説明

N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの固体形態

本発明は、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの実質的に結晶および固体状態形態(形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せ)、その医薬組成物、ならびにそれらを用いる治療方法に関する。本発明の薬学的組成物は、上記化合物の形態A−HCl、形態Bまたは形態B−HClを含み、場合により、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含み、さらに、1種または複数の追加の治療剤を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2009年10月23日に出願された米国仮特許出願第61/254,614号の利益を主張する。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(「CFTR」)のモジュレーターである、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの固体状態形態、例えば結晶性形態に関する。本発明は、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの結晶性形態を含む医薬組成物およびそれを用いる方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ATPカセット輸送体は、多種多様な薬理作用剤、潜在的に毒性の薬物および生体異物、ならびにアニオンの輸送を制御する膜輸送体タンパク質のファミリーである。該輸送体は、細胞のアデノシン三リン酸(ATP)を結合し、その特異的活性のために使用する、相同膜タンパク質である。これらの輸送体のいくつかは、悪性がん細胞を化学療法剤から防御する多剤耐性タンパク質(MDR1−P糖タンパク質、または多剤耐性タンパク質、MRP1のような)として発見された。これまでに、48種のそのような輸送体が同定され、それらの配列同一性および機能に基づいて7つのファミリーに分類されている。
【0004】
一般に疾患と関連するATPカセット輸送体ファミリーの1つのメンバーは、cAMP/ATP媒介性アニオンチャネル、CFTRである。CFTRは、吸収細胞および分泌上皮細胞を包含する様々な細胞型において発現され、ここで、膜を横断するアニオンフラックス、ならびに他のイオンチャネルおよびタンパク質の活性を制御する。上皮細胞において、CFTRの正常機能は、呼吸および消化組織を包含する体全体にわたる電解質輸送の維持のために重大である。CFTRは、6つの膜貫通ヘリックスと1つのヌクレオチド結合ドメインとをそれぞれ含有する膜貫通ドメインの縦列反復でできているタンパク質をコードする、およそ1480個のアミノ酸から構成される。2つの膜貫通ドメインは、チャネル活性および細胞トラフィッキングを制御する多数のリン酸化部位を持つ大きな極性制御(R)−ドメインによって連結されている。
【0005】
CFTRをコードする遺伝子が同定され配列決定されている(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3を参照)。この遺伝子における欠損は、CFTRにおける変異を引き起こし、ヒトの最も一般的な致死的遺伝病である嚢胞性線維症(「CF」)をもたらす。米国では、およそ2,500人に1人の乳幼児が嚢胞性線維症に冒されている。米国の総人口のうち、最大1,000万人が、明白な病的影響なしに、欠陥遺伝子の単一コピーを有している。対照的に、CF関連遺伝子の2つのコピーを持つ個体は、慢性肺疾患を包含する、CFの衰弱性の影響および致死的影響を被っている。
【0006】
嚢胞性線維症患者において、呼吸上皮中に内因的に発現したCFTRにおける変異は、イオンおよび流体輸送における不均衡を引き起こす頂端アニオン分泌の低減につながる。結果として生じるアニオン輸送の減少は、肺における粘液貯留の強化および付随する微生物感染に寄与し、これが最終的にCF患者の死を引き起こす。CF患者は、呼吸器疾患に加えて、典型的に、胃腸の問題および治療しないまま放置すると死をもたらす膵機能不全に罹患する。加えて、嚢胞性線維症の男性の大多数は不妊であり、嚢胞性線維症の女性の間では受胎能が低下する。CF関連遺伝子の2つのコピーの深刻な影響とは対照的に、CF関連遺伝子の単一コピーを持つ個体は、コレラに対して、および下痢によって生じる脱水症に対して、抵抗性の増大を示す。おそらくこれにより、集団内の比較的高度数のCF遺伝子の説明がつくであろう。
【0007】
CF染色体のCFTR遺伝子の配列分析は、変異を引き起こす様々な疾患を明らかにした(非特許文献4;非特許文献5;および非特許文献6;非特許文献7)。これまでに、CF遺伝子において変異を引き起こす1000を超える疾患が同定されている(http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/app)。最もよく見られる変異は、CFTRアミノ酸配列の508位におけるフェニルアラニンの欠失であり、一般にΔF508−CFTRと称される。この変異は、嚢胞性線維症の症例のおよそ70パーセントに生じ、重症疾患に関連する。
【0008】
ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質の正しいフォールディングを妨げる。この結果、変異タンパク質はERから出ることができず、原形質膜へ出入りすることができなくなる。結果として、膜中に存在するチャネル数は、野生型CFTRを発現している細胞において観察されるものよりもはるかに少ない。変異は、トラフィッキング障害(impaired trafficking)に加えて、チャネルゲーティングの欠陥をもたらす。それと同時に、膜中のチャネル数の低減およびゲーティングの欠陥は、上皮を横断するアニオン輸送の低減を招き、イオンおよび流体輸送の欠陥につながる(非特許文献8)。しかしながら、研究は、膜中のΔF508−CFTR数の低減が、野生型CFTRに満たないとはいえ機能的であることを示した(非特許文献9;Denningら、上記を参照;非特許文献10)。ΔF508−CFTR、R117H−CFTRおよびG551D−CFTRに加えて、トラフィッキング、合成および/またはチャネルゲーティングの欠陥をもたらすCFTRにおける変異を引き起こす他の疾患を上方または下方制御して、アニオン分泌を変化させ、疾患の進行および/または重症度を変更することができる場合がある。
【0009】
CFTRはアニオンに加えて様々な分子を輸送するが、この役割(アニオン、クロライドおよび重炭酸塩の輸送)が、上皮を横断してイオンおよび水を輸送する重要な機序における1つの要素を表すことは明瞭である。他の要素は、細胞へのクロライドの取込みを司る、上皮Naチャネル、ENaC、Na/2Cl/K共輸送体、Na−K−ATPアーゼポンプおよび側底膜Kチャネルを包含する。
【0010】
これらの要素が協働して、細胞内におけるそれらの選択的発現および局在により、上皮を横断する指向性輸送を達成する。クロライドの吸収は、頂端膜上に存在するENaCおよびCFTRならびに細胞の側底面上で発現されるNa−K−ATPアーゼポンプおよびClチャネルの協調活性によって起こる。腔側からのクロライドの二次能動輸送は、細胞内クロライドの蓄積を招き、次いでこれがClイオンチャネルを介して細胞から受動的に離れ、ベクトル輸送をもたらし得る。側底面上のNa/2Cl/K共輸送体、Na−K−ATPアーゼポンプおよび側底膜Kチャネルならびに腔側のCFTRの配置は、腔側のCFTRを介するクロライドの分泌を加減する。おそらく水自体が能動的に輸送されることはないため、上皮を横断するその流量は、ナトリウムおよびクロライドのバルク流によって生成される極めて小さな経上皮浸透圧勾配によって決まる。
【0011】
CFTR中における変異による重炭酸塩輸送の欠陥は、ある特定の分泌機能における欠損を引き起こすと仮定されている。例えば、非特許文献11を参照されたい。
【0012】
中等度のCFTR機能不全に関連するCFTRにおける変異は、ある特定の疾患の徴候をCFと共有するがCFの診断基準に合致しない状態の患者においても顕著である。これらは、精管の先天性両側欠損、特発性慢性膵炎、慢性気管支炎および慢性鼻副鼻腔炎を包含する。変異型CFTRが修飾遺伝子または環境要因とともに危険因子であると考えられている他の疾患は、原発性硬化性胆管炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症および喘息を包含する。
【0013】
タバコの煙、低酸素症、および低酸素シグナル伝達を誘発する環境要因も、CFTR機能を損なうことが実証されており、慢性気管支炎等、ある特定の形態の呼吸器疾患に寄与し得る。CFTR機能の欠陥によるものであり得るがCFの診断基準に合致しない疾患は、CFTRに関係する疾患として特徴付けられる。
【0014】
嚢胞性線維症に加えて、分泌性疾患およびCFTRによって媒介される他のタンパク質フォールディング疾患等、CFTRにおける変異によって直接引き起こされるのではない他の疾患に、CFTR活性の調節が有益となり得る。CFTRは、多くの細胞の上皮を横断するクロライドおよび重炭酸塩フラックスを制御して、流体運動、タンパク質可溶化、粘液粘度および酵素活性を制御する。CFTRにおける欠損は、肝臓および膵臓を包含する多くの臓器において、気道または導管の遮断を引き起こし得る。増強物質は、細胞膜中に存在するCFTRのゲーティング活性を強化する化合物である。炎症および組織破壊につながる粘液の増粘、体液調節障害、粘液クリアランス障害または導管遮断を伴う任意の疾患は、増強物質の候補となり得る。
【0015】
これらは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、喫煙誘発性COPD、慢性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、ドライアイ疾患およびシェーグレン症候群、胃食道逆流性疾患、胆石、直腸脱、ならびに炎症性腸疾患を包含するがこれらに限定されない。COPDは、進行性であり完全に可逆性ではない気流制限を特徴とする。気流制限は、粘液過分泌、肺気腫および気管支炎によるものである。変異型または野生型CFTRの活性化因子は、COPDにおいて一般的である粘液過分泌および粘液線毛クリアランス障害の潜在的治療を提案する。具体的には、CFTRを横断するアニオン分泌を増大させることにより、気道表面液体への流体輸送を容易にして、粘液を水和させ、線毛間液の粘度を最適化することができる。これは、粘液線毛クリアランスの強化およびCOPDに関連する症状の低減につながるであろう。加えて、気道クリアランスの改善により進行中の感染および炎症を予防することによって、CFTRモジュレーターは、肺気腫を特徴付ける気道の実質(parenchimal)の破壊を予防するかまたは減速させることができ、かつ、気道疾患における粘液過分泌を引き起こす、粘液分泌細胞数およびサイズの増大を低減させるかまたは逆転させることができる。ドライアイ疾患は、涙液産生の減少、ならびに異常な涙膜脂質、タンパク質およびムチンのプロファイルを特徴とする。ドライアイには多くの原因があり、そのいくつかは、年齢、レーシック手術、関節炎、投薬、化学火傷/熱傷、アレルギー、ならびに嚢胞性線維症およびシェーグレン症候群等の疾患を包含する。CFTRを介してアニオン分泌を増大させることにより、角膜内皮細胞および目の周囲の分泌腺からの流体輸送が強化されて、角膜水和を増大させるであろう。これは、ドライアイ疾患に関連する症状を軽減するのに役立つであろう。シェーグレン症候群は、免疫系が、目、口、皮膚、呼吸組織、肝臓、膣および消化管を包含する体全体にわたる水分産生腺を攻撃する自己免疫疾患である。症状は、ドライアイ、ドライマウスおよび膣の乾燥、ならびに肺疾患を包含する。該疾患は、関節リウマチ、全身性ループス、全身性硬化症および多発性筋炎/皮膚筋炎にも関連する。タンパク質トラフィッキングの欠陥は、該疾患を引き起こすと考えられており、それに対する治療選択肢は限定されている。CFTR活性のモジュレーターは、該疾患を患っている種々の臓器を水和させることができ、関連症状を軽減するのに役立ち得る。嚢胞性線維症の個体は、腸閉塞の再発エピソード、ならびに直腸脱(polapse)、胆石、胃食道逆流性疾患、GI悪性腫瘍および炎症性腸疾患の高い発生率を有し、そのような疾患を予防する上でCFTR機能が重要な役割を果たし得ることを指示している。
【0016】
上記で論じた通り、ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質が正しくフォールディングするのを妨げ、この変異タンパク質のERからの退出不能および原形質膜への出入り不能をもたらすと考えられている。結果として、不十分な量の成熟タンパク質が原形質膜に存在し、上皮組織内におけるクロライド輸送は有意に低減される。実際に、このER機構によるCFTRのERプロセシングの欠陥の細胞現象は、CF疾患だけではなく、広範な他の孤立性および遺伝性疾患の基礎となることが示された。ER機構が機能不良となり得る2つの道筋は、分解につながるタンパク質のER搬出とのカップリング喪失によるもの、またはこれらの欠陥/ミスフォールディングされたタンパク質のER蓄積によるもののいずれかである[非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16]。第一クラスのER機能不良に関連する疾患は、嚢胞性線維症(上記で論じた通りのミスフォールディングされたΔF508−CFTRによる)、遺伝性肺気腫(a1−抗トリプシンによる;非Piz改変体)、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症(リソソームプロセシング酵素による)、サンドホフ/テイ・サックス病(β−ヘキソサミニダーゼによる)、クリグラー・ナジャーII型(UDP−グルクロニル−シアリック(sialyc)−トランスフェラーゼによる)、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病(インスリン受容体による)、ラロン型小人症(成長ホルモン受容体による)、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症(プレプロ副甲状腺ホルモンによる)、黒色腫(チロシナーゼによる)である。後者のクラスのER機能不良に関連する疾患は、グリカノーシスCDG1型、遺伝性肺気腫(α1−抗トリプシン(PiZ改変体による)、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症(I、II、IV型プロコラーゲンによる)、遺伝性低フィブリノゲン血症(フィブリノゲンによる)、ACT欠損症(α1−抗キモトリプシンによる)、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性DI(バソプレシンホルモン/V2受容体による)、腎性DI(アクアポリンIIによる)、シャルコーマリートゥース症候群(末梢性ミエリンタンパク質22による)、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病(βAPPおよびプレセニリンによる)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病(プリオンタンパク質プロセシング欠損による)等の海綿状脳症、ファブリー病(リソソームα−ガラクトシダーゼAによる)、シュトロイスラー‐シャインカー症候群(Prpプロセシング欠損による)、不妊、膵炎、膵機能不全、骨粗しょう症、骨減少症、ゴーラム病、クロライドチャネル病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、先天性線毛運動不全症(PCD)、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCD、ならびに肝疾患である。
【0017】
CFTRにおける変異が関与する他の疾患は、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、軽度肺疾患、特発性膵炎およびアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を包含する。非特許文献17(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0018】
CFTR活性の上方制御に加えて、CFTRモジュレーターによってアニオン分泌を低減させることは、分泌促進剤によって活性化されたクロライド輸送の結果として上皮の水輸送が劇的に増大している分泌性下痢の治療に有益となり得る。機序は、cAMPの上昇およびCFTRの刺激を伴う。
【0019】
下痢の原因は多数あるが、過度のクロライド輸送によって生じる下痢性疾患の主要な結末はすべてに共通であり、脱水症、アシドーシス、成長障害および死を包含する。急性および慢性下痢は、世界の多くの地域における主要な医学的問題を代表する。下痢は、栄養失調における有意な要因でもあり、5歳未満の小児における死因の第一位(5,000,000人の死/年)でもある。
【0020】
分泌性下痢はまた、後天性免疫不全症候群(AIDS)および慢性炎症性腸疾患(IBD)の患者において危険な状態である。旅行先の国および地域に応じて下痢の重症度および症例数は変わるが、先進工業国から発展途上国への旅行者1,600万人が毎年下痢を発症している。
【0021】
したがって、ヒトCFTRの野生型および変異型形態の、強力かつ選択的なCFTR増強物質が必要である。これらの変異型CFTR形態は、ΔF508del、G551D、R117H、2789+5G→Aを包含するがこれらに限定されない。
【0022】
哺乳動物の細胞膜におけるCFTRの活性を調節するために使用され得る、CFTR活性のモジュレーターおよびその組成物も必要である。
【0023】
そのようなCFTR活性のモジュレーターを使用して、CFTRにおける変異によって引き起こされる疾患を治療する方法が必要である。
【0024】
哺乳動物のエクスビボ細胞膜におけるCFTR活性を調節する方法が必要である。
【0025】
加えて、治療薬として使用するのに適切な医薬組成物において容易に使用され得る、前記化合物の安定な固体形態が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】Gregory, R. J.ら(1990年)、Nature、347巻:382〜386頁
【非特許文献2】Rich, D. P.ら(1990年)、Nature、347巻:358〜362頁
【非特許文献3】Riordan, J. R.ら(1989年)、Science、245巻:1066〜1073頁
【非特許文献4】Cutting, G. R.ら(1990年)、Nature、346巻:366〜369頁
【非特許文献5】Dean, M.ら(1990年)、Cell、61巻:863号:870頁
【非特許文献6】Kerem, B−S.ら(1989年)、Science、245巻:1073〜1080頁
【非特許文献7】Kerem, B−S.ら(1990年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87巻:8447〜8451頁
【非特許文献8】Quinton, P. M.(1990年)、FASEB J.、4巻:2709〜2727頁
【非特許文献9】Dolmansら(1991年)、Nature Lond.、354巻:526〜528頁
【非特許文献10】PasykおよびFoskett(1995年)、J. Cell. Biochem.、270巻:12347〜50頁
【非特許文献11】Cystic fibrosis: impaired bicarbonate secretion and mucoviscidosis」、Paul M. Quinton、Lancet、2008年、372巻:415〜417頁
【非特許文献12】Aridor Mら、Nature Med.、5巻(7号)、745〜751頁(1999年)
【非特許文献13】Shastry, B.S.ら、Neurochem. International、43巻、1〜7頁(2003年)
【非特許文献14】Rutishauser, J.ら、Swiss Med Wkly、132巻、211〜222頁(2002年)
【非特許文献15】Morello, JPら、TIPS、21巻、466〜469頁(2000年)
【非特許文献16】Bross P.ら、Human Mut.、14巻、186〜198頁(1999年)
【非特許文献17】CFTR−opathies: disease phenotypes associated with cystic fibrosis transmembrane regulator gene mutations」、Peader G. NooneおよびMichael R. Knowles、Respir. Res.、2001年、2巻:328〜332頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、以下の構造を有するN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(以後「化合物I」):
【0028】
【化1】

