説明

NAD/NADHの安定化

【課題】生化学的検出に使用される安定なニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD/NADH)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸塩(NADP/NADPH)を提供する。
【解決手段】加水分解に対する感受性を無効にし、かつ同時に酵素反応における補酵素として活性な特定構造の化合物またはその塩もしくは任意の還元型を含む検体測定用テストエレメント。
【効果】特にグルコース測定用として、安定した生物分析測定システムが達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定なニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD/NADH)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド リン酸塩(NADP/NADPH)誘導体、それら誘導体の酵素複合体および生化学的検出方法におけるその使用および試薬キットに関する。
【背景技術】
【0002】
生化学的分析用測定システムは、臨床関連分析法の重要な構成要素である。これは、主として、検体たとえば、直接的または間接的に酵素を用いて測定される代謝産物または基質の測定に関する。検体は、酵素−補酵素複合体を用いて変換されかつ続いて測定される。このプロセスにおいて、測定される検体は、適当な酵素および補酵素と接触され、そこでは、酵素は、通常触媒量で使用される。補酵素は、酵素反応により酸化されるまたは還元されるなどの変化を受ける。このプロセスは、直接的にまたは媒介物によってのいずれかにより、電気化学的に、または測光的に検出できる。補正により、測定値と測定される検体の濃度とのあいだの直接相関関係が得られる。
【0003】
補酵素は、酵素に共有結合で、または非共有結合で結合される有機分子であり、検体の変換により変化する。補酵素の著名な例は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸塩(NADP)であり、それからNADHまたはNADPHがそれぞれ還元により生成される。
【0004】
先行技術より公知の測定システムは、制限された保管寿命により、またこの貯蔵安定性を達成するための冷却または乾燥貯蔵などの環境のための特別な必要条件により特徴づけられる。このため、不正確な、不注意の、不完全な貯蔵に起因する誤った結果が、特定の利用形態たとえば、血液グルコース自動モニタリング等、最終ユーザーにより行われるテストの場合などに生じ得る。特に、過剰な期間一次包装品を開けることにより、乾燥剤が消耗し、あるシステムの場合には、消費者によりほとんど認識されない程度の測定誤差を生じることになる。
【0005】
生化学的測定システムの安定性を増加させるために使用され得る公知の手段は、安定な酵素の使用、たとえば好熱性生物由来の酵素の使用である。化学修飾、たとえば架橋または突然変異誘発などにより酵素を安定化することも可能である。さらに、トレハロース、ポリビニルピロリドンおよび血清アルブミンなどの酵素安定化剤も添加でき、または酵素を光重合などにより高分子ネットワークに包接することもできる。
【0006】
安定な媒介物を用いることにより、生化学的測定システムの保管寿命を改良することが、従来からも行われてきた。これにより、テストの特異性が増大し、かつ最小の酸化還元電位を有する媒介物を用いることにより、反応のあいだの干渉が除去される。しかし、酵素/補酵素複合体の酸化還元電位は、酸化還元電位に対する下限値を構成している。これらの酸化還元電位がこの下限値以下になると、媒介物との反応が、減速されまたは邪魔されることもある。
【0007】
あるいは、媒介物を用いずに、たとえば補酵素NADHなどの補酵素が、直接的に検出される生化学的測定システムを使用することもできる。しかし、そのような測定システムの不利な点は、NADおよびNADPなどの補酵素が、不安定であるということである。
【0008】
NADおよびNADPは、塩基に不安定な分子であり、その分解経路は、文献に記載されている(N.J.オッペンハイマー、ピリジンヌクレオチド補酵素、アカデミー出版、ニューヨーク、ロンドン1982年、J.エヴァース、B.アンダーソン、K.ヨウ、編集者、第三章56〜65頁)。本質的には、ADP−リボースは、リボースとピリジン単位間のグリコシル結合の開裂によるNADおよびNADPの分解のあいだに形成される。しかし、還元型のNADHおよびNADPHは、酸に不安定であり;たとえば、エピマー化が、公知の分解経路である。両ケースにおいて、NAD/NADPおよびNADH/NADPHの不安定性は、リボースとピリジン単位間のグリコシル結合の不安定さに起因している。しかし、水溶液中などのより強烈ではない条件下においても、補酵素NADまたはNADPは、周囲湿度により、既に単独で加水分解される。この不安定性のために、検体を測定する際に、不正確さが生じ得る。
【0009】
多数のNAD/NADP誘導体が、たとえばB.M.アンダーソン、ピリジンヌクレオチド補酵素、アカデミー出版、ニューヨーク、ロンドン1982年、J.エヴァース、B.アンダーソン、K.ヨウ、編集者ら、第四章中に記載されている。しかし、これら誘導体の大抵のものは、酵素によりうまく受容されない。したがって、以前診断テストに使用された唯一の誘導体は、3−アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド(アセチルNAD)であり、それは1956年に初めて述べられている(N.O.カプラン、J.Biol.Chem.(1956年)221巻、823頁)。この補酵素も酵素によりうまく受容されず、酸化還元電位において変化を示す。
【0010】
修飾されたピリジン基を有する他のNAD誘導体の使用は、国際公開第01/94370号パンフレット中に記載されている。しかし、ニコチンアミド基の修飾は、通常触媒反応に直接的な影響を与える。大抵の場合には、この効果はネガテイブである。
【0011】
他の安定化コンセプトにおいては、リボース単位がグリコシル結合の安定性に影響を与えるよう修飾された。このプロセスは、ニコチンアミド基の触媒反応に、直接には干渉しない。しかし、酵素が、リボース単位に強固にまた特異的に結合するやいなや、間接的効果となり得る。この関連において、カウフマンらは、国際公開第98/33936号パンフレット、米国特許5,801,006号明細書および国際公開第01/49247号中に多数のチオリボース−NAD誘導体を開示している。しかし、ニコチンアミドリボース単位の修飾と酵素反応における誘導体の活性とのあいだの相関関係は、以前から示されてこなかった。
【0012】
グリコシル結合のない誘導体であるカルバNADは、1988年に初めて示された(J.T.スラマ、バイオケミストリー 1989年、27巻、183頁およびバイオケミストリー 1989年、28巻、7688頁)。この誘導体においては、リボースは、炭素環式糖単位により置換されている。カルバNADはデヒドロゲナーゼに対する基質として記載されたが、その活性は、臨床的生化学的検出法においては未だ証明されてない。
【0013】
後に、G.M.ブラックバーン、Chem.Comm.1996年、2765頁により天然ピロリン酸塩の代わりに、メチレンビスホスホン酸塩を用いてカルバNADを合成するための同様のアプローチが記載された。メチレンビスホスホン酸塩は、ホスホターゼに対してより安定であり、ADPリボシルシクラーゼに対する阻害剤として使用された。この目的は、それの加水分解に対する抵抗性を強めるためではなかった(J.T.スラマ、G.M.ブラックバーン)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、NAD/NADPの加水分解に対する感受性を無効にし、かつ同時に酵素反応における補酵素として活性な、特にグルコース測定用の安定した生物分析測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本目的は、(i)補酵素依存性酵素またはそのような酵素に対する基質および(ii)補酵素として次の一般式(I)の化合物またはその塩もしくは任意の還元型を含むことを特徴とする検体測定用テストエレメントにより達成される。
【化1】

