説明

NT−4発現阻害剤、該阻害剤を有する育毛養毛剤、並びにNT−4発現阻害剤の調製方法

【課題】優れた効果を有する育毛養毛剤と、この育毛養毛剤の有効成分に適したNT−4発現阻害剤を提供する。
【解決手段】本発明にかかるNT−4発現阻害剤は、アサクー抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物であることを特徴とする。また、本発明にかかるNT−4発現阻害剤の他の構成は、前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物を更に液体クロマトグラフィーにより溶媒強度を変化させて分取した液体クロマトグラフィー分画物であることを特徴とする。本発明にかかる育毛養毛剤は、前記いずれかのNT−4発現阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木本植物であるアサクー由来のNT−4発現阻害剤、該阻害剤を有する育毛養毛剤、並びにNT−4発現阻害剤の調製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱毛症の発症原因、発症機序については多くの研究がなされているが、いまだ不明な点が多い。従って、従来の育毛養毛剤の効果は、非常に個人差が大きく、満足するものは見出されていない。
【0003】
本願発明者らは、本願に先立って、「アポトーシス誘導促進蛋白質の阻害物質を有効成分として含むことを特徴とする育毛養毛剤」を提案している(特許文献1)。前記阻害物質としては、椿皮、九節菖蒲、レンゲソウ、アサクー、エクロニアなどの植物抽出物を特定している。この育毛養毛剤は、優れた育毛養毛効果を有し、かつ長期に亘る使用に十分耐え得る安全性を備えている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−232828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記育毛養毛剤の製品としての性能をさらに向上させるために、本発明者らが検討したところ、以下のような改良すべき点があることを知るに到った。
有効成分として用いる植物抽出物は、既知および未知の複数種の有機化合物から構成されていると推定される。それら構成成分の組成比および成分量が、各植物の産地や採集時期などの違いによって、変動することがある。そのため、植物の粗抽出物を有効成分として含有する育毛養毛剤では、その効果が採取時期や原料産地の違いによって、差が生じる場合がある。したがって、上記育毛養毛剤をより実用的なものとするためには、原料植物の種類やそれらの採取時期、産地の違いによって、育毛養毛効果に変動を生じないように改良することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するために、(i)多種類の各植物抽出物が発揮する育毛養毛作用の基本的な作用機序を推測し、その作用機序を各植物抽出物が有することを確認し、(ii)多種類の植物のうち、その抽出物の前記作用機序性能がより優れる植物を特定し、(iii)その作用機序の有無あるいは多少を指標として有効成分を多く含む分画を絞り込み、そのような有効成分が含まれる分画と、その他の分画とに分離する方法を確立できれば、より効果が高く、特性が安定した育毛養毛剤の提供が可能となるとの観点から、鋭意、検討を重ねたところ下記の点が判明した。
【0007】
脱毛が生じる機序として、アポトーシスを誘導する神経栄養因子−4(Neurotrophin−4、以下、NT−4と略記する)が脱毛に寄与することが報告されており[FASEB J.(1999),13(2):395−410]、このNT−4の活性抑制作用あるいは発現阻害作用を、前記椿皮、九節菖蒲、レンゲソウ、アサクー、エクロニアなどの植物抽出物が有するか否かを測定した。その結果、前記各植物抽出物にNT−4発現阻害作用があることが確認され、特にアサクー抽出物(水性有機溶媒抽出物)においてNT−4発現阻害作用が優れていることが判明した。
【0008】
次に、アサクー水性有機溶媒抽出物を水と有機溶媒を用いて液液分離して、水溶性成分と、有機溶媒抽出成分とに分画して、それぞれのNT−4発現阻害作用を確認したところ、水溶性成分にはNT−4発現阻害作用は乏しく、有機溶媒抽出成分にNT−4発現阻害作用があることが判明した。
【0009】
本発明者らは、更に、前記アサクー有機溶媒抽出成分を液体クロマトグラフィーにより溶媒強度を変化させて複数の溶出分画物を分取し、それぞれのNT−4発現阻害率を測定したところ、溶出分画物毎に前記発現阻害率に差があることが分かった。前記アサクー有機溶媒抽出成分を固定するカラムとしてシリカゲルカラムを用いた場合では、溶媒強度が0.28〜0.48の範囲で溶出され、分取された液体クロマトグラフィー分画物に高いNT−4発現阻害率(20%以上)が認められた。また、前記アサクー有機溶媒抽出成分を固定するカラムとしてアルミナカラムを用いた場合では、溶媒強度が0.48〜0.95の範囲で溶出され、分取された液体クロマトグラフィー分画物に高いNT−4発現阻害率(20%以上)が認められた。
