説明

N−[2−ヒドロキシカルバモイル−2−(ピペラジニル)エチル]ベンズアミド化合物、それらの製法及びTACE阻害剤としてのそれらの使用

本発明は、一般式(I)に対応する構造を有する新規ベンゼン-カルボキサミド化合物、並びにそれらの合成方法及びヒト医学又は獣医学その他におけるそれらの使用を目的とする医薬組成物へのそれらの使用又は化粧品組成物へのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(I):
【0002】
【化1】

【0003】
に対応する新規ベンゼン-カルボキサミド化合物、並びにそれらの合成方法及び医学又は獣医学における使用を目的とする医薬組成物へのそれらの使用に関する。
【0004】
本発明の化合物は、TACEとしても知られるTNFα-変換酵素の阻害剤として作用する。したがって、それらは、TNFα産生の低減が非常に有益な疾患の治療に有用である。
【0005】
本発明はまた、一般式(I)に対応する化合物の、化粧品組成物中への使用に関する。
【背景技術】
【0006】
アダマライシン(「ADAM」又はAディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ)は、亜鉛メタロエンドペプチダーゼ酵素のサブファミリーである。これらの外部ドメインは、活性化が亜鉛依存性であるプロテアーゼドメイン、ディスインテグリンドメイン及びシステインリッチドメインを含む。今日まで、少なくとも30種の異なるADAMが同定されており、そのうち、最初に特性決定されたのは、TACE(TNFα-変換酵素)としても知られるADAM17であった[Gueydan Cら、Med.Sci 1997年、13巻、83〜88頁;Black R.Aら、Nature 1997年、385巻:729〜733頁;Mossら、Nature 1997年、385巻:733〜736頁]。TACE mRNAは、多くの組織、より具体的には、単球、マクロファージ及びTリンパ球中に存在するが、例えばケラチノサイト中にも存在する。
【0007】
TACEは、生物活性のある17kDaタンパク質である可溶性TNFαの放出をもたらすように、26kDa膜タンパク質であるプロ-TNFαの開裂を担っている[Schlondorffら、Biochem.J.2000年、347巻、131〜138頁]。細胞によって放出された可溶性TNFαは、合成部位から非常に離れた部位で作用することができる。TNFαは、多数の炎症誘発性の生物学的プロセスに関与する[Aggarwalら、Eur.Cytokine Netw.、1996年、7巻:93〜124頁]。いくつかの薬理試験及び臨床試験は、特異抗体又は抗-TNFα生物学的薬剤(エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ)によるTNFα効果の遮断が、関節リウマチ[Feldmanら、Lancet、1994年、344巻、1105頁]、インスリン非依存性糖尿病[Lohmander L.Sら、Arthritis Rheum、1993年、36巻、1214〜1222頁]、及びクローン病[MacDonaldら、Clin.Exp.Immunol.1990年、81巻、301頁]などの自己免疫疾患の治療に有益であることを明白に示している。
【0008】
TNFαはまた、乾癬病変で誘発される炎症事象において基本的な役割を果たしている。血清中TNFα濃度は、乾癬患者において高く[Mussi Aら、J.Biol.Regul.Homeost Agents、1997年、11巻、115〜118頁];TNFα濃度は、実際の乾癬プラークにおいても高い[Bonifati C.ら、Clin.Exp.Dermatol.、1994年、19巻、383〜387頁]。乾癬の生理病理学において重要な細胞は、ケラチノサイト、樹状細胞及びいくつかのTリンパ球である。これらの細胞ファミリー間の相互作用によって、TNFαの放出を伴う乾癬に特徴的な病変を誘発する炎症性カスケードがもたらされる[Kupper TS、N.Engl.J.Med、2003年、349巻、1987〜1990頁]。抗-TNFα生物学的薬剤(エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ)による中等度から重度のプラーク乾癬の治療に関する臨床試験は、乾癬病変及び患者の生活の質に対するそれらの効果を実証している[Ortonne JP、Annales de dermatologie et de venereologie、2005年、132(8〜9 pt2)、4S6〜9及び2005年、132、9S01〜9S70]。
【0009】
したがって、TNFα産生を阻害する化合物は、炎症性疾患及びTNFα放出が関与する疾患の治療に非常に有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO00/44709;251頁、表10、実施例61
【特許文献2】WO99/37625
【特許文献3】WO00/044730
【特許文献4】WO03/055856
【特許文献5】EP01/301989
【特許文献6】WO98/15525
【特許文献7】WO00/059874
【特許文献8】WO02/030873
【特許文献9】WO04/062601
【特許文献10】WO08/154642
【特許文献11】WO01/070734
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Gueydan Cら、Med.Sci 1997年、13巻、83〜88頁
【非特許文献2】Black R.Aら、Nature 1997年、385巻:729〜733頁
【非特許文献3】Mossら、Nature 1997年、385巻:733〜736頁
【非特許文献4】Schlondorffら、Biochem.J.2000年、347巻、131〜138頁
【非特許文献5】Aggarwalら、Eur.Cytokine Netw.、1996年、7巻:93〜124頁
【非特許文献6】Feldmanら、Lancet、1994年、344巻、1105頁
【非特許文献7】Lohmander L.Sら、Arthritis Rheum、1993年、36巻、1214〜1222頁
【非特許文献8】MacDonaldら、Clin.Exp.Immunol.1990年、81巻、301頁
【非特許文献9】Mussi Aら、J.Biol.Regul.Homeost Agents、1997年、11巻、115〜118頁
【非特許文献10】Bonifati C.ら、Clin.Exp.Dermatol.、1994年、19巻、383〜387頁
【非特許文献11】Kupper TS、N.Engl.J.Med、2003年、349巻、1987〜1990頁
【非特許文献12】Ortonne JP、Annales de dermatologie et de venereologie、2005年、132(8〜9 pt2)、4S6〜9及び2005年、132、9S01〜9S70
【非特許文献13】Curr Opin Investig Drugs.2006年11月;7巻(11号)、1014〜1019頁
【非特許文献14】Protein Eng Des Sel、2006年、19巻、155〜161頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、TACE酵素(TNFα-変換酵素)を阻害し、その結果、細胞による可溶性TNFα(TNFαの活性型)の分泌を阻害する新規分子を記載する。したがって、これらの新規分子は、TNFα産生の低減又は阻害に作用する、病態の治療のための潜在的な有効成分である。
【0013】
非限定的な例として、これらの病態は、例えば、敗血性ショック、血行動態ショック、マラリア、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、炎症性骨疾患、マイコバクテリウム感染症、髄膜炎、線維性疾患、心疾患、虚血性発作、移植片拒絶反応、癌、アテローム性動脈硬化症、肥満症、血管新生事象を伴う疾患、自己免疫疾患、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性慢性関節炎、多発性硬化症、HIV、インスリン非依存性糖尿病、アレルギー性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、眼炎症、炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎及び乾癬性関節炎である。
【0014】
これらの分子はまた、TNFα産生の低減が非常に有益であろう、炎症性の神経学的病態の治療のための潜在的な有効成分である。これらの病態の非限定的例を列挙すると、例えば以下の通りである:アルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン病様障害(Parkinsonian disorders)、筋萎縮性側索硬化症、神経系の自己免疫疾患、神経系の自律神経性疾患、背部痛、脳浮腫、脳血管疾患、認知症、神経系の神経線維脱髄性自己免疫疾患、糖尿病性ニューロパシー、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、慢性疲労症候群、巨細胞性動脈炎、ギラン-バレー症候群、頭痛、多発性硬化症、神経痛、末梢神経系疾患、多発ニューロパシー、多発神経根筋障害、神経根障害、呼吸麻痺、脊髄疾患、トゥレット症候群、中枢神経系血管炎、ハンチントン病及び脳発作(cerebral attack)。
【0015】
下記に示すような種々のTACE阻害剤が、既に知られている。しかし、これらの阻害剤の多くは、ADAM及び/又はマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)のファミリーの他の酵素と比べて、TACE酵素に選択的に作用しない。
【0016】
一方、これらの酵素ファミリーの非選択的な阻害は、インビボで観察される不所望な副作用を誘発する。例えば、MMP-1(コラゲナーゼ-1)の阻害は、筋骨格毒性の問題と関連している。
【0017】
非選択的阻害剤として、関節リウマチの治療に関するフェーズ2臨床試験において試験された既知の阻害剤であるアプラタスタット(Apratastat)に言及することもできる(Curr Opin Investig Drugs.2006年11月;7巻(11号)、1014〜1019頁)。この阻害剤は、ある種のMMP(WO00/44709;251頁、表10、実施例61)と比べて、TACE酵素に対して選択的ではない。
【0018】
ある種の環状β-アミドヒドロキサム誘導体は、WO99/37625、WO00/044730、WO03/055856及びEP01/301989にマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤及び/又はTACE阻害剤として既に記載されている。他の特許(WO98/15525、WO00/059874、WO02/030873)は、非環状アミド誘導体をマトリックスメタロプロテイナーゼ及び/又はTNFα及び/又はアグリカナーゼの阻害剤として特許請求している。他の非環状β-アミドヒドロキサム誘導体が、特許WO04/062601及びWO08/154642に抗細菌剤として記載されている。特許WO01/070734は、β-アミノ酸誘導体を、非常に広範な一般的構造で、TACE酵素に対して生物学的結果を示すことないマトリックスメタロプロテアーゼ及びTNFαの阻害剤として特許請求している。
【課題を解決するための手段】
【0019】
しかしながら、本出願人は今回、予想外に且つ驚くべきことに、一般式(I)の新規化合物が、非常に良好なTACE阻害活性を有し、特に、他のADAM及びMMPと比べて選択的にTACE酵素を阻害することを発見した。
【0020】
したがって、本発明は、下記一般式(I)の化合物:
【0021】
【化2】

【0022】
[式中、
R1は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基又はC(O)OR4基(式中、R4は下記の意味を有する)を表し;
R2は、水素原子又は低級アルキル基であり;
R3は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nは、0、1、2又は3の値をとることができる]、
並びに一般式(I)の化合物と薬学的に許容される酸との付加塩、一般式(I)の化合物と薬学的に許容される塩基との付加塩及び一般式(I)の化合物のエナンチオマーに関する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
一般式(I)の化合物と薬学的に許容される酸との付加塩としては、好ましくは、有機酸又は無機酸との塩を挙げることができる。
【0024】
適当な無機酸は、例えば、塩酸又は臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸である。
【0025】
適当な有機酸は、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、コハク酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、カンファースルホン酸及びフマル酸である。
【0026】
一般式(I)の化合物と薬学的に許容される塩基との付加塩としては、好ましくは、有機塩基又は無機塩基との塩を挙げることができる。
【0027】
適当な無機塩基は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩である。これらの塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムを挙げることができる。
【0028】
適当な有機塩基としては、アミン及びアミノ酸を挙げることができる。アミンとしては、例えば、脂肪族又は芳香族、第1級、第2級又は第3級アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミンの4つの異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジエタノールフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン及びイソキノリンを挙げることができる。
【0029】
アミノ酸としては、例えば、リジン、アルギニン及びオルニチンを挙げることができる。
【0030】
本発明によれば、「低級アルキル基」という表現は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0031】
本発明によれば、「アルキル基」という表現は、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0032】
本発明によれば、「アルケニル基」という表現は、1つ又は複数の二重結合を含む炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖不飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0033】
本発明によれば、「アルキニル基」という表現は、1つ又は複数の三重結合を含む炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖不飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0034】
本発明によれば、「置換アルキル基」という表現は、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ又は複数の基で置換されている、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0035】
本発明によれば、「置換アルケニル基」という表現は、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ又は複数の基で置換されている、1つ又は複数の二重結合を含む炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖不飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0036】
本発明によれば、「置換アルキニル基」という表現は、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ又は複数の基で置換されている、1つ又は複数の三重結合を含む炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖不飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0037】
本発明によれば、「シクロアルキル」という用語は、炭素数3〜7の環式飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0038】
本発明によれば、「置換シクロアルキル」という表現は、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ又は複数の基で置換されている、炭素数3〜7の環式飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0039】
本発明によれば、「アリール基」という表現は、芳香族炭化水素系環又は2つの縮合された芳香族炭化水素系環を意味する。好ましいアリール基は、フェニル及びナフチル基から選択される。
【0040】
本発明によれば、「置換アリール基」という表現は、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ又は複数の原子団で置換されている、芳香族炭化水素系環又は2つの縮合された芳香族炭化水素系環を意味する。
【0041】
本発明によれば、「アラルキル基」という表現は、アリールで置換されているアルキルを意味する。
【0042】
本発明によれば、「置換アラルキル基」という表現は、置換アリールで置換されているアルキルを意味する。
【0043】
本発明によれば、「複素環基」という表現は、O、S及びNから選択される1つ又は複数のヘテロ原子を含む、飽和又は不飽和の、環式又は多環式炭化水素系鎖を意味する。
【0044】
本発明によれば、「置換複素環基」という表現は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ又は複数の原子団で置換されている複素環基を意味する。
【0045】
本発明によれば、「ヘテロアリール基」という表現は、芳香族複素環基、即ち、O、S及びNから選択される1つ又は複数のヘテロ原子を含む芳香族、環式又は多環式の炭化水素系鎖を意味する。
【0046】
本発明によれば、「置換ヘテロアリール基」という表現は、例えば、アルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ又は複数の原子団で置換されているヘテロアリール基を意味する。
【0047】
本発明によれば、「ヘテロアラルキル基」という表現は、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基を意味する。
【0048】
本発明によれば、「置換ヘテロアラルキル基」という表現は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ又は複数の原子団で置換されているヘテロアラルキル基を意味する。
【0049】
本発明によれば、「アルコキシ基」という表現は、アルキル基で置換されている酸素原子を意味する。
【0050】
本発明によれば、「ハロゲン原子」という表現は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
【0051】
本発明の範囲内である一般式(I)の化合物としては、特に以下の化合物を挙げることができる:
1) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
2) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
3) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
4) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-メトキシベンズアミド
5) 4-シクロプロピルメトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
6) 4-ベンジルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
7) 4-ブトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタン-スルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
8) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-ベンズアミド
9) 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-ベンズアミドヒドロクロリド
10) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシ)ベンズアミド
11) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メチルベンジルオキシ)-ベンズアミド
12) [(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボキサミド
13) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-N-メチル-ベンズアミド
14) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
15) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ナフタレン-1-イル-メトキシ)ベンズアミド
16) 4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシ-カルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-エチル]ベンズアミド
17) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メトキシベンジルオキシ)-ベンズアミド
18) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)-ベンズアミド
19) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルナフタレン-1-イル-メトキシ)ベンズアミド
20) N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
21) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(キノリン-4-イルメトキシ)-ベンズアミド
22) N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシ-カルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
23) N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(2-メチル-キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
24) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド ジヒドロクロリド
25) N-[(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシ-カルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンズアミド
26) N-{(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-2-ヒドロキシカルバモイルエチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
27) N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシ-カルバモイルエチル]-4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
28) N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(1-メチル-ピペリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
29) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-イソブチリル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルピリジン-4-イル-メトキシ)-N-プロピルベンズアミド
30) N-[(S)-2-(3-ベンジルイミダゾリジン-1-イル)-2-ヒドロキシ-カルバモイルエチル]-4-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
31) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(3-メタンスルホニル-イミダゾリジン-1-イル)エチル]-4-(3-メチルベンジルオキシ)-ベンズアミド
32) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
33) N-((S)-2-[1,4]ジアゼパン-1-イル-2-ヒドロキシカルバモイル-エチル)-4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
34) 4-(2-シクロプロピルキノリン-4-イルメトキシ)-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル]エチル}ベンズアミド
35) 4-(2-シクロプロピルピリジン-4-イルメトキシ)-N-[(S)-2-(4-エチル[1,4]ジアゾカン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイル-エチル]-ベンズアミド
36) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-イソブチリル-[1,4]ジアゾカン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
37) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-トリフルオロメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
38) N-[(S)-2-(4-ベンゼンスルホニルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
39) N-[(R)-2-(4-ベンゾイルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシ-カルバモイルエチル]-4-(ピペリジン-4-イルメトキシ)-ベンズアミド
40) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-イソブチリル-ピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
41) N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(2-メチル-1H-インドール-3-イルメトキシ)ベンズアミド及び
42) N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシ-カルバモイルエチル]-4-(2-イソプロピルベンゾフラン-3-イル-メトキシ)ベンズアミド。
【0052】
一般式(I)の化合物は、以下に示す図1の反応スキームに従って調製する。
【0053】
【化3】

【0054】
図1によれば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンなどの有機第3級塩基の存在下で60〜120℃の温度においてアミノ酸(1)H-DAP(Boc)-OMe.HCl又はH-(D)-DAP(Boc)-OMe.HClと化合物(2)(市販又は予め調製)との反応によって、化合物(3)を得る。従来の方法に従って、例えば、塩酸のイソプロパノール中溶液を使用して、化合物(3)のアミン官能基を脱保護することによって、化合物(4)を得る。
【0055】
例えば、2-ブタノンなどの溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下における臭化ベンジルとの反応によってメチル4-ヒドロキシベンゾエートを保護することによって、化合物(5)を得る。化合物(5)の鹸化によって誘導体(6)を生成後、例えば、ジクロロメタン中、ジメチルホルムアミドの存在下における塩化オキサリルとの反応により、誘導体(7)を生成させる。
【0056】
ジクロロメタン中、例えばトリエチルアミンなどの第3級塩基の存在下における、化合物(4)と例えばベンジル基(P=CH2-Ph)でO-保護された4-ヒドロキシベンゾイルクロリド(7)との反応により、化合物(8)を生成させる。次いで、DMFなどの溶媒中、例えば水素化ナトリウムなどの塩基の存在下におけるハロゲン化アルキルとの反応によってアミド官能基をN-アルキル化させて、誘導体(9)を得ることができる。フェノール官能基を脱保護するための当業者に知られている方法に従って脱保護することにより、化合物(10)を得る。アセトン中、例えば炭酸セシウムなどの塩基の存在下におけるハロゲン化アルキルとの反応による、又は例えばトリフェニルホスフィン及びジイソプロピルアゾジカルボキシレートの存在下における第1級アルコール誘導体との光延反応による、化合物(10)のフェノール官能基のアルキル化によって、化合物(11)を得る。水及びテトラヒドロフランの存在下における水酸化リチウムなどの塩基の存在下での鹸化反応によって、化合物(12)を得る。最終ステップにおいて、従来のペプチドカップリング条件下で、ジクロロメタン又はジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、例えば、カップリング剤として1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾール又はTBTUを及び塩基としてトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンを用いて、例えばO-(tert-ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミンと誘導体(12)とのカップリングによって、化合物(13)を得る。化合物(13)は、中間で形成されたシリル化ヒドロキサム酸の脱保護をその場で又は酸性水溶液での洗浄によって行うことによって得る。
【0057】
化合物(13)を得るための別の選択肢を、以下の図2に示す。
【0058】
【化4】

【0059】
図2の合成スキームによれば、例えばジメチルホルムアミド中、水素化ナトリウムなどの塩基及びハロゲン化アルキルの存在下において、誘導体(3)を任意選択でアルキル化させて、化合物(14)を生成できる。アミンを脱保護するための従来の方法に従って、例えば、塩酸のイソプロパノール中溶液を使用して、化合物(14)から化合物(15)を得る。
【0060】
2-ブタノンなどの溶媒中、例えば炭酸カリウムなどの塩基の存在下におけるハロゲン化アルキルによる4-ヒドロキシ安息香酸メチルのアルキル化によって、化合物(16)を得る。化合物(16)の鹸化によって誘導体(17)を生成後、例えばジクロロメタン中、ジメチルホルムアミドの存在下における塩化オキサリルとの反応によって、誘導体(18)を生成させる。
【0061】
例えばジクロロメタン中、トリエチルアミンなどの塩基の存在下における化合物(15)と化合物(18)との反応によって、誘導体(11)を得る。
【0062】
次いで、図1に示したのと同一の反応経路に従って、誘導体(11)から化合物(13)を得る。
【0063】
化合物(13)を得るための代替合成経路を更に、以下の図3に示す。
【0064】
【化5】

【0065】
図3によれば、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機第3級塩基の存在下において約120℃の温度でアミノ酸(1)H-DAP(Boc)-OMe.HCl又はH-(D)-DAP(Boc)-OMe.HClと化合物(19)(アセトニトリル中、炭酸カリウムの存在下において、例えばビス(2-クロロエチル)アミンと臭化ベンジルとの反応によって予め調製)との反応によって、化合物(20)を得る。アミン官能基を脱保護後、化合物(21)と塩化ベンゾイル(18)との縮合によって、誘導体(22)を生成させる。DMFなどの溶媒中、例えば水素化ナトリウムなどの塩基の存在下におけるハロゲン化アルキルとの反応によって、前記アミド官能基をN-アルキル化させて、誘導体(23)を生成させる。例えばエタノールなどの溶媒中、パラジウム担持炭素の存在下における化合物(23)の従来の水素化条件下で、化合物(24)を得る。従来の合成方法に従って、例えば、トリエチルアミンの存在下における化合物(24)と塩化アシル又は塩化スルホニルとの反応によって、又は例えば水素化ナトリウムなどの塩基の存在下における化合物(24)とハロゲン化アルキルとの反応によって、化合物(11)を得る。次いで、図1及び2に示したと同一の反応経路に従って、誘導体(11)から化合物(13)を得る。
【0066】
R1が-(CO)-R4基を表す化合物の代替合成経路を、図4に記載する。
【0067】
【化6】

【0068】
例えばエタノールなどの溶媒中、パラジウム担持炭素の存在下における従来の水素化条件に従って化合物(20)のアミン官能基を脱保護後、化合物(25)を得る。トリエチルアミンなどの塩基の存在下における塩化アシルR4COClとの反応によって、化合物(26)を得る。R2が低級アルキル基を表す場合には、DMFなどの溶媒中、例えば水素化ナトリウムなどの塩基の存在下におけるハロゲン化アルキルとの反応によってカルバメートをN-アルキル化させて、誘導体(27)を生成させる。例えば水及びテトラヒドロフランの存在下で水酸化リチウムなどの塩基の存在下において鹸化反応によって、化合物(28)を調製する。従来のペプチドカップリング条件下における、例えばO-アリルヒドロキシルアミン塩酸塩と誘導体(28)とのカップリングにより、化合物(29)を得ることができる。このために、例えば、カップリング剤として1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾール又はTBTUを及び塩基としてトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンを使用する。反応は、ジクロロメタン又はジメチルホルムアミドなどの溶媒中で行う。従来の方法に従って化合物(29)のアミン官能基を脱保護後、化合物(30)を得る。これを塩化ベンゾイル(18)と縮合させて、化合物(31)を生成させる。最終ステップにおいて、例えば、従来に方法に従って、例えば、メタノール中でのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及び炭酸カリウムでの処理によって、化合物(31)のヒドロキシルアミン官能基を脱保護することによって、化合物(32)を得る。
【0069】
発明によれば、好ましい一般式(I)の化合物は、
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基又はC(O)OR4基(式中、R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子又は低級アルキル基であり;
R3が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、0、1又は2の値をとることができる
化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマーである。
【0070】
本発明によれば、特に好ましい一般式(I)の化合物は、
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子又は低級アルキル基であり;
R3が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1又は2の値をとることができる
化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマーである。
【0071】
本発明によれば、更に好ましい一般式(I)の化合物は、
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる
化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマーである。
【0072】
本発明によれば、更に好ましい一般式(I)の化合物は、
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アルキニル基、置換アルキニル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる
化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマーである。
【0073】
本発明によれば、最も好ましい一般式(I)の化合物は、
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アルキニル基、置換アルキニル基、ヘテロアリール基又は置換ヘテロアリール基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる;
化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマーである。
【0074】
本発明による化合物は、非常に良好なTACE-阻害活性を有し、特に、他のADAM及びMMPと比べて選択的にTACE酵素を阻害する。このTACE酵素阻害活性は、実施例28に記載するようにして、酵素試験において測定し、IC50(TACE酵素の50%阻害を得るのに必要な阻害濃度)の測定によって数値化する。本発明の化合物は、TACEに対して、10μM以下、より詳しくは1μM以下のIC50を有する。有利には、本発明の化合物は、TACEに対して0.5μM以下のIC50を有する。
【0075】
有利には、これらの化合物はまた、他のADAM及びMMP(実施例29に記載される試験)と比較して、TACEに対して非常に選択的であり:これらの阻害活性は、TACEに対しては、他のADAM及びMMPよりも少なくとも10倍大きく(すなわち、TACEに対するIC50値が、他のADAM及びMMPに対するIC50値よりも少なくとも10倍小さい低く)、より有利には、少なくとも100倍大きい。
【0076】
TACE(TNFα-変換酵素)は、特定の細胞の膜に結合した前駆体タンパク質(膜貫通TNFα)からの可溶性TNFαの形成を触媒する。TNFαは、炎症性を有する多くの病態に関与することが知られている炎症誘発性サイトカインである。
【0077】
したがって、本発明は、TNFα放出と関連する病態又は障害の治療への、前記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用を対象としている。一般式(I)のTACE酵素阻害剤は、TNFα産生を低減する。その結果、これは、TNFα放出に関連付けられる病態の治療に有用である。
【0078】
本発明はまた、TACE酵素阻害活性を有する、前記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の、医薬組成物又は化粧品組成物の調製への使用を対象とする。
【0079】
したがって、本発明は、TACE酵素の阻害により改善される病態又は障害の治療への、前記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用を対象とする。
【0080】
本発明はまた、TACE阻害剤として、したがって、可溶性TNFα産生の阻害剤として一般式(I)の化合物を含む医薬組成物又は化粧品組成物の投与又は適用を含む、(ヒト又は動物の)治療方法又は化粧方法に関する。
【0081】
したがって、本発明は、TNFα産生に関連する病態又は障害の治療への、前記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用に関する。
【0082】
本発明はまた、TNFα産生の低減が非常に有益であろう病態の治療を目的とする医薬品の調製への、前記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0083】
具体的には、本発明によって使用される化合物は、以下に列挙するが限定的でない炎症性疾患などの障害/疾患の治療及び予防に特に適当である:例えば、敗血性ショック、血行動態ショック、マラリア、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、炎症性骨疾患、マイコバクテリウム感染症、髄膜炎、線維性疾患、心疾患、アテローム性動脈硬化症、肥満症、虚血性発作、移植片拒絶反応、癌、血管新生事象を伴う疾患、自己免疫疾患、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性慢性関節炎、多発性硬化症、HIV、インスリン非依存性糖尿病、アレルギー性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎及び乾癬性関節炎。
【0084】
これらの分子はまた、TNFα産生の低減が非常に有益であろう、炎症性の神経学的病態の治療のための潜在的な有効成分である。これらの病態の非限定的例を列挙すると、以下の通りである:アルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン病様障害、筋萎縮性側索硬化症、神経系の自己免疫疾患、神経系の自律神経性疾患、背部痛、脳浮腫、脳血管疾患、認知症、神経系の神経線維脱髄性自己免疫疾患、糖尿病性ニューロパシー、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、慢性疲労症候群、巨細胞性動脈炎、ギラン-バレー症候群、頭痛、多発性硬化症、神経痛、末梢神経系疾患、多発ニューロパシー、多発神経根筋障害、神経根障害、呼吸麻痺、脊髄疾患、トゥレット症候群、中枢神経系血管炎、ハンチントン病及び脳発作。
【0085】
本発明はまた、TNFαが関与する炎症性の病態の治療を目的とする医薬品の調製への、前記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0086】
本発明はまた、炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎及び乾癬性関節炎の治療を目的とする医薬品の調製への、上記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0087】
本発明の別の主題は、特に前述の苦痛(affliction)の治療を目的とする医薬組成物であって、この組成物に使用される投与方法に適合する薬学的に許容される担体中に、一般式(I)の少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする医薬組成物である。一般式(I)のこの化合物はまた、そのエナンチオマー型の1つであってもよいし、その薬学的に許容される塩の1つの形態であってもよい。