式中、
Aは、アデニンまたはその類似体であり、
Tは、それぞれの場合において、独立してO、Sを示し、
Uは、それぞれの場合において、独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-を示し、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中Rは、それぞれの場合において、独立してHまたはC1−C2アルキルを示し、
1、X2は、それぞれの場合において、独立してO、CH2、CHCH3、C(CH32、NH、NCH3を示し、
Yは、NH、S、O、CH2であり、
Zは、(i)4〜6個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含む直鎖基であり、そこでは、1個または2個の炭素原子が、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子により置換されていてもよく、または(ii)任意には、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子ならびに任意には1つ以上の置換基を含む6個の炭素原子を含む環状化合物、および該環状化合物およびX2に結合されたCR42残基(式中R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、CH3を示す)を含む基であり、
ただし、Zおよびピリジン残基はグリコシド結合により連結されていない。
【0016】
好ましい実施態様においては、WがCONH2またはCOCH3である。
【0017】
Z上の好ましい置換基は、OH、F、ClおよびC1−C2アルキルから選択され、C1−C2アルキルは任意にはフッ素化されている、または塩素化されている、または/およびOH置換、O−C1−C2アルキルである。
【0018】
好ましい実施態様においては、Zは−CR42−Cyc−で表され、式中、−Cyc−は、任意には、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子ならびに任意には1つ以上の置換基を含む6個の炭素原子を含む環状化合物を含む基であり、CR42は前記に定義される。
【0019】
好ましい実施態様においては、テストエレメントはグルコースを測定するために使用され、グルコースデヒドロゲナーゼおよび前記一般式(I)の化合物またはその塩を含む。
【発明の効果】
【0020】
驚くべきことに、本発明による化合物は加水分解に対して安定であり、酵素的検出方法において良好な基質であり、また生化学的診断薬としても使用できる。この知見は、従来の既知のNAD/NADP誘導体のほとんどと、それら誘導体は通常酵素的検出方法において非常に短い期間のみ安定的であるので、対照的である。
【0021】
先行技術と比較した場合の本発明による化合物の利点は、
― 高い安定性、
― 高い酵素活性、
― 簡単でかつ経済的な合成、
― それらは、既知のすべての生化学的検出方法に使用できる
ということである。
【0022】
既知の生化学的検出方法の欠点は、本発明を、好ましくはたとえば高分子ネットワーク中に酵素を包接することなどの安定化処方と組み合わせて用い、安定なNAD/NADP誘導体を提供することにより、ほとんど回避することができる。さらに、安定化剤を使用する必要はない。関係する反応性物質の数が少ないほど、検体測定のための安定な処方を得る機会が大きくなるため、このことは特に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、テストエレメント上で補酵素として使用するための充分な酵素活性を有する多数の安定なNAD/NADP誘導体を含むテストエレメントを提供する。
【0024】
安定なNAD/NADP誘導体は、一般的に既知の合成プロセスにより製造することができる。このためには、環状アミノアルコールのアミノ基を、ジンケ化学によりピリジニウム誘導体に変換する。続いて、一級OH基をリン酸化し、活性化AMP誘導体と結合させ、NAD誘導体を形成する。あるいは、一級OH基をまずまたリン酸化し、その後アミノ基を、ジンケ反応によりピリジンに変換することができる。
【0025】
他の合成ルートは、一級アルコールを活性化して、トシル酸塩またはヨウ化物を形成させ、続いてADPをアルキル化することである。
【0026】
本発明によるテストエレメントの好ましい実施態様は、たとえば、補酵素として、次の一般式(I’)を有する化合物またはその塩もしくは任意の還元型を含む。
【化2】

式中、
Aは、アデニンまたはその類似体であり、
Tは、それぞれの場合において、独立してO、Sを示し、
Uは、それぞれの場合において、独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-を示し、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中Rは、それぞれの場合において、独立してHまたはC1−C2アルキルを示し、
X1、X2は、それぞれの場合において、独立してO、CH2、CHCH3、C(CH32、NH、NCH3を示し、
Yは、NH、S、O、CH2であり、
Zは、飽和または不飽和炭素環式または複素環式6員環、特に一般式(II)の化合物であり、
【化3】

式中、単結合または二重結合が、それぞれの場合において、独立してR1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだに存在し得、
もし単結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだにそれぞれ存在する場合には、
R1、R1’は、それぞれの場合において、独立してO、S、NCH3、NH、CR42、CHOH、CHOCH3を示し、式中、R1またはR1’は同時にヘテロ原子になることはできず、
R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR42、CHOH、CHOCH3を示し、
もし二重結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだにそれぞれ存在する場合には、
R1、R1’、R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR4を示し、
R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、Cl、CH3を示し、
R6、R6’は、それぞれの場合において、独立して、CH、CCH3を示す。
【0027】
次の式(I’’)の化合物またはその塩もしくは任意の還元型が、本発明の他の内容である:
【化4】