【0010】
また、前記アサクー有機溶媒抽出物、シリカゲルカラム液体クロマトグラフィー分画物、アルミナカラム液体クロマトグラフィー分画物のそれぞれを有効成分として育毛養毛剤を調製し、それらの育毛養毛効果を確認した。そして、これらの育毛養毛効果と、アサクー粗抽出物(水性有機溶媒抽出物)を有効成分として調製した従来の育毛養毛剤の育毛養毛効果と比較したところ、大幅な効果の増強が確認された。
【0011】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明にかかるNT−4発現阻害剤は、アサクー抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるNT−4発現阻害剤の他の構成は、アサクー抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物を更に液体クロマトグラフィーにより溶媒強度を変化させて分取した液体クロマトグラフィー分画物であることを特徴とする。
【0013】
前記液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害作用によるNT−4発現阻害率が少なくとも20%であることが、好ましい。
【0014】
前記液体クロマトグラフィーがシリカゲルカラム液体クロマトグラフィーであり、前記液体クロマトグラフィー分画物が溶媒強度0.28〜0.48の範囲に溶出した分画物であることが、好ましい。
【0015】
前記液体クロマトグラフィーがアルミナカラム液体クロマトグラフィーであり、前記液体クロマトグラフィー分画物が溶媒強度0.48〜0.95の範囲に溶出した分画物であることが、好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる育毛養毛剤は、前記いずれかのNT−4発現阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする。
【0017】
なお、本発明で言う「育毛養毛剤」とは、育毛および養毛を促進する作用を有し、目的の組成物に添加することにより、育毛養毛を促進する効果を付与した育毛養毛用組成物を調製するための薬剤を意味する。本発明の育毛養毛剤を含む育毛養毛用組成物を、哺乳類の主に頭皮に適用することにより、育毛養毛を促進する効果が得られる。
【0018】
また、本発明にかかるNT−4発現阻害剤の調製方法は、アサクー材の破砕物を水性有機溶媒により抽出して水性有機溶媒抽出物を得る工程と、前記水性有機溶媒抽出物を水と有機溶媒とを用いて液液分離して、水溶性分画物を除去したNT−4発現阻害作用を有するアサクー有機溶媒分画物を得る工程とを有することを特徴とする。
【0019】
前記NT−4発現阻害剤の調製方法において、前記アサクー有機溶媒分画物を得る工程の後に、前記アサクー有機溶媒分画物を液体クロマトグラムを用いて溶媒強度を変化させて分画することによりNT−4発現阻害作用に優れた液体クロマトグラフィー分画物を分取する工程をさらに有することが、好ましい。
【0020】
前記NT−4発現阻害剤の調製方法において、前記液体クロマトグラムがシリカゲルカラム液体クロマトグラムであり、溶媒強度0.28〜0.48の範囲に溶出した分画物をNT−4発現阻害剤の有効成分として分取することが、好ましい。
【0021】
前記NT−4発現阻害剤の調製方法において、前記液体クロマトグラムがアルミナカラム液体クロマトグラムであり、溶媒強度0.48〜0.95の範囲に溶出した分画物をNT−4発現阻害剤の有効成分として分取することが、好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかるNT−4発現阻害剤は、NT−4に起因するアポトーシスの誘導を防止することができるので、NT−4によるアポトーシスに起因して生体に生じる悪影響の予防、治療及び改善のために有用である。特に、毛包におけるNT−4によるアポトーシスの誘導を防止することにより、哺乳類に対する育毛養毛効果を発揮することができる。また、本発明にかかるNT−4発現阻害剤が発揮するNT−4発現阻害効果は、使用単位当たり、アサクー粗抽出物(水性有機溶媒抽出物)の4倍〜約100倍にも達するほどに増強される。そのため、所定の育毛養毛効果を得るための使用量を大幅に低減することができ、それに伴ってアサクー粗抽出物が有する植物臭および色素を起因とする育毛養毛剤の着臭、着色を容易に防止することができるという効果も得られる。したがって、本発明にかかるNT−4発現阻害剤は、哺乳類の脱毛症、特に男性型脱毛症を改善すると共に、長期に亘る使用に十分耐え得る安全性を備え、使用感の良好な育毛養毛剤の有効成分として産業的価値を有し、医療組成物や毛髪化粧料などの育毛養毛用組成物として利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
