説明

N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドの医薬組成物

【課題】アキシチニブを含有する光安定な医薬組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、光分解を包含する分解からアキシチニブを保護する、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは6−[2−(メチルカルバモイル)フェニルスルファニル]−3−E−[2−(ピリジン−2−イル)エテニル]インダゾールとして知られているアキシチニブ、またはその結晶型を含有する医薬組成物、ならびにそのような組成物の治療的使用に関する。本発明は、アキシチニブの新規光分解物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2011年9月30日出願の米国仮特許出願第61/541,525号への優先権の利益を主張し、その内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、光分解を包含する分解からアキシチニブを保護する、6−[2−(メチルカルバモイル)フェニルスルファニル]−3−E−[2−(ピリジン−2−イル)エテニル]インダゾールまたはN−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドとして知られているアキシチニブ、またはその結晶型を含有する医薬組成物、ならびにそのような組成物の治療的使用に関する。本発明は、アキシチニブの新規光分解物にも関する。
【背景技術】
【0003】
下記の構造:
【0004】
【化1】

の化合物、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは6−[2−(メチルカルバモイル)フェニルスルファニル]−3−E−[2−(ピリジン−2−イル)エテニル]インダゾールは、アキシチニブまたはAG−013736として知られている。
【0005】
アキシチニブは、血管内皮成長因子(VEGF)受容体1、2および3の強力かつ選択的な阻害剤である。これらの受容体は、病的血管新生、腫瘍成長、およびがんの転移性進行に関与している。アキシチニブは、VEGEが仲介する内皮細胞の増殖および生存を強力に阻害することが明らかにされている。肝がん、黒色腫、中皮腫、非小細胞肺がん、前立腺がん、腎細胞癌、軟組織肉腫および固形腫瘍を包含する様々ながんを治療するためのアキシチニブの使用を研究するための臨床試験が現在進行中である。Inlyta(登録商標)(アキシチニブ)は、腎細胞癌の治療用に米国、欧州、日本および他の管轄区域で認可されている。
【0006】
アキシチニブ、ならびに薬学的に許容できるその塩は、米国特許第6,534,524号に記載されている。アキシチニブを製造する方法は、米国特許第6,884,890号および第7,232,910号、米国出願公開第2006−0091067号および第2007−0203196号、ならびに国際出願公開第WO2006/048745号に記載されている。アキシチニブの剤形は、米国出願公開第2004−0224988号に記載されている。アキシチニブの多形型および医薬組成物も、米国出願公開第2006−0094763号、第2008−0274192号および第2010−0179329号に記載されている。上に列挙されている特許および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
薬物開発の過程で、活性医薬成分、アキシチニブは、光分解を包含する分解を極めて受けやすいことが判明した。薬物開発の成功は、患者が、活性医薬成分の最適用量を投与されることを必要とする。成功した薬物製剤または組成物は、活性医薬成分の最適用量を送達し、治療を必要としている患者への分配の成功を可能にするのに十分な貯蔵寿命を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/541,525号
【特許文献2】米国特許第6,534,524号
【特許文献3】米国特許第6,884,890号
【特許文献4】米国特許第7,232,910号
【特許文献5】米国出願公開第2006−0091067号
【特許文献6】米国出願公開第2007−0203196号
【特許文献7】国際出願公開第WO2006/048745号
【特許文献8】米国出願公開第2004−0224988号
【特許文献9】米国出願公開第2006−0094763号
【特許文献10】米国出願公開第2008−0274192号
【特許文献11】米国出願公開第2010−0179329号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Products
【非特許文献2】Chen他、J Pharmaceutical and Biomedical Analysis、26:63(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
錠剤コーティングの構成成分が、光分解から活性医薬成分を保護し得ることは、当業者に知られているとはいえ、どのコーティング添加剤が十分な光保護を提供するかを予測することは困難である。アキシチニブのための製剤開発中に、従来のコーティング添加剤は、光からアキシチニブを保護しないことが判明した。したがって、アキシチニブの開発に成功するためには、光安定な医薬組成物が必要であった。
【0011】
今回、本発明者らは、驚いたことにかつ予想外に、アキシチニブを含有する光安定な医薬組成物を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
下に記載されている実施形態の各々は、組み合わせる実施形態と矛盾しない本明細書に記載されている任意の他の実施形態と組み合わせることができる。
【0013】
一部の実施形態は、コアおよびコーティングを含む医薬組成物(「組成物A」)であって、コアが、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含み、コーティングが、金属酸化物を含む医薬組成物に関する。
【0014】
さらなる実施形態は、コーティングが、充填剤、ポリマー、可塑剤、もしくは乳白剤、またはそれらの組合せをさらに含む、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0015】
追加の実施形態は、コーティングが、着色剤をさらに含む、上に記載されている医薬組成物の実施形態のいずれかに関する。
【0016】
追加の実施形態は、金属酸化物が、酸化鉄を含む、上に記載されている医薬組成物の実施形態のいずれかに関する。
【0017】
さらなる実施形態は、コーティングが、Opadry II Red(登録商標)、Opadry II Yellow(登録商標)、およびOpadry II Gray(登録商標)からなる群から選択される、上に記載されている医薬組成物の実施形態のいずれかに関する。
【0018】
さらに他の実施形態は、コーティングが、Opadry II Red(登録商標)である、上に記載されている医薬組成物の実施形態のいずれかに関する。
【0019】
追加の実施形態は、組成物が、錠剤である、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0020】
一部の実施形態は、フィルムコーティング錠である、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0021】
一部の実施形態は、組成物が、カプセルである、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0022】
さらに他の実施形態は、組成物が、乾燥充填カプセルである、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0023】
さらなる実施形態は、組成物が、ミクロスフェア充填カプセルである、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0024】
追加の実施形態は、コーティングが、組成物の約4重量パーセントを占める、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0025】
追加の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、D(v、0.5)NMT25ミクロンの平均粒子を有する、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0026】
さらなる実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、D(v、0.9)NMT81ミクロンの平均粒子を有する、上に記載されている医薬組成物に関する。
【0027】
一部の実施形態は、
【0028】
【化2】

からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物(「組成物B」)に関する。
【0029】
追加の実施形態は、
【0030】
【化3】

からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物(「組成物C」)に関する。
【0031】
さらなる実施形態は、
【0032】
【化4】

からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物(「組成物D」)に関する。
【0033】
さらに他の実施形態は、
【0034】
【化5】

からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物(「組成物E」)に関する。
【0035】
一部の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約5重量パーセント未満を含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0036】
さらに他の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約2重量パーセント未満を含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0037】
さらに他の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約1重量パーセント未満を含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0038】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約0.01重量パーセントから約5重量パーセントまでを含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0039】
追加の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約0.05重量パーセントから約5重量パーセントまでを含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0040】
追加の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約0.01重量パーセントから約2重量パーセントまでを含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0041】
さらに他の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の化合物約0.05重量パーセントから約2重量パーセントまでを含む、組成物B、組成物C、組成物Dまたは組成物Eのいずれかに関する。
【0042】
一部の実施形態は、
【0043】
【化6】

である化合物約1.0重量パーセント未満を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物に関する。
【0044】
さらなる実施形態は、
【0045】
【化7】

