説明

NH酸性化合物のプロドラッグ

本発明は、本発明のプロドラッグ化合物の有効量を患者に投与することによる、ラクタム、イミド、アミド、スルホンアミド、カルバメートまたは尿素を含む親薬物の持続送達の方法であって、患者への投与時のプロドラッグからの親薬物の放出が持続放出である方法を提供する。本発明の方法における使用に適したプロドラッグ化合物は、カルボニル結合したプロドラッグ部分により誘導される親薬物の不安定なコンジュゲートである。本発明のプロドラッグ化合物は、ラクタム、イミド、アミド、スルホンアミド、カルバメートまたは尿素を含む親薬物が治療として有用である任意の状態を治療するために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年6月25日に出願された米国特許仮出願第61/220,480号;2010年1月7日に出願された同61/293,087号;および2010年1月7日に出願された同61/293,133号の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
(i) 発明の分野
本発明は、ラクタム、アミド、イミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、ベンズアミドおよびアシルアニリン含有ファーマコフォアのプロドラッグに関する。
【背景技術】
【0003】
(ii) 発明の背景
薬物送達系は、しばしば、生物学的に活性な薬剤の安全かつ有効な投与に重要である。おそらく、これらの系の重要性は、患者コンプライアンスおよび一貫した投与が考慮されている場合に最も良く理解される。例えば、薬物についての投与要件を、1日に4回から1日に1回に下げることは、患者コンプライアンスを確保することおよび治療を最適化することに関して、大きな価値を有する。
【0004】
薬物の生物学的利用能の最適化は、多くの潜在的な利点を有する。患者の利便性および高められたコンプライアンスについては、一般的に、より低頻度の投与が望ましいと認識されている。薬物が放出される期間を延ばすことにより、用量あたりのより長い作用の持続時間が期待される。次いで、このことにより、これまでは1日に4回の投与が必要であった場合に薬物の摂取を1日に1回にすること、またはこれまでは毎日の投与が必要であった場合には1週間に1回もしくはさらに低い頻度で投与することなどの投与パラメーターの全体的な改善がもたらされる。現在多くの薬物は1日に1回投与されているが、これらの薬物の全てが、正確に24時間の投与間隔に適する薬物動態学的特性を有するわけではない。これらの薬物が放出される期間を延ばすことも有益である。
【0005】
薬物療法における基本的な考えの一つには、血中レベルと治療活性の関係が含まれる。ほとんどの薬物について、最小有効濃度と潜在的毒性レベルの間に血清レベルを維持することは最も重要である。薬物動態学に関して、薬物の血中レベルのピークと谷は、理想的には血清濃度の治療領域(window)中に良好に収まる。特定の治療剤について、この領域は非常に狭いので、投与剤形が重要になる。
【0006】
生物学的利用能の改善についての必要性に取り組むために、いくつかの薬物放出調節技術が開発されている。例えば、可溶性が低い5,5ジフェニルイミダゾリジン-2,4-ジオンを、リン酸エステルプロドラッグに誘導体化して可溶性が工場されている。(Stella et. al, 米国特許第4,260,769号、1981年)。胃における薬物の保護剤として腸溶性コーティングが使用されており、タンパク質性マイクロスフィア、リポソームまたは多糖類を使用して活性剤をマイクロカプセル化(microencapsulate)することが、活性剤の酵素分解の低減に有効であった。酵素分解を防ぐために、酵素阻害補助薬も使用されている。
【0007】
種々の医薬製剤は、活性剤を、ジカルボン酸のアミド、修飾アミノ酸または熱縮合アミノ酸中にマイクロカプセル化することで持続放出を提供する。放出を遅くする添加剤を、錠剤剤形中で多くの活性剤と混合することもできる。
【0008】
マイクロカプセル化および腸溶性コーティングの技術は、活性剤物質に高められた安定性および長期放出特性を付与するが、これらの技術にはいくつかの欠点がある。活性剤の組み込みは、しばしばマイクロカプセル化マトリックスへの拡散に依存して、定量的でない場合があり、投与量再現性を複雑にすることがある。また、封入された薬物は、マトリックスからの拡散もしくはマトリックスの分解、またはその両方に依存し、活性剤の化学的特性および水溶性に大きく依存する。逆に、水溶性マイクロスフィアは無制限に膨張して、不運にも破裂して活性剤を放出し、限られた量の活性剤しか持続放出に利用できないことがある。さらに、いくつかの技術において、活性剤放出に必要な分解過程の制御は当てにならない。例えば、腸溶性コーティングされた活性剤は、活性剤の放出がpHに依存し、pHおよび滞留時間は変化するので、放出速度を制御することは困難である。
【0009】
いくつかの埋め込み薬物送達系には、薬物に付着するポリペプチドが利用されている。さらに、薬物をマトリックス中に取り込んだ他の大きな重合性担体が、薬物の段階的放出のためのインプラントとして使用される。さらに別の技術では、活性成分が高度に整列した脂質フィルムに結合する、薬物の共有結合の利点とリポソーム形成が合わされる。
【0010】
しかしながら、依然として、これまでに調製されていないか、または長時間にわたる放出のために持続放出剤形に調製することが困難であり、患者の投与に都合のよい、特定の活性剤を送達し得る活性剤送達系の必要性がある。
【0011】
毎日投与の要件を低減し、親薬物の制御放出および持続放出を可能にし、さらに放出の不規則性および典型的な溶解制御持続放出法により生じる煩わしい調製を回避する薬物の持続送達の必要性が、一般的に認識されている。
【発明の概要】
【0012】
発明の概要
本発明は、患者への投与後に、ラクタム、アミド、イミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、ベンズアミド、アシルアニリンおよび環状アミド含有親薬物が、放出されて吸収される期間を延長すること、ならびに親薬物自身よりも長い用量あたりの作用の持続時間を提供することにより、このことを達成する。一態様において、本発明の方法における使用に適した化合物は、アミドの窒素原子または酸素原子が不安定なアルデヒド結合プロドラッグ部分で置換された、ラクタム、アミド、イミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、ベンズアミド、アシルアニリン、および環状アミド含有親薬物の誘導体である。好ましくは、プロドラッグ部分は疎水性であり、生理学的条件下で親薬物の極性および溶解度を低減する。
【0013】
一態様において、本発明は、式I、IIまたはIII:


(式中、AおよびBは、それらが結合する-N(C=X)-または-N=C-X-または-S(O)2-N-基と一緒になって親薬物を形成し;
Xは、-S-または-O-であり;
R1は、-C(RA)(RB)-OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)R20、-C(RA)(RB)-OC(O)NR20R21、-(C(RA)(RB))-OPO3MY、-(C(RA)(RB))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[C(RA)(RB)O]z-R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)OR20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)NR20R21、-[C(RA)(RB)O]z-OPO3MY、-[C(RA)(RB)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[C(RA)(RB)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
zは2または3であり;
各RAおよびRBは、独立して水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
各R20およびR21は、独立して水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
YおよびMは、同じであるかまたは異なり、それぞれ一価のカチオンであるか;あるいはMおよびYは一緒になって二価のカチオンであり、
前記親薬物が式Iの5,5ジフェニルイミダゾリジン-2,4-ジオン部分を含む場合、R1は、-CH(RA)OPO3MY、CH(RA)OP(O)(OH)2または-CH(RA)OC(O)R20以外である)
のプロドラッグ化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物を提供する。
【0014】
本発明はさらに、親薬物と不安定部分のコンジュゲートを投与することによる、親薬物の持続送達のための方法であって、コンジュゲートが式I、IIまたはIIIで表される方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の前述およびその他の主題、特徴および利点は、添付の図面において図示されるように、本発明の好ましい態様の以下のより具体的な記載から明白であろう。図面中の同じ参照記号は、異なる図面を通じて同じ部分を言及する。図面は、必ずしも同じ縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理の説明に重点が置かれる。
【図1】図1は、化合物-7のPXRDスペクトルである。
【図2】図2は、化合物-7のIRスペクトルである。
【図3】図3は、化合物-7のラマンスペクトルである。
【図4】図4は、化合物-7のTGAサーモグラムである。
【図5】図5は、化合物-7のDSCサーモグラムである。
【図6】図6は、AMPH誘導性ロコモーションモデル(locomotion model)における化合物-4の薬力学的(PD)試験である。
【図7】図7は、AMPH誘導性ロコモーションモデルにおける化合物-7の薬力学的(PD)試験である。
【図8】図8は、ラットへの化合物7の静脈内投与(0.5mg/Kg)後のアリピプラゾールの血漿内濃度である。
【図9】図9は、30mg/kgの化合物7のイヌへの筋内投与後のアリピプラゾール、デヒドロアリピプラゾールおよび化合物7の血漿内濃度である。
【図10】図10は、ラットへの静脈内投与(20mgピオグリタゾン相当)後のピオグリタゾン、化合物-1002および化合物-1008の薬物動態学的プロフィールである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明の一局面は、一般式I、IIまたはIII:


(式中、AおよびBは、それらが結合する-N(C=X)-または-N=C-X-または-S(O)2-N-と一緒になって親薬物を形成し;
Xは-S-または-O-であり;
R1は、-C(RA)(RB)-OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)R20、-C(RA)(RB)-OC(O)NR20R21、-(C(RA)(RB))-OPO3MY、-(C(RA)(RB))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[C(RA)(RB)O]z-R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)OR20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)NR20R21、-[C(RA)(RB)O]z-OPO3MY、-[C(RA)(RB)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[C(RA)(RB)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
各RAおよびRBは、独立して水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
各R20およびR21は、独立して水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
YおよびMは、同一であるかまたは異なり、それぞれ一価のカチオンであるか;あるいはMおよびYは、一緒になって二価のカチオンであり;
前記親薬物が式Iの5,5ジフェニルイミダゾリジン-2,4-ジオン部分を含む場合、R1は、-CH(RA)OPO3MY、CH(RA)OP(O)(OH)2または-CH(RA)OC(O)R20以外である)
を有する化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物を提供する。
【0017】
一態様において、式I、IIおよびIIIを有する本発明の化合物は、それらが由来する親薬物と比較して、溶解度が低く、好ましくは少なくとも一桁溶解度が低い。一態様において、式I、IIおよびIIIのプロドラッグは、室温で、リン酸バッファ(pH7.4)中で測定した場合、約0.5mg/ml未満、好ましくは約0.1mg/mL未満、好ましくは約0.01mg/mL未満、好ましくは約0.001mg/mL未満、好ましくは約0.0001mg/mL未満、さらに好ましくは約0.00001mg/ml未満の水溶性を有する。
【0018】
好ましい態様において、本発明の化合物は、被験体に、例えば経口または非経口投与した場合、数時間、数日、数週間または数ヶ月にわたる親薬物の持続送達を提供する。例えば、該化合物は、少なくとも8、12、24、36もしくは48時間または少なくとも4、7、15、30、60、75もしくは90日以上の間の親薬物の持続送達を提供し得る。理論に拘束されないが、本発明の化合物は、非経口投与、例えば皮下、筋内または腹腔内注射の際に、不溶性デポを形成すると考えられる。一態様において、本発明のプロドラッグはさらに、酵素分解または化学分解からのプロドラッグのさらなる保護を提供するための持続放出送達系を含み得る。
【0019】
別の態様において、本発明は、親ラクタム、アミド、イミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、ベンズアミドまたはアシルアニリン含有薬物の、それを必要とする被験体への持続送達の方法を提供する。これらの群のそれぞれは、アミドN-H基を含む。該方法は、被験体に、NH基を不安定な疎水性アルデヒド結合プロドラッグ部分で置換して形成されたプロドラッグの有効量を投与する工程を含み、該プロドラッグは、生理学的条件下で、親薬物と比較して低減された溶解度を有し、親薬物の投与後に観察されるレベルよりも長い投与後の親薬物の持続的治療レベルを提供する。好ましい態様において、アミドN-H基は、約5〜約22、好ましくは約5〜約21、好ましくは約5〜約20のpKaを有する。
【0020】
好ましい態様において、R1は表-1から選択される。
表1





































【0021】
より好ましい態様において、R1は表2から選択される。
表2





【0022】
より好ましい態様において、R1は表3から選択される。
表3



【0023】
より好ましい態様において、R1は表4から選択される。
表4





【0024】
ラクタム、環状尿素、イミド、カルバメート含有ファーマコフォアのプロドラッグ
一態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式IVまたはV:


(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
XおよびR1は上述に定義されるとおりであり;
各X1、X2およびX3は、独立して非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(R10)-、-C(O)-、-C(OR10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]v-、-C(R10)=C(R10)-から選択され;vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;
各R10およびR11は、独立して非存在、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールであるか;あるいは2つのR10およびR11は、それらが結合する原子と一緒に、さらなる任意に置換された3、4、5、6または7員環を形成し得;
tは0、1、2または3である)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩、共結晶および溶媒和物である。
【0025】
一態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式VIまたはVII:


(式中、

は単結合または二重結合を表し;
X、X1、X2およびR1は、上述に定義されるとおりであり;
環Yは、1、2または3個の環を含む、任意に置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはアリールであり;
各F1およびF2は、独立して非存在およびR5-A-Cy1-B-D-から選択され;
Aは、非存在、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-S[C(R30)(R31)]u-、-S(O)[C(R30)(R31)]u-、-S(O)2[C(R30)(R31)]u-、-O[C(R30)(R31)]u-、-N(R30)-、-N(R30)[C(R31)(R32)]u-、-[C(R30)(R31)]u、-C(O)[C(R30)(R31)]u-から選択され;
各uは、独立して1、2、3、4、5、6または7であり;
Cy1は、非存在または任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
Bは非存在またはリンカーであり;
Dは、非存在、-O-、-NR33、-C(R34)(R35)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-および-C(O)-から選択され;
各G1およびG2は、独立して非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-SC(R40)(R41)-、-S(O)C(R40)(R41)-、-S(O)2C(R40)(R41)-、-C(O)-、-C(OR40)(R41)-、-OC(R40)(R41)-、-N(R40)-、-C(R40)=C(R41)-、-N(R40)-C(R41)(R42)-、および-[C(R40)(R41)]u-から選択され;
各R3、R4、R5、R30、R31、R32 R33、R34、R35、R40、R41およびR42は、独立して非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-NR10R11-、-C(O)R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択されるか;あるいは2つのR3基または2つのR4基または1つのR3基と1つのR4基はそれらが結合する原子および間にある任意の原子と一緒に、任意に置換された環を形成し;
mおよびqは、独立して0、1および2から選択される)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0026】
好ましい態様において、G2は、-N-または-C(R10)-から選択される。
【0027】
好ましい態様において、R5部分は:






(式中、R100およびR101は、それぞれ、独立して水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-C8アルキル、任意に置換されたC2-C8アルケニル、任意に置換されたC2-C8アルキニル、任意に置換されたC3-C8シクロアルキル、任意に置換されたC1-C8アルコキシ、任意に置換されたC1-C8アルキルアミノおよび任意に置換されたC1-C8アリールから選択される1〜4個の置換基を表し;R103は、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-C8アルキル、任意に置換されたC2-C8アルケニル、任意に置換されたC2-C8アルキニル、任意に置換されたC3-C8シクロアルキル、任意に置換されたC1-C8アルコキシ、任意に置換されたC1-C8アルキルアミノおよび任意に置換されたC1-C8アリールから選択される)
から選択されるアリールまたはヘテロアリール基である。
【0028】
好ましい態様において、Cy1は:








から選択される。
【0029】
好ましい態様において、二価のBは、直接結合、直鎖のC1-C10アルキル、C1-C10アルケニル、C1-C10アルキニル、C1-C10アルコキシ、アルコキシC1-C10アルコキシ、C1-C10アルキルアミノ、アルコキシC1-C10アルキルアミノ、C1-C10アルキルカルボニルアミノ、C1-C10アルキルアミノカルボニル、アリールオキシC1-C10アルコキシ、アリールオキシC1-C10アルキルアミノ、アリールオキシC1-C10アルキルアミノカルボニル、C1-C10-アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、C1-C10アルキル(N-アルキル)アミノアルキル-アミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノアルキルアミノ、アルキル(N-アルキル)アミノアルキルアミノ、(N-アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキルアミノアルキル、アルキルピペラジノアルキル、ピペラジノアルキル、アルキルピペラジノ、アルケニルアリールオキシC1-C10アルコキシ、アルケニルアリールアミノC1-C10アルコキシ、アルケニルアリール(aryll)アルキルアミノC1-C10アルコキシ、アルケニルアリールオキシC1-C10アルキルアミノ、アルケニルアリールオキシC1-C10アルキルアミノカルボニル、ピペラジノアルキルアリール、ヘテロアリールC1-C10アルキル、ヘテロアリールC2-C10アルケニル、ヘテロアリールC2-C10アルキニル、ヘテロアリールC1-C10アルキルアミノ、ヘテロアリールC1-C10アルコキシ、ヘテロアリールオキシC1-C10アルキル、ヘテロアリールオキシC2-C10アルケニル、ヘテロアリールオキシC2-C10アルキニル、ヘテロアリールオキシC1-C10アルキルアミノまたはヘテロアリールオキシC1-C10アルコキシである。
【0030】
一態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式VIIIまたはVIIIA:


