Nb3Al超伝導コイルの接続方法
【課題】 Nb3Al超伝導コイル同士またはNb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルやNb3Sn超伝導コイルなどの他の超伝導コイルとを接続する。
【解決手段】 Nb3Al超伝導線材のニオブ母材の外周にNb3Sn層4を形成し、次いでNb3Sn層の外周を半田6で被覆した後、相手側の超伝導線材と半田を介して接続する。
【解決手段】 Nb3Al超伝導線材のニオブ母材の外周にNb3Sn層4を形成し、次いでNb3Sn層の外周を半田6で被覆した後、相手側の超伝導線材と半田を介して接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、Nb3Al超伝導コイルの接続方法に関する。詳しくは、本願発明は、Nb3Al超伝導コイル同士またはNb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルやNb3Sn超伝導コイルなどの他の超伝導コイルとの接続を可能にするNb3Al超伝導コイルの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NMR磁石は、複数の超伝導コイルを直列に接続して構成される。NMR磁石には、NMR計測の分解能や感度を向上させるために、磁場の時間的な高安定性が必要とされる。たとえば、磁場安定性について最も厳しい仕様を持つ溶液用NMRでは、磁場減衰率が1時間当たり0.1ppm以下であることが要求される。この仕様を実現するためには、超伝導コイルの一つの接続部当たり10−11オーム以下の接続抵抗とする必要がある。
【0003】
従来、超伝導コイル同士の接続には半田ディップ法が広く用いられている。半田ディップ法では、超伝導線材の銅母材またはブロンズ母材を強い酸や半田浴槽中で加熱除去し、超伝導芯線をむき出しにした後、半田ディップにより超伝導芯線の表面に半田層を形成し、線材間を半田で埋めて接続部を形成する(特許文献1、2)。
【0004】
NMR磁石では、Nb3Sn超伝導コイルが高磁場領域に使用され、NbTi超伝導コイルが低磁場領域に用いられている。だが、1GHzNMRのような超高磁場NMRを実現する場合、Nb3Sn超伝導コイルの超高磁場における超伝導特性は必ずしも十分ではないので、高磁場での超伝導特性に優れたNb3Al超伝導線材の使用が望まれる。
【0005】
また、医療用の高磁場MRIでは、超伝導コイルの直径が大きく、超伝導コイルには大きな電磁応力が加わる。Nb3Sn超伝導コイルには、電磁応力によって超伝導特性が劣化するという問題があり、応力特性に優れたNb3Al超伝導コイルの使用が望まれる。
【特許文献1】米国特許第5690991号公報
【特許文献2】米国特許第4744506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、Nb3Al超伝導線材はニオブを母材としているので、従来の半田ディップ法に不可欠な金属母材の除去と超伝導芯線の露出が不可能であり、Nb3Al超伝導コイルを接続することができず、これまでNb3Al超伝導コイルをNMRやMRIに適用することはできなかった。
【0007】
Nb3Al超伝導線材の典型的な断面構成を図1に示す。ニオブ母材1の中にニオブとアルミニウムの複合芯線2が多数埋め込まれ、外周部は安定化銅3でクラッドされている。ニオブ母材1は酸などの薬品に溶けにくく、半田浴槽中でも除去が不可能であるので、半田ディップ法に不可欠な母材の除去と超伝導芯線の露出が不可能であり、超伝導接続を形成することができなかった。
【0008】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、Nb3Al超伝導コイル同士またはNb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルやNb3Sn超伝導コイルなどの他の超伝導コイルとの接続を可能にするNb3Al超伝導コイルの接続方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、上記の課題を解決するものとして、第1に、Nb3Al超伝導線材のニオブ母材の外周にNb3Sn層を形成し、次いでNb3Sn層の外周を半田で被覆した後、相手側の超伝導線材と半田を介して接続することを特徴としている。
【0010】
本願発明は、第2に、熱処理前のNb3Al超伝導線材の表面を半田でコートした後、超伝導熱処理と同時にNb3Sn層を形成することを特徴としている。
【0011】
本願発明は、第3に、Nb3Sn層の外周に鉛ビスマススズ半田層を形成することを特徴としている。
【0012】
本願発明は、第4に、Nb3Al超伝導線材と接続するNbTi超伝導線材から金属母材を除去し、NbTi超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートすることを特徴としている。
【0013】
本願発明は、第5に、Nb3Al超伝導線材と接続するNb3Sn超伝導線材について、加熱処理により芯線にNb3Snを形成した後、金属母材を除去し、Nb3Sn超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートすることを特徴としている。
