説明

NC加工装置

【目的】 いずれの操作手段からの入力であっても確実にPC処理部に伝達されていることを表示できる。
【構成】 各種操作手段5,8,13からの入力信号に基づいて画面処理部1に出力信号を発して所定の入力表示を行わせるスイッチ表示処理部9を前記PC処理部2に設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNC加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、NC加工装置では、キーボード操作等によりスイッチを選択すれば、CRT画面上のメニューの対応する部分が照明されると共に、その選択信号がPC処理部に入力されて所定の起動処理を行なうことができるようになっている。また、工作機械の所定位置に設けた各操作スイッチからの入力信号によっても、前記PC処理部で同様の処理を行うことができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来のNC加工装置では、CRT画面にはキーボード操作等により画面処理部での処理に基づいて表示を行っているため、この画面を見ただけではPC処理部に確実に情報が伝達されたかどうか、あるいは、PC処理部で所定の起動処理が行われたかどうかの判断ができない。また、工作機械の所定位置に設けた操作スイッチが操作された場合や自動加工を行なう場合にも、同様の問題がある。そこで、本発明は前記問題点に鑑み、PC処理部への入力信号の状態を画面に表示できるNC加工装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するため、各種操作手段からの入力信号に基づいて所定の起動処理を行なうPC処理部を備えたNC加工装置において、前記入力信号に基づいて画面処理部に出力信号を発して所定の入力表示を行わせるスイッチ表示処理部を前記PC処理部に設けたものである。
【0005】また、前記スイッチ表示処理部からの入力信号に基づいて工作機械の起動可否を判定し、前記画面処理部に所定の起動表示を行わせる起動可否判定処理部を前記PC処理部に設けるようにしてもよい。
【0006】さらに、前記起動可否判定処理部からの信号に基づいて工作機械に対して所定の起動処理を行うと共に、前記画面処理部に所定の起動処理表示を行わせる起動処理部を前記PC処理部に設けるようにしてもよい。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。本願NC加工装置は、図1に示すように、画面処理部1、PC処理部2及びNC処理部3を有し、画面処理部1、PC処理部2間の信号のやり取りは中間伝達部4を介して行なっている。
【0008】前記画面処理部1は、キーボード5からの入力信号により、後述するように、PC処理部からの信号に基づいて表示装置6であるCRT画面上に選択されたスイッチを表示する。表示情報は、表示用登録テーブル7から適宜取り出したものを利用する。また、PC処理部2からの信号に基づいて所定のランプを表示する。
【0009】前記PC処理部2は、自動スイッチ選択処理部8、スイッチ表示処理部9、起動可否判定処理部10及び起動処理部11を有する。
【0010】自動スイッチ選択処理部8は、画面処理部1、工作機械12又は外部操作起動スイッチ13から入力信号を受け、これらの入力信号に基づいてスイッチ表示処理部9に工作機械12を自動制御するための信号を出力する。
【0011】スイッチ表示処理部9は、画面処理部1、自動スイッチ選択処理部8又は外部操作起動スイッチ13からの入力信号を受け、これらの入力信号に基づいて画面処理部1及び起動可否判定処理部10に出力信号を発する。前記外部操作起動スイッチ13は、工作機械12で加工を行いながら操作するのに都合のよい場所にそれぞれ設けられている。
【0012】起動可否判定処理部10は、前記スイッチ表示処理部9又は工作機械12からの入力信号を受けて工作機械12による加工を続行するかどうかの判定を行ない、画面処理部1にその結果を出力する。
【0013】起動処理部11は、外部操作起動スイッチ13、画面選択スイッチ用起動スイッチ14、あるいは、起動可否判定処理部10からの入力信号を受け、これらの入力信号に基づいて工作機械12を駆動制御する。前記画面選択スイッチ用起動スイッチ14は、画面処理部1で選択されたスイッチをオン・オフさせるためのものである。
【0014】前記NC処理部3は、前記起動可否判定処理部10、起動処理部11等からの入力信号を受け、これらの入力信号に基づいて工作機械12での加工のためのNC制御を行なうものである。
【0015】前記中間処理部4は、画面処理部1からの信号をPC処理部2に伝達するための画面選択スイッチ伝達部15と、スイッチ表示処理部9からの信号を画面処理部1に伝達するための選択スイッチ伝達部16と、起動可否判定処理部10又は起動処理部11からの信号を画面処理部1に伝達するためのランプメッセージ伝達部17とを有する。
【0016】次に、前記NC加工装置の起動処理について説明する。自動スイッチ選択処理部8では、図2のフローチャートに従ってステップS1からS5で、工作機械12に異常がないかどうか、工作機械12が初期状態にあるかどうか、工作機械12が起動中でないかどうか、画面処理部1からの入力信号がないかどうか、外部操作起動スイッチ13から入力信号がないかどうかを判断する。これらの条件のうち1つでも満足していなければ、自動スイッチ選択処理は行わない。
