説明

N−アシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体およびカフェインを含む相乗的組み合わせ

本発明は、薬学的組み合わせに関し、この組み合わせは、オピオイド鎮痛剤と非オピオイド鎮痛剤とを、カフェインと、一連のN−アシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体からの鎮痛剤と緊密に混合した状態で含み、これらは、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン,1,1−ジオキシド基の窒素原子に対するアルキレン架橋を介して連結されている。本発明は、哺乳動物において疼痛を軽減するためにこの組成物を使用するための方法に関する。上記鎮痛剤の組み合わせは、増強された鎮痛効力を示し、解熱活性を有さず、血液凝固を抑制せず、そして肝毒性効果をほとんど有さない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年11月12日に出願された米国特許出願番号10/292,105号(この開示は、本明細書中において参考として援用される)の一部継続出願である。本発明は、血液凝固を抑制せず、肝毒性効果をほとんど有さない鎮痛組成物に関する。鎮痛組成物は、本明細書中に開示されるN−アシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体の鎮痛活性を増強するため、ならびに特定のオピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤の効力および/または有効性を増強するためにカフェインを含む。より詳細には、本発明は、カフェインならびに追加のオピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤と組み合わせた、SCPシリーズ(SCP−1〜SCP−5)と呼ばれる鎮痛剤を含む鎮痛組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
カフェインは、いくつかの植物(コーヒー、ココアおよびコーラを含む)由来の天然に存在するメチルキサンチン(1,3,7−トリメチルキサンチン)である。カフェインは、穏やかな中枢神経系刺激剤として分類される。カフェインは、通常、疲労と闘うために使用され、偏頭痛の処置においていくらかの利益を有する。それ自体では、鎮痛効力をほとんどまたは全く有さないが、カフェインは、鎮痛剤(特に、アセトアミノフェンおよびオピオイド)の作用を10〜40%増強する。
【0003】
メチルキサンチンは、種々のシグナル伝達経路に影響する複雑な機構的および薬理学的経路を示す。侵害知覚に関して、2つの最も重要な作用機構は、アデノシンのレセプター媒介作用を遮断する能力および環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ酵素を阻害する能力である。
【0004】
アデノシンは、ほぼ遍在する阻害性神経モジュレーターである。重要なこととして、アデノシンは、睡眠を生じることにおいて重要な役割を果たす。従って、メチルキサンチンによるアデノシンレセプターの遮断は、覚醒を引き起こす。研究によって、アデノシンが神経伝達物質、ノルエピネフリンの放出を媒介することが示された。ノルエピネフリンは、ジヒドロモルヒネおよび他のmuオピオイドレセプターアゴニストによって活性化される下行性阻害回路における重要な神経伝達物質である。従って、メチルキサンチンによるアデノシンレセプターの遮断はまた、オピオイド鎮痛剤の作用を調節する。
【0005】
ホスホジエステラーゼ酵素(サイクリックAMPの5’−AMPへの分解およびサイクリックGMPの5’−GMPへの分解を触媒する)の阻害に関して、メチルキサンチンの存在は、2つの環状ヌクレオチドの蓄積を引き起こし、これらの経路によって媒介されるシグナル伝達の増加を生じる。従って、カフェインは、多くのGタンパク質共役レセプター(オピオイドレセプターを含む)によって開始されるシグナル伝達を調節する。
【0006】
種々の量のカフェインと組み合わせてNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)を含む組成物は、過去に市販されている。例としては、アスピリン、アセトアミノフェン、および/またはフェナセチンを含む組み合わせが挙げられる。麻酔性鎮痛剤もまた、アスピリン/アセトアミノフェン/フェナセチン/カフェインの組み合わせに追加されている。このような組み合わせを使用するための合理性は、各々の鎮痛剤の用量を減らしながら、従って、有害な影響および毒性を減らしながら、鎮痛効力を保持または増加することである。
【0007】
疼痛の多くの型(例えば、一般的な頭痛、変形性関節症)について、アセトアミノフェンは、アセチルサリチル酸(アスピリン)と同等の有効性および効力を有する。しかし、アセトアミノフェンの安全性は、疑問視されている。毎年、アセトアミノフェンの過剰摂取に関する約100,000件の事例が存在し、そのうち約30件が死に至っている。(Clissold、1980;McGoldrickら、1997)。アセトアミノフェンは、有毒代謝物である、N−アセチル−ベンゾキノンイミン(NAPQI)を有し、これは、細胞保護性の内因性代謝物である肝臓および腎臓のグルタチオンを激減させる(MasonおよびFischer、1986;Mitchellら、1983)。アセトアミノフェンによる肝臓および腎臓の毒性は、推奨される最大鎮痛用量のわずか4倍から8倍の用量で生じ得る(Neubergerら、1980)。アセトアミノフェンおよび主として作用する鎮痛剤を含む薬学的な組み合わせは、アセトアミノフェン単独よりもより危険でさえあり得る。繰り返し使用すると共に、耐性の増加が原因で、これらの組み合わせは、同じ鎮痛効果を生むためにより多い用量を必要とする。組み合わせの用量が鎮痛耐性を補うために増加するにつれて、アセトアミノフェン成分のより多い用量が肝臓および腎臓毒性を増大させるので、その薬物の安全性が低下する。
【0008】
米国特許第5,554,636号(Bazanら)および同第5,621,110号(Bazanら)では、本願における2人の発明者が、調製のためのプロセスとともに、アルキレン架橋を介して1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド基の窒素原子に連結した、一連のN−アセチル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体、および疼痛を軽減するためのそれらの使用方法を開示した。これらの特許の開示は、本明細書中で参考として援用される。SCPシリーズは、構造的に以下の一般式:
【0009】
【化3】

によって示され、ここで、nは、1〜5の数である。これらの新規の非麻酔性鎮痛剤は、驚くべきことに、高い鎮痛活性を有し、血液凝固を抑制せず、そして肝臓毒性効果をほとんど示さない。本明細書中で用語「SCPシリーズ」が使用される場合、その任意の薬学的に適切な塩が、この用語に包含されることが理解される。
【0010】
SCPシリーズの鎮痛性プロフィールは、少なくともアセトアミノフェンと同程度に良好である。予想通りに、薬物のいずれの型も、テイルフリック試験(tail−flick test)およびホットプレート試験(hotplate test)において、コデインと比較した場合、ほとんど活性を示さないかまたは全く活性を示さなかった。SCP−1は、鎮痛剤の腹部伸張(abdominal stretch)アッセイ、ホルマリンアッセイ、およびフロイントのアジュバント誘導性炎症アッセイにおいて、アセトアミノフェンよりも強力である。SCP−1は、毒性がより低く、さらに重要性が増大していることに、肝臓毒性がより低い(Paulら、1998)。これらの特性のすべては、SCP−1および関連する誘導体を、潜在的に非常に有用な薬理剤とする。
【0011】
これらの新規な非麻酔性鎮痛剤は、アスピリン、アセトアミノフェン、およびフェナセチンと化学構造において実質的に異なり、有意に異なる生物学的プロフィールを有し、従って、鎮痛剤のSCPシリーズは、カフェインと新規な薬学的組み合わせに処方され得、ほとんど肝毒性の影響を有さない増強された痛覚脱失を導く。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の開示)
疼痛を管理する最も一般的に利用される方法は、鎮痛剤の全身投与を含む。定義によれば、鎮痛剤としては、神経系におけるそれらの作用を通して、意識消失を生じることなく疼痛の知覚を軽減するかまたは減弱させる薬物が挙げられる。もともと、鎮痛剤は、2つの広範なカテゴリーに分類される:(1)単一で、非麻酔性の鎮痛剤(例えば、プロスタグランジンシンターゼの阻害によって作用すると思われるアスピリン)、および(2)中枢神経系のエンドルフィン/エンケファリンレセプター系との相互作用を通して作用すると思われる麻酔性鎮痛剤。用語「麻酔性」は、歴史的には強力なオピオイド鎮痛剤と関係しているが、この用語は、薬理学的な文脈ではとても有用である。より適切には、麻酔性鎮痛剤と称されるカテゴリーは、2つの群、オピオイドおよび非オピオイドにさらに分割され得る。用語「オピオイド」とは、モルヒネ様活性を有する薬物(アゴニストおよびアンタゴニスト)をいい、mu、δレセプターおよびκレセプターに作用する。用語「非オピオイド」とは、異なる機構を介して作用する薬物をいう。
【0013】
オピオイド鎮痛剤として公知の群を含む薬物としては、中でも、アヘンのフェナントレンアルカロイド(モルヒネ、コデイン、およびテバインを含む)が挙げられる。テバインは、痛覚脱失を生じないが、テバインは、半合成オピオイドの生成において重要な中間体である。モルヒネに関連する構造および機能を有する他の薬剤としては、以下が挙げられる:(1)モルヒネアナログ(例えば、ヒドロモルホン、オキシモルホン、ヒドロコドン、およびオキシコデン);(2)Diels−Alder付加物(例えば、エトルフィンおよびブプレノルフィン);(3)モルフィナン誘導体(例えば、デキストロメトルファンおよびブトルファノール);(4)ベンゾモルファン誘導体(例えば、フェナゾシン、ペンタゾシンおよびシクラゾシン);(5)ピペリジン誘導体(例えば、メペリジンおよびアニレリジン);ならびに(6)鎖式鎮痛剤(メタドン型化合物)(例えば、メタドンおよびプロポキシフェン)。非オピオイド鎮痛剤として公知の群を含む薬物としては、以下が挙げられる:(1)N−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)レセプターアンタゴニスト(例えば、デキストロメトルファンおよびケタミン、ならびにNMDAレセプターと会合する結合部位下位区分(例えば、グリシン結合部位、フェニルシクリジン(phenylcyclidine)(PCP)結合部位など)のいずれかおよびNMDAチャネルと会合する結合部位下位区分のいずれかに対し競合することにより中枢感作を抑制する他のアンタゴニスト;(2)αアドレナリン作動性レセプターアゴニスト(例えば、クロニジン、メトミジン(metomidine)、デトミジン(detomidine)、デキソメトミジン(dexmetomidine)、デキソメデトミジン(dexmedetomidine)およびキシラジン)(これらは、ノルエピネフリンの放出を減少させる);(3)他の薬剤(例えば、しばしば誤解してオピオイドと呼ばれるトラマドール)(これらは、モノアミン再取り込みに対してアゴニスト作用よりもそれらの阻害作用によって痛覚脱失を生じる);(4)非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン、イブプロフェン、およびシクロオキシゲナーゼ酵素を阻害する他の薬物)、ならびに(5)混合アゴニスト−アンタゴニスト鎮痛剤(例えば、ブプレノルフィン、デゾシン、ナルブフィン)。
【0014】
オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤は、種々の副作用(鎮静、便秘、低血圧、吐き気、嘔吐、脳脊髄液圧の上昇、呼吸低下、身体的依存および身体的耐性が挙げられる)を引き起こし得る。従って、オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤の活性を補完し、オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤のより少ない用量での使用を可能にする薬物の組み合わせを開発することに対する重大な必要性が存在する。この結果を達成する1つの方法は、第2の非麻酔性鎮痛剤の添加によって、公知のオピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤の鎮痛活性を増強することである。しかしながら、相乗効果が、異なる機構を通して効果を生じる2つの薬学的組成物から得られる場合を予測することは困難である。