【0014】
本願発明は、第6に、形成する超伝導接続を0.4T以下の磁場に磁気シールドすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、Nb3Al超伝導コイルを形成するNb3Al超伝導線材を半田を用いて他の超伝導線材と接続することができ、Nb3Al超伝導コイルの超伝導接続が可能となる。Nb3Al超伝導コイルをNMRやMRIの超伝導コイルとして使用することができ、特にNb3Al超伝導線材の高磁場特性を生かした1GHzNMRの実現が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本願発明のNb3Al超伝導コイルの接続方法では、図1に示した二オブ母材1の外周に、図2に示すようにNb3Sn層4を形成し、そして、図3に示すように、鉛ビスマススズ半田のような超伝導特性に優れた半田層6を被覆して接続する。具体的には次のように操作する。
【0017】
Nb3Al超伝導コイルからNb3Al超伝導線材を引き出し、接続部を半田でコートした後、接続部をNb3Al超伝導コイルとともに800℃で10時間加熱し、図1に示した複合芯線2にNb3Alを形成させ、安定化銅3を図2に示すようにブロンズ5に変化させる。ブロンズ5中のスズ原子は熱処理中に拡散するので、ニオブ母材1の外周にNb3Sn層4が形成される。次いで、接続部を超伝導特性に優れた鉛ビスマススズ半田などの半田浴槽中に浸漬し、図3に示すように、ブロンズ5を除去し、Nb3Sn層4の表面に半田層6を形成する。このように処理したNb3Al超伝導線材を従来の半田ディップ法により相手側のNb3Al超伝導線材、Nb3Sn超伝導線材、NbTi超伝導線材と接続する。
【0018】
Nb3Al超伝導芯線を通った超伝導電流は、超伝導特性を示すニオブ母材1を超伝導状態で流れ、Nb3Sn層4および半田層6を介して接続した超伝導線材に流れ、超伝導接続を形成する。接続部をニオブや鉛ビスマススズ半田の臨界磁場である0.4T以下に磁気シールドすると、磁石の発生する磁場下で超伝導接続が良好に維持される。
【実施例】
【0019】
1.Nb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルの接続
まず、Nb3Al超伝導線材に対して次のような3段階の工程で処理を行う。
【0020】
処理1:Nb3Al超伝導コイルから引き出した熱処理前のNb3Al超伝導線材の接続部から絶縁被覆を取り除き、外周を低スズ組成の鉛スズ系の半田で被覆した後、接続部をNb3Al超伝導コイルとともに800℃で10時間加熱処理する。この加熱処理により、図1に示した複合芯線2にNb3Alが形成するとともに、外周部の安定化銅3が図2に示すようにブロンズ5に変化する。ブロンズ5中のスズ原子は、ニオブ母材1に固相拡散し、ニオブ母材1の外周にNb3Sn層4が形成する。
【0021】
処理2:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融したスズ組成の高い鉛フリー半田に浸し、ブロンズ5を半田浴槽中に拡散させて除去するとともに、Nb3Sn層の周りに鉛フリー半田層を形成させる。スズ組成の高い鉛フリー半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Alの特性が変化する600℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。
【0022】
処理3:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で250℃程度で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、鉛フリー半田層を超伝導臨界磁場に優れた鉛ビスマススズ半田層に置き換える。
【0023】
次に、接続相手であるNbTi超伝導線材に対して次のような表面処理を行う。
【0024】
処理4:NbTi超伝導コイルから引き出したNbTi超伝導線材の接続部の絶縁被覆を取り除き、安定化銅を露出させた後、Arガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融したスズ組成の高い鉛フリー半田に浸し、銅母材を除去するとともに、NbTi超伝導芯線の周りを鉛フリー半田でコートする。スズ組成の高い鉛フリー半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、NbTiのピンニング特性が変化し始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。なお、銅母材を除去する方法は、半田浴槽への浸漬に限られず、硝酸などの薬品による除去とすることもできる。
【0025】
処理5:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、鉛フリー半田層を鉛ビスマススズ半田層に置き換える。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、NbTiのピンニング特性が変化し始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば250℃〜300℃とすることができる。
