説明

NT−プロET−1を用いる診断およびリスク層別化

本発明は、心疾患ならびに気道および肺の疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法に関する。前記方法によれば、遊離断片のN末端プロエンドセリン(NT−プロET−1;図1によるプレプロETのAS18〜52)、またはその断片および部分ペプチドの1つまたは複数が判定される。本発明の別の目的は、心疾患ならびに気道および肺の疾患のリスク層別化のための方法であって、少なくとも1つのマーカー、またはマーカーの組合せは、インビトロ診断において十分な感受性および特異性を有する方法を提供することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心疾患ならびに気道および肺の疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法であって、遊離断片のN末端プロエンドセリン(NT−プロET−1;図1によるプレプロETのAS18〜52)、またはその断片および部分ペプチドの判定が実施される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
適切な療法を適用するために、臨床的な決定をする必要性とともに、心疾患ならびに/または気道および肺の疾患の早期診断および区別が緊急治療室において以前から必要である。現況技術では、前駆体タンパク質ビッグ−ET1(38AS、図1を参照されたい)を含めた、成熟ET−1(21AS)が、診断目的で記載されている(非特許文献1;非特許文献2)。さらに、敗血症の診断のためのエンドセリンプロホルモンが、本出願人によって、WO00/22439およびEP1121600B1に開示されていることが知られている。
【0003】
さらに、エンドセリン−1またはビッグ−エンドセリン−1含量を間接的に判定するために、心血管疾患を診断するための、プレプロエンドセリンのアミノ酸配列93〜212または168〜212を有する、C末端プロエンドセリン断片(CT−プロET−1)(図1、配列番号1)が、EP1564558B1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第00/22439号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第1121600号明細書
【特許文献3】欧州特許第1564558号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Rossi GP、Seccia TM、Albertin G、Pessina AC. Measurement of endothelin: clinical and research use. Ann Clin Biochem 2000年;37(第5部):608〜26.2
【非特許文献2】Aubin P、Le Brun G、Moldovan F、Villette JM、Creminon C、Dumas Jら、Sandwich−type enzyme immunoassay for big endothelin−I in plasma: concentrations in healthy human subjects unaffected by sex or posture. Clin Chem 1997年;43巻:64〜70頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これまで知られているマーカーを使用する、既知の診断方法の不利点は続いており、リスク患者の早期および包括的な検出は、必ずしも十分に成功しているとは限らず、したがって、リスク層別化は十分ではない。
【0007】
したがって、本発明の目的は、リスク患者の検出の改善を可能にする、心疾患ならびに気道および肺の疾患のリスク層別化のための方法を開発することである。
【0008】
さらに、従来技術において、一般に、マーカーの感受性および/または特異性が不十分であることは不利である。
【0009】
したがって、別の目的は、心疾患ならびに気道および肺の疾患のリスク層別化のための方法であって、少なくとも1つのマーカー、またはマーカーの組合せは、インビトロ診断において十分な感受性および特異性を有する方法を提供することである。
【0010】
したがって、本発明の目的は、心疾患ならびに/または気道および肺の疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、心疾患ならびに気道および肺の疾患の診断およびリスク層別化のための方法であって、N末端プロエンドセリン(手短には「NT−プロET−1」)またはその断片および部分ペプチドの判定が実施される方法(以後、本発明による方法)によって実現される。
【0012】
意外にも、NT−プロET−1、またはその断片および部分ペプチドは、心疾患ならびに気道および肺の疾患に診断に関して高い感受性および特異性を示す(実施例および図面を参照されたい)。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プレプロエンドセリン−1のアミノ酸配列(AS)を示す図であり、セクション1〜17はシグナルペプチドであり、18〜52はNT−プロET−1であり、53〜73は成熟ET−1であり、53〜90はビッグ−ET−1(または74〜90)である。
