説明

N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドおよびこれらの使用

本発明は、皮膚および身体の粘膜、特に口腔、喉、鼻の粘膜において生理学的冷感効果を有する物質または組成物に関する。より具体的には、本発明は、下記式(I):


で表されるN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドおよびこれらのエステル類に関する。これらの物質は、これまで知られていたN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドよりはるかに効果的に、これらを添加した製品において生理学的冷感効果を付与および/または増強するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚ならびに身体の粘膜、特に口腔、喉および鼻の粘膜に対して生理学的な冷却効果を有する物質および組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミド、特にかかる物質を含むフレーバーおよび/またはフレグランス組成物、消費者製品において生理学的な冷却効果を付与または増強するためのこれらの使用、ならびにかかる物質を含む消費者製品に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、飲料、タバコ製品およびパーソナルケア用品などの消費者製品向けのフレーバーおよびフレグランスの分野において、身体の神経系に対して、特に、皮膚と口腔の粘膜の神経系に対してメントールを用いたときに得られるのと同様な生理学的な冷却効果を有する組成物に関して常に重大な関心があった。
【0003】
かかる化合物は、口腔内の粘膜の表層組織または皮膚の神経系の冷感受容体を刺激し、それによって口や皮膚に冷感および/または清涼感を生じさせる目的で、摂取可能な調製物、タバコ製品および/または皮膚に適用される製品に添加されてもよい。
【0004】
メントールはこの目的のために、主にペパーミントフレーバーの強化剤として、広く用いられてきた("Perfume and Flavour Chemicals, Volume II, by Steffen Arctander, published 1969, Item No. 1840 参照)。しかしまた、バター模造品、キャラメル、果実複合物、およびカンゾウフレーバーにおいても、極微量で用いられてきた。メントールは口腔粘膜や皮膚に生理学的な冷感効果を有することでよく知られ、食品、飲料、歯磨き粉、マウスウォッシュなどにおけるフレーバリング剤として(メントールはペパーミントオイルの主要な構成物である)や広範囲に渡る化粧品、局所適用の塗擦剤および化粧水の成分として広く用いられてきた。メントールは喫煙時に口における「冷たい」感覚を作り出すためのタバコの添加物としてもよく知られている。
【0005】
メントールの「冷却」効果は温感と冷感を感知する役割をもつ人体の神経終末への直接的な効力による生理学的効果であり、潜在的な熱の蒸散によるものではないということがすでに確立されている。メントールは神経終末の冷感受容体への直接的な刺激として反応し、それが替わって中枢神経系を刺激するということが信じられている。
【0006】
メントールは生理学的冷感剤としてよく確立されているが、いくつかの組成物におけるその使用は、その強いミント性のにおい、およびその相対的な揮発性のため阻害されている。
【0007】
メントールに類似であり、生理学的な冷感効果を有するいくつかの化合物、例えば、メントン(Perfume and Flavour Chemicals, Item 1843)、酢酸メンチルおよびプロピオン酸(Perfume and Flavour Chemicals, Items 1845 and 1852)ならびに3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール (Perfume and Flavour Chemicals, Item 2998) もまた高揚(lift)および清涼感(freshness)を与えるためのフレーバリングに極微量使用されてきた。特公昭39-19627において、3−ヒドロキシルP−メンタン(メチルカルボニル)がl−メントールと密接に類似したフレーバーを有することが報告されており、菓子類やチューインガム、タバコにおけるフレーバー剤としての使用が示唆されている。スイス特許第484,032号において、特定のメントールのサッカライドエステルがタバコへの添加剤として提案されている。フランス特許第1,572,332号において、N,Nジメチル2−メチルブタンアミドがミント性のにおいおよびリフレッシュ効果を有するものとして報告されており、N,N−ジエチル2,2−ジメチルプロパンアミドのミント性のにおいについての言及がある。Berichte 39, 1223, (1906)において、同様の効果がN,N−ジエチル2−エチルブタンアミドについて報告されている。ミント性のにおいはParfums-Cosmetiques-Savons, May 1956, pp. 17-20. において、2,4,6−トリメチルヘプタン−4オールおよび2,4,6−トリメチルヘプト−2−エン−4−オールについても報告されている。メントールおよび他の関連したテルペンアルコールならびにこれらの誘導体の冷却効果もまた研究され、Koryo, 95, (1970), pp. 39-43において報告されている。2,3−p−メンタンジオールもまたはっきりとした清涼味を有すると報告されている(Beilstein, Handbuch der Organischen Chemie, 4th Ed. (1923) Vol. 6, p. 744.)。
