド基質がリン酸化される(実施例14参照)。
【0074】
また、MK2活性は、THP1細胞などの単球細胞株において測定してもよく、一次細胞アッセイ(例えば、ヒト ラットまたはマウス由来のPBMCまたは全血)において測定してもよい。MK2活性の阻害は、LPS誘発性のTNFαおよびIL−6の生成またはHsp27およびTTP(トリステトラプロリン)のリン酸化を測定することにより、調べることができる。例えば、THP1細胞をLPSで刺激し、4〜24時間のインキュベーション後に培養培地を収集し、サイトカイン生成をELISAによって定量する。
【0075】
インビボでのMK2インヒビターの活性は、マウスおよびラットにおいて、LPS誘発性のTNFαおよびIL−6の生成を測定することにより調べることができる。典型的な実験では、TNFαおよびIL−6は、LPS注射の1.5時間後および4時間後のそれぞれの時点で動物の血中にて測定される。TNFαおよびIL−6レベルはELISAによって定量される。
【0076】
溶解度は、Automated Kinetic Aqueous Solubility(AKASol)法を用いて測定され得、これは、HPLC−UVに基づいた方法である。該方法は、古典的な飽和振盪フラスコ溶解度法から派生したものであり、該方法を96ウェルマイクロタイタープレート形式に適合させ、DMSOストック溶液の使用を可能にしたものである。溶解度は、飽和水溶液中の化合物の量を測定し、DMSOに溶解させた化合物の外部較正曲線によって定量することにより求められる。溶解度(mg/L)は、pH7.4で室温にて測定され、試料溶液のDMSOの最終濃度は1%にする。
【0077】
別の態様において、本発明は、先に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩および1種類以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、他の治療用薬剤を含んでいてもよい医薬組成物に関する。助剤は、組成物のその他の成分と適合性であり、そのレシピエントに対して有害でないという意味で「許容され得る」ものでなければならない。
【0078】
組成物としては、例えば、経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、経鼻、局所または経直腸投与などに適したものものが挙げられる(すべて、投与のための単位投薬形態)。
【0079】
経口投与では、活性成分は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤などの個別の単位として提示され得る。
【0080】
非経口投与では、本発明の医薬組成物は、単位用量容器または反復用量容器内にて、例えば、例えば、密封バイアルおよびアンプル内の所定量の注射用液にて提示され得、また、フリーズドライ(凍結乾燥)条件下で保存され得、使用前に滅菌液状担体(例えば、水)を添加するだけでよいものである。
【0081】
かかる薬学的に許容され得る助剤との混合は、例えば、標準的な参考文献、Gennaro,A.R.ら,Remington:The Science and Practice of Pharmacy[第20版,Lippincott Williams & Wilkins,2000,特に、パート5:Pharmaceutical Manufacturing参照]に記載されており、活性薬剤は、固形投薬単位(丸剤、錠剤など)に圧縮してもよく、カプセル剤もしくは坐剤に加工してもよい。薬学的に許容され得る液体により、活性薬剤は、液剤、懸濁剤、乳剤またはスプレー剤(例えば、経鼻スプレー剤)の形態の流動性組成物(例えば、注射用調製物)として適用され得る。
【0082】
固形投薬単位の作製では、例えば、充填剤、着色剤、高分子結合剤などの慣用的な添加剤の使用が想定される。一般に、活性化合物の機能を妨げない任意の薬学的に許容され得る添加剤が使用され得る。本発明の活性薬剤とともに固形組成物として投与され得る好適な担体としては、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体など、またはそれらの混合物が挙げられ、適当な量で使用される。非経口投与では、薬学的に許容され得る分散化剤および/または湿潤剤(プロピレングリコールまたはブチレングリコールなど)を含有する水性懸濁剤、等張性生理食塩水溶液および滅菌注射用液剤が使用され得る。
【0083】
さらに、本発明は、本明細書において上記の医薬組成物を、前記組成物に適した同封資料(packaging material)と合わせて含むものであり、前記同封資料としては、該組成物を本明細書において上記の使用に使用するための使用説明書が挙げられる。
【0084】
活性成分またはその医薬組成物の投与の厳密な用量およびレジメンは、具体的な化合物、投与経路、ならびに医薬が投与される個々の被検体の年齢および体調によって異なり得る。
【0085】
一般に、非経口投与では、必要とされる投薬量は、より吸収に依存性である他の投与方法よりも少ない。しかしながら、ヒトに対する好適な投薬量は、0.1〜1000mg/kg体重、好ましくは10〜300mg/kg体重であり得る。所望の用量は、1回での用量として、または1日の間適切な間隔で投与される多数の分割用量として提示され得る。使用される実際の投薬量は、当業者である医師の判断による患者に対する必要事項および処置対象の病状の重症度に応じて異なり得る。
【0086】
本発明の別の態様は、免疫、自己免疫および炎症性の疾患、心血管疾患、感染性疾患、骨吸収障害、神経変性疾患および増殖性疾患から選択される疾患を、その処置または予防を必要とする被検体(特に、人間)において処置または予防する方法であって、前記被検体に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法に関する。
【0087】
前述のように、本発明の化合物は、MK2インヒビターとして作用し、炎症促進性サイトカインの低減を誘導する。したがって、このような化合物は、MK2が一因である疾患を処置または予防するのに有用であることが予測される。このようなものとしては、サイトカイン(TNFα、MCP−1、IL−1、IL−6またはIL−8など)の過剰生成が疾患の発生および/または進行において重要な調節的役割を果たしている疾患が挙げられる。このような疾患としては、限定されないが、免疫、自己免疫および炎症性の疾患、心血管疾患、感染性疾患、骨吸収障害、神経変性疾患ならびに増殖性疾患が挙げられる。特に、本発明の化合物は、このような疾患の処置に有用である。より特別には、本発明の化合物は、免疫、自己免疫および炎症性の疾患の処置に有用である。
【0088】
本発明の化合物で処置または予防され得る免疫、自己免疫および炎症性の疾患としては、リウマチ性疾患(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、感染性関節炎、進行性の慢性関節炎、変形性関節炎、変形性関節症、外傷性関節炎、痛風性関節炎、ライター症候群、多発性軟骨炎、急性滑膜炎および脊椎炎)、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を伴う、または伴わない)、自己免疫性の血液系の障害(例えば、溶血性貧血、再生不良性(aplasic)貧血、特発性血小板減少症、および好中球減少症)、自己免疫性の胃炎、および自己免疫性の炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎およびクローン病)、対宿主性移植片病、同種移植拒絶、慢性甲状腺炎、グレーヴズ病、強皮症、糖尿病(I型およびII型)、活動性肝炎(急性および慢性)、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、皮膚の日焼け、血管炎(例えば、ベーチェット病)慢性腎機能不全、スティーヴンズ‐ジョンソン症候群、炎症性の痛み、特発性スプルー、悪液質、サルコイドーシス、ギヤン‐バレー症候群、ブドウ膜炎、結膜炎、角結膜炎、中耳炎、歯周病、間質性肺線維症、喘息、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、塵肺、肺動脈弁閉鎖不全症候群、肺気腫、肺線維症、珪肺症、慢性の炎症性の肺疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患)および気道に対する他の炎症性または閉塞性の疾患が挙げられる。
【0089】
処置または予防され得る心血管疾患としては、とりわけ、心筋梗塞、心臓肥大、心臓機能不全、虚血−再灌流障害、血栓症、トロンビン誘導性血小板凝集、急性冠動脈症候群、アテローム性動脈硬化および脳血管障害が挙げられる。
【0090】
処置または予防され得る感染性疾患としては、とりわけ、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性菌による敗血症、細菌性赤痢、髄膜炎、大脳マラリア、肺炎、結核、ウイルス性心筋炎、ウイルス性肝炎(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎)、HIV感染、サイトメガロウイルスによって引き起こされる網膜炎、インフルエンザ、ヘルペス、重度の火傷と関連している感染症の処置、感染によって引き起こされる筋肉痛、感染に副次的な悪液質、および獣医学的ウイルス感染(レンチウイルス、ヤギ関節炎ウイルス、ビスナ・マエディウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルスまたはイヌ免疫不全ウイルスなど)が挙げられる。
【0091】
処置または予防され得る骨吸収障害としては、とりわけ、骨粗鬆症、変形性関節症、外傷性関節炎、痛風性関節炎および多発性骨髄腫と関連している骨障害が挙げられる。
【0092】
処置または予防され得る神経変性疾患としては、とりわけ、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血、および外傷性の神経変性疾患が挙げられる。
【0093】
処置または予防され得る増殖性疾患としては、とりわけ、子宮内膜症、充実性腫瘍、急性および慢性骨髄性白血病、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、転移性黒色腫ならびに血管形成性の障害(眼の新血管形成および乳児血管腫など)が挙げられる。
【0094】
本発明による化合物は治療に使用され得る。該化合物は、上記の障害の処置のために使用され得る。特に、該化合物は、関節リウマチ、乾癬または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置のために使用され得る。
【0095】
本明細書において上記に定義したMK2阻害的処置は、単独療法剤として適用してもよく、本発明の化合物に加えて、他の薬剤、例えば限定されないが、炎症および免疫調節剤ならびに鎮痛剤(小分子または生物製剤のいずれか)との共投与を伴うものであってもよい。
【0096】
本発明を、以下の実施例によって例示する。
【実施例】
【0097】
略号
Boc=t−ブチル−カルバメート
DCM=ジクロロメタン
DMB=2,4−ジメトキシルベンジル
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EtOAc=酢酸エチル
EtOH=エタノール
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
CO=炭酸カリウム
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS=リチウムヘキサメチルジシラジド
MgSO=硫酸マグネシウム
MeOH=メタノール
NaCl=塩化ナトリウム
NaHCO=重炭酸ナトリウム
NaSO=硫酸ナトリウム
NHCl=塩化アンモニウム
NHOAc=酢酸アンモニウム
NMP=N−メチルピロリドン
PMB=4−メトキシベンジル
SCX(−2)=強カチオン交換
SEMクロリド=トリメチルシリルエトキシメチルクロリド
TBTU=O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’,−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TMB=2,4,6−トリメトキシベンジル
UPLC=超高速液体クロマトグラフィー
精製
特に記載のない限り、以下に記載する実施例の純粋な試料は、方法A(酸性手順)またはB(塩基性手順)で示す標準的な半分取用HPLC手順を用いて得た。
方法A:
Luna C−18(150×21.2mm,5μm)カラムを取り付けたGilson−システム。使用した方法は、水を対向(counter)溶離液とした10から80%または10から100%までのアセトニトリル勾配と組み合わせた0.3%TFA−溶液(水中)の連続流からなる25分間の泳動であった。
方法B:
XTerra MS C−18(10×50mm,5μm)カラムを取り付けたWaters−システム。使用した方法は、重炭酸アンモニウムの5mM水溶液を対向溶離液とした10から100%までのアセトニトリルの勾配での7分間の泳動であった。
解析
特に記載のない限り、合成した以下の中間体および実施例はすべて、LC−MSにより、以下の標準的な方法を用いて解析した:
XBridge(C18,3.5μm,4.6×20mm)カラムを取り付けたWaters−LCMS−システム。使用した方法は、0.05%TFAの連続流を伴う水中0から100%までのアセトニトリルの勾配での5分間の泳動とした。
【0098】
実施例に記載する最終生成物の命名は、ChemDraw Ultra 9.0.7プログラム(バージョン:9.0.7.1009,CambridgeSoft Corp.)を用いて行った。
【0099】
実施例1_1:
2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(A7)の合成
【0100】
【化11】