【0026】
そして、図4に示すように、Nb3Al超伝導コイルから引き出し、処理の終了したNb3Al超伝導線材7とNbTi超伝導コイルから引き出し、処理の終了したNbTi超伝導線材8をスイッチバックの方法で近接して並べ、Arガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽9に浸し、鉛ビスマススズ半田により超伝導線材7、8を接続して超伝導接続10を形成させる。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、NbTiのピンニング特性が変化し始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。超伝導線材7、8を配置する方法は、図4に示したスイッチバックに限定されない。交差配置でもよく、また、超伝導線材7、8の末端端面を平面加工しておき、両超伝導線材7、8を突き合わせるようにしてもよい。
【0027】
なお、最後の接続工程は、上記処理3と処理5の同時処理に替えることができる。
【0028】
接続後には、Nb3Al超伝導芯線を通った超伝導電流は、第2種超伝導材料であるニオブ母材を超伝導状態で流れ、Nb3Al層および鉛ビスマススズ半田層を介してNbTi超伝導線材に流れ、超伝導接続を形成する。
【0029】
実際に処理3まで行ったNb3Al超伝導線材の断面写真を図5(a)(b)に示す。ニオブ母材の外周にNb3Sn層が形成し、Nb3Sn層の周りに鉛ビスマススズ半田層が形成している。処理後のNb3Al超伝導線材とNbTi超伝導線材のスイッチバッグ接続部について、4.2ケルビンで接続抵抗を計測した結果を図6に示す。図の横軸は接続部の電流を示し、縦軸は接続部の電圧を示す。電圧が発生していない状態が超伝導状態であり、0.4Tまで超伝導状態を保っている。特に0.1T以下では十分大きな超伝導電流が流れる。したがって、図7に示すように、超伝導接続14を磁石11から十分遠方に置くか、超伝導接続14を、超伝導コイルや強磁性体15を用いて0.4T以下に磁気シールドすることにより、超伝導接続14を維持することが可能である。磁気シールドに使用する超伝導コイルには、NbTi、Nb3Snなどの金属系超伝導線材や酸化物高温超伝導線材を巻回したものを用いることができる。また、磁気シールドは、超伝導バルクによるものとすることもできる。
【0030】
本実施例では、Nb3Al超伝導線材と接続するNbTi超伝導線材として銅母材のものを例に挙げたが、NbTi超伝導線材は、たとえば永久電流スイッチに用いられるキュプロニッケル母材のものとしてもよい。また、NbTi超伝導線材はNbTi超伝導コイルから引き出したものとしたが、数mのNbTi超伝導線材を用い、このNbTi超伝導線材の一端をNb3Al超伝導線材と接続し、他端を半田ディップ法などによりNb3Sn超伝導コイル、NbTi超伝導コイル、NbTi永久電流スイッチなどと接続することも可能である。さらに、Nb3Al超伝導コイルを形成するNb3Al超伝導線材についても特に制限はなく、図1に示した断面構成を有するすべてのNb3Al超伝導線材を対象とすることができる。急熱急冷変態法によるNb3Al超伝導線材、低温拡散法によるNb3Al超伝導線材、TRUQ法やDRHQ法などによる改良型のNb3Al超伝導線材などの様々なNb3Al超伝導線材があるが、基本的な断面構成は図1に示したものと同様である。
2.Nb3Al超伝導コイルとNb3Sn超伝導コイルの接続
Nb3Al超伝導コイルから接続のために引き出したNb3Al超伝導線材に上記処理1〜処理3の3段階の処理を行う。接続する相手側のNb3Sn超伝導コイルから引き出したNb3Sn超伝導線材には、以下の2段階の工程で表面処理を行う。
【0031】
処理6:Nb3Sn化加熱処理の終了したNb3Sn超伝導コイルの接続部から絶縁被覆を取り除いた後、接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中でスズ組成の高い鉛フリー半田浴槽に浸し、Nb3Sn超伝導線材の安定化銅やブロンズ母材を除去する。スズ組成の高い鉛フリー半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Snが形成され始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。Nb3Sn超伝導芯線が露出した後、周りに鉛フリー半田層が形成する。なお、安定化銅やブロンズ母材の除去に際しては、硝酸などの強い酸で粗除去する工程を付加することもできる。
【0032】
処理7:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、接続部の外周の鉛フリー半田層を超伝導臨界磁場に優れた鉛ビスマススズ半田層に置き換える。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Snが形成され始める500℃を上限とする範囲内と温度とする。たとえば300℃とすることができる。
【0033】