式中、
Aは、アデニンまたはその類似体であり、
Tは、それぞれの場合において、独立してO、Sを示し、
Uは、それぞれの場合において、独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-を示し、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中、Rは、それぞれの場合において、独立してHまたはC1−C2アルキルを示し、
1、X2は、それぞれの場合において、独立してO、CH2、NH、NCH3を示し、
Yは、NH、S、O、CH2であり、
(i)Zは、一般式
−(CR42n
の直鎖基であり、式中、nは、4〜6、好ましくは4であり、かつ
R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、Cl、CH3、CH2OHを示し、ただし少なくとも1つの残基Uは、BH3-またはBCNH2-であり、または、
(ii)Zは、飽和または不飽和炭素環式または複素環式6員環、特に一般式(II)の化合物であり、
【化5】

式中、単結合または二重結合が、それぞれの場合において、独立して、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだに存在しても良く、
もし単結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだにそれぞれ存在する場合には、
R1、R1’は、それぞれの場合において、独立してO、S、NCH3、NH、CR42、CHOH、CHOCH3を示し、そこではR1またはR1’は同時にヘテロ原子になることはできず、
R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR42、CHOH、CHOCH3を示し、
もし二重結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだにそれぞれ存在する場合には、
R1、R1’、R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR4を示し、
R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、Cl、CH3を示し、
R6、R6’は、それぞれの場合において、独立してCH、CCH3を示し、
ただし、Zおよびピリジン残基はグリコシド結合により連結されていない。
【0028】
好ましい実施態様においては、本発明による化合物は、C8置換およびN6置換アデニン、7−デアザなどのデアザ変異体、8−アザなどのアザ変異体、または、7−デアザまたは8−アザなどの組み合わせ、フォルマイシンなどの炭素環式類似体(そこでは、7−デアザ変異体が、7位において、ハロゲン、C1−C6アルキニル、C1−C6アルケニルまたはC1−C6アルキルで置換され得る)などのアデニン類似体を包含している。
【0029】
さらに好ましい実施態様においては、この化合物は、たとえば2−メトキシデオキシリボース、2’−フルオロデオキシリボース、ヘキシトール、アルトリトールなどのアデノシン類似体、またはリボースの代わりの二環式、LNAおよび三環式糖類などの多環式類似体を包含する。
【0030】
特に、(ジ)ホスフェートの酸素を、たとえばO-をS-またはBH3-などにより、または、OをNH、NCH3またはCH2により、そして=Oを=Sなどで等電子的に置換したりすることもできる。
【0031】
他の好ましい実施態様は、一般式(III)を有する化合物またはその塩もしくは任意の還元型およびそれを含むテストエレメントである。
【化6】

式中、
Uは、OH、SH、BH3-、BCNH2-であり、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中Rは、それぞれの場合において、独立して、HまたはC1−C2アルキルを示し、
Xは、O、CH2、NHであり、
R1は、CR42、O、S、NCH3、NH、CH、CHOH、CHOH3であり、
R4’は、H、OHである。
【0032】
検体、たとえば、血液、血清、血漿または尿などの体液中のパラメータまたは、排水または食物のサンプル中のパラメータに対する生化学的テストは、診断には大いに重要である。これらのテストにおいて、測定される検体は、適当な酵素および補酵素と接触される。
【0033】
したがって、本発明のもう1つの対象は、適当な酵素と組み合わせて本発明の化合物で構成される酵素−補酵素複合体である。
【0034】
酸化還元反応により検出することができる任意の生化学的または化学的物質は、検体、たとえば補酵素依存性酵素の基質または補酵素依存性酵素自身である物質として、測定され得る。好ましい検体の例は、グルコース、乳酸、マレイン酸、グリセロール、アルコール、コレステロール、トリグリセリド、アスコルビン酸、システイン、グルタチオン、ペプチド、尿素、アンモニア、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、5’−ヌクレオチダーゼ、クレアチンキナーゼ(CK)、乳酸塩デヒドロゲナーゼ(LDH)および炭酸ガスなどである。
【0035】
酵素の基質を検出するために、テストエレメントは、補酵素に加えて基質を検出するのに適当な酵素を含むことが好ましい。適当な酵素とは、たとえば、グルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)、乳酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、マレイン酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.37)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.6)、アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1)、α−ヒドロキシ酪酸塩デヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、またはL−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.5)から選択されるアミノ酸デヒドロゲナーゼから選択されるデヒドロゲナーゼである。さらに、適当な酵素とは、グルコースオキシダーゼ(E.C.1.1.3.4)、コレステロールオキシダーゼ(E.C.1.1.3.6)などのオキシダーゼ、またはアスパルギン酸塩またはアラニンアミノトランスフェラーゼなどのアミノトランスフェラーゼ、5’−ヌクレオチダーゼまたはクレアチンキナーゼなどである。
【0036】
酵素を検出するために、テストエレメントは、補酵素に加えて酵素を検出するのに適当な酵素の基質を含むことが好ましい。
【0037】
本発明のもう1つの対象は、サンプル中の検体を酵素反応により検出するための、本発明による化合物、または本発明による酵素−補酵素複合体の使用である。これに関連して、グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースの検出が特に好ましい。
【0038】
検体との反応(検体が酵素基質である場合)による、または検体触媒反応(検体が酵素の場合)による補酵素、すなわち本発明の化合物における変化は、原則的には、任意の所望の方法で検出できる。基本的には、先行技術で公知の酵素反応検出方法の全てが使用できる。しかし、光学的方法により、補酵素中の変化を検出することが好ましい。たとえば、光学的検出方法は、吸光度、蛍光発光、円二色性(CD)、旋光分散(ORD)、屈折計法などの測定を包含する。補酵素における変化は、蛍光発光を測定することにより検出することが特に好ましい。蛍光発光測定は高感度であって、小型化システム中の低濃度の検体の検出でさえも可能である。
【0039】
たとえば、試薬が溶液または分散体の形状で水溶液または非水溶液中に存在している検体、または粉体、凍結乾燥体で存在している検体を検出するためには、液体テストが使用できる。しかし、試薬が担体に適用される場合にはドライテストも可能である。たとえば、担体は、吸収剤または/および検査するサンプル液で濡らすことにより膨潤する材料を含むテストストリップであっても良い。
【0040】
しかし、酵素−補酵素複合体が組み入れられるゲルマトリックスは、検出試薬としても使用できる(DE10221845A1参照)。
【0041】
この場合、酵素は、本発明による化合物とともにマトリックスに重合するか、または重合後、マトリックスを、対応する酵素−補酵素複合体を形成させるために、酵素存在下に、補酵素溶液と接触させることもできる。
【0042】
本発明の他の対象は、検体を検出するための試薬キットとその使用に関する。試薬キットは、本発明による化合物、適当な酵素および適当な反応緩衝液を含むことができる。適当な酵素については既に記述されている。本発明による試薬キットは、多種多様な方法で使用することができ、グルコース、乳酸、マレイン酸、グリセロール、アルコール、コレステロール、トリグリセリド、アスコルビン酸、システイン、グルタチオン、ペプチド、尿素、アンモニア、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、5’−ヌクレオチダーゼ、CK、LDH、炭酸ガスなどの検体を測定するために使用できる。血液中のグルコースを検出するために、本発明による化合物およびグルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)を含む試薬キットが好ましい。
【0043】
本発明による試薬キットは、ドライテストまたは液体テストにおいて検体を検出するために使用できる。
【0044】
本発明の他の対象は、フッ素測定法または測光法による検体の検出用のテストストリップに関する。そのようなテストストリップは、補酵素として前述した化合物、および任意には吸収剤または/および膨潤性材料上に固定化した適当な酵素または酵素基質を含む。適当な材料は、たとえばセルロース、プラスチックスなどから選択できる。
【0045】
本発明の他の対象は、
(a)テストエレメントまたは補酵素を含む本発明による試薬キットとサンプルを接触させる工程、および
(b)たとえば、補酵素における変化に基づいて、検体を検出する工程
を含む検体の検出方法を含む。
【0046】
本発明の他の利点は、補酵素の蛍光発光が深色シフトを示し、その結果、テストエレメントの他の材料または/およびサンプルの蛍光発光との干渉がより少なくなる。
【0047】
本発明の対象の全ての好ましい実施態様は、たとえば、本発明による化合物の好ましい実施態様などの本発明の他の対象にも適用できることを意図している。
【0048】
本発明を、以下の図および実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0049】
安定なNAD/NADH誘導体の製造を、例として合成スキーム1、2および3(図1、2および3)に基づいて示す。
【0050】
全ての溶媒は、使用前に蒸留して、標準法により精製した。1HNMR用の内部標準としてTMS、および13CNMR用の内部標準としてDMSOd6(39.6ppm)を用いて、200MHzまたは500MHzバリアン装置で1HNMRを測定した。31PNMRスペクトルは、外部標準として85%H3PO4を用いて測定した。質量スペクトル:ESIインターフェースを用いたマイクロスケールQ−Tof2。TLC:コートされたアルミニウムストリップ(フルカ シリカゲル/TLCカード、254nm)。検出:UVおよびアニスアルデヒド硫酸噴霧;カラムクロマトグラフィー:シリカゲル(0.060〜0.200nm)。
【0051】
1,5−アンヒドロ−4,6−O−ベンジリデン−3−デオキシ−2−O−メタンスルフォニル−D−リボヘキシトール(2)
40ml無水ピリジン中のスパチュラ一杯の4−ジメチルアミノピリジン、メタンスルフォニルクロライド(3ml、38mmol)を、氷上で冷却、攪拌しながら、1,5−アンヒドロ−4,6−O−ベンジリデン−3−デオキシ−d−グルシトール(M.W.アンダーセンら、Tetrahedron Lett.、1996、Vol.37、8147〜8150)(1、5.000g、21.16mmol)溶液に添加する。この混合物を室温で14時間攪拌する。ロータリーエバポレーターを用いて蒸発させた後、トルエン中に攪拌して、再度蒸発させる。残渣を温クロロホルムで3回抽出する。合わせた抽出物を、短いシリカゲルカラム上で濾過する。真空下、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。残渣をエーテルで洗浄し、メタノールから沈殿させる。
【0052】
収率:(5.103g、77%)。Rf0.8(ヘキサン/酢酸エチル 1/2)、0.5(ヘキサン/酢酸エチル 2/1)。

