説明

Nb触媒の存在下オキシムのベックマン転位によるラクタムおよびカルボン酸アミドの生成

本発明は、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、またはアセトアミノフェノールやベンズアニリドなどのカルボン酸アミドを、好ましくは気相中であるが、また液相中でもSiO担持NbなどのNb含浸触媒の存在下、対応するオキシムからベックマン転位によって生成する方法に関する。気相反応は、固定床反応器、プレート型反応器、流動床反応器、第2の流動床で連続再生が行われる流動床反応器などの様々な反応器中、温度200℃〜500℃および圧力0.01バール〜10バールで行うことができる。液相においては、オートクレーブ、撹拌反応器、ループ型反応器、およびトリクルベッド反応器などの様々な反応器中、温度20℃〜200℃および圧力0.5〜20バールで反応を行うことができる。本発明はさらに、前記Nb含有触媒を酸化性および非酸化性媒体中200℃〜600℃で再生する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の概要]
[0001]本発明は、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、またはアセトアミノフェノール(鎮痛剤パラセタモール)やベンズアニリドなどのカルボン酸アミドを、好ましくは気相中であるが、また液相中でもSiO担持NbなどのNb含浸触媒の存在下、対応するオキシムのベックマン転位によって生成する方法に関する。
【0002】
[0002]さらに、本発明には、これらのNb含有触媒を酸化および非酸化媒体中200℃〜600℃で再生する方法が記載されている。
【0003】
[技術水準]
[0003]Nb含有材料は、不均一系触媒プロセスにおいて、またファインケミカルズの合成に顕著な活性を示した(Chem. Rev.、99巻(1999年)3603〜3624頁、Cat. Today 8巻(1990年)1頁)。特許(米国特許第5618512号明細書)にはさらに、ニオブ含有ゼオライトがオレフィンなどの炭化水素の酸化に有用であることが開示されている。
【0004】
[0004]Journal of Catalysis、260巻(2008年)17頁に、MCM−41などのMSファミリーの材料からなる触媒は、Nbがこれらの材料のマトリックスに組み込まれているが、シクロヘキサノンオキシムのε−カプロラクタムへのベックマン転位に使用できることが有利であり、高い変換率で非常に高い選択率が得られると報告されている。しかし、このようなNbが組み込まれたMCM−41触媒の生成はかなり労力を要し、コストがかかる。
【0005】
[0005]本発明には、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、またはアセトアミドフェノールやアセトアニリドなどのカルボン酸アミドを、NbがSiO、SiO−Al、TiO、ZrOなどの様々な無機および有機支持材に適用されているNb含有触媒の存在下、好ましくは気相中であるが、また液相中でも、シクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムまたは4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムまたはベンゾフェノンオキシムなどの対応するオキシムのベックマン転位によって生成する方法が記載されている。さらに、本発明には、このような触媒の再生が記載されている。
【0006】
[0006]例えば、ε−カプロラクタムおよびω−ラウロラクタムは、ナイロン−6やナイロン12などのポリアミドの生成に重要なモノマーである。したがって、ε−カプロラクタムは、発煙硫酸またはオレウムなどの酸性媒体の存在下、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位により行われる(米国特許第4268440号明細書および第5304643号明細書)。アンモニア水を用いて反応混合物を中和すると、大量の硫酸アンモニウムが生成されるという、不都合であり、環境を破壊することになる。別の不都合な点は、腐食、毒性、および多分シアノペンテン、アニリン、シクロヘキサノンなどの他の副生物である。同じことが、ω−ラウロラクタムの生成にも当てはまる。
【0007】
[0007]上記プロセスは、均質な硫酸を、固体酸性触媒を用いた気相ベックマン転位に変更して行うことができる。気相転位における固体酸触媒としては、ε−カプロラクタム生成に使用することが有利であるホウ酸触媒(特開昭A53−37686号広報、特開昭A46−12125号広報)、ケイ酸−酸化アルミニウム触媒(英国特許第881927号明細書)、固体リン酸触媒(英国特許第881956号明細書、米国特許第4359421号明細書)、混合酸化物触媒(Dongsen Maoら、Journal of Molecular Catalysis A:Chemical、240巻(2005年)164〜171頁)、およびゼオライト触媒(G. Heitmannら、Applied Catalysis A:General、185巻(1999年)99〜108、およびJ. Catalysis、186巻(1999年)12〜19頁、G. Dahlhoffら、Catal. Rev.−Sci.Eng.、43巻4号(2001年)381〜441頁、米国特許第3016315号明細書、欧州特許第1065167号明細書)、シリカリッチなゼオライト触媒が挙げられる。
