説明

Notch1受容体結合剤およびその使用方法

がんの診断、特徴付け、予後診断、および処置、ならびにがん幹細胞を特異的に標的化するための手段および方法を開示する。ヒトNotch受容体の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合して腫瘍成長を阻害する抗体、および該抗体を対象に投与する段階を含む、がんを処置する方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトNotch1受容体の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合しかつ腫瘍成長を阻害する単離された抗体。
【請求項2】
少なくとも一つのさらなるNotch受容体の、細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
Notch1のアンタゴニストである、請求項1または2記載の抗体。
【請求項4】
Notch1の活性化を阻害する、請求項1〜3のいずれか一項記載の抗体。
【請求項5】
膜近位領域内の切断を阻害する、請求項1〜4のいずれか一項記載の抗体。
【請求項6】
膜近位領域内のS2部位での切断を阻害する、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項7】
Notch1の細胞内ドメイン(ICD)の放出を阻害する、請求項1〜6のいずれか一項記載の抗体。
【請求項8】
IgA、IgD、IgE、IgGまたはIgM抗体である、請求項1〜7のいずれか一項記載の抗体。
【請求項9】
IgG1抗体である、請求項1〜7のいずれか一項記載の抗体。
【請求項10】
IgG2抗体である、請求項1〜7のいずれか一項記載の抗体。
【請求項11】
モノクローナル抗体である、請求項1〜10のいずれか一項記載の抗体。
【請求項12】
キメラ抗体である、請求項1〜11のいずれか一項記載の抗体。
【請求項13】
ヒト化抗体である、請求項1〜12のいずれか一項記載の抗体。
【請求項14】
ヒト抗体である、請求項1〜12のいずれか一項記載の抗体。
【請求項15】
抗体断片である、請求項1〜14のいずれか一項記載の抗体。
【請求項16】
一価抗体である、請求項1〜15のいずれか一項記載の抗体。
【請求項17】
Notch1受容体の非リガンド結合性の膜近位領域がSEQ ID NO:2を含む、請求項1〜16のいずれか一項記載の抗体。
【請求項18】
RGYWIE (SEQ ID NO:15)を含んだ重鎖CDR1、

を含んだ重鎖CDR2、およびFDGNYGYYAMDY (SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR3を含む、請求項1〜17のいずれか一項記載の抗体。
【請求項19】
RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、および

を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む、請求項18記載の抗体。
【請求項20】
RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、および

を含んだ軽鎖CDR3を含む、請求項1〜17のいずれか一項記載の抗体。
【請求項21】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、RGYWIE (SEQ ID NO:15)を含んだ重鎖CDR1、

を含んだ重鎖CDR2、および/またはFDGNYGYYAMDY (SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR3を含む、抗体。
【請求項22】
RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、および/または

を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む、請求項21記載の抗体。
【請求項23】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、および/または

を含んだ軽鎖CDR3を含む、抗体。
【請求項24】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、
(a) RGYWIE (SEQ ID NO:15)を含んだ重鎖CDR1、

を含んだ重鎖CDR2、およびFDGNYGYYAMDY (SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR3; ならびに/あるいは
(b) RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、および

を含んだ軽鎖CDR3を含む、抗体。
【請求項25】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、(a) RGYWIE (SEQ ID NO:15)を含んだ重鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; (b)

を含んだ重鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; および(c) FDGNYGYYAMDY (SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種を含む重鎖可変領域を含む、抗体。
【請求項26】
(a) RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; (b) GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; および/あるいは(c)

を含んだ軽鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種を含む軽鎖可変領域をさらに含む、請求項25記載の抗体。
【請求項27】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、(a) RSSTGAVTTSNYAN (SEQ ID NO:18)を含んだ軽鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; (b) GTNNRAP (SEQ ID NO:19)を含んだ軽鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; および/あるいは(c)

