説明

NK3アンタゴニストとしてのイソキノリノン誘導体

一般式(I)のイソキノロン誘導体は、NK3アンタゴニストである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療、特に、精神病の治療に有用な化合物、前記化合物を含む組成物、および前記化合物を投与することを含む疾患を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在承認されている抗精神病薬は、脳内のドーパミンシグナル伝達を減少させるという共通の特徴を有する。これは、ドーパミンD2受容体アンタゴニストまたは部分アゴニスト作用によって達成される。第一世代の抗精神病薬(「定型」とも称される)は、錐体外路系副作用と関連することが多く、そのためにこれらの薬剤の使用は減少してきた。第二世代または「非定型」抗精神病薬は、D2受容体への親和性に加えてセロトニン受容体2A(5−HT2A)への親和性を有する。加えて、いくつかの非定型抗精神病薬は、5−HT2C、5−HT、または5−HT受容体への親和性を有する。非定型抗精神病薬の錐体外路系副作用はより少ないが、体重増加およびQT作用がまだ妨げとなっている。非定型薬の例は、クロザピン、オランザピンおよびリスペリドンである。
【0003】
より最近では、ニューロキニン受容体は、CNS疾患についての標的として示唆されてきた[Albert、Expert Opin. Ther. Patents、14、1421〜1433頁、2004(非特許文献1)]。ニューロキニン(またはタキキニン)は、サブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)、およびニューロキニンB(NKB)を含めたニューロペプチドのファミリーである。これらの物質の生物学的作用は、3種のニューロキニン受容体であるNK1、NK2、およびNK3への結合、ならびにそれらの活性化によって主としてもたらされる。いくらかの交差反応性が恐らく存在するが、SPはNK1に対して最も高い親和性を有し、NK1の内因性リガンドであると考えられており、同様にNKAについてはNK2が、およびNKBについてはNK3がそれに該当すると考えられる。
【0004】
NK3は、皮質領(前頭皮質、頭頂葉皮質および帯状皮質など);扁桃体核(基底核、中心核および外側核など);海馬;ならびに中脳構造(腹側被蓋野、黒質緻密部、および背側縫線核など)を含めた領域において中枢に主として発現している[Spoorenら、Nature Reviews、4、967〜975頁、2005(非特許文献2)]。NK3受容体はドーパミンニューロンに発現しており、Spoorenらは、NK3アンタゴニストの抗精神病作用が、特に5−HT2A受容体におけるセロトニン作動性緊張の低下と合わせた、特にD2受容体におけるドーパミン緊張の阻害によって媒介されていることを示唆した。
【0005】
2種の構造的に異なるNK3アンタゴニスト、すなわち、タルネタントおよびオサネタントは、抗精神病作用、および特に、抗統合失調症作用について臨床的に試験されてきた。
【0006】
【化1】

【0007】
オサネタントは、特に、精神病の陽性症状、すなわち妄想、幻覚およびパラノイアに対してプラセボより優れていることが臨床試験において判明した、[Am.J.Psychiatry、161、2004、975〜984頁(非特許文献3)]。同様に、タルネタントは、統合失調症患者の認知行動を改善することが臨床試験において示された[Curr.Opion.Invest.Drug、6、717〜721頁、2005(非特許文献4)]。それにもかかわらず、両方の化合物は、乏しい溶解性、乏しいバイオアベイラビリティー、比較的高いクリアランス、および乏しい血液脳関門通過を含めた、乏しい薬物動態学的および薬力学的特性が妨げとなっている[Nature reviews、4、967〜975頁、2005(非特許文献2)]。これらの結果は、NK3受容体が、例えば、精神病の治療のために有望な標的であるという考えを支持するが、適当な薬物動態学的および薬力学的特性を有する化合物を同定する必要性を強調する。
【0008】
特許文献1は、NK3アンタゴニストとしてタルネタントを含めた一連のキノリン誘導体を開示している。
【0009】
より最近では、特許文献2は、コア構造
【0010】
【化2】

を有する化合物を開示しており、この化合物はNK3アンタゴニストであると考えられており、特許文献3および特許文献4は、キノリンカルボキサミド誘導体をさらに開示しており、この誘導体はNK3アンタゴニストであると考えられている。
【0011】
特許文献5は、式:
【0012】
【化3】

の化合物を開示しており、式中、Rは、N−含有複素環、すなわち、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルを表す。
【0013】
Ind.J.Chem. Section B、18B、304〜306頁、1979(非特許文献5)は、下記のコア構造を有する化合物の合成についての研究を開示している。
【0014】
【化4】

【0015】
化学物質の供給業者であるAmbinterは、化学名2−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸1−フェニル−エチル)−アミドを有する、構造
【0016】
【化5】

の化合物を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第95/32948号
【特許文献2】国際公開第2006/130080号
【特許文献3】国際公開第2006/050991号
【特許文献4】国際公開第2006/050992号
【特許文献5】国際公開第2005/014575号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Albert、Expert Opin. Ther. Patents、14、1421〜1433頁、2004
【非特許文献2】Spoorenら、Nature Reviews、4、967〜975頁、2005
【非特許文献3】Am.J.Psychiatry、161、2004、975〜984頁
【非特許文献4】Curr.Opion.Invest.Drug、6、717〜721頁、2005
【非特許文献5】Ind.J.Chem. Section B、18B、304〜306頁、1979
【非特許文献6】J. Pharm. Sci. 1977、66、2
【非特許文献7】J. Jaques、A. ColletおよびS. Wilen、「Enantiomers, Racemates, and Resolutions」、John Wiley and Sons、New York (1981)
【非特許文献8】Langloisら、J.Pharm.Exp.Ther.、299、712〜717頁、2001
【非特許文献9】Yipら、Br.J.Phar.、122、715〜722頁、1997
【非特許文献10】Fioramonti、Neurogastroenterol.Motil.、15、363〜369頁、2003
【非特許文献11】Mazelinら、Life Sci.、63、293〜304頁、1998
【非特許文献12】Daoui、Am.J.Respir.Crit.Care Med.、158、42〜48頁、1998
【非特許文献13】Maubachら、Neurosci.、83、1047〜1062頁、1998
【非特許文献14】Kemelら、J.Neurosci.、22、1929〜1936頁、2002
【非特許文献15】Am.J.Psychiatry、161、975〜984頁、204
【非特許文献16】Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Gennaro(編)、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995
【非特許文献17】S.V. Ley、A.W. Thomas Angew. Chem. Int. Ed. 2003、42、5400頁
【非特許文献18】W.R.H. Hurtley J. Chem. Soc. 1929、1870頁
【非特許文献19】Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 1974、39、3318頁
【非特許文献20】Schoenberg, A.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 1974、39、3327頁
【非特許文献21】Kranenburg, M.; van der Burgt, Y. E. M.; Kamer, P. C. J.; van Leeuwen, P. W. N. M. Organometallics 1995、14、3081頁
【非特許文献22】D.J. WeixおよびJ.A. Ellman Organic Syntheses 2005、82、157頁
【非特許文献23】G. Liu、D.A. Cogan、T.D. Owens、T.P. Tang、およびJ.A. Ellman J. Org. Chem. 1999、64、1278頁
【非特許文献24】D.A. Cogan、G. Liu、J.A. Ellman、Tetrahedron 1999、55、8883頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明者らは、特定のイソキノリノン誘導体が、それ自体として、例えば、精神病の治療に使用し得る強力なNK3アンタゴニストであることを驚いたことに見出した。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、一実施形態において、本発明は、式Iの化合物およびその薬学的に許容可能な塩に関し、
【0021】
【化6】

式中、Aは、N、CHまたはCRを表し、
各Rは、独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、−C(O)−C1〜6アルキル、−C(O)−C2〜6アルケニル、−C(O)−C2〜6アルキニル、−C(O)−O−C1〜6アルキル、−C(O)−O−C2〜6アルケニル、−C(O)−O−C2〜6アルキニルまたはフェニルを表し、前記フェニル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはC2〜6アルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、ハロC1〜6アルキル、ニトロ、C1〜6アルコキシおよびNRから選択される1個または複数の置換基で場合により置換されており、
Xは、水素、C1〜6アルキルまたは−CR−X’を表し、X’は、5〜6個の環原子(それらの1個はNである)を有する単環式飽和部分を表し、1個または2個のさらなる環原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子でよく、単環式環は、1個または複数の置換基Wで置換されていてもよく、Wは、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキルまたは(=O)から選択され、
およびRは、各々独立に、水素、−CHまたはハロゲンを表し、
Qは、−CH−または−NH−を表し、
Yは、5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子は、O、NまたはSから選択され、あるいはYは、フェニルを表し、前記ヘテロアリールまたはフェニルは、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはC1〜6アルコキシから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
およびRの各々は、独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヒドロキシC1〜6アルキルまたはハロC1〜6アルキルを表し、
〜RおよびR〜R12の各々は、独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン、NR、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルコキシ、ハロC1〜6アルキルまたはヒドロキシC1〜6アルキルを表す。
【0022】
一実施形態において、本発明は、治療における式Iの化合物およびその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
【0023】
一実施形態において、本発明は、1種または複数の薬学的に許容可能な担体または賦形剤と組み合わせた式Iの化合物およびその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関する。
【0024】
一実施形態において、本発明は、医薬の製造における式Iの化合物および薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
【0025】
一実施形態において、本発明は、疾患治療において使用するための、式Iの化合物および薬学的に許容可能な塩に関する。
【0026】
一実施形態において、本発明は、治療方法に関し、前記方法は、治療有効量の式Iの化合物およびその薬学的に許容可能な塩を、それを必要としている患者に投与することを含む。
【0027】
定義
本発明の文脈において、「アルキル」は、直鎖状、分岐状および/または環状飽和炭化水素を示すことを意図する。特に、「C1〜6アルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の炭素原子を有するこのような炭化水素を示すことを意図する。C1〜6アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチル−プロピル、tert−ブチル、およびシクロプロピルメチルが含まれる。
【0028】
本発明の文脈において、「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む非芳香族の直鎖状、分岐状および/または環状炭化水素を示すことを意図する。特に、「C2〜6アルケニル」は、2個、3個、4個、5個、または6個の炭素原子を有するこのような炭化水素を示すことを意図する。C2〜6アルケニルの例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、およびシクロヘキセニルが含まれる。
【0029】
本発明の文脈において、「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、および場合によりまた1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を含む非芳香族の直鎖状、分岐状および/または環状炭化水素を示すことを意図する。特に、「C2〜6アルキニル」は、2個、3個、4個、5個、または6個の炭素原子を有するこのような炭化水素を示すことを意図する。C2〜6アルキニルの例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニルおよび5−ブタ−1−エン−3−イニルが含まれる。
【0030】
本発明の文脈において、「ハロゲン」は、周期系の第7族のメンバー、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを示すことを意図する。
【0031】
本発明の文脈において、「アルコキシ」は、式−OR’の部分を示すことを意図し、R’は、上記定義のようなアルキルを示す。特に、「C1〜6アルコキシ」は、アルキル部分が1個、2個、3個、4個、5個、または6個の炭素原子を有するこのような部分を示すことを意図する。
【0032】
本発明の文脈において、薬学的に許容可能な塩には、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウム塩およびアルキル化されたアンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸および有機酸の塩が含まれる。
【0033】
適切な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸などが含まれる。
【0034】
適切な有機酸の例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、イタコン酸、乳酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、テオフィリン酢酸、および8−ハロテオフィリン、例えば、8−ブロモテオフィリンなどが含まれる。薬学的に許容可能な無機酸または有機酸付加塩のさらなる例には、参照により本明細書中に組み込まれているJ. Pharm. Sci. 1977、66、2(非特許文献6)に一覧表示されている薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0035】
金属塩の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩などが含まれる。
【0036】
アンモニウム塩およびアルキル化されたアンモニウム塩の例には、アンモニウム、メチル、ジメチル、トリメチル、エチル、ヒドロキシエチル、ジエチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、テトラメチルアンモニウム塩などが含まれる。
【0037】
本発明の文脈において、「環原子」は、環を構成する原子を示すことを意図し、環原子は、C、N、OおよびSから選択される。一例として、ベンゼンおよびトルエンの両方は、6個の炭素を環原子として有し、一方ピリジンは、5個の炭素および1個の窒素を環原子として有する。
【0038】
本発明の文脈において、化合物の「治療有効量」という用語は、前記化合物を投与することを含む治療的介入において所与の疾患およびその合併症の臨床症状を治癒、軽減または部分的に抑えるのに十分な量を意味する。これを達成するのに適切な量は、「治療有効量」と定義される。各目的のための有効量は、疾患または傷害の重症度、および対象の体重および全身状態によって決まる。適切な投与量の決定は、全て訓練を受けた医師の通常の技量内である、値のマトリックスを構築し、マトリックス中の異なるポイントを試験することによって、通常の実験法を使用して達成し得ることが理解される。
【0039】
本発明の文脈において、「治療」および「治療する」という用語は、疾患または障害などの状態と闘う目的のための患者の管理およびケアを意味する。この用語は、症状または合併症を軽減し、疾患、障害または状態の進行を遅らせ、症状および合併症を軽減または緩和し、かつ/あるいは疾患、障害または状態を治癒または取り除き、および状態を予防するための活性化合物の投与などの、患者が患っている所与の状態のための広範囲の治療を含むことを意図し、予防とは、疾患、状態、または障害と闘う目的のための患者の管理およびケアとして理解され、症状または合併症の発症を予防するための活性化合物の投与が含まれる。それにも関わらず、予防的(予防する)および治療的(治癒的)治療は、本発明の2つの別々な態様である。治療を受ける患者は、好ましくは哺乳動物、特に、ヒトである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物およびその薬学的に許容可能な塩(すなわち、本発明の化合物)に関し、
【0041】
【化7】