【0008】
[0008]ε−カプロラクタムは、ベックマン転位反応以外の様々な方法で生成することもできる。G. Dahlhoffら(Catal. Rev.−Sci. Eng.、43巻、4号(2001年)381〜441頁および米国特許第6252068号明細書)は、例えば6−アミノ−カプロン酸メチルの環化(特開平2−215767号広報)、6−アミノカプロニトリルと水の反応(米国特許第5495016号明細書)、水素および水蒸気の存在下、6−ヒドロキシカプロン酸メチルとアンモニアの反応(特開平9−3041号広報)、および流動層反応器中でのε−カプロラクタムのオリゴマーの開裂(米国特許第4683305号明細書)などこのような他のε−カプロラクタム合成方法を示唆した。さらに、W. Holderichらの論文には、様々な生成方法の包括的概要が記載されている(Catal Rev−Sci. Eng、43巻(2001年)381頁)。
【0009】
[0009]さらに、米国特許第4767857号明細書には、6−アミノカプロン酸エステルの加熱によるε−カプロラクタムの生成が記載されている。米国特許第4963672号明細書には、ε−カプロラクタムの生成について、最初に触媒および水を用いて、5−ホルミル吉草酸エステルを5−ホルミル−吉草酸に加水分解することが示唆されている。この後、5−ホルミル吉草酸は、アンモニア、水素、溶媒、および水素化触媒を用いて、大気圧下で6−アミノカプロン酸に変換される。触媒を分離し、アンモニアを除去した後、残留する溶液を加熱し、ε−カプロラクタムに変換した。
【0010】
[0010]最近、国際公開第2005/123669号(A1)パンフレットに、ε−カプロラクタムは、L−リシンなどの天然物を出発材料として合成生成できることも記載されている。この場合、α−アミノ−ε−カプロラクタムの生成に、L−リシン塩が例えばアルコールなどの溶媒中で使用されている。その後、脱アミノ化により、ε−カプロラクタムが生成される。
【0011】
[0011]気相中、βゼオライト、Yゼオライト、モルデン沸石、特にMFI構造をもつゼオライトなどの固体触媒を使用して、シクロヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムにベックマン転位を行うことができることも公知である。
【0012】
[0012]しかし、H型または希土類金属もしくは遷移金属をドープしたβ、Y、モルデン沸石、およびMFIゼオライトは、オリゴマーおよびポリマー形成を経て非常に急速に不活性化する。また、これらの触媒上に、5−シアノペンタ−1−エン、シクロヘキサノン、アニリンなど他の副生物がますます形成される(米国特許第6531595号明細書、米国特許第5354859号明細書)。
【0013】
[0013]気相ベックマン転位が例えばペンタシル型(MFI構造)などのゼオライト触媒上で行われる場合、反応時に、触媒表面のブレンステッド酸中心に炭素含有生成物が堆積し、非常に急速に不活性化するおそれがある(G. Heitmannら、Appl. Catal, 185巻(1999年)99頁、J. Cat, 186巻(1999年)12頁、および米国特許第5403801号明細書)。
【0014】
[0014]これらの有機物質を触媒の活性中心から除去するために、触媒はより高い温度で再生される。この間に、酸素などの酸化性ガスの存在下で、例えばオリゴマーやポリマーなどの炭素化合物が触媒の活性中心から除去される。
【0015】
[0015]特許(欧州特許第1028108号明細書および米国特許第6265574号明細書)には、気相中ホウ素含有ゼオライト、例えばB−MFIゼオライトを用いて行われるベックマン転位は、流動床反応器中での高いシクロヘキサノンオキシム変換率およびε−カプロラクタム選択率を示すことが記載されている(G. Dahlhoffら、Studies in Surface Science and Catalysis, 139巻(2001年)335〜342頁、G. Heitmannら、Journal of Catalysis、194巻(2000年)122〜129頁、米国特許第6531595号明細書)。
【0016】
[0016]B−MFI触媒の存在下における上記プロセスの主な問題は、オリゴマーやポリマーなどの炭素含有物質が触媒の活性中心に堆積するので、約2時間という一定の反応時間後、触媒の不活性化が始まることである。
【0017】
