説明

NPYY5受容体拮抗作用を有する縮合ヘテロ環誘導体

【課題】新規なNPY Y5受容体拮抗作用を有する化合物を提供する。
【解決手段】式(I):


(式中、Xは−SO−等、Yは=C(−R)−等、Yは−C(−R)=等、Yは=C(−R)−等、Zは−N=等、R、R、R、R、R11及びR12はそれぞれ独立して水素等、Rは置換若しくは非置換のアルキル等、Rは置換若しくは非置換のアリール等、Rは置換若しくは非置換のアリール等、nは1等。)で示される基)で示される化合物が、NPY Y5受容体拮抗作用を有することを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はNPY Y5受容体拮抗作用を有し、医薬、特に、抗肥満薬として有用な新規な縮合ヘテロ環誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は除脂肪体重に対して体内に過剰な脂肪あるいは脂肪組織が蓄積した状態と定義されており、健康問題の主なリスクファクターと認識されている。身体質量指数(BMI)は成人(15歳以上)の集団あるいは個人を過体重や肥満に分類する際に共通して使用されている身長体重比の単純指数である。メートルで表す身長の二乗で割ったキログラムで表す体重(kg/m)として定義されている。世界保健機関では、BMIが25kg/m以上を「過体重」、30kg/m以上を「肥満」としている。一方で、日本肥満学会ではBMIが25kg/m以上を「肥満」としている。なぜなら、糖尿病や脂質異常症を含む肥満関連疾患の数がBMIに応じて増加する、そしてその疾患の数の平均値がBMIが25kg/mにおいて1.0以上になるためである。世界保健機関による2005年の調査では、世界中で、約16億人が過体重、少なくとも4億人が肥満であるとされている。肥満は主に身体的活動や日常生活における消費に対するカロリー摂取の割合の増加によってもたらされる。近年の高脂肪、高糖分含有食物の摂取増加により肥満者数は増加しており、2015年には世界中で、7億人以上が肥満と診断されると予想されている。
【0003】
ニューロペプチドY(以下、NPYとする)は36個のアミノ酸残基からなるペプチドで、1982年に豚の脳から分離された。NPYはヒト及び動物の中枢神経系及び末梢組織に広く分布している。
これまでの報告において、NPYは中枢神経系においては摂食促進作用、抗痙攣作用、学習促進作用、抗不安作用、抗ストレス作用等を有していることが判明しており、さらにうつ病、アルツハイマー型痴呆、パーキンソン病等の中枢神経系疾患に深く関与している可能性もある。また、末梢組織においては、NPYは血管等の平滑筋や心筋の収縮を引き起こすため、循環器系障害にも関与していると考えられる。さらには肥満症、糖尿病、ホルモン異常等の代謝性疾患にも関与していることが知られている(非特許文献1参照)。従って、NPY受容体拮抗作用を有する医薬組成物は上記のようなNPY受容体が関与する種々の疾患に対する予防又は治療薬となる。
NPY受容体には、現在までにY1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6のサブタイプが発見されている(非特許文献2参照)。Y5受容体は少なくとも摂食機能に関与しており、その拮抗剤は抗肥満薬になることが示唆されている(非特許文献3〜5参照)。
【0004】
特許文献1には、成長ホルモン分泌促進作用を有し、抗肥満薬として利用可能な、スルファミドを含む置換基を持つベンズイミダゾール誘導体が開示されている。
【0005】
特許文献2には、IL−8及びGROαケモカイン阻害作用を有し、炎症疾患治療薬として利用可能な、カルボキシル基を有するベンズイミダゾール誘導体が開示されている。特許文献3には、βセクレターゼ阻害作用を有し、アルツハイマー治療薬として利用可能な、カルボニル基を有するベンズイミダゾール誘導体が開示されている。
【0006】
特許文献4には、DGAT−1阻害作用を有し、抗肥満薬として利用可能な、ベンゾキサゾールを含む置換基を持つアリールアルキル酸化合物が開示されている。特許文献5には、SSTRアンタゴニスト作用を有し、II型糖尿病や肥満治療薬として利用可能な、ベンゾキサゾールを含む置換基を持つビシクロアミン誘導体が開示されている。特許文献6には、SSTRアンタゴニスト作用を有し、II型糖尿病や肥満治療薬として利用可能な、ピペリジンを含むベンゾキサゾール誘導体が開示されている。
【0007】
特許文献7には、グルコキナーゼ活性化作用を有し、糖尿病薬として利用可能な、ベンゾキサゾールを含む置換基を持つ縮合複素環誘導体が開示されている。特許文献8は有機物質の光学的光沢剤に関する文献であり、ベンゾキサゾールを含む置換基を持つベンゾキサゾール化合物が開示されている。
【0008】
しかし、特許文献1〜8には、NPY Y5受容体拮抗作用については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6525203号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/009774号
【特許文献3】国際公開第2006/099379号
【特許文献4】国際公開第2004/100881号
【特許文献5】国際公開第2010/056717号
【特許文献6】国際公開第2006/094682号
【特許文献7】国際公開第2008/136444号
【特許文献8】米国特許第3272805号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Trends in Pharmacological Sciences, Vol.15, 153(1994)
【非特許文献2】Trends in Pharmacological Sciences, Vol.18, 372(1997)
【非特許文献3】Peptides, Vol.18, 445(1997)
【非特許文献4】Obesity, Vol.14, No.9, A235(2006)
【非特許文献5】Obesity, Vol.15, No.9, A57(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、優れたNPY Y5受容体拮抗作用を有する新規の縮合ヘテロ環誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意研究の結果、優れたNPY Y5受容体拮抗作用を有する新規化合物の合成に成功した。また、該化合物が強い摂食抑制効果を示すことを見出した。さらに、本発明者らは、本発明化合物について、薬物代謝酵素に対する阻害が少なく、代謝安定性及び水溶性が良いことも見出した。また、本発明化合物は毒性が低く、医薬として使用するために十分安全である。
【0013】
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)式(I):
【化1】


(式中、
Xは−SO−、−SO−C(−R14)(−R15)−、−N(−R)−SO−又は−SO−N(−R)−であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
【化2】


で示される部分は、
【化3】


から選択される構造であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R、R、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基であり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
、R及びR13はそれぞれ独立して、水素又は置換若しくは非置換のアルキルであり又はRはRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよく、RはRと共に隣接する窒素原子及びSO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよい。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。但し、以下の化合物を除く。
【化4】


で示される部分が、
【化5】


であり、Wが単結合である化合物、
【化6】


で示される部分が、
【化7】


であり、Xが−SO−N(−R)−であり、かつRがメチルである化合物、
【化8】


で示される部分が、
【化9】


から選択される構造であり、Wが単結合であり、かつ
【化10】


で示される部分が、
【化11】


から選択される構造である化合物、
【化12】


)で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有するNPY Y5受容体拮抗作用を有する医薬組成物。
(2)Wが−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;である、(1)記載の医薬組成物。
(3)Xが−SO−である、(1)記載の医薬組成物。
(4)Rが置換若しくは非置換のアルキルである、(1)記載の医薬組成物。
(5)Rがアリール又はヘテロアリールである、(1)記載の医薬組成物。
(6)Yが=C(−R)−であり、Yが−C(−R)=であり、Yが=C(−R)−である、(1)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7)式(Ia):
【化13】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
但し、Wが−Ak−である場合、Akは単結合ではなく、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は炭素数2〜10の置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(8)Wが−Ak−;又は
−Ak−O−Ak−である、(7)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(9)Rが置換若しくは非置換の炭素数2〜10のアルキルである、(7)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(10)Yが=C(−R)−であり、Yが−C(−R)=であり、かつYが=C(−R)−である、(7)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(11)式(Ib):
【化14】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基であり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非置換の非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
13は水素又は置換若しくは非置換のアルキルである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。但し、以下の化合物を除く。
がフェニルである化合物、
【化15】


で示される部分が、
【化16】


から選択される構造である化合物、
【化17】


)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(12)Rがヘテロアリール又は非芳香族複素環式基である、請求項11記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(13)Rが単環若しくは2環のヘテロアリール又は単環若しくは2環の非芳香族複素環式基である、(11)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(14)Wが−Ak−;又は−Ak−C(=O)−Ak−である、(11)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(15)Rが置換若しくは非置換のアルキルである、(11)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(16)Yが=C(−R)−であり、Yが−C(−R)=であり、かつYが=C(−R)−である、(11)記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(17)(7)〜(16)のいずれかに記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
(18)NPY Y5受容体拮抗作用を有する、(17)記載の医薬組成物。
(19)(1)〜(6)、(17)又は(18)のいずれかに記載の医薬組成物と併用するための、抗肥満作用を有する化合物を含有する肥満症の予防及び/又は治療用又は肥満症における体重管理用の医薬組成物。
【0014】
(20)肥満症の予防及び/又は治療用である、上記(1)〜(6)又は(17)のいずれかに記載の医薬組成物。
(21)肥満症における体重管理用である上記(1)〜(6)又は(17)のいずれかに記載の医薬組成物。
(22)上記(1)記載の式(I)で示される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、肥満症の予防及び/又は治療方法。
(23)上記(1)記載の式(I)で示される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、肥満症における体重管理方法。
(24)肥満症の予防及び/又は治療のための、上記(1)記載の式(I)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(25)肥満症における体重管理のための、上記(1)記載の式(I)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(26)抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物を、上記(1)〜(6)又は(17)のいずれかに記載の医薬組成物と併用することを特徴とする、肥満症の予防及び/又は治療方法。
(27)抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物を、上記(1)〜(6)又は(17)のいずれかに記載の医薬組成物と併用することを特徴とする、肥満症における体重管理方法。
【0015】
(28)
式(Ia):
【化18】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;−O−;−O−Ak−;又は−Ak−O−;
Akはそれぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は炭素数2〜10の置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(29)式(Ib):
【化19】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基であり、
はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、インダゾリル、キノリル、キノキサリニル、ベンズオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロベンゾフリル、ピペリジル、テトラヒドロフラニル、アザスピロヘプタニルであり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
13は水素又は置換若しくは非置換のアルキルである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(30)式(Ic):
【化20】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非置換の非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
13は水素又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(31)式(III):
【化21】


(式中、Halはハロゲン、各記号は上記(1)と同意義である。)
で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(32)式(VII):
【化22】


(式中、各記号は上記(1)と同意義である。)
で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(33)式(X):
【化23】


(式中、各記号は上記(1)と同意義である。)
で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
(34)上記(7)〜(16)のいずれかに記載の化合物又はその製薬上許容される塩の製造方法。
(35)上記(7)〜(16)のいずれかに記載の化合物又はその製薬上許容される塩の結晶化することを特徴とする、上記(34)記載の製造方法。
(36)上記(31)〜(33)のいずれかの化合物を用いる工程を含むことを特徴とする、上記(34)記載の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明化合物はNPY Y5受容体拮抗作用を示し、医薬品、特にNPY Y5の関与する疾患、例えば、摂食障害、肥満症、神経性食欲昂進症、性的障害、生殖障害、鬱病、癲癇発作、高血圧、脳溢血、鬱血心不全又は睡眠障害等の治療又は予防のための医薬として非常に有用である。また、本発明化合物は有効な摂食抑制作用を示すことから、肥満症における体重管理、体重減量、体重減量後の体重維持のために非常に有用である。さらに、肥満がリスクファクターとなる疾患、例えば糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、急性冠症候群等の治療又は予防のための医薬として非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明を説明する。本発明は、式(I):
式(I):
【化24】


(式中、
Xは−SO−、−SO−C(−R14)(−R15)−、−N(−R)−SO−又は−SO−N(−R)−であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
【化25】


で示される部分は、
【化26】


から選択される構造であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R、R、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基であり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
、R及びR13はそれぞれ独立して、水素又は置換若しくは非置換のアルキルであり、又はRはRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよく、RはRと共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよい。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。但し、以下の化合物を除く。
【化27】