【0017】また、前記条件の全てを満足していれば自動スイッチ選択処理を行なう。すなわち、ステップS6からS9で工作機械12の運転状況がどのようになっているかを判断してスイッチ表示処理部9に信号を出力する。すなわち、運転準備完了直後又はドレス直後であれば、ステップS10で全自動を選択する信号を出力し、ドレス直後でなく、ローダーアーム後退直後であればステップS11でローダ前進を選択する信号を出力し、ローダーアーム後退直後でなく、チャックを緩めた直後であれば、ステップS12でチャックを締めることを選択する信号を出力する。
【0018】スイッチ表示処理部9では、図3のフローチャートに従ってステップS21、S22及びS23で、外部操作起動スイッチ13、自動スイッチ選択処理部8又は画面処理部1からの入力信号があるかどうかをそれぞれ判断する。そして、ステップS24で入力信号に対応する信号を選択スイッチ伝達部16を介して画面処理部1に出力すると共に起動可否判定処理部10に出力する。画面処理部1では、前記いずれかから入力信号があれば、これを表示装置6に表示し、その入力信号がスイッチ表示処理部9に入力されたことを使用者に知らせる。
【0019】一方、起動可否判定処理部10では、図4のフローチャートに従ってステップS31で前記スイッチ表示処理部9からの入力信号があるまで待機し、入力信号があればステップS32でこの入力信号に対応した起動条件を調べる。そして、起動条件を満たせばステップS33で起動OK信号を、満たさなければステップS34で起動NG信号を起動処理部11及びランプメッセージ伝達部17を介して画面処理部71にそれぞれ出力する。画面処理部1ではこの入力信号に基づいて表示装置6の所定位置のランプを表示する。
【0020】起動処理部11では、図5のフローチャートに従ってステップS41で起動信号及び起動OK信号の入力があるかどうかを判断する。信号の入力がないと判断されれば待機し、あると判断されればステップS42で外部操作起動スイッチ13又は画面選択スイッチ用起動スイッチ14が操作されているかどうかを判断する。これらのスイッチ13,14の操作がないと判断されればステップS41に戻り、あると判断されればステップS43で起動信号をランプメッセージ伝達部17を介して画面処理部1に出力すると共に、ステップS44で起動処理を行ない、この起動処理が終了すればステップS45で起動終了信号を画面処理部1に出力する。そして、画面処理部1は、起動状態を表示して実際の加工状況を使用者に知らせる。
【0021】このように、スイッチ表示処理部9では、キーボード5、外部操作起動スイッチ13、自動スイッチ選択処理部8のいずれかから入力信号があることにより、選択スイッチ伝達部16を介して画面処理部1に出力信号を発し、表示装置6に所定スイッチを表示するようにしたので、PC処理部2に入力されて確認決定された所定の信号を表示装置6上で確実に知ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係るNC加工装置によれば、いずれかの操作手段から入力すると、この情報は一旦PC処理部のスイッチ表示処理部に伝達された後、このスイッチ表示処理部からの信号に基づいて画面処理部により対応する入力表示が行われるので、PC処理部への入力が確実に判断できる。また、起動可否判定処理部又は起動処理部での処理状態を表示するようにすれば、起動処理状態をも判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係るNC加工装置のブロック図である。
【図2】 図1の自動スイッチ選択処理部での処理を示すフローチャート図である。
【図3】 図1のスイッチ表示処理部での処理を示すフローチャート図である。
【図4】 図1の起動可否判定処理部での処理を示すフローチャート図である。
【図5】 図1の起動処理部での処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…画面処理部、2…PC処理部、5…キーボード、6…表示装置、8…自動スイッチ選択処理部、9…スイッチ表示処理部、10…起動可否判定処理部、11…起動処理部、13…外部操作起動スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 各種操作手段からの入力信号に基づいて所定の起動処理を行なうPC処理部を備えたNC加工装置において、前記入力信号に基づいて画面処理部に出力信号を発して所定の入力表示を行わせるスイッチ表示処理部を前記PC処理部に設けたことを特徴とするNC加工装置。
【請求項2】 前記スイッチ表示処理部からの入力信号に基づいて工作機械の起動可否を判定し、前記画面処理部に所定の起動可否判定表示を行わせる起動可否判定処理部を前記PC処理部に設けたことを特徴とする請求項1に記載のNC加工装置。
【請求項3】 前記起動可否判定処理部からの信号に基づいて工作機械に対して所定の起動処理を行うと共に、前記画面処理部に所定の起動処理表示を行わせる起動処理部を前記PC処理部に設けたことを特徴とする請求項2に記載のNC加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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