[0017]ω−ラウロラクタムも、不均一系ゼオライト触媒を用いてシクロドデカノンオキシムの気相ベックマン転位により生成することができる。このような方法は、国際出願PCT/FR2006/001399号明細書に記載されている。この方法では、ベックマン転位によりシクロヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを生成する際と同様の問題が生じる。
【0018】
[0018]したがって、急速な触媒再生を可能にする方法を開発する必要があった。これは、したがってε−カプロラクタムへの高変換率および高選択率を求めて最初の触媒活性を再び長引かせるために流動層反応器中で触媒を連続再生することにより解決された(米国特許第4968793号明細書)。したがって、工業用プロセスは、流動接触分解(FCC)で使用される方式と同様に流動層反応器中で行われ、触媒の連続再生が第2の流動床反応器中で行われる(米国特許第6265574号明細書)。しかし、J. Roeselerらは、シクロヘキサノンオキシム1モル当たり水6 モルまでの水を添加すると、触媒の不活性化がいくぶん抑制されることを見出した(J. Roeselerら、Appl. Catal、144巻(1996年)319〜333頁、米国特許第5741904号明細書、H. Ichihashiら、Cat. Today、73巻(2002年)23〜28頁)。
【0019】
[0019]欧州特許第0086543号明細書および米国特許第4472516号明細書には、B−MFI触媒の寿命のNaイオン添加による改善方法が記載されている。しかし、ε−カプロラクタムへの選択率は58%にすぎないことがわかった。Naイオンで処理された触媒の寿命は、約15時間であり、したがって無処理のB−MFIゼオライトの場合より約5倍長い。しかし、副生物5−シアノペンタ−1−エンの生成が強力に助長され、容易にオリゴマー形成され、及びポリマー形成され、したがってその結果は満足なものではない。
【0020】
[0020]この分野での研究の目的は、これらの欠点を、例えばベックマン転位によりシクロヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを生成する方法を提供することにより克服すること、およびこれまで使用されている高価なゼオライト触媒より安価であり、さらにはより頑強であり、再生する前により長く使用することができる触媒を開発することである。
【0021】
[0021]パラセタモールは、1878年に初めてMorseによって、氷酢酸中スズを用いてp−ニトロフェノールを還元することにより合成された。以降、多くの調製方法、とりわけ無水酢酸を用いたp−アミノフェノールのアセチル化が論じられてきたが、他の経路も発見され、商業化されてきた。
【0022】
[0022]80年代中頃には、Davenportらにより新規方法が公表された。これは、二段階プロセスである。第1のステップは、4−ヒドロキシアセトフェノンとヒドロキシルアミン塩酸塩を反応させて、4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムを生成するステップである。第2のステップは、発煙硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、または液体二酸化硫黄中の塩化チオニルなどの酸性均質触媒による、4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムからパラセタモールへのベックマン転位である。酸性均質触媒を使用すると、面倒なワークアッププロセスおよび酸をアンモニアまたは水酸化ナトリウム溶液などの塩基で中和する不可欠な反応が必要である。それによって引き起こされる塩負荷は環境を汚染し、毒性または腐食性物質による問題が存在し得る。
【0023】
[詳細]
[0023]今回、驚くべきことに、安価で容易に生成可能な支持材担持Nb含有触媒も、ベックマン転位に対して例えば気相中で優れた触媒性能を示し、95%より高い変換率で非常に高い選択率を達成することを見出した。驚くべきことに、このような触媒の貯蔵寿命は、固定床反応器の実用化が可能となるのに十分なほど長く、第2の流動床中で連続触媒再生を行う高価な流動層反応器のプロセス技術を回避することができる。
【0024】
[0024]本発明によれば、ベックマン転位は、好ましくは気相中であるが、また液相中でも、大表面積および低酸強度のNb含浸アモルファス材料上で行われる。これらの触媒は、例えばシクロヘキサノンオキシム変換率およびε−カプロラクタムへの極めて高い選択率に基づいて一定の活性を示す。
【0025】
[0025]本発明はまた、SiO、SiO−Al、TiO、ZrOなどの支持材へのNb含浸によるこのような触媒の調製にも関する。
【0026】
[0026]本発明において、例えばSiO支持体に3.15重量%のNbを担持させた触媒を用いると、固定床反応器中、300℃、0.1バールおよびWHSV0.3hr−1で、シクロヘキサノンオキシムの変換率100%およびカプロラクタム選択率95%超が実現される。本発明は、Nb含浸SiO触媒だけでなく、他のNb含浸触媒にも関する。