【0088】
本発明による式(I)の活性化合物の調製、並びにこのような化合物の生物活性の結果のいくつかの例を、以下に例として示すが、これらは限定的なものではない。
【実施例】
【0089】
一般式(I)の化合物を、Avanced 400MHz Bruker装置でのプロトンNMR分析によって特性決定する。
【0090】
(実施例1)
4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
1-1:ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロネート
tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート25g(134mmol)の、アセトニトリル300ml中溶液に、炭酸カリウム19.5g(141mmol)、次いでジメチルブロモマロネート19.5ml(134mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で24時間撹拌し、次いで濾過して不溶性塩を除去し、真空下で濃縮する。得られた粗残渣(crude residue)を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル70/30混合物を用いて行う。ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロネート41g(97%)を、透明な油の形態で得る。
【0091】
1-2:ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イルメチル)マロネート
2℃に冷却された、ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロネート25g(87mmol)のテトラヒドロフラン250ml中溶液に、水素化ナトリウム3.5g(87mmol)を少しずつ加える。反応媒体を周囲温度で30分間撹拌し、次いで2℃にしてから、テトラヒドロフラン200ml中2-(ブロモメチル)イソインドール-1,3-ジオン21g(87mmol)を滴加する。反応媒体を周囲温度で20時間撹拌し、水500ml添加によって処理し、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。
【0092】
得られた粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル70/30混合物を用いて行う。ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)マロネート27.5g(73%)を、白色固体の形態で得る。
【0093】
1-3:ジメチル2-アミノメチル-2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロネート
予め-5℃に冷却された、ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール2-イルメチル)マロネート27.5g(58mmol)のメタノール300ml中溶液に、ヒドラジン水和物2.9ml(64mmol)のメタノール8ml中溶液を加える。反応媒体を、-5℃から周囲温度まで3時間撹拌する。蒸発及び水300mlの添加後、反応媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上に脱水し、濾過し、蒸発させる。得られた残渣を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル8/2混合物を用いて行う。その際、極性は、酢酸エチル/メタノール9/1混合物まで増加した。こうして、ジメチル2-アミノメチル-2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロネート10g(50%)を、透明な油の形態で得る。
【0094】
1-4:メチル4-ブタ-2-イニルオキシベンゾエート
2-ブタノン250mlで希釈されたメチル4-ヒドロキシベンゾエート10g(65.7mmol)を含む溶液に、炭酸カリウム13.6g(98.5mmol)、次いで1-ブロモブタ-2-イン9.6g(65.7mmol)を加える。反応媒体を、還流させながら5時間、次いで周囲温度で18時間撹拌する。塩の濾過後、濾液を真空下で濃縮する。メチル4-ブタ-2-イニルオキシベンゾエート13.4g(100%)を、ライトイエロー色固体の形態で得る。
【0095】
1-5: 4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸
テトラヒドロフラン200ml及び水25mlで希釈されたメチル4-ブタ-2-イニルオキシベンゾエート13.4g(65.7mmol)の溶液に、濃度10Nの水酸化ナトリウム水溶液26ml(262mmol)を加える。反応媒体を、還流させながら5時間、次いで45℃において18時間撹拌する。反応媒体を加水分解し、酢酸エチルで希釈し、次いで、濃度1Nの塩酸水溶液を用いてpH=6にする。生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。
【0096】
4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸12.5g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0097】
1-6:4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルクロリド
ジクロロメタン30mlで希釈された4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸2.7g(14.2mmol)の溶液に、ジシクロヘキシルアミン2.8ml(14.2mmol)を加える。周囲温度で30分間撹拌後、反応媒体を0℃に冷却し、塩化チオニル1.0ml(14.2mmol)をゆっくり加える。次いで、混合物を周囲温度で1時間30分撹拌後、ジエチルエーテル50mlの添加によってジシクロヘキシルアミン塩を沈殿させる。反応媒体の濾過後、濾液を真空下で濃縮する。4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルクロリド2.9g(100%)を、ブラウン色固体の形態で得る。
【0098】
1-7:ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)メチル]マロネート
ジメチル2-アミノメチル-2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロネート(実施例1-3に記載したようにして調製)4g(11.6mmol)のテトラヒドロフラン40ml中溶液に、トリエチルアミン2ml(14.2mmol)、次いでテトラヒドロフラン30mlで希釈された4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルクロリド2.9g(14.2mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で1時間撹拌し、次いで加水分解し、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル5/5混合物を用いて行う。ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)メチル]マロネート4.2g(70%)を、ベージュ色固体の形態で得る。
【0099】
1-8:ジメチル2-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)メチル]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロネート
ジメチル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)メチル]マロネート2.2g(3.6mmol)のジクロロメタン25ml中溶液に、トリエチルアミン0.8ml(5.7mmol)、次いで塩化メタンスルホニル0.4ml(5.7mmol)を加える。次いで、反応媒体を周囲温度で3時間撹拌後、溶媒を真空下で蒸発させ、得られた粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ジクロロメタン/メタノール98/2混合物によって行う。ジメチル2-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)メチル]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロネート2g(80%)を、白色固体の形態で得る。
【0100】
1-9:3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
テトラヒドロフラン4ml及びメタノール1ml中のジメチル2-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)メチル]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロネート100mg(0.2mmml)の溶液に、濃度1Nの水酸化ナトリウム水溶液0.5ml(0.5mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で48時間撹拌し、次いで加水分解し、酢酸エチルで希釈し、濃度1Nの塩酸水溶液でpH=6にする。酢酸エチルでの抽出後、有機相を水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。硫酸マグネシウム上で脱水し且つ濾過した後、溶媒を真空下で濃縮する。得られた粗生成物を、酢酸エチル中で再結晶させることにより精製する。3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸30mg(32%)を、白色固体の形態で得る。
【0101】
1-10:N-[2-tert-ブトキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-ブタ-2-イニルオキシベンズアミド
ジクロロメタン2ml及びジメチルホルムアミド2ml中の3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸100mg(0.2mmol)の溶液に、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール50mg(0.4mmol)、次いで1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩70mg(0.4mmol)を加える。反応媒体を20分間撹拌後、O-tert-ブチルヒドロキシルアミン塩酸塩30mg(0.3mmol)及びトリエチルアミン40μl(0.3mmol)を含む混合物を加える。次に、混合物を周囲温度で20時間撹拌する。ジクロロメタンを加え、有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で、次いで水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。N-[2-tert-ブトキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-ブタ-2-イニルオキシベンズアミド100mg(85%)を、白色固体の形態で得る。
【0102】
1-11:4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
N-[2-tert-ブトキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-ブタ-2-イニルオキシベンズアミド100mg(0.2mmol)を、トリフルオロ酢酸3ml中に入れる。周囲温度で8日間撹拌後、混合物を真空下で濃縮し、次いで粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ジクロロメタン/メタノール9/1混合物を用いて行う。4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド30mg(34%)を、ベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.90 (s, 3H); 2.71〜2.75 (m, 4H); 2.91 (s, 3H); 3.10〜3.14 (m, 4H); 3.55 (m, 2H); 3.60 (m, 1H); 4.86 (s, 2H); 7.07 (d, J=8.9 Hz, 2H); 7.50 (m, 1H); 7.86 (d, J=8.9 Hz, 2H); 8.38 (s, 1H); 8.95 (s, 1H)。
【0103】
(実施例2)
4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
2-1:N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド
ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩5g(28mmol)のジクロロメタン60ml中溶液に、トリエチルアミン8.6ml(62mmol)を加える。塩を濾過後、得られた濾液に塩化メタンスルホニル2.4ml(31mmol)を加え、反応媒体を周囲温度で3時間撹拌する。水を添加後、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド5.8g(94%)を、ベージュ色固体の形態で得る。
【0104】
2-2:メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
メチル(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート塩酸塩5g(20mmol)及びN,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド4.3g(20mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン65ml中溶液を、127℃において激しく撹拌しながら18時間加熱する。水の添加後、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合し、水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル50/50混合物を用いて行う。メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート3.3g(46%)を、白色固体の形態で得る。
【0105】
2-3:メチル(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩
メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート2.7g(7.4mmol)のメタノール30ml中溶液に、濃度5〜6Nの塩酸のイソプロパノール中溶液15mlを滴加する。反応媒体を40℃において2時間撹拌し、真空下で濃縮し、次いでメタノール20ml及びジエチルエーテル150ml中に吸収させる。生成物が沈殿し、これを濾過し、ジエチルエーテルですすぎ、次いで真空下で乾燥させる。メチル(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩2.3g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0106】
2-4:メチル(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール210mg(1.5mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩290mg(1.5mmol)を、4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸(実施例1-5で記載したようにして調製)260g(1.9mmol)のジメチルホルムアミド10ml中溶液に加える。反応媒体を15分間撹拌し、ジメチルホルムアミド3ml中のメチル(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩420mg(1.4mmol)とトリエチルアミン390mg(2.8mmol)との混合物を加える。反応媒体を周囲温度で1時間30分撹拌し、1時間30分にわたって50℃に加熱し、次いで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を用いて加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を、炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ジクロロメタン/メタノール98/2混合物を用いて行う。メチル(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート620mg(100%)を、無色油の形態で得る。
【0107】
2-5:(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
テトラヒドロフラン12ml及び水2ml中のメチル(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート610mg(1.4mmol)の溶液に、濃度1Nの水酸化リチウム水溶液2.1ml(2.1mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、次いで溶媒を真空下で濃縮する。混合物を、濃度1Nの塩酸水溶液2.5mlの添加によってpH=6にする。沈殿した固体を濾過し、水で、次いでジエチルエーテルですすぎ、真空下で乾燥させる。(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸420mg(72%)を、白色固体の形態で得る。
【0108】
2-6:4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸420mg(1mmol)のジメチルホルムアミド8ml中溶液に、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール150mg(1.1mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩210mg(1.1mmol)を加える。反応媒体を20分間撹拌し、次いでジメチルホルムアミド2ml中O-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキシルアミン160mg(1.1mmol)を加える。次に、混合物を周囲温度で24時間撹拌後、5%クエン酸水溶液10mlで加水分解し、更に1時間撹拌する。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加えることによってpHを8にし、生成物を2-ブタノールで抽出する。
【0109】
有機相を水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、濃縮する。得られた粗生成物をエタノール中で再結晶させ、4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド320mg(74%)を、融点127℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.84 (s, 3H); 2.60〜2.70 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 2.95〜3.10 (m, 4H); 3.40〜3.50 (m, 2H); 3.51〜3.58 (m, 1H); 4.81 (s, 2H); 7.03 (d, J=7.2 Hz, 2H); 7.80 (d, J=7.2 Hz, 2H); 8.64 (s, 1H)。
【0110】
(実施例3)
4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
3-1: N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド
ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩10g(56mmol)のジクロロメタン100ml中溶液に、トリエチルアミン17ml(123.2mmol)を加える。塩を濾過後、得られた濾液に塩化メタンスルホニル4.6ml(58.8mmol)を加え、反応媒体を周囲温度で3時間撹拌する。水を添加後、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド11.6g(94%)を、ベージュ色固体の形態で得る。
【0111】
3-2:メチル(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
メチル(R)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート塩酸塩6g (23.6mmol)及びN,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド5.2g(23.6mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン80ml中溶液を、125℃において激しく撹拌しながら18時間加熱する。水の添加後、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合し、水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル5/5混合物を用いて行う。メチル(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート3.8g(44%)を、白色固体の形態で得る。
