説明

N結合型糖鎖を利用した膵臓癌の診断方法

【課題】新規の膵臓癌診断用マーカー、及び当該マーカーを利用した膵臓癌の判定方法等を提供する。
【解決手段】本発明者らは、膵胆道良性疾患患者24例(胆石16例、膵炎8例)、膵臓癌患者54例の計78例の患者より血液を採取し、血漿中のN結合型糖鎖に関して質量分析を行った。検出された74のマススペクトルピークのうち、PAM解析の結果から65の糖鎖を抽出し、これらの65の糖鎖を用いて膵癌あるいは膵胆道良性疾患の予測を行ったところ、74%の診断に正答した。さらに、膵胆道良性疾患と膵臓癌との2群間に対してT−testを行い、有意差(p<0.05)を示し、且つ、発現量の差が2倍以上を示す糖鎖として、3031m/z及び2362m/zの2つの糖鎖を特定した。これらの糖鎖を用いた場合の正答率を、6つの分類器により算出した結果、いずれも70%程度の正答率が得られることを見い出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のN結合型糖鎖を膵臓癌診断用マーカーとして利用した膵臓癌の判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膵臓は、胃の裏側にある長さ15cm程度の臓器である。その主な疾患としては膵臓癌と膵炎とがあり、特に膵臓癌は、近年日本人の死亡率が上昇してきている癌の一つとして知られている。膵臓癌の原因は完全には明らかにされていないが、食生活の欧米化による動物性脂肪やタンパク質、アルコールなどの過剰摂取、或いは喫煙などがリスクファクターであると考えられている他、慢性膵炎、膵石症、糖尿病、急性膵炎の既往のある人も膵臓癌の高危険群であると考えられている。膵臓癌は、外分泌の働きを持つ細胞、特に膵液が流れる膵管の細胞から発生する癌であり、膵臓癌の90%以上がこのタイプである。膵臓癌は非常に悪性であり、早い段階で他の臓器(特に、肝臓等)への転移が起きることから、早期に発見することが非常に重要である。しかし、膵臓は、胃や十二指腸、脾臓、小腸、大腸、肝臓、胆嚢など多くの臓器に囲まれているため、初期段階の癌を発見することがきわめて困難であり、多くの場合、遠隔転移を起こし、既に治療切除等の可能性を過ぎた進行期になって発見される。
【0003】
膵臓癌診断のための血中腫瘍マーカーとしては、例えば、CA19−9(非特許文献1)、Dupan−2(非特許文献2)、CA−50(非特許文献3)、Span−1(非特許文献4)等が既に開発されている。しかし、これらの腫瘍マーカーは、慢性膵炎や、慢性肝炎、肝硬変などの膵・肝良性疾患でも陽性となり、その特異性の点で問題がある他、特定の膵臓癌に対しては陰性を示すことがあり、膵臓癌を特異的にかつ確実に検出する腫瘍マーカーとしては問題があった。したがって、従来の方法では、広範囲の膵臓癌に対して、早期に、確実に、癌の存在を検出/確認することは困難とされていた。
【0004】
また、腫瘍細胞に特異的に発現している遺伝子をマーカーとしてを用いることにより、膵臓癌の検出や診断を行う方法がいくつかの特許公報で開示されている。現在までに、PANCIA及びPANCIB(特許文献1)や、KCCR13L(特許文献2)が膵臓癌マーカー遺伝子として開示されている。また、膵臓癌の細胞の染色体の特異的な部位にDNAの増幅や欠失があることから、該膵癌に特異的な染色体部位の増幅や欠失を検出することによって、膵癌を診断する方法(特許文献3)も提案されている。
【0005】
【特許文献1】特表2000−502902号公報
【特許文献2】特願2003−041843号公報
【特許文献3】特開2001−17169号公報
【非特許文献1】Somatic Cell Genet., 5, 957-972、1979
【非特許文献2】Cancer Res., 42, 601, 1982
【非特許文献3】Int. Arch. Allergy Appl. Immunol., 71, 178-181, 1983
【非特許文献4】日外誌, 87, 236, 1986
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、新規の膵癌検出用マーカーを利用した膵臓癌の判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、膵胆道良性疾患患者24例(胆石16例、膵炎8例)、膵臓癌患者54例の計78例の患者より血液を採取し、血漿中のN結合型糖鎖に関して質量分析を行った。検出された74のマススペクトルピークのうち、PAM解析の結果から65の糖鎖を抽出し、これらの65の糖鎖を用いて膵癌あるいは膵胆道良性疾患の予測を行ったところ、74%の診断に正答した。さらに、膵胆道良性疾患と膵臓癌との2群間に対してT−testを行い、有意差(p<0.05)を示し、且つ、発現量の差が2倍以上を示す糖鎖として、3031m/z及び2362m/zの2つの糖鎖を特定した。