(式中、環Y、R1、R3、R4、G1、G2、X、F2、mおよびqは上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0031】
より好ましい態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式IXまたはX:


(式中、R1、R3、F2およびqは上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0032】
好ましい態様において、化合物は表IX〜Xから選択される。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表IX〜Xの化合物である。



【0033】
より好ましい態様において、ドンペリドンのプロドラッグが開示される。(表IX〜Xの式4および11)。より好ましい態様は、R1が表1から選択される表IX〜Xの式4の化合物である。より好ましい態様において、R1が表2〜4から選択される表IX〜Xの式4の化合物が開示される。
【0034】
より好ましい態様において、ドロペリドールのプロドラッグが開示される。(表IX〜Xの式6および13)。より好ましい態様において、R1が表1から選択される表IX〜Xの式6の化合物が開示される。より好ましい態様は、R1が表2〜4から選択される表IX〜Xの式6の化合物である。
【0035】
より好ましい態様において、ピモジドのプロドラッグが開示される。(表IX〜Xの式7および14)。より好ましい態様において、R1が表1から選択される表IX〜Xの式7の化合物が開示される。より好ましい態様において、R1が表2〜4から選択される表IX〜Xの式7の化合物が開示される。
【0036】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIまたはXII:


(式中、環Y、R1、R3、R4、X、F1、G1、G2、mおよびqは上述に定義されるとおりである)
で表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0037】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIAまたはXIIA:


(式中、R1、R3、R4、R5、R10、R11、A、D、mおよびqは上述に定義されるとおりであり;
R2は、非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-NR10R11-、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたはアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11であり;
各G3およびG4は、独立して-N-および-C(R10)-[C(R10)(R11)]a-から選択され、aは0、1または2であり;
X20は、-C(R10)-または-N-であり;
pは、0、1、2または3である)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0038】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIBまたはXIIB:


(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R10、R11、A、D、m、pおよびqは上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0039】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XICまたはXIIC:


(式中、R1は上述に定義されるとおりであり;
wは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0040】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIDまたはXIID:


(式中、X1、R1、R2、R3、R5、A、B、D、G3、G4、p、q、R10およびR11は上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0041】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIEまたはXIIE:


(式中、X、R1、R2、R3、R4、A、D、G3、G4、m、q、r、R10およびR11は上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0042】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIEまたはXIIE:


(式中、X、R1、R2、D、r、R10およびR11は上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0043】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIGまたはXIIG:


(式中、R1は上述に定義されるとおりである)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0044】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIHまたはXIIH:


(式中、X、R1、R2、R5、A、D、G3、G4およびpは、上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0045】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XI-IまたはXII-I:


(式中、R1は上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0046】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIJまたはXIIJ:


(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、A、D、G3、G4、p、R10およびR11は、上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0047】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIKまたはXIIK:


(式中、R1は、上述に定義されるとおりである)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0048】
好ましい態様において、化合物は表XI〜XIIから選択される。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XI〜XIIの化合物である。
表XI〜XII



【0049】
より好ましい態様において、アリピプラゾールのプロドラッグが開示される。(表XI〜XIIの式1および7)。より好ましい態様において、R1が表1から選択される式1の化合物が開示される。より好ましい態様において、R1が表2〜4から選択される式1の化合物が開示される。
【0050】
より好ましい態様において、デヒドロアリピプラゾールのプロドラッグが開示される。(表XI〜XIIの式2および8)。より好ましい態様において、R1が表1から選択される式2の化合物が開示される。より好ましい態様において、R1が表2〜4から選択される式2の化合物が開示される。
【0051】
より好ましい態様において、ジプラシドン(ziprasidone)のプロドラッグが開示される。(表XI〜XIIの式3および9)。より好ましい態様において、R1が表1から選択される式3の化合物が開示される。より好ましい態様において、R1が表2〜4から選択される式3の化合物が開示される。
【0052】
より好ましい態様において、ビフェプルノックス(bifeprunox)のプロドラッグが開示される。(表XI〜XIIの式4および11)。より好ましい態様において、R1が表1から選択される式4の化合物が開示される。より好ましい態様において、R1が表2〜4から選択される式4の化合物が開示される。
【0053】
本発明による代表的な化合物は、以下の表A〜Iから選択されるもの、およびその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である:



















【0054】

























【0055】









【0056】









【0057】
別の態様において、本発明は、式LIおよびLII:


の化合物に関する。
【0058】
本発明の別の局面において、式LIおよびLIIの化合物は表EおよびFから選択される:





















【0059】











【0060】
式IX、X、XI、XIIの化合物、特に表A〜Dの化合物は、統合失調症、躁病、不安および双極性疾患を含む神経学的および精神的障害の治療に有用である。これらの化合物は、不安定部分R1の切断により、親ファーマコフォアの持続放出を提供する。このように、式IX、X、XI、XIIの化合物、特に表A〜Dの化合物は、親薬物の持続放出を提供することにより、神経学的障害の治療に有用である。
【0061】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XIIIまたはXIV:


(式中、R100、R101、R102およびR103は、独立して非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-NR10R11-、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたはアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択されるか;
あるいは、2つのR100およびR101は、それらが結合する原子および間にある任意の原子と一緒に、任意に置換された環を形成し;
X100は-CH-または-N-である)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0062】
好ましい態様は、表XIII〜XIVから選択される化合物である。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XIII〜XIVの化合物である。
表XIII〜XIV





【0063】
アシルアニリンのプロドラッグ
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XVまたはXVI:


(式中、R1は上述に定義されるとおりであり;
各R50、R51、R52、R53、R54およびR55は、独立して水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-NR10R11-、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたはアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択されるか;
あるいは、2つ以上のR50、R51、R52、R53、R54およびR55は、それらが結合する原子と一緒に、任意に置換された環を形成する)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0064】
好ましい態様は、表XV〜XVIから選択される化合物である。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XV〜XVIの化合物である。
表XV〜XVI













【0065】
チアゾリジノン(thiazolidinones)
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XVII、XVIIIまたはXIX:


(式中、F1およびR1は、上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0066】
好ましい態様は、以下に示されるような式XX、XXIまたはXXII:


(式中、R1は上述に定義されるとおりであり;
Cy2は任意に置換された複素環式環であり;
X5は、非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(R10)-、-C(O)-、-C(OR10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]v-、-O[C(R10)(R11)]v、-O[C(R10)(R11)]vO-、-S[C(R10)(R11)]vO-、-NR12[C(R10)(R11)]vO-、-NR12[C(R10)(R11)]vS-、-S[C(R10)(R11)]v-、-C(O)[C(R10)(R11)]v-および-C(R10)=C(R10)-から選択され;vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0067】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXIV:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0068】
式XXIVのより好ましい態様において、R1は表1〜4から選択される。
【0069】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXV:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0070】
式XXVのより好ましい態様において、R1は表1〜4から選択される。
【0071】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXVI:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0072】
式XXVIのより好ましい態様において、R1は表1〜4から選択される。
【0073】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXVII:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0074】
式XXVIIのより好ましい態様において、R1は表1〜4から選択される。
【0075】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXVIII:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0076】
式XXVIIIのより好ましい態様において、R1は表1〜4から選択される。
【0077】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXIX:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0078】
式XXIXのより好ましい態様において、R1は表1〜4から選択される。
【0079】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXX:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0080】
式XXXのより好ましい態様において、R1は表1から選択される。
【0081】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXXI:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0082】
式XXXIのより好ましい態様において、R1は表1から選択される。
【0083】
好ましい態様は、以下に示されるような式XXXII:


の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0084】
式XXXIIのより好ましい態様において、R1は表1から選択される。
【0085】
好ましい態様において、式XX〜XXIIの化合物は、以下の表XX〜XXIIから選択され、R1は上述されるとおりである。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XX〜XXIIの化合物である。
表XX〜XXII



【0086】
式XVII〜XXXIIのチアゾリジンジオンプロドラッグは、2型糖尿病の治療に有用である。式XVII〜XXXIIのプロドラッグ、特に上述の表XX〜XXIIの化合物の投与による、2型糖尿病の治療方法が本明細書に示され、該プロドラッグは、親薬物の持続放出を提供する。親薬物は不安定R1部分の切断により生じる。
【0087】
いくつかの態様において、式XXVIIの化合物は表Gから選択される:







【0088】













【0089】













【0090】
バルビツレート
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XXXIII〜XXXVII:


(式中、X、X1、X2、R100、R101およびR1は上述に定義されるとおりであり;
X10は-Sまたは-Oである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0091】
好ましい態様において、表XXXIII〜XXXVIIの化合物が示される。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XXXIII〜XXXVIIの化合物である。
表XXXIII〜XXXIV





【0092】
ピリドン(pyridone)ピリミドン(pyrimidone)およびピリミジオン(pyrimidione)のプロドラッグ
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XXXVIIIまたはXXXIX:


(式中、X、R1、R3、R4、mおよびqは、上述に定義されるとおりであり;
X11は、-N-または-C(R10)-であり;
X12は、-C(O)-、-C(S)-、-C(R10)(R11)-または-C(R10)(OR11)-であり;
X13は、-O、-S、-N(R10)(R11)、-OR10である)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0093】
好ましい態様は、表XXXVIII〜XXXIXから選択される化合物である。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XXXVIII〜XXXVIXの化合物である。
表XXXVIII





【0094】
ベンズアミドファーマコフォアのプロドラッグ
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XLまたはXLI:


(式中、R1、R50、R51、R52、R53、R54およびR55は上述に定義されるとおりである)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0095】
表XL〜XLI











【0096】
イミドファーマコフォアのプロドラッグ
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式XLII、XLIIIまたはXLIV:


(式中、R1 R100、R101、X、X1およびX2は、上述に定義されるとおりであるか;あるいはR100およびR101は、それらが結合している原子と一緒になって、任意に置換された3、4、5、6または7員環を形成する)
により表され、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0097】
より好ましい態様は、表XLII〜XLIVから選択される化合物である。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表XLII〜XLIVの化合物である。
表XLII〜XLIV





【0098】
別の態様において、式IV〜VIIを有する本発明の化合物は、表IV〜Vから選択される。











【0099】
スルホンアミドファーマコフォアのプロドラッグ
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるような式III:


により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0100】
好ましい態様は、表IIIから選択される化合物である。より好ましい態様は、R1が表1〜4から選択される表IIIの化合物である。















【0101】
式III、および特に表IIIのクロロチアジドおよびヒドロクロロチアジド化合物は、高血圧、うっ血性心不全、骨粗しょう症、症候性浮腫(symptomatic edema)末端浮腫、腎臓結石、糖尿病、腎性尿崩症、高カルシウム血症、デント病およびメニエール病の治療に有用である。式IIIおよび表IIIの化合物は、不安定R1部分の切断により、親薬物の持続放出を提供する。式IIIの化合物、例えばIII-63〜III-71は糖尿病の治療用のプロドラッグとして有用である。
【0102】
本発明の別の局面において、第二級アミドを有する式XLVの化合物を、置換第三級アミドに変換する一般的な方法が示される(スキーム1)。
【0103】