【0112】
3-3:メチル(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩
メチル(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート3.8g(10.4mmol)のメタノール50ml中溶液に、濃度5〜6Nの塩酸のイソプロパノール中溶液15mlを滴加する。反応媒体を40℃において3時間撹拌し、真空下で濃縮し、次いでジエチルエーテル中に吸収させる。生成物が沈殿し、これを濾過し、ジエチルエーテルですすぎ、次いで真空下で乾燥させる。メチル(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩3g(97%)を、ベージュ色固体の形態で得る。
【0113】
3-4:メチル(R)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例2-4と同様にして、4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸 (実施例1-5に記載したようにして調製) 0.5g(3.3mmol)及びメチル(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩1g (3.3mmol)を出発原料として、メチル(R)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート1.3g(90%)を白色固体の形態で得る。
【0114】
3-5:(R)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(R)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート1.3g(3mmol)を出発原料として、(R)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸950mg(75%)を白色固体の形態で得る。
【0115】
3-6:4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(R)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸950mgを出発原料として、4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド60mg(60%)を、融点211℃の白色固体の形態で得る。
HPLC/MS分析:C18 Geminiカラム、150×3mm、3ミクロン、流速:0.5ml/分、アセトニトリル+0.1%ギ酸/水+0.1%ギ酸
保持時間:9.5分、M+H:439。
【0116】
(実施例4)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-メトキシベンズアミド
4-1:メチル4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾエート
テトラヒドロフラン50ml及びジメチルホルムアミド50ml中のメチル4-ヒドロキシベンゾエート10g(65.7mmol)の溶液に、60%水素化ナトリウム3.2g(78.9mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で20分間撹拌し、次いで2-メトキシエトキシメチルクロリド8.3g(72.3mmol)を加える。周囲温度で24時間撹拌後、混合物を水上に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。メチル4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾエート16g(100%)を、無色油の形態で得る。
【0117】
4-2:4-(2-メトキシエトキシメトキシ)安息香酸
テトラヒドロフラン250ml、水80ml及びメタノール30ml中のメチル4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾエート18g(75mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム粉末15g(375mmol)を加える。反応媒体を40℃で18時間撹拌し、次いで加水分解し、酢酸エチルで希釈し、濃度1Nの塩酸水溶液を用いてpH=6にする。酢酸エチルで抽出後、有機相を水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、次いで濃縮する。4-(2-メトキシエトキシメトキシ)安息香酸16g(95%)を、白色固体の形態で得る。
【0118】
4-3:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
4-(2-メトキシエトキシメトキシ)安息香酸1.1g(5mmol)をジメチルホルムアミド15ml中に溶解させ、次いで1-ヒドロキシベンゾトリアゾール0.7g(5.5mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.1g(5.5mmol)を加える。反応媒体を20分間撹拌後、ジメチルホルムアミド15ml中のメチル(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩(実施例2-3に記載したようにして調製) 1.5g(5mmol)とトリエチルアミン1.4ml(9.9mmol)との混合物を添加する。反応媒体を50℃で1時間30分、次いで周囲温度で18時間撹拌する。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を用いて加水分解し、次いで酢酸エチルで抽出した後、有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ジクロロメタン/メタノール9/1混合物を用いて行う。メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート1.6g(68%)を、無色油の形態で得る。
【0119】
4-4:メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
テトラヒドロフラン15ml及びメタノール15ml中のメチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート1.6g(3.4mmol)の溶液に、98%硫酸0.5mlを加える。周囲温度で18時間撹拌後、反応媒体を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で加水分解し、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート1.1g(85%)を、白色固体の形態で得る。
【0120】
4-5:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-メトキシベンゾイルアミノ)プロパノエート
メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート250mg(0.7mmol)のメチルエチルケトン10ml中溶液に、炭酸カリウム100mg(0.8mmol)及びヨウ化メチル0.1ml(2mmol)を加える。反応媒体を、80℃において4時間加熱する。それを冷却後、濾過し、濃縮する。メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-メトキシベンゾイルアミノ)プロパノエート260mg(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0121】
4-6:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-メトキシベンゾイルアミノ)プロパン酸
テトラヒドロフラン8ml及び水1ml中のメチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-メトキシベンゾイルアミノ)プロパノエート260mg(0.7mmol)の溶液に、濃度1Nの水酸化リチウム水溶液1ml(1mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で20時間撹拌する。溶媒を真空下で濃縮し、濃度1Nの酢酸水溶液を用いて反応媒体をpH=6にする。生成物が沈殿する。残渣を水10ml中に吸収させ、1時間撹拌する。固体を濾過し、水で及びジエチルエーテルですすぎ、次いで乾燥させる。(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-メトキシベンゾイルアミノ)プロパン酸190mg(76%)を、白色固体の形態で得る。
【0122】
4-7:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-メトキシベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-メトキシベンゾイルアミノ)プロパン酸200mg(0.5mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-メトキシベンズアミド60mg(31%)を、融点158℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.70〜2.77 (m, 4H); 2.85 (s, 3H); 3.02〜3.15 (m, 4H); 3.30 (s, 1H); 3.45 (m, 1H); 3.60 (m, 1H); 3.82 (s, 3H); 7.02 (d, J=8.4 Hz, 2H); 7.85 (d, J=8.4 Hz, 2H); 8.35 (s, 1H); 8.94 (s, 1H); 10.67 (s, 1H)。
【0123】
(実施例5)
4-シクロプロピルメトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
5-1:メチル(S)-3-(4-シクロプロピルメトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)250mg(0.7mmol)及び(ブロモエチル)シクロプロパン0.5ml(5.2mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-(4-シクロプロピルメトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート290mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0124】
5-2:(S)-3-(4-シクロプロピルメトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-シクロプロピルメトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート290mg(0.7mmol)を出発原料として、(S)-3-(4-シクロプロピルメトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸240mg(86%)を白色固体の形態で得る。
【0125】
5-3:4-シクロプロピルメトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-(4-シクロプロピルメトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸240mg(0.6mmol)を出発原料として、4-シクロプロピルメトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド10mg(4%)をベージュ色固体の形態で得る。
HPLC/MS分析:C18 Geminiカラム、150×3mm、3ミクロン、流速:0.5ml/分、アセトニトリル+0.1%ギ酸/水+0.1%ギ酸
保持時間:21分、M+H:441。
【0126】
(実施例6)
4-ベンジルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
6-1:メチル(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)300mg(0.8mmol)及び臭化ベンジル0.1ml(0.9mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート370mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0127】
6-2:(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート370mg (0.8mmol)を出発原料として、(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸340mg(94%)を白色固体の形態で得る。
【0128】
6-3:4-ベンジルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸340mg(0.7mmol)を出発原料として、4-ベンジルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド160mg(46%)を、融点150℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.65〜2.80 (m, 4H); 2.88 (s, 3H); 3.04〜3.15 (m, 4H); 3.35 (m, 1H); 3.40〜3.50 (m, 1H); 3.57〜3.63 (m, 1H); 5.21 (s, 2H); 7.11 (d, J=8.6 Hz, 2H); 7.31〜7.45 (m, 3H); 7.45〜7.51 (m, 2H); 7.85 (d, J=8.6 Hz, 2H); 8.36 (s, 1H); 8.94 (s, 1H); 10.67 (s, 1H)。
【0129】
(実施例7)
4-ブトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
7-1:メチル(S)-3-(4-ブトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)250mg(0.7mmol)及びヨウ化ブチル0.5ml(5mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-(4-ブトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート300mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0130】
7-2:(S)-3-(4-ブトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ブトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート300mg(0.7mmol)を出発原料として、(S)-3-(4-ブトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸200mg(71%)を白色固体の形態で得る。
【0131】
7-3: 4-ブトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-(4-ブトキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸200mg(0.5mmol)を出発原料として、4-ベンジルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド100mg(55%)を、融点130℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 0.95 (t, J=7.4 Hz, 3H); 1.40〜1.49 (m, 2H); 1.68〜1.75 (m, 2H); 2.60〜2.75 (m, 4H); 2.86 (s, 3H); 3.03〜3.11 (m, 4H); 3.32 (m, 1H); 3.40〜3.45 (m, 1H); 3.52〜3.60 (m, 1H); 4.04 (t, J=7.6 Hz, 2H); 7.00 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.85 (d, J=8.9 Hz, 2H); 8.31 (t, J=5 Hz, 1H); 8.91 (s, 1H); 10.63 (s, 1H)。
【0132】
(実施例8)
4-ブタ-2-イニルオキシ-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}ベンズアミド
8-1:エチル2-[(トルエン-4-スルホニル)(2-トリフルオロメタンスルホニルオキシエチル)アミノ]トリフルオロメタンスルホネート
N,N-ビス(2-クロロエチル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド5g(19.3mmol)及びピリジン3.4ml(42.5mmol)の、ジクロロメタン75ml中溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物7.1ml(42.5mmol)を滴加する。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌する。水を添加後、ジクロロメタンで抽出する。粗残渣9gが得られ、これをシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル8/2混合物を用いて行う。エチル2-[(トルエン-4-スルホニル)(2-トリフルオロメタンスルホニルオキシエチル)アミノ]トリフルオロメタンスルホネート5g(50%)を、白色固体の形態で得る。
【0133】
8-2:メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート
アセトニトリル25ml中のエチル2-[(トルエン-4-スルホニル)(2-トリフルオロメタンスルホニルオキシエチル)アミノ]トリフルオロメタンスルホネート2g(3.9mmol)、メチル2-アミノ-3-tert-ブトキシプロパノエート塩酸塩1g(3.9mmol)及び炭酸カリウム1.8g(12.9mmol)の溶液を60℃において18時間加熱する。水を添加後、媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、蒸発させる。粗残渣3gが得られ、これをシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル8/2混合物を用いて行う。その際、極性は7/3まで増加した。メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート1g(60%)を、白色固体の形態で得る。
【0134】
8-3:メチル(S)-3-アミノ-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート
ジクロロメタン10ml及びトリフルオロ酢酸2.6ml(3.4mmol)中にメチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート1g(2.3mmol)を含む溶液を周囲温度で18時間撹拌する。pH8まで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加後、反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、蒸発させる。メチル(S)-3-アミノ-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート780mg(100%)を、油の形態で得る。
【0135】
8-4:メチル(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート
DMF5ml中に4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸(実施例1-5に記載したようにして調製) 390mg(2.1mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール304mg(2.3mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩431mg(2.3mmol)を含む溶液に、メチル(S)-3-アミノ-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート700mg(2.1mmol)のジメチルホルムアミド3ml中溶液を加える。反応媒体を、周囲温度で17時間撹拌する。酢酸エチル及び水を添加後、反応媒体を炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、蒸発させる。得られた粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル8/2混合物を用いて行う。その際、極性は4/6まで増加した。メチル(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート1g(95%)を、白色固体の形態で得る。
【0136】