処理の終了したNb3Al超伝導線材とNb3Sn超伝導線材をスイッチバックの方法などで近接して並べ、Arガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、高い超伝導臨界磁場特性を持つ鉛ビスマススズ半田を介して接続する。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Snが形成され始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば250℃とすることができる。両超伝導線材を接続するための配置方法はスイッチバックに限定されず、交差配置や端面突合せなどとすることもできる。
【0034】
なお、最後の接続工程は、上記処理3と処理7の同時処理に替えることができる。
【0035】
Nb3Al超伝導コイルとNb3Sn超伝導コイルの接続の場合にも、図7に示すように、超伝導接続14は、磁石11から十分遠方で0.4T以下の磁場に置くか、超伝導コイルや強磁性体15を用いて0.4T以下に磁気シールドして、超伝導接続14を維持させることができる。超伝導コイルにはNbTiやNb3Snなどの金属系超伝導線材を巻回したもの、酸化物高温超伝導線材を巻回したものを採用することができる。また、磁気シールドは超伝導バルクを用いたものとすることもできる。
3.Nb3Al超伝導コイルとNb3Al超伝導コイルの接続
Nb3Al超伝導コイルから接続のために引き出した2本のNb3Al超伝導線材に上記処理1〜処理3の処理を行う。
【0036】
処理の終了した2本のNb3Al超伝導線材をスイッチバックの方法で近接して並べ、Arガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、高い超伝導臨界磁場特性を持つ鉛ビスマススズ半田を介して接続する。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Alの形成が始まる500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば250℃とすることができる。両超伝導線材を接続のために配置する方法はスイッチバックに限られず、交差配置や端面接合などとすることができる。
【0037】
形成する超伝導接続は、図7に示すように、磁石11から十分遠方で0.4T以下の漏れ磁場の場所に置くか、超伝導コイルや強磁性体15によって0.4T以下の磁場に磁気シールドして、維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】Nb3Al超伝導線材の断面構成を模式的に示した図である。
【図2】ニオブ母材の外周にNb3Sn層が形成し、安定化銅がブロンズに変化した状態を示した図である。
【図3】Nb3Sn層の外周に半田層が形成した状態を示した図である。
【図4】接続部をスイッチバック方式で近接させ、半田浴槽中に浸した状態を示した図である。
【図5】(a)(b)は、それぞれ、接続前のNb3Al超伝導線材を示した断面写真である。
【図6】Nb3Al超伝導線材とNbTi超伝導線材を接続した時の接続部の電圧−電流特性を示した図である。
【図7】形成する超伝導接続の配置等について示した図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ニオブ母材
2 ニオブとアルミニウムの複合芯線
3 安定化銅
4 Nb3Sn層
5 ブロンズ
6 半田層
7 Nb3Al超伝導線材
8 NbTi超伝導線材
9 鉛ビスマススズ半田浴槽
10 超伝導接続
11 磁石
14 超伝導接続
15 超伝導コイルや強磁性体
【技術分野】
【0001】
本願発明は、Nb3Al超伝導コイルの接続方法に関する。詳しくは、本願発明は、Nb3Al超伝導コイル同士またはNb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルやNb3Sn超伝導コイルなどの他の超伝導コイルとの接続を可能にするNb3Al超伝導コイルの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NMR磁石は、複数の超伝導コイルを直列に接続して構成される。NMR磁石には、NMR計測の分解能や感度を向上させるために、磁場の時間的な高安定性が必要とされる。たとえば、磁場安定性について最も厳しい仕様を持つ溶液用NMRでは、磁場減衰率が1時間当たり0.1ppm以下であることが要求される。この仕様を実現するためには、超伝導コイルの一つの接続部当たり10−11オーム以下の接続抵抗とする必要がある。
【0003】
従来、超伝導コイル同士の接続には半田ディップ法が広く用いられている。半田ディップ法では、超伝導線材の銅母材またはブロンズ母材を強い酸や半田浴槽中で加熱除去し、超伝導芯線をむき出しにした後、半田ディップにより超伝導芯線の表面に半田層を形成し、線材間を半田で埋めて接続部を形成する(特許文献1、2)。
【0004】
NMR磁石では、Nb3Sn超伝導コイルが高磁場領域に使用され、NbTi超伝導コイルが低磁場領域に用いられている。だが、1GHzNMRのような超高磁場NMRを実現する場合、Nb3Sn超伝導コイルの超高磁場における超伝導特性は必ずしも十分ではないので、高磁場での超伝導特性に優れたNb3Al超伝導線材の使用が望まれる。
【0005】
また、医療用の高磁場MRIでは、超伝導コイルの直径が大きく、超伝導コイルには大きな電磁応力が加わる。Nb3Sn超伝導コイルには、電磁応力によって超伝導特性が劣化するという問題があり、応力特性に優れたNb3Al超伝導コイルの使用が望まれる。
