説明

N2−フェニルアミジン誘導体

【課題】新規な農園芸用殺菌剤を提供する。
【解決手段】一般式Iで表されるNーフェニルアミジン誘導体。


(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環、複素環、または水素であり;RおよびRは、アルキルなどであり、Rは、アルキルなどであり、Rは存在する場合、アルキルなどであり、Rは、炭素環または複素環であり、Aは、直接結合またはーO−などの結合基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌剤としての化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO第95/22532号は、除草剤として請求された置換フェニルトリアゾリノン類に関しており、そこには、なかんずく特徴的なデータが無い式Aの化合物が開示されている。
【0003】
【化1】

【0004】
この要約書、特許請求の範囲は、除草剤としてのこのような化合物の使用にのみ言及しており、実際その記述は、除草剤の活性データのみで発明を支持している。この明細書において、ある一定の化合物が、殺真菌活性を示すことを記述している文章があるが、殺菌活性データは供されていない。化合物が殺菌性であるような表示が提出されてないし、化合物Aが、殺真菌性があるという示唆がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第95/22532号
【発明の概要】
【0006】
我々はここで、ある一定のアミジン類が、殺菌活性を有していることを見出した。したがって、本発明は、殺菌剤として一般式Iの化合物およびその塩の利用を提供する。
【0007】
【化2】