上述のように、本発明にかかるNT−4発現阻害剤は、アサクー粗抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物であることを特徴とする。また、本発明にかかるNT−4発現阻害剤の他の構成は、アサクー抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物を更に液体クロマトグラフィーにより溶媒強度を変化させて分取した液体クロマトグラフィー分画物であることを特徴とする。
【0024】
(アサクー粗抽出物)
アサクー(学名:Hura crepitans L.)は、木本植物であり、その用部に特に限定はないが、有効性を発揮させる点から、材、すなわち茎の木質の部分が好適である。アサクー粗抽出物は、市販品あるいは公知の抽出方法よって得られたものを使用することができる。前記抽出方法に用いる溶媒(以下、「抽出溶媒」という。)としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類およびその水溶液などの水性有機溶媒が挙げられ、これらを単独で又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。
【0025】
前記抽出方法における各種条件は、特に制限されるものではないが、通常、抽出原料と前記抽出溶媒との比率は、質量比で抽出原料:抽出溶媒=1:2〜1:50程度の範囲が好ましい。また、抽出温度は、5〜80℃の範囲が好ましく、1時間〜1週間、抽出溶媒に浸漬したり、攪拌したりすることによって行うことが好ましい。なお、抽出pHは、極端な酸性又はアルカリ性でなければ、特に制限はない。
このアサクー粗抽出物のNT−4発現阻害率は、後述の実施例に示すように、アサクー材の入手先によってある程度の変動があるが、平均すると1ppmで12%程度である。
【0026】
なお、ここで言う「NT−4発現阻害率」とは、培養細胞系において活性型男性ホルモン(DHT)によって誘導されるNT−4の発現量を基準に、アサクー分画物を添加した場合の発現阻害量の割合として定義される値である。
【0027】
(アサクー有機溶媒分画物)
アサクー有機溶媒分画物は、上記アサクー抽出物を水と有機溶媒を用いた液液分画に供し、分画された水層溶出成分(水溶性成分)を除去して得られた有機溶媒層溶出成分である。前記有機溶媒としては、酢酸エチル、アセトン、酢酸メチルなどを用いることができ、酢酸エチルが好適であり、水との配合比(重量)は、通常1:1の配合比にて実施するが、それに限定されるものではない。
このアサクー有機溶媒分画物のNT−4発現阻害率は、後述の実施例に示すように、原材料の入手先によってある程度の変動があるが、平均すると、1ppmで50%〜60%である。
【0028】
(液体クロマトグラフィー分画物)
前記アサクー有機溶媒分画物を、液体クロマトグラムの固定相カラムに吸着させて、この固定カラムに溶媒強度が順次に増加するように調製した複数種の有機溶媒を順次通過させ、溶離してくる成分(液体クロマトグラフィー分画物)を順次に分取する。すなわち、溶媒強度に対応した分画物を分取する。固定相カラムとしては、シリカゲルカラムとアルミナカラムを用いる。有機溶媒としては、ヘキサン、イソオクタン、ジエチルエーテル、アセトン、エタノール、メタノールなどを使用し、単独あるいは組み合わせることによって、溶媒強度を調整する。
【0029】
前述のように溶媒強度にしたがって分取された分画物のNT−4発現阻害率には、差異がある。後述の実施例に示すように、シリカゲルカラムを用いた場合では、溶媒強度が0.28〜0.48の範囲で分取された分画物が高いNT−4発現阻害率(20%以上)を示し、溶媒強度が0.33〜0.43の範囲で分取された分画物では、更に高いNT−4発現阻害率(50%以上)を示す。また、アルミナカラムを用いた場合では、溶媒強度が0.48〜0.95の範囲で分取された分画物が高いNT−4発現阻害率(20%以上)を示し、溶媒強度が0.56〜0.95の範囲で分取された分画物では、更に高いNT−4発現阻害率(50%以上)を示す。
【0030】
(育毛養毛剤)
本発明にかかる育毛養毛剤は、上記NT−4発現阻害剤、より具体的には、上記アサクー有機溶媒分画物、あるいは上記アサクー液体クロマトグラフィー分画物を有効成分として有することを特徴とする。
上記有効成分の溶出溶媒が、エタノール、水/エタノール(含水エタノール)等の非毒性の溶媒である場合は、溶出物を育毛養毛剤としてそのまま用いても良く、あるいは上記溶出溶媒を希釈液として用いてもよい。また、前記溶出物を濃縮エキスとしてもよく、凍結乾燥などにより乾燥粉末物にしたり、ペースト状に調製したりしてもよい。なお、他の溶媒を用いた場合は、溶媒を留去後、乾燥分を非毒性の溶媒で希釈して用いることが望ましい。