である化合物、または薬学的に許容できるその塩に関する。
【0046】
追加の実施形態は、
【0047】
【化8】

である化合物、または薬学的に許容できるその塩に関する。
【0048】
さらに他の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約1mgならびに、
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約89重量パーセント〜約97重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
d.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0049】
一部の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約1mgならびに、
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約92重量パーセント〜約97重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
d.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0050】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約3mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約87重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
d.コーティング約1重量パーセント〜約9重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0051】
追加の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約3mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約90重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
d.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0052】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約5mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約87重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
d.コーティング約1重量パーセント〜約9重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0053】
追加の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約5mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約90重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
d.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0054】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約7mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約87重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
d.コーティング約1重量パーセント〜約9重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0055】
追加の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約7mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約90重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
d.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0056】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約1mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約20重量パーセント〜約90重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約10重量パーセント〜約85重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
e.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0057】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約1mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約55重量パーセント〜約70重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約28重量パーセント〜約36重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
e.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0058】
追加の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約3mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約20重量パーセント〜約90重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約10重量パーセント〜約85重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
e.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0059】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約3mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約55重量パーセント〜約70重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約28重量パーセント〜約36重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
e.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0060】
追加の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約5mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約20重量パーセント〜約90重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約10重量パーセント〜約85重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
e.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0061】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約5mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約55重量パーセント〜約70重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約28重量パーセント〜約36重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
e.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0062】
追加の実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約7mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約20重量パーセント〜約90重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約10重量パーセント〜約85重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
e.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0063】
さらなる実施形態は、医薬組成物が、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約7mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約55重量パーセント〜約70重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約28重量パーセント〜約36重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約4重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約3重量パーセント、および
e.コーティング約2重量パーセント〜約5重量パーセント
を含む、組成物Aに関する。
【0064】
一部の実施形態は、コーティングが、コーティングの総重量を基準として、酸化鉄約5重量パーセントから約20重量パーセントまでを含む、組成物Aに関する前記実施形態のいずれかにさらに関する。
【0065】
追加の実施形態は、コーティングが、コーティングの総重量を基準として、酸化鉄約7重量パーセントを含む、組成物Aに関する前記実施形態のいずれかにさらに関する。
【0066】
さらなる実施形態は、コーティングが、コーティングの総重量を基準として、酸化鉄約9重量パーセントを含む、組成物Aに関する前記実施形態のいずれかにさらに関する。
【0067】
さらに他の実施形態は、コーティングが、コーティングの総重量を基準として、酸化鉄約18重量パーセントを含む、組成物Aに関する前記実施形態のいずれかにさらに関する。
【0068】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1、12.0±0.1、14.5±0.1、15.7±0.1および19.1±0.1を含む粉末X線回折パターンを有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0069】
さらに他の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、百万分率で表される下記の13C化学シフト:154.2±0.2、143.3±0.2、121.3±0.2および27.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0070】
さらに他の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:791±2、806±2、850±2、1194±2、1242±2、1280±2、1309±2および3054±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0071】
追加の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1および15.7±0.1を含む粉末X線回折パターンならびに百万分率で表される下記の13C化学シフト:154.2±0.2、143.3±0.2、121.3±0.2および27.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0072】
さらなる実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1および15.7±0.1を含む粉末X線回折パターンならびにセンチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:791±2、806±2、850±2、1194±2、1242±2、1280±2、1309±2および3054±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0073】
追加の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:5.1±0.1、8.0±0.1、10.1±0.1および10.7±0.1を含む粉末X線回折パターンを有するXXV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0074】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、百万分率で表される下記の13C化学シフト:128.8±0.2、123.7±0.2、120.5±0.2および25.4±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するXXV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0075】
さらに他の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:766±2、822±2、866±2、962±2、989±2、1212±2、1238±2、1350±2、1637±2、および3067±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するXXV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0076】
さらなる実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:5.1±0.1および10.7±0.1を含む粉末X線回折パターンならびに百万分率で表される下記の13C化学シフト:128.8±0.2、123.7±0.2、120.5±0.2および25.4±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するXXV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0077】
追加の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:5.1±0.1および10.7±0.1を含む粉末X線回折パターンならびにセンチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:766±2、822±2、866±2、962±2、989±2、1212±2、1238±2、1350±2、1637±2および3067±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するXXV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0078】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1、11.9±0.1、14.8±0.1および15.6±0.1を含む粉末X線回折パターンを有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0079】
さらに他の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、百万分率で表される下記の13C化学シフト:142.6±0.2、133.7±0.2、121.4±0.2および119.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0080】
さらに他の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:835±2、1234±2、1564±2および3058±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0081】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1および11.9±0.1を含む粉末X線回折パターンならびに百万分率で表される下記の13C化学シフト:142.6±0.2、133.7±0.2、121.4±0.2および119.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0082】
さらなる実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1および11.9±0.1を含む粉末X線回折パターンならびにセンチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:835±2、1234±2、1564±2および3058±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、組成物Aに関する。
【0083】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩の光分解が、1996年11月に刊行されたInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Productsにより測定して約1%未満である、組成物Aの実施形態のいずれかに関する。
【0084】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩の光分解が、1996年11月に刊行されたInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Productsにより測定して約0.05%未満である、組成物Aの実施形態のいずれかに関する。
【0085】
一部の実施形態は、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩の光分解が、1996年11月に刊行されたInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Productsにより測定して約0.01%未満である、組成物Aの実施形態のいずれかに関する。
【0086】
一部の実施形態は、対象において異常な細胞成長を治療する方法であって、異常な細胞成長を治療するのに有効である量の組成物Aの実施形態のいずれかを対象に投与するステップを含む方法に関する。
【0087】
さらに他の実施形態は、異常な細胞成長ががんである、異常な細胞成長を治療する方法に関する。
【0088】
追加の実施形態は、がんが、肝がん、黒色腫、中皮腫、非小細胞肺がん、前立腺がん、腎細胞癌、軟組織肉腫および固形腫瘍からなる群から選択される、がんを治療する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】Siemens D5000回折計、(λ=1.54056Å)で行われる薬物製品中のアキシチニブIV型の注釈付き粉末X線回折パターンを示す図である。
【図2】Siemens D5000回折計、(λ=1.54056Å)で行われる薬物製品中のアキシチニブXXV型の注釈付き粉末X線回折パターンを示す図である。
【図3】Siemens D5000回折計、(λ=1.54056Å)で行われる薬物製品中のアキシチニブXLI型の注釈付き粉末X線回折パターンを示す図である。