式中、Rが、各々置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環、または水素であり;
およびRは、同一かまたは相異してもよく、Rに定義された任意の基;シアノ;アシル;−ORまたは−SRであり(Rは、各々が置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環である);または、RおよびR、またはRおよびRが、相互に連結する原子と共に、置換されてもよい環を形成してもよく;
は、各々が置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環;ヒドロキシ;メルカプト;アジド;ニトロ;ハロゲン;シアノ;アシル;任意に置換されたアミノ;シアナト;チオシアナト;−SF;−OR;−SRまたは−Si(Rであり;
mが0から3であり、
が存在する場合、任意の他のRに対して同一かまたは相異してもよく、Rに関して定義された任意の基であり、
は、任意に置換された炭素環または複素環であり;
およびAは、直接結合、−O−、−S(O)−、−NR−、−CR=CR−、−C≡C−、−A−、−A−A−、−O−(A−O−、−O−(A−、−A−、−A−、−AO−、−AS(O)−、−A−、OA−、−NR−、−OA−A−、−OA−C(R)=C(R)−、−S(O)−、−A−A−、−A−A−C(R)=N−N=CR−、−A−A−C(R)=N−X−X−、−A−A−A−、−A−A−N(R)−、−A−A−X−CH−、−A−A−A−、−A−A−CHX−、−A−A−C(R)=N−X−X−X−、−A−X−C(R)=N−、−A−X−C(R)=N−N=CR−、−A−X−C(R)=N−N(R)−、−A−X−A−X−、−A−O−A−、−A−O−C(R)=C(R)−、−A−O−N(R)−A−N(R)−、−A−O−N(R)−A−、−A−N(R)−A−N(R)−、−A−N(R)−A−、−A−N(R)−N=C(R)−、−A−A−、−A−A−、−A−NR−、−A−A−X−、−A−A−A−X−、−O−A−N(R)−A−、−CR=CR−A−X−、−C≡C−A−X−、−N=C(R)−A−X−、−C(R)=N−N=C(R)−、−C(R)=N−N(R)−、−(CH−O−N=C(R)−または−X−A−N(R)−であり、ここで
nは、0、1または2であり、
kは、1から9であり、
は、−CHR−であり、
は、−C(=X)−であり、
は、−C(R)=N−O−、
は、−O−N=C(R)−、
Xは、OまたはSであり、
は、O、S、NRまたは直接結合、
は、O、NRまたは直接結合、
は、水素、−C(=O)−、−SO−または直接結合であり、
は、任意の他のRに対して同一かまたは相異してもよく、各々が置換されてもよいアルキル、シクロアルキルまたはフェニル;または水素、ハロゲン、シアノまたはアシルであり;
は、任意の他のRに対して同一かまたは相異してもよく、各々が置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、炭素環、複素環;または水素であり;
は、任意の他のRに対して同一かまたは相異してもよく、任意に置換されたアルキル、任意に置換された炭素環または複素環、水素またはアシルであり;Aにおける2つのR基が、相互に連結する原子と共に5員環から7員環を形成しており、そこでは、結合Aの右側に描かれた部分が、Rに結合しており;または−A−RおよびRが、ベンゼン環Mと共に任意に置換された縮合環系を形成している。
【0008】
好ましくはRが、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンまたは任意に置換されたフェニル(好ましくは、各々が1個から5個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオまたはハロゲンにより任意に置換されたフェニル)で置換されていてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニル、または水素である。Rは、特にC〜C10のアルキル(例えば、メチル)または水素である。
【0009】
好ましくは、同一かまたは相異してもよいRおよびRが、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、任意に置換されたフェニル(好ましくは、1個から5個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオ、またはハロゲンにより任意に置換されたフェニル)により置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、または水素、アルコキシ;アルコキシアルコキシ;ベンジルオキシ;シアノ;またはアルキルカルボニルである。同一かまたは相異してもよいRおよびRは、特にC〜C10のアルキル(例えば、メチルまたはエチル)または水素である。
【0010】
好ましくは、Rが、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンまたは任意に置換されたフェニル(好ましくは、各々が1個から5個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオ、またはハロゲンにより任意に置換されたフェニル)により置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル(好ましくは、−C(=O)R、−C(=S)Rまたは−S(O)であり、ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたフェニルである);アルコキシ;ハロアルコキシ;またはアルキルチオである。Rは、特にC〜C10アルキル(例えば、メチルまたはエチル)またはハロゲンである。
【0011】
好ましくは、mは0または1、特に1である。
【0012】
が、存在する場合、上記の好ましいRに関して定義された基である。
【0013】
は、特にC〜C10アルキルまたはハロゲンである。
【0014】
基が、存在する場合、M環の5位に結合しているのが好ましい。
【0015】
Aは、直接結合、−O−、−S(O)−、−O(A−、−S(O)−、−NR−、−A−、−OA−、−OA−A−、−NR−または−O(AO−である。特にAは、直接結合、−O−、−S−、−NR−、−CHR−または−O−CHR−である。特にAは、直接結合または−O−である。Rが存在する場合、各々がアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンまたは任意に置換されたフェニル(好ましくは、各々が1個から5個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオ、またはハロゲンにより任意に置換されたフェニル)により置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;または水素である(Rは、特にC〜C10アルキルまたはハロゲンである)。Rが存在する場合、各々がアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンまたは任意に置換されたフェニル(好ましくは、各々が1個から5個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオ、またはハロゲンにより任意に置換されたフェニル)により置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオ;または水素である(Rは、特にC〜C10アルキルまたはハロゲンである)。
【0016】
Aは、ベンゼン環Mの4位に結合しているのが好ましい。
【0017】
好ましくはRが、任意に置換されたフェニルまたは任意に置換された芳香族複素環である[好ましくは、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(特に1、2、4−チアジアゾリル)、ピリジルまたはピリミジニル]。
【0018】
が、置換される場合、同一または相異してもよく、各々が置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環;ヒドロキシ;メルカプト;アジド;ニトロ;ハロゲン;シアノ;アシル;任意に置換されたアミノ;シアナト;チオシアナト;−SF;Rが、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環である−OR;−SRおよび−Si(Rの好ましいリストから選ぶことができる、1つまたは複数の置換基により置換されてもよい。
【0019】
の置換基の好ましいリストには、ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル(好ましくは、−C(=O)R、−C(=S)Rまたは−S(O)であり、ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたフェニルである);アミノ;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;アルキル;ハロアルキル;RO−アルキル;アシルオキシアルキル;シアノ−オキシアルキル;アルコキシ;ハロアルコキシ、アルキルチオ;アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換された炭素環(好ましくは、シクロヘキシルまたはシクロペンチル);およびアルキル、ハロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたベンジルが挙げられる。
【0020】
の置換基の特に好ましいリストには、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたシクロペンチル、シクロヘキシルまたはベンジル;またはハロゲン;アルキル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシ;またはアルキルチオが挙げられる。
【0021】
好ましい実施形態において、本発明は、殺菌剤として一般式Iの化合物またはその塩の使用を提供し、ここで:
が、その各々がアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンまたはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオまたはハロゲンにより任意に置換されたフェニルにより置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニル;または水素であり;
同一かまたは相異してもよいRおよびRは、本実施形態においてRに関して定義されたものであり、またはアルコキシ、アルコキシアルコキシ;ベンジルオキシ;シアノ;またはアルキルカルボニルであり;
は、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオ、またはハロゲンにより任意に置換されたフェニルにより置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニル;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル(好ましくは、−C(=O)R、−C(=S)Rまたは−S(O)であり、ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたフェニルである);
mは0または1であり;
が、存在する場合、本実施形態のRに関して定義された基であり;
Aは、直接結合、−O−、−S−、−NR−、−CHR−または−O−CHR−であり、ここでRが、存在する場合、各々がアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルチオ、またはハロゲンにより任意に置換されたフェニルにより置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;または水素であり;およびRは、本実施形態のRに関して定義された基、またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオである。
Aは、ベンゼン環Mの4位に結合し;および
は、同一かまたは相異してもよく、ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル(好ましくは、−C(=O)R、−C(=S)Rまたは−S(O)であり、ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたフェニルである);アミノ;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;アルキル;ハロアルキル;RO−アルキル;アシルオキシアルキル;シアノ−オキシアルキル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオ;アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換された炭素環(好ましくは、シクロヘキシルまたはシクロペンチル);およびアルキル、ハロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたベンジルのリストから選ぶことができる、1つまたは複数の置換基により任意に置換されたフェニルまたは芳香族複素環である。
【0022】
一般式Iの大抵の化合物は新規である。したがって、第2の態様によれば、本発明は、式Iの化合物を提供し、ここで
が、各々置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環、または水素であり;
同一かまたは相異してもよいRおよびRは、Rに関して定義された任意の基;それらが連結する窒素と共に、置換されてもよい環を形成してもよく;
は、各々が置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環であり;
mは、1であり、
は、ベンゼン環Mの5位に結合されたRに関して定義された任意の基であり;
は、任意に置換された炭素環または複素環であり;および
Aは、直接結合、−O−、−S−、−NR−であり、ここでRは、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、または任意に置換されたフェニルにより置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;Rが、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより任意に置換されたフェニルにより置換されてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルである−CHR−または−O−CHR−;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオであり;
ここで、−A−Rが、ベンゼン環Mの4位にあり、結合Aの右側に描かれた部分は、Rに結合している;
またはベンゼン環Mと共に−A−RおよびRは、任意に置換された縮合環系を形成する。
【0023】
任意のアルキル基は、直鎖または分枝状であってもよく、1個から10個の炭素原子数、特に1個から7個、さらに特に1個から5個の炭素原子数が好ましい。
【0024】
任意のアルケニル基またはアルキニル基は、直鎖または分枝状であってもよく、2個から7個の炭素原子数が好ましく、また共役してもよい3個の2重結合または3重結合まで含んでよく、例えばビニル、アリル、ブタジエニルまたはプロパルギルである。