【0053】
1,5−アンヒドロ−2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジデオキシ−D−アラビノ−ヘキシトール(3)
ナトリウムアジド(2.1g、32mmol)を、120mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の2(5.000g、15.91mmol)の溶液に添加する。この混合物を、窒素雰囲気下80℃で31時間加熱攪拌する。室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターで、真空下蒸留により溶媒を除去する。残渣を温クロロホルムで3回抽出する。合わせた抽出物を、短いシリカゲルカラム上で濾過する。真空下、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。残渣をエーテルで洗浄し、ヘキサンから沈殿させる。
【0054】
収率:3(4.073g、98%)無色粉末。Rf0.9(ヘキサン/酢酸エチル 2/1)。

【0055】
1,5−アンヒドロ−2−アジド−2,3−ジデオキシ−D−アラビノ−ヘキシトール(4)
3(4.000g、15.31mmol)の180ml80%氷酢酸溶液を、95℃で1時間攪拌する。ロータリーエバポレーターでの蒸発後、それを水に攪拌し、再度蒸発する。その後、それをトルエンで攪拌して再び蒸発させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10%酢酸エチル)で精製する。溶媒を真空下ロータリーエバポレーターでの蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。残渣を、P25上真空で乾燥する。
【0056】
収率:4(2.174g、82%)油。Rf0.25(ヘキサン/酢酸エチル 1/2)。

【0057】
1,5−アンヒドロ−2−アジド−2,3−ジデオキシ−6−O−ホスホノ−D−アラビノ−ヘキシトール アンモニウム塩(5)
アジド4(1.004g、5.80mmol)を、窒素雰囲気下6mlのトリメチルホスフェート(BaO上で真空蒸留したてのもの)中に、攪拌により溶解する。ホスホリルクロライド(蒸留したてのもの)およびトリメチルホスフェートの1/1(v/v)混合物1.7mlを、全部一度に0℃で添加する。0℃で3時間攪拌後、氷水6mlと冷トリエチルアミン9mlを添加する。混合物を、真空下ロータリーエバポレーターで蒸発乾固する。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、カラムクロマトグラフィー(イソプロピルアルコール中0〜35%水酸化アンモニウム(20%水溶液))により精製する。溶媒をロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
【0058】
収率:5(0.677g、43%)浅黄色油。Rf0.35(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水=6/3/1)。

