説明

NOx吸収剤触媒

以下の2つのうちの1つを含む押出しソリッド本体を含むNO吸収剤触媒。(A)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらの2つ以上の混合物、前記触媒は、(a)少なくとも1つの貴金属、及び(b)少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属を含む少なくとも1つの金属を含み、(a)と(b)は前記押出しソリッド本体の表面上で1つ以上のコーティング層に収容され、(B)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-80重量%の選択的に安定したセリア、前記触媒は少なくとも1つの貴金属、及び(b)少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属を含む少なくとも1つの金属を含み、(i)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在、(ii)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属の大部分は、前記押出しソリッド本体の表面に位置、(iii)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に収容、(iv)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に高い濃度でも存在、(v)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に1つ以上のコーティング層にも収容、又は(vi)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に高い濃度で存在し、前記押出しソリッド本体の表面に1つ以上のコーティング層にも収容。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定型発生源と特に移動型応用分野(即ち、車両)の内燃機関から出る排気ガス物質に含まれている窒素酸化物の処理に用いるために押出しソリッド本体(extruded solid body)を含む触媒に関する。
【0002】
US 2002/0077247は、ハニカム形状のNO貯蔵触媒を開示しているが、このハニカムはNO貯蔵物質の前駆体化合物であって、少なくとも1つのアルカリ土金属硫酸塩からなる。この触媒は一般に遷移金属、好ましくは、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム及びルテニウムからなる群よりの金属を含むが、これらの金属はゾル(sol)含浸法により又は塩溶液に浸すことによって得られる。
【0003】
米国車両技術者協会(SAE:Society of Automotive Engineers)技術論文2007-01-0658「排気ガス制御用新しい概念のハニカム基材の基礎研究及び可能な応用」は、γ-アルミナ、無機繊維及び全体大きさブロック内に接着性により結合された(不特定)バインディング物質の多数の押し出されたセグメントを含む触媒作用担体上に散開している白金触媒を含むディーゼル酸化触媒(DOC)を開示している。前記白金は、1リットル当りに1.0〜2.7で一般的な含浸法により前記触媒作用担体に用いられる。前記論文は、NO貯蔵触媒(NSC)が特定の例を提示していないが、同じ方法でも製造され得ると提案している。
【0004】
EP 1739066は、多重貫通ホールを備える多重ハニカムユニットと、前記貫通ホールが開放されていない前記ハニカムユニットのそれぞれの閉じられた外部表面を通じてハニカムユニットを互いに連結させる封止層を含むハニカム構造を開示している。前記ハニカムユニットは、少なくとも1つの無機物粒子、無機繊維及び/又はウィスカーを含む。前記無機物粒子の例としては、アルミナ、チタニア、シリカ及びジルコニアが挙げられ、前記無機繊維の例としては、シリカアルミナ繊維が挙げられ、前記無機物バインダの例としては、シリカゾル、アルミナゾル、セピオライト及びアタパルジャイトが挙げられる。触媒成分は、ハニカム構造上に収容され得る。前記触媒成分は、白金、パラジウム及びロジウムを含む不活性金属、ポタシウム及びソジウムのようなアルカリ金属、バリウムのようなアルカリ土金属及び酸化物の中から選択される少なくとも1つの形態を含むことができる。前記ハニカム構造は、触媒コンバータ(例えば、車両排気ガスの転換のための三元触媒又はNO貯蔵触媒)として使用され得る。
【0005】
WO 2009/093071は、突出型のSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒から形成された少なくとも40%の孔隙率を有する壁-流動フィルタモノリス基材を開示している。
【0006】
本発明者らは、内燃機関排気ガスの排気ガス後処理の分野で特に応用される押出しソリッド本体と少なくとも1つの金属を備える触媒ファミリーを開発した。このような排気ガスは、固定型発生源にも起因し得るが、特に乗用車、トラック及びバスのような移動型発生源の排気ガスを処理するために使用するために開発された。
【0007】
本発明の一側面によれば、本発明は以下の2つのうちの1つを含む押出しソリッド本体を含むNO吸収剤触媒を提供する。(A)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらの2つ以上の混合物、前記触媒は、(a)少なくとも1つの貴金属、及び(b)少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属を含む少なくとも1つの金属を含み、(a)と(b)は、前記押出しソリッド本体の表面上で1つ以上のコーティング層に収容される。(B)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-80重量%の選択的に安定したセリア、前記触媒は少なくとも1つの貴金属、及び(b)少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属を含む少なくとも1つの金属を含み、(i)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在、(ii)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属の大部分は、前記押出しソリッド本体の表面に位置、(iii)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に収容、(iv)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に高い濃度でも存在、(v)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に1つ以上のコーティング層にも収容、又は(vi)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属は、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に高い濃度で存在し、前記押出しソリッド本体の表面に1つ以上のコーティング層にも収容される。
【0008】
本発明を実施例(A)と(B)とに分けた理由は、モレキュラーシーブと非モレキュラーシーブが一般に自然で酸性(例えば、昇温離脱(temperature programmed desorption)により決定)であるためである。しかしながら、排気ガスから窒素酸化物を吸収する過程は、一般に一酸化窒素の弱酸性である二酸化窒素への酸化及びセリウム化合物、アルカリ金属化合物又はアルカリ土金属化合物のような基礎金属化合物上の二酸化窒素の吸収が伴う。もし、モレキュラーシーブ又は非モレキュラーシーブが基礎金属化合物と結合されれば、窒素酸化物を吸収する基礎金属化合物の能力は減少する。
【0009】
しかしながら、モレキュラーシーブ及び/又は非モレキュラーシーブの存在は、コールドスタート炭化水素を低温で吸着することによって、いわゆる「コールド-スタート」炭化水素の転換を促進させることができるという点で有利になり得るが、低温で貴金属成分は炭化水素の二酸化炭素と水への酸化に触媒作用を行い、貴金属触媒の温度が炭化水素を酸化するための「ライト-オフ」温度以上に増加することによって、炭化水素の脱離を促進する。特定の結合された金属は、本発明のための長所を有するHCの吸着に寄与できる。好適な吸着促進金属は、Pd及び/又はCu、Ag、アルカリ土金属及びアルカリ金属(例えば、Cs)を含む。しかしながら、後者の場合、アルカリ金属とアルカリ土金属は、炭化水素の吸着を促進させようとするものであり、NOの吸着を促進させようとするものではない。
【0010】
それにより、前記押出しソリッド本体及び/又は1つ以上のコーティング層でゼオライト及び/又は非モレキュラーシーブを含むことによって、コールドスタート炭化水素の吸着を促進しようとする実施例において、実施例(A)と(B)がNOの吸着のためのアルカリ金属化合物、アルカリ土金属化合物又はセリウム化合物が前記ゼオライト及び/又は非モレキュラーシーブと接触するのを実質的に防止する。これにより、実施例(A)において、アルカリ金属化合物、セリウム化合物及び/又はアルカリ土金属化合物は、1つ以上のコーティング層に存在する。実施例(B)は、ゼオライト及び/又は非モレキュラーシーブを含むコーティング層を含むことができる。しかしながら、このような実施例において前記ゼオライト及び/又は非モレキュラーシーブは、分離された別個の層に前記アルカリ金属化合物、前記セリウム化合物及び/又は前記アルカリ土金属化合物と分離されて存在する。
【0011】
本発明に係る長所は、触媒コーティングで頻繁に用いられる触媒成分を除去することで、コーティングの数を、例えば2つの層から1つの層へ減少させるか、単一層が完全に除去され得、触媒金属は前記押出しソリッド本体に支持され得る。それにより、排気システムでの背圧が減少し、エンジンの効率性を増加させるようになる。
【0012】
また、コーティングされていない触媒の可能性を提供することで、前記押出しソリッド本体は、より高いセル密度、増加した強度及び減少したセル壁の厚さで製造され得、これはライトオフ性能を改善させることができ、物質移動にかけて活性を増加させることができる。
【0013】
押出しソリッド本体内で不活性基材モノリス上のコーティングに対する活性成分の量が増加することもできる。このように増加した触媒密度によって長期間の耐久力と触媒性能を改善させ、これは自己診断装置(on-board diagnostics)において重要である。
【0014】
車両において「自己診断装置(OBD)」は、適切な電子管理システムに連結されたセンサネットワークを備える車両システムの自己診断及び能力報告を説明する一般用語である。初期のOBDシステムでは、問題が検出された際に問題の根本的な情報を提供せず、単純に故障指示灯を点灯させる。もっと最近のOBDシステムは、標準化されたデジタルポートを用い、標準化された診断問題コードと車両システムの迅速な問題の確認及び解決を可能にするリアルタイムデータの選択を提供できる。
【0015】
現在のOBDは、排気ガスが義務基準を超える排気システムの故障又は低下の場合にドライバが認知しなければならないことを要求している。従って、例えば、ユーロ(Euro)4に対するOBDは以下のように制限する。ディーゼル乗用車(70/156/EECに定義されたカテゴリーM車両)用98/69/ECは、一酸化炭素(CO)-3.2g/km、炭化水素(HC)-0.4g/km、窒素酸化物(NO)-1.2g/km、及び粒子性物質(PM)0.18g/km。ガソリン車両の場合に、ユーロ4は以下のように制限する。CO-3.2g/km、HC-0.4g/km、NO-0.6g/km、及びPM-無制限。