【0101】
工程1:1−tert−ブチル4−メチル4−((4−メトキシベンジルアミノ)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(A1)
市販の1−tert−ブチル4−メチル4−(アミノメチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(10.10mmol,2.75g)と4−メトキシベンズアルデヒド(15.15mmol,2.062g)を含む無水MeOH(40mL)を室温で2時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(20.19mmol,1.269g)の添加後、反応液を45℃で一晩撹拌した。混合物を真空にてエバポレートし、EtOAcと飽和重曹水溶液に溶解させた。有機相の分離後、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥させ、真空にてエバポレートした。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc:10%から100%まで)、2.3gの油状物を得た(58%)。H NMR(400MHz,CDC1,300K):δ=1.40(2H,s)、1.45(9H,s)、2.07(2H,dt,J=13.3Hz,J=3.4Hz)、2.66(2H,m)、2.94(2H,m)、3.68(2H,s)、3.70(3H,s)、3.76(2H,m)、3.79(3H,s)、6.85(2H,d,J=8.3Hz)、7.19(2H,d,J=8.3Hz)。13C NMR(100MHz,CDC1,300K):δ=28.8,31.9,47.3,52.3,53.9,55.7,57.3,79.8,114.0,129.4,132.8,155.2,159.0,176.1.MS(ES)C2132の必要値:392、実測値:393.3[M+H]
【0102】
工程2:1−tert−ブチル4−メチル4−((3−エトキシ−N−(4−メトキシベンジル)−3−オキソプロパンアミド)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(A2)
A1(5.61mmol,2.2g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.561mmol,0.068g)およびピリジン(16.82mmol,1.357mL,1.330g)を無水DCM(25mL)に溶解させ、次いで、(クロロホルミル)酢酸エチルエステル(6.17mmol,0.862mL,1.031g)を含むDCM(5mL)をゆっくり添加し、この溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を1M HClに注入し、EtOAcで2回抽出した。有機層を飽和NaClで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc:10%から80%まで)、2.6gの油状物を得、これは、所望の生成物A2と未知の関連生成物の混合物であった。MS(ES)C2638の必要値:506、実測値:507.2[M+H]
【0103】
工程3:9−tert−ブチル4−メチル2−(4−メトキシベンジル)−3,5−ジオキソ−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4,9−ジカルボキシレート(A3)
工程2の混合物を無水MeOH(50mL)に溶解させ、ナトリウムメトキシド(25.6mmol,1.384g)を添加し、次いで、この懸濁液を60℃で15時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、2N HClに溶解させ、DCMで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、所望の生成物A3(2.02g)を油状物として得た。MS(ES)C2432の必要値:460、実測値:461.2[M+H]
【0104】
工程4:tert−ブチル2−(4−メトキシベンジル)−3,5−ジオキソ−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(A4)
粗製生成物A3をアセトニトリル(50mL)と水(50mL)に溶解させ、80℃で4時間撹拌した。アセトニトリルをエバポレートして除去し、固形物を濾別し、水で洗浄し、DCMに溶解させた。有機相をNaSO上で乾燥させ、真空濃縮した。生成物A4(1.57g)を白色固形物として得た。全体収率(A2〜A4)は70%である。H NMR(400MHz,CDC1,300K):δ=1.23(2H,m)、1.41(9H,s)、1.76(2H,m)、3.13(2H,m)、3.26(2H,s)、3.37(2H,m)、3.39(2H,s)、3.81(3H,s)、4.58(2H,s)、6.87(2H,d,J=8.6Hz)、7.22(d,J=8.6Hz)。13C NMR(100MHz,CDCls,300K):δ=28.8,30.0,46.3,47.1,49.8,51.7,55.7,80.2,114.6,128.4,130.5,154.9,159.8,166.4,206.8.MS(ES)C223oの必要値:402、実測値:425.2[M+Na]
【0105】
工程5:tert−ブチル2’−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(A5)
A4(3.98mmol,1.6g)とNHOAc(11.93mmol,0.919g)をEtOH(100mL)に15分間溶解させた。次いで、2−ブロモ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)エタノン(3.98mmol,0.936g)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空にてエバポレートした。粗製物をEtOAc(400mL)に溶解させ、1N HClで2回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥させ、真空にてエバポレートした。フラッシュクロマトグラフィーでの精製(Hept:10から100%EtOAcまで)により、A5を黄色固形物として得た。1.32g,61%)。H NMR(400MHz,CDC1,300K):δ=1.45(9H,s)、1.64(2H,m)、1.78(2H,m)、2.56(2H,m)、3.13(1H,m)、3.37(1H,m)、3.46(2H,s)、3.80(3H,s)、4.65(2H,s)、6.87(2H,d,J=8.7Hz)、7.24(2H,d,J=8.7Hz)、7.32(1H,d,J=2.1Hz)、7.37(1H,d,J=5.5Hz)、8.46(1H,d,J=5.5Hz)、9.64(1H,br s)。MS(ES)C2832ClNの必要値:537、実測値:538.2[M+H]
【0106】
工程6:tert−ブチル2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(A6)
tert−ブチル2’−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(A5)(4.5g,8.36mmol)、2−ベンゾフランボロン酸(4.06g,25.09mmol)および三塩基性リン酸カリウム七水和物(8.49g,25.09mmol)の混合物を無水ジオキサン(105mL)に溶解させた。得られた溶液に窒素をパージした後、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(676mg,0.836mmol)を添加した。得られた混合物に再度窒素をパージし、マイクロ波中で140℃で45分間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO水溶液で3回、ブラインで1回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製生成物をトルエンとともに磨砕し、これにより、tert−ブチル2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(A6)を白色固形物として得た(3.60g,70%)。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.42(9H,s)、1.55(2H,br d,J=13.0Hz)、2.08(2H,br dt,J=13.4Hz)、2.65(2H,br s)、3.56(2H,br s)、3.74(3H,s)、3.80(2H,br s)、4.57(2H,br s)、6.92(2H,d,J=8.6Hz)、7.31(2H,d,J=8.6Hz)、7.35(1H,t,J=7.6Hz)、7.43(1H,s)、7.46(1H,t,J=7.8Hz)、7.75(1H,d,J=8.2Hz)、7.80(1H,d,J=5.5Hz)、7.82(1H,d,J=7.7Hz)、8.03(1H,s)、8.77(1H,d,J=5.4Hz)、11.75(1H,s)。MS(ES)C3637の必要値:619、実測値:620.2[M+H]
【0107】
工程7:実施例1_1:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
A6(3.60g,5.81mmol)をTFA(29.0mL)に溶解させた。混合物をマイクロ波中で140℃で40分間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を真空下で濃縮した。粗製生成物を強カチオン交換(SCX)によって精製した(MeOHを溶離液として使用)後、0.7NのNH含有MeOHですすぎ洗浄し、純粋な遊離塩基を黄色固形物として得た(2.22g)。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.64(2H,d,J=12.8Hz)、2.15(2H,br dt,J=13.0Hz)、2.71(2H,t,J=11.9Hz)、2.89(2H,d,J=11.2Hz)、3.46(2H,s)、4.12(1H,br s)、7.24(1H,s)、7.35(1H,t,J=7.4Hz)、7.37(1H,s)、7.46(1H,t,J=7.4Hz)、7.75(1H,d,J=8.2Hz)、7.81(1H,d,J=5.6Hz)、7.83(1H,d,J=8.6Hz)、8.09(1H,s)、8.76(1H,d,J=5.4Hz)、11.78(1H,br s);MS(ES)C2321の必要値:399、実測値:400.1[M+H]
【0108】
以下の実施例を、この方法に従って調製した。
実施例1_2:2’−(2’−アミノ−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、2−アミノピリミジン−5−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法B)によって精製した。MS(ES)C1920Oの必要値:376、実測値:377.2[M+H]
【0109】
実施例1_3:2’−(2−(5−メトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、5−メトキシピリジン−3−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法B)によって精製した。MS(ES)C2122の必要値:390、実測値:391.2[M+H]
【0110】
実施例1_4:2’−(2−(2−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、2−フルオロフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法B)によって精製した。MS(ES)C2120FNOの必要値:377、実測値:378.2[M+H]
【0111】
実施例1_5:2’−(2−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−フルオロフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法B)によって精製した。MS(ES)C2120FNOの必要値:377、実測値:378.1[M+H]
【0112】
実施例1_6:2’−(2−(4−アセチルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−アセチルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.91(2H,br d,J=14.1Hz)、2.33(2H,dt,Jl=14.1Hz,J2=3.9Hz)、2.66(3H,s)、3.12(2H,q,12.2Hz)、3.53(2H,d,J=2.0Hz)、7.43(2H,m)、7.88(1H,d,J=5.5Hz)、8.11(2H,d,J=8.3Hz)、8.37(1H,m)、8.72(2H,d,J=8.3Hz)、8.73(1H,m)、8.85(1H,d,J=5.5Hz)、11.83(1H,s);MS(ES)C2323の必要値:401、実測値:402.3[M+H]
【0113】
実施例1_7:2’−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3,4−メチレンジオキシベンゼンボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.91(2H,d,J=14.1Hz)、2.31(2H,br t,J=14.1Hz)、3.12(2H,q,J=12.2Hz)、3.31(2H,m)、6.17(2H,s)、7.07(1H,d,J=8.3Hz)、7.35(1H,d,J=1.8Hz)、7.40(1H,br s)、7.73(1H,d,J=5.5Hz)、8.15(1H,d,J=1.2Hz)、8.20(1H,dd,Jl=8.3Hz,J2=1.2Hz)、8.27(1H,br s)、8.71(1H,br s)、8.72(1H,d,J=5.5Hz)、11.74(1H,s);MS(ES)C2221の必要値:403、実測値:404.3[M+H]
【0114】
実施例1_8:N−(5−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド
標題化合物は、2−アミノ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンを用いて、実施例1_1の工程6で報告した一般手順に従って調製した。この中間体鈴木生成物(0.053mmol,25mg)を含むDCM(800μL)とピリジン(200μL)の溶液に、塩化アセチル(0.053mmol,3.75μL)を0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。さらなる塩化アセチルのアリコート(全部で4当量)を、反応が終了するまで24〜36時間添加した。反応混合物をEtOAc中で希釈し、水で1回洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させた。濾過およびエバポレーション後、粗製混合物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(DCM/MeOHで溶出)。純粋な画分のエバポレーションにより、N−アセチル化中間体を白色固形物として得た。この中間体(0.028mmol,14.5mg)を、MeOHを4N HClとともに含むジオキサン(1mL)中でN−Boc脱保護した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。真空でのエバポレーションにより、標題化合物をジ−HCl塩として得た。MS(ES)C2223の必要値:417、実測値:418.2[M+H]
【0115】
実施例1_9:N−(5−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−イル)プロピオンアミド
標題化合物は、塩化プロピオニルを用いて、実施例1_13で報告した一般手順に従って調製し、ジ−HCl塩として単離した。MS(ES)C2325の必要値:431、実測値:432.2[M+H]
【0116】
実施例1_10:2’−(2−(3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.92(2H,br d,J=13.4Hz)、2.32(2H,m)、3.12(2H,m)、3.53(2H,d,J=2.0Hz)、7.44(1H,br s)、7.46(1H,d,J=2.0)、7.93(1H,d,J=5.1Hz)、8.04(1H,d,J=8.3Hz)、8.72(1H,br s)、8.86(1H,d,J=5.1Hz)、8.89(1H,s)、11.91(1H,s);MS(ES)C2219ClFOの必要値:461、実測値:461.1[M+H]
【0117】
実施例1_11:2’−(2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.90(2H,br d,J=14.1Hz)、2.17(2H,quint,J=5.5Hz)、2.31(2H,m)、3.11(2H,m)、3.52(2H,d,J=2.0Hz)、4.22(4H,q,J=5.5Hz)、7.10(1H,d,J=8.3Hz)、7.35(1H,d,J=2.4Hz)、7.40(1H,br s)、7.74(1H,d,J=5.5Hz)、8.18(1H,dd,Jl=8.3Hz,J2=2.0Hz)、8.21(1H,d,J=2.0Hz)、8.30(1H,m)、8.73(1H,d,J=5.5Hz)、8.74(br s)、11.80(1H,s);MS(ES)C2425の必要値:431、実測値:431.2[M+H]
【0118】
実施例1_12:2’−(2−(ビフェニル−4−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、(1,1’−ビフェニル−4−イル)ボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2725Oの必要値:435、実測値:436.2[M+H]
【0119】
実施例1_13:2’−(2−(3,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3,4−ジクロロフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2119ClOの必要値:427、実測値:428.1[M+H]
【0120】
実施例1_14:2’−(2−(3−イソプロピルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−イソプロピルベンゼンボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2427Oの必要値:401、実測値:402.2[M+H]
【0121】
実施例1_15:2’−(2−(4−フェノキシフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−フェノキシフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2725の必要値:451、実測値:452.2[M+H]
【0122】
実施例1_16:2’−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2220の必要値:443、実測値:444.2[M+H]
【0123】
実施例1_17:2’−(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2220Oの必要値:427、実測値:428.1[M+H]
【0124】
実施例1_18:2’−(2−(4−シクロヘキシルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−シクロヘキシルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.21−1.53(6H,m)、1.69−1.95(7H,m)、2.30(2H,m)、3.12(2H,m)、3.30(2H,m)、3.52(2H,d,J=2.0Hz)、7.38(4H,m)、7.77(1H,d,J=5.5Hz)、8.28(1H,m)、8.49(2H,d,J=8.6Hz)、8.71(1H,m)、8.77(1H,d,J=5.5Hz)、11.76(1H,s);MS(ES)C2731Oの必要値:441、実測値:442.4[M+H]
【0125】
実施例1_19:2’−(2−(3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−tert−ブチル−5−メチルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.36(9H,s)、1.92(2H,br d,J=13.8Hz)、2.28(2H,dt,Jl=13.8Hz,J2=3.5Hz)、2.44(3H,s)、3.12((2H,q,J=11.8Hz)、3.34(2H,m)、3.52(2H,d,J=2.0Hz)、7.36(1H,d,J=2.0Hz)、7.41(1H,br d,J=5.9Hz)、7.80(1H,d,J=5.9Hz)、8.26(1H,s)、8.31(1H,m)、8.33(1H,s)、8.75(1H,br d,J=11.0Hz)、8.80(1H,d,J=5.1Hz)、11.83(1H,s);MS(ES)C2631Oの必要値:429、実測値:430.4[M+H]
【0126】
実施例1_20:2’−(2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.90(2H,br d,J=13.8Hz)、2.29(2H,dt,J1=13.8Hz,J2=3.5Hz)、3.11(2H,q,J=11.8Hz)、3.32(2H,m)、3.51(2H,br s)、3.89(3H,s)、7.77(1H,d,J=1.2Hz)、7.40(1H,br s)、7.69(1H,d,J=5.5Hz)、8.07(1H,d,J=1.2Hz)、8.14(1H,d,J=8.3Hz)、8.29(1H,m)、8.71(1H,d,J=5.5Hz)、8.72(1H,br s)、9.56(1H,br s)、11.75(1H,s);MS(ES)C2223の必要値:405、実測値:406.2[M+H]
【0127】
実施例1_21:2’−(2−(キノリン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、キノリン−3−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法B)によって精製した。MS(ES)C2422Oの必要値:410、実測値:411.2[M+H]
【0128】
実施例1_22:2’−(2−(4−tert−ブチルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−tert−ブチルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2529Oの必要値:415、実測値:416.2[M+H]
【0129】
実施例1_23:2’−(2−(4−イソブチルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−イソブチルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2529Oの必要値:415、実測値:416.2[M+H]
【0130】
実施例1_24:2’−(2−(ナフタレン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ナフタレン−2−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2523Oの必要値:409、実測値:410.2[M+H]
【0131】
実施例1_25:2’−(2−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3,5−ジクロロフェニルボロン酸(THF/水(9:1)中50%)を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2119ClOの必要値:427、実測値:428.1[M+H]
【0132】
実施例1_26:2’−(2−(ジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、2−(ジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2723の必要値:449、実測値:450.2[M+H]
【0133】
実施例1_27:2’−(2−(4−イソブトキシフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−イソブトキシフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2529の必要値:431、実測値:432.2[M+H]
【0134】
実施例1_28:2’−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.93(2H,br d,J=13.8Hz)、2.33(2H,dt,Jl=14.2Hz,J2=3.5Hz)、3.13(2H,m)、3.54(2H,d,J=2.3Hz)、7.40−7.49(4H,m)、7.81(1H,d,J=5.4Hz)、7.96(1H,m)、8.05(1H,m)8.41(1H,m)8.57(1H,s)、8.74(1H,br s)、8.77(1H,d,J=5.4Hz)、11.81(1H,s);MS(ES)C2321OSの必要値:415、実測値:416.2[M+H]
【0135】
実施例1_29:3−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)ベンズアミド
標題化合物は、3−アセチルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.92(2H,d,J=14.2Hz)、2.31(2H,dt,Jl=14.2Hz,J2=3.8Hz)、3.12(2H,q,J=11.9Hz)、3.32(2H,m)、7.42(1H,d,1.9Hz)、7.48(1H,s)、7.63(1H,t,J=7.7Hz)、7.85(1H,d,J=5.4Hz)、8.03(1H,d,J=8.0Hz)、8.15(1H,s)、8.36(1H,m)、8.74(1H,br s)8.77(1H,d,J=8.0Hz)、8.84(1H,d,J=5.4Hz)、8.98(1H,s)、11.81(1H,s);MS(ES)C2222の必要値:402、実測値:403.3[M+H]
【0136】
実施例1_30:2’−(2−(3−アセチルフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−アセチルフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.92(2H,br d,J=13.8Hz)、2.30(2H,dt,Jl=13.8Hz,J2=3.5Hz)、3.12(2H,q,J=12.1Hz)、3.53(2H,d,J=2.1Hz)、7.41(1H,d,J=2.1Hz)、7.43(1H,m)、7.72(1H,t,J=7.7Hz)、7.87(1H,d,J=5.4Hz)、8.16(1H,d,J=7.7Hz)、8.32(1H,m)、8.73(1H,m)、8.85(1H,d,J=5.4Hz)、8.89(1H,d,J=8.0Hz)、9.05(1H,s)、11.86(1H,s);MS(ES)C2323の必要値:401、実測値:402.2[M+H]
【0137】
実施例1_31:2−クロロ−N−シクロヘキシル−4−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)ベンズアミド
標題化合物は、3−クロロ−4−(シクロヘキシルカルバモイル)フェニルボロン酸(boronic)を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.15(1H br t,J=12.0Hz)、1.30(4H,m,J=10.1Hz)、1.59(1H,d,J=12.6Hz)、1.72(1H,d,J=2.4Hz)、1.75(1H,d,J=4.0Hz)、1.88(3H,m,J=9.3Hz)、1.94(1H,s)、2.33(2H,dt,Jl=4.0Hz,J2=14.2Hz)、3.12(2H,q,J=11.7Hz)、3.33(2H,d,J=11.9Hz)、3.53(2H,s)、3.75(1H,br s)、7.43(1H,m,J=2.3Hz)、7.54(1H,d,J=8.1Hz)、7.87(1H,d,J=5.4Hz)、8.38(1H,br d,J=10.8Hz)、8.45(1H,d,J=7.7Hz)、8.57(1H,d,J=1.4Hz)、8.68(1H,d,J=1.6Hz)、8.78(1H,br d,J=10.5Hz)、8.82(1H,d,J=5.4Hz)、11.89(1H,s);MS(ES)C2831CINの必要値:519、実測値:519.2[M]。
【0138】
実施例1_32:2’−(2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.89(2H,d,J=14.3Hz)、2.27(2H,dt,Jl=3.6Hz,J2=15.0Hz)、3.10(2H,q,J=10.7Hz)、3.30(2H,d,J=12.0Hz)、3.51(2H,s)、7.36(1H,d,J=2.3Hz)、7.42(1H,br s)、7.46(1H,dd,Jl=1.5Hz,J2=8.7Hz)、7.61(1H,dd,Jl=1.5Hz,J2=10.8Hz)、7.87(1H,d,J=5.1Hz)、8.26(2H,t,J=8.7Hz)、8.74(1H,d,J=10.7Hz)、8.84(1H,d,J=5.6Hz)、11.76(1H,s);MS(ES)C2119ClFNOの必要値:411、実測値:412.1[M+H]
【0139】
実施例1_33:2’−(2−(ビフェニル−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ビフェニル−3−イルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.92(2H,d,J=13.7Hz)、2.31(2H,dt,Jl=4.7Hz,J2=14.1Hz)、3.12(2H,q,J=12.5Hz)、3.32(2H,d,J=12.1Hz)、3.53(2H,d,J=2.3Hz)、7.40(1H,d,J=2.3Hz)、7.43(1H,t,J=7.4Hz)、7.54(1H,t,J=7.8Hz)、7.66(1H,t,J=7.8Hz)、7.78(2H,d,J=7.0Hz)、7.85(2H,d,J=5.5Hz)、8.36(1H,br d,J=9.3Hz)、8.65(1H,d,J=7.8Hz)、8.77(2H,s)、8.84(1H,d,J=5.5Hz)、11,84(1H,s);MS(ES)C2725Oの必要値:435、実測値:436.2[M+H]
【0140】
実施例1_34:2’−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.94(2H,d,J=14.0Hz)、2.31(2H,dt,Jl=14.0Hz,J2=4.0Hz)、3.13(2H,q,J=11.9Hz)、3.34(2H,br d,J=11.9Hz)、3.54(2H,d,J=2.1Hz)、7.45(1H,m)、7.46(1H,d,J=2.1Hz)、7.97(1H,d,J=5.4Hz)、8.34(1H,s)、8.46(1H,m)、8.82(1H,d,J=10.2Hz)、8.89(1H,d,J=5.4Hz)、9.15(1H,s)、12.00(1H,s);MS(ES)C2319Oの必要値:495、実測値:496.1[M+H]
【0141】
実施例1_35:2’−(2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.92(2H,d,J=14.5Hz)、2.32(2H,dt,Jl=3.9Hz,J2=14.5Hz)、2.98(1H,br s)、3.13(2H,q,J=12.1Hz)、3.33(2H,d,J=12.1Hz)、3.53(1H,d,J=2.3Hz)、7.43(2H,s)、7.81(1H,t,J=7.8Hz)、7.89(1H,d,J=5.5Hz)、7.94(1H,d,J=7.8Hz)、8.40(1H,br d,J=10.6Hz)、8.76(1H,br d,J=10.2Hz)、8.85(2H,d,J=5.0Hz)、8.94(1H,d,J=8.2Hz)、11.88(1H,s);MS(ES)C22OFOの必要値:427、実測値:428.1[M+H]
【0142】
実施例1_36:N−シクロヘキシル−4−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)ベンズアミド
標題化合物は、N−シクロヘキシル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミドを用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2832の必要値:484、実測値:485.1[M+H]
【0143】
実施例2_1:
2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−1−メチル−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体の合成
【0144】
【化12】