【0027】
[0027]異なる表面積、異なる孔径と細孔径分布、および異なる酸性度を有するSiOなどの他の無機支持材は、アモルファスSiO−Al、TiO、ZrO、同形置換ペンタシル型ゼオライト(例えば、B−MFI、TS−1、Al−MFI)などのゼオライト、MCM−41、MCM−48などのMSファミリーのメソ多孔性材料、ならびにAlやBなどの第III族の典型元素の酸化物およびLaまたはCeOなどのランタン族の酸化物である。これらの他の支持材も、異なる表面積、異なる孔径と細孔径分布、および異なる酸性度が異なる。
【0028】
[0028]調製された触媒中のNb含有量は、0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、特に好ましくは1重量%〜5重量%の広範囲にわたって異なる。
【0029】
[0029]Nbの適用は、例えばi)Nb塩を水に溶解し、支持材に含浸させ、ロータリーエバポレーターを使用して、過剰の水を回転蒸発させるステップと、ii)「インシピエントウェットネス」法で含浸させるステップと、iii)イオン交換するステップとによる触媒生成に多用される方法によって行われるが、iv)ニオブ化合物と支持材を混合し、続いて乾燥およびか焼を行うステップによっても行われる。Nb成分の適用の後には、通常80℃〜160℃で乾燥し、次いで300℃〜750℃、好ましくは500℃〜600℃でか焼される。
【0030】
[0030]本発明におけるε−カプロラクタムやω−ラウロラクタムなどのラクタムの生成方法は、気相中Nb含有触媒を用いた連続運転固定床反応器中で、それぞれシクロヘキサノンオキシムやシクロドデカノンオキシムなどの対応するオキシムのベックマン転位により行われる。固定床の代替として、流動層反応器または第2の流動床もしくは移動床反応器で連続再生が行われる流動床反応器、あるいはプレート型反応器を使用することもできる。
【0031】
[0031]同じプロセス概念が、気相ベックマン転位によるカルボン酸アミドの生成、例えば4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムからアセトアミノフェノールへの生成またはベンゾフェノンオキシムからベンズアニリドへの生成にも当てはまる。例えば、パラセタモールを生成するのに、ベックマン転位を、スラリー反応器で液体媒体中、回分式で、固定床反応器で連続作動モードにて、またはループ型反応器で行うこともできる。
【0032】
[0032]これらのプロセスでは、触媒は、粉末、錠剤、押出物、または流動材料の形で使用することができる。
【0033】
[0033]反応温度は、例えばカプロラクタムおよびラウロラクタムでは一般に100〜500℃、好ましくは250〜350℃、特に好ましくは275〜325℃であるが、例えばパラセタモールでは100〜200℃、好ましくは130〜170℃である。
【0034】
[0034]例えば、触媒の装填については、オキシム(g)/時と触媒(g)で記述される「空間時間速度」、すなわちWHSV(重量空間速度)で表わされるが、シクロヘキサノンオキシムまたは4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムの場合、一般に0.05〜15hr−1、好ましくは0.1〜5hr−1、特に好ましくは0.2〜2.5hr−1である。
【0035】
[0035]本発明において、反応器の圧力は0.01〜10バールであるが、好ましくは0.05〜2バール、特に好ましくは0.1〜0.5バールである。
【0036】
[0036]シクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムなどのオキシムは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、アセトニトリル、キシレン類、トルエン、またはベンゼンなどの極性および/または非極性溶媒に溶解し、溶液として使用することができる。不活性溶媒を使用すると、オキシムを触媒の反応中心に移送するのが促進され、触媒表面から生成物が脱離するのも容易になる。しかし、これらの反応を実施する際に、水および水蒸気の使用も非常に有利である。
【0037】
[0037]さらに、キャリアガスを使用することができる。これらは、N、アルゴン、ヘリウム、CH、および/またはCOなどの不活性ガスである。キャリアガスの機能は、反応生成物および不完全に反応したオキシムを触媒表面から移動させることである。
【0038】
[0038]固定床気相反応では、オリゴマーやポリマーなどの炭素含有副生物が生成し、触媒の活性中心を被覆し、触媒を不活性化する。触媒再生は固定床反応器で行うことができる。固定床の代替として、流動層反応器または移動床反応器またはプレート型反応器を使用することもできる。このような不活性化は液相反応でも起こり得る。しかし、これらの不活性化された触媒も、時には単に溶媒で洗浄するだけで再生することができる。
