説明

NHE−1阻害剤として有用なピロリジニル及びピペリジニル化合物

ナトリウムプロトン交換輸送体アイソフォーム−1(NHE−1)の阻害剤である、本発明の式(I)で示される化合物及び組成物が開示される。同じく、上述の物の使用及び製造方法が開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願データ
本願は、2008年7月8日に出願された米国仮特許出願第61/078,867への利益を主張するものである。
【0002】
発明の背景
【0003】
1.技術分野
本発明は、NHE−1阻害剤に関する。
【0004】
2.背景情報
Na/H交換輸送体(NHE)は、多くのホ乳類細胞型において発現されるタンパク質である。NHEは、ホ乳類細胞内で遍在的に発現される膜内在性の糖タンパク質であり、細胞からのプロトン押出し及び細胞内へのナトリウムイオン取込みにより、細胞内pH、細胞内ナトリウム濃度([Na)の調整、及び細胞容積の調整を担う。この交換輸送体の9種のアイソフォーム:NHE−1〜NHE−9が記載されている。最初にクローン化されたアイソフォームであるNHE−1は、細胞膜において遍在的に発現され、心臓特異的アイソフォームであると考えられる。主にNa/K ATPアーゼにより生成された内向きのNa勾配により、NHEを介したH押出し及びNa流入のための一定した駆動力が提供される。NHE−1は、増殖因子により活性化され、主にホ乳類心筋細胞、血小板及び尿細管の側底膜の複数の細胞型で発現される。通常の生理学的条件下では、心臓細胞のプロトン除去能力の約60%が、NHE−1を介して果たされ、そしてNHE−1は、細胞に入るNaの約50%を輸送する。交換輸送体の活性化により、(1)細胞内Hが減少し(pHiの上昇)、(2)[Na]iが増加し、そして(3)[Na]iの増加に続き、Na/Ca++交換輸送体(NCX)を介して細胞内カルシウム([Ca++]i)レベルが上昇する。
【0005】
心虚血では、NHE−1が、細胞内pHの低下により活性化される。この結果、先に記載されたとおり細胞内Ca++レベルが上昇する。再潅流の際に、細胞内/細胞外H勾配が増大して、再度、NHE−1が活性化し、そしてCa++レベルが上昇する。虚血/再潅流におけるCa++レベルの上昇は、細胞傷害をまねき、不整脈及び心組織障害の一因となる。それゆえ、研究者らは、NHE−1の阻害剤の発見に関心を示した。複数のNHE−1阻害剤が、文献で報告され、そして動物モデルでの虚血/再潅流傷害の抑制における良好な活性が実証された(B. Masereel et al. An overview of inhibitors of Na+/H+ exchanger. Eur J Med Chem, 2003, 38:547-554)。虚血/再潅流に対する実験研究でのNHE−1阻害剤の有効性は、例えば、冠動脈疾患(R. W. Erhardt, GUARD during ischemia against necrosis(GUARDIAN) trial in acute coronary syndromes Am J Cardiol, 1999, 83: 23G-25G)及び急性心筋梗塞(U. Zeymer et al., The Na+/H+ exchanger inhibitor eniporide as an adjunct to early reperfusion therapy for acute myocardial infraction: results of the Evaluation of the Safety and Cardioprotective effects of eniporide in Acute Myocardial Infraction (ESCAMI) trial. J Am Coll Cardiol, 2001, 38: 1644-1650)を有するハイリスク患者でこれらの薬剤の幾つかを評価するために、臨床試験に進められた。これらのような臨床試験において、冠動脈バイパス手術を受けた患者で虚血イベントの早期に急性処置(7日目まで)が開始された場合の、NHE−1阻害剤の心臓保護効果に関する概念証明が示された。その有益な効果にも関わらず、急性適応例(例えば、CABG)の第II相及び第III相臨床試験に進められたNHE−1阻害剤の全てが、不適切な有効性又は重篤な有害事象の発生のいずれかのために、全死亡率の改善を実証することができなかった。その結果、開示されたNHE−1の急性治療に関する臨床開発プログラムは、全て終了した。
【0006】
より近年の試験で、NHE−1の阻害剤が、慢性処置で心不全患者の構造的及び機能的リモデリングを予防し、そして生存率を上昇させるのに有益となりうることが示唆された(M. Karmazyn, Role of sodium-hydrogen exchange in cardiac hypertrophy and heart failure: a novel and promising therapeutic target. Basic Res Cardio, 2001 96: 325-328)。
【0007】
心肥大は、心臓死の主な危険因子であり、一般に心不全の発症を続発する。肥大は、生物機械学的ストレスの増大への細胞応答である。心肥大は結局、初期刺激を抑制することにより、壁張力の上昇を正常化する。しかし、長期の肥大は、不整脈及び心不全の発症リスク増大に関連する。それゆえ、肥大の発症予防は、有益となる可能性がある。近年の証拠から、NHE−1が心臓の成長に重要であり、そしてその活性が肥大因子(例えば、α−アドレナリン作動性及びβ−アドレナリン作動性活性化、エンドセリン−1、及びアンギオテンシンII)により増大することが示唆されて、NHE−1がこれらの因子の下流の介在物質である可能性があり、そしてその阻害が細胞肥大及び心不全の過程を予防又は抑制するという仮説が導かれた(L. Fliegel and M. Karmazyn, The cardiac Na-H exchanger: a key downstream mediator for the cellular hypertrophic effects of paracrine, autocrine and hormonal factors. Biochem Cell Biol, 2004, 82: 626-635)。加えて、NHE−1の阻害は、細胞内Na、Ca++及び細胞内pH(3種のパラメータは全て細胞増殖に関連する)の上昇を予防する可能性もある。
【0008】
NHE−1は、異なる肥大モデル(例えば、梗塞後の心筋肥大、「高血圧」心筋、大動脈狭窄による肥大、及びペーシングによる肥大)において関連が認められた。異なる肥大及び心不全モデルで、NHE−1の慢性的インビボ阻害の効果が実証された(例えば、S. Aker et al., Inhibition of the Na+/H+ exchanger attenuates the deterioration of ventricular function during pacing-induced heart failure in rabbits. Cardiovasc Res, 2004, 63: 273-282; A. Baartscheer et al., Chronic inhibition of Na+/H+-exchanger attenuated cardiac hypertrophy and prevents cellular remodeling in heart failure. Cardiavasc Res, 2005, 65: 83-92; L. Chen, et al., Inhibition and reversal of myocardial infraction-induced hypertrophy and heart failure by NHE-1 inhibition. Am J Physiol Heart Circ Physiol, 2004, 286: H381-H387参照)。これらの試験の主な焦点は、肥大の発症及び収縮機能である。NHE−1の慢性阻害が、心肥大の発症を減少させ、収縮性能を改善することが見出され、その試験のほとんどで、それが心不全の兆候減少に関連した。同じく、生存率が改善すること、そして線維性構造変化及びアポトーシスの存在が減少することも見出された。
【0009】
単独療法としてのNHE−1阻害による上記試験では、様々な前臨床心不全モデル(ACE−1でも有益な応答を示した同モデルの多くを含む)において構造的及び機能的の両方のリモデリングに広範囲にわたる利益を提供することが示された。処置を併用した場合(NHE−1阻害剤カリポリドとACE−1阻害剤ラミプリル)、その利益は付加的又は相乗的のいずれかであった。例えば、心筋梗塞後のラットにおいて、カリポリド又はラミプリルのいずれかの単独療法では、非有意ながら左心室拡張を減少させる傾向があったが、その併用処置では、それを有意に減少させた(H. Ruetten et al., Effects of combined of inhibition of the Na+-H+ exchanger and angiotensin-converting enzyme in rats with congestive heart failure after myocardial infraction. British Journal of Pharmacology, 2005, 146: 723-731)。それゆえ、特にNHE−1阻害の効果が現行の処置選択とは独立している可能性があるため、ACE−1に加えたNHE−1阻害の有益効果が、心不全患者への重要な臨床的関連を有する可能性がある。先に引用されたものなどの研究により、心不全におけるNHE−1の役割が裏づけられ、慢性療法として投与しうるNHE−1阻害剤を開発するための治療根拠が提供される。
【0010】
発明の簡単な概要
本発明の化合物及びその特定の誘導体は、ナトリウムプロトン交換輸送体アイソフォーム−1(NHE−1)の阻害剤であることが見出された。
【0011】
それゆえ、本発明の目的は、本明細書の以下に記載される式Iで示される化合物及び組成物を提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的は、式Iで示される化合物を使用及び製造する方法を提供することである。
【0013】
発明の詳細な説明
最も広範囲の一般的実施態様において、式(I):
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、
Xは、0又は1であるため、式I内のA環は、ピペリジニル環、テトラヒドロピリジン環又はピロリジニル環であり;
は、アミノ、C1〜5アルキル、炭素環−(CH−、ヘテロシクリル−(CH−及びヘテロアリール−(CH−から選択され、各Rは、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、C1〜4ジアルキルアミノカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アシル、C1〜4アシルオキシ−(CH−、C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキル−S(O)−N(R)−、R−N(R)−S(O)−、C3〜7シクロアルキル−(CH−、ヘテロシクリル−(CH−、アリール−(CH−(C1〜4アルキル、ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノで場合により置換されている)、ヘテロアリール−(CH−、フェノキシ(ハロゲン、メトキシ、C1〜4アルキル−S(O)、C1〜4アルキル−S(O)−N(R)−、シアノ又はトリフルオロメトキシで場合により置換されている)、−C(O)N(R)(R)及び−(CHN(R)(R)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基は、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
は、ハロゲン、水素、C1〜5アルキル、C1〜4アルキルS(O)−N(R)−、C1〜4アルキル−N(R)−S(O)−及びC1〜4アルキル−S(O)−から選択され、各Rは、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
は、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5チオアルキル、C1〜5アシル、C1〜5アルコキシカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシル及びアミノ(C1〜5アルキル、C1〜5アシル又はC3〜7シクロアルキル−(CH−で場合により一置換又は二置換されている)から選択され;
各R及びRは、独立して、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択されるか、又は
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成しており;
各R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択されるか、又は
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成しており;
mは、1又は2であり;
nは、0〜2である)で示される化合物、又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0016】
本発明の別の実施態様において、
が、水素、C1〜5アルキル及びC1〜4アルキル−S(O)−から選択され、各Rが、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
が、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、ハロゲン及びヒドロキシルから選択され;
各R及びRが、独立して、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択され;
各R及びRが、独立して、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択される、先に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0017】
本発明の別の実施態様において、
が、アミノ、C1〜5アルキル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル−(CH−、インダニル−(CH、ナフチル−(CH、−ヘテロシクリル−(CH−(ここで、該ヘテロシクリルは、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリニル、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド又はモルホリニルである)及びヘテロアリール−(CH−(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリル、ピリジノニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チエニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、フラニル、ピラニル、インドリル、インドリジニル、プリニル、キノリニル、ジヒドロ−2H−キノリニル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、1,8−ナフチリジル、1,5−ナフチリジル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル又は4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニルである)から選択され、各Rが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、アセトキシ−(CH−、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アシル、C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキル−S(O)−N(R)−、R−N(R)−S(O)−、−C(O)N(R)(R)、−(CHN(R)(R)、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、フリル、フェニル(ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノで場合により置換されている)及びフェノキシ(C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキルS(O)−N(R)−、シアノ又はトリフルオロメトキシで場合により置換されている)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基が、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
各R及びRが、独立して、水素、C1〜5アルキル及びC3〜7シクロアルキルから選択され;
各R及びRが、独立して、水素、C1〜5アルキル及びC3〜7シクロアルキルから選択される、先に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0018】
本発明の別の実施態様において、
が、アミノ、C1〜5アルキル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル−(CH−、インダニル−(CH、ナフチル−(CH、−ヘテロシクリル−(CH−(ここで、該ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド又はモルホリニルである)及びヘテロアリール−(CH−(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピリジノニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、インドリル、キノリニル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、ベンゾチアゾリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、1,8−ナフチリジル、1,5−ナフチリジル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル又は4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニルである)から選択され、各Rが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、アセトキシ−(CH−、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アルキル−S(O)−、R−N(R)−S(O)−、−C(O)N(R)(R)、−(CHN(R)(R)、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、フリル、フェニル(ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノで場合により置換されている)及びフェノキシ(C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキルS(O)−N(R)−、シアノ又はトリフルオロメトキシで場合により置換されている)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基が、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
が、ハロゲン化C1〜3アルキル及びC1〜4アルキル−S(O)−から選択され;
が、水素、C1〜5アルキル及びC1〜5アルコキシから選択され;
各R、R、R及びRが、独立して、水素及びC1〜5アルキルから選択される、先に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0019】
本発明の別の実施態様において、
Xが、0又は1であるため、式I内のA環が、ピペリジニル環又はピロリジニル環のいずれかであり;
が、アミノ、C1〜5アルキル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル−(CH−、インダニル−(CH、ナフチル−(CH、−ヘテロシクリル−(CH−(ここで、該ヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピロリジノニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド又はモルホリニルである)及びヘテロアリール−(CH−(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピリジノニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、インドリル、キノリニル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、ベンゾチアゾリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,8−ナフチリジル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル又は4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニルである)から選択され、各Rが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、アセトキシ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アルキル−S(O)−、R−N(R)−S(O)−、−C(O)N(R)(R)、−N(R)(R)、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、フェニル(ハロゲン又はメトキシで場合により置換されている)及びフェノキシ(C1〜4アルキル−S(O)−又はC1〜4アルキルS(O)−N(R)−で場合により置換されている)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基が、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
が、トリフルオロメチル又はメチルスルホニルであり;
が、水素、メチル及びメトキシから選択され;
各R、R、R及びRが、独立して、水素及びメチルから選択される、先に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0020】
本発明の別の実施態様において、
が、
【0021】
【化2】