【0145】
実施例2_1:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−1−メチル−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
実施例1_1(76.9mg,0.193mmol)をアセトニトリル(6mL)に懸濁させた。この懸濁液に、ホルムアルデヒド(37%,0.101mL,1.348mmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(36.3mg,0.578mmol)および数滴の酢酸を添加し、混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物をSCX−カラムに導入し、MeOHですすぎ洗浄した。生成物を、0.7M NH含有MeOHを用いてカラムから洗い流した。生成物を真空下で濃縮後、残渣を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.99(2H,d,J=14.0Hz)、2.45(2H,dt,Jl=3.3Hz,J2=14.2Hz)、2.87(3H,d,J=4.4Hz)、3.20(2H,q,J=13.0Hz)、3.46(92H,d,J=12.1Hz)、3.57(2H,d,J=2.3Hz)、7.36(1H,t,J=7.7Hz)、7.41(1H,s)、7.47(1H,t,J=7.7Hz)、7.54(1H,br s)、7.74(1H,d,J=8.2Hz)、7.78(1H,d,J=7.7Hz)、7.83(1H,d,J=5.6Hz)、8.07(1H,s)、8.80(1H,d,J=5.6Hz)、9.66(1H,br s)、11.76(1H,s);MS(ES)C2423の必要値:413、実測値:414.0[M+H]
【0146】
以下の実施例を、この方法に従って調製した。
実施例2_2:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−1−エチル−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、アセトアルデヒドを用いて、実施例2_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.28(3H,t,J=7.2Hz)、1.83(1H,d,J=14.5Hz)、2.00(2H,d,J=14.5Hz)、3.13(2H,q,J=12.9Hz)、3.20(2H,m)、3.39(1H,m)、3.53(2H,t,J=3.5Hz)、3.57(2H,s)、7.36(1H,t,J=7.4Hz)、7.42(1H,d,J=2.3Hz)、7.46(1H,dt,Jl=1.1Hz,J2=7.4Hz)、7.52(1H,s)、7.75(2H,t,J=9.4Hz)、7.85(1H,d,J=5.5Hz)、8.14(1H,s)、8.79(1H,d,J=5.5Hz)、9.61(1H,br s)、11.68(1H,s);MS(ES)C2525の必要値:427、実測値:428.0[M+H]
【0147】
実施例2_3:1−(2−アミノエチル)−2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、(2−オキソ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを用いて、実施例2_1で報告した一般手順に従って調製した。粗製生成物をDCMとTFAの1:1の混合物に溶解させ、室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=2,02(2H,br d,J=12.5Hz)、2,59(2H,br s)、2.73(1H,s)、2.89(1H,s)、3.37(2H,br s)、3.59(4H,br s)、7.36(1H,t,J=7.4Hz)、7.43(1H,d,J=2.0Hz)、7.46(1H,t,J=7.4Hz)、7.54(1H,br s)、7.73(2H,d,J=8.2Hz)、7.83(1H,d,J=5.5Hz)、8.08(3H,br s)、8.19(1H,s)、8.79(1H,d,J=5.5Hz)、11.57(1H,s);MS(ES)C2526の必要値:442、実測値:443.1[M+H]
【0148】
実施例3_1:
N−(2−(2’−2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−イル)エチル)アセトアミド誘導体の合成
【0149】
【化13】