【図2】心不全の重症度との関数としてのNT−プロET−1濃度のグラフである。健康な対照患者(n=200)、およびNYHA重症度スコアに基づいて分類した心不全患者(NYHA I:n=22、NYHA II:n=126、NYHA III:n=132、NYHA 4:n=17)の平均値(+標準誤差)を例示してある。
【図3】肺炎の重症度の関数としてのNT−プロET−1濃度のグラフである。健康な対照患者(n=200)、および肺炎重症度指数に基づいて分類した肺炎患者(PSI I:n=36、PSI II:n=44、PSI III:n=25、PSI IV:n=19、PSI V:n=18)の平均値(+標準誤差)を例示してある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による用語「心疾患」は、特に、直ちに生命を危うくする、冠動脈性心疾患の「急性冠状動脈症候群」およびその様々な段階を含む。これは特に、救急医療、具体的には、急性心筋梗塞および/または狭心症、およびまた突然の心臓死に適用する。WHO判定基準(WHO(1979年):Nomenclature and criteria for diagnosis of ischemic heart disease. Report of the Joint International Society and Federation of Cardiology/World Health Organization task force on standardization of clinical nomenclature、Circulation 59巻(3号):607〜609頁)によって、STセグメント上昇の変化および/または心筋酵素の増加に関連した、20分を超えて続く急性胸痛事象として定義される急性心筋梗塞に加えて、用語の不安定狭心症(AP)も作り出され、これは、本発明によれば、「心疾患」の一部とみなされる(Hamm CW:Leitlinien:Akutes Koronarsyndrom (ACS) − Teil 1:ACS ohne persistierende S−T−Hebung [Guidelines: Acute Coronary Syndrome (ACS) − Part 1: ACS without persistent ST segment elevation]. Z Kardiol (2004年)93巻:72〜90頁)。
【0015】
本発明の一部として、「心筋梗塞」(心発作、AMI(急性心筋梗塞))は、心臓の急性で生命を危うくする疾患を表すものとし、この疾患では、血液供給の制限(虚血)のために、心筋(heart muscle)(心筋(myocardium))の一部の損傷または死(梗塞)が起こり、これは、一般に20分を超えて現れる。心発作の主症状は、突然に起こる胸痛であり、これは、20分を超えて続き、通常重篤であり、肩、腕、下顎および上腹部に広がる場合があり、発汗、吐き気および場合により嘔吐を伴う場合がある。心筋梗塞の結果として、心不全があり得る。
【0016】
用語「心筋梗塞後」は、過去において、つまり、例えば、1時間超、特に、20時間、とりわけ1から5日、または3から5日前に心筋梗塞を罹患し、その段階後、現在は生存している患者を意味し、この出来事により、即時の死には至らなかったが、直接および間接的に、別の(引き続く)心筋梗塞、心不全、または死、またはさもなければ患者の悪化などのさらなる不利な事象が予期される。
【0017】
本発明の脈絡の範囲内で、「心不全」も、「心疾患」に含まれるものとする。
【0018】
「心不全」は、安静時、または身体活動の間の組織代謝を保証するために、心臓が十分な血液、したがって十分な酸素を組織に供給することができない、急性または慢性の状態である。臨床的には、心不全は、一般的な症状(呼吸困難、疲労、体液貯留)が現れるとき存在し、その根底にある原因は、収縮または拡張機能障害の意味での心機能障害である。慢性心不全(CCI)も、本発明によれば含まれる(Kardiologie compact、Chrisian Mewis、Reimer RiessenおよびIoakim Spyridopoulos発行、未改訂2版、Thieme 2006年)。以下のものが心不全の原因となり得る:高血圧(high blood pressure)(高血圧(hypertension))および/または冠血管の動脈硬化症(石灰化)(冠動脈性心疾患)に加えて、心弁膜欠陥(valvular heart defect)(リウマチ熱の長期結果など)、心筋炎(心筋の炎症)、不整脈、心筋梗塞。(うっ血性)心不全を伴った高血圧性心疾患、(うっ血性)心不全を伴った高血圧性心疾患および腎疾患、原発性右心不全、続発性右心不全、不快感を伴わない左心不全(NYHA段階I)、より高い身体活動の間に不快感を伴う左心不全(NYHA段階II)、軽い身体活動の間に不快感を伴う左心不全(NYHA段階III)、安静時に不快感を伴う左心不全(NYHA段階IV)、ならびに心原性ショックも、本発明によれば含まれる。
【0019】
本発明の脈絡の範囲内で、「気道および肺の疾患」は、特に、「肺および気道の感染症」、具体的には、細菌、ウイルス、真菌、または寄生虫によって生じる感染症、例えば、下気道感染症(LRTI)、気管支炎、肺炎、サルコイドーシス、気管支拡張症、または非心臓性肺水腫のような徴候などを意味するものとする。