で示される部分が、
【化28】


であり、Wが単結合である化合物、
【化29】


で示される部分が、
【化30】


であり、Xが−SO−N(−R)−であり、かつRがメチルである化合物、
【化31】


で示される部分が、
【化32】


から選択される構造であり、Wが単結合であり、かつ
【化33】


で示される部分が、
【化34】


から選択される構造である化合物、及び
【化35】


)で示される化合物、又はその製薬上許容される塩に関する。
【0018】
式(I):
【化36】


で示される化合物において、
【化37】


で示される部分が、
【化38】


である場合、以下の(Id)又は(Ie)のいずれの構造をも意味する。
【化39】


(式中、各記号は式(I)と同意義である。)
【0019】
式(I)で示される化合物において、Xが−N(−R)−SO−の場合に、RがRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していているとき、式(I)で示される化合物は、以下の式(If)で示される。なお、Xが−N(−R)−SO−である場合、窒素原子がRに結合するものとする。
【化40】


(式中、各記号は式(I)と同意義である。)
【0020】
式(I)で示される化合物において、Xが−SO−N(−R)−の場合に、RがRと共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成しているとき、式(I)で示される化合物は、以下の式(Ig)で示される。なお、Xが−SO−N(−R)−である場合、硫黄原子がRに結合するものとする。
【化41】


(式中、各記号は式(I)と同意義である。)
【0021】
式(I)で示される化合物において、以下の様態が好ましい。
【0022】
Xは−SO−、−SO−C(−R14)(−R15)−、−N(−R)−SO−又は−SO−N(−R)−である。RはRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよく、RはRと共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよい。Xとして、好ましくは、−SO−又は−SO−N(−R)−であり、さらに好ましくは、−SO−である。
Xが−N(−R)−SO−である場合、RがRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成している場合が好ましい。
【0023】
がRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していている場合、式(I)で示される化合物は、以下の式(If)で示される。
【化42】


(式中、各記号は式(I)と同意義である。)
上記「複素環」は、芳香族であってもよく、非芳香族であってもよい。また、環の構成原子に上記式に示された窒素原子以外に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいてもよい。好ましくは、3〜8員の非芳香族又は芳香族の複素環である。また、他の環が縮合していてもよい。例えば、1〜3個の3〜8員の炭素環又は複素環が縮合していてもよい。上記「複素環」としては、好ましくは、5〜7員の非芳香族又は芳香族の複素環、又はそれらに5〜7員の炭素環又は複素環が縮合した環である。例えば、式:
【化43】


で示される基の好ましい態様としては、以下の基、又はこれらの基に1個の5員又は6員の炭素環又は複素環が縮合した基が例示される。なお、これらの基は置換可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【化44】


【化45】


特に好ましくは、
【化46】


又は、これらにベンゼン環若しくはシクロヘキサン環が縮合した基である。
【0024】
がRと共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成している場合、式(I)で示される化合物は、以下の式(Ig)で示される。
【化47】


(式中、各記号は式(I)と同意義である。)
上記「複素環」は、環の構成原子に上記式に示された窒素原子及び硫黄原子以外に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいてもよい。好ましくは、3〜8員の非芳香族複素環である。また、他の環が縮合していてもよい。例えば、1〜3個の3〜8員の炭素環又は複素環が縮合していてもよい。上記「複素環」としては、好ましくは、5〜7員の非芳香族複素環又はそれらに5〜7員の炭素環若しくは複素環が縮合した環である。例えば、式:
【化48】


で示される基の好ましい態様としては、以下の基又はこれらの基に1個の5員若しくは6員の炭素環若しくは複素環が縮合した基が例示される。なお、これらの基は置換可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【化49】

【0025】
は=C(−R)−又は=N−である。好ましくは、=C(−R)−であり、特に好ましくは、=C(−H)−である。
は−C(−R)=又は−N=である。好ましくは、−C(−R)=であり、特に好ましくは、−C(−H)=である。
は=C(−R)−又は=N−である。好ましくは、=C(−R)−であり、特に好ましくは、=C(−H)−である。
【0026】
【化50】


で示される部分は、
【化51】


から選択される構造である。
【0027】
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンである。
好ましくは、−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;である。
Akとして、好ましくは、単結合又は置換若しくは非置換のC1−C2アルキレンである。
「C1−C4アルキレン」又は「C2−C4アルケニレン」の置換基として、好ましくは、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ又はシアノである。
【0028】
、R、R、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基又は式:−SO−R10で示される基である。
、R、R、R14及びR15として好ましくは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基又は式:−SO−R10で示される基である。
として特に好ましい置換基は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、シアノである。
として特に好ましい置換基は、水素、アルキル、アルケニル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、シアノである。
として特に好ましい置換基は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、シアノである。
14又はR15として好ましい置換基は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、シアノである。
【0029】
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノである。
10の好ましい態様としては、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル又は置換若しくは非置換のスルファモイルである。
【0030】
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基である。
の好ましい態様としては、置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、アルキルオキシ、ヒドロキシ、シアノ、オキセタニル)、置換若しくは非置換のアミノ(置換基としては、アルキル)又は式:−C(=O)−O−R10(式中、R10はアルキル)で示される基である。好ましくは、炭素数2〜10のアルキル、さらに好ましくは、炭素数2〜4のアルキル、特に好ましくは、炭素数2のアルキルである。
【0031】
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基である。
の好ましい態様としては、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、非芳香族複素環式基であり、特に好ましくは、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基である。
がシクロアルキル、シクロアルケニル又は非芳香族複素環式基である場合、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。これらのオキソ、チオキソ又はイミノは環を構成する炭素原子、硫黄原子に置換する。この場合、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、−C(=S)−、−C(=NH)−を環内に有する環式基を意味する。当該イミノは置換基を有していてもよい。
【0032】
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基である。ここで、R10は前記と同意義である。
の好ましい態様としては、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアミノ(置換基としては、式:−SO−R10で示される基(式中、R10はアルキル))、置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アリール、アルキルオキシ、アリールオキシ若しくは式:−C(=O)−R10(式中、R10は非芳香族複素環式基)で示される基)、置換若しくは非置換のアリール(置換基としては、ハロゲン若しくはハロアルキル)、置換若しくは非置換のヘテロアリール(置換基としては、ハロゲン若しくはハロアルキル)、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基(置換基としては、ハロゲン、シアノ若しくはアルキル)、置換若しくは非置換のカルバモイル(置換基としては、アルキル)、式:−O−R10(式中、R10は置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、シアノ若しくはアルキルアミノ)又はアリール)で示される基、式:−C(=O)−R10(置換基としては、非芳香族複素環式基)で示される基、式:−C(=O)−O−R10(置換基としては、アルキル若しくはアリールアルキル)で示される基、式:−S−R10(式中、R10はハロアルキル)で示される基又は式:−SO−R10(式中、R10はアルキル、ハロアルキル、アリール若しくは非芳香族複素環式基)で示される基である。
【0033】
nは0〜3の整数である。好ましくは、1又は2である。
、R及びR13はそれぞれ独立して、水素又は置換若しくは非置換のアルキルである。好ましくは、水素又はアルキルである。RはRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよい。RはRと共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよい。
【0034】
式(I):
【化52】


で示される化合物において、
【化53】


で示される部分が、
【化54】


である場合、特に、以下の様態が好ましい。
【0035】
式(Ia):
【化55】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
但し、Wが−Ak−である場合、Akは単結合ではなく、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は炭素数2〜10の置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
【0036】
式(Ia)で示される化合物において、さらに好ましくは、以下の様態が挙げられる。
【0037】
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンである。但し、Wが−Ak−である場合、Akは単結合ではない。
好ましくは、−Ak−;−O−;−O−Ak−;−Ak−O−であり、
Akは、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンである。
「C1−C4アルキレン」又は「C2−C4アルケニレン」の置換基として、好ましくは、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ又はシアノである。
【0038】
は炭素数2〜10の置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルである。さらに好ましくは、炭素数2〜10の置換若しくは非置換のアルキルである。特に、炭素数2〜4のアルキルが好ましく、さらには、炭素数2のアルキルが好ましい。
【0039】
として特に好ましくは、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル、イソインドリニル、ピペリジル、ピロリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、ピリジル、キヌクリジニル、テトラヒドロキノリニル、クロメニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル又はベンゾイミダゾリルである。さらに好ましくはフェニルである。
として特に好ましくは、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアミノ(置換基としては、式:−SO−R10で示される基(式中、R10はアルキル))、置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン若しくはフェニル)、置換若しくは非置換のフェニル(置換基としては、ハロゲン、ハロアルキル若しくはアルキルオキシ)、置換若しくは非置換のアゼチジニル(置換基としては、ハロゲン)、置換若しくは非置換のピペリジル(置換基としては、ハロゲン)、置換若しくは非置換のベンゾチアゾリル(置換基としては、ハロゲン)又は式:−O−R10で示される基(式中、R10はアルキル若しくはハロアルキル)である。
その他の各記号の好ましい様態に関しては、式(I)で示される化合物における各記号の好ましい様態と同じである。
【0040】
式(I):
【化56】


で示される化合物において、
【化57】


で示される部分が、
【化58】


である場合、特に、以下の様態が好ましい。
【0041】
式(Ib):
【化59】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非置換の非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
13は水素又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。但し、以下の化合物を除く。
がフェニルである化合物、
【化60】


で示される部分が、
【化61】


から選択される構造である化合物、
【化62】


)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
【0042】
式(Ib)で示される化合物において、さらに好ましくは、以下の様態が挙げられる。
【0043】
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非置換の非芳香族複素環式基である。Rの好ましい態様としては、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、非芳香族複素環式基であり、さらに好ましくは、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、特に好ましくは、単環若しくは2環のヘテロアリール又は単環若しくは2環の非芳香族複素環式基である。但し、Rはフェニル、ピペリジル又はオクタヒドロシクロペンタ[b]ピロリルではない。
として特に好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、インダゾリル、キノリル、キノキサリニル、ベンズオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロベンゾフリル、ピペリジル、テトラヒドロフラニル、アザスピロヘプタニルである。
として特に好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、フェニル若しくはフェニルオキシ)、置換若しくは非置換のフェニル(置換基としては、ハロゲン)、モルホリノ、テトラヒドロピラニル、式:−O−R10(式中、R10はアルキル、ハロアルキル若しくはフェニル)で示される基又は式:−C(=O)−O−R10(置換基としては、フェニルアルキル)で示される基である。
【0044】
その他の各記号の好ましい様態に関しては、式(I)で示される化合物における各記号の好ましい様態と同じである。
【0045】
式(I):
【化63】


で示される化合物において、
【化64】


で示される部分が、
【化65】


である場合、特に、以下の様態が好ましい。
【0046】
式(Ic):
【化66】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非置換の非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
13は水素又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
【0047】
式(Ic)で示される化合物において、さらに好ましくは、以下の様態が挙げられる。
として特に好ましくは、置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、シアノ)、置換若しくは非置換のアミノ(置換基としてはアルキル)である。
として特に好ましくは、−Ak−;−Ak−O−Ak−であり、Akはそれぞれ独立して、単結合、C1−C4アルキレン又はC2−C4アルケニレンである。さらに好ましくは、単結合である。
として特に好ましくは、アリール、ピリジル、ピラゾリル又はアゼチジニルである。さらに好ましくは、フェニルである。
として特に好ましくは、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ若しくはシアノ)、アリール、置換若しくは非置換のモルホリノ(置換基としては、アルキル)、ピペリジノ、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、置換若しくは非置換のアゼチジニル(置換基としては、ハロゲン)、置換若しくは非置換のカルバモイル(置換基としては、アルキル)、式:−O−R10(式中、R10は置換若しくは非置換のアルキル(置換基としては、シアノ若しくはアルキルアミノ))で示される基又は式:−C(=O)−O−R10(式中、R10はアルキル)で示される基である。
その他の各記号の好ましい様態に関しては、式(I)で示される化合物における各記号の好ましい様態と同じである。
【0048】
以下に本明細書中で使用する各用語を説明する。なお、本明細書中、各用語は単独で使用されている場合も又は他の用語と一緒になって使用されている場合も、特に記載の無い限り、同一の意義を有する。
【0049】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を包含する。特にフッ素及び塩素が好ましい。
【0050】
「アルキル」とは、炭素数1〜10の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味する。炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜3のアルキル等を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
【0051】
「ハロアルキル」及び「ハロアルキルオキシ」とは、アルキル及びアルキルオキシのアルキル部分に、1〜5個(好ましくは、1〜3個)の上記「ハロゲン」が置換した基を意味する。
【0052】
「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味する。炭素数2〜8のアルケニル、炭素数3〜6のアルケニル等を包含する。例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等が挙げられる。
【0053】
「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を意味する。炭素数2〜6のアルキニル、炭素数2〜4のアルキニル等を包含する。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等が挙げられる。アルキニルは任意の位置の1以上の三重結合の他、さらに二重結合を有していてもよい。
【0054】
「C1−C4アルキレン」とは、メチレンが1〜3個連続した2価の基を包含し、具体的にはメチレン、エチレン及びトリメチレンが挙げられる。
【0055】
「C2−C4アルケニレン」とは、メチレンが2又は3個連続した2価の基であって、炭素−炭素結合の少なくとも1つが二重結合であるものを包含する。
【0056】
「シクロアルキル」とは、炭素数3〜8の環状飽和炭化水素基、及びこれらの環状飽和炭化水素基にさらに3〜8員の環が1又は2個縮合した基を意味する。炭素数3〜8の環状飽和炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチルが挙げられる。特に、炭素数3〜6のシクロアルキル、炭素数5又は6のシクロアルキルが好ましい。
炭素数3〜8の環状飽和炭化水素基に縮合する環としては、非芳香族炭素環(例えば、シクロアルカン環(例:シクロヘキサン環、シクロペンタン環等)、シクロアルケン環(例:シクロヘキセン環、シクロペンテン環)等)、非芳香族複素環(例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等)が挙げられる。なお、結合手は、炭素数3〜8の環状飽和炭化水素基から出ているものとする。
例えば、以下の基もシクロアルキルに例示され、シクロアルキルに含まれる。なお、これらの基は置換可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【化67】