【0008】
US 4,136,163 (Wilkinson Sword)において、N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドなどが、人体の神経系の冷感受容体を刺激する性質を有し、冷感を作り出すことが開示されている。これらの化合物は、ほとんどあるいはまったくにおいがなく、比較的揮発性が低く、実質的には無毒である。US 4,136,163によると、これらのN置換カルボキサミドにより引き起こされる皮膚、および例えば口腔などの粘膜における冷感は、強さおよび持続時間の両面において化合物ごとに異なっている。US 4,136,163において、アルカリフェニル置換−p−メンタン3−カルボキサミドが開示されている。
【0009】
Wilkinson Swordによる上述の著作物が公表されて以来、もっとも効力がある、すなわち、最も強烈なおよび/または持続性の効果をもつN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドを発見し開発することに大きな関心がある。Wilkinson Swordに起源をもつN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドの中で、うまく商品化されたものが3つある。WS−3−(N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド)、WS−5(エチル3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)酢酸)およびWS−14(N−tert−ブチル−3−p−メンタンカルボキサミド)である。WS−5は、WS−3よりも顕著に冷たいことで知られる。米国特許出願第20050222256号において、「高純度の(1R,3R,4S)−WS−5」では、知覚される冷感はWS−3よりも2.5から3.0倍強いと報告されている。Mark Erman, Progress in Physiological Cooling Agents, Perfumer & Flavorist, Vol. 29, No. 8, pp. 34-50 (2004)も参照。
【0010】
N置換−p−メンテン−3−カルボアミドのさらなる系列がより最近の特許または特許出願の対象となっている。例えば、特開2004‐059474において、p−メンタンのアルキルオキシアミドに基づく冷却化合物の新系列が公表されている。
【0011】
WO 2005/049553およびWO 2006/049553は双方とも、カルボキサミド置換基が、前記カルボキサミドに直接、すなわち共有結合または置換されていないメチレン基により、結合した置換芳香族である、N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドを開示している。
【0012】
フレーバーおよびフレグランスの分野において知られている冷却化合物の包括的な批評は、Leffingwellらによって行われている(http://leffingwell.com; “Cooler than menthol”, updated April 5, 2006)。
【0013】
上記のことから明らかなように、新規の冷感受容体刺激物質、特に現在利用可能なものよりもより効力のある冷感受容体刺激物質を見つけ出すことへの要望がいまだに存在する。本発明は、したがって、かかる冷感受容体刺激物質を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0014】
本発明者らは、驚くべきことに、下記式(I)で表される物質
【化1】

および、これらのエステル化合物が、これまでに知られているN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドよりも、これらを添加する製品において、より効果的に生理学的冷却効果を付与および/または増強することができること、より詳細には、この物質は先行技術のN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドのいずれよりも、特により強力であるおよび/またはより持続性のあるものであることを見出した。
【0015】
したがって、非常に強烈および/または非常に持続性のある生理学的冷感効果が、食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される、消費者製品において、有効量の前記式(I)で表される前述の冷感受容体刺激物質および/またはこれらの食用エステル類を添加することにより得られ、前記有効量が予想外に低いことが見出された。以下に述べるように、本冷感受容体刺激物質の強度はWS−3のそれよりも大幅に高く、およそ10倍であり、いままでのところN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミド族では最も効力のあると考えられているWS−5の強度よりも高い。
【0016】