【0022】
から選択される、先に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0023】
本発明の別の実施態様において、
Xが、0であるため、式I内のA環が、ピロリジニル環である、先の任意の実施態様に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0024】
本発明の別の実施態様において、
Xが、1であるため、式I内のA環が、ピペリジニル環である、先の任意の実施態様に示された式(I)で示される化合物が提供される。
【0025】
別の実施態様において、本発明は、当該技術分野で公知の一般的スキーム、実施例及び方法を考慮して製造しうる表I内の化合物:
【0026】
【表1】





































































































【0027】
又は薬学的に許容しうるその塩を提供する。
【0028】
以下のものは、好ましいNHE−1阻害剤である。
【0029】
【表2】























【0030】
本願における本明細書の先に開示された化合物全てにおいて、命名が構造と矛盾している場合、該化合物が構造により定義されると理解されたい。
【0031】
本発明は、活性物質としての本発明の化合物又は薬学的に許容しうるその誘導体1種以上を、場合により従来の賦形剤及び/又は担体と共に含む医薬調製剤にも関する。
【0032】
本発明の化合物は、同位体標識形態も包含する。前記活性剤の原子1種以上が、通常は本質的に見出される原子の原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換されているという事実を別にすれば、本発明の組合わせの活性剤の同位体標識形態は、前記活性剤と同一である。市販品として容易に入手でき、そして確立した手順により本発明の組合わせの活性剤に組込みうる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clが挙げられる。上述の異性体及び/もしくは他の原子の他の異性体を1種以上含む、本発明の組合わせの活性剤、そのプロドラッグ、又は薬学的に許容しうる塩のいずれか1つは、本発明の範囲内のものと企図される。
【0033】
本発明は、ラセミ体、ラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物、及び個々のジアステレオマーとして生じうる、不斉炭素原子を1種以上含む任意の上記化合物の使用を包含する。異性体は、鏡像異性体及びジアステレオマーであると定義する。これらの化合物のそのような異性体形態の全てが、本発明に明確に含まれる。各不斉炭素は、RもしくはS配置、又はその組合せの配置であってもよい。
【0034】
本願における本発明の化合物の幾つかは、1種を超える互変異性体形態で存在することができる。本発明は、そのような互変異性体の全てを用いる方法を包含する。
【0035】
本明細書で用いられる用語は全て、他に断りがなければ、当該技術分野で知られる通常の意味で理解されたい。例えば、「C1〜4アルコキシ」は、末端酸素を含むC1〜4アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシである。構造的に可能で、他に断りがなければ、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は全て、分枝状又は非分枝状であると理解されたい。他のより具体的な定義は、以下のとおりである。
【0036】
炭素環は、炭素原子を3〜12個含む炭化水素環を包含する。これらの炭素環は、芳香族又は非芳香族環系のいずれかであってもよい。非芳香族環系は、一価又は多価不飽和であってもよい。好ましい炭素環としては、非限定的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、フェニル、インダニル、インデニル、ベンゾシクロブタニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ナフチル、デカヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプタニル及びベンゾシクロヘプテニルが挙げられる。シクロアルキルに関する特定の用語、例えば、シクロブタニル及びシクロブチルは、互換可能に用いられる。
【0037】
用語「複素環」は、飽和又は不飽和のいずれかであってもよい、安定した非芳香族4〜8員(しかし、好ましくは5又は6員)単環式又は非芳香族8〜11員二環式もしくはスピロ環式複素環基を指す。各複素環は、炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子1個以上、好ましくは1〜4個とからなる。複素環は、その環の任意の原子により結合されていてもよく、それにより安定した構造が生成される。
【0038】
用語「ヘテロアリール」は、ヘテロ原子、例えば、N、O及びSを1〜4個含む芳香族5〜8員単環又は8〜11員二環を意味すると理解されたい。
【0039】
他に断りがなければ、複素環及びヘテロアリールとしては、非限定的に例えば、アゼチジニル、フラニル、ピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、ピロリジニル、ピロリジノン、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリニル、モルホリニル、ピリジニル、ピリジノン、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、プリニル、キノリニル、ジヒドロ−2H−キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル及びベンゾジオキソリルが挙げられる。
【0040】
本明細書で用いられる用語「ヘテロ原子」は、炭素以外の原子、例えば、O、N、S及びPを意味すると理解されたい。
【0041】
全てのアルキル基又は炭素鎖において、炭素原子1個以上が、ヘテロ原子:O、S又はNで場合により置換されていてもよく、Nが置換されていない場合には、それはNHであると理解され、そしてヘテロ原子が分枝状又は非分枝状炭素鎖内の末端炭素原子又は内部炭素原子のいずれかを置換していることも理解されたい。そのような基は、本明細書の先に記載されたとおり、オキソなどの基により置換されていて、例えば非限定的に、アルコキシカルボニル、アシル、アミド及びチオキソなどの定義に至ってもよい。
【0042】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、本明細書で定義された芳香族炭素環又はヘテロアリールを意味すると理解されたい。他に断りがなければ、各アリール又はヘテロアリールは、部分的又は完全に水素化されているその誘導体を包含する。例えば、キノリニルは、デカヒドロキノリニル及びテトラヒドロキノリニルを包含してもよく、ナフチルは、その水素化誘導体、例えば、テトラヒドロナフチルを包含してもよい。本明細書に記載されたアリール及びヘテロアリール化合物の他の部分的又は完全に水素化されている誘導体は、当業者に明白であろう。
【0043】
本明細書で用いられる「窒素」及び「硫黄」は、窒素及び硫黄の任意の酸化形態、ならびに任意の塩基性窒素の第四級化形態を包含する。例えば、−S−C1〜6アルキル基の場合、他に断りがなければ、これは、−S(O)−C1〜6アルキル及び−S(O)−C1〜6アルキルを包含すると理解されたい。
【0044】
用語「アルキル」は、炭素原子を1〜10個含む飽和脂肪族基、又は炭素原子を2〜12個含む一価もしくは多価不飽和脂肪族炭化水素基を指す。一価又多価不飽和脂肪族炭化水素基は、それぞれ、少なくとも1個の二重又は三重結合を含む。「アルキル」は、分枝状又は非分枝状アルキル基の両方を指す。接頭辞「アルク」又は「アルキル」を用いる任意の組合せ用語が、先の「アルキル」の定義による類似体を指すことを理解しなければならない。例えば、「アルコキシ」、「アルキルチオ」などの用語は、酸素又は硫黄原子を介して第二の基に結合したアルキル基を指す。「アルカノイル」(又はアシル)は、カルボニル基(C=O)に結合したアルキル基を指す。
【0045】
本明細書で用いられる用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素又はヨウ素を意味し、好ましくはフッ素を意味すると理解されたい。定義「ハロゲン化されている」、「部分的又は完全にハロゲン化されている」、「部分的又は完全にフッ素化されている」、「ハロゲン原子1個以上で置換されている」は、例えば、1個以上の炭素原子上にあるモノ−、ジ−又はトリ−ハロ誘導体を包含する。アルキルの場合、非限定的例は、−CHCHF、−CFなどであろう。
【0046】
本明細書に記載された各アルキル(又は接頭辞「アルク」もしくは「アルキル」を用いた任意の用語)、炭素環、複素環もしくはヘテロアリール、又はその類似体は、場合により部分的又は完全にハロゲン化されていると理解されたい。
【0047】
本発明の化合物は、当業者に理解されるとおり、「化学的に安定している」と企図されるもののみである。例えば、「ダングリング価(dangling valency)」又は「カルバニオン」を有する化合物は、本明細書に開示された本発明の方法により企図される化合物ではない。
【0048】
本発明は、式(I)で示される化合物の薬学的に許容しうる誘導体を包含する。「薬学的に許容しうる誘導体」は、患者に投与すると、本発明に有用となる化合物又はその薬理学的に活性の代謝産物もしくは薬理学的に活性の残渣を提供しえて(直接的又は間接的に)、任意の薬学的に許容しうる塩もしくはエステル、又は任意の他の化合物を指す。薬理学的に活性の代謝産物は、酵素的に又は化学的に代謝されうる本発明の任意の化合物を意味すると理解されたい。これは、例えば、本発明の化合物のヒドロキシル化又は酸化誘導体を包含する。
【0049】
薬学的に許容しうる塩は、薬学的に許容しうる無機及び有機酸及び塩基から誘導されたものを包含する。適切な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、p−トルエン硫酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、2−ナフタレン硫酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。それ自体は薬学的に許容しえない他の酸、例えば、シュウ酸を、該化合物及びその薬学的に許容しうる酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に用いてもよい。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN−(C〜Cアルキル)4+塩が挙げられる。
【0050】
加えて、本発明の化合物のプロドラッグの使用は、本発明の範囲内である。プロドラッグは、簡単な化学変換により修飾されて、本発明の化合物を生成するそれらの化合物を包含する。簡単な化学変換としては、加水分解、酸化及び還元が挙げられる。詳細には、プロドラッグを患者に投与すると、プロドラッグが、本明細書の先に開示された化合物に変換され、それにより所望の薬理学的効果を付与してもよい。
【0051】
式Iで示される化合物は、以下に記載される一般的合成方法を用いて製造してもよく、それも本発明の一部を構成する。
【0052】
一般的合成方法
【0053】
加えて本発明は、式Iで示される化合物を製造する方法を提供する。本発明の化合物は、以下に示す一般的方法及び実施例、ならびに当業者に公知の方法及び化学文献に報告された方法により製造してもよい。他に断りがなければ、溶媒、温度、圧力、及び他の反応条件は、当業者により容易に選択することができる。具体的手順は、合成実施例の節に示されている。用いられる出発原料は、市販されるか、又は当業者により市販の材料から容易に製造される。反応の進行を、従来の方法、例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりモニタリングしてもよい。中間体及び生成物は、フラッシュクロマトグラフィー、HPLC又は再結晶化をはじめとする当該技術分野で公知の方法により精製してもよい。アミド結合の形成は、当該技術分野で周知の標準的カップリング条件(例えば、本明細書に全体が参考として援用されているM. Bodanszky, The Practice of Peptide Synthesis (Springer-Verlag: 1984)参照) により、例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で炭素環酸とアミンとを反応させることにより実施してもよい。本発明のラセミ化合物は、キラルHPLCを用いた分離、キラル試薬又は補助剤を用いた分解、及び他の当該技術分野で公知の不斉合成法をはじめとする当該技術分野で公知の方法により、鏡像異性的に純粋又は高濃度の形態で製造してもよい。特定の官能基が反応条件下で不適合である場合、当業者により容易に選択される試薬及び条件を用いて、これらの基の保護/脱保護を実施してもよい(例えば、本明細書に全体が参考として援用されているP. G. M. Wuts and T. W. Greene, Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons: 2006)参照)。
【0054】
以下に記載された方法及び合成実施例の節に記載された方法を用いて、式Iで示される化合物を製造してもよい。
【0055】
【化3】

【0056】
以下のスキームにおいて、R〜R及びxは、式Iの詳細な説明で定義された意味を有する。
【0057】
式Iで示される化合物は、スキーム1に示されたとおり製造してもよい。スキームIに示されたとおり、適切な触媒(例えば、(PhP)Pd)及び適切な塩基(例えば、KCO)の存在下での、R及びRで置換されていて4位に適切な脱離基(例えば、臭素又はトリフラート基)を有する安息香酸エステル(R’は、アルキルである)(II)と、4位にボロン酸エステル基(例えば、III上に示された4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル基)を有するN−保護テトラヒドロピペリジン(III)と、のSuzuki反応により、中間体IVを提供する。例えば、適切な触媒(例えば、Pd/C)の存在下で水素で処理することにより、オレフィンを還元して、Vを提供する。エステルの加水分解により、カルボン酸VIを提供する。Vを適宜、保護されたグアニジン(例えば、N−カルボベンジルオキシグアニジン)とカップリングさせることにより、VIIを提供する。例えば、酸(例えば、示されたt−Boc保護基の場合にはHCl)で処理することにより、ピペリジン環を脱保護して、ピペリジン中間体VIIIを提供する。ピペリジンアミンを所望のRCOHとカップリングして、IXを提供する。例えば、適切な触媒(例えば、示されたカルボベンジルオキシ保護基の場合にはPd/C)の存在下で水素で処理することにより、グアニジン上の保護基を除去して、所望の式Iで示される化合物を提供する。中間体IVから中間体Vへの還元ステップを省略することにより、テトラヒドロピリジン−4−イル環を有する式Iで示される化合物を得てもよい。
【0058】
【化4】