【化68】


【化69】

【0057】
「シクロアルケニル」とは、炭素数3〜8個の環状不飽和脂肪族炭化水素基、及びこれらの環状不飽和脂肪族炭化水素基にさらに3〜8員の環が1又は2個縮合した基を意味する。炭素数3〜8個の環状不飽和脂肪族炭化水素基としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。特に、炭素数3〜6のシクロアルケニル、炭素数5又は6のシクロアルケニルが好ましい。
炭素数3〜8の環状不飽和脂肪族炭化水素基に縮合する環としては、炭素環(芳香族炭素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等)、非芳香族炭素環(例えば、シクロアルカン環(例:シクロヘキサン環、シクロペンタン環等)、シクロアルケン環(例:シクロヘキセン環、シクロペンテン環等)等))、複素環(芳香族複素環(ピリジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環等)、非芳香族複素環(例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等)が挙げられる。なお、結合手は、炭素数3〜8の環状不飽和脂肪族炭化水素基から出ているものとする。
例えば、以下の基もシクロアルケニルとして例示され、シクロアルケニルに含まれる。なお、これらの基は置換可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【化70】


【化71】


【化72】


【化73】

【0058】
「アリール」とは、単環又は多環の芳香族炭素環式基、及びこれらの単環又は多環の芳香族炭素環式基にさらに3〜8員の環が1又は2個縮合した基を意味する。単環又は多環の芳香族炭素環式基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルが挙げられる。特にフェニルが好ましい。
単環又は多環の芳香族炭素環式基に縮合する環としては、非芳香族炭素環(例えば、シクロアルカン環(例:シクロヘキサン環、シクロペンタン環等)、シクロアルケン環(例:シクロヘキセン環、シクロペンテン環等)等)、非芳香族複素環(例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等)が挙げられる。なお、結合手は、単環又は多環の芳香族炭素環式基から出ているものとする。
例えば、以下の基もアリールとして例示され、アリールに含まれる。なお、これらの基は置換可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【化74】


【化75】

【0059】
「ヘテロアリール」とは、O、S及びNから任意に選択されるヘテロ原子を環内に1以上有する単環又は多環の芳香族へテロ環式基、及びこれらの単環又は多環の芳香族へテロ環式基にさらに3〜8員の環が1又は2個縮合した基を意味する。
「単環の芳香族ヘテロ環式基」としては、特に5員又は6員のヘテロアリールが好ましく、例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フリル、チエニル等が挙げられる。
「多環の芳香族ヘテロ環式基」としては、特に5員又は6員の環が縮合したヘテロアリールが好ましく、例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等の2環の芳香族へテロ環式基;カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等の3環の芳香族へテロ環式基等が挙げられる。多環の芳香族へテロ環式基である場合、結合手をいずれの環に有していてもよい。
単環又は多環の芳香族へテロ環式基に縮合する環としては、非芳香族炭素環(例えば、シクロアルカン環(例:シクロヘキサン環、シクロペンタン環等)、シクロアルケン環(例:シクロヘキセン環、シクロペンテン環等)等)、非芳香族複素環(例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等)が挙げられる。なお、結合手は、単環又は多環の芳香族へテロ環式基から出ているものとする。
例えば、以下の基もヘテロアリールとして例示され、ヘテロアリールに含まれる。なお、これらの基は置換可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【化76】


【化77】

【0060】
「非芳香族複素環式基」とは、O、S及びNから任意に選択されるヘテロ原子を環内に1以上有する非芳香族へテロ環式基、及びこれらの非芳香族へテロ環式基にさらに3〜8員の環が1又は2個縮合した基を意味する。
単環の非芳香族へテロ環式基又は多環の非芳香族へテロ環式基を含有する。
「単環の非芳香族ヘテロ環式基」として、具体的には、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペラジノ、モルホリニル、モルホリノ、オキサジアジニル、ジヒドロピリジル、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、オキサゾリジル、チアゾリジル等が挙げられる。
「多環の非芳香族ヘテロ環式基」として、具体的には、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル等が挙げられる。多環の非芳香族へテロ環式基である場合、結合手をいずれの環に有していてもよい。
例えば、以下の基も非芳香族複素環式基に含まれる。
【化78】


【化79】


【化80】


【化81】

【0061】
置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。
【0062】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルケニル」、「置換アリール」、「置換ヘテロアリール」、「置換非芳香族複素環式基」、「C1−C4アルキレン」、「C2−C4アルケニレン」、「RとRが共に隣接する窒素原子と一緒になって形成する置換複素環」、「RとRが共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって形成する置換複素環」又は「炭素数2〜10の置換アルキル」の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、アミノ、カルボキシ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、非芳香族複素環式基、カルバモイル、スルファモイル、アミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基又は式:−SO−R10で示される基(ここでR10は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、非芳香族複素環式基、カルバモイル、スルファモイル又はアミジノ)が挙げられる。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
「置換若しくは非置換のシクロアルキル」、「置換若しくは非置換のシクロアルケニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基」、「RとRが共に隣接する窒素原子と一緒になって形成する置換若しくは非置換の複素環」、「RとRが共に隣接する窒素原子及び−SO−と一緒になって形成する置換若しくは非置換の複素環」は、置換可能な任意の位置がオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。
【0063】
「置換アミノ」、「置換カルバモイル」、「置換スルファモイル」、「置換アミジノ」又は「置換イミノ」の置換基としては、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、非芳香族複素環式基、カルバモイル、スルファモイル、アミジノ、式:−O−Rで示される基、式:−C(=O)−Rで示される基、式:−C(=O)−O−Rで示される基、又は式:−SO−Rで示される基(ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基)が挙げられる。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜2個、置換されていてもよい。
【0064】
本発明化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体又はそれらの混合物を含む。
【0065】
本発明化合物の一つ以上の水素、炭素及び/又は他の原子は、それぞれ水素、炭素及び/又は他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123I及び36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素及び塩素が包含される。本発明化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、本発明化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究及び/又は診断のツールとして有用である。
【0066】
本発明化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)で示されるトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下又は非存在下で、式(I)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、文書Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
【0067】
本発明化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)及びアミノ酸との塩、又は無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、及び有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
【0068】
本発明化合物又はその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)及び/又は結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物及び結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、本発明化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。本発明化合物又はその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、本発明化合物又はその製薬上許容される塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。
【0069】
本発明化合物又はその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて本発明化合物に変換される化合物、胃酸等により加水分解されて本発明化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法及び製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
【0070】
本発明化合物又はその製薬上許容される塩がヒドロキシル基を有する場合は、例えばヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライド及びミックスドアンハイドライドとを反応させることにより或いは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えばCHCOO−、CCOO−、t−BuCOO−、C1531COO−、PhCOO−、(m−NaOOCPh)COO−、NaOOCCHCHCOO−、CHCH(NH)COO−、CHN(CHCOO−、CHSO−、CHCHSO−、CFSO−、CHFSO−、CFCHSO−、p-CH-O-PhSO−、PhSO−、p-CHPhSO−が挙げられる。
【0071】
以下に、本発明化合物の一般的な製造方法を説明する。なお、本発明化合物は以下に示す合成方法以外の方法でも、有機化学の知識に基づいて、製造することができる。
【化82】


(式中、Halはハロゲン、その他の各記号は式(I)と同意義である。)
【0072】
工程1
式(II)で示される化合物からジアゾニウム塩を経由して、式(III)で示される化合物を製造する工程である。
ジアゾニウム塩は、式(II)で示される化合物と、NaNO及びHClを低温で反応させることにより、製造することができる。
反応溶媒としては、水、水とアルコール(例えば、メタノール)の混合溶媒を用いることができる。
ジアゾニウム塩の形成後、ジアゾニウム塩にハロゲン化銅(例えば、臭化銅、塩化銅、ヨウ化銅等)を反応させ、式(III)で示される化合物を製造することができる。反応は、0℃から室温で行うことができる。また、40〜60℃に加温することもできる。
【0073】
工程2
式(III)で示される化合物から、式(I)で示される化合物を製造する工程である。式(III)で示される化合物は、式(I)で示される化合物の合成中間体として有用である。
【0074】
工程2−1
反応性のアミノ基(−NH−)を有する化合物を、式(III)で示される化合物のハロゲンと反応させることにより、V、Vを含有する環にリンカー部分(−W−W−)の窒素原子が結合する式(I)で示される化合物を製造することができる。R上の置換基は、工程2−1に先立ち導入しておいてもよいし、工程2−1の後に導入してもよい。
反応溶媒として、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、2−プロパノール等を用いることができる。
反応は、室温でも行うことができる。また、反応の進行を見て、適宜加温してもよい。例えば、アセトニトリル中で100〜120℃に加温して行うことができる。
マイクロウェーブの照射下で行うことができる。
【0075】
工程2−2
工程2において、反応性のヒドロキシ基(−OH)を有する化合物を、式(III)で示される化合物のハロゲンと反応させることにより、V、Vを含有する環にリンカー部分(−W−W−)の酸素原子が結合する式(I)で示される化合物を製造することができる。R上の置換基は、工程2−2に先立ち導入しておいてもよいし、工程2−2の後に導入してもよい。
反応溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
反応は、室温でも行うことができる。また、反応の進行を見て、適宜加温してもよい。
また、触媒として、炭酸セシウム等を加えてもよい。
【0076】
上記工程1で使用する式(II)で示される化合物は、以下のように製造することができる。
【化83】



(式中、Xは−SO、Proはアミノ保護基、その他の各記号は式(I)と同意義である。)
【0077】
工程3
式(IV)で示される化合物の−S−基を酸化して、式(V)で示される化合物を製造する工程である。
酸化剤としては、mCPBA(メタクロロ過安息香酸)、KMnO(過マンガン酸カリウム)、Oxone、NaIO(過ヨウ素酸ナトリウム)、NaBO(過ホウ素酸ナトリウム)、過酸化水素等を用いることができる。
反応溶媒として、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、アセトン、水等を用いることができる。
反応は室温で行うこともできるし、また、反応の進行を見て、適宜加温してもよい。
【0078】
工程4
式(IV)で示される化合物のアミノ保護基をはずして、式(II)で示される化合物を製造する工程である。
アミノ保護基として、メトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル等を用いることができる。
脱保護条件は、保護基に応じて、適宜選択すればよい。例えば、アルカリ性条件下で保護基を脱離すればよい。
【0079】
式(I)で示される化合物は、以下のようにしても製造することができる。
【化84】


(式中、各記号は式(I)と同意義である。)
【0080】
工程5
式(VI)で示される化合物に式:
【化85】


で示される化合物を塩基存在下で反応させ、アミド化を行い、式(VII)で示される化合物を製造する工程である。
反応溶媒としては、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1−メチルピロリジン−2−オン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等を用いることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等を用いることができる。
本工程において、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル ウロニウム ヘキサフルオロリン酸 メタンアミニウム)を縮合剤として用いることができる。
【0081】
工程6
式(VII)で示される化合物を閉環させて、式(I)で示される化合物を製造する工程である。
反応溶媒として酢酸、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸等を用い、100〜150℃で行うことができる。
なお、工程5及び工程6は、式:−X−Rで示される基を有する化合物で示しているが、−S−Rで示される基を有する化合物を用いて工程5及び6と同様に反応を行い、その後に−S−を酸化してもよい。
また、R上の置換基は、工程5又は6の後に導入してもよいし、工程5に先立ち導入しておいてもよい。
式(VII)で示される化合物は、式(I)で示される化合物の合成中間体として有用である。
【0082】
式(I)で示される化合物は、以下の工程でも、製造することができる。
【化86】