の固体形態に関する。
【0029】
化合物Iおよび薬学的に許容されるその組成物は、嚢胞性線維症、喘息、喫煙誘発性COPD、慢性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、膵炎、膵機能不全、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、軽度肺疾患、特発性膵炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、肝疾患、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・サックス病、クリグラー・ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病、ラロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノーシス(Glycanosis)CDG1型、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性(neurophyseal)DI、腎性DI、シャルコーマリートゥース症候群、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病(プリオンタンパク質プロセシング欠損による)等の海綿状脳症、ファブリー病、シュトロイスラー‐シャインカー症候群、COPD、ドライアイ疾患、またはシェーグレン病、骨粗しょう症、骨減少症、骨折治癒機転および骨成長(骨修復、骨再生、骨吸収を低減させることおよび骨沈着を増大させることを包含する)、ゴーラム病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)等のクロライドチャネル病、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、ならびに、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCDを包含する線毛の構造および/または機能の遺伝障害を表す用語である先天性線毛運動不全症(PCD)を包含するがこれらに限定されない様々な疾患、障害または状態を治療するまたはその重症度を下げるのに有用である。
【0030】
一態様において、化合物Iは、本明細書において記述され特徴付けられる通り、形態B、形態A−HClまたは形態B−HClと称される実質的に結晶性の形態である。
【0031】
別の態様において、化合物Iは、本明細書において記述され特徴付けられる通り、形態A−HClまたは形態B−HClと称される塩酸塩形態である。
【0032】
別の態様において、化合物Iは、本明細書において記述され特徴付けられる通り、形態B−HClと称される塩酸塩形態である。
【0033】
本明細書において記述される方法を使用して、形態B、形態A−HCl、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せを含む本発明の組成物を調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、形態A−HClの例示的試料のX線粉末回折パターンである。
【図2】図2は、形態A−HClの代表的試料についてのDSC曲線である。
【図3】図3は、試料重量を温度の関数として提示する、形態A−HClの代表的試料の熱重量分析によって生成された曲線である。
【図4】図4は、形態A−HClの代表的試料のFTIRスペクトルである。
【図5】図5は、形態A−HClの代表的試料の固相13C NMRスペクトルである。
【図6】図6は、形態A−HClの代表的試料の固相19F NMRスペクトルである。
【図7A】図7Aは、機器1を用いて記録された、形態Bの代表的試料についてのX線粉末回折パターンである。
【図7B】図7Bは、機器2を用いて記録された、形態Bの代表的試料についてのX線粉末回折パターンである。
【図8】図8は、形態Bの代表的試料についてのDSC曲線である。
【図9】図9は、試料重量を温度の関数として提示する、形態Bの代表的試料の熱重量分析によって生成される曲線である。
【図10】図10は、形態Bの代表的試料のFTIRスペクトルである。
【図11】図11は、形態Bの代表的試料の固相13C NMRスペクトルである。
【図12】図12は、形態Bの代表的試料の固相19F NMRスペクトルである。
【図13】図13は、形態B−HClの代表的試料のX線粉末回折パターンである。
【図14】図14は、形態B−HClの代表的試料についてのDSC曲線である。
【図15】図15は、試料重量を温度の関数として提示する、形態B−HClの代表的試料の熱重量分析によって生成される曲線である。
【図16】図16は、形態B−HClの代表的試料のFTIRスペクトルである。
【図17】図17は、形態B−HClの代表的試料の固相13C NMRスペクトルである。
【図18】図18は、形態B−HClの代表的試料の固相19F NMRスペクトルである。
【図19】図19は、単一X線分析に基づく形態Bの立体配座構造の例示である。
【図20】図20は、単一X線分析に基づく形態A−HClの立体配座構造の例示である。
【図21】図21は、単一X線分析に基づく形態A−HClの分子充填図表である。
【図22】図22は、単一X線分析に基づく形態B−HClの立体配座構造の例示である。
【図23】図23は、単一X線分析に基づく形態B−HClの分子充填図表である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、下記の定義が当てはまるものとする。
【0036】
用語「ABC輸送体」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの結合ドメインを含むABC輸送体タンパク質またはその断片を意味し、ここで、前記タンパク質またはその断片は、インビボまたはインビトロで存在する。用語「結合ドメイン」は、本明細書において使用される場合、モジュレーターと結合することができるABC輸送体上のドメインを意味する。例えば、Hwang, T. C.ら、J. Gen. Physiol.(1998年):111巻(3号)、477〜90頁を参照されたい。
【0037】
用語「CFTR」は、本明細書において使用される場合、ΔF508 CFTR、R117H CFTRおよびG551D CFTRを包含するがこれらに限定されない、制御因子活性の能力がある嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子またはその変異を意味する(例えば、CFTR変異については、http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/appを参照されたい)。
【0038】
用語「調節すること」は、本明細書において使用される場合、測定可能な量だけ増大または減少させることを意味する。
【0039】
用語「正常なCFTR」または「正常なCFTR機能」は、本明細書において使用される場合、喫煙、汚染、または肺において炎症を生じさせる何か等の環境要因によるいかなる機能障害もない、野生型様CFTRを意味する。
【0040】
用語「CFTRの低減」または「CFTR機能の低減」は、本明細書において使用される場合、正常未満のCFTRまたは正常未満のCFTR機能を意味する。用語「結晶性」は、構造単位が固定された幾何パターンまたは格子状に配置されているため、結晶性固体が厳格な長距離秩序を有する化合物または組成物を指す。結晶構造を構成している構造単位は、原子、分子またはイオンであってよい。結晶性固体は、一定の融点を示す。
【0041】
用語「実質的に結晶性」は、厳格な長距離秩序を有する固定された幾何パターンまたは格子状に主に配置されている固体材料を指す。例えば、実質的に結晶性の材料は、約85%超の結晶化度(例えば、約90%超の結晶化度、約95%超の結晶化度、または約99%超の結晶化度)を有する。用語「実質的に結晶性」は、前項において定義されている記述子「結晶性」を包含することにも留意されたい。
【0042】
本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版に従って定義されている。加えて、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年、ならびに「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、Smith, M.B.およびMarch, J.編、John Wiley & Sons、New York:2001年において記述されており、それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
別段の規定がない限り、本発明の化合物の互変異性形態はすべて、本発明の範囲内である。
【0044】
加えて、別段の規定がない限り、本明細書において描写されている構造は、1種または複数種の同位体富化された原子が存在するという点でのみ異なる化合物を包含するようにも意味付けられている。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13C富化炭素もしくは14C富化炭素による炭素の置換を除いて本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。そのような化合物、特に重水素原子を含有する化合物は、改変された代謝特性を呈し得る。
【0045】
形態A−HCl
一態様において、本発明は、形態A−HClとして特徴付けられるN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの形態を取り上げる。
【0046】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、X線粉末回折パターンにおける、度単位で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約6.9から約7.3度まで(例えば約7.1度)の1つのピーク、約8.0から約8.4度まで(例えば約8.2度)の1つのピーク、約13.9から約14.2度まで(例えば約14.1度)の1つのピーク、および約21.0から約21.4度まで(例えば約21.2度)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0047】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、X線粉末回折パターンにおける、度で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約6.9から約7.3度まで(例えば約7.1度)の1つのピーク、約8.0から約8.4度まで(例えば約8.2度)の1つのピーク、約11.9から約12.3度まで(例えば約12.1度)の1つのピーク、約13.5から約13.9度まで(例えば約13.7度)の1つのピーク、約16.2から約16.6度まで(例えば約16.4度)の1つのピーク、約18.5から約18.9度まで(例えば約18.7度)の1つのピーク、および約21.0から約21.4度まで(例えば約21.2度)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0048】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、X線粉末回折パターンにおける、度で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約6.9から約7.2度まで(例えば約7.1度)の1つのピーク、約8.0から約8.4度まで(例えば約8.2度)の1つのピーク、約13.9から約14.3度まで(例えば約14.1度)の1つのピーク、約14.5から約14.9度まで(例えば約14.7度)の1つのピーク、約16.2から約16.6度まで(例えば約16.4度)の1つのピーク、約18.5から約18.9度まで(例えば約18.7度)の1つのピーク、約21.0から約22.2度まで(例えば約21.2度、約21.7度、約21.9度のピーク)の3つのピーク、約22.6から約23.0度まで(例えば約22.8度)の1つのピーク、約24から約25度まで(例えば約24.6度および約25度のピーク)の2つのピーク、および約35.3度から約36.0度まで(例えば35.6度)の2つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0049】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、図1において提供されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【0050】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、固体状態13C NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約163.5から約163.9ppmまで(例えば約163.7ppm)の1つのピーク、約137.0から約137.4ppmまで(例えば約137.2ppm)の1つのピーク、および約121.3から約121.7ppmまで(例えば約121.5ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0051】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、固体状態13C NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約175.5から約175.9ppmまで(例えば約175.7ppm)の1つのピーク、約163.5から約163.9ppmまで(例えば約163.7ppm)の1つのピーク、約142.4から約142.8ppmまで(例えば約142.6ppm)の1つのピーク、約140.6から約141.0ppmまで(例えば約140.8ppm)の1つのピーク、約137.0から約137.4ppmまで(例えば約137.2ppm)の1つのピーク、約131.3から約131.7ppmまで(例えば約131.5ppm)、および約121.3から約121.7ppmまで(例えば約121.5ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0052】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、図5において示される固体状態13C NMRスペクトルを特徴とする。
【0053】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、固体状態19F NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約−56.8から約−57.2ppmまで(例えば約−57.0ppm)の1つのピーク、および約−60.3から約−60.7ppmまで(例えば約−60.5ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0054】
いくつかの実施形態において、形態A−HClは、図6において示される固体状態19F NMRスペクトルを特徴とする。
【0055】
また他の実施形態において、形態A−HClは、図4において提供されるFTIRスペクトルを特徴とする。
【0056】
形態B
一態様において、本発明は、形態Bとして特徴付けられるN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの形態を取り上げる。
【0057】
いくつかの実施形態において、形態Bは、X線粉末回折パターンにおける、度で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約6.5から約6.9度まで(例えば約6.7度)の1つのピーク、約9.8から約10.2度まで(例えば約10.0度)の1つのピーク、約11.0から約11.4度まで(例えば約11.2度)の1つのピーク、約13.2から約13.6度まで(例えば約13.4度)の1つのピーク、および約23.8から約24.2度まで(例えば約24.2度)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0058】
いくつかの実施形態において、形態Bは、1つまたは複数のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約6.5から約6.9度まで(例えば約6.7度)の1つのピーク、約9.2から約9.6度まで(例えば約9.4)の1つのピーク、約11.0から約11.4度まで(例えば約11.2度)の1つのピーク、約13.2から約13.6度まで(例えば約13.4度)の1つのピーク、約15.0から約15.4度まで(例えば約15.2度)の1つのピーク、約17.0から約17.4度まで(例えば約17.2度)の1つのピーク、約17.6から約18.0度まで(例えば約17.8度)の1つのピーク、約17.9から約18.3度まで(例えば約18.1度)の1つのピーク、約19.0から約19.4度(例えば約19.2)の1つのピーク、約19.9から約20.3度(例えば約20.1度)の1つのピーク、約21.0から約21.5度(例えば約21.2度)の1つのピーク、約21.8から約22.2度(例えば約22.0度)の1つのピーク、約23.8から約24.2度(例えば約24.0度)の1つのピーク、約26.0から約26.4度(例えば約26.2度)の1つのピーク、約27.0から約27.4度(例えば約27.2度)の1つのピーク、約27.5から約27.9度(例えば約27.7度)の1つのピーク、および約28.7から約29.1度まで(例えば約28.9度)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0059】
いくつかの実施形態において、形態Bは、図7において提供されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【0060】
いくつかの実施形態において、形態Bは、固体状態13C NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約165.1から約165.5ppmまで(例えば約165.3ppm)の1つのピーク、約145.7から約146.1ppmまで(約145.9ppm)の1つのピーク、約132.7から約133.1ppmまで(例えば約132.9ppm)の1つのピーク、および約113.2から約113.6ppmまで(例えば約113.4ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0061】
いくつかの実施形態において、形態Bは、固体状態13C NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)として測定された下記のピーク:約175.1から約175.5ppmまで(例えば約175.3ppm)の1つのピーク、約165.1から約165.5ppmまで(例えば約165.3ppm)の1つのピーク、約141.2から約141.6ppmまで(例えば約141.4ppm)の1つのピーク、約145.7から約146.1ppmまで(例えば約145.9ppm)の1つのピーク、約132.7から約133.1ppmまで(例えば約132.9ppm)の1つのピーク、約123.3から約123.7ppmまで(例えば約123.5ppm)の1つのピーク、約126.6から約127.0ppmまで(例えば約126.8ppm)の1つのピーク、約113.2から約113.6ppmまで(例えば約113.4ppm)の1つのピーク、約117.2から約117.6ppmまで(例えば約117.4ppm)の1つのピーク、約58.1から約58.5ppmまで(例えば約58.3ppm)の1つのピーク、約26.7から約27.1ppmまで(例えば約26.9ppm)の1つのピーク、および約29.00から約29.4ppmまで(例えば約29.2ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0062】
いくつかの実施形態において、形態Bは、図11において示される固体状態13C NMRスペクトルを特徴とする。
【0063】
いくつかの実施形態において、形態Bは、固体状態19F NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約−55.9から約−56.3ppmまで(例えば約−56.1ppm)の1つのピーク、および約−61.9から約−62.3ppmまで(例えば約−62.1ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0064】
いくつかの実施形態において、形態Bは、図12において示される固体状態19F NMRスペクトルを特徴とする。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、単斜晶系、P21/c空間群、ならびに下記の単位格子寸法:a=13.5429(4)Å、b=13.4557(4)Å、c=12.0592(4)Å、α=90°、β=101.193°およびγ=90°を有する、形態BのN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの結晶を取り上げる。
【0066】
一実施形態において、本発明は、単斜晶系、P21/c空間群、ならびに下記の単位格子寸法:a=13.5429(4)Å、b=13.4557(4)Å、c=12.0592(4)Åを有する、形態BのN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの結晶を提供する。
【0067】
また他の実施形態において、形態Bは、図10において提供されるFTIRスペクトルを特徴とする。
【0068】
形態B−HCl
一態様において、本発明は、形態B−HClとして特徴付けられるN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの形態を取り上げる。
【0069】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、X線粉末回折パターンにおける、度で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約8.1から約8.5度まで(例えば約8.3度)の1つのピーク、約8.8から約9.2度まで(例えば約9.0度)の1つのピーク、約12.8から約13.2度まで(例えば約13.0度)の1つのピーク、約17.8から約18.2度まで(例えば約18.0度)の1つのピーク、および約22.8から約23.2度まで(例えば約23.0度)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0070】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、X線粉末回折パターンにおける、度で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約8.1から約8.5度まで(例えば約8.3度)の1つのピーク、約14.6から約15.1度まで(例えば約14.8度)の1つのピーク、約16.5から約16.9度まで(例えば約16.7度)の1つのピーク、約17.6から約18.4度まで(例えば約17.8度、約18.0度、および約18.2度)の3つのピーク、約21.4から約22.1度まで(例えば約21.7度および約22.0度)の2つのピーク、約22.8から約23.8度まで(例えば約23.0度および約23.6度)の2つのピーク、約24.7から約25.4度まで(例えば約24.9度および約25.2度)の2つのピーク、約26.9から約27.3度まで(例えば約27.1度)の1つのピーク、約30.9度から約31.3度まで(例えば約31.1度)の1つのピーク、および約38.2から約38.7度まで(例えば約38.5度)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0071】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、X線粉末回折パターンにおける、度で測定された下記のピーク:Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折における、約8.1から約8.5度まで(例えば約8.3度)の1つのピーク、約13.8から約14.3度まで(例えば約14.1度)の1つのピーク、約14.6から約15.5度まで(例えば約14.8度および約15.2度)の2つのピーク、約16.5から約16.9度まで(例えば約16.7度)の1つのピーク、約17.6から約18.4度まで(例えば約17.8度、約18.0度および約18.2度)の3つのピーク、約19.1から約19.7度まで(例えば約19.3度および約19.5度)の2つのピーク、約21.4から約22.1度まで(例えば約21.7度および約22.0度)の2つのピーク、約22.8から約23.8度まで(例えば約23.0度および約23.6度のピーク)の2つのピーク、約24.5から約25.9度まで(例えば約24.7度、約24.9度、約25.2度および約25.7度)の4つのピーク、約26.9から約27.3度まで(例えば約27.1度)の1つのピーク、約27.7から約28.3度まで(例えば約27.9度および約28.1度)の2つのピーク、約29.5から約30.0度まで(例えば約29.7度および約29.8度)の2つのピーク、約29.5から約30.0度まで(例えば約29.7度および約29.8度)の2つのピーク、約30.9から約31.3度まで(例えば約31.1度)の1つのピーク、約32.1から約32.5度まで(例えば約32.3度)の1つのピーク、約33.2から約34.1度まで(例えば約33.4度、約33.8度および約33.9度)の3つのピーク、約35.0から約35.4度まで(例えば約35.2度)の1つのピーク、約36.0から約36.4度まで(例えば約36.2度)の1つのピーク、および約38.3度から約40.1度まで(例えば約38.5度、約38.6度および約39.9度)の3つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0072】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、図13において提供されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【0073】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、固体状態13C NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約168.0から約168.4ppmまで(例えば約168.2ppm)の1つのピーク、約148.5から約148.9ppmまで(例えば約148.7ppm)の1つのピーク、約138.6から約139.0ppmまで(例えば約138.8ppm)の1つのピーク、約119.6から約120.0ppmまで(例えば約119.8ppm)の1つのピーク、および約23.7から約24.1ppmまで(例えば約23.9ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0074】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、固体状態13C NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約176.1から約176.5ppmまで(例えば約176.3ppm)の1つのピーク、約168.0から約168.4ppmまで(例えば約168.2ppm)の1つのピーク、約148.5から約148.9ppmまで(例えば約148.7ppm)の1つのピーク、約143.0から約143.4ppmまで(例えば約143.2ppm)の1つのピーク、約138.6から約139.0ppmまで(例えば約138.8ppm)の1つのピーク、約119から約134ppmまで(例えば約131.6ppm、約129.6ppm、約129.1ppm、約126.7ppm、約125.8ppm、約122.7ppmおよび約119.8ppm)の7つのピーク、約112.1から約112.5ppmまで(例えば約112.3ppm)の1つのピーク、約68.8から約69.2ppmまで(例えば約69.0ppm)の1つのピーク、約66.7から約67.1ppmまで(例えば約66.9ppm)の1つのピーク、約28.1から約28.5ppmまで(例えば約28.3ppm)の1つのピーク、および約23.7から約24.1ppmまで(例えば約23.9ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0075】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、図17において示される固体状態13C NMRスペクトルを特徴とする。