【0020】
さらに、本発明によれば、下気道感染症(LRTI)、気管支炎、腐敗性気管支炎、および肺炎は好適である。肺炎、特に、市中感染性肺炎(community−associated pneumonia)(CAP)、および下気道感染症(LRTI)は特に好適である。
【0021】
本発明の脈絡の範囲内で、肺炎は、肺組織の急性または慢性の疾患として解釈されるものとし、その感染は、細菌、ウイルス、もしくは真菌、寄生虫によって、まれに毒性物質の吸入によって中毒性をもって、または免疫学的に生じる。臨床医にとっては、肺炎は、胸部X線像で認識できる少なくとも1つの浸潤とともに、様々な症状(発熱または低体温、悪寒、咳嗽、胸部の胸膜炎性疼痛、痰産生の増加、呼吸数の増加、打診音減衰、気管支呼吸、甲高い水泡音、胸膜の摩擦音)の組合せである(Harrisons Innere Medizin [Harrison’s Internal Medicine]、Manfred Dietel、Norbert SuttorpおよびMartin Zeitz発行、ABW Wissenschaftsverlage 2005年)。
【0022】
本発明の脈絡の範囲内で、「気道および肺の疾患」は、特に、「肺および気道の慢性疾患」、具体的には、間質性肺疾患および肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような徴候、特にCOPD感染増悪、気管支喘息、特に、気管支喘息を伴った感染増悪、および気管支癌を表す。COPD、特に、COPD感染増悪は特に好適である。
【0023】
本発明によれば、COPDは、咳嗽、喀痰の増加、身体活動の間の息切れを特徴とする一群の慢性疾患を表す。第1に、慢性閉塞性気管支炎および肺気腫が述べられるべきである。両疾患パターンは、特に呼息が困難であることを特徴とする。COPDの主要な症状についての口語的用語は、「喫煙者の咳」でもある。本発明は、急性の増悪に特に有利である。
【0024】
上述したすべての徴候は、例えば、Pschyrembel、De Gruyter、9版、Berlin 2004年にも記載されている。
【0025】
本発明によれば、用語「リスク層別化」は、疾患の考えられる最も好ましい経過を可能にすることを目標として、心疾患、特に、急性冠状動脈症候群および心筋梗塞、狭心症および/または心筋梗塞後、心不全、または気道および肺の疾患、特に、感染症および慢性の炎症の、より集中的な診断および療法/治療の目的で、患者、特に予後が好ましくない救急患者およびリスク患者を識別することを含む。したがって、本発明によるリスク層別化により、有効な治療方法が可能になり、これは、例えば、経皮冠動脈インターベンションおよびより新規な薬剤の形態での急性冠状動脈症候群の場合において、または例えば、ACE阻害剤、AT1アンタゴニスト、アンギオテンシンII受容体遮断薬(サブタイプ1)、β遮断薬ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロールおよびネビボロール、バソプレッシン受容体アンタゴニスト、NYHA段階IIIから開始するアルドステロンアンタゴニスト、カルシウム感受性増強薬(レボシメンダン)を使用する心不全の治療もしくは療法、または抗生物質を使用する、感染症もしくは慢性の気道および肺の疾患の治療もしくは療法のために存在する。
【0026】
したがって同様に、本発明は、心疾患ならびに気道および肺の疾患についてリスクが増大しており、かつ/または予後が好ましくない患者、具体的には、症候性および/または無症候性の患者、特に救急患者の識別に関する。
【0027】
特に救急治療および/または集中治療の場合において、信頼できる層別化は、本発明による方法を使用することによって特に有利に実施することができる。したがって本発明による方法により、療法の急速な成功および致死の予防をもたらす臨床的な決定が可能になる。そのような臨床的な決定は、心疾患ならびに気道および肺の疾患の治療または療法のための、薬剤を用いた高度な治療も含む。
【0028】
したがって、本発明は、患者を入院させる決定を含めた臨床的な決定、例えば、好ましくは時間が極めて重要な集中治療または救急治療における、薬剤を使用する高度な治療および療法などを実施するために、心疾患ならびに/または気道および肺の疾患を有する患者を診断および/またはリスク層別化するための方法にも関する。
【0029】
さらに好適な実施形態では、したがって、本発明による方法は、心疾患および/または気道の疾患のための療法の管理に関する。
【0030】
さらに好適な実施形態では、診断および/またはリスク層別化のための本発明による方法は、予後、早期検出および鑑別診断による検出、重症度の評価、および療法に付随する疾患の経過の評価のために実施される。
【0031】
さらに好適な実施形態では、本発明は、心疾患ならびに/または気道および肺の疾患の早期もしくは鑑別診断、または予後のためにインビトロで診断するための方法であって、NT−プロET−1マーカー、またはその断片および部分ペプチドの判定が、検査される患者において実施される方法に関する。
【0032】