【0104】
式XLVの化合物に対するアルデヒドまたはケトンの反応に加えて、第二級ラクタム基を変換するための他の過程が使用され得る。例えば、アルキル化後の不活性溶媒中でのナトリウムの添加、または水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムの添加後のハロゲン化アルキルの添加が使用され得る。第二級ラクタムを本願の置換第三級ラクタム化合物に変換するためにマイクロ波に基づく合成手順も使用され得る。(一般的な創設について、March J. Advanced Organic Chemistry, Wiley, 1992;Inoue et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 58, 2721-2722, 1985;Mijin et al., J. Serb. Chem. Soc., 73(10) 945-950, 2008;Bogdal et al. Molecules, 1999, 4, 333-337;米国特許第5,041,659号参照)。
【0105】
本発明はさらに、式I〜IIIの化合物の投与による式XLVの化合物の持続送達に関する。式I〜IIIの化合物の投与の際に、不安定なR1部分は、酵素的に、化学的にまたは第一段階代謝により分解除去されて式XLVの化合物を生じ得る。理論に拘束されないが、式I〜IIIの化合物のいくつかについて、R1部分の切断の際の式XLVの化合物の放出により治療活性剤が生じると仮定される。例えば、かかる活性成分は、アリピプラゾール、ジプラシドンまたはビフェプルノックスであり得る。一態様において、持続放出は、式I〜IIIの化合物の投与後、患者の血流中に、少なくとも約8時間、好ましくは約12時間、より好ましくは少なくとも約24時間、さらに好ましくは少なくとも約36時間の期間、治療有効量の式XLVの化合物を含む。一態様において、式XLVの化合物は、少なくとも48時間、少なくとも4日間、少なくとも1週間および少なくとも1ヶ月間から選択される期間、患者の血流中に存在する。一態様において、式I〜IIIの化合物は注射により投与される。
【0106】
式IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XXXIII、XXXIV、XXXV、XXXVIおよびXXXVIIの化合物は、神経学的および精神的障害の治療に有用である。神経学的および精神的障害としては、限定されないが、心臓バイパス手術および移植後の脳の欠陥(cerebral deficit)、脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、頭部外傷、周生期低酸素症、心臓停止、低血糖性神経損傷(hypoglycemic neuronal damage)、認知症(AIDS誘導性認知症を含む)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物誘導性パーキンソン病、筋痙攣、および振せん、癲癇、痙攣を含む筋痙直に伴う障害、長期的な癲癇状態に続発性の脳の欠陥、偏頭痛(偏頭痛(migraine headache)を含む)、尿失禁、物質耐性(substance tolerance)、物質禁断症状(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠薬などの物質を含む)、精神病、統合失調症、不安(全般性不安障害、恐慌性障害、社会恐怖、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含む)、気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を含む)、概日リズム障害(時差ぼけおよび交代制の仕事を含む)、三叉神経痛、聴覚障害、耳鳴、目の黄斑変性、嘔吐、脳水腫、疼痛(急性および慢性疼痛状態、重度疼痛、難治性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛および外傷後疼痛を含む)、遅発性ジスキネジー、睡眠障害(ナルコレプシーを含む)、注意欠陥/過活動性障害、摂食障害ならびに行為障害などの障害が挙げられる。
【0107】
定義
本発明を説明するために使用される種々の用語の定義を以下に列挙する。これらの定義は、具体例において他に限定されない限り、用語が本願明細書および特許請求の範囲を通じて、個々にまたは大きな群の一部としてのいずれかで使用される場合に、該用語に適用される。
【0108】
用語「脂肪族基」または「脂肪族」は、飽和していても(例えば単結合)、1つ以上の不飽和の単位、例えば二重および/または三重結合を含んでいてもよい非芳香族部分のことをいう。脂肪族基は、直鎖、分岐鎖または環状であり得、炭素、水素または任意に1つ以上のへテロ原子を含み得、置換されていてもされていなくてもよい。脂肪族炭化水素基に加えて、脂肪族基としては、例えばポリアルキレングリコール、ポリアミンおよびポリイミンなどのポリアルコキシアルキルが挙げられる。かかる脂肪族基はさらに置換されてもよい。脂肪族基としては、本明細書に記載されるように、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニルおよび置換または非置換シクロアルキル基が挙げられ得ることが理解されよう。
【0109】
用語「アシル」は、水素、アルキル、部分飽和もしくは完全飽和シクロアルキル、部分飽和もしくは完全飽和複素環、アリールまたはヘテロアリールで置換されたカルボニルのことをいう。例えば、アシルとしては(C1-C6)アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル、t-ブチルアセチル等)、(C3-C6)シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、複素環式カルボニル(例えば、ピロリジニルカルボニル、ピロリド-2-オン-5-カルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、テトラヒドロフラニルカルボニル等)、アロイル(例えばベンゾイル)およびへテロアロイル(例えば、チオフェニル-2-カルボニル、チオフェニル-3-カルボニル、フラニル-2-カルボニル、フラニル-3-カルボニル、1H-ピロリル(pyrroyl)-2-カルボニル、1H-ピロリル(pyrroyl)-3-カルボニル、ベンゾ[b]チオフェニル-2-カルボニル等)などの基が挙げられる。また、アシル基のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリール部分は、それぞれの定義に記載される基のいずれか1つであり得る。「任意に置換された」と示される場合、アシル基は、置換されないか、または「置換」についての定義で以下に列挙される置換基の群から独立して選択される1つ以上の置換基(典型的には、1〜3個の置換基)で任意に置換され得るか、あるいはアシル基のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリール部分はそれぞれ、置換基の好ましいリストおよびより好ましいリストにおいて上述のように置換され得る。
【0110】
用語「アルキル」には、特定の数の炭素を有する分岐鎖および直鎖の両方の、置換または非置換飽和脂肪族炭化水素ラジカル/基が含まれることが意図される。好ましいアルキル基は、約1〜約24個の炭素原子(「C1-C24」)、好ましくは約7〜約24個の炭素原子(「C7-C24」)、好ましくは約8〜約24個の炭素原子(「C8-C24」)、好ましくは約9〜約24個の炭素原子(「C9-C24」)を含む。他の好ましいアルキル基は、約1〜約6個の炭素原子(「C1-C6」)など、または約1〜約3個の炭素原子(「C1-C3」)などの約1〜約8個の炭素原子(「C1-C8」)を含む。C1-C6アルキルラジカルの例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチルおよびn-ヘキシルラジカルが挙げられる。
【0111】
用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖のラジカルのことをいう。かかるラジカルは、好ましくは約2〜約24個の炭素原子(「C2-C24」)、好ましくは約7〜約24個の炭素原子(「C7-C24」)、好ましくは約8〜約24個の炭素原子(「C8-C24」)、好ましくは約9〜約24個の炭素原子(「C9-C24」)を含む。他の好ましいアルケニルラジカルは、エテニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4-メチルブテニルなどの2〜約10個の炭素原子を有する(「C2-C 10」)「低級アルケニル」ラジカルである。好ましい低級アルケニルラジカルは、2〜約6個の炭素原子を含む(「C2-C6」)。用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、「シス」および「トランス」配向、または代替的には「E」および「Z」配向を有するラジカルを包含する。
【0112】
用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖ラジカルのことをいう。かかるラジカルは、好ましくは約2〜約24個の炭素原子(「C2-C24」)、好ましくは約7〜約24個の炭素原子(「C7-C24」)、好ましくは約8〜約24個の炭素原子(「C8-C24」)、好ましくは約9〜約24個の炭素原子(「C9-C24」)を含む。他の好ましいアルキニルラジカルは、プロパルギル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチン、2-ブチニルおよび1-ペンチニルなどの2〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキニル」ラジカルである。好ましい低級アルキニルラジカルは、2〜約6個の炭素原子(「C2-C6」)を含む。
【0113】
用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子(「C3-C12」)を有する飽和炭素環式ラジカルのことをいう。用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子を有する飽和炭素環式ラジカルを包含する。かかるラジカルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0114】
用語「シクロアルケニル」は、3〜12個の炭素原子を有する部分不飽和炭素環式ラジカルのことをいう。2個の二重結合を含む(共役していてもしていなくてもよい)部分不飽和炭素環式ラジカルであるシクロアルケニルラジカルは、「シクロアルキルジエニル」と称され得る。より好ましいシクロアルケニルラジカルは、4〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルケニル」ラジカルである。かかるラジカルの例としては、シクロブテニル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0115】
用語「アルキレン」は、本明細書で使用する場合、特定の数の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素鎖由来の二価の基のことをいう。アルキレン基の例としては、限定されないがエチレン、プロピレン、ブチレン、3-メチル-ペンチレンおよび5-エチル-ヘキシレンが挙げられる。
【0116】
用語「アルケニレン」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、特定の数の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素部分由来の二価の基を表す。アルケニレン基としては、限定されないが、例えばエテニレン、2-プロペニレン、2-ブテニレン、1-メチル-2-ブテン-1-イレン等が挙げられる。
【0117】
用語「アルキニレン」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し、特定の数の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素部分由来の二価の基を表す。代表的なアルキニレン基としては、限定されないが、例えばプロピニレン、1-ブチニレン、2-メチル-3-ヘキシニレン等が挙げられる。
【0118】
用語「アルコキシ」は、それぞれが1〜約24個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子のアルキル部分を有する直鎖または分岐鎖のオキシ含有ラジカルのことをいう。より好ましいアルコキシラジカルは、1〜約10の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」ラジカルである。かかるラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびtert-ブトキシが挙げられる。
【0119】
用語「アルコキシアルキル」は、アルキルラジカルに結合した1つ以上のアルコキシラジカルを有する、すなわちモノアルコキシアルキルラジカルおよびジアルコキシアルキルラジカルを形成するアルキルラジカルのことをいう。
【0120】
用語「アリール」は、単独または組み合わせて、1、2または3個の環を含む炭素環式芳香族系を意味し、かかる環は、張り出した様式(pendent manner)で一緒に結合され得るか、または縮合され得る。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダンおよびビフェニルなどの芳香族ラジカルを包含する。
【0121】
用語「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」、「複素環」「複素環式」または「ヘテロシクロ(heterocyclo)」は、飽和、部分不飽和および不飽和のへテロ原子含有環状ラジカルのことをいい、対応して「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルケニル」および「ヘテロアリール」とも称され得、ヘテロ原子は、窒素、硫黄および酸素から選択され得る。飽和ヘテロシクリルラジカルの例としては、1〜4個の窒素原子を含む飽和3〜6員単環複素環式基(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル等);1〜2個の酸素原子と1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6員単環複素環式基(例えば、モルホリニル等);1〜2個の硫黄原子と1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6員単環複素環式基(例えば、チアゾリジニル等)が挙げられる。部分不飽和ヘテロシクリルラジカルの例としては、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフランおよびジヒドロチアゾールが挙げられる。ヘテロシクリルラジカルは、テトラゾリウムおよびピリジニウムラジカルなどの中に5価の窒素を含み得る。用語「複素環」はまた、ヘテロシクリルラジカルがアリールまたはシクロアルキルラジカルと縮合したラジカルを包含する。かかる縮合二環式ラジカルの例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等が挙げられる。
【0122】
用語「ヘテロアリール」は、不飽和芳香族ヘテロシクリルラジカルのことをいう。ヘテロアリールラジカルの例としては、1〜4個の窒素原子を含む不飽和3〜6員単環複素環式基、例えばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば4H-1,2,4-トリアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル等)、テトラゾリル(例えば、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル等)等;1〜5個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロシクリル基、例えばインドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(例えばテトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル等)等;酸素原子を含む不飽和3〜6員単環複素環式基、例えばピラニル、フリル等;硫黄原子を含む不飽和3〜6員単環複素環式基、例えばチエニル等; 1〜2個の酸素原子と1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6員単環複素環式基、例えばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル等)等;1〜2個の酸素原子と1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル等);1〜2個の硫黄原子と1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6員単環複素環式基、例えばチアゾリル、チアジアゾリル(例えば1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル等)等;1〜2個の硫黄原子と1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル等)等が挙げられる。
【0123】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロ置換されたアルキルラジカルのことをいう。より好ましいヘテロシクロアルキルラジカルは、ヘテロシクロラジカル中に1〜6個の炭素原子を有する「低級ヘテロシクロアルキル」ラジカルである。
【0124】
用語「アルキルチオ」は、二価の硫黄原子に結合した、1〜約10個の炭素原子の直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを含むラジカルのことをいう。好ましいアルキルチオラジカルは、1〜約24個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子のアルキルラジカルを有する。より好ましいアルキルチオラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキルチオ」ラジカルであるアルキルラジカルを有する。1〜約8個の炭素原子の低級アルキルラジカルを有するアルキルチオラジカルが最も好ましい。かかる低級アルキルチオラジカルの例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオおよびヘキシルチオが挙げられる。
【0125】
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチルおよびジフェニルエチルなどのアリール置換されたアルキルラジカルのことをいう。
【0126】
用語「アリールオキシ」は、酸素原子を介して他のラジカルに結合したアリールラジカルのことをいう。
【0127】
用語「アラルコキシ」または「アリールアルコキシ」は、酸素原子を介して他のラジカルに結合したアラルキルラジカルのことをいう。
【0128】
用語「アミノアルキル」は、アミノラジカルで置換されたアルキルラジカルのことをいう。好ましいアミノアルキルラジカルは、約1〜約24個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する。より好ましいアミノアルキルラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する「低級アミノアルキル」である。1〜8個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルを有するアミノアルキルラジカルが最も好ましい。かかるラジカルの例としては、アミノメチル、アミノエチル等が挙げられる。
【0129】
用語「アルキルアミノ」は、1または2個のアルキルラジカルで置換されたアミノ基を表す。好ましいアルキルアミノラジカルは、約1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する。より好ましいアルキルアミノラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する「低級アルキルアミノ」である。1〜約8個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルを有するアルキルアミノラジカルが最も好ましい。適切な低級アルキルアミノは、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ等の一置換N-アルキルアミノまたは二置換N,N-アルキルアミノであり得る。
【0130】
用語「置換」は、所定の構造中の1つ以上の水素ラジカルの、限定されないが、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ハロアルキル、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アミノアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、アラルコキシカルボニル、カルボン酸、スルホン酸、スルホニル、ホスホン酸、アリール、ヘテロアリール、複素環式および脂肪族を含む特定の置換基のラジカルでの置き換えのことをいう。置換基がさらに置換され得ることが理解される。
【0131】
簡易化のために、定義され、全体を通して言及される化学部分は、一価の化学部分(例えば、アルキル、アリール等)であり得るか、または当業者に明白な適切な構造状況下で多価部分であり得る。例えば、「アルキル」部分は、一価のラジカル(例えばCH3-CH2-)のことをいい得るか、または他の場合は、アルキルが二価のラジカル(例えば-CH2-CH2-)であることを当業者が理解する場合は、二価の結合部分は「アルキル」であり得、用語「アルキレン」と等価である。同様に、二価の部分が必要とされ、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」または「シクロアルキル」であると記載される状況では、当業者は、用語アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」または「シクロアルキル」が、対応する二価の部分のことをいうと理解する。
【0132】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子のことをいう。
【0133】
用語「化合物」「薬物」および「プロドラッグ」は全て、本明細書で使用する場合、本明細書に示される式を有する化合物、薬物およびプロドラッグの薬学的に許容され得る塩、共結晶(co-crystal)、溶媒和物、水和物、多形体、エナンチオマー、ジアステレオアイソマー、ラセミ化合物等を含む。
【0134】
結合の変動点を介して結合するように示される置換基は、環構造上の任意の利用可能な位置に結合され得る。
【0135】
本明細書で使用する場合、用語「主題の化合物の有効量」は、主題の治療方法に関して、所望の用量計画の一部として送達された場合に、臨床的に許容され得る標準への疾患または障害の管理をもたらす、主題の化合物の量のことをいう。
【0136】
「治療」または「治療する」は、患者において有益または所望の臨床結果を得るためのアプローチのことをいう。本発明の目的について、有益または所望の臨床結果としては、限定されないが、以下:症状の緩和、疾患の程度の低減、疾患の状態の安定化(すなわち悪化しない)、疾患の拡散(すなわち転移)の予防、疾患の発生または再発の予防、疾患進行の遅延または速度低下、疾患状態の改善および寛解(部分的または完全のいずれか)の1つ以上が挙げられる。
【0137】
用語「不安定」は、本明細書で使用する場合、本発明のプロドラッグが、インビボで酵素的および/または化学的な切断を受けて、親(parent parent)薬物を形成する能力のことをいう。本明細書で使用する場合、用語「プロドラッグ」は、患者に投与された場合、インビボで、化学的および/または酵素的な加水分解により切断されて、患者に送達することを意図されるのに充分な量の化合物が、持続放出様式での意図される治療的使用に利用可能となるような親薬物を形成する、ヘテロ芳香族NH含有親薬物の不安定な誘導化合物である、本明細書に開示される化合物を意味する。
【0138】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容され得る担体または賦形剤と共に、調製された本発明の化合物の治療有効量を含む。
【0139】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る担体または賦形剤」は、任意の型の非毒性かつ不活性な、固体、半固体、ゲルまたは液体充填剤、希釈剤、封入物質または調製助剤を意味する。薬学的に許容され得る担体として作用し得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;アルファ-(α)、ベータ-(β)およびガンマ-(γ)シクロデキストリンなどのシクロデキストリン;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリル酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝化剤;アルギン酸;発熱物質非含有水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール、およびリン酸バッファ溶液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性で適合性の滑沢剤であり、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、矯味矯臭剤および香料剤、保存剤および抗酸化剤も、調製者の判断に従って組成物中に存在し得る。
【0140】
本発明の医薬組成物は、経口的、非経口的、吸入スプレーにより、局所的、直腸的、鼻腔的、経頬的、経膣的、または埋め込みレザバーにより投与され得る。好ましい態様において、投与は注射による非経口投与である。
【0141】
本発明の医薬組成物は、任意の、従来の非毒性の薬学的に許容され得る担体、補助薬またはビヒクルを含み得る。いくつかの場合、薬学的に許容され得る酸、塩基またはバッファにより製剤のpHを調整して、調製された化合物またはその送達形態の安定性が高められ得る。用語非経口は、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、鞘内、病変内および頭蓋内の注射または注入技術を含む。
【0142】
経口投与のための液体投与形態としては、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、液体投与形態は、当該技術分野において一般的に使用される、例えば水または他の溶媒などの不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、ならびにそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、矯味矯臭剤および香料剤などの補助薬も含み得る。
【0143】
注射可能な調製物、例えば注射可能な水性または油性の滅菌の懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して公知の技術に従って調製され得る。注射可能な滅菌調製物は、INTRALIPID(登録商標)、LIPOSYN(登録商標)またはOMEGAVEN(登録商標)などの注射可能な滅菌懸濁物またはエマルジョンであり得るか、あるいは例えば1,3-ブタンジオール中の溶液などの非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の溶液であり得る。INTRALIPID(登録商標)は、10〜30%のダイズ油、1〜10%の卵黄リン脂質、1〜10%のグリセリンおよび水を含む静脈内脂肪エマルジョンである。LIPOSYN(登録商標)も、2〜15%のベニバナ油、2〜15%のダイズ油、0.5〜5%の卵リン脂質、1〜10%のグリセリンおよび水を含む静脈内脂質エマルジョンである。OMEGAVEN(登録商標)は、約5〜25%の魚油、0.5〜10%の卵リン脂質、1〜10%グリセリンおよび水を含む注入用エマルジョンである。使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー液、USPおよび等張塩化ナトリウム溶液がある。また、滅菌固定油は、従来から溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的のために、合成モノ-またはジグリセリドを含む任意の低刺激性固定油を使用し得る。また、注射可能物の調製には、オレイン酸などの脂肪酸が使用される。
【0144】
注射可能な製剤は、例えば細菌保持フィルターを通したろ過により、または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射可能な媒体中に溶解もしくは分散し得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤と混ぜることにより滅菌され得る。
【0145】
本発明によるさらなる持続放出は、水溶性が低い結晶性物質または非晶質物質の液体懸濁物の使用により達成され得る。次いで、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、該溶解速度は結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。代替的に、非経口投与された薬物形態の遅い吸収は、該薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することにより達成される。注射可能なデポ形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより作製される。薬物対ポリマーの比および使用される具体的なポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポ製剤はまた、該薬物を、生体組織に適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに閉じ込めることにより調製される。
【0146】
好ましい一態様において、該製剤は、プロドラッグの水への曝露を最小限にし得る持続放出送達系を提供する。このことは、水のマトリックスへの拡散を最小限にし得るポリマー性マトリックスである持続放出送達系を用いて、プロドラッグを調製することにより達成され得る。マトリックスを含む適切なポリマーとしては、ポリラクチド(PLA)ポリマーおよびラクチド/グリコリド(PLGA)コポリマーが挙げられる。
【0147】
代替的に、持続放出送達系は、注射または経口送達に適切なポリアニオン分子または樹脂を含み得る。適切なポリアニオン分子としては、プロドラッグの水への曝露を最小限にし、プロドラッグがゆっくりと放出される、溶解性が低い塊を形成するように調製されたシクロデキストリンおよびポリスルホネートが挙げられる。
【0148】
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスなどの周囲温度では固体であるが体温では液体であるために直腸または膣腔で溶解されて活性化合物を放出する適切な非刺激性の賦形剤または担体を混合して調製され得る坐剤である。
【0149】
経口投与用の固体投与形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。かかる固体投与形態において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/または:a) デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤または増量剤、b) 例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴムなどの結合剤、c) グリセロールなどの保湿剤、d) アガー-アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e) パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、f) 第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g) 例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h) カオリンおよびベントナイト粘土などの吸湿剤、ならびにi) タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにそれらの混合物などの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤または担体と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投与形態は、緩衝化剤も含み得る。
【0150】
同様の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を使用する軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。
【0151】
錠剤、糖衣剤、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体投与形態は、腸溶性コーティングおよび医薬調製の分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。それらは、任意に不透明化剤を含み得、また活性成分(1つまたは複数)のみを、または好ましくは任意に遅延様式で、腸管の特定の部分で、放出する組成物でもあり得る。使用し得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。
【0152】
本発明の化合物の局所または経皮投与用の投与形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入薬またはパッチが挙げられる。活性成分は、薬学的に許容され得る担体および任意に必要な保存剤または必要な場合は緩衝化剤と滅菌条件下で混合される。眼用製剤、点耳薬、眼用軟膏、粉末および溶液も、本発明の範囲内にあるものとして企図される。
【0153】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはそれらの混合物などの賦形剤を含み得る。
【0154】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含み得る。スプレーはさらに、クロロフルオロヒドロカーボンなどの従来の噴射剤を含み得る。
【0155】
経皮パッチは、化合物の生体への制御送達を提供するというさらなる利点を有する。かかる投与形態は、該化合物を適切な媒体に溶解または分配することにより作製され得る。皮膚を通過する化合物の流れを増加するために、吸収促進剤も使用され得る。速度は、速度制御膜を提供すること、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散することのいずれかにより制御され得る。
【0156】
肺系送達のために、本発明の治療組成物は、固体または液体粒状形態で調製され、直接投与、例えば呼吸器系への吸入により患者に投与される。本発明の実施のために調製された活性化合物の固体または液体粒状形態としては、呼吸可能なサイズの粒子、すなわち吸入時に口および咽頭を通過して、気管支および肺の肺胞に入るのに充分に小さいサイズの粒子が挙げられる。エアロゾル化治療薬、特にエアロゾル化抗生物質の送達が当該技術分野において公知である(例えば、その全てが参照により本明細書に援用されるVanDevanter et al.に対する米国特許第5,767,068号、Smith et al.に対する米国特許第5,508,269号およびMontgomeryによるWO 98/43650参照)。抗生物質の肺系送達の考察は、参照により本明細書に援用される米国特許第6,014,969号にも見られる。
【0157】
本発明のプロドラッグ化合物の「治療有効量」は、妥当な利益/リスク比で、任意の医学的治療に適用可能な治療効果を治療被験体に付与する化合物の量を意味する。治療効果は客観的(すなわちいくつかの試験またはマーカーにより測定可能)であり得るか、または主観的(すなわち被験体が効果の指標を表すかまたは効果を感じる)であり得る。
【0158】
本発明によると、本発明のプロドラッグの治療有効量は、典型的に、親薬物の標的治療量に基づく。投与および投与頻度に関する情報は、本発明のプロドラッグが誘導され、標的治療量が本発明のそれぞれのプロドラッグについて計算され得る多くの親薬物について容易に入手可能である。本発明によると、同じ用量の本発明のプロドラッグは、親薬物と比較して、より長い治療効果の持続時間をもたらす。したがって、親薬物の単回用量が12時間の治療有効性をもたらす場合、12時間より長い治療有効性をもたらす本発明の同じ親薬物のプロドラッグは、「持続放出」を達成するとみなされる。
【0159】
本発明のプロドラッグの正確な用量は、親薬物の性質および用量、ならびに親薬物に結合したプロドラッグ部分の化学的特性を含むいくつかの要因に依存する。最終的に、本発明のプロドラッグの有効用量および用量頻度は、正常な医学的判断の範囲内で、かかりつけ医により決定される。任意の特定の患者についての具体的な治療有効用量レベルおよび用量頻度は、治療される障害および該障害の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食事;使用される具体的な化合物の投与時間、投与経路および排出速度;治療の持続時間;使用される具体的な化合物と併用または同時使用される薬物;ならびに医学分野で周知の同様の要因を含む種々の要因に依存する。
【実施例】
【0160】
実施例
本発明の化合物および方法は、例示のみを意図し、本発明の範囲を限定するものではない、以下の実施例に関してより良く理解されよう。開示された態様に対する種々の変化および改変は当業者に明らかであり、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤および/または方法に関するものを非限定的に含む、かかる変化および改変は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなくなされ得る。ラクタム化合物の調製のための一般的な方法論は、以下の刊行物に見出され得る:米国特許第7,160,888号;米国特許第5,462,934号;米国特許第4,914,094号;米国特許第4,234,584号;米国特許第4,514,401号;米国特許第5,462,934号;米国特許第4,468,402号;WO 2006/090273 A2;WO 2008/150848 A1;WO 2006/112464 A1;WO 2008/132600 A1。
【0161】