【0076】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、固体状態19F NMRスペクトルにおける、百万分率(ppm)で測定された下記のピーク:約−55.4から約−55.8ppmまで(例えば約−55.6ppm)の1つのピーク、および約−61.8から約−62.2ppmまで(例えば約−62.0ppm)の1つのピークの1つまたは複数を特徴とする。
【0077】
いくつかの実施形態において、形態B−HClは、図18において示される固体状態19F NMRスペクトルを特徴とする。
【0078】
また他の実施形態において、形態B−HClは、図16において提供されるFTIRスペクトルを特徴とする。
【0079】
一態様において、本発明は、形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはそれらの任意の組合せと、薬学的に許容されるアジュバントまたは担体とを含む、医薬組成物を取り上げる。
【0080】
一態様において、本発明は、ヒトにおけるCFTR媒介性疾患を治療する方法であって、前記ヒトに、有効量の形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはそれらの任意の組合せを投与するステップを含む方法を取り上げる。
【0081】
いくつかの実施形態において、該方法は、追加の治療剤を投与するステップを含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、疾患は、嚢胞性線維症、膵炎、副鼻腔炎、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・サックス病、クリグラー・ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病、ラロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノーシスCDG1型、遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性DI、腎性DI、シャルコーマリートゥース症候群、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病等の海綿状脳症、ファブリー病、シュトロイスラー‐シャインカー症候群、COPD、ドライアイ疾患、膵機能不全、骨粗しょう症、骨減少症、ゴーラム病、クロライドチャネル病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、先天性線毛運動不全症(PCD)、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCD、およびシェーグレン病から選択される。
【0083】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおける嚢胞性線維症を治療する方法であって、前記ヒトに、有効量の形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはそれらの任意の組合せを投与するステップを含む方法を提供する。
【0084】
一態様において、本発明は、形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬パックまたはキットを取り上げる。
【0085】
本発明の他の態様
使用、製剤および投与
薬学的に許容される組成物
本発明の一態様において、薬学的に許容される組成物が提供され、ここで、これらの組成物は、本明細書において記述されている通りの形態A−HCl、形態Bまたは形態B−HClを含み、場合により、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む。ある特定の実施形態において、これらの組成物は、1種または複数の追加の治療剤をさらに含む。
【0086】
上述した通り、本発明の薬学的に許容される組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを追加で含み、これは、本明細書において使用される場合、所望される特定の剤形に適するような、ありとあらゆる溶媒、賦形剤または他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤等を包含する。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、E. W. Martin(Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、1980年)は、薬学的に許容される組成物を製剤化する際に使用される種々の担体およびその調製のための公知の技術を開示している。何らかの望ましくない生物学的効果を生じさせる、または、薬学的に許容される組成物の任意の他の成分(複数可)と有害性の様式で相互作用する等によって、任意の従来の担体媒質が本発明の化合物と配合禁忌でない限り、その使用は本発明の範囲内であることを企図されている。薬学的に許容される担体としての役割を果たすことができる材料のいくつかの例は、イオン交換体;アルミナ;ステアリン酸アルミニウム;レシチン;ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質;ホスフェート、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム等の緩衝物質;植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物;水、塩、または、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩等の電解質;コロイド状シリカ;三ケイ酸マグネシウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリレート;蝋;ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー;羊毛脂;ラクトース、グルコースおよびスクロース等の糖類;コーンスターチおよびジャガイモデンプン等のデンプン類;セルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等のその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤蝋等の添加剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油等の油;プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコール類;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル類;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱性物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;およびリン酸緩衝液;ならびに、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の他の非毒性の適合する滑沢剤を包含するがこれらに限定されず、さらに、調合者の判断により、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および着香剤、保存剤、ならびに酸化防止剤が組成物中に存在してもよい。
【0087】
化合物および薬学的に許容される組成物の使用
また別の態様において、本発明は、CFTR変異が関与する状態、疾患または障害を治療するまたはその重症度を下げる方法を提供する。ある特定の実施形態において、本発明は、CFTR活性の欠損が関与する状態、疾患または障害を治療する方法であって、本明細書において記述されている通りの形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せを含む組成物を、それを必要としている被験体、好ましくは哺乳動物に投与するステップを含む方法を提供する。
【0088】
ある特定の実施形態において、CFTRをコードする遺伝子における変異または環境要因(例えば煙)によるCFTR機能の低減に関連する疾患を治療する方法を提供する。これらの疾患は、嚢胞性線維症、喘息、喫煙誘発性COPD、慢性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、膵炎、膵機能不全、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、軽度肺疾患、特発性膵炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、肝疾患、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・サックス病、クリグラー・ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病、ラロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノーシスCDG1型、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性DI、腎性DI、シャルコーマリートゥース症候群、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病(プリオンタンパク質プロセシング欠損による)等の海綿状脳症、ファブリー病、シュトロイスラー‐シャインカー症候群、COPD、ドライアイ疾患、またはシェーグレン病、骨粗しょう症、骨減少症、骨折治癒機転および骨成長(骨修復、骨再生、骨吸収を低減させることおよび骨沈着を増大させることを包含する)、ゴーラム病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)等のクロライドチャネル病、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、ならびに、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCDを包含する線毛の構造および/または機能の遺伝障害を表す用語である先天性線毛運動不全症(PCD)を包含する。
【0089】
いくつかの実施形態において、方法は、患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。ある特定の実施形態において、患者は、ヒトCFTRの変異型形態を保有する。他の実施形態において、患者は、ヒトCFTRの下記の変異ΔF508、R117HおよびG551Dの1つまたは複数を保有する。一実施形態において、方法は、ヒトCFTRのΔF508変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、ヒトCFTRのG551D変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、少なくとも一方の対立遺伝子上にヒトCFTRのΔF508変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、両方の対立遺伝子上にヒトCFTRのΔF508変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、少なくとも一方の対立遺伝子上にヒトCFTRのG551D変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、両方の対立遺伝子上にヒトCFTRのG551D変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げることを包含する。
【0090】
いくつかの実施形態において、方法は、患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。ある特定の実施形態において、患者は、ヒトCFTRの変異型形態を保有する。他の実施形態において、患者は、ヒトCFTRの下記の変異ΔF508、R117HおよびG551Dの1つまたは複数を保有する。一実施形態において、方法は、ヒトCFTRのΔF508変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、ヒトCFTRのG551D変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、少なくとも一方の対立遺伝子上にヒトCFTRのΔF508変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、両方の対立遺伝子上にヒトCFTRのΔF508変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、少なくとも一方の対立遺伝子上にヒトCFTRのG551D変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。一実施形態において、方法は、両方の対立遺伝子上にヒトCFTRのG551D変異を保有する患者に、本明細書において定義されている通りの組成物の1つを投与するステップを含む、前記患者における嚢胞性線維症の重症度を下げることを包含する。
【0091】
いくつかの態様において、本発明は、患者における骨粗しょう症を治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0092】
ある特定の実施形態において、患者における骨粗しょう症を治療するまたはその重症度を下げる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0093】
いくつかの態様において、本発明は、患者における骨減少症を治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0094】
ある特定の実施形態において、患者における骨減少症を治療するまたはその重症度を下げる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0095】
いくつかの態様において、本発明は、患者における骨折治癒機転および/または骨修復の方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0096】
ある特定の実施形態において、患者における骨折治癒機転および/または骨修復の方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0097】
いくつかの態様において、本発明は、患者における骨吸収を低減させる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0098】
ある特定の実施形態において、患者における骨吸収を低減させる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0099】
いくつかの態様において、本発明は、患者における骨沈着を増大させる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0100】
ある特定の実施形態において、患者における骨沈着を増大させる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0101】
いくつかの態様において、本発明は、患者におけるCOPDを治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0102】
ある特定の実施形態において、患者におけるCOPDを治療するまたはその重症度を下げる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0103】
いくつかの態様において、本発明は、患者における喫煙誘発性COPDを治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0104】
ある特定の実施形態において、患者における喫煙誘発性COPDを治療するまたはその重症度を下げる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0105】
いくつかの態様において、本発明は、患者における慢性気管支炎を治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記患者に、本明細書において記述されている通りの化合物Iを投与するステップを含む方法を提供する。
【0106】
ある特定の実施形態において、患者における慢性気管支炎を治療するまたはその重症度を下げる方法は、前記患者に、本明細書において記述されている通りの医薬組成物を投与するステップを含む。
【0107】
ある特定の実施形態において、本発明は、正常なCFTR機能に関連する疾患を治療するための方法を提供する。これらの疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、反復性気管支炎、急性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、慢性膵炎、再発性膵炎および急性膵炎を包含する膵炎、膵機能不全、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、軽度肺疾患、特発性膵炎、肝疾患、遺伝性肺気腫、胆石、胃食道逆流性疾患、胃腸悪性腫瘍、炎症性腸疾患、便秘、糖尿病、関節炎、骨粗しょう症、ならびに骨減少症を包含する。
【0108】
ある特定の実施形態において、本発明は、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・サックス病、クリグラー・ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病、ラロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノーシスCDG1型、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性DI、腎性DI、シャルコーマリートゥース症候群、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病(プリオンタンパク質プロセシング欠損による)等の海綿状脳症、ファブリー病、シュトロイスラー‐シャインカー症候群、ゴーラム病、クロライドチャネル病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、先天性線毛運動不全症(PCD)、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCD、またはシェーグレン病を包含する正常なCFTR機能に関連する疾患を治療するための方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書において記述されている通りの形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せを投与するステップを含む方法を提供する。
【0109】
代替的な好ましい実施形態によれば、本発明は、前記哺乳動物に組成物を投与するステップを含む嚢胞性線維症を治療する方法であって、前記哺乳動物に、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せを含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0110】
本発明によれば、形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、これらの形態の任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物の「有効量」は、上記で列挙した通りの疾患、障害または状態の1つまたは複数を治療するまたはその重症度を下げるために有効な量である。
【0111】
形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはこれらの形態の任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物は、上記で列挙した通りの疾患、障害または状態の1つまたは複数を治療するまたはその重症度を下げるために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。
【0112】
ある特定の実施形態において、形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、これらの形態の任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物は、呼吸および非呼吸上皮の頂端膜中に残留CFTR活性を呈する患者における、嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げるのに有用である。上皮表面における残留CFTR活性の存在は、当技術分野において公知の方法、例えば、標準的な電気生理学的、生化学的または組織化学的技術を使用して容易に検出できる。そのような方法は、インビボもしくはエクスビボ電気生理学的技術、汗もしくは唾液Cl濃度の測定、またはエクスビボ生化学的もしくは組織化学的技術を使用してCFTR活性を同定し、細胞表面密度をモニターする。そのような方法を使用して、最も一般的な変異ΔF508が同型接合または異型接合の患者を包含する、様々な異なる変異が異型接合または同型接合の患者において、残留CFTR活性が容易に検出され得る。
【0113】
別の実施形態において、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはこれらの形態の任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物は、薬理学的方法または遺伝子療法を使用して、残留CFTR活性が誘発または増進された患者における、嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げるのに有用である。そのような方法は、細胞表面に存在するCFTRの量を増大させ、それにより、患者においてそれまで存在しなかったCFTR活性を誘発する、または患者において残留CFTR活性の既存レベルを増進させる。
【0114】
一実施形態において、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはこれらの形態の任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物は、残留CFTR活性を呈するある特定の遺伝子型、例えば、クラスIII変異(制御またはゲーティングの障害)、クラスIV変異(コンダクタンスの変化)またはクラスV変異(合成の低減)内の患者における、嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げるのに有用である(Lee R. Choo−Kang、Pamela L., Zeitlin、Type I, II, III, IV, and V cystic fibrosis Tansmembrane Conductance Regulator Defects and Opportunities of Therapy; Current Opinion in Pulmonary Medicine、6巻:521〜529頁、2000年)。残留CFTR活性を呈する他の患者遺伝子型は、これらのクラスの1つが同型接合の、または、クラスI変異、クラスII変異もしくは分類のない変異を包含する、任意の他のクラスの変異と異型接合の患者を包含する。
【0115】
一実施形態において、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはこれらの形態の任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物は、ある特定の臨床表現型、例えば、典型的には上皮の頂端膜中の残留CFTR活性の量と相関する中等度から軽度の臨床表現型内の患者における、嚢胞性線維症を治療するまたはその重症度を下げるのに有用である。そのような表現型は、膵機能不全を呈する患者、または、特発性膵炎および精管の先天性両側欠損、もしくは軽度肺疾患と診断された患者を包含する。
【0116】
要求される正確な量は、被験体の種、年齢および全身状態、感染の重症度、特定の作用物質、その投与様式等に応じ、被験体によって変わることになる。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易性および投薬量の均一性のために投薬量単位形態で製剤化される。表現「投薬量単位形態」は、本明細書において使用される場合、治療される患者に適した作用物質の物理的に不連続な単位を指す。しかしながら、本発明の化合物および組成物の1日の総使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で、担当医によって決定されることも理解されよう。任意の特定の患者または有機体に対する特異的に有効な用量レベルは、治療されている障害および該障害の重症度;用いられている特定化合物の活性:用いられている特定組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食生活;用いられている特定化合物の、投与時間、投与経路および排泄速度;治療の持続時間;用いられている特定化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物;ならびに、医療分野において周知である類似の要因を包含する、様々な要因によって決まることになる。用語「患者」は、本明細書において使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0117】