【0150】
実施例3_1:N−(2−(2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−イル)エチル)アセトアミド
実施例2_3(19.5mg,0.025mmol)をDCM(2mL)に懸濁させた。この混合物に、塩化アセチル(2.6μL,0.037mmol)とトリエチルアミン(8.6μL,0.062mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。反応液を数滴の水でクエンチし、真空濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をMeOHに溶解させ、SCX−カラムに導入した後、MeOHですすぎ洗浄した。生成物を、0.7M NH含有MeOHを用いてカラムから洗い流した。生成物を真空下で濃縮後、残渣(residu)を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2728の必要値:484、実測値:485.1[M+H]
【0151】
以下の実施例を、この方法に従って調製した。
実施例3_2:N−(3−(2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−イル)プロピル)アセトアミド
実施例1_1(85.5mg,0.136mmol)を、アセトニトリル(5mL)と水(2mL)の混合物に溶解させた。この溶液に、KCO(37.7mg,0.273mmol)と3−(Boc−アミノ)プロピルブロミド64.9mg,0.273mmol)を添加し、90℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、SCX−カラムに導入した後、MeOHですすぎ洗浄した。生成物を、0.7M NH含有MeOHを用いてカラムから洗い流した。生成物を真空下で濃縮後、残渣を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、1−(3−アミノプロピル)−2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オンをTFA塩として得た。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=2.03(4H,d,J=13.0)、2.62(2H,dt,Jl=3.1Hz,J2=14.9Hz)、2.94(2H,m)、3.13−3.17(4H,m)、3.53(2H,d)、3.58(2H,s)、7.36(1H,t,J=7.0Hz)、7.43(1H,d,J=2.0Hz)、7.46(1H,t,J=9.4Hz)、7.52(1H,s)、7.73(2H,d,J=8.6Hz)、7.83(1H,d,J=5.5Hz)、7.91(3H,br s)、8.20(1H,s)、8.79(1H,d,J=5.5Hz)、10.10(1H,br s)、11.62(1H,s);MS(ES)C2628の必要値:456、実測値:457.3[M+H]
【0152】
この中間体アミンを、塩化アセチルを用いて、実施例3_1で報告した一般手順に従ってアセチル化した。粗製生成物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.86(5H,m)、1.99(2H,d,J=14.1Hz)、3.05−3.22(6H,m)、3.26−3.47(2H,m)、3.51(2H,m)、3.57(2H,d,J=1.6Hz)、7.36(1H,t,J=7.8Hz)、7.41(1H,d,J=2.3Hz)、7.47(1H,dt,Jl=1.1Hz,J2=8.1Hz)、7.52(1H,br s)、7.74(1H,d,J=7.4Hz)、7.78(1H,d,J=7.8Hz)、7.85(1H,d,J=5.5Hz)、8.08(1H,s)、8.12(1H,t,J=5.9Hz)、8.80(1H,d,J=5.1Hz)、9.61(1H,br s)、11.77(1H;MS(ES)C2830の必要値:498、実測値:499.3[M+H]
【0153】
実施例4_1:
2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(B3)の合成
【0154】
【化14】

【0155】
工程1:tert−ブチル2’−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(B1)
標題化合物は、2−ブロモ−1−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)エタノンを用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製した。精製は半分取用HPLCによって行った。(20〜95%;アセトニトリル,水,TFA;60分間)。画分収集を行い、小容量になるまで濃縮し、NaHCO水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせ、NaSO上で乾燥させ、エバポレートして乾固させ、標題化合物を得た(200mg,23%)。MS(ES)C2831ClFNの必要値:555、実測値:556.3[M+H]
【0156】
実施例4_1:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、B1を用いて、実施例1_1の工程6と7に報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離し:0から60%までのアセトニトリルを含む水+TFAによって得た(5mg,35%)。MS(ES)C2320FNの必要値:417、実測値:418.2[M+H]
【0157】
以下の実施例を、先の方法に従って調製した。
実施例4_2:2’−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イルボロン酸を用いて、実施例4_1に報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2220FNの必要値:421、実測値:422.1[M+H]
【0158】
実施例4_3:2’−(5−フルオロ−2−(キノリン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、キノリン−3−イルボロン酸を用いて、実施例4_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.95(2H,br d,J=14.2Hz)、2.39(4H,m)、2.50(2H,m)、3.15(2H,m)、3.34(2H,br d,J=13.9Hz)、3.57(2H,s)、7.23(1H,s)、7.54(1H,s)、7.72(1H,dd,Jl=7.6Hz,J2=15.0Hz)、7.88(1H,dd,Jl=7.6Hz,J2=15.4Hz)8.12(2H,br d,J=8.5Hz)、8.25(1H,br s)、8.75(1H,br s)、9.01(1H,s)、9.45(1H,s)、10.10(1H,s,J=2.1Hz)、12.01(1H,s);MS(ES)C2421FN0の必要値:428、実測値:429.2[M+H]
【0159】
実施例4_4:4−(5−フルオロ−4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)−N−メチルベンズアミド
標題化合物は、4−(メチルカルバモイル)フェニルボロン酸を用いて、実施例4_1で報告した一般手順に従って調製した。粗製物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(chromatrography)によって(DCM:MeOHを100:0から80:20まで)、続いて、SCX−2カラムによって(MeOH:アンモニア=100:0から99:1までで溶出)精製した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ1.63(2H,br d,J=13.3Hz)、2.25(2H,dt,Jl=13.3Hz,J2=4.1Hz)、2.73(2H,t,J=12.0Hz)、2.83(3H,d,J=4.1Hz)、2.91(2H,br d,12.0Hz)、3.17(IH,d,J=4.1Hz)、3.47(2H,d,J=2.1)、7.16(1H,d,J=4.1Hz)、7.31(1H,s)、7.99(2H,d,J=8.7Hz)、8.58(1H,q,J=5.0Hz)、8.70(2H,d,J=8.7Hz)、8.88(1H,d,3.3Hz)、11.90(IH,s);MS(ES)C2323FNの必要値:434、実測値:435.1[M+H]
【0160】
実施例4_5:2’−(2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸を用いて、実施例4_1に報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.89(2H,br d,J=14.2Hz)、2.32(2H,m)、3.11(2H,m)、3.30(2H,m)、3.53(2H,d,J=2.4Hz)、7.17(1H,s)、7.48(2H,br m)、7.65(1H,d,J=10.8Hz)、8.21(1H,br s)、8.27(1H,dd,Jl=8.5Hz,J2=16.9Hz)、8.74(1H,br s)、8.95(1H,s)、11.86(1H,s);MS(ES)C2118ClFOの必要値:429、実測値:430.2[M+H]
【0161】
実施例5_1:
2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(C8)の合成
【0162】
【化15】