【0015】
SCPシリーズは、肝臓毒性効果をほとんど有さない非麻酔性鎮痛剤である。このシリーズにおける化合物は、アセトアミノフェン毒性の原因である代謝物を生じず、そしてこれは、発熱を低下させない。結果として、これらは、慢性疼痛の処置において、アセトアミノフェンおよび他の非麻酔性鎮痛剤よりも有用である。さらに、従来の非麻酔性鎮痛剤(例えば、アスピリンまたはイブプロフェン)とは異なり、このSCPシリーズは、血液凝固を抑制しない。子供、初老の患者および肝臓不全の患者はまた、疼痛の処置について、SCPの投与から恩恵を受ける。オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤とともにSCPシリーズを利用する薬学的組み合わせは、血液凝固を抑制することなく、そして従来の非麻酔性鎮痛剤に関連する毒性も有さずに、増強した痛覚脱失を提供することが見出されている。
【0016】
カフェインは、頭痛の処置での使用について長い歴史を有する。本明細書中で使用される場合、用語「カフェイン」とは、無水散剤としてのカフェインだけでなく、カフェインの任意の塩もしくは誘導体またはその配合混合物(これは、無毒で、薬学的に受容可能である)を包含することが意図される。それ自体で、カフェインは、鎮痛作用をほとんど有さないか、全く有さない。しかしながら、カフェインは、アセトアミノフェンの鎮痛活性を増強するか、または強化させる。ヒトでの試行において、カフェインの50mgより多い用量だけで、アセトアミノフェンまたはNSAIDの痛覚脱失を有意に強化させる(Laskaら,1984;Zhang 2001;ZhangおよびPo,1997)。アセトアミノフェン痛覚脱失のカフェイン強化は、アセトアミノフェンの薬物速度論における変化に起因するようである(Granados−Sotoら,1993)。
【0017】
カフェインは、オピオイド鎮痛剤の鎮痛効果を強化することもまた、示された。これらの実験の大部分は、モルヒネまたはコデインを用いて実施されたが、全てのミュラー(mu)オピオイドレセプターアゴニストの結果を一般化するのに適切である。マウスおよびラットにおいて、カフェインまたは他のメチキサンチンは、いくつかの侵害受容試験において、モルヒネ誘導性鎮痛を増強した(MalecおよびMichalska,1988;1990;Misraら,1985)。これは、脊髄オピオイド系に対する効果よりも、下行阻害性オピオイド系の調節を介して維持されるとみられる(DeLanderおよびHopkins,1986)。臨床試験において、26.5mg以下の用量のカフェインは、オピオイド鎮痛を強化しないか、またはオピオイド鎮痛を拮抗し得る。しかし、50mgよりも多い用量において、カフェインは、オピオイド鎮痛をわずかに強化する(Beaver,1984;Zhang,2001)。これらの試験の大部分において、カフェインは、オピオイドの鎮痛効果に約10〜15%の効果を付加するようにみえる。増強された鎮痛に加えて、カフェインと麻酔性の鎮痛剤とを組み合わせることの別の主要な利点は、オピオイドの鎮痛効果の反作用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の薬学的組み合わせは、カフェインおよび従来の薬学的技術により調製した薬学的に受容可能なキャリアと一緒にSCPシリーズ由来の鎮痛剤と密に組み合わせた、オピオイド鎮痛剤または非オピオイド鎮痛剤を含む。薬学的に受容可能なキャリアとしては、固体充填剤または液体充填剤、希釈剤およびカプセル化物質が挙げられる。上記組み合わせと併せて使用されるキャリアの量は、鎮痛剤の単位用量あたりの物質の実質的な量を提供するのに十分である。
【0019】
経口投与用の薬学的に受容可能なキャリアとしては、以下が挙げられる:糖、デンプン、セルロースおよびその誘導体、麦芽、ゼラチン、滑石、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギニン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張性生理食塩水、および発熱物質を含まない水。非経口用の薬学的に受容可能なキャリアとしては、以下が挙げられる:等張性生理食塩水、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール水溶液、ごま油、トウモロコシ油、およびこれらの組み合わせ。
【0020】
種々の経口投薬形態が使用され得、その形態としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤およびバルク散剤のような固体形態が挙げられる。錠剤は、適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘導剤(flow−inducing agent)、および融解剤を含んで、加圧されても、粉薬錠剤にされても、腸溶コーティングされても、糖衣されても、フィルムコーティングされても、多重加圧されてもよい。液体経口投薬形態としては、水溶液、乳濁液、懸濁液、および再構成された溶液および/または再構成された懸濁液が挙げられる。
【0021】
薬学的に有効な組み合わせは、代表的に、約0.1〜約1000mgの間のSCPシリーズ由来鎮痛剤および約50〜約200mgのカフェインを含み得る。好ましい薬学的に有効な組み合わせは、約400〜約1000mgの間のSCPシリーズ由来鎮痛剤、および約50〜約150mgの間のカフェインを含む。カフェインのより多い用量(約1000mgまで)は、患者に許容される場合、使用され得る。SCPシリーズの鎮痛剤と組み合わせたオピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤の薬学的に有効な量は、オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤とアセトアミノフェンとの対応する組み合わせと同様である。本発明のSCP/オピオイド鎮痛剤または非オピオイド鎮痛剤/カフェイン組成物における使用のための、選択されたオピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤の詳細な量は、選択された特定の鎮痛剤、哺乳動物の体重および種類、ならびに薬物が投与される条件に依存して変化する。一般的に、選択されたオピオイド鎮痛剤または非オピオイド鎮痛剤は、薬学的に有効な量であると公知の任意の量で使用され得る。そのように組み合わされる場合、上記薬学的組成物は、予想外に、SCPシリーズならびにオピオイド鎮痛剤および/または非オピオイド鎮痛剤の鎮痛活性の相乗的効果をもたらし、SCP/オピオイド鎮痛剤組み合わせ、ならびにSCP/非オピオイド鎮痛剤組み合わせのより大きな相乗的鎮痛応答は、カフェインの存在に起因し、そして鎮痛応答の開始の促進は、カフェインの存在に起因する。より驚くべきことに、これらの結果は、血液循環を抑制することなく、そして従来の非麻酔性鎮痛剤に関連する毒性を有することなく、起こる。