【0016】
それ以上の車両排気ガス法律(特に、米国と欧州で)は、診断機能で更に高い感度を要求して排気ガス法律を満たす排気システム後処理触媒の能力を連続的にモニタリングするようにする。例えば、現在提案されたOBDは、ユーロ5に対して以下のように制限する。ディーゼル乗用車用715/2007/ECは、CO-1.9g/km、非メタン炭化水素(NMHC)-0.25g/km、NO-0.54g/km、PM-0.05g/kmであり、ガソリン乗用車は、CO-1.9g/km、NMHC-0.25g/km、NO-0.54g/km、及びPM-無制限である。
【0017】
米国で、ガソリン/ディーゼルエンジンの触媒モニタリングのためのOBDII法律(Title 13, California Code Regulations, Section 1968.2, Malfunction and Diagnostic System Requirements for 2004 and Subsequent Model-Year Passenger Cars, Light-Duty Trucks and Medium-Duty Vehicle and Engines)は、触媒システムのモニタリングされた部分のNMHCの転換効率のための平均FTP(Federal Test Procedure)が50%以下に低下する故障信号を必要とする。
【0018】
本発明に係る押出しソリッド本体は、均一化された大きさと第1端部から第2端部まで延びる平行なチャネルを備えるハニカム形状の一体構造を一般に含む。一般に、前記チャネルは第1及び第2端部の両方で開放され、いわゆる「流れ-貫通(flow-through)」構造である。前記チャネルを限定するチャネル壁は多孔性である。一般に、外部「スキン」は、前記押出しソリッド本体の前記チャネルを取り囲む。前記押出しソリッド本体は、好適な断面(例えば、円形、正四角形又は楕円)で形成され得る。多数のチャネルで個別のチャネルは、正四角形、三角形、六角形、円形などであり得る。第1の上流側端部でのチャネルは例えば、適切なセラミックセメントで閉鎖され得、前記チャネルは第1の上流側端部で閉鎖されず、第2の下流側端部で閉鎖され得るため、いわゆる壁-流動フィルタを形成することもできる。一般に、第1の上流側端部で閉鎖されたチャネルの配列はチェッカー板(chequer board)と類似し、閉鎖され開放された下流側チャネル端部の類似する配列を有する。
【0019】
EP 1739066に開示されたハニカム構造は、ハニカム構造が共に固まった個別ハニカムユニットの組立体を含むため、単一の一体押出し物として使用されるにはあまりにも低い熱衝撃パラメータ(TSP:Thermal Shock Parameter)を有することは明確である。商業的に利用可能な炭化ケイ素ハニカムでも確認できるこのような構造は、前記押出し物質の相対的に高い熱膨張係数(CTE)の結果として熱衝撃による重大な触媒基材の故障を回避するように設計される。しかしながら、個別のハニカムユニットからのハニカム構造の製造は複雑、かつ、困難であり、時間と費用が多くかかり、単一の押出しに比べて可能な物理的損傷モード(例えば、セメント結合)の数が増加する。TSPとCTEに対するより詳細な説明は、“Catalytic Air Pollution Control-Commercial Technology”(Second Edition, R.M. Heck et al., John Wiley & Sons, Inc., New York, 2002 Chapters 7(流れ貫通モノリスに対して)and 9(壁-流動フィルタに対して))にある。
【0020】
それにより、本発明者らは、本発明に係る触媒の前記押出しソリッド本体が、固定型又は移動型排気ガス発生源からの排気ガスを処理するために用いられるとき、前記押出しソリッド本体で半径方向の亀裂とリング亀裂を回避するのに十分な軸方向TSPと半径方向TSPを有すると主張する。このように、前記押出しソリッド本体は、単一の一体の押出し物から形成され得る。特に大きな断面を有する押出しソリッド本体に対して、共に結合するために前記押出しソリッド本体のセグメントを押し出す必要がある。しかしながら、これは、このような大きな断面の押出し物を加工するにおける困難又は押出し物ダイ工具の大きさにおける制限のためである。しかしながら、個別的に見たとき、固定型又は移動型排気ガス発生源からの排気ガスを処理するために用いられるとき、全体触媒の各セグメントは軸方向TSPと半径方向TSPが個別の押出しソリッド本体セグメントで半径方向の亀裂及びリング亀裂を回避するのに十分な機能的な制限を満たす。一実施例において、半径方向TSPは、750℃で>0.4(例えば、>0.5、>0.6、>0.7、>0.8、>0.9又は>1.0)である。800℃で、半径方向TSPは、好ましくは>0.4であり、1000℃で好ましくは>0.8である。
【0021】
壁-流動フィルタのCTEは、ワンピース(one-piece)押出し物から形成されるために好ましくは20×10-7/℃である。
【0022】
一実施例において、(A)又は(B)で前記少なくとも1つの貴金属は、前記押出しソリッド本体上の1つ以上のコーティング層内で支持され、各コーティング層は1つ以上の選択的に安定化したアルミナ、シリカ、チタニア、選択的に安定化したセリア、選択的に安定化したジルコニア、バナジア、酸化ランタン(lanthana)、スピネル及びこれらの混合物を含む。実施例(B)の(ii)、(iv)及び(vi)の他の実施例において、前記少なくとも1つの貴金属(例えば、Pt及び/又はPdは、前記押出しソリッド本体に含浸される。
【0023】
2つ以上のコーティング層を含む(A)又は(B)の特定の実施例において、第1の基底層は選択的に安定化したセリア及びスピネルの混合物を含む。好ましくは、第1の基底層はPt及び/又はPdを含む。好適な実施例において、第2の層は第1の基底層を覆うように配置され、第2の層は1つ以上のアルミナと選択的に安定化したジルコニア上に支持されたロジウムを含む。他の実施例において、第3の層が第2の層を覆うように配置され、第3の層は実質的にアルカリ金属及びアルカリ土金属のないバルク還元可能な酸化物上に支持されたゼオライト又は白金及び/又はパラジウムを含む。
【0024】
1つ以上のコーティング層を含む(B)の他の実施例において、白金及び/又はパラジウムが前記押出しソリッド本体の表面と1つ以上のアルミナと選択的に安定化したジルコニア上に支持されたロジウムを含む第1の基底層に位置する。特定の実施例において、前記第2の層を覆う第2の層は実質的にアルカリ金属及びアルカリ土金属のないバルク還元可能な酸化物上に支持されたゼオライト又は白金及び/又はパラジウムを含む。
【0025】
実質的にアルカリ金属及びアルカリ土金属のないバルク還元可能な酸化物上に支持された白金又は白金とパラジウムを何れも含む層を含む実施例は、特にディーゼルエンジンの排気ガスに存在する一酸化炭素と燃焼されていない炭化水素を処理するのに有用である。一般にNO吸収剤触媒は、NO吸収剤触媒が共に用いられるエンジンが窒素酸化物を吸収するために理論空燃比に対してリーンに作動し、吸収されたNOを脱着し、NOをNに還元するために間欠的に理論空燃比に対してリッチに作動するように構成される。驚いたことにも、白金又は白金とパラジウムの何れも及び還元可能な酸化物をリッチな排気ガスと間欠的に暫く接触させることで、酸化触媒が、白金が高温で酸化した際に失った酸化活性度を回復できるということを見つけた。酸化したとき、Pt成分はCO及びHC酸化に対して低い活性度を有する。Ptと接触するアルカリ土金属又はアルカリ金属の存在は、COとHCを酸化させるPtの活性度を破壊する。
【0026】
バルク還元可能な酸化物は、酸化物、複合酸化物及びマンガン、鉄、スズ、銅、コバルト又はセリウム及び選択的に安定化したこれらの同族体(homologues)(好ましくは、セリウム-基盤)からなる群より選択された1つ以上の金属からなる群より選択されることができる。従って、例えば前記少なくとも1つの還元可能な酸化物は、MnO、MN、Fe、SnO、CuO、CoO及びCeOを含むことができる。
【0027】
前記安定化したCeOの同族体は、ジルコニア、少なくとも1つの非セリウム希土類酸化物又はジルコニアと少なくとも1つの非セリウム希土類酸化物を含むことができる。
【0028】
好適な実施例において、前記第1金属酸化物担体は基本的に少なくとも1つの還元可能な酸化物のバルク又は選択的に安定化したその同族体からなる。これとは異なり、前記少なくとも1つの還元可能な酸化物又は選択的に安定化したその同族体は、白金と共に前記第1金属酸化物担体に支持され得る。
【0029】
実施例において、前記少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分は、コーディエライト(cordierite)、窒化物、炭化カルシウム(カーバイド)、ホウ化物(borides)、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、スピネル、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されることができる。
【0030】
スピネルはMgAlであり得るか、前記MgはCo、Zr、Zn又はマンガンからなる群よりの金属により部分的に置換され得る。前記押出しソリッド本体が、スピネルを含む触媒のテストが行われるが、MgAl-基盤成分が本発明のNOトラップの実施例に特定した活性度に有利であるということを予備的に指示する(NOトラップは、しばしばNO貯蔵/還元(NSR)触媒、DeNOトラップ(DNT)、リーンNOトラップ(LNT)、NO吸収剤触媒(NACs)、NO減少触媒及びNO貯蔵触媒(NSC)とも呼ばれる)。このようなNOトラップの実施例において、MgAlにおけるAlに対するMgOの成分は、0.8〜2.5であり得、好ましくは、<1.0の値を有する。
【0031】
前記アルミナバインダ/マトリックス成分は、好ましくはγアルミナであるが、他の遷移アルミナ(即ち、αアルミナ、βアルミナ、χ(chi)アルミナ、η(eta)アルミナ、ρ(rho)アルミナ、k(kappa)アルミナ、θ(theta)アルミナ、δ(delta)アルミナ、ランタンβアルミナ及びこのような遷移アルミナの2つ以上の混合物)であり得る。
【0032】
前記アルミナは、前記アルミナの熱安定性を増加させるために少なくとも1つの非アルミニウム成分でドーピングされることが好ましい。適切なドーパントは、シリコン、ジルコニウム、バリウム、ランタノイド(lanthanide)及びこれらのうち2つ以上の混合物を含む。適切なランタノイドドーパントは、La、Ce、Nd、Pr、Gd及びこれらのうち2つ以上の混合物を含む。
【0033】
シリカソースは、シリカ、シリカゾル、石英、溶融シリカ又は無定形のシリカ、ソジウムケイ酸塩、無定形のアルミノケイ酸塩、アルコキシシラン(alkoxysilane)、シリコン樹脂バインダ(例えば、メチルフェニルシリコン樹脂)、クレー(clay)、タルク又はこれらのうち2つ以上の混合物を含むことができる。
【0034】
このリストにおいて、前記シリカは、長石(feldspar)、ムライト(mullite)、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア(thoria)、シリカ-ベリリア(berylia)、シリカ-チタニア、ターナリー(ternary)シリカ-アルミナ-ジルコニア、ターナリー-シリカ-アルミナ-マグネシア(magnesia)、ターナリー-シリカ-マグネシア-ジルコニア、ターナリー-シリカ-アルミナ-トリア及びこれらのうち2つ以上の混合物のようなSiOであり得る。これとは異なり、前記シリカは押出し混合物に付加されたTMOS(tetramethyl ortho silicate)から得られる。