【0163】
工程1:1−tert−ブチル3−エチル3−(ヨードメチル)ピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(C1)
ジイソプロピルアミン(14.6mmol,2.05mL)のTHF(15mL)溶液を−78℃まで冷却した。N−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)(16mmol,10ml)を滴下し、この溶液を0℃で30分間撹拌した。−78℃まで冷却後、1−tert−ブチル3−エチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(14.6mmol,3.75g)を含む20mlのTHFの溶液を添加し、この溶液を−78℃で3時間撹拌した。ジヨードメタン(16mmol,1.3mL)のTHF(10mL)溶液を添加し、この溶液を室温で2日間撹拌した。水の添加によって反応液をクエンチし、EtOAcで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc:10%から50%まで)、標題化合物(C1)を得た(4.5g,74%)。MS(ES)C1424INOの必要値:397、実測値:420.1[M+Na]
【0164】
工程2:1−tert−ブチル3−エチル3−((4−メトキシベンジルアミノ)メチル)ピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(C2)
1−tert−ブチル3−エチル3−(ヨードメチル)ピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(C1)(4.13mmol,1.64g)をTHF(5mL)に溶解させ、(4−メトキシフェニル)メタンアミン(6.19mmol,0.81mL)と炭酸セシウム(6.19mmol,2.02g)を添加し、混合物をマイクロ波にて145℃で8時間加熱した。混合物をPEフィルターで濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc:0%から45%まで)、標題化合物(C2)を得た(340mg,20%)。H NMR(400MHz,DMSO,300K):δ=1.23(3H,t,J=7.2Hz)、1.43(9H,s)、1.55(2H,m)、1.67(1H,m)、1.89(1H,m)、2.64(1H,d,J=11.9Hz)、2.77(1H,d,J=11.9Hz)、3.21(1H,m)、3.51(2H,m)、3.62(1H,m)、3.70(2H,m)、3.79(3H,s)、4.14(2H,q,J=7.2Hz)、6.84(2H,d,J=8.6Hz)、7.20(2H,d,J=8.6Hz)。
【0165】
工程3:1−tert−ブチル3−エチル3−((3−メトキシ−N−(4−メトキシベンジル)−3−オキソプロパンアミド)メチル)ピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(C3)
標題化合物は、tert−ブチル8−(4−メトキシベンジル)−9−オキソ−2,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシレート(C2)を用いて、実施例1_1の工程2で報告した一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン:EtOAc(1:1))、標題化合物(C3)を得た(1.7g,100%)。MS(ES)C2638の必要値:506、実測値:507.3[M+H]
【0166】
工程4:2−tert−ブチル10−メチル8−(4−メトキシベンジル)−9,11−ジオキソ−2,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2,10−ジカルボキシレート(C4)
標題化合物は、1−tert−ブチル3−エチル3−((3−メトキシ−N−(4−メトキシベンジル)−3−オキソプロパンアミド)メチル)ピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(C3)を用いて、実施例1_1の工程3で報告した一般手順に従って調製した。粗製生成物(C4)をそのまま次の反応に使用した。MS(ES)C2432の必要値:460、実測値:483.3[M+Na]
【0167】
工程5:tert−ブチル8−(4−メトキシベンジル)−9,11−ジオキソ−2,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシレート(C5)
標題化合物は、2−tert−ブチル10−メチル8−(4−メトキシベンジル)−9,11−ジオキソ−2,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2,10−ジカルボキシレート(C4)を用いて、実施例1_1の工程4で報告した一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc:20%から60%まで)、C5を得た。MS(ES)C2230の必要値:402、実測値:425.2[M+Na]
【0168】
工程6:tert−ブチル2’−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(C6)
標題化合物は、tert−ブチル8−(4−メトキシベンジル)−9,11−ジオキソ−2,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシレート(C5)を用いて、実施例1_1の工程5で報告した一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン:EtOAc=100:0から0:100まで)、標題化合物を得た(C6)(403mg,60%)。MS(ES)C2832ClNの必要値:537、実測値:538.1[M+H]
【0169】
実施例5_1:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、C6を用いて、実施例1_1の工程6と7の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ1.74(1H,m)、1.89(2H,br d,J=12.8Hz)、2.28(1H,m)、2.84(br q,J=11.6Hz)、3.37(2H,m)、3.48(2H,m)、3.63(1H,dd,Jl=12.8Hz,J2=2.9Hz)、7.36(1H,t,J=7.9Hz)、7.43(1H,d,J=2.1Hz)、7.47(2H,m)、7.74(1H,d,8.3Hz)、7.84(2H,m)、7.97(1H,s)、8.52(1H,m)、8.81(1H,d,J=5.0Hz)、9.14(1H,br d,10.9Hz)、11.9(1H,s);MS(ES)C2321の必要値:399、実測値:400.2[M+H]
【0170】
以下の実施例を、先の方法に従って調製した。
実施例5_2:2’−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イルボロン酸を用いて、実施例5_1の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2221の必要値:403、実測値:404.2[M+H]
【0171】
実施例6_1:
2’−(2−(キノリン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(D9)の合成
【0172】
【化16】

【0173】
工程1:エチル1−ベンジル−3−シアノピロリジン−3−カルボキシレート(D1)
TFA(4.31mmol,0.49g)を、エチル2−シアノアクリレート(17.58mmol,2.20g)のDCM(100mL)溶液に窒素雰囲気下で添加した。続いて、反応温度(発熱反応)を室温に維持するために氷浴で冷却しながら、N−ベンジル−1−メトキシ−N−((トリメチルシリル)メチル)メタンアミン(21.49mmol,5.10g)のDCM(50mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO水溶液(100mL)で洗浄した。水相をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥させ、真空にてエバポレートした。粗製生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(100%ヘプタンから50%EtOAcまで)、4.27gの無色の油状物を得た(94%)。H−NMR(400MHz,CDCl3,300K):δ=1.32(3H,t,J=7.1Hz)、2.44(1H,m)、2.59(1H,m)、2.69(1H,m)、2.89(1H,m)、2.99(1H,d,J=9.8Hz)、3.17(1H,d,J=9.8Hz)、3.69(2H,s)、4.27(2H,q,J=7.1Hz)、7.29(5H,m)。
【0174】
工程2:メチル3−(アミノメチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボキシレート(D2)
50%のラネーニッケルを含む水(5.84mmol,1.00g)をMeOHに懸濁させ、デカンテーションした。この手順を2回行った。最終的に、ラネーニッケルをMeOH(5mL)の懸濁液として、D1(2.05mmol,0.53g)のMeOH(10mL)溶液に添加した。反応混合物をParr装置(3.2バールH)内で室温にて2時間振盪した。ラネーニッケルを濾別した。濾液を濃縮し、ジオキサンとともに共エバポレートし、0.48gの無色の油状物を得、これは、H−NMRによると、所望の生成物とその対応するエチルエステル類似体の混合物であった。
【0175】
工程3:メチル1−ベンジル−3−((3−エトキシ−3−オキソプロパンアミド)メチル)ピロリジン−3−カルボキシレート(D3)
D2(22.15mmol,5.50g)とトリエチルアミン(71.80mmol,7.26g)を含むDCM(60mL)の溶液を0℃まで冷却した。次いで、エチル3−クロロ−3−オキソプロパノエート(32.60mmol,4.91g)のDCM(40mL)溶液を滴下した。混合物を21時間で室温に至らせた。過剰のトリエチルアミン(22.15mmol,2.24g)とエチル3−クロロ−3−オキソプロパノエート(11.08mmol,1.67g)を0℃で添加し、反応を終了させるため、さらに60分間で混合物を室温に至らせた。反応混合物を水(80mL)で洗浄した。水相をDCM(65mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(80mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空にてエバポレートした。粗製生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(100%DCMから10%MeOHまで)、9.58gの黄色油状物を得、これは、H−NMRによると、所望の生成物とその対応するジエチルエステル類似体の混合物であった。
【0176】
工程4:1−tert−ブチル3−メチル3−((3−エトキシ−3−オキソプロパンアミド)メチル)ピロリジン−1,3−ジカルボキシレート(D4)
D3(14.43mmol,5.23g)と二炭酸ジ−tert−ブチル(17.32mmol,3.78g)を、EtOAc(180mL)に溶解させた。次いで、10%パラジウム担持活性炭(0.909mmol,1.077g)を添加し、混合物中でHガスを室温で21時間起泡させることにより水素化を行った。混合物を濾過し、真空にてエバポレートした。粗製生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc=9/1から100%EtOAcまで)、3.02gを黄色油状物として得、これは、H−NMRによると、所望の生成物とその対応するジエチルエステル類似体の混合物であった。MS(ES)C1728の必要値:372、実測値:373.4[M+H]
【0177】
工程5:2−tert−ブチル9−メチル8,10−ジオキソ−2,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,9−ジカルボキシレート(D5)
ナトリウムメトキシドの新鮮溶液を、ナトリウム(31.60mmol,0.73g)とMeOH(8.45mL)を用いて調製した。D4(4.10mmol,1.53g)のMeOH(4.48mL)溶液を滴下した。反応混合物を65℃で一晩撹拌した。次いで、混合物を室温まで冷却した。THFを添加し、3%クエン酸水溶液で混合物をpH7にした。続いて、水相をNaClで飽和させた。二層の分離後、水相をTHFで2回抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥させ、真空にてエバポレートした。粗製生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(100%DCMから10%MeOHまで)、0.62gの黄色油状物を得た(46%)。MS(ES)C1522の必要値:326、実測値:327.3[M+H]
【0178】
工程6:tert−ブチル8,10−ジオキソ−2,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(D6)
D5(1.90mmol,0.62g)を含む40mLのアセトニトリル/水(1/1)の溶液を5時間還流した。反応混合物を真空にてエバポレートした。粗製生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(DCM/MeOH=95/5)、0.34gの黄色油状物を得た(66%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K):δ=1.46(9H,s)、1.88(1H,m)、2.26(1H,m)、3.50(8H,m)、6.70(1H,br d,34.8Hz);MS(ES)C1320の必要値:268、実測値:269.4[M+H]
【0179】
工程7:tert−ブチル2’−(2−クロロピリミジン−4−イル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(D7)
2−ブロモ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)エタノン(1.04mmol,0.24g)、D6(1.04mmol,0.28g)および酢酸アンモニウム(4.15mmol,0.32g)を含むEtOH(20mL)の溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣を水(20mL)に溶解させ、5%NaHCO水溶液でpH7にした。析出物を濾別し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(100%DCMから10%MeOHまで)、0.11gの黄色固形物を得た(26%)。H−NMR(400MHz,CDC1,300K):δ=1.49(9H,s)、2.28(2H,m)、3.55(6H,m)、5.70(1H,br s)、7.30(1H,s)、7.39(1H,d,J=5.3Hz)、8.50(1H,d,J=5.3Hz)、9.84(1H,br s);MS(ES)C1922ClNの必要値:403、実測値:404.2[M+H]
【0180】
工程8および9:実施例6_1:2’−(2−(キノリン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
キノリン−3−イルボロン酸(53.2μmol,9.2mg)、D7(53.2μmol,21.5mg)、2N KCO水溶液(106μL)、トルエン(837μL)およびEtOH(209μL)の混合物に、窒素をパージした。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.7μmol;3.1mg)を添加した。反応混合物をマイクロ波にて140℃で15分間撹拌した。混合物を水(1mL)で洗浄した。ブライン(1mL)を水相に添加した後、EtOAcで抽出した(2×2mL)。合わせた有機相を濃縮した。残渣を4N HCl含有ジオキサン(2mL)で、室温にて30分間処理した。混合物を遠心分離し、デカンテーションした。続いて、残渣をジエチルエーテルに懸濁させ、さらに2回遠心分離し、デカンテーションした。残渣を真空乾燥させ、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、これにより10.1mgの所望の生成物をTFA塩として得た(37%)。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=2.21(1H,m)、2.55(1H,m)、3.50(6H,m)、7.50(1H,d,J=2.2Hz)、7.56(1H,br s)、7.73(1H,m)、7.90(1H,m)、7.91(1H,d,J=5.4Hz);8.14(1H,br d,J=8.6Hz)、8.23(1H,br d,J=8.2Hz)、8.90(1H,d,J=5.4Hz)、9.10(1H,br s)、9.25(1H,br s)、9.49(1H,d,J=2.1Hz)、10.08(1H,d,2.1Hz)、12.02(1H,br s);MS(ES)C2320Oの必要値:396、実測値:397.3[M+H]
【0181】
以下の実施例を、先の方法に従って調製した。
実施例6_2:2’−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イルボロン酸を用いて、実施例6_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製した。生成物をTFA塩として得た。MS(ES)C2119の必要値:389、実測値:390.3[M+H]
【0182】
実施例6_3:2’−(2−p−トルイルピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、p−トルイルボロン酸を用いて、実施例6_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製した。生成物をTFA塩として得た。MS(ES)C2121Oの必要値:359、実測値:360.3[M+H]
【0183】
実施例6_4:2’−(2−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、3−フルオロフェニルボロン酸を用いて、実施例6_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製した。生成物をTFA塩として得た。MS(ES)C2018FNOの必要値:363、実測値:364.3[M+H]
【0184】
実施例6_5:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ベンゾフラン−2−イルボロン酸を用いて、工程7で2−ブロモ−1−(2−クロロピリジン−4−イル)エタノンを使用したこと以外は実施例6_1の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物質を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2320の必要値:384、実測値:385.3[M+H]
【0185】
実施例7_1:
2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[モルホリン−2,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(E10)の合成
【0186】
【化17】