【0059】
2−アミノ−1,5−アンヒドロ−2,3−ジデオキシ−6−O−ホスホノ−D−アラビノ−ヘキシトール ナトリウム塩(6)
25mlのメタノールとアダム触媒(PtO2・H2O、0.068g、0.28mmol)を、75mlの水に溶解させたアジド5(0.677g、2.51mmol)の溶液中に添加する。混合物を、パー水素添加装置(30psi)中で、2時間振とうする。触媒を濾過して除去し、溶媒を、真空下ロータリーエバポレーターでの蒸留により濾液から除去する。残渣を水に溶解させ、Dowex50WX4−400(Na+)イオン交換カラムにかけ、水で溶出する。真空下で、溶媒をロータリーエバポレーターでの蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。残渣を、P25上真空で乾燥する。
【0060】
収率:6(0.666g、98%)浅黄色固化油。Rf0.2(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/3/1)。

【0061】
1−(2,4−ジニトロフェニル)−3−カルバモイルピリジニウム テトラフルオロボレート
58.6gのジニトロクロロベンゼンを窒素雰囲気下溶融し、その後29.32gのニコチンアミドをその融液に添加する。それを110℃で2.5時間加熱する。3:2(v/v)エタノール/水混合物500mlを、還流冷却器を経由して添加し、溶液が形成されるまで還流する。室温で一晩攪拌したのち、50%エタノール/水150mlと水100mlを添加し、分液ロートに移し、各回に500mlのクロロホルムで3回洗浄する。300mlと50gの活性炭を分離した水層に添加し、それを室温で1時間攪拌し、その後、SeitzK700深ベッドフィルターで濾過する。濾液を、真空下ロータリーエバポレーターで約100mlまで濃縮し、その間浴温は20℃を越えてはならない。それを300mlの水で希釈して、室温で攪拌しながら70gの四フッ化ホウ酸ナトリウムを添加する。沈殿物をメタノール/水から再結晶する。この結晶を少量のアセトンで濾過して、その後ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下40℃で24時間乾燥する。
【0062】
収量:21.1g(23%)。TLC(メルク、シリカゲル60F−254:ブタノール/氷酢酸/水 5:2:3)、Rf=0.56。
【0063】
1,5−アンヒドロ−2−(3−カルバモイルピリジニウム)−2,3−ジデオキシ−6−O−ホスホノ−D−グルシトール(7)
1−(2,4−ジニトロフェニル)−3−カルバモイルピリジニウム テトラフルオロボレート(0.148g、0.46mol)の1.5ml水溶液を、水6mlおよびメタノール4ml中の6(0.100g、0.40mmol)の溶液に、攪拌しながら5時間かけて滴下する。それを40℃で4日間攪拌する。この間、0.5Mのトリエチルアンモニウム重炭酸塩(TEAB)水溶液0.3mlを添加する。反応の経過は、TLCを用いてモニターする。出発時のアミンが、もはや見られなくなると、すぐにTEABを添加し、それを0℃に冷却する。沈殿を遠心分離する。溶媒をロータリーエバポレーターでの蒸留により、上澄み液から除去する。溶離液として0.01M TEABを用いて、DEAEワットマンDE−52セルロース(21mm×14cm)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製する。主精製を、0.01M TEABで平衡化させたDEAEセファデックスA−25セルロース(18mm×24cm)でのHPLCより行い、濃度を増加させるTEAB溶液(0.01→0.5M)を用いて溶離する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせられた生成物留分から除去する。残渣を100mlの水に溶解し、凍結乾燥する。この手法を3回繰り返す。
【0064】
収率:ヌクレオチド7(0.083g、59%)黄色固形油。Rf0.15(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/4/1)。+ESI MS:m/z 333.1[M+];−ESI MS: 331.4[M+ −2H]-

【0065】
アデノシン−5’−(ホスホラス−ジ−n−ブチルホスフィノチオ無水物)は、関連文献(スラマ、J.T.、ラツイジェウスキー、C.、オルガンテイ、S.,カイザー,E.T.,J.Am.Chem.Soc.(1984)106、6778〜6785)にしたがって合成した:Rf0.9(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/3/1)。

【0066】
ジ−n−ブチルホスフィノチオニルブロマイドおよびテトラ−n−ブチルジホスフィン ジサルファイドは、関連文献(フルサワ、K.、セキネ、M.、ハタ、T.,J.Chem.Soc.、Perkin Trans I(1976)、1711〜1716;ブックウオールド、H.,ストローレンベルク,K.,メッチェン,J.,Ann(1962),652,28〜35)にしたがって合成した。
【0067】
ヘキシトールニコチンアミドアデニンジヌクレオチド リチウム塩(8)
ヌクレオチド7(0.067g、0.2mol)およびアデノシン−5’−(ホスホラス−ジ−n−ブチルホスフィノチオ無水物)(0.211g、0.4mol)を、1mlの無水無アミンDMFおよび3mlのピリジン(BaO上で蒸留したてのもの)の混合物中で、アルゴン雰囲気下攪拌する。溶媒を真空蒸留により除去する。溶解および蒸留手順を3回繰り返す。その後、残渣を無水DMF2.4mlおよび無水ピリジン3mlの混合物中に溶解する。硝酸銀(0.274g、1.61mmol)を、アルゴン雰囲気の遮光下で、全部を1度に添加する。室温で40時間攪拌後15mlの水を添加し、硫化水素をさっと通す。硫化銀の沈殿を、セライト上で濾過して除去する。濾液を、各回5mlのクロロホルムで3回洗浄する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、水層抽出物から除去する。生成物は、3つのクロマトグラフィーにより精製する。
【0068】
1)0.01M TEABで平衡化されたDEAEセファデックスA−25セルロース(18mm×24cm)、TEAB溶液を用いた溶離(0.01→0.5M)。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。残渣を100mlの水に溶解し、凍結乾燥する。この手順を3回繰り返す。
【0069】
2)水で事前に平衡化されたDEAEワットマンDE−52セルロース(18mm×25cm)、ギ酸水溶液を用いた溶離(0→0.3M)。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。残渣を100mlの水に溶解し、凍結乾燥する。この手順を2回繰り返す。溶液は、0.1M LiOHでpH6に調整する。
【0070】
3)溶離液として水を用いたセファデックスLH−20セルロース(18mm×31cm)。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。残渣を100mlの水に溶解し、凍結乾燥する。この手順を2回繰り返す。
【0071】
収率:8(0.026g、19%)無色粉末。Rf0.5(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/4/1)。C22287132[M+−2H]に対する正確な理論質量660.1220;実測値660.1229 UV(H2O):λmax259nm。