【特許文献1】米国特許第5690991号公報
【特許文献2】米国特許第4744506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、Nb3Al超伝導線材はニオブを母材としているので、従来の半田ディップ法に不可欠な金属母材の除去と超伝導芯線の露出が不可能であり、Nb3Al超伝導コイルを接続することができず、これまでNb3Al超伝導コイルをNMRやMRIに適用することはできなかった。
【0007】
Nb3Al超伝導線材の典型的な断面構成を図1に示す。ニオブ母材1の中にニオブとアルミニウムの複合芯線2が多数埋め込まれ、外周部は安定化銅3でクラッドされている。ニオブ母材1は酸などの薬品に溶けにくく、半田浴槽中でも除去が不可能であるので、半田ディップ法に不可欠な母材の除去と超伝導芯線の露出が不可能であり、超伝導接続を形成することができなかった。
【0008】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、Nb3Al超伝導コイル同士またはNb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルやNb3Sn超伝導コイルなどの他の超伝導コイルとの接続を可能にするNb3Al超伝導コイルの接続方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、上記の課題を解決するものとして、第1に、Nb3Al超伝導線材のニオブ母材の外周にNb3Sn層を形成し、次いでNb3Sn層の外周を半田で被覆した後、相手側の超伝導線材と半田を介して接続することを特徴としている。
【0010】
本願発明は、第2に、熱処理前のNb3Al超伝導線材の表面を半田でコートした後、超伝導熱処理と同時にNb3Sn層を形成することを特徴としている。
【0011】
本願発明は、第3に、Nb3Sn層の外周に鉛ビスマススズ半田層を形成することを特徴としている。
【0012】
本願発明は、第4に、Nb3Al超伝導線材と接続するNbTi超伝導線材から金属母材を除去し、NbTi超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートすることを特徴としている。
【0013】
本願発明は、第5に、Nb3Al超伝導線材と接続するNb3Sn超伝導線材について、加熱処理により芯線にNb3Snを形成した後、金属母材を除去し、Nb3Sn超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートすることを特徴としている。
【0014】
本願発明は、第6に、形成する超伝導接続を0.4T以下の磁場に磁気シールドすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、Nb3Al超伝導コイルを形成するNb3Al超伝導線材を半田を用いて他の超伝導線材と接続することができ、Nb3Al超伝導コイルの超伝導接続が可能となる。Nb3Al超伝導コイルをNMRやMRIの超伝導コイルとして使用することができ、特にNb3Al超伝導線材の高磁場特性を生かした1GHzNMRの実現が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本願発明のNb3Al超伝導コイルの接続方法では、図1に示した二オブ母材1の外周に、図2に示すようにNb3Sn層4を形成し、そして、図3に示すように、鉛ビスマススズ半田のような超伝導特性に優れた半田層6を被覆して接続する。具体的には次のように操作する。
【0017】
Nb3Al超伝導コイルからNb3Al超伝導線材を引き出し、接続部を半田でコートした後、接続部をNb3Al超伝導コイルとともに800℃で10時間加熱し、図1に示した複合芯線2にNb3Alを形成させ、安定化銅3を図2に示すようにブロンズ5に変化させる。ブロンズ5中のスズ原子は熱処理中に拡散するので、ニオブ母材1の外周にNb3Sn層4が形成される。次いで、接続部を超伝導特性に優れた鉛ビスマススズ半田などの半田浴槽中に浸漬し、図3に示すように、ブロンズ5を除去し、Nb3Sn層4の表面に半田層6を形成する。このように処理したNb3Al超伝導線材を従来の半田ディップ法により相手側のNb3Al超伝導線材、Nb3Sn超伝導線材、NbTi超伝導線材と接続する。
【0018】
Nb3Al超伝導芯線を通った超伝導電流は、超伝導特性を示すニオブ母材1を超伝導状態で流れ、Nb3Sn層4および半田層6を介して接続した超伝導線材に流れ、超伝導接続を形成する。接続部をニオブや鉛ビスマススズ半田の臨界磁場である0.4T以下に磁気シールドすると、磁石の発生する磁場下で超伝導接続が良好に維持される。
【実施例】
【0019】
1.Nb3Al超伝導コイルとNbTi超伝導コイルの接続
まず、Nb3Al超伝導線材に対して次のような3段階の工程で処理を行う。
【0020】
処理1:Nb3Al超伝導コイルから引き出した熱処理前のNb3Al超伝導線材の接続部から絶縁被覆を取り除き、外周を低スズ組成の鉛スズ系の半田で被覆した後、接続部をNb3Al超伝導コイルとともに800℃で10時間加熱処理する。この加熱処理により、図1に示した複合芯線2にNb3Alが形成するとともに、外周部の安定化銅3が図2に示すようにブロンズ5に変化する。ブロンズ5中のスズ原子は、ニオブ母材1に固相拡散し、ニオブ母材1の外周にNb3Sn層4が形成する。