本発明の冷感受容体物質と構造的に類似する物質は、WO 2005/020897において、陽イオンチャネルタンパク質であり、前立腺で優先的に発現され、前立腺癌、乳癌、肺癌および結腸癌を含む癌領域で過剰発現される、Trp−p8のアゴニストの例として開示されている。WO 2005/020897によれば、アゴニストでの活性化によるTrp−p8活性の調節は、典型的には、Trp−p8発現細胞の生長を阻害するおよび/またはそのアポートシスおよび/または壊死を誘導する、特異的な方法で、Trp−p8発現細胞を操作するための治療法として貴重であり得る。前記物質の経口または局所投与は開示されておらず、好ましい投与経路は、非経口である。WO 2005/020897には、本発明の物質が皮膚および/または粘膜に生理学的冷感効果を付与および/または増強することを、当業者に教示または示唆するようなことは何ら開示されていない。
【0017】
したがって、本発明は、前述の式(I)で表される物質ならびに消費者製品、特に食品、飲料、口腔ケア用品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される消費者製品において生理学的冷感効果を付与および/または増強する冷感受容体刺激物質としてのこれらの使用を初めて提供するものである。したがって、本発明は、本発明の冷感受容体刺激物質、ならびに、前記冷却効果を付与および/または増強するために適切に適用され得る、1または2以上のフレーバー付与物質および/またはフレグランス材料を含む冷却組成物、ならびにそこに生理学的冷却効果、特に冷感および/または清涼感を付与および/または増強する方法もまた提供する。
【0018】
[発明の詳細な説明]
したがって、本発明の第一の観点は、下記式(I):
【化2】

式中、Rは水素、ヒドロキシル、オキソ、低級アルキルまたは低級アルコキシルを表し、R’は水素または低級アルキルを表し、XおよびYは、独立して、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシルを表し、ここで点線は任意の付加的な結合または任意のC〜Cアルキレン部位を表す;
の物質
およびこれらのエステル類の群から選択される、冷感受容体刺激物質、
ならびに少なくとも0.1重量%の1または2以上のフレーバー付与物質および/または1または2以上のフレグランス付与物質に関する。
【0019】
本発明の好ましい態様は、下記式(II):
【化3】

式中、Rは水素、ヒドロキシル、低級アルキル、または低級アルコキシルを表す;
の物質、およびこれらのエステル類に関する。
【0020】
本発明者らは、前記冷感受容体刺激物質が、食品、飲料、パーソナルケア用品およびタバコ製品における適用に非常に有用な成分であることを見出し、前記冷感受容体刺激物質は、これが添加される製品において、生理学的冷感効果を付与および/または増強することができることを見出した。本明細書を全体を通して、用語「生理学的冷感効果」とは、皮膚および粘膜、特に口腔および鼻腔ならびに喉における粘膜を介して知覚される特定の感覚的な刺激を表現するために用いられる。
【0021】
本明細書において用いられる用語「これらのエステル類」とは、冷感受容体刺激物質および酸のあらゆる誘導体であって、前記酸と当該物質に存在するヒドロキシル基との反応により生成される前記誘導体を含む。好ましくは、前記エステルは可食性であり、典型的には、式(I)で表される冷感受容体刺激物質よりも著しく有毒ではない。典型的には前記酸は有機酸であり、例えば置換または非置換の直鎖状または分枝状C〜Cカルボン酸、より好ましくはC〜Cカルボン酸、最も好ましくはC〜Cカルボン酸であるか、あるいは、リン酸などの無機酸である。かかるエステル類は、式(I)の対応するエステル化されていない物質の化合物の官能特性を少なくともある程度有する。本発明の好ましい態様によれば、冷感受容体刺激物質は、式(I)の物質からなる群から選択される。
【0022】
用語「含む」は本明細書において用いられる場合はいつでも、述べられた特徴、整数、工程、成分の存在を示す意図するが、1または2以上の他の特徴、整数、工程、成分またはこれらの群の存在または付加を除外することを意図するものではない。
【0023】
用語「アルコキシル」および「アルキル」に関連して本明細書において用いられる用語「低級」は、注目される部分が6炭素原子以下、より好ましくは4炭素原子以下、最も好ましくは2炭素原子以下の炭素鎖部を含むということを意味する。好ましい態様において、低級アルキルは、分枝状または非分枝状の飽和C〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキル、最も好ましくはC〜Cアルキルである。他の好ましい態様において、低級アルコキシルは、分枝状または非分枝状の飽和C〜Cアルコキシル、より好ましくはC〜Cアルコキシル、最も好ましくはC〜Cアルコキシルである。
【0024】
本発明の特に好ましい態様において、上記で定義された冷感受容体刺激物質は、Rは水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、プロボキシを表し;R’は水素、メチルまたはエチルを表し;XおよびYは独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、イソプロピルまたはプロピルを表し、点線は任意の二重結合または任意のメチレン部分を表す。
【0025】