本発明による方法の一実施形態では、体液、好ましくは血液、場合により全血または血清または利用可能な血漿が、検査される患者から試料採取され、診断は、インビトロ/エクスビボ、つまりヒトまたは動物の体外で行われる。NT−プロET−1マーカー、またはその断片および部分ペプチドの判定により、高い感受性および特異性が実現され(実施例および図面を参照されたい)、診断またはリスク層別化は、少なくとも1つの患者試料中の利用可能な量に基づいて可能である。
【0033】
本発明の脈絡の範囲内で、「NT−プロET−1」は、ヒトタンパク質またはポリペプチドとして解釈されるものとし、これは、プレプロエンドセリンから得ることができ、プレプロエンドセリンのフレームワーク内で(配列番号1および図1)、アミノ酸18〜52を有する遊離断片、ならびにそれから得ることができる断片または部分ペプチド、特に、プレプロET−1(配列番号1および図1)のAPETAVLGAELSAV(配列番号2)Pos.18〜31、およびプレプロET−1(配列番号1および図1)のGENGGEKPTPSPPWRLRRSKR(配列番号3)Pos.32〜52を含むことができる。さらに、本発明によるこれらのポリペプチドは、翻訳後修飾、例えば、グリコリゼーション(glycolization)[原文のまま]、脂質結合または誘導体化などを有することができる。
【0034】
さらなる実施形態では、NT−プロET−1、またはその断片および部分ペプチドの判定は、さらなるマーカー、具体的には、好ましくは、心疾患、特に冠動脈性心疾患、ならびに/または気道および肺の疾患を既に標的とするものとともにさらに実施することができる。
【0035】
結果として、本発明は、判定が、炎症マーカー、心血管マーカー、神経ホルモンマーカー、または虚血マーカーの群から選択される少なくとも1つのさらなるマーカーを使用して、検査される患者においてさらに実施される、本発明による方法の実施形態に関する。
【0036】
本発明によれば、炎症マーカーは、C反応性タンパク質(CRP)、TNF−αなどのサイトカイン、IL−6などのインターロイキン、プロカルシトニン(1〜116、3〜116)、およびVCAMまたはICAMなどの接着分子の群の少なくとも1つのマーカーから選択することができ、心血管マーカーは、特に、心筋組織のネクローシスを示すマーカーとすることができ、血圧に影響するマーカーは、クレアチンキナーゼ、ミオグロビン、ミエロペルオキシダーゼ、ナトリウム利尿タンパク質、特にANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、またはこれらの部分配列、心臓トロポニン、CRPの群の少なくとも1つのマーカーから選択することができる。さらに、これは、調節(プロ)ホルモン、特にプロ−ガストリン放出ペプチド(プロ−GRP)、プロエンドセリン−2、プロ−エンドセリン−3、プロ−レプチン、プロ−神経ペプチドY、プロ−ソマトスタチン、プロ−神経ペプチドYY、プロ−オピオンメラノコルチン(opionmelanocortin)、プロ−アドレノメデュリン(プロ−ADM)、プロ−バソプレッシン(プロ−AVP)、またはこれらの部分配列も含むものとする。
【0037】
虚血マーカーは、トロポニンIおよびT、CK−MBの群の少なくとも1つのマーカーから選択することができる。さらに、神経ホルモンマーカーは、少なくとも1つのさらなるナトリウム利尿タンパク質、特にANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、またはその部分配列とすることができる。
【0038】
本発明のさらなる実施形態では、本発明による方法は、マーカーの並列または同時判定(例えば、96以上のウェルを有するマルチタイタープレート)を使用して、インビトロ診断の一部として実施することができ、判定は、少なくとも1つの患者試料を使用して実施される。
【0039】
さらに、本発明による方法およびその判定は、自動分析システムに基づく診断デバイス、特に、Kryptor(http://www.kryptor.net/)によって実施することができる。
【0040】
さらなる実施形態では、本発明による方法およびその判定は、個々のパラメーター判定であっても、複数のパラメーター判定であっても、迅速試験(側方流動試験またはポイントオブケアなど)を使用して実施することができる。特に好適な実施形態では、これは、自己テストまたは救急診断に適したデバイスである。
【0041】
本発明はさらに、心疾患ならびに/もしくは気道および肺の疾患のリスク層別化を行い、かつ/あるいは心疾患ならびに/または気道および肺の疾患の早期もしくは鑑別診断、または予後のためのインビトロ診断を行うための、NT−プロET−1、またはその断片および部分ペプチドの使用に関する。
【0042】
別の目的は、本発明による方法を実施するための、対応する診断デバイスまたはその使用を提供することである。
【0043】
本発明の脈絡の範囲内で、そのような診断デバイスは、特に、アレイまたはアッセイ(イムノアッセイ、ELISAなど)、最も広い意味において、本発明による方法を実施するためのデバイスとして解釈されるものとする。
【0044】
本発明はさらに、NT−プロET−1、またはその断片および部分ペプチドを判定するための検出試薬、場合により上述したさらなるマーカーを含む、心疾患ならびに/または気道および肺の疾患の診断および/またはリスク層別化のためのキットに関する。そのような検出試薬は、例えば抗体などを含む。
【0045】
以下の実施例および図面を、本発明をより詳細に説明するために提供するが、本発明を、これらの実施例および図面に限定しない。