【0039】
[0039]本発明において、再生は、200〜700℃、好ましくは450〜550℃の温度で、空気ならびに/または純酸素ならびに/または酸素と混合不活性ガスN、アルゴン、メタン、二酸化炭素、およびHなどの酸化性ガスまたは混合気体の存在下で行われる。
【0040】
[0040]再生は、N、アルゴン、メタン、二酸化炭素、およびHなどの非酸化性媒体中、200〜700℃、好ましくは450〜550℃の温度でも可能である。それによって、活性中心上の炭素含有堆積物が触媒表面から吹き払われる。
【0041】
[0041]一般に、空気などの酸化性ガスの存在下、高温での触媒再生は大きく発熱的な反応であり得る。酸化性ガスの存在下では、熱が放出され、その結果として触媒は強烈に熱くなる。これらの高温において、触媒は焼結し、非可逆的に不活性化するおそれがある。非酸化性ガスの存在下での触媒再生の利点は、この方法の場合、触媒上の有機堆積物の酸化による熱が放出されず、その結果として酸化的再生などにおいて触媒に及ぼす悪影響を生じるおそれがないことである。
【0042】
[0042]生産を中断する必要がなく、ベックマン転位および触媒再生を2基以上、例えば4基の固定床反応器で並行に行うことができる。これらの固定床反応器は、反応と再生を絶えず交互に繰り返して並行して操作される。
【0043】
[0043]本発明によるNb含有不均一系触媒を用いたオキシムの本発明によるベックマン転位は、液相でも行うことができる。
【0044】
[0044]本発明におけるε−カプロラクタムやω−ラウロラクタムなどのラクタムの生成方法は、液相中Nb含有触媒を用いた連続運転固定床反応器中で、それぞれシクロヘキサノンオキシムやシクロドデカノンオキシムなどの対応するオキシムのベックマン転位により行われる。固定床の代替として、バッチ式反応器(撹拌槽型反応器)、オートクレーブ、カスケード型反応器、またはトリクルベッド反応器を使用することもできる。
【0045】
[0045]同じプロセス概念が、液相ベックマン転位によるカルボン酸アミドの生成、例えば4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムからアセトアミノフェノールへの生成またはベンゾフェノンオキシムからベンズアニリドへの生成にも当てはまる。
【0046】
[0046]触媒は、このプロセスでは粉末の形で使用される。
【0047】
[0047]反応温度は、一般に20〜200℃、好ましくは120〜170℃である。
【0048】
[0048]触媒の装填は、例えば液体中でのシクロヘキサノンオキシムまたは4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムの場合、触媒1g当たりオキシム2gから触媒1g当たりオキシム100gの範囲で行われる。
【0049】
[0049]本発明において、反応器の圧力は、液相反応では0.01バール〜10バールであるが、好ましくは1〜2バールであり、気相反応では0.01バール〜2バールである。
【0050】
[0050]シクロヘキサノンオキシムまたはシクロデカノンオキシムなどのオキシムは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、アセトニトリル、キシレン、トルエン、またはベンゼンなどの極性および/または非極性溶媒に溶解し、溶液として使用することができる。しかし、反応を実施する際に、水および水蒸気の使用も非常に有利であり得る。基質と溶媒の重量比は、1:1〜1:15、好ましくは1:6〜1:9の範囲である。
【0051】
[0051]さらに、液相ベックマン転位は、N、アルゴン、ヘリウム、CH、および/またはCOなどの不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
【0052】
[0052]液相反応でも、オリゴマーやポリマーなどの炭素含有副生物を生成し、触媒の活性中心を被覆し、触媒を不活性化する。気相反応とは対照的に、この場合、再生は、触媒を外部に、固定床反応器の反応容器の外側に分離することができた後行われる。
【0053】
[0053]本発明において、再生は、この場合にも200〜700℃、好ましくは450〜550℃の温度で、空気ならびに/または純酸素ならびに/または酸素と混合不活性ガスN、アルゴン、メタン、二酸化炭素、およびHなどの酸化性ガスまたは混合気体の存在下で行われる。
【0054】
[0054]再生は、N、アルゴン、メタン、二酸化炭素、およびHなどの非酸化性媒体中、200〜700℃、好ましくは450〜550℃の温度でも可能である。それによって、活性中心上の炭素含有堆積物が触媒表面から吹き払われる。
【0055】