【図4】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われるアキシチニブIV型の炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図5】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われる薬物製品中のアキシチニブIV型の炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図6】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われる薬物製品中のアキシチニブIV型の注釈付き炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図7】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われる薬物製品中のアキシチニブXXV型の炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図8】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われる薬物製品中のアキシチニブXXV型の注釈付き炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図9】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われる薬物製品中のアキシチニブXLI型の炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図10】ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置された7mmのBruker−Biospin CPMASプローブで行われる薬物製品中のアキシチニブXLI型の注釈付き炭素交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)固体状態核磁気共鳴スペクトルを示す図である。アスタリスクの印が付いているピークは、スピニングサイドバンドである。
【図11】Nicolet6700FTIR分光計に接続されたNicolet NXR FT−ラマンアクセサリーで行われるアキシチニブIV型のフーリエ変換(FT)−ラマンスペクトルを示す図である。
【図12】Nicolet6700FTIR分光計に接続されたNicolet NXR FT−ラマンアクセサリーで行われる薬物製品中のアキシチニブIV型の注釈付きフーリエ変換(FT)−ラマンスペクトルを示す図である。
【図13】Nicolet6700FTIR分光計に接続されたNicolet NXR FT−ラマンアクセサリーで行われる薬物製品中のアキシチニブXXV型の注釈付きフーリエ変換(FT)−ラマンスペクトルを示す図である。
【図14】Nicolet6700FTIR分光計に接続されたNicolet NXR FT−ラマンアクセサリーで行われる薬物製品中のアキシチニブXLI型の注釈付きフーリエ変換(FT)−ラマンスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本明細書で使用されている場合、「cc」は、立方センチメートルを意味し、「cP」は、センチポアズでの粘度を意味し、「FCT」は、フィルムコーティング錠を意味し、「FT」は、フーリエ変換を意味し、「等級」という用語は、品質標準または純度標準を指し、「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを意味し、「HDPE」は、高密度ポリエチレンを意味し、「HPMC」は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを意味し、「ICH」は、International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useを意味し、「mgW」は、ミリグラム重量を意味し、「N/A」は、該当なしを意味し、「No.」は、番号を意味し、「開放(open)」は、開放された浅いガラス皿を意味し、「PSI」は、平方インチ当たりポンドを意味し、「PXRD」は、粉末X線回折を意味し、「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンを意味し、「QT」は、クオートを意味し、「tab」は、錠剤を意味し、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「SSNMR」は、固体状態核磁気共鳴を意味し、「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを意味し、「UV」は、紫外を意味し、「w/w」は、重量/重量を意味し、「w/w%」は、重量/重量パーセントを意味する。
【0091】
本明細書で使用されている場合、「活性医薬成分」または「API」は、医薬組成物、製剤、薬物製品または単位剤形中の生物学的に活性な物質である。具体的には、アキシチニブが、本発明の医薬組成物または薬物製品中の活性医薬成分である。
【0092】
本明細書で使用されている場合、「薬物製品」とは、製剤化された活性医薬成分を指す。例えば、薬物製品は、活性医薬成分および添加剤を含有する錠剤またはカプセルを指すことがある。具体的には、薬物製品が、本発明の医薬組成物である。「薬物製品」および「医薬組成物」という用語は、互換的に使用されてもよい。
【0093】
本明細書で使用されている場合、「有効」量とは、疾患症状の重症度の減少、疾患症状が無い期間の頻度および持続期間の増加、または疾患苦痛に起因する機能障害または能力障害の予防をもたらすのに十分な量である化合物、薬剤、物質、製剤または組成物の量を指す。量は、単独でまたは他の化合物、薬剤もしくは物質との組合せで、単一投与量としてのまたは複数の投与量レジメンに従った量であってよい。当業者は、対象の大きさ、対象の症状の重症度、および選択される特定の組成物または投与経路などの要因に基づいてそのような量を決定することができるであろう。
【0094】
「薬学的に許容できる塩(複数可)」という語句は、本明細書で使用されている場合、他に指示がない限り、アキシチニブ中に存在し得る塩基性基の塩を包含する。アキシチニブは、塩基性の性質であり、様々な無機酸および有機酸と多種多様の塩を形成する能力がある。アキシチニブの薬学的に許容できる酸付加塩を調製するために使用されてもよい酸は、無毒性の酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)]塩などの、薬理学的に許容できる陰イオンを含有する塩を形成するものである。アキシチニブは、上に述べられている酸に加えて、様々なアミノ酸と薬学的に許容できる塩を形成し得る。
【0095】
「対象」という用語は、本明細書で使用されている場合、ヒトまたは非ヒト哺乳類(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、サル、他の下等霊長類など)であってよい。
【0096】
「治療すること」という用語は、本明細書で使用されている場合、他に指示がない限り、そのような用語が当てはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の進行を逆転、軽減、阻害すること、またはそのような用語が当てはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を予防することを意味する。「治療」という用語は、本明細書で使用されている場合、他に指示がない限り、「治療すること」が直前で定義されているように、治療する行為を指す。
【0097】
「単位剤形」とは、本明細書で使用されている場合、治療される対象にとって適切な本発明製剤の物理的に分離した単位を指す。しかしながら、本発明の組成物の全1日用法は、健全な医学的判断の範囲内で主治医により決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象にとっての具体的な有効投与量レベルは、治療されている障害および障害の重症度、用いられる具体的な組成物、対象の年齢、体重、全般的健康、性別および食事、投与の時間、治療の継続期間、本発明組成物と組合せてまたは同時に使用される薬物および/または追加の治療法を包含する様々な要因、ならびに医学的技術においてよく知られているような要因によって異なるであろう。
【0098】
本発明の薬学的に許容できる組成物または医薬組成物は、経口投与に適している固体医薬組成物または製剤であってよい。固体製剤は、錠剤またはハードシェルカプセルなどのカプセルであってよい。一実施形態において、錠剤は、フィルムコーティング錠である。カプセルは、乾燥充填カプセルまたはミクロスフェア充填カプセルであってよい。
【0099】
医薬組成物は、アキシチニブまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む。ある実施形態において、アキシチニブは、含量が均一であるために許容できる平均粒径を有する。アキシチニブに適している粒径は、D(v、0.5)NMT25ミクロンまたはD(v、0.9)NMT81ミクロンであってよい。D(v、0.5)NMT25ミクロンは、粒子の50%が、25ミクロンより小さく、50%が、より大きいことを意味している。D(v、0.9)NMT81ミクロンは、粒子の90%が、81ミクロンより小さく、10%が、より大きいことを意味している。
【0100】
ある実施形態において、本発明は、アキシチニブまたはその医薬塩を含む光安定な医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、アキシチニブおよび添加剤を含む光安定な医薬組成物、またはその医薬塩に関する。
【0101】
別の実施形態において、本発明は、コアおよびコーティングを含む光安定な医薬組成物であって、コアが、アキシチニブまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含み、コーティングが、金属酸化物を含む医薬組成物に関する。
【0102】
本発明の医薬組成物は、コアおよびコーティングを包含する。コアは、アキシチニブまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を包含する。薬学的に許容できるコア添加剤は、充填剤、崩壊剤および滑沢剤を包含し得る。
【0103】
適当な充填剤または賦形剤は、当技術分野において知られている。適当な充填剤は、延性充填剤および脆性充填剤を包含する。例えば、適当な充填剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、ラクチトール、デンプン、デキストリン、グルコース、ケイ酸、スクロース、ソルビトール、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、キシリトール、アスパルテーム、マンニトール、ポリビニルピロリドン、低分子量ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低分子量カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、リン酸二カルシウムなどの適当な無機カルシウム塩、アルギネート、ゼラチン、ポリエチレンオキシド、アラビアゴム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびポリメタクリレート、またはそれらの組合せを包含するが、それらに限定されるものではない。一実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロースおよびラクトース一水和物、またはそれらの組合せからなる群から選択される薬剤を包含する。充填剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約87重量パーセントから約97重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、充填剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約89重量パーセントから約97重量パーセントまでを占める。別の実施形態において、充填剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約92重量パーセントから約97重量パーセントまでを占める。別の実施形態において、充填剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約87重量パーセントから約95重量パーセントまでを占める。別の実施形態において、充填剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約90重量パーセントから約95重量パーセントまでを占める。
【0104】
適当な崩壊剤も、当技術分野において知られている。適当な崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウム、またはそれらの組合せを包含するが、それらに限定されるものではない。一実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムを包含する。崩壊剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約2重量パーセントから約5重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、崩壊剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約2重量パーセントから約4重量パーセントまでを占める。
【0105】
適当な滑沢剤も、当技術分野において知られている。適当な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムのラウリル硫酸ナトリウムとの混合物、またはそれらの組合せを包含するが、それらに限定されるものではない。一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムを包含する。滑沢剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約0.25重量パーセントから約5重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、滑沢剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約0.25重量パーセントから約3重量パーセントまでを占める。
【0106】
本発明の適当なコーティングまたはコーティング添加剤は、金属酸化物を包含する。ある実施形態において、金属酸化物コーティングまたはコーティング添加剤は、酸化鉄を包含する。酸化鉄などの金属酸化物は、コーティング製剤または組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約5重量パーセントから約20重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、酸化鉄などの金属酸化物は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約7重量パーセント、約9重量パーセントまたは約18重量パーセントを占める。ある実施形態において、酸化鉄などの金属酸化物は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約7重量パーセント、約9.5重量パーセントまたは約17.5重量パーセントを占める。ある実施形態において、酸化鉄などの金属酸化物は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約7重量パーセントを占める。
【0107】
ある実施形態において、コーティングまたはコーティング添加剤は、酸化鉄などの金属酸化物を包含し、ポリマー、可塑剤、乳白剤、賦形剤または充填剤、および着色剤をさらに包含し得る。
【0108】
ある実施形態において、本発明のコーティングは、水性コーティングである。本発明のコーティングまたは水性コーティングは、ポリマー、可塑剤、乳白剤、薬学的に許容できる賦形剤または充填剤および場合により着色剤を含む。
【0109】
適当なポリマーは、当技術分野において知られている。適当なポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体を包含するが、それらに限定されるものではない。ポリマーのさらなる例は、ポリビニルピロリドンなどのビニルを包含する。ある実施形態において、ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。ポリマーは、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約25重量パーセントから約30重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、ポリマーは、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約28重量パーセントを占める。
【0110】
適当な可塑剤は、当技術分野において知られている。適当な可塑剤は、グリセロールおよびポリエチレングリコールなどの多価アルコールならびにトリアセチンとして知られているグリセロールトリアセテートまたはグリセリルトリアセテートなどの酢酸エステル、ならびにクエン酸トリエチルを包含するが、それらに限定されるものではない。ある実施形態において、可塑剤は、トリアセチンである。可塑剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約5重量パーセントから約10重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、可塑剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約8重量パーセントを占める。
【0111】
適当な乳白剤は、当技術分野において知られている。適当な乳白剤は、二酸化チタンまたは酸化鉄などの金属酸化物、およびタルクを包含するが、それらに限定されるものではない。ある実施形態において、乳白剤は、二酸化チタンおよび酸化鉄である。ある実施形態において、乳白剤は、二酸化チタンである。ある実施形態において、乳白剤は、酸化鉄である。乳白剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約4重量パーセントから約25重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、乳白剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約4重量パーセントから約20重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、乳白剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約24重量パーセントを占める。ある実施形態において、乳白剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約6重量パーセント、約14重量パーセントまたは約17重量パーセントを占める。ある実施形態において、乳白剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約17重量パーセントを占める。
【0112】
適当な充填剤または賦形剤は、当技術分野において知られている。適当な充填剤は、延性充填剤および脆性充填剤を包含する。例えば、適当な充填剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、ラクチトール、デンプン、デキストリン、グルコース、ケイ酸、スクロース、ソルビトール、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、キシリトール、アスパルテーム、マンニトール、ポリビニルピロリドン、低分子量ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低分子量カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、リン酸二カルシウムなどの適当な無機カルシウム塩、アルギネート、ゼラチン、ポリエチレンオキシド、アラビアゴム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびポリメタクリレート、またはそれらの組合せを包含するが、それらに限定されるものではない。一実施形態において、充填剤は、ラクトース一水和物である。充填剤は、コーティング組成物の総重量を基準として、重量でコーティングの約40重量パーセントを占める。
【0113】
場合により、本発明の組成物は、着色剤または流動促進剤を包含し得る。そのような着色剤は、多くの商業ベンダーから入手可能であり、当業者によく知られている。ある実施形態において、着色剤は、酸化鉄などの金属酸化物である。適当な流動促進剤は、当技術分野において知られている。適当な流動促進剤は、二酸化ケイ素、タルクおよびコーンスターチを包含するが、それらに限定されるものではない。
【0114】
ある種の実施形態において、フィルムコーティング錠のためのコーティングは、充填剤、ポリマー、可塑剤、乳白剤および着色酸化鉄を含有するフィルムコーティングシステムを包含する。適当なフィルムコーティングシステムは、Opadry(登録商標)II Complete Film Coating System(Colorcon)である。一実施形態において、コーティングは、Opadry(登録商標)II Red、Opadry(登録商標)II Yellow、およびOpadry(登録商標)II Grayからなる群から選択される。別の実施形態において、コーティングは、Opadry(登録商標)II Redである。
【0115】
Opadry(登録商標)II Red、Opadry(登録商標)II YellowおよびOpadry(登録商標)II Grayフィルムコーティングシステムの組成は、下の表1に示されている。
【0116】
【表1】