本発明の特に好ましい態様において、式(I)および(II)におけるRは、水素、ヒドロキシル、メトキシまたはメチル、最も好ましくは、水素またはヒドロキシルを表す。
【0026】
式(I)および(II)の冷感受容体刺激物質であって、Rが水素であるものは、Rがヒドロキシルであるものよりも少し強力であることが見出された。したがって、本発明の最も好ましい態様において、式(I)および(II)におけるRは水素を表す。
【0027】
本発明の他の好ましい態様において、R’は水素、ヒドロキシル、メトキシまたはメチル、最も好ましくは水素を表す。
【0028】
本発明の特に好ましい態様において、式(I)におけるXおよびYは、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、メトキシまたはメトキシ、より好ましくは、水素、メチル、メトキシまたはエトキシを表す。さらにXがメタまたはパラ位であることがさらに特に好ましい。さらに、Yはオルトまたはメタ位であることが特に好ましい。最も好ましくは、XおよびYは、式(I)における芳香族ラジカルが、非置換のフェニルラジカル、2−メトキシフェニルラジカル、3,4−ジメチルフェニルラジカルのうちの一つを表すように選択される。
【0029】
前述したように、点線は、付加的な共有結合またはC〜Cアルキレン部位、好ましくはメチレン部位の任意の存在を示し、前記部位は、これが付加する炭素原子とともに環状構造を形成する。いかなる特定の理論に束縛されることを望まず、本発明者らは、その付加的な結合またはアルキレン部位の存在が、付加的な結合またはアルキレン部位のない対応する構造と比較して、回転の自由度を制限し、それによって、構造の冷感受容体刺激物質効能が増強することを信じている。したがって、本発明の特に好ましい一態様において、本冷感受容体刺激物質は、式(I)において点線で示された場所に付加的な共有結合またはC〜Cアルキレン部位を含む。
【0030】
本発明による冷感受容体刺激物質の特に好ましい例は、2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−アミド、2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸フェニルエチルアミド、N−(2−エトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボキサミド、2−イソプロピル−5−メチル−N−((1S,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサンカルボキサミド、2−イソプロピル−5−メチル−N−(3,4−ジメチルフェネチル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロへキサンカルボキサミドおよびこれらのエステル類を含む。
【0031】
式(I)および(II)で表されている物質のメタン部位の不斉炭素原子の特定の立体化学配置は、冷感受容体刺激物質としての相対的な有効性に典型的に影響を及ぼす。本発明の特に好ましい態様において、冷感受容体刺激物質の1番炭素原子はR配置であり、2番炭素原子はS配置であり、5番炭素原子はR配置である。
【0032】
本発明の第2の観点は、R、R’、X、Yおよび点線が上記と同じ意味を有する、上記式(I)または(II)で表される冷感受容体刺激物質、ならびに少なくとも0.1重量%の1または2以上のフレーバー付与物質および/または1または2以上のフレグランス付与物質を含む組成物に関する。
【0033】
これらの組成物は、典型的にフレーバー組成物またはフレグランス組成物を構成する。かかる組成物は、消費者製品としてみなされず、すなわち、それ自体、消費および/または消費者による使用のために適しておらず、当業者に理解されるように、生理学的冷却効果をそこへ付与または増強するための、かかる消費者製品における適用に適している。
【0034】
好ましくは本フレーバーまたはフレグランス組成物は、本発明の冷感受容体刺激物質を乾燥個体重量で換算して、少なくとも2ppm、好ましくは5〜100,000ppmの範囲内、より好ましくは10〜50,000ppmの範囲内、最も好ましくは50〜10,000ppmの範囲内で含む。
【0035】
フレーバーおよびフレグランス分野における通常の意味に従って、本明細書において用いられる表現「ppm」は、100万分率での割合として表現される物質量を示し、よって、1ppmは1mg/1mgに相当する。
【0036】
本明細書において用いられる用語「フレーバー付与物質」は、典型的には1重量%未満、より好ましくは、0.1重量%未満の濃度で、口、特に舌、および鼻腔の嗅覚上皮を介して知覚される、検出可能な感覚的刺激を与えることができるあらゆる食品品質の物質を含む。フレーバー付与物質の好適な例は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、酢酸、ニトリル、テルペン炭化水素、窒素または硫黄複素環化合物を含む。典型的には、1または2以上のフレーバー付与物質は、製油に含まれる。本発明に基づいて、フレーバー付与物質は、天然または合成起源であり得る。これらの多くは、S. Arctanderによる著書、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、もしくはこれより最近の版、または同様の性質の他の作品などの参考文献、ならびにフレーバー分野における多数の特許文献中に列挙されている。加えられるフレーバー付与物質のタイプが、組成物を加える製品のタイプに完全に依存することは、当業者に明らかである。