【0035】
適切なクレーは、白土(fullers earth)、セピオライト、ヘクトライト(hectorite)、スメクタイト(smectite)、カオリン(kaolin)及びこれらのうち2つ以上の混合物を含み、前記カオリンは、サブベントナイト(subbentonite)、アナウキサイト(anauxite)、ハロイサイト(halloysite)、カオリナイト(kaolinite)、ディッカイト(dickite)、ナクライト(nacrite)及びこれらのうち2つ以上の混合物から選択され得る。前記スメクタイトは、モンモリロナイト(montmorillonite)、ノントロナイト(nontronite)、蛭石(vermiculite)、サポナイト(saponite)及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されることができる。前記白土は、モンモリロナイト又はパリゴルスカイト(アタパルジャイト)であり得る。
【0036】
無機繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカ-アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維及びセラミック繊維からなる群より選択される。
【0037】
本発明で用いるための適切な分子体は、車両エンジンのコールド-スタートに繋がる燃焼されていない炭化水素を吸着し、周辺温度以上で(例えば、結合された貴金属-基盤酸化触媒成分が例えばCO及びHC酸化又はNO還元に対する好ましいライト-オフ温度に到達したとき)吸着された炭化水素を脱着できる能力を有する。このような分子体は、一般に最大孔隙開口の構造であって、しばしば「細孔性(small pore)」分子体と呼ばれる8-リング孔隙開口の構造を有さない。好適な分子体は、中孔性(最大10-リング孔隙開口の構造)、大孔性(最大12-リング孔隙開口の構造)又はメソ孔隙(meso pore)以上(>12-リング孔隙開口の構造)分子体である。
【0038】
前記各モレキュラーシーブ又は前記各非モレキュラーシーブは、次のフレームワーク形態のコードから選択され得る:国際ゼオライト協会の構造委員会により定義されたABW、ACO、AEI、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFR、IHW、IMF、ISV、ITE、ITH、ITR、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JRY、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、MRE、MSE、MOS、MTF、MTN、MTT、MTW、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NSI、OBW、OFF、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PHI、PON、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、SSY、STF、STI、STO、STT、STW、-SVR、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UOS、UOZ、USI、UTL、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON及びこれらのうち2つ以上の混合物。
【0039】
好適なゼオライトと非モレキュラーシーブは、BEA、FAU、FER、MFI、MFS、MOR、STI、SZR及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択される。
【0040】
特に好適なゼオライト又は非モレキュラーシーブは、BEA、FER、MFI、STI及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択される。特に好適なモレキュラーシーブは、ZSM-5、ベータ、フェリエライト(ferrierite)及びこれらのうち2つ以上の混合物である。
【0041】
たとえ自然的なモレキュラーシーブが本発明で使用されることができても、10以上(改善した熱安定性のために、例えば、15〜150、20〜60又は25〜40)のシリカ-アルミナ比を有する人造アルミノケイ酸塩(aluminosilicate)モレキュラーシーブが好ましい。
【0042】
他の実施例において、モレキュラーシーブ又は非モレキュラーシーブは、1つ以上の置換されるフレームワーク金属を含む同形体(isomorph)である。このような実施例において、前記各置換されるフレームワーク金属は、As、B、Be、Ce、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、Li、Mg、Mn、Zn及びZrからなる群より選択されることができる。また、好ましい同形体のゼオライト又は非モレキュラーシーブは、BEA、FER、MFI、STI及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されることができ、特に好ましくは、フレームワークでFeを含むBEAである。1つ以上の置換されるフレームワーク金属を含有するこのような同形体を製造する過程は、最終製品においてフレームワーク内で単独で又はイオン置換されて存在し得る。
【0043】
1つ以上の置換されるフレーム金属を含有する同形体でシリカ-アルミナ比は、>25(例えば30〜100又は40〜70)であり得る。対照的に、前記同形体は、>20(例えば30〜200又は50〜100)のシリカ-フレームワーク金属比を有し得る。
【0044】
好適な実施例において、前記非モレキュラーシーブは、AlPOsを含むリン酸アルミニウム(alumino phosphate)、MeAlPOs、SAPOs又はMeAPSOsである。好ましい非モレキュラーシーブは、SAPO-18、SAPO-34、SAPO-44及びSAPO-47を含む。
【0045】
前記リン酸アルミニウムのシリカ-アルミナ比は、一般に同一のフレームワーク形態のコードを共有するケイ酸アルミニウムゼオライトよりも遥かに低い。一般に、リン酸アルミニウムのシリカ-アルミナ比は<1.0であるが、<0.5又は<0.3であり得る。
【0046】
セリア成分は、セリアの熱安定性を増加させるために少なくとも1つの非セリウム成分で選択的に安定化され得る。好適なセリア安定化剤は、ジルコニウム、ランタノイド及びこれらのうち2つ以上の混合物を含む。ランタノイド安定化剤は、La、Nd、Pr、Gd及びこれらのうち2つ以上の混合物を含む。CeO:ZrO重量比は、80:20又は20:80の間であり得る。商業的に利用可能な物質は、30重量%のCeO、63重量%のZrO、5重量%のNd、2重量%のLa、及び40重量%のCeO、50重量%のZrO、4重量%のLa、4重量%のNd及び2重量%のYを含む。
【0047】
大体に、前記少なくとも1つの金属は、以下のように存在し得る。実施例(A)及び実施例(B)特徴(iii)、(v)及び(vi)において、(a)前記押出しソリッド本体全体に渡って(即ち、前記少なくとも1つの金属が押出し物構造内に存在、(b)前記押出しソリッド本体の表面に更に高い濃度で存在、及び/又は(c)前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に収容、(a)、(b)及び(c)で互いに異なる位置のそれぞれに存在する少なくとも1つの金属と異なる。そのため、前記少なくとも1つの金属は、(a)、(b)、(c)、(a)プラス(b)、(a)プラス(c)又は(a)プラス(b)プラス(c)の位置に存在し得る。前記少なくとも1つの金属が(a)と(b)、(a)と(c)又は(a)、(b)と(c)に存在する場合、各位置で前記少なくとも1つの金属は同一であるか、異なり得る。
【0048】
前記少なくとも1つの金属が位置(a)に存在する場合に(即ち、前記押出しソリッド本体全体に渡って)、前記少なくとも1つの金属は、モレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物と共に結合されることができる。「結合されること」の例は、前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又はこれらのうち少なくとも1つを含む混合物とのイオン交換を含む。2つ以上の分子体の混合物で1つの分子体と結合された前記少なくとも1つの金属を備えることも可能である。例えば、第1分子体は、銅とイオン交換され、乾燥し、焼成(calcine)された後、追加的な金属の結合なしに他の分子体と混合され得る。
【0049】
これとは異なり、混合物内の両分子体の1つは、例えばイオン交換のような方法で第1の少なくとも1つの金属と結合された後、第2の少なくとも1つの金属が前記押出し物構造に加えられ得る(即ち、前記第2の少なくとも1つの金属は、前記第2分子体と特に結合されない)。
【0050】
前記各分子体成分と結合されるのに適合した少なくとも1つの金属は、遷移金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より個別的に選択されることができる。適切な遷移金属は、IB族金属、IVB族金属、VB族金属、VIIB族金属及びVIII族金属を含む。好ましくは、前記少なくとも1つの遷移金属は、Fe、Cu、Ce、Hf、La、Mn、Pt、Au、Ag、In、Rh、V、Ir、Ru及びOsとこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択される。前記ランタニア金属は、La、Pr、Ce及びこれらのうち2つ以上の混合物であり得る。
【0051】
前記各分子体成分と結合された前記少なくとも1つの金属の全体金属成分は、0.1〜20重量%(例えば1〜9重量%)である。
【0052】
前記少なくとも1つの金属は以下のように存在し、遷移金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されることができる:前記分子体との結合なしに前記押出しソリッド本体全体に渡って、前記押出しソリッド本体の表面に位置する前記少なくとも1つの金属の大部分に、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に、又は前記押出しソリッド本体の表面に更に高い濃度で。
【0053】
本発明で用いるための触媒金属を支持するための適切なコーティングは、1つ以上のアルミナ(Al)(特に、γ-アルミナ)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、バナジア(V)、ランタン(La)及びゼオライトを含む。前記セリアとアルミナは、前記押出しソリッド本体で用いられる安定化剤と同一のものを用いて選択的に安定化され得る。適切な触媒金属は、1つ以上の貴金属(Au、Ag及びPt、PdとRhを含む白金族金属)を含む。貴金属含有ウォッシュコート(washcoat)でコーティングされた押出しゼオライトのHCの吸着活性度を上げるために、貴金属用ウォッシュコート担体として、いわゆるワイド-ポア担体(例えば、アルミナ)を用いることが有利である(例えば、US 6110862を参照、即ち、耐火物無機酸化担体相に散開している白金族金属成分を含む触媒物質、約98%の孔隙体積の孔隙サイズの分布を有する第1担体物質を含む前記担体相が約30〜240Å範囲の半径を有する孔隙を有する。
【0054】