【0021】
処理2:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融したスズ組成の高い鉛フリー半田に浸し、ブロンズ5を半田浴槽中に拡散させて除去するとともに、Nb3Sn層の周りに鉛フリー半田層を形成させる。スズ組成の高い鉛フリー半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Alの特性が変化する600℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。
【0022】
処理3:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で250℃程度で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、鉛フリー半田層を超伝導臨界磁場に優れた鉛ビスマススズ半田層に置き換える。
【0023】
次に、接続相手であるNbTi超伝導線材に対して次のような表面処理を行う。
【0024】
処理4:NbTi超伝導コイルから引き出したNbTi超伝導線材の接続部の絶縁被覆を取り除き、安定化銅を露出させた後、Arガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融したスズ組成の高い鉛フリー半田に浸し、銅母材を除去するとともに、NbTi超伝導芯線の周りを鉛フリー半田でコートする。スズ組成の高い鉛フリー半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、NbTiのピンニング特性が変化し始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。なお、銅母材を除去する方法は、半田浴槽への浸漬に限られず、硝酸などの薬品による除去とすることもできる。
【0025】
処理5:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、鉛フリー半田層を鉛ビスマススズ半田層に置き換える。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、NbTiのピンニング特性が変化し始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば250℃〜300℃とすることができる。
【0026】
そして、図4に示すように、Nb3Al超伝導コイルから引き出し、処理の終了したNb3Al超伝導線材7とNbTi超伝導コイルから引き出し、処理の終了したNbTi超伝導線材8をスイッチバックの方法で近接して並べ、Arガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽9に浸し、鉛ビスマススズ半田により超伝導線材7、8を接続して超伝導接続10を形成させる。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、NbTiのピンニング特性が変化し始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。超伝導線材7、8を配置する方法は、図4に示したスイッチバックに限定されない。交差配置でもよく、また、超伝導線材7、8の末端端面を平面加工しておき、両超伝導線材7、8を突き合わせるようにしてもよい。
【0027】
なお、最後の接続工程は、上記処理3と処理5の同時処理に替えることができる。
【0028】
接続後には、Nb3Al超伝導芯線を通った超伝導電流は、第2種超伝導材料であるニオブ母材を超伝導状態で流れ、Nb3Al層および鉛ビスマススズ半田層を介してNbTi超伝導線材に流れ、超伝導接続を形成する。
【0029】
実際に処理3まで行ったNb3Al超伝導線材の断面写真を図5(a)(b)に示す。ニオブ母材の外周にNb3Sn層が形成し、Nb3Sn層の周りに鉛ビスマススズ半田層が形成している。処理後のNb3Al超伝導線材とNbTi超伝導線材のスイッチバッグ接続部について、4.2ケルビンで接続抵抗を計測した結果を図6に示す。図の横軸は接続部の電流を示し、縦軸は接続部の電圧を示す。電圧が発生していない状態が超伝導状態であり、0.4Tまで超伝導状態を保っている。特に0.1T以下では十分大きな超伝導電流が流れる。したがって、図7に示すように、超伝導接続14を磁石11から十分遠方に置くか、超伝導接続14を、超伝導コイルや強磁性体15を用いて0.4T以下に磁気シールドすることにより、超伝導接続14を維持することが可能である。磁気シールドに使用する超伝導コイルには、NbTi、Nb3Snなどの金属系超伝導線材や酸化物高温超伝導線材を巻回したものを用いることができる。また、磁気シールドは、超伝導バルクによるものとすることもできる。
【0030】