8-5:(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸
メチル(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート400mg(0.8mmol)のテトラヒドロフラン5ml中溶液に、1M水酸化リチウム水溶液1.6ml(1.6mmol)を加え、媒体を周囲温度で20時間撹拌する。pH4まで水及び酢酸を添加後、反応媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で脱水し、次いで濾過し、真空下で濃縮する。(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸400mg(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0137】
8-6:4-ブタ-2-イニルオキシ-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸400mg(0.8mmol)を出発原料とし、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離はジクロロメタン/メタノール98/2混合物を用いて行う。4-ブタ-2-イニルオキシ-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}ベンズアミド150mg(37%)を白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.90 (s, 3H); 2.47 (s, 3H); 2.65 (m, 2H); 2.75 (m, 2H); 2.85 (m, 4H); 3.25〜3.40 (m, 2H); 3.55 (m, 1H); 4.85 (s, 2H); 7.02 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.52 (m, 2H); 7.66 (m, 2H); 7.77 (d, J=8 Hz, 2H); 8.29 (t, J=5.6 Hz, 1H); 8.90 (s, 1H); 10.63 (s, 1H)。
【0138】
(実施例9)
4-(4-フルオロベンジルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
9-1:メチル(S)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)170mg(0.8mmol)及び1-ブロモメチル-4-フルオロベンゼン0.1ml(0.7mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイル-アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート220mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0139】
9-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート220mg(0.4mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸180mg(86%)を白色固体の形態で得る。
【0140】
9-3:4-(4-フルオロベンジルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸180mg(0.4mmol)を出発原料として、4-(4-フルオロベンジルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド130mg(65%)を、融点194℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 3.00 (s, 3H); 3.10〜3.50 (m, 8H); 3.60〜3.70 (m, 1H); 3.72〜3.90 (m, 2H); 5.16 (s, 2H); 7.08 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.23 (t, J=8.9 Hz, 2H); 7.50 (m, 2H); 7.87 (d, J=8.7 Hz, 2H); 8.64 (s, 1H); 11.25 (s, 1H)。
【0141】
(実施例10)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンズアミド
10-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)170mg(0.8mmol)及び1-ブロモメチル-4-トリフルオロメチルベンゼン160mg(0.7mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート240mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0142】
10-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート240mg(0.4mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸200mg(82%)を白色固体の形態で得る。
【0143】
10-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸200mg(0.4mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)-ベンズアミド195mg(95%)を、融点192℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.60〜2.73 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 3.01〜3.10 (m, 4H); 3.35〜3.45 (m, 2H); 3.52〜3.60 (m, 1H); 5.29 (s, 2H); 7.08 (d, J=8 Hz, 2H); 7.67 (d, J=8.1 Hz, 2H); 7.77 (d, J=8 Hz, 2H); 7.82 (d, J=8.8 Hz, 2H); 8.34 (t, J=5.3 Hz, 1H); 8.89 (s, 1H); 10.64 (s, 1H)。
【0144】
(実施例11)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンズアミド
11-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)140mg(0.4mmol)及び1-ブロモメチル-4-メチルベンゼン100mg(0.5mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート180mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0145】
11-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート180mg(0.4mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸140mg(82%)を白色固体の形態で得る。
【0146】
11-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸140mg(0.3mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンズアミド100mg(67%)を、融点180℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.70 (s, 3H); 2.58〜2.72 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 3.00〜3.10 (m, 4H); 3.30 (m, 1H); 3.35〜3.45 (m, 1H); 3.50〜3.60 (m, 1H); 5.10 (s, 2H); 7.05 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.20 (d, J=7.8 Hz, 2H); 7.33 (d, J=7.9 Hz, 2H); 7.79 (d, J=8.8 Hz, 2H); 8.30 (s, 1H); 8.89 (s, 1H); 10.61 (s, 1H)。
【0147】
(実施例12)
[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボキサミド
12-1:メチル(S)-3-[(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボニル)アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例2-4と同様にして、メチル(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩(実施例2-3に記載したようにして調製)500mg(1.5mmol)及び2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボン酸290mg(1.8mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-[(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボニル)アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート410mg(67%)を無色油の形態で得る。
【0148】
12-2:(S)-3-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-カルボニル)アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-[(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボニル)アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート410mg(1mmol)を出発原料として、(S)-3-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-カルボニル)アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸300mg(77%)を白色固体の形態で得る。
【0149】
12-3:[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボキサミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-カルボニル)アミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸300mg(0.8mmol)を出発原料として、[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボキサミド80mg(26%)を、融点185℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.55〜2.75 (m, 4H); 2.83 (s, 3H); 3.00〜3.10 (m, 4H); 3.19 (t, J=8.5 Hz, 2H); 3.33 (m, 1H); 3.43 (m, 1H); 3.55 (m, 1H); 4.57 (t, J=8.5 Hz, 2H); 6.78 (d, J=8.3 Hz, 1H); 7.50 (m, 1H); 7.65 (m, 1H); 8.27 (s, 1H); 10.67 (m, 1H)。
【0150】
(実施例13)
4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-N-メチルベンズアミド
13-1:メチル(S)-3-(tert-ブトキシカルボニルメチルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例2-2に記載したようにして調製)610mg(1.7mmol)のテトラヒドロフラン10ml中溶液(0℃)に、60%水素化ナトリウム100mg(2.5mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で30分間撹拌し、次いでヨウ化メチル0.2ml(3.3mmol)を加える。周囲温度で18時間撹拌後、混合物を加水分解し、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上に脱水し、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル50/50混合物を用いて行う。メチル(S)-3-(tert-ブトキシカルボニルメチルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート410mg(65%)を、無色油の形態で得る。
【0151】
13-2:メチル((S)-3-アミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩
実施例2-3と同様にして、メチル(S)-3-(tert-ブトキシカルボニルメチルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート410mg(1.1mmol)を出発原料として、メチル((S)-3-アミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩320mg(94%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0152】
13-3:メチル(S)-3-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイル)メチルアミノ]-2-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イル)プロパノエート
実施例2-4と同様にして、メチル((S)-3-アミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート塩酸塩320mg(1mmol)及び4-ブタ-2-イニルオキシ安息香酸(実施例1-5に記載したようにして調製)210mg(1.1mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイル)メチルアミノ]-2-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イル)プロパノエート340mg(74%)を白色固体の形態で得る。
【0153】
13-4:(S)-3-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイル)メチルアミノ]-2-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イル)プロパノエート340mg(0.8mmol)を出発原料として、(S)-3-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸260mg(81%)を白色固体の形態で得る。
【0154】
13-5:4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-N-メチルベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-[(4-ブタ-2-イニルオキシベンゾイル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸260mg(0.6mmol)を出発原料として、4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-N-メチルベンズアミド70mg(26%)を、融点145℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.83 (s, 3H); 2.34 (m, 1H); 2.52〜2.75 (m, 3H); 2.85 (s, 3H); 2.90 (s, 3H); 2.90〜3.10 (m, 4H); 3.35〜3.45 (m, 3H); 4.79 (s, 2H); 7.00 (d, J=8.6 Hz, 2H); 7.35 (d, J=6.2 Hz, 2H); 8.98 (s, 1H); 10.70 (s, 1H)。
【0155】
(実施例14)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
14-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)400mg(1mmol)及び4-クロロメチル-2-メチルキノリン240mg(1.2mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート460mg(82%)を、白色固体の形態で得る。
【0156】
14-2:((S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート460mg(0.85mmol)を出発原料として、((S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸370mg(82%)を白色固体の形態で得る。
【0157】
14-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、((S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸370mg(0.7mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド280mg(74%)を、融点175℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.63 (s, 3H); 2.65〜2.75 (m, 4H); 2.83 (s, 3H); 2.98〜3.10 (m, 4H); 3.34 (m, 1H); 3.40〜3.50 (m, 1H); 3.52〜3.62 (m, 1H); 5.67 (s, 2H); 7.20 (d, J=7.8 Hz, 2H); 7.55〜7.60 (m, 2H); 7.74 (t, J=7.2 Hz, 1H); 7.87 (d, J=8.3 Hz, 2H); 7.97 (d, J=8.3 Hz, 1H); 8.10 (d, J=8.1 Hz, 1H); 8.41 (s, 1H); 8.94 (s, 1H); 10.71 (s, 1H)。
【0158】
(実施例15)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド
15-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)300mg(0.8mmol)及び1-ブロモメチルナフタレン200mg(1.2mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート320mg(78%)を白色固体の形態で得る。
【0159】
15-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート320mg(0.6mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸270mg(87%)を白色固体の形態で得る。
【0160】
15-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸270mg(0.5mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド100mg(36%)を、融点170℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.60〜2.75 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 3.00〜3.15 (m, 4H); 3.34 (m, 1H); 3.41 (m, 1H); 3.57 (m, 1H); 5.62 (s, 2H); 7.16 (d, J=8.6 Hz, 2H); 7.45〜7.60 (m, 3H); 7.69 (d, J=6.9 Hz, 1H); 7.84 (d, J=8.5 Hz, 2H); 7.90〜8.00 (m, 2H); 8.08 (d, J=7.6 Hz, 1H); 8.34 (s, 1H); 8.90 (s, 1H); 10.63 (s, 1H)。
【0161】
(実施例16)
4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
16-1:メチル(S)-3-{4-[4-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)ブタ-2-イニルオキシ]ベンゾイルアミノ}-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)400mg(1mmol)及びtert-ブチル(4-クロロ-ブタ-2-イニルオキシ)ジメチルシラン270mg(1.2mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-{4-[4-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)ブタ-2-イニルオキシ]ベンゾイルアミノ}-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート510mg(88%)を無色油の形態で得る。