(式中、Xは−SO−、Halはハロゲン、その他の各記号は式(I)と同意義である。)
【0083】
工程7
式(VIII)で示される化合物に、反応性のアミノ基(−NH−)あるいはヒドロキシル基(−OH)を有する化合物を反応させ、式(IX)で示される化合物を製造する工程である。
本工程は、工程2に準じて行うことができる。
DIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、トリエチルアミン等の存在下で行うことができる。室温でも行うことができるし、150〜200℃に加温しておこなってもよい。
反応溶媒としては、IPA(イソプロピルアルコール)、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、エタノール、1−メチルピロリジン−2−オン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
【0084】
工程8
式(IX)で示される化合物に、式:RSH(式中、Rは式(I)と同意義)で示される化合物を反応させ、式(X)で示される化合物を製造する工程である。
Pd(dba)(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、Pd(OAc)(酢酸パラジウム)、ヨウ化銅、Pd(PPh(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の存在下で行うことができる。塩基としては、DIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を用いることができる。Xantphos(キサントホス)の存在下で行うことができる。溶媒としては、DOX(ジオキサン)を用いることができる。室温でも行うことができるし、100〜120℃に加温しておこなってもよい。
本工程は、マイクロウェーブの照射下で行うことができる。
なお、式:RSH(式中、Rは式(I)と同意義)で示される化合物の代わりに、式:RSSR(式中、Rは式(I)と同意義)で示される化合物を用いることができる。
また、式:RSH(式中、Rは式(I)と同意義)で示される化合物の代わりに、式:RS(=O)O−R(例えば、Rは2−ナフチルメチル)で示される化合物を用いて、−S(=O)−を有する化合物を製造し、その後に酸化して、式(I)で示される化合物を製造することもできる。
これらの場合、反応に先立って、式(IX)の縮合環の−NH−をSEM基(2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基)で保護しておいてもよい。SEM基は、TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオライド)の存在下で過熱することにより、脱離することができる。
【0085】
工程9
式(X)で示される化合物の−S−基を酸化して、式(I)で示される化合物を製造する工程である。
本工程は、工程3に準じて行うことができる。
なお、R上の置換基は、工程7〜9のそれぞれの工程の後に導入してもよいし、工程7に先立ち導入しておいてもよい。
式(X)で示される化合物は、式(I)で示される化合物の合成中間体として有用である。
【0086】
上記工程8で使用する式(IX)で示される化合物は、以下のように製造することもできる。
【化87】


(式中、Halはハロゲン、その他の各記号は式(I)と同意義である。)
【0087】
工程10
反応性のアミノ基(−NH)を有する化合物を、式(XII)で示される化合物のカルボキシル基と反応させることにより、V、Vを含有する環にリンカー部分(−W−W−)のカルボニル基が結合する式(IX)で示される化合物を製造することができる。R上の置換基は、工程10に先立ち導入しておいてもよいし、工程10の後に導入してもよい。
反応溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等を用いることができる。
本工程において、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル ウロニウム ヘキサフルオロリン酸 メタンアミニウム)を縮合剤として用いることができる。
【0088】
このようにして得られた本発明化合物は、各種の溶媒で結晶化させて精製することができる。用いられる溶媒としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等)、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ヘキサン、ジオキサン、ジメトキシエタン、水又はそれらの混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒に加温下で溶解し、不純物を除去した後、徐々に温度を下げて、析出した固形物又は結晶を濾取すればよい。
【0089】
本発明化合物はNPY Y5の関与する疾患全般、例えば、摂食障害、肥満症、神経性食欲昂進症、性的障害、生殖障害、鬱病、癲癇発作、高血圧、脳溢血、鬱血心不全又は睡眠障害の予防及び/又は治療に有効に作用する。特に肥満症の予防及び/又は治療並びに肥満症における体重管理に有用である。また、肥満がリスクファクターとなる疾患、例えば糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、急性冠症候群等の予防及び/又は治療に対しても有効である。
さらに、本発明化合物は、NPY Y5受容体拮抗作用のみならず、医薬としての有用性を備えており、下記いずれか、あるいは全ての優れた特徴を有している。
a)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4等) に対する阻害作用が弱い。
b)高いバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示す。
c)貧血誘発作用等の毒性が低い。
d)代謝安定性が高い。
e)水溶性が高い。
f)脳移行性が高い。
g)消化管障害(例えば、出血性腸炎、消化管潰瘍、消化管出血等)を起こさない。
【0090】
さらに、本発明化合物はNPY Y1及びY2受容体に対する親和性は低く、高いY5受容体選択性を有していると考えられる。NPYは末梢で持続性の血管収縮作用を惹起するが、この作用は主としてY1受容体を介している。Y5受容体はこのような作用に全く関与しないことから、末梢血管収縮に基づく副作用を誘発する可能性は低く、高いY5受容体選択性を有していると考えられる本発明化合物を有効成分とする医薬組成物は、安全な医薬として好適に用いることが可能である。
【0091】
本発明化合物を有効成分とする医薬組成物は、摂食を抑制して抗肥満効果を示すものである。そのため、消化吸収を阻害することによって抗肥満効果を示す薬剤に見られるような消化不良等の副作用や、抗肥満効果を示すセロトニントランスポーター阻害剤のような抗鬱作用等の中枢性副作用を発現しないことは該医薬組成物の特長の一つである。
【0092】
本発明の医薬組成物を投与する場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、シロップ剤、バッカル剤又は舌下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、例えば筋肉内投与、静脈内投与等の注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等、通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。本発明に係る化合物は経口吸収性が高いため、経口剤として好適に使用できる。
【0093】
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し医薬組成物とすることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
【0094】
賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム又は結晶セルロ−ス等が挙げられる。結合剤としてはメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ゼラチン又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末又はラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウム又はマクロゴ−ル等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴ−ル又はメチルセルロ−ス等を用いることができる。また、液剤又は乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良い。経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
【0095】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、成人に経口投与する場合、通常0.05〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005〜10mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回〜数回に分けて投与すれば良い。
【0096】
本発明の医薬組成物は他の抗肥満薬(抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物、肥満症や肥満症における体重管理等に用いることのできる薬剤)と組み合わせて用いることもできる。例えば、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物を、本発明化合物と併用することにより、肥満症の予防及び/又は治療や肥満症における体重管理等に用いることができる。また、本発明化合物を含有する医薬組成物を、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物と併用することにより、肥満症の予防及び/又は治療や肥満症における体重管理等に用いることができる。また、本発明の医薬組成物の投与療法は、食事療法、薬物療法、運動等と組み合わせて用いることもできる。
【0097】
例えば、以下の方法も本発明の範囲内である。
本発明化合物、その製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と併用して、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物を投与することを特徴とする、肥満若しくは肥満関連疾患の予防若しくは治療又は肥満における体重管理の方法。
本発明化合物、その製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物の投与による予防又は治療を受けている患者に、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物を投与することを特徴とする、肥満若しくは肥満関連疾患の予防若しくは治療又は肥満における体重管理の方法。
【0098】
抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物としては、食欲抑制作用を有する化合物(フェンフルラミン及びフルオキセチン等の選択的セロトニン再取り込み阻害剤;マジンドール等)、栄養素の消化吸収抑制作用を有する化合物(糖類吸収抑制作用を有する化合物(アカルボース、ボグリボース等のα‐グルコシダーゼ阻害剤;ダパグリフロジン、レモグリフロジン、KGT−1075等のSGLT−2阻害剤等)、脂肪吸収抑制作用を有する化合物(リパーゼ阻害剤(胃リパーゼ阻害作用を有する化合物;オルリスタット、リプスタチン、パンクリシン、セチリスタット等の膵リパーゼ阻害作用を有する化合物等)、コレスチラミン、コレスチラミド等の胆汁酸吸着レジン等)、5HTトランスポーター阻害剤、NEトランスポーター阻害剤、CB−1アンタゴニスト/インバースアゴニスト、グレリンアンタゴニスト、H3アンタゴニスト/インバースアゴニスト、MCH R1アンタゴニスト、MCH R2アゴニスト/アンタゴニスト、NPY Y1受容体 アンタゴニスト、NPY Y2受容体アゴニスト、NPY Y4受容体アゴニスト、NPY Y5受容体アンタゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、レプチン、レプチンアゴニスト、レプチン誘導体、オピオイドアンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、BRS3アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、CNTF、CNTFアゴニスト、CNTF誘導体、GHSアゴニスト、5HT2Cアゴニスト、Mc4rアゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤、GLP−1アゴニスト、UCP−1、2及び3活性剤、β3アゴニスト、甲状腺ホルモンβアゴニスト、PDE阻害剤、FAS阻害剤、DGAT1阻害剤、DGAT2阻害剤、ACC2阻害剤、グルココルチコイドアンタゴニスト、アシル−エストロゲン、脂肪酸トランスポーター阻害剤、ジカルボン酸トランスポーター阻害剤等を含有する医薬組成物が挙げられる。
以下のものに限定されないが、抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物としては、例えば以下のものが挙げられる。
膵リパーゼ阻害剤:オルリスタット。
消化器官機能調節剤:6−クロロ−2−フェニル−8,8a−ジヒドロ−インデノール [1,2−d]チアゾール−3a−オール。
セロトニン2Cアゴニスト:ロルカセリン塩酸塩。
カルボキシペプチダーゼ阻害剤:式:
【化88】


で示される化合物。
GPR119アゴニスト:式:
【化89】


で示される化合物。
カンナビノイドCB1受容体拮抗剤:リモナバン塩酸塩。
ニューロキニンNK3受容体拮抗薬:リモナバン塩酸塩。
モノアミン取り込み阻害剤:シブトラミン塩酸塩。
メラニン凝集ホルモンMCH受容体(SLC−1)の選択的アンタゴニスト:式:
【化90】


で示される化合物。
ステアロイル・コエンザイムA・デサチュラーゼ−1阻害剤:式:
【化91】


で示される化合物。
ノルアドレナリン及びドパミン再取り込み阻害薬:テソフェンシン。
また、ノルアドレナリン及びドパミン再取り込み阻害薬であるブプロピオンとオピオイド受容体アンタゴニストであるナルトレキソンの配合剤、NE分泌促進作用を有するフェンタミンとGABAアゴニストであるトピラマートの配合剤等も抗肥満作用を有する化合物を含有する医薬組成物として例示される。
【実施例】
【0099】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
また、本明細書中で用いる略号は以下の意味を表す。
Me:メチル
Et:エチル
Bu:ブチル
Ph:フェニル
PPh、TPP:トリフェニルホスフィン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
TFA:トリフルオロ酢酸
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
HATU:2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル ウロニウム ヘキサフルオロリン酸 メタンアミニウム
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
IPA:2-プロパノール
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオライド
SEM:2−(トリメチルシリル)エトキシメチル
DOX:ジオキサン
Pd(dba):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
OAc:酢酸基
xantphos:キサントホス
Hunig‘s Base:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
mCPBA:メタクロロ過安息香酸
NMP:1−メチルピロリジン−2−オン
LAH:水素化リチウムアルミニウム
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
Dess−Martin Periodinane:1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン
DCM:塩化メチレン、ジクロロメタン
TEA:トリエチルアミン
DEOXOFLUOR:ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオライド
DAST:三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄
【0100】
なお、各実施例で得られたNMR分析はd6−DMSO、CDClを用いて測定した。なお、DClは重水素化塩酸である。
NMRデータ欄中にRTとあるのは、LC/MS:液体クロマトグラフィー/質量分析でのリテンションタイムを表し以下の条件で測定した。
測定条件(1):カラム:Gemini−NX (5μm、i.d.4.6x50mm)(Phenomenex)
流速:3 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有メタノール溶液
グラジェント:3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
測定条件(2):カラム:Gemini−NX (5μm、i.d.4.6x50mm)(Phenomenex)
流速:3 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は10mM炭酸アンモニウム含有水溶液、[B]はアセトニトリル
グラジェント:3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
測定条件(3):カラム:Shim−pack XR−ODS (2.2μm、i.d.50x3.0mm) (Shimadzu)
流速:1.6 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、1分間、100%溶媒[B]を維持した。
【0101】
実施例1 化合物Ia-4-1の合成
第1工程
【化92】