[0055]一般に、空気などの酸化性ガスの存在下、高温での触媒再生は大きく発熱的な反応であり得る。酸化性ガスの存在下では、熱が放出され、その結果として触媒は強烈に熱くなる。これらの高温において、触媒は焼結し、非可逆的に不活性化するおそれがある。非酸化性ガスの存在下での触媒再生の利点は、この方法の場合、触媒上の有機堆積物の酸化による熱が放出されず、その結果として酸化的再生などにおいて触媒に及ぼす悪影響を生じるおそれがないことである。
【0056】
[0056]遷移金属Mを含浸させた触媒は、さらに有用なタイプの触媒改変である。Nb以外に好ましい金属としては、Ta、Ti、Mn、Zr、V、Sn、Sb、およびWが挙げられる。触媒成分の原子比率は、原子吸光分光法(AAS)で決定することが可能である。Si/M原子比率は、16以上、好ましくは50以上である。
【0057】
[0057]発明による触媒の活性がこのように高い主な理由は、支持材が大表面積であること、非常に弱い酸強度から中位の酸強度を示す酸中心が多数存在することである。これらの酸性中心は、触媒表面上に均等に分布されている。非常に弱い酸性中心から弱い酸性中心は、気相ベックマン転位に非常に好ましい。
【0058】
[0058]反応の結果から、Nb含浸SiOの存在下で、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシムの変換率およびε−カプロラクタム選択率などのラクタム選択率が他の支持材の場合より高くなることがわかる。これらの所見は、大表面積および細孔容積、ならびに低酸強度で説明することができるであろう。
【0059】
[0059]本発明をより理解するために、いくつかの詳細な実施例を記載するが、それによって本発明の範囲を限定するよう意図されているものではない。
【0060】
[実施例]
[0060]以下の実施例および比較例では、以下の材料を使用した:シクロヘキサノンオキシム(純度99.5%)、フルカ(Fluka)(ドイツ)から送達;エタノール(工業用)(ドイツ)。
【0061】
[0061]これらの実施例では、生成された触媒は、N吸着方法(BET表面積分析)およびICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分光法)によって特徴付けられた。
【0062】
[0062]これらの実施例では、反応遊離体および生成物、例えばシクロヘキサノン、シクロヘキサノンオキシム、ε−カプロラクタム、および他の化合物、例えば2−シクロヘキセン−1−オン、5−シアノペンタン、アニリンなどをガスクロマトグラフィーおよびGC/MSで同定した。シクロヘキサノンオキシムの変換率およびε−カプロラクタムへの選択率は、ウンデカン酸メチルを内部標準として用いたGC結果を基準として算出した。
【0063】
[触媒の説明]
[実施例1:触媒A]
[0063]SiO支持体担持Nbを含浸法で調製した。触媒は以下の方法で合成した。シリカ支持体として、DAVICAT SP 550−10021(表面積=約300m/g)を使用した。NbClを含浸させることによって、Nb/SiOを生成した。その調製時に、まず適量のNbClを100mlのイソプロパノールに溶解した。この溶液に、10gのSiO支持材を添加した。これによって生ずる混合物を、イソプロパノールが蒸発するまで110℃で撹拌した。含浸後、試料を110℃で4時間乾燥し、空気の気流中400℃で4時間か焼した。
【0064】
[実施例2:触媒B]
[0064]SiO−Al支持材担持Nbを実施例1と同じ合成方法で調製した。この場合、SiO−Al(60:40)SASOL SIRAL−40(BET面積=520m/g)を支持材として使用した。
【0065】
[実施例3:触媒C]
[0065]SiOの代わりに、今回はTiOを支持材として使用する点以外は実施例1と同様にして、TiO支持材担持Nbも含浸法で調製した。Sachtleben社製のHombicat Type IIを、BET表面積(m/g)を有するTiO源として使用した。
【0066】
[実施例4:触媒D]
[0066]実施例1と同様に、ZrO支持材担持Nbの調製を行う。この場合、デグザ(Degussa)社製のZrOを使用した。
【0067】
[実施例5:固定床反応器中における反応の説明]
[0067]触媒実験を、内径6mmおよび長さ1mの螺旋状管形連続運転固定床反応器中で行った。反応域は熱風炉(GCオーブンなど)中に存在し、熱風炉で、所望の温度を反応時間全体にわたって均等に調整した。反応域の端部では、ワイヤ(メッシュ)によって、触媒粒子が反応器から伴出されるのを防止した。シクロヘキサノンオキシムと溶媒および各添加成分を容器中で混合し、Telabポンプにより気化装置にフィードした。そこで、遊離体混合物をNと混合し、ポンプでガスの形として反応器に送り込んだ。
【0068】
[0068]反応器産出物を、ドライアイスおよびイソプロパノール溶液で冷却した低温恒温装置に回収した。回収した生成物をガスクロマトグラフィーで分析し、変換率および選択率を内部標準(ウンデカン酸メチル)によって求めた。
【0069】
[実施例6〜9]
実施例6〜9(表1)は、触媒A〜Dを用いて反応時間4時間後に実現した結果を示す。
【0070】
【表1】