【0025】
任意の炭素環基は、飽和、不飽和または芳香族でもよく、3員環から8員環原子を含む。好ましい飽和炭素環は、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。好ましい不飽和炭素環基は、3個の2重結合まで含む。好ましい芳香族炭素環基はフェニルである。用語の炭素環(carbocylic)は、同様に解釈すべきである。さらに、用語の炭素環(carbocyclyl)は、炭素環基の任意に縮合された組み合わせ、例えばナフチル、フェナンスリル、インダニルおよびインデニルを含む。
【0026】
任意の複素環基は、飽和、不飽和または芳香族でもよく、窒素、酸素および硫黄などのヘテロ原子4個までの5員環から7員環原子を含む。複素環基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ジオキソラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリノ、ジチアニル、チオモルホリノ、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、スルホラニル、テトラゾリル、トリアジニル、アゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、ジアゼピニルおよびチアゾリニルが挙げられる。さらに、用語の複素環は、縮合複素環基、例えばベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾキサジニル、ベンゾチアジニル、オキサゾロピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ジヒドロキナゾリニル、ベンゾチアゾリル、フタルイミド、ベンゾフラニル、ベンゾジアゼピニル、インドリルおよびイソインドリルを含む。用語の複素環(heterocyclic)は、同様に解釈すべきである。
【0027】
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環基が置換されている場合、同一または相異する1つまたは複数の置換基により置換されてもよく、ヒドロキシ;メルカプト;アジド;ニトロ;ハロゲン;シアノ;アシル;任意に置換されたアミノ;任意に置換された炭素環;任意に置換された複素環;シアナト;チオシアナト;−SF;−OR;Rが、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環;複素環である−SRおよび−Si(Rのリストから選ぶことができる。任意の炭素環または複素環基の場合、リストには追加として、各々置換されてもよいアルキル、アルケニルおよびアルキニルを含む。任意のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基における好ましい置換基は、各々が1個から5個の炭素数を含むアルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオ;ハロゲン;または任意に置換されたフェニルである。任意の炭素環または複素環基における好ましい置換基は、各々が1個から5個の炭素数を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオ;ハロゲン;または任意に置換されたフェニルである。任意のアルキル基または任意の炭素環、または複素環基の任意の不飽和環炭素の場合、リストには、任意に置換されたアミノ、Rまたは−OR(ここでRは、上記に定義されたものである)により置換されてもよいオキソまたはイミノなどの2価の基を含む。好ましい基は、オキソ、イミノ、アルキルイミノ、オキシミノ、アルキルオキシミノまたはヒドラゾノである。
【0028】
置換され、適切な任意のアミノ基は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアミノ、−OR(ここで、Rは、上記に定義されたものである)およびアシル基のリストから選ばれる、同一または相異してもよい1つまたは2つの置換基により置換してもよい。他に、それらが結合している窒素と共に2つの置換基は、複素環基、好ましくは、置換されてもよい、および他のヘテロ原子、例えばモルホリノ、チオモルホリノまたはピペリジニルを含んでもよい5員環から7員環の複素環基を形成してもよい。
【0029】
用語のアシルは、カルボン酸と同じく硫黄およびリン含有の酸残基を含む。典型的にこの残基は、一般式−C(=X)R、−S(O)および−P(=X)(OR)(OR)により構成され、ここで適当なXは、OまたはS、Rは、R、−OR、−SRに関して定義されたもの、任意に置換されたアミノまたはアシルであり;およびpは、1または2である。好ましい基は、−C(=O)R、−C(=S)Rおよび−S(O)であり、ここでRは、各々置換されてもよいアルキル、CからCのアルコキシ、CからCのアルキルチオ、フェニル、複素環またはアミノである。
【0030】
本発明の化合物の複合体は通常、式MAnの塩から形成され、式中Mは、2価の金属カチオン、例えば銅、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄または亜鉛であり、Anは、アニオン、例えば塩化物、硝酸塩または硫酸塩である。
【0031】
本発明の化合物がEおよびZ異性体として存在する場合、本発明は、各異性体と同時にその混合物を含む。
【0032】
本発明の化合物が互変異性体として存在する場合、本発明は、各異性体と同時にその混合物を含む。
【0033】
本発明の化合物が光学異性体として存在する場合、本発明は、各異性体と同時にその混合物を含む。
【0034】
本発明の化合物は、殺菌剤、特に植物の菌類の病気、例えばベト病および特に穀類のうどんこ病(Erysiphe graminis)および蔓茎のベト病(Plasmopara viticola)、イネ枯れ病(Pyricularia oryzae)、穀類の眼状斑点病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、イネの葉鞘枯病(Pellicularia sasaki)、灰色カビ(Botrytis cinerea)、立枯病(Rhizoctonia solani)、麦の小銹病(Puccinia recondita)、後発のトマトまたはポテトの胴枯病(Phytophthora infestans)、リンゴの痂皮(Venturia inaequalis)および包穎の斑点病(Leptosphaeria nodorum)に対して活性を有する。化合物が活性な他の菌類には、他のうどんこ病、他の銹病、およびDeuteromycete, Ascomycete, PhycomyceteおよびBasidomycete由来の他の病原体を含む。
【0035】
このように、本発明はまた、菌類の繁殖した場所、または繁殖しやすい場所に、式Iの化合物をその場所に施用することを含んで成る菌類を駆除する方法を提供する。
【0036】
本発明はまた、農業的に許容できる希釈剤または担体と混合して式1の化合物を含む農学的組成物を提供する。
【0037】
本発明の組成物にはもちろん、本発明の1つ以上の化合物を含んでよい。
【0038】
さらに、この組成物には、1つまたは複数の追加の活性成分、例えば植物成長制御性、除草性、殺真菌性、殺虫性、ダニ駆除性、抗微生物性または抗菌性を所有するものとして知られた化合物を含むことができる。他に、本発明の化合物は、他の活性成分と連続的に用いることができる。
【0039】
本発明の組成物中の希釈剤または担体は、界面活性剤、例えば分散剤、乳化剤または湿潤剤に関連して任意に固体または液体であり得る。好適な界面活性剤は、カルボン酸塩、例えば長鎖脂肪酸の金属カルボン酸塩などのアニオン性化合物;N−アシルサルコシン酸塩;脂肪族アルコールのエトキシレートまたはアルキルフェノールのエトキシレートまたはこのようなエステル類の塩を有するリン酸のモノ−またはジ−エステル類;ドデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウムまたはセチル硫酸ナトリウムなどの硫酸脂肪族アルコール;エトキシ化脂肪族アルコールの硫酸塩;エトキシ化アルキルフェノールの硫酸塩;スルホン酸リグニン;石油のスルホン酸塩;スルホン酸アルキル−ベンゼンまたはスルホン酸低級アルキルナフタレン、例えばスルホン酸ブチル−ナフタレンなどの硫酸アルキル−アリール;スルホン化ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合体の塩;スルホン化フェノール−ホルムアルデヒド縮合体の塩;またはアミドスルホン酸塩、例えばオレイン酸とN−メチルタウリンのスルホン化縮合生成物などの、さらに複雑なスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸塩、例えばコハク酸ジオクチルのスルホン酸ナトリウム;アルキルグリコシド類およびアルキルポリグリコシド物質の酸誘導体並びにその金属塩、例えばクエン酸のアルキルポリグリコシド類または酒石酸物質;またはクエン酸のモノ−、ジ−およびトリ−アルキルエステル類並びにそれらの金属塩が挙げられる。
【0040】
非イオン性剤は、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール類、脂肪酸アミド類または脂肪族アルキルまたはアルケニル置換フェノールとエチレンおよび/またはプロピレンオキシドとの縮合生成物;多価アルコールエーテル類の脂肪族エステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル類;このようなエステル類とエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;アルキルグリコシド類、アルキルポリグリコシド物質;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、エトキシ化アセチレングリコール類などのアセチレングリコール類;アクリル由来のグラフトコポリマー類;アルコキシ化シロキサン界面活性剤;またはイミダゾリン型界面活性剤、例えば1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリンが挙げられる。
【0041】
カチオン性界面活性剤の例としては、例えば、酢酸塩、ナフテン酸塩またはオレイン酸塩としての脂肪族モノ−、ジ−、またはポリアミン;アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシプロピレンアルキルアミンなどの酸素含有アミン;カルボン酸とジ−またはポリアミンとの縮合により調製されたアミド結合アミン;または4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0042】
本発明の組成物は、例えば、溶液、エアロゾル、分散液、水性乳剤、ミクロ乳剤、分散濃縮物、粉塵粉末、種子ドレッシング、燻蒸剤、煙、分散粉末、乳化濃縮物、顆粒または含浸片の農薬製剤として当業界に知られた任意の形態をとることができる。さらに、この組成物は、直接施用または濃縮物としてまたは施用前に水または他の希釈剤の好適な量により希釈を要する主要組成物のための好適な形態であり得る。
【0043】
分散濃縮物は、1つまたは複数の界面活性剤および/またはポリマー物質と共に、1つまたは複数の水に易溶または水に半易溶の溶媒類に溶解した本発明の化合物を含んで成る。水に対してこの製剤の添加は、活性成分の結晶化を生じ、界面活性剤および/またはポリマー類により制御された工程は、優れた分散液となる。
【0044】
粉塵粉末は、固体の粉状希釈剤、例えばカオリンと緊密に混合し粉砕された本発明の化合物を含んで成る。
【0045】
乳化濃縮物は、乳化剤存在下、水を加えて乳剤またはミクロ乳剤を形成する水に不溶の溶媒に溶解した本発明の化合物を含んで成る。
【0046】
顆粒状固体は、粉塵粉末に用いてよいものに同様の希釈剤と会合するが、この混合物を知られた方法により顆粒化する本発明の化合物を含んで成る。他にこの顆粒状固体は、予め形成された顆粒担体、例えば酸性白土、アタパルジャイト、シリカまたは石灰岩砂に吸収または被覆された活性成分を含んで成る。
【0047】
湿潤粉末、顆粒または粒は通常、好適な界面活性剤および粘土または珪藻土などの不活性な粉末希釈剤と混合して活性成分を含んで成る。
【0048】
他の好適な濃縮物は、水または他の液体、界面活性剤および懸濁剤と共に化合物を粉砕することにより形成される流動性懸濁濃縮物である。
【0049】
植物に施用される本発明の組成物の活性成分濃度は、0.0001重量パーセントから1.0重量パーセント、特に0.0001重量パーセントから0.01重量パーセントの範囲内が好ましい。主要組成物において、活性成分の量は、広く変えることができ、例えば、組成物の5重量パーセントから95重量パーセントであり得る。
【0050】
本発明の化合物の利用では、一般に種子、植物またはそれらの生育地に施用される。したがって、この化合物は、種まき中または種まき前後に直接施用でき、その結果、土壌中の活性化合物の存在は、種子を攻撃する可能性がある菌類の生長を制御することができる。土壌を直接処理する場合、活性成分を、スプレイ、固体形顆粒の散布、または種子として同じ種まき時に挿入することによる種まきと同時に活性成分の散布など、土壌と緊密に混合できる任意の方法で施用できる。好適な施用率は、1ヘクタール当たり5gから1000g、より好ましくは1ヘクタール当たり10gから500gの範囲内である。
【0051】
他に、菌類が植物に出現し始める時期か、または防御手段として菌類の出現前のいずれかに、例えば、スプレイまたは振りかけることにより、活性化合物を直接施用することができる。このような両方の場合、好ましい施用態様は、葉状スプレイすることによる。植物が最もひどい被害となり得る時期である植物生育の初期段階に、菌類の良好な制御を獲得することが一般に重要である。必要と考えられる場合、スプレイまたは振りかけには、出現前後に除草剤を都合よく含むことができる。時には、植込み前または植込み中に、例えば好適な液体または固体組成物に根を浸すことにより、植物の根、球根、塊茎または他の発育球芽を処理することが実用的である。活性化合物を直接植物に施用する場合、好適な施用率は、1ヘクタール当たり0.025kgから5kg、好ましくは1ヘクタール当たり0.05kgから1kgである。
【0052】
さらに、本発明の化合物を、貯蔵の間の感染を予防するために収穫した果実、野菜または種子に施用することができる。
【0053】
さらに、本発明の化合物を、菌類および/または除草耐性などの特性を示すために遺伝学的に修飾された植物またはその一部に施用することができる。
【0054】
さらに、樹木および公衆衛生における適用において、本発明の化合物を菌類のインフェステーションを処理するのに用いることができる。また、本発明の化合物を家畜および養殖動物における菌類のインフェステーションを処理するのに用いることができる。
【0055】
本発明の化合物は、種々の方法のうち、知られた方法により調製できる。
【0056】
一般式Iの化合物は、図式1に従って一般式IIの化合物から調製できる。以下の反応条件は、変換を実行するために用いることができる:
a)Rがアルキルなどの基であるRNC(R)(OR)との反応;
b)ROC(R)=NCNとの反応;
c)Rが水素の場合、POClまたはSOClの存在下H(C=O)NRとの反応により;または
d)イソシアナートを形成するためにホスゲンとの反応、次いでRN(C=O)Rとの処理の2段階で。
【0057】
【化3】