【0031】
本発明の育毛養毛剤を、所定の目的組成物に添加することにより、その目的組成物に養毛育毛効果を付与した育毛養毛組成物を得ることができる。
【0032】
本発明の育毛養毛剤を所定の目的組成物に添加する場合、その目的組成物中における前記有効成分の配合量は、その製品形態、使用頻度により異なり一概に規定することはできないが、通常製剤全体に対して有効成分としては0.001〜1.0質量%(以下、%と略称する)、特に0.01〜1.0%が好ましい。0.001%より少ないと十分な効果が期待できず、また1.0%を超えると効果が頭打ちになったり、製剤の安定性および使用感の面で不具合が発生したりする可能性があるためである。
【0033】
本発明の育毛養毛組成物は、さらに炭素鎖長が11、13、15、および17の奇数鎖脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪酸を含むことが好ましい。前記脂肪酸を含むことにより、相乗的な育毛養毛効果を得ることができるためである。これら脂肪酸の濃度としては0.0005〜50%、特に0.25〜25%が好ましい。0.0005%より少ないと十分な効果が期待できず、また50%を超えると効果が頭打ちになったり、製剤の安定性の面で不具合が発生したりする可能性があるためである。
【0034】
本発明の育毛養毛用組成物は、更に、既存の育毛養毛成分を含有してもよい。既存の養育毛成分としては、PDG(ペンタデカン酸グリセリド)、特開平09−157136号公報記載のコレウスエキス、特開平10−45539号公報記載のゲンチアナエキス、マツカサエキス、ローヤルゼリーエキス、クマザサエキスなどの化学物質及びエキス類を挙げることができる。中でも、育毛養毛効果の点から、PDG、コレウスエキスが好ましい。
【0035】
前記既存の育毛養毛成分として例示した化学物質及びエキス類は、市販品あるいは公知の方法によって得られたものを使用することができる。特に、前記エキス類は植物成分の抽出により得ることができる。この場合、抽出に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類などが挙げられ、これらは一種を単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。抽出方法は、通常の植物エキスの抽出法などの方法に準じて行えばよく、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。また、市販の抽出物も用いることができる。
【0036】
また、本発明の育毛養毛剤には、使用目的に応じて、上記有効成分以外の任意の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、精製水、エタノール、非イオン性界面活性剤、糖質系界面活性剤およびその他の界面活性剤、セルロース類、油脂類、エステル油、高分子樹脂、色剤、香料、紫外線吸収剤やビタミン類、ホルモン類、血管拡張剤、アミノ酸類、抗炎症剤、皮膚機能亢進剤、角質溶解剤等の薬効成分などを挙げることができる。
【0037】
前記セルロース類としては、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0038】
前記界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノまたはイソステアレート、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノミリスチン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン)等が挙げられる。
【0039】
前記油脂類としては、例えば、多価アルコール脂肪酸エステル(トリ−2エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン酸等)、サフラワー油、月見草油、ホホバ油等が挙げられる。
【0040】
前記エステル油としては、例えば、不飽和脂肪酸アルキルエステル(オレイン酸エチル、リノール酸イソプロピル等)、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
【0041】
前記アミノ酸類としては、例えば、メチオニン、セリン、グリシン、シスチン等が挙げられる。
【0042】
前記角質溶解剤としては、例えば、サリチル酸、レゾルシン等が挙げられる。
【0043】
前記高分子樹脂としては、例えば、両性、カチオン性、アニオン性及びノニオン性ポリマー等が挙げられる。
【0044】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイ皮酸オクチル(ネオヘリオパンAV)、オキシベンゾン、ウロカニン酸等が挙げられる。