式中、Aは、N、CHまたはCRを表し、
各Rは、独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、−C(O)−C1〜6アルキル、−C(O)−C2〜6アルケニル、−C(O)−C2〜6アルキニル、−C(O)−O−C1〜6アルキル、−C(O)−O−C2〜6アルケニル、−C(O)−O−C2〜6アルキニルまたはフェニルを表し、前記フェニル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはC2〜6アルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、ハロC1〜6アルキル、ニトロ、C1〜6アルコキシおよびNRから選択される1個または複数の置換基で場合により置換されており、
Xは水素、C1〜6アルキルまたは−CR−X’を表し、X’は、5〜6個の環原子(それらの1個はNである)を有する単環式飽和部分を表し、1個または2個のさらなる環原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子でよく、単環式環は、1個または複数の置換基Wで置換されていてもよく、Wは、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキルまたは(=O)から選択され、
およびRは、各々独立に、水素、−CHまたはハロゲンを表し、
Qは、−CH−または−NH−を表し、
Yは、5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子は、O、NまたはSから選択され、あるいはYは、フェニルを表し、前記ヘテロアリールまたはフェニルは、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはC1〜6アルコキシから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
およびRの各々は、独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヒドロキシC1〜6アルキル、またはハロC1〜6アルキルを表し、
〜RおよびR〜R12の各々は、独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン、NR、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルコキシ、ハロC1〜6アルキルまたはヒドロキシC1〜6アルキルを表す。
【0042】
5〜6個の環原子(1個、2個または3個の環原子はO、NまたはSから選択される)を有するこのようなヘテロアリールの例には、フラザニル、チアゾリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、4H[1,2,4]トリアゾリル、ピロリル、イソチアゾール、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびピリジルが含まれる。
【0043】
5〜6個の環原子(それらの1個はNであり、1個または2個のさらなる環原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子でよい)を有するこのような単環式飽和部分の例には、ピロリジニルおよびピペラジニルが含まれる。
【0044】
一実施形態において、Aは、CHを表す。
【0045】
一実施形態において、Rは、C1〜6アルキルを表し、特にRは、エチル、シクロプロピルまたはシクロブチルを表す。
【0046】
一実施形態において、R〜Rの各々は独立に、水素またはハロゲンを表す。特に、Rは、ハロゲンを表し、R、RおよびRは、水素を表す。
【0047】
一実施形態において、R〜Rは、水素を表す。
【0048】
一実施形態において、R〜R12の各々は独立に、水素またはハロゲンを表す。特に、R12は、ハロゲンを表し、R〜R11は、水素を表す。
【0049】
一実施形態において、R〜R12の全ては、水素を表す。
【0050】
一実施形態において、本発明の化合物は、式I’、および薬学的に許容可能なその塩によって定義され、
【0051】
【化8】

式中、Rは、C1〜6アルキルを表し、
Xは、C1〜6アルキルを表し、
Qは、−CH−または−NH−を表し、
Yは、5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子は、O、NまたはSから選択され、あるいは代わりにYは、フェニルを表し、前記ヘテロアリールまたはフェニルは、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
〜RおよびR〜R12の各々は独立に、水素またはハロゲンを表す。
【0052】
式I’に関する一実施形態において、Rは、エチル、シクロプロピルまたはシクロブチルを表し、Qは、−CH−を表し、Yは、5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子は、O、NまたはSから選択され、前記ヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい。
【0053】
式I’に関する一実施形態において、Rは、ハロゲンを表し、R、RおよびRは、水素を表す。
【0054】
式I’に関する一実施形態において、R12は、ハロゲンであり、R〜R11は、水素を表す。
【0055】
式I’に関する一実施形態において、Yは、フラザニル、チアゾリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、または4H[1,2,4]トリアゾリルを表す。
【0056】
式I’に関する一実施形態において、Qは、−NHを表し、Yは、フェニルを表し、前記フェニルは、ハロゲンから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい。
【0057】
一実施形態において、本発明の化合物は、
1a 3−メチル−1−オキソ−2−フェニルアミノ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
1b 2−ベンジル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
1c 3−メチル−1−オキソ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
1d 2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
2a 8−フルオロ−2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2b 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−ピリジン−3−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2c 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−ピリジン−4−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2d 2−(2,5−ジフルオロ−ベンジル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2e 2−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2f 2−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2g 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−チオフェン−3−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2h 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2i 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−チオフェン−2−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2j 8−フルオロ−2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2k 8−フルオロ−2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2l 8−フルオロ−2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2m 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2n 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−チアゾール−2−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2o 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2p 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2q 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2r 8−フルオロ−3−メチル−2−(4−メチル−チアゾール−5−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2s 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2t 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−4−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2u 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−チアゾール−2−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2v 8−フルオロ−3−メチル−2−(4−メチル−フラザン−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2w 2−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2x 2−(2,5−ジメチル−フラン−3−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2y 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2z 2−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2aa 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ac 8−フルオロ−3−メチル−2−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ad 8−フルオロ−3−メチル−2−(2−メチル−フラン−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ae 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2af 8−フルオロ−3−メチル−2−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ag 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ah 2−(1−エチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ai 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2aj 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ak 8−フルオロ−2−(3H−イミダゾール−4−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2al 8−フルオロ−3−メチル−2−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2am 8−フルオロ−2−イソオキサゾール−5−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
3a 2−(1−エチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
4a 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
4b 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
4c 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
5a 8−フルオロ−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
5b 8−フルオロ−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
5c 3−(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イルメチル)−8−フルオロ−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミドから選択される。
【0058】
さらに、本発明の化合物は、非溶媒和形態で、および水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒と共に溶媒和形態で存在し得る。一般に、溶媒和形態は、本発明の目的のために非溶媒和形態と同等であると考えられる。
【0059】
本発明の化合物は、1個または複数の不斉中心を有してもよく、任意の光学異性体(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー)は、分離した、純粋な、または部分的に精製された光学異性体および任意のこれらの混合物(ラセミ混合物、すなわち、立体異性体の混合物を含めて)の形態で、本発明の範囲内に含むことを意図する。特に、AがCHまたはCRを表すとき、Aは、不斉中心となることがあり、2種の光学異性体(R型およびS型)を生じさせる。一実施形態において、本発明の化合物は、S型を有する。
【0060】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、Aの周りで下記の絶対配置を有し、AはCH、
【0061】
【化9】