【0187】
工程1:4−tert−ブチル2−メチルモルホリン−2,4−ジカルボキシレート(E1)
4−tert−ブチル2−メチルモルホリン−2,4−ジカルボキシレート(5g,21.62mmol)をDMF(60mL)に溶解させ、KCO(9.10g,64.9mmol)とヨードメタン(4.98mL,80mmol)を添加し、この懸濁液を60℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、飽和NHClに注入し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NHClとブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカの短カラムに通して精製し(ヘプタン:EtOAcを100:0から50:50まで)、4−tert−ブチル2−メチルモルホリン−2,4−ジカルボキシレート(5.09g,96%)を白色固形物として得た。MS(ES)C1119NOの必要値:245、実測値:268.2[M+Na]
【0188】
工程2:4−tert−ブチル2−メチル2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)モルホリン−2,4−ジカルボキシレート(E2)
E1(5.0g 20.39mmol)をTHF(45mL)に溶解させ、−78℃まで冷却した。LHMDS(ヘキサン/エチルベンゼン中1M)(40.8mL,40.8mmol)を30分間で添加し、この溶液を−78℃で35分間撹拌した。(2−(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(10.02mL,56.5mmol)を添加し、反応混合物を室温まで一晩昇温させた。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、EtOAcで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン:EtOAc=100:0から70:30まで)、標題化合物を得た(6.09g,80%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K):δ0.00(3H,s)、0.92(2H,t,J=7.5Hz)、1.47(9H,s)、3.02(2H,d,J=13.3Hz)、3.55(4H,m)、3.78(3H,s)、3.83(3H,m)、4.34(1H,d,J=13.3Hz)。MS(ES)C1733NOSiの必要値:375、実測値:398.2[M+Na]
【0189】
工程3:4−tert−ブチル2−メチル2−(ヒドロキシメチル)モルホリン−2,4−ジカルボキシレート(E3)
E2(6.09g,16.22mmol)をDCM(100mL)に溶解させ、TFA(26.5mL,357mmol)を添加し、この溶液を室温で3日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をDCM(100mL)に溶解させた。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(15mL,86mmol)と二炭酸ジ−tert−ブチル(10.62g,48.7mmol,)を添加し、この溶液を室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(100:0から50:50までのトルエン:アセトンで)これにより標題化合物を得た(3.22g,72%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K):δ1.46(9H,s)、2.24(1H,m)、3.05(2H,m)、3.64−4.14(7H,m)、4.32(1H,d,J=13.7Hz);MS(ES)C1221NOの必要値:275、実測値:298.2[M+Na]
【0190】
工程4:4−tert−ブチル2−メチル2−(トシルオキシメチル)モルホリン−2,4−ジカルボキシレート(E4)
E3(3.2g,11.62mmol)をピリジン(75mL)に溶解させ、塩化p−トルエンスルホニル(2.66g,13.95mmol)を4分割で、約10分間で添加し、この溶液を室温で15時間撹拌した。反応混合物を水に注入し、EtOAcで2回抽出した。有機層を1N HClとブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン:EtOAcを100:0から40:60まで)、標題化合物を得た(4.0g,80%)。MS(ES)C1927NOSの必要値:429、実測値:452.1[M+Na]
【0191】
工程5:4−tert−ブチル2−メチル2−((2,4−ジメトキシベンジルアミノ)メチル)モルホリン−2,4−ジカルボキシレート(E5)
E4(365mg,0.850mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解させ、(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(700μL,4.66mmol)を添加し、この溶液を還流温度で15時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、水/EtOAcで抽出し、水で2回洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(100:0から20:80までのトルエン:EtOAcで)これにより標題化合物を得た(115mg,32%)。MS(ES)C2132の必要値:424、実測値:425.2[M+H]
【0192】
工程6:4−tert−ブチル2−メチル2−((N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−エトキシ−3−オキソプロパンアミド)メチル)モルホリン−2,4−ジカルボキシレート(E6)
標題化合物は、E5を用いて、実施例1_1の工程2の調製の一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(トルエン:EtOAcを100:0から50:50まで)、標題化合物を得た(1.72g,92%)。MS(ES)C263810の必要値:538、実測値:561.3[M+Na]
【0193】
工程7:tert−ブチル8−(2,4−ジメトキシベンジル)−9,11−ジオキソ−1−オキサ−4,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−カルボキシレート(E7)
標題化合物は、E6を用いて、実施例1_1の工程3と4の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(トルエン:EtOAcを100:0から0:100まで)、標題化合物を得た(772mg,66%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K):δ1.46(9H,s)、3.04−3.36(4H,m)、3.41−3.67(4H,m)、3.80(3H,m)、3.81(3H,s)、4.62(1H,m)、6.46(2H,m)、7.22(1H,d,J=8.8Hz)。13C NMR(100MHz,CDCl,300K):δ28.71,44.85,45.75,46.34,50.42,55.80,62.97,81.10,98.92,104.9,116.9,131.8,157.0,159.0,161.1,165.9,201.9.MS(ES)C220Nの必要値:434、実測値:435.1[M+H]。厳密な質量[M+H]=435.2116。
【0194】
工程8:tert−ブチル2’−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[モルホリン−2,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4−カルボキシレート(E8)
標題化合物は、E7を用いて、実施例1_1の工程5の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(トルエン:EtOAcを100:0から20:80まで)、標題化合物を得た(160mg,16%)。MS(ES)C2832ClNの必要値:569、実測値:570.2[M+H]
【0195】
実施例7_1:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[モルホリン−2,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、E8と2−ベンゾフランボロン酸を用いて、実施例1_1で報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2219の必要値:401、実測値:402.1[M+H]
【0196】
実施例8_1:
2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(F3)の合成
【0197】
【化18】

【0198】
工程1:tert−ブチル2’−(2−クロロピリジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(F1)
標題化合物は、2−ブロモ−1−(2−クロロピリジン−4−イル)エタノンを用いて、実施例1_1の工程5の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン:EtOAc=90:10から0:100まで)、標題化合物を得た(2.08g,52%)。少量の試料を、半分取用HPLC(方法A)によってさらに精製した。所望の画分を飽和NaHCOに溶解させ、EtOAcで抽出し、解析用試料を得た。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ1.40(9H,s)、1.52(2H,br d,J=13.7Hz)、1.89(2H,m)、2.62(2H,br s)、3.52(2H,s)、3.74(3H,s)、3.78(2H,br s)、4.54(2H,s)、6.91(2H,d,J=8.7Hz)、7.21(1H,d,J=2.1Hz)、7.29(2H,d,8.7Hz)、7.73(1H,dd,J1=5.4,J2=1.2Hz)、7.87(1H,s)、8.30(1H,d,J=5.4Hz)、11.57(1H,s)。13C NMR(100MHz,DMSO−D6,300K):δ28.47,31.73,34.38,48.13,51.42,55.45,60.11,79.17,108.9,114.2,115.4,117.6,117.8,128.5,130.0,130.5,142.5,146.1,150.3,151.5,154.0,158.8,162.8.MS(ES)C2933ClNの必要値:536、実測値:537.1[M+H]
【0199】
実施例8_1:2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン(F3)
標題化合物は、F1を用いて、実施例1_1の工程6+7の調製で報告した一般手順に従って調製した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.93(2H,br d,J=14.1Hz)、2.26(2H,dt,Jl=13.9Hz,J2=3.7Hz)、3.12(2H,br.q,12.0Hz)、3.33(2H,br d,12.8Hz)、3.52(2H,d,J=1.9Hz)、7.21(1H,d,J=2.1Hz)、7.35(2H,m)、7.43(1H,dt,Jl=7.5Hz,J2=1.0Hz)、7.67(1H,s)、7.71(1H,d,J=8.3Hz)、7.78(2H,m)、8.38(1H,s)、8.48(1H,m)、8.61(1H,d,J=5.0Hz)、8.85(1H,br d,J=9.9Hz)、11.84(1H,s)。MS(ES)C2422の必要値:398、実測値:399.1[M+H]
【0200】
以下の実施例を、先の方法に従って調製した。
実施例8_2:2’−(2−(キノリン−3−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、キノリン−3−イルボロン酸を用いて、実施例8_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法B)によって精製した。MS(ES)C2523Oの必要値:409、実測値:410.2[M+H]
【0201】
実施例8_3:2’−(2−ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イルボロン酸を用いて、実施例8_1の調製で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2322の必要値:402、実測値:403.1[M+H]
【0202】
実施例9_1:
2’−(2−(ベンゾ[d]チアゾル−2−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体の合成
【0203】
【化19】

【0204】
実施例9_1:2’−(2−(ベンゾ[d]チアゾル−2−イル)ピリジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
F1(実施例8_1の工程1)(150mg,0.14mmol)と2−(トリブチルスタンニル)ベンゾ[d]チアゾール(89mg,0.209mmol)の混合物を、トルエン(4mL)とNMP(0.1mL)に溶解させた。得られた溶液に窒素をパージした後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(20mg,0.028mmol)を添加した。得られた混合物に再度窒素をパージし、マイクロ波にて150℃で60分間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を飽和NHClに注入し、EtOAcで1回抽出した。有機層を飽和NHCl水溶液と飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をTFA(2mL)に溶解させ、マイクロ波にて140℃で40分間加熱した。粗製物を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。MS(ES)C2321OSの必要値:415、実測値:416.1[M+H]
【0205】
以下の実施例を、先の方法に従って調製した。
実施例9_2:2’−(2−(ベンゾ[d]チアゾル−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、A5と2−(トリブチルスタンニル)ベンゾ[d]チアゾールを用いて、実施例9_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.92(2H,d J=14.1Hz)、2.30(2H,dt,Jl=3.9Hz,J2=14.5Hz)、3.12(2H,t,J=12.5Hz)、3.31(1H,s)、3.53(2H,d,J=2.3Hz)、7.42(1H,s)、7.45(1H,s)、7.60(2H,m)、8.01(1H,d J=5.5Hz)、8.21(2H,t,J=8.6Hz)、8.91(1H,d,J=5.5Hz)、11.93(1H,s);MS(ES)C2220OSの必要値:416、実測値:417.1[M+H]
【0206】
実施例9_3:2’−(2−(チアゾル−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、A5と2−(トリブチルスタンニル)チアゾールを用いて、実施例9_1で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.90(2H,d,J=14.1Hz)、2.27(2H,dt,Jl=4.3Hz,J2=14.4Hz)、3.12(2H,q,J=11.7Hz)、3.30(2H,s)、3.52(2H,d,J=2.3)、7.36(1H,d,J=1.9Hz)、7.44(1H,br s)、7.92(1H,d,J=5.5Hz)、8.01(1H,d,J=3.1Hz)、8.10(1H,d,J=3.1Hz)、8.26(1H,br d,J=10.2Hz)、8.78(1H,br d,J=9.4Hz)、8.83(1H,d,J=5.5Hz)、11.84(1H,s);MS(ES)C1818OSの必要値:366、実測値:367.1[M+H]
【0207】
実施例10_1:
1−(2−アミノアセチル)−2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体の合成
【0208】
【化20】

【0209】
実施例10_1:1−(2−アミノアセチル)−2’−(2−(ベンゾフラン−2−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
実施例1_1(70mg,0.11mmol)を、DCM(4mL)とDMF(1mL)の混合物に溶解させた。この溶液に、ジイソプロピル−エチルアミン(92μL,0.56mmol)、TBTU(90mg,0.28mmol)およびboc−アミノキシ酢酸(48.9mg,0.28mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空濃縮した。残渣をMeOHに溶解させ、SCX−カラムに導入した後、MeOHですすぎ洗浄した。生成物を、0.7M NH含有MeOHを用いてカラムから洗い流した。真空下で濃縮後、残渣をDCM(2mL)とTFA(1mL)に溶解させ、室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、半分取用HPLC(方法A)によって精製した。標題化合物をTFA塩として単離した。MS(ES)C2524の必要値:456、実測値:457.0[M+H]
【0210】
実施例11_1:
2’−(2’−(シクロペンチルアミノ)−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン誘導体(G4)の合成
【0211】
【化21】