【0162】
7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-1-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(実施例1:化合物A1)の調製
アリピプラゾール(20g、45mmol)、トリエチルアミン(1mL、7.1mmol)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、70mL)およびジメチルホルムアミド(200mL)の混合物を80℃で20時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(400mL)で希釈し、水/ブライン(brine)(1:1、3×500mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、濾過し、真空下で乾燥状態までエバポレートし、白色固体としてヘミアミナール(hemi-aminal)A1を得た(18.6g、25%アリピプラゾールを含む、A1に基づくと65%収率)。H NMR(CDCl、300MHz)は、アリピプラゾールの夾雑のために、混合シグナルが複雑になる;メインシグナルδ5.34 (s, 2H, OHCH2N); m/z (M+H) 478および480。
【0163】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルベンジルカルバメート(実施例2:化合物28)
実施例1からのヘミアミナールA1(4g、8.4mmol)の溶液に、ジクロロメタン(30mL)中の4−ジメチルアミノピリジン(0.15g、1.3mmol)およびトリエチルアミン(1.1mL、7.5mmol)を添加し、ベンジルイソシアネート(1.03mL、8.3mmol)および反応混合物を24時間攪拌した。次いで、反応混合物を20時間35℃で加熱し、冷却し、水/ブライン(1:1、50mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、濾過し、真空下でエバポレートした。残渣をさらに、酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール(1:1:0.1)で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、オフホワイトの泡として所望の生成物を得た(530mg、14%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.58-1.88 (m, 4H), 2.48 (t, 2H), 2.60-2.72 (m, 6H), 2.85 (m, 2H), 300-3.12 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 4.40 (d, 2H), 5.13 (NH), 5.96 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.79 (d, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.12-7.16 (m, 1H), 7.23-7.35 (m, 6H); m/z (M+H) 611.12および613.10。
【0164】
以下の化合物を、実施例2と類似の様式で調製した。
【0165】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルエチルカーボネート(実施例3:化合物79)
所望の生成物を黄色油として単離した(830mg、24%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 1.78 (t, 3H), 1.52-1.61 (m, 2H), 1.63-1.76 (m, 2H), 2.31-2.40 (m, 2H), 2.40-2.60 (m, 6H), 2.73-2.80 (m, 2H), 2.91-2.99 (m, 4H), 3.96 (t, 3H), 4.11 (q, 2H), 5.87(s, 2H), 6.60-6.70 (m, 2H), 7.07-7.12 (m, 2H), 7.24-7.30 (m, 2H); m/z (M+H) 550.48および552.40。
【0166】
ブチル(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルカーボネート(実施例4:化合物80)
所望の生成物を黄色油として単離した(750mg、21%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.92 (t, 3H), 1.33-1.45 (m, 2H), 1.59-1.80 (m, 4H), 1.80-1.92 (m, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.58-2.75 (m, 6H), 2.85 (t, 2H), 3.00-3.13 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 4.18 (t, 2H), 5.92 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.92-6.99 (m, 1H), 7.03 (dd, 1H), 7.10-7.20 (m, 2H); m/z (M+H) 578.10および580.08。
【0167】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルヘキシルカーボネート(実施例5:化合物81)
所望の生成物を黄色油として単離した(1.77g、62%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.80 (t, 3H), 1.15-1.30 (m, 6H), 1.50-1.60 (m, 4H), 1.65-1.73 (m, 2H), 2.35 (t, 2H), 2.41-2.60 (m, 6H), 2.78 (t, 2H), 2.88-3.00 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 4.06 (t, 2H), 5.86 (s, 2H), 6.60-6.70 (m, 2H), 7.05-7.15 (m, 2H), 7.22-7.28 (m 2H); m/z (M+H) 606.15および608.15。
【0168】
デシル(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルカーボネート(実施例6:化合物82)
所望の生成物を黄色油として単離した(1.42g、46%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.79 (m, 3H), 1.13-1.30 (m, 14H), 1.48-1.60 (m, 4H), 1.65-1.75 (m, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.41-2.60 (m, 6H), 2.72-2.80 (m, 2H), 2.89-2.98 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 5.86 (s, 2H), 6.60-6.70 (m, 2H), 7.05-7.13 (m, 2H), 7.22-7.28 (m, 2H); m/z (M+H) 662.56および664.54。
【0169】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルヘキサデシルカーボネート(実施例7:化合物83)
所望の生成物を黄色油として単離した(1.55g、44%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.80 (t, 3H), 1.10-1.29 (m, 26H), 1.49-1.60 (m, 4H), 1.65-1.75 (m, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.43-2.55 (m, 6H), 2.78 (t, 2H), 2.90-2.95 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 5.84 (s, 2H), 6.60-6.68 (m, 2H), 7.05-7.12 (m, 2H), 7.24-7.29 (m, 2H); m/z (M-C10H20)+ 606.52および608.54。
【0170】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルモルホリン-4-カルボキシレート(実施例8:化合物49)
所望の生成物を黄色油として単離した(1.52g、55%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 1.50-1.75 (m, 4H), 2.35 (t, 2H), 2.42-2.61 (m, 6H), 2.70-2.82 (m, 2H), 2.88-3.00 (m, 4H), 3.26-3.40 (m, 4H), 3.40-3.60 (m, 4H), 3.94 (t, 2H), 5.81 (s, 2H), 6.61 (dd, 1H), 6.68 (d, 1H), 7.05-7.13 (m, 2H), 7.20-7.30 (m, 2H); m/z (M+H) 591.11および593.15。
【0171】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルジエチルカルバメート(実施例9:化合物84)
所望の生成物を黄色油として単離した(0.83g、31%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.00-1.20 (m, 6H), 1.65-1.88 (m, 4H), 2.45-2.52 (m, 2H), 2.58-2.83 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.00-3.12 (m, 4H), 3.18-3.38 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.77 (d, 1H), 6.94-6.98 (m, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.15-7.20 (m, 2H); m/z (M+H) 577.48および579.46。
【0172】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルイソペンチルカーボネート(実施例10:化合物85)
テトラヒドロフラン(100mL)中のホスゲン(トルエン中20%、54mL、110mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(50mL)中の3−メチル−1−ブタノール(1.7mL、15.7mmol)の溶液を1時間かけて添加した。4時間後、揮発物を真空下で除去し、残渣を、ジクロロメタン(30mL)中のヘミアミナールA1(3g、4.7mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.3g、1.9mmol)、ピリジン(10mL)およびトリエチルアミン(1.3mL、9.4mmol)の溶液に添加した。72時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、5%水性NaHCO/ブライン(1:1、100mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、濾過し、真空下でエバポレートした。残渣を、酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール(1:1:0.1)で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーによりさらに精製し、黄色油として所望の生成物を得た(1.54g、55%収率)。1H NMR (CDC13, 300MHz) δ 1.90-1.95 (m, 6H), 1.50-1.60 (m, 4H), 1.65-1.79 (m, 2H), 1.79-1.89 (m, 2H), 2.50 (t, 2H), 2.60-2.72 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.02-3.11 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 4.21 (t, 2H), 5.92 (s, 2H), 6.56 (dd, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.95-7.00 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.13-7.19 (m, 2H); m/z (M+H) 592.48および594.46。
【0173】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルアセテート(実施例11:化合物1)


無水テトラヒドロフラン(THF、80mL)中の実施例1からの化合物A1(50.63g、0.105mol)の溶液を、無水酢酸(15.3mL,0.16mol)で処理し、60℃(油浴)で2.0時間加熱した。上記の溶液に、トリエチルアミン(2.0mL、0.014mol)を添加し、60℃で16時間攪拌した。溶媒を、ロータリー(rotator)エバポレーターを使用して除去した。得られた粗混合物に、酢酸エチル(150mL)およびヘプタン(50mL)を添加した。溶液をNaHCO(5%水溶液、250mL)で洗浄した。2層に分離した後、水層のpHを7より上に調整した。水層を、有機混合物を使用してさらに抽出した。有機層を分離し、5%NaHCO溶液で洗浄し、続いて、脱イオン水およびブラインで洗浄した。溶液を、無水MgSOを使用して乾燥し、濾過し、真空下でエバポレートした。得られた生成物を、溶離液としてエタノール:酢酸エチル(5:95)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して、精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、d−酒石酸(60:5エタノール:水に溶解した12.5g)を添加し、所望の化合物を沈殿させた(48.78g、89%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.73 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.50 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.87 (dd, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.59 (m, 2H), 6.96 (dd, 1H), 7.08 (dd, 1H), 7.15 (m, 2H)。
【0174】
以下の化合物を、実施例11に類似する様式で調製した。
【0175】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルドデカノエート(実施例12:化合物7)
所望の生成物を結晶性固体として単離した(0.3g、21%収率)。分子量を質量分析計分析により確認した。図2〜6は、所望の生成物のPXRD、IR、ラマン、TGAスペクトルを示す。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.87 (t, 3H), 1.24 (m, 16H), 1.62 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.86 (m, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.86 (dd, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.59 (m, 2H), 6.96 (dd, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.14 (m, 2H)。化合物7のさらなる特徴付け(PXRD、IR、ラマン、TGAおよびDSCスペクトル)については、図x〜yを参照のこと。
【0176】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルパルミテート(実施例13:化合物10)


所望の生成物を結晶性固体として単離した(4.2g、70%収率)。分子量(716.6)を質量分析計分析により確認した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.88 (t, 3H),1.25 (m, 24H), 1.64 (m, 2H), 1.72 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.86 (dd, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.92 (br s, 2H), 6.59 (dd, 1H), 6.60 (s, 1H), 6.96 (dd, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.14 (m, 2H)。
【0177】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルデカノエート(実施例14、化合物6)