【0117】
本発明のコーティングまたはコーティング添加剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約1重量パーセントから約8重量パーセントまでを占める。本発明のコーティングまたはコーティング添加剤は、組成物の総重量を基準として、組成物の約1重量パーセントから約9重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、本発明のコーティングは、組成物の総重量を基準として、組成物の約2重量パーセントから約5重量パーセントまでを占める。ある実施形態において、本発明のコーティングは、組成物の総重量を基準として、組成物の約4重量パーセントを占める。
【0118】
ある実施形態において、アキシチニブ1mgXLI型赤色フィルムコーティング錠の組成は、下の表2に示されている。
【0119】
【表2】

【0120】
本発明の組成物の実施形態において、秤量されるアキシチニブの正確な量は、効力に合わせて調整されることが理解されるであろう。アキシチニブの効力は、遊離塩基型またはその医薬塩で、組成物において、アキシチニブの遊離塩基の望ましいmgに達するのに必要とされる遊離塩基型またはその医薬塩でのアキシチニブの正確な重量を計算するために決定されるであろう。
【0121】
ある実施形態において、アキシチニブ3mgXLI型赤色フィルムコーティング錠の組成は、下の表3に示されている。
【0122】
【表3】

【0123】
ある実施形態において、アキシチニブ5mgXLI型赤色フィルムコーティング錠の組成は、下の表4に示されている。
【0124】
【表4】

【0125】
ある実施形態において、アキシチニブ7mgXLI型赤色フィルムコーティング錠の組成は、下の表5に示されている。
【0126】
【表5】

【0127】
本発明の医薬組成物または固形製剤は、医薬産業において一般に利用可能な機器を使用する従来の乾式造粒、直接圧縮、湿式造粒、薬物レイヤリングまたは液体充填製造プロセスにより製造することができる。
【0128】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物または固体製剤は、医薬産業において一般に利用可能な機器を使用するブレンディング、ミル粉砕、ブレンド滑沢化、ローラー圧密およびミル粉砕、ブレンド滑沢化、圧縮、および水性ベースのフィルムコーティングを包含する従来の乾式造粒製造プロセスにより製造することができる。
【0129】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、下に記載されているプロセスを使用して製造することができる。
ブレンドし乾式造粒する
ステップ1.適当な拡散式混合機中に微結晶性セルロース、アキシチニブ、クロスカルメロースナトリウムおよびラクトース一水和物を投入し、ブレンドする。
ステップ2.適当な拡散式混合機中に適当なスクリーニングミルを通してステップ1のブレンドをミル粉砕する。
任意選択のステップ3.場合により、適当な拡散式混合機中にステップ2のブレンドを投入し、次いで、ブレンドする。
ステップ4.ステップ2またはステップ3の適当な拡散式混合機中にステアリン酸マグネシウム(おおよそ3分の1)を投入し、次いで、ブレンドする。
ステップ5.乾式造粒機を使用してステップ4のブレンドを乾式造粒する。
ステップ6.適当な拡散式混合機中に適当なスクリーニングミルを使用してステップ5の圧密されたブレンドをミル粉砕する。
任意選択のステップ7.場合により、適当な拡散式混合機中にステップ6のブレンドを投入し、次いで、ブレンドする。
ステップ8.ステップ6の適当な拡散式混合機中にステアリン酸マグネシウム(おおよそ3分の2)を投入し、次いで、ブレンドする。
コア錠剤の調製
ステップ9.錠剤プレスでステップ8の造粒されたブレンドを圧縮し、コア錠剤に圧縮する。
フィルムコーティング錠の調製
ステップ10.容器に精製水を添加する。プロペラミキサーで内容物を混合している間に、適当なコーティング添加剤を添加し、固形物が、十分に分散されて塊がなくなるまで混合する。
任意選択のステップ11.容器に精製水を添加する。プロペラミキサーで内容物を混合している間に、Opadry(登録商標)Clear(YS−2−19114−A)を添加し、固形物が、完全に溶解されるまで混合する。
ステップ12.適当なパンコーター中にステップ9の適当なパン負荷量の錠剤コアを投入する。
ステップ13.適切な速度でコーティングパンを回転させながら、適切なレベルのコーティングが達成されるまでステップ10のコーティング懸濁液を適用する。
任意選択のステップ14.適切な速度でコーティングパンを回転させながら、適切なレベルのコーティングが達成されるまでステップ11のコーティング懸濁液を適用する。
【0130】
ある実施形態において、アキシチニブ1mgXLI型赤色フィルムコーティング錠は、下に記載されている手順に従って調製される。
ステップ1.適当な拡散式混合機中に微結晶性セルロース、アキシチニブ、クロスカルメロースナトリウムおよびラクトース一水和物を投入し、ブレンドする。
ステップ2.拡散式混合機中に適当なスクリーニングミルを通してステップ1のブレンドをミル粉砕する。
ステップ3.ステップ2の拡散式混合機中にステアリン酸マグネシウム(おおよそ3分の1)を投入し、次いで、ブレンドする。
ステップ4.乾式造粒機を使用してステップ3のブレンドを乾式造粒する。
ステップ5.拡散式混合機中に適当なスクリーニングミルを使用してステップ4の圧密されたブレンドをミル粉砕する。
ステップ6.ステップ5の拡散式混合機中にステアリン酸マグネシウム(おおよそ3分の2)を投入し、次いで、ブレンドする。
ステップ7.錠剤プレスでステップ6の造粒されたブレンドを圧縮し、錠剤に圧縮する。
ステップ8.容器に精製水を添加する。プロペラミキサーで内容物を混合している間に、Opadry(登録商標)II Redを添加し、固形物が、十分に分散されて塊がなくなるまで混合する。
ステップ9.適当なパンコーター中にステップ7の適当なパン負荷量の錠剤コアを投入する。
ステップ10.適切な速度でコーティングパンを回転させながら、適切なレベルのコーティングが達成されるまでステップ8のコーティング懸濁液を適用する。
【0131】
ある実施形態において、アキシチニブ3mg、5mgおよび7mgXLI型赤色フィルムコーティング錠は、5mg錠剤が、2つの部分でフィルムコーティングされることを除いて、アキシチニブ1mgXLI型赤色フィルムコーティング錠について直前に記載されている手順に従って調製される。
【0132】
あるいは、本発明の活性医薬成分および添加剤は、乾燥充填カプセルまたはミクロスフェア充填カプセルとも呼ばれるハードシェルカプセル中に充填されてもよい。カプセル製剤および製造プロセスは、錠剤コア製剤および製造プロセスと同様である。ハードシェルカプセルは、ゼラチンおよび水またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、水およびゲル化剤(ゲランガムまたはカラギーナン)からなってもよい。そのようなカプセル組成物は、水性コーティングを利用しない。カプセル化された医薬組成物は、崩壊剤約2.0重量パーセントから約10重量パーセント、流動促進剤約0.1重量パーセントから約0.5重量パーセント、滑沢剤約0.25重量パーセントから約5.0重量パーセントおよび賦形剤または充填剤約81.0重量パーセントから約96重量パーセントを含む。
【0133】
本発明の医薬組成物は、単位剤形に製剤化されてもよい。そのような製剤は、当業者によく知られている。ある実施形態において、本発明は、錠剤として固体単位剤形を含む医薬組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、ミクロスフェア充填カプセルまたは乾燥充填カプセルとして単位剤形を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、単位剤形は、アキシチニブ1mg、3mg、5mg、7mgまたは10mgを含有する。一部の実施形態において、単位剤形は、アキシチニブ1mg、5mg、または10mgを含有する。一部の実施形態において、単位剤形は、アキシチニブ1mgまたは5mgを含有する。一部の実施形態において、単位剤形は、アキシチニブ1mgまたは5mgを含有する錠剤を含む。一部の実施形態において、単位剤形は、アキシチニブ1mgと10mgの間を包含的に含有する。
【0134】
一部の実施形態において、満足のいく結果は、アキシチニブ、または薬学的に許容できるその塩が、1日2回の分割投与量で与えられてもよい、約1mgから約25mgまでの1日用量で投与される場合に得られる。総1日用量は、1日2回の約1mgから約10mgまで、好ましくは、1日2回の約5から約10mgまでであると予測される。この用量レジメンは、最適な治療応答を提供するために調整されてもよい。例えば、いくつかの分割投与量が、治療状況の緊急性により指示されるように比例して減量または増量されてもよい。
【0135】
ある実施形態は、対象において異常な細胞成長を治療する方法であって、ある量の本発明による医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法に関する。ある実施形態において、異常な細胞成長は、がんである。別の実施形態において、がんは、肝がん、黒色腫、中皮腫、非小細胞肺がん、前立腺がん、腎細胞癌、軟組織肉腫および固形腫瘍である。
【0136】
本発明の医薬組成物は、光分解および酸化的分解を包含する分解からのアキシチニブの保護を提供する。ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、光分解からのアキシチニブの保護を提供する。
【0137】
本発明の医薬組成物は、長期貯蔵の間中の分解からのアキシチニブの保護を提供する。長期貯蔵は、少なくとも9カ月、少なくとも12カ月、少なくとも24カ月または少なくとも36カ月であってよい。ある実施形態において、長期貯蔵は、少なくとも36カ月であってよい。
【0138】
本発明の医薬組成物の分解生成物は、光分解物および酸化的分解物を包含する。光分解物は、下に示されている式I、式IIおよび式IIIの化合物を包含する。式Iの化合物は、2+2二量体と呼ばれることがあり、式IIの化合物は、非対称二量体と呼ばれることがあり、式IIIの化合物は、シス異性体と呼ばれることがある。酸化的分解物は、スルホキシド誘導体と呼ばれることがある式IVの化合物を包含する。
【0139】
【化9】