【0037】
本発明の特に好ましい態様において、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、他のミントオイル、クローブオイル、ウインターグリーンオイル、ユーカリ油、アニスオイル、シナモンオイルから好ましくは選択される1または2以上のフレーバリング物質含有オイルを含む、前記で定義された組成物が提供される。
【0038】
好ましい態様において、本発明の組成物は、乾燥固体重量換算で少なくとも0.1重量%、好ましくは、0.5〜99重量%の範囲、より好ましくは、1〜50重量%、最も好ましくは、2〜25重量%の範囲の量で、1または2以上のフレーバー付与物質を含む。
【0039】
本明細書で用いられる用語「フレグランス付与物質」は、組成物、特に化粧品やパーソナルケア用品に、全体として心地よいにおいプロフィールを付与するために用いられる、あらゆる有香物質を示すために用いられる。広く多様な物質がフレグランス付与物質として有用であり、これは例えば、合成物であっても、天然由来植物または動物源から得られてもよい、アルデヒド、ケトン、エステルなどを含む。天然由来の植物および動物油および抽出物は、多様なフレーバー付与物質の複合混合物を含み、フレグランス材料として使用されるものとして知られている。本発明に従って、好適に使用され得るフレグランス付与物質は、プロフレグランス(pro-fragrance)、例えばアセタールプロフレグランス、ケタールプロフレグランス、エステルプロフレグランス、加水分解性無機-有機プロフレグランスおよびこれらの混合物を含む。好適なフレグランス付与物質ならびにこれらを含む材料のリストは、「Perfume and Flavourist」または「Journal of Essential Oil Research」などの当業者に利用さられるジャーナルにおいて見出すことができる。
【0040】
好ましくは、1または2以上のフレグランス付与物質は、固体重量換算で0.5〜99重量%の範囲内のレベルで本発明の組成物に含まれる。好ましくは、1または2以上のフレグランス付与物質は、組成物の乾燥重量で、好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは2〜25重量%の範囲内のレベルで存在する。
【0041】
典型的には、冷感受容体刺激物と、前記で定義された1または2以上のフレーバー付与物質、もしくは1または2以上のフレグランス付与物質とは、本組成物においては0.001〜10%の範囲内、好ましくは0.01〜1%の範囲内、最も好ましくは0.05〜0.5%の範囲内の重量比で使用されている。
【0042】
本発明の特に好ましい態様において、本冷却組成物は、さらなる冷感受容体刺激物質を含み得る。これらの好適な例は、メントール、WS−3、WS−23、WS−5、メンチルラクテート、メントキシプロパン−1,2−ジオール、3−(10−メントキシ)−2−メンチルプロパン−1,2−ジオール、(−)−イソプレゴール、メンチルピロリドンカルボン酸塩、クベボール、N,N−ジメチルメンチルサクシンアミドを含む。
【0043】
本発明による組成物は、好ましくは液体、ペーストまたは粉末の形状で調製され、マルトデキストリン、加工デンプン、アラビアガム、エタノールまたはポリエチレングリコールなどのキャリア担体をさらに含む。
【0044】
組成物がフレーバー組成物である場合は、組成物が自由流動性粉末であることが特に好ましい。典型的に、かかるフレーバー組成物は、食品品質のキャリア材料、すなわち、非毒性であり、冷感受容体刺激物質と1または2以上のフレーバー付与物質との組み合わせの官能特性に重大な影響を与えないキャリア材料を含む。
【0045】
他の好ましい態様において、冷感受容体刺激物質および前記に定義された1または2以上のフレーバー付与物質を含む組成物が提供され、ここで1または2以上の前記成分は、マトリックス、典型的には、揮発性成分を保持するのに適し酸素および/または水分に対して障壁を形成する、炭水化物マトリックスにカプセル化される。本発明の特に好ましい態様において、1または2以上の前記成分は、例えば、WO2005/084458などに記載された、チューインガム適用のための、放出制御マトリックスにおいてカプセル化される。
【0046】
本発明の他の観点において、食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される消費者製品が提供され、これは、生理学的冷感効果を与えまたは増強するのに効果的な量で、前記に定義された冷感受容体刺激物質を含む。
【0047】
本発明の特に好ましい態様によれば、前記で定義された消費者製品が提供され、ここで前記の量は前記製品の重量をもとにして、0.0001〜500ppmの量範囲、好ましくは、0.0005〜50ppm、より好ましくは0.001〜10ppm、最も好ましくは0.002〜5ppmの量範囲である。
【0048】
