N−(2−ヒドロキシフェニル)シンナモイルアミドの結晶変態及びその製造方法
【課題】本発明は、新規な結晶形の、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを提供することが課題である。
【解決手段】本発明に係るN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの新規な結晶形(結晶変態II)は、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする。新規なN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶形(結晶変態II)は、ゆっくりと、好ましくは、3〜20℃/分の速度で冷却することにより得られる。
【解決手段】本発明に係るN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの新規な結晶形(結晶変態II)は、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする。新規なN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶形(結晶変態II)は、ゆっくりと、好ましくは、3〜20℃/分の速度で冷却することにより得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規結晶形のN−(2−ヒドロキシフェニル)シンナモイルアミド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。
【0003】
これら顕色剤の中には異なる結晶形を持つ化合物やその製造法がいくつか知られている(特許文献1、2参照)。また、本発明者らは桂皮酸アミド系化合物を顕色剤として用いた地肌の耐光性に優れた記録材料をすでに提案している(特許文献3参照)。しかし、この化合物に異なる結晶形を持つものが存在するかは知られておらず、したがって、結晶形を変える製造方法は知られていない。しかしながら、発色メカニズム等の研究を行う上で結晶形の異なる結晶を得ることができれば非常に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−202301号公報
【特許文献2】特開平11−029549号公報
【特許文献3】特開2003−305959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、桂皮酸アミド系化合物の新たな結晶形を見出し、同時に簡便に結晶形を変える製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、先に見出した桂皮酸アミド系化合物において各種条件における結晶形を研究した結果、新たな結晶形を有する桂皮酸アミド化合物を初めて製造することができ、同時に結晶析出の温度条件のみを適切なものにすることにより新規結晶変態を製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態IIに関する。
【0008】
また、本発明は、
(2)N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを加熱した後、冷却することで結晶化させることを特徴とする前記(1)に記載のN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態IIの製造方法であり、(3)冷却する速度が3〜20℃/分であることを特徴とする前記(2)に記載の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により従来の結晶形と異なる新規なN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶形を提供することができる。また、本発明によれば、容易に新規な結晶形を有するN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドは、式(I)
【0011】
【化1】
【0012】
で表される化合物であり、本発明の結晶形はCu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする。また、融点は160−162℃である(結晶変態II)。
【0013】
(結晶変態)
結晶変態とは、同じ化学組成であるが結晶形が異なるため、物性が異なった状態である。同一の結晶形か、異なる結晶形かは、X線回折の入射角とその回折強度を測定し、比較することで判断できる。具体的には粉末X線回折(リガク社製、型番:UltimaIV)によって、最も強度の大きい回折線の位置(角度)を比較することができる。
【0014】
(X線回折法)
X線回折の測定方法は特に限定されるものではなく、一般的に利用されるものを使用することができる。例えば、各化合物の結晶をめのう乳鉢で粉砕してガラス試料板につめ、試料水平型多目的X線回折装置(リガク社製、型番:UltimaIV)で測定することができる。
【0015】
(融点の測定法)
たとえば、デジタル式融点測定装置(三田村理研工業社製、型番:IA9300)を用い、10℃/分の昇温速度で測定することができる。
【0016】
(N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶形の製造方法)
N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドは、たとえば、特開2003−305959号公報に記載されているように、式(II)
【0017】
【化2】
【0018】
で表される化合物と、式(III)
【0019】
【化3】
【0020】
[式中、Xは水酸基又はハロゲン原子を表す。]で表される化合物とを、Xがハロゲン原子の場合は、アセトニトリル等の有機溶媒中、ピリジン等の塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。また、Xが水酸基の場合は、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の脱水縮合剤を用いて脱水縮合反応により得ることができる。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。
反応終了後、析出した塩をろ別し、減圧下でアセトニトリルを留去し、メチルイソブチルケトン(以下MIBK)で抽出し水洗により原料の塩や不純物を除いた後、減圧下でMIBKを留去し、トルエン/MIBKで再結晶して(E)−N−(2−ヒドロキシフェニル)シンナモイルアミドの結晶を得る。
こうして得られる結晶は、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が、7.6°及び17.6°にピークを示し、融点は166−167℃である(結晶変態I)。
反応終了後、融点より5℃以上、好ましくは、175〜190℃、さらに好ましくは、180〜185℃で加熱し溶解させ、その後、ゆっくりと、好ましくは、3〜20℃/分、さらに好ましくは5〜10℃/分の速度で冷却するとCu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示し、融点が160−162℃の新規の結晶形を有するN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを得ることができる(結晶変態II)。
一方、反応終了後、上記温度で加熱溶解後、極端に速く、好ましくは、100℃以上/分、さらに好ましくは200℃以上/分の速度で冷却すると、アモルファスのN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドが得られる。