本発明の薬学的に許容される組成物は、治療されている感染の重症度に応じて、経口で、直腸内に、非経口で、槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤、点滴剤またはパッチ剤によって等)、口腔内に、経口または鼻腔用スプレー等として、ヒトおよび他の動物に投与され得る。ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、被験体の体重1kg当たり約0.01mgから約50mg、好ましくは約0.5mgから約25mgまでの投薬量レベルで、1日1回または複数回、経口でまたは非経口で投与され得る。
【0118】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含するがこれらに限定されない。液体剤形は、活性化合物に加えて、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル等の乳化剤、ならびにそれらの混合物等、当技術分野において一般に使用される不活性賦形剤を含有し得る。経口組成物は、不活性賦形剤のほかに、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤等のアジュバント、甘味剤、香味剤、ならびに着香剤も包含し得る。
【0119】
注射用調製物、例えば無菌注射用の水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤と懸濁化剤とを使用する公知の技術によって製剤化され得る。無菌注射用調製物は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液等、非毒性で非経口的に許容される賦形剤または溶媒中の無菌注射用の溶液、懸濁液またはエマルションであってもよい。許容されるビヒクルおよび溶媒のうち、用いられ得るのは、水、リンゲル液、U.S.P.および生理食塩液である。加えて、無菌固定油は、溶媒または懸濁媒として慣行的に用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを包含する任意の無刺激性固定油が用いられ得る。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が注射剤の調製において使用される。
【0120】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または、使用前に、滅菌水もしくは他の無菌注射用媒体中に溶解もしくは分散され得る無菌の固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌できる。
【0121】
本発明の化合物の効果を延長するためには、多くの場合、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、難水溶性である結晶性または非結晶性材料の液体懸濁液を使用することによって実現され得る。その結果、化合物の吸収の速度はその溶解の速度に依存し、この速度は同様に、結晶サイズおよび結晶性形態に依存する場合がある。代替として、非経口投与された化合物形態の遅延吸収は、化合物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって実現される。注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中に化合物のマイクロカプセル化マトリクスを形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比率および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)を包含する。デポー注射用製剤は、生体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルションに化合物を封入することによっても調製される。
【0122】
直腸または膣内投与用の組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、常温では固体だが体温では液体となり、したがって直腸または膣腔内で融解して活性化合物を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤蝋等の適切な非刺激性の添加剤または担体と混合することによって調製できる、坐剤である。
【0123】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を包含する。そのような固形剤形において、活性化合物は、少なくとも1種の、不活性で薬学的に許容される、クエン酸ナトリウムまたはリン酸カルシウム等の添加剤または担体、ならびに/あるいは、a)デンプン類、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸等の充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルジネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶液遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物等の吸収加速剤、g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート等の湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土等の吸収剤、ならびに、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物等の滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の事例において、剤形は緩衝剤も含み得る。
【0124】
同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖等の添加剤、および高分子量ポリエチレングリコール等を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル内の充填剤として用いることもできる。錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび医薬製剤分野において周知である他のコーティング等、コーティングおよび外殻(shell)を伴って調製され得る。それらは、不透明化剤を場合により含有してよく、消化管のある特定の部分において、場合により遅延様式で、有効成分(複数可)のみを、またはそれを優先的に放出する組成物のものであってもよい。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー性物質および蝋を包含する。同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖等の添加剤、および高分子量ポリエチレングリコール等を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル内の充填剤として用いることもできる。
【0125】
活性化合物は、1種または複数の上記した通りの添加剤を加えたマイクロカプセル化形態であってもよい。錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野において周知である他のコーティング等、コーティングおよび外殻を伴って調製され得る。そのような固形剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプン等、少なくとも1種の不活性賦形剤と混和され得る。そのような剤形は、通常の実務と同様に、不活性賦形剤以外の追加物質、例えば、錠剤化滑沢剤、ならびにステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース等の他の錠剤化助剤も含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の事例において、剤形は、緩衝剤も含み得る。それらは、不透明化剤を場合により含有してよく、消化管のある特定の部分において、場合により遅延様式で、有効成分(複数可)のみを、またはそれを優先的に放出する組成物のものであってもよい。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー性物質および蝋を包含する。
【0126】
本発明の化合物の局所または経皮投与用の剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤またはパッチ剤を包含する。活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体および必要とされる任意の保存剤または緩衝剤と、要求され得る通りに混和される。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤も本発明の範囲内であると企図されている。加えて、本発明は、体内への化合物の制御送達を提供するという付加的な利点を有する、経皮パッチ剤の使用を企図している。そのような剤形は、化合物を適正な媒質に溶解または分注することによって調製される。皮膚を横断する化合物のフラックスを増大させるために、吸収エンハンサーを使用してもよい。速度は、速度制御膜を提供すること、または化合物をポリマーマトリクスもしくはゲルに分散させることのいずれかによって制御できる。
【0127】
本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物を、併用療法において用いてよいこと、すなわち、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物を、1種または複数の他の所望の治療薬または医療処置と同時に、その前に、またはその後に投与してよいことも理解されよう。併用レジメンにおいて用いるための療法(治療薬または処置)の特定の組合せでは、所望の治療薬および/または処置と達成される所望の治療効果との適合性を考慮することになる。用いられる療法が、同じ障害について所望の効果を達成し得る(例えば、発明化合物を、同じ障害を治療するために使用される別の作用物質と同時に投与してよい)こと、または該療法が異なる効果を達成し得る(例えば、あらゆる副作用の制御)ことも理解されよう。本明細書において使用される場合、特定の疾患または状態を治療または予防するために通常投与される追加の治療剤は、「治療されている疾患または状態に適している」として公知である。
【0128】
一実施形態において、追加の作用物質は、粘液溶解剤、気管支拡張剤、抗生物質、抗感染剤、抗炎症剤、本発明の化合物以外のCFTRモジュレーター、または栄養剤から選択される。
【0129】
一実施形態において、追加の作用物質は抗生物質である。本明細書において有用である例示的な抗生物質は、トブラマイシン吸入パウダー(TIP)を包含するトブラマイシン、アジスロマイシン、エアゾール化形態のアズトレオナムを包含するアズトレオナム、アミカシンのリポソーム製剤を包含するアミカシン、吸入による投与に適切なシプロフロキサシンの製剤を包含するシプロフロキサシン、レボフロキサシンのエアゾール化製剤を包含するレボフロキサシン(levoflaxacin)、ならびに2種の抗生物質、例えばホスホマイシンおよびトブラマイシンの組合せを包含する。
【0130】
別の実施形態において、追加の作用物質は粘液溶解剤(mucolyte)である。本明細書において有用である例示的な粘液溶解剤は、Pulmozyme(登録商標)を包含する。
【0131】
別の実施形態において、追加の作用物質は気管支拡張剤である。例示的な気管支拡張剤は、アルブテロール、硫酸メタプロテレノール(metaprotenerol)、酢酸ピルブテロール、サルメテロールまたは硫酸テルブタリン(tetrabuline)を包含する。
【0132】
別の実施形態において、追加の作用物質は、肺気道表面の液体を修復する際に有効である。そのような作用物質は、細胞内外での塩の動きを改善し、肺気道中の粘液がより水和され、したがってより簡単に浄化されることを可能にする。例示的なそのような作用物質は、高張食塩水、デヌホソル四ナトリウム([[(3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1−イル)−3−ヒドロキシオキソラン−2−イル]メトキシ−ヒドロキシホスホリル][[[(2R,3S,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシオキソラン−2−イル]メトキシ−ヒドロキシホスホリル]オキシ−ヒドロキシホスホリル]ハイドロジェンホスフェート)、またはブロンキトール(マンニトールの吸入製剤)を包含する。
【0133】
別の実施形態において、追加の作用物質は、抗炎症剤、すなわち、肺における炎症を低減させることができる作用物質である。本明細書において有用である例示的なそのような作用物質は、イブプロフェン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、シルデナフィル、吸入グルタチオン、ピオグリタゾン、ヒドロキシクロロキンまたはシンバスタチンを包含する。
【0134】
別の実施形態において、追加の作用物質は、チャネルを遮断することによって直接的に、またはENaC活性の増大を招くプロテアーゼ(例えば、セリンプロテアーゼ、チャネル活性化プロテアーゼ)の調節によって間接的にのいずれかで、上皮型ナトリウムチャネル遮断薬(ENaC)の活性を低減させる。例示的なそのような作用物質は、カモスタット(トリプシン様プロテアーゼ阻害剤)、QAU145、552−02、GS−9411、INO−4995、エーロライト(Aerolytic)およびアミロライドを包含する。上皮型ナトリウムチャネル遮断薬(ENaC)の活性を低減させる追加の作用物質は、例えばPCT公開第WO2009/074575号において見られ、その全内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
【0135】
本明細書において記述されている他の疾患の中で、形態B、形態B−HClおよび形態A−HCl等のCFTRモジュレーターと、ENaCの活性を低減させる作用物質との組合せは、リドル症候群;嚢胞性線維症、先天性線毛運動不全症、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息、呼吸器感染症、肺癌、口内乾燥および乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)、呼吸器感染症(急性および慢性;ウイルス性および細菌性)ならびに肺癌を包含する炎症性またはアレルギー性状態を治療するために使用される。
【0136】
形態B、形態B−HClおよび形態A−HCl等のCFTRモジュレーターと、ENaCの活性を低減させる作用物質との組合せは、上皮の表面上の表面保護液の生理機能の異常をおそらく伴う、上皮全体にわたる体液調節の異常に関連する呼吸器疾患以外の疾患、例えば、口内乾燥(ドライマウス)または乾性角結膜炎(ドライアイ)も包含する、上皮型ナトリウムチャネルの遮断によって媒介される疾患を治療するのにも有用である。さらに、腎臓における上皮型ナトリウムチャネルの遮断を使用して利尿を促進し、それにより血圧低下作用を誘発することができる。
【0137】
喘息は、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息の両方、軽度喘息、中等度喘息、重度喘息、気管支炎喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息および細菌感染後に誘発される喘息を包含する。喘息の治療はまた、例えば、4または5歳未満で、喘鳴症状を呈し、かつ、主要な医学的関心事である確立された患者カテゴリーであり、現在は多くの場合、初期型または早期喘息患者として同定されている、「喘鳴乳幼児」として診断されたまたは診断可能な被験体の治療を包括するものとして理解されている。(便宜上、この特定の喘息状態を「喘鳴乳幼児症候群」と称する。)喘息の治療における予防的効果は、症候性発作の、例えば急性喘息発作もしくは気管支収縮発作の頻度もしくは重症度の低減、肺機能の改善、または気道過敏性の改善によって証明されるであろう。該効果は、他の対症療法、すなわち、症候性発作が発生した際にそれを制限するまたは中断させるための、またはそのように意図された療法、例えば抗炎症(例えばコルチコステロイド)または気管支拡張の必要性が低減することによってさらに証明され得る。喘息における予防的利益は、特に、「モーニングディップ」を起こしやすい被験体において明白となり得る。「モーニングディップ」は、喘息患者のかなりの割合に共通しており、かつ、例えば、午前4時〜6時頃の間、すなわち、通常、先に施したいかなる喘息対症療法からも実質的に離れた時刻における喘息発作を特徴とする、認定された喘息症候群である。
【0138】
慢性閉塞性肺疾患は、慢性気管支炎またはそれに関連する呼吸困難、肺気腫、ならびに、他の薬物療法、特に他の吸入薬物療法の結果としての気道過敏性の増悪を包含する。いくつかの実施形態において、形態B、形態B−HClおよび形態A−HCl等のCFTRモジュレーターと、ENaCの活性を低減させる作用物質との組合せは、例えば、急性、アラキジン酸性(arachidic)、カタル性、クループ性(croupus)、慢性または結核性気管支炎を包含する、種類または起源を問わない気管支炎の治療に有用である。
【0139】
別の実施形態において、追加の作用物質は、形態B、形態B−HClおよび形態A−HCl以外のCFTRモジュレーター、すなわち、CFTR活性を調節する効果を有する作用物質である。例示的なそのような作用物質は、アタルレン(「PTC124(登録商標)」;3−[5−(2−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]安息香酸)、シナプルチド、ランコブチド(lancovutide)、デペレスタット(ヒト組換え好中球エラスターゼ阻害剤)、コビプロストン(7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸)、または(3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸を包含する。別の実施形態において、追加の作用物質は、(3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸である。
【0140】
別の実施形態において、追加の作用物質は栄養剤である。例示的なそのような作用物質は、Pancrease(登録商標)、Pancreacarb(登録商標)、Ultrase(登録商標)もしくはCreon(登録商標)を包含するパンクレリパーゼ(パンクレアチン(pancreating)酵素補充);Liprotomase(登録商標)(旧Trizytek(登録商標))、Aquadeks(登録商標)、またはグルタチオン吸入を包含する。一実施形態において、追加栄養剤はパンクレリパーゼである。
【0141】
一実施形態において、追加の作用物質は、本発明の化合物以外のCFTRモジュレーターである。
【0142】
本発明の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含む組成物中で通常投与されるであろう量以下となる。好ましくは、現在開示されている組成物中における追加の治療剤の量は、その作用物質を唯一の治療活性剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%までの範囲となる。
【0143】
本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物は、プロテーゼ、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテル等の移植可能な医療デバイスをコーティングするための組成物に組み込まれてもよい。したがって、本発明は、別の態様において、概して上述した通りの、ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラス内の本発明の化合物と、移植可能なデバイスをコーティングするのに適切な担体とを含む、前記移植可能なデバイスをコーティングするための組成物を包含する。さらに別の態様において、本発明は、概して上述した通りの、ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラス内の本発明の化合物と、移植可能なデバイスをコーティングするのに適切な担体とを含む組成物でコーティングされた、前記移植可能なデバイスを包含する。適切なコーティングおよびコーティングされた移植可能なデバイスの一般的調製は、米国特許第6,099,562号、同第5,886,026号および同第5,304,121号において記述されている。コーティングは、典型的には、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニル、およびそれらの混合物等の生体適合性ポリマー材料である。コーティングは、場合により、組成物において制御放出特徴を付与するために、フルオロシリコーン、多糖、ポリエチレングリコール、リン脂質またはそれらの組合せの適切なトップコートによってさらに被覆され得る。
【0144】
本発明の別の態様は、生物学的試料または患者におけるCFTR活性を(例えばインビトロまたはインビボで)調節することに関し、その方法は、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物を、該患者に投与する、または前記生物学的試料と接触させるステップを含む。用語「生物学的試料」は、本明細書において使用される場合、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得た生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙もしくは他の体液、またはその抽出物を包含するがこれらに限定されない。
【0145】
生物学的試料におけるCFTRの調節は、当業者に公知である様々な目的で有用である。そのような目的の例は、生物学的および病理学的現象におけるCFTRの研究;ならびにCFTRの新たなモジュレーターの比較評価を包含するがこれらに限定されない。
【0146】
また別の実施形態において、アニオンチャネルの活性をインビトロまたはインビボで調節する方法であって、前記チャネルを、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物と接触させるステップを含む方法が提供される。好ましい実施形態において、アニオンチャネルは、クロライドチャネルまたは重炭酸塩チャネルである。他の好ましい実施形態において、アニオンチャネルはクロライドチャネルである。
【0147】
代替的な実施形態によれば、本発明は、細胞の膜中の機能的CFTRの数を増大させる方法であって、前記細胞を、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または薬学的に許容されるその組成物と接触させるステップを含む方法を提供する。
【0148】
別の好ましい実施形態によれば、CFTRの活性は、膜貫通電位を測定することによって測定される。生物学的試料において膜を横断する電位を測定するための手段は、光学的膜電位アッセイまたは他の電気生理学的方法等、当技術分野において公知の方法のいずれかを用い得る。
【0149】
光学的膜電位アッセイでは、GonzalezおよびTsienによって記述されている電圧感受性FRETセンサー(Gonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien(1995年)、「Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells.」、Biophys J、69巻(4号):1272〜80頁、ならびにGonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien(1997年)、「Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer」、Chem Biol、4巻(4号):269〜77頁を参照)を、電圧/イオンプローブリーダー(VIPR)等の蛍光変化を測定するための機器使用(Gonzalez, J. E.、K. Oadesら(1999年)、「Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets」、Drug Discov Today、4巻(9号):431〜439頁を参照)と組み合わせて利用する。
【0150】
これらの電圧感受性アッセイは、膜可溶性の電圧感受性染料DiSBAC(3)と、原形質膜の外葉に付着しており、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ドナーとして作用する蛍光リン脂質CC2−DMPEとの間のFRETにおける変化に基づく。膜電位(V)における変化は、負に帯電したDiSBAC(3)を原形質膜全体にわたって再分配させ、それに応じてCC2−DMPEからのエネルギー移動の量が変化する。蛍光発光における変化は、96または384ウェルマイクロタイタープレート中で細胞ベースのスクリーニングを行うように設計されて統合された液体ハンドラーおよび蛍光検出器であるVIPR(商標)IIを使用してモニターできる。
【0151】
別の態様において、本発明は、生物学的試料におけるCFTRまたはその断片の活性をインビトロまたはインビボで測定する際に使用するためのキットであって、(i)形態A−HCl、形態B、形態B−HClもしくはそれらの任意の組合せ、または上記実施形態のいずれかを含む組成物と、(ii)a)組成物を生物学的試料と接触させ、b)前記CFTRまたはその断片の活性を測定するための取扱説明書とを含むキットを提供する。一実施形態において、キットは、a)追加化合物を生物学的試料と接触させ、b)前記追加化合物の存在下で、前記CFTRまたはその断片の活性を測定し、c)追加化合物の存在下でのCFTRの活性を、本明細書において記述されている形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはそれらの任意の組合せの存在下でのCFTRの活性と比較するための取扱説明書をさらに含む。一実施形態において、前記CFTRまたはその断片の活性を比較するステップは、前記CFTRまたはその断片の密度の測定を提供する。好ましい実施形態において、キットは、CFTRの密度を測定するために使用される。
【0152】
一態様において、本発明は、式9aの化合物
【0153】
【化2】