である。
【0062】
この文脈において、エナンチオマー形態を特定するとき、化合物は、鏡像体過剰で、例えば、本質的に純粋な、単一エナンチオマー形態であることが理解される。したがって、本発明の一実施形態は、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも96%、好ましくは少なくとも98%の鏡像体過剰率を有する本発明の化合物に関する。
【0063】
ラセミ体は、公知の方法によって、例えば、光学活性な酸によってそのジアステレオマー塩を分離し、光学活性なアミン化合物を塩基による処理によって遊離させることによって、光学対掌体に分割することができる。ラセミ化合物を光学対掌体に分割するための別の方法は、光学活性なマトリックスのクロマトグラフィーに基づいている。本発明の化合物はまた、ジアステレオマー誘導体の形成によって分割し得る。当業者には公知の光学異性体の分割のためのさらなる方法を使用してもよい。このような方法には、J. Jaques、A. ColletおよびS. Wilen、「Enantiomers, Racemates, and Resolutions」、John Wiley and Sons、New York (1981)(非特許文献7)によって考察されたものが含まれる。光学的に活性な化合物はまた、光学活性な出発物質から調製し得る。
【0064】
さらに、二重結合または完全もしくは部分飽和環系が分子中に存在するとき、幾何異性体が形成されることがある。分離された、純粋な、または部分的に精製された幾何異性体、あるいはこれらの混合物としての任意の幾何異性体は、本発明の範囲内に含むことを意図する。同様に、束縛回転を伴う結合を有する分子は、幾何異性体を形成し得る。これらはまた、本発明の範囲内に含むことを意図する。
【0065】
さらに、本発明のいくつかの化合物は、異なる互変異性型で存在してもよく、化合物が形成することができる任意の互変異性型は、本発明の範囲内に含むことを意図する。
【0066】
NK3受容体アンタゴニストは、上述した精神病および統合失調症に加えて様々な疾患において関係付けられてきた。Langloisらは、J.Pharm.Exp.Ther.、299、712〜717頁、2001(非特許文献8)において、NK3アンタゴニストが、一般にCNS疾患において、特に、不安およびうつ病において適用可能であり得ることを結論付けている。Yipらは、Br.J.Phar.、122、715〜722頁、1997(非特許文献9)において、皮質処理、学習および記憶、神経内分泌および行動の制御などの多様な脳の機能においてNK3アンタゴニストをさらに関係付けている。さらなる研究によって、NKBおよびNK3受容体が疼痛に関与しており、NK3アンタゴニストが抗侵害受容作用および鎮痛作用を有することが示された[Fioramonti、Neurogastroenterol.Motil.、15、363〜369頁、2003(非特許文献10)]。Mazelinらは、Life Sci.、63、293〜304頁、1998(非特許文献11)において、NK3アンタゴニストが消化管炎症において作用を有することを示し、このようなアンタゴニストを過敏性腸症候群(IBS)の治療において使用し得ることを結論付けている。さらに、NK3アンタゴニストは、インビボモデルにおいて、喘息、気道過敏症、咳、および気管支狭窄(bronchorestriction)などの気道が関連する疾患の治療において有用であることが示された[Daoui、Am.J.Respir.Crit.Care Med.、158、42〜48頁、1998(非特許文献12)]。Maubachらは、Neurosci.、83、1047〜1062頁、1998(非特許文献13)において、NKB、およびNK3アゴニストであるセンクチドがてんかん型発射の頻度および持続時間を増加させ、したがって推論によってNK3アンタゴニストは、抗痙攣性の可能性を有することを示している。最後に、Kemelらは、J.Neurosci.、22、1929〜1936頁、2002(非特許文献14)において、パーキンソン病の治療におけるNK3アンタゴニストの使用を示唆している。
【0067】
したがって、臨床、前臨床のインビボおよびインビトロ試験は、NK3受容体アンタゴニストが、精神病、統合失調症、うつ病、不安、認知機能障害、肥満症、アルツハイマー病、パーキンソン病、疼痛、けいれん、咳、喘息、気道過敏症、微小血管過敏症、気管支収縮、消化管炎症、ならびに炎症性腸症候群を含めた様々な障害の治療または予防のために適切であることを支持する。
【0068】
統合失調症はサブグループに分類される。妄想型は、妄想及び幻覚、思考障害の不在、解体した行動、及び情動の平板化によって特徴づけられる。解体型は、ICDでは「破瓜型統合失調症」とも称され、思考障害と平坦な情動が同時に存在する。緊張型は、顕著な精神運動障害が明らかであり、症状は緊張病性昏迷及びろう屈症を含み得る。鑑別不能型は、精神病症状が存在するが、妄想型、解体型又は緊張型についての診断基準に合致しない。統合失調症の症状は、通常3つの広いカテゴリー、すなわち陽性、陰性及び認知症状として現れる。陽性症状は、幻覚及び妄想などの、通常の経験の「過剰」を示すものである。陰性症状は、患者が、快感消失及び社会的相互作用の欠如などの、通常の経験の欠如を患っているものである。認知症状は、持続的注意力の欠如及び意思決定の欠如などの、統合失調症における認知障害に関連する。現在の抗精神病薬は、陽性症状を治療する上ではかなりの成功を収めているが、陰性及び認知症状に関してははるかに不良である。それに対し、NK3アンタゴニストは統合失調症の陽性症状と陰性症状の両方を改善することが臨床で示され[Am.J.Psychiatry, 161, 975−984, 204(非特許文献15)]、上記の考察によれば、認知症状にも効果を及ぼすことが期待されている。
【0069】
認知機能障害は、認知機能又は認知領域の低下、例えば作動記憶、注意と覚醒、言語学習と記憶、視覚学習と記憶、推理と問題解決、例えば遂行機能、処理速度及び/又は社会的認知の低下を含む。特に、認知機能障害は、注意力の欠如、解体した思考、緩慢な思考、理解困難、集中力低下、問題解決の障害、記憶力低下、思考表現の障害及び/又は思考、感情及び行動の統合の障害、又は無関係な思考の消去の障害を意味し得る。
【0070】
一実施形態において、本発明は、治療において使用するための本発明の化合物に関する。
【0071】
一実施形態において、本発明は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般身体疾患による精神病性障害;物質または薬物が誘発する精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質人格障害;統合失調型人格障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持治療、再発防止および安定化);躁病;軽躁病;認知機能障害;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;けいれん;咳;喘息;気道過敏症;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;消化管炎症;炎症性腸症候群;PTSD(心的外傷後ストレス障害);認知症;ならびに高齢者の激越およびせん妄から選択される疾患を治療する方法に関し、この方法は、治療有効量の本発明の化合物を、それを必要としている患者に投与することを含む。
【0072】
1つの実施態様において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、統合失調症の治療のための方法に関する。特に、前記治療は、統合失調症の陽性、陰性及び/又は認知症状の治療を含む。
【0073】
1つの実施態様において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、認知機能障害を治療する方法に関する。特に、前記認知機能障害は、作動記憶、注意と覚醒、言語学習と記憶、視覚学習と記憶、推理と問題解決、例えば遂行機能、処理速度及び/又は社会的認知の低下として現れる。
【0074】
定型及び非定型抗精神病薬、特にD2アンタゴニストの抗精神病作用は、シナプス後D2受容体の阻害を通して発揮される。しかし、シナプス前D2自己受容体もまた、しかし、事実上抗精神病作用を妨げる、ドーパミンニューロンの発火率上昇を生じさせるこれらの化合物の投与によって影響を受ける。発火率上昇は、典型的には定型又は非定型抗精神病薬による約3週間の慢性治療後に、シナプス前自己受容体の作用が遮断される(脱分極性遮断)まで継続する。このモデルは、D2アンタゴニスト治療が開始されたときに通常見られる、3週間までの臨床作用の遅延を説明する。NK3アンタゴニストは、D2アンタゴニストによってもたらされる、シナプス前D2自己受容体によって媒介されるドーパミンニューロンの発火率の上昇を抑制すると思われ、NK3アンタゴニスト(例えば、本発明の化合物)とD2アンタゴニストの併用投与は臨床作用のより迅速な開始を生じさせると予想される。さらに、D2アンタゴニストはプロラクチンレベルを上昇させることが公知であり、これは骨粗しょう症などの重篤な副作用を生じさせ得る。NK3アゴニストはプロラクチンの上昇を引き起こすことが公知であり、そのことから、NK3アンタゴニストは高いプロラクチンレベルを低下させる、すなわちプロラクチンレベルの正常化をもたらすと推測され得る。NK3アンタゴニスト(例えば、本発明の化合物)とD2アンタゴニストの併用は、それ故、D2アンタゴニスト投与に関連する安全性の問題のいくつかに対処し得る。同様に、NK3アンタゴニスト(例えば、本発明の化合物)は、標的であるドーパミンD2受容体、ドーパミンD3受容体、ドーパミンD4受容体、ホスホジエステラーゼPDE10、セロトニン5−HT1A受容体、セロトニン5−HT2A受容体、セロトニン5−HT6受容体、α2アドレナリン受容体、カンナビノイド1型受容体、ヒスタミンH3受容体、シクロオキシゲナーゼ、ナトリウムチャネル又はグリシン輸送体GlyT1の1又は2以上のアンタゴニスト/インバースアゴニスト/負の調節因子/部分アゴニストと共に;又は標的であるセロトニン5−HT2C受容体、KCNQチャネル、NMDA受容体、AMPA受容体、ニコチンα7受容体、ムスカリンM1受容体、ムスカリンM4受容体、代謝型グルタミン酸受容体mGluR2、代謝型グルタミン酸受容体mGluR5、ドーパミンD1受容体又はドーパミンD5受容体の1又は2以上のアゴニスト/正の調節因子/部分アゴニストと共に投与され得る。
【0075】
本発明の化合物と他の抗精神病化合物のそのような併用投与は、連続的又は同時であり得る。D2アンタゴニスト又は部分アゴニストの例は、ハロペリドール、クロルプロマジン、スルピリド、リスペリドン、ジプラシドン、オランザピン、ケチアピン、クロザピン及びアリピプラゾールを含む。
【0076】
1つの実施態様において、本発明の化合物は、1日当り約0.001mg/kg体重から約100mg/kg体重までの量で投与される。特に、1日投与量は、1日当り0.01mg/kg体重から約50mg/kg体重までの範囲内であり得る。正確な投与量は、投与の頻度と方法、治療される被験者の性別、年齢、体重及び全身状態、治療される状態の性質と重症度、治療される何らかの合併症、治療の所望効果、及び当業者に公知の他の因子に依存する。
【0077】
成人についての典型的な経口投与量は、1〜500mg/日など、1〜100mg/日又は1〜50mg/日などの、本発明の化合物1〜1000mg/日の範囲内である。
【0078】
一実施形態において、本発明は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般身体疾患による精神病性障害;物質または薬物が誘発する精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質人格障害;統合失調型人格障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持治療、再発防止および安定化);躁病;軽躁病;認知機能障害;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;けいれん;咳;喘息;気道過敏症;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;消化管炎症;炎症性腸症候群;PTSD;認知症;ならびに高齢者の激越およびせん妄から選択される疾患の治療のための医薬の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0079】
一実施形態において、本発明は、統合失調症の治療のための医薬の製造における本発明の化合物の使用に関する。特に、前記治療には、統合失調症の陽性、陰性および/または認知症状の治療が含まれる。
【0080】
1つの実施態様において、本発明は、認知機能障害の治療のための薬剤の製造における本発明の化合物の使用に関する。特に、前記認知機能障害は、作動記憶、注意と覚醒、言語学習と記憶、視覚学習と記憶、推理と問題解決、例えば遂行機能、処理速度及び/又は社会的認知の低下として現れる。
【0081】
一実施形態において、本発明は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般身体疾患による精神病性障害;物質または薬物が誘発する精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質人格障害;統合失調型人格障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持治療、再発防止および安定化);躁病;軽躁病;認知機能障害;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;けいれん;咳;喘息;気道過敏症;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;消化管炎症;炎症性腸症候群;PTSD;認知症;ならびに高齢者の激越およびせん妄から選択される疾患の治療において使用するための本発明の化合物に関する。
【0082】
一実施形態において、本発明は、統合失調症の治療において使用するための本発明の化合物に関する。特に、前記治療には、統合失調症の陽性、陰性および/または認知症状の治療が含まれる。
【0083】
一実施形態において、本発明は、認知機能障害の治療において使用するための本発明の化合物に関する。特に、前記認知機能障害は、作動記憶、注意および覚醒、言語学習および記憶、視覚学習および記憶、推論および問題解決、例えば、遂行機能、処理速度および/または社会的認知の低下を呈する。
【0084】
本発明の化合物は、純粋な化合物として単独で、または薬学的に許容可能な担体もしくは賦形剤と組み合わせて、単回または多回用量で投与し得る。本発明による医薬組成物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Gennaro(編)、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995(非特許文献16)において開示されているものなどの従来の技術によって、薬学的に許容可能な担体または希釈剤、ならびに任意の他の公知の佐剤および賦形剤と共に製剤化し得る。