本発明のもう一つの特に好ましい態様によれば、消費者製品は、ハードまたはソフトキャンディー、チューインガム、可食フィルム、薬用キャンディーおよびトローチ、デザートおよびアイスクリームなどを含む菓子類の群から選択される食品;清涼飲料、アルコール飲料、および乳製品飲料の群から選択される飲料;歯磨き粉、マウスウォッシュ、デンタルフロス、アンチプラークおよび歯肉炎防止(anti-gingivitis)組成物の群から選択される口腔ケア用品;デオドラント、シャンプー、皮膚除菌組成物、ローション、シェービング製品などの群から選択されるパーソナルケア商品;または、喫煙タバコ、噛みタバコおよびタバコ代用品の群から選択されるタバコ製品である。
【0049】
本発明の特に好ましい態様によると、前記で定義された消費者製品が提供され、ここで、前記消費者製品は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは少なくとも3つの、前記で定義された他のフレーバー付与物質またはフレグランス付与物質をさらに含む。
【0050】
本発明の他の観点において、前記で定義された冷感受容体刺激物の使用が、食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される消費者製品において、生理学的冷感効果を与えるまたは増強するために提供される。
【0051】
前記製品の具体例および好ましい態様は上記に与えられる。典型的には、使用は上記に例示した量の冷感受容体を前記製品に添加することを含む。
【0052】
本発明のさらなる他の観点において、食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される消費者製品において、生理学的冷感効果を付与および/または増強する方法が提供され、前記方法は、前記で定義された冷感受容体刺激物質の有効量を前記製品に添加することを含む。
【0053】
本発明の好ましい態様によると、前記で定義した方法が提供され、ここで前記量は、前記消費者製品の全重量を基準として、0.0001〜500ppm範囲の量、好ましくは0.0005〜50ppm、より好ましくは0.001〜10ppm、最も好ましくは0.001〜10ppmの範囲の量である。
【0054】
本発明のまた他の観点は、式(I)または(II)で表される冷感受容体刺激物質またはこれらのエステル類もしくは塩の製造方法を提供する。典型的には、前記プロセスは、メンタンカルボン酸を下記式(III):
【化4】

式中、R、R’、X、Yおよび点線は式(I)および(II)に関連して、上記で定義したものと同一の意味を有する、で表されるアミンまたはこれらの塩もしくはエステルと反応することを含む。
【0055】
これらのアミン類は、商用的に入手可能である、および/または当業者が他の商用的に入手可能な出発材料からどのように合成するかを知っている。メンタンカルボン酸は、好ましくは活性化したメンタンカルボン酸、すなわち、もとのカルボン酸よりもより反応性であるメンタンカルボン酸であり、当業者に理解されるものである。用語活性化されたカルボン酸は、典型的には(混合した)無水物、エステル、当該カルボン酸の酸塩化物または塩酸臭化物であり、当業者に認知されるものである。本発明に従って、プロセスは典型的に前記出発材料を組み合わせ、混合物を加熱することを含む。フレーバー調節物質の本製造方法は、従来の方法を利用するプロセスを含む。好ましくは、前記反応は、有機溶媒もしくはDMF/ピリジンなどの有機溶媒の混合物において、反応物を0.1〜10時間加熱することにより行われる。本プロセスによれば、反応生成物は、典型的に溶媒を蒸発することにより単離することができ、任意に、クロマトグラフィーおよび結晶化などの当業者に既知の技術のいずれかを用いてさらに精製することができる。
【0056】
本明細書に記載された本発明を以下の例を用いて例示するが、これは、特許請求の範囲に定めた保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0057】
例1:2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−アミドの調製
15gの塩化メチレン中の1.5gの2−アミノ−1−フェニルエタノールの溶液に、2gのトリエチルアミンを室温で加えた。この溶液に、冷却または加熱せず、室温で2gのp−メンタン−3−塩化カルボニルをゆっくりと添加した。添加の間、反応混合物を35℃で環流を開始する。攪拌を常温で1時間続けた。混合物を25gのジエチルエステルで希釈し、50mlの5%塩酸で2度洗浄した。水層を廃棄し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2度洗浄した。抽出物を蒸発し、2gの2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−アミドを得た。分子構造を、質量分析器、H−NMRおよび13C−NMRを用いて確認した。
【0058】
例2:2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸フェニルエチル−アミドの調製
15gのp−メンタン−3−塩化カルボニル中の1.5gの2−フェニルエチルアミンの溶液に、2gのトリエチルアミンを室温で添加する。この溶液に、冷却または加熱せず、室温で2gの塩化メタノイルをゆっくりと添加した。添加の間、反応混合物を35℃で環流を開始する。攪拌を常温で1時間続けた。混合物を25gのジエチルエーテルで希釈し、50mlの5%塩酸で2度洗浄した。水層相を廃棄し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2度洗浄した。抽出物を蒸発し、非常に粘性のある残余物を得た。0度まで冷却した後、生成物が結晶化した。いくつかのペンテンを添加し、生成物を濾過した。生成物をペンテンで1度洗浄し、真空オーブンで60℃/10mbarの条件で乾燥した。収率は1gの95%純度の2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸フェニルエチル−アミドであった。分子構造を、質量分析器、H−NMRおよび13C−NMRを用いて確認した。