【実施例】
【0046】
実施例および図面
イムノアッセイ
Struckら(Struck J、Morgenthaler NG、Bergmann A. Proteolytic processing pattern of the endothelin−1 precursor in vivo. Peptides 2005年;26巻;2482〜6頁)に記載されているように、NT−プロET−1を測定するためにサンドイッチイムノアッセイを使用した。
【0047】
ペプチド合成:
プレプロET−1の既知のアミノ酸配列(図1)に由来して、2つの領域を選択した(Pos.18〜31、32〜52)。この領域は、可溶性ペプチドとして化学的に合成し、1つの場合では、標準的な方法を使用して、N末端システイン残基を補充し、精製し、その品質は、質量分析法および逆相HPLCを使用して管理し、これらをアリコートとして凍結乾燥した(JPT company、Berlin、Germany)。このペプチドのアミノ酸配列は、プレプロET−1(図1)のPAV15 CAPETAVLGAELSAV POS.18〜31、プレプロET−1(図1)のMPGC22 GENGGEKPTPSPPWRLRRSKRC POS.32〜52である。さらに、プレプロET−1の領域Pos.18〜52を含むペプチドを合成した(PAR35 APETAVLGAELSAVGENGGEKPTPSPPWRLRRSKR)。
【0048】
コンジュゲーションおよび免疫化
MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)によって、ペプチドのPAV15およびMPGC22を、KLH(キーホールリンペットヘモシニアン)担体タンパク質にコンジュゲートさせた(PIERCE、Rockford、IL、USAからの指示シート「NHS−Esters−Maleimide Crosslinkers」を参照されたい)。これらのコンジュゲートを、以下のレジメンに従って、ヒツジを免疫するのに使用した:それぞれのヒツジに、それぞれ4週間間隔で、最初に100μgのコンジュゲート(コンジュゲートのペプチド部分と比べた量の情報)を投与し、引き続いて50μgのコンジュゲート(コンジュゲートのペプチド部分と比べた量の情報)を投与した。免疫化を開始して4カ月目から始めて、それぞれのヒツジから4週間間隔で700mlの血液を採取し、この血液から遠心分離によって抗血清を得た。コンジュゲーション、免疫化、抗血清の生成は、MicroPharm、Carmarthenshire、UKによって実施された。
【0049】
抗体の精製
ワンステップ法では、ペプチド特異抗体は、免疫化して4カ月目から始めて生成してきた抗血清から生成した。この目的で、ペプチドのPAV15およびMPGC22を、SulfoLinkゲルに最初にカップリングさせた(PIERCE、Rockford、IL、USAからの指示シート「SulfoLink Kit」を参照されたい)。カップリングのために、5mlのゲル当たり、5mgのペプチドを提供した。
【0050】
このペプチドに対するヒツジ抗血清からのペプチド特異抗体の親和性精製は、以下のように実施した。
【0051】
ペプチドカラムを、10mlの溶出緩衝液(50mMのクエン酸、pH2.2)と結合緩衝液(100mNのリン酸ナトリウム、0.1%のTween、pH6.8)を交互に使用して、最初に3回洗浄した。100mlの抗血清を0.2μmに対して濾過し、利用可能なカラム材料と混合した。この最後に、10mlの結合緩衝液を用いて、ゲルをカラムから定量的にすすいだ。インキュベーションを、旋回運動下で(under pivoting motion)、室温で一晩実施した。これらのバッチを、空のカラム(NAP25、Pharmacia、空にした)中に定量的に移した。通過物(pass)を捨てた。引き続いて、洗浄ステップを、タンパク質を含まない250mlの結合緩衝液(洗浄溶出液のタンパク質含量<0.02 A280nm)を用いて実施した。洗浄したカラムに溶出緩衝液を添加し、それぞれ1mlの分画を採取した。それぞれの分画について、タンパク質含量を、BCA法を使用して求めた(PIERCE、Rockford、IL、USAからの指示シートを参照されたい)。
【0052】
0.8mg/ml超のタンパク質濃度を有する分画をプールした。BCA法を使用してプールのタンパク質を求めた後、抗PAV15抗体について27mgの収量を得、抗MPGC22抗体について35mgの収量を得た。
【0053】
標識
NAP−5ゲル濾過カラム(Pharmacia)を使用して、500μlの精製した抗MPGC22抗体(上記を参照されたい)を、指示シートに従って、1mlの100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)中で緩衝液交換にかけた。抗体溶液のタンパク質濃度は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)を使用して1.5mg/mlに調節した。
【0054】