または薬学的に許容されるその塩を調製するためのプロセスであって、
trans−4−アミノシクロヘキサノールをBoc無水物と接触させて、式Aの化合物
【0154】
【化3】

を生じさせるステップと、
式Aの化合物をメタンスルホン酸と接触させて、式Bの化合物
【0155】
【化4】

を生じさせるステップと、
式Bの化合物をトリフルオロ酢酸と接触させて、式Cの化合物
【0156】
【化5】

を生じさせるステップと、
式Cの化合物を水酸化物と接触させて、式9aの化合物を生じさせるステップと
を含むプロセスを包含する。
【0157】
別の実施形態において、方法は、式9aの化合物を塩酸と接触させて、式9の化合物を生じさせるステップをさらに含む。
【0158】
【化6】

本明細書において記述されている発明をより完全に理解できるように、下記実施例を示す。これらの実施例は、例示のみを目的とし、本発明をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではないことを理解すべきである。
【実施例】
【0159】
方法および材料
XRPD(X線粉末回折)
機器1
X線粉末回折(XRPD)データは、リガク/MSCミニフレックスデスクトップ粉末X線回折装置(Rigaku、The Woodlands、TX)を使用して、室温で記録する。X線は、Kβ抑制フィルターを用い、30kVおよび15mAで操作されるCu管を使用して生成する。発散スリットは、それぞれ4.2度およびスリット0.3mmに設定された散乱および受光スリットと共に可変である。スキャンモードは、0.02度の刻み幅および2.0秒のカウント時間を用いる固定時間(FT)である。参照標準物質:75%方ソーダ石(NaAlSi12Cl)および25%シリコン(Rigaku、カタログ番号2100/ALS)を使用して、粉末X線回折装置を較正する。ゼロバックグラウンド試料ホルダー(SH−LBSI511−RNDB)付きの6試料台を使用する。粉末試料を凹部に置き、スライドガラスで平らにする。
【0160】
機器2
代替として、粉末X線回折測定は、室温で銅放射線(1.54060A)を用いるPANalyticalのエキスパートプロ回折装置を使用して実施した。入射ビーム光学は、試料上および回折ビーム側における一定の照射長を確実にするための可変発散スリットで構成されたものであった。高速線形固体状態検出器は、スキャンモードにおいて測定された2.12度2θの有効長で使用した。粉末試料をゼロバックグラウンドシリコンホルダーの凹部上に詰め、回転を実施してより良好な統計を達成した。対称スキャンは、0.017度の刻みサイズおよび15.5秒のスキャンステップ時間を用い、4〜40度2θで測定した。
【0161】
機器3
代替として、高分解能データは、ビームラインID31(European Synchrotron Radiation Facility、Grenoble、フランス)にて室温で収集した。X線は、3つの11mmギャップ真空外アンジュレーター(ex−vacuum undulator)によって生じさせる。極低温に冷却した二結晶モノクロメーター(Si(111)結晶)によってビームを単色化する。水冷式スリットは、モノクロメーターへの入射ビームおよび試料に伝達される単色ビームのサイズを、0.5〜2.5mm(水平方向)×0.1〜1.5mm(垂直方向)の範囲内で限定する。実験に使用した波長は1.29984(3)Åであった。回折装置は、回折強度を2θの関数として測定するために垂直にスキャンされる9の検出器の列からなる。各検出器の前にSi(111)アナライザー結晶を置き、検出器チャネルはおよそ2°間隔とする。この回折装置は、ピーク幅が0.003°の狭さである極めて精密な高分解能回折パターンを生じさせることができ、ピーク位置の精度は0.0001°程度である。マテリアルズスタジオ(Materials Studio)(Reflex module)を使用して粉末回折データを処理し、インデックスを付けた。マテリアルズスタジオの粉末解析モジュールを使用して構造を解析した。得られた溶液を構造的実現可能性について評定し、その後、リートベルトの精密化手順を使用して精密化した。
【0162】
形態Bについての実施例において記述されているXPRDスペクトルは、機器1(図7A)または機器2(図7B)を上述した設定で使用して記録した。形態B−HClおよび形態A−HClについての実施例において記述されているXPRDスペクトルは、機器2を上述した設定で使用して記録した。形態A−HClおよび形態B−HClについての結晶系、空間群および単位格子寸法は、機器3を使用して決定した。
【0163】
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)は、TA DSC Q2000示差走査熱量計(TA Instruments,New Castle,DE)を使用して実施した。機器をインジウムで較正した。1つ穴の開いた蓋を使用して圧着された密封皿に、およそ2〜3mgの試料を秤量して入れた。DSC試料を、25℃から315℃まで、10℃/分の加熱速度でスキャンした。Thermal Advantage Q Series(商標)ソフトウェアによってデータを収集し、ユニバーサルアナリシスソフトウェア(TA Instruments、New Castle、DE)によって分析した。
【0164】
熱重量分析(TGA)
熱重量分析(TGA)データは、TA Q500熱重量分析器(TA Instruments,New Castle,DE)で収集した。およそ3〜5mgの重量を持つ試料を、25℃から350℃まで、10℃/分の加熱速度でスキャンした。Thermal Advantage Q Series(商標)ソフトウェアによってデータを収集し、ユニバーサルアナリシスソフトウェア(TA Instruments、New Castle、DE)によって分析した。
【0165】
FTIR分光法
FTIRスペクトルは、スマートオービットサンプリングコンパートメント(多重反射型減衰全反射アクセサリー)、45度のダイヤモンド窓を用いて、Thermo Scientific、ニコレット6700 FT−IR光度計から収集した。データ収集および分析に使用されるソフトウェアは、オムニック7.4である。収集設定は下記の通りであった:
検出器:DTGS KBr、
ビームスプリッター:Ge/KBr、
光源:エバーグローIR、
スキャン範囲:4000〜400cm−1
ゲイン:8.0、
光学的速度:0.6329cm/秒、
開口:100、
スキャン数:32、および
分解能:4cm−1
【0166】
粉末試料をダイヤモンド結晶に直接置き、圧力を加え、試料の表面をダイヤモンド結晶の表面と一致させた。バックグラウンドスペクトルを収集し、次いで、試料スペクトルを収集した。
【0167】
固体状態核磁気分光法
固体状態核磁気分光法(SSNMR)スペクトルは、Bruker400MHzプロトン周波数広口径分光計で獲得した。プロトン緩和縦緩和時間(H T)は、プロトン検出したプロトン飽和回復データを指数関数に当てはめることによって得た。これらの値を使用して、炭素交差分極マジック角回転実験の最適なリサイクル遅延(13C CPMAS)を設定し、典型的には、1.2×H Tから1.5×H Tの間に設定した。炭素スペクトルは、プロトンチャネル上の線形振幅ランプ(50%から100%まで)および100kHz TPPMデカップリングを使用し、2msの接触時間で獲得した。典型的なマジック角回転(MAS)スピードは15.0kHzであった。フッ素スペクトルは、プロトンデカップリングした直接分極MAS実験を使用して得た。100kHz TPPMデカップリングを使用した。リサイクル遅延は、≧5×19F Tに設定した。フッ素縦緩和時間(19F T)は、フッ素検出しプロトンデカップリングした飽和回復データを指数関数に当てはめることによって得た。29.5ppmに設定した固相アダマンタンの高磁場共鳴を使用して、炭素およびフッ素スペクトルを外部参照した。この手順を使用して、炭素スペクトルは0ppmのテトラメチルシランを間接的に参照し、フッ素スペクトルは0ppmのニトロメタンを間接的に参照した。
【0168】
調製実施例:7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)
【0169】
【化7】

trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール(A)の調製、方法1
炭酸ナトリウム(920.2g、8.682mol、2当量)を反応容器に添加し、続いて水(3.000L、6体積)を添加し、撹拌した。ジクロロメタン(DCM、4.000L、4体積)、続いてtrans−4−アミノシクロヘキサノール(500.0g、4.341mol)を添加して、二相反応混合物を生成し、これを室温で激しく撹拌した。次いで、DCM(2体積)中のBocO(947.4g、997.3mL、4.341mol、1当量)の溶液を容器に迅速に滴下添加し、得られた反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、フィルターケーキを水(2×8体積)で洗浄した。生成物が圧縮ケーキになるまで真空乾燥させた。次いで、ケーキを真空オーブン中35℃で24時間乾燥させて、830gのtrans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール(A)を結晶性固体として得た。
【0170】
trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール(A)の調製、方法2
2つの50L三つ口丸底フラスコは、それぞれ機械的撹拌器および熱電対を備えたものであった。フラスコを冷却槽に入れ、次いで、各フラスコに水(8.87L)およびtrans−4−アミノシクロヘキサノール(1479g)を入れた。約10から30分後、trans−4−アミノシクロヘキサノールが溶解し、炭酸カリウム(1774.6g)を各フラスコに加えた。約10から20分後、炭酸カリウムが溶解し、DCM(2.96L)を各フラスコに入れた。次いで、温度を20から30℃に維持するような速度で、DCM(1479mL)中のBoc無水物(3082.6g)を各フラスコに加えた。氷/水浴を使用して、発熱を制御し、添加を加速させ、これにはおよそ1から2時間を要した。添加中に懸濁液が形成され、反応混合物を室温に加温させ、Boc無水物の消失に基づいて反応が完了するまで終夜撹拌した。次いで、ヘプタン(6L)を各フラスコに入れ、混合物をおよそ0から5℃に冷却した。同じフィルターを使用する濾過によって各フラスコから固体を収集した。合わせた固体を、ヘプタン(6L)、続いて水(8L)で洗浄した。機械的撹拌器を備えた適正サイズの鉢に固体を入れた。水(12L)およびヘプタン(6L)を添加し、得られた懸濁液を30から60分間機械的に撹拌した。固体を濾過によって収集し、次いで、フィルター上、水(8L)およびヘプタン(8L)で洗浄し、フィルター上で3日間風乾させ、その後、30から35℃で一定重量に真空乾燥させて、生成物を白色固体として得た。
【0171】
trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルメタンスルホネート(B)の調製、方法1
12Lフラスコは、窒素流および機械的撹拌器を備えたものであった。trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール(750g、3.484mol)、続いてテトラヒドロフラン(THF、6.000L、8体積)を導入し、混合物を撹拌した。トリエチルアミン(370.2g、509.9mL、3.658mol、1.05当量)を添加し、混合物を0℃に冷却した。混合物の温度を5℃未満に保ちながら、塩化メタンスルホニル(419.0g、283.1mL、3.658mol、1.05当量)を慎重に滴下添加した。添加後、混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで、次第に室温(17℃)に加温し、終夜(約15時間)撹拌した。混合物を水(6体積)でクエンチし、15分間撹拌した。酢酸エチル(EtOAc、9.000L、12体積)を添加し、撹拌を15分間続けた。撹拌を停止し、混合物を10分間静置させ、水相を除去した。1NのHCl(6体積、4.5L)を添加し、撹拌を15分間続けた。撹拌を停止し、水相を除去した。10%w/vのNaHCO(4.5L、6体積)を添加し、混合物を10分間撹拌した。撹拌を停止し、水相を除去した。水(6体積、4.5L)を添加し、混合物を10分間撹拌した。水層を除去し、有機層をポリッシュ濾過し、4体積に濃縮した。ヘプタン(5.5体積、4L)を添加し、混合物を再度濃縮乾固して、988gのtrans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルメタンスルホネートを結果として生じさせた。
【0172】
trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルメタンスルホネート(B)の調製、方法2
機械的撹拌器、添加漏斗、窒素入口、熱電対および乾燥管を備えた三つ口丸底フラスコを、冷却槽に入れた。trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール(2599g、12.07mol、1.0当量)、テトラヒドロフラン(THF)(20.8L)およびトリエチルアミン(1466g、14.49mol、1.2当量)をフラスコに加えた。混合物を氷水浴で冷却し、撹拌した。塩化メタンスルホニル(1466g、12.80mol、1.06当量)を、添加漏斗により1時間かけて滴下添加した。添加が完了したら、冷却浴を除去し、出発材料が消費されたことをTLCが示すまで(約30分)反応混合物を撹拌した。次いで、反応混合物を、塩化水素酸水溶液(6.7Lの水中223mLのHCl)およびEtOAc(10.4L)でクエンチした。混合物を常温でおよそ10から20分間撹拌し、次いで、分液漏斗に移した。層を分離し、水層を廃棄した。有機層を、水(2×4.5L)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1×4.5L)で洗浄し、5から10分間撹拌しながら、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。混合物を濾過し、フィルターケーキをEtOAc(2×600mL)で洗浄した。合わせた洗浄液および濾液を減圧下40℃で濃縮すると、白色固体が残った。固体をヘプタン(3L)に溶かし、氷/メタノール冷却槽中で冷却した。さらなるヘプタン(5L)を添加し、混合物を0から5℃で1時間以上撹拌した。次いで、固体を濾過によって収集し、冷ヘプタン(0から5℃、2×1.3L)で洗浄し、40℃で一定重量に真空乾燥させて、表題化合物を得た。
【0173】
注記:冷却槽および氷浴付きの丸底フラスコの代わりにジャケット型反応器を使用してよい。
【0174】
trans−4−アミノシクロヘキシルメタンスルホネート(C)の調製、方法1
trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルメタンスルホネート(985g、3.357mol)を、撹拌器を備えた三つ口12Lフラスコに、窒素雰囲気下で換気しながら導入した。DCM(1.970L、2体積)を室温で添加し、撹拌を開始した。トリフルオロ酢酸(TFA)(2.844kg、1.922L、24.94mol、2体積)を混合物に、各1Lの分量を2回ゆっくり添加した。1回目の添加後、混合物を30分間撹拌し、続いて2回目の添加をした。混合物を室温で終夜(15時間)撹拌して、透明溶液を結果として生じさせた。次いで、2−メチルテトラヒドロフラン(4体積)を反応混合物に添加し、これを1時間撹拌した。次いで、混合物をドラフト中で慎重に濾過し、真空乾燥させて、1100gのtrans−4−アミノシクロヘキシルメタンスルホネートのTFA塩を過剰なTFAとともに生成した。
【0175】
trans−4−アミノシクロヘキシルメタンスルホネート(C)の調製、方法2
50L三つ口丸底フラスコは、機械的撹拌器、添加漏斗および熱電対を備えたものであり、これを冷却槽に入れた。trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルメタンスルホネート(3474g、1.0当量)およびDCM(5.9L)をフラスコに加えた。得られた懸濁液を常温で5から10分間撹拌し、次いで、添加漏斗を介しトリフルオロ酢酸(TFA、5.9L)を2.5時間かけてゆっくり添加して、結果として生じる発熱およびガス発生速度を制御した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで、氷水浴を使用して15℃から20℃に冷却した。次いで、添加漏斗を介し、内部温度を25℃未満に維持する速度で(およそ1.5時間)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF、11.8L)を添加した。最初の4〜5Lの2−MeTHFの添加は発熱性であった。得られた懸濁液を1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、次いで、2−MeTHF(2×2.2L)で洗浄し、その後、常温で一定重量に真空乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た。
【0176】
7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)の調製、方法1
trans−4−アミノシクロヘキシルメタンスルホネート(200g、650.9mmol)のTFA塩を、3L三つ口フラスコに導入し、続いて水(2.200L、11体積)を添加した。反応混合物の温度を25℃未満に保ちながらNaOH(78.11g、1.953mol、3当量)をゆっくり添加し、混合物を終夜撹拌した。次いで、DCM(1.4L、7体積)を添加し、混合物を撹拌し、有機層を分離した。次いで、水層をDCM(1.4L、7体積)で2回目に抽出し、DCM層を合わせた。次いで、HCl(108.5mL、12M、1.3020mol、2当量)を添加し、混合物を30分間撹拌し、その後、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。アセトニトリル(10体積)を添加し、混合物を濃縮した。微量の水がすべて共沸で除去されるまでこれを3回繰り返して、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)を得た。粗生成物をアセトニトリル(10体積)から再結晶させて、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)を無色の結晶性固体として得た。HNMR (DMSO−d) ppm 8.02−8.04 (d); 7.23−7.31 (m); 4.59 (s); 3.31 (s); 2.51−3.3 (m); 1.63−1.75 (m); 1.45−1.62 (m).
注記として、抽出のためにDCMを添加する代わりに、粗生成物を約95℃から97℃で蒸留し、さらに再結晶させてもよい。
【0177】
7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)の調製、方法2
50L三つ口丸底フラスコは、機械的撹拌器、添加漏斗および熱電対を備えたものであり、これを加熱マントルに入れた。トリフルオロアセテート(3000g、1当量)および水(30L)中のtrans−4−アミノシクロヘキシルメタンスルホネートをフラスコに加えた。添加が弱発熱性であることから、温度を25℃未満に維持するような速度で、50%NaOH(2343g、29.29mol、3当量)を添加漏斗により添加しながら、混合物を撹拌した。NaOH添加が完了したら、反応混合物を室温で終夜撹拌した。ヘッド温度を95から98℃とし、還流温度(およそ100℃)での分別蒸留によって生成物を回収した。HClを添加することによって各画分のpHを2に調整し、減圧下55℃で濃縮すると、濃厚なペーストが残った。アセトニトリル(ACN1.5L)を添加し、得られた懸濁液を30分間撹拌し、次いで、0から5℃に1時間冷却した。固体を濾過によって収集し、冷(0から5℃)ACN(2×600mL)で洗浄し、50℃で一定重量に真空乾燥させた。
【0178】
22L三つ口丸底フラスコは、機械的撹拌器、熱電対およびコンデンサーを備えたものであり、これを加熱マントルに入れた。収集した固体(2382g)、メタノール(4.7L)および2−MeTHF(4.7L)をフラスコに加えた。得られた懸濁液を撹拌し、加熱還流した(およそ65℃)。反応フラスコを冷却槽に移し、混合物を撹拌した。次いで、添加漏斗を介し2−MeTHF(4.7L)を30分間かけて添加した。得られた懸濁液を0から5℃に冷却し、この温度で30分間撹拌した。固体を濾過によって収集し、冷(0から5℃)2−MeTHF(2×600mL)で洗浄し、次いで、55℃で一定重量に真空乾燥させた。
【0179】
機械的撹拌器、熱電対、窒素入口およびコンデンサーを備えた12L三つ口丸底フラスコを、加熱マントルに入れた。粗生成物(2079g)およびACN(6.2L)をフラスコに加えた。得られた懸濁液を撹拌し、30分間加熱還流した(およそ82℃)。フラスコを冷却槽に移し、懸濁液を0から5℃にゆっくり冷却し、この温度で1時間維持した。固体を濾過によって収集し、冷(0から5℃)ACN(3×600mL)で洗浄し、55℃で一定重量に真空乾燥させて、表題生成物を提供し得た。
【0180】
(実施例1A)
4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)の調製
【0181】
【化8】