【0162】
16-2:(S)-3-[4-(4-ヒドロキシ-ブタ-2-イニルオキシ)ベンゾイルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-{4-[4-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)ブタ-2-イニルオキシ]ベンゾイルアミノ}-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート510mg(0.9mmol)を出発原料として、(S)-3-[4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)ベンゾイルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸205mg(52%)を白色固体の形態で得る。
【0163】
16-3:4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-[4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)ベンゾイルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸205mg(0.5mmol)を出発原料として、4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド40mg(19%)を、融点162℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.55〜2.70 (m, 4H); 2.80 (s, 3H); 2.90〜3.00 (m, 4H); 3.38 (m, 3H); 4.10 (s, 2H); 4.88 (s, 2H); 5.25 (s, 1H); 7.00〜7.05 (m, 2H); 7.80〜7.82 (d, J=8.8 Hz, 2H)。
【0164】
(実施例17)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンズアミド
17-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-5と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)300mg(0.8mmol)及び1-ブロモメチル-4-メトキシベンゼン0.14ml(0.9mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート390mg(100%)を無色油の形態で得る。
【0165】
17-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート390mg(0.8mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸343mg(90%)を白色固体の形態で得る。
【0166】
17-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メトキシ-ベンジルオキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸343mg(0.7mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンズアミド70mg(20%)を融点148℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.94 (s, 3H); 2.98〜3.10 (m, 2H); 3.15〜3.40 (m, 8H); 3.50〜3.60 (m, 1H); 3.76 (s, 3H); 5.08 (s, 2H); 6.94 (, 2H); 7.06 (m, 2H); 7.37 (m, 2H); 7.84 (m, 2H); 8.54 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 11.09 (m, 1H)。
【0167】
(実施例18)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
18-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
ジメチルホルムアミド20mlで希釈されたメチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)560mg(1.4mmol)の溶液に、炭酸セシウム1g(3.2mmol)及び4-クロロメチルピリジン塩酸塩280mg(1.7mmol)を加える。反応媒体を80℃で24時間撹拌する。反応媒体を冷却し、加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で1回、塩化ナトリウム飽和水溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上に脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル30/70混合物+10%メタノールを用いて行う。メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート430mg(62%)を、白色固体の形態で得る。
【0168】
18-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート430mg(0.9mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸360mg(86%)を白色固体の形態で得る。
【0169】
18-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸360mg(0.8mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド230mg(62%)を、融点213℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.55〜2.70 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 3.02〜3.09 (m, 4H); 3.35〜3.50 (m, 2H); 3.50〜3.60 (m, 1H); 5.26 (s, 2H); 7.07 (d, J=8.9 Hz, 2H); 7.44 (d, J=5.9 Hz, 2H); 7.83 (d, J=8.8 Hz, 2H); 8.36 (m, 1H); 8.58 (d, J=8 Hz, 2H); 8.89 (s, 1H); 10.67 (s, 1H)。
【0170】
(実施例19)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド
19-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチル-ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例18-1と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)400mg(1mmol)及び1-クロロメチル-2-メチルナフタレン198mg(1.1mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート259mg(90%)を白色固体の形態で得る。
【0171】
19-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート259mg(0.5mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸227mg(90%)を、白色固体の形態で得る。
【0172】
19-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸222mg(46%)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド104mg(46%)を、融点155℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.45 (s, 3H); 2.59 (m, 4H); 2.76 (s, 3H); 2.97 (m, 4H); 3.26 (m, 1H); 3.32 (m, 1H); 3.49 (m, 1H); 5.47 (s, 2H); 7.08 (d, J=8.7 Hz, 2H); 7.39 (m, 3H); 7.81 (m, 4H); 7.94 (d, J=8.36 Hz, 1H); 8.25 (m, 1H); 8.81 (m, 1H); 10.54 (s, 1H)。
【0173】
(実施例20)
N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
20-1:メチル(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例2-2と同様にして、メチル(R)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート塩酸塩6g(23.6mmol)及びN,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド(実施例2-1に記載したようにして調製)5.2g(23.6mmol)を出発原料として、メチル(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート3.8g(44%)をライトイエロー色固体の形態で得る。
【0174】
20-2:メチル(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート二塩酸塩
実施例2-3と同様にして、メチル(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート3.8g(10.4mmol)を出発原料として、メチル(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート二塩酸塩3g(97%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0175】
20-3:メチル(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-3と同様にして、メチル(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート二塩酸塩560mg(1.7mmol)及び4-(2-メトキシエトキシメトキシ)安息香酸(実施例4-2に記載したようにして調製)500mg(1.5mmol)を出発原料として、メチル(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート600mg(85%)を白色固体の形態で得る。
【0176】
20-4:メチル(R)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例4-4と同様にして、メチル(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート600mg(1.3mmol)を出発原料として、メチル(R)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート400mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0177】
20-5:メチル(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例18-1と同様にして、メチル(R)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート400mg(1mmol)及び4-クロロメチル-2-メチルキノリン211mg(1.1mmol)を出発原料として、メチル(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート330mg(60%)を白色固体の形態で得る。
【0178】
20-6:(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート290mg(0.5mmol)を出発原料として、(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸240mg(86%)を白色固体の形態で得る。
【0179】
20-7:N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸250mg(0.5mmol)を出発原料として、N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド89mg(33%)を白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.35 (m, 2H); 2.60 (m, 2H); 2.88 (m, 6H); 3.17 (m, 4H); 3.55 (m, 2H); 3.70 (m, 1H); 5.88 (s, 2H); 7.30 (d, J=8.6 Hz, 2H); 7.84〜7.98 (m, 4H); 8.02 (m, 1H); 8.17 (d, J=8.3 Hz, 1H); 8.37 (d, J=8.04 Hz, 1H); 8.48 (s, 1H); 9.11 (m, 1H); 10.85 (m, 1H)。
【0180】
(実施例21)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
21-1:メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例18-1と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパノエート(実施例4-4に記載したようにして調製)400mg(1mmol)及び4-(クロロメチル)キノリン203mg(1.1mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート363mg(66%)をペールイエロー色固体の形態で得る。
【0181】
21-2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート362mg(0.7mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸326mg(92%)を得る。
【0182】
21-3:N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸211mg(0.6mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド36mg(11%)を、ベージュ色粉末の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.66 (m, 4H); 2.85 (s, 3H); 3.06 (m, 5H); 3.42 (m,1H); 3.55 (m,1H); 5.75 (s, 2H); 7.21 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.67 (m, 2H); 7.83 (m, 3H); 8.09 (d, J=8.3 Hz, 1H); 8.19 (t, J=8 Hz, 1H); 8.34 (d, J=4.9 Hz, 1H); 8.92 (d, J=4.3 Hz, 2H); 10.63 (s, 1H)。
【0183】
(実施例22)
N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
22-1:ベンジル-ビス(2-ヨードエチル)アミン
ベンジル-ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩10g(37.2mmol)のアセトン300ml中溶液に、トリエチルアミン5.7ml(37.2mmol)を加える。反応媒体を40℃において30分間撹拌し、次いで周囲温度にし、濾過する。濾液にヨウ化ナトリウム16.8g(111.6mmol)を加え、次いで反応媒体を還流させながら29時間加熱する。ヨウ化ナトリウム11.2g(74.4mmol)を加え、混合物を50℃において18時間加熱する。アセトンを蒸発させ、残渣を加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上に脱水し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル50/50混合物を用いて行う。ベンジル-ビス(2-ヨードエチル)アミン9.6g(63%)を、黄色油の形態で得る。
【0184】
22-2:メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート
実施例2-2と同様にして、メチル(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート塩酸塩5.9g(23mmol)及びベンジル-ビス(2-ヨードエチル)アミン9.6g(23mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート5.6g(64%)を黄色油の形態で得る。
【0185】
22-3:メチル(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩
実施例2-3と同様にして、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート5.6g(14.8mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩5g(88%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0186】
22-4:メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例4-3と同様にして、4-(2-メトキシエトキシメトキシ)安息香酸(実施例4-2に記載したようにして調製)3.2g(14.2mmol)及びメチル(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩5g(12.9mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート6.4g(100%)を無色油の形態で得る。
【0187】
22-5:メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)プロパノエート
実施例4-4と同様にして、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート1.1g(2.3mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)プロパノエート0.71g(79%)を白色固体の形態で得る。
【0188】
22-6:メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例18-1と同様にして、4-クロロメチル-2-メチルキノリン塩酸塩0.5g(2.2mmol)及び2-ブタノン20ml中メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)プロパノエート0.7g(1.8mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート0.7g(75%)をオレンジ色固体の形態で得る。
【0189】
22-7:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート0.7g(1.3mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸0.7g(92%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0190】
22-8:N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸0.7g(1.2mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド120mg(19%)を、融点169℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.37 (m, 4H); 2.62 (m, 4H); 2.71 (s, 3H); 3.28 (t, J=7 Hz, 1H); 3.45 (m, 3H); 3.57 (m, 1H); 5.72 (s, 2H); 7.19〜7.40 (m, 7H); 7.62 (m, 2H); 7.80 (t, J=7.2 Hz, 1H); 7.88 (d, J=8 Hz, 2H); 8.02 (d, J=8 Hz, 1H)、8.15 (d, J=8 Hz, 1H); 8.30 (m, 1H); 8.88 (s, 1H); 10.59 (s, 1H)。
【0191】
(実施例23)
N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
23-1:メチル(S)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-ピペラジン-1-イルプロパノエート