を含んだ軽鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種を含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
【請求項28】
アミノ酸置換が保存的アミノ酸置換である、請求項25〜27のいずれか一項記載の抗体。
【請求項29】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、該膜近位領域内における、ATTC特許寄託番号PTA-9405として寄託されたハイブリドーマ細胞株により産生される抗体52M51が結合するエピトープと同じエピトープに結合する、抗体。
【請求項30】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合しかつNotch1 ICDの形成を阻害する単離された抗体であって、腫瘍成長を阻害する、抗体。
【請求項31】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域への特異的な結合について請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体と競合する、単離された抗体。
【請求項32】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域への特異的な結合について請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体と競合的結合アッセイにおいて競合する、単離された抗体。
【請求項33】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域への特異的な結合について抗体52M51と競合する単離された抗体。
【請求項34】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する単離された抗体であって、(a) SEQ ID NO:14もしくはSEQ ID NO:24に対して少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域; および/または(b) SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:28もしくはSEQ ID NO:32に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む、抗体。
【請求項35】
重鎖可変領域がSEQ ID NO:14もしくはSEQ ID NO:24に対して少なくとも95%の配列同一性を有し; かつ/または(b) 軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:28もしくはSEQ ID NO:32に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項34記載の抗体。
【請求項36】
以下を含む、単離されたポリペプチド:
(a) SEQ ID NO:14もしくはSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を有するポリペプチド; および/または
(b) SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:28もしくはSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を有するポリペプチド。
【請求項37】
抗体である、請求項36記載のポリペプチド。
【請求項38】
SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有するポリペプチドおよびSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項36記載のポリペプチド。
【請求項39】
SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を有するポリペプチドおよびSEQ ID NO:28のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項36記載のポリペプチド。
【請求項40】
SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を有するポリペプチドおよびSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項36記載のポリペプチド。
【請求項41】
ATCC特許寄託指定番号PTA-9549として寄託されているプラスミドによりコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗体。
【請求項42】
ATCC特許寄託指定番号PTA-9405として寄託されているハイブリドーマ細胞株により産生される抗体。
【請求項43】
請求項36または37記載のポリペプチドを含む、ヒトNotch1に特異的に結合する抗体。
【請求項44】
以下を含む、ヒトNotch1に特異的に結合する抗体:
SEQ ID NO:14もしくはSEQ ID NO:24を含んだポリペプチド; および
SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:28もしくはSEQ ID NO:32を含んだポリペプチド。
【請求項45】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
【請求項46】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドおよび少なくとも一つのさらなる抗がん剤を含む薬学的組成物。
【請求項47】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項48】
請求項47記載のポリヌクレオチド分子を含む発現ベクター。
【請求項49】
請求項48記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項50】
請求項47記載のポリヌクレオチド分子を含む宿主細胞。
【請求項51】
ATCC特許寄託指定番号PTA-9405として寄託されているハイブリドーマ細胞株。
【請求項52】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体を産生する細胞株。
【請求項53】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドと細胞とを接触させる段階を含む、細胞におけるNotch1の活性を阻害する方法。
【請求項54】
細胞が腫瘍細胞である、請求項53記載の方法。
【請求項55】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドの治療的有効量を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍の成長を阻害する方法。
【請求項56】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドの治療的有効量を対象に投与する段階を含む、対象におけるがん幹細胞を含む腫瘍の腫瘍形成性を低下させる方法であって、該腫瘍中のがん幹細胞の頻度または数が該抗体またはポリペプチドの投与によって低下する、方法。
【請求項57】
腫瘍または腫瘍細胞が、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、肝臓腫瘍、腎腫瘍、肺腫瘍、膵臓腫瘍、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍、および頭頸部腫瘍からなる群より選択される、請求項55または56記載の方法。
【請求項58】
請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体またはポリペプチドの治療的有効量を対象に投与する段階を含む、対象におけるがんを処置する方法。
【請求項59】
がんが、乳房がん、結腸直腸がん、肝がん、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、消化器がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、子宮頸がん、膀胱がん、グリア芽腫、および頭頸部がんからなる群より選択される、請求項58記載の方法。
【請求項60】
少なくとも一つのさらなる抗がん剤/治療剤を対象に投与する段階をさらに含む、請求項55〜59のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
さらなる抗がん剤が、タキソール、イリノテカン、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンからなる群より選択される、請求項60記載の方法。
【請求項62】
抗がん剤がさらなる抗体治療薬である、請求項60記載の方法。
【請求項63】
さらなる抗体治療薬が、第二のNotch受容体に特異的に結合する抗体を含む、請求項62記載の方法。
【請求項64】
さらなる抗体治療薬が、VEGFに特異的に結合する抗体を含む、請求項62記載の方法。
【請求項65】
さらなる抗体治療薬が、Notch受容体リガンドに特異的に結合する抗体を含む、請求項62記載の方法。
【請求項66】
Notch受容体リガンドがDLL4である、請求項65記載の方法。
【請求項67】
Notch受容体リガンドがJAG1である、請求項65記載の方法。
【請求項68】
抗体が細胞傷害性部分に結合されている、請求項55〜67のいずれか一項記載の方法。
【請求項69】
抗体が放射線療法とともに投与される、請求項55〜68のいずれか一項記載の方法。
【請求項70】
抗体が化学療法とともに投与される、請求項55〜59のいずれか一項記載の方法。
【請求項71】
ヒトNotch1の細胞外ドメインの非リガンド結合性の膜近位領域に特異的に結合する抗体の治療的有効量を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍の成長を阻害する方法であって、該結合によりNotch1の活性が阻害される、方法。
【請求項72】
腫瘍が、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、肝臓腫瘍、腎腫瘍、肺腫瘍、膵臓腫瘍、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍、および頭頸部腫瘍からなる群より選択される、請求項71記載の方法。
【請求項73】
対象がヒトである、請求項71または72記載の方法。
【請求項74】
抗体がNotch1のアンタゴニストである、請求項71〜73のいずれか一項記載の方法。
【請求項75】
抗体がIgG1抗体である、請求項71〜73のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
抗体がIgG2抗体である、請求項71〜74のいずれか一項記載の方法。
【請求項77】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項71〜76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
抗体がキメラ抗体である、請求項71〜77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
抗体がヒト化抗体である、請求項71〜78のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
抗体がヒト抗体である、請求項71〜78のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
抗体が抗体断片である、請求項71〜80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
抗体が細胞傷害剤に結合されている、請求項71〜81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
併用療法を実施するのに適した少なくとも一つのさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む、請求項71〜82のいずれか一項記載の方法。
【請求項84】
Notch1の活性を阻害する抗体の有効量と腫瘍とを接触させる段階を含む、腫瘍中のがん幹細胞の頻度または数を低下させることによりがん幹細胞を含む腫瘍の腫瘍形成性を低下させる方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公表番号】特表2012−501626(P2012−501626A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517417(P2011−517417)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/003995
【国際公開番号】WO2010/005567
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(308031072)オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】