化合物2(307mg, 2.21mmol)に、窒素気流下でN,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)、トリエチルアミン(418ul, 3.02mmol)、化合物1(500mg, 2.01mmol)及びHATU(918mg, 2.42mmol)を加え、1時間程度攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、2Mの炭酸カリウム水溶液及び水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、化合物3 (586.4mg, 収率81.8%)を個体物として得た。
LCMS(MS、測定条件(1))=357.60 (M+H)
【0102】
第2工程
【化93】


XantPhos(16.2mg, 0.028mmol)及びPd(dba)(12.9mg, 0.014mmol)に窒素気流下で1,4−ジオキサン(1.0ml)、化合物3 (100.0mg, 0.281mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(123ul, 0.702mmol)を加えた。さらにn−プロパンチオール(32.1mg, 0.421mmol)の1,4−ジオキサン溶液(1.0ml)を加えて、マイクロウェーブ反応装置(130℃, 1時間)により反応を行なった。溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加え、水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物4(70.6mg, 収率71.6%)を得た。
LCMS(MS)=351.90 (M+H)
【0103】
第3工程
【化94】


化合物4(70mg, 0.20mmol)に塩化メチレン(1.0ml)を加えた後、氷冷下でmCPBA
(110mg, 0.44mmol)の塩化メチレン溶液(1.0m)を加え、氷冷下のまま1時間弱攪拌した。反応液に2Mの炭酸カリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。
得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物Ia-4-1 (49.4mg, 収率64.7%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.91 (t, J = 7.35 Hz, 3H), 1.56 (td, J = 14.95, 7.60 Hz, 2H), 2.98 (dt, J = 20.28, 5.83 Hz, 2H), 3.29-3.33 (m, 2H), 3.95 (t, J = 6.08 Hz, 1H), 4.55 (t, J = 5.83 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 5.53 (s, 1H), 7.19-7.31 (m, 4H), 7.78-7.87 (m, 2H), 8.20 (s, 1H), 13.73 (s, 1H).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.86
LCMS(MS)=383.9 (M+H)
【0104】
実施例2 化合物Ib-1-67の合成
第1工程
【0105】


チオカルボジイミダゾール(0.950 g, 5.33 mmol)を塩化メチレン(10 ml)に溶解させ、そこに化合物6( 1 g, 4.85 mmol)の塩化メチレン(10 ml)溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。続いて、トリエチルアミン(2.02 ml, 14.54 mmol)と化合物7 (1.18 g, 4.85 mmol)を加え、さらに17時間室温で攪拌した。その後、エバポレーターにて溶媒を減圧下留去し、そこへテトラヒドロフラン (10 ml), 水酸化リチウム一水和物(0.305 g, 7.27 mmol)を加え、最後に30% 過酸化水素水 (0.743 ml, 7.27 mmol)をゆっくり滴下し、室温で1時間半攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた粗生成物をクロロホルムと酢酸エチルで溶解させ、そこへヘキサンを加え、析出した白色固体をろ取することで化合物8 (1.20 g, 収率 58.9%)を得た。
LCMS(MS)=421.90 (M+H)
【0106】
第2工程
【化95】


化合物8 (600mg, 1.428 mmol)をテトラヒドロフラン (10 ml)に溶解させ、水素化ナトリウム(74.2mg, 1.856 mmol)、SEMCl (329 mg, 1.856 mmol)を加え、室温で17時間攪拌した。反応液に水を加えた後、有機層を酢酸エチルで2度抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、化合物9を粗生成物として定量的に得た。得られた化合物9のうち500mg (0.790 mmol)をジオキサン(3.3 ml)、Pd(dba)(36.2mg, 0.040 mmol)、xantphos(45.7mg, 0.079 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.345 ml, 1.975 mmol)、エタンチオール(0.064ml, 0.869 mmol)を加えて密封し、マイクロウェーブで130℃,40分間照射した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物10 (352mg, 収率83.8%)を透明なオイルで得た。
LCMS(MS)=532.20 (M+H)
【0107】
第3工程
【化96】


化合物10 (352mg, 0.662 mmol)に塩化メチレン(5 ml)、 メタクロロ過安息香酸(166mg, 0.662 mmol)を加え、室温で攪拌し、10分後にさらにメタクロロ過安息香酸(182mg, 0.728 mmol)を加えて室温で1時間程攪拌した。反応液に水と飽和重曹水を加えた後、クロロホルムで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に、酢酸エチル(4.0 ml)、 0.4 M重亜硫酸ナトリウム水溶液(4 ml)、28%アンモニア水(0.5 ml)を加え、室温にて15分間攪拌後、酢酸エチルを加え2度抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣に再度塩化メチレン(5 ml)とメタクロロ過安息香酸(300mg, 1.20 mmol)を加え、10分攪拌後、飽和重曹水を加えて酢酸エチルで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に、テトラヒドロフラン(4 ml)、0.4M重亜硫酸ナトリウム水溶液(4 ml)、28%アンモニア水(0.5 ml)を加え、3時間半攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。これにより化合物11 (325 mg, 収率87.1%)を白色固体で得た。
LCMS(MS)=564.25 (M+H)
【0108】
第4工程
【化97】


化合物11(40.0mg, 0.071 mmol)に塩化メチレン(1.0 ml)とトリフルオロ酢酸(0.20 ml, 2.60 mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液に2mol/L 水酸化ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンにて2度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物Ib-1-67を白色固体 (19.4 mg, 収率63.1%)として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.29 (9H, m), 2.42 (2H, t, J = 11.2 Hz), 3.33 (2H, q, J = 7.4 Hz), 3.43 (2H, d, J = 10.7 Hz), 3.82 (2H, t, J = 7.4 Hz), 6.96 (3H, d, J = 8.6 Hz), 7.21 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.47 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.97 (1H, d, J = 6.1 Hz)
【0109】
実施例3 化合物Ic-2-65の合成
第1工程
【化98】


21%ナトリウムエトキシドのエタノール溶液(0.581 ml, 1.556 mmol)に化合物13(200mg, 1.556 mmol)とN−メチルピロリジン-2-オン(2 ml)を加え、マイクロウェーブにて120℃で40分間照射した後、さらに150℃で1時間半照射した。反応液に水を加えて酢酸エチルで2度抽出した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の非晶質である化合物14(106mg, 収率49.3%)を得た。
LCMS(MS)=138.90 (M+H)
【0110】
第2工程
【化99】


チオカルボニルジイミダゾール(163 mg, 0.915 mmol)にアセトニトリル(3 ml)、化合物14 (105mg, 0.760 mmol)を加え、トリエチルアミン (0.136ml, 0.982 mmol)を加え、室温で9時間程攪拌した。続いてこの反応液の3分の1を用いトリエチルアミン(0.045 ml, 0.325 mmol)、 アセトニトリル(3 ml)、化合物15 (40mg, 0.164 mmol)を加え、室温で28時間攪拌した。反応液に蒸留水を加えてクロロホルムで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物Ic-2-65を(13.0 mg, 収率20.3%)を白色固体で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.40-1.43 (12H, m), 4.38 (2H, q, J = 7.1 Hz), 6.26 (1H, s), 7.02-7.06 (2H, m), 7.16 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.44 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.57 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.08 (1H, d, J = 5.6 Hz)
LCMS(RT、測定条件(3))=1.47
LCMS(MS) =391.00 (M+H)
【0111】
実施例4 化合物Ia-5-19の合成
第1工程
【化100】


化合物18(1.36 g, 3.63 mmol)をDMF(14 ml)に溶解させ、化合物17(621 mg, 3.63 mmol)を加えた後、炭酸セシウム (1.77g, 5.44 mmol) を加え、3時間、50℃で攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水による洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物19(1.70 g, 収率92%)を得た。
LCMS(MS)=510.00 (M+H)
【0112】
第2工程
【化101】


第1工程で得られた化合物19(1.50 g, 2.94 mmol)を塩化メチレン(10 ml)に溶解させた後、トリフルオロ酢酸 (10 ml) を加え3時間、室温下で攪拌した。その後、メタノール (5 ml) を加え30分間、室温下で攪拌した。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水による洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。最後に、再結晶による精製を行うことで化合物Ia-5-19 (816 mg, 収率73%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.23-1.29 (3.0H,m), 3.10-3.18 (2.0H, m), 7.35-8.09 (10.0H, m), 8.75 (1.0H, d, J = 2.03 Hz), 10.36 (1.0H, m).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.59
LCMS(MS)=379.9 (M+H)
【0113】
実施例5 化合物Ia-5-14の合成
第1工程
【化102】


化合物21(500 mg, 5.74 mmol)をアセトニトリル(1.0 ml)に溶解させ、ヨードベンゼン(0.64 ml, 5.74 mmol)、ヨウ化銅 (109 mg, 0.57 mmol)、炭酸セシウム (2.81 g, 8.61 mmol) を加え、27時間、室温下で攪拌した。その後、反応混合物をセイラトを用いてろ過し、ろ液を濃縮した。その後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物22(192 mg, 収率21%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.07-2.09 (1.0H, m), 2.14-2.22 (1.0H, m), 3.27-3.29 (1.0H, m), 3.32-3.38 (1.0H, td, J = 8.87, 3.72 Hz), 3.48-3.53 (2.0H, m), 4.60 (1.0H, br-s), 6.58 (2.0H, d, J = 8.11 Hz), 6.70 (1.0H, t, J = 7.35 Hz), 7.22-7.26 (2.0H, m).
【0114】
第2工程
【化103】


化合物22(19.6 mg, 0.12 mmol)をDMF(1 ml)に溶解させ、水素化ナトリウム(6.4 mg, 0.16 mmol)を加えた後、室温下、10分間攪拌した。その後、化合物18(30.0 mg, 0.08 mmol) をDMF(1 ml)に溶解させた溶液を加え、室温下、1.5時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水による洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより簡易精製した。
次に、先に合成した化合物をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオライド・1水和物(223 mg, 0.799 mmol)を加え、80℃にて2.5時間攪拌した。その後、反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物Ia-5-14(19.5 mg, 収率66%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.26 (3.0H, t, J = 7.60 Hz), 2.45 (2.0H, m), 3.14 (2.0H, q, J = 7.44 Hz), 3.49-3.56 (2.0H, m), 3.66 (1.0H, m), 3.79 (1.0H, dd, J = 11.66, 4.56 Hz), 5.84 (1.0H, br-s), 6.61 (2.0H, d, J = 8.11 Hz), 6.73 (1.0H, t, J = 7.35 Hz), 7.25 (3.0H, m).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.87
LCMS(MS)=372.0 (M+H)
【0115】
実施例6 化合物Ia-5-16の合成
第1工程
【化104】


化合物24(100 mg, 0.575 mmol)をジオキサン(1.0 ml)に溶解させ、化合物25 (99.0 mg, 0.69 mmol)、化合物26(26.8 mg, 0.057 mmol)、Pd(dba) (26.3 mg, 0.029 mmol)、t−BuONa(166mg, 1.72 mmol)を加え、120℃の条件下、30分間マイクロウェーブを照射した。その後、反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物27(78.6 mg, 収率68%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.42-2.49 (2.0H, m), 3.63 (2.0H, t, J = 7.10 Hz), 3.76 (2.0H, t, J = 12.93 Hz), 5.73 (1.0H, d, J = 2.03 Hz), 6.17 (1.0H, dd, J = 6.59, 2.03 Hz), 7.63 (1.0H, d, J = 6.59 Hz).
【0116】
第2工程
【化105】


化合物18(30.0 mg, 0.08 mmol)をDMF(2 ml)に溶解させ、化合物27(16.0 mg, 0.08 mmol)を加えた後、炭酸セシウム (39.1mg, 0.12 mmol) を加え、4時間、50℃で攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水による洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物28(44.4 mg, 収率103%)を得た。
LCMS(MS)=539.10 (M+H)
【0117】
第3工程
【化106】