少なくとも1つの金属は、前記押出しソリッド本体の表面に、更に高い濃度で位置させるための技術は、含浸法を含むが、濃縮含浸法(即ち、増粘剤で濃縮された含浸媒体が好ましい。乾燥方法は、前記押出しソリッド本体の表面で金属を濃縮するために使用されることもできる。例えば、金属が表面で濃縮される、いわゆる「エッグシェル(egg shell)」技術は含浸された押出しソリッド本体を相対的にゆっくり乾燥させて金属が表面に蒸着されて得られる。塩とpH条件の特別な選択は直接金属蒸着に例えば、前記押出しソリッド本体の等電点(isoelectric point)を決定した後、前記金属塩のカチオン又はアニオンと前記押出しソリッド本体間の静電気の引力により利得を得る正確なpHと金属塩の組み合わせを用いることによって使用され得る。
【0055】
適切な遷移金属は、IB族金属、IVB族金属、VB族金属、VIB族金属、VIIB族金属及びVIII族金属を含む。好ましくは、前記遷移金属は、Fe、Ni、W、Cu、Ce、Hf、La、Mn、Pt、Au、A、Ag、In、V、Ir、Ru、Rh、Os及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択される。ランタノイド金属は、La、Pr又はCe又はこれらのうち2つ以上の混合物であり得る。アルカリ金属は、KとCsを含む。アルカリ土金属は、Ba及びSrから選択され得る。
【0056】
前記各分子体成分と結合されない前記押出しソリッド本体全体に渡っる、前記押出しソリッド本体の表面に位置、及び/又は前記押出しソリッド表面に更に高く濃縮された全体金属成分は0.1〜20重量%(例えば、1〜9重量%)であり得る。
【0057】
前記押出しソリッド本体の全体金属成分(即ち、前記各分子体と結合されたあらゆる金属を含む)は、0.1〜25重量%(例えば、1〜15重量%)であり得る。
【0058】
少なくとも1つの金属を含む前記押出しソリッド本体の表面の1つ以上のコーティング層を含む前記触媒の全体金属成分は、0.1〜30重量%(例えば、1〜25重量%)であり得る。
【0059】
実施例(A)の特定例において、本発明に係るNO吸収剤触媒は、10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、0-80重量%のスピネル、0-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、それぞれが1つ以上の金属を選択的に含む、0-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び0-25重量%の無機繊維、を含む押出しソリッド本体を含む。
【0060】
実施例(B)の特定例において、本発明に係る前記NO吸収剤触媒は、10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、0-80重量%のスピネル、5-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び0-25重量%の無機繊維、を含む押出しソリッド本体を含む。
【0061】
前記少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分の成分は、>15重量%、>20重量%、>30重量%、>35重量%、>40重量%、>45重量%、>50重量%、>55重量%、>60重量%、>65重量%、>70重量%、>75重量%、>80重量%、>85重量%又は>90重量%であり得る。
【0062】
前記スピネルの成分は、>10重量%、>15重量%、>20重量%、>30重量%、>35重量%、>40重量%、>45重量%、>50重量%、>55重量%、>60重量%、>65重量%又は>70重量%であり得る。
【0063】
前記分子体の全体成分は、>5重量%、>10重量%、>15重量%、>20重量%、>30重量%、>35重量%、>40重量%、>45重量%、>50重量%、>55重量%、>60重量%、>65重量%、>70重量%、>75重量%、>80重量%、>85重量%又は>90重量%であり得る。
【0064】
前記選択的に安定化したセリアの成分は、>5重量%、>10重量%、>15重量%、>20重量%、>30重量%、>35重量%、>40重量%、>45重量%、>50重量%、>55重量%、>60重量%、>65重量%又は>70重量%であり得る。
【0065】
前記無機繊維の成分は、>5重量%、>10重量%、>15重量%又は>20重量%であり得る。
【0066】
窒素性還元剤を利用する窒素酸化物を還元させるための触媒に特に適合した実施例において、前記押出しソリッド本体は、基本的に以下のようになされる:10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、スピネル、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、50-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含む、及び0-25重量%の無機繊維。このような押出しソリッド本体は、流れ貫通基材モノリスで配置されるか、壁-流動フィルタを製造するのに使用され得る。好適な実施例は、無機繊維を含む。
【0067】
他の実施例は、基本的に次のような構成の押出しソリッド本体を用いることができる:10-37重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にトッピングされたアルミナ、スピネル、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、60-88重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含む、0-20重量%の無機繊維、又は:15-30重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、スピネル、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、2-20重量%のシリカソース、50-81重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含む、及び2-10重量%の無機繊維。
【0068】
他の実施例において、前記押出しソリッド本体は、基本的に以下のように構成され得る:10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、スピネル、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、0-50重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含む、20-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び0-25重量%の無機繊維。好適な実施例は、ゼオライトと無機繊維を含む。
【0069】
NOトラップ又はNOトラップフィルタを製造するのに用いるために特に好適な実施例は、基本的に以下のように構成された押出しソリッド本体を含む:10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、0-20重量%のシリカソース、0-50重量%のマグネシウムアルミネートスピネル、20-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び0-20重量%の無機繊維。特にコールドスタートの次にNO転換を改善するために前記押出しソリッド本体にゼオライトを含むことが好ましいこともある。好適な実施例は、マグネシウムアルミネートスピネルと無機繊維を含む。
【0070】
特別な実施例において、前記アルカリ土金属(例えば、Ba及び/又はSr)及び/又はアルカリ金属(例えば、K及び/又はCs)は、前記選択的に安定化したセリア上でスプレー乾燥でき、スプレー乾燥した物品は前記押出しソリッド本体を形成するようになる。
【0071】
本発明によってNO吸収剤触媒として用いるために開発された押出しソリッド本体で、本発明者らは69重量%のCeO、及び23重量%のγ-Al及び8重量%のガラス繊維の構成を有する押出しソリッド本体は強度が低いことが分かった。強度の向上のための提案は、「グリーン(green)」押出しソリッド本体の焼成中に表面の損傷を減少させるためのCeO物質を事前-焼成する段階、アルミナ成分を50%+まで増加させる段階、アルミナ(例えば、商業的に利用可能なPuralTMからDisperalTMまで)及び/又は選択的に安定化したセリアの粒子サイズを変更する段階、機械的安定性を増加させるために不活性バインダ(例えば、クレーを添加する段階、他のアルミナ(例えば、アルミナゾル)を用いる段階、他のバインダシステム(例えば、TiOゾル、CeOゾル、酢酸セリウム、酢酸ジルコニウム)をテストする段階、pH最適化段階、表面改善剤(例えば、アルミニウム塩又は他の有機界面活性剤)を添加する段階を含む。事前テストで、本発明者らは、シリカの存在がNOトラップの性能に影響を及ぼすことを見つけた。しかしながら、研究は続けられ、このような選択は更に調べられるのであろう。しかしながら、一実施例においてシリカソースの成分は減少するか、又は完全に除去されるはずである。
【0072】
本発明に係るNO吸収剤触媒の実施例(NO吸収剤触媒フィルタを含む)の他の長所は、触媒コーティング内のポタシウムのようなアルカリ金属がコーディアライ基材と反応でき、基材の弱化及び/又は触媒活性度の低減を提供するという点にある。1つの可能な原因は、アルカリ金属がコーディエライト内のケイ酸塩と反応するということにある。本発明に係る触媒の使用により、このような反応が特に低いシリカ成分が用いられる場合に減少するか、発生しないこともあり得る。
【0073】
NO吸収剤触媒とNO吸収剤触媒フィルタ用に特に適合した他の実施例において、前記押出しソリッド本体は、基本的に以下のように構成される:10-50重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、0-10重量%のシリカソース、20-50重量%のマグネシウムアルミニネート、20-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び0-10重量%の無機繊維。
【0074】
前記押出しソリッド本体が、壁-流動フィルタで製造される場合、前記壁-流動フィルタの孔隙率は、30-80%(例えば、40-70%)であり得る。
【0075】
本発明に係る更に特定された例において、前記NO吸収剤触媒は、基本的に次のような構成の押出しソリッド本体を含む:10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、0-40重量%のシリカソース、0-80重量%のマグネシウムアルミネートスピネル、0-80重量%の選択的に安定化したセリア、0-25重量%の無機繊維、及び0-20重量%のHSゲッタリング(gettering)成分、押出しソリッド本体は、アルカリ金属、アルカリ土金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物、白金、パラジウム又は白金とパラジウムを含む組成物に直接含浸され、支持されたロジウムを含む単一層でコーティングされる。この実施例において、HSゲッタリング成分は、金属化合物から選択されることができ、前記金属は、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される。前記NO吸収剤触媒(NOトラップ)は、壁-流動フィルタ又は流れ-貫通構造からなることができる。
【0076】