【0071】
比較すると、純粋なNbの触媒活性は、シクロヘキサノンオキシム変換率11.6およびカプロラクタム選択率82.2%を示す(Surface and Coatings Technology、112巻(1999年)76〜79頁)。
【0072】
[実施例10〜13]
実施例10〜13に関する以下の線図は、本発明をさらに説明する。
【0073】
実施例10(図1)は、以下の反応条件下、触媒Aの使用時における反応温度の効果を示す;WHSV=0.3hr−1、TOS=4時間、圧力=0.1バール、オキシム:エタノール比=1:9重量%、キャリアガス=N 2l/時、圧力0.1バール。
【0074】
【表2】



【0075】
実施例11(図2)は、空気雰囲気中500℃で4時間、触媒Aの再生サイクルを示す;WHSV=0.3hr−1、温度=300℃、オキシム:エタノール比=1:9重量%、キャリアガス=N2l/時、圧力0.1バール。
【0076】
実施例12(図3)は、窒素雰囲気中500℃で4時間、触媒Aの再生サイクルを示す;WHSV=0.3hr−1、温度=300℃、オキシム:エタノール比=1:9重量%、キャリアガス=N 2l/時、圧力0.1バール。
【0077】
【表3】



【0078】
【表4】



【0079】
[実施例13]
実施例13(表2)は、温度300℃、WHSV=0.3hr−1、オキシム:溶媒比=1:9重量%、キャリアガス=N 2l/時、圧力0.1バールの反応において、触媒Aに及ぼす溶媒の効果を示す。
【0080】
【表5】



【0081】
[実施例14]
実施例14(表3)は、T=300℃、WHSV 0.3hr−1、キャリアガス=N 2l/時、圧力0.1バールで、触媒Aの存在下、遊離体濃度の効果を示す。
【0082】
【表6】



【0083】
[実施例15]触媒E
塩化ニオブ(V)をイソプロパノール(二酸化ケイ素10gに対して約50ml)に溶解する。これは約1〜2時間要する。この混合物中に、室温で粉末の形の二酸化ケイ素を3時間撹拌する。3時間後に、イソプロパノールを徐々に蒸発させる。この後、触媒を550℃で8時間か焼する。
【0084】
[実施例16]
図4は、4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムからパラセタモールを生成する反応において反応温度の効果を示す。
【0085】
触媒Eを、真空下、150℃で2時間活性化する。0.1gの触媒、0.15gの4−ヒドロキシアセトフェノンオキシム、および7.8gのアセトニトリルを一緒に、丸底フラスコに導入する。反応を110〜200℃で4時間実行する。4時間後、混合物を冷却する。液体を触媒から分別し、GCで分析する。
【0086】
【表7】



【0087】
図4は、反応温度が、変換率および選択率に主要な効果をもたらすことを示す。4’−ヒドロキシアセトフェノンオキシムの変換率およびパラセタモールへの選択率は、150℃を超える反応温度で増加する。これは、最高の変換率および選択率が実現される最低の温度である(変換率97.50%、選択率94.58%)。したがって、この温度は、SiO触媒担持0.1重量%Nb触媒に最適であるとみなされる。
【0088】
[実施例17]
図5〜7は、様々な反応温度において酸化ニオブ(V)の量が変換率および選択率に及ぼす効果を示す。
【0089】
実施例16に記載するように様々な量の酸化ニオブ(V)を含浸させた触媒を、真空下150℃で2時間活性化させた。0.1gの触媒、0.15gの4’−ヒドロキシアセトフェノンオキシム、および7.8gのアセトニトリルを一緒に、丸底フラスコに導入した。反応を110〜200℃で4時間実行した。4時間後、混合物を冷却した。液体を触媒から分別し、GCで分析した。
【0090】
【表8】



【0091】
【表9】



【0092】
【表10】



【0093】
[実施例18]
実施例18、図8から、酸化ニオブ(V)の量が、4’−ヒドロキシアセトフェノンオキシムからパラセタモールへのベックマン転位に非常に顕著な効果を及ぼすことが明瞭になる。SiO担持0.10重量%Nb触媒を用いたオキシムの変換率およびパラセタモールへの選択率はニオブを含まないSiOに比べて、反応温度全範囲にわたって高い。純粋なSiOは、このベックマン転位によい触媒である(オキシムの変換率:97.41%およびパラセタモールへの選択率:95.28%)。しかし、SiOにニオブをわずかにドープすることによって(SiO担持0.10重量%Nb)、オキシムの変換率およびパラセタモールへの選択率は増加する(99.77%および95.77%)。一方、SiOに担持させた酸化ニオブ(V)が多すぎる(SiO担持0.56重量%超の酸化ニオブ(V))と、オキシムの変換率およびパラセタモールへの選択率が低下する。
【0094】
【表11】