【0059】
例3:例1の生成物の比較官能評価
4種類の水溶液を調製した:
A.20ppmのメントール;
B.2ppmの例1において得られた生成物を溶液Aに溶かしたもの;
C.20ppmのWS−3を溶液Aに溶かしたもの;および
D.2ppmのWS−3を溶液Aに溶かしたもの。
【0060】
これらの溶液をフレーバリストのパネルにより、賞味および評価した。その結果には以下のような一般的な一致点があった:溶液Aは「冷却」と表現された;溶液Bは「高い初期の冷却バースト」、「持続する冷却」、「口全体に広がる冷感」、「いくらかの熱感」と表現された;溶液Cは、「Bよりもより中性な冷感」、「Bよりも強さのない冷却」、「Bよりも持続性の短い冷却」と表現された;溶液Dは「Bよりもより中性な冷感」、「Bよりも強さのない冷却」、「Bよりも持続性の短い冷却」と表現された;溶液Bは溶液C溶液と同程度の強さを有し、溶液Dよりもかなり強力である。
【0061】
例4:例2の生成物の比較官能評価
4種類の水溶液を調製した:
A.20ppmのメントール;
B.1ppmの例2で得られた生成物を溶液Aに溶かしたもの;
C.20ppmのWS−3を溶液Aに溶かしたもの;
D.2ppmのWS−3を溶液Aに溶かしたもの。
【0062】
これらの溶液をフレーバリストのパネルにより、賞味および評価した。その結果には以下のような一般的な一致点があった:溶液Aは「冷却」と表現された;溶液Bは「痛みの感覚を伴った冷感」、「強力で、持続性の冷却」、「ほとんど不快な冷たさ」、「ややヒリヒリする」と表現された;溶液Cは、「Bよりもより中性な冷感」、「Bよりも強さのない冷却」、「Bよりも持続性の短い冷却」と表現された;溶液Dは、「Bよりもより中性な冷感」、「Bよりも強さのない冷却」、「Bよりも持続性の短い冷却」と表現された;溶液Bは溶液C溶液と同程度の強さを有し、溶液Dよりもかなり強力である。
【0063】
例5:冷感受容体刺激物質を含む硬く煮詰めた菓子(hard boiled sweets);比較例
3つの異なる硬く煮詰めた菓子を表1に示す配合を用いて調製した。
【表1】

【0064】
菓子を以下手順に従って調製した。砂糖、水、グルコースシロップを混合し、146℃まで沸騰させた。混合物を120℃まで冷却し、冷感受容体刺激物質を添加し、入念に混合した。混合物を冷却したテーブル上に流し出し、折り重ね、ローラー上で形成した。
【0065】
調製した菓子を、熟練したフレーバリストのパネルによって評価した。製品Aは、「冷たさおよび冷感を与える」、「即効的な冷感効果を有する」、「持続しない」と表現された。WS−3を含む製品Aは、50ppmのWS−3の投与で、喉に痛みを伴う感覚を与えた。例1において調製された生成物を含む製品Bは、「痛みを伴わない冷感を与える」、「製品Aよりもかなり持続性がある」と表現された。製品Bの効果は、口全体に及び、ヒリヒリと冷たい後味を有する。例2で調製した生成物を含む製品Cは、「徐放冷却」、「口全体に冷たい効果を与える」、「冷感効果を増強するヒリヒリする痛覚」、「非常に持続性のある」と表現された。製品A、BおよびCの強さは同等である。
【0066】
例5:N−(2−エトキシフェネチル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロへキサンカルボキサミドの調製
表題の化合物を、例1の一般的な手順に従い調製した。
【数1】

【0067】
例6:2−イソプロピル−5−メチル−N−((1S,2S)−2−フェニルシクロプロピル)−シクロへキサンカルボキサミドの調製
表題の化合物を、例1の一般的な手順に従い調製した。
【数2】

【0068】
例7:N−(3,4−ジメチルフェネチル)−2−イソプロピル−5−エチルシクロヘキサンカルボキサミドの調製
表題の化合物を、例1の一般的な手順に従い調製した。
【数3】

【0069】
例8:N−(4−ヒドロキシフェネチル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカンボキサミドの合成
表題の化合物を、例1の一般的な手順に従い調製した。
【数4】

【0070】
例10 例5〜9の生成物の比較官能評価
小集団のパネリストに、式(I)の化合物の様々な水溶液を賞味し、どの溶液が2ppmのメントールの溶液の冷感と比べて同程度あるいは若干強い冷却を有するかを示すよう求めた。結果を表1に示す。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

式中、
Rは水素、ヒドロキシル、オキソ、低級アルキルまたは低級アルコキシルを表し、
R’は水素または低級アルキルを表し、
XおよびYは、独立して、水素、ヒドロキシル、低級アルキルおよび低級アルコキシルを表し、
ここで点線は任意の付加的結合または任意のC〜Cアルキレン部位を表す、
で表される物質およびこれらのエステル類の群から選択される、冷感受容体刺激物質。
【請求項2】