【0058】
さらに、一般式Iの化合物の基RおよびRは、適切なアミンとの処理またはRまたはRが水素である場合、アシル化またはアルキル化によりRおよびRに関して定義された他の基に変換できる。
【0059】
一般式IIの化合物は、反応式2に従って式IIIの化合物におけるニトロ基の還元により調製できる。好ましい反応条件は、濃塩酸中、塩化スズとの反応を含んで成る。
【0060】
【化4】

【0061】
式IIaの化合物、すなわちAが直接結合である一般式IIの化合物は、Xが脱離基である反応式3に従って調製できる。
【0062】
【化5】

【0063】
式IIb化合物、すなわちRがハロゲンである一般式IIの化合物は、Xがハロゲンを示す反応式4に従って調製できる。Rが臭素の場合、好ましい反応条件は、好適な溶媒中、臭素と撹拌することを含んで成る。
【0064】
【化6】

【0065】
式IIcの化合物、すなわちAがNHC(=O)−である一般式IIの化合物;式IIdの化合物、すなわちAが直接結合であり、フタルイミド基の3位と4位に連結する曲線は、任意に置換された炭素環を表し、Rが任意に置換されたフタルイミドである式IIの化合物;および式IIeの化合物、すなわちAが直接結合であり、Rが、同一または異なってもよい1つまたは複数のR基により2位と5位に任意に置換されたピロリルである一般式IIの化合物が、反応式5に示された方法により式IVの化合物から調製できる。式IVのある一定の化合物に関して、収量を改良するために、Rのオルト位にあるアミノ基の保護/脱保護を要してもよい。
【0066】
【化7】

【0067】
式IIIaの化合物、すなわちAがA基である一般式IIIの化合物は、反応式6に従って式Vの化合物を式VIの化合物と反応させることにより調製し得る。Aは、化合物Vにおいて塩基性条件下アニオンを形成する基である。他にAは、1級または2級窒素原子の塩基である。Xは、脱離基、好ましくはハロゲンである。Aが酸素である場合、好ましい反応条件は、Vを水素化ナトリウムで処理し、次いでVIの添加を含んで成る。Aが硫黄である場合、好ましい反応条件は、エチルジイソプロピルアミンなどの3級アミンの存在下、VをVIと反応させることを含んで成る。Aが−CHR−である場合、好ましい反応条件は、低温でジメチルホルムアミド中、Vをカリウムt−ブトキシドで処理することを含んで成る。Aが塩基性窒素原子である場合、塩基は必要としない。
【0068】
【化8】

【0069】
式IIIbの化合物、すなわちAがA基である一般式IIIの化合物は、反応式7に従って、式VIIの化合物を式VIIIの化合物と反応させることにより調製し得る。Aは、化合物VIIにおいて塩基性条件下アニオンを形成する基である。Xは、脱離基、好ましくはハロゲンである。好ましい反応条件は、VIIを炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムで処理し、次いでVIIIの添加を含んで成る。
【0070】
【化9】

式IIIcの化合物、すなわちAがOである一般式IIIの化合物は、反応式8に従って式IXの化合物を式Xのホウ酸と反応させることにより調製し得る。好ましい反応条件は、酢酸銅とトリエチルアミンによる反応を含んで成る。
【0071】
【化10】

【0072】
式IIIdの化合物、すなわちAが直接結合である式IIIの化合物は、反応式9に従って、Xが脱離基、好ましくはハロゲンである式XIの化合物から調製し得る。
【0073】
【化11】

【0074】
Aが直接結合で、Rが複素環である式IIIの化合物は、当業界の化学者に知られた種々の方法を用いて調製できる(例えば、「Comprehensive Heterocyclic Chemistry」の第1〜7巻、A. R. KatritzkyおよびC. W. Reesを参照)。実施例によって、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基(化合物IIIe)および1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基(化合物IIIf)を含む式IIIの化合物への経路は、図式10および図式11に示される。
【0075】
【化12】

【0076】
【化13】

【0077】
他に、上記と類似の化学を用いて、式Iの化合物は、アミジン部の形成後、Rを導入することにより調製することができる。
【0078】
特に、我々は、式XIIの化合物を図式7の反応条件で処理することにより、式Iaの化合物、すなわちAが酸素である一般式Iの化合物を特に高収率で得られることを見出した(図式12を参照)。式XIIの化合物は、Tetrahedron Letters, 38 (31) 5403-5406に記載されたものと同様な方法により調製できる。
【0079】
【化14】