【0059】
スキームIに示された中間体IIIを、スキームIIに示されたとおり製造してもよい。N−保護されている4−オキソ複素環(例えば、示されたt−Boc中間体XI)を、例えば、適切な塩基(例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド)の存在下でN−フェニルトリフルオロメチルスルホンイミドで処理することにより、トリフラートエステルXIIに変換する。中間体XIIを、適切な触媒(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム)及び適切なリガンド(例えば、ジフェニルホスフィノフェロセン(dppf))の存在下でビス(ピノコラト)ジボロンで処理して、所望の中間体IIIを提供する。
【0060】
【化5】

【0061】
当業者に明白なとおり、そして以下に示された合成実施例に例示されるとおり、スキームIに示された合成系列の順序は、変更することができる。
【0062】
合成実施例
実施例1
【0063】
【化6】


N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−ベンゾイル}−グアニジン
【0064】
工程A: 4−(4−(N−カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
N−メチルピロリジノン(30mL)中の4−(4−カルボキシ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.00g、3.30mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(1.08g、4.22mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次にN−カルボベンジルオキシ−グアニジン(823mg、4.26mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.63mL、9.82mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を水と酢酸エチルに分配し、層を分離した。合わせた有機相を水で2回、次にブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を黄色のガラス状固体(1.12g、2.33mmol)として得た。LCMS:481.49(M+H)。
【0065】
工程B: N−(4−ピペリジン−4−イル−ベンゾイル)−N’−カルボベンジルオキシ−グアニジン
ジクロロメタン(20mL)中の工程Aの生成物(1.12g、2.33mmol)の溶液に、1,4−ジオキサンの4M 塩化水素(10mL、40mmol)を加え、得られた混合物を2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物の塩酸塩を無色の固体(970mg、2.33mmol)として得た。LCMS:381.42(M+H)。
【0066】
工程C: N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−ベンゾイル}−N’−カルボベンジルオキシ−グアニジン
【0067】
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の4−フルオロ安息香酸(37mg、0.26mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(43mg、0.26mmol)を加え、得られた混合物を90分間撹拌した。次に工程Bから生成物(100mg、0.24mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.72mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜70% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色の固体(92mg、76%)として得た。LCMS:503.44(M+H)。
【0068】
工程D: N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(4mL)、メタノール(2mL)及びジクロロメタン(2mL)中の工程Cからの生成物(87mg、0.17mmol)の懸濁液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(37mg、0.017mmol)を加え、反応物を水素雰囲気下で6時間撹拌した。混合物を、セライト(Celite)を通して濾過し、残留物を、10〜90% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(52mg、62%)として得た。LCMS:369.70(M+H)。
【0069】
下記化合物を、実施例1の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0070】
【表3】

【0071】
実施例5
【0072】
【化7】


N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−2−メチル−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0073】
工程A: 4−ヒドロキシ−5−ヨード−2−メチル−安息香酸
メタノール(125mL)中の4−ヒドロキシ−2−メチル−安息香酸(7.00g、46.0mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(3.68g、92.0mmol)及びヨウ化ナトリウム(15.86g、105.8mmol)を加え、混合物を加熱還流した。還流している間に、次亜塩素酸ナトリウム溶液(活性塩素約4%含有)(115mL、1.69mol)を30分間かけて滴下した。還流を30分間続け、混合物を室温に放冷した。10%チオ硫酸ナトリウムの溶液(92mL)を、続いて濃塩酸(21mL)を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、中性pHを得るまで、合わせた有機相を水で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜30% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体(9.23g、72%)として得た。
【0074】
工程B: 4−ヒドロキシ−5−ヨード−2−メチル−安息香酸メチルエステル
メタノール(100mL)中の工程Aからの生成物(9.23g、33.2mmol)の溶液に、アセチルクロリド(25.8mL、332mmol)を加えた。混合物を50℃で一晩撹拌した。混合物を蒸発乾固し、残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで更に抽出した。合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物をオフホワイトの固体(9.70g、定量収率)として得た。
【0075】
工程C: 5−ベンジルオキシ−5−ヨード−2−メチル−安息香酸メチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(130mL)中の工程Bからの生成物(9.70g、33.2mmol)の溶液に、臭化ベンジル(4.46mL、36.5mmol)及び炭酸カリウム(13.8g、99.6mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌し、次に室温に冷ました。混合物を酢酸エチルと水に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで更に抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜8% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色の固体(8.32g、66%)として得た。LCMS:383.00(M+H)。
【0076】
工程D: 4−ベンジルオキシ−2−メチル−5−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
1−メチル−2−ピロリドン(100mL)中の工程Cからの生成物(8.32g、21.8mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸カリウム(16.6g、108.8mmol)及びヨウ化銅(I)(20.7g、108.8mmol)を加えた。反応物を150℃で5時間撹拌し、次に室温に放冷した。混合物を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液に分配し、セライトを通して濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。濾液の層を分離し、水相を酢酸エチルで更に抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜8% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体(6.30g、89%)として得た。LCMS:325.20(M+H)。
【0077】
工程E: 4−ヒドロキシ−2−メチル−5−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
エタノール(150mL)中の工程Dからの生成物(6.30g、19.4mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10%パラジウム担持炭素(400mg、0.19mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を、エタノールですすぎながらセライトパッドを通して濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(4.34g、95%)を得た。LCMS:235.20(M+H)。
【0078】
工程F: 2−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド中の工程Eからの生成物(4.34g、18.5mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.55mL、20.4mmol)を、続いてN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配し、水層を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、所望の粗生成物(9.49g、純度:およそ70%)を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0079】
工程G: 4−(4−メトキシカルボニル−5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
各反応物を4等分し、4個の20mLのマイクロ波反応バイアル中に入れた。テトラヒドロフラン(48mL)中の工程Fからの生成物(9.49g、純度:およそ70%、18.1mmol)の溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.61g、18.1mmol)及び2M 炭酸カリウム水溶液(18.1mL、36.3mmol)を加えた。混合物を脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.78g、3.27mmol)を加えた。各バイアルを、Teflon張り隔膜蓋で密閉し、マイクロ波反応器中で110℃にて30分間照射した。室温に冷ました後、全てのバイアルからの混合物を一緒にプールし、酢酸エチルと水に分配した。酢酸エチル及び水ですすぎながら、混合物を濾過して残りの溶解されていない固体を除去した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜8% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を明黄色の油状物(5.68g、78%)として得た。LCMS:422.20(M+Na)。
【0080】
工程H: 4−(4−メトキシカルボニル−5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
エタノール(70mL)中の工程Gからの生成物(5.68g、14.2mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10%パラジウム担持炭素(200mg、0.09mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。混合物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、ジクロロメタンですすぎながらセライトパッドを通して濾過した。溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を無色の固体(5.15g、90%)として得た。LCMS:346.20(M+H)。
【0081】
工程I: 4−(4−カルボキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル エステル)
メタノール(40mL)及び水(20mL)中の工程Hからの生成物(5.15g、12.8mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(807mg、19.2mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌し、次に室温に冷ました。メタノールを減圧下で除去し、1N 塩酸を用いて水性混合物をpH5に酸性化した。得られた固体を濾過により回収し、減圧下で50℃にて乾燥させて、所望の生成物を無色の固体(5.00g、定量収率)として得た。LCMS:386.20(M−H)。
【0082】
工程J: 4−[5−メチル−4−(N−(カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
1−メチル−2−ピロリドン(50mL)中の工程Iからの生成物(5.00g、12.9mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(3.63g、14.2mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。N−カルボベンジルオキシ−グアニジン(2.99g、15.5mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、反応混合物に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルと水に分配した。層を分離した。水層を酢酸エチルで更に抽出し、合わせた有機相を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、10〜20% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(5.68g、78%)を得た。LCMS:563.20(M+H)。
【0083】
工程K: N−(2−メチル−4−ピペリジン−4−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−N’−(カルボベンジルオキシ)グアニジン
メタノール(20mL)中の工程Jからの生成物(5.68g、10.1mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4M 塩化水素(10mL)を加えた。混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を塩酸塩(5.0g、定量収率)として得た。LCMS:463.20(M+H)。
【0084】
工程L: N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−2−メチル−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の4−フルオロ安息香酸(70mg、0.49mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(80mg、0.49mmol)を加えた。混合物を室温で90分間撹拌し、その後、工程Kからの生成物(225mg、0.45mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24mL、1.35mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルと水に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで更に抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。エタノール(5mL)中の粗残留物の溶液(アルゴンでパージした)に、10%パラジウム担持炭素(25mg、0.01mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。混合物を水素雰囲気下で撹拌した。2時間後、酢酸エチルですすぎながら、混合物をガラスフィルターペーパーを通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物を、10〜75% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(109mg、43%)として得た。LCMS:451.20(M+H)。
【0085】
下記化合物を、実施例5の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0086】
【表4】







【0087】
実施例21
【0088】
【化8】


N−[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル]−2−メチル−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0089】
ジクロロメタン(2.5mL)中の実施例5工程Kの生成物(250mg、0.50mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL、1.50mmol)を、続いて無水酢酸(0.048mL、0.50mmol)を加えた。混合物を室温で45分間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水層をジクロロメタンで逆抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)とエタノール(10mL)の混合物中の残留物の溶液に、アルゴン雰囲気下、10%パラジウム担持炭素(50mg、0.02mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。酢酸エチルですすぎながら、混合物をガラスフィルターペーパーを通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物を、10〜75% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(85mg、35%)として得た。LCMS:371.20(M+H)。
【0090】
実施例22
【0091】
【化9】


N−{4−[1−(4−フルオロベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−5−メタンスルホニル−2−メチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0092】
工程A: 4−ブロモ−5−クロロスルホニル−2−メチル−安息香酸
0℃に冷却したクロロスルホン酸(15.0mL、226mmol)に、4−ブロモ−2−メチル−安息香酸(5.00g、23.3mmol)を2分間をかけて少しずつ加えた。反応物を室温に温まるにまかせ、次に100℃で2時間加熱した。反応物を室温に冷まし、氷(750g)に滴下(非常にゆっくりと)した。得られた固体を濾過により回収し、減圧下で乾燥させて、所望の生成物を無色の固体(6.36g、87%)として得た。LCMS:313.00(M−H)。
【0093】
工程B: 4−ブロモ−5−メタンスルホニル−2−メチル−安息香酸
水(75mL)中の亜硫酸ナトリウム(3.58g、28.4mmol)及び重炭酸ナトリウム(8.52g、101.4mmol)の撹拌した溶液に、70℃で、テトラヒドロフラン(25mL)中の工程Aからの生成物(6.36g、20.3mmol)の溶液を20分間かけて滴下した。添加が完了した後、混合物を70℃で1時間撹拌し、次に室温に冷ました。ヨードメタン(6.31mL、101.4mmol)を加え、反応物を50℃で一晩撹拌し、次に室温に冷ました。テトラヒドロフランを減圧下で除去し、4N 塩酸を用いて水性混合物をpH5に酸性化た。得られた沈殿物を濾過により回収し、減圧下で50℃にて乾燥させ、所望の生成物を無色の固体(4.88g、82%)として得た。LCMS:293.00(M+H)。
【0094】
工程C: 4−ブロモ−5−メタンスルホニル−2−メチル−安息香酸メチルエステル
メタノール(85mL)中の工程Bからの生成物(4.88g、16.6mmol)の溶液に、アセチルクロリド(12.9mL、166mmol)を加えた。混合物を50℃で一晩撹拌した。混合物を蒸発乾固し、残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物をオフホワイトの固体(4.47g、87%)として得た。LCMS:307.00(M+H)。
【0095】
工程D: 4−(2−メタンスルホニル−4−メトキシカルボニル−5−メチル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
各反応物を3等分し、3個の20mLのマイクロ波用反応バイアルに入れた。:1,4−ジオキサン(8.5mL)中の工程Cからの生成物(3.50g、11.4mmol)の溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.52g、11.4mmol)及び2M 炭酸カリウム水溶液(11.4mL、22.8mmol)を入れた。混合物を脱ガスした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.32g、1.14mmol)を加えた。各バイアルをTeflon張り隔膜蓋で密閉し、マイクロ波反応器中で170℃にて30分間照射した。冷却後、全てのバイアルからの混合物を一緒にプールし、酢酸エチルと水に分配した。酢酸エチル及び水ですすぎながら、混合物を濾過して溶解されていない固体を除去した。濾液の層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、10〜40% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を明黄色の油状物(4.8g、定量収率)として得た。LCMS:432.20(M+Na)。
【0096】
工程E: 4−(2−メタンスルホニル−4−メトキシカルボニル−5−メチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
酢酸(40mL)中の工程Dからの生成物(2.70g、6.59mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、酸化白金(IV)(750mg)を加えた。混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。酢酸エチルですすぎながら、混合物をセライトパッドを通して濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで更に抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物をオフホワイトの固体(2.24g、83%)として得た。LCMS:312.20(M+H)。
【0097】
工程F: 4−(4−カルボキシ−2−メタンスルホニル−5−メチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
化合物を、実施例5工程Iからの手順に従い、実施例22工程Eの生成物(2.24g、5.44mmol)から出発し、水酸化リチウム一水和物(343mg、8.17mmol)を使用して調製して、所望の生成物(1.85g、86%)を得た。
【0098】
工程G: 4−[2−メタンスルホニル−5−メチル−4−(N−(カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
化合物を、実施例5工程Jからの手順に従い、実施例22工程Fの生成物(1.85g、4.65mmol)から出発し、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(1.31g、5.12mmol)、N−カルボベンジルオキシ−グアニジン(1.08g、5.59mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.43mL、13.9mmol)を使用して調製し、ヘキサン中の25〜50%酢酸エチルの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.15g、81%)を得た。LCMS:573.20(M+H)。
【0099】
工程H: 4−[5−メタンスルホニル−2−メチル−4−ピペリジン−4−イル−ベンゾイル)−N−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
化合物を、実施例5工程Kの手順に従い、実施例22工程Gの生成物(2.15g、3.75mmol)及び1,4−ジオキサン中の4M 塩酸(7mL)から出発して調製し、所望の生成物を塩酸塩(1.91g、定量収率)として得た。LCMS:473.20(M+H)。
【0100】
工程I: N−{4−[1−(4−フルオロベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−5−メタンスルホニル−2−メチル−ベンゾイル}−グアニジン
化合物を、実施例5工程Lからの手順に従い、実施例22工程Hの生成物(175mg、0.29mmol)から出発し、4−フルオロ安息香酸(45mg、0.32mmol)、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(53mg、0.32mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.88mmol)を使用して調製し、溶離剤として10〜75% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の中間体を得て、これを10%パラジウム担持炭素(50mg、湿潤、Degussa type)を使用し脱保護して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(93mg、55%)として得た。LCMS:461.20(M+H)。
【0101】
実施例23
【0102】
【化10】