【0212】
工程1:tert−ブチル5’−(4−メトキシベンジル)−2’−(2’−(メチルチオ)−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(G1)
標題化合物は、2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イルボロン酸を用いて、実施例1_1の工程6で報告した一般手順に従って調製した。粗製生成物をMeOHに溶解させ、SCX−カラムに導入した後、MeOHですすぎ洗浄した。生成物を、0.7M NH含有MeOHを用いてカラムから洗い流した。粗製生成物G1をベージュ色の固形物として得た。MS(ES)C3337Sの必要値:627、実測値:628.2[M+H]
【0213】
工程2:tert−ブチル5’−(4−メトキシベンジル)−2’−(2’−(メチルスルホニル)−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(G2)
G1(71mg,0.11mmol)を無水DCM(2mL)に溶解させた。この溶液を0℃まで冷却した。冷却後、この溶液に、3−クロロベンゾペルオキソ酸(84mg,0.34mmol)を添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応液をNaHCO水溶液でクエンチした後、DCMとNaHCO水溶液で抽出した。有機層を合わせ、相分離抽出(phase extraction)フィルターを用いて分離し、回転式エバポレータを用いて濃縮し、粗製生成物を得た(74.2mg,99%)。MS(ES)C3337Sの必要値:659、実測値:660.2[M+H]
【0214】
工程3:tert−ブチル2’−(2’−(シクロペンチルアミノ)−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−5’−(4−メトキシベンジル)−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(G3)
G2(74.2mg,0.11mmol)をN−メチル−2−ピロリジノン(1mL)に溶解させた。この反応混合物にアミノシクロペンタン(1mL,10.10mmol)を添加し、反応混合物を140℃で2時間撹拌した。いくらかの水を添加することによって反応液をクエンチした。DCMとNHCl水溶液を用いて反応混合物を二層に分けた。有機層を水で3回およびブラインで1回洗浄した。有機層を合わせ、相分離抽出フィルターを用いて分離し、回転式エバポレータを用いて濃縮し、粗製生成物を得た(75mg,100%)。MS(ES)C3744O4の必要値:664、実測値:665.4[M+H]
【0215】
工程4:実施例11_1:2’−(2’−(シクロペンチルアミノ)−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン
標題化合物は、G3から、実施例1_1の工程7で報告した一般手順に従って調製し、半分取用HPLC(方法A)によって精製した。標題化合物をTFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.56(4H,m)、1.71(2H,br s)、1.92(4H,m)、2.30(2H,dt,Jl=3.9Hz,J2=14.1Hz)、2.69(1H,s)、3.12(2H,q,J=11.3Hz)、3.31(2H,q,J=12.5Hz)、3.52(2H,d,J=2.3Hz)、4.27(1H,q,J=6.6Hz)、7.36(1H,d,J=2.0Hz)、7.41(1H,s)、7.70(1H,d,J=5.5Hz)、7.82(1H,d,J=7.0Hz)、8.32(1H,br d,J=10.5Hz)、8.76(1H,br d,J=10.6Hz)、9.32(1H,br s)、9.42(1H,br s)、11.65(1H,s);MS(ES)C2428Oの必要値:444、実測値:445.4[M+H]
【0216】
実施例12:N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド誘導体の合成
【0217】
【化22】

【0218】
実施例12_1:N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
F1(実施例8_1の工程1)(90mg,0.168mmol)、4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(70mg,0.370mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(26mg,0.045mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(71mg,0.739mmol)の混合物を、DMF(4mL)に溶解させた。得られた混合物に窒素をパージした後、酢酸パラジウム(II)(5.1mg,0.023mmol)を添加した。得られた混合物に再度窒素をパージし、マイクロ波にて150℃で40分間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をSCX−2カラムに負荷し、メタノール、水およびメタノールで洗浄した。0.7N NH含有メタノールを用いて、生成物をすすいでカラムから洗い流し、真空濃縮した。残渣をTFA(1.5mL)に溶解させ、マイクロ波にて140℃で25分間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をSCX−2カラムに負荷し、メタノール、水およびメタノールで洗浄した。0.7N NH含有メタノールを用いて、生成物をすすいでカラムから洗い流し、真空濃縮した。残渣を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.84(2H,br d,J=13.9Hz)、2.22(2H,dt,Jl=13.9Hz,J2=4.3Hz,3.11(2H,q,J=12.6Hz)、3.31(2H,d,J=12.6Hz)、3.50(2H,d,J=1.3Hz)、6.94(1H,d,J=3.0Hz)、7.35(1H,s)、7.57(1H,d,J=5.2Hz)、7.92(2H,d,J=8.7Hz)、8.23(2H,d,J=6.9Hz)、8.38(1H,dd,Jl=5.2Hz,J2=1.3Hz)、8.40(1H,m)、8.42(1H,s)、8.80(1H,d,J=10.4Hz)、11.13(1H,s)、11.75(1H,s);MS(ES)C2422の必要値:469、実測値:470.1[M+H]
【0219】
実施例12_2:3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド
標題化合物は、3,4−ジメチルベンズアミドを用いて、実施例12_1で報告した一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.89(2H,br.d,J=14.4Hz)、2.21(2H,dt,Jl=14.3Hz,J2=3.4Hz)、2.31(6H,s)、3.11(2H,q,J=12.4Hz)、3.31(2H,d,J=12.4Hz)、3.50(2H,s)、6.96(1H,d,J=1.9Hz)、7.30(1H,d,J=7.9Hz)、7.36(1H,s)、7.56(1H,dd,Jl=5.3Hz,J2=1.5Hz)、7.80(1H,d,J=7.9Hz)、7.88(1H,s)、8.35(1H,d,J=5.3Hz)、8.38(1H,s)、8.40(1H,m)、8.79(1H,d,J=10.8Hz)、10.77(1H,s)、11.77(1H,s);MS(ES)C2527の必要値:429、実測値:430.2[M+H]
【0220】
実施例13:N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド誘導体の合成
【0221】
【化23】

【0222】
実施例13_1:N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
C6(実施例5_1の工程6)(80mg,0.149mmol)、4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(62mg,0.327mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(24mg,0.041mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(65mg,0.676mmol)の混合物を、DMF(4mL)に溶解させた。得られた混合物に窒素をパージした後、酢酸パラジウム(II)(4.7mg,0.021mmol)を添加した。得られた混合物に再度窒素をパージし、マイクロ波にて150℃で30分間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を飽和NHClに注入し、酢酸エチルで1回抽出した。有機層を飽和NHCl、飽和NaClで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をTFA(1.5mL)に溶解させ、マイクロ波にて140℃で25分間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をSCX−2カラムに負荷し、メタノール、水およびメタノールで洗浄した。0.7N NH含有メタノールを用いて、生成物をすすいでカラムから洗い流し、真空濃縮した。残渣を半分取用HPLC(方法A)によって精製し、TFA塩として単離した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.69(1H,m)、1.82(2H,d,J=12.1Hz)、2.17(1H,dt,Jl=13.4Hz,J2=3.0Hz)、2.78(1H,m)、3.24−3.48(4H,m)、3.60(1H,d,J=13.0Hz)、7.29(1H,s)、7.44(1H,s)、7.66(1H,d,J=6.1Hz)、7.90(2H,d,J=7.80Hz)、8.16(2H,d,J=7.8Hz)、8.46(1H,m)、8.67(1H,d,J=5.2Hz)、9.06(1H,d,J=10.4Hz)、11.17(1H,s)、11.79(1H,s);MS(ES)C2321の必要値:470、実測値:471.1[M+H]
【0223】
実施例13_2:N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
標題化合物は、3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを用いて、実施例13_1で報告した一般手順に従って調製した。H NMR(400MHz,DMSO−D6,300K):δ=1.70(1H,m)、1.83(2H,d,J=12.1Hz)、2.18(1H,dt,Jl=13.0Hz,J2=3.5Hz)、2.78(1H,q,J=11.7Hz)、3.26−3.48(4H,m)、3.60(1H,dd,Jl=13.4Hz,J2=2.6Hz)、7.30(1H,d,J=2.2Hz)、7.44(1H,s)、7.62−7.71(3H,m)、7.96(1H,s)、8.04(1H,d,J=7.4Hz)、8.48(1H,m)、8.67(1H,d,J=5.2Hz)、9.09(1H,d,J=8.7Hz)、11.17(1H,s)、11.80(1H,s);MS(ES)C2321の必要値:486、実測値:487.1[M+H]
【0224】
実施例14:
MK2酵素活性
MK2酵素活性は、以下に概要を示すIMAP(固定化金属イオン親和性型蛍光偏光:immobilized metal ion affinity−based fluorescence polarization)アッセイを用いて測定される。
【0225】
酵素を、使用の前日に、KRバッファー(10mM Tris−HCl,10mM MgC12,0.01%Tween−20,0.05%NaN3,2mM DTT,pH7.2)中で100U/mLに希釈し、−20℃で一晩保存する。
【0226】
試験化合物の2mMから63.2nMまでのlog10連続希釈物を100%DMSOにて作製する。次いで、このDMSO希釈物をKR−バッファー中で50倍に希釈し、そのうち5μlをアッセイで使用し、アッセイでの最終化合物濃度範囲を10μΜ〜0.316nMにする。
にする。
【0227】
5μL/ウェルの試験化合物(KRバッファー中)(アッセイでの最終DMSO濃度は0.5%である)を、5μl/ウェルの0.1U/mLのMK2酵素(活性酵素(peptide 46−end(Millipore)、アッセイでの最終濃度は25mU/mLである)と混合する。試験化合物とMK2酵素を室温で30分間プレインキュベートした後、5μl/ウェルの200nMのフルオレセイン標識基質ペプチド(Fluo−betaA−11A NeoMPS,最終基質ペプチド濃度は50nMである)(KRバッファー中)を添加する。キナーゼアッセイは、5L/ウェルの4μΜのATP(KRバッファー中)を添加することにより開始する(最終ATP濃度は1μΜ ATPである(MK2 IMAPアッセイにおけるKm ATP))。室温で2時間のインキュベーション後、20μL/ウェルのIMAP Progressive Binding Solutionを添加することにより酵素反応を停止させる(供給元(Molecular Devices)のプロトコルに従い、100%の1×バッファーAを1:400のProgressive Binding Solutionとともに使用)。暗所での室温で60分間のインキュベーション後、FPシグナルの読み値を得る。水平方向と垂直方向のフィルターを用いて535nmにおける蛍光を測定し、ビーズに対するリン酸化基質ペプチドの結合による回転の差を求める。値は、ATPありおよびなしで、対照に対する読み値の差(ΔmPi)のパーセンテージで計算する。EC50値を、活性塩基を用いた実験結果の曲線フィッティングによって求める。実施例1_14、1_18、1_19、1_20、1_26、1_33、1_34、2_2、2_3、3_2、7_1、9_3、10_1、13_1、13_2は、6.5〜7.5のpEC50値を有する。
【0228】
実施例1_1、1_3、1_4、1_5、1_6、1_7、1_8、1_9、1_10、1_11、1_12、1_13、1_15、1_16、1_17、1_21、1_22、1_23、1_24、1_25、1_27、1_28、1_29、1_30、1_31、1_32、1_35、1_36、2_1、3_1、4_1、4_2、4_4、4_5、5_1、5_2、6_2、6_3、6_4、6_5、8_1、9_1、9_2は、7.5〜8.5のpEC50値を有する。
【0229】
実施例1_2、4_3、6_1、8_2、8_3、11_1、12_1、12_2は、≧8.5のpEC50値を有する。
実施例15:
MK2インヒビターの溶解度の測定
試料を、10mM DMSOストック溶液から調製した。調査対象の各化合物について、ある容量(9μL)のDMSOストック溶液を、Packard Multiprobe IIロボット液体取り扱いシステムを用いてDMSOストック溶液から96深ウェルプレート内の891μlのバッファー溶液(pION inc.製の系の溶液)に移す(これは、ほぼ1%DMSOに等しい)。バッファーのpHを、NaOHの添加によって手作業でpH7.4に調整する。この手順は、各試料について二連で行う。ボルテックス混合機(Heidolph,Titramax 101)で450rpmおよび室温(21〜23℃)にて24時間振盪後、300uLのインキュベーション済試料を深ウェルプレートから真空マニホールド上のフィルタープレート(PVDF,0.45um)に移す。濾液(150uL)に、1−プロパノール(50uL)を添加して析出を抑制し、次いで、この溶液をUPLCによって解析する。溶解度は、事前に作成した較正直線を用いて調べる。
標準の調製および較正直線の作成
較正直線は、同じ10mM DMSOストック溶液から調製した異なる濃度の試験化合物(標準)を用いて作成する。同じDMSOストック溶液のある容量(7uL)をDMSO(273uL)で希釈し、0.25mMの濃度の溶液を得た。この溶液から、3つの異なる注入容量(0.2、1、1.8uL)をUPLCに注入した。それぞれのピーク面積を化合物の量に対してプロットし、較正直線を作成する。較正直線を用いて、各試料に溶解している化合物の量を求め、較正標準のピーク面積範囲に最も近いピーク面積が得られた注入を選択する。次いで、この結果を溶解度(mg/L)に変換した。
【0230】
以下の実施例:1_1、1_2、1_3、1_4、1_5、1_6、1_7、1_12、1_14、1_18、1_21、1_26、2_1、4_1、4_2、4_4、6_1、6_4、8_2、12_1、13_1、13_2は、≧20〜50mg/Lの溶解度を有する。
【0231】
以下の実施例:1_8、1_9、1_10、1_11、1_13、1_15、1_16、1_17、1_19、1、20、1_22、1_23、1_24、1_25、1_27、1_28、1_29、1_30、1_31、1_32、1_33、1_34、1_35、1_36、2_2、2_3、3_1、3_2、4_3、4_5、5_1、5_2、6_2、6_3、6_5、7_1、8_1、8_3、9_1、9_2、9_3、10_1、11_1、12_2は、≧50mg/Lの溶解度を有する。
実施例16:
式(I)と式(XV)との構造の比較
(XV)型の構造は、以前にMK2インヒビターと確認されている[国際公開第2004058762号]。式(XV)を有する実施例を、国際公開第2004058762号に記載の実験手順に従って調製し、MK2酵素活性および溶解度について、実施例14および15に記載のようにして試験した。続いて、式(I)と(XV)の実施例を、一対一でMK2活性および溶解度について比較した(表1,実施例16_1〜16_8)。本発明による式(I)によるMK2インヒビターは、スピロ環以外(otherwise)は厳密に同じ置換基R1、R2およびA(表1)を有するが、アミン含有スピロ環(V、XおよびW=−CH−、およびR3=H)の導入のため、改善された活性および溶解度を有する。スピロ修飾のない同等の化合物(XV)は、良好な溶解度を有するがMK2阻害が低いか、またはMK2阻害は許容され得るが溶解度が不充分であるかのいずれかである(表1)。
【0232】
【化24】