【0022】
本明細書から、種々の改変および変更が当業者になされ得ることが明らかである。従って、添付の特許請求の範囲は、全ての改変および変更に及ぶように解釈され、これらの改変および変更は、本発明の精神内および範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎮痛剤組成物であって、該組成物は、相乗作用し、安全であり、かつ薬学的に有効な量の、
(a)オピオイド鎮痛剤;
(b)一般式:
【化1】

の非麻酔性鎮痛剤であって、nは、1〜5の数である、非麻酔性鎮痛剤;
(c)カフェイン;および
(d)薬学的に受容可能なキャリア、
を含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、アヘンのフェナントレンアルカロイドである、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、モルヒネおよびコデインからなる群より選択される、組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、モルヒネアナログである、組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、ヒドロコドン、オキシコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メトポン、アポモルヒネ、ノルモルヒネ、およびN−(2−フェニルエチル)−ノルモルヒネからなる群より選択される、組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、テバインの合成誘導体である、組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、エトルフィンおよびブプレノルフィンからなる群より選択される、組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、モルフィナン誘導体である、組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、デキストロメトルファン、ブトルファノール、レボルファノール、レバロルファン、シクロルファン、およびラセモルファンからなる群より選択される、組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、ベンゾモルファン誘導体である、組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、フェナゾシン、ペンタゾシン、およびシルカゾシンからなる群より選択される、組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、ピペリジン誘導体である、組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、メペリジン、アニレリジン、ピミノジン、エトヘプタジン、アルファプロジン、ベータプロジン、ジフェノキシレート、ロペラミド、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、およびレミフェンタニルからなる群より選択される、組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、非環式オピオイド鎮痛剤である、組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物であって、前記オピオイド鎮痛剤は、メタドン、イソメタドン、およびプロポキシフェンからなる群より選択される、組成物。
【請求項16】
鎮痛剤組成物であって、該組成物は、相乗作用し、安全であり、かつ薬学的に有効な量の、
(a)非オピオイド鎮痛剤;
(b)一般式:
【化2】

の非麻酔性鎮痛剤であって、nは、1〜5の数である、非麻酔性鎮痛剤;
(c)カフェイン;および
(d)薬学的に受容可能なキャリア
を含む、組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、NMDAレセプターアンタゴニストである、組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、デキストロメトルファンおよびケタミンからなる群より選択される、組成物。
【請求項19】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、αアドレナリン作用性レセプターアゴニストである、組成物。
【請求項20】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、クロニジン、メトミジン、デトミジン、デキスメトミジン、デキスメデトミジンおよびキシラジンからなる群より選択される、組成物。
【請求項21】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、モノアミン再取込みインヒビターである、組成物。
【請求項22】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、トラマドールである、組成物。
【請求項23】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、混合型アゴニスト−アンタゴニスト鎮痛剤である、組成物。
【請求項24】
請求項16に記載の組成物であって、前記非オピオイド鎮痛剤は、ブプレノルフィン、デゾシンおよびナルブフィンからなる群より選択される、組成物。
【請求項25】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項26】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項2に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項27】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項3に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項28】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項4に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項29】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項5に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項30】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項6に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項31】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項7に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項32】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項8に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項33】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項9に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項34】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項10に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項35】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項11に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項36】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項12に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項37】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項13に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項38】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項14に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項39】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項15に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項40】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項16に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項41】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項17に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項42】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項18に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項43】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項19に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項44】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項20に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項45】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項21に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項46】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項22に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項47】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項23に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。
【請求項48】
哺乳動物において疼痛を軽減するための方法であって、
疼痛に冒されている哺乳動物に、有効量の請求項24に記載の組成物を投与する工程、
を包含する、方法。

【公表番号】特表2007−503473(P2007−503473A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533699(P2006−533699)
【出願日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/018514
【国際公開番号】WO2004/110440
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505173599)ザ ファウンデーション フォー ザ エルエスユー ヘルス サイエンス センター (3)
【Fターム(参考)】