N−{4−[1−アセチル−ピペリジン−4−イル]−5−メタンスルホニル−2−メチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0103】
化合物を、実施例19からの手順に従い、実施例22工程Hの生成物(200mg、0.39mmol)から出発し、無水酢酸(0.038mL、0.39mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL、1.18mmol)を使用して調製した。エタノール(5mL)中の得られた粗残留物の溶液(アルゴンでパージした)に、10%パラジウム担持炭素(25mg、0.01mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。混合物を水素雰囲気下で撹拌した。2時間後、酢酸エチルですすぎながら、混合物をガラスフィルターペーパーを通して濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、1〜50% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(50mg、26%)として得た。LCMS:381.20(M+H)。
【0104】
下記化合物を、実施例22の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0105】
【表5】

【0106】
実施例29
【0107】
【化11】


N−{4−[1−(4−フルオロベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−メタンスルホニル−ベンゾイル}−グアニジン
【0108】
工程A: 4−(2−メタンスルホニル−4−メトキシカルボニル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
化合物を、実施例22工程Dからの手順に従い、4−ブロモ−3−メタンスルホニル−安息香酸メチルエステル(これは文献による手順に従って調製した)(3.00g、10.2mmol)から出発し、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.16g、10.2mmol)、2M 炭酸カリウム水溶液(10.2mL、20.5mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(828mg、0.72mmol)を使用して調製し、10〜40% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.73g、68%)を得た。LCMS:296.20(M+H)。
【0109】
工程B: 4−(2−メタンスルホニル−4−メトキシカルボニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
化合物を、実施例22工程Eからの手順に従い、実施例29工程Aの生成物(2.73g、6.90mmol)から出発し、酸化白金(IV)(1.0g)を使用して調製して、所望の生成物(2.00g、73%)を得た。LCMS:298.20(M+H)。
【0110】
工程C: 4−(4−カルボキシ−2−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
化合物を、実施例5工程Iからの手順に従い、実施例29工程Bの生成物(2.00g、5.03mmol)から出発し、水酸化リチウム一水和物(422mg、10.1mmol)を使用して調製して、所望の生成物(1.90g、99%)を得た。
【0111】
工程D: 4−[2−メタンスルホニル−4−(N’−カルボベンジルオキシ−グアニジノカルボニル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
化合物を、実施例5工程Jからの手順に従い、実施例29工程Cの生成物(1.90g、4.96mmol)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(1.39g、5.45mmol)、N−カルボベンジルオキシ−グアニジン(1.15g、5.95mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.59mL、14.9mmol)から出発し調製し、溶離剤としてヘキサン中の25〜50%酢酸エチルの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.80g、定量収率)を得た。LCMS:559.20(M+H)。
【0112】
工程E: N−(3−メタンスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−ベンゾイル)−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
化合物を、実施例5工程Kからの手順に従い、実施例29工程Dの生成物(2.80g、5.01mmol)及び1,4−ジオキサン中の4M 塩酸(14mL)から出発し、50℃で加熱して調製して、所望の生成物を塩酸塩(2.00g、81%)として得た。LCMS:459.20(M+H)。
【0113】
工程F: N−{4−[1−(4−フルオロベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−メタンスルホニル−ベンゾイル}−グアニジン
化合物を、実施例5工程Lからの手順に従い、実施例29工程Eの生成物(125mg、0.25mmol)、4−フルオロ安息香酸(39mg、0.28mmol)、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(45mg、0.28mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.76mmol)から出発して調製して、溶離剤として5〜65% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の中間体を得て、これを10%パラジウム担持炭素(30mg、湿潤、Degussa type)を使用して、脱保護して所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(49mg、35%)として得た。LCMS:447.20(M+H)。
【0114】
実施例30
【0115】
【化12】


N−[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−メタンスルホニル−ベンゾイル]−グアニジン
【0116】
化合物を、実施例19からの手順に従い、実施例2工程Eの生成物(200mg、0.40mmol)から出発し、無水酢酸(0.038mL、0.40mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.21mmol)を使用して調製し、溶離剤として1〜50% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の中間体を得て、これを10%パラジウム担持炭素(40mg、0.02mmol、湿潤、Degussa type)を使用して脱保護して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(91mg、47%)として得た。LCMS:367.20(M+H)。
【0117】
下記化合物を、実施例29の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0118】
【表6】

【0119】
実施例35
【0120】
【化13】


N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0121】
工程A: 4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシオキシ−安息香酸メチルエステル
アセトン(600mL)中の2,4−ジヒドロキシ安息香酸メチルエステル(25g、149mmol)の溶液に、炭酸カリウム(22.6g、164mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、次に臭化ベンジル(19.4mL、164mmol)を加え、反応物を還流に3時間温め、次に室温に冷ました。混合物を濾過して固体を除去し、濾液を減圧下で除去した。残留物を水に取り、得られた固体を濾過により単離した(29.1g、76%)。LCMS:259.00(M+H)。
【0122】
工程B: 4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステル
クロロホルム(300mL)中の工程Aからの生成物(29.1g、112mmol)の冷却した(0℃)溶液に、クロロホルム(80mL)中の臭素(6.34mL、124mmol)の溶液を加えた。反応物を室温に温め、30分間撹拌した。反応物を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、固体を得て、これをMeOHでトリチュレートし、濾過により単離した(30.75g、81%)。LCMS:337.00(M+H)。
【0123】
工程C: 4−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−メトキシ−安息香酸メチルエステル
テトラヒドロフラン(250mL)中の工程Bからの生成物(10g、29.7mmol)の冷却した(0℃)溶液に、テトラヒドロフラン中のカリウムtert−ブトキシド(36.5mL、36.5mmol)の溶液を加えた。30分後、ヨードメタン(2.4mL、38.6mmol)を加え、反応物を72時間撹拌した。反応物を減圧下で蒸発させ、残留物を水に溶解し、1N 塩酸水溶液を用いて中和した。得られた固体を濾過により単離し、大量の水で洗浄し、乾燥させた。固体を酢酸エチルに溶解し、水、1M 水酸化ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して乾固した。残留物をヘキサンでトリチュレートし、固体(8.1g、78%)を濾過により単離した。NMRは、所望の生成物と一致した。LCMS:351.00(M+H)。
【0124】
工程D: 4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−2−メトキシ−安息香酸メチルエステル
化合物を、実施例5工程Eについての手順に従い、工程Cからの生成物(6.14g、18.0mmol)から出発し、10wt%パラジウム担持炭素(300mg、0.34mmol、湿潤、Degussa type)を使用して調製して、所望の生成物を、エーテルでのトリチュレエーションにより褐色の固体(3.36g、74%)として単離した。LCMS:251.00(M+H)。
【0125】
工程E: 2−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
化合物を、実施例5工程Fについての手順に従い、工程Dからの生成物(3.36g、13.4mmol)から出発し、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(5.04g、14.1mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.57mL、14.8mmol)を使用して調製して、これを水性処理の後、更に精製しないで次の工程で使用した。
【0126】
工程F: 4−(4−カルボキシ−5−メトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
圧力フラスコに、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.58g、1.4mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.22g、13.7mmol)及び炭酸カリウム(3.53g、27.3mmol)を入れ、続いてジオキサン(56mL)及び水(14mL)中の工程Eからの生成物(5.22g、13.7mmol)の溶液を入れた。フラスコを密閉し、140℃に温め、一晩撹拌した。混合物を室温に冷まし、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、褐色の油状物を得た。ヘキサンでのトリチュレーションの後、粗物質を、0〜100% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色の固体(3.6g、66%)として得た。LCMS:402.00(M+H)。
【0127】
工程G: 4−(4−カルボキシ−5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
酢酸(40mL)中の工程Fからの生成物(3.6g、8.97mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、酸化白金(IV)(150mg、0.66mmol)を加え、反応物を水素の雰囲気下に置いた。一晩撹拌し後、触媒を、セライトを通して注意深い濾過により除去し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物をエーテル/ヘキサンに取り、得られた固体を濾過により単離した(3.1g、86%)。LCMS:404.00(M+H)。
【0128】
工程H: 4−[5−メチル−4−(N−(カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
化合物を、実施例5工程Jについての手順に従い、工程Gからの生成物(3.10g、7.69mmol)から出発し、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(2.36g、9.22mmol)、N−カルボベンジルオキシ−グアニジン(1.93g、10.0mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.82mL、23.1mmol)を使用して調製した。粗反応混合物を水(250mL)中のギ酸(7mL)の溶液に注ぎ、所望の生成物を、濾過により褐色の固体(4.08g、92%)として単離した。LCMS:579.00(M+H)。
【0129】
工程I: N−(2−メトキシ−4−ピペリジン−4−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
ジオキサン(100mL)中の工程Hからの生成物(4.1g、7.05mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4M 塩化水素(12mL)を加えた。混合物を室温で48時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、残留物をエーテルでトリチュレートして、所望の生成物を塩酸塩(3.7g、定量収率)として得た。LCMS:479.70(M+H)。
【0130】
工程J: N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
化合物を、実施例5工程Lに従い、工程Iからの生成物(100mg、0.17mmol)から出発し、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(35mg、0.21mmol)、4−フルオロ安息香酸(29.9mg、0.21mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(105μL、0.58mmol)を使用して調製し、粗残留物を得て、これを20wt%水酸化パラジウム(II)(10mg、0.007mmol、50%湿潤)を使用する水素化に付し、生成物を、10〜100% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(44mg、47%)として得た。LCMS:581.00(M+H)。
【0131】
下記化合物を、実施例33の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0132】
【表7】





【0133】
実施例47
【0134】
【化14】


N−{4−[1−(3H−イミダゾール−4−カルボニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0135】
工程A: 4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
メタノール(400mL)中の4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−安息香酸(115g、428mmol)の溶液に、濃硫酸(2mL)を加えた。混合物を密閉し、80℃に一晩加熱した。混合物を室温に冷まし、溶媒を減圧下で除去した。残留物を水で処理し、得られた固体を濾過により単離し、乾燥させて、所望の生成物を無色の固体(121g、98%)として得た。LCMS:283.00/285.00(2個の臭素の同位体 M+H
【0136】
工程B: 4−(4−メトキシカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
1,4−ジオキサン中の工程Aからの生成物(17.3g、61.2mmol)の溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(18.9g、61.2mmol)、2M 炭酸カリウム水溶液(61.2mL、122mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7.07g、6.10mmol)を加えた。反応容器を密閉し、140℃に4時間加熱した。混合物を室温に冷まし、ジオキサンを減圧下で除去した。得られた残留物を水及び酢酸エチルで希釈し、濾過して不溶性物質を除去し、層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。次に、まずヘキサン中の10%酢酸エチルで、次にヘキサン中の20%酢酸エチルですすぎながら、褐色の残留物をシリカの短い床(a short bed)を通した。20%酢酸エチル画分から回収した物質を蒸発させて、所望の生成物を明黄色の固体(19.6g、83%)として得た。LCMS:371.51(M+CHCN−56)。
【0137】
工程C: 4−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール(40mL)中の工程Bからの生成物(2.74g、7.10mmol)の溶液に、水(4mL)及び炭酸カリウム(2.46g、17.8mmol)を加え、反応混合物を60℃で2時間加熱した。次に混合物を酢酸エチル(200mL)及び水(100mL)で希釈した。1N 塩酸水溶液を使用して水層をpH約4にした。層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を無色の固体(2.48g、94%)として得た。LCMS:357.46(M+CHCN−56)。
【0138】
工程D: 4−(4−(N−カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
N−メチルピロリジノン(35mL)中の工程Cからの生成物(2.48g、6.68mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(2.05g、8.01mmol)を加え、得られた溶液を75分間撹拌した。次にN−カルボベンジルオキシ−グアニジン(1.68g、8.68mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.32mL、20.0mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を水と酢酸エチルに分配し、層を分離した。有機相を水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜40% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(3.37g、92%)をガラス状固体として得た。LCMS:547.83(M+H)。
【0139】
工程E: N−[4−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
ジクロロメタン(24mL)中の工程Dからの生成物(3.37g、6.20mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4N 塩化水素(25mL、100mmol)を加え、反応物を2時間撹拌した。混合物をエーテル(200mL)で希釈し、濾過して、所望の生成物を無色の固体(2.80g、94%)として得た。LCMS:447.77(M+H)。
【0140】
工程F: N−{4−[1−(3H−イミダゾール−4−カルボニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
ジクロロメタン中の工程Eからの生成物(100mg、0.21mmol)の溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(48mg、0.25mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(34mg、0.25mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.62mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、及びブラインで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜9% メタノール/ジクロロメタンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(34mg、31%)を得た。LCMS:541.44(M+H)。
【0141】
工程G: N−{4−[1−(3H−イミダゾール−4−カルボニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(2mL)中の工程Fからの生成物(34mg、0.063mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10%パラジウム担持炭素(13mg、0.006mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で3時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜90% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して所望の生成物をビス−トリフルオロ酢酸塩(10mg、25%)として得た。LCMS:407.42(M+H)。
【0142】
下記化合物を、実施例45の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0143】
【表8】