【0085】
医薬組成物は、特に、経口、直腸、経鼻、肺、局所(口腔および舌下を含めた)、経皮的、槽内、腹腔内、膣、ならびに非経口(皮下、筋内、くも膜下腔内、静脈内および皮内を含めた)経路などの任意の適切な経路による投与のために製剤化してもよく、経口経路が好ましい。好ましい経路は、治療を受ける対象の全身症状および年齢、治療を受ける状態の性質、ならびに選択される活性成分によって決まることを理解されたい。
【0086】
経口投与のための医薬組成物には、カプセル剤、錠剤、糖衣錠、丸剤、ロゼンジ剤、散剤および顆粒剤などの固体剤形が含まれる。適切な場合には、それらは、コーティングと共に調製することができる。
【0087】
経口投与のための液体剤形には、溶液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。
【0088】
非経口投与のための医薬組成物には、無菌水性および非水性注射用溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、ならびに使用前に無菌注射用溶液または分散液中で再構成する無菌粉末が含まれる。
【0089】
他の適切な投与形態には、坐薬、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、吸入剤、皮膚パッチ、インプラントなどが含まれる。
【0090】
好都合に、本発明の化合物は、前記化合物を、1mg、5mg、10mg、50mg、100mg、150mg、200mgまたは250mgなどの約0.1〜500mgの量で本発明の化合物を含有する単位投薬形態で投与される。
【0091】
静脈内、くも膜下腔内、筋内および同様の投与などの非経口経路のために、典型的には、用量は、経口投与のために用いられる用量の約半分程度である。
【0092】
非経口投与のために、無菌水溶液、プロピレングリコール水溶液、ビタミンE水溶液、またはゴマもしくは落花生油中の、本発明の化合物の溶液を用いてもよい。このような水溶液は、必要に応じて適切に緩衝化すべきであり、液体希釈剤は十分な食塩水またはグルコースで最初に等張性とする。水溶液は、静脈内、筋内、皮下および腹腔内投与のために特に適している。用いられる無菌水性媒体は全て、当業者には公知の標準的な技術によって容易に入手可能である。
【0093】
適切な医薬担体には、不活性な固体希釈剤または増量剤、無菌水溶液および様々な有機溶媒が含まれる。固体担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ、落花生油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水である。本発明の化合物と薬学的に許容可能な担体とを合わせることによって形成される医薬組成物は、次いで、開示されている投与経路に適した種々の剤形で容易に投与される。
【0094】
経口投与に適した本発明の製剤は、各々が所定の量の活性成分を含有し、適切な賦形剤を含んでもよい、カプセル剤または錠剤などの個別単位として提示し得る。さらに、経口的に利用可能な製剤は、散剤または顆粒剤、水性もしくは非水性液体中の溶液剤または懸濁剤、または水中油型もしくは油中水型液体乳剤の形態を取り得る。
【0095】
固体担体を経口投与のために使用する場合、製剤は、例えば粉末又はペレット形態で硬ゼラチンカプセルに入った錠剤、又はトローチ若しくはロゼンジの形態であり得る。固体担体の量は異なり得るが、通常は約25mgから約1gまでである。
【0096】
液体担体が使用される場合、調製品は、シロップ剤、乳剤、軟質ゼラチンカプセル剤、あるいは無菌注射用液体(水性もしくは非水性液体懸濁液または溶液など)の形態でよい。
【0097】
錠剤は、活性成分を通常の佐剤および/または希釈剤と共に混合し、続いて従来の打錠機で混合物を圧縮することによって調製し得る。佐剤または希釈剤の例は、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、ゴムなどを含む。着色剤、香味剤、保存剤などのこのような目的のために通常使用される任意の他の佐剤または添加剤は、それらが活性成分と適合性であれば使用してもよい。
【0098】
一実施形態において、本発明は、第2の抗精神病薬と一緒に本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。一実施形態において、前記第2の抗精神病薬は、標的であるドーパミンD2受容体、ドーパミンD3受容体、ドーパミンD4受容体、ホスホジエステラーゼPDE10、セロトニン5−HT1A受容体、セロトニン5−HT2A受容体、セロトニン5−HT受容体、アドレナリン作動性α2受容体、カンナビノイド1型受容体、ヒスタミンH3受容体、シクロオキシゲナーゼ、ナトリウムチャネルまたはグリシン輸送体GlyT1のアンタゴニスト/インバースアゴニスト/負のモジュレーター/部分アゴニストから;あるいは標的であるセロトニン5−HT2C受容体、KCNQチャネル、NMDA受容体、AMPA受容体、ニコチンα−7受容体、ムスカリンM1受容体、ムスカリンM4受容体、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR2、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR5、ドーパミンD1受容体またはドーパミンD5受容体のアゴニスト/正のモジュレーター/部分アゴニストから選択される。このような抗精神病薬の特定の例には、ハロペリドール、クロルプロマジン、スルピリド、リスペリドン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、クロザピンおよびアリポプラゾールが含まれる。
【0099】
1つの実施態様において、本発明は、本発明の化合物を含む容器と、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬、1個又は2個以上の標的であるドーパミンD2受容体、ドーパミンD3受容体、ドーパミンD4受容体、ホスホジエステラーゼPDE10、セロトニン5−HT1A受容体、セロトニン5−HT2A受容体、セロトニン5−HT受容体、α2アドレナリン受容体、カンナビノイド1型受容体、ヒスタミンH3受容体、シクロオキシゲナーゼ、ナトリウムチャネル又はグリシン輸送体GlyT1のアンタゴニスト/インバースアゴニスト/負の調節因子/部分アゴニスト;又は1個又は2個以上の標的であるセロトニン5−HT2C受容体、KCNQチャネル、NMDA受容体、AMPA受容体、ニコチンα7受容体、ムスカリンM1受容体、ムスカリンM4受容体、代謝型グルタミン酸受容体mGluR2、代謝型グルタミン酸受容体mGluR5、ドーパミンD1受容体又はドーパミンD5受容体のアゴニスト/正の調節因子/部分アゴニストのような、抗精神病薬を含む別の容器とを含む医薬キットに関する。
【0100】
このような抗精神病薬の特定の例には、ハロペリドール、クロルプロマジン、スルピリド、リスペリドン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、クロザピンおよびアリピプラゾールが含まれる。
【0101】
本明細書において引用した刊行物、特許出願、および特許を含めた全ての参照文献は、本明細書において他の場所でなされた特定の書類の任意の別々に提供された組込みに関わらず、その全体が、各参照文献が、参照により個々におよび具体的に組み込まれていることが示されているのと同一程度に、かつ本明細書においてその全体が記載されている(法的に認められている最大の程度まで)のと同一程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【0102】
本発明を記載することとの関連で、「a」および「an」および「the」という用語、ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書において他に示され、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈される。例えば、「化合物(the compound)」という句は、他に示さない限り本発明の様々な「化合物(複数可)」または特定の記載した態様を言及することが理解される。
【0103】
他に示さない限り、本明細書において提供する全ての正確な値は、対応する近似値を代表する(例えば、特定の要素または測定に関して提供する全ての正確な例示的な値は、必要に応じて「約」で修飾される、対応する概算測定値をまた提供すると考えられ得る)。
【0104】
要素または要素(複数可)に関連して「含む」、「有する」、「含めた」または「含有する」などの用語を使用した、本明細書における任意の態様または本発明の態様の記載は、特に明記せず、または文脈と明らかに矛盾しない限り、その特定の要素または要素(複数可)「からなる」、「から本質的になる」、または「実質的に含む」、同様の態様または本発明の態様を支持することを意図する(例えば、特定の要素を含む本明細書に記載されている組成物はまた、特に明記せず、または文脈と明らかに矛盾しない限り、その要素からなる組成物について記載していると理解すべきである)。
【0105】
合成経路
一般式Iの本発明の化合物(R〜R12、A、X、Q、およびYは上記定義の通りである)は、下記の反応スキームおよび例において概略した方法によって調製することができる。記載した方法において、それら自体が当技術分野において優れている化学者に公知であり、または当技術分野における当業者には明らかであることがある変形形態もしくは修正形態を使用することが可能である。さらに、本発明の化合物を調製するための他の方法は、下記の反応スキームおよび例に照らして当業者には容易に明らかであろう。
【0106】
一般式II〜XXXIの中間化合物において、R〜R12、A、X、Q、およびYは、式Iで定義された通りである。
【0107】
2種以上の互変異性体の混合物、またはそれらの間の平衡状態として存在することがある化合物については、1つのみの互変異性体が、最も安定的な互変異性体でないことがあるが、スキームにおいて表される。鏡像異性体、立体異性体または幾何異性体形態で存在することがある化合物については、それらの幾何学的配置が特定される。そうでなければ、構造は、立体異性体の混合物を表す。このような化合物には、これらだけに限定されないが一般式IVおよびVIIの1,3−ケトエステルまたはエナミンが含まれ、これらはケトまたはエノール形態の間の平衡状態として存在することがあり、後者はまた当技術分野において優れている化学者には周知の異性体のZ型およびE型として存在し得る。このような化合物にはまた、一般式Iの本発明の化合物が含まれ、これは、当業者にはまた周知のオルト、オルト’−二置換ビアリール化合物におけるアトロプ異性と同様の、炭素−炭素単結合の周りの束縛回転によるアトロプ異性体の混合物として存在し得る。
【0108】
一般式II、III、VI、XI、XX、およびXXIの出発物質は、表2に要約した商業的供給源から得られ、またはそれらは文献に記載されている標準的方法もしくはそれらの変形形態によって容易に調製することができる。
【0109】
一般式IIの2−ブロモ安息香酸を、水素化ナトリウムおよび銅または銅塩(臭化銅(I)など)などの強塩基の存在下で、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたは過剰な上記のケト−エステルなどの適切な溶媒中、還流または70℃などの適切な温度で、一般式IIIのケト−エステルとカップリングさせ、一般式IVの化合物が形成される(スキーム1)。このようなアリール化反応は、銅触媒ウルマン型カップリング反応として一般に周知である(概説:S.V. Ley、A.W. Thomas Angew. Chem. Int. Ed. 2003、42、5400頁(非特許文献17))。また、カップリング反応が銅または銅塩の存在下で一般式IVの化合物などの活性化メチレン化合物を伴うこの特定の場合、この反応はハートレー反応として知られている(W.R.H. Hurtley J. Chem. Soc. 1929、1870頁(非特許文献18))。
【0110】
次いで、得られた一般式IVの化合物を、適切な溶媒を伴ってもしくは伴わずに加熱条件下にて一般式VIのアミノ化合物と縮合させ、反応混合物からは通常分離されない一般式VIIのエナミンの中間体形成を介して、一般式VIIIのイソキノリノンが形成される。代わりに、一般式VIIのエナミンは、テトラエトキシシランなどの適切な脱水剤の存在下で、加熱条件下または周囲温度で、触媒量の酢酸などの酸の存在下で、一般式VIのアミノ化合物から得ることができる。次いで、一般式VIIIのイソキノリノンの形成による環化反応は、上記のような加熱条件下にて、または周囲温度で、EDC/HOBTなどの適切なカップリング試薬の存在下で行うことができる(スキーム1)。
【0111】
さらに、一般式VIIIのイソキノリノンは、70℃で行われるハートレー反応が関与する修正したワンポット手順において、一般式IIの出発物質の2−ブロモ安息香酸および一般式Vの脱プロトン化エナミンから直接得ることができ、一般式VIIの化合物が形成され、それに続いてより高い温度で環化が行われる。一般式Vのエナミンは、一般式VIIのエナミンの調製について上述した条件下で、ケトエステルIIIおよびアミノ化合物VIから容易に利用可能である(スキーム1)。
【0112】
一般式VIIIの化合物は、当技術分野において優れている化学者に周知のエステル加水分解のための条件下で、一般式IXの酸に容易に加水分解される。最後に、それに続く一般式XIのアミン(A=C)またはヒドラジン(A=N)とのカップリングによって、一般式Iの本発明の化合物の形成がもたらされる(スキーム1)。このようなカップリング反応は、これらに限定されないが塩化チオニルなどの適切なカップリングまたは活性化試薬による酸の活性化によって(対応する酸塩化物が形成される)、あるいはEDC/HOBTの存在下で通常行われた。一般式Iのヒドラジン(A=N)(R1=Hである)は、これらに限定されないが酸塩化物、塩化カルバモイル、クロロホルメートまたはアルキルハロゲン化物などの適切なアシル化またはアルキル化試薬によるアシル化、アルキル化またはアリール化反応によって、同じ一般式の二置換ヒドラジド(R1は水素ではない)に変換することができる。
【0113】
一般式Iの化合物(Xはメチルである)は、臭素などの臭素化試薬の存在下で位置選択的臭素化反応によって一般式XIIの化合物に変換することができる。次いで、スキーム2に示されているように、臭素原子は、一般式X’−HまたはX’の様々な求核試薬によって置換することができ、一般式Iの本発明の化合物が形成される。これらに限定されないがアミン、芳香族アミン、アミド、複素環、アルコール、フェノール、シアン化物またはチオールなどの多くの窒素、炭素および硫黄求核試薬は、中性で、またはこのような転換のために必要な脱プロトン化アニオン形態で、商業的にまたは容易に入手可能であることを当業者であれば容易に認識するであろう。
【0114】
必要に応じて、さらなる誘導体化または転換は、当業者に公知の有機合成の標準的な方法を用いて、置換基R〜R12およびXにおいて行うことができる。
【0115】
【化10】