本実施例では、Nb3Al超伝導線材と接続するNbTi超伝導線材として銅母材のものを例に挙げたが、NbTi超伝導線材は、たとえば永久電流スイッチに用いられるキュプロニッケル母材のものとしてもよい。また、NbTi超伝導線材はNbTi超伝導コイルから引き出したものとしたが、数mのNbTi超伝導線材を用い、このNbTi超伝導線材の一端をNb3Al超伝導線材と接続し、他端を半田ディップ法などによりNb3Sn超伝導コイル、NbTi超伝導コイル、NbTi永久電流スイッチなどと接続することも可能である。さらに、Nb3Al超伝導コイルを形成するNb3Al超伝導線材についても特に制限はなく、図1に示した断面構成を有するすべてのNb3Al超伝導線材を対象とすることができる。急熱急冷変態法によるNb3Al超伝導線材、低温拡散法によるNb3Al超伝導線材、TRUQ法やDRHQ法などによる改良型のNb3Al超伝導線材などの様々なNb3Al超伝導線材があるが、基本的な断面構成は図1に示したものと同様である。
2.Nb3Al超伝導コイルとNb3Sn超伝導コイルの接続
Nb3Al超伝導コイルから接続のために引き出したNb3Al超伝導線材に上記処理1〜処理3の3段階の処理を行う。接続する相手側のNb3Sn超伝導コイルから引き出したNb3Sn超伝導線材には、以下の2段階の工程で表面処理を行う。
【0031】
処理6:Nb3Sn化加熱処理の終了したNb3Sn超伝導コイルの接続部から絶縁被覆を取り除いた後、接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中でスズ組成の高い鉛フリー半田浴槽に浸し、Nb3Sn超伝導線材の安定化銅やブロンズ母材を除去する。スズ組成の高い鉛フリー半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Snが形成され始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば300℃とすることができる。Nb3Sn超伝導芯線が露出した後、周りに鉛フリー半田層が形成する。なお、安定化銅やブロンズ母材の除去に際しては、硝酸などの強い酸で粗除去する工程を付加することもできる。
【0032】
処理7:接続部をArガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、接続部の外周の鉛フリー半田層を超伝導臨界磁場に優れた鉛ビスマススズ半田層に置き換える。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Snが形成され始める500℃を上限とする範囲内と温度とする。たとえば300℃とすることができる。
【0033】
処理の終了したNb3Al超伝導線材とNb3Sn超伝導線材をスイッチバックの方法などで近接して並べ、Arガスなどの不活性ガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、高い超伝導臨界磁場特性を持つ鉛ビスマススズ半田を介して接続する。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Snが形成され始める500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば250℃とすることができる。両超伝導線材を接続するための配置方法はスイッチバックに限定されず、交差配置や端面突合せなどとすることもできる。
【0034】
なお、最後の接続工程は、上記処理3と処理7の同時処理に替えることができる。
【0035】
Nb3Al超伝導コイルとNb3Sn超伝導コイルの接続の場合にも、図7に示すように、超伝導接続14は、磁石11から十分遠方で0.4T以下の磁場に置くか、超伝導コイルや強磁性体15を用いて0.4T以下に磁気シールドして、超伝導接続14を維持させることができる。超伝導コイルにはNbTiやNb3Snなどの金属系超伝導線材を巻回したもの、酸化物高温超伝導線材を巻回したものを採用することができる。また、磁気シールドは超伝導バルクを用いたものとすることもできる。
3.Nb3Al超伝導コイルとNb3Al超伝導コイルの接続
Nb3Al超伝導コイルから接続のために引き出した2本のNb3Al超伝導線材に上記処理1〜処理3の処理を行う。
【0036】
処理の終了した2本のNb3Al超伝導線材をスイッチバックの方法で近接して並べ、Arガスまたは真空中で溶融した鉛ビスマススズ半田浴槽に浸し、高い超伝導臨界磁場特性を持つ鉛ビスマススズ半田を介して接続する。鉛ビスマススズ半田の溶融温度は、半田が溶融する200℃程度を下限とし、Nb3Alの形成が始まる500℃を上限とする範囲内の温度とする。たとえば250℃とすることができる。両超伝導線材を接続のために配置する方法はスイッチバックに限られず、交差配置や端面接合などとすることができる。
【0037】
形成する超伝導接続は、図7に示すように、磁石11から十分遠方で0.4T以下の漏れ磁場の場所に置くか、超伝導コイルや強磁性体15によって0.4T以下の磁場に磁気シールドして、維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】Nb3Al超伝導線材の断面構成を模式的に示した図である。
【図2】ニオブ母材の外周にNb3Sn層が形成し、安定化銅がブロンズに変化した状態を示した図である。
【図3】Nb3Sn層の外周に半田層が形成した状態を示した図である。
【図4】接続部をスイッチバック方式で近接させ、半田浴槽中に浸した状態を示した図である。
【図5】(a)(b)は、それぞれ、接続前のNb3Al超伝導線材を示した断面写真である。