【0144】
実施例50
【0145】
【化15】


N−{4−[1−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0146】
工程A: N−{4−[1−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}− N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−メタンスルホニル−安息香酸(46mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、反応物を45分間撹拌した。実施例47工程Eの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜70% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(90mg、69%)を得た。LCMS:495.71(M+H)。
【0147】
工程B: N−{4−[1−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(2mL)及び酢酸エチル(1mL)中の工程Aからの生成物(90mg、0.14mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(31mg、0.014mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で3時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜90% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(12mg、16%)として得た。LCMS:407.42(M+H)。
【0148】
実施例51
【0149】
【化16】


N−{4−[1−(2−シアノ−ベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0150】
工程A: N−{4−[1−(2−シアノ−ベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−シアノ−安息香酸(33mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、反応物を47分間撹拌した。次に実施例45工程Eの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜80% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(85mg、72%)を得た。LCMS:495.71(M+H)。
【0151】
工程B: N−{4−[1−(2−シアノ−ベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(1mL)中の工程Aからの生成物(10mg、0.017mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%水酸化パラジウム(II)担持炭素(1.9mg、0.002mmol、50%湿潤)を加え、反応物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗残留物をジクロロメタンに溶解し、1,4−ジオキサン中の4N 塩化水素を使用し、且つエーテルで希釈しながら、塩酸塩として沈殿させた。所望の生成物を無色の固体(5.0mg、59%)として濾過により単離した。LCMS:442.42(M+H)。
【0152】
実施例52
【0153】
【化17】


N−{4−[1−(1H−フラン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン;塩酸塩
【0154】
工程A: 4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(50mL)中の4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、(5.00g、25.13mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(50mL)中の20%リチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液を−75℃で加え、混合物を30分間撹拌した。テトラヒドロフラン(100mL)中のN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(9.85g、27.64mmol)の溶液を、反応混合物に−75℃でゆっくりと加え、温度を0℃に上げた。混合物をこの温度で3時間撹拌した。反応混合物に、氷冷水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)を加え、混合物を10分間撹拌した。有機相を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、蒸留した。粗物質を、10% 酢酸エチル/石油エーテルの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(5.30g、90%)を得た。
【0155】
工程B: 4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
脱ガスした1,4−ジオキサン(30mL)中の工程Aの生成物(5.00g、21.65mmol)の溶液に、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](6.00g、23.8mmol)、酢酸カリウム(6.30g、64.95mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.500g、0.65mmol)及びジ−フェニルホスフィノフェロセン(dppf)(0.360g、0.65mmol)を加えた。反応混合物を80℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(100mL)を加え、混合物を10分間撹拌した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機画分を水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を除去した。粗物質を、5〜8% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(5.50mg、83%)を得た。
【0156】
工程C: 4−(4−シアノ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
乾燥し脱ガスしたN,N−ジメチルホルムアミド(35mL)中の無水炭酸カリウム(3.50g、25.3mmol)のスラリーに、4−ブロモ−3−トリフルオロメチルベンゾニトリル(2.00g、8.00mmol)を、続いてビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.92g、1.25mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、酢酸エチルで希釈し、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、溶離剤として4% 酢酸エチル/石油エーテルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.20g、56%)を得た。
【0157】
工程D: 4−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tertブチルエステル
エタノール(6mL)中の工程Cからの生成物(1.15g、3.2mmol)の溶液に、水(12mL)及び水酸化ナトリウム(0.650g、16.3mmol)を加えた(白色の沈殿物を得た)。反応混合物を2時間還流した。エタノールを減圧下で除去した。1N 塩酸で反応混合物を酸性化し、水層をジクロロメタン(2×60mL)で抽出した。有機層を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、上記生成物を無色の固体(1.10g、98%)として得た。
【0158】
工程E: 4−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
パール(Parr)水素化装置中のメタノール(50mL)中の工程Dからの生成物(1.10g、2.90mmol)の溶液に、パラジウム担持炭素(10%、0.10g、mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を60psiで一晩振盪した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、メタノールを減圧下で蒸留して、無色の固体(1.00g、98%)を得た。粗生成物を次の工程にそのまま使用した。
【0159】
工程F: 4−ピペリジン−4−イル−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
工程Eからの生成物(1.00g、2.68mmol)に、メタノール性塩化水素(25mL)を加え、得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸留した。粗生成物を無水エチルエーテルでトリチュレートし、濾過し、減圧下で乾燥させて、所望の生成物の塩酸塩を明黄色の固体(0.760g、88%)として得た。
【0160】
工程G: 4−[1−(フラン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の工程Fからの生成物(0.530mg、1.60mmol)の溶液に、フラン−2−カルボン酸(0.275、2.4mmol)及びN−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−B]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムへキサフルオロホスファートN−オキシド(0.625mg、1.6mmol)を0〜5℃で加えた。次にジイソプロピルエチルアミン(1.41mL、8mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。水(20mL)を混合物に加え、それを酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機相を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、溶離剤として15% 酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(630mg、92%)を得た。
【0161】
工程H: 4−[1−(フラン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−安息香酸
テトラヒドロフラン:水(8:2、10mL)中の工程Gからの生成物(0.720g、1.80mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.280g、6.6mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、水(10mL)及びエーテル(10mL)を加え、層を分離した。水相を10M クエン酸溶液(25mL)で酸性化し、得られた固体を濾別した。化合物を、10% エーテル−ヘキサンでトリチュレートすることにより精製して、所望の生成物を明黄褐色の固体(0.400g、0%)として得た。
【0162】
工程I: N−{4−[1−(フラン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
1−メチル−2−ピロリドン(3mL)中の工程Hの生成物(0.200mg、0.544mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(0.152mg、0.59mmol)を加えた。混合物を室温で90分間撹拌した。赤−褐色の混合物に、N−カルボベンジルオキシグアニジン(0.126mg、0.653mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.28mL、1.63mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、0.1%ギ酸を含有する氷冷水に加え、白色の固体を得た。固体を濾過し、水で数回洗浄した。次に得られた固体を減圧下で乾燥させて、所望の生成物(0.20mg、67.7%)を得た。LCMS:543.31(M+H)。
【0163】
工程J: N−{4−[1−(フラン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(10mL)中の工程Iからの生成物(0.180mg、0.306mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(0.150mg、0.07mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、エタノールで数回洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、エーテル及びメタノール2〜3滴中に溶解した。エーテル中の1N 塩化水素の2当量を加え、得られた固体を濾別し、洗浄し、減圧下で乾燥させて、所望の生成物をビス−塩酸塩(0.085mg、62.5%)として得た。LCMS:408.81、409.63、410.32(M+H)。
【0164】
実施例53
【0165】
【化18】


N−{4−[1−(4−イミダゾール−1−イル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0166】
エタノール(1.5mL)中の実施例48からの生成物(20mg、0.036mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(8.0mg、0.004mmol、湿潤、Degussa type)を加え、混合物を水素雰囲気下で60時間撹拌した。メタノール中の1%アンモニアですすぎながら、混合物をセライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜70% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(14mg、55%)として得た。LCMS:485.44(M+H)。
【0167】
実施例54
【0168】
【化19】


N−{4−[1−(2−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0169】
所望の生成物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより、実施例49工程Gの反応混合物から単離して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(37mg、32%)として得た。LCMS:497.38(M+H)。
【0170】
実施例55
【0171】
【化20】


N−{4−[1−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0172】
工程A: N−{4−[1−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−フルオロ−2−トリフルオロメチル安息香酸(47mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例47工程Eの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を50℃で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜70% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(65mg、49%)を得た。LCMS:647.36(M+H)。
【0173】
工程B: N−{4−[1−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(2mL)中の工程Aの生成物(65mg、0.10mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(22mg、0.010mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜90% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(16mg、25%)として得た。LCMS:505.39(M+H)。
【0174】
下記化合物を、実施例53の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0175】
【表9】

【0176】
実施例58
【0177】
【化21】


N−{4−[1−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0178】
工程A: N−{4−[1−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の3−メタンスルホニル安息香酸(46mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例47工程Eの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、次にブラインで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を0〜100% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(110mg、85%)を得た。LCMS:629.41(M+H)。
【0179】
工程B: N−{4−[1−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(3mL)中の工程Aの生成物(110mg、0.18mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(37mg、0.017mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で36時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(60mg、56%)として得た。LCMS:497.71(M+H)。
【0180】
実施例59
【0181】
【化22】


N−(4−{1−[2−(4−フルオロ−フェニル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−グアニジン
【0182】
標記化合物を、実施例58の手順に従い、適切な出発物質を使用して調製した。粗混合物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(62mg、64%)として得た。LCMS:451.42(M+H)。
【0183】
実施例60
【0184】
【化23】


N−[4−(1−ベンゾイル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−グアニジン
【0185】
工程A: N−[4−(1−ベンゾイル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−安息香酸(36mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例47工程Eからの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜60% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(106mg、88%)を得た。LCMS:585.41(M+H)。
【0186】
程B: N−[4−(1−ベンゾイル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−グアニジン
エタノール(3mL)中の工程Aの生成物(106mg、0.18mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(39mg、0.018mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で36時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(70mg、73%)として得た。LCMS:419.72(M+H)。
【0187】
実施例61
【0188】
【化24】


N−{4−[1−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0189】
工程A: N−{4−[1−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の2−フルオロ−4−トリフルオロメチル安息香酸(47mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例47工程Eの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜50% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(95mg、72%)を得た。LCMS:637.42(M+H)。
【0190】
工程B: N−{4−[1−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(3mL)中の工程Aの生成物(95mg、0.15mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(32mg、0.015mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物ジクロロメタンに溶解し、1,4−ジオキサン及びエーテル中の4M 塩化水素を使用して沈殿させた。所望の生成物の塩酸塩を濾過により無色の固体(54mg、67%)として単離した。LCMS:505.39(M+H)。
【0191】
実施例62
【0192】
【化25】


N−{4−[1−(2−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0193】
工程A: N−{4−[1−(2−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の2−フルオロ安息香酸(32mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例47工程Eの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜60% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(89mg、75%)を得た。LCMS:569.49(M+H)。
【0194】
工程B: N−{4−[1−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(3mL)中の工程Aの生成物(89mg、0.16mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(37mg、0.016mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(51mg、59%)として得た。LCMS:437.73(M+H)。
【0195】
下記化合物を、実施例62の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0196】
【表10】

【0197】
実施例65
【0198】
【化26】


N−{4−[1−(4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0199】
工程A: N−{4−[1−(4−ベンジルオキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}− N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−(ベンジルオキシ)−安息香酸(52mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例47工程Eからの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜60% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(78mg、57%)を得た。LCMS: 657.60(M+H)。
【0200】
工程B: N−{4−[1−(4−ベンジルオキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(3mL)中の工程Aからの生成物(78mg、0.12mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(26mg、0.012mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜90% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(39mg、59%)として得た。LCMS:435.72(M+H)。
【0201】
実施例66
【0202】
【化27】


4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N−メチル−ベンズアミド
【0203】
工程A: N−メチル−テレフタルアミド酸メチルエステル
ジクロロメタン(10mL)中の4−クロロカルボニル−安息香酸メチルエステル(1.0g、5.0mmol)の溶液に、メタノール中の2M メチルアミン(5.29mL、10.6mmol)を加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、1M 塩酸、及びブラインで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物を無色の固体(805mg、83%)として得た。LCMS:194.31(M+H)。
【0204】
工程B: N−メチル−テレフタルアミド酸
メタノール(30mL)及び水(10mL)中の工程Aからの生成物(805mg、4.17mmol)の溶液に、炭酸カリウム(1.73g、12.5mmol)を加え、混合物を50℃で4時間撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、残留物を水で希釈し、1M 塩酸で酸性化した。粗生成物を濾過により単離し、残留物を0.5M 水酸化ナトリウム水溶液に再溶解し、酢酸エチルで2回洗浄した。水層を1M 塩酸で酸性化し、生成物を濾過により無色の固体(567mg、76%)として単離した。LCMS:180.29(M+H)。
【0205】
工程C: 4−[4−(4−N’−カルボベンジルオキシ−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N−メチル−ベンズアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)中の工程Bの生成物(61mg、0.34mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(55mg、0.34mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例45工程Eからの生成物(150mg、0.31mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.93mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(150mg、72%)を得た。LCMS:608.68(M+H)。
【0206】
工程D: 4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N−メチル−ベンズアミド
エタノール(4mL)中の工程Cの生成物(135mg、0.22mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(96mg、0.044mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で36時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(50mg、38%)として得た。LCMS:435.72(M+H)。
【0207】
実施例67
【0208】
【化28】