【0140】
2+2二量体およびシス異性体は、アキシチニブIV型およびXXV型を含む医薬組成物の主要な光分解物である。非対称二量体およびシス異性体は、アキシチニブXLI型を含む医薬組成物の主要な光分解物である。
【0141】
HPLC、SFC、TLCは、光分解物および酸化的分解物を包含する分解生成物を検出するために使用することができる技法である。
【0142】
適当なHPLCアッセイの例は、分解生成物および製剤添加剤からアキシチニブを分離するために使用することができるグラジエント溶離逆相液体クロマトグラフィーである。試料および標準品についてのアキシチニブのピーク面積応答および保持時間の比較は、アキシチニブの定量的アッセイおよび同定試験を提供する。本発明の分解生成物は、アキシチニブに対するそれらの保持時間により同定され、面積パーセントにより定量化される。
【0143】
アッセイは、当技術分野においてよく知られている機器、方法論および試薬で行うことができる。例えば、アッセイは、適当な液体クロマトグラフを利用することができる。適当な液体クロマトグラフは、ポンプ、定流量送達、紫外(UV)検出器、インジェクターまたはオートサンプラー、および/またはカラムヒーターを包含することができる。適当な液体クロマトグラフは、約205nmと約400nmの間で動作する能力があるUV検出器、約1から約100マイクロリットル注入を行う能力のあるインジェクターまたはオートサンプラー、および/または25℃の温度を維持する能力のあるカラムヒーターを包含することができる。適当な液体クロマトグラフは、インテグレーター/データ取得システムを包含することできる。アッセイは、HPLCカラムを利用することができる。適当なカラムは、Waters Symmetry C18、5ミクロン4.6mmID×150mm長カラムである。アッセイは、試料フィルターを利用することができる。適当な試料フィルターは、0.45μmPTFE膜付きのAcrodisc(登録商標)CR 25mmシリンジフィルター(PALL Life Sciences、部品番号4219T)である。アッセイは、分析用天秤を利用することができる。適当な分析用天秤は、±0.01mgまで測定する能力がある。アッセイは、超音波浴を利用することができる。適当な超音波浴は、Bransonic Ultrasonic Cleaner 3210R−MTである。アッセイは、往復式メカニカルシェーカーを利用することができる。適当な往復式メカニカルシェーカーは、IKA Labortechnik HS501シェーカーである。アッセイは、琥珀色の容積測定ガラス器具およびオートサンプラーバイアルを利用することもできる。
【0144】
アキシチニブは、活性医薬成分として、複数の結晶型または多形型で存在することができる。アキシチニブの結晶型は、IV型、XXV型およびXLI型を包含する。アキシチニブAPIの結晶性IV型は、米国出願公開第2006−0094763号に記載されている。アキシチニブAPIの結晶性XXV型およびXLI型は、米国出願公開第2010−0179329号に記載されている。これらの形は、本発明の医薬組成物などの薬物製品に製剤化されてもよい。各結晶型は、生物学的利用能、安定性、および製造可能性などの特性の点で他の型を上回る利点を有し得る。
【0145】
本発明の医薬組成物は、API、アキシチニブ、または薬学的に許容できるその塩を含有する。本発明の医薬組成物または薬物製品で製剤化されるようなアキシチニブの各結晶型は、下記のうちの1つまたは複数により特徴付けることができる:粉末X線回折パターン(すなわち、様々な回折角(2θ)におけるX線回折ピーク)、固体状態核磁気共鳴(NMR)スペクトル、ラマンスペクトル、水溶性、ICH高強度光条件下での光安定性、ならびに物理的および化学的貯蔵安定性。
【0146】
本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブの多形性のIV型、XXV型、およびXLI型は、各々、それらの粉末X線回折パターン中のピークの位置により特徴付けられた。粉末X線回折パターンは、製剤化されたアキシチニブの多形型の各々について異なる。例えば、薬物製品中のアキシチニブのIV型、XXV型、およびXLI型は、粉末X線回折を使用することにより互いにおよび製剤化されたアキシチニブの他の多形型と区別することができる。本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブの特徴的な粉末X線回折ピークの検出は、薬物製品または医薬組成物中のアキシチニブの多形性のIV型、XXV型、およびXLI型の一意的同定を可能にする。
【0147】
アキシチニブ医薬組成物の粉末X線回折パターンは、銅放射線(Cu Kα1、波長:1.54056Å)を使用するSiemens D5000回折計を使用して作成した。機器に、直線集束X線管を取り付けた。管の電圧およびアンペア数は、それぞれ38kVおよび38mAに設定した。発散スリットおよび散乱スリットは、1mmに設定し、受光スリットは、0.6mmに設定した。回折されたCu Kα1放射線は、Sol−Xエネルギー分散型X線検出器により検出した。錠剤は、小さな瑪瑙乳鉢および乳棒で軽く粉砕することにより分析用に調製した。次いで、粉末試料を石英ホルダーに入れた。3.0から40°2θまでの0.2°2θ/分(12秒/0.04°2θステップ)におけるθ2θ連続スキャンを使用した。データを集め、BRUKER AXS DIFFRAC PLUSソフトウェアバージョン2.0を使用して分析した。アルミナ標準品を分析し、機器アラインメントをチェックした。試料は、石英ホルダーに試料を入れることにより調製した。Bruker Instrumentsは、Siemensから購入したことが留意されるべきであり、したがってBruker D5000機器は、Siemens D5000と本質的に同じである。Eva Application 9.0.0.2ソフトウェアを使用し、PXRDスペクトルを可視化して評価した。一般的に、1の閾値および0.3の幅値を使用し、予備的なピーク帰属を行った。自動化された帰属の出力を、視覚的にチェックし、妥当性および調整が、必要ならば手動で行われることを保証した。加えて、ピークを、適切ならばスペクトル内において手動で帰属した。薬物製品または医薬組成物中のアキシチニブの多形性のIV型、XXV型、およびXLI型についての特徴的なピーク値は、下の表4、5、および6に要約されている。
【0148】
本明細書で報告される測定のために使用されるBrukerシステムのようなBragg−Brentano機器でX線回折測定を行うため、試料を、典型的には、空洞を有するホルダーの中に入れる。試料粉末をガラススライドまたは同等物により押し付け、ランダムな表面および適切な試料高を確保する。次いで、試料ホルダーを機器の中に入れる。入射X線ビームを、初めはホルダー面に対して小さな角度で試料に向け、次いで、入射ビームとホルダー面の間の角度を連続的に増加させる円弧に沿って移動させる。
【0149】
そのようなX線粉末分析に関連した測定差は、(a)試料調製における誤差(例えば、試料高)、(b)機器誤差(例えば、平面試料誤差)、(c)較正誤差、(d)操作者誤差(ピーク位置を決定する場合に存在する誤差を包含する)、および(e)材料の性質(例えば、好ましい配向性および透明度誤差)を包含する様々な要因から生じる。較正誤差および試料高誤差は、同じ方向で全てのピークのシフトをもたらすことが多い。平面ホルダーを使用する場合の試料高における小さな差は、XRPDピーク位置における大きな移動につながるであろう。系統的な研究は、典型的なBragg−Brentano配置でShimadzu XRD−6000を使用すると、1mmの試料高差が、1°2θと同じ高さのピークシフトにつながることを明らかにした(Chen他、J Pharmaceutical and Biomedical Analysis、26:63(2001))。これらのシフトは、X線ディフラクトグラムから識別することができ、シフトについて補正すること(系統的な補正係数をすべてのピーク位置値に適用すること)、または機器を再較正することにより除去することができる。上に述べられているように、ピーク位置を一致させるために系統的な補正係数を適用することにより、様々な機械からの測定値を修正することが可能である。一般に、この補正係数は、Brukerからの測定ピーク位置を、期待されるピーク位置と一致させるはずであり、0〜0.2°2θの範囲であってよい。
【0150】
当業者は、ピーク位置(2θ)が、一部の装置間変動、典型的には、約0.1°2θを示すことを理解しているであろう。したがって、ピーク位置(2θ)が報告される場合、当業者は、そのような数字が、そのような装置間変動を包含することが意図されていることを理解しているであろう。さらに、本発明の結晶型が、所与の図に示されているものと本質的に同じ粉末X線回折パターンを有していると記載されている場合、「本質的に同じ」という用語は、回折ピーク位置におけるそのような装置間変動を包含することも意図されている。
【0151】
粉末X線回折ピークリスト内の反射の強度は、典型的には、試料スペクトル内の最大強度反射に関して表される。当業者は、API PXRDピークリスト内の反射の相対ピーク強度が、装置間変動ならびにX線ビーム中の結晶の好ましい配向効果、分析されている材料の純度、または試料の結晶化度などの多くの要因に起因する変動を示すことを理解しているであろう。薬物製品試料内のAPI反射の相対強度は、上に述べられている要因ならびに製剤化の結果としてもたらされる追加の要因によって変わることがある。薬物製品製剤の大部分は、典型的には、添加剤からなることから、X線ビーム中の添加剤結晶の好ましい配向効果、薬物製品試料内の結晶性添加剤材料の純度、薬物製品試料内の添加剤の結晶化度、薬物製品内の各添加剤の負荷、および薬物製品内のAPI負荷も、薬物製品PXRDピークリスト内で反射の相対強度を変化させることがある。
【0152】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性IV型は、図1に示されているPXRDパターンにより特徴付けられた。°2θおよび相対強度で表されるPXRDパターンは、表6に示されている。
【0153】
【表6】

【0154】
本発明の医薬組成物中のIV型アキシチニブは、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1、12.0±0.1、14.5±0.1、15.7±0.1および19.1±0.1のいずれか1つまたは複数を含む粉末X線回折パターンにより同定することができる。
【0155】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性XXV型は、図2に示されているPXRDパターンにより特徴付けられた。°2θおよび相対強度で表されるPXRDパターンは、表7に示されている。
【0156】
【表7】

【0157】
本発明の医薬組成物中のXXV型アキシチニブは、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:5.1±0.1、8.0±0.1、10.1±0.1および10.7±0.1のいずれか1つまたは複数を含む粉末X線回折パターンにより同定することができる。
【0158】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性XLI型は、図3に示されているPXRDパターンにより特徴付けられた。°2θおよび相対強度で表されるPXRDパターンは、表8に示されている。
【0159】
【表8】

【0160】
本発明の医薬組成物中のXLI型アキシチニブは、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1、11.9±0.1、14.8±0.1および15.6±0.1のいずれか1つまたは複数を含む粉末X線回折パターンにより同定することができる。
【0161】
アキシチニブAPIの多形性のIV型ならびに本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブの多形のIV型、XXV型、およびXLI型は、各々、13C SSNMR分光法を使用して特徴付けられた。13C固体状態スペクトルは、製剤化されたアキシチニブの多形型の各々について異なる。例えば、薬物製品中のIV型、XXV型、およびXLI型は、13C SSNMRを使用することにより互いにおよび製剤化されたアキシチニブの他の多形型と区別することができる。本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブの特徴的な13C固体状態スペクトルの検出は、薬物製品または医薬組成物中のアキシチニブの多形性のIV型、XXV型、およびXLI型の一意的同定を可能にする。
【0162】
アキシチニブAPIのIV型の13C固体状態スペクトルは、下記の通り集めた。試料おおよそ80mgを、4mmのZrOローターに密に充填した。スペクトルは、ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置されたBruker−Biospin 4mm CPMASプローブで周囲の温度および圧力にて集めた。充填したローターを、マジック角に方向を合わせ、15.0kHzにて回転させた。13C固体状態スペクトルは、プロトンデカップル交差分極マジック角回転(CPMAS)実験を使用して集めた。交差分極接触時間は、2.0msに設定した。おおよそ90kHzのプロトンデカップリング磁場を印加した。550のスキャンを、30秒のリサイクルディレイで集めた。炭素スペクトルは、その高磁場共鳴が29.5ppmに設定されている結晶性アダマンタンの外部標準を使用して参照した。
【0163】
本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブのIV型、XXV型、およびXLI型の13C固体状態スペクトルは、下記の通り集めた。本発明のフィルムコーティング錠を、乳鉢および乳棒で軽く粉砕した。粉砕された試料おおよそ300mgを、7mmのZrOローターに密に充填した。スペクトルは、ワイドボアBruker−Biospin DSX 500MHz(H周波数)NMR分光計内に配置されたBruker−Biospin 7mm交差分極マジック角回転(CPMAS)プローブで周囲の温度および圧力にて集めた。充填したローターを、マジック角に方向を合わせ、7.0kHzにて回転させた。13C固体状態スペクトルは、スピニングサイドバンドの全抑制と併せてプロトンデカップルCPMAS実験を使用して集めた。交差分極接触時間は、2.0msに設定した。おおよそ76kHzのプロトンデカップリング磁場を印加した。アキシチニブIV型製剤のスペクトルは、22.5秒のリサイクルディレイで6,800のスキャンについて取得した。アキシチニブXXV型製剤のスペクトルは、110秒のリサイクルディレイで1,536のスキャンについて取得した。アキシチニブXLI型製剤のスペクトルは、220秒のリサイクルディレイで768のスキャンについて取得した。リサイクルディレイは、対応するAPI参照のプロトン縦緩和時間のおおよそ1.25倍に調整した。炭素スペクトルは、その高磁場共鳴が29.5ppmに設定されている結晶性アダマンタンの外部標準を使用して参照した。
【0164】
自動ピークピッキングは、Bruker−BioSpin TopSpinバージョン2.1ソフトウェアを使用して行った。ピークピッキング領域を規定し、添加剤共鳴を排除した。自動化されたピークピッキングの出力を、視覚的にチェックし、妥当性および調整が、必要ならば手動で行われることを保証した。13C CPMAS TOSS実験において抑制されないスピニングサイドバンド強度は、ピークリストから手動で除去した。
【0165】
CPMAS炭素スペクトル内の化学シフトの強度は、試料スペクトル内の最大強度化学シフトに関するピーク高として表すことができる。当業者により理解されているように、活性医薬成分固体状態NMRピークリスト内の化学シフトの相対強度は、CPMAS実験パラメーターの実際の設定、試料の熱履歴、分析されている材料の純度、および試料の結晶化度などの多くの要因によって変わる可能性がある。薬物製品試料内の活性医薬成分化学シフトの相対強度は、上に述べられている要因ならびに製剤化の結果としてもたらされる追加の要因によって変わる可能性がある。当業者は、強められたCPMASが、必ずしも定量的でないことも理解しているであろう。薬物製品製剤の大部分は、典型的には、添加剤からなることから、薬物製品試料内の添加剤材料の純度、薬物製品試料内の添加剤の結晶化度、薬物製品内の各添加剤の負荷、および薬物製品内の活性医薬成分負荷も、薬物製品固体状態NMRピークリスト内で化学シフトの相対強度を変化させる可能性がある。
【0166】
アキシチニブAPIの結晶性IV型は、図4に示されている固体状態NMRスペクトルにより特徴付けられた。アキシチニブAPIの結晶性IV型の13C化学シフトは、表9に示されている。
【0167】
【表9】