【0116】
【化11】

【0117】
【化12】

【0118】
【化13】

【0119】
【化14】

【0120】
【化15】

【0121】
代わりに、一般式Iの化合物は、スキーム4に示されているように、一般式XVIIIの置換ホモフタル酸無水物から出発して調製することができる。ホモフタル酸無水物は市販であるか、または各々一般式XIIIおよびXVIIの対応するフルオロベンゾニトリルもしくはフルオロベンゾエートから出発して、スキーム3に示されているように調製することができる。それらは、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で加熱条件下にて、ジメチルスルホキシドなどの適切な溶媒中、シアノ酢酸エチルXIVとの芳香族求核置換反応を受ける。カップリング生成物は、水中の硫酸または塩酸などの強酸の存在下で、加熱条件下にて加水分解され、一般式XVIの二酸が形成される。最後に、二酸は、これらに限定されないが塩化アセチルなどの脱水剤の存在下で、溶媒なしで、またはトルエンなどの適切な溶媒中、還流などの加熱条件下にて、一般式XVIIIのホモフタル酸無水物に変換される。
【0122】
一般式XVIIIのホモフタル酸無水物は、室温でまたは加熱条件下にて、アセトニトリルなどの適切な溶媒中、一般式XIXの酸−アミドに位置選択的に変換することができる。次いで、トリエチルアミンおよびDMAPなどの塩基の非存在下または存在下で、適切な溶媒中、通常アセトニトリル中、室温でまたは穏やかな加熱条件(T<+100℃)下で、それらを各々、一般式XXおよびXXIの適切な酸無水物または酸塩化物で処理する。この転換によって一般式XXIIの中間体ケテン−アミナールが最初に提供され、それはさらなるアシル化反応を受け、一般式XXIIIのケテン−アミナールが形成される。+150℃などのより高い温度でのさらなる加熱によって、転位が引き起こされ、一般式XIVのアミドが形成される。一般式XXIIIおよびXXIVの化合物は、溶媒としてメタノール水溶液またはテトラヒドロフラン水溶液中、周囲温度で水酸化ナトリウムなどの適切な塩基によって容易に加水分解することができる。得られた一般式XXVのケト−酸または一般式XXIIIのケテン−アミナールは、一般式IVのケト−酸との縮合について上述したのと同じ条件下で一般式VIのアミノ化合物との縮合によって、最終の一般式Iの本発明の化合物に変換される。
【0123】
代わりに、一般式XIXの酸−アミドは、一般式XXVIの対応するアミド(一般式VIのアミノ化合物と、各々一般式XXおよびXXIの対応するカルボン酸またはそれらの無水物もしくは酸塩化物との周知のカップリングによって容易に調製される)から容易に調製される一般式XXVIIの適切な塩化イミドイルとの縮合によって、一般式Iの本発明の化合物に直接変換することができる。
【0124】
上記の方法に加えて、カルボニル化反応、特に、ハロゲン化アリール、一酸化炭素、および求核試薬(アミンまたはアルコールなど)の3成分カップリング(Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 1974、39、3318頁(非特許文献19);Schoenberg, A.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 1974、39、3327頁(非特許文献20))を、スキーム5に例示したように重要なステップにおいて使用することができる。したがって、一般式XVIの二酸は、無水酢酸中(無水酢酸の場合、置換基XはMeである)およびピリジンの存在下でのワンポットアシル化−脱炭酸反応において一般式XXVIIIのケト−酸への変換、それに続く一般式VIのアミノ化合物との縮合によって、式XXIXのイソキノリノンが形成される。それらは、N−ブロモスクシンイミドによって位置選択的に臭素化され、一般式XXXのブロミドが形成される。一酸化炭素雰囲気下にて一般式XIのアミンの存在下での、一般式XXXのブロミドによるアミノカルボニル化反応は、触媒、例えば、酢酸パラジウム−キサントホスにより促進されて(Kranenburg, M.; van der Burgt, Y. E. M.; Kamer, P. C. J.; van Leeuwen, P. W. N. M. Organometallics 1995、14、3081頁(非特許文献21))、一般式Iの本発明の化合物(XはMeである)の形成がもたらされる。代わりに、ベンジルアルコールなどのアルコールの存在下で同じ条件下でのカルボニル化反応によって、一般式XXXIのベンジルエステルの形成がもたらされ、それは、パラジウム触媒水素化反応、それに続く上記のような(スキームIを参照)一般式XIのアミンとの縮合によって、一般式IXの酸に容易に変換される。
【0125】
代わりに、一般式XVIIIのホモフタル酸無水物を、オルト酢酸トリエチルまたはオルトギ酸トリメチルなどのオルト−エステル中で還流させることによって、一般式XXXIIのエノールエーテルに変換する。置換基X(X=MeまたはH)および一般式VIのアミノ化合物によって、エタノールまたはアセトニトリルなどの適切な溶媒中で加熱条件下でのVIとの反応によって、一般式IXの酸または一般式XXIXの脱炭酸化合物を提供し得る。後者は、臭素化およびカルボニル化反応によって、上記(スキーム5)のように一般式IXの酸に変換することができる。また上記のように、一般式IXの酸は、本発明の化合物に容易に変換される。
【実施例】
【0126】
分析的LC−MS、方法A(他に断らない限り殆どの場合に使用):データは、Applied Biosystems API150EXシングル四重極型質量分析計および大気圧光イオン化(APPI)イオン源、Shimadzu LC10ADvp LCポンプ(3×)、Shimadzu SPD−M20Aフォトダイオードアレイ検出器、SEDERE Sedex85−低音蒸発光散乱検出器(ELSD)、Shimadzu CBM−20Aシステムコントローラー、Gilson215オートサンプラー、およびAnalystソフトウェアによって制御されているGilson864脱気装置を備えた、Sciex API150EX分析的LC/MSシステムで得た。カラム:30×4.6mm、Waters Symmetry C18カラム、3.5μmの粒径;注入量:15μL;カラム温度:60℃;溶媒系:A=水/トリフルオロ酢酸(100:0.05)およびB=水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5:95:0.035);方法:直線勾配溶離(10%B〜100%Bで2.4分、次いで10%Bで0.4分、3.3mL/分の流量)。保持時間(t)は、254nmでのUVトレースに基づいて分で表す。
【0127】
分析的LC−MS、方法B:データは、大気圧光イオン化(APPI)イオン源を有するApplied Biosystems API300トリプル四重極型質量分析計、Shimadzu LC10ADvp LCポンプ(3×)、Shimadzu SPD−M20Aフォトダイオードアレイ検出器、Polymer Labs PL−ELS2100−低音蒸発光散乱検出器(ELSD)、Shimadzu SCL10A VPシステムコントローラー、Gilson215オートサンプラー、およびAnalystソフトウェアにより制御されているGilson864脱気装置を備えた、Sciex API300分析的LC/MSシステムで得た。カラム:Symmetry C18、3.5μm、4.6×30mm、30×4.6mm;注入量:5μL;カラム温度:60℃;溶媒系:A=水/トリフルオロ酢酸(100:0.05)およびB=水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5:95:0.035);方法:直線勾配溶離(10%B〜100%Bで1.45分、次いで10%Bで0.55分、5.5mL/分の流量):
時間、分 %B
0.00 10.0
1.45 100.0
1.55 10.0
2.0 10.0
保持時間(t)は、254nmでのUVトレースに基づいて分で表す。
【0128】
分取LC−MS精製は、Gilson333および334ポンプ、Shimadzu LC10ADvpポンプ、Gilson UV/VIS155UV検出器、Gilson233XLオートサンプラー、Gilson FC204フラクション、Gilson506Cシステムインターフェース、Gilson864脱気装置、DIY流量分配器(概ね1:1000)、およびLC Packings Accurate flowsplitter(1:10.000、@140ml/分)を備えた、同じSciex API150EXシステムで行った。MSおよびフラクションコレクターはMasschromソフトウェア(Macintosh PC)によって制御され、LCシステムはUnipointソフトウェアによって制御された。少量(<20mg)のために、精製画分を、Symmetry C18(5μm、10×50mmカラム、0〜300μLの注入量、5.7ml/分の流量、および8分の期間)を使用して4mlのバイアル中に集めた。勾配:
時間、分 %B
0.00 10.0〜50.0(変量、試料による)
7.00 100.0
7.10 10.0〜50.0
8.00 10.0〜50.0
【0129】
LC−高分解能MSは、エレクトロスプレーイオン源および飛行時間型質量検出器を備えたBruker Daltonics micrOTOF機器で行った。
【0130】
H NMRスペクトルは、500.13MHzでBruker Avance DRX−500装置上でT=303.3Kにて記録した。13C NMRおよび19F NMRは、同じ装置上で記録した。可変温度H NMRスペクトルは、250MHzでBruker Avance DPX−250装置上で記録した。重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d、99.8%D)を他に断らない限り溶媒として使用した。テトラメチルシランを他に断らない限り内部参照標準として使用した。化学シフト値は、他に断らない限りテトラメチルシランと比較したppm値で表す。下記の略語またはそれらの組合せは、NMRシグナルの多重度について使用される:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、qui=五重線、h=七重線、dd=二重線の二重線、ddd=二重線の二重線の二重線、dt=三重線の二重線、dq=四重線の二重線、tt=三重線の三重線、m=多重項およびbr=広幅化したまたは幅広い一重線。
【0131】
マイクロ波実験は、Personal ChemistryからのEmrys SynthesizerもしくはEmrys Optimizer EXP、またはMilestoneからのMilestone Microsynth装置を使用して、密封したプロセスバイアルまたは反応器中で行った。反応物をマイクロ波装置中で加熱したとき、それを次の工程ステップの前に25℃に冷却した。
【0132】
中間体の調製
一般式XVIIIのホモフタル酸無水物の合成:
【0133】
【化16】

シアノ−(2−シアノ−3−フルオロ−フェニル)−酢酸エチルエステル。
ジメチルスルホキシド(120mL)中のシアノ酢酸エチルエステル(26.7mL、251mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル(33.2g、239mmol)および炭酸カリウム(82.5g、597mmol)の混合物を+55℃で16時間撹拌し、氷−水の混合物(約400mL)に注いだ。それを濃HCl水溶液で慎重に酸性化し(CO発生)、酢酸エチル(600ml)で抽出した。有機相をブライン(100mL)で洗浄し、蒸発させ、55.1gの淡黄色の固体を得て、それをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。H NMR(500MHz,CDCl):1.35(t,J=7.0Hz,3H)、4.34(m,2H)、5.13(s,1H)、7.33(t,J=8.4Hz,1H)、7.57(d,J=7.9Hz,1H)、7.33(dd,J=7.9Hz,J=13.9Hz,1H)。
【0134】
【化17】

2−カルボキシメチル−6−フルオロ−安息香酸。
62%硫酸(水中の2:1濃HSO、400ml)およびシアノ−(2−シアノ−3−フルオロ−フェニル)−酢酸エチルエステル(52.0g、224mmol)の混合物を、+150℃で一晩(16時間)撹拌した。反応混合物を氷(約500g)に注ぎ、10.8NのNaOH水溶液(500mL)を冷却しながら加えた。混合物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、蒸発させ、40.28gの粗生成物を得て、それをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。トルエン−酢酸エチルからの再結晶によって分析試料を調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d):3.4(br,COH+HO)、3.77(s,2H)、7.17(d,J=7.9Hz,1H)、7.2(重なっているt(分割不十分なdd),1H)、7.45(dd,J=7.9Hz,J=13.9Hz,1H)、12.95(br,COH)。
【0135】
【化18】

8−フルオロ−イソクロマン−1,3−ジオン。
塩化アセチル(2ml)中の2−カルボキシメチル−6−フルオロ−安息香酸(130mg、0.65mmol)を、マイクロ波照射下で150℃にて10分間加熱し、次いで真空中で濃縮し、表題生成物(120mg、100%収率)を得た。化合物は吸湿性であり、湿った溶媒中または加湿した雰囲気下にて出発物質の二酸にゆっくりと分解された。H NMR(500MHz,DMSO−d):4.29(s,2H)、7.27(d,J=7.8Hz,1H)、7.34(dd,J=8.5Hz,J=11Hz,1H)、7.76(dt,J=5.3Hz,J=8Hz,1H)。
【0136】
一般式XIのキラルおよびラセミアミンの合成:
【0137】
【化19】

(S)−(−)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド。
表題キラル補助基は、D.J. WeixおよびJ.A. Ellman Organic Syntheses 2005、82、157頁(非特許文献22)による(R)−(+)−エナンチオマーについての記載された手順によって調製した。
【0138】
【化20】

(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸1−シクロプロピル−メチリデンアミド。
表題化合物は、G. Liu、D.A. Cogan、T.D. Owens、T.P. Tang、およびJ.A. Ellman J. Org. Chem. 1999、64、1278頁(非特許文献23)によって記載された一般手順によって調製した。CHCl(1500mL)中のシクロプロパンカルボキサルデヒド(35.0g、0.5mol)、2−メチル−2−プロパンスルフィン酸1−シクロプロピル−メチリデンアミド(30g、0.25mol)および無水CuSO(120g、0.75mol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、蒸発させ、表題化合物(39g、収率95%)を得て、それをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
【0139】
【化21】

(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミドおよび(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸[(R)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド。
表題化合物は、D.A. Cogan、G. Liu、J.A. Ellman、Tetrahedron 1999、55、8883頁(非特許文献24)によりスルフィニルイミンへの有機金属反応剤の1,2−立体選択的付加に関して一般の記載された手順によって得た。
【0140】
手順A:無水塩化リチウム(1.7g、40mmol)に、窒素下でTHF(20ml)を加え、続いてi−PrMgCl(22mL、THF中2M)をゆっくり加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。得られたi−PrMgCl・LiCl溶液を、撹拌した1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(5.6g、33mmol)のTHF(25ml)溶液に0℃で滴下で添加し、撹拌を2時間続けた。得られたグリニャール試薬を、(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸1−シクロプロピル−メチリデンアミド(2.5g、14mmol)のCHCl(60mL)溶液に−48℃で加えた。混合物を−48℃で5時間、次いで室温で一晩撹拌した。反応混合物は、飽和NHCl水溶液(50mL)を加えることによりクエンチし、CHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ(NaSO)、蒸発させ、粗混合物を得て、それをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1/10)によって精製した。得られたジアステレオマーの混合物を、SFCによって分割し、表題(S,S)−異性体を主要な生成物(1.5g、収率37.5%)として、および表題(S,R)−異性体(0.16g、収率:4.0%)を得た。
【0141】
手順B:代わりに、Mg(13.4g、0.55mol)の無水THF(50mL)懸濁液に50℃で、1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(89.0g、0.50mol)の溶液を滴下で添加した。混合物を+50℃で2時間撹拌し、次いでそれを(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸1−シクロプロピル−メチリデンアミド(78.0g、0.46mol)のTHF(100mL)溶液に50〜60℃で滴下で添加し、2時間撹拌した。それを飽和NHCl水溶液(100ml)、水(300mL)でクエンチし、濾過し、固体および濾液の両方を熱い酢酸エチル(600mL)で抽出し、真空中で蒸発させた。残渣を酢酸エチルおよび石油エーテルの混合物(1:1、200mL)から−20℃で結晶化し、80gの表題(S,S)−異性体を白色の粉末として得た(キラルHPLCによって66%収率、ee100%)。H NMR(CDCl,400MHz,TMS=0ppm):7.34〜7.28(m,1H)、7.16〜7.12(m,2H)、7.00〜6.96(m,1H)、3.68(dd,J=8.8Hz,3.2Hz,1H)、3.52(s,1H)、1.42(s,9H)、1.15〜1.08(m,1H)、0.84〜0.75(m,1H)、0.69〜0.61(m,1H)、0.55〜0.46(m,1H)、0.28〜0.21(m,1H)。
【0142】
【化22】