4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N,N−ジメチル−ベンズアミド
【0209】
標記化合物を、実施例66の手順に従い、適切な出発物質を使用して調製して、所望の生成物をガラス状固体(100mg、70%)として得た。LCMS:490.70(M+H)。
【0210】
実施例68
【0211】
【化29】


N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0212】
工程A: 4−(4−メトキシカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
酢酸(180mL)中の実施例47工程Bの生成物(13.6g、35.3mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、酸化白金(IV)(750mg、3.3mmol)を加え、混合物を水素雰囲気下で60時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物を泡状物(13.5g、99%)として得た。LCMS:332.20(M+H−56)。
【0213】
工程B: 4−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール(39mL)及び水(13mL)中の工程Aからの生成物(5.10g、13.2mmol)の溶液に、炭酸カリウム(3.64g、26.3mmol)を加え、反応物を室温で16時間撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、残留物を希塩酸水溶液に注ぎ、所望の生成物(5.0g、100%)を濾過により単離した。LCMS:372.20(M−H)。
【0214】
工程C: 4−(4−(N−カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
1−メチル−2−ピロリジノン(50mL)中の工程Bからの生成物(5.00g、13.2mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(4.11g、16.1mmol)を加え、得られた溶液を90分間撹拌した。次にN−カルボベンジルオキシ−グアニジン(3.36g、17.4mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.66mL、40.2mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を、88%ギ酸(6mL)と水(250mL)の混合物に注ぎ、生成物を濾過により無色の固体(6.63g、90%)として単離した。LCMS:549.20(M+H)。
【0215】
工程D: N−(4−ピペリジン−4−イル−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−グアニジン
1,4−ジオキサン(100mL)中の工程Cからの生成物(6.63g、12.1mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4M 塩化水素(24.2mL、96mmol)を加え、混合物を50℃で16時間撹拌した。次に混合物をエーテル(250mL)で希釈し、所望の生成物を濾過により無色の固体(5.82g、99%)として単離した。LCMS:449.20(M+H)。
【0216】
工程E: N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(120mL)中の4−フルオロ安息香酸(1.85g、13.2mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(2.14g、13.2mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。工程Dからの生成物(5.82g、12.0mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.46mL、36.0mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を氷−冷希塩酸溶液に注ぎ、生成物を濾過により単離した(6.85g、100%)。LCMS:571.20(M+H)。
【0217】
工程F: N−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(75mL)中の工程Eからの生成物(6.85g、12.0mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、20wt%Pd(OH)担持炭素(500mg、0.36mmol、湿潤)を加え、混合物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をジオキサン(100mL)に溶解し、過剰量の、1,4−ジオキサン中の4M 塩化水素で処理した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をエーテルでトリチュレートした。得られた固体をアセトニトリルから再結晶化して、所望の生成物を無色の固体(3.77g、66%)として得た。LCMS:437.20(M+H)。
【0218】
実施例69
【0219】
【化30】


N−{4−[1−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0220】
工程A: {2−[4−(4−(N−カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸ベンジルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の実施例68工程Dの生成物(250mg、0.516mmol)に、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−メチル−プロピオン酸(135mg、0.567mmol)、(2−7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート(222mg、0.583mmol)、及びN−メチルモルホリン(0.115mL、1.05mmol)を加え、混合物を40℃で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で3回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜70% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(80mg、23%)を得た。LCMS:668.47(M+H)。
【0221】
工程B: N−{4−[1−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(4mL)中の工程Aの生成物(80mg、0.12mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、20wt%水酸化パラジウム(II)(17mg、0.012mmol、50% 湿潤)を加え、混合物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜70% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をビス−トリフルオロ酢酸塩(35mg、47%)として得た。LCMS:400.45(M+H)。
【0222】
実施例70
【0223】
【化31】


N−{4−[1−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0224】
工程A: N−{4−[1−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(8.0mL)中の4−メタンスルホニル安息香酸(136mg、0.681mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(110mg、0.681mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例68工程Dの生成物(300mg、0.619mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.33mL、1.87mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(376mg、82%)を得た。LCMS:631.34(M+H)。
【0225】
工程B: N−{4−[1−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(3mL)中の工程Aの生成物(320mg、0.51mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(108mg、0.051mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(253mg、82%)として得た。LCMS:497.31(M+H)。
【0226】
実施例71
【0227】
【化32】


4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−ベンズアミド
【0228】
標記化合物を、実施例70の手順に従い、適切な出発物質を使用して調製して、所望の生成物をガラス状固体(35mg、37%)として得た。LCMS:462.40(M+H)。
実施例72
【0229】
【化33】


N−{4−[1−(4−シアノ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0230】
工程A: N−{4−[1−(4−シアノ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}− N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−シアノ安息香酸(33mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例68工程Dの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(116mg、86%)を得た。LCMS:578.41(M+H)。
【0231】
工程B: N−{4−[1−(4−シアノ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(4mL)中の工程Aからの生成物(102mg、0.17mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、20wt%水酸化パラジウム(II)担持炭素(25mg、0.017mmol、50%湿潤)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(66mg、67%)として得た。LCMS:444.40(M+H)。
【0232】
下記化合物を、実施例72の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0233】
【表11】



【0234】
実施例80
【0235】
【化34】


N−{4−[1−(4−メタンスルフィニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0236】
工程A: N−{4−[1−(4−メチルスルファニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の4−メチルチオ安息香酸(38mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例68工程Dの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(114mg、85%)を得た。LCMS:599.46(M+H)。
【0237】
工程B: N−{4−[1−(4−メチルスルファニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
トリフルオロ酢酸(3mL)中の工程Aからの生成物(98mg、0.16mmol)の溶液に、チオアニソール(0.90mL)を加え、反応混合物を6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、溶離剤としてジクロロメタン中の5%メタノール(1%トリエチルアミン含有)を使用する分取TLCにより精製して、所望の生成物を白色のガラス状固体(25mg、33%)として得た。LCMS:465.43(M+H)。
【0238】
工程C: N−{4−[1−(4−メタンスルフィニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
アセトニトリル(1mL)及び水(1mL)中の工程Bからの生成物(25mg、0.054mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(15mg、0.07mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。得られた溶液を、0.45ミクロンフィルターを通して濾過し、残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(22mg、69%)として得た。LCMS:481.36(M+H)。
【0239】
実施例81
【0240】
【化35】


4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【0241】
工程A: 4−[4−(4−(N’−カルボベンジルオキシ)−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の4−メチルスルファモイル−安息香酸(49mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例68工程Dからの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(123mg、80%)を得た。LCMS:646.39(M+H)。
【0242】
工程B: 4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
酢酸(1mL)中の工程Aの生成物(77mg、0.10mmol)の溶液に、酢酸中の30%臭化水素(1mL)を加え、混合物を50℃で4時間加熱した。混合物をジクロロメタンで希釈し、粗生成物をエーテルで沈殿させ、濾過により単離した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(10mg、16%)として得た。LCMS:512.66(M+H)。
【0243】
実施例82
【0244】
【化36】


4−[4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボニル]−安息香酸
【0245】
メタノール(1.0mL)及び水(0.25mL)中の実施例56(32mg、0.054mmol)の溶液に、炭酸カリウム(26mg、0.19mmol)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、10〜70% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(23mg、74%)として得た。LCMS:463.39(M+H)。
【0246】
実施例83
【0247】
【化37】


N−{4−[1−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0248】
工程A: 4−トリフルオロメタンスルホニル−安息香酸
メタノール(10mL)及び水(8mL)中の4−トリフルオロメチルスルファニル−安息香酸(250mg、1.13mmol)の溶液に、オキソン(5.59g、6.75mmol)を加え、反応物を、最初に50℃で6時間、次に室温で4日間撹拌した。混合物を酢酸エチル及び水で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(245mg、86%)を得た。LCMS:253.00(M−H)。
【0249】
工程B: N−{4−[1−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の工程Aからの生成物(58mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次に実施例68工程Dの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(131mg、84%)を得た。LCMS:685.20(M+H)。
【0250】
工程C: N−{4−[1−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(4mL)中の工程Bからの生成物(131mg、0.19mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、20wt%水酸化パラジウム(II)担持炭素(36mg、0.026mmol、50%湿潤)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(96mg、76%)として得た。LCMS:551.20(M+H)。
【0251】
実施例84
【0252】
【化38】


N−{4−[1−(3−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0253】
標記化合物を、実施例83の手順に従い、適切な出発物質を使用して調製して、所望の生成物を無色の固体(83mg、0.125mmol)として得た。LCMS:551.20(M+H)。
【0254】
実施例85
【0255】
【化39】


N−[4−(1−シクロプロパンカルボニル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−グアニジン
【0256】
工程A: 1−(N−カルボベンジルオキシ)−3−[4−(1−シクロプロパンカルボニル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]グアニジン
ジクロロメタン(2.0mL)中の実施例68、工程Dからの生成物(100mg、0.21mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.072mL、0.52mmol)を加えた。次にシクロプロパンカルボン酸クロリド(0.019mL、0.21mmol)を滴下し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3.0mL)及び水(3.0mL)の添加によりクエンチし、混合物をジクロロメタン(30mL)で3回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、粗生成物(100mg)を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0257】
工程B: N−[4−(1−シクロプロパンカルボニル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−グアニジン
酢酸エチル(2.0mL)中の工程Aからの生成物(100mg)の溶液に、10%パラジウム担持炭素(31mg、0.03mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を除去して、粗生成物を得た。粗物質を、0〜10% メタノール/ジクロロメタンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色の無定形の固体(65mg、88%)として得た。LCMS:383.44(M+H)。
【0258】
下記化合物を、実施例85の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0259】
【表12】

【0260】
実施例91
【0261】
【化40】


N−[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−グアニジン
【0262】
工程A: 4−ピペリジン−4−イル−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
1,4−ジオキサン(1.1L)中の実施例68工程Aの生成物(74.85g、193mmol)の溶液に、濃塩酸水溶液(48.3mL、0.580mmol)を加え、得られた溶液を50℃で3時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷まし、溶媒を減圧下で除去した。得られた白色の固体を、ジエチルエーテル中に懸濁し、10分間撹拌し、その後、所望の生成物を白色の固体(55.7g、89%)として濾過により回収した。
【0263】
工程B: 4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
1−メチル−2−ピロリジノン(250mL)中の工程Aの生成物(20.2g、62.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(17.4mL、125mmol)を、続いて無水酢酸(7.08mL、75mmol)を0℃で加え、得られた混合物を室温に温め、1時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で4回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を無色の油状物(17.4g、85%)として得た。
【0264】
工程C: N−[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]−グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(300mL)中のグアニジン塩酸塩(42.76g、448mmol)の溶液に、tert−五酸化ナトリウムを4℃で加え、溶液を室温に温め、15分間撹拌した。この混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(300mL)中の工程Bの生成物(73.7g、224mmol)を加え、混合物を室温に温め、21時間撹拌した。次に水(200mL)を加え、混合物を1時間撹拌した。次に混合物を水(500mL)に注ぎ、ジクロロメタンで4回抽出し、合わせた有機物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回、次に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機物を分離し、溶媒を減圧下で除去した。各回ごとに溶媒を減圧下で除去しながら、得られた油状物をジクロロメタンに3回再溶解した。次に油状物をジクロロメタン(150mL)に再び溶解し、放置すると沈殿物が形成された。固体を濾過により回収して、所望の生成物を白色の固体(67.8g、85%)として得た。LCMS:357.20(M+H)。
【0265】
実施例92
【0266】
【化41】


4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸アミド
【0267】
工程A: 1−(N−カルボベンジルオキシ)−3−[4−(1−カルバモイル−ピペリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル]グアニジン
ジクロロメタン(5.0mL)中の実施例68工程Dからの生成物(100mg、0.21mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.10mL、0.72mmol)を加えた。トリメチルシリルイソシアナート(0.66mL、4.1mmol)を滴下し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を、重炭酸ナトリウム水溶液(3.0mL)と水(50mL)との飽和水溶液の添加によりクエンチし、混合物をジクロロメタン(50mL)で3回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得た。粗物質を0〜6% メタノール/ジクロロメタンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(78mg、77%)を得た。
【0268】
工程B: 4−(4−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸アミド
メタノール(2.0mL)中の工程Aからの生成物(78mg、0.16mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭素(25mg、0.02mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を得た。粗物質を、メタノール及び酢酸エチルを使用する結晶化により精製して、純粋な生成物を白色の固体(47mg、83%)として得た。LCMS:358.38(M+H)。
【0269】
実施例93
【0270】
【化42】