【図6】Nb3Al超伝導線材とNbTi超伝導線材を接続した時の接続部の電圧−電流特性を示した図である。
【図7】形成する超伝導接続の配置等について示した図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ニオブ母材
2 ニオブとアルミニウムの複合芯線
3 安定化銅
4 Nb3Sn層
5 ブロンズ
6 半田層
7 Nb3Al超伝導線材
8 NbTi超伝導線材
9 鉛ビスマススズ半田浴槽
10 超伝導接続
11 磁石
14 超伝導接続
15 超伝導コイルや強磁性体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Nb3Al超伝導線材のニオブ母材の外周にNb3Sn層を形成し、次いでNb3Sn層の外周を半田で被覆した後、相手側の超伝導線材と半田を介して接続することを特徴とするNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項2】
熱処理前のNb3Al超伝導線材の表面を半田でコートした後、超伝導熱処理と同時にNb3Sn層を形成する請求項1記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項3】
Nb3Sn層の外周に鉛ビスマススズ半田層を形成する請求項1または2記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項4】
Nb3Al超伝導線材と接続するNbTi超伝導線材から金属母材を除去し、NbTi超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートする請求項1ないし3いずれか1項に記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項5】
Nb3Al超伝導線材と接続するNb3Sn超伝導線材について、加熱処理により芯線にNb3Snを形成した後、金属母材を除去し、Nb3Sn超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートする請求項1ないし3いずれか1項に記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項6】
形成する超伝導接続を0.4T以下の磁場に磁気シールドする請求項1ないし5いずれか1項に記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項1】
Nb3Al超伝導線材のニオブ母材の外周にNb3Sn層を形成し、次いでNb3Sn層の外周を半田で被覆した後、相手側の超伝導線材と半田を介して接続することを特徴とするNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項2】
熱処理前のNb3Al超伝導線材の表面を半田でコートした後、超伝導熱処理と同時にNb3Sn層を形成する請求項1記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項3】
Nb3Sn層の外周に鉛ビスマススズ半田層を形成する請求項1または2記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項4】
Nb3Al超伝導線材と接続するNbTi超伝導線材から金属母材を除去し、NbTi超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートする請求項1ないし3いずれか1項に記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項5】
Nb3Al超伝導線材と接続するNb3Sn超伝導線材について、加熱処理により芯線にNb3Snを形成した後、金属母材を除去し、Nb3Sn超伝導芯線の表面を、Nb3Al超伝導線材の表面をコートした半田と同じ半田でコートする請求項1ないし3いずれか1項に記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【請求項6】
形成する超伝導接続を0.4T以下の磁場に磁気シールドする請求項1ないし5いずれか1項に記載のNb3Al超伝導コイルの接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2007−81244(P2007−81244A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269056(P2005−269056)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度、文部科学省、タンパク3000委託研究「タンパク質基本構造の網羅的解析プログラム」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度、文部科学省、タンパク3000委託研究「タンパク質基本構造の網羅的解析プログラム」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】
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