一般式XIIの幾つかの化合物は新規であるので、第3の態様に従って本発明は、一般式XIIaの化合物を提供し、
【0080】
【化15】

ここで、
が、各々置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環、または水素であり;
同一かまたは相異してもよいRおよびRは、Rに関して定義された任意の基;シアノ;アシル;Rは、各々が置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環である−ORまたは−SRであり;または、RおよびR、またはRおよびRが、相互に連結する原子と共に、置換されてもよい環を形成してもよく;
は、各々が置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環であり;
がt−ブチルでないという条件で、Rは、Rに関して定義された任意の基である。
【0081】
出発物質と中間体の調製方法となる他の方法は、当業界の化学者にとって明らかとなろう。
【0082】
さらに、本発明の化合物は、化学的に組合せた方法を用いて調製できる。
【0083】
本発明は、以下の実施例において例示される。単離された新規化合物の構造は、N.M.R.および/または他の適切な分析により確認された。プロトンN.M.R.スペクトル(HN.M.R.)は、重クロロホルム中で測定され、化学シフト(δ)は、テトラメチルシランの低磁場側に100万当たりの部分として示される。
【実施例1】
【0084】
N,N−ジメチル−N’−[4−(3−トリフロロメチルベンジルチオ)−2、5−キシリル]ホルムアミジン(化合物3)
段階b)からの生成物(1.0g)とN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.0ml)を、100℃にて4時間加熱した。冷却した混合物をジエチルエーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た、HN.M.R.δ(ppm)2.15(s、3H、ArCH)、2.20(s、3H,ArCH)、3.00(s、6H、N(CH)、3.95(s、2H、SCH)。
【0085】
出発物質の調製
a)2−ニトロ−5−(3−トリフロロメチルベンジルチオ)−p−キシレン
乾燥N−メチルピロリジノン(20ml)中、3−トリフロロメチルベンジルメルカプタン(3.42g)、ジイソプロピルエチルアミン(2.3g)と3−クロロ−6−ニトロ−p−キシレン(3.0g)の混合物を130℃にて6時間加熱した。冷却し、混合物を氷水に注ぎ、得られた混合物をろ過して固体を得、これを氷水で洗浄し、次いで風乾した。この固体を、軽石油(60〜80℃)/酢酸エチル(9:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を固体として得た、m.p.85〜7℃。
b)4−(3−トリフロロメチルベンジルチオ)−2,5−キシリジン
濃塩酸(24ml)とエタノール(50ml)中の塩化スズ(10.8g)の撹拌された混合物に、上記の段階a)からの生成物(2.46g)を加えて、混合物を75℃にて2時間加熱した。冷却して、水酸化カリウム溶液を冷却しながら徐々に加えた。この混合物をジエチルエーテル(×3)で抽出し、合わせた抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固して、軽石油(b.p.60〜80℃)/酢酸エチル(3:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た、m.p.58〜60℃。
【実施例2】
【0086】
N,N−ジエチル−N’−[4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2、5−キシリル]ホルムアミジン(化合物37)
窒素気流下、乾燥ジエチルエーテル(3ml)中のオキシ塩化リン(2.18g)を、乾燥ジエチルエーテル(3ml)中のN,N−ジエチルホルムアミド(1.43g)の撹拌溶液に滴下し、撹拌を20分間続けた。撹拌を止めて、混合物を2層に形成させた。上層のエーテル層をデカントにより除き、下層をジエチルエーテル(×3)で洗浄した。乾燥ジエチルエーテル(4ml)中の段階b)からの生成物(2g)を、次に滴下した。添加後、混合物を室温で1時間激しく撹拌した。上層のエーテル層をデカントにより除き、下層をジエチルエーテル(×2)で洗浄した。下層を水に注ぎ、混合物を炭酸ナトリウム溶液でpH9に調整した。この混合物をジエチルエーテル(×3)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥(MgSO)し、ろ過し、蒸発乾固して粗製の油状物が得られ、これをジエチルエーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た、HN.M.R.δ(ppm)1.20(t、6H,CH)、2.10(s、3H、ArCH)、2.20(s、3H,ArCH)、3.30〜3.50(br、4H、CCH)。
【0087】
出発物質の調製
a)2−ニトロ−5−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−p−キシレン
乾燥N−メチルピロリジノン(10ml)中の水素化ナトリウム(60%油中の0.4g)の懸濁液に、3−トリフロロメチルフェノール(1.62g)を徐々に加えた。発泡が終了したら、3−クロロ−6−ニトロ−p−キシレン(1.85g)を加えて混合物を120〜40℃にて5時間撹拌した。冷却し、混合物を水に注ぎ、混合物をジエチルエーテル(×3)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を乾燥(MgSO)し、ろ過し、蒸発して標題化合物を固体として得た、m.p.68〜71℃。
b)4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリジン
この化合物は、実施例1の段階b)からの生成物と同様の手法で調製した。
【実施例3】
【0088】
N−エチル−N−メチル−N’−[4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2、5−キシリル]ホルムアミジン(化合物45)
アセトニトリル(20ml)中の実施例4からの生成物(1g)およびメチルエチルアミン(0.885g)の混合物を室温にて1.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去して、水を加えた。この混合物をジエチルエーテル(×3)で抽出し、合わせたエーテル抽出物を乾燥(MgSO)し、ろ過し、蒸発乾固した。粗製の残渣を酢酸エチル/軽石油(b.p.40〜60℃)(4:6)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た、HN.M.R.δ(ppm)1.20(t、3H,CHCH)、2.10(s、3H、ArCH)、2.20(s、3H,ArCH)、3.00(s、3H、NCH)、3.40(br、2H、NCH)。
【実施例4】
【0089】
N−シアノ−N’−[4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2、5−キシリル]ホルムアミジン(化合物44)
実施例2の段階b)からの生成物(2g)のエタノール(5ml)溶液に、エチルシアノイミデート(0.7g)を室温にて滴下し、撹拌を室温で2時間続けた。エタノールを減圧留去して粗製の残渣が得られ、これを軽石油(b.p.40〜60℃)で粉砕し、次いで酢酸エチル/軽石油(b.p.40〜60℃)(4:6)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た、m.p.138〜40℃。
【実施例5】
【0090】
N,N−ジメチル−N’−[4−(3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−5−イロキシ)−2,5−キシリル]ホルムアミジン(化合物48)
ジメチルホルムアミド(10ml)中の出発物質(下記参照)(0.57g)懸濁液に、炭酸カリウム(0.62g)を加えて、この溶液を室温にて40分間撹拌した。5−ブロモ−3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール(0.72g)を加えて、この混合物を60℃にて3時間撹拌した。冷却した混合物を水(150ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×70ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出液を水(20ml)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、ろ過し、蒸発乾固して粗製物が得られ、ジエチルエーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を固体として得た、m.p.100〜5℃。
【0091】
出発物質の調製
N,N−ジメチル−N’−(4−ヒドロキシ−2,5−キシリル)ホルムアミジン
この化合物は、実施例1、2または3と同様の手法で4−アミノ−2,5−ジメチルフェノールから調製した、m.p.212℃。
【実施例6】
【0092】
N,N−ジメチル−N’−[4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,6−キシリル]ホルムアミジン(化合物20)
この化合物は、実施例1の方法に従って、下記の段階b)の生成物とジメチルホルムアミドジメチルアセタールから調製された、HN.M.R.δ(ppm)2.15(s、6H、ArCH)、3.00(s、6H、N(CH)。
【0093】
出発物質の調製
a)2−ニトロ−5−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−m−キシレン
ジクロロメタン(50ml)中、3,5−ジメチル−4−ニトロフェノール(1.67g)、3−トリフロロメチルベンゼンボロン酸(3.8g)、酢酸銅(II)(1.82g)およびトリエチルアミン(2.02g)の混合物を室温にて48時間撹拌した。この混合物を蒸発乾固し、軽石油(b.p.60〜80℃)/酢酸エチル(19:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を油状物として得た。
b)4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,6−キシリジン
この化合物は、実施例1の段階b)の方法に従って、上記段階a)の生成物から調製した。
【実施例7】
【0094】
N,N−ジメチル−N’−[6−ブロモ−4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリル]ホルムアミジン(化合物12)
この標題化合物は、実施例1の方法に従って、下記段階c)の生成物とジメチルホルムアミドジメチルアセタールから調製した、HN.M.R.δ(ppm)2.17(s、3H、ArCH)、2.22(s、3H、ArCH)、3.05(s、6H、N(CH)。
【0095】
出発物質の調製
a)2−ニトロ−5−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−p−キシレン
この標題化合物は、実施例6の段階a)に従って、2,5−ジメチル−4−ニトロフェノールと3−トリフロロメチルベンゼンボロン酸とから調製した。
b)4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリジン
この標題化合物は、実施例1の段階b)の方法に従って、段階a)の生成物から調製した。
c)6−ブロモ−4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリジン
ジクロロメタン(20ml)中、上記の段階b)からの生成物(1.12g)の撹拌溶液に、ジクロロメタン(5ml)中の臭素(0.64g)を0℃にて滴下した。この混合物を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)し、ろ過して蒸発することにより粗製の油状物が得られ、これを酢酸エチル/軽石油(b.p.60〜80℃)(1:4)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。
【実施例8】
【0096】
N,N−ジメチル−N’−[4−(3−トリフロロメチルフェニル)−2,5−キシリル]ホルムアミジン(化合物53)
この標題化合物は、実施例1の方法に従って、下記段階c)の生成物とジメチルホルムアミドジメチルアセタールから調製した、HN.M.R.δ(ppm)2.00(s、3H、ArCH)、2.20(s、3H、ArCH)、3.00(s、6H、N(CH)。
【0097】
出発物質の調製
a)N−(4−ブロモ−2,5−キシリル)ピバラミド
4−ブロモ−2,5−キシリジン(8g)のピリジン(60ml)溶液に、塩化ピバロイル(4.7ml)を室温で加えた。30分後、混合物を希塩酸/氷の溶液に注いだ。沈殿物をろ過し、水で洗浄して標題生成物を得た。
b)N−(4−(3−トリフロロメチルフェニル)−2,5−キシリル)ピバラミド