Rが、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシおよび、プロポキシを表し;R’が、水素、メチルまたはエチルを表し;XおよびYは独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、メトキシ、イソプロポキシまたはプロポキシルを表し、点線が、任意の二重結合または任意のメチレン部位を表す、請求項1に記載の冷感受容体刺激物質。
【請求項3】
1番炭素原子がR配置であり、2番炭素原子がS配置であり、5番炭素がR配置である、請求項1に記載の冷感受容体刺激物質。
【請求項4】
2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−アミド、2−イソプロピル−5−メチル−シクロへキサンカルボン酸フェニルエチル−アミド、N−(2−エトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロへキサンカルボキサミド、2−イソプロピル−5−メチル−N−((1S,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロへキサンカルボキサミド、N−(3,4−ジメチルフェネチル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロへキサンカルボキサミド、およびこれらのエステルの群から選択される、請求項1に記載の冷感受容体刺激物質。
【請求項5】
下記式(II):
【化2】

式中、
Rは水素、ヒドロキシル、低級アルキルまたは低級アルコキシルを表す、
の物質およびこれらのエステル類の群から選択される、請求項1に記載の冷感受容体刺激物質。
【請求項6】
Rが水素またはヒドロキシルを表す、請求項5に記載の冷感受容体刺激物質。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに定義された冷感受容体刺激物質および少なくとも0.1重量%の1または2以上のフレーバー付与物質もしくは1または2以上のフレグランス付与物質を含む組成物。
【請求項8】
少なくとも2ppmの冷感受容体刺激物質を含む請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
乾燥個体重量換算で1〜50重量%の範囲内の量の1または2以上のフレーバー付与物質、もしくは1または2以上のフレグランス付与物質を含む、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ商品から選択される消費者製品であって、請求項1〜6のいずれかに定義された冷感受容体刺激物質を、該製品において生理学的冷却効果を付与または増強するために効果的な量含む、前記製品。
【請求項11】
量が、製品の全重量の、0.0001〜500ppmの範囲内の量である、請求項10に記載の消費者製品。
【請求項12】
さらに少なくとも1つの他のフレーバー付与物質または少なくとも1つの他のフレグランス付与物質を含む、請求項10または11に記載の消費者製品。
【請求項13】
製品が、ハードおよびソフトキャンディー、チューインガム、可食フィルム、薬用キャンディー、トローチ、デザート、アイスクリーム、清涼飲料、アルコール飲料、乳製品飲料、歯磨き粉、マウスウォッシュ、デンタルフロス、アンチプラーク組成物、歯肉炎防止組成物、デオドラント、シャンプー、皮膚除菌組成物、ローション、シェービング製品、喫煙タバコ、噛みタバコおよびタバコ代用品の群から選択される、請求項10〜12のいずれかに記載の消費者製品。
【請求項14】
食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される消費者製品において、生理学的冷却効果を付与および/または増強するための、請求項1〜6のいずれかに定義された冷感受容体刺激物質の使用。
【請求項15】
有効量の請求項1〜6のいずれかに記載の冷感受容体刺激物質を含有させることにより、食品、飲料、口腔ケア用品、化粧品、パーソナルケア用品およびタバコ製品から選択される消費者製品において、生理学的冷却効果を付与および/または増強する方法。
【請求項16】
有効量が、消費者製品の合計重量をベースに、0.0001〜500ppmの範囲の量である、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2010−513657(P2010−513657A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542671(P2009−542671)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050609
【国際公開番号】WO2008/075942
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(509115292)ジボダン ネーデルランド サービシーズ ビー.ヴイ. (8)
【氏名又は名称原語表記】GIVAUDAN NEDERLAND SERVICES B.V.
【住所又は居所原語表記】Huizerstraatweg 28, NL−1411 GP Naarden Netherlands
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】