化学発光標識のために、抗体を以下のようにさらに処理した。67μlの抗体溶液を、10mlのMA70−Akridinium−NHH−エステル(1mg/ml;HOECHST Behring)と混合し、室温で15分間インキュベートした。次いで423μlの1Mのグリシンを添加し、さらに10分間インキュベートした。引き続いて、標識バッチを、指示シートに従って、NAP−5ゲル濾過カラム(Pharmacia)を使用して、1mlの溶離液A(50mMのリン酸カリウム、100mMのNaCl、pH7.4)中で緩衝液交換にかけ、この過程中で、低分子成分を除いた。抗体に結合していない残りの標識を分離するために、ゲル濾過HPLCを実施した(カラム:Waters Protein Pak SW 300)。試料を適用し、溶離液Aを使用して、1ml/mlの流速でクロマトグラフィーによって分離した。測光器を使用して、波長280nmおよび368nmを測定した。抗体標識の程度の尺度としての368nm/280nmの吸収比は、ピークで0.10+/−0.01であった。モノマー抗体含有分画(保持時間8〜10分)を採取し、3mlの100mMのリン酸ナトリウム、150mMのNaCl、5%のウシ血清アルブミン、0.1%アジ化ナトリウム、pH7.4中に入れた。
【0055】
カップリング
照射した(irradiated)5mlのポリスチレン管(Greiner)を、精製した抗PAV15抗体で以下のようにコーティングした。抗体を、50mMのトリス、100mMのNaCl、pH7.8中で、6.6μg/mlの濃度に希釈した。300μlのこの溶液を、それぞれの管にピペットで移した。この管を、22℃で20時間インキュベートした。この溶液を吸引した。次いで、それぞれの管を、4.2mlの10mMのリン酸ナトリウム、2%のKarion FP、0.3%のウシ血清アルブミン、pH6.5で満たした。20時間後に、溶液を吸引した。最後に、管を真空乾燥機で乾燥させた。
【0056】
イムノアッセイの実施および評価
使用した標準物質は、ペプチドPAR35であり、これを、通常のウマ血清(SIGMA)で連続的に希釈した。このようにして作製した標準物質は、最初のペプチド重量に従って、濃縮物(concentration)に割り当てた。
【0057】
サンドイッチイムノアッセイは、以下のように開始した。50μlの標準物質または試料、および100万RLU(相対光単位)のMA70標識抗体を含む200μlのアッセイ緩衝液(100mMのリン酸ナトリウム、150mMのNaCl、5%のウシ血清アルブミン、0.1%の非特異的ヒツジIgG、0.1%のアジ化ナトリウム、pH7.4)を、抗体でコーティングしたそれぞれの試験管中にピペットで移した。振盪しながら22℃で2時間、インキュベーションを行った。次いで、管1本当たりそれぞれ1mlの洗浄溶液(0.1%のTween 20)を使用して、4回の洗浄ステップを実施し、液体は滴り落とさせ、管に結合した化学発光を、ルミノメーター(BERTHOLD、LB952T;塩基試薬BRAHMS AG)を使用して測定した。MultiCalc(Spline Fit)ソフトウェアを使用して、試料のNT−プロET−1濃度を検量線から読み取った。
【0058】
説明したアッセイを使用して測定することができる分析物は、N末端プロエンドセリン−1(NT−プロET−1)と呼ばれる。
【0059】
臨床価(clinical valency)
正常範囲
NT−プロET−1濃度を、健康な対照のヒト(n=200)の試料中で求めた。中央値は、30.5pmol/lであり、測定された最小値は2.0であり、最高値は53pmol/lであり、第95百分位数は、16.3および47.2pmol/lであった。
【0060】
心不全/重症度
NT−プロET−1濃度を、慢性または急性非代償性心不全を有する患者について測定した。NT−プロET−1濃度は、心不全の重症度、特に重症度の増大に関連していた。4つの重症度の分類であるNYHA I〜IVについてのNT−プロET−1濃度の中央値は、35.4、37.3、45.5および83.9pmol/Lであった(図2を参照されたい)。
【0061】
慢性心不全/診断
NT−プロET−1値を、慢性心不全を罹患している316人の患者、および200人の健康な対照患者のプールから求めた。受信者動作特性分析は、0.72のAUCを示した。49.7pmol/lのカットオフ値について、これは、34.3%の感受性を生じ、特異性は98%であった。47.2pmol/lのカットオフ値について、これは、38.5%の感受性を生じ、特異性は95%であった。
【0062】
慢性心不全/予後
NT−プロET−1値を、慢性心不全を罹患している316人の患者のプールから求めた。患者は、360日の平均期間モニターした。この期間の間に、42人の患者が死亡し、274人が生存した。受信者動作特性分析を使用して、死亡率の予後について、最良のカットオフ値(感受性と特異性の最大の積として定義される)を求めた:51.3pmol/l。このカットオフ値で、予後の感受性は71.4%であり、特異性は74.5%であった。51.3pmol/lのカットオフ値で、死亡の尤度比は2.8であった。
【0063】
【表1】

急性心不全/診断
NT−プロET−1値を、急性の息切れを罹患している125人の患者のプールから求めた。125人の患者のうち69人が心不全を罹患した。心不全の鑑別診断についての受信者動作特性分析は、0.72のAUCを示した。111pmol/lのカットオフ値について、これは、10.2%の感受性を生じ、特異性は98%であった。90.5pmol/lのカットオフ値について、これは、17.5%の感受性を生じ、特異性は95%であった。
【0064】
急性心不全/予後