【0095】
さらに、SiO担持0.10重量%Nb触媒によって、オキシムの変換率およびパラセタモールへの選択率が増加するだけでなく、反応温度も低下する。SiO担持0.10重量%Nb触媒の最適反応温度は、他の触媒を用いた場合の180℃でなく150℃である。SiO担持0.10重量%Nbは、150℃オキシムの変換率およびパラセタモールへの選択率が97.50%および94.98%である。
【0096】
[実施例19]
実施例19は、反応時間の効果を示す。触媒を、真空下150℃で2時間活性化する。0.1gの触媒、0.15gの4−ヒドロキシアセトフェノンオキシム、および7.8gのアセトニトリルを一緒に、丸底フラスコに導入する。反応を180℃で0.5〜4時間実行する(触媒を用いない反応の場合には1〜8時間)。反応後、混合物を冷却する。液体を触媒から分別し、GCで分析する。
【0097】
【表12】



【0098】
【表13】



【0099】
最もよい反応時間は、SiO担持0.1重量%Nbの場合2時間であり、SiO担持0.5重量%Nbの場合2時間である。
【0100】
[実施例20]
実施例20は、触媒の量の効果を示す。触媒を、真空下150℃で2時間活性化する。0.15gの4−ヒドロキシアセトフェノンオキシム、4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムの量に基づいて5〜50重量%の触媒、および7.8gのアセトニトリルを一緒に、丸底フラスコに導入する。反応を180℃で4時間行う。この後、混合物を冷却し、液体を触媒から分別し、GCで分析する。
【0101】
【表14】



【0102】
最もよい触媒の量は、4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムの使用量に基づいて少なくとも5重量%である。それによって、変換率99%および選択率95%が実現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクタムを対応するオキシムの気相または液相ベックマン転位で生成する方法であって、前記操作をNb触媒の存在下で行い、前記Nbは支持材に適用されることを特徴とする方法。
【請求項2】
無機支持材として、異なる表面積、異なる孔径と細孔径分布、および異なる酸性度を有するSiO、SiO−Al、TiO、ZrO、ゼオライト、具体的にはB−MFI、TS−1、Al−MFIなどの同形置換ペンタシル型ゼオライト、MCM−41、MCM−48などの前記MSファミリーのメソ多孔性材料、ならびにAlやBなどの第III族の典型元素の酸化物、および前記ランタン族の酸化物、具体的にはLaまたはCeOが使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Nbと同様に、Ta、Ti、V、Cu、Mn、Fe、Sn、Sb、W、Zrなどのさらに別の遷移金属を前記支持材に適用できることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記Nbの前記適用が、例えばi)Nb塩を水に溶解し、前記支持材に含浸させ、前記ロータリーエバポレーターを使用して、前記過剰の水を回転蒸発させるステップと、ii)前記「インシピエントウェットネス」法で含浸させるステップと、iii)イオン交換するステップとによる触媒生成に多用される方法で行われるが、iv)前記ニオブ化合物と前記支持材を混合させるステップによっても行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記Nbが、前記支持材に0.01〜30重量%で適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記Nb触媒が、酸化性条件下で純酸素、または空気、または窒素、メタン、もしくはアルゴンなどの不活性ガスと混合させた酸素を用いて200℃〜600℃の温度で再生されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記Nb触媒が、N、アルゴン、メタン、二酸化炭素、およびHなどの非酸化性媒体を用いて200〜700℃の温度で再生されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記気相ベックマン転位が、固定床反応器、流動層反応器、連続再生が行われる流動床反応器、プレート型反応器、または移動床反応器などの様々な反応器タイプ中で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記液相ベックマン転位が、バッチ式反応器(撹拌槽型反応器)、オートクレーブ、カスケード型反応器、トリクルベッド反応器、連続運転固定床反応器、または移動床反応器などの様々な反応器タイプ中で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記気相ベックマン転位が、250〜500℃の温度範囲で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記気相ベックマン転位が、0.01〜10バールの範囲の圧力下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記気相ベックマン転位が、1時間当たり0.02〜15のWHSVで行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記液相ベックマン転位が、20〜200℃の温度範囲で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記液相ベックマン転位が、0.5〜10バールの範囲の圧力下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
触媒1g当たりオキシム2gから触媒1g当たりオキシム100gを装填して、前記液相ベックマン転位が実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ベックマン転位が、不活性媒体、好ましくは窒素および/または水素および/またはアルゴンおよび/またはCHおよび/またはCO中で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ベックマン転位が、メタノール、エタノール、ベンゼン、シクロヘキサノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トルエン、およびキシレンなどの極性および非極性溶媒の存在下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
基質と溶媒の重量比が、1:1〜1:15の範囲で設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2012−510478(P2012−510478A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538833(P2011−538833)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001706
【国際公開番号】WO2010/063276
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】