他の側面によれば、本発明は、前記請求項による触媒を製造する工程を提供するが、前記工程は次の過程を含む:次の粉末の出発物質を混合してソリッド押出し本体を形成する段階:少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分又はこれの1つ以上の前駆体、選択的に少なくとも1つの金属に結合される選択的モレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、選択的に安定化したセリア、及び選択的に少なくとも1つの金属化合物、選択的無機繊維、選択的に添加された有機補剤(organic auxiliary agent)、少なくとも1つの金属の金属塩を選択的に含有する酸又はアルカリ水溶液でプラスチック化合物内に混合物を形成するように混合及び/又は混練を通じて処理する段階、前記混合物は触媒本体に押し出し、前記触媒本体を乾燥させ、ソリッド押出し本体を形成するために焼成する段階、前記ソリッド押出し本体が(A)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、又は(B)10-10重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-80重量%の選択的に安定化したセリアを含有するように前記出発物質の比率を選択し、前記ソリッド押出し本体の表面を少なくとも1つの金属で含浸及び/又は少なくとも1つの金属を含む少なくとも1つのコーティング層で前記ソリッド押出し本体の表面を選択的にコーティング処理する段階。
【0077】
一般に、押出しソリッド本体の製造において、バインダ、有機増粘化合物及び混合を通じて前記物質を均質なペーストに転換するために液体がバインダ/マトリックス成分又はその前駆体及び選択的分子体、選択的に安定化したセリア、選択的無機繊維及び選択的に少なくとも1つの金属化合物に添加され、前記混合物は混合又は混練装置又は押出器で圧縮される。前記混合物は、バインダ、可塑剤、界面活性剤、潤滑剤、分散剤のような有機添加剤を含み、工程で濡れ性を向上させ、均一な配置を生成する。結果プラスチック物質は、特に押出しプレス又は押出しダイを備える押出器を用いて成形され、結果成形物は乾燥し焼成される。前記有機添加剤は、押出しソリッド本体の焼成過程で燃焼してしまう。
【0078】
前記少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分は、コーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、スピネル、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択される。アルミナ前駆体は、アルミニウム水酸化物又はベーマイト(boehmite)が使用され得る。アルミニウム酸化物が用いられる場合に、前記アルミニウム酸化物との結合を確実にするために、水溶性金属塩の水溶液をアルミニウム酸化物又はアルミニウム酸化物の前駆体基材に他の出発物質を添加する前に添加することが有利である。
【0079】
実施例において、前記シリカソースは、シリカ、シリカゾル、石英、溶融又は無定形シリカ、ソジウムケイ酸塩、無定形アルミノケイ酸塩、アルコキシシラン、シリコン樹脂バインダ、クレー、タルク、又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されることができる。
【0080】
特定の実施例において、前記シリカソースはシリコン樹脂バインダであり、前記シリコン樹脂バインダ用ソルベントは、イソプロピルアルコール又は二塩基性エステル(dibasic ester)である。
【0081】
本発明に係る工程の一実施例は、選択的にドーピングされたアルミナ又はその前駆体を溶液と混合する第1混合段階と、前記モレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物と無機繊維を混合する追加の混合段階とを含む。
【0082】
本発明に係る工程で用いるための前記有機補剤は、セルロース誘導体(cellulose derivative)、有機可塑剤、潤滑剤及び水溶性樹脂からなる群より選択された1つ以上であり得る。適切なセルロース誘導体の例は、メチルセルロース(methylcellulose)、エチルセルロース(ethylcellulose)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose)、エチルヒドロキシエチルセルロース(ethylhydroxyethylcellulose)、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース(methylhydorxyethylcellulose)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(methylhydroxypropylcellulose)及びこれらのうち2つ以上の組み合わせからなる群より選択されたセルロースエーテルを含む。セルロース誘導体は、最終製品の孔隙率を増加させ、ソリッド触媒本体の触媒活性に長所を提供する。初期に前記セルロースは、前記水性サスペンション(suspension)で膨張するが、結局のところ、焼成過程で除去される。
【0083】
本発明の工程で用いるための前記有機可塑剤は、ポリビニールアルコール、ポリビニールブチラール(butyral)、イオノマー(ionomer)、アクリル、コポリエチレン/アクリル酸(copolyethylene/acrylic acid)、ポリウレタン、熱可塑性弾性重合体(elastomer)、相対的に低い分子量のポリエステル、亜麻仁油(linseed oil)、リシノール酸塩(ricinoleate)及びこれらのうち2つ以上の組み合わせからなる群より選択される。
【0084】
前記水溶性樹脂は、ポリアクリレートであり得る。
【0085】
本発明に係る工程で用いるための前記潤滑剤は、グリコール、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセリン及びグリコールからなる群の少なくとも1つから選択される。
【0086】
前記押出し物の組成によって、前記pHは酸性であるか、アルカリ性であり得る。前記工程が酸性水溶液を用いる場合、前記溶液の前記pH-値は3〜4であり得る。好ましくは、酢酸が前記溶液を酸性化するために用いられる。
【0087】
前記工程がアルカリ性水溶液を用いる場合、前記溶液のpH-値は8〜9であり得る。アンモニアがアルカリ側でpHを調節するために使用され得る。
【0088】
他の側面によれば、本発明は車両内燃機関で発生した排気ガス内の窒素酸化物(NO)を転換する方法を提供するが、前記方法は、リーン排気ガスを本発明に係るNO吸収剤触媒と接触させ、NOを吸着させる段階と、間欠的に前記NO吸収剤触媒をリッチな排気ガスと接触させて吸収されたNOを脱着させ、NOをNに転換させる段階とを含む。前記内燃機関は、圧縮点火エンジン又はポジティブ点火エンジンであり得る。ポジティブ点火エンジンは、一般にガソリン燃料の提供を受けるが、メタノール及び/又はエタノールと混合されたガソリン燃料、LPG又はCNGを含む他の燃料が使用されることもできる。圧縮点火エンジンは、ディーゼル燃料、ディーゼル燃料とバイオディーゼルの混合又はフィッシャー-トラフシュー(Fischer-Tropsch)誘導燃料、バイオディーゼル又は天然ガスの提供を受ける。現代式の圧縮点火エンジンは、DCCS(Dilution Controlled Combustion System)として知られたものを含む(例えば、トヨタのスモークレスリッチ燃焼概念(smoke-less rich combustion concept))。HCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)エンジンからの排気ガスが処理されることもできる。特に、実質的に燃焼用の全ての燃料が燃焼開始前に燃焼室に注入される現代式エンジンが処理され得る。
【0089】
他の側面によれば、本発明は内燃機関用排気システムを提供し、前記排気システムは、本発明に係るNO吸収剤触媒を含む。
【0090】
更に他の側面によれば、本発明は内燃機関と本発明に係る排気システムを含む車両を提供する。前記車両は、一般に本発明に係る車両内燃機関から発生した排気ガスの窒素酸化物(NO)を転換させる方法によってエンジンを作動させるための手段を含む。
【0091】
本発明を更に十分に理解できるように、次の実施例が添付された図面と共に参照されて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、参照サンプルと比較して他の評価温度に対して本発明に係るNO吸収剤触媒のサンプルに対して累積NOの効率が70%(in g/l)以下に低下する地点を示すグラフである。
【図2】図2は、流れ-貫通構造で用いられる参照製品に対して多様な孔隙変更剤(modifier)を用いて製造された多様なV/WO-TiOの孔隙体積と孔隙率を比較したグラフである。
【図3】図3は、V/WO-TiO基準と商業的に利用可能な壁流動フィルタ基材に対して多様な孔隙変更剤での孔隙半径に対する孔隙の体積を示すグラフである。
【0093】
実施例1:押出しソリッド本体
適切な量のCeOがガラス繊維及び粉末形態の合成ベーマイト(Pural SB)と混合され、pH3.5の酢酸水溶液で処理されて1.2重量%のセルロース(CMC-QP1000H(Nordmann))と1.0重量%の有機補剤PEO Alkox(ポリエチレン酸化物)を含有する形態が変更可能であり、流れ得るスリップとなる。前記出発物質の量的比率は、最終ソリッド触媒本体の活性物質である69重量%のCeO、23重量%のγ-Al及び8重量%のガラス繊維を含むように選択される。前記形態が変更可能な混合物は、連続したチャネルと円形断面を有する300 cpsi(cells per square inch)のセル密度を有するハニカム触媒本体内に押し出される。次に、前記触媒本体は、WO 2009/080155(全体内容が参照としてここに含まれる)に説明された方法によって1時間2mbarで冷却乾燥し、ソリッド触媒本体を形成するために580℃の温度で焼成される。押し出されたモノリス基材は、約14cmの直径を有する流入領域と約19cmの流れ-貫通長さを有する。触媒の製造のために、1インチ×3インチのコアがサンプルから分離される。
【0094】
実施例2:触媒の製造
実施例1の前記1インチ×3インチのコアが全体吸着法によりPtとPdと共に含浸される:Pt硝酸塩(0.988g、Pt試金(assay)10.08%)とPd硝酸塩(1.037g、Pd試金1.94%)が50ml溶液の脱塩水で希釈された。前記ソリッド本体は、この溶液に位置して十分に浸かり、計24時間残された。ソリッド本体は、前記溶液から除去され、残りの溶液は圧縮空気の流れを利用して除去され、約100℃で乾燥した。ソリッド本体は、500℃で1時間(4℃/minの勾配)焼成された。ICP分析が残された溶液に対して行われ、<1%のPt/Pdが残されることを確認した。バリウムがディップ含浸により追加された:酢酸バリウム(8.88g)が50mlの溶液(55.3g)の脱塩水で溶解された。前記コアは、1分間前記溶液に浸かり、余分の溶液は圧縮空気の流れにより除去された。コアにより吸収された溶液の質量は、9.70gである。前記コアは、前述したように乾燥し、焼成された。
【0095】
参照コアが以下のように製造された:Pt硝酸塩(540g、Pt試金10.07%)とPd硝酸塩(73g、Pd試金15.14%)がアルミナスラリ(44.5%るつぼソリッドで4494gのγアルミニウム)にステアリングで追加された。セリア(2083g)、酢酸バリウム(861g)及び酢酸セリウム(565g)が次いでステアリングで追加された後に結果ウォッシュコートが1時間残された。脱塩水が追加されて42.5%のるつぼソリッド成分を達成し、その後、0.5重量%のヒドロキシエチルセルロース濃縮剤が追加された。結果ウォッシュコートは、WO 99/47260(全体内容が参照としてここに含まれる)に開示された方法を用いて標準セラミックモノリス(4.66インチ×3インチ、400cpsi、1/6000インチの壁厚さ)に提供され、100℃で空気の流れにより乾燥し、1時間500℃で焼成された。前記実施例1のサンプルと等価の体積を有するコアが結果触媒から分離された。