【0168】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性IV型は、図5および6に示されている固体状態NMRスペクトルにより特徴付けられた。薬物製品中のアキシチニブの結晶性IV型の13C化学シフトは、表10に示されている。
【0169】
【表10】

【0170】
本発明の医薬組成物中のIV型アキシチニブは、百万分率で表される下記の13C化学シフト:170.0±0.2、154.2±0.2、143.3±0.2、142.1±0.2、133.4±0.2、126.3±0.2、121.3±0.2および27.8±0.2のいずれか1つまたは複数を含む固体状態核磁気共鳴により同定することができる。
【0171】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性XXV型は、図7および8に示されている固体状態NMRスペクトルにより特徴付けられた。薬物製品中のアキシチニブの結晶性XXV型の13C化学シフトは、表11に示されている。
【0172】
【表11】

【0173】
本発明の医薬組成物中のXXV型アキシチニブは、百万分率で表される下記の13C化学シフト:167.4±0.2、157.7±0.2、144.9±0.2、140.9±0.2、129.7±0.2、128.8±0.2、127.3±0.2、123.7±0.2、120.5±0.2、116.5±0.2および25.4±0.2のいずれか1つまたは複数を含む固体状態核磁気共鳴により同定することができる。
【0174】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性XLI型は、図9および10に示されている固体状態NMRスペクトルにより特徴付けられた。薬物製品中のアキシチニブの結晶性XLI型の13C化学シフトは、表12に示されている。
【0175】
【表12】

【0176】
本発明の医薬組成物中のXLI型アキシチニブは、百万分率で表される下記の13C化学シフト:142.6±0.2、136.8±0.2、136.2±0.2、133.7±0.2、132.1±0.2、121.4±0.2および119.8±0.2のいずれか1つまたは複数を含む固体状態核磁気共鳴により同定することができる。
【0177】
アキシチニブAPIの多形性IV型ならびに本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブの多形性IV型、XXV型、およびXLI型は、ラマン分光法を使用して各々特徴付けられた。ラマンスペクトルは、製剤化されたアキシチニブの多形型の各々について異なる。例えば、薬物製品中のアキシチニブのIV型、XXV型、およびXLI型は、ラマン分光法を使用することにより互いにおよび製剤化されたアキシチニブの他の多形型と区別することができる。本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブの特徴的なラマンスペクトルの検出は、薬物製品または医薬組成物中のアキシチニブの多形性IV型、XXV型、およびXLI型の一意的同定を可能にする。
【0178】
アキシチニブAPIのIV型のラマンスペクトルは、KBrビームスプリッターおよびd−TGS KBr検出器を取り付けたNicolet6700 FTIR分光計に接続されているNicolet NXR FT−ラマンアクセサリーを使用して集めた。分光計に、1064nmのNd:YVOレーザーおよび液体窒素冷却Germanium検出器を取り付ける。データ取得に先立って、機器性能および較正検証を、ポリスチレンを使用して行った。試料は、スペクトル収集中に回転させるガラスのNMR管内で分析した。スペクトルは、0.5Wのレーザー出力および400の同時加算スキャンを使用して集めた。収集範囲は、3700〜300cm−1とした。APIスペクトルは、2cm−1の分解能を使用して記録し、Happ−Genzelアポディゼーションを、スペクトルのすべてについて利用した。単一のスペクトルを各試料について記録し、ピークピッキングに先立って強度正規化した。
【0179】
ピークは、Thermo Nicolet Omnic 7.3aソフトウェアを使用して手動で同定した。ピーク位置は、ピーク最大値でピッキングし、したがってピークは、各側に勾配がある場合のみ同定し、ピーク上のショルダーは包含しなかった。ピーク位置と相対強度値は共に、ニートAPIについてのピークテーブルに報告される。ピーク位置は、標準実施法(0.5切り上げ、0.4切り下げ)を使用して最も近い整数に丸めた。相対強度値は、下記の区分:強(1〜0.75)、中(0.74〜0.3)および弱(0.29以下)を使用してニートAPIについて強(S)、中(M)および弱(W)にグループ化した。
【0180】
本発明の薬物製品または医薬組成物内のアキシチニブのIV型、XXV型、およびXLI型のラマンスペクトルは、KBrビームスプリッターおよびd−TGS KBr検出器を取り付けたNicolet6700 FTIR分光計に接続されているNicolet NXR FT−ラマンアクセサリーを使用して集めた。分光計に、1064nmのNd:YVOレーザーおよび液体窒素冷却Germanium検出器を取り付ける。錠剤試料は、静止錠剤ホルダー中で分析し、実験中に試料回転は行わなかった。スペクトルは、0.5Wのレーザー出力および100の同時加算スキャンを使用して集めた。収集範囲は、3700〜300cm−1とした。スペクトルは、4cm−1の分解能およびHapp−Genzelアポディゼーションを使用して記録した。
【0181】
単一のスペクトルを各試料について記録し、ピークピッキングに先立って強度正規化した。ピークは、Thermo Nicolet Omnic 7.3aソフトウェアを使用して手動で同定した。ピーク位置は、ピーク最大値で選び、したがってピークは、各側に勾配がある場合のみ同定し、ピーク上のショルダーは包含しなかった。APIピーク強度は、錠剤強度および組成物によって変わるであろう。ピーク位置は、標準実施法(0.5切り上げ、0.4切り下げ)を使用して最も近い整数に丸めた。相対強度値は、下記の区分:強(1〜0.75)、中(0.74〜0.3)および弱(0.29以下)を使用して薬物製品について強(S)、中(M)および弱(W)にグループ化した。
【0182】
当業者により理解されているように、活性医薬成分ラマンピークリスト内のバンドの相対強度は、利用される実験パラメーター、使用されるラマン分光計のタイプ(FT対分散型)、励起源の強度、分析されている材料の粒径および配向、分析されている材料の純度、ならびに試料の結晶化度などの多くの要因によって変わることがある。薬物製品試料内の活性医薬成分ラマンバンドの相対強度は、上に述べられている要因ならびに製剤化の結果としてもたらされる追加の要因によって変わることがある。薬物製品製剤の大部分は、添加剤からなることから、薬物製品試料内の結晶性添加剤材料の純度、薬物製品試料内の添加剤の結晶化度、薬物製品内の各添加剤の負荷、添加剤の同一性、ならびに薬物製品内の活性医薬成分負荷も、薬物製品ラマンピークリスト内でラマンバンドの相対強度を変化させることがある。
【0183】
アキシチニブAPIの結晶性IV型は、図11に示されているラマンスペクトルにより特徴付けられた。波数で表される薬物製品中のアキシチニブのラマンバンドは、表13に示されている。
【0184】
【表13−1】

【0185】
【表13−2】

【0186】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性IV型は、図12に示されているラマンスペクトルにより特徴付けられた。波数で表される薬物製品中のアキシチニブのラマンバンドは、表14に示されている。
【0187】
【表14】

【0188】
本発明の医薬組成物中のIV型アキシチニブは、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:690±2、791±2、806±2、850±2、997±2、1194±2、1242±2、1280±2、1309±2、1560±2、1589±2、1645±2および3054±2のいずれか1つまたは複数を含むラマンスペクトルにより同定することができる。
【0189】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性XXV型は、図13に示されているラマンスペクトルにより特徴付けられた。波数で表される薬物製品中のアキシチニブのラマンバンドは、表15に示されている。
【0190】
【表15】

【0191】
本発明の医薬組成物中のXXV型アキシチニブは、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:689±2、766±2、822±2、866±2、962±2、989±2、1212±2、1238±2、1350±2、1560±2、1587±2、1637±2および3067±2のいずれか1つまたは複数を含むラマンスペクトルにより同定することができる。
【0192】
実施例8で示されるように調製された薬物製品中のアキシチニブの結晶性XLI型は、図14に示されているラマンスペクトルにより特徴付けられた。波数で表される薬物製品中のアキシチニブのラマンバンドは、表16に示されている。
【0193】
【表16】

【0194】
本発明の医薬組成物中のXLI型アキシチニブは、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:399±2、692±2、760±2、835±2、995±2、1234±2、1564±2、1588±2、1647±2および3058±2のいずれか1つまたは複数を含むラマンスペクトルにより同定することができる。
【0195】
実施例
下記の実施例は、本発明を例示するために提供される。しかしながら、本発明は、下の実施例に記載されている具体的な条件または詳細に限定されないことが理解されるべきである。
【実施例1】
【0196】
Opadry(登録商標)II Blue、Orange、Red、YellowおよびGrayフィルムコーティングシステムの組成
Opadry(登録商標)II BlueおよびOpadry(登録商標)II Orangeフィルムコーティングシステムの組成は、下の表17に示されている。Opadry(登録商標)II Red、Opadry(登録商標)II YellowおよびOpadry(登録商標)II Grayフィルムコーティングシステムの組成は、上の表1に示されている。
【0197】
【表17】

【実施例2】
【0198】
アキシチニブ1mgIV型青色、橙色、赤色、黄色および灰色フィルムコーティング錠の調製
アキシチニブ1mgIV型青色、橙色、赤色、黄色および灰色フィルムコーティング錠の組成は、下の表18に示されている。
【0199】
【表18】