段階a)の生成物(9.1g)のジメトキシエタン(14ml)溶液に、塩化トリフェニルホスフィンパラジウム(II)(触媒量)を加えて10分間撹拌した。3−トリフロロメチルフェニルボロン酸(6.03g)、重炭酸ナトリウム(8.1g)および水(102ml)を加えて、この混合物を還流下4時間加熱した。冷却し、1N水酸化ナトリウム溶液(94ml)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して標題生成物を得た。
c)4−(3−トリフロロメチルフェニル)−2,5−キシリジン
氷酢酸(36ml)中の段階b)からの生成物(10.4g)を、70℃にて
塩酸(15%溶液の24.5ml)により処理した。混合物を100℃にて3日間撹拌した。冷却し、水を加えて、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して標題生成物を得た。
【実施例9】
【0098】
N,N−ジメチル−N’−[4−(3−トリフロロメチルベンジル)−2,5−キシリル]ホルムアミジン(化合物264)
この標題化合物は、実施例1と同様の手法で、下記段階d)の生成物から調製した、m.p.75〜7℃。
【0099】
出発物質の調製
a)2−ニトロ−5−(α−シアノ−3−トリフロロメチルベンジル)−p−キシレン
標題化合物は、J. Med. Chem., 40, 3942 (1997)の方法に従って、2−クロロ−5−ニトロ−p−キシレンと3−トリフロロメチルベンジルシアニドとから調製した。
b)2−ニトロ−5−(3−トリフロロメチルベンゾイル)−p−キシレン
カリウムt−ブトキシド(1.12g)を、段階a)からの生成物(3.3g)の乾燥ジメチルホルムアミド(30ml)溶液に0℃にて加えて、0℃にて5分間撹拌した。過酸化水素水(3.5ml、30%)を滴下し、約3℃にて6時間撹拌を続けた。この反応混合物を2日間室温にて放置した。この反応混合物を希塩酸(500ml)に注いで、メタ重亜硫酸ナトリムを加えた。この混合物をジエチルエーテル(2×200ml)で抽出し、水(2×20ml)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して粗製物を得た。軽石油(b.p.40〜60℃)からの粉砕により固体が得られ、ジイソプロピルエーテルから再結晶して標題生成物を得た。
c)2−ニトロ−5−(3−トリフロロメチルベンジル)−p−キシレン
段階b)の生成物(1g)のジクロロメタン(20ml)溶液に、0℃にてトリフロロメタンスルホン酸(0.6ml)のジクロロメタン(10ml)溶液を加えた。ジクロロメタン(10ml)溶液中のトリエチルシラン(0.8ml)を加えて、0℃にて10分間撹拌した。さらなる量のトリフロロメタンスルホン酸(0.6ml)、次いでさらなる量のトリエチルシラン(0.8ml)を加えた。この混合物を室温までに温め、1時間撹拌した。この混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)に注いで、無機の固体をろ過した。この層を分離して、水層をジクロロメタン(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を蒸発させ、再結晶して固体を得た、m.p.75〜7℃。
d)4−(3−トリフロロメチルベンジル)−2,5−キシリジン
この標題化合物は、実施例1の段階b)に従って、段階c)の生成物から調製した。
【実施例10】
【0100】
N,N−ジメチル−N’−[4−(4−フロロベンツアミド)−2,5−キシリル]ホルムアミジン(化合物98)
この標題化合物は、実施例1と同様の手法で、出発物質から調製した、m.p.166〜8℃。
【0101】
出発物質の調製
N−(4−アミノ−2,5−キシリル)−4−フロロベンツアミド
p−キシリレンジアミン(3.0g)とエチルジイソプロピルアミン(3.8ml)のジクロロメタン(300ml)溶液に、0℃にて塩化4−フロロベンゾイル(3.5g)を滴下した。この混合物を室温まで温め、4時間撹拌を続けた。水(200ml)を加えて混合物を30分間撹拌した。混合物をろ過し、水とジクロロメタンにより洗浄した。有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発して固体を得た、m.p.174〜6℃。
【実施例11】
【0102】
N,N−ジメチル−N’−(4−フタルイミド−2,5−キシリル)ホルムアミジン(化合物80)
この標題化合物は、実施例1と同様の手法で、出発物質から調製した、m.p.170〜3℃。
【0103】
出発物質の調製
N−(4−アミノ−2,5−キシリル)フタルイミド
p−キシリレンジアミン(1.0g)のN−メチルピロリジノン溶液に、N−メチルピロリジノン(10ml)中の無水フタル酸(1.1g)を加えた。この混合物を150℃にて4時間加熱した。冷却し、混合物を水に注いで、次にろ過した。このケークを水で洗浄し、乾燥した、m.p.167〜9℃。
【実施例12】
【0104】
N,N−ジメチル−N’−[4−(2,5−ジメチル−1−ピロリル)−2,5−キシリル)]ホルムアミジン(化合物79)
この標題化合物は、実施例1と同様の手法で、下記の段階c)から調製した、m.p.90〜1℃。
【0105】
出発物質の調製
a)N−(4−アミノ−2,5−キシリル)アセトアミド
10℃以下に維持されたp−キシレンジアミン(2.0g)のジクロロメタン(200ml)溶液に、N,N−ジイソプロピルアミン(2.52ml)を加え、次いでアセチルクロリド(1.15g)滴下により加えた。この混合物を室温に達するまで放置し、一晩撹拌した。水(120ml)を加えて、懸濁液をろ過した。ろ取した固体をジクロロメタン(2×100ml)と水(100ml)で洗浄した。全てのろ液を合わせて有機層を分離した。この有機層を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発して標題生成物を固体として得た、m.p.133〜5℃。
b)N−[4−(2,5−ジメチル−1−ピロリル)−2,5−キシリル]アセトアミド
段階a)からの生成物(1.0g)をアセトニルアセトン(0.7ml)に添加し、この混合物を140℃にて4時間加熱した。冷却し、混合物をジクロロメタンに溶解し、この溶液をMgSOを通してろ過した。濃縮により粗製物を得、ジエチルエーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題生成物を得た。
c)2,5−ジメチル−4−(2,5−ジメチル−1−ピロリル)アニリン
段階b)からの生成物(0.6g)、水酸化ナトリウム水溶液(10ml、10%)およびエタノール(30ml)の混合物を、還流下24時間加熱した。冷却し、この混合物をジエチルエーテル(×2)で抽出した。合わせたジエチルエーテル抽出物を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して粗製物を得た。シリカを通すろ過により標題生成物を得た。
【実施例13】
【0106】
N,N−ジメチル−N’−[4−(2−ベンゾ[b]チオフェニル)−2,5−キシリル)]ホルムアミジン(化合物187)
この標題化合物は、実施例1と同様の手法で、下記の段階b)から調製した、m.p.67〜8℃。
【0107】
出発物質の調製
a)2−(4−ニトロ−2,5−キシリル)ベンゾ[b]チオフェン
トルエン(60ml)およびエタノール(22ml)中の2−ブロモ−5−ニトロ−p−キシレン(200g)、2−ベンゾ[b]チオフェンボロン酸(200g)、(PhP)Pd(0.36g)の混合物を、一晩、還流加熱した。酢酸エチルと水を加えて、有機層を分離した。有機層を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、シリカの詰め物を通してろ過し、標題生成物を得た。
b)2,5−ジメチル−4−(2−ベンゾ[b]チオフェル)アニリン
この標題化合物は、実施例1の下記の段階b)に従って、上記の段階a)の生成物から調製した。
【実施例14】
【0108】
N,N−ジメチル−N’−{[4−[5−(4−クロロフェニル)−1、2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2−トリル]}ホルムアミジン(化合物179)
この標題化合物は、実施例1に従って、下記の段階c)の生成物から調製した、m.p.136〜7℃。
【0109】
出発物質の調製
a)3−メチル−4−ニトロベンツアミドオキシム
3−メチル−4−ニトロベンゾニトリル(5g)のエタノール(100ml)溶液に、室温で塩酸ヒドロキシルアミン(2.25g)、次いでトリエチルアミン(4.5ml)を加えた。混合物を2.5時間還流下加熱した。冷却し、混合物を最初の量の1/3に蒸発し、水(200ml)へ注いだ。混合物をろ過し、標題化合物を固体として得た、m.p.127〜9℃。
b)5−(4−クロロフェニル)−3−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−1、2,4−オキサジアゾール
段階a)からの生成物(1.9g)とトリエチルアミン(1.62ml)のジクロロメタン(50ml)溶液に、室温で塩化4−クロロベンゾイル(2.05g)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌し、次に水で洗浄した。トルエン(100ml)を加えて、この混合物をディーンスターク条件下、5時間加熱した。冷却し、混合物をろ過し濃縮した。ジイソピルアミンと軽石油(b.p.40〜60℃)での粉砕により標題生成物を与えた、m.p.145〜7℃。
c)4−[5−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−2−メチルアニリン
この標題化合物は、実施例1に従って、段階b)の生成物から調製した。
【実施例15】
【0110】
N,N−ジメチル−N’−[4−[5−t−ブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルフェニル]ホルムアミジン(化合物211)
この標題化合物は、実施例1に従って、下記の段階c)の生成物から調製した、m.p.79〜80℃。
【0111】
出発物質の調製
a)N−(3−メチル−4−ニトロベンゾイル)−N’−ピバロイルヒドラジン
3−メチル−4−ニトロベンゾイルヒドラジン(3.9g)のジクロロメタン(100ml)溶液に、トリエチルアミン(3.06ml)、続いて塩化ピバロイル(2.6ml)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。軽石油(b.p.60〜80℃)での粉砕により標題生成物を得、m.p.125〜7℃。
b)5−t−ブチル−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
段階a)で調製された生成物(5.0g)をトルエン(200ml)中で撹拌し、5酸化リン(10g)で処理した。混合物を還流下2時間加熱し、次いで氷水中に注いだ。この混合物をジエチルエーテルで抽出し、抽出物を乾燥(MgSO)し、濃縮した。残渣をジエチルエーテル/軽石油(b.p.60〜80℃)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題生成物を得た、m.p.123〜5℃。
c)2−(4−アミノ−3−メチル)―5−t−ブチル−1,3,4−オキサジアゾール
この標題化合物は、実施例1の段階b)に従って、段階b)の生成物から調製した。
【実施例16】
【0112】
N−シアノ−N−メチル−N’−[4−(4−クロロ−3−トリフロロメチルフェノキシ)−2−キシリル]ホルムアミジン(化合物373)
テトラヒドロフラン(10ml)中の段階c)からの生成物(0.4g)を水素化ナトリウム(0.05g)で処理した。ヨードメタン(0.075ml)を加えて、この混合物を撹拌した。この混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO)し、蒸発させた。残渣生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題生成物を得た、HN.M.R.δ(ppm)2.10(s、3H、ArCH)、2.20(s、3H、ArCH)および3.35(s、3H、NCH)。
【実施例17】
【0113】
N−シアノ−N’−[4−(4−クロロ−3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリル]ホルムアミジン(化合物397)
この標題化合物は、実施例4に従って、上記の段階b)の生成物から調製した、m.p.111〜4℃。
【0114】
出発物質の調製
a)2−ニトロ−5−(4−クロロ−3−トリフロロメチルフェノキシ)−p−キシレン
この標題化合物は、実施例2の段階a)に従って調製した。
b)4−(4−クロロ−3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリジン
この標題化合物は、上記の段階a)の生成物から実施例1の段階b)に従って調製した。
【0115】
式Iaの以下の化合物(表1を参照)、すなわち−A−Rが、アミジン部のパラ位にある一般式Iの化合物は、実施例1から実施例17のものと類似の方法により調製できる。ここで、結合Aの右側に描かれた部分は、Rに結合している;
【0116】
【化16】