【0045】
本発明の育毛養毛剤に、その他蛋白質を配合する場合は、任意の量で配合できる。
【0046】
本発明の育毛養毛剤の利用分野としては、各種の外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般が挙げられる。具体的には、カプセル状、粉末状、顆粒状、固形状、液状、ゲル状、軟膏状、或いは気泡性の(1)医薬品類、(2)医薬部外品類、(3)局所又は全身用の皮膚化粧品類、(4)頭皮・頭髪に適用する薬用及び/又は化粧用の製剤類(例えば、シャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料など)が挙げられる。
【0047】
本発明の育毛養毛剤としては、前記分画物を有効成分として含む育毛養毛用毛髪化粧料及び育毛養毛用医薬品が挙げられる。前記育毛養毛用毛髪化粧料及び育毛養毛用医薬品には、本発明の効果を損なわない範囲において、既知の薬効成分を必要に応じて適宜配合することができる。既知の薬効成分としては、例えば、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤等を配合することができる。
【0048】
本発明の育毛養毛剤を適用した育毛養毛用毛髪化粧料及び育毛養毛用医薬品は、常法に従って均一溶液、ローション、ジェルなどの形態で外用により使用することができる。また、本発明の養育毛用毛髪化粧料は、エアゾールの形態をとることができ、その場合には、前記成分以外に、n−プロピルアルコールまたはイソプロピルアルコールなどの低級アルコール:ブタン、プロパン、イソブタン、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の可燃性ガス:窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等の圧縮ガスを含有することができる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0050】
(実施例1、比較例1、比較例2)
アサクー樹皮を破砕し、破砕物質量の20倍量の70%エチルアルコールで抽出した。この70%エチルアルコール抽出物(アサクー粗抽出物)を比較例1として、評価に供した。
【0051】
また、上記アサクー粗抽出物を、酢酸エチル/水(1/1)で液液分画し、水層、酢酸エチル層のそれぞれを採取して真空乾燥した。
一方の水層分画物(アサクー水溶性分画物)は、比較例2として、評価に供した。
【0052】
他方の酢酸エチル層から、減圧乾固により内部に含有するアサクー有機溶媒分画物を回収して、実施例1のNT−4発現阻害剤として、評価に供した。
【0053】
次に、上記酢酸エチル層を原料として、以下のようにして液体クロマトグラフィー分画物を調製した。まず、カラムとしてシリカゲルカラムを用いた場合の調製例を(実施例2)として示す。次にカラムとしてアルミナカラムを用いた場合の調製例を(実施例3)として示す。
【0054】
(実施例2:液体クロマトグラフィー分画物の調製1)
上記酢酸エチル層をさらに液体クロマトグラフィー(シリカゲルカラム)を用いて極性分画した。
具体的には、まずシリカゲルカラム(内径1.5cm、長さ21cm)に水分が付着していないことを確認し、このカラムをイソオクタンで洗浄した。カラムのメッシュ部に親指先大の脱脂綿を固く詰め、少量のイソオクタンを加えたカラムクロマト用シリカゲル(和光純薬社製、商品名「WakoGel C−200」)約10gを充填した。
【0055】
一方、アサクー酢酸エチル層分画物250mgを少量のイソオクタンに溶解し、そこにカラムクロマトグラム用シリカゲルを2g加えた。ウォーターバス上で加温し、イソオクタンを揮発させながら、シリカゲルの表面に均一に試料を吸着させた。シリカゲルが完全に乾いたことを確認し、先に準備したカラムに移した。
【0056】
分液漏斗を上記カラム上部に装着し、下記(表1)にある組成比の溶離液を順次通過させ、溶離してくる成分を順に、Fr1、Fr2、・・・・・とサンプリングした。得られた各分画物を真空乾燥し、重量を測定した後、活性評価に用いた。
【0057】
使用した溶離液における溶媒強度は、使用した各溶媒単独の溶媒強度が既知であるので、それらに基づいて決定した。すなわち、溶媒が2成分系の場合の溶媒強度(εab)は、以下の計算式(1)により算出した。

εab=εa+Log[Nb×10^(nb×(εb-εa))+1-Nb]/nb (1)

ただし、εa:低極性溶媒(a)の溶媒強度
εb:高極性溶媒(b)の溶媒強度
nb:高極性溶媒(b)の分子吸着占有面積
Nb:高極性溶媒(b)のモル分率
【0058】
【表1】

【0059】
(実施例3:液体クロマトグラフィー分画物の調製2)