【0021】
(白色度の測定)
顕色剤は紙等の基材に染料等とともに塗布され、感熱記録紙として使用される。そして、発色前の感熱記録紙はより白色である方が製品として好まれている。そのため、顕色剤はより白色であることが求められている。また、その白色の状況は分光色彩計で測定することができる。代表的な白色度測定値は、ハンター白色度(W値)で示される。また白色の状況に関しては色彩値L*、a*およびb*で示すことができる。
本発明で使用する色彩値L*、a*およびb*は日本照明委員会(JCIE)の基準を用いることが一般的であり、本発明においてもJCIE基準による値を使用している。また白色度はハンター白色度(W値)を示している。
【0022】
(記録材料としての用途)
本発明の結晶変態IIは顕色剤として、発色性染料とともに記録材料に用いることができる。この記録材料はどの様な用途にも使用でき、例えば、感熱記録材料又は感圧複写材料等に利用することができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。
【0024】
(実施例1)N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの変態の方法
特開2003−305959号公報の実施例1に記載された方法で製造したN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド0.3gを一旦、180〜185℃まで加熱し、溶解させる。これを5℃/分程度の速度で冷却し、新規の結晶形を有するN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを合成した。XRDで測定した結果、6.9°及び16.0°に特徴あるピークを検出した。融点:160−162℃
【0025】
(比較例1)N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの合成
特開2003−305959号公報の実施例1に記載された方法でN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを製造した。XRDで測定した結果、7.6°及び17.6°に特徴あるピークを検出した。融点:166−167℃
【0026】
(比較例2)
特開2003−305959号公報の実施例1に記載された方法で製造したN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド0.3gを一旦、180〜185℃まで加熱し、溶解させる。これを200℃以上/分の速度で冷却し、アモルファスのN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを合成した。XRDで測定した結果、特徴あるピークは検出できなかった。
【0027】
(測定例1)色差計による粉体の白色度の測定
サンプルを分光色彩計(日本電色工業社製、型番:SE−2000)の粉体測定用付属セルに光を透過させないように充填させ、測定径を28mmに設定して室温雰囲気下で測定して、実施例1および比較例1〜2のハンター白色度、色彩値L*、a*およびb*を測定し、その結果を第1表に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
第1表の結果から、本発明の結晶変態IIが今まで知られている結晶変態Iとは異なるものであることがわかった。
【技術分野】
【0001】
本発明は新規結晶形のN−(2−ヒドロキシフェニル)シンナモイルアミド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。
【0003】
これら顕色剤の中には異なる結晶形を持つ化合物やその製造法がいくつか知られている(特許文献1、2参照)。また、本発明者らは桂皮酸アミド系化合物を顕色剤として用いた地肌の耐光性に優れた記録材料をすでに提案している(特許文献3参照)。しかし、この化合物に異なる結晶形を持つものが存在するかは知られておらず、したがって、結晶形を変える製造方法は知られていない。しかしながら、発色メカニズム等の研究を行う上で結晶形の異なる結晶を得ることができれば非常に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−202301号公報
【特許文献2】特開平11−029549号公報
【特許文献3】特開2003−305959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、桂皮酸アミド系化合物の新たな結晶形を見出し、同時に簡便に結晶形を変える製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、先に見出した桂皮酸アミド系化合物において各種条件における結晶形を研究した結果、新たな結晶形を有する桂皮酸アミド化合物を初めて製造することができ、同時に結晶析出の温度条件のみを適切なものにすることにより新規結晶変態を製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態IIに関する。
【0008】
また、本発明は、
(2)N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを加熱した後、冷却することで結晶化させることを特徴とする前記(1)に記載のN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態IIの製造方法であり、(3)冷却する速度が3〜20℃/分であることを特徴とする前記(2)に記載の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により従来の結晶形と異なる新規なN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶形を提供することができる。また、本発明によれば、容易に新規な結晶形を有するN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドは、式(I)
【0011】
【化1】
【0012】
で表される化合物であり、本発明の結晶形はCu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする。また、融点は160−162℃である(結晶変態II)。
【0013】
(結晶変態)
結晶変態とは、同じ化学組成であるが結晶形が異なるため、物性が異なった状態である。同一の結晶形か、異なる結晶形かは、X線回折の入射角とその回折強度を測定し、比較することで判断できる。具体的には粉末X線回折(リガク社製、型番:UltimaIV)によって、最も強度の大きい回折線の位置(角度)を比較することができる。
【0014】
(X線回折法)
X線回折の測定方法は特に限定されるものではなく、一般的に利用されるものを使用することができる。例えば、各化合物の結晶をめのう乳鉢で粉砕してガラス試料板につめ、試料水平型多目的X線回折装置(リガク社製、型番:UltimaIV)で測定することができる。
【0015】
(融点の測定法)
たとえば、デジタル式融点測定装置(三田村理研工業社製、型番:IA9300)を用い、10℃/分の昇温速度で測定することができる。
【0016】
(N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶形の製造方法)
N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドは、たとえば、特開2003−305959号公報に記載されているように、式(II)