【0117】
【表1】














【0118】
個別の融点を持たない表1のこれらの化合物は、下表2に示されるように特徴的なHN.M.R.を有する。
【0119】
【表2】











【0120】
式Ibの以下の化合物(表3参照)、すなわち、Rが水素、Rがメチル、Rがメチル、Rがフェニル環の5位に置換されたメチルであり、−A−Rがアミジン部に対してパラ位にあり、3−Bu−フェノキシである一般式Iの化合物は、結合Aの右側に描かれた部分が、Rに結合している実施例1から17のものと類似の方法により調製され得る。
【0121】
【化17】

【0122】
【表3】

【0123】
個別の融点を持たない表3のこれらの化合物は、下表4に示されるように特徴的なHN.M.R.を有する。
【0124】
【表4】

【実施例18】
【0125】
硫酸N,N−ジメチル−N’―[4−(3−トリフロロメチルフェノキシ)−2,5−キシリル]ホルムアミジン塩(化合物602)
化合物1(表1参照)(0.3g)のエタノール(0.3ml)溶液に、濃硫酸(0.098g)を滴下により加えた。混合物をろ過し、得られた個体をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物を固体として得た、m.p.178〜80℃。
【0126】
式Xの以下の化合物(表4参照)、すなわち、−A−Rがアミジン部に対してパラ位にあり、Rが水素、Rがメチルであり、Anがアニオンであり、uがアニオンの価数に依存して1または2である一般式Iの塩は、実施例18と類似の方法により調製できる。
【0127】
【化18】

【0128】
【表5】

【0129】
個別の融点を持たない表4のこれらの化合物は、以下の特徴的なCDCl中のHN.M.R.データを有する。
【0130】
化合物605
HN.M.R.δ(ppm)2.15(s、3H、ArCH)、2.25(s、3H、ArCH)、3.20(s、3H、N(CH))、3.25(s、3H、N(CH))、10.20〜10.80(br、1H、NH)
化合物609
HN.M.R.δ(ppm)0.75(s、3H、CCH)、1.05(s、3H、CCH)、1.25(d、2H、CH)、1.75〜1.95(m、3H)、2.15(s、3H、ArCH)、2.20(m、1H、CH)、2.25(s、3H、ArCH)、2.35(d、1H、CH)、2.60(t、1H、CH)、2.85(d、1H、CH)、3.20(s、3H、N(CH))、3.30(s、3H、N(CH))
式Icの以下の化合物(表5を参照)、すなわちRおよびRが、水素、R、RおよびRがメチルである一般式Iの化合物は、実施例1から17の化合物と類似の方法により調製できる。ここで、結合Aの右側に描かれた部分は、Rに結合している。
【0131】
【化19】