【0096】
実施例3:NO貯蔵テスト
前記触媒押出しソリッドと実施例2の参照サンプルは、何れも完全形成されたNO吸収剤触媒の下部層を示す。完全形成されたNO吸収剤触媒で、2つのサンプルともアルミナ又は安定化したジルコニア上に支持されるロジウムを含む追加の層でコーティングされる。前記完全形成されたNO吸収剤触媒の前記下部層は、NOの貯蔵のために設計され、NOの貯蔵のための活性度は、前記追加の層と独立して評価され得る。
【0097】
前述したサンプルに対するNO貯蔵テストが実験室のSCAT(Synthetic Catalyst Activity Test)装置で行われた。使用されたガス混合物は、表1の通りである。
【表1】

【0098】
テストは、貯蔵段階後に貯蔵されたNOの触媒を洗浄する事前調整段階を備える。これは6つの他の評価温度(125、150、175、200、250及び300℃)に対して繰り返される。前記事前調整段階は、450℃までの温度勾配(Nで40℃/min)からなり、120秒間リッチガス混合物が提供され、温度が安定化される。次のサンプルは、Nで冷却されて評価温度となる。リーンガス混合物(NOなし)が進入し、安定化された後、貯蔵期間がガス流れ内へのNOの進入と共に開始された。累積NOの効率が貯蔵期間の進行中にモニタリングされた。累積NOの効率は、以下のように定義される。
累積NOの効率(%)=貯蔵された累積NO(g/l)/流入した累積NO(g/l)×100
【0099】
NO貯蔵期間は、累積NOの効率が70%以下に低下するまで続けられた。この地点(in g/l)で貯蔵された累積NOは、NO貯蔵70%又は「NS70」値であり、これは他の評価温度に対して図示され得る。
【0100】
アンエイジド(unaged)(又は「fresh」)サンプルに対する初期テストに次いで、サンプルは24時間800℃でオーブンエイジングされ、エイジングされたサンプルが再びテストされた。
【0101】
評価結果が図1に示されているが、本発明に係るサンプルは「Extruded LNT」で表されている。本発明に係る含浸された押出しソリッド本体が、175-300℃間のあらゆる温度でフレッシュ及びエイジングの両方の参照サンプルに比べて更に良いNO貯蔵活性度を示す。
【0102】
実施例2の製品の長所は、ロジウム含有層を含むように完全形成されたとき、前記触媒が全体的に1つの層でコーティングされた押出しソリッド本体を含むという点にある。反面、参照サンプルは2つの層を有する基材モノリスを含む。この2つの層は流動チャネルの断面を減少させることができ、背圧を増加させ、仮に背圧が低いウォッシュコート含有量(g/in)によりアドレスされれば、前記触媒の全体活性度は減少し得る。
【0103】
実施例4:押出しV/WO-TiOフィルタ
混練可能なペーストを製造するために、表1に記載された成分A、B、FとSを水と混合することで、参照押出しV/WO-TiOソリッド本体が実施例1及び5と類似に用意された。添加剤H(孔隙変更剤)が追加され、前記物質は孔隙変更剤を分散させるために10分間混練された。結果組成物は、実施例1及び5で説明されたように押し出され、乾燥し、焼成された。最終焼成された製品に存在する無機ソリッド量の百分率は100%である。焼成過程で燃焼により除去される添加剤(HとS)の量は、100%無機ソリッド成分に対して重量%で提供される。
【表2】

A1=TiW(98、9%、MC 10/Cristal)
A2=V from AMV(78%V、GFE)
B1=ベントナイト(90%、ACE/Mizuka)
B2=カオリン(97、9%、TK0177/Thiele)
B3=SiO(100%、Tixosil/Novus)
F1=ガラス繊維(Vetrotex 4、5mm/Saint Cobain)
H1=セルロース(QP10000H/Nordmann)
H2=PEO(Alkox/Alroko)
H3=Zusoplast(Zschimmer & Schwarz)
S1=MEA(Imhoff & Stahl)
S2=NH
S3=C(fauth)
【0104】
次の孔隙変更斉剤が表2の押出し添加剤H1、H2及びH3の代りに用いられ、表2の方法による無機ソリッドの全体重量に対する量が表示された。
【表3】

【0105】
孔隙率と孔隙体積と孔隙半径は、例えばMIP(Mercury Intrusion Porosimetry)を利用して測定され得る。
【0106】
孔隙体積と孔隙率を含む表3の結果は、図1にも示されている。このような結果から参照の前記孔隙率と孔隙体積は、適切な孔隙変更剤の選択により増加され得、このような孔隙変更剤を用いて製造された押出しソリッド本体は、壁-流動フィルタの製造に使用され得る。
【0107】
このような結果は、孔隙率、孔隙体積など前記ソリッド押出し本体の活性成分に独立した性質を増加させるのに包括的である。即ち、たとえこのような実施例6の孔隙率と孔隙体積などを増加させることがV/WO-TiO活性物質を用いて説明されていても、このような実施例6で開示された孔隙率と孔隙体積などを増加させる原理は、あらゆる活性物質(例えば、三元触媒を含むガソリン媒煙フィルタで用いるための押出しソリッド本体)の押出し物に適用され得るが、これは前記孔隙変更剤が焼成過程で燃焼し、後で無機ソリッドとして活性物質とフィルタなどを残すためである。
【0108】
図3は、他の参照の孔隙体積を表2に記載された他の孔隙変更剤を用いて製造されたV/WO-TiO物質と比較するが、商業的に利用可能な壁流動フィルタ(NGK)とも比較される。グラフから、孔隙変更剤を含めることによって、参照押出しソリッド本体の孔隙率と孔隙体積が改善され、物質が商業的に利用可能な壁-流動フィルタのそれに接近する性質を有するということが確認される。
【0109】
実施例5:押出し壁-流動NO吸収剤触媒フィルタ
これは予言的な実施例である。前記孔隙変更剤Rettenmaier BC200、天然セルロース物質、及びポリアクリロニトリル(PAN)繊維の混合物の全体13重量%が成形可能であり、流動可能なスリップを製造するために追加され得ることを除外すれば、押出しモノリス基材が成形可能であり、流動可能な実施例1のスリップから製造され得る。前記出発物質の量的比率は、前記最終ソリッド触媒本体の前記活性物質が69重量%のCeOと23重量%のγ-Al及び8重量%のガラス繊維を含むように選択され得る。一般に、結果製品が約10μmの平均孔隙サイズを有するものと予想される。
【0110】
前記焼成された押出しモノリス基材は、白金硝酸塩、パラジウム硝酸塩及び酢酸バリウムを含む濃縮された含浸媒体と共にWO 99/47260(全体内容が参照としてここで共に含まれる)に開示された方法を利用して含浸され得る。含浸された基材は乾燥し、焼成され得る。安定化したジルコニア及びロジウム硝酸塩を含むウォッシュコート層が前記含浸された基材上にコーティングされ得る。含浸後にコーティングされた構造は乾燥し、焼成され得る。白金とパラジウムの全体含有量は、Pt5:Pdで約100gft-3であり、バリウムは約800ft-3である。ロジウムは、約10gft-3で存在し得る。
【0111】
多数のチャネルを含む前記押出し流れ-貫通モノリス基材は、壁-流動フィルタ構造で製造され得、多数の第1チャネルが上流側端部に閉鎖され、上流側端部で閉鎖されない多数の第2チャネルは下流側端部で閉鎖され、前記第1及び第2チャネルの構造は、EP 1837063(全体内容がここで参照として含まれる)による好ましいパターンで前記チャネルの端部で実質的にガス不浸透性プラグを挿入することで、水平、垂直に隣接するチャネルがチェッカーボードの形態で反対側の端部で閉鎖される。このようなフィルタ構造は、SAE 810114(全体内容がここで参照として含まれる)にも開示されている。前記焼成された製品は含浸された。
【0112】
疑問の余地を無くすために、ここで引用された文献の全体内容が参照としてここに含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出しソリッド本体を含むNO吸収剤触媒であって、
前記押出しソリッド本体が、
(A)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分と、5-90重量%のモレキュラーシーブと、非モレキュラーシーブ又はこれらの2つ以上の混合物、又は、
(B)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分と、5-80重量%の選択的に安定したセリアの何れかを含んでなり、
前記触媒が、(a)少なくとも1つの貴金属と、(b)少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属を含む少なくとも1つの金属を含んでなり、
(a)と(b)が前記押出しソリッド本体の表面上で1つ以上のコーティング層に収容されてなり、
前記触媒が、少なくとも1つの貴金属と、(b)少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属を含む少なくとも1つの金属を含んでなり、
(i)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は少なくとも1つのアルカリ土金属が、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在してなり、
(ii)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属の大部分が、前記押出しソリッド本体の表面に位置してなり、
(iii)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属が、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に収容されてなり、
(iv)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属が、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に高い濃度で存在してなり、
(v)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属が、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に1つ以上のコーティング層に収容されてなり、又は
(vi)前記少なくとも1つのアルカリ金属又は前記少なくとも1つのアルカリ土金属が、前記押出しソリッド本体全体に渡って存在し、前記押出しソリッド本体の表面に高い濃度で存在し、前記押出しソリッド本体の表面に1つ以上のコーティング層を収容してなる、NO吸収剤触媒。
【請求項2】
前記少なくとも1つの金属が、他の位置に存在する前記少なくとも1つの金属と異なるものであり、
前記少なくとも1つの金属が、(a)前記ソリッド本体全体に渡って、(b)前記押出しソリッド本体の表面に更に高い濃度で、(c)前記押出しソリッド本体の表面の1つ以上のコーティング層に収容されて存在するものいずれかである、請求項1に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項3】
前記少なくとも1つの貴金属が、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層で支持され、