ジエチル2−((2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)メチレン)マロネート(4)の調製
2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)アニリン(2)(200g、1.023mol)、ジエチル2−(エトキシメチレン)マロネート(3)(276g、1.3mol)およびトルエン(100mL)を、窒素雰囲気下、ディーンスタークコンデンサーを備えた三つ口1L丸底フラスコ中で合わせた。溶液を撹拌しながら140℃に加熱し、その温度を4時間(h)維持した。反応混合物を70℃に冷却し、ヘキサン(600mL)をゆっくり添加した。得られたスラリーを撹拌し、室温に加温させた。固体を濾過によって収集し、ヘキサン中10%の酢酸エチル(2×400mL)で洗浄し、次いで、真空乾燥させて、生成物ジエチル2−((2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)メチレン)マロネート(4)を白色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.28 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 8.63 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.80 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 1.5, 8.4 Hz, 1H), 4.24 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.17 (q, J = 7.1 Hz,2 H),1.27 (m, 6H).
エチル8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(5A)の調製、方法1
三つ口1Lフラスコに、Dowtherm(登録商標)(200mL、8mL/g)を入れ、200℃で1時間脱気した。溶媒を260℃に加熱し、ジエチル2−((2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)メチレン)マロネート(4)(25g、0.07mol)とともに10分間(min)かけて小分けにして入れた。得られた混合物を260℃で6.5時間撹拌し、得られたエタノール副産物を蒸留によって除去した。混合物を80℃にゆっくり冷却させた。ヘキサン(150mL)を30分間かけてゆっくり添加し、続いて追加で200mLのヘキサンを一度に添加した。スラリーが室温に達するまで撹拌した。固体を濾過し、ヘキサン(3×150mL)で洗浄し、次いで、真空乾燥させて、エチル8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(5A)を黄褐色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.91 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.24 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
エチル8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(5A)の調製、方法2
化合物4(2000g、5.468mol)を反応器に導入した。Dowtherm(4.000L)を反応器に入れ、窒素パージによって室温で終夜脱気した。次いでこれを撹拌し、260℃に加温した。生じたEtOHを留去した。反応をモニターし、5.5時間後に完了し、反応が実質的に完了した。熱源を除去し、反応混合物を80℃に冷却し、ヘプタン(2.000L)を入れた。混合物を30分間撹拌した。ヘプタン(6.000L)を撹拌混合物に入れ、撹拌を終夜続けた。固体を濾過除去し、ヘプタン(4.000L)で洗浄し、真空オーブン中50℃で乾燥させて、化合物6Aを得た。
【0182】
エチル4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1H−キノリン−3−カルボキシレート(6)の調製
三つ口5Lフラスコに、エチル8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(5A)(100g、0.3mol)、エタノール(1250mL、12.5mL/g)およびトリエチルアミン(220mL、1.6mol)を入れた。次いで、容器に10gの10%Pd/C(50%湿式)を5℃で入れた。反応物を水素雰囲気下5℃で20時間激しく撹拌し、この時間の後、反応混合物をおよそ150mLの体積に濃縮した。生成物エチル4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1H−キノリン−3−カルボキシレート(6)を、Pd/C入りスラリーとして次のステップに直接持ち込んだ。
【0183】
4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)の調製
エチル4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1H−キノリン−3−カルボキシレート(6)(58g、0.2mol、Pd/Cを含有する粗反応物スラリー)を、還流コンデンサー付きの1Lフラスコ中、NaOH(814mL、5M、4.1mol)に懸濁させ、80℃で18時間加熱し、続いて100℃で5時間さらに加熱した。反応物をパックセライトに通して温かいうちに濾過してPd/Cを除去し、セライトを1NのNaOHですすいだ。濾液をpH約1に酸性化して、濃厚な白色沈殿物を得た。沈殿物を濾過し、次いで、水および冷アセトニトリルですすいだ。次いで、固体を真空乾燥させて、4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)を白色固体として得た。H NMR (400.0 MHz, DMSO−d) δ 15.26 (s, 1H), 13.66 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.13 (dd, J = 1.6, 7.8 Hz, 1H), 8.06 − 7.99 (m, 2H).
(実施例1B)
4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)の代替的調製
【0184】
【化9】

8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(5B)の調製
エチル8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(5A)(1200g、3.754mol)を反応容器に入れ、続いて、2−プロパノール(1.200L)および水(7.200L)を添加し、撹拌した。水酸化ナトリウム(600.6g、7.508mol)および水(1.200L)を混合し、室温に冷却させた。得られた混合物を反応容器に入れ、次いで、3.5時間撹拌しながら80℃に加熱して、暗色の均質混合物を生成した。さらに1時間後、滴下漏斗を介し45分間かけて酢酸(9.599L、20%w/v、31.97mol)を添加した。反応混合物を、6℃/時の速度で撹拌しながら22℃に冷却した。得られた固体を濾過し、水(3L)で洗浄して、湿ったケーキ(1436g)を生成した。濾液を、真空オーブン中、窒素を抜きながらDrierite(登録商標)で乾燥させて、8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(5B)を褐色固体(1069g)として生成した。8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(5B)を、1.5Lのメタノール中でスラリー化し、6時間撹拌することによって精製した。次いでこれを濾過し、乾燥させて、968.8gの精製された8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(5B)を得た。
【0185】
4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)の調製
8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(5B)(18.5g、1.00当量、限定試薬)を反応容器に入れ、MeOH(118mL、6.4体積)を不活性雰囲気下でかき混ぜながら添加した。ナトリウムメトキシド(3.53g、1.00当量)を10分間かけて少量ずつ反応器に添加した。すべての固体が溶液中にある状態になるまで(5〜10分)、混合物を撹拌した。次いで、パラジウム炭素(2.7g、0.03当量)を反応混合物に添加した。MeOH(67mL、3.6体積)に溶解させたギ酸カリウム(10.78g、2当量)を、反応混合物に30分間かけて添加し、常温で約4.5時間撹拌した。8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸が、4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)と相対的に1.0%以下となった際に、反応は完了したと判断した。反応が完了したら、混合物をセライトのパッド(使用したセライトの質量は、始めに容器に入れられた8−クロロ−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(5B)の質量のおよそ2倍)に通して濾過して、固体を除去した。セライトケーキをMeOH(37mL、2体積)で洗浄した。濾液をきれいな反応容器に入れ、撹拌した。酢酸(7.22mL、2当量)を、撹拌溶液に少なくとも45分間かけて連続的に入れ、得られたスラリーを5〜16時間の間撹拌した。固体を濾過し、ケーキをMeOH(56mL、3体積)で洗浄し、真空乾燥させ、次いで真空乾燥させて、生成物を白色/オフホワイトの固体として得た。
【0186】
代替として、ギ酸カリウム試薬を水素ガスに置き換えてもよい。
【0187】
(実施例2A)
4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11A)の調製
【0188】
【化10】

7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A)の調製、方法1
7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)(4.6g、34.43mmol)を含有するフラスコに、窒素雰囲気下、アセトニトリル(50mL)中の4−フルオロ−1−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(8)(6.0g、28.69mmol)およびトリエチルアミン(8.7g、12.00mL、86.07mmol)の溶液を添加した。反応フラスコを、窒素雰囲気下80℃で16時間加熱した。次いで、反応混合物を冷却させ、水とジクロロメタンとに分配した。有機層を1MのHClで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10%酢酸エチル)による精製により、7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンを黄色固体として生み出した。H NMR (400.0 MHz, DMSO−d) δ 8.03 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 2.6, 9.1 Hz, 1H), 4.59 (s, 2H), 1.69 − 1.67 (m, 4H), 1.50 (d, J = 7.0 Hz, 4H).
7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A)の調製、方法2
4−フルオロ−1−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(8)(901g、4.309mol)を、30Lジャケット型容器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、炭酸ナトリウム(959.1g、9.049mol)およびDMSO(5L、5.5体積)とともに導入した。次いで、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)(633.4g、4.740mol)を小分けにして容器に添加し、温度を次第に55℃に上昇させた。反応をHPLCによってモニターし、基質が1%未満のAUCとなった際に、反応が完了したとみなした。次いで、混合物を10体積のEtOAcで希釈し、水(5.5体積)で3回洗浄した。次いで、有機層を4体積に濃縮し、シクロヘキサンを添加し、4体積に濃縮した。シクロヘキサンを添加し、得られた溶液を4体積に濃縮する過程を、すべてのEtOAcが除去されるまで繰り返し、シクロヘキサンを含有するフラスコ中の総体積を、約4体積とした。反応混合物を、ロータリーエバポレーターで30分間、60℃に加熱した。次いで、溶液を撹拌または旋回させながら室温に3時間冷却した。次いで、すべての固体を結晶化させ、濃縮乾固して、7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A)を得た。
【0189】
7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A)の調製、方法3
3体積のDCMに溶解させた4−フルオロ−1−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(8)に、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.05当量)および50wt%KOH(3.6当量)を添加した。次いで、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(9)を0〜5℃で添加した。反応物を常温に加温した。反応をHPLCによってモニターし、基質が1%未満のAUCとなった際に、反応が完了したとみなし、層を分離した。有機層を1MのHClで洗浄し、水層を廃棄した。次いで、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄し、蒸発させた。得られた材料を、還流でシクロヘキサンから再結晶させた。固体を濾過し、シクロヘキサンで洗浄し、窒素雰囲気下、真空オーブン中45℃で乾燥させて、7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンを得た。
【0190】
4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11A)の調製
7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A)(7.07g、24.70mmol)および10%Pd/C(0.71g、6.64mmol)で満たしたフラスコの空気を抜き、次いで窒素を流した。エタノール(22mL)を添加し、反応フラスコに水素バルーンを装着した。12時間激しく撹拌後、反応混合物を窒素でパージし、Pd/Cを濾過によって除去した。濾液を減圧下で濃縮して暗色油とし、これをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜15%酢酸エチル)によって精製して、4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11A)を紫色固体として得た。H NMR (400.0 MHz, DMSO−d) δ 6.95 (dd, J = 2.3, 8.8 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.89 (s, 2H), 4.09 (s, 2H), 1.61 − 1.59 (m, 4H)および1.35 (d, J = 6.8 Hz, 4H).
(実施例2B)
4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11B)塩酸塩の調製
【0191】
【化11】

4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン塩酸塩(11B)の調製、方法1
パラジウム炭素(150g、5%w/w)を、窒素雰囲気下、Buechi水素化装置(hydrogenator)(20L容量)に入れ、続いて、上記実施例2A(方法2)において調製した通りの7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A、1500g)、および2−メチルテトラヒドロフラン(10.5L、7体積)を添加した。次いで、水素化装置を水素ガスでパージし、その後、混合物に、大気圧を0.5バール上回る圧力で連続的に入れた。次いで、容器ジャケットを冷却することにより、混合物を18℃から23℃の間の温度で撹拌した。水素ガスがそれ以上消費されなくなり、さらなる発熱が起こらなくなったら、容器を減圧にした。次いで、窒素ガスを0.5バールで容器に充填し、再度減圧し、続いて0.5バールの窒素ガスの2回目の充填をした。濾過したアリコートのHPLCが、7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(10A)が残っていないことを示したら(例えば≦0.5%)、窒素雰囲気下、セライトフィルターを使用する濾過漏斗を介して、反応混合物を受け入れフラスコ(receiving flask)に移した。セライトフィルターケーキを2−メチルテトラヒドロフラン(3L、2体積)で洗浄した。撹拌機構、温度制御および窒素雰囲気を備えた容器に、洗浄液および濾液を入れた。1,4−ジオキサン(1体積)中4MのHClを、20℃で1時間かけて連続的に容器に添加した。混合物を少なくとも追加で10時間撹拌し、濾過し、2−メチルテトラヒドロフラン(2体積)で洗浄し、乾燥させて、1519gの4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11B)の塩酸塩を白色結晶性固体として生成した。
【0192】
この実施例において、代替的な溶媒で代用してもよい。例えば、2−MeTHFの代わりにMeOHおよび/またはEtOHが使用され得る。
【0193】
4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン塩酸塩(11B)の調製、方法2
Buechi水素化装置(20L容量)中に、パラジウム炭素(5%w/w、150g)を窒素下で導入し、続いて、7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(1500g)および2−メチルテトラヒドロフラン(10.5L、7体積)を添加した。次いで、水素化装置を水素ガスでパージし、その後、撹拌混合物に、大気圧を0.5バール上回る圧力で連続的に入れた。容器ジャケットを冷却することにより、反応混合物の温度を18℃から23℃に維持した。水素ガスがそれ以上消費されなくなり、さらなる発熱が起こらなくなったら、容器を減圧にした。次いで、窒素ガスを容器に充填し、再度減圧にし、続いて0.5バールの窒素ガスを入れた。濾過したアリコートのHPLCが、7−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンが検出されなかったことを示したら(≦0.5%)、反応が完了したと判定した。次いで、反応混合物をセライトに通して濾過した。残ったスラリーを、窒素ガス下、セライトフィルターを含有する濾過漏斗を介して、受け入れフラスコに移した。セライトケーキを2−メチルテトラヒドロフラン(3L、2体積)で洗浄した。撹拌機構、温度制御および窒素雰囲気を備えた容器に、濾液および洗浄液を移した。1,4−ジオキサン(1体積)中4MのHClを、20℃で1時間かけて連続的に容器に添加した。得られた混合物を追加で10時間撹拌し、濾過し、2−メチルテトラヒドロフラン(2体積)で洗浄し、乾燥させて、1519gの7−[4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(11B)を白色結晶性固体として生成した。
【0194】
この例において、代替的な溶媒で代用してもよい。例えば、2−MeTHFの代わりにMeOHおよび/またはEtOHが使用され得る。
【0195】
(実施例3A)
N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(形態A)の調製
【0196】
【化12】

2−メチルテトラヒドロフラン(91.00mL)中の4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1H−キノリン−3−カルボン酸(7)(9.1g、35.39mmol)および4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11A)(9.2g、35.74mmol)の溶液に、プロピルホスホン酸環状無水物(T3P(酢酸エチル中50%溶液)、52.68mL、88.48mmol)およびピリジン(5.6g、5.73mL、70.78mmol)を室温で添加した。反応フラスコを、窒素雰囲気下65℃で10時間加熱した。室温に冷却後、次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaCO溶液(50mL)でクエンチした。層を分離し、水層を酢酸エチルで2回以上抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して黄褐色固体とした。粗固体を、酢酸エチルおよびジエチルエーテルの2:1混合物中でスラリー化し、減圧濾過によって収集し、酢酸エチル/ジエチルエーテル混合物で2回以上洗浄して、粗生成物を淡黄色結晶性粉末として得た。粉末を温酢酸エチルに溶解させ、セライトに吸着させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜50%酢酸エチル)による精製により、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(化合物I)を固体形態Aの白色結晶性固体として得た。LC/MS m/z 496.0[M+H]、保持時間1.48分(RP−C18、3分間かけて10〜99%CHCN/0.05%TFA)。H NMR (400.0 MHz, DMSO−d) δ 13.08 (s, 1H), 12.16 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.04 (dd, J = 2.1, 7.4 Hz, 1H), 7.95 − 7.88 (m, 3H), 7.22 (dd, 2.5, 8.9 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.33 (s, 2H), 1.67 (d, J = 6.9 Hz, 4H), 1.44 (d, J = 6.9 Hz, 4H).
(実施例3B)
N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(形態A−HCl)の調製
【0197】
【化13】

2−メチルテトラヒドロフラン(0.57L、1.0体積)を30Lジャケット型反応容器に入れ、続いて、4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11B)の塩酸塩(791g、2.67mol)および4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)(573g、2.23mol)、ならびに追加で5.2L(9.0体積)の2−メチルテトラヒドロフランを添加した。撹拌を開始し、2−メチルテトラヒドロフラン中のT3P(2.84kg、4.46mol)を反応混合物に15分間かけて添加した。次いで、添加漏斗を介しピリジン(534.0g、546.0mL、6.68mol)を30分間かけて滴下添加した。混合物を約30分間かけて45℃に加温し、12〜15時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、2−メチルテトラヒドロフラン(4体積、2.29L)、続いて水(6.9体積、4L)を添加し、その間、温度を30℃未満に維持した。水層を除去し、有機層をNaHCO飽和水溶液で慎重に2回洗浄した。次いで、有機層を10%w/wクエン酸(5体積)で、最後に水(7体積)で洗浄した。混合物をポリッシュ濾過し、別の乾燥した容器に移した。N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド塩酸塩の種晶(形態A−HCl)(3.281g、5.570mmol)を添加した。HCl(気体)(10当量)を吹き込んで2時間にわたって泡立たせ、混合物を終夜撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、2−メチルテトラヒドロフラン(4体積)で洗浄し、真空乾燥させ、60℃でオーブン乾燥させて、化合物Iを形態A−HClとして得た。
【0198】
形態A−HClの粉末ディフラクトグラム(diffractogram)を図1に示す。
【0199】
以下の表1は、形態A−HClの代表的なXRPDピークを提供するものである。
表1.形態A−HCl XPRDピーク
【0200】
【表1−1】