【0072】
1,5−アンヒドロ−2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−D−アルツリトール(altritol)(10)
ナトリウムアジド(1.500g、23.07mmol)と塩化アンモニウム(1.500g、28.04mmol)とを、2−メトキシエタノールおよび水5:1の混合物(240ml)中の1,5:2,3−アンヒドロ−4,6−O−ベンジリデン−D−アリトール(アラートB.ら、Tetrahedron、1999,55,6527〜6546)9(1.000g、4.27mmol)の溶液に添加する。この混合物を、窒素雰囲気下100℃で18時間攪拌する。室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、溶媒を除去する。残渣を、温クロロホルム100mlで、ついで塩化メチレン(100ml)で3回抽出する。合わせた抽出物を、短いシリカゲルカラムで濾過する。溶媒をロータリーエバポレーターでの真空蒸留により除去する。
【0073】
収率:10(1.126g、95%)浅黄色油。Rf0.7(塩化メチレン/メタノール 98/2)。+ESI MS:m/z 278.0[M+H]+、m/z 300.0[M+Na]+

【0074】
1,5−アンヒドロ−2−アジド−2−デオキシ−D−アルツリトール(11)
180mlの80%氷酢酸中の10(1.116g、4.02mmol)の溶液を、95℃で2時間攪拌する。ロータリーエバポレーターでの蒸発後、それを水中で攪拌し、再度蒸発する。その後、それをトルエンに攪拌し、再び蒸発させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30−90%酢酸エチル)で精製する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。残渣を、クロロホルムで洗浄し、P25上で真空乾燥する。
【0075】
収率:11;0.505g(66%)、Rf0.1(ヘキサン/酢酸エチル 1:2)

【0076】
1,5−アンヒドロ−2−アジド−2−デオキシ−6−O−ホスホノ−D−アルツリトール ジアンモニウム塩(12)
ホスフェート12は、アジド11(0.503g、2.66mmol)から出発してホスフェート5と同様にして製造する。カラムクロマトグラフィーおよびシリカゲル(0.35%アンモニア(イソプロピルアルコール中20%水溶液))により粗精製、浅黄色油12(0.353g、46%)。Rf0.4(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/4/1)。この生成物は、さらに精製することなく使用する。
【0077】
1,5−アンヒドロ−2−アミノ−2−デオキシ−6−O−ホスホノ−D−アルツリトール ジナトリウム塩(13)
25mlのメタノールとアダム触媒(PtO2・H2O、0.068g、0.28mmol)を、15mlの水に溶解させたアジド12(0.353g、1.31mmol)の溶液中に添加する。混合物を、パー水素添加装置(30psi)中で85時間振とうする。触媒を濾過して除去し、溶媒を、ロータリーエバポレーターで真空下蒸留により濾液から除去する。残渣を、水中に溶解させ、Dowex 50WX4−400(Na+)イオン交換カラムにかけ、水で溶出する。真空下で、ロータリーエバポレーターでの蒸留により、合わせた生成物留分から溶媒を除去する。残渣をP25上で真空乾燥する。
【0078】
収率:13(0.342g、91%)浅黄色アモルファス粉末。Rf0.25(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/4/1)。

【0079】
1,5−アンヒドロ−2−(3−カルバモイルピリジニウム)−2−デオキシ−6−O−ホスホノ−D−アルツリトール(14)
これは、アミン13(0.100g、0.35mmol、メタノール4mlおよび水5ml中の溶液)、ジンケ塩Cl(0.201g、0.62mmol、水中2.1の溶液)および0.5M TEAB水溶液0.6mlから出発して、7と同様にして、収率42%で製造する。
【0080】
f0.15(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水=6/4/1)。

【0081】
アルツリトールニコチンアミン アデニン ジヌクレオチド リチウム塩(15)
ヌクレオチド14(0.051g、0.15mmol)を、無水ホルムアミド(pAグレード)2.5mlおよびピリジン(BaO上で蒸留したてのもの)1mlの混合物中で、アルゴン雰囲気下攪拌する。溶媒を真空蒸留により除去する。溶解および蒸留の手順を3回繰り返す。アデノシン−5’−(ホスホラス−ジ−n−ブチルホスフィノチオ無水物)(0.155g、0.30mmol)を添加し、混合物を、無水ピリジンで3回共蒸発させる。その後、残渣を、2.0mlの無水ピリジン中に溶解する。硝酸銀(0.200g、1.18mmol、120℃で2時間乾燥したもの)を、アルゴン雰囲気遮光下で全部を1度に添加する。室温で65時間攪拌後、15mlの水を添加し、その後の手順は、8に対して記述した通りである。
【0082】
収率:リチウム塩15(0.039g、39%)無色粉末。Rf0.4(イソプロパノール/25%水酸化アンモニウム水/水 6/4/1)。C22287142[M+−2H]に対する理論質量676.1169;実測値676.1147。−ESI MS:m/z 676[M+−2H]-、m/z 698[M+−3H+Na]-;+ESI MS:m/z 678[M+]、m/z 700[M+−H+Na]。UV(H2O):λmax259nm。

【0083】
(1S,4R,5S)−N−(5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−5,7−O−ベンジリデン−2−シクロヘキセン−1−イル)フタルイミド(17)
無水THF(50ml)中のDIAD(5.3ml、25.52mmol)の溶液を、室温で攪拌しながら、窒素雰囲気下、無水THF(170ml)中のトリフェニルホスフィン(7g、26.68mmol)、ワン,J.らに記載された化合物16(J.Org.Chem.2001、66、8478〜8482;グ、P.ら、Tetrahedron,2004,60,2111〜2123)(4.2g,18.08mmol)およびフタルイミド(4g、27.18mmol)の懸濁液にゆっくりと添加する。1時間攪拌後、それを、ロータリーエバポレーターで留去する。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 2/8)で精製する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
【0084】
収量:17;5.23g(80%)無色固体。

【0085】
(1S,4R,5S)−N−(5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)フタルイミド(18)
80mlの80%氷酢酸中の17(1.116g、4.02mmol)の懸濁液を、透明な溶液が形成されるまで、95℃で攪拌する。ロータリーエバポレーターで蒸発後、水中に攪拌して、再度蒸発させる。その後トルエンと攪拌し、再度蒸発させる。残渣を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1/1から7/3まで)で精製する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
【0086】
収量:18;3.4g(90%)。