上記のクロロメチルエステルを4Åの分子篩上で乾燥した。1,4−ジオキサン(800mL)中のアリピプラゾール(45グラム、0.1mol)の溶液を音波処理し、アリピプラゾールを完全に溶解し、次いで、一部をNaH(38g、0.95mol、60%分散)で処理した。この反応混合物を室温で15分間攪拌した後、反応混合物に、クロロメチルエステル(0.3mol)および触媒量のヨウ化ナトリウム(0.05mol)を滴下して処理した。得られた曇った混合物を、90℃まで2時間加熱し、周囲温度まで冷却し、水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出し、合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより所望の生成物が得られた(12.5グラム、70%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.87 (t, 3H), 1.20 (m, 12H), 1.63 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 2.35 (t, 2H), 2.50 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.86 (t, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.92 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.61 (d, 1H), 6.94 (dd, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.14-7.17 (m, 2H); m/z (M+H) 632.88。
【0178】
以下の化合物(実施例15〜29)を、実施例2と類似の様式で調製した。
【0179】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルベンゾエート(実施例15、化合物31)
所望の生成物を黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.60-1.85 (m, 4H), 2.45 (t, 2H), 2.55-2.70 (m, 4H), 2.70-2.78 (m, 2H), 2.85-2.92 (m, 2H), 3.00-3.10 (m, 4H), 3.94 (t, 2H), 6.16 (s, 2H), 6.60 (d, 1H), 6.72 (dd, 1H), 6.90-6.95 (m, 1H), 7.05-7.18 (m, 2H), 7.35-7.42 (m, 2H), 7.52-7.60 (m, 1H), 8.00-8.08 (m, 2H). m/z (M+H) 582.3。
【0180】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(実施例16、化合物2)
所望の生成物を、酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール(1:1:0.1)で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーによって単離し、黄色油を得た(2.0g、87%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.94 (t, 3H), 1.60-1.90 (m, 6H), 2.34 (t, 2H), 2.51 (t, 2H), 2.61-2.73 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 5.91 (s, 1H), 6.55-6.61 (m, 2H), 6.93-6.98 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 548.2および550.2。
【0181】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メチルヘキサノエート(実施例17、化合物4)
所望の生成物を黄色固体として単離した(3.69g、87%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.78 (t, 3H), 1.11-1.28 (m, 4H), 1.40-1.78 (m, 6H), 2.20-2.40 (m, 4H), 2.40-2.60 (m, 6H), 2.73-2.81 (m, 2H), 2.85-3.00 (m, 4H), 3.88-4.00 (m, 2H), 5.75-5.83 (m, 2H), 6.55-6.62 (m, 2H), 7.03-7.12 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 2H). m/z (M+H) 576.4および578.4。
【0182】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルテトラデカノエート(実施例18、化合物8)
所望の生成物をうす黄色固体として単離した(5.3g、74%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.87 (t, 3H), 1.07-1.37 (m, 22H), 1.55-1.70 (m, 2H), 1.70-1.90 (m, 4H), 2.34 (t, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.65-2.78 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.55-6.62 (m, 2H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 688.4および690.4。
【0183】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルオクタノエート(実施例19、化合物5)
所望の生成物を黄色油として単離した(2.2g、87%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.82 (t, 3H), 1.15-1.35 (m, 10H, 1.55-1.87 (m, 6H), 2.34 (t, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.65-2.73 (m, 4H), 2.85 (dd, 2H), 3.01-3.11 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.85-5.92 (m, 2H), 2.53-2.60 (m, 2H), 6.91-6.97 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H). m/z (M+H) 604.3および606.3。
【0184】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルイソプロピルカーボネート(実施例20、化合物48)
所望の生成物をオレンジ色油として単離した(2.4g、68%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.31 (d, 6H), 1.62-1.77 (m, 2H), 1.77-1.89 (m, 2H), 2.48 (t, 2H), 2.60-2.71 (m, 6H), 2.81-2.90 (m, 2H), 3.01-3.11 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 4.89-4.97 (m, 1H), 5.92 (s, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 6.91-7.00 (m, 1H), 7.05 (dd, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 564.3および566.3。
【0185】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルメチルカルバメート(実施例21、化合物47)
所望の生成物を黄色固体として単離した(1.3g、52%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.68-1.88 (m, 4H), 2.49 (dd, 2H), 2.60-2.73 (m, 6H), 2.80-2.90 (m, 5H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.95-4.02 (m, 2H), 5.90 (s, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.77 (d, 1H), 6.93-6.70 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.10-7.19 (m, 2H). m/z (M+H) 535.5および537.5。
【0186】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルデシルカルバメート(実施例22、化合物46)
所望の生成物を黄色固体として単離した(0.50g、14%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.86 (t, 3H), 1.18-1.35 (m, 16H), 1.42-1.53 (m, 2H), 1.67-1.79 (m, 2H), 1.79-1.87 (m, 2H), 2.48 (t, 2H), 2.58-2.72 (m, 4H), 2.80-2.90 (m, 2H), 3.01-3.12 (m, 4H), 3.15-3.22 (m, 2H), 3.98 (t, 2H), 4.78 (NH), 5.90 (s, 2H), 6.58 (d, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.93-7.00 (m, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H). m/z (M+H) 661.6および663.6。
【0187】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルイソブチレート(実施例23、化合物32)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.18 (d, 6H), 1.68-1.88 (m, 4H), 2.45-2.73 (m, 9H), 2.87 (dd, 2H), 3.03-3.12 (m, 2H), 3.95 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.55-6.60 (m, 2H), 6.93-6.97 (m, 1H), 7.04-7.09 (m, 1H), 7.12-7.19 (m, 2H). m/z (M+H) 548.15。
【0188】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルシクロペンタンカルボキシレート(実施例24、化合物33)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.47-1.93 (m, 13H), 2.50-2.60 (m, 2H), 2.60-2.90 (m, 8H), 3.02-3.15 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.89 (s, 2H), 6.50-6.60 (m, 2H), 6.90-6.95 (m, 1H), 7.02-7.07 (m, 1H), 7.10-7.19 (m, 2H). m/z (M+H) 574.15。
【0189】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルシクロブタンカルボキシレート(実施例25、化合物34)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.82-1.91 (m, 3H), 1.22-1.30 (m, 2H), 1.75-2.05 (m, 6H), 2.05-2.40 (m, 6H), 2.68-2.73 (m, 2H), 2.84-2.90 (m, 2H), 3.06-3.22 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.55-6.59 (m, 2H), 6.97 (dd, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.12-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 560.19。
【0190】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルシクロヘキサンカルボキシレート(実施例26、化合物35)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.15-1.35 (m, 3H), 1.35-1.55 (m, 2H), 1.55-1.95 (m, 10H), 2.21-2.40 (m, 1H), 2.52-2.60 (m, 1H), 2.62-3.00 (m, 8H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.89 (s, 2H), 6.50-6.60 (m, 2H), 6.93-6.97 (m, 1H), 7.02-7.06 (m, 1H), 7.10-7.15 (m, 2H). m/z (M+H) 588.24。
【0191】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル2-(2-メトキシエトキシ)アセテート(実施例27、化合物40)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.56-1.90 (m, 6H), 2.43-2.55 (m, 2H), 2.55-2.80 (m, 4H), 2.81-2.90 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.55-3.61 (m, 2H), 3.72-3.79 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 5.97 (s, 2H), 6.55-6.59 (m, 2H), 6.91-6.98 (m, 1H), 7.09 (d, 1H), 7.11-7.15 (m, 2H). m/z (M+H) 594.17。
【0192】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)アセテート(実施例28、化合物41)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.65-1.93 (m, 6H), 2.49-2.60 (m, 2H), 2.61-2.77 (m, 4H), 2.81-2.90 (m, 2H), 3.02-3.20 (m, 4H), 3.36 (s, 3H), 3.51-3.57 (m, 2H), 3.60-3.70 (m, 4H), 3.72-3.78 (m, 2H), 3.92-3.99 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 5.97 (s, 2H), 6.55-6.59 (m, 2H), 6.95-6.99 (m, 1H), 7.05-7.09 (m, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 638.30。
【0193】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルピバレート(実施例29、化合物42)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.21 (s, 9H), 1.65-1.88 (m, 4H), 2.45-2.55 (m, 2H), 2.60-2.73 (m, 6H), 2.82-2.91 (m, 2H), 3.02-3.13 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.89 (s, 2H), 6.54-6.60 (m, 2H), 6.92-6.99 (m, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.13-7.17 (m, 2H); m/z (M+H) 562.39。
【0194】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル2-ヒドロキシエチルカルバメート(実施例30、化合物36)
2-(((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)エチルメタクリレート(2.0g)を、実施例2と類似の様式で合成した。これを、室温で18時間16%NH/MeOHと反応させ、次いで、40℃で濃縮した。残渣を1:1:0.1〜1:1:0.2のDCM/EtOAc/MeOHで溶離するシリカクロマトグラフィーで精製した。得られた黄色油を、EtOAc/ヘプタンから再結晶化し、白色固体として表題の化合物を得た(1.2g、67%)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.60-1.88 (m, 4H), 2.40-2.50 (m, 2H), 2.50-2.75 (m, 6H), 2.75-2.89 (m, 2H), 2.95-3.15 (m, 4H), 3.20-3.40 (m, 2H), 2.58-3.78 (m, 2H), 3.89-4.05 (m, 2H), 5.30-5.45 (m, NH), 5.91 (s, 2H), 6.55 (dd, 1H), 6.73 (d, 1H), 6.91-6.96 (m, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.04-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 565.16。
【0195】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルビス(2-ヒドロキシエチル)カルバメート(実施例31、化合物37)
ジクロロメタン(30mL)中のヘミアミナールA1(2g、0.0042mol)の溶液に、室温で、ピリジン(0.68mL)を添加し、続いて、p−ニトロフェニルクロロホルメート(1.27g、0.0063mol)を添加した。90分後、ジエタノールアミン(3.5g、0.0334mol)およびトリエチルアミン(1.2mL、0.084mol)を添加した。3時間後、反応をジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、MgSO上で乾燥し、エバポレートした。残渣を1:1:0.1〜1:1:0.2のDCM/EtOAc/MeOHで溶離するシリカ上で精製し、無色のガム(gum)として表題の化合物を得た(0.83g、33%)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.70-1.82 (m, 4H), 2.42-2.52 (m, 2H), 2.59-2.79 (m, 6H), 2.80-2.90 (m, 2H), 3.00-3.12 (m, 4H), 3.40-3.48 (m, 2H), 3.50-3.58 (m, 2H), 3.61-3.70 (m, 2H), 3.85-3.90 (m, 2H), 3.99-4.06 (m, 2H), 5.90 (m, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.70 (dd, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.10-7.20 (m, 2H). m/z (M+H) 609.21。
【0196】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル4-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(実施例32、化合物38)
化合物141を、実施例28と類似の様式で合成した。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.68-1.88 (m, 4H), 2.25-2.42 (m, 7H), 2.45-2.55 (m, 2H), 2.61-2.76 (m, 6H), 2.85 (dd, 2H), 3.02-3.16 (m, 4H), 3.40-3.60 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5,92 (s, 2H), 6.59 (d, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.02-7.07 (m, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H). m/z (M+H) 604.24。
【0197】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシレート(実施例33、化合物39)
化合物142を、実施例28と類似の様式で合成した。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.26-2.06 (m, 14H), 2.31-2.91 (m, 17H), 2.95-3.18 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 4.0-4.37 (m, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.90-6.99 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H); m/z (M+H) 672.25。
【0198】
7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-1-(メトキシメチル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(実施例34、化合物100)
ジクロロメタン(20mL)中のヘミアミナールA1(2.0g、4.2mmol)の混合物に、塩化チオニル(1.5mL、12.6mmol)を添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物にメタノール(10mL)を添加し、さらに2時間攪拌した。反応をNaHCO(水性)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機相をMgSO上で乾燥し、エバポレートし、残渣を、1:1:0.1のジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールで溶離するシリカで精製し、クリーム状の固体として表題の化合物を得た(1.3g、63%)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.65-1.83 (m, 4H), 2.47 (t, 2H), 2.58-2.70 (m, 6H), 2.82 (dd, 2H), 2.99-3.01 (m, 4H), 3.38 (s, 3H), 3.96 (t, 2H), 5.27 (s, 2H), 6.55 (dd, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.91-6.96 (m, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.08-7.15 (m, 2H). m/z (M+H) 492.05。
【0199】
1-(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチルデカノエート(実施例35、化合物111)
アリピプラゾール(2.0g、4.5mmol)、グリオキシル酸エチル(トルエン中50%溶液、2.7mL)、KCO(0.49g、3.6mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.57g、1.8mmol)およびジクロロメタン(20mL)の混合物を、還流下で4時間加熱した。反応混合物を冷却し、水で迅速に洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過した。得られた溶液をピリジン(1.8mL、22.2mmol)で処理し、次いで、塩化デカノイル(4.6mL、22.2mmol)で処理した。3時間攪拌後、メタノール(1mL)を添加し、さらに10分攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO(水性)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、エバポレートした。残渣を1:1:0.1のジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールで溶離するシリカで精製し、黄色油として表題の化合物を得た(1.2g、38%)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.86 (t, 3H), 1.11 (t, 3H), 1.05-1.40 (m, 12H), 1.59-1.75 (m, 2H), 1.75-1.98 (m, 4H), 2.40-2.54 (m, 2H), 2.60-3.07 (m, 10H), 3.15-3.32 (m, 4H), 3.89-3.99 (m, 2H), 4.09-4.21 (m, 2H), 6.57 (dd, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.95-7.00 (m, 1H), 7.08 (dd, 1H), 7.12-7.20 (m, 2H), 7.27-7.32 (m, 1H). m/z (M+H) 704.38。
【0200】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル4-アセトアミドブタノエート(実施例36、化合物44)
ジクロロメタン(30mL)中のヘミアミナールA1(2.6g、5.5mmol)の懸濁物に、トリエチルアミン(2.3mL、16.4mmol)を添加し、続いて、3分かけてメタンスルホニルクロリド(0.47g、6.0mmol)を添加した。反応混合物を25分間攪拌し、次いで、N−アセチル−4−アミノ酪酸(1.6g、10.1mmol)を添加した。次いで、反応混合物を還流下で18時間加熱し、冷却し、飽和NaHCO(水性)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、濾過し、エバポレートした。残渣を、1:1:0.1〜1:1:0.2のジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールで溶離するシリカでさらに精製し、オフホワイトの固体として表題の化合物を得た(1.1g、34%)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.70-1.80 (m, 2H), 1.80-1.90 (m, 4H), 1.97 (s, 3H), 2.41 (t, 2H), 2.50-2.57 (m, 2H), 2.60-2.75 (m, 6H), 2.83-2.88 (m, 2H), 3.03-3.12 (m, 4H), 3.24-3.32 (m, 2H), 3.95-4.00 (m, 2H), 5.85-5.92 (m, 3H), 6.58 (d, 2H), 6.92-6.96 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.12-7.16 (m, 2H). ). m/z (M+H) 605.08。
【0201】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル4-オクタンアミドブタノエート(実施例37、化合物45)
化合物149(1.4g)を、化合物148と類似の様式で合成した。
1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.79 (t, 3H), 1.10-1.28 (m, 8H), 1.38-1.48 (m, 2H), 1.50-1.77 (m, 6H), 1.93-2.00 (m, 2H), 2.25-2.40 (m, 4H), 2.40-2.60 (m, 6H), 2.72-2.81 (m, 2H), 2.87-3.02 (m, 6H), 3.90-4.00 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 6.58-6.63 (m, 2H), 7.04-7.02 (m, 2H), 7.20-7.30 (m, 2H). m/z (M+H) 689.47。
【0202】
(5-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)-6-クロロ-2-オキソインドリン-1-イル)メチルヘキサノエート(実施例38、化合物322)
【0203】

【0204】
工程1:25〜30℃において、ジクロロメタン(DCM、100mL)中のヘキサン酸(10g、86mmol)の溶液に、塩化チオニル(12.31g、103mmol)を添加し、続いて、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、0.1mL)を添加した。TLC分析による開始物質の完了の際に、反応溶液を窒素雰囲気下で同じ温度で2時間攪拌した。揮発物を40℃未満、減圧下でエバポレートし、粘性の液体物質である塩化ヘキサノイル(約10.5g)を得た。
【0205】
工程2:上記塩化ヘキサノイルに、パラホルムアルデヒド(3.8g、128mmol)および無水ZnCl(0.232g、17mmol)を不活性雰囲気下25〜30℃で添加し、次いで、90℃まで加熱した。どろどろの(thick)塊(mass)を90〜95℃で5時間攪拌し、冷却後、粗生成物クロロメチルヘキサノエートが得られ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 5.70 (s, 2H), 2.39-2.33 (m, 2H), 1.69-1.61(m, 2H), 1.33-1.28 (m, 4H), 0.90-0.88 (t, J=7, 3H)。
【0206】