NT−プロET−1値を、急性非代償性心不全を罹患している69人の患者のプールから求めた。患者は、360日の期間モニターした。この期間の間に、21人の患者が死亡し、48人が生存した。受信者動作特性分析を使用して、死亡率の予後について、最良のカットオフ値(感受性と特異性の最大の積として定義される)を求めた:64pmol/l。このカットオフ値で、予後の感受性は66.6%であり、特異性は68.7%であった。64pmol/lのカットオフ値で、死亡の尤度比は2.0であった。
【0065】
【表2】

心筋梗塞/予後
試料を、心発作が起きてから3日後に急性心発作のあった246人の患者から得、NT−プロET−1を測定した。患者は、60日の期間モニターした。この期間の間に、220人の患者は、有害事象をまったく有さず、26人は、心不全のために死亡したか、再び入院した。受信者動作特性分析(AUC=0.70)を使用して、心不全による死亡率または再入院の予後について、最良のカットオフ値(感受性と特異性の最大の積として定義される)を求めた:63.9pmol/l。このカットオフ値で、予後の感受性は65.4%であり、特異性は73.6%であった。63.9pmol/lのカットオフ値で、有害事象の尤度比は2.5であった。
【0066】
【表3】

肺炎/重症度および予後
試料を、病院に入院したとき市中感染性肺炎を有していた142人の患者から得、NT−プロET−1を測定した。患者は、70日の期間モニターした。この期間の間に、10人の患者が死亡した。NT−プロET−1濃度は、PSI(肺炎重症度指数)、疾患の重症度のスコアとともに上昇し(図3)、53pmol/lで、これらの患者は、平均で、健康な対照患者(30.5pmol/l)より高かった。死亡率の予後について、受信者動作特性分析は、0.89のAUCを示した。受信者動作特性分析を使用して、死亡率の予後について、最良のカットオフ値(感受性と特異性の最大の積として定義される)を求めた:77pmol/l。このカットオフ値で、予後の感受性は100%であり、特異性は81.2%であった。77pmol/lのカットオフ値で、死亡率の尤度比は5.5であった。
【0067】
【表4】

増悪したCOPD
NT−プロET−1を、慢性閉塞性肺疾患および同時に下気道の感染症を有する53人の患者について測定した。47pmol/lの平均で、これらの患者は、健康な対照患者(30.5pmol/l)と比較して高い値を有していたが、肺炎患者(上記の53pmol/lを参照されたい)より低かった。
【0068】
表:ニューヨーク心臓協会(NHYA)の分類
NYHA I 身体活動の制限なし。通常の身体活動は、過度の疲労、リズム障害、呼吸困難または狭心症を引き起こさない。
NYHA II 身体活動のわずかな制限。安静時は快適であるが、通常の身体活動が、疲労、リズム障害、呼吸困難または狭心症をもたらす。
NYHA III 身体活動の著しい制限。安静時は快適であるが、通常より低い身体活動が、疲労、リズム障害、呼吸困難または狭心症を引き起こす。
NYHA IV 不快感を伴うことなく、いずれの身体活動も実施することができず、安静時も不快である。寝たきりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心疾患ならびに/または肺および気道の疾患のインビトロ診断および/またはリスク層別化のための方法であって、検査される患者において、遊離断片のNT−プロET−1(18〜52)、またはその断片および部分ペプチドの判定が実施されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記心疾患が、急性冠状動脈症候群、心筋梗塞後、および心不全から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の、心疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項3】
前記肺および気道の疾患が細菌、ウイルス、真菌または寄生虫によって生じる感染症、特に下気道感染症(LRTI)、気管支炎、肺炎、サルコイドーシス、気管支拡張症、非心臓性肺水腫ならびに/または肺および気道の慢性疾患、特に間質性肺疾患および肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特にCOPD感染増悪、気管支喘息、特に気管支喘息を伴った感染増悪から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の、肺および気道の疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項4】
心疾患ならびに/または肺および気道の疾患について、リスクが増大しており、かつ/または予後が好ましくない患者を識別するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の、診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項5】
前記患者が、症候性および/または無症候性の患者、特に救急患者である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の、診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項6】