上記(実施例2)と同様にしてアサクーの70%エチルアルコール抽出物(比較例1)から得た酢酸エチル画分(実施例1)を、アルミナカラムを用いて極性分画した。極性分画の方法は(実施例2)と同様だが、カラムに充填した吸着剤としてはシリカゲルの代わりにカラムクロマト用アルミナ(メルク社製、商品名「Aluminiumoxide 90 active acidic(0.063−0.200mm)」を用いた。下記(表2)に示す溶媒を順次通過させ、溶離してくる成分を順に、Al−Fr1、Al−Fr2、・・・・・と付番して分取した。
【0060】
【表2】

【0061】
(評価方法1)
NT−4上流配列約2000bp(配列番号1)を、pGL3−basic (Promega社製)にサブクローニングを行った。本プラスミドを、内部標準としてのpRL−SV40(Promega社製)とともに、HeLa細胞に導入した。1日培養後、上記アサクー粗抽出物(比較例1)、上記アサクー水溶性分画(比較例2)、上記アサクー有機溶媒分画物(実施例1)、および上記(表1)及び(表2)に示す各アサクー液体クロマトグラフィー分画物をそれぞれ1ppm、および10−7M dihydrotestosterone(DHT)を含む培地に交換した。コントロール群としてはDHTを含まない培地を用いた。24時間後にデュアル−ルシフェラーゼ レポーター アッセイ システム(Dual-Luciferase Reporter Assay System:Promega社製)を用いてルシフェラーゼアッセイ(Luciferase assay)を行った。10%チャコール処理済FBSを添加したDMEM(Doulbecco's modified Eagle's Medium、フェノールレッド不含)培地で行った。
【0062】
(NT−4発現阻害作用の評価結果)
各サンプルのルシフェラーゼ相対活性(Relative Luciferase Activity)を算出した。このルシフェラーゼ相対活性は、NT−4上流配列とpGL3-basicのサブクローニングにより得られたベクターにより発現するホタルルシフェラーゼの活性値を、内部標準として導入したpRL-SV40により発現するウミシイタケルシフェラーゼの活性値で徐することにより求められる値である。
【0063】
次に、このルシフェラーゼ相対活性からNT−4発現阻害率を算出し、図1および図2に示した。図1のグラフでは、横軸にシリカゲルカラムを用いた場合の分画物Fr1〜Fr8を溶媒強度順(Fr1→Fr8)に配置し、縦軸にNT−4発現阻害率を表示した。同様に、図2のグラフでは、横軸にアルミナカラムを用いた場合の分画物Al−Fr1〜Al−Fr4を溶媒強度順(Al−Fr1→Al−Fr4)に配置し、縦軸にNT−4発現阻害率を表示した。
【0064】
さらに、図3として、上記(表1)に示す各アサクー液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害率の測定から得られた溶媒強度とNT−4発現阻害率との関係を示すグラフを示した。この図3のグラフでは、横軸にシリカゲルカラムを用いた場合の溶媒強度を表示し、縦軸にNT−4発現阻害率(%)を示した。同様に、図4として、上記(表2)に示す各アサクー液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害率の測定から得られた溶媒強度とNT−4発現阻害率との関係を示すグラフを示した。この図4のグラフでは、横軸にアルミナカラムを用いた場合の溶媒強度を表示し、縦軸にNT−4発現阻害率(%)を示した。
【0065】
NT−4発現阻害率(%)の算出は、以下の式(2)に基づいて行った。

NT-4発現阻害率(%)=[1−(RLASamp−RLACont)/(RLADHT−RLACont)]×100
・・・・・・(2)

式(2)中、RLACont:コントロール群のNT-4発現率(ルシフェラーゼ相対活性)
RLADHT:DHT添加群のNT-4発現率
RLASamp:各サンプル添加群のNT-4発現率
【0066】
図3に見るように、シリカゲルカラムを用いた場合の液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害率が20%以上となる溶離溶媒の溶媒強度を算出したところ、0.28〜0.48の範囲となった。また、NT−4発現阻害率が50%以上となる溶媒強度は、0.33〜0.43の範囲となった。従って、溶媒強度0.28〜0.48の範囲の溶媒で分画した際のアサクー液体クロマトグラフィー分画物に、効果の高いNT−4発現阻害作用があり、溶媒強度0.33〜0.43の範囲の溶媒で分取したアサクー液体クロマトグラフィー分画物に、より効果の高いNT−4発現阻害作用があることが判明した。
【0067】
なお、上記液体クロマトグラフィー分画物と同様にして、式(2)に従って、比較例1(アサクー粗抽出物)、比較例2(アサクー水溶性分画物)、および実施例1(アサクー有機溶媒分画物)のNT−4発現阻害率を算出した。比較例1のNT−4発現阻害率は12.0%、比較例2のNT−4発現阻害率は9.9%、そして実施例1のNT−4発現阻害率は56.8%であった。これらの結果は、グラフ化して、図1中に表示した。