【0200】
アキシチニブ1mgIV型青色、橙色、赤色、黄色および灰色フィルムコーティング錠は、下に記載されている手順に従って調製された。
【0201】
調製1.アキシチニブ1mgIV型コア錠剤の調製
ツインシェルブレンダーにおける初期ブレンド
ステップ1.微結晶セルロース3161.5gを添加した
ステップ2.アキシチニブIV型51.0gを添加した
ステップ3.Foremost(登録商標)NF FAST Flo(登録商標)ラクトース(Foremost Farms)1600.0gを添加した
ステップ4.Ac−Di−Sol、FMC BioPolymer150.0gを添加した
ステップ5.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした。
ミル粉砕
ステップ1.適当なスクリーニングミルを通してブレンドされた材料をミル粉砕した
ブレンド
ステップ1.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした
最終ブレンド
ステップ1.ステアリン酸マグネシウム12.5gを添加した
ステップ2.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした
ロール圧密化
ステップ1.適当なローラー圧密機を利用した。
ミル粉砕
ステップ1.適当な造粒機中でミル粉砕した。
ブレンド
ステップ1.ステアリン酸マグネシウム25.0gを添加した
ステップ2.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした
錠剤化
ステップ1.適当な錠剤プレスを使用して錠剤に圧縮した。
【0202】
調製2.アキシチニブ1mgIV型青色、橙色、赤色、黄色および灰色フィルムコーティング錠のフィルムコーティング
Opadry(登録商標)IIフィルムコーティングシステムは、容器に精製水を添加することにより調製した。プロペラミキサーで内容物を混合している間に、Opadry(登録商標)IIフィルムコーティングシステムを添加し、固形物が、十分に分散されて塊がなくなるまで混合した。
【0203】
コア錠剤は、Vector LDCS20/30コーティングパン中でOpadry(登録商標)II Blue、Opadry(登録商標)II Orange、Opadry(登録商標)II Red、Opadry(登録商標)II YellowおよびOpadry(登録商標)II Grayフィルムコーティングシステムを使用してフィルムコーティングした。フィルムコーティング後の錠剤についての目標重量増加は、4%とした。
【実施例3】
【0204】
Opadry(登録商標)II WhiteおよびOpadry(登録商標)II Clearフィルムコーティングシステムの組成
Opadry(登録商標)II WhiteおよびOpadry(登録商標)Clearフィルムコーティングシステムの組成は、下の表19に示されている。
【0205】
【表19】

【実施例4】
【0206】
アキシチニブ1mgIV型白色フィルムコーティング錠の調製
アキシチニブ1mgIV型白色フィルムコーティング錠の組成は、下の表20に示されている。
【0207】
【表20】

【0208】
コア錠剤は、実施例3、調製1に記載されているように製造した。コア錠剤は、Vector LDCS20/30コーティングパン中で上の表19に記載されているようなOpadry(登録商標)II Whiteコーティングシステムを使用してフィルムコーティングした。パン速度は、20rpmとし、溶液流速は、5g/分とし、排気温度は、38〜42℃とし、パン負荷量は、錠剤860グラムとし、空気圧は、20PSIとした。フィルムコーティング後の錠剤についての目標重量増加は、4%とした。
【実施例5】
【0209】
1mgアキシチニブIV型薬物製品コアおよび青色、白色、橙色、赤色、黄色および灰色フィルムコーティング錠の光安定性研究
アキシチニブ1mgIV型コア錠剤、青色フィルムコーティング錠、橙色フィルムコーティング錠、赤色フィルムコーティング錠、黄色フィルムコーティング錠および灰色フィルムコーティング錠の光安定性研究を行い、薬物物質および薬物製品の分解傾向を決定した。試験される錠剤の試料は、実施例2および4で示されるように調製した。
【0210】
試料は、2つの貯蔵条件、開放皿および密閉瓶の下で試験した。開放皿試料については、錠剤を、覆われていないアルミニウムパンの底全体へ均等に広げた。瓶試料については、錠剤を、60ccの熱誘導密封された高密度ポリエチレン瓶(白色ポリエチレン栓付きの不透明な青色−白色;Chevron Phillips Chemical Company)に入れた。
【0211】
試料は、暴露環境および対照環境においても試験した。開放皿試料および密閉瓶試料を光に直接暴露し、暴露環境とした。対照環境については、錠剤を、暴露に先立って蓋の付いたアルミニウムパンに入れた。
【0212】
Atlas Suntestチャンバーを使用し、「Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Products、Food and Drug Administration−Center for Drug Evaluation and Research、1996年11月」に記載されているような光安定性ICHガイドラインに基づいて光に試料を暴露した。ICHガイドラインは、試料が、薬物物質と薬物製品の間で直接比較することができるように120万ルクス・時間以上の総照度および200ワット・時間/平方メートル以上の積算近紫外エネルギーを提供する光に暴露されるべきであることを述べている。
【0213】
試料は、アキシチニブおよび光分解生成物の分離、検出および定量を可能にするHPLC条件を使用して分析した。
【0214】
試料についての主要な光分解物のパーセンテージは、下の表21に提示されている。
【0215】
製造、取扱および貯蔵中に光から錠剤を保護する努力はしなかった。したがって、この実験に先立つ光分解物形成が可能であった。光分解の証拠は、例えば、2.89%固形物における赤色フィルムコーティングが、暗対照よりHDPE瓶においてより少ない2+2二量体を有していた表21に見られる。
【0216】
すべての試料について、結果は、コーティングされていないコア錠剤よりフィルムコーティング錠において実質的に少ない光分解物があったことを示している。結果は、4%固形物における白色フィルムコーティングとHDPE瓶が共に、光分解を防止するのに十分効果的でなかったことも示している。青色フィルムコーティング付きの錠剤は、低めのコーティングレベルにおける橙色フィルムコーティング錠がそうであったように、直接露光後に0.5%より高い2+2二量体を有していた。HDPE瓶からのコア錠剤、ならびに橙色フィルムコーティング錠および青色フィルムコーティング錠における光分解物の量は、開放皿において光に暴露された同じ錠剤より低かった。このことは、HDPE瓶が、光からの一部の保護を提供することを立証した。
【0217】
驚いたことに、酸化鉄フィルムコーティングのみが、アキシチニブの光分解に対する優れた保護を提供した。直接光に暴露された酸化鉄赤色フィルムコーティング錠、酸化鉄黄色フィルムコーティング錠および酸化鉄灰色フィルムコーティング錠は、暗対照と同様である2+2二量体の量を有していた。これらのコーティング製剤は、HDPE瓶の有益性なしに有効であることが明らかであった。酸化鉄を含有しない橙色フィルムコーティングおよび青色フィルムコーティングは、それらの色の結果として光を吸収したが、アキシチニブについての酸化鉄コーティング製剤の安定化保護を欠いていた。
【0218】
【表21】

【実施例6】
【0219】
アキシチニブ1mgXLI型コア錠剤、白色フィルムコーティング錠および赤色フィルムコーティング錠の調製
Opadry(登録商標)II WhiteおよびOpadry(登録商標)Clearフィルムコーティングシステムの組成は、上の表19に示されている。Opadry(登録商標)II Redフィルムコーティングシステムの組成は、上の表1に示されている。
【0220】
アキシチニブ1mgXLI型コア錠剤、白色フィルムコーティング錠および赤色フィルムコーティング錠の組成は、下の表22に提供される。
【0221】
【表22】

【0222】
調製1.アキシチニブ1mgXLV型コア錠剤の調製
10Lビンブレンダーにおける初期ブレンド
ステップ1.微結晶セルロース1897.5gを添加した
ステップ2.アキシチニブXLI型30.0gを添加した
ステップ3.Foremost(登録商標)NF FAST Flo(登録商標)ラクトース(Foremost Farms)960.0gを添加した
ステップ4.Ac−Di−Sol、FMC BioPolymer90.0gを添加した
ステップ5.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした。
ミル粉砕
ステップ1.適当なスクリーニングミルを通してブレンドされた材料をミル粉砕した
ブレンド
ステップ1.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした
最終ブレンド
ステップ1.ステアリン酸マグネシウム7.50gを添加した
ステップ2.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした
ロール圧密化
ステップ1.適当なローラー圧密機を利用した。
ブレンド
ステップ1.ステアリン酸マグネシウム13.0gを添加した
ステップ2.適当な拡散式混合機中で材料をブレンドした
錠剤化
ステップ1.適当な錠剤プレスを使用して錠剤に圧縮した。
ステップ2.硬度、厚さ、分解および脆さについて錠剤を試験する
【0223】
調製2.アキシチニブ1mgXLI型白色フィルムコーティング錠および赤色フィルムコーティング錠のためのクリアコーティングの調製
ステップ1.溶液を混合する:脱イオン水501.67gを添加した
ステップ2.溶液を混合する:Opadry(登録商標)II Clear26.40gを添加した
ステップ3.溶液が形成されるまで混合した。
【0224】
調製3.アキシチニブ1mgXLI型白色フィルムコーティング錠のための白色フィルムコーティングの調製
Opadry(登録商標)II Whiteフィルムコーティングシステムは、容器に精製水を添加することにより調製した。プロペラミキサーで内容物を混合している間に、Opadry(登録商標)II Whiteを添加し、固形物が、十分に分散されて塊がなくなるまで混合した。
【0225】
調製4.アキシチニブ1mgXLI型赤色フィルムコーティング錠のための赤色フィルムコーティングの調製
ステップ1.懸濁液を混合する:脱イオン水598.53gを添加した
ステップ2.懸濁液を混合する:Opadry(登録商標)II Red105.61gを添加した
ステップ3.45分以上にわたって混合した。
【0226】
調製5.アキシチニブ1mgXLI型白色フィルムコーティング錠の調製
コア錠剤は、適当なコーティングパン中でOpadry(登録商標)II Whiteフィルムコーティングシステムを使用してフィルムコーティングした。フィルムコーティング後の錠剤についての目標重量増加は、4%とした。
【0227】
調製6.アキシチニブ1mgXLI型赤色フィルムコーティング錠の調製
コア錠剤は、Vector LDCS20/30コーティングパン中でOpadry(登録商標)II Redフィルムコーティングシステムを使用してフィルムコーティングした。フィルムコーティング後の錠剤についての目標重量増加は、4%とした。
【実施例7】
【0228】
1mgアキシチニブXLI型薬物製品コアおよびフィルムコーティング錠の光安定性研究
アキシチニブ1mgXLI型コア錠剤、白色フィルムコーティング錠および赤色フィルムコーティング錠の光安定性研究を行い、薬物物質および薬物製品の分解傾向を決定した。アキシチニブ1mgXLI型コア錠剤、白色フィルムコーティング錠および赤色フィルムコーティング錠の試料は、実施例6で示されるように調製した。
【0229】
試料は、2つの貯蔵条件、開放皿および密閉瓶の下で試験した。開放皿試料については、錠剤を、浅いガラス皿の底全体へ均等に広げた。瓶試料については、錠剤を、握り回し栓付きの四角い高密度ポリエチレン瓶に入れた。栓は、熱密封しなかった。
【0230】
試料は、暴露環境および対照環境においても試験した。開放皿試料および密閉瓶試料を光に直接暴露し、暴露環境とした。対照環境については、錠剤を、暴露に先立ってアルミニウムホイルに包んだ。
【0231】
試料は、「Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Products、Food and Drug Administration−Center for Drug Evaluation and Research、1996年11月」に記載されているような光安定性ICHガイドラインに基づいて光に暴露した。Atlas Suntest XLS+機器を使用し、試料をUV光および蛍光に暴露した。光安定性研究は、蛍光について1×ICHおよび5×ICHと等しい暴露に試料を暴露するように設計した。光ボックスの性質のため、最終暴露は、蛍光については1×ICHおよび5×ICHと、UVについては2.5×ICHおよび12.5×ICHと等しかった。
【0232】
試験された試料配置および光条件については表23を参照されたい。
【0233】
試料は、アキシチニブおよび光分解生成物の分離、検出および定量を可能にするHPLC条件を使用して分析した。
【0234】
試料についての主要な光分解物のパーセンテージは、下の表23に提示されている。
【0235】
すべての試料について、結果は、コーティングされていないコア錠剤よりフィルムコーティング錠において実質的に少ない光分解物があったことを示している。HDPE瓶からのコア錠剤および白色フィルムコーティング錠における光分解物の量は、開放パンにおいて光に暴露された同じ錠剤より低かった。このことは、HDPE瓶が、光からの一部の保護を提供することを立証した。
【0236】
驚いたことに、酸化鉄フィルムコーティングのみが、アキシチニブの光分解に対する優れた保護を提供した。直接光に暴露された酸化鉄赤色フィルムコーティング錠は、暗対照と同様である2+2二量体の量を有していた。このコーティング製剤は、HDPE瓶の有益性なしに有効であることが明らかであった。
【0237】
1mg錠剤について得られる結果は、露光の性質および添加剤比に対する薬物への依存性の欠如によって5mg錠剤について得られる結果と著しく異なるべきではないことが留意される。
【0238】
【表23】