これらの糖鎖を用いた場合の正答率を、6つの分類器により算出した結果、いずれも70%程度の正答率が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(1)被検者より採取された血液中の糖タンパクからN結合型糖鎖を遊離させる工程と、遊離させた糖鎖を精製する工程と、精製した糖鎖の質量分析を行う工程と、MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031、2362、1339、3047、2703、2097、1950、1266、3193、4177、2663、2639、2055、2259、2579、1206、2428、1984、2817、1893、2274、2071、2814、2217、2696、1324、2269、2742、2112、2011、2175、2563、2128、2420、2214、4015、2313、1381、2630、1208、1203、3352、2682、3338、2649、2123、2574、2335、2880、1351、2668、2728、4340、2417、1501、1989、2726、1674、1259、3320、1827、1619、1819、2723、及び2151のいずれかである糖鎖、又は上記糖鎖に相当する糖鎖のうち、少なくとも1つの糖鎖の検出強度を指標として、膵臓癌の判定を行う工程とを、順次備えたことを特徴とする膵臓癌の判定方法や、(2)MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031及び/又は2362である上記(1)に記載の膵臓癌の判定方法や、(3)トリプシン及びN-グリコシダーゼFを用いて、N結合型糖鎖を遊離させることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の膵臓癌の判定方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、血漿中の特定のN結合型糖鎖を解析することにより、被検者に大きな負担を掛けることなく、特異性の高い膵臓癌の判定を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の膵臓癌の判定方法としては、(1)被検者より採取された血液中の糖タンパクからN結合型糖鎖を遊離させる工程;(2)遊離させた糖鎖を精製する工程;(3)精製した糖鎖の質量分析を行う工程;(4)MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031、2362、1339、3047、2703、2097、1950、1266、3193、4177、2663、2639、2055、2259、2579、1206、2428、1984、2817、1893、2274、2071、2814、2217、2696、1324、2269、2742、2112、2011、2175、2563、2128、2420、2214、4015、2313、1381、2630、1208、1203、3352、2682、3338、2649、2123、2574、2335、2880、1351、2668、2728、4340、2417、1501、1989、2726、1674、1259、3320、1827、1619、1819、2723、及び2151のいずれかである糖鎖、又は上記糖鎖に相当する糖鎖のうち、少なくとも1つの糖鎖の検出強度を指標として、膵臓癌の判定を行う工程;とを順次備えた方法であれば特に制限されるものではなく、なかでも、質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031及び/又は2362である糖鎖の検出強度を指標として、膵臓癌の判定を行う方法が好ましい。また、本発明の膵臓癌の判定方法に用いるサンプルとしては、被検者より採取された血液由来のサンプルであれば特に制限されるものではなく、血液成分を全て含む全血であっても、血液から分離された血清や血漿等であってもよいが、血清や血漿が好ましく、なかでも、血漿が特に好ましい。
【0011】
本発明において、N結合型糖鎖とは、糖タンパク質の糖鎖のうち、タンパク質のアスパラギン残基が持つ側鎖のアミド基の窒素原子に結合している糖鎖であり、N型糖鎖やアスパラギン結合型糖鎖とも称される。本発明において、血液中の糖タンパクからN結合型糖鎖を遊離させる方法としては、例えば、N−グリコシダーゼF(グリコペプチダーゼ、PN Gase、グリカナーゼ、グリコアミダーゼなどとも称される)やグリコペプチダーゼA等を用いた酵素法や、ヒドラジン分解法を具体的に例示することができるが、なかでも、N−グリコシダーゼFによる酵素法を好例として挙げることができる。その際、トリプシン等のプロテアーゼを併用することもできる。また、本発明において、遊離させた糖鎖を精製する方法としては、試料中の混合物から糖鎖を選択的に捕捉し精製する方法であれば特に制限されないが、MALDI−TOF−MSでの高感度測定用に最適化された糖鎖補足ビーズであるBlotGlyco(登録商標)for MALDI(住友ベークライト株式会社製)を用いた方法を好例として具体的に挙げることができる。
【0012】
また、本明細書において、「MALDI−TOF−MS」とは、Matrix Assisted Laser Desorption Ionization-Time-of-Flight(Mass Spectrometer)の略語である。MALDI法は、試料をプレート上にスポットした後、マトリクス溶液(2, 5-Dihydroxybenzoic acid)を添加、乾固し、結晶状態にし、パルスレーザー照射により大きなエネルギーをマトリクス上に与え、(M+H)、(M+Na)などの試料由来イオンとマトリクス由来イオンとを脱離させる方法で、MALDI−TOF−MSは、MALDI法を利用して飛行時間を元に質量を測定するものである。イオンが一定の加速電圧Vで加速される場合、イオンの質量をm、イオンの速度をv、イオンの電荷数をz、電気素量をe、イオンの飛行時間をtとしたとき、イオンのm/zは、『m/z=2eVt/L』で表すことができる。本発明においては、MALDI−TOF−MS型分析機以外の分析機を使用することもでき、イオン源として、例えば、電子イオン化法、化学イオン化法、電界離脱法、高速原子衝突法、エレクトロスプレーイオン化法、大気圧化学イオン化法等を用いることができ、また、分析法としては、例えば、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型などの方法を用いることができる。さらに、上記分析法と、HPLCとを組み合わせて用いることもできる。