【0068】
一方、図4に見るように、アルミナカラムを用いた場合の液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害率が20%以上となる溶離溶媒の溶媒強度を算出したところ、0.48以上の範囲となった。上限については、図2に示されているように、分画物Al−Fr4は上記シリカゲルカラムを用いた場合の分画物Fr6と同等レベルの活性が得られており、Al−Fr4が活性成分局在のピークであることが推察された。Al−Fr4(メタノール溶離、溶媒強度:0.95)よりもさらに極性の高い溶離画分としては、水溶離画分(溶媒強度:大)が挙げられるが、液体クロマトグラフィー分画以前の水溶性成分(比較例2)には図1に見るようにNT−4発現阻害作用が乏しいことが確認されているので、水で溶離してくる画分にも活性が無いものと、推測される。以上のことから、Al−Fr4にNT−4発現阻害作用を有する成分が最も局在することは確かであると言うことができるが、水の溶媒強度が数値化されていないことから、上限の溶媒強度を数値として定量化できない。一方でメタノール溶離により活性成分の大部分が溶出されていることが確かなので、NT−4発現阻害率が20%となる分画物が得られる溶媒強度の上限はメタノールの溶媒強度である0.95に設定することが可能である。
【0069】
以上から、実施例1で得たアサクー有機溶媒分画物と、実施例2において溶媒強度0.28〜0.48の溶媒により分取された液体クロマトグラフィー分画物と、実施例3において溶媒強度0.48〜0.95の溶媒により分取された液体クロマトグラフィー分画物は、NT−4発現阻害作用に優れており、これらを有効成分として含有することにより、効果の高いNT−4発現阻害剤を得ることができる。
【0070】
(育毛養毛効果の評価方法)
雄のC57BL/6マウス(7週齢)を用い、小川らの方法(フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p20−29,1989.参照)を参考にして実験を行った。マウスの背部体毛を約2〜4cmの大きさに電気バリカン及び電気シェーバーにて除毛し、毛髪成長期を誘導した。除毛後、DHT30mgを皮下に投与した。翌日より1日1回100μLずつ週5回、30日間サンプル塗布を行い、除毛部分に対し毛再生が始まった部分の面積比の変化を求め、下記10段階評価にて、毛再生の早さの比較を行った。
サンプルとしては、前記実施例1、2、3で得られたNT−4発現阻害剤を用いた。サンプル量は0.1質量%とした。また、コントロール群には、溶媒であるエタノールを塗布した。各群ともに1群6匹として実験に供した。除毛、皮下投与後から、発毛スコアが5点に至るまでに要した日数を(表3)に示す。
【0071】
(育毛養毛効果の評価基準)
除毛された部分の全体面積に対する毛再生が始まった部分の面積の割合(%)に下記点数を付して、点数の大きさによって、育毛養毛効果を評価した。その結果を(表3)に示した。
(点数):(毛再生面積率(%))
1点:0〜10%
2点:11〜20%
3点:21〜30%
4点:31〜40%
5点:41〜50%
6点:51〜60%
7点:61〜70%
8点:71〜80%
9点:81〜90%
10点:91〜100%
【0072】
【表3】

【0073】
表3に見るように、実施例1で得た有機溶媒分画物(NT−4発現阻害剤)を有効成分とした例では、5点到達日は23.2日、実施例2において溶媒強度0.28〜0.48の溶媒により分取されたFr5、6、7を有効成分として用いた場合では、5点到達日はそれぞれ25.3、18.0、27.1日、実施例3において溶媒強度0.48〜0.95の溶媒により分取されたAl−Fr3、4を有効成分として用いた場合では、5点到達日はそれぞれ28.0、19.2日であった。これに対して、比較例1のアサクー粗抽出物を有効成分として用いた場合では、28.9日であった。したがって、本発明のNT−4発現阻害剤を有効成分として用いることにより、育毛養毛効果に優れた育毛養毛剤を提供できることが、確認された。
【0074】
(育毛養毛剤の処方例)
本発明のNT−4発現阻害剤(アサクー液体クロマトグラフィー分画物Fr6)を有効成分として含有する育毛養毛剤の処方例を以下に示す。