【実施例8】
【0239】
固体状態評価のためのアキシチニブ5mgIV型、XXV型およびXLI型赤色フィルムコーティング錠の調製
固体状態評価のために使用されるアキシチニブ5mgIV型、XXV型およびXLI型赤色フィルムコーティング錠の組成は、下の表24に示されている。
【0240】
アキシチニブ5mgフィルムコーティング錠は、結晶性のIV型、XXV型、およびXLI型を使用して調製した。API負荷を調整し、API効力に基づいて錠剤製剤中の5mg活性レベルを調製した。微結晶性セルロース負荷を調整し、おおよそ183mgの共通錠剤重量を維持するためにAPIレベルの変化を補った。
【0241】
【表24】

【0242】
調製1.アキシチニブ5mgIV型フィルムコーティング錠の調製
アキシチニブ5mgIV型フィルムコーティング錠は、適当なブレンダーに微結晶性セルロース2488グラム、アキシチニブIV型116グラム、Foremost(登録商標)NF FAST Flo(登録商標)ラクトース1245グラム、およびAc−Di−Sol120グラムを添加し、適当な時間にわたってブレンドすることにより調製した。ブレンドを、適当なスクリーニングミルを通してミル粉砕し、次いで、適当な拡散式混合機中でブレンドした。顆粒内ステアリン酸マグネシウム10.0グラムを、ミル粉砕したブレンドに添加し、混合物を、適当な拡散式混合機中でブレンドした。ブレンドを、ローラー圧密し、次いで、適当な造粒機中でミル粉砕した。次いで、ミル粉砕した材料を、ある量の顆粒外ステアリン酸マグネシウムと共に適当なブレンダーに添加し、適当な時間にわたってブレンドした。次いで、ブレンドを、適当な錠剤プレスを使用して錠剤化した。得られた錠剤を、先ず、Red Opadry(登録商標)IIでフィルムコーティングした。目標重量増加は、4%とした。次いで、得られたフィルムコーティング錠を、Opadry(登録商標)Iでフィルムコーティングした。目標重量増加は、0.5%とした。
【0243】
調製2.アキシチニブ5mgXXV型フィルムコーティング錠の調製
アキシチニブ5mgXXV型フィルムコーティング錠は、アキシチニブIV型の代わりにアキシチニブXXV型を使用したことを除いて、上の調製1に記載されている手順に従って調製した。
【0244】
調製3.アキシチニブ5mgXLI型フィルムコーティング錠の調製
アキシチニブ5mgXLI型フィルムコーティング錠は、適当なブレンダーに微結晶性セルロース1868グラム、アキシチニブXLI型86グラム、Foremost(登録商標)NF FAST Flo(登録商標)ラクトース934グラム、およびAc−Di−Sol90グラムを添加し、適当な時間にわたってブレンドすることにより調製した。ブレンドを、適当なスクリーニングミルを通してミル粉砕し、次いで、適当な拡散式混合機中でブレンドした。顆粒内ステアリン酸マグネシウム7.5グラムを、ミル粉砕したブレンドに添加し、混合物を、適当な拡散式混合機中でブレンドした。ブレンドを、ローラー圧密し、次いで、適当な造粒機中でミル粉砕した。次いで、ミル粉砕した材料を、ある量の顆粒外ステアリン酸マグネシウムと共に適当なブレンダーに添加し、適当な時間にわたってブレンドした。次いで、ブレンドを、適当な錠剤プレスを使用して錠剤化した。得られた錠剤を、先ず、Red Opadry(登録商標)IIでフィルムコーティングした。目標重量増加は、4%とした。次いで、得られたフィルムコーティング錠を、Opadry(登録商標)Iでフィルムコーティングした。目標重量増加は、0.5%とした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアおよびコーティングを含む医薬組成物であって、コアが、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含み、コーティングが、金属酸化物を含む医薬組成物。
【請求項2】
コーティングが、充填剤、ポリマー、可塑剤、もしくは乳白剤、またはそれらの組合せをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
コーティングが、着色剤をさらに含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
金属酸化物が、酸化鉄を含む、請求項1、2または3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
コーティングが、Opadry II Red(登録商標)、Opadry II Yellow(登録商標)、およびOpadry II Gray(登録商標)からなる群から選択される、請求項1、2または3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
コーティングが、Opadry II Red(登録商標)である、請求項1、2または3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
フィルムコーティング錠である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
【化1】

からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物。
【請求項9】
【化2】

である化合物約1.0重量パーセント未満を含む、N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩および添加剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
【化3】

である化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項11】
【化4】

である化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項12】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約1mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約89重量パーセント〜約97重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
d.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約3mg、約5mgまたは約7mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.少なくとも1種の充填剤約87重量パーセント〜約95重量パーセント、
b.崩壊剤約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
c.滑沢剤約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
d.コーティング約1重量パーセント〜約9重量パーセント
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約1mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約20重量パーセント〜約90重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約10重量パーセント〜約85重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
e.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミド約3mg、約5mgまたは約7mgならびに
医薬組成物の総重量を基準として、
a.微結晶性セルロース約20重量パーセント〜約90重量パーセント、
b.ラクトース一水和物約10重量パーセント〜約85重量パーセント、
c.クロスカルメロースナトリウム約2重量パーセント〜約5重量パーセント、
d.ステアリン酸マグネシウム約0.25重量パーセント〜約5重量パーセント、および
e.コーティング約1重量パーセント〜約8重量パーセント
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1、12.0±0.1、14.5±0.1、15.7±0.1および19.1±0.1を含む粉末X線回折パターンを有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、百万分率で表される下記の13C化学シフト:154.2±0.2、143.3±0.2、121.3±0.2および27.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:791±2、806±2、850±2、1194±2、1242±2、1280±2、1309±2および3054±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1および15.7±0.1を含む粉末X線回折パターンならびに百万分率で表される下記の13C化学シフト:154.2±0.2、143.3±0.2、121.3±0.2および27.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項20】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:8.8±0.1および15.7±0.1を含む粉末X線回折パターンならびにセンチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:791±2、806±2、850±2、1194±2、1242±2、1280±2、1309±2および3054±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するIV型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1、11.9±0.1、14.8±0.1および15.6±0.1を含む粉末X線回折パターンを有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項22】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、百万分率で表される下記の13C化学シフト:142.6±0.2、133.7±0.2、121.4±0.2および119.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項23】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、センチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:835±2、1234±2、1564±2および3058±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項24】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1および11.9±0.1を含む粉末X線回折パターンならびに百万分率で表される下記の13C化学シフト:142.6±0.2、133.7±0.2、121.4±0.2および119.8±0.2を含む固体状態核磁気共鳴を有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項25】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドが、CuKα放射線(λ=1.54056Å)を使用して測定される下記の2θ値:11.5±0.1および11.9±0.1を含む粉末X線回折パターンならびにセンチメートル−1で波数として表される下記のラマンシフト:835±2、1234±2、1564±2および3058±2のいずれか1つを含むラマンスペクトルを有するXLI型N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項26】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩の光分解が、1996年11月に刊行されたInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Productsにより測定して約1%未満である、請求項1から7および12から25のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項27】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩の光分解が、1996年11月に刊行されたInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Productsにより測定して約0.05%未満である、請求項1から7および12から25のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項28】
N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容できるその塩の光分解が、1996年11月に刊行されたInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Useガイドライン、Q1B Photostability Testing of New Drug Substances and Productsにより測定して約0.01%未満である、請求項1から7および12から25のいずれかに記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−79234(P2013−79234A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−213422(P2012−213422)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】