【0201】
【表1−2】

【0202】
【表1−3】

化合物1形態A−HClの単結晶は、単斜晶系、P2/c空間群、ならびに下記の単位格子寸法:a=13.6175(4)Å、b=21.614(3)Å、c=8.3941(4)Å、α=90°、β=112.303°およびγ=90°を保有することが判明した。
【0203】
形態A−HClの代表的試料を、顕微鏡も使用して評価した。
【0204】
形態A−HClの代表的試料についてのDSC曲線を、図2において提供する。
【0205】
形態Aの代表的試料についてのTGA曲線を、図3において提供する。
【0206】
形態A−HClの代表的試料は、図4において提供されるFTIRスペクトルを表示した。
【0207】
表2は、形態A−HClの特徴的なFTIR吸収を提供するものである。
表2.形態A HCl FTIR吸収
【0208】
【表2−1】

【0209】
【表2−2】

形態A−HClの代表的試料を、固体状態(SS)13Cおよび19F NMRも使用して分析した。それぞれのNMRスペクトルを図5および6において提供する。13C SSNMRおよび19F SSNMRスペクトルにおいて見られた数個のピークを、以下の表3および4に記載する。
表3.形態A−HCl 13C SSNMRピーク
【0210】
【表3】

表4:形態A−HCl 19F SSNMRピーク
【0211】
【表4】

(実施例4A)
N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(形態B)の調製
【0212】
【化14】

2−メチルテトラヒドロフラン(1体積)を30Lジャケット型反応容器に入れ、続いて4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)アニリン(11B)の塩酸塩(1.2当量)および4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)(573g、2.228mol)を添加した。追加の2−メチルテトラヒドロフラン(9体積)を容器に入れ、撹拌を開始した。2−メチルテトラヒドロフラン中のT3P(2当量)を反応混合物に15分間かけて添加した。添加漏斗を使用し、ピリジン(3当量)を滴下して迅速に添加した。次いで、撹拌下で、混合物を約30分間かけて45℃に加熱し、この温度を約5時間維持した。混合物を室温に冷却した。2−メチルテトラヒドロフラン(4体積)を添加し、続いて水(6.9体積)をゆっくり添加し、反応物の温度を30℃未満に保った。水層を除去し、有機層をNaHCO飽和水溶液で2回洗浄した。次いで、有機層を10%w/wクエン酸(5体積)および水(7体積)で慎重に洗浄し、ポリッシュ濾過し、その後、別の乾燥した容器に移した。2−メチルテトラヒドロフラン(10体積)を添加し、撹拌を開始した。ヘプタン(10体積)を撹拌しながら滴下して迅速に添加した。混合物を約12時間にわたって撹拌し、次いで真空濾過した。固体フィルターケーキを別の容器に導入した。水(15体積)を容器に入れ、懸濁液を48時間激しく撹拌し、次いで濾過した。固体ケーキを水(5体積)で洗浄し、45℃で一定重量に乾燥させて、化合物I、形態Bを得た。
【0213】
化合物I、形態Bの粉末ディフラクトグラムを、図7Aおよび7Bにおいて示す。
【0214】
表5:形態Bの代表的なXRPDピーク
【0215】
【表5】

形態Bの代表的試料についてのDSC曲線を、図8において提供する。
【0216】
形態Bの代表的試料についてのTGA曲線を、図9において提供する。
【0217】
形態Bの代表的試料は、図10において提供されるFTIRスペクトルを表示した。
【0218】
表6は、形態Bの特徴的なFTIR吸収を提供するものである。
表6.形態BのFTIR吸収
【0219】
【表6−1】

【0220】
【表6−2】

形態Bの代表的試料を、固体状態13Cおよび19F NMRも使用して分析した。それぞれのNMRスペクトルを図11および12において提供する。13C SSNMRおよび19F SSNMRスペクトルにおいて見られた数個のピークを、以下の表7および8に記載する。
表7.形態B 13C SSNMRピーク
【0221】
【表7】

表8.形態B 19F SSNMRピーク
【0222】
【表8】

化合物1形態Bの単結晶をマイクロマウントループに載置し、密閉した銅X線管およびアペックスII CCD検出器を備えたBrokerアペックスII回折装置の中心に据えた。最初に、40フレームの3セットを収集して、予備的単位格子を決定した。その後、15スキャンおよび6084フレームからなる完全データセットを獲得した。データ収集は室温で実施した。データを統合し、Bruker AXS製のアペックスIIソフトウェアを使用して測った。統合およびスケーリングは、6176の反射をもたらし、このうちの2250が固有のものであった。SHELXTLソフトウェアを使用し、空間群P21/cにおける直接的方法によって構造を解析した。精密化は、同じくSHELXTLソフトウェアを使用するF2についての完全行列最小二乗法を用いて実施した。392全部のパラメーターを精密化に使用して、5.74の対パラメーター反射比をもたらした。最終精密化指数は、wR2=0.0962およびRl=0.0682(I>2シグマ(I)である反射についてはwR2=0.0850およびRl=0.0412であった。
【0223】
形態BのN−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドの単結晶は、単斜晶系、P21/c空間群、ならびに下記の単位格子寸法:a=13.5429(4)Å、b=13.4557(4)Å、c=12.0592(4)Å、α=90°、β=101.193°およびγ=90°を保有することが判明した。
【0224】
(実施例4B)
N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(形態B−HCl)の調製
【0225】
【化15】

100mLの2−メチルテトラヒドロフランを、撹拌器を備えた窒素雰囲気を有する三つ口フラスコに入れた。化合物I、形態A−HCl(55g、0.103mol)、続いて349mLの2−メチルテトラヒドロフランをフラスコに加え、撹拌を開始した。28mLの水をフラスコに加え、フラスコを60℃の内部温度に加温し、48時間撹拌した。フラスコを室温に冷却し、1時間撹拌した。フィルターケーキが乾燥するまで、反応混合物を真空濾過した。固体フィルターケーキを2−メチルテトラヒドロフラン(4体積)で2回洗浄した。固体フィルターケーキを約30分間にわたって減圧吸引したままにしておき、乾燥トレイに移した。フィルターケーキを60℃で真空乾燥させて、形態B−HClを白色結晶性固体として得た。
【0226】
形態B−HClの粉末ディフラクトグラムを、図13において示す。
【0227】
以下の表9は、形態B−HClの代表的なXRPDピークを提供するものである。
表9.形態B−HCl XRPDピーク
【0228】
【表9−1】

【0229】
【表9−2】

【0230】
【表9−3】

化合物1形態B−HClの単結晶は、単斜晶系、P2/a空間群、ならびに下記の単位格子寸法:a=12.57334(5)Å、b=19.68634(5)Å、c=8.39399(5)Å、α=90°、β=90.0554°およびγ=90°を保有することが判明した。
【0231】
形態B−HClの代表的試料を、顕微鏡も使用して評価した。
【0232】
形態B−HClの代表的試料についてのDSC曲線を、図14において提供する。
【0233】
形態B−HClの代表的試料についてのTGA曲線を、図15において提供する。
【0234】
形態B−HClの代表的試料は、図16において提供されるFTIRスペクトルを表示した。
【0235】
表10は、形態B−HClの特徴的なFTIR吸収を提供するものである。
表10.形態B−HCl FTIR吸収
【0236】
【表10−1】

【0237】
【表10−2】

形態B−HClを、固体状態13Cおよび19F NMRも使用して分析した。それぞれのNMRスペクトルを図17および18において提供する。13C SSNMRおよび19F SSNMRスペクトルにおいて見られた数個のピークを、表11および12に収載する。
表11.形態B−HCl 13C SSNMRピーク
【0238】
【表11】

表12.形態B−HCl 19F SSNMRピーク
【0239】
【表12】

(実施例4C)
N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(形態B−HCl)の代替的調製
形態A−HCl(14.638g、27.52mmol)を100mL丸底フラスコに入れた。EtOH(248.9mL)および水(27.82mL)を添加した。白色スラリーを加熱還流した。透明溶液が77℃で得られた。反応物を45℃に冷却し、30分間撹拌し、次いで、20℃に冷却した。混合物を追加で3時間、20℃で撹拌した。生成物を濾過し、ケーキをEtOHで洗浄した。固体を、真空オーブン中45℃で、窒素を抜きながら乾燥させて、化合物I、形態B−HClを白色固体として提供した。XRPD分析により、形態B−HClとしての固体の同一性を確認した。
【0240】
注記として、この例において記述されている通りのEtOH/HOの代わりに、MeOH/HOおよびIPA/HO等の他の溶媒組合せを使用してもよい。代替的な溶媒組合せの例を、表13において提供する。
表13.形態B−HClを作製するために使用され得る他の溶媒
【0241】
【表13】