【0207】
工程3:ジクロロメタン(6mL)中のクロロメチルヘキサノエート(3.18g、19.0mmol)を、ジクロリドメタン(dichloride methane)(240mL)中の、ジプラシドン遊離塩基(4.0g、9.6mmol)、トリエチルアミン(4.0mL、27mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.708g、5mmol)の懸濁物に、25〜30℃で添加した。反応溶液を同じ温度で24時間攪拌した。40℃未満、真空下での溶媒エバポレーションの際に、粗混合物を水(100mL)で洗浄し、続いて、ブライン溶液(100mL)で洗浄し、表題の粗生成物、化合物322が得られ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した(1.4g、27%収率)。
1H-NMR(CDCl3, 500 MHz) : δ 7.92-7.90 (d, J=7.5,1H), 7.82-7.80 (d, J=7.5,1H) ,7.48-7.45 (t, J=7.5,1H), 7.37-7.34 (t, J=7.5,1H), 7.17 (s,1H),7.05 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 3.60-3.55 (m,6H), 2.98-2.95 (t, J=7.5,2H) , 2.79-2.78 (m, 4H),2.68-2.65 (t, J=8.5, 2H),2.35-2.32 (t, J=7.5,2H), 1.64-1.61 (t, J=7.5, 2H), 1.29-1.25 (m, 4H), 0.88-0.85 (t, J=7, 3H)。
質量(m/z) = 541 [M+ + 1]。
【0208】
(5-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)-6-クロロ-2-オキソインドリン-1-イル)メチルドデカノエート(実施例39、化合物324)
化合物324を、化合物322、実施例38に類似の様式で合成した。
1H-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ 7.92-7.90 (d, J=7.5, 1H), 7.82-7.80 (d, J=7.5,1H), 7.48-7.45 (t, J=7.5, 1H), 7.37-7.34 (t, J=7.5, 1H) , 7.17 (s, 1H),7.O5 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 3.60-3.55 (m, 6H), 2.98-2.95 (t, J=8, 2H), 2.79-2.77 (m, 4H),2.68-2.65 (t, J=8, 2H),2.34-2.31 (t, J=7,2H), 1.63-1.60 (m, ,2H), 1.24(s, 16H), 0.89-0.86 (t, J=7, 3H). 質量(m/z) = 625.5 [M+ + 1]。
【0209】
(5-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)-6-クロロ-2-オキソインドリン-1-イル)メチルパルミテート(実施例40、化合物326)
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ7.92-7.90 (d, J=7.5, 1H), 7.82-7.80 (d, J=7.5, 1H), 7.48-7.45 (t, J=7.5, 1H), 7.37-7.34 (t, J=7.5, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 3.60-3.55 (m, 6H), 2.98-2.95 (t, J=8, 2H), 2.79-2.77 (m, 4H), 2.68-2.65 (t, J=8, 2H), 2.34-2.31 (t, J=8, 2H), 1.63-1.56 (m, 2H), 1.25-1.23 (m, 24H), 0.88-0.86 (t, J=7, 2H). 質量(m/z) = 681.5 [M+ + 1]。
【0210】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルアセテート(実施例41、化合物416)
【0211】

【0212】
工程1:クロロメチルアセテートの合成:
塩化アセチル(5g、0.06mol)を、パラホルムアルデヒド(8.5g、0.06mol)および無水塩化亜鉛(0.175g、0.02mol)の混合物に、アルゴン下0℃で滴下した。反応混合物を室温まで温め、1時間攪拌し、次いで、90℃まで18時間加熱した。固体を濾過除去し、ジクロロメタンで洗浄し、濾液を真空下37℃で濃縮し、所望の生成物を得た(6.6g、94%収率)。生成物を次の工程に直接(精製なしで)使用し、活性分子篩(activated molecular sieve)(4Å)を用いて保存した。
【0213】
工程2:ヨードメチルアセテートの合成:
ヨウ化ナトリウム(27.6g、0.18mol)を、アセトニトリル(66mL)中のクロロメチルアセテート(6.6g、0.06mol)の溶液に添加した。反応フラスコをアルミニウム箔で覆い、光を排除し、周囲温度で15時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンと水の間で分配し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物(combine organic)を水性飽和NaHCO、10%亜硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、黄色油として生成物を得た(1.13g、12%収率)。
【0214】
工程3:
n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、3.8mL、0.007mol)を、シリンジからテトラヒドロフラン中のビフェプルノックス(bifeprunox)(1.46g、0.003mol)の攪拌溶液に−78℃で滴下した。1時間後、ヨードメチルアセテート(1.13g、0.005mol)の溶液を−70℃で滴下した。反応混合物を15時間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に放り込み(dump)、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaOHの1N溶液およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、化合物416が得られた(0.25g、14%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 2.034 (s, 3H), 2.565 (s, 4H), 3.183 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.765 (s, 2H), 6.696-6.717 (d, 1H), 6.882-6.901 (d, 1H), 7.091-7.182 (t, 1H), 7.315-7.370 (q, 2H), 7.404-7.473 (m, 3H), 7.515-7.555 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.639-7.657 (d, 2H). m/z (M+H) 457。
【0215】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルブチレート(実施例42、化合物417)
化合物417を、塩化ブタノイルを使用して、実施例41と類似の様式で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物を得た(1.25g、45%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 1.065 (t, 3H), 1.448- 1.54 (m, 2H), 2.284-2.320 (t , 2H), 2.564 (s, 4H), 3.184 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.787(s, 2H), 6.694-6.713 (d, 1H), 6.878-6.896 (d, 1H), 7.092-7.133 (t, 1H), 7.315-7.370 (q, 2H), 7.422-7.533 (m, 3H), 7.535-7.555 (d, 1H), 7.639 (d, 1H), 7.657-7.660 (d, 2H). m/z (M+H)485。
【0216】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルヘキサノエート(実施例43、化合物413)
化合物413を、塩化ヘキサノイルを使用して、実施例41と類似の様式で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物を得た(0.6g、60%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.774 (t, 3H),1.114-1.187 (m, 4H), 1.433-1.506 (m , 2H) , 2.291-2.328(t, 2H), 2.564 (s, 4H), 3.182 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.783(s, 2H), 6.693-6.713 (d, 1H), 6.870-6.890 (d, 1H), 7.090-7.130 (t, 1H), 7.314-7.351 (q, 2H), 7.422-7.472 (m, 3H), 7.535-7.554 (d, 1H), 7.589 (d, 1H), 7.638-7.656 (d, 2H). m/z (M+H)513。
【0217】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルパルミテート(実施例44、化合物422)
化合物422を、塩化パルミトイルを使用して、実施例41と類似の様式で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物を得た(0.5g、47%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.819 (t, 3H),1.127-1.302 (m, 22H), 1.437-1.454 (t , 2H) , 2.287-2.305(t, 2H), 2.564 (s, 4H), 3.182 (s, 4H), 3.596 (s, 2H), 5.784(s, 2H), 6.688-6.708 (d, 1H), 6.863-6.882 (d, 1H), 7.083-7.124 (t, 1H), 7.331-7.368 (q, 2H), 7.400-7.470 (m, 3H), 7.534-7.553 (d, 1H), 7.587 (d, 1H), 7.635-7.653 (d, 2H). m/z (M+H)653。
【0218】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルデカノエート(実施例45、化合物419)
化合物419を、塩化デカノイルを使用して、実施例41と類似の様式で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物を得た(0.8g、77%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.795-0.829 (t, 3H),1.140-1.211 (m, 12H), 1.438-1.471 (t , 2H) , 2.288-2.324(t, 2H), 2.562 (s, 4H), 3.181 (s, 4H), 3.595 (s, 2H), 5.783(s, 2H), 6.689-6.709 (d, 1H), 6.856-6.884 (d, 1H), 7.083-7.124 (t, 1H), 7.311-7.367 (q, 2H), 7.400-7.470 (m, 3H), 7.533-7.552 (d, 1H), 7.587 (d, 1H), 7.635-7.653 (d, 2H). m/z (M+H)569。
【0219】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルイソブチレート(実施例46、化合物414)
化合物414を、塩化イソブチリルを使用して、実施例41と類似の様式で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物を得た(0.3g、15%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 1.027-1.044 (d, 6H),2.478-2.553 (m, 1H), 2.562 (s, 4H), 3.185 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.785(s, 2H), 6.692-6.713 (d, 1H), 6.873-6.892 (d, 1H), 7.093-7.134 (t, 1H), 7.315-7.369 (q, 2H), 7.403-7.472 (m, 3H), 7.533-7.555 (d, 1H), 7.590 (d, 1H), 7.657-7.660 (d, 2H). m/z (M+H)485。
【0220】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(実施例47、化合物151).
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(化合物2)を、実施例16に上記されるように調製した。
【0221】

【0222】
THF(100mL)中の(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(3.26g、5.94mmol)の攪拌溶液に、TFA(2.74mL、35.63mmol)を添加し、続いて、THF(40mL)中の2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(DDQ;7.01g、30.88mmol)を添加した。反応を週末の間にわたって室温で攪拌した。反応を水(100mL)で停止(quench)させ、次いで、水(600mL)およびジクロロメタン(100mL)に注いだ。固体NaHCO(100g)を添加し、混合物を約30分間攪拌した。ジクロロメタン(200mL)を添加し、混合物を濾過した。集められた濾液を分液漏斗に移し、層を分離した。水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、合わせた有機物(organic)を水(3×100mL、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥した。濾過の後、揮発物を除去した。粗物質を0〜4%メタノール/(1:1酢酸エチル/ジクロロメタン)で溶離するシリカクロマトグラフィーにより精製した。油をメタノールから再結晶化し、化合物151を得た(2.03g、3.72mmol、63%収率)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.63 (1H, d), 7.45 (1H, d), 7.19-7.06 (2H, m), 6.99-6.90 (1H, m), 6.88-6.78 (2H, m), 6.52 (1H, d), 6.33 (2H, s), 4.06 (2H, t), 3.17-2.99 (4H, bs), 2.74-2.43 (6H, m), 2.35 (2H, t), 1.94-1.54 (6H, m), 0.93 (3H, t)。
【0223】
以下の化合物を、その対応する3,4ジヒドロ前駆体から、実施例47と類似の様式で合成した。
【0224】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルパルミテート(実施例48、化合物159)
化合物159を、化合物10、2.04gから、実施例47と類似の様式で合成した。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (1H, d), 7.44 (1H, d), 7.18-7.10 (2H, m), 6.98-6.91 (1H, m), 6.87-6.80 (2H, m), 6.52 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.15-2.99 (4H, bs), 2.74-2.44 (6H, m), 2.35 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.80-1.68 (2H, m) 1.66-1.55 (2H, m), 1.32-1.14 (24H, m), 0.87 (3H, t)。
【0225】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルラウレート(実施例49、化合物156)
化合物156を、化合物7、1.37gから、実施例47と類似の様式で合成した。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (1H, d), 7.43 (1H, d), 7.17-7.10 (2H, m), 6.96-6.92 (1H, m), 6.87-6.80 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.33 (2H, s), 4.06 (2H, t), 3.12-3.01 (4H, bs), 2.71-2.59 (4H, bs), 2.50 (2H, t), 2.35 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.78-1.69 (2H, m) 1.66-1.55 (2H, m), 1.32-1.16 (16H, m), 0.86 (3H, t)。
【0226】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルステアレート(実施例50、化合物160)
化合物160を、化合物11、1.38gから、実施例47と類似の様式で合成した。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (1H, d), 7.44 (1H, d), 7.17-7.11 (2H, m), 6.97-6.92 (1H, m), 6.87-6.79 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.13-3.00 (4H, bs), 2.73-2.58 (4H, bs), 2.50 (2H, t), 2.35 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.79-1.69 (2H, m) 1.66-1.55 (2H, m), 1.32-1.14 (28H, m), 0.87 (3H, t)。
【0227】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルアセテート(実施例51、化合物150)
化合物150を、化合物1、1.61gから、実施例47と類似の様式で合成した。1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.63 (1H, d), 7.45 (1H, d), 7.18-7.11 (2H, m), 6.98-6.92 (1H, m), 6.90-6.80 (2H, m), 6.52 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.07 (2H, t), 3.14-3.01 (4H, bs), 2.73-2.59 (4H, bs), 2.51 (2H, t), 2.12 (3H, s), 1.95-1.82 (2H, m), 1.82-1.68 (2H, m)。
【0228】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチル2,2-ジメチルブタノエート(実施例52、化合物165)
化合物165を、化合物16、1.02gから、実施例47と類似の様式で合成した。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.61 (1H, d), 7.43 (1H, d), 7.17-7.10 (2H, m), 6.97-6.92 (1H, m), 6.83-6.79 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.31 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.12-3.02 (4H, bs), 2.71-2.60 (4H, bs), 2.50 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.78-1.68 (2H, m) 1.55 (2H, q), 1.15 (6H, s), 0.81 (3H, t)。
【0229】
(2-(N-(1-(1-(4-フルオロベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ピペリジン-4-イル)-N-メチルアミノ)-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル)メチルオクタノエート(実施例53、化合物704)
【0230】
工程1:



塩化オクタノイル(10g、0.06mol)を、パラホルムアルデヒド(8.07g、0.06mol)および無水塩化亜鉛(0.163g、0.0012mol)の混合物に、アルゴン下0℃で滴下した。添加が完了した後、反応混合物を25℃で1時間攪拌し、次いで、16時間90℃まで加熱した。固体を濾過除去し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を真空下37℃で濃縮し、所望のクロロメチルオクタノエートを得(9.5g、84%収率)、次の工程で直接(精製なしに)使用した。この生成物を、活性分子篩(4Å)上で保存し、乾燥状態を維持した。
【0231】
工程2:


ヨウ化ナトリウム(21.7g、0.1449mol)を、アセトニトリル(100ml)中のクロロメチルオクタノエート(9.5g、0.0483mol)の溶液に添加した。フラスコをアルミニウム箔で覆い、光から保護し、25℃で16時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンと水との間で分配し、水層をジクロロメタンでさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、水性飽和NaHCO、10%亜硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、最後に、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、黄色油として生成物を得た(8.4g、71%収率)。この生成物を、さらなる精製なしに、次の工程に使用した。
【0232】
工程3:


n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.5M;14.6ml、0.0042mol)を、テトラヒドロフラン(50ml)中の2-(N-(1-(1-(4-フルオロベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ピペリジン-4-イル)-N-メチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(ミゾラスチン、14.3g、0.00696mol)の攪拌溶液に−78℃で滴下した。1時間後、反応混合物を、−70℃でヨードメチルオクタノエート(2.5g、0.0231mol)で滴下処理した。反応混合物を25℃で16時間攪拌した。反応混合物を塩化アンモニウム溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物(organic)を水性水酸化ナトリウム(1N)およびブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより所望の生成物を得た(0.45g、17%収率)。
1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.815 (t, 3H), 1.117-1.235 (m, 10H), 1.474-1.491 (t, 2H), 1.638-1.665 (d, 2H), 1.992-2.010 (m, 2H), 2.292-2.230 (t, 2H), 2.992 (s, 3H), 3.027-3.088 (t, 2H), 3.55-3.62 (t, 2H), 4.625 (s, 1H) 5.311 (s, 2H), 6.040 (s, 2H), 6.110-6.124 (d, 1H), 7.014-7.076 (m, 2H), 7.148-7.253 (m, 5H), 7.442-7.460 (d, 1H), 8.187-8.201 (d, 1H). m/z (M+H) 589。
【0233】
(2-(N-(1-(1-(4-フルオロベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ピペリジン-4-イル)-N-メチルアミノ)-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル)メチルラウレート(実施例54、化合物706)
化合物706を、塩化ラウロイルを使用して、実施例53と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.791-0.826 (t, 3H), 1.134-1.210 (m, 16H), 1.446 (t, 2H), 1.642-1.925 (d, 2H), 1.956-2.008 (m, 2H), 2.266-2.301 (t, 2H), 2.968 (s, 3H), 3.003-3.063 (t, 2H), 3.31-3.62 (t, 2H), 4.625 (s, 1H) 5.286 (s, 2H), 6.015 (s, 2H), 6.085-6.099 (d, 1H), 7.015-7.072 (m, 2H), 7.122-7.215 (m, 5H), 7.418-7.436 (d, 1H), 8.159-8.172 (d, 1H). m/z (M+H) 645.5。
【0234】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルヘキサノエート(実施例55、化合物1003)