前記各コーティング層が、1つ以上の選択的に安定化したアルミナ、シリカ、チタニア、選択的に安定化したセリア、選択的に安定化したジルコニア、バナジア、酸化ランタン、スピネル及びこれらのうち2つ以上の混合物を含むものである、請求項1又は2に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項4】
2つ以上のコーティング層を含んでなり、
第1の基底層が選択的に安定化したセリアとスピネルの混合物を含むものである、請求項3に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項5】
第1の基底層を覆う第2の層が、1つ以上のアルミナと選択的に安定化したジルコニア上に支持されたロジウムを含むものである、請求項4に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項6】
前記第2の層を覆う第3の層が、実質的にアルカリ金属とアルカリ土金属を含まないバルク還元可能な酸化物上に支持されたゼオライト又は白金及び/又はパラジウムを含むものである、請求項5に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項7】
1つ以上のコーティング層を含んでなり、
白金及び/又はパラジウムが前記押出しソリッド本体の表面に位置し、
第1の基底層が1つ以上のアルミナ及び選択的に安定化したジルコニア上に支持されたロジウムを含むものである、請求項3に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項8】
前記第1の層を覆う第2の層が、実質的にアルカリ金属とアルカリ土金属を含まないバルク還元可能な酸化物上に支持されたゼオライト又は白金及び/又はパラジウムを含むものである、請求項7に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項9】
前記バルク還元可能な酸化物が、酸化物、複合酸化物及びマンガン、鉄、スズ、銅、コバルト又はセリウム及び選択可能に安定化したそれらの同族体からなる群より選択された1つ以上の金属を含む混合酸化物からなる群より選択されてなるものである、請求項6又は8に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項10】
前記少なくとも1つの還元可能酸化物が、MnO、MN、Fe、SnO、CuO、CoO及びCeOを含むものである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記安定化したCeOの同族体が、ジルコニア、少なくとも1つの非セリウム希土類酸化物又はジルコニアと少なくとも1つの非セリウム希土類酸化物を何れかを含むものである、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1金属酸化物担体が、基本的に少なくとも1つの還元可能な酸化物又は選択的に安定化したその同族体からなるものである、請求項9〜11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの還元可能な酸化物又は選択的に安定化したその同族体が、白金を備える前記第1金属酸化物担体上に支持されたものである、請求項9〜11の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分が、コーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、スピネル、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されてなるものである、請求項1〜13の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項15】
前記スピネルはMgAlであり、
前記MgがCo、Zr、Zn又はMnからなる群よりの金属で部分的に置換されてなるものである、請求項1〜14の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項16】
前記MgAlにおいて、Alに対する前記MgOの成分が、0.8〜2.5である、請求項15に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項17】
前記押出しソリッド本体が、10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン、及びこれらのうち2つ以上の混合物と、
0-80重量%のスピネルと、
5-90重量%のモレキュラーシーブと、
非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含んでなり、及び
0-25重量%の無機繊維を含むものである、請求項1〜16の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項18】
前記押出しソリッド本体が、10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン、及びこれらのうち2つ以上の混合物、
0-80重量%のスピネル、
5-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び
0-25重量%の無機繊維を含むものである、請求項1〜16の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項19】
前記押出しソリッド本体が、基本的に、10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、スピネル、選択的にドーピングされたアルミナ、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン、及びこれらのうち2つ以上の混合物、
50-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物であり、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含んでなるものであり、及び
0-25重量%の無機繊維を含むものである、請求項17に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項20】
前記押出しソリッド本体が、基本的に、10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、スピネル、シリカソース、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン、及びこれらのうち2つ以上の混合物、
0-50重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物であり、それぞれは1つ以上の金属を選択的に含んでなり、
20-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び
0-25重量%の無機繊維を含むものである、請求項17に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項21】
前記押出しソリッド本体が、基本的に、
10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン、及びこれらのうち2つ以上の混合物、
0-20重量%のシリカソース、
0-50重量%のマグネシウムアルミネートスピネル、
20-80重量%の選択的に安定化したセリア、及び
0-20重量%の無機繊維を含むものである、請求項18に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項22】
押出しソリッド本体が、基本的に、
10-100重量%のコーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、合金、リチウムアルミノケイ酸塩、選択的にドーピングされたアルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン及びこれらのうち2つ以上の混合物、
0-40重量%のシリカソース、
0-80重量%のマグネシウムアルミネートスピネル、
5-80重量%の選択的に安定化したセリア、
0-25重量%の無機繊維、及び
0-20重量%のHSゲッタリング成分を含み、
押出しソリッド本体が、アルカリ金属、アルカリ土金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物、白金、パラジウム又は白金とパラジウムを含む組成物に直接含浸され、支持されたロジウムを含む単一層でコーティングされるものである、請求項1〜21の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項23】
前記HSゲッタリング成分が、Ni、Fe及びMnからなる群より選択されるものである、請求項22に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項24】
壁-流動フィルタの形態を有してなる、請求項22又は23によるNO吸収剤触媒。
【請求項25】
流れ-貫通構造を有してなる、請求項22又は23によるNO吸収剤触媒。
【請求項26】
前記アルミナが、αアルミナ、βアルミナ、γアルミナ、χ(chi)アルミナ、ηアルミナ、ρアルミナ、kアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ランタンβアルミナ及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されるものである、請求項14〜16の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項27】
前記シリカソースが、シリカ、シリカゾル、石英、溶融又は無定形シリカ、ソジウムシリカ、無定形アルミノケイ酸塩、アルコキシシラン、シリコン樹脂バインダ、クレー、タルク又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されるものである、請求項14〜16の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項28】
前記無機繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカ-アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維及びセラミック繊維からなる群より選択されるものである、請求項14、15、16、26又は27に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項29】
モレキュラーシーブ又は非モレキュラーシーブを含んでなり、
前記モレキュラーシーブ又は非モレキュラーシーブが、次のフレームワーク形態のコード:
国際ゼオライト協会の構造委員会により定義されたABW、ACO、AEI、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFR、IHW、IMF、ISV、ITE、ITH、ITR、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JRY、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、MRE、MSE、MOS、MTF、MTN、MTT、MTW、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NSI、OBW、OFF、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PHI、PON、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、SSY、STF、STI、STO、STT、STW、-SVR、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UOS、UOZ、USI、UTL、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON及びこれらのうち2つ以上の混合物から選択され得るものである、請求項1〜28の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項30】
前記モレキュラーシーブが、ZSM-5、ベータ、フェリエライト及びこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択されるものである、請求項1〜29の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項31】
前記モレキュラーシーブが、10以上のシリカ-アルミナ比を有するアルミノケイ酸塩ゼオライトであるものである、請求項1〜30の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項32】
前記モレキュラーシーブ又は前記非モレキュラーシーブが、1つ以上の置換フレームワーク金属を含む同形体であるものである、請求項29〜31の何れか一項に記載のNOx吸収剤触媒。
【請求項33】
前記非モレキュラーシーブが、リン酸アルミニウムであるものである、請求項29に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項34】
前記セリアが、前記セリアの熱安定性を向上させるために少なくとも1つの非セリウム成分で安定化されるものである、請求項1〜33の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項35】
モレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物を含んでなり、
前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又は前記モレキュラーシーブ成分と前記非モレキュラーシーブ成分のうちの少なくとも1つ及び混合物としての前記非モレキュラーシーブ成分と結合された少なくとも1つの金属を含むものである、請求項1〜34の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項36】
前記押出しソリッド本体が、
前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又は前記モレキュラーシーブ成分と前記非モレキュラーシーブ成分のうちの少なくとも1つ及び混合物としての前記非モレキュラーシーブ成分と結合された少なくとも1つの第1金属と、
前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又は前記モレキュラーシーブ成分と前記非モレキュラーシーブ成分のうちの少なくとも1つ及び混合物としての前記非モレキュラーシーブ成分と結合された少なくとも1つの第2金属とを含むものである、請求項35に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項37】
前記モレキュラーシーブ、前記非モレキュラーシーブ又は前記モレキュラーシーブ又は両分子体と結合された前記少なくとも1つの金属が、遷移金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択される1つ以上の金属を含むものである、請求項35又は36に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項38】
前記遷移金属が、Cu、Pd及びAgからなる群より選択されるものである、請求項37に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項39】
前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又は前記モレキュラーシーブ成分と前記非モレキュラーシーブ成分のうちの少なくとも1つ及び混合物としての前記非モレキュラーシーブ成分と結合された少なくとも1つの金属の全体に対して、金属成分が0.1〜20重量%であるものである、請求項35〜38の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項40】
前記少なくとも1つの金属が、
前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又は前記モレキュラーシーブ成分と前記非モレキュラーシーブ成分のうちの少なくとも1つ及び混合物としての前記非モレキュラーシーブ成分と結合されない前記押出しソリッド本体全体に渡って、前記押出しソリッド本体の表面に位置する少なくとも1つの金属の大部分に、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に、又は
遷移金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択された少なくとも1つの金属を含む前記押出しソリッド本体の表面で更に高い濃度で、備えられるものである、請求項1〜39の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項41】
前記遷移金属が、Fe、Ni、W、Cu、Ce、Hf、La、Mn、Pt、Pd、Au、Ag、In、V、Ir、Ru、Rh及びOsからなる群より選択されるものである、請求項40に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項42】
前記ランタノイド金属が、La、Pr及びCeから選択されるものである、請求項40に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項43】
前記アルカリ金属が、K及びCsから選択されるものである、請求項40に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項44】
前記アルカリ土金属が、Ba及びSrから選択されるものである、請求項40に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項45】
前記少なくとも1つの金属が、
前記モレキュラーシーブ成分、前記非モレキュラーシーブ成分又は前記モレキュラーシーブ成分と前記非モレキュラーシーブ成分のうちの少なくとも1つ及び混合物としての前記非モレキュラーシーブ成分と結合されない前記押出しソリッド本体全体に渡って、前記押出しソリッド本体の表面に位置する少なくとも1つの金属の大部分に、前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層に、又は、
遷移金属、ランタノイド又はこれらのうち2つ以上の混合物からなる群より選択された少なくとも1つの金属を含む前記押出しソリッド本体の表面で更に高い濃度で、備えられてなる金属成分が全体に対して0.1〜20重量%であるものである、請求項40〜44の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項46】
前記押出しソリッド本体の表面上の1つ以上のコーティング層が、少なくとも1つの金属を含んでなり、
前記触媒の全体金属成分が、0.1〜30重量%であるものである、請求項1〜45の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項47】
壁-流動フィルタの形態を有してなる、請求項1〜46によるNO吸収剤触媒。
【請求項48】
前記壁-流動フィルタの孔隙率が、30-80%である、請求項47に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項49】
固定型又は移動型発生源からの排気ガスを処理するために用いられるとき、前記押出しソリッド本体で半径方向の亀裂及びリング亀裂を防止するのに十分な軸方向熱衝撃パラメータTSPと半径方向TSPを有するものである、請求項1〜48の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒。
【請求項50】
請求項1〜49の何れか一項による触媒を製造する方法であって、
粉末の出発物質を混合してソリッド押出し本体を形成し、
前記粉末の出発物質が、少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分又はこれの1つ以上の前駆体、選択的に少なくとも1つの金属に結合される選択的モレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、選択的に安定化したセリア、及び選択的に少なくとも1つの金属化合物、選択的無機繊維、選択的に添加された有機補剤であり、
少なくとも1つの金属の金属塩を選択的に含有する酸又はアルカリ水溶液でプラスチック化合物内に混合物を形成するように混合及び/又は混練を通じて処理し、
前記混合物を、触媒本体に押し出し、前記触媒本体を乾燥させ、ソリッド押出し本体を形成するために焼成し、
前記ソリッド押出し本体が、(A)10-100重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-90重量%のモレキュラーシーブ、非モレキュラーシーブ又はこれらのうち2つ以上の混合物、又は(B)10-10重量%の少なくとも1つのバインダ/マトリックス成分、及び5-80重量%の選択的に安定化したセリアを含有するように前記出発物質の比率を選択し、及び
前記ソリッド押出し本体の表面を少なくとも1つの金属で含浸及び/又は少なくとも1つの金属を含む少なくとも1つのコーティング層で前記ソリッド押出し本体の表面を選択的にコーティング処理することを含んでなる、触媒を製造する方法。
【請求項51】
車両内燃機関から発生した排気ガス内の窒素酸化物(NO)を転換する方法であって、
リーン排気ガスを請求項1〜49の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒と接触させてNOを吸着させ、及び
間欠的に前記NO吸収剤触媒をリッチな排気ガスと接触させて吸収されたNOを脱着させ、NOをNに転換させることを含んでなる、方法。
【請求項52】
請求項1〜49の何れか一項に記載のNO吸収剤触媒を備えてなる、排気システム。
【請求項53】
請求項52に記載の内燃機関と、排気システムとを備えてなる、車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−517936(P2013−517936A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550522(P2012−550522)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050164
【国際公開番号】WO2011/092523
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(590004718)ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー (152)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】