N−{4−[1−(6−ヒドロキシ−ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0271】
工程A: 6−ベンジルオキシ−ニコチノニトリル
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中のベンジルアルコール(1.0mL、10mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(400mg、10mmol、60%)を室温で加えた。混合物を30分間撹拌し、6−クロロ−ニコチノニトリル(714mg、5.0mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次に飽和塩化アンモニウム溶液を水(100mL)と一緒に加えた。得られた固体を濾別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、所望の生成物(420mg、40%)を得た。
【0272】
工程B: 6−ベンジルオキシ−ニコチン酸
エタノール(4.0mL)中の工程Aからの生成物(420mg、2.0mmol)の溶液に、10M 水酸化ナトリウム(2.0mL、20mmol)を加えた。混合物を100℃で1時間加熱した。エタノールを減圧下で除去し、水(50mL)を加えた。6.0M 塩酸を使用して、水層のpHを約5に調整した。得られた淡黄色の固体を濾別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、所望の生成物(394mg、86%)を得た。
【0273】
工程C: 1−(N−カルボベンジルオキシ)−3−{4−[1−(6−ベンジルオキシ−ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)中の工程Bからの生成物(52mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を45分間撹拌した。実施例68、工程Dの生成物(100mg、0.21mmol)及びトリエチルアミン(0.06mL、0.41mmol)を加え、混合物を3時間撹拌した。水(50mL)を加え、得られた無色の固体を濾別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、生成物(132mg、97%)を得た。
【0274】
工程D: N−{4−[1−(6−ヒドロキシ−ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
メタノール(2.0mL)中の工程Cからの生成物(132mg、0.20mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭素(32mg、0.03mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応混合物を水素雰囲気下で24時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をメタノールに溶解し、エーテルを加えた。得られた無色の固体を濾別し、エーテルで洗浄した。粗物質を、メタノールから再結晶化により精製して、所望の生成物(23mg、29%)を得た。LCMS:436.41(M+H)。
【0275】
実施例94
【0276】
【化43】


N−{4−[1−(ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0277】
工程A: 1−(N−カルボベンジルオキシ)−3−{4−[1−(ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}グアニジン
N,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)中のニコチン酸(28mg、0.23mmol)の溶液に、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(37mg、0.23mmol)を加え、混合物を室温で45分間撹拌した。次に実施例68、工程Dの生成物(100mg、0.21mmol)を、続いてトリエチルアミン(0.06mL、0.41mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。水(50mL)を加え、得られた無色の固体を濾別し、水ですすぎ、減圧下で乾燥させて、粗生成物を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0278】
工程B: N−{4−[1−(ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
酢酸エチル(1.0mL)及びメタノール(1.0mL)中の工程Aの生成物の溶液に、10%Pd担持炭素(33mg、0.03mmol、湿潤、Degussa type)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を蒸発させて、粗生成物を得た。粗物質を、0〜10% メタノール/ジクロロメタンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(71mg、82%)を得た。LCMS:420.60(M+H)。
【0279】
下記化合物を、実施例94の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0280】
【表13】

【0281】
実施例100
【0282】
【化44】


N−{4−[1−(1H−ピロール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0283】
工程A: 3−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン(300mL)中の3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10g、54mmol)の溶液に、デス・マーチン(Dess-Martin)試薬(45.9g、108mmol)を3回に分けて加えた。得られた混合物を16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、0〜8% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物をガラス状固体(9.8g、97%)として得た。
【0284】
工程B: 3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(50mL)中の工程Aからの生成物(5.0g、27mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のヘキサメチルジシラザンナトリウムの1M 溶液(50mL)を−75℃で加え、得られた混合物を30分間撹拌した。次にテトラヒドロフラン(100mL)中のN−フェニル−ビス−トリフルオロメタンスルホンイミド(10.7g、30.0mmol)の溶液を、反応物にゆっくと加えた。混合物を0℃に温め、2時間撹拌した。氷−水(100mL)を反応混合物に加え、混合物を酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、溶離剤として10%酢酸エチル/石油エーテルを使用する中性アルミナクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を油状物(4.0g、62%)として得た。MS:318.38(M+H)。
【0285】
工程C: 3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルステル
ジオキサン(40mL)中の工程Bからの生成物(6.0g、18mmol)の溶液に、ビス−ピナコラトジボラン(5.2g、20mmol)、酢酸カリウム(5.5g、56mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.46g、0.56mmol)、及びジ−フェニルホスフィノフェロセン(0.29g、0.56mmol)を加えた。得られた混合物を80℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷まし、水で希釈し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を5〜8% 酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を淡黄色の固体(6.2g、71%)として得た。MS:296.44(M+H)。
【0286】
工程D: 3−(4−シアノ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
無水N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の工程Cからの生成物(4.8g、16mmol)の溶液に、4−ブロモ−3−トリフルオロメチルベンゾニトリル(4.0g、16mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.9g、0.24mmol)、及び炭酸カリウム(6.7g、49mmol)を加えた。得られた混合物を80℃で16時間加熱した。次に混合物を室温に冷まし、エーテルで希釈し、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、溶離剤として5% 酢酸エチル/石油エーテルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を油状物(4.2g、56%)として得た。MS:283.22(M+H−56)。
【0287】
工程E 3−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
エタノール(30mL)中の工程Dからの生成物(4.2g、13mmol)の溶液に、水(60mL)及び水酸化ナトリウム(2.5g、64mmol)を加えた。得られた混合物を2時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、反応物を1N 塩酸で酸性化した。水層をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物を白色の固体(3.2g、82%)として得た。MS:358.27(M+H)。
【0288】
工程F: 3−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール(50mL)中の工程Eの生成物(1.1g、3.1mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭素(100mg、0.094mmol、湿潤、Degussa type)を加え、混合物をパール(Parr)水素化装置中、水素60psi下、16時間反応させた。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を白色の固体(1.1g、98%)として得た。MS:358.369(M−H)。
【0289】
工程G: 4−ピロリジン−3−イル−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
工程Fからの生成物(1.1g、3.1mmol)に、メタノール性塩化水素(20mL)を加え、混合物を16時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、得られた残留物をエーテルでトリチュレートし、濾過して、所望の生成物を明黄色の固体(1.0g、92%)として得た。
【0290】
工程H: 4−[1−(1H−ピロール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
テトラヒドロフラン(15mL)中の工程Gからの生成物(1.0g、3.2mmol)の溶液に、ピロール2−カルボン酸(360mg、3.2mmol)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート(1.84g、4.8mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.67mL、10.0mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、溶離剤として2% メタノール/ジクロロメタンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色の固体(1.1g、70%)として得た。MS:367.1(M+H)。
【0291】
工程I: 4−[1−(1H−ピロール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−安息香酸
工程Hからの生成物(1.1g、3.0mmol)の溶液に、水酸化リチウム水和物(378mg、9.0mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水とエーテルに分配した。層を分離し、水層を10M クエン酸溶液で酸性化し、所望の生成物(380mg、55%)を濾過により単離した。MS:353.28(M+H)。
【0292】
工程J: N−{4−[1−(1H−ピロール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−N’−(カルボベンジルオキシ)−グアニジン
N−メチルピロリジノン(3mL)中の工程Iからの生成物(100mg、0.28mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(94mg、0.37mmol)を加え、混合物を90分間撹拌した。次にN−カルボベンジルオキシ−グアニジン(60mg、0.31mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.99mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。次に混合物を水と酢酸エチルに分配し、有機相を水で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物を黄色のガラス状固体として得た。LCMS:528.37(M+H)。
【0293】
工程K: N−{4−[1−(1H−ピロール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
エタノール(4mL)中の工程Jからの生成物(149mg、0.282mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、10wt%パラジウム担持炭素(60mg、0.028mmol、湿潤、Degussa type)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、10〜80% アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の勾配溶離を使用する分取HPLCにより精製して、所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩(62mg、43%)として得た。LCMS:435.40(M+H)。
【0294】
下記化合物を、実施例99の手順を使用し且つ適切な出発物質に置き換えて調製した。
【0295】
【表14】

【0296】
実施例103及び104
【0297】
【化45】


N−{4−[(S)−1−(フラン−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン及び
N−{4−[(R)−1−(フラン−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0298】
実施例99からの標記生成物のサンプルを、20% イソプロピル/ヘキサンで溶離するOD−Hカラムを用いる分取キラルHPLCを使用し分離して、2つの純粋な鏡像異性体を得た(第1回溶出:15.8分、第2回溶出:23.2分)。LCMS:436.37(M+H)。
【0299】
実施例105及び106
【0300】
【化46】


N−{4−[(S)−1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン及び
N−{4−[(R)−1−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
【0301】
実施例98からの標記生成物のサンプルを、20% イソプロピル/ヘキサンで溶離するOD−Hカラムを用いる分取キラルHPLCを使用し分離して、2つの純粋な鏡像異性体を得た(第1回溶出:23.2分、第2回溶出:29.5分)。LCMS:423.40(M+H)。
【0302】
実施例107
【0303】
【化47】


N−{4−[1−(ピペリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
工程A: 4−ピペリジン−4−イル−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
1,4−ジオキサン(180mL)中の実施例66工程Aの生成物(14.17g、36.6mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4M 塩酸(45mL、180mmol)を加え、得られた混合物を50℃で18時間、次に6時間撹拌した。反応物を室温に冷まし、エーテルで希釈した。所望の生成物を濾過により無色の固体(10.10g、85%)として単離した。LCMS:288.20(M+H)。
【0304】
工程B: 4−(4−メトキシカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
ジクロロメタン(250mL)中の工程Aからの生成物(7.10g、21.9mmol)の溶液に、0℃で、クロロギ酸ベンジル(3.49mL、24.6mmol)を、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.81mL、56.1mmol)を加え、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を1N 塩酸、水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物を油状物(9.15g、99%)として得た。LCMS:422.20(M+H)。
【0305】
工程C: 4−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
メタノール(150mL)と水(50mL)の混合物中の工程Bからの生成物(9.15g、21.7mmol)の溶液に、炭酸カリウムを加え、混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた水性残留物を希塩酸溶液に注いだ。所望の生成物を濾過により無色の固体(8.75g、99%)として単離した。LCMS:408.20(M+H)。
【0306】
工程D: 4−(4−(N−(tert−ブトキシカルボニル)−グアニジノカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
1−メチル−2−ピロリジノン(90mL)中の工程Cからの生成物(8.75g、21.5mmol)の溶液に、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド(6.58g、25.8mmol)を加え、得られた混合物を90分間撹拌した。次にN−ブトキシカルボニルグアニジン(4.44g、27.9mmol)を加え、反応物を2時間撹拌した。次に混合物を、水(500mL)中のギ酸(6mL)の撹拌した溶液に注ぎ、得られた固体を濾過により回収した。次に粗固体を希塩酸(200mL)に懸濁し、30分間撹拌し、所望の生成物を濾過により無色の固体(11.0g、93%)として単離した。LCMS:549.20(M+H)。
【0307】
工程E: N−(4−ピペリジン−4−イル−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−(N’−tert−ブトキシカルボニル)−グアニジン
エタノール(75mL)中の工程Dからの生成物(3.11g、5.67mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、20wt%水酸化パラジウム(II)担持炭素(250mg、0.18mmol、50%湿潤)を加え、反応物を水素雰囲気下で16時間撹拌した。得られた混合物をセライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粗泡状固体を得た。粗固体をジクロロメタンに再溶解し、エーテル中の1N 塩化水素(7mL)で処理し、得られた混合物をヘキサンで希釈した。得られた粗固体を、ジクロロメタンで2回及びエーテルで2回トリチュレートして、所望の生成物を無色の固体(2.15g、84%)として得た。LCMS:415.72(M+H)。
【0308】
工程F: N−{4−[1−(ピペリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル}−グアニジン
ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(32mg、0.14mmol)が入っているバイアルに、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート(38mg、0.1mmol)を、続いてN,N−ジメチルアセトアミド(0.5mL)を加えた。バイアルを室温で約15分間振盪した。N,N−ジメチルアセトアミド(0.5mL)中の工程Eからの生成物(40mg、0.089mmol)の別の懸濁液に、N−メチルモルホリン(20μL、0.18mmol)を加え、得られた溶液をカルボン酸含有混合物に加えた。次に混合物を室温で16時間振盪した。得られた溶液を、塩基性アルミナ500mgを含有するSPEカートリッジを通して濾過し、カップリング試薬の副生成物及び幾分かの過剰量の酸を除去した。次に反応バイアルを、10:1 N,N−ジメチルアセトアミド:メタノール(3×500μL)ですすぎ、各すすぎ液を使用してアルミナプラグを洗浄した。得られた黄色の溶液をGenevac中で蒸発させた。得られた残留物を、ジクロロメタン(1mL)に溶解し、ジクロロメタン中の20%トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。得られた溶液を室温で一晩振盪した。得られた混合物を蒸発させ、残留物をHPLCにより精製して、所望の生成物(23mg、60%)を得た。LCMS:426.10(M+H)。
【0309】
下記表中の実施例を、実施例107の手順に従い、適切なカルボン酸出発物質を使用して合成した。
【0310】
【表15】



















【0311】
下記表中の実施例を、実施例107の手順に従い、適切なカルボン酸出発物質及び実施例107工程Eの生成物の塩酸塩を使用して合成した。
【0312】
【表16】

