化合物28(44.4 mg, 0.082 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオライド・1水和物(230 mg, 0.824 mmol)を加え、50℃にて5時間攪拌した。その後、反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物Ia-5-16(20.2 mg, 収率60%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.28 (3.0H, t, J = 7.10 Hz), 2.45-2.55 (2.0H, m), 3.15 (2.0H, br-s), 3.69 (2.0H, t, J = 7.10 Hz), 3.86 (2.0H, t, J = 12.93 Hz), 6.48-6.72 (2.0H, m), 7.47-8.22 (4.0H, m), 9.47 (1.0H, m).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.17
LCMS(MS)=408.9 (M+H)
【0118】
実施例7 化合物Ib-2-22の合成
第1工程
【化107】


化合物30(1000 mg, 10.4 mmol)をトルエン(10 ml)に溶解させ、炭酸セシウム (3390 mg, 10.4 mmol)、化合物31(2540mg, 20.8mmol)、トリフェニルホスフィン(273mg, 1.04mmol)、酢酸パラジウム(117mg, 0.52mmol)、クロロホルム(124mg、1.04mmol)を加えた100℃で9時間還流を行った。不溶物をセライトろ過し、ろ液を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し化合物32(1430mg, 収率79%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.02-2.05 (1H, m), 2.23-2.35 (2H, m), 2.41-2.46 (1H, m), 2.63 (1H, t, J = 10.0 Hz), 2.95-3.02 (1H, m), 7.22-7.31 (5H, m).
【0119】
第2工程
【化108】


ヒドロキシアミン(50%水溶液, 1190mg)のメタノール(2ml)と水(5ml)の溶液に第1工程で得られた化合物32(1430 mg, 8.21 mmol)のメタノール溶液(20ml)を加えた。そこに炭酸カリウム(1130mg, 8.21mmol)の水溶液(5ml)を加え、室温で1.5時間攪拌した。メタノールを減圧下留去し水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、留去し、化合物33(1490mg, 収率96%)を得た。
LCMS(MS)=189.95 (M+H)
【0120】
第3工程
【化109】


第2工程で得られた化合物33(1490mg, 7.87mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解させ、0℃で水素化リチウムアルミニウムを加えた。室温に昇温し、2時間攪拌した。硫酸ナトリウム10水和物を注意深く加え、室温で2時間攪拌した。不溶物を濾別し、ろ液を留去することで化合物34(1160mg, 収率84%)を得た。
LCMS(MS)=176.00 (M+H)
【0121】
第4工程
【化110】


化合物35(100mg, 0.407mmol)をイソプロパノール(2ml)に溶解させ、第3工程で得られた化合物34(214mg, 1.22mmol)を加え、マイクロウェーブを100℃で30分間照射させた。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物Ib-2-22(25.7mg, 収率16%)を得た。
LCMS(RT、測定条件(3))=2.21
LCMS(MS)=385.00 (M+H)
【0122】
実施例8 化合物Ia-1-10、化合物Ia-1-12の合成
第1工程
【化111】


化合物37 (200 mg, 0.817 mmol) 及び2-(メチルアミノ)-1-フェニルエタノール (124 mg, 0.817 mmol) を2−プロパノール (4.0 ml) に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン (171 ul, 0.981 mmol) を加え、マイクロウェーブ反応装置(180℃, 30分間)により反応を行なった。反応液中に水と飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物Ia-1-10(205.8 mg, 収率70.1%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.08 (3H, t, J = 6.84 Hz), 3.09 (3H, s), 3.19 (2H, m), 3.62 (2H, m), 4.95 (1H, q, J = 4.56 Hz), 5.62 (1H, dd, J = 10.00, 5.00 Hz), 7.27 (1H, m), 7.34-7.42 (6H, m), 7.54, 7.59 (1H, ds), 11.54, 11.66 (1H, ds).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.1
LCMS(MS)=359.95 (M+H)
【0123】
第2工程
【化112】


第1工程で得られた化合物38 (100 mg, 0.278 mmol) を塩化メチレン (1 ml) に溶解させ、DMP(128mg,0.292 mmol)を加えた後、1時間、室温で攪拌した。反応液中に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物Ia-1-12 (80.2 mg, 収率80.7%) を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.19 (3H, t, J = 7.60 Hz), 3.05 (2H, q, J = 7.44 Hz), 3.21 (3H, s), 5.01 (2H, s), 7.25-7.28 (1H, br m), 7.38-7.54 (4H, m), 7.69 (1H, s), 7.88 (2H, d, J = 7.10 Hz).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.02
LCMS(MS)=357.95 (M+H)
【0124】
実施例9 化合物Ia-6-22の合成
第1工程
【化113】


化合物40 (5 g, 21.36 mmol)をTHF (40 ml) に溶解させ、水素化ナトリウム(1.0 g, 25.6 mmol)をゆっくり加えた後、1時間、室温で攪拌した。臭化アリル(2.2 ml, 25.6 mmol) を滴下した後、室温で一晩攪拌した。反応液中に水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、化合物41 (6.19 g, 収率105.7%) を得た。得られた化合物は精製する事無く次反応に使用した。
【0125】
第2工程
【化114】


第1工程で得られた化合物41 (1 g, 3.65 mmol) をアセトニトリル (5 ml) に溶解させた後、酢酸パラジウム (41 mg, 0.182 mmol)、トリフェニルホスフィン (96 mg, 0.365 mmol) 及びトリエチルアミン (3 ml) を加え、窒素気流下、3時間、80℃で攪拌した。反応液中に1 mol/L塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、化合物42(1.03 g, 収率129.0%) を得た。得られた化合物は精製する事無く次反応に使用した。
【0126】
第3工程
【化115】


第2工程で得られた化合物42(1 g, 6.84 mmol) をテトラヒドロフラン (25 ml) に溶解させた後、1M ボラン−テトラヒドロフラン 錯体 (3.42 ml, 3.42 mmol) を滴下し、3時間、室温で攪拌した。反応液中に3M 水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、次いで30% 過酸化水素水を滴下後、室温で一晩攪拌した。飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、化合物43 (1.01 g, 収率90.3%) を得た。得られた化合物は精製する事無く次反応に使用した。
【0127】
第4工程
【化116】


第3工程で得られた化合物43 (131 mg, 0.800 mmol) をN,N−ジメチルホルムアミド (1 ml) に溶解させた後、化合物18 (100 mg, 0.267 mmol) を加え溶解した。水素化ナトリウム (21.3 mg, 0.533 mmol) をゆっくり加え、3時間、室温で攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を逆層クロマトグラフィーにより精製し、化合物44 (33.1 mg, 収率24.7%) を得た。
LCMS(MS)=503.15 (M+H)
【0128】
第5工程
【化117】


第4工程で得られた化合物44 (33.1 mg, 0.066 mmol)をテトラヒドロフラン (2 ml) に溶解させた後、テトラブチルアンモニウムフルオライド (138 mg, 0.527 mmol) を加え、5時間、50℃ で攪拌した。テトラブチルアンモニウムフルオライド (138 mg, 0.527 mmol) をさらに加え、1時間、50℃ で攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をアミノシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物Ia-6-22 (14.3 mg, 収率58.3%) を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.08 (3H, t, J = 7.35 Hz), 3.24 (2H, q, J = 7.27 Hz), 3.86 (1H, dd, J = 11.66, 3.55 Hz), 4.11 (1H, dd, J = 11.66, 2.53 Hz), 4.67-4.74 (4H, m), 5.56 (1H, s), 7.10 (1H, dd, J = 4.56, 2.28 Hz), 7.25 (2H, dd, J = 5.83, 3.30 Hz), 7.38-7.42 (2H, m), 7.52-7.58 (2H, m), 7.78 (1H, s).
LCMS(RT、測定条件(3))=1.65
LCMS(MS)=372.95 (M+H)
【0129】
実施例10 化合物Ia-5-20の合成
第1工程
【化118】


化合物46 (1 g, 4.97 mmol) 及び酢酸銅 (903 mg, 4.97 mmol) をジメチルスルホキシド (10 ml) に溶解させ、ヨウ化ベンゼン (834 ul, 7.45 mmol) 及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン (1.5 ml, 9.94 mmol) を加えた後、マイクロウェーブ反応装置 (130℃, 30分間) により反応を行なった。反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。塩化メチレンを加え、不溶物をろ去し、溶媒を減圧下留去後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物47 (356.3 mg, 収率25.9%) を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 5.14 (2H, s), 5.98 (1H, d, J = 3.04 Hz), 6.10 (1H, dd, J = 7.60, 2.53 Hz), 7.34-7.49 (10H, m), 7.56 (1H, d, J = 7.60 Hz).
【0130】
第2工程
【化119】


第1工程で得られた化合物47 (356.3 mg, 1.285 mmol) をメタノール (5 ml) 及びテトラヒドロフラン (5 ml) に溶解させた後、50%パラジウム炭素 (35.5 mg, 0.167 mmol) を加え、水素雰囲気下、一晩、攪拌した。反応液をセライトろ過後、溶媒を減圧下留去し、化合物48 (241.4 mg, 収率100%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 5.65 (1H, d, J = 2.53 Hz), 5.96 (1H, dd, J = 7.60, 2.53 Hz), 7.33 (2H, m), 7.41 (1H, m), 7.48 (3H, m), 10.75 (1H, br s).
【0131】
第3工程
【化120】


第2工程で得られた化合物48 (100 mg, 0.533 mmol)、化合物18 (100 mg, 0.267 mmol) 及び炭酸セシウム (174 mg, 0.533 mmol) をN,N−ジメチルホルムアミド (2 ml) に溶解させ、3時間、50℃で攪拌した。さらに4時間、80℃で攪拌後、反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し、化合物49 (126.0 mg, 収率89.9%) を得た。得られた化合物は精製する事無く次反応に使用した。
【0132】
第4工程
【化121】


第3工程で得られた化合物49 (44 mg, 0.084 mmol) を塩化メチレン (1 ml) に溶解させた後、トリフルオロ酢酸 (1 ml) を加え、一晩、室温で攪拌した。反応液中に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣を逆層クロマトグラフィーにより精製し、ジイソプロピルエーテルより再結晶することにより、化合物Ia-5-20 (3.5 mg, 収率10.6%) を得た。
LCMS(RT、測定条件(3))=1.34
LCMS(MS)=395.90 (M+H)
【0133】
実施例11 化合物Ia-3-1、化合物Ia-4-8、化合物Ia-3-23の合成
第1工程
【化122】


化合物52 (330 mg, 1.498 mmol)をDMF (3 ml)に溶解させ、HATU (627 mg, 1.648 mmol)を加えた後、トリエチルアミン (311 μl, 2.247 mmol) を滴下し、2分間、室温で攪拌した。これを化合物51(300 mg, 1.498 mmol)のDMF (3 mL)溶液に滴下し、室温で7時間攪拌した。反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで化合物53を得た。これ以上の精製はせずに第2工程の反応に用いた。
【0134】
第2工程
【化123】


第1工程で得られた化合物53 (603 mg, 1.499 mmol)を酢酸(5 ml)に溶解させた後、1時間、加熱還流下で攪拌した。溶媒を減圧留去した後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物Ia-3-1(332 mg, 2工程収率58%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.08 (3H, t, J = 7.4 Hz), 3.26 (2H, q, J = 7.3 Hz), 4.30 (2H, s), 7.34 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.65-7.69 (2H, m), 8.02 (1H, s), 12.88 (1H, s).
【0135】
第3工程
【化124】


化合物Ia-3-1 (100 mg, 0.260 mmol)と二酸化セレン(87 mg, 0.780 mmol)の混合物をジオキサン(4 ml)中、80℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルより再結晶することで化合物Ia-4-8(86 mg, 収率83%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.12 (3H, t, J = 7.4 Hz), 3.37-3.38 (2H, m), 7.64 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.86-7.88 (2H, m), 8.69-8.71 (2H, m), 14.09 (1H, s).
【0136】
第4工程
【化125】


化合物Ia-4-8 (55 mg, 0.138 mmol)を塩化メチレン(3 ml)に懸濁させ、DEOXOFLUOR (305 mg, 1.381 mmol)を滴下し、40分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルより再結晶することで化合物Ia-3-23 (30 mg, 収率52%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.09 (3H, t, J = 7.4 Hz), 3.29-3.32 (2H, m), 7.57-7.59 (2H, m), 7.80-7.88 (4H, m), 8.18 (1H, s), 14.15 (1H, s).
【0137】
実施例12 化合物Ia-6-16の合成
第1工程
【化126】