【0075】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明にかかるNT−4発現阻害剤は、NT−4に起因するアポトーシスの誘導を防止することができるので、NT−4によるアポトーシスに起因して生体に生じる悪影響の予防、治療及び改善のために有用である。特に、毛包におけるNT−4によるアポトーシスの誘導を防止することにより、哺乳類に対する育毛養毛効果を発揮することができる。また、本発明にかかる育毛養毛剤は、前記本発明にかかるNT−4発現阻害剤を有効成分として有しているので、哺乳類の脱毛症、特に男性型脱毛症を改善すると共に、長期に亘る使用に十分耐え得る安全性を備え、使用感の良好な育毛養毛剤である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施例1で得たアサクー有機溶媒分画物、実施例2で得たアサクー液体クロマトグラフィー分画物、比較例1で得たアサクー粗抽出物、及び比較例2で得たアサクー水溶性分画物のNT−4発現阻害率をグラフ化して示した図である。
【図2】実施例3で得たアサクー液体クロマトグラフィー分画物及び比較例1で得たアサクー粗抽出物のNT−4発現阻害率をグラフ化して示した図である。
【図3】シリカゲルカラムを用いた各アサクー液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害率の測定から得られた溶媒強度とNT−4発現阻害率との関係をグラフ化して示した図である。
【図4】アルミナカラムを用いた各アサクー液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害率の測定から得られた溶媒強度とNT−4発現阻害率との関係をグラフ化して示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アサクー抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、
前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物であることを特徴とするNT−4発現阻害剤。
【請求項2】
アサクー抽出物から分画されたNT−4発現阻害作用に優れたアサクー抽出分画物を有効成分として有するNT−4発現阻害剤であって、
前記アサクー抽出分画物が、アサクーの水性有機溶媒抽出物から水溶性分画物が除去されてなるアサクー有機溶媒分画物を更に液体クロマトグラフィーにより溶媒強度を変化させて分取した液体クロマトグラフィー分画物であることを特徴とするNT−4発現阻害剤。
【請求項3】
前記液体クロマトグラフィー分画物のNT−4発現阻害作用によるNT−4発現阻害率が少なくとも20%であることを特徴とする請求項2に記載のNT−4発現阻害剤。
【請求項4】
前記液体クロマトグラフィーがシリカゲルカラム液体クロマトグラフィーであり、前記液体クロマトグラフィー分画物が溶媒強度0.28〜0.48の範囲に溶出した分画物であることを特徴とする請求項3に記載のNT−4発現阻害剤。
【請求項5】
前記液体クロマトグラフィーがアルミナカラム液体クロマトグラフィーであり、前記液体クロマトグラフィー分画物が溶媒強度0.48〜0.95の範囲に溶出した分画物であることを特徴とする請求項3に記載のNT−4発現阻害剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のNT−4発現阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする育毛養毛剤。
【請求項7】
アサクー材の破砕物を水性有機溶媒により抽出して水性有機溶媒抽出物を得る工程と、
前記水性有機溶媒抽出物を水と有機溶媒とを用いて液液分離して、水溶性分画物を除去したNT−4発現阻害作用を有するアサクー有機溶媒分画物を得る工程とを有することを特徴とするNT−4発現阻害剤の調製方法。
【請求項8】
前記アサクー有機溶媒分画物を得る工程の後に、前記アサクー有機溶媒分画物を液体クロマトグラムを用いて溶媒強度を変化させて分画することによりNT−4発現阻害作用に優れた液体クロマトグラフィー分画物を分取する工程をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のNT−4発現阻害剤の調製方法。
【請求項9】
前記液体クロマトグラムがシリカゲルカラム液体クロマトグラムであり、溶媒強度0.28〜0.48の範囲に溶出した分画物をNT−4発現阻害剤に有効成分として分取することを特徴とする請求項8に記載のNT−4発現阻害剤の調製方法。
【請求項10】
前記液体クロマトグラムがアルミナカラム液体クロマトグラムであり、溶媒強度0.48〜0.95の範囲に溶出した分画物をNT−4発現阻害剤の有効成分として分取することを特徴とする請求項8に記載のNT−4発現阻害剤の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−143813(P2009−143813A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319584(P2007−319584)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】