【0313】
生物学的性質の評価
【0314】
式Iで示される化合物の生物学的性質を、以下に記載されたアッセイを用いて評価した。
【0315】
NHE−1阻害の評価(pHi)
【0316】
10%FBS、1%NEAA、及び1%Penn-Streppを補充されたDMEMで再懸濁されたHT−29細胞を、コラーゲンコーティングされた384穴プレートに、10,000細胞/ウェルで播種し、その後、37℃で24時間インキュベートした。翌日、培地を除去して、37℃で30分間、細胞に色素(InvitrogenのBCECF)負荷し、酸負荷緩衝液(KOHを用いてpH7.5に調整された、10mM NHCl、1.8mM CaCl、90mM塩化コリン、5mMグルコース、15mM Hepes、5mM KCl、1mM MgCl)で3回洗浄して、更に室温で30分間インキュベートした。
【0317】
インキュベーションの終了時に、緩衝液を除去して、新しい酸負荷緩衝液5μLを各ウェルに添加して、細胞の乾燥を防いだ。プレートをHamamatsu FDSS6000機器に入れて、候補化合物を細胞に添加した。プレートを読み取り、化合物のIC50を細胞内pH回復の50%阻害の測定値として計算した。好ましい化合物は、400nM未満のIC50を有する。
【0318】
ヒト血小板における機能的能力の評価(hPSA)
【0319】
血液(ヒト)を、室温で10mL KEDTA試験管(BD、#366643)に採取し、150gで室温で10分間遠心分離して、血漿層の上部3分の2を含む多血小板血漿(PRP)を、血小板膨張の評価に用いた。残りの血漿を更に1400×gで遠心分離して、少血小板血漿(PPP)を得た。試験化合物(10倍)22μl 及び賦形剤対照(vehicle control)を96穴プレートに添加し、その後、PRP 28μl/ウェルを添加した。プロピオン酸培地(PM)(140mMプロピオン酸ナトリウム、20mM HEPES、10mM グルコース、5mM KCl、1mM MgCl及び1mM CaCl;pH6.7)172μl/ウェルを96穴プレートに入れて、血小板膨張を開始させた。血小板膨張を、マイクロプレートリーダ(Molecular Devices VMAX)を用いて5分間にわたり6秒毎に測定された680mMでの光学密度の低下として測定した。勾配値を計算し、対照値からの勾配の変化を用いてPOCを計算した。
【0320】
治療的使用
【0321】
先に記載されたアッセイにより実証しえたとおり、本発明の化合物は、NHE−1を阻害するのに有用である。それゆえ、式Iで示される化合物は、臓器(例えば、心筋、肝臓、脳)傷害への急性応答の処置に有用であり、更に、心不全の発症をきたす慢性の梗塞後、高血圧及び年齢に関連する応答の処置に有用である。それらを薬物として、詳細には本明細書に示された医薬組成物の形態で、患者に用いることができる。
【0322】
本発明の別の態様において、本発明の化合物は、以下の更なる適応症を処置するのに有用となりうる:煙の吸入により引き起こされる肺の急性及び慢性炎症、子宮内膜症、ベーチェット病、ぶどう膜炎及び強直性脊椎炎、膵炎、ライム病、関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血性ショック、変形性関節症、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、ギランバレー症候群、乾癬、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、経皮経管冠動脈形成術に続く再狭窄、糖尿病、毒素性ショック症候群、アルツハイマー病、急性及び慢性疼痛、接触皮膚炎、アテローム性硬化症、外傷性関節炎、糸球体腎炎、再潅流傷害、敗血症、骨吸収疾患、慢性閉塞性肺疾患、喘息、発作、熱損傷、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、外傷に続く多臓器損傷、急性炎症性成分を伴う皮膚疾患、急性化膿性髄膜炎、壊死性腸炎、ならびに血液透析、ロイコフェリシス及び顆粒球輸血に関連する症候群。
【0323】
最後に、疾病原因、癌細胞代謝及び血管新生から、多剤耐性(MDR)、選択的アポトーシス、近代の癌化学療法及び癌の自然退縮(SRC)まで、異なる分野の癌研究の全てで、共通して、重要な性質(水素イオンダイナミクスの異常な調節)を有すると思われる証拠が次第に増えている。つまり、癌細胞は、酸塩基平衡障害を有し、それは、健常な組織で観察されるものとは完全に異なっており、そして新生物状態の増大(細胞内アルカローシスに関連する間質の酸微細環境)に応じて増加する。更に、先に述べられたその抗サイトカイン/抗炎症性作用が、癌における利益に加わった。それゆえ、癌適応症のリストとしては、乳癌、結腸/結腸直腸癌、白血病、肺癌、リンパ腫、メラノーマ、及び前立腺癌が挙げられる。
【0324】
これらの化合物は、ヒトの処置に有用である他に、ホ乳類、げっ歯類などを含むコンパニオンアニマル、エキゾチックアニマル及び家畜の獣医的処置にも有用である。
【0325】
上記疾患及び病状の処置では、治療上効果的な用量は、一般に、本発明の化合物の投与あたり約0.01mg〜約100mg/kg体重、好ましくは投与あたり約0.1mg〜約20mg/kg体重の範囲内である。例えば、70kgのヒトへの投与では、投与量範囲は、本発明の化合物の投与あたり約0.7mg〜約7000mg、好ましくは投与あたり約7.0mg〜約1400mgである。最適な投与レベル及び様式を決定するには、ある程度の日常的用量最適化が必要となる場合がある。活性成分を、1日に1〜6回投与してもよい。
【0326】
一般的投与及び医薬組成物
本発明の化合物は、医薬として使用される場合、典型的には医薬組成物の形態で投与される。そのような組成物は、医薬の技術分野で周知の手順を用いて製造することができ、そして本発明の化合物を少なくとも1種含む。本発明の化合物は、単独で、又は佐剤(本発明の化合物の安定性を向上させ、特定の実施態様ではそれらを含む医薬組成物の投与を促進し、高度の解離又は分散、高度の阻害活性を提供し、補助的療法を提供するなどのもの)を配合させて投与してもよい。本発明の化合物は、単独で用いても、又は本発明の他の活性物質と併用して、場合により他の薬理活性物質と併用してもよい。一般に本発明の化合物は、治療上又は薬学上効果的な量で投与されるが、診断又は他の目的でより少量投与してもよい。
【0327】
純粋な形態又は適切な医薬組成物での本発明の化合物の投与を、医薬組成物の許容された投与様式のいずれかを用いて実施することができる。つまり投与は、例えば、経口、口腔(例えば、舌下)、経鼻、非経口、局所、経皮、経膣、又は経直腸で、固体、半固体、凍結乾燥粉末、又は液体投与形態、例えば、錠剤、坐剤、ピル、ソフトカプセル及びハードゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、又はエアロゾルなどの形態で、好ましくは精密な投与量の簡便な投与に適した単位投与形態で行ってもよい。該医薬組成物は、一般に、従来の医薬担体又は賦形剤と、活性剤としての本発明の化合物と、を含み、加えて、他の薬剤(medicinal agents)、医薬品(pharmaceutical agents)、担体、佐剤、希釈剤、媒体、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。そのような薬学的に許容しうる賦形剤、担体、又は添加剤、及び様々な様式又は投与のための医薬組成物を製造する方法は、当業者に周知である。
【0328】
当業者に予測されるとおり、特定の医薬配合剤中で使用される本発明の化合物の形態は、適切な物理的性質(例えば、水溶性)を有し、配合剤が有効となるのに必要なもの(例えば、塩)が選択される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化48】


(式中、
Xは、0又は1であるため、式I内のA環は、ピペリジニル環、テトラヒドロピリジン環又はピロリジニル環であり;
は、アミノ、C1〜5アルキル、炭素環−(CH−、ヘテロシクリル−(CH−及びヘテロアリール−(CH−から選択され、各Rは、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、C1〜4ジアルキルアミノカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アシル、C1〜4アシルオキシ−(CH−、C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキル−S(O)−N(R)−、R−N(R)−S(O)−、C3〜7シクロアルキル−(CH−、ヘテロシクリル−(CH−、アリール−(CH−(C1〜4アルキル、ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノで場合により置換されている)、ヘテロアリール−(CH−、フェノキシ(ハロゲン、メトキシ、C1〜4アルキル−S(O)、C1〜4アルキル−S(O)−N(R)−、シアノ又はトリフルオロメトキシで場合により置換されている)、−C(O)N(R)(R)及び−(CHN(R)(R)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基は、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
は、ハロゲン、水素、C1〜5アルキル、C1〜4アルキルS(O)−N(R)−、C1〜4アルキル−N(R)−S(O)−及びC1〜4アルキル−S(O)−から選択され、各Rは、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
は、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、C1〜5チオアルキル、C1〜5アシル、C1〜5アルコキシカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシル及びアミノ(C1〜5アルキル、C1〜5アシル又はC3〜7シクロアルキル−(CH−で場合により一置換又は二置換されている)から選択され;
各R及びRは、独立して、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択されるか、又は
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成しており;
各R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択されるか、又は
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ヘテロシクリル環を形成しており;
mは、1又は2であり;
nは、0〜2である)で示される化合物、又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項2】
が、水素、C1〜5アルキル及びC1〜4アルキル−S(O)−から選択され、各Rが、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
が、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、ハロゲン及びヒドロキシルから選択され;
各R及びRが、独立して、水素、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択され;
各R及びRが、独立して、水素、ヒドロキシル、C1〜5アルキル、C1〜5アシル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル及びベンジルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、アミノ、C1〜5アルキル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル−(CH−、インダニル−(CH、ナフチル−(CH、−ヘテロシクリル−(CH−(ここで、該ヘテロシクリルは、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリニル、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド又はモルホリニルである)及びヘテロアリール−(CH−(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリル、ピリジノニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チエニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、フラニル、ピラニル、インドリル、インドリジニル、プリニル、キノリニル、ジヒドロ−2H−キノリニル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、1,8−ナフチリジル、1,5−ナフチリジル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル又は4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニルである)から選択され、各Rが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、アセトキシ−(CH−、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アシル、C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキル−S(O)−N(R)−、R−N(R)−S(O)−、−C(O)N(R)(R)、−(CHN(R)(R)、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、フリル、フェニル(ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノで場合により置換されている)及びフェノキシ(C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキルS(O)−N(R)−、シアノ又はトリフルオロメトキシで場合により置換されている)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基が、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
各R及びRが、独立して、水素、C1〜5アルキル及びC3〜7シクロアルキルから選択され;
各R及びRが、独立して、水素、C1〜5アルキル及びC3〜7シクロアルキルから選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、アミノ、C1〜5アルキル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル−(CH−、インダニル−(CH、ナフチル−(CH、−ヘテロシクリル−(CH−(ここで、該ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド又はモルホリニルである)及びヘテロアリール−(CH−(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピリジノニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、インドリル、キノリニル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、ベンゾチアゾリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、1,8−ナフチリジル、1,5−ナフチリジル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル又は4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニルである)から選択され、各Rが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、アセトキシ−(CH−、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アルキル−S(O)−、R−N(R)−S(O)−、−C(O)N(R)(R)、−(CHN(R)(R)、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、フリル、フェニル(ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノで場合により置換されている)及びフェノキシ(C1〜4アルキル−S(O)−、C1〜4アルキルS(O)−N(R)−、シアノ又はトリフルオロメトキシで場合により置換されている)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基が、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
が、ハロゲン化C1〜3アルキル及びC1〜4アルキル−S(O)−から選択され;
が、水素、C1〜5アルキル及びC1〜5アルコキシから選択され;
各R、R、R及びRが、独立して、水素及びC1〜5アルキルから選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Xが、0又は1であるため、式I内のA環が、ピペリジニル環又はピロリジニル環のいずれかであり;
が、アミノ、C1〜5アルキル、C3〜7シクロアルキル−(CH−、フェニル−(CH−、インダニル−(CH、ナフチル−(CH、−ヘテロシクリル−(CH−(ここで、該ヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピロリジノニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド又はモルホリニルである)及びヘテロアリール−(CH−(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピリジノニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、インドリル、キノリニル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、ベンゾチアゾリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,8−ナフチリジル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル又は4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニルである)から選択され、各Rが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、アセトキシ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルコキシ−(CH−、C1〜4アルキル−S(O)−、R−N(R)−S(O)−、−C(O)N(R)(R)、−N(R)(R)、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、フェニル(ハロゲン又はメトキシで場合により置換されている)及びフェノキシ(C1〜4アルキル−S(O)−又はC1〜4アルキルS(O)−N(R)−で場合により置換されている)から選択される置換基3個までで場合により置換されており、R上の各置換基が、可能ならば、場合により部分的又は完全にハロゲン化されており;
が、トリフルオロメチル又はメチルスルホニルであり;
が、水素、メチル及びメトキシから選択され;
各R、R、R及びRが、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、
【化49】






から選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Xが、0であるため、式I内のA環が、ピロリジニル環である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
Xが、1であるため、式I内のA環が、ピペリジニル環である、請求項6記載の化合物。
【請求項9】
治療上効果的な量の請求項1記載の化合物ならびに1種以上の薬学的に許容しうる担体及び/又は佐剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
治療上効果的な量の請求項1記載の化合物をホ乳類に投与することを含む、心筋、肝臓又は脳の傷害への急性応答、心不全の発症をきたす慢性の梗塞後、高血圧及び年齢に関連する応答から選択される疾患又は病状を処置する方法。

【公表番号】特表2011−527677(P2011−527677A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517461(P2011−517461)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048394
【国際公開番号】WO2010/005783
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】