(S)−(+)−C−[C−シクロプロピル−C−(3−フルオロ−フェニル)]−メチルアミン塩酸塩
HClの無水ジオキサン(400ml)飽和溶液に、(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド(80g、0.3mol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を真空中で蒸発させた。残渣を無水エーテル(2×100ml)で洗浄し、真空中で乾燥させ、56gの表題化合物を白色の固体として得た(キラルHPLCによって収率93%、ee100%)。[α]20=+52.69(c=10mg/mL、CHOH)。H NMR(CDOD,400MHz,TMS=0):7.44〜7.39(m,1H)、7.25〜7.19(m,2H)、7.12〜7.07(m,1H)、3.56(d,J=10.0Hz,1H)、1.37〜1.28(m,1H)、0.78〜0.75(m,1H)、0.61〜0.55(m,2H)、0.39〜0.36(m,1H)。
【0143】
【化23】

(R)−(−)−C−[C−シクロプロピル−C−(3−フルオロ−フェニル)]−メチルアミン塩酸塩。
表題化合物を、(S)−2−メチル−2−プロパンスルフィン酸[(R)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド(0.16g、0.6mmol)から上記の同一の手順によって調製し、0.116gの表題化合物を白色の固体として得た。[α]20=−49.18(c=10mg/mL、CHOH)、ee100%。H NMR(CDOD,400MHz,TMS=0):(S)−鏡像体と同一。
【0144】
下記の鏡像異性的に純粋なアミン塩酸塩は、3ステップ手順で同じように得られ、対応するアルデヒドとキラル補助基との縮合から開始して、立体選択的グリニャール添加され、ジアステレオマーの混合物は、再結晶またはクロマトグラフィー(SFCもしくはカラム)によって分割され、主要な(S,S)−ジアステレオマーはHClによりキラルアミンに最終的に変換された。
【0145】
【表1】

【0146】
一般式XIXの酸−アミドの合成:
【0147】
【化24】

2−[((S)−1−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−安息香酸。
アセトニトリル(15ml)中のホモフタル酸無水物(810mg、5mmol)および(S)−(−)−1−フェニルプロピルアミン(676mg、5mmol)の混合物を、マイクロ波照射下で+150℃にて15分間加熱した。白色の沈殿物を濾過によって集め、ヘプタンで洗浄し、真空中で乾燥させ、純粋な表題化合物を72%収率(1.065g)で得た。代わりに、ホモフタル酸無水物(16.214g、0.1mol)のアセトニトリル(100ml)溶液に、(S)−(−)−1−フェニルプロピルアミン(13.83g、0.102mol)を滴下で添加し(発熱反応)、得られた反応混合物を5分間還流させた。それを冷却し、生成物を上記のように濾過によって単離し、23.4gの無色の固体(79%収率)を得た。LC−MS(m/z)298.5(MH);t=1.11。H NMR(500MHz,DMSO−d):0.84(t,J=7.3Hz,3H)、1.67(五重線,J=7.3Hz,2H)、3.85(AB型のd,J=15.1Hz,1H)、3.95(AB型のd,J=15.1Hz,1H)、4.66(q,J=7.6Hz,1H)、7.2(分割不十分なm,1H)、7.25〜7.34(m,5H)、7.45(t,J=7.3Hz,1H)、7.8(d,J=7.8Hz,1H)、8.39(br.d,J=7.7Hz,1H,NH)。
【0148】
下記の化合物は、各々、一般式XVIIIおよびXIの対応するホモフタル酸無水物およびアミンから同じように得られた。反応は通常室温で行われ、生成物を抽出または濾過によって単離し、次のステップでそれ以上精製することなく使用した。
【0149】
【化25】

2−({[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−カルバモイル}−メチル)−6−フルオロ−安息香酸。LC−MS(m/z)346.2(MH);t=1.14。H NMR(500MHz,DMSO−d):0.35(m,1H)、0.39(m,1H)、0.5(m,2H)、1.12(m,1H)、3.68 & 3.74(AB型のd 2個,J=15.2Hz,2H,CH)、4.25(t,J=8.5Hz,1H)、7.05(dt,J=2.2,8.05Hz,1H)、7.13(d,J=8.1Hz,1H)、7.16〜7.21(m,2H)、7.35(m,1H)、7.42(m,1H)、8.66(d,J=8.2Hz,1H,NH)、13.44(br.,COH)。
【0150】
【化26】

2−({[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−カルバモイル}−メチル)−6−フルオロ−安息香酸。
LC−MS(m/z)360.2(MH);t=1.31。
【0151】
【化27】

2−{[((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−カルバモイル]−メチル}−6−フルオロ−安息香酸。
LC−MS(m/z)328.4(MH);t=1.12。
【0152】
一般式XXIIIの化合物の合成:
【0153】
【化28】

4−アセチル−3−((S)−1−フェニル−プロピルアミノ)−イソクロメン−1−オン。
2−[((S)−1−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−安息香酸(10g)、無水酢酸(50ml)、およびN,N−ジメチルアミノピリジン(100mg)の混合物を、穏やかな還流で7分間加熱し(Tmax=+124℃)、真空中で+50℃にて蒸発させ、表題化合物を黄茶色の固体として得た(11.1g、純度98%、NMRによる)。LC−MS(m/z)322.3(MH);t=1.72。H NMR(500MHz,DMSO−d):0.89(t,J=7.2Hz,3H)、1.86〜1.97(m,2H)、2.56(s,3H)、4.95(q,J=7.1Hz,1H,C−NH)、7.26(t,J=7.5Hz,1H)、7.29(分割不十分なm,1H)、7.36〜7.41(分割不十分なm.,3H)、7.71(t,J=7.5Hz,1H)、7.75(d,J=8.3Hz,1H)、7.98(d,J=7.8Hz,1H)、11.53(d,J=7.6Hz,1H,NH)。13C APT NMR(125MHz,DMSO−d,δ(DMSO−d)=39.87ppm):10.68(CH)、30.0(CH)、31.57(CH)、57.01(CH)、92.44(C)、114.88(C)、124.2(CH)、(CH)、124.26(CH)、126.65(CH)、127.8(CH)、129.05(CH)、129.93(CH)、135.71(CH)、138.68(C)、141.86(C)、158.51(C)、160.55(C)、194.82(C,MeCO)。
【0154】
【化29】

4−アセチル−3−{[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミノ}−8−フルオロ−イソクロメン−1−オン。
2−({[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−カルバモイル}−メチル)−6−フルオロ−安息香酸(12.92g、37.41mmol)および無水酢酸(100mL、1mol)の混合物を、+65℃で20時間撹拌し、真空中で蒸発させ(65℃、10ミリバール、2時間)、表題化合物を濃厚な茶色の油として得て、それを次のステップにおいて精製せずに使用した(14.30g、収率103.5%、純度95%、H NMRによる)。LC−MS(m/z)370.1(MH);t=1.65。H NMR)。LC−MS(m/z)370.1(MH);t=1.65。H NMR(500MHz,DMSO−d):0.45〜0.59(m,3H)、0.64(m,1H)、1.41(m,1H)、2.53(s,3H)、4.36(t(分割不十分なdd),1H)、7.03(dd,J=8.3,10.7Hz,1H)、7.12(dt,J=1.9,8.5Hz,1H)、7.27(d,J=10.2Hz,1H)、7.3(d,J=7.8Hz,1H)、7.42(q,J=7.8Hz,1H)、7.53(d,8.5Hz,1H)、7.7(m,1H)、11.3(d,J=7.3Hz,1H,NH)。
【0155】
【化30】

4−アセチル−3−{[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミノ}−8−フルオロ−イソクロメン−1−オン。
LC−MS(m/z)384.4(MH);t=1.82。
【0156】
【化31】

4−アセチル−3−[((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミノ]−8−フルオロ−イソクロメン−1−オン。
LC−MS(m/z)352.6(MH);t=1.62.H NMR(500MHz,DMSO−d):0.48(m,2H)、0.54(m,1H)、0.64(m,1H)、1.39(m,1H)、2.53(s,3H)、4.39(t(非分解dd)、1H)、7.04(dd,J=8.2,10.8Hz,1H)、7.3(t,J=7.3Hz,1H)、7.39(t,J=7.6Hz,2H)、7.43(d,J=7.3Hz,2H)、7.53(d,8.5Hz,1H)、7.7(m,1H)、11.39(d,J=7.5Hz,1H,NH)。
【0157】
【化32】

(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−酢酸。
THF(75ml)中の2−ピロリドン(2.66ml、34mmol)およびNaH(油中60%、1.25g、31.3mmol)の混合物を、ガス発生が停止するまで(30分)撹拌した。tert−ブチル2−ブロモアセテート(4.45ml、30mmol)を加え、室温で一晩撹拌し、次いで水(200ml)および酢酸エチル(200ml)に分配し、中間体2−(オキソ−ピロリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(5.8g)を得た。それを酢酸(40ml)および濃HCl水溶液(6ml)に溶解し、ガス発生が観察された。室温で2時間撹拌した後、それを蒸発させ、トルエン/エタノールから再結晶し、2.58gの表題化合物(60%収率)を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d):1.95(五重線,J=7.7Hz,2H)、2.24(t,J=8.1Hz,2H)、3.38(m,HOと重複(3.35ppm)、2H)、3.91(s,2H)、12.77(br.,1H)。
【0158】
【化33】

1−{2−[8−フルオロ−1−オキソ−3−((S)−1−フェニル−プロピルアミノ)−1H−イソクロメン−4−イル]−2−オキソ−エチル}−ピロリジン−2−オン。
2−オキソ−ピロリジン−1−イル−酢酸(1.56g、10.9mmol)の1,2−ジクロロエタン(40ml)溶液に、オキサリルクロリド(0.95ml、10.9mmol)およびDMF(1滴)を加え、ガス発生が観察された。室温で1時間撹拌した後、2−フルオロ−6−[((S)−1−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−安息香酸(1.56g、4.95mmol)、トリエチルアミン(2.1ml、14.9mmol)およびDMAP(85mg、0.1当量)を加え、室温で一晩撹拌した。それを0.2MのHCl水溶液(100ml)−ブライン(100ml)および酢酸エチル(250ml)の混合物に分配し、水で洗浄し、蒸発させ、1.89gの粗表題化合物を得て、それを次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用した。H NMR(500MHz,DMSO−d,選択した共鳴):4.51 & 4.58(AB系の2d,J=16.3Hz,N−CH−CO)、4.99(q,J=7.5Hz,1H,CH−NH)、11.31(d,J=7.9Hz,1H,NH)。
【0159】
【化34】

1−[2−(3−{[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミノ}−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソクロメン−4−イル)−2−オキソ−エチル]−ピロリジン−2−オン。
表題化合物を、同じように調製し、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。LC−MS(m/z)453.3(MH);t=1.48。
【0160】
【化35】

1−(2−{3−[((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミノ]−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソクロメン−4−イル}−2−オキソ−エチル)−ピロリジン−2−オン。
表題化合物を、同じように調製した。LC−MS(m/z)435.3(MH);t=1.43。
【0161】
【化36】

1−{2−オキソ−2−[1−オキソ−3−((S)−1−フェニル−プロピルアミノ)−1H−イソクロメン−4−イル]−エチル}−ピロリジン−2−オン。
表題化合物を、同じように調製した。LC−MS(m/z)405.6(MH);t=1.47。
【0162】
一般式XXIIIの化合物の一般式XXVの化合物への加水分解:
【0163】
【化37】

2−(1−{[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−カルバモイル}−2−オキソ−プロピル)−6−フルオロ−安息香酸。
4−アセチル−3−{[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミノ}−8−フルオロ−2−ベンゾピラン−1−オン(14.30g、38.72mmol)を、テトラヒドロフラン(50mL)およびメタノール(50mL)の混合物に溶解し、撹拌しながら氷/水浴上に入れた。NaOH(HO中1M、100ml)を加え、撹拌を1時間続けた。冷浴を除去し、混合物を室温に1時間温めた(20℃)。反応混合物を氷−水混合物(200g+200ml)中に注ぎ、それに続いて2MのHCl水溶液(200mL)をゆっくりと加え、酢酸エチル(200mL)で抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させ、表題化合物(14.65g、収率97.7%)を薄茶色の泡として得た。粗生成物を、それ以上精製することなく次のステップで使用した。LC−MS(m/z)388.3(MH);t=1.2。H NMR(500MHz,DMSO−d):互変異性体およびジアステレオ異性体の混合物。
【0164】
下記の化合物を同じように調製した。
【0165】
【化38】