【0233】
【表1】

実施例17:
式(I)と式(XVI)との構造の比較
(XVI)型の構造を、(I)型の(op)構造について記載の調製と同様にして調製した。MK2酵素活性および溶解度を実施例14および15に記載のようにして調べた。続いて、式(I)と(XVI)の実施例を、一対一でMK2活性および溶解度について比較した(表2,実施例17_1〜17_4)。本発明による式(I)によるMK2インヒビターは、スピロ環以外は厳密に同じ置換基R1、R2およびA(表2)を有するが、アミン含有スピロ環(4−ピペリジルまたは3−ピロリジル環など)の導入のため、改善された活性および溶解度を有する。アミンのない同等の化合物は、溶解度が低く、MK2阻害が低い(表2)。
実施例17_1
【0234】
【化25】

実施例17_2
【0235】
【化26】

実施例17_3
【0236】
【化27】

実施例17_4
【0237】
【化28】

【0238】
【表2】

実施例18:
下記の化合物を、本明細書に記載の合成を用いて調製した。
【0239】
2’−(2−(6−アミノピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
2’−(2−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
2’−(2−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
(S)−2’−(2−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
(R)−2’−(2−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
2’−(2−(6−(3−メトキシプロポキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
(S)−2’−(2−(6−(3−メトキシプロポキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
(R)−2’−(2−(6−(3−メトキシプロポキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
2’−(2−(5−メトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
(S)−2’−(2−(5−メトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
(R)−2’−(2−(5−メトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)−5’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
2’−(2’−(シクロペンチルアミノ)−2,5’−ビピリミジン−4−イル)−5,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−4’(1’H)−オン;
3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)ベンズアミド;
3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
3−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
3−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
4−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]2’−イル)ピリミジン−2−イル)ベンズアミド;
4−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)−2−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−2−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリミジン−2−イル)−1−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−1−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−(ジメチルアミノ)−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)イソニコチンアミド;
6−メトキシ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
3,4−ジメチル−N−(4−(1−メチル−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
(S)−3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
(R)−3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
3,4−ジメチル−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(1−メチル−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
3−フルオロ−N−(4−(1−メチル−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
3−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
3−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ピコリンアミド;
4−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
(S)−4−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
(R)−4−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
4−フルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(1−メチル−4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−2−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−2−ナフトアミド;
(S)−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−2−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピロリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−2−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3,5−ジフルオロ−N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−1−ナフトアミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)キノリン−2−カルボキサミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)イソキノリン−1−カルボキサミド;
N−(4−(4’−オキソ−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−3,7’−ピロロ[3,2−c]ピリジン]−2’−イル)ピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
化合物はすべて、実施例14および15に記載のアッセイによる測定時、少なくとも6.5のpEC50および少なくとも20mg/Lの溶解度を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(式中、
Aは、CHまたはNであり;
Yは、結合、または−C(O)NH−であり;
Xは、結合、−CH−、−CHCH−であり;
Vは、−CH−、O、C(O)、−CHF−、または−CF−である、ただし、VがOのとき、Xは−CHCH−であり、VがC(O)のとき、Xは−CHであるものとし;
Wは、結合または−CH−であり;
R1は、水素またはFであり;
R2は、(1〜12C)ヘテロアリールまたは(6〜10C)アリールであり、ともに、独立してR4から選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;
R3は、水素;(3〜6C)シクロアルキル;(1〜6C)アルキル、−(CHOR5;−(CHNR5R6;または−C(O)CHNR5R6であり;
R4は、ハロゲン;OH;SH;ニトリル、ニトロ、NH;(3〜6C)シクロアルキル,(3〜6C)シクロアルコキシ、(1〜6C)アルコキシまたは(1〜6C)アルキルから採用され、すべて、1種類以上のハロゲン;フェノキシ;−O(CHOR5、−O(CHNR7R8、−OC(O)R7(ただし、R7は水素でないものとする)、−O(1〜12C)ヘテロアリール)、−S(1〜6C)アルキル);−S(3〜6C)シクロアルキル)−;NR7R8;、−NR9(CHOR7、−NR9(CHNR7R8;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−C(O)NR9(CHNR7R8、−C(O)NR9(CHOR7、−C(O)OR7、−SO(1〜6C)アルキル)、−SO(3〜6C)シクロアルキル);−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(1〜12C)ヘテロアリールもしくは(6〜10C)アリール環に結合されている);フェニルまたは(1〜12C)ヘテロアリールで置換されていてもよく;
R5は、水素(3〜6C)シクロアルキルであるか;または(1〜6C)アルキルであり;
R6は、水素;(3〜6C)シクロアルキル;(1〜6C)アルキルであるか;または(1〜6C)アルキルカルボニルであり;
R7は、水素、(1〜6C)アルキルまたは(3〜6C)シクロアルキルであり;
R8は、水素;(3〜6C)シクロアルキル;(1〜6C)アルキルであるか;または(1〜6C)アルキルカルボニルであるか;あるいは
R7とR8は、これらが結合しているNR7R8の窒素と一緒に、5〜7員の少なくとも1つの含窒素(4〜6C)ヘテロシクリル環を形成していてもよく、該環は、N、OまたはSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく;
R9は、水素;(1〜6C)アルキルまたは(3〜6)シクロアルキルであり;
mは、2または3である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
Vが−(CH)−またはOである、ただし、VがOのとき、Xは−CHCH−であるものとし、;
R4が、ハロゲン;OH;NH;(3〜6C)シクロアルキルまたは(1〜6C)アルキルから採用され、ともに、1種類以上のハロゲン;(3〜6C)シクロアルコキシ;(1〜6C)アルコキシ;フェノキシ;−NR7R8;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(1〜12C)ヘテロアリールもしくは(6〜10C)アリール環に結合されている);フェニルまたは(1〜5C)ヘテロアリールで置換されていてもよい、
請求項に記載の化合物。
【請求項3】
Vが−CH−である、請求項1〜2に記載の化合物。
【請求項4】
Wが−CH−である、請求項1〜3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが−CH−である、請求項1〜4に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、独立してR4から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい(1〜5C)ヘテロアリールであり、R4が、−NR7R8;NHまたは(1〜6C)アルコキシから選択される、請求項1〜5に記載の化合物。
【請求項7】
R2が、独立してR4から選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニルであり、R4が、ハロゲン;OH;(3〜6C)シクロアルキルまたは(1〜6C)アルキルから採用され、ともに、1種類以上のハロゲン;(1〜6C)アルコキシ;フェノキシ;(1〜6C)アルキルカルボニル;(3〜6C)シクロアルキルカルボニル;−C(O)NR7R8;−O(1〜6C)アルキル)O−(ここで、酸素は、隣接している2つの炭素上の(ヘテロ)アリール環に結合されている)またはフェニルで置換されていてもよい、請求項1〜6に記載の化合物。
【請求項8】
R3が、水素;−(CHNR5R6、または−C(O)CHNR5R6である、請求項1〜7に記載の化合物。
【請求項9】
R3が水素である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
R3がメチルであり、Y=−C(O)NH−である、請求項1〜7に記載の化合物。
【請求項11】
Yが結合である、請求項1〜9に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜11いずれかに記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および1種類以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
免疫、自己免疫および炎症性の疾患、心血管疾患、感染性疾患、骨吸収障害、神経変性疾患ならびに増殖性疾患から選択される疾患の処置または予防における使用のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
治療における使用のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
免疫、自己免疫および炎症性の疾患、心血管疾患、感染性疾患、骨吸収障害、神経変性疾患または増殖性疾患の処置における使用のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
免疫、自己免疫および炎症性の疾患、心血管疾患、感染性疾患、骨吸収障害、神経変性疾患または増殖性疾患の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれかに記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩の使用。


【公表番号】特表2013−513585(P2013−513585A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542575(P2012−542575)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069465
【国際公開番号】WO2011/073119
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512059936)エム・エス・ディー・オス・ベー・フェー (24)
【Fターム(参考)】