【0235】
工程1:クロロメチルヘキサノエートを、実施例53の工程1に上記されるものと類似の方法において、塩化ヘキサノイルから合成した。
【0236】
工程2:ヨードメチルヘキサノエートを、実施例53の工程2に上記されるものと類似の方法において、クロロメチルヘキサノエートから合成した。
【0237】
工程3:ジメチルホルムアミド中のピオグリタゾン(3.0g、0.0084mol)の溶液を、25℃で乾燥KCO(3.48g、0.0252)で処理した。40分後、ヨードメチルヘキサノエート(4.29g、0.0168mol)の溶液を滴下した。反応混合物を15時間攪拌し、次いで、水に放り込み、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を得た(1.9g、44%収率)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 0.86-0.90 (t, 3H), 1.22-1.29 (m, 8H), 1.58-1.62 (t, 2H), 2.27-2.31 (t, 2H), 2.62-2.64 (d, 2H), 3.04-3.099 (q, 1H), 3.21-3.25 (t, 2H), 3.452-3.497 (q, 1H), 4.30-4.34 (t, 2H), 4.46-4.48 (d, 1H),5.513-5.51(d, 2H), 6.81-6.85 (t, 2H), 7.09-7.11 (d, 2H), 7.18-7.20 (d,1H),7.46-7.48(q,1H),8.38-8.39(d,1H) m/z (M+H) 485。
【0238】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルラウレート(実施例56、化合物1006)
化合物1006を、塩化ラウロイルを使用して実施例55と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 0.802-0.836 (t, 3H), 1.133-1.171 (t, 4H), 1.197-1.235 (d, 15H), 1.308 (s, 1H), 1.419-1.452 (t, 2H), 2.172.254(q, 2H), 2.533-2.590 (q, 2H), 3.044-3.118 (m, 3H), 4.251-4.284 (t, 2H), 4.97-5.005 (q, 1H), 5.345-5.413 (q, 2H), 6.82-6.841 (d, 2H), 7.09-7.11 (d, 2H),7.23-7.25 (d,1H),7.53-7.55(q,1H), 8.33-8.34 (d,1H) m/z (M+H) 569。
【0239】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルパルミテート(palmitoate)(実施例57、化合物1008)
化合物1008を、塩化パルミトイルを使用して、実施例55と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 0.870 (s, 3H), 1.23-1.26 (t, 27H), 1.57-1.61 (t, 2H),2.27-2.31 (t, 2H), 2.61.265(t, 2H), 3.06-310 (t, 1H), 3.22-3.25 (t, 2H), 3.45-3.46 (d, 1H), 4.31-4.34 (t, 2H), 4.45-4.49 (q, 1H), 5.487-5.541 (q, 2H),6.83-6.85 (d, 2H), 7.09-7.11 (d, 2H),7.19-7.26 (t, 1H), 7.47-7.49(q,1H), 8.393-8.397 (d,1H) m/z (M+H) 625。
【0240】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルステアレート(stearoate)(実施例58、化合物1009)
化合物1009を、塩化ステアロイルを使用して実施例55と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 0.874-0.894 (t, 3H), 1.222-1.260 (t, 30H), 1.570-1.603 (d, 1H),2.27-2.31 (t, 2H), 2.609-2.266(q, 2H), 3.04-3.10 (q, 1H), 3.20-3.24 (t, 2H), 3.46-3.50 (q, 1H), 4.302-4.335 (t, 2H), 4.453-4.487 (q, 1H), 5.488-5.552 (q, 2H),6.83-6.86 (d, 2H), 7.09-7.11 (d, 2H) ,7.17-7.19 (d, 1H), 7.44-7.47(d,1H), 8.386-8.391 (d,1H) m/z (M+H) 653。
【0241】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルミリステート(myristoate)(実施例59、化合物1007)
化合物1007を、塩化ミリストイルを使用して、実施例55と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 0.854-0.887 (t, 3H), 1.226-1.262 (t, 24H), 1.57-1.604 (t, 2H),2.27-2.308 (t, 2H), 2.609-2.265(t, 2H) , 3.035-3.094 (q, 1H), 3.223-3.256 (t, 2H), 3.456-3.500 (q, 1H), 4.307-4.340 (t, 2H), 4.463-4.487 (t, 1H), 5.487-5.540 (q, 2H),6.832-6.852 (d, 2H), 7.092-7.114 (d, 2H),7.198-7.217 (d, 1H), 7.475-7.491(d,1H), 8.393-8.397 (d,1H) m/z (M+H) 596。
【0242】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルブチレート(実施例60、化合物1002)
化合物1002を、塩化ブチロイルを使用して、実施例55と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 0.798-0.835 (t, 3H), 1.133-1.212 (q, 4H), 1.417-1.509 (m, 2H), 2.210-2.246 (t, 2H), 2.482-2.2591(q, 2H), 3.047-3.118 (q, 3H), 4.253-4.286 (t, 2H), 4.983-5.016 (q, 1H), 5.353-5.415 (q, 2H), 6.824-6.845 (d, 2H), 7.097-7.118 (d, 2H), 7.239-7.258 (d, 1H), 7.538-7.563 (d,1H), 8.340-8.365 (d,1H) m/z (M+H) 458。
【0243】
(5-(4-(2-(5-エチルピリジン-2-イル)エトキシ)ベンジル)-2,4-ジオキソチアゾリジン-3-イル)メチルシクロヘキサンカルボキシレート (実施例60、化合物1015)
化合物1015を、シクロヘキサンカルボニルクロリドを使用して、実施例55と類似の手順を使用して合成した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 1.181-1.293 (m, 7H), 1.359-1.449 (m, 2H), 2.624 (s, 1H), 1.714-1.738 (t, 2H), 1.843-1.874(q,2H),2.244-2.319(m,1H),2.607-2.664(q,2H),3.049-3.107(q,1H),3.22.-3.253(t,2H),3.340-3.485(q,1H), 5.481-5.534 (q, 2H), 6.831-6.853 (d, 2H), 7.091-7.113 (d, 2H) ,7.193-7.213 (d, 1H), 7.465-7.590 (q,1H), 8.392-8.396 (d,1H) m/z (M+H) 497。
【0244】

【0245】
((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチルヘキシルカーボネート(実施例61、化合物1240)
2−メチルテトラヒドロフラン(30mL)中のデヒドロ−アリピプラゾール(1.5g、3.36mmol)の溶液に、2−メチルテトラヒドロフラン(4mL)中の炭酸銀(1.853g、6.72mmol)およびヘキシルヨードメチルカーボネート(2.021g、7.05mmol)を室温で添加した。反応を4.5日間攪拌した。反応をHO(30mL)で停止し、セライト(celite)を通して濾過した。反応を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、ブライン(20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。生成物を、1:1の酢酸エチル:ジクロロメタンから、1:1の酢酸エチル:ジクロロメタン中の2%MeOHで溶離するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色油として化合物−1240を得た(1.08g)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.96 (1H, d), 7.60 (1H, d), 7.21 (1H, m), 7.14 (2H, m), 7.03 (1H, dd), 6.94 (1H, m), 6.81 (1H, d), 6.26 (2H, s), 4.18 (2H, m), 4.12 (2H, t), 3.09 (4H, m), 2.68 (4H, m), 2.53 (2H, m), 1.91 (2H, m), 1.78 (2H, m), 1.63 (2H, m), 1.28 (6H, m), 0.86 (3H, t). [M+H]+=604.2。
【0246】
((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチルオクタノエート(実施例62、化合物1206)
2−メチルテトラヒドロフラン(25mL)中のデヒドロ−アリピプラゾール(1.0g、2.24mmol)の溶液に、炭酸銀(0.864g、3.13mmol)およびヨードメチルオクタノエート(0.764g、2.68mmol)を室温で添加した。反応を5日間攪拌した。反応をHO(30mL)で停止し、セライトを通して濾過した。反応を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、5%w/v亜硫酸ナトリウム溶液(15mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。生成物を、ヘプタン中の0〜70%酢酸エチルで溶離するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、うすオレンジ色油として化合物1206を得た(0.602g)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.95 (1H, d), 7.60 (1H, d), 7.21 (1H, m), 7.14 (2H, m), 7.07 (1H, dd), 6.95 (1H, m), 6.79 (1H, d), 6.24 (2H, s), 4.12 (2H, m), 3.09 (4H, m), 2.68 (4H, m), 2.54 (2H, m), 2.36 (2H, t), 1.90 (2H, m), 1.77 (2H, m), 1.61 (4H, m), 1.23 (6H, m), 0.83 (3H, t). [M+H]+=602.2
【0247】
((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチルドデカノエート(実施例63、化合物1208)
実験手順を、実施例62の化合物1206についてと同じ様式で実施し、黄色油として1208を得た(0.738g)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.95 (1H, d), 7.60 (1H, d), 7.20 (1H, d), 7.14 (2H, m), 7.05 (1H, dd), 6.95 (1H, m), 6.80 (1H, d), 6.24 (2H, s), 4.13 (2H, m), 3.09 (4H, m), 2.68 (4H, m), 2.54 (2H, m), 2.36 (2H, t), 1.93 (2H, m), 1.80 (2H, m), 1.60 (4H, m), 1.23 (14H, m), 0.86 (3H, t). [M+H]+=658.4。
【0248】
((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチルブチレート(実施例64、化合物1202)
実験手順を、実施例62の化合物−1206についてと同じ様式で実施し、黄色油として1202を得た(0.695g)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.95 (1H, d), 7.61 (1H, d), 7.20 (1H, d), 7.14 (2H, m), 7.04 (1H, dd), 6.96 (1H, m), 6.79 (1H, d), 6.25 (2H, s), 4.13 (2H, m), 3.09 (4H, m), 2.69 (4H, m), 2.54 (2H, m), 2.35 (2H, t), 1.91 (2H, m), 1.78 (2H, m), 1.66 (2H, m), 0.94 (3H, t). [M+H]+=546.1。
【0249】
実施例65:((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチル2,2-ジメチルテトラデカノエート(化合物1213)および(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチル2,2-ジメチルテトラデカノエート(化合物255)
実験手順を、実施例62の化合物−1206についてと同じ様式で実施し、化合物−255および化合物1212の両方を得た。化合物−1213を黄色油として単離し(0.586g)、化合物−255を黄色油として単離した(0.156g)。
化合物−1213:1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.93 (1H, d), 7.59 (1H, d), 7.16 (3H, m), 7.03 (1H, dd), 6.97 (1H, m), 6.78 (1H, d), 6.22 (2H, s), 4.12 (2H, m), 3.10 (4H, m), 2.73 (4H, m), 2.57 (2H, t), 1.91 (2H, m), 1.80 (2H, m), 1.46 (2H, d), 1.01 - 1.33 (26H, m), 0.87 (3H, t). [M+H]+=714.3。
化合物−255:1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.60 (1H, d), 7.42 (1H, d), 7.15 (2H, m), 6.96 (1H, m), 6.82 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.04 (2H, t), 3.07 (4H, m), 2.66 (4H, m), 2.49 (2H, m), 1.87 (2H, m), 1.76 (2H, m), 1.45 (2H, m), 1.01 - 1.36 (26H, m), 0.87 (3H, t). [M+H]+=714.3。
【0250】
((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチルジエチルカルバメート(実施例66、化合物1247)
実験手順を、実施例62の化合物−1206についてと同じ様式で実施した。反応は、室温で5日後、未完了であった。反応を60℃まで2日間加熱し、その後、実施例62と同じ作業(work-up)および同じ精製手順を行い、黄色油として化合物−1247を得た(0.053g)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.94 (1H, d), 7.60 (1H, d), 7.20 (1H, m), 7.15 (2H, m), 7.04 (1H, dd), 6.95 (1H, m), 6.81 (1H, d), 6.24 (2H, s), 4.11 (2H, m), 3.28 (4H, m), 3.09 (4H, m), 2.70 (4H, m), 2.54 (2H, m), 1.90 (2H, m), 1.78 (2H, m), 1.13 (3H, q), 1.03 (3H, q). [M+H]+=575.2。
【0251】
((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)キノリン-2-イル)オキシ)メチルピバレート(実施例67、化合物1215)
実験手順を、実施例62の化合物−1206についてと同じ様式で実施し、黄色油として化合物1215を得た(0.555g)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.95 (1H, d), 7.60 (1H, d), 7.15 (3H, m), 7.05 (1H, dd), 6.97 (1H, m), 6.79 (1H, d), 6.22 (2H, s), 4.12 (2H, m), 3.10 (4H, m), 2.68 (4H, m), 2.54 (2H, m), 1.91 (2H, m), 1.78 (2H, m), 1.19 (9H, s). [M+H]+=560.1。
【0252】
実施例68:ラットにおける薬物動態学的評価
筋内注射後のラットにおけるプロドラッグの薬物動態学的評価
動物:
雄のSprague-Dawleyラット(Charles River Laboratories, Wilmington, MA)を得た。約24匹のラットを各研究に使用した。ラットは、到着時には約350〜375gであった。ラットをケージあたり2匹収容し、餌および水に対する制限を課さなかった。収容している部屋の環境条件:64〜67°F、30%〜70%相対湿度、および12:12時間の明暗周期。全ての実験は、研究機関の動物管理使用委員会(institutional animal care and use committee)によって承認された。
【0253】
薬物動態学的研究:
ラットに、25ゲージ、1ccシリンジ付き5/8インチ針によりIM投与した。0.3mLの懸濁物を、試験化合物を含むバイアルから抜き取った(表Eを参照)。イソフルラン(isoflourane)での麻酔の後、マウスに、後肢の筋肉において注射した。血液試料をイソフルランでの短い麻酔の後、外側尾静脈(lateral tail vain)を介して回収した。抗凝固薬を含まない27 1/2G針および1ccシリンジを、採血に使用した。投与後、6時間、24時間、および2、5、7、9、12、14、21、28、35日の各サンプリング時点に、約350μLの全血を回収した。一旦回収すると、全血を、直ちにK2EDTAを含むチューブに移し、10〜15回逆さにし、直ちに氷上に置いた。チューブを室温で>14,000gで2分間遠心分離し(Eppendorf Centrifuge 5417C、F45-30-11ローターを使用して、11500 RPM)、血漿を分離した。血漿試料を、ラベルを貼った通常のチューブ(MICROTAINER(登録商標))に移し、<−70℃で凍結保存した。
【0254】
データ解析:
血漿試料中の薬物濃度を、各化合物について適切なパラメーターを使用して、液体クロマトグラフィー−質量分析により分析した。半減期、分布の体積(volume of distribution)、クリアランス、最大濃度およびAUCを、WinNonlin Version 5.2_ソフトウェア(Pharsight, St. Louis, MO)を用いて計算した。
【0255】
結果および考察:
結果を表Jに示す。表Jに示すように、試験した各化合物は、単独で投与された場合、親化合物と比べて延長された(extended)血漿濃度を提供する。



【0256】
実施例69:ピオグリタゾン、化合物1002および1008に対する薬物動態学的研究
化合物1002および1008のPKプロフィールを、上記と類似のモデルを使用して、ピオグリタゾンと比較した。20mgのピオグリタゾンまたは20mg相当のピオグリタゾンプロドラッグを筋内投与した。結果を上記表Jにおいてまとめる。図10は、PKプロフィールおよびピオグリタゾンとの比較を示す。
【0257】
実施例70:アンフェタミン誘導性ロコモーション(locomotion)モデルを使用した薬物動態学的研究
導入:統合失調症および双極性障害の治療に有用な本発明のプロドラッグは、ハイパーロコモーション(hyperlocomotion)の齧歯類モデルにおいて予測的妥当性を示す。D−アンフェタミン誘導性ロコモーションは、ドーパミン作動性機能亢進を模倣すると仮定され、このことは、統合失調症の「ドーパミン仮説」の基礎を形成する。AMPH−誘導性機能亢進モデルは、抗精神病化合物の効力の単純な初期スクリーニングを提供する。Fellら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics (2008) 326:209-217を参照のこと。アンフェタミン誘導性機能亢進を、経口投与(PO)されたアリピプラゾールのプロドラッグ製剤の種々の用量をスクリーニングし、急性ハイパーロコモーションパラダイム(paradigm)における薬力学的効力を測定するために使用した。この研究の仮説は、約100〜200 ng/mlの血漿濃度を生じるアリピプラゾールプロドラッグ製剤のPO投与が、AMPH誘導性ロコモーションの有意な減弱を生じるということである。
【0258】
薬物の精神運動刺激特性、不安惹起/抗不安特性または鎮静特性を評価するために、一般的な行動および活動性を実験動物(典型的には、ラットおよびマウス)において測定し得る。従って、オープンフィールド(open-field)研究は、試験化合物の行動に対する効果への洞察を提供し得る。本発明の特定のプロドラッグは、統合失調症および双極性障害の治療に有用である。アリピプラゾールは、親ラクタムを含む薬物であり、該薬物から、本発明のプロドラッグのいくつかが誘導され、該薬物は、統合失調症および双極性障害の治療に有用である。かかる本発明のアリピプラゾールプロドラッグは、ハイパーロコモーションの齧歯類モデルにおいて予測的妥当性を示す。D−アンフェタミン誘導性ロコモーションは、ドーパミン作動性機能亢進を模倣すると仮定され、このことは、統合失調症の「ドーパミン仮説」の基礎を形成する。同様に、グルタミン酸NMDA受容体アンタゴニスト(MK−801、PCP等)誘導性ロコモーションは、統合失調症のNMDA機能亢進仮説を模倣すると仮定される(Fellら、上述)。薬物誘導性機能亢進のこれらの試験は、抗精神病化合物の効力の単純な初期スクリーニングを提供する。アンフェタミン誘導性機能亢進は、油溶液中でPO投与されたアリピプラゾールの種々のプロドラッグをスクリーニングし、薬動力学的効力を測定するために使用される。本研究で行われたD−AMPH誘導性ロコモーションの結果は、D−AMPHに対する皮下(S.C.)アリピプラゾール投与の歴史的な結果と比較される。本研究の仮説は、ロコモーター(locomotor)試験時に100〜200ng/mlのアリピプラゾール濃度を生じるアリピプラゾールプロドラッグへのPO曝露は、抗精神病効力のインビボ測定において効力を示すということである。
【0259】
材料:実験動物:
12匹のSprague DawleyラットをCharles River Laboratoryから購入した。ラットは、供給業者からの受領時に約90日齢であり、350〜275グラムの範囲の体重であった。1匹のラットをケージに配置し、約1週間馴化させた。ラットに、制限なしに餌および水を提供した。
【0260】
D−アンフェタミン(D−AMPH)の投与溶液:
D−AMPHをSigma Aldrichから購入した。D−アンフェタミンHClを、0.9%食塩水中、1.5mg/mlの濃度に調製した。D−アンフェタミンを、体重あたり1ml/kg(=1.5mg/kg)の用量でI.P.投与した。塩形態補正を、歴史的な文献に従って使用しなかった。D−アンフェタミンを、各試験期間の30分前に固体形態から新たに調製した。
【0261】
アリピプラゾールのプロドラッグ誘導体の投与溶液:

【0262】
行動ボックス(behavior box):
行動(behavior)チャンバーを、St. Albans, VTのMed Associates, Incから購入した(Model ENV-515)。動物の移動を測定するためのソフトウェアは、供給業者によって行動チャンバーと共に提供された。
【0263】
方法:
動物施設に1週間慣らした後、活動度評価を始めた。動物を、最初に約15分間行動ボックスに馴化し、その後、動物を該ボックスから除去し、該動物に、投与の約1時間後に100〜200ng/mlのPKレベルを生じる濃度で、1.5mlの本発明のアリピプラゾールプロドラッグ化合物をPO注入した。さらに15分後、動物を、さらなる30分の薬物−ベースライン試験セッションのために、行動ボックスに戻した。次いで、マウスに、D−AMPH(1.5mg/kg)をIP注射により投与し、60分の実験行動測定期間が続いた。測定したパラメーターは、a)測定された全距離(一次測定)、b)全歩行移動の数(第2の測定)、c)全上下移動の数(二次測定)およびd)静止していた時間(二次測定)であった。
【0264】
血液サンプリング:
尾静脈血を、ロコモーター活動度(locomotor activity)測定(プロドラッグ投与の2時間後)の直後の実験日に採取し、再度、翌日のプロドラッグ投与後22時間に対応する時点に採取した。イソフルランでの麻酔後、血液試料を外側尾静脈から採取した。抗凝固薬を含まない27 1/2Gシリンジを採血に使用し、全血を、K2EDTAを含む前もって冷却した(氷水(wet ice))チューブに移した。動物あたり0.5mlの血液を、時点あたり採取した。チューブを15〜20回逆さにし、血漿を分離するために≧14,000gで2分間遠心分離するまで、氷水にすぐに戻した。この様式で調製した血漿試料を、ラベルを貼った通常のチューブ(MICROTAINER(登録商標))に移し、<−70℃で凍結保存した。
【0265】
行動データ取得:
行動データを、行動チャンバーに付随するソフトウェアパッケージにより電子的に記録した。データを変換し、GRAPHPAD PRISM(登録商標)5 ソフトウェア(GraphPad Software, Inc., La Jolla, CA)により解析した。データを、二要因反復測定(2-way repeated measures)ANOVAを使用して解析した。
【0266】
結果および考察:
結果を図6および7に示す。結果は、経口投与されたD−AMPHにより、食塩水のみを投与されたマウスと比較して、マウスが移動した全距離が有意に増加したことを示す。結果はまた、本発明のアリピプラゾールプロドラッグ化合物4が、D−AMPHにより引き起こされる移動距離の増加を有意に阻害したことを示す。化合物4による移動距離の阻害は、用量依存的ではないようである。同様に、アリピプラゾール化合物7および47は、20mgのより高い用量で、D−AMPHにより引き起こされる移動距離の増加を有意に阻害するようであった。このデータは、本発明に従って、プロドラッグ化合物はインビボで切断され、親薬物(この実施例ではアリピプラゾール)を放出し、動物に対して予測される薬理学的効果を生じることを示す。
【0267】
本明細書中で参照される特許文献および科学文献は、当業者が入手できる知識を立証する。本明細書中で引用される全ての米国特許および公開米国特許出願されたまたは未公開の米国特許出願は、参照により援用される。本明細書中で引用される全ての公開された外国特許および外国特許出願は、参照により本明細書に援用される。本明細書中に引用される全ての他の公開された参考文献、文書、原稿および科学文献は、参照により本明細書に援用される。
【0268】
本発明は、その好ましい態様に関して、特に示され、記載されてきたが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明においてなされ得ることが、当業者には理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、IIまたはIII:


(式中、
AおよびBは、それらが結合している-N(C=X)-または-N=C-X-または-S(O)2-N-と共に親薬物を形成し;
Xは、-S-または-O-であり;
R1は、-C(RA)(RB)-OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)R20、-C(RA)(RB)-OC(O)NR20R21、-(C(RA)(RB))-OPO3MY、-(C(RA)(RB))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[C(RA)(RB)O]z-R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)OR20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)NR20R21、-[C(RA)(RB)O]z-OPO3MY、-[C(RA)(RB)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[C(RA)(RB)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
zは2または3であり;
各RAおよびRBは、独立して、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリール、または置換アリールから選択され;
各R20およびR21は、独立して、水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
YおよびMは、同一もしくは異なっており、各々は、一価カチオンであるか;またはMおよびYは、一緒に二価カチオンであり、
該親薬物が式Iの5,5ジフェニルイミダゾリジン-2,4-ジオン部分を含む場合、R1は、-CH(RA)OPO3MY、CH(RA)OP(O)(OH)2、または-CH(RA)OC(O)R20以外である)
のプロドラッグ化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項2】
R1が表1から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が表2、3または4から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式:


(式中、


は、単結合または二重結合を示し;
XおよびR1は、上記に定義されるとおりであり;
各X1、X2およびX3は、独立して、非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(R10)-、-C(O)-、-C(OR10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]-、-C(R10)(R11)=C(R10)(R11)-から選択され;
vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;
各R10およびR11は、独立して、非存在、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールであり、あるいは、2つのR10およびR11が、それらが結合している原子および間にある任意の原子と共に、さらなる任意に置換された3、4、5、6または7員環を形成し得;
tは、0、1、2または3である)
を有する請求項1記載の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項5】
式:


(式中、


は、単結合または二重結合を示し;
X、X1、X2、およびR1は、上記に定義されるとおりであり;
環Yは、1、2または3つの環を含む、任意に置換された、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはアリールを示し;
各F1およびF2は、独立して、非存在およびR5-A-Cy1-B-D-から選択され;
Aは、非存在、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-S[C(R30)(R31)]u-、-S(O)[C(R30)(R31)]u-、-S(O)2[C(R30)(R31)]u-、-O[C(R30)(R31)]u-、-N(R30)-、-N(R30)[C(R31)(R32)]u-、-[C(R30)(R31]u-、-C(O)[C(R30)(R31)]u-から選択され;
各uは、独立して、1、2、3、4、5、6または7であり;
Cy1は、非存在であるか、または任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、もしくは任意に置換されたヘテロアリールであり;
Bは非存在またはリンカーであり;
Dは、非存在、-0-、-NR33、-C(R34)(R35)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-から選択され;
各G1およびG2は、独立して、非存在、-S-、-0-、-S(O)-、-S(O)2-、-SC(R40)(R41)-、-S(O)C(R40)(R41)-、-S(O)2C(R40)(R41)-、-C(O)-、-C(OR40)(R41)-、-OC(R40)(R41)-、-N(R40)-、-C(R40)=C(R41)-、-N(R40)-C(R41)(R42)-、-[C(R40)(R41)]U-から選択され;
各R3、R4、R5、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R40、R41およびR42は、独立して、非存在、水素、ハロゲン、-OR10, -SR10, -NR10R11-, -C(O)R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
あるいは、2つのR3基が一緒になって、または2つのR4基が一緒になって、または1つのR3基と1つのR4基が一緒になって、任意に置換された環を形成し;
mおよびqは、独立して、0、1および2から選択される)
を有する請求項4記載の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項6】
R5が、






から選択され、
R100およびR101は各々、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1〜C8アルキル、任意に置換されたC2〜C8アルケニル、任意に置換されたC2〜C8アルキニル、任意に置換されたC3〜C8シクロアルキル、任意に置換されたC1〜C8アルコキシ、任意に置換されたC1〜C8アルキルアミノおよび任意に置換されたC1〜C8アリールから独立して選択される1〜4個の置換基を示し;
R103は、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1〜C8アルキル、任意に置換されたC2〜C8アルケニル、任意に置換されたC2〜C8アルキニル、任意に置換されたC3〜C8シクロアルキル、任意に置換されたC1〜C8アルコキシ、任意に置換されたC1〜C8アルキルアミノおよび任意に置換されたC1〜C8アリールから選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Cy1が、












から選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
式:


(式中、環Y、R1、R3、R4、G1、G2、X、F2、mおよびqは上記に定義されるとおりである)を有する、請求項5記載の化合物。
【請求項9】
式:


(式中、R1、R3、F2およびqは上記に定義されるとおりである)を有する、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
表IX〜Xから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
R1が表1から選択される、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
式IX−4、IX−6およびIX−7から選択され、ここで、R1は、表1、2、3または4から選択される、請求項10記載の化合物。
【請求項13】
式:


(式中、環Y、R1、R3、R4、X、F1、G1、G2、mおよびqは上記に定義されるとおりである)を有する、請求項5記載の化合物。
【請求項14】
式:


(式中、
R1、R3、R4、R5、R10、R11、A、D、mおよびqは上記に定義されるとおりであり;
R2は、非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-NR10R11-、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリール、もしくはアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11であり;
各G3およびG4は、独立して、-N-、-C(R10)-[C(R10)(R11)]a-から選択され、ここでaは0、1または2であり;
X20は、-C(R10)-または-N-であり;
pは、0、1、2または3から選択される)
を有する、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
式:


(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R10、R11、A、D、m、pおよびqは上記に定義されるとおりである)を有する、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
式:


(式中、R1は上記に定義されるとおりであり;
Wは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)
を有する、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
式:


(式中、X1、R1、R2、R3、R5、A、B、D、G3、G4、p、q、R10およびR11は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項15記載の化合物。
【請求項18】
式:


(式中、X、R1、R2、D、r、R10およびR11は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
式:


(式中、R1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
式:


(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、A、D、G3、G4、p、R10およびR11は上記に定義されるとおりである)を有する請求項14記載の化合物。
【請求項21】
式:


(式中、R1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
式:


(式中、X、R1、R2、R5、A、D、G3、G4およびpは上記に定義されるとおりである)を有する、請求項5記載の化合物。
【請求項23】
式:


(式中、R1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
表XI〜XIIから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項13記載の化合物。
【請求項25】
R1が表1から選択される、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
R1が表2〜4から選択される、請求項24記載の化合物。
【請求項27】
表A、B、C、D、HまたはIから選択される、請求項24記載の化合物。
【請求項28】
表IV〜VIIから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項5記載の化合物。
【請求項29】
式:


(式中、F1およびR1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項30】
式:


(式中、
R1は上記に定義されるとおりであり;
Cy2は、任意に置換された複素環式環であり;
X5は、非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(R10)-、-C(O)-、-C(OR10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]v-、-O[C(R10)(R11)]v-、-O[C(R10)(R11)]vO-、-S[C(R10)(R11)]vO-、-NR12[C(R10)(R11)]vO-、-NR12[C(R10)(R11)]vS-、-S[C(R10)(R11)]v-、-C(O)[C(R10)(R11)]v-および-C(R10)(R11)=C(R10)(R11)-から選択され;
vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
を有する、請求項29記載の化合物。
【請求項31】
式XXIV、XXVまたはXXVI:


(式中、R1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項29記載の化合物。
【請求項32】
R1は、表1〜4から選択される、請求項31記載の化合物。
【請求項33】
式XXVII、XXVIIIまたはXXIX:


(式中、R1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項27記載の化合物。
【請求項34】
R1が表1〜4から選択される請求項33記載の化合物、または表Gの化合物。
【請求項35】
式XXX、XXXIまたはXXXII:


(式中、R1は上記に定義されるとおりである)を有する、請求項27記載の化合物。
【請求項36】
R1は表1〜4から選択される、請求項35記載の化合物。
【請求項37】
式XXXIII、XXXIV、XXXV、XXXVIまたはXXXVII:




(式中、X、X1、X2、R100、R101およびR1は上記に定義されるとおりであり;
X10は-Sまたは-Oである)
を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項38】
表XXXIII〜XXXVIIから選択され、ここで、R1が上記に定義されるとおりである、請求項37記載の化合物。
【請求項39】
式XXXVIIIまたはXXXIX:


(式中、
X、R1、R3、R4、mおよびqは上記に定義されるとおりであり;
X11は-N-または-C(R10)-であり;
X12は、-C(O)-、-C(S)-、-C(R10)(R11)-または-C(R10)(OR11)-であり;
X13は、-O、-S、-N(R10)(R11)、-OR10である)
を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項40】
表XXXVIII〜XXXIXから選択され、R1は上記に定義されるとおりである、請求項37、38または39記載の化合物。
【請求項41】
式:


(式中、
R1は上記に定義されるとおりであり;
各R50、R51、R52、R53、R54およびR55は、独立して、非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-NR10R11-、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリール、もしくはアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
あるいは、2つ以上のR50、R51、R52、R53、R54およびR55が一緒になって、任意に置換された3、4、5、6または7員環を形成する)
を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項42】
R55は、アリールまたはヘテロアリールである、請求項41記載の化合物。
【請求項43】
表XL〜XLIから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項41記載の化合物。
【請求項44】
式XLII、XLIIIまたはXLIV:


(式中、R1、R100、R101、X、X1およびX2は上記に定義されるとおりであり;
あるいは、2つのR100およびR101は、それらが結合している原子および間にある任意の原子と共に、任意に置換された1、2、3、4または5員環を形成する)
を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項45】
表XLII〜XLIVから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項44記載の化合物。
【請求項46】
表IV〜VIIから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項1記載の化合物。
【請求項47】
式IIIを有し、表IIIから選択され、ここで、R1は上記に定義されるとおりである、請求項1記載の化合物。
【請求項48】
親薬物を含む、ラクタム、アミド、イミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、ベンズアミドおよびアシルアニリンを、それらを必要とする被験体に持続送達する方法であって、該方法は、ラクタム、アミド、イミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、ベンズアミド、またはアシルアニリン窒素原子もしくはカルボニル基上の不安定な(labile)疎水性アルデヒド結合プロドラッグ部分を置換することにより生成されるプロドラッグ化合物の有効量を、被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項49】
プロドラッグ化合物が、室温、pH7.4のリン酸バッファ中で測定した場合、親薬物に比べて低い溶解度を有する、請求項48記載の方法。
【請求項50】
親薬物が、式LVまたはLVI:


により表され、プロドラッグが、式I,IIまたはIII:


(式中、
AおよびBは、それらが結合している-N(C=X)-または-N=C-X-または-S(O)2-N-と共に、親薬物を形成し、
Xは-S-または-O-であり;
R1は、-C(RA)(RB)-OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)OR20、-C(RA)(RB)-OC(O)R20、-C(RA)(RB)-OC(O)NR20R21、-(C(RA)(RB))-OPO3MY、-(C(RA)(RB))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[C(RA)(RB)O]z-R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)OR20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)R20、-[C(RA)(RB)O]z-C(O)NR20R21、-[C(RA)(RB)O]z-OPO3MY、-[C(RA)(RB)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[C(RA)(RB)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
zは1、2、3、4、5、6または7であり;
各RAおよびRBは、独立して、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
各R20およびR21は、独立して、水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;
YおよびMは、同一であるかもしくは異なっており、各々は一価カチオンであるか;またはMおよびYは一緒になって二価カチオンである)
により表される、請求項48記載の方法。
【請求項51】
式LVまたはLVIの該親薬物が、約2〜約21のpKaを有する、請求項48記載の方法。
【請求項52】
該プロドラッグが、請求項1〜46いずれか記載の化合物である、請求項48記載の方法。
【請求項53】
式IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XXXIII、XXXIV、XXXV、XXXVIまたはXXXVIIのプロドラッグの投与による、神経学的障害または心理的障害の治療方法。
【請求項54】
式III、XX、XXIおよびXXIIの化合物の投与による、2型糖尿病の治療方法。
【請求項55】
表A〜Iから選択される化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−531434(P2012−531434A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517748(P2012−517748)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/039878
【国際公開番号】WO2010/151711
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(506350023)アルカーメス,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】