特に集中治療または救急治療における、心疾患ならびに/または肺および気道の疾患の療法を管理するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の、診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項7】
患者を入院させる決定を含めた臨床的な決定、特に集中治療または救急治療における、特に薬剤を使用する高度な治療および療法を実施するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の、心疾患ならびに/または肺および気道の疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項8】
予後、早期検出および鑑別診断による検出、重症度の評価、および療法に付随する疾患の経過の評価のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の、心疾患ならびに/または肺および気道の疾患の診断および/またはリスク層別化のための方法。
【請求項9】
さらに、炎症マーカー、心血管マーカー、神経ホルモンマーカー、または虚血マーカーの群から選択される少なくとも1つのさらなるマーカーの判定が実施されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記炎症マーカーが、C反応性タンパク質(CRP)、TNF−αなどのサイトカイン、IL−6などのインターロイキン、プロカルシトニン(1〜116、3〜116)、およびVCAMまたはICAMなどの接着分子の群の少なくとも1つのマーカーから選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記心血管マーカーが、クレアチンキナーゼ、ミオグロビン、ミエロペルオキシダーゼ、ナトリウム利尿タンパク質、特にANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、またはこれらの部分配列、心臓トロポニン、CRP、およびまた調節(プロ)ホルモン、例えば、プロ−ガストリン放出ペプチド(プロ−GRP)、プロ−エンドセリン−2、プロ−エンドセリン−3、プロ−レプチン、プロ−神経ペプチドY、プロ−ソマトスタチン、プロ−神経ペプチドYY、プロ−オピオンメラノコルチン、プロ−アドレノメデュリン(プロ−ADM)、プロ−バソプレッシン(プロ−AVP)、またはこれらの部分配列の群の少なくとも1つのマーカーから選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記虚血マーカーが、トロポニンIおよびT、CK−MKの群の少なくとも1つのマーカーから選択されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記神経ホルモンマーカーが、少なくとも1つのナトリウム利尿タンパク質、特にANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、またはこれらの部分配列であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記マーカーの並列または同時の判定が実施されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記判定が、少なくとも1つの患者試料を使用して実施されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記判定が、自動分析システムを使用して、特にKryptorによって実施されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記判定が、特に個々または複数のパラメーター判定において、迅速試験を使用して実施されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
心疾患ならびに/または肺および気道の疾患の診断および/またはリスク層別化のための、遊離断片のNT−プロET−1、またはその断片ならびに部分ペプチド、ならびに場合により請求項9から13のいずれか一項に記載のさらなるマーカーの使用。
【請求項19】
遊離断片のNT−プロET−1、またはその断片および部分ペプチドを判定するための検出試薬、ならびに場合により請求項9から13のいずれか一項に記載のさらなるマーカー、および補助因子を含む、心疾患ならびに/または肺および気道の疾患の診断および/またはリスク層別化のためのキット。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を実施するための診断デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−526305(P2010−526305A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506800(P2010−506800)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000781
【国際公開番号】WO2008/135038
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509091332)ブラームズ アクチェンゲゼルシャフト (12)
【Fターム(参考)】