【0087】
(1S,4R,5S)−1−アミノ−4−O−ホスホノメチル−5−ヒドロキシ−2−シクロヘキセン アンモニウム塩(20)
オキシ塩化リン(436μl)を、アルゴン雰囲気下0℃で攪拌しながら、トリメチルホスフェート(5.5ml)に添加する。0℃で15分攪拌後、18(600mg、2.19mmol)を全部1度に添加する。3時間攪拌後、50mlの冷水を添加し、トリエチルアミンを滴下して中和する。混合物を、ロータリーエバポレーターで真空下、蒸発乾燥する。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、イソプロパノール/水酸化アンモニウム/水(6/3/1)を溶離液として用いて、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
収量:19;無色固体として(475mg、56%)。
【0088】
19(300mg、0.775mmol)を、15mlのエタノール/水(1/1)中に溶解し、ヒドラジン1水和物(75μl、1.55mmol)と混合する。90℃で一晩攪拌後、溶媒をロータリーエバポレーターでの真空蒸留により除去する。残渣を水に溶解させ、酢酸エチルで洗浄する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により水層から除去する。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、イソプロパノール/水酸化アンモニウム/水(6/3/1)を溶離液として用いて、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
【0089】
収量:20(111mg、56%)。

【0090】
(1S,4R,5S)−1−(カルバモイルピリジン)−4−ホスホノメチル−5−ヒドロキシ−2−シクロヘキセン トリエチルアンモニウム塩(21)
20(0.07g、0.26mmol)を、メタノール(4.5ml)と無水のヒューニッヒ塩基iPr2EtN(0.09ml、0.52mmol)との混合物中で、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌する。ジンケBF4塩(0.1g、0.28mmol)を、全部1度に添加する。深赤色混合物を55℃で5時間攪拌し、さらに0.03gのジンケ四フッ化ホウ酸塩を添加し、さらに20時間加熱する。50mlのTEAB(1M)溶液を添加して、真空下ロータリーエバポレーターで蒸発乾固する。粗生成物を、DEAEセルロースでMPLCにより精製する。最初に、望ましくない副生物を水で溶離する。その後、流速1ml/分で、0.01MのTEABから0.5MのTEABの勾配溶離を続ける。溶媒を、ロータリーエバポレーター上の真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
【0091】
収量;21=0.09g(92%)、無色アモルファス粉末。

【0092】
シクロヘキセニルニコチンアミドアデニンジヌクレオチド トリエチルアンモニウム塩(22)
9mlのDMF/ピリジンの1:1混合物を、モノヌクレオチド21(0.095g、0.178mmol)およびアデノシン−5’−(ホスホラス−ジ−n−ブチルホスフィノチオ無水物)(0.186g、0.356mmol)に添加する。溶媒を真空蒸留により除去し、それを再び9mlのDMF/ピリジンの1:1混合物中に取り込む。この手順をもう一度繰り返す。その後、残渣を高真空で完全に乾燥させ、その後再び9mlのDMF/ピリジンの1:1混合物中に取り込む。硝酸銀(0.242g、1.424mmol)を、アルゴン雰囲気遮光下で、全部を1度に添加する。室温で15時間攪拌後、30mlの水を添加し、硫化水素をさっと通す。硫化銀沈殿をセライト上で濾過して除去する。濾液を、各回5mlのクロロホルムで3回洗浄する。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、水層から除去する。粗生成物を、DEAEセルロースでMPLCにより精製する。最初に、望ましくない副生成物を水で溶出する。その後、流速1ml/分で、0.01MのTEABから0.25MのTEABへの勾配で溶離を続ける。溶媒を、ロータリーエバポレーターでの真空蒸留により、合わせた生成物留分から除去する。
【0093】
収量;22=0.018g(12%)、無色粉末。

【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】ヘキシトールニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの製造用のスキームである。
【図2】アルツリトールニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリチウム塩の製造用のスキームである。
【図3】シクロヘキセンニコチンアミドアデニンヌクレオチドの製造用のスキームである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)補酵素依存性酵素またはそのような酵素に対する基質および(ii)補酵素として次の一般式(I)の化合物またはその塩もしくは任意の還元型を含むことを特徴とする検体測定用テストエレメント。
【化1】

式中、
Aは、アデニンまたはその類似体であり、
Tは、それぞれの場合において、独立してO、Sを示し、
Uは、それぞれの場合において、独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-を示し、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中Rは、それぞれの場合において、独立してHまたはC1〜C2−アルキルを示し、
1、X2は、それぞれの場合において、独立してO、CH2、CHCH3、C(CH32、NH、NCH3を示し、
Yは、NH、S、O、CH2であり、
Zは、(i)4〜6個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含む直鎖基であり、そこでは、1個または2個の炭素原子が、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子により置換されていてもよく、または(ii)任意には、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子ならびに任意には1つ以上の置換基を含む6個の炭素原子を含む環状化合物、および該環状化合物およびX2に結合されたCR42残基(式中R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、CH3を示す)を含む基であり、
ただし、Zおよびピリジン残基はグリコシド結合により連結されていない。
【請求項2】
グルコースデヒドロゲナーゼおよび補酵素として一般式(I)の化合物またはその塩を含むグルコース測定用テストエレメント。
【請求項3】
Z上の置換基が、OH、F、ClおよびC1−C2アルキルから選択され、C1−C2アルキルは任意には、フッ素化されている、または塩素化されている、または/およびOH置換、O−C1−C2アルキルであることを特徴とする請求項1または2記載のテストエレメント。
【請求項4】
補酵素として、次の一般式(I’)を有する化合物またはその塩もしくは任意の還元型を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のテストエレメント。
【化2】

式中、
Aは、アデニンまたはその類似体であり、
Tは、それぞれの場合において、独立してO、Sを示し、
Uは、それぞれの場合において、独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-を示し、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中Rは、それぞれの場合において、独立してHまたはC1−C2アルキルを示し、
X1、X2は、それぞれの場合において、独立してO、CH2、CHCH3、C(CH32、NH、NCH3を示し、
Yは、NH、S、O、CH2であり、
Zは、飽和または不飽和炭素環式または複素環式6員環、特に一般式(II)の化合物であり、
【化3】