窒素流下で予め脱気されたメチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート(実施例22-4に記載したようにして調製)5.2g(10.7mmol)のエタノール80ml中溶液に、10wt%パラジウム担持炭素520mgを加え、混合物を大気圧において水素下に置く。周囲温度で18時間撹拌後、反応媒体をセライト上で濾過する。濾液を濃縮して、メチル(S)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-ピペラジン-1-イルプロパノエート3.8g(90%)を無色油の形態で得る。
【0192】
23-2:メチル(S)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート
実施例2-1と同様にして、2-プロパンスルホニルクロリド0.2ml(1.9mmol)及びメチル(S)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-ピペラジン-1-イルプロパノエート0.7g(1.8mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート0.6g(68%)を無色油の形態で得る。
【0193】
23-3:メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-プロパノエート
実施例4-4と同様にして、メチル(S)-3-[4-(2-メトキシエトキシメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート600mg(1.2mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート500mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0194】
23-4:メチル(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート
実施例18-1と同様にして、メチル(S)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート500mg(1.2mmol)及び4-クロロメチル-2-メチルキノリン塩酸塩300mg(1.5mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート560mg(81%)をベージュ色固体の形態の形態で得る。
【0195】
23-5:(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート560mg(1mmol)を出発原料として、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸490mg(91%)を白色固体の形態で得る。
【0196】
23-6:N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸490mg(0.9mmol)を出発原料として、N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-エチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド250mg(50%)を、融点188℃の白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.19 (d, J=6.8 Hz, 6H); 2.60 (m, 4H); 2.67 (s, 3H); 3.19 (m, 4H); 3.32 (m, 2H); 3.40 (m, 1H); 3.56 (m, 1H); 5.68 (s, 2H); 7.22 (d, J=8.7 Hz, 2H); 7.60 (m, 2H); 7.76 (t, J=7.2 Hz, 1H); 7.85 (d, J=8.7 Hz, 2H); 7.98 (d, J=8.3 Hz, 1H); 8.11 (d, J=8 Hz, 1H); 8.34 (m, 1H); 8.89 (m, 1H); 10.62 (m, 1H)。
【0197】
(実施例24)
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド二塩酸塩
N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド(実施例14-3に記載したようにして調製)300mg(0.6mmol)のイソプロパノール6ml中溶液に、5/6Nの塩酸のイソプロパノール中溶液300μlを加える。周囲温度で2時間撹拌後、反応媒体を濾過する。固体をイソプロパノールですすぎ、次いで水/イソプロパノール混合物中で再結晶させ、濾過し、真空下で乾燥させる。N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド二塩酸塩261mg(34%)を、白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, CD3OD): 2.87 (s, 3H); 2.95〜3.00 (m, 4H); 3.05 (s, 3H); 3.30 (m, 4H); 3.55 (m, 1H); 3.72 (m, 1H); 3.85 (m, 1H); 5.98 (s, 2H); 7.30 (d, J=8 Hz, 2H); 7.90 (m, 2H); 8.00 (m, 1H); 8.20 (m, 3H); 8.48 (d, J=8.5 Hz, 1H)。
【0198】
(実施例25)
N-[(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
25-1:ビス(2-クロロエチル)エチルアミン
0℃に冷却された2-[エチル-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール20g(150mmol)のジクロロメタン200ml中溶液に、塩化チオニル24ml(330mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で20時間撹拌する。水50mlを添加し、次いで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液をpH7まで徐々に添加した後、反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。ビス(2-クロロエチル)エチルアミン19.5g(76%)を、ブラウン色油の形態で得る。
【0199】
25-2:メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート
実施例2-2と同様にして、メチル(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート塩酸塩5g(19.6mmol)及びビス(2-クロロエチル)エチルアミン3.3g(19.6mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート2.5g(40%)をライトブラウン色固体の形態で得る。
【0200】
25-3:メチル(S)-3-アミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩
実施例2-3と同様にして、メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート2.5g(7.9mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-アミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩1.4g(54%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0201】
25-4:ベンジル4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾエート
炭酸カリウム3.6g(26.3mmol)、4-クロロメチル-2-メチルキノリン塩酸塩5g(21.9mmol)及びベンジル4-ヒドロキシベンゾエート5.2g(23mmol)を、ジメチルホルムアミド30ml中に溶解させる。反応媒体を60℃において18時間加熱し、次いで水を加える。酢酸エチルで抽出後、有機相を、水で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上に脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル70/30混合物を用いて行う。ベンジル4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾエート3.6g(43%)を、ライトイエロー色固体の形態で得る。
【0202】
25-5:4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)安息香酸
テトラヒドロフラン20ml及びメタノール30mlで希釈されたベンジル4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾエート3.6g(9.3mmol)の溶液に、8N水酸化ナトリウム水溶液2.3ml(18.6mmol)及び水5mlを加える。反応媒体を周囲温度で48時間撹拌し、次いで8N酸化ナトリウム水溶液1mlを加え、混合物を70℃において5時間加熱する。テトラヒドロフランを蒸発後、水及び1N酢酸水溶液を加える。懸濁液を周囲温度において終夜撹拌し、次いで濾過する。得られた固体を、真空下で40℃において6時間乾燥する。4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)安息香酸2.2g(81%)を、白色固体の形態で得る。
【0203】
25-6:メチル(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)安息香酸0.6g(2.1mmol)をジメチルホルムアミド10ml中に溶解させ、次いでO-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート0.7g(2.3mmol)及びジイソプロピルエチルアミン1.1ml(6.3mmol)を加える。周囲温度で15分間撹拌後、メチル3-アミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩700mg(2.1mmol)及びジイソプロピルエチルアミン1.1ml(6.3mmol)の、ジメチルホルムアミド10ml中溶液を加える。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で加水分解する。酢酸エチルで抽出後、有機相を、炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離はジクロロメタン/メタノール93/7混合物を用いて行う。メチル(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート840mg(81%)を無色油の形態で得る。
【0204】
25-7:(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート800mg(1.7mmol)を出発原料として、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸780mg(96%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0205】
25-8:N-[(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸800mg(1.6mmol)を出発原料として、N-[(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド30mg(4%)を、融点184℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 0.97 (t, J=7 Hz, 3H); 2.32 (m, 4H); 2.58 (m, 4H); 2.66 (s, 3H); 3.24 (t, J=6.9 Hz, 1H); 3.34 (m, 2H); 3.40 (m, 1H); 3.56 (m, 1H); 5.68 (s, 2H); 7.21 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.59 (m, 2H); 7.75 (t, J=7.2 Hz, 1H); 7.84 (d, J=8.7 Hz, 2H); 7.97 (d, J=8 Hz, 1H); 8.11 (d, J=8 Hz, 1H); 8.28 (s, 1H); 8.85 (s, 1H)、10.58 (s, 1H)。
【0206】
(実施例26)
N-{(S)-2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)ピペラジン-1-イル]-2-ヒドロキシカルバモイルエチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
26-1:ビス(2-クロロエチル)(4-フルオロベンジル)アミン
2-[エチル-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール5g(28mmol)のアセトニトリル80ml中溶液に、炭酸カリウム8.5g(61.6mmol)及び1-ブロモメチル-4-フルオロベンゼン3.8ml(30.8mmol)を加える。混合物を60℃において5時間加熱後、濾過し、真空下で濃縮する。ビス(2-クロロエチル)(4-フルオロベンジル)アミン6.9g(100%)を、無色油の形態で得る。
【0207】
26-2:メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート
実施例2-2と同様にして、市販メチル(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパノエート塩酸塩7.1g(28mmol)及びビス(2-クロロエチル)(4-フルオロベンジル)アミン6.9g(28mmol)を出発原料として、メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート5.3g(48%)をライトブラウン色油の形態で得る。
【0208】
26-3:メチル(S)-3-アミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート三塩酸塩
実施例2-3と同様にして、メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパノエート5.3g(13.4mmol)を出発原料として、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート三塩酸塩5.4g(100%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0209】
26-4:メチル(S)-2-(4-フルオロベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
実施例25-6と同様にして、4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)安息香酸(実施例25-5に記載したようにして調製)1.1g(3.7mmol)及びメチル(S)-3-アミノ-2-(4-フルオロベンジルピペラジン-1-イル)プロパノエート三塩酸塩1.5g(3.7mmol)を出発原料として、メチル(S)-2-(4-フルオロベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート1.7g(80%)を黄色油の形態で得る。
【0210】
26-5:(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-フルオロベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート1.7g(3mmol)を出発原料として、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸1.4g(87%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0211】
26-6:N-{(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-2-ヒドロキシカルバモイルエチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
実施例2-6と同様にして、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸1.5g(2.6mmol)を出発原料として、N-{(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-2-ヒドロキシカルバモイルエチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド450mg(30%)を、融点167℃のベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.32 (m, 4H); 2.57 (m, 4H); 2.66 (s, 3H); 3.23 (t, J=7 Hz, 1H); 3.34 (s, 2H); 3.39 (m, 1H); 3.54 (m, 1H); 5.68 (s, 2H); 7.12 (t, J=8.8 Hz, 2H); 7.21 (d, J=8.9 Hz, 2H); 7.30 (m, 2H); 7.59 (m, 2H); 7.75 (m, 1H); 7.83 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.97 (d, J=8.2 Hz, 1H); 8.11 (d, J=8 Hz, 1H); 8.26 (t, J=5.3 Hz, 1H); 8.84 (s, 1H); 10.55 (s, 1H)。
【0212】
(実施例27)
N-[2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-トリフルオロメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
27-1:エチル2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート
水酸化カリウム2.1g(37.6mmol)とヨウ化アミノピリジニウム6.7g(30.1mmol)との、水20ml中混合物を、エチル4,4,4-トリフルオロブタ-2-イノエート2.5g(15.1mmol)のジクロロメタン25ml中溶液に加える。周囲温度で5時間撹拌後、水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮乾固する。粗生成物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、ヘプタン/酢酸エチル80/20混合物を用いて行う。エチル2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート2.8g(73%)を、黄色固体の形態で得る。
【0213】
27-2:(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)メタノール
エチル2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート2.8g(10.8mmol)のテトラヒドロフラン50ml中溶液を、-70℃においてテトラヒドロフラン45ml中懸濁液の形態の水素化アルミニウムリチウム0.5g(11.9mmol)の混合物に滴加する。-70℃において3時間撹拌後、混合物を周囲温度にし、次いで2N水酸化ナトリウム水溶液1.8mlを加える。混合物を濾過し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、濃縮する。(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)メタノール2.3g(100%)を、黄色固体の形態で得る。
【0214】
27-3:メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート
トリフェニルホスフィン795mg(3.0mmol)及び(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)メタノール565mg(2.6mmol)をそれぞれ、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゾイルアミノ)プロパノエート(実施例22-5に記載したようにして調製)800mg(2.0mmol)のテトラヒドロフラン8ml中溶液に加える。周囲温度で30分間撹拌後、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート595μl(3.0mmol)を加え、媒体を周囲温度で18時間撹拌する。蒸発乾固後、得られた粗残渣を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。溶離は、100%酢酸エチルを用いて行う。メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート590mg(49%)を、ライトイエロー色固体の形態で得る。
【0215】
27-4:2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸
実施例2-5と同様にして、メチル(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパノエート590mg(0.7mmol)を出発原料として、2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸190mg(47%)を白色固体の形態で得る。
【0216】
27-5:N-[2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾイルアミノ]プロパン酸190mg(0.3mmol)のジメチルホルムアミド10ml中溶液に、O-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート106g(0.3mmol)及びジイソプロピルエチルアミン0.2ml(1.2mmol)を加える。周囲温度で20分間撹拌後、ジメチルホルムアミド3mlで希釈されたO-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキシルアミン53mg(0.4mmol)を加える。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、次いで5%クエン酸水溶液1ml及び水2mlを用いて加水分解し、1時間撹拌する。混合物を、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液でpH=8にし、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を、炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物中で沈殿させ、次いで濾過する。得られた固体を、酢酸エチル中で再結晶させる。N-[2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド41mg(21%)を、白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.38 (m, 4H); 2.61 (m, 4H); 3.25 (m, 2H); 3.39 (m, 2H); 3.52 (m, 1H); 5.42 (s, 2H); 7.10 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.18 (t, J=1.2 Hz, 1H); 7.31 (m, 5H); 7.50 (m, 1H); 7.80 (d, J=8.8 Hz, 2H); 8.05 (d, J=9 Hz, 1H); 8.25 (m, 1H); 8.86 (m, 2H)、10.57 (m, 1H)。
【0217】
(実施例28)
TACE阻害の酵素試験
試験の説明
生成物を、DMSO中に10mMの濃度で溶解させる。3倍連続希釈法を10ステップにわたって実施することにより、10μMから0.5nMの最終濃度までの濃度範囲を得る。
【0218】
TACE酵素は、体内産生物(internal production)である(刊行物「Protein Eng Des Sel、2006年、19巻、155〜161頁」に従って産生される)。これを、37℃において2時間にわたって、バックグランドノイズの6倍に相当するシグナルが得られるように加える。反応は、緩衝媒体:トリス(Tris)50mM、4%グリセロール(pH7.4)中で行う。螢光基質は、MCA-Pro-Leu-Ala-Val-(Dpa)-Arg-Ser-Ser-Arg-NH2(R&D系参照記号:ES003)である。基質を、酵素によってアラニンとバリンとの間で切断し、それによって螢光ペプチド(励起:320nm、発光:420nm)を放出する。基質は、40μMで使用する。反応は、384ウェル低容量プレート(Corning参照記号:3676)中で最終容量10μl(阻害剤4μl、基質4μl、酵素2μl)中で実施する。プレートを周囲温度で2時間インキュベートし、次いでPherastar(BMG labtech)を用いて螢光モードで読み取る。IC50値を、数学的処理ソフトウェア(XLfit)を用いて求める。
【0219】
【表1】

【0220】
前記の酵素TACE試験で得られた結果によれば、本発明において特許請求する化合物は、TNFα-変換酵素(TACE)阻害剤であり、従って、TNFα産生の低減が非常に有益である病態の治療のための潜在的活性成分であることができる。
【0221】
(実施例29)
選択性試験
試験原理:
異なる基質(MMP R&D系参照記号:P126-990及びADAM R&D系参照記号:ES003)を用いる以外は実施例28においてTACE酵素に関して記載したのと同一プロトコールに従って、分子を以下の酵素:MMP1、MMP3、MMP9、ADAM9及びADAM10について用量反応試験で試験する。
【0222】
酵素は、Calbiochemから購入する。
【0223】
【表2】

【0224】
前記の選択性試験で得られた結果によれば、これらの化合物はまた、他のADAM及びMMPと比較して、TACEに対する選択性が高い。即ち、これらの化合物のIC50値は、他のADAM及びMMPに対しては、TACEに対して得られるIC50値より少なくとも10倍大きく、より有利には少なくとも100倍大きい。
【0225】
しかし、これらの酵素ファミリーの非選択的阻害が、インビボで観察される不所望な副作用を誘発することが知られる限りにおいて、これらの他の酵素と比較したTACEの選択的阻害は、TNFα産生の低減が非常に有益であろう病態の治療のためのこれらの分子の投与時における不所望な副作用を低減できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
R1は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ若しくは複数の原子団で置換されているヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基又はC(O)OR4基(式中、R4は下記の意味を有する)を表し;
R2は、水素原子又は炭素数1〜4の低級アルキル基であり;
R3は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルキニル基、アリール基、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ若しくは複数の原子団で置換されているアリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ若しくは複数の原子団で置換されている複素環基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているシクロアルキル基、ヘテロアリール基、例えばアルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ若しくは複数の原子団で置換されているヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ若しくは複数の原子団で置換されているヘテロアラルキル基であり;
R4は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びヒドロキシル基から選択される1つ若しくは複数の基で置換されているアルキニル基、アリール基、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル及びニトロから選択される1つ若しくは複数の原子団で置換されているアリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nは、0、1、2又は3の値をとることができる]、
並びに一般式(I)の化合物と薬学的に許容される酸との付加塩、一般式(I)の化合物と薬学的に許容される塩基との付加塩及び一般式(I)の化合物のエナンチオマー。
【請求項2】
前記付加塩が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、コハク酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、カンファースルホン酸及びフマル酸からなる群から選択される薬学的に許容される酸を用いて得られることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記付加塩が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミンの4つの異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジエタノールフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、リジン、アルギニン及びオルニチンからなる群から選択される薬学的に許容される塩基を用いて得られることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基又はC(O)OR4基(式中、R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子又は低級アルキル基であり;
R3が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、0、1又は2の値をとることができることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマー。
【請求項5】
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子又は低級アルキル基であり;
R3が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1又は2の値をとることができることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマー。
【請求項6】
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマー。
【請求項7】
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アルキニル基、置換アルキニル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基又は置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマー。
【請求項8】
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基又は-SO2-R4基(R4は下記の意味を有する)を表し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アルキニル基、置換アルキニル基、ヘテロアリール基又は置換ヘテロアリール基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、並びに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩及び前記化合物のエナンチオマー。
【請求項9】
下記化合物:
1) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
2) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
3) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
4) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-メトキシベンズアミド
5) 4-シクロプロピルメトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
6) 4-ベンジルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
7) 4-ブトキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタン-スルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド
8) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(トルエン-4-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}ベンズアミド
9) 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]ベンズアミド ヒドロクロリド
10) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンズアミド
11) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メチルベンジルオキシ)ベンズアミド
12) [(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボキサミド
13) 4-ブタ-2-イニルオキシ-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-N-メチルベンズアミド
14) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
15) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンズアミド
16) 4-(4-ヒドロキシブタ-2-イニルオキシ)-N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-エチル]ベンズアミド
17) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(4-メトキシベンジルオキシ)ベンズアミド
18) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
19) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルナフタレン-1-イル-メトキシ)ベンズアミド
20) N-[(R)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
21) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
22) N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンズアミド
23) N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
24) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド ジヒドロクロリド
25) N-[(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
26) N-{(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-2-ヒドロキシカルバモイルエチル}-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
27) N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
28) N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
29) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルピリジン-4-イル-メトキシ)-N-プロピルベンズアミド
30) N-[(S)-2-(3-ベンジルイミダゾリジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
31) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(3-メタンスルホニルイミダゾリジン-1-イル)エチル]-4-(3-メチルベンジルオキシ)ベンズアミド
32) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニル[1,4]ジアゼパン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
33) N-((S)-2-[1,4]ジアゼパン-1-イル-2-ヒドロキシカルバモイルエチル)-4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
34) 4-(2-シクロプロピルキノリン-4-イルメトキシ)-N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}ベンズアミド
35) 4-(2-シクロプロピルピリジン-4-イルメトキシ)-N-[(S)-2-(4-エチル[1,4]ジアゾカン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-ベンズアミド
36) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-イソブチリル-[1,4]ジアゾカン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
37) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズアミド
38) N-[(S)-2-(4-ベンゼンスルホニルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イルメトキシ)ベンズアミド
39) N-[(R)-2-(4-ベンゾイルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ベンズアミド
40) N-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)エチル]-4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンズアミド
41) N-{(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]エチル}-4-(2-メチル-1H-インドール-3-イルメトキシ)ベンズアミド及び
42) N-[(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシカルバモイルエチル]-4-(2-イソプロピルベンゾフラン-3-イル-メトキシ)ベンズアミド
からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
医薬品としての、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
TNFαの放出と関連する病態又は障害を治療するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
TNFα産生阻害剤としての、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
TNFα-変換酵素(TACE)阻害剤としての、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
TACEが介在する障害又は病態を治療又は改善するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
敗血性ショック、血行動態ショック、マラリア、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、炎症性骨疾患、マイコバクテリウム感染症、髄膜炎、線維性疾患、心疾患、虚血性発作、移植片拒絶反応、癌、アテローム性動脈硬化症、肥満症、血管新生事象を伴う疾患、自己免疫疾患、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性慢性関節炎、多発性硬化症、HIV、インスリン非依存性糖尿病、アレルギー性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び眼炎症から選択される、TNFα産生が関与する疾患又は障害を治療するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎及び乾癬性関節炎を治療するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
アルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン病様障害、筋萎縮性側索硬化症、神経系の自己免疫疾患、神経系の自律神経性疾患、背部痛、脳浮腫、脳血管疾患、認知症、神経系の神経線維脱髄性自己免疫疾患、糖尿病性ニューロパシー、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、慢性疲労症候群、巨細胞性動脈炎、ギラン-バレー症候群、頭痛、多発性硬化症、神経痛、末梢神経系疾患、多発ニューロパシー、多発神経根筋障害、神経根障害、呼吸麻痺、脊髄疾患、トゥレット症候群、中枢神経系血管炎、ハンチントン病及び脳発作から選択される、TNFα産生が関与する炎症性の神経学的病態を治療するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。

【公表番号】特表2013−505215(P2013−505215A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529266(P2012−529266)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063594
【国際公開番号】WO2011/033009
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】