【0013】
本発明において、MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031である糖鎖とは、MALDI−TOF−MS型分析機よる質量分析の結果、3031m/zマススペクトルピークを呈する糖鎖であり、その予想される構造式としては、例えば、(Hex)1(HexNAc)6(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)2(HexNAc)6(Deoxyhexose)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)4(Deoxyhexose)6+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)1(NeuAc)4(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)1(Deoxyhexose)2(NeuAc)3(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)1(HexNAc)1(Deoxyhexose)1(NeuAc)4+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)1(HexNAc)3(NeuAc)1(NeuGc)2+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)1(Deoxyhexose)4(NeuAc)2(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)1(HexNAc)1(Deoxyhexose)3(NeuAc)3+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)1(Deoxyhexose)2(NeuAc)4 +(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)1(HexNAc)3(NeuAc)2(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)1(Deoxyhexose)4(NeuAc)3+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)2(HexNAc)3(Deoxyhexose)1(NeuAc)2+(Man)3(GlcNAc)2等を具体的に挙げることができる。また、上記糖鎖に相当する糖鎖とは、MALDI−TOF−MS型分析機以外の質量分析機を用いた場合における、MALDI−TOF−MS型分析機を用いたときの3031m/zマススペクトルピークを呈する糖鎖と相同の糖鎖を意味する。
【0014】
本発明において、MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、2362である糖鎖とは、MALDI−TOF−MS型分析機よる質量分析の結果、2362m/zマススペクトルピークを呈する糖鎖であり、その予想される構造式としては、例えば、(HexNAc)2(NeuGc)2+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)1(HexNAc)2(Deoxyhexose)1(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(HexNAc)2(NeuAc)1(NeuGc)1+(Man)3(GlcNAc)2や、(Hex)1(HexNAc)2(Deoxyhexose)1(NeuAc)1+(Man)3(GlcNAc)2等を具体的に挙げることができる。また、上記糖鎖に相当する糖鎖とは、MALDI−TOF−MS型分析機以外の質量分析機を用いた場合における、MALDI−TOF−MS型分析機を用いたときの2362m/zマススペクトルピークを呈する糖鎖と相同の糖鎖を意味する。
【0015】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
[血液の採取]
インフォームド・コンセントの得られた、膵胆道良性疾患患者24例(胆石16例、膵炎8例)、膵臓癌患者54例の計78例の患者より血液を採取し、血漿を遠心分離した。得られた検体(血漿)は連結可能匿名化を行った後、−80℃で凍結保存した。
【0017】
[血液サンプルの作製]
タンパク質と修飾糖鎖を遊離させる目的で、血漿をN−グリコシダーゼF及びトリプシンにより処理した。具体的には、100μLの血漿に、純水(165μL)、1M重炭酸アンモニウム(25μL)、及び120mM ジチオスレイトール(25μL)を加え、60℃で30分間静置した後、123mM ヨードアセトアミド(50μL)を加え、室温、遮光下で1時間静置した。続いて、トリプシン(2000unit、25μL)を加え、37℃で1時間静置した後、80℃で15分間加熱することによりトリプシンを変性させた。室温まで冷却させた後に、N−グリコシダーゼF(10unit、10μL)を加え、37℃でオーバーナイト静置した。80℃で15分間加熱することにより、酵素を変性させ、最終量400μLの酵素処理血漿サンプルを得た。また、内部標準グルコースオリゴマー(1−20)(生化学工業 #800111)を10mg/mLとなるように純水に溶解し、内部標準糖鎖溶液を作製した。上記酵素処理血漿サンプル95μLに対し、内部標準糖鎖溶液5μL(=50μg相当)を添加し、全量100μLの溶液を調製した。このうち、20μLを糖鎖補足ビーズ(BlotGlyco(登録商標)for MALDI(住友ベークライト株式会社製))により処理し、遊離した糖鎖の捕捉、及びラベル化を行った。