式中、単結合または二重結合が、それぞれの場合において、独立してR1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだに存在し得、
もし単結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだにそれぞれ存在する場合には、
R1、R1’は、それぞれの場合において、独立してO、S、NCH3、NH、CR42、CHOH、CHOCH3を示し、式中、R1またはR1’は同時にヘテロ原子になることはできず、
R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR42、CHOH、CHOCH3を示し、もし二重結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだに存在する場合には、
R1、R1’、R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR4を示し、
R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、Cl、CH3を示し、
R6、R6’は、それぞれの場合において、独立して、CH、CCH3を示す。
【請求項5】
Wが、CONH2またはCOCH3である請求項1〜4のいずれか1項に記載のテストエレメント。
【請求項6】
テストストリップの形状である請求項1〜5のいずれか1項に記載のテストエレメント。
【請求項7】
酵素が、グルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)、乳酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、マレイン酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.37)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.6)、アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1)、α−ヒドロキシ酪酸塩デヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、またはL−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.5)から選択されるアミノ酸デヒドロゲナーゼから選択されるデヒドロゲナーゼであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のテストエレメント。
【請求項8】
酵素が、グルコースデヒドロゲナーゼであることを特徴とするグルコース検出用の請求項1〜7のいずれか1項に記載のテストエレメント。
【請求項9】
一般式(I’’)の化合物またはその塩もしくは任意の還元型:
【化4】

式中、
Aは、アデニンまたはその類似体であり、
Tは、それぞれの場合において、独立してO、Sを示し、
Uは、それぞれの場合において、独立してOH、SH、BH3-、BCNH2-を示し、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中、Rは、それぞれの場合において、独立してHまたはC1−C2アルキルを示し、
1、X2は、それぞれの場合において、独立してO、CH2、NH、NCH3を示し、
Yは、NH、S、O、CH2であり、
(i)Zは、一般式
−(CR42n
の直鎖基であり、式中、nは、4〜6、好ましくは4であり、かつ
R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、Cl、CH3、CH2OHを示し、ただし少なくとも1つの残基Uは、BH3-またはBCNH2-であり、または、
(ii)Zは、飽和または不飽和炭素環式または複素環式6員環、特に一般式(II)の化合物であり、
【化5】

式中、単結合または二重結合が、それぞれの場合において、独立して、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだに存在しても良く、
もし単結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだにそれぞれ存在する場合には、
R1、R1’は、それぞれの場合において、独立してO、S、NCH3、NH、CR42、CHOH、CHOCH3を示し、そこではR1またはR1’は同時にヘテロ原子になることはできず、
R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR42、CHOH、CHOCH3を示し、もし二重結合が、R1およびR2のあいだに、またはR1’およびR2’のあいだに存在する場合には、
R1、R1’、R2、R2’は、それぞれの場合において、独立してCR4を示し、
R4は、それぞれの場合において、独立してH、F、Cl、CH3を示し、
R6、R6’は、それぞれの場合において、独立してCH、CCH3を示す。
【請求項10】
Wが、CONH2またはCOCH3である請求項9記載の化合物。
【請求項11】
式(III)を有する請求項9または10記載の化合物またはその塩もしくは任意には還元型:
【化6】

式中、
Uは、OH、SH、BH3-、BCNH2-であり、
Vは、OHまたはリン酸塩基であり、
Wは、COOR、CON(R)2、COR、CSN(R)2であり、式中、Rは、それぞれの場合において、独立して、HまたはC1−C2−アルキルを示し、
Xは、O、CH2、NH、であり、
R1は、CR42、O、S、NCH3、NH、CH、CHOH、CHOH3であり、
R4’は、H、OHである。
【請求項12】
式(IV)を有する請求項9〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその塩もしくは任意には還元型:
【化7】

式中、
Xは、O、CH2、NH、NCH3である。
【請求項13】
式(V)を有する請求項9〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその塩もしくは任意には還元型:
【化8】

式中、
Xは、O、CH2、NH、NCH3である。
【請求項14】
式(VI)を有する請求項9〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその塩もしくは任意には還元型:
【化9】

式中、
Xは、O、CH2、NH、NCH3である。
【請求項15】
適当な酵素との組み合わせで、請求項9〜14のいずれか1項に記載の化合物からなる酵素−補酵素複合体
【請求項16】
酵素が、グルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)、乳酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、マレイン酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.37)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.6)、アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1)、α−ヒドロキシ酪酸塩デヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、またはL−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.5)から選択されるアミノ酸デヒドロゲナーゼから選択されるデヒドロゲナーゼであることを特徴とする請求項15記載の複合体。
【請求項17】
酵素反応によりサンプル中の検体を検出するための、請求項9〜14のいずれか1項に記載の化合物または、請求項15もしくは16記載の複合体の使用。
【請求項18】
請求項9〜14のいずれか1項に記載の化合物、および任意には適当な酵素または請求項15または16記載の酵素−補酵素複合体、ならびに適当な緩衝液を含む試薬キット。
【請求項19】
酵素が、グルコースデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.47)、乳酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.27、1.1.1.28)、マレイン酸塩デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.37)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.6)、アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1)、α−ヒドロキシ酪酸塩デヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、またはL−アミノ酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.5)から選択されるアミノ酸デヒドロゲナーゼから選択されるデヒドロゲナーゼであることを特徴とする請求項18記載の試薬キット。
【請求項20】
グルコース、乳酸、マレイン酸、グリセロール、アルコール、コレステロール、トリグリセリド、アスコルビン酸、システイン、グルタチオン、ペプチド、尿素、アンモニア、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、5’−ヌクレオチダーゼ、クレアチンキナーゼ(CK)、乳酸塩デヒドロゲナーゼ(LDH)および炭酸ガスから選択される検体を測定するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテストエレメントまたは請求項18または19記載の試薬キットの使用。
【請求項21】
(a)請求項1〜8のいずれか1項に記載のテストエレメント、または請求項18または19記載の補酵素を含む試薬キットとサンプルを接触させる工程、および
(b)検体を検出する工程
を含む検体検出方法。
【請求項22】
検体が、測光法またはフッ素測定法により検出されることを特徴とする請求項21記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−54052(P2007−54052A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−205087(P2006−205087)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】