【0017】
【化2】
【0018】
で表される化合物と、式(III)
【0019】
【化3】
【0020】
[式中、Xは水酸基又はハロゲン原子を表す。]で表される化合物とを、Xがハロゲン原子の場合は、アセトニトリル等の有機溶媒中、ピリジン等の塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。また、Xが水酸基の場合は、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の脱水縮合剤を用いて脱水縮合反応により得ることができる。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。
反応終了後、析出した塩をろ別し、減圧下でアセトニトリルを留去し、メチルイソブチルケトン(以下MIBK)で抽出し水洗により原料の塩や不純物を除いた後、減圧下でMIBKを留去し、トルエン/MIBKで再結晶して(E)−N−(2−ヒドロキシフェニル)シンナモイルアミドの結晶を得る。
こうして得られる結晶は、Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が、7.6°及び17.6°にピークを示し、融点は166−167℃である(結晶変態I)。
反応終了後、融点より5℃以上、好ましくは、175〜190℃、さらに好ましくは、180〜185℃で加熱し溶解させ、その後、ゆっくりと、好ましくは、3〜20℃/分、さらに好ましくは5〜10℃/分の速度で冷却するとCu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示し、融点が160−162℃の新規の結晶形を有するN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを得ることができる(結晶変態II)。
一方、反応終了後、上記温度で加熱溶解後、極端に速く、好ましくは、100℃以上/分、さらに好ましくは200℃以上/分の速度で冷却すると、アモルファスのN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドが得られる。
【0021】
(白色度の測定)
顕色剤は紙等の基材に染料等とともに塗布され、感熱記録紙として使用される。そして、発色前の感熱記録紙はより白色である方が製品として好まれている。そのため、顕色剤はより白色であることが求められている。また、その白色の状況は分光色彩計で測定することができる。代表的な白色度測定値は、ハンター白色度(W値)で示される。また白色の状況に関しては色彩値L*、a*およびb*で示すことができる。
本発明で使用する色彩値L*、a*およびb*は日本照明委員会(JCIE)の基準を用いることが一般的であり、本発明においてもJCIE基準による値を使用している。また白色度はハンター白色度(W値)を示している。
【0022】
(記録材料としての用途)
本発明の結晶変態IIは顕色剤として、発色性染料とともに記録材料に用いることができる。この記録材料はどの様な用途にも使用でき、例えば、感熱記録材料又は感圧複写材料等に利用することができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。
【0024】
(実施例1)N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの変態の方法
特開2003−305959号公報の実施例1に記載された方法で製造したN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド0.3gを一旦、180〜185℃まで加熱し、溶解させる。これを5℃/分程度の速度で冷却し、新規の結晶形を有するN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを合成した。XRDで測定した結果、6.9°及び16.0°に特徴あるピークを検出した。融点:160−162℃
【0025】
(比較例1)N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの合成
特開2003−305959号公報の実施例1に記載された方法でN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを製造した。XRDで測定した結果、7.6°及び17.6°に特徴あるピークを検出した。融点:166−167℃
【0026】
(比較例2)
特開2003−305959号公報の実施例1に記載された方法で製造したN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド0.3gを一旦、180〜185℃まで加熱し、溶解させる。これを200℃以上/分の速度で冷却し、アモルファスのN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを合成した。XRDで測定した結果、特徴あるピークは検出できなかった。
【0027】
(測定例1)色差計による粉体の白色度の測定
サンプルを分光色彩計(日本電色工業社製、型番:SE−2000)の粉体測定用付属セルに光を透過させないように充填させ、測定径を28mmに設定して室温雰囲気下で測定して、実施例1および比較例1〜2のハンター白色度、色彩値L*、a*およびb*を測定し、その結果を第1表に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
第1表の結果から、本発明の結晶変態IIが今まで知られている結晶変態Iとは異なるものであることがわかった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態II。
【請求項2】
N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを加熱した後、冷却することで結晶化させることを特徴とする請求項1に記載のN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態IIの製造方法。
【請求項3】
冷却する速度が3〜20℃/分であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項1】
Cu−Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ)が6.9°及び16.0°にピークを示すことを特徴とする、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態II。
【請求項2】
N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを加熱した後、冷却することで結晶化させることを特徴とする請求項1に記載のN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの結晶変態IIの製造方法。
【請求項3】
冷却する速度が3〜20℃/分であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【公開番号】特開2013−53117(P2013−53117A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193971(P2011−193971)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】
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