【0132】
【表6】

【0133】
試験例
化合物は、1つまたは複数の以下のものに対する活性に対して評価された:
Phytophthora infestans:後発のトマトの胴枯病
Plasmopara viticola:蔓茎のベト病
Erysiphe graminis f. sp. tritici:麦のうどんこ病
Pyricularia oryzae:イネ枯れ病
Leptosphaeria nodorum:包穎の斑点病
適当な場合、湿潤剤を含む所望の濃度での化合物の水溶液または分散液を、試験植物の幹の基部にスプレイまたは浸すことにより散布した。適当な場合、ある与えられた時間の後、植物または植物部分を、化合物の散布前後に適当な試験病原体にて接種し、植物の成長および病気の発症を維持するのに好適な制御された環境条件下に維持した。適当な時間の後、植物の影響を受けた部分の感染度を視覚的に算定した。化合物は、1から3のスコアで評価され、1は、制御が殆ど無いかまたは無制御、2は、中等度制御、3は、全制御に対する良好性を示す。500ppm(w/v)の濃度で、以下の化合物が、特定の菌類に対しスコア2以上を示した。
Phytophthora infestans
7、8、28、30、36、46および271。
Plasmopara viticola
149、331、373および364。
Erysiphe graminis f. sp. Tritici
1〜5、7〜9、11〜13、15〜24、26、28〜41、43、45、46、48、51、52、55、56、58、59、61、62、65、68、76、84、86、90、100、101、104〜106、109、112、113、120、123、124、130、135、138、139、140、141、143、146、149、160、166、171、173〜175、183、187〜190、193〜196、200、203〜205、207〜209、213、215〜217、223、225、228、231、232、234、237、246、250、252、253、256、258、259、261、262、264、266〜272、277、279、281、282、284、286〜288、290、291、295、298、299、301、303、310〜312、318、325、326、330、331、335、346、347、349、351、353、355〜357、359、361、364、365〜368、370〜372、374、376〜379、392、396、398、502、504、600、601、610および611。
Pyricularia oryzae
7、17、20、21、23、26〜28、30、32、34、36、38、41、43、45、51、54、55、59、63、94、140、143、146、163、225、325、352、353、360、368、600および611。
Leptosphaeria nodorum
1、2、5、7、8、15、27、29、35、37、41、43、45、48、56、59、61、72、100、130、160、170、181、194、208、214、235、246、283、284、290、303、310、311、312、325、326、351、364、369、378および392。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[式中、Rは、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環もしくは複素環、または水素であり;
およびRは、同一かまたは相異してもよく、Rに関して定義された任意の基、シアノ、アシル、−ORまたは−SRであり、Rは各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環であり;または、RおよびR、若しくはRおよびRは、それらが結合している原子と共に、置換されていてもよい環を形成していてもよく;
は、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環もしくは複素環、ヒドロキシ、メルカプト、アジド、ニトロ、ハロゲン、シアノ、アシル、置換されていてもよいアミノ、シアナト、チオシアナト、−SF、−OR;−SRまたは−Si(Rであり;
mは0から3であり、
が存在する場合、他のいずれものRと同一かまたは相異してもよく、Rに関して定義された基であり、
は、置換されていてもよい炭素環または複素環であり;
Aは、直接結合、−O−、−S(O)−、−NR−、−CR=CR−、−C≡C−、−A−、−A−A−、−O−(A−O−、−O−(A−、−A−、−A−、−AO−、−AS(O)−、−A−、OA−、−NR−、−OA−A−、−OA−C(R)=C(R)−、−S(O)−、−A−A−、−A−A−C(R)=N−N=CR−、−A−A−C(R)=N−X−X−、−A−A−A−、−A−A−N(R)−、−A−A−X−CH−、−A−A−A−、−A−A−CHX−、−A−A−C(R)=N−X−X−X−、−A−X−C(R)=N−、−A−X−C(R)=N−N=CR−、−A−X−C(R)=N−N(R)−、−A−X−A−X−、−A−O−A−、−A−O−C(R)=C(R)−、−A−O−N(R)−A−N(R)−、−A−O−N(R)−A−、−A−N(R)−A−N(R)−、−A−N(R)−A−、−A−N(R)−N=C(R)−、−A−A−、−A−A−、−A−NR−、−A−A−X−、−A−A−A−X−、−O−A−N(R)−A−、−CR=CR−A−X−、−C≡C−A−X−、−N=C(R)−A−X−、−C(R)=N−N=C(R)−、−C(R)=N−N(R)−、−(CH−O−N=C(R)−または−X−A−N(R)−であり、ここで
nは、0、1または2であり、
kは、1から9であり、
は、−CHR−であり、
は、−C(=X)−であり、
は、−C(R)=N−O−であり、
は、−O−N=C(R)−であり、
Xは、OまたはSであり、
は、O、S、NRまたは直接結合であり、
は、O、NRまたは直接結合であり、
は、水素、−C(=O)−、−SO−または直接結合であり、
は、他のいずれものRと同一かまたは相異してもよく、各々置換されていてもよいアルキル、シクロアルキルもしくはフェニル;または水素、ハロゲン、シアノもしくはアシルであり;
は、他のいずれものRと同一かまたは相異してもよく、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、炭素環もしくは複素環;または水素であり;
は、他のいずれものRと同一かまたは相異してもよく、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよい炭素環もしくは複素環、水素またはアシルであり;または、Aにおける2つのR基が、結合している原子と共に5員環から7員環を形成しており、
結合Aの右側に描かれた部分が、Rに結合しており;または−A−RおよびRが、ベンゼン環Mと共に置換されていてもよい縮合環系を形成する]
の化合物およびその塩の殺菌剤としての使用。
【請求項2】
が、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンもしくは置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または水素である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
が、C〜C10アルキルまたは水素である請求項1に記載の使用。
【請求項4】
同一かまたは相異してもよいRおよびRが、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであり;または水素;アルコキシ;アルコキシアルコキシ;ベンジルオキシ;シアノ;もしくはアルキルカルボニルである請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
同一かまたは相異してもよいRおよびRが、C〜C10のアルキルまたは水素である請求項4に記載の使用。
【請求項6】
が、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンもしくは置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであり;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシ;もしくはアルキルチオである請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
が、C〜C10アルキルまたはハロゲンである請求項6に記載の使用。
【請求項8】
mが、0または1である請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
が、存在する場合、請求項6のRに関して定義された基である請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
基が、存在する場合、M環の5位に結合している請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
Aが、直接結合、−O−、−S(O)−、−O(A−、−S(O)−、−NR−、−A−、−OA−、−OA−A−、−NR−または−O(AO−である請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
Aが、直接結合、−O−、−S−、−NR−、−CHR−または−O−CHR−である請求項11に記載の使用。
【請求項13】
が、存在する場合、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンもしくは置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;または水素である請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
が、存在する場合、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンもしくは任意に置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであり;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオ;もしくは水素である請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
Aが、ベンゼン環Mの4位に結合している請求項1から14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
が、置換されていてもよいフェニルまたは置換されていてもよい芳香族複素環である請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
が、置換されている場合、同一かまたは相異してもよく、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環もしくは複素環;ヒドロキシ;メルカプト;アジド;ニトロ;ハロゲン;シアノ;アシル;置換されていてもよいアミノ;シアナト;チオシアナト;−SF;−OR;−SRおよび−Si(R(Rは、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環である)のリストから選択され得る、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい、請求項1から16のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
が、置換されている場合、同一かまたは相異してもよく、ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アミノ;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;アルキル;ハロアルキル;RO−アルキル;アシルオキシアルキル;シアノ−オキシアルキル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオ;およびアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより置換されていてもよい炭素環;並びにアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより置換されていてもよいベンジルのリストから選択され得る、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
一般式I:
【化2】

[式中、Rは、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオもしくはハロゲンにより置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または水素であり;
同一かまたは相異してもよいRおよびRは、Rに関して定義されたものであり;またはアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ベンジルオキシ、シアノまたはアルキルカルボニルであり;
が、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオもしくはハロゲンにより置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;またはアシルであり;
mは、0または1であり;Rが存在する場合、Rに関して定義された基であり;
Aは、直接結合、−O−、−S−、−NR−、−CHR−または−O−CHR−であり、ここで
が存在する場合、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオもしくはハロゲンにより置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または水素であり;Rは、Rに関して定義された基であり、またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシまたはアルキルチオであり;
Aは、ベンゼン環Mの4位に結合しており;
は、同一かまたは相異してもよく、ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アミノ;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;アルキル;ハロアルキル;RO−アルキル;アシルオキシアルキル;シアノ−オキシアルキル;アルコキシ;ハロアルコキシ;アルキルチオ;アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより置換されていてもよい炭素環;およびアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルキルチオにより置換されていてもよいベンジルのリストから選択され得る、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよいフェニルまたは芳香族複素環である]
の化合物およびその塩の殺菌剤としての使用。
【請求項20】
一般式I:
【化3】

[式中、Rは、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環もしくは複素環であるか、または水素であり;
およびRは、同一かまたは相異してもよく、Rに関して定義された基であるか、またはそれらが結合している窒素と共に、置換されていてもよい環を形成していてもよく;
は、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環であり;
mは1であり、
は、ベンゼン環Mの5位に結合された、Rに関して定義された基であり、
は、置換されていてもよい炭素環または複素環であり、
Aは、直接結合;−O−;−S−;−NR−(ここでRは、各々アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンもしくは置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニルである);−CHR−または−O−CHR−(ここでRは、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲンまたはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシもしくはアルキルチオにより置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか;またはヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アシル;アルコキシ;ハロアルコキシまたはアルキルチオである)であり;
−A−Rは、ベンゼン環Mの4位にあり、結合Aの右側に描かれた部分がRに結合しており;
または−A−RおよびRが、ベンゼン環Mと共に、置換されていてもよい縮合環系を形成する]
の化合物およびその塩。
【請求項21】
農業的に許容できる希釈剤または担体と混合して、請求項20に記載される少なくとも1つの化合物を含んで成る殺菌剤組成物。
【請求項22】
菌類の繁殖した場所、または繁殖しやすい場所に、請求項1から21のいずれか一項に定義される化合物を施用することを含んで成る、菌類を防除する方法。
【請求項23】
一般式XIIa:
【化4】

[式中、Rは、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環もしくは複素環であるか、または水素であり;
およびRは、同一かまたは相異してもよく、Rに関して定義された基;シアノ;アシル;−ORまたは−SRであり、Rは各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環もしくは複素環であり;またはRおよびR、若しくはRおよびRが、それが結合している原子と共に、置換されていてもよい環を形成していてもよく;
は、各々置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環または複素環であり;
は、Rに関して定義された基である、但しt−ブチルではない]
の化合物。

【公開番号】特開2011−57678(P2011−57678A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−216521(P2010−216521)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【分割の表示】特願2000−597256(P2000−597256)の分割
【原出願日】平成12年2月4日(2000.2.4)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】