2−(1−{[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−カルバモイル}−2−オキソ−プロピル)−6−フルオロ−安息香酸。
LC−MS(m/z)402.2(MH);t=1.36。
【0166】
一般式XXIVおよびXXVの化合物の合成:一般式XXIVの化合物は、一般式XXIIIの化合物について上述したように、ただし、それよりも高い温度(150℃、15分)で同じように得た。それらは、単離および特性決定なしに一般式XXVの化合物に通常加水分解される。そのため、化合物XXIVの2つの例のみを下記に示す。
【0167】
【化39】

3−メチル−1−オキソ−1H−イソクロメン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド。
【0168】
表題化合物をSiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。LC−MS(m/z)322.1(MH);t=1.27。H NMR(500MHz,CDCl):1.03(t,J=7.3Hz,3H)、1.91〜2.06(複雑なm,2H,CH)、2.19(s,3H)、5.11(q,J=7.8Hz,1H)、7.06(br.d,J=8.3Hz,1H,NH)、7.22〜7.33(m,3H)、7.36〜7.43(m,4H)、7.54(t,J=7.6Hz,1H)、7.95(d,J=7.8Hz,1H)。H NMR(500MHz,DMSO−d):0.92(t,J=7.3Hz,3H)、1.76(m,2H)、2.18(s,3H)、4.93(q,J=8.3Hz,1H)、7.21〜7.41(m,6H)、7.59(t,J=7.7Hz,1H)、7.82(t,J=7.2Hz,1H)、8.17(d,J=7.8Hz,1H)、9.1(br.d,J=8.4Hz,1H,NH)。
【0169】
【化40】

2−[2−オキソ−1−((S)−1−フェニル−プロピルカルバモイル)−ブチル]−安息香酸。
2−[((S)−1−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−安息香酸(409mg、1.38mmol)、プロピオン酸無水物(10ml)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(15mg)の密封した混合物を、マイクロ波照射下で150℃にて20分間加熱し、1MのHCl(50ml)および酢酸エチル(100ml)に分配した。有機層を飽和NaHCO水溶液(2×50ml)およびブラインで洗浄し、真空中で濃縮した。得られた残渣メタノール(25ml)に、テトラヒドロフラン(25ml)および2MのNaOH水溶液(50ml)を加え、室温で1時間撹拌した。有機揮発性物質を真空中で除去し、3MのHCl水溶液でpHを1に調節した。粗表題生成物(495mg)を酢酸エチル(150ml)による抽出によって分離させ、次のステップでそれ以上精製することなく使用した。H NMR(500MHz,DMSO−d):互変異性体およびジアステレオ異性体の混合物。
【0170】
下記の化合物が同じように得られた。
【0171】
【化41】

2−フルオロ−6−[2−オキソ−1−((S)−1−フェニル−プロピルカルバモイル)−プロピル]−安息香酸。
LC−MS(m/z)358.4(MH);t=1.17。
【0172】
【化42】

4−[1−エトキシ−エタ−(E)−イリデン]−8−フルオロ−イソクロマン−1,3−ジオン。
8−フルオロ−イソクロマン−1,3−ジオン(7.125g、39.55mmol)およびオルト酢酸トリエチル(50.0mL、273mmol)の懸濁液を5分間穏やかに加熱還流させ、還流を10分間続けた。それを室温に冷却すると、結晶性生成物が形成された。それをドライアイス−EtOHバス上でさらに冷却し、濾過し、冷たいエタノール(3×15ml)で洗浄し、真空中で乾燥させ(50℃、30分)、4.600gの表題化合物をピンク色の固体として得た。上清を蒸発させ、紫色の油残渣をエタノール(20ml)でクエンチすると、結晶性生成物が形成され、濾過によって分離し、さらなる693mgの表題生成物(総収率53.5%)を得た。LC−MS(m/z)251.2(MH)、t=1.05。H NMR(500MHz,DMSO−d):1.41(t,J=7.0Hz,3H,EtのMe)、2.68(s,3H,Me)、4.46(q,J=7.0Hz,2H,EtのCH)、7.21(dd,J=8.5Hz,10.7Hz,1H,C(7)−H)、7.72(dt,J(d)=5.9Hz,J(t)=8.3Hz,1H,C(6)−H)、8.08(d,J=8.3Hz,1H,C(5)−H)。19F NMR(470.59MHz):−110.2ppm(dd,J=5.9Hz,10.7Hz)。13C APT(125.76MHz,DMSO−d=39.89ppm):14.8(EtのCH)、17.97(CH)、66.79(CH)、99.71(C4)、109.04(d,J=7.9Hz,C9)、114.04(d,J=20.6Hz,CH,C7)、123.43(d,J=3.3Hz,CH,C5)、136.28(d,J=10.5Hz,CH,C6)、137.43(s,C3=O)、157.22(d,J=4.3Hz,C1=O)、161.77(C)、162.19(d,J=262Hz,C8)、178.45(=C−OEt)。
【0173】
【化43】

8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−2H−イソキノリン−1−オン。
トルエン(14mL)中の2−フルオロ−6−(2−オキソ−プロピル)−安息香酸(500mg、2mmol)およびオキサゾール−2−イル−メチルアミン塩酸塩(715mg)の混合物を、一晩還流させながら加熱した。反応混合物を冷却し、50mLのトルエンで希釈し、2×50mlの水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、概ね10mLに濃縮した。表題生成物を濾過によって分離し、271mgの無色の固体(収率40%)を得た。LC−MS(m/z)259.3(MH)、t=0.82。H NMR(CDCl,500MHz,TMS=0ppm):2.47(s,3H,Me)、5.43(s,2H,CH)、6.36(s,1H,C4−H)、7.035(重複dd,J=8.2Hz,J=11.4Hz,1H,C7−H)、7.055(重複s,1H,オキサゾール)、7.17(d,J=8Hz,1H,C5−H)、7.52(dt,J(t)=8Hz,J(HF)=4.8Hz,1H,C6−H)、7.6(s(非分解d,J<1Hz)、1H,オキサゾール)。
【0174】
【化44】

4−ブロモ−8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−2H−イソキノリン−1−オン。
N,N−ジメチルホルムアミド(4.8mL)中の8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−2H−イソキノリン−1−オン(271mg、1.05mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(192mg、1.08mmol)の混合物を、50℃で60分間撹拌した。反応混合物を、ジエチルエーテル(50mL)および酢酸エチル(20mL)中に注いだ。白色の固体が沈殿し、それを濾過によって除去した。濾液を希釈したブライン(水:飽和NaCl(水溶液)=1:1;4×20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、蒸発させ、321mgの固体(収率90%)を得て、それをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。LC−MS(m/z)337.3&339.4(MH)、t=1.1。H NMR(CDCl,500MHz,TMS=0ppm):2.75(s,3H,Me)、5.52(s,2H,CH)、7.07(s(非分解d,J<1Hz)、1H,オキサゾール)、7.16(dd,J=8.1Hz,J=11.1Hz,1H,C7−H)、7.62(s(非分解d,J<1Hz)、1H,オキサゾール)、7.66(dt,J(t)=8.1Hz,J(HF)=4.9Hz,1H,C6−H)、7.78(d,J=8.2Hz,1H,C5−H)。
【0175】
【化45】

8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸。
トルエン(3mL、30mmol)中の酢酸パラジウム(21mg、0.095mmol)、4,5−ビス−ジフェニルホスファニル−9,9−ジメチル−9H−キサンテン(=キサントホス、55mg、0.095mmol)、炭酸ナトリウム(303mg、2.86mmol)、4−ブロモ−8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−2H−イソキノリン−1−オン(321mg、0.952mmol)、およびベンジルアルコール(0.297mL、2.87mmol)の混合物を、一酸化炭素雰囲気(P=3バール)下で110℃にて一晩撹拌した。LC/MSは、約1:1の比の表題生成物およびそのベンジルエステル(8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸ベンジルエステル)の形成を示した。反応混合物を5mlのエタノールに溶解し、セライトの短いプラグで濾過し、蒸発させた。それを酢酸エチル(50ml)および0.5MのNaOH水溶液(2×25ml)に分配した。合わせた水溶液を濃HCl水溶液で酸性化し、酢酸エチル(40ml)で抽出し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、105mgの表題生成物(収率36.5%)を得た。LC−MS(m/z)303.3(MH)、t=0.57。
【0176】
本発明の化合物
例1
【0177】
【化46】

1a 3−メチル−1−オキソ−2−フェニルアミノ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド。
アセトニトリル(0.5mL)中の4−アセチル−3−((S)−1−フェニル−プロピルアミノ)−イソクロメン−1−オン(60mg)およびフェニルヒドラジン(28mg、0.259mmol)の混合物を、マイクロ波照射下で160℃にて15分間加熱し、蒸発させた。表題化合物をSiO上のフラッシュクロマトグラフィー(20g、勾配、ヘプタン−酢酸エチル、生成物が50%酢酸エチルと共に出現した)によって分離し、51mgの白色の固体(収率66%)を得た。LC−MS(m/z)412.2(MH);t=1.48。H NMR(250MHz,70℃,DMSO−d):0.97(t,J=7.3Hz,3H,EtのMe)、1.75〜1.94(m,3H,EtのCH)、2.25(s,3H,Me)、4.98(q(非分解dt)、J(d)=7Hz,J(t)=8.1Hz,1H,CH−NH)、6.68(d,J=7.9Hz,2H,PhN)、6.83(t,J=7.3Hz,1H,PhN)、7.14〜7.51(m,9H)、7.69(非分解dt,J(t)=7.7Hz,J(d)=1Hz,1H)、8.75(s,1H,NHPh)、8.8(br.d,J=8.3Hz,NHCO)。
【0178】
下記の化合物は、一般式XXIIIの対応するケテン−アミナールおよび一般式VIの適切なアミノ化合物から同じように得られた。
【0179】
【化47】

1b 2−ベンジル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド。
LC−MS(m/z)411.5(MH);t=1.49。
【0180】
【化48】

1c 3−メチル−1−オキソ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド。
表題化合物を、分取LC−MSによって単離した。LC−MS(m/z)413.5(MH);t=1.03。
【0181】
【化49】

1d 2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド。
LC−MS(m/z)401.1(MH);t=1.37。
例2
【0182】
下記の化合物を、例1について記載したのと同じ条件下で、一般式XXVの適切なケト酸と一般式VIの相当するアミノ化合物との縮合によって調製した。
【0183】
【表2】






例3
【0184】
【化50】

3a 2−(1−エチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド。
N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中の8−フルオロ−2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド(2j、15mg、0.033mmol)およびヨードエタン(0.013mL、0.16mmol)の混合物を、+100℃で30分間撹拌し、蒸発させた。表題生成物をフラッシュクロマトグラフィー(2gのSiO、勾配、ヘプタン−酢酸エチル、生成物が60%酢酸エチルと共に出現した)によって単離し、4mgの表題化合物(収率20%)を得た。LC−MS(m/z)477.2(MH);t=0.88。H NMR(250MHz,70℃,DMSO−d,DMSO−d=2.5ppm):0.42〜0.67(m,4H,Cp)、1.21〜1.35(m,1H,Cp)、1.4(t,J=7.2Hz,3H,EtのMe)、2.52(重複s(DMSO−dと)、3H,Me)、4.19(q,J=7.2Hz,2H,EtのCH)、4.51(t,J=8.8Hz,1H,CHN)、5.31(s,2H,NCHN)、6.78(d,J=1.1Hz,1H,イミダゾール)、7.02〜7.19(重複m,2H)、7.1(重複d,J=1.1Hz,イミダゾール)、7.24〜7.34(m,2H)、7.41(dt,J(d)=6Hz,J(t)=8Hz,1H,C6−H)、7.62(dt,J(d)=5.1Hz,J(t)=8.1Hz,1H)、9.01(br.d,J=8.3Hz,NH)。
例4
【0185】
【化51】

4a 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−メチル]−アミド。
8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸(30mg、0.1mmol)、C−[(S)−C−シクロブチル−C−(3,5−ジフルオロ−フェニル)]−メチルアミン塩酸塩(35mg)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(=EDC、28mg、0.15mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(=HOBT、20.1mg、0.149mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)およびトリエチルアミン(0.021mL、0.15mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌し、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル(2ml)および2×1mLのNaOH水溶液(0.5M)、2×1mLのHCl水溶液(0.5M)および1mLのブラインに分配した。有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。表題化合物を分取LC/MSによって単離し、14mgの表題化合物(30%収率)を得た。LC−MS(m/z)482.3(MH);t=1.34。
【0186】
下記の化合物を、同じように得た。
【0187】
【化52】