【0018】
[糖鎖分析の結果解析]
ビーズに捕捉された糖鎖を精製・分離し、MALDI−TOF−MS型分析機(Voyager-DETM STR Workstation;Applied Biosystems社製)により質量分析を行い、得られたマススペクトルから454のピークを同定した。このうち、25%の症例で確認された108糖鎖から、内部標準糖鎖などを除外した74糖鎖を解析対象とし、内部標準と比較することにより各糖鎖の定量化を行った。次に、PAM解析(Prediction Analysis for Microarrays)を行い、表1に示す65の糖鎖を抽出した。これらの65の糖鎖を用いて、クロスバリデーションを行った結果、78症例中58症例(74%)の診断に正答した(図1)。
【0019】
【表1】


【0020】
また、表2に示すように、65の糖鎖を用いたPAM解析の膵臓癌診断の感度は0.907、特異性は0.375であった。
【0021】
【表2】

【0022】
さらに、膵胆道良性疾患と膵臓癌との2群間に対してT−testを行い、有意差(p<0.05)を示し、且つ、発現量の差が2倍以上を示す糖鎖として、3031m/z糖鎖、及び2362m/z糖鎖の2つの糖鎖を特定した。これら2つの糖鎖の検出強度を、コントロールを基準(100%)として数値化(%)した結果を表3に示す。
【0023】
【表3】

【0024】
また、3031m/z糖鎖、及び2362m/z糖鎖を用いた場合の正答率を、6つの分類器により算出した結果、いずれも70%程度の正答率が得られた。下記に、用いた6つの分類器と算出されたそれぞれの正答率を示す。
Compound Covariate Predictor:73%
Diagonal Linear Discriminant Analysis:74%
1-Nearest Neighbor Predictor:67%
3-Nearest Neighbor Predictor:71%
Nearest Centroid Predictor:72%
Support Vector Machine Predictor:67%
また、質量分析の結果得られたシグナルから、GlycoSuite on line database(Proteome Systems)を用いて、糖鎖の構造式を予測した(図3及び4)。以上の結果から、血漿中の3031m/z及び2362m/z糖鎖を指標として、膵臓癌診断が可能であることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】PAM解析により抽出された65の糖鎖を用いた場合の正答率を示す図である。
【図2】3031m/z及び2362m/z糖鎖の正答率を示す図である。
【図3】3031m/z糖鎖の予測構造式を示す図である。*は最も可能性のある構造式を示す。
【図4】2362m/z糖鎖の予測構造式を示す図である。*は最も可能性のある構造式を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(4)の工程を順次備えたことを特徴とする膵臓癌の判定方法。
(1)被検者より採取された血液中の糖タンパクからN結合型糖鎖を遊離させる工程;
(2)遊離させた糖鎖を精製する工程;
(3)精製した糖鎖の質量分析を行う工程;
(4)MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031、2362、1339、3047、2703、2097、1950、1266、3193、4177、2663、2639、2055、2259、2579、1206、2428、1984、2817、1893、2274、2071、2814、2217、2696、1324、2269、2742、2112、2011、2175、2563、2128、2420、2214、4015、2313、1381、2630、1208、1203、3352、2682、3338、2649、2123、2574、2335、2880、1351、2668、2728、4340、2417、1501、1989、2726、1674、1259、3320、1827、1619、1819、2723、及び2151のいずれかである糖鎖、又は上記糖鎖に相当する糖鎖のうち、少なくとも1つの糖鎖の検出強度を指標として、膵臓癌の判定を行う工程;
【請求項2】
MALDI−TOF−MS型分析機を用いた質量分析によるピークの質量電荷比(m/z)が、3031及び/又は2362である請求項1に記載の膵臓癌の判定方法。
【請求項3】
トリプシン及びN−グリコシダーゼFを用いて、N結合型糖鎖を遊離させることを特徴とする請求項1又は2に記載の膵臓癌の判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−270996(P2009−270996A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123391(P2008−123391)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】