マグネシウム(417 mg, 17.14 mmol) を減圧下、加熱した後、室温でジエチルエーテル (10 ml) を加え、攪拌した。ここに化合物64 (1 g, 5.71 mmol)と微量のヨウ素を加え、室温で2時間攪拌した。これを−78℃に冷却したシュウ酸ジエチル (2.341 ml, 17.14 mmol) のジエチルエーテル(10 ml) 溶液に滴下し、1時間攪拌した。
反応混合物に塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩酸水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物65 (495 mg, 収率44%)を得た。
【0138】
第2工程
【化127】


化合物65 (460 mg, 2.345 mmol)を塩化メチレン(2 ml)に溶解し、氷冷下、DAST(929 μl, 7.03 mmol)を滴下し、60℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物66 (268 mg, 収率52%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.23 (3H, t, J = 7.1 Hz), 4.32 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.39-7.41 (2H, m), 7.65-7.69 (2H, m).
【0139】
第3工程
【化128】


化合物66 (260 mg, 1.192 mmol) をエタノール (5 ml)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(63 mg, 1.668 mmol) を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物にクエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物67 (157 mg,収率75%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.83-3.86 (2H, m), 5.63 (1H, t, J = 6.3 Hz), 7.31-7.33 (2H, m), 7.57-7.59 (2H, m).
【0140】
第4工程
【化129】


化合物67 (45 mg, 0.258 mmol) をDMF (5 ml)に溶解させ、水素化ナトリウム (10 mg, 0.258 mmol) を氷冷下加え、室温で30分間攪拌した後、化合物68 (90 mg, 0.215 mmol) を加え、室温で30分間攪拌した。反応液中に水を加え、析出した結晶をろ取することで化合物69 (111 mg)を得た。
【0141】
第5工程
【化130】


第4工程で得られた化合物69 (110 mg, 0.214 mmol)をTHF (5 ml)に溶解させた後、TBAF (279 mg, 1.069 mmol)を加え、加熱還流下で2時間攪拌した。反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサンとジイソプロピルエーテルより再結晶することで化合物Ia-6-16 (43 mg, 収率52%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.03-1.09 (3H, m), 3.25 (2H, q, J = 7.4 Hz), 5.12-5.19 (2H, m), 7.40 (2H, t, J = 8.9 Hz), 7.55-7.61 (2H, m), 7.74-7.83 (3H, m), 12.75-12.83 (1H, m).
【0142】
実施例13 化合物Ia-6-18の合成
第1工程
【化131】


化合物71 (500 mg, 3.08 mmol) をTHF (10 ml)に溶解させ、トリエチルアミン(513 μl, 3.70 mmol) を加えた後、氷冷下、クロロギ酸イソブチル (486 μl, 3.70 mmol) を滴下した。これを、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム (140 mg, 3.70 mmol) のエタノール (5 ml) 溶液に滴下し、室温で15時間攪拌した。反応液中にクエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで化合物72 (371 mg,収率81%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.70-0.71 (2H, m), 0.82-0.83 (2H, m), 3.52 (2H, d, J = 5.6 Hz), 4.63 (1H, t, J = 5.6 Hz), 7.14-7.18 (1H, m), 7.24-7.31 (4H, m).
【0143】
第2工程
【化132】


化合物72 (47 mg, 0.320 mmol) をDMF (3 ml)に溶解させ、水素化ナトリウム (13 mg, 0.320 mmol) を氷冷下加え、室温で30分間攪拌した後、化合物18 (100 mg, 0.267 mmol) を加え、室温で2時間攪拌した。反応液中にクエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで化合物73を得た。これ以上の精製はせずに第3工程の反応に用いた。
【0144】
第3工程
【化133】


第2工程で得られた化合物73 (130 mg, 0.214 mmol)をTHF (5 ml)に溶解させた後、TBAF (349 mg, 1.336 mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。反応液中に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水と飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物Ia-6-18 (54 mg, 2工程収率57%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.98-1.18 (7H, m), 3.23 (2H, q, J = 7.3 Hz), 4.67 (2H, s), 7.18-7.22 (1H, m), 7.32-7.36 (4H, m), 7.48-7.54 (2H, m), 7.73 (1H, s), 12.46 (1H, s).
【0145】
実施例14 化合物Ia-5-45の合成
第1工程
【化134】


3−(トリフルオロメトキシ)フェノール(5.32g, 29.9 mmol)をDMF(100 ml)に溶解させ、炭酸セシウム(16.2 g, 49.8 mmol)、化合物75 (9.0 g, 24.9 mmol)を添加し、80℃で3時間過熱攪拌した。反応液に水とジエチルエーテルを加えて、分液、抽出、有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物76 (12.0 g, 収率73%)を得た。
LCMS(MS)=504.8 (M+H)
【0146】
第2工程
【化135】


化合物76 (200 mg, 0.397 mmol)のトルエン溶液(10 ml)に、2−メチルプロパン−2−スルホンアミド (82 mg, 0.596 mmol)、Pd(dba) (36.4 mg, 0.040 mmol)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル (35.6 mg, 0.119 mmol)、t−BuONa (95 mg, 0.993 mmol)を添加し、過熱還流下4時間攪拌した。反応液に水とジエチルエーテルを加えて、分液、抽出、有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物77(195 mg, 収率87%)を得た。
LCMS(MS)=560.1 (M+H)
【0147】
第3工程
【化136】


化合物78 (90 mg, 0.161 mmol)のテトラヒドロフラン (2.0 ml)溶液に、1Mテトラブチルアンモニウムフルオライド テトラヒドロフラン溶液 (1.6 ml)を添加。過熱還流下4時間攪拌した。反応液に水とジエチルエーテルを加えて、分液、抽出、有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで化合物Ia-5-45 (57.2 mg, 収率 83%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.40 (s, 9H), 7.07-7.11 (m, 3H), 7.27-7.49 (m, 6H).
LCMS(RT、測定条件(3))=2.00
LCMS(MS)=430.4 (M+H)
【0148】
上記実施例に従い、以下の化合物を合成した。なお、表中のRacはラセミ体を意味し、Absは光学活性体を意味する。構造式中のMeはメチル、Etはエチル、Phは、フェニル、Bnは、ベンジルである。
【0149】
【表1】

【0150】
【表2】


【0151】
【表3】

【0152】
【表4】

【0153】
【表5】

【0154】
【表6】

【0155】
【表7】

【0156】
【表8】

【0157】
【表9】

【0158】
【表10】

【0159】
【表11】

【0160】
【表12】

【0161】
【表13】

【0162】
【表14】

【0163】
【表15】

【0164】
【表16】

【0165】
【表17】

【0166】
【表18】

【0167】
【表19】

【0168】
【表20】

【0169】
【表21】

【0170】
【表22】

【0171】
【表23】

【0172】
【表24】

【0173】
【表25】

【0174】
【表26】

【0175】
【表27】

【0176】
【表28】

【0177】
【表29】

【0178】
【表30】

【0179】
【表31】

【0180】
【表32】

【0181】
【表33】

【0182】
【表34】

【0183】
【表35】

【0184】
【表36】

【0185】
【表37】

【0186】
【表38】

【0187】
【表39】

【0188】
【表40】

【0189】
【表41】

【0190】
【表42】

【0191】
【表43】

【0192】
【表44】

【0193】
【表45】

【0194】
【表46】

【0195】
【表47】

【0196】
【表48】

【0197】
【表49】

【0198】
【表50】

【0199】
【表51】

【0200】
【表52】


【0201】
【表53】

【0202】
【表54】

【0203】
【表55】

【0204】
【表56】

【0205】
【表57】

【0206】
【表58】

【0207】
【表59】

【0208】
【表60】

【0209】
【表61】

【0210】
【表62】

【0211】
【表63】

【0212】
【表64】

【0213】
【表65】

【0214】
【表66】

【0215】
【表67】

【0216】
【表68】

【0217】
【表69】

【0218】
【表70】

【0219】
【表71】

【0220】
【表72】

【0221】
【表73】

【0222】
【表74】

【0223】
【表75】

【0224】
【表76】

【0225】
【表77】

【0226】
【表78】

【0227】
【表79】

【0228】
また、上記実施例に従い、以下の化合物を合成することができる。なお、構造式中のRacはラセミ体を意味する。構造式中のPhは、フェニルである。
【化137】


【化138】


【化139】


【化140】


【化141】

【0229】
本発明化合物である、式(I):
【化142】


で示される化合物における各置換基について、以下に例示する。
【0230】
本発明化合物におけるY、Y、Yの組合せの例としては、以下の表80に記載の組合せを挙げることができる。
【0231】
【表80】

【0232】
本発明化合物におけるR、Xの組合せの例としては、以下の表81及び82に記載の組合せを挙げることができる。
【0233】
【表81】

【0234】
【表82】

【0235】
本発明化合物におけるV、V、W、Wの組合せの例としては、以下の表83及び84に記載の組合せを挙げることができる。
【0236】
【表83】

【0237】
【表84】

【0238】
本発明化合物におけるRの例としては、以下の表85に記載の例を挙げることができる。
【0239】
【表85】

【0240】
本発明化合物におけるRの例としては、以下の表86に記載の組合せを挙げることができる。
【0241】
【表86】

【0242】
上記A群、B群、C群、D群及びE群から任意に選択した組み合わせによりできる個々の化合物もすべて本発明に含まれる。
【0243】
以下に、本発明化合物の生物試験例を記載する。
試験例1 マウスNPY Y5受容体に対する親和性
マウスNPY Y5受容体をコードするcDNA配列(Biochim. Biophys. Acta 1328: 83−89, 1997参照)を、発現ベクター pME18S(Takebe et al. Mol. Cell. Biol. 8, 466−472)にクローニングした。得られた発現ベクターを、LipofectAMINE試薬(商標、インビトロジェン社)を用いて、使用説明書にしたがって宿主細胞CHOにトランスフェクションし、NPY Y5受容体安定発現細胞を得た。
マウスNPY Y5受容体を発現させたCHO細胞から調製した膜標品を、本発明に係る化合物及び30,000cpmの[125I]ペプタイドYY(終濃度60pM:GE ヘルスケア社製)とともに、アッセイ緩衝液(0.1% 牛血清アルブミンを含む20mM HEPES−Hanks緩衝液、pH7.4)中で、25℃、2時間インキュベーションした後、1% ポリエチレンイミン処理したグラスフィルターGF/Cにて濾過した。50mM Tris−HCl緩衝液、pH7.4にて洗浄後、ガンマカウンターにてグラスフィルター上の放射活性を求めた。非特異的結合は200nMペプタイドYY存在下で測定し、特異的ペプタイドYY結合に対する被検化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求めた[Inui, A. et al. Endocrinology 131, 2090−2096(1992)参照]。結果を表28に示す。
本発明に係る化合物は、マウスNPY Y5受容体に対するペプタイドYY(NPYと同族物質)の結合を阻害した。即ち本化合物は、マウスNPY Y5受容体に対して親和性を示した。
【表87】