4b 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−メチル]−アミド。
LC−MS(m/z)482.3(MH+);t=1.33。
【0188】
【化53】

4c 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド。
LC−MS(m/z)464.5(MH+);t=1.28。
【0189】
化合物の調製のために使用した試薬。
【0190】
【表3】

【0191】
化合物の調製のために使用した一般式VIのアミン。
【0192】
【表4】


【0193】
例5
NK3受容体結合アッセイ
膜調製:ヒトNK3受容体を安定的に発現しているBHK細胞を、GlutaMax(862mg/l)、1mMのピルビン酸ナトリウム、10%ウシ胎仔血清、1%Pen/Strep、1mg/mlのG418を含有するダルベッコMEM中で収集プレートに播種し、34℃にて10%COを含有する加湿雰囲気下で増殖させた。受容体発現を増加させるために、10μMのトリコタチンAを、細胞の収集の24時間前におよそ90%の密集度で培地に加えた。収集の前に、細胞をMg2+およびCa2+を有さないPBSで2度洗浄し、続いて10mlのPBSで収集プレートを擦り取った。細胞懸濁液を1500×Gで3分遠心分離し、その後2mMのMgCl;0.3mMのEDTAおよび1mMのEGTAを含有する15mMのトリス−HCl(pH7.5)緩衝液(緩衝液A)に再懸濁させた。細胞懸濁液をホモジナイズし、それに続き40000×Gで30分遠心分離した。膜−ペレットを250mMのスクロースを含有する緩衝液Aに再懸濁させ、分注し、−80℃で保存した。
【0194】
親和性アッセイの記載:アッセイは、120mMのNaCl、3mMのMnCl、40μg/mlのバシトラシン、2μg/mlのキモスタチン、1μg/mlのホスホラミドンおよび4μg/mlのロイペプチンを含有する50mMのトリス(pH7.4)アッセイ緩衝液中のSPAをベースとする競合結合アッセイとして行った。およそ0.02nMの125I−NKBを試験化合物と混合し、その後4μgのホモジナイズしたNK3膜調製物および0.025mgのSPAビーズを60μlの総容量で加えた。続いて、アッセイプレートを撹拌しながら室温で90分間インキュベートした。プレートを500×Gで10分遠心分離し、ウェル毎にトップカウンタで5分計数した。
【0195】
5%未満の加えた放射性リガンドを含む総結合を、アッセイ緩衝液を使用して明確にし、一方非特異的結合は1μMのオサネタントの存在下で明確にした。非特異的結合は、総結合のおよそ5%を構成した。
【0196】
データポイントは、125I−NKBの特異的結合の割合で表し、IC50値(125I−NKB特異的結合の50パーセント阻害をもたらす濃度)は、シグモイド可変勾配曲線当てはめを使用して非線形回帰分析によって決定した。解離定数(K)は、チェン・プルソフ式(K=IC50/(1+(L/K)))から計算し、遊離放射性リガンドLの濃度は、アッセイにおいて加えられた125I−NKBの濃度(およそ0.02nM)に近似する。125I−NKBのKは、各々が二重反復測定で行われる3つの独立した飽和アッセイから0.7nMであることが決定された。Bmaxは、およそ2pmol/mgであった。
【0197】
本発明の化合物は一般に、500nMなどの1000nM以下のK値を有する。多くの化合物は実際は、100nMより下および一桁の値にまで至るK値を有する。
【0198】
例6
NK3受容体の有効性および効力アッセイ
ヒトNK3受容体を安定的に発現しているBHK細胞を、アッセイの日に、95〜100%の密集度を目指して、ブラックウォールクリアベース96ウェルプレート(Costar)中の100μlの培地に播種した。アッセイは、FLIPRカルシウム4アッセイキット(Molecular Devices)によって行った。アッセイの日に、培地を除去し、細胞をHBSS緩衝液(ハンクスBSS緩衝液、pH7.4、20mMのHEPESを含有)で一度洗浄し、その後2.5mMのプロビニシドを含有するHBSS緩衝液に溶解したカルシウムアッセイ試薬の溶液(100μl)を細胞に加えた。プレートを34℃、10%COで60分間インキュベートし、その後蛍光の試験のためにFLIPRにおいて使用した。
【0199】
1つの代表的なプレートは、ある設定においてNKBによる用量反応曲線によって試験し、そこではウェルに最初にHBSS緩衝液を加え、15分後、NKBのEC50およびEC85を決定するために様々な濃度のNKBを加えた。NKBのために使用した全ての化合物プレートは、1%BSA溶液で事前コーティングし、続いてHOで3度洗浄した。NKBを0.1%BSAを含有するHBSS緩衝液に希釈した。
【0200】
化合物の有効性および効力評価のために、試験前にこれらをHBSS緩衝液に希釈した。アゴニスト活性の試験のために、25μlの希釈した化合物溶液を加え、プレートをFLIPR中で5分間分析した。アンタゴニスト活性の試験のために、プレートをさらに45分間インキュベートし、その後上記のように25μlのEC85濃度のNKB(およそ1nM)を加えた。続いて、プレートを5分間分析し、その後アッセイを終了した。各リガンド添加後のバックグラウンド蛍光の最大増加を決定した。シグモイド可変勾配曲線当てはめを使用してIC50値を計算し、式(cIC50=IC50/(1+(EC85/EC50)))(NKBについてのEC85およびEC50は、上記のように決定した)を使用してcIC50値を決定した。
【0201】
NK3受容体の有効性および効力アッセイにおいて特性決定した本発明の全てのイソキノリノンは、適切な用量で、観察される有意なアゴニスト活性がないアンタゴニストであった。下記の表は、NK3受容体についての親和性(affinity)および効力(potency)を示す。
【0202】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物、およびその薬学的に許容可能な塩
【化1】

[式中、AはN、CHまたはCRを表し、
各Rは独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、−C(O)−C1〜6アルキル、−C(O)−C2〜6アルケニル、−C(O)−C2〜6アルキニル、−C(O)−O−C1〜6アルキル、−C(O)−O−C2〜6アルケニル、−C(O)−O−C2〜6アルキニルまたはフェニルを表し、前記フェニル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはC2〜6アルキニルはハロゲン、ヒドロキシル、ハロC1〜6アルキル、ニトロ、C1〜6アルコキシおよびNRから選択される1個または複数の置換基で場合により置換されており、
Xは水素、C1〜6アルキルまたは−CR−X’を表し、X’は5〜6個の環原子(それらの1個はNである)を有する単環式飽和部分を表し、1個または2個のさらなる環原子はN、OおよびSから選択されるヘテロ原子でよく、単環式環は1個または複数の置換基Wで置換されていてもよく、WはC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキルまたは(=O)から選択され、
およびRは各々独立に、水素、−CHまたはハロゲンを表し、
Qは−CH−または−NH−を表し、
Yは5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子はO、NまたはSから選択され、あるいはYはフェニルを表し、前記ヘテロアリールまたはフェニルは、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはC1〜6アルコキシから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
およびRの各々は独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヒドロキシC1〜6アルキルまたはハロC1〜6アルキルを表し、
〜RおよびR〜R12の各々は独立に、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン、NR、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルコキシ、ハロC1〜6アルキルまたはヒドロキシC1〜6アルキルを表す]。
【請求項2】
AがCHを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がC1〜6アルキルを表す、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がエチル、シクロプロピルまたはシクロブチルを表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
〜Rの各々が独立に、水素またはハロゲンを表す、請求項1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項6】
がハロゲンを表し、R、RおよびRが水素を表す、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
〜R12の各々が独立に、水素またはハロゲンを表す、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項8】
12がハロゲンを表し、R〜R11が水素を表す、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
〜R12の全てが水素を表す、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式I’による請求項1に記載の化合物および薬学的に許容可能なその塩
【化2】

(式中、RはC1〜6アルキルを表し、
XはC1〜6アルキルを表し、
Qは−CH−または−NH−を表し、
Yは5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子はO、NまたはSから選択され、あるいはYはフェニルを表し、前記ヘテロアリールまたはフェニルは、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
〜RおよびR〜R12の各々は独立に、水素またはハロゲンを表す)。
【請求項11】
がエチル、シクロプロピルまたはシクロブチルを表し、
Qが−CH−を表し、
Yが5〜6個の環原子を有するヘテロアリールを表し、1個、2個または3個の環原子はO、NまたはSから選択され、前記ヘテロアリールはハロゲンおよびC1〜6アルキルから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
がハロゲンを表し、R、RおよびRが、水素を表す、請求項10または11に記載の化合物。
【請求項13】
12がハロゲンであり、R〜R11が水素を表す、請求項10〜12のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項14】
Yがフラザニル、チアゾリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジルまたは4H[1,2,4]トリアゾリルを表す、請求項10〜13のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項15】
Qが−NHを表し、Yがフェニルを表し、前記フェニルは、ハロゲンから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
以下:
1a 3−メチル−1−オキソ−2−フェニルアミノ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
1b 2−ベンジル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
1c 3−メチル−1−オキソ−2−(ピリジン−2−イルアミノ)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
1d 2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−1−フェニル−プロピル)−アミド
2a 8−フルオロ−2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2b 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−ピリジン−3−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2c 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−ピリジン−4−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2d 2−(2,5−ジフルオロ−ベンジル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2e 2−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2f 2−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2g 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−チオフェン−3−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2h 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2i 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−チオフェン−2−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2j 8−フルオロ−2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2k 8−フルオロ−2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2l 8−フルオロ−2−フラン−3−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2m 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2n 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−チアゾール−2−イルメチル−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2o 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2p 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2q 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2r 8−フルオロ−3−メチル−2−(4−メチル−チアゾール−5−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2s 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2t 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−4−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2u 8−フルオロ−3−メチル−2−(5−メチル−チアゾール−2−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2v 8−フルオロ−3−メチル−2−(4−メチル−フラザン−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2w 2−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2x 2−(2,5−ジメチル−フラン−3−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2y 8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2z 2−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2aa 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ac 8−フルオロ−3−メチル−2−(2−メチル−チアゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ad 8−フルオロ−3−メチル−2−(2−メチル−フラン−3−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ae 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2af 8−フルオロ−3−メチル−2−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ag 8−フルオロ−3−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ah 2−(1−エチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ai 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2aj 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2ak 8−フルオロ−2−(3H−イミダゾール−4−イルメチル)−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2al 8−フルオロ−3−メチル−2−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
2am 8−フルオロ−2−イソオキサゾール−5−イルメチル−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
3a 2−(1−エチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロプロピル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
4a 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
4b 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
4c 8−フルオロ−3−メチル−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
5a 8−フルオロ−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
5b 8−フルオロ−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
5c 3−(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イルメチル)−8−フルオロ−2−オキサゾール−2−イルメチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸[(S)−シクロブチル−(3−フルオロ−フェニル)−メチル]−アミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
治療において使用するための、請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物および1種または複数の薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項19】
精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般身体疾患(general medical condition)による精神病性障害;物質または薬物が誘発する精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質人格障害;統合失調型人格障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持治療、再発防止および安定化);躁病;軽躁病;認知機能障害;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;けいれん;咳;喘息;気道過敏症;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;消化管炎症;ならびに炎症性腸症候群から選択される疾患の治療において使用するための、請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項20】
精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般身体疾患による精神病性障害;物質または薬物が誘発する精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質人格障害;統合失調型人格障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持治療、再発防止および安定化);躁病;軽躁病;認知機能障害;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;けいれん;咳;喘息;気道過敏症;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;消化管炎症;ならびに炎症性腸症候群から選択される疾患の治療のための医薬の製造のための、請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物の使用。
【請求項21】
治療有効量の請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物を、それを必要としている患者に投与することを含む、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般身体疾患による精神病性障害;物質または薬物が誘発する精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質人格障害;統合失調型人格障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持治療、再発防止および安定化);躁病;軽躁病;認知機能障害;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;けいれん;咳;喘息;気道過敏症;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;消化管炎症;ならびに炎症性腸症候群から選択される疾患を治療する方法。


【公表番号】特表2012−505842(P2012−505842A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531356(P2011−531356)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050276
【国際公開番号】WO2010/045948
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】