さらなる注記として、実施例3A、3Bおよび4A〜4Cにおいて、2−MeTHFの代わりにEtOACが溶媒として使用され得る。
【0242】
化合物のΔF508−CFTR増強特性を検出および測定するためのアッセイ
化合物のΔF508−CFTR調節特性を評価するための膜電位光学法
アッセイでは、蛍光電圧感知染料を利用して、NIH 3T3細胞における機能的ΔF508−CFTRの増大の読み出しとして蛍光プレートリーダー(例えば、FLIPR III、Molecular Devices,Inc.)を使用し、膜電位の変化を測定する。応答のための駆動力は、細胞を先に化合物で処理し、その後電圧感知染料を充填した後の単一液体添加ステップによるチャネル活性化と連動する、クロライドイオン勾配の生成である。
【0243】
増強物質化合物の同定
ΔF508−CFTRの増強物質を同定するために、二重添加HTSアッセイフォーマットを開発した。このHTSアッセイでは、蛍光電圧感知染料を利用して、温度補正されたΔF508 CFTR NIH 3T3細胞中におけるΔF508 CFTRのゲーティング(コンダクタンス)の増大の測定として、膜電位の変化をFLIPR IIIで測定する。応答のための駆動力は、細胞を先に増強物質化合物(またはDMSOビヒクル対照)で処理し、その後再分布染料を加えた後の、FLIPR III等の蛍光プレートリーダーを使用する単一液体添加ステップ中のホルスコリンによるチャネル活性化と連動する、Clイオン勾配である。
【0244】
溶液
浴溶液番号1:(mM単位で)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、HEPES 10、そしてNaOHでpH7.4にした。
【0245】
浴溶液番号1の代替物は、塩化物塩をグルコン酸塩で代用した浴溶液を包含する。
【0246】
細胞培養
ΔF508−CFTRを安定発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学的測定に使用する。175cm培養フラスコ内、2mMのグルタミン、10%のウシ胎仔血清、1×NEAA、β−ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mMのHEPESを補充したダルベッコ変法イーグル培地中、37℃、5%COおよび90%湿度で細胞を維持する。すべての光学的アッセイのために、細胞を384ウェルマトリゲルコーティングプレートに約20,000/ウェルで播種し、37℃で2時間培養した後、増強物質アッセイのために27℃で24時間培養した。補正アッセイのために、細胞を、27℃または37℃、化合物有りおよび無しで16〜24時間培養する。
【0247】
化合物のΔF508−CFTR調節特性を評価するための電気生理学的アッセイ
1.ウッシングチャンバーアッセイ
ΔF508−CFTRを発現している分極した気道上皮細胞についてウッシングチャンバー実験を実施して、光学的アッセイにおいて同定されたΔF508−CFTRモジュレーターをさらに特徴付けた。非CFおよびCF気道上皮を気管支組織から単離し、以前に記述されている通りに培養し(Galietta, L.J.V.、Lantero, S.、Gazzolo, A.、Sacco, O.、Romano, L.、Rossi, G.A.およびZegarra−Moran, O.、(1998年)、In Vitro Cell. Dev. Biol.、34巻、478〜481頁)、NIH3T3馴化培地でプレコーティングしたCostar(登録商標)Snapwell(商標)フィルターに平板培養した。4日後、頂端の培地を除去し、細胞を使用前に14日を超える期間、気液界面で成長させた。これは、気道上皮に特徴的な特色である、線毛のある完全に分化した円柱細胞の単層をもたらした。いかなる公知の肺疾患も有さない非喫煙者から、非CF HBEを単離した。ΔF508−CFTRが同型接合の患者から、CF−HBEを単離した。
【0248】
Costar(登録商標)Snapwell(商標)細胞培養インサート上で成長させたHBEを、ウッシングチャンバー(Physiologic Instruments,Inc.,San Diego,CA)内に載置し、電圧クランプシステム(Department of Bioengineering、University of Iowa、IA)を使用して、経上皮抵抗と基底外側から頂端のCl勾配の存在下での短絡回路電流(ISC)とを測定した。手短に述べると、HBEを電圧クランプ記録条件下(Vhold=0mV)37℃で検査した。基底外側溶液は、(mM単位で)145 NaCl、0.83 KHPO、3.3 KHPO、1.2 MgCl、1.2 CaCl、10 グルコース、10 HEPES(NaOHでpHを7.35に調整した)を含有しており、頂端溶液は、(mM単位で)145 Naグルコネート、1.2 MgCl、1.2 CaCl、10 グルコース、10 HEPES(NaOHでpHを7.35に調整した)を含有していた。
【0249】
増強物質化合物の同定
典型的なプロトコールでは、基底外側から頂端膜のCl濃度勾配を利用した。この勾配を準備するために、側底膜上では通常のリンゲル液を使用したのに対し、頂端NaClは等モル濃度のグルコン酸ナトリウム(NaOHで滴定してpH7.4にした)によって置き換えて、上皮を横断する大きなCl濃度勾配を得た。ホルスコリン(10μM)およびすべての試験化合物を、細胞培養インサートの頂端側に添加した。推定上のΔF508−CFTR増強物質の効果を、公知の増強物質であるゲニステインの効果と比較した。
【0250】
2.パッチクランプ記録
以前に記述されている通りの穿孔パッチ記録コンフィギュレーションを使用して、ΔF508−NIH3T3細胞における全Cl電流をモニターした(Rae, J.、Cooper, K.、Gates, P.およびWatsky, M.(1991年)、J. Neurosci. Methods、37巻、15〜26頁)。電圧クランプ記録は、アキソパッチ200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments Inc.、Foster City、CA)を使用し、22℃で実施した。ピペット溶液は、(mM単位で)150 N−メチル−D−グルカミン(NMDG)−Cl、2 MgCl、2 CaCl、10 EGTA、10 HEPESおよび240μg/mLのアンホテリシン−B(HClでpHを7.35に調整した)を含有していた。細胞外培地は、(mM単位で)150 NMDG−Cl、2 MgCl、2 CaCl、10 HEPES(HClでpHを7.35に調整した)を含有していた。パルス発生、データ獲得および分析は、Clampex 8(Axon Instruments Inc.)と連動するDigidata 1320A/Dインターフェースを備えたPCを使用して実施した。ΔF508−CFTRを活性化するために、10μMのホルスコリンおよび20μMのゲニステインを浴に添加し、電流電圧関係を30秒毎にモニターした。
【0251】
増強物質化合物の同定
穿孔パッチ記録技術を使用して、ΔF508−CFTRを安定発現しているNIH3T3細胞において巨視的ΔF508−CFTR Cl電流(IΔF508)を増大させるΔF508−CFTR増強物質の能力も調査した。光学的アッセイにより同定された増強物質は、IΔF508の用量依存的な増大を誘起し、光学的アッセイで同様の効力および効果が観察された。検査したすべての細胞において、増強物質適用の前および最中の逆転電位は、算出されたECl(−28mV)である−30mV前後であった。
【0252】
細胞培養
ΔF508−CFTRを安定発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、ホールセル記録に使用する。175cm培養フラスコ内、2mMのグルタミン、10%のウシ胎仔血清、1×NEAA、β−ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mMのHEPESを補充したダルベッコ変法イーグル培地中、37℃、5%COおよび90%湿度で細胞を維持する。ホールセル記録のために、2,500〜5,000細胞をポリ−L−リジンコーティングされたガラスカバースリップ上に播種し、増強物質の活性を試験するために、使用前に27℃で24〜28時間培養し、補正剤(corrector)の活性を測定するために、37℃、補正化合物(correction compound)有りおよび無しで培養した。
【0253】
3.単一チャネル記録
アキソパッチ200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments Inc.)を使用する、以前に記述されている通りの切除された反転膜パッチ記録(excised inside−out membrane patch recordings)(Dalemans, W.、Barbry, P.、Champigny, G.、Jallat, S.、Dott, K.、Dreyer, D.、Crystal, R.G.、Pavirani, A.、Lecocq, J−P.、Lazdunski, M.(1991年)、Nature、354巻、526〜528頁)を使用して、NIH3T3細胞において発現された野生型CFTRおよび温度補正されたΔF508−CFTRのゲーティング活性を観察した。ピペットは、(mM単位で):150 NMDG、150 アスパラギン酸、5 CaCl、2 MgClおよび10 HEPES(トリス塩基でpHを7.35に調整した)を含有していた。浴は、(mM単位で):150 NMDG−Cl、2 MgCl、5 EGTA、10 TESおよび14 トリス塩基(HClでpHを7.35に調整した)を含有していた。切除後、1mMのMg−ATP、75nMのcAMP依存性タンパク質キナーゼ触媒サブユニット(PKA;Promega Corp.、Madison、WI)、および10mMのNaFを添加することにより、野生型およびΔF508−CFTR両方を活性化させてタンパク質ホスファターゼを阻害し、これによって電流消耗を防止した。ピペット電位は80mVに維持した。2つ以下の活性チャネルを含有する膜パッチによりチャネル活性を分析した。同時開口の最大数によって、実験経過中の活性チャネル数を決定した。単一チャネル電流振幅を決定するために、120秒のΔF508−CFTR活性から記録されたデータを100Hzで「オフライン」フィルター処理し、次いで全点振幅ヒストグラムを構築するために使用し、これを、バイオパッチ分析ソフトウェア(Bio−Logic Comp.、フランス)を使用して多重ガウス分布関数に当てはめた。総微視的電流および開確率(P)を、120秒のチャネル活性から決定した。Pは、バイオパッチソフトウェアを使用して、または関係式P=I/i(N)[ここで、I=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、かつN=パッチ中の活性チャネル数である]から決定した。
【0254】
細胞培養
ΔF508−CFTRを安定発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除膜パッチクランプ記録に使用する。175cm培養フラスコ内、2mMのグルタミン、10%のウシ胎仔血清、1×NEAA、β−ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mMのHEPESを補充したダルベッコ変法イーグル培地中、37℃、5%COおよび90%湿度で細胞を維持する。単一チャネル記録のために、2,500〜5,000細胞をポリ−L−リジンコーティングされたガラスカバースリップ上に播種し、使用前に27℃で24〜48時間培養した。
【0255】
化合物I形態Aは、ATP結合カセット輸送体のモジュレーターとして有用である。化合物I、形態AのEC50(μm)を測定すると、2.0μM未満であった。化合物I、形態Aの効果は、100%から25%までであることが算出された。100%効果は、4−メチル−2−(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノールを用いて得られる最大応答であることに留意すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形態A−HClとして特徴付けられる、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド。
【請求項2】
X線粉末回折パターンにおける、約7.1度の1つのピークを特徴とする、請求項1に記載の形態A−HCl。
【請求項3】
X線粉末回折パターンにおける、約21.2度の1つのピークを特徴とする、請求項1または2に記載の形態A−HCl。
【請求項4】
X線粉末回折パターンにおける、約6.9から約7.3度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項5】
X線粉末回折パターンにおける、約8.0から約8.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項6】
X線粉末回折パターンにおける、約13.9から約14.3度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項7】
X線粉末回折パターンにおける、約21.0から約21.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項8】
X線粉末回折パターンにおける、約14.5から約14.9度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項9】
X線粉末回折パターンにおける、約16.2から約16.6度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項10】
X線粉末回折パターンにおける、約18.5から約18.9度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項11】
X線粉末回折パターンにおける、約22.6から約23.0度までの1つのピークを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項12】
X線粉末回折パターンにおける、約6.9から約7.3度までの1つのピーク、約8.0から約8.4度までの1つのピーク、約13.9から約14.3度までの1つのピークおよび約21.0から約21.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項1に記載の形態A−HCl。
【請求項13】
図1の回折パターンを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項14】
13C NMRスペクトルにおける、約163.7ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項15】
13C NMRスペクトルにおける、約137.2ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項16】
13C NMRスペクトルにおける、約121.5ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項17】
13C NMRスペクトルにおける、約163.7ppmでの1つのピーク、約137.2ppmでの1つのピークおよび約121.5ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項18】
図5の13C NMRスペクトルを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項19】
19F NMRスペクトルにおける、約−57.0ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項20】
19F NMRスペクトルにおける、約−60.5ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項21】
19F NMRスペクトルにおける、約−57.0ppmでの1つのピークおよび約−60.5ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項22】
図6の19F NMRスペクトルを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項23】
単斜晶系、P2/c空間群、ならびに下記の単位格子寸法:
a=13.6175(4)Å、
b=21.614(3)Å、
c=8.3941(4)Å、
α=90°、
β=112.303°、および
γ=90°
を保有することが判明している単結晶を特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の形態A−HCl。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項に記載の形態A−HClと、薬学的に許容されるアジュバントまたは担体とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
形態Bとして特徴付けられる、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド。
【請求項26】
X線粉末回折パターンにおける、約6.5から約6.9度までの1つのピークを特徴とする、請求項24に記載の形態B。
【請求項27】
X線粉末回折パターンにおける、約9.2から約9.6度までの1つのピークを特徴とする、請求項25または26に記載の形態B。
【請求項28】
X線粉末回折パターンにおける、約11.0から約11.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から27のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項29】
X線粉末回折パターンにおける、約13.2から約13.6度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から28のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項30】
X線粉末回折パターンにおける、約15.0から約15.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から29のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項31】
X線粉末回折パターンにおける、約17.0から約17.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から30のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項32】
X線粉末回折パターンにおける、約17.6から約18.0度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から31のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項33】
X線粉末回折パターンにおける、約17.9から約18.3度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から32のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項34】
X線粉末回折パターンにおける、約19.1から約19.5度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から33のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項35】
X線粉末回折パターンにおける、約19.9から約20.3度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から34のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項36】
X線粉末回折パターンにおける、約21.0から約21.5度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から35のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項37】
X線粉末回折パターンにおける、約21.8から22.2度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から36のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項38】
X線粉末回折パターンにおける、約23.8から約24.2度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から37のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項39】
X線粉末回折パターンにおける、約26.0から約26.4度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から38のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項40】
X線粉末回折パターンにおける、約27.1から約27.5度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から39のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項41】
X線粉末回折パターンにおける、約27.5から約27.9度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から40のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項42】
X線粉末回折パターンにおける、約28.7から約29.1度までの1つのピークを特徴とする、請求項25から41のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項43】
X線粉末回折における、約6.5から約6.9度まで(例えば約6.7度)の1つのピーク、約9.8から約10.2度まで(例えば約10.0度)の1つのピーク、約11.0から約11.4度まで(例えば約11.2度)の1つのピーク、約13.2から約13.6度まで(例えば約13.4度)の1つのピークおよび約23.8から約24.2度まで(例えば約24.2度)の1つのピークを特徴とする、請求項25から42のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項44】
X線粉末回折における、約6.7度の1つのピーク、約10.0度の1つのピーク、約11.2度の1つのピーク、約13.4度の1つのピークおよび約24.2度の1つのピークを特徴とする、請求項25から43のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項45】
図7Aまたは図7Bの回折パターンを特徴とする、請求項25から44のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項46】
13C NMRスペクトルにおける、約165.3ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から45のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項47】
13C NMRスペクトルにおける、約145.9ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から46のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項48】
13C NMRスペクトルにおける、約132.9ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から47のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項49】
13C NMRスペクトルにおける、約113.4ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から48のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項50】
13C NMRスペクトルにおける、約165.3ppmでの1つのピーク、約145.9ppmでの1つのピーク、約132.9ppmでの1つのピークおよび約113.4ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から49のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項51】
図11の13C NMRスペクトルを特徴とする、請求項25から50のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項52】
19F NMRスペクトルにおける、約−56.1ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から51のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項53】
19F NMRスペクトルにおける、約−62.1ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から52のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項54】
19F NMRスペクトルにおける、約−56.1ppmでの1つのピークおよび約−62.1ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項25から53のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項55】
図12の19F NMRスペクトルを特徴とする、請求項25から54のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項56】
単斜晶系、P21/c空間群、ならびに下記の単位格子寸法:
a=13.5429(4)Å、
b=13.4557(4)Å、
c=12.0592(4)Å、
α=90°、
β=101.193°、および
γ=90°
を保有することが判明している単結晶を特徴とする、請求項25から55のいずれか一項に記載の形態B。
【請求項57】
請求項25から56のいずれか一項に記載の形態Bと、薬学的に許容されるアジュバントまたは担体とを含む、医薬組成物。
【請求項58】
形態B−HClとして特徴付けられる、N−(4−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド。
【請求項59】
X線粉末回折パターンにおける、約8.1から約8.5度までの1つのピークを特徴とする、請求項58に記載の形態B−HCl。
【請求項60】
X線粉末回折パターンにおける、約14.6から約15.1度までの1つのピークを特徴とする、請求項58または59に記載の形態B−HCl。
【請求項61】
X線粉末回折パターンにおける、約16.5から約16.9度までの1つのピークを特徴とする、請求項58から60のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項62】
X線粉末回折パターンにおける、約17.6から約18.4度までの3つのピークを特徴とする、請求項58から61のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項63】
X線粉末回折パターンにおける、約21.4から約22.1度までの2つのピークを特徴とする、請求項58から62のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項64】
X線粉末回折パターンにおける、約22.8から約23.8度までの2つのピークを特徴とする、請求項58から63のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項65】
X線粉末回折パターンにおける、約24.7から約25.4度までの2つのピークを特徴とする、請求項58から64のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項66】
X線粉末回折パターンにおける、約26.1から約27.3度までの1つのピークを特徴とする、請求項58から65のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項67】
X線粉末回折パターンにおける、約30.9から約31.3度までの1つのピークを特徴とする、請求項58から66のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項68】
X線粉末回折パターンにおける、約38.2から約38.7度までの1つのピークを特徴とする、請求項58から67のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項69】
図13のX線回折パターンを特徴とする、請求項58から68のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項70】
X線粉末回折パターンにおける、約8.1から約8.5度までの1つのピーク、約14.6から約15.1度までの1つのピーク、約16.5から約16.9度までの1つのピーク、約17.6から約18.4度までの3つのピーク、約21.4から約22.1度までの2つのピーク、約22.8から約23.8度までの2つのピーク、約24.7から約25.4度までの2つのピーク、約26.1から約27.3度までの1つのピーク、約30.9から約31.3度までの1つのピーク、および約38.2から約38.7度までの1つのピークを特徴とする、請求項58から69のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項71】
X線粉末回折における、約8.1から約8.5度までの1つのピーク、約8.8から約9.2度までの1つのピーク、約12.8から約13.2度までの1つのピーク、約17.8から約18.2度までの1つのピークおよび約22.8から約23.2度までの1つのピークを特徴とする、請求項58から70のいずれかに記載の形態B−HCl。
【請求項72】
13C NMRスペクトルにおける、約168.2ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から71のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項73】
13C NMRスペクトルにおける、約148.7ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から72のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項74】
13C NMRスペクトルにおける、約138.8ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から73のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項75】
13C NMRスペクトルにおける、約119.8ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から74のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項76】
13C NMRスペクトルにおける、約23.9ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から75のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項77】
13C NMRスペクトルにおける、約168.2ppmでの1つのピーク、約148.7ppmでの1つのピーク、約138.8ppmでの1つのピーク、約119.8ppmでの1つのピークおよび約23.9ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から76のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項78】
図17の13C NMRスペクトルを特徴とする、請求項58から77のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項79】
19F NMRスペクトルにおける、約−55.6ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から78のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項80】
19F NMRスペクトルにおける、約−62.0ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から79のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項81】
19F NMRスペクトルにおける、約−55.6ppmでの1つのピークおよび約−62.0ppmでの1つのピークを特徴とする、請求項58から80のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項82】
図18の19F NMRスペクトルを特徴とする、請求項58から81のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項83】
単斜晶系、P2/a空間群、ならびに下記の単位格子寸法:
a=12.57334(5)Å、
b=19.68634(5)Å、
c=8.39399(5)Å、
α=90°、
β=90.0554°、および
γ=90°
を保有することが判明している単結晶を特徴とする、請求項58から82のいずれか一項に記載の形態B−HCl。
【請求項84】
請求項58から83のいずれか一項に記載の形態B−HClと、薬学的に許容されるアジュバントまたは担体とを含む、医薬組成物。
【請求項85】
患者における疾患を治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記疾患が、嚢胞性線維症、喘息、喫煙誘発性COPD、慢性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、膵炎、膵機能不全、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、軽度肺疾患、特発性膵炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、肝疾患、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・サックス病、クリグラー・ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病、ラロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノーシスCDG1型、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性DI、腎性DI、シャルコーマリートゥース症候群、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病(プリオンタンパク質プロセシング欠損に起因する)等の海綿状脳症、ファブリー病、シュトロイスラー‐シャインカー症候群、COPD、ドライアイ疾患、またはシェーグレン病、骨粗しょう症、骨減少症、骨折治癒機転および骨成長(骨修復、骨再生、骨吸収を低減させることおよび骨沈着を増大させることを包含する)、ゴーラム病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)等のクロライドチャネル病、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、ならびに、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCDを包含する線毛の構造および/または機能の遺伝障害を表す用語である先天性線毛運動不全症(PCD)から選択され、前記患者に、有効量の、請求項1から84のいずれか一項に記載の形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せを投与するステップを含む方法。
【請求項86】
前記疾患が嚢胞性線維症である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
患者における疾患を治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記疾患が、CFTRをコードする遺伝子における変異または環境要因に起因するCFTR機能の低減に関連し、前記患者に、有効量の請求項1から84のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項88】
疾患が、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、反復性気管支炎、急性気管支炎、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、子宮および膣の先天性欠損(CAUV)によって引き起こされる女性不妊、特発性慢性膵炎(ICP)、特発性再発性膵炎、特発性急性膵炎、慢性鼻副鼻腔炎、原発性硬化性胆管炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、糖尿病、ドライアイ、便秘、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、骨疾患、ならびに喘息である、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
患者における疾患を治療するまたはその重症度を下げる方法であって、前記疾患が正常なCFTR機能に関連し、前記患者に、有効量の請求項1から84のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項90】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、反復性気管支炎、急性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、慢性膵炎、再発性膵炎および急性膵炎、膵機能不全、精管の先天性両側欠損(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊、軽度肺疾患、特発性膵炎、肝疾患、遺伝性肺気腫、胆石、胃食道逆流性疾患、胃腸悪性腫瘍、炎症性腸疾患、便秘、糖尿病、関節炎、骨粗しょう症、ならびに骨減少症である、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記疾患が、遺伝性ヘモクロマトーシス、プロテインC欠乏症等の凝固−繊維素溶解欠乏症、1型遺伝性血管浮腫、家族性高コレステロール血症等の脂質プロセシング欠乏症、1型乳び血症、無βリポタンパク質血症、I細胞疾患/偽性ハーラー症候群等のリソソーム蓄積症、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・サックス病、クリグラー・ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症、真性糖尿病、ラロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノーシスCDG1型、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、ニューロフィシン性DI、腎性DI、シャルコーマリートゥース症候群、ペリツェーウス‐メルツバッハー病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、ピック病等の神経変性疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体および筋強直性ジストロフィー等の数種のポリグルタミン神経障害、ならびに遺伝性クロイツフェルトヤコブ病(プリオンタンパク質プロセシング欠損に起因する)等の海綿状脳症、ファブリー病、シュトロイスラー‐シャインカー症候群、ゴーラム病、クロライドチャネル病、先天性筋強直症(トムゼン型およびベッカー型)、バーター症候群III型、デント病、驚愕過剰症、てんかん、びっくり病、脂肪蓄積症、アンジェルマン症候群、先天性線毛運動不全症(PCD)、逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、逆位および線毛形成不全を伴わないPCD、またはシェーグレン病である、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
生物学的試料におけるCFTRまたはその断片の活性をインビトロまたはインビボで測定する際に使用するためのキットであって、
a.請求項1から84のいずれか一項に記載の形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せを含む組成物と、
b.
i.前記組成物を前記生物学的試料と接触させ、
ii.前記CFTRまたはその断片の活性を測定する
ための取扱説明書と
を含む、キット。
【請求項93】
i.追加化合物を前記生物学的試料と接触させ、
ii.前記追加化合物の存在下で、前記CFTRまたはその断片の活性を測定し、
iii.前記追加化合物の存在下での前記CFTRの活性を、形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せの存在下でのCFTRの活性と比較する
ための取扱説明書をさらに含む、請求項92に記載のキット。
【請求項94】
前記CFTRまたはその断片の活性を比較するステップが、前記CFTRまたはその断片の密度の尺度を提供する、請求項93に記載のキット。
【請求項95】
生物学的試料におけるCFTR活性を調節する方法であって、前記CFTRを、請求項1から84のいずれか一項に記載の形態A−HCl、形態B、形態B−HCl、またはこれらの形態の任意の組合せと接触させるステップを含む方法。
【請求項96】
前記患者が、同型接合ΔF508変異を持つ嚢胞性線維症膜貫通受容体(CFTR)を保有する、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記患者が、同型接合G551D変異を持つ嚢胞性線維症膜貫通受容体(CFTR)を保有する、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記患者が、異型接合ΔF508変異を持つ嚢胞性線維症膜貫通受容体(CFTR)を保有する、請求項95に記載の方法。
【請求項99】
前記患者が、異型接合G551D変異を持つ嚢胞性線維症膜貫通受容体(CFTR)を保有する、請求項95に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2013−508407(P2013−508407A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535394(P2012−535394)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053633
【国際公開番号】WO2011/050220
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】