【0244】
試験例2 ヒトNPY Y5受容体に対する親和性
ヒトNPY Y5受容体をコードするcDNA配列(WO96/16542号参照)を、発現ベクター pME18S(Takebe et al. Mol. Cell. Biol. 8, 466−472)にクローニングする。得られた発現ベクターを、LipofectAMINE試薬(商標、インビトロジェン社)を用いて、使用説明書にしたがって宿主細胞CHOにトランスフェクションし、NPY Y5受容体安定発現細胞を得る。
ヒトNPY Y5受容体を発現させたCHO細胞から調製した膜標品を、本発明に係る化合物及び30,000cpmの[125I]ペプタイドYY(終濃度60pM:GE ヘルスケア社製)とともに、アッセイ緩衝液(0.1% 牛血清アルブミンを含む20 mM HEPES−Hanks緩衝液、pH7.4)中で、25℃、2時間インキュベーションした後、1%ポリエチレンイミン処理したグラスフィルターGF/Cにて濾過する。50mM Tris−HCl緩衝液、pH7.4にて洗浄後、ガンマカウンターにてグラスフィルター上の放射活性を求める。非特異的結合は200 nMペプタイドYY存在下で測定し、特異的ペプタイドYY結合に対する被検化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求める[Inui, A. et al. Endocrinology 131, 2090−2096(1992)参照]。
【0245】
試験例3 ラット脳移行性評価
カセットドージング法(Drug.Metab.Dispos.(2001); 29, 957−966参照)を用いて、ラット(Crl;CD(SD), ♂, 8weeks)への静脈内投与(0.5mg/mL/kg)30分後の血漿及び脳内濃度から、脳移行性(脳/血漿分配係数;Kp)を評価した。
その結果、本発明化合物は、良好な脳移行性を示した。例えば、化合物Ia−5−29は脳Kp:0.93であった。
【0246】
試験例4 マウス脳移行性評価
カセットドージング法(Drug.Metab.Dispos.(2001); 29, 957−966参照)を用いて、マウス(Jcl;C57BL/6J, ♂, 8weeks)への経口投与(2mg/10mL/kg)3時間又は5時間後の血漿及び脳内濃度から、脳移行性(脳/血漿分配係数;Kp)を評価することができる。
【0247】
試験例5 ラットにおける薬物動態評価
カセットドージング法を用いて、ラット(Crl;CD(SD), ♂, 8weeks)静脈内投与(0.5mg/mL/kg)後の血漿中濃度推移から、半減期(t1/2)及び全身クリアランス(CLtot)を評価した。その結果、本発明化合物は、高いバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示した。
【0248】
試験例6 CHO細胞におけるcAMP生成抑制作用
ヒトNPY Y5受容体を発現させたCHO細胞を、2.5mMイソブチルメチルキサンチン(SIGMA社)存在下で37℃、20分間インキュベーションした後、本発明に係る化合物を添加し5分間インキュベーションし、その後50nMNPY及び10μMフォルスコリン(Sigma社)を加えて30分間インキュベーションした。1N HClを添加して反応を停止した後、上清中のcAMP量をEIA kit(Amersham LIFE SIENCE社製)を用いて測定した。フォルスコリン刺激によるcAMP生成に対するNPYの抑制作用を100%とし、このNPY作用に対する本発明に係る化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求めた。
結果を以下に示す。
化合物Ia−1−11:35nM
化合物Ia−4−1:146nM
化合物Ic−2−65:30nM
【0249】
試験例7 NPY Y5受容体選択性
Y1発現細胞(human neuroblastoma, SK−N−MC)膜標品及びY2発現細胞(human neuroblastoma, SMS−KAN)膜標品を使用して試験例1−2と同様の方法で試験を行い、本発明に係る化合物のNPY Y1受容体及びNPY Y2受容体に対する親和性を測定する。その結果により、本発明に係る化合物がNPY Y5受容体選択性を有していることを確認することができる。
【0250】
試験例8 摂食抑制作用
エーテル麻酔下、雄性C57BL/6Jマウス(12−14 週齢、28−35g)の外後頭稜から鼻背部まで正中に沿って皮膚を切開し、頭蓋骨上部を露出させた。露出部bregma よりlambdaに向かって約 1 mm後方、正中線から左側に約1mmの位置に電気ドリルを用いて直径約1mmの穴を開けた。麻酔から覚醒後のマウスに0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学株式会社製)水溶液あるいはこの水溶液に懸濁した被検物質を強制経口投与し、投与1時間後、生理食塩水あるいはNPY Y5受容体特異的アゴニスト([ cPP1−7,NPY19−23,Ala31,Aib32,Gln34]−hPancreatic Polypeptide:Tocris社製)0.1nmolを先に設けた頭部開口部よりカニューレを用いて注入した。注入2時間後及び4時間後にマウスの摂食量を測定し、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液投与群と被検物質投与群との間の摂餌量の差を調査した。
その結果、本発明化合物を25mg/kgの用量で投与した場合、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロースを投与した場合と比較して摂食量が有意に抑制された。
例えば化合物Ia−4−5 12.5mg/kgの用量で投与した群(A群)の注入2時間後及び4時間後の摂食量はそれぞれ0.31±0.04g、0.71±0.06gであった。一方、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液投与群(B群)の注入2時間後及び4時間後の摂食量はそれぞれ0.58±0.06g、1.20±0.17gであった。また、NPY Y5受容体特異的アゴニストを注入しない0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液投与群(C群)の摂食量は0.03±0.02g、0.07±0.03gであり、C群の値をA,B群から差し引いて換算すれば、A群における注入2時間後及び4時間後のB群に対する摂食抑制率はそれぞれ49.2%、43.2%になる。
【0251】
試験例9 CYP阻害試験
市販のプールドヒト肝ミクロソームを用いて、ヒト主要CYP5分子種(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)の典型的基質代謝反応として7−エトキシレゾルフィンのO−脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル−水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’−水酸化(CYP2C19)、 デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、テルフェナジンの水酸化(CYP3A4)を指標とし、それぞれの代謝物生成量が被検化合物によって阻害される程度を評価した。
【0252】
反応条件は以下のとおり:基質、0.5 μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100 μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50 μmol/L S−メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1 μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールドヒト肝ミクロソーム 0.2mg タンパク質/mL;被検薬物濃度、1、5、10、20 μmol/L(4点)。
【0253】
96穴プレートに反応溶液として、50mM Hepes 緩衝液中に各5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、被検薬物を上記組成で加え、補酵素であるNADPHを添加して、指標とする代謝反応を開始し、37℃、15分間反応した後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液を添加することで反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心操作後、遠心上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光マルチラベルカウンタで、トルブタミド水酸化体 (CYP2C9代謝物)、メフェニトイン4’水酸化体(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、テルフェナジンアルコール体(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。
【0254】
薬物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、被検薬物溶液を加えたそれぞれの濃度での残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。
結果を以下に示す。
化合物Ia−1−11:5種 >20μM
化合物Ia−6−22:5種 >20μM
化合物Ib−1−5:5種 >20μM
【0255】
試験例10 代謝安定性について
ヒト肝ミクロソームによる代謝安定性評価:トリス塩酸バッファー(pH7.4)中にNADPH(終濃度1mM,酸化的代謝の場合)、肝ミクロソーム(終濃度0.5 mg protein/ml)及び各化合物(終濃度2μM)を添加し、37℃で0分及び30分間反応させた。グルクロン酸抱合の場合は、NADPHに代えてUDPGA(終濃度5mM)を添加した。反応液の倍量のアセトニトリル/メタノール=1/1(v/v)を添加し反応を停止した後、その遠心上清中の化合物をHPLCで測定した。0分及び30分の値の比較から代謝反応による消失量を算出し、本発明化合物の代謝安定性を確認した。
以下に化合物濃度0.5μMでの残存率を示す。
化合物Ia−4−8:96.5%
化合物Ia−5−19:98.6%
化合物Ia−6−7:97.9%
化合物Ib−1−26:96.4%
化合物Ic−2−30:97.7%
【0256】
試験例11 粉末溶解度試験
適当な容器に検体を適量入れ、JP−1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとした)、JP−2液(pH6.8のリン酸塩緩衝液500mLに水500mLを加えた)、20mmol/L TCA(タウロコール酸ナトリウム)/JP−2液(TCA 1.08gに水を加え100mLとした)を200μLずつ添加した。試験液添加後に溶解した場合には、適宜原末を追加した。密閉し37℃で1時間振とうした。濾過し、各濾液100μLにメタノール100μLを添加して2倍希釈を行った。希釈倍率は、必要に応じて変更した。気泡及び析出物がないかを確認し、密閉して振とうした。絶対検量線法によりHPLCを用いて定量を行った。
例えば、化合物Ib−1−5の結果は以下のとおりである。
JP−1液;313μg/mL
JP−2液:6.82μg/mL
TCA/JP−2液:35.0μg/mL
【0257】
製剤例
以下に示す製剤例は例示にすぎないものであり、発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
製剤例1 錠剤
本発明化合物 15mg
デンプン 15mg
乳糖 15mg
結晶性セルロース 19mg
ポリビニルアルコール 3mg
蒸留水 30ml
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、破砕造粒して乾燥し、適当な大きさの顆粒剤とする。次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形して錠剤とする。
【0258】
製剤例2 カプセル剤
本発明化合物 10mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 80mg
を均一に混合して粉末又は細粒状として散剤をつくる。それをカプセル容器に充填してカプセル剤とする。
【0259】
製剤例3 顆粒剤
本発明化合物 30g
乳糖 265g
ステアリン酸マグネシウム 5g
よく混合し、圧縮成型した後、粉砕、整粒し、篩別して適当な大きさの顆粒剤とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、
Xは−SO−、−SO−C(−R14)(−R15)−、−N(−R)−SO−又は−SO−N(−R)−であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
【化2】


で示される部分は、
【化3】


から選択される構造であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R、R、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基であり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
、R及びR13はそれぞれ独立して、水素又は置換若しくは非置換のアルキルであり、又はRはRと共に隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよく、RはRと共に隣接する窒素原子及びSO−と一緒になって置換若しくは非置換の複素環を形成していてもよい。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。但し、以下の化合物を除く。
【化4】


で示される部分が、
【化5】


であり、Wが単結合である化合物、
【化6】


で示される部分が、
【化7】


であり、Xが−SO−N(−R)−であり、かつRがメチルである化合物、
【化8】


で示される部分が、
【化9】


から選択される構造であり、Wが単結合であり、かつ
【化10】


で示される部分が、
【化11】


から選択される構造である化合物、
【化12】


)で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有するNPY Y5受容体拮抗作用を有する医薬組成物。
【請求項2】
が−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
Xが−SO−である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
が置換若しくは非置換のアルキルである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
がアリール又はヘテロアリールである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
が=C(−R)−であり、Yが−C(−R)=であり、Yが=C(−R)−である、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
式(Ia):
【化13】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;又は
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
但し、Wが−Ak−である場合、Akは単結合ではなく、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は炭素数2〜10の置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルであり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項8】
が−Ak−;又は
−Ak−O−Ak−である、請求項7記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項9】
が置換若しくは非置換の炭素数2〜10のアルキルである、請求項7記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項10】
が=C(−R)−であり、Yが−C(−R)=であり、かつYが=C(−R)−である、請求項7記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項11】
式(Ib):
【化14】


(式中、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−C(−R)=又は−N=であり、
は=C(−R)−又は=N−であり、
は−Ak−;
−Ak−O−Ak−;
−Ak−N(R13)−Ak−;
−Ak−S−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−O−Ak−C(=O)−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−O−Ak−;
−Ak−C(=O)−Ak−N(R13)−Ak−;又は
−Ak−N(R13)−Ak−C(=O)−Ak−であり、
Akはそれぞれ独立して、単結合、置換若しくは非置換のC1−C4アルキレン又は置換若しくは非置換のC2−C4アルケニレンであり、
、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
10は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル又は置換若しくは非置換のアミジノであり、
は置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル又は式:−C(=O)−O−R10で示される基であり、
はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又は非置換の非芳香族複素環式基であり、
はハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、置換若しくは非置換のアミノ、カルボキシ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のカルバモイル、置換若しくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアミジノ、式:−O−R10で示される基、式:−O−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−R10で示される基、式:−C(=O)−O−R10で示される基、式:−S−R10で示される基、式:−SO−R10で示される基又は式:−O−SO−R10で示される基であり、
nは0〜3の整数であり、
13は水素又は置換若しくは非置換のアルキルである。
上記の置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル若しくは置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又はRのシクロアルキル、シクロアルケニル若しくは非芳香族複素環式基は、1又は2個のオキソ、チオキソ又は置換若しくは非置換のイミノで置換されていてもよい。但し、以下の化合物を除く。
がフェニルである化合物、
【化15】


で示される部分が、
【化16】


から選択される構造である化合物、
【化17】


)で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項12】
がヘテロアリール又は非芳香族複素環式基である、請求項11記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項13】
が単環若しくは2環のヘテロアリール又は単環若しくは2環の非芳香族複素環式基である、請求項11記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項14】
が−Ak−;又は−Ak−C(=O)−Ak−である、請求項11記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項15】
が置換若しくは非置換のアルキルである、請求項11記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項16】
が=C(−R)−であり、Yが−C(−R)=であり、かつYが=C(−R)−である、請求項11記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項17】
請求項7〜16のいずれかに記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項18】
NPY Y5受容体拮抗作用を有する、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
請求項1〜6、17又は18のいずれかに記載の医薬組成物と併用するための、抗肥満作用を有する化合物を含有する肥満症の予防及び/又は治療用、又は肥満症における体重管理用の医薬組成物。

【公開番号】特開2012−167027